以下、図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。
なお、以下の実施形態では、3GPPで検討されているLTE-Advancedシステムの仕様に適用した場合を一例として説明する。しかしながら、本発明がLTE-Advancedシステムの仕様に適用した場合に限定されることを意図するものではない。
図4は、実施形態に従った無線通信システムの構成例である。
図4に示した無線通信システムには、移動局UE10−1、リレーノードRN20、第1無線基地局S−DeNB30s、第2無線基地局T−DeNB30t、第1移動管理装置MME40、ゲートウェイGW50が含まれる。
図4では、移動局UE10−1は、リレーノードRN20の通信エリア内に存在し、リレーノードRN20と接続している。なお、図4では、リレーノードRN20は、通信エリア内に存在する1つの移動局UE10−1と接続している。しかしながら、リレーノードRN20は、通信エリア内の複数の移動局UE10−1〜10−n(nは任意の整数)と接続し得る。
リレーノードRN20は、第1無線基地局S−DeNB30sの通信エリア内に存在し、第1無線基地局S−DeNB30sと接続している。
第1無線基地局S−DeNB30sは、第1移動管理装置MME40およびゲートウェイGW50と夫々接続している。第2無線基地局T−DeNB30tは、第1移動管理装置MME40およびゲートウェイGW50と夫々接続している。第1移動管理装置MME40およびゲートウェイGW50は、EPCと称されるコアネットワークに含まれるノードである。
なお、図4に示した無線通信システムの構成例では、第1無線基地局S−DeNB30sおよび第2無線基地局T−DeNB30tは、同一の第1移動管理装置MME40に接続されている。しかしながら、図4に示した無線システムの構成例とは異なり、実施形態によっては、第2無線基地局T−DeNB30tが、第1無線基地局S−DeNB30sとは異なる第2移動管理装置MMEに接続されてもよい。
図4に示した無線通信システムでは、リレーノードRN20の配下にある移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータは、経路p11に示すように、ゲートウェイGW50、無線基地局S−DeNB30sを介してリレーノードRN20に転送される。
実施形態では、リレーノードRN20、第1無線基地局S−DeNB30s、第2無線基地局T−DeNB30t、および第1移動管理装置MME40は、次の(1)から(6)に示す処理を実行する。
(1)リレーノードRN20は、通信エリア内に存在する通信中の全ての移動局UE10−1〜10−nを管理する。リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々の通信開始時に行なわれるRRC接続およびE-RAB設定の過程で、移動局UE10−1〜10−n夫々のインスタンス情報およびコンテキスト情報を捕捉する。そして、リレーノードRN20は、補足したインスタンス情報およびコンテキスト情報を移動局UE毎に記憶する。すなわち、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々のコンテキスト情報を移動局UE10−1〜10−n夫々のインスタンス情報に対応付けて記憶する。
一方、リレーノードRN20は、E-RABが解放された場合、対象となる移動局UE10−1〜10−nのインスタンス情報およびコンテキスト情報を解放する。E-RABは、終話、無線リンク障害(Radio Link Failure、RLF)等の異常発生、およびリレーノードRN20の配下から別リレーノードRNまたは無線基地局T−DeNBの配下への移動局UE10−1〜10−nの移動等により解放される。
(2)リレーノードRN20は、自局RN20の移動による第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化を検出する。
(3)図4に示した無線通信システムの構成例のように、第1無線基地局S−DeNB30sおよび第2無線基地局T−DeNB30tが同一の第1移動管理装置MME40に接続され、第1無線基地局S−DeNB30sと第2無線基地局T−DeNB30tとの間にX2インタフェースが確立していたケースを想定する。このケースをX2ハンドオーバのケースと便宜的に以後称することとする。
X2ハンドオーバのケースでは、リレーノードRN20は、自局RN20が備える移動局UEと同様の機能を用いて、上記(2)での自局RN20における無線品質劣化の検出を契機に、自局RN20に対するX2ベースのハンドオーバ処理を実施する。
また、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−nからの“無線環境測定報告”メッセージの受信を契機とせずに、上記(2)での自局RN20における無線品質劣化の検出に基づき、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を開始する。
すなわち、リレーノードRN20は、通信中の全ての移動局UE10−1〜10−nの情報(上記(1)の処理で取得したインスタンス情報およびコンテキスト情報)を基に、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ制御信号を生成する。そして、リレーノードRN20は、生成したハンドオーバ制御信号を第2無線基地局T−DeNB30tへ通知する。
なお、通信中の全ての移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ制御信号の自律的通知は、移動局UE毎に実施されてもよい。また、全ての移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ制御信号を1つに束ねて実施されてもよい。
(4)上記の(3)の仮定とは異なり、第2無線基地局T−DeNB30tが第1無線基地局S−DeNB30sとは異なる第2移動管理装置MMEに接続され、第1無線基地局S−DeNB30sと第2無線基地局T−DeNB30tとの間にX2インタフェースが確立していないケースを想定する。このケースをS1ハンドオーバのケースと便宜的に以後称することとする。
S1ハンドオーバのケースでは、リレーノードRN20は、自局RN20が備える移動局UEと同様の機能を用いて、上記(2)での自局RN20における無線品質劣化の検出を契機に、自局RN20に対するS1ベースのハンドオーバ処理を実施する。
また、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−nからの“無線環境測定報告”メッセージの受信を契機とせずに、上記(2)での自局RN20における無線品質劣化の検出に基づき、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を開始する。
すなわち、リレーノードRN20は、通信中の全ての移動局UE10−1〜10−nの情報(上記(1)の処理で取得したインスタンス情報およびコンテキスト情報)を基に、ハンドオーバ制御信号を生成する。そして、リレーノードRN20は、生成したハンドオーバ制御信号を第1移動管理装置MME40へ通知する。
(5)ハンドオーバ処理の過程において、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータを第2無線基地局T−DeNB30tへ夫々転送すること(forwarding)を抑止する。
したがって、上記(3)のX2ハンドオーバのケースでは、移動局UE10−1〜10nに対するハンドオーバ制御信号を第2無線基地局T−DeNB30tから受信したとしても、リレーノードRN20は、第2無線基地局T−DeNB30tへのユーザデータの転送処理を開始しない。また、上記(4)のS1ハンドオーバのケースでは、移動局UE10−1〜10nに対するハンドオーバ制御信号を第1移動管理装置40から受信したとしても、リレーノードRN20は、第2無線基地局T−DeNB30tへのユーザデータの転送を開始しない。
但し、リレーノードRN20との間の無線品質劣化が発生し、且つ第2無線基地局T−DeNB30tとは異なる第3無線基地局T−DeNBへハンドオーバするとリレーノードRN20が決定した移動局UE10−x(xはn以下の任意の整数)が存在したとする。この場合、リレーノードRN20は、移動局UE10−xを第3無線基地局T−DeNBへハンドオーバする処理を行う際に、移動局UE10−xに関する第3無線基地局T−DeNBへのユーザデータの転送を実施する。
(6)第2無線基地局T−DeNB30tは、リレーノードRN20からハンドオーバ制御信号を受信すると、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を実施する(上記(3)のX2ハンドオーバのケース)。あるいは、第1移動管理装置MME40は、リレーノードRN20からハンドオーバ制御信号を受信すると、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を実施する(上記(4)のS1ハンドオーバのケース)。
(1)から(6)で前述したハンドオーバ処理では、リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化を検出すると、自局RN20に対するハンドオーバ処理を実行する。また、リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化の検出を契機に、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を自律的に実行する。
すなわち、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに対する記憶済みの情報に基づいて、移動局UE1−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を開始する。そして、図4中のユーザデータの転送経路p11〜p13から明らかなように、リレーノードRN20は、移動局UE1−1〜10−nに対するハンドオーバ処理の過程で、移動局UE1−1〜10−nに関するユーザデータの転送(forwarding)を行なわない。
したがって、実施形態に従えば、図3を示して前述したハンドオーバ制御手順が実行された場合とは異なり、同一リレーノードRN20間での不必要なユーザデータの転送をなくし、ユーザデータの転送を効率的に実施することができる。
実施形態に従ったハンドオーバ制御手順を図5〜図8を参照しながら説明する。
なお、図5〜図8を参照しながら説明するシーケンスは、一例にすぎず、必ずしも時系列的に処理されなくてもよく、並列的にもしくは個別に実行されてもよい処理が含まれる。また、実施形態のハンドオーバ制御手順は、図5〜図8に図示されない処理の付加を排除するものではない。
図5は、移動局UEが通信を開始するまでの実施形態に従ったハンドオーバ制御のシーケンス図である。
図5では、リレーノードRN20は、E−UTRANおよびEPCに登録(attach)されており、第1無線基地局S−DeNB30sおよび第1移動管理装置MME40と接続されている(S1001)。また、移動局UE10−1〜10−nとリレーノードRN20との間の接続状態は、無線リソース制御(RRC)アイドル状態にある(S1002)。
移動局UE10−1〜10−nは、セルサーチ処理によりリレーノードRN20を検出し、リレーノードRN20により割り当てられたリソースを用いて、“無線リソース制御接続要求(RRC Connection Request)”メッセージをリレーノードRN20へ夫々送信する(S1003)。
リレーノードRN20は、セル無線ネットワーク一時識別子(Cell Radio Network Temporary Identifier、C−RNTI)といった移動局UE10−1〜10−n夫々のインスタンスを捕捉し、補足したインスタンスを移動局UE毎に記憶する(S1004)。
セル無線ネットワーク一時識別子は、制御のために割り振られた移動局UE10−1〜10−n夫々の識別子である。セル無線ネットワーク一時識別子といったインスタンスは、無線リソース制御が確立している間は保持される。
リレーノードRN20は、“無線リソース制御接続設定(RRC Connection Setup)”メッセージを移動局UE10−1〜10−n夫々へ送信する(S1005)。
移動局UE10−1〜10−nは、“無線リソース制御接続設定完了(RRC Connection Setup Complete)”メッセージをリレーノードRN20へ夫々送信する(S1006)。
リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“初期UEメッセージ(Initial UE Message)”を第1移動管理装置MME40へ送信する(S1007)。
夫々の移動局UE10−1〜10−nと第1移動管理装置MME40との間で認証処理およびセキュリティ処理が行われた後、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する登録処理を行う。そして、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“初期コンテキスト設定要求(Initial Context Setup Request)”メッセージをリレーノードRN20へ送信する(S1008)。
リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−nに対する“初期コンテキスト設定要求”メッセージによって第1移動管理装置MME40から夫々通知された移動局UE10−1〜10−nのコンテキスト情報を移動局UE毎に記憶する(S1009)。すなわち、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々のコンテキスト情報を移動局UE10−1〜10−n夫々のインスタンスと対応付けて記憶する。
リレーノードRN20に記憶される移動局UE10−1〜10−n夫々のコンテキスト情報には、S1−MMEインタフェースUE識別情報(MME UE S1AP ID)、UEセキュリティ機能(UE Security Capabilities)、UE合計最大ビットレート(UE Aggregate Maximum Bit Rate)、E−RAB識別情報(E-RAB ID)、E−RABレベルQoSパラメータ(E-RAB Level QoS Parameters)、およびアップリンクGTP(GPRS Tunneling Protocol)トンネル終端点(UL GTP Tunnel Endpoint)が含まれる。
リレーノードRN20は、“UEキャパビリティ・エンクイリィ(UE Capability Enquiry)”メッセージを移動局UE10−1〜10−n夫々へ送信する(S1010)。
移動局UE10−1〜10−nは、“UEキャパビリティ情報(UE Capability Information)”メッセージをリレーノードRN20へ夫々送信する(S1011)。
リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“UEキャパビリティ情報指示(UE Capability Info Indication)”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S1012)。
リレーノードRN20は、“セキュリティモード命令(Security Mode Command)”を移動局UE10−1〜10−n夫々へ送信する(S1013)。
移動局UE10−1〜10−nは、“セキュリティモード完了(Security Mode Complete)”メッセージをリレーノードRN20へ夫々送信する(S1014)。
リレーノードRN20は、“無線リソース制御接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)”メッセージを移動局UE10−1〜10−n夫々へ送信する(S1015)。
移動局UE10−1〜10−nは、“無線リソース制御接続再構成完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)”メッセージをリレーノードRN20へ夫々送信する(S1016)。
リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“初期コンテキスト設定応答(Initial Context Setup Response)”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S1017)。
第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“E−RAB設定要求(E-RAB Setup Request)”メッセージをリレーノードRN20へ送信する(S1018)。
リレーノードRN20は、“無線リソース制御接続再構成”メッセージを移動局UE10−1〜10−n夫々へ送信する(S1019)。
移動局UE10−1〜10−nは、“無線リソース制御接続再構成完了”メッセージをリレーノードRN20へ夫々送信する(S1020)。
リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“E−RAB設定応答(E-RAB Setup Response)”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S1021)。
このように、無線リソース制御(RRC)およびE−RABが設定されると、移動局UE10−1〜10―nは、リレーノードRN20、第1無線基地局S−DeNB30s、および第1移動管理装置MME40を介した通信を夫々開始する(S1022)。
上述したように、実施形態では、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−n夫々のインスタンスを移動局UE毎に記憶する。また、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“初期コンテキスト設定要求”メッセージによって第1移動管理装置MME40から通知された移動局UE10−1〜10−n夫々のコンテキスト情報を移動局UE毎に記憶する。
図6は、X2ハンドオーバのケースの実施形態に従ったハンドオーバ制御のシーケンス図である。
図6に示したハンドオーバ制御シーケンス図には、移動局UE10−1〜10−n夫々が通信中である状態(図5のステップS1022)以降のシーケンスが示されている。
移動局UE10−1〜10−nが通信中である時に、移動局UE10−1〜10−nおよびリレーノードRN20が第1無線基地局S−DeNB30sの通信エリアから第2無線基地局T−DeNBの通信エリアへ移動したとする(S2001)。
リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質が劣化したことを検出する(S2002)。そして、リレーノードRN20は、自局RN20の“無線環境測定報告(Measurement Report)”メッセージを第1無線基地局S−DeNB30sへ送信する(S2003)。
第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対する第2無線基地局T−DeNB30tへのハンドオーバを決定する。そして、第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S2004)。
リレーノードRN20は、自局RN20に記憶している、通信中の移動局UE10−1〜10−n夫々のインスタンス情報およびコンテキスト情報(図5のS1004およびS1009で記憶した情報)を抽出する。そして、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに対する第2無線基地局T−DeNB30tへのハンドオーバを決定し、通信中の移動局UE10−1〜10−nに対する夫々のハンドオーバ処理を自律的に開始する(S2005)。
リレーノードRN20は、抽出したインスタンス情報およびコンテキスト情報に基づいて、移動局UE10−1〜10−nに対する“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージを生成する。そして、リレーノードRN20は、生成した“ハンドオーバ要求”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S2006)。このとき、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ要求”メッセージを1つに束ねて送信してもよい。
リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータの夫々の転送(forwarding)を抑止する(S2007)。
第2無線基地局T−DeNB30tは、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ要求確認(Handover Request Ack)”メッセージを第1無線基地局S−DeNB30sへ送信する(S2008)。
また、第2無線基地局T−DeNB30tは、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ要求確認”メッセージをリレーノードRN20へ送信する(S2009)。このとき、第2無線基地局T−DeNB30tは、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ要求応答”メッセージを1つに束ねて送信してもよい。
ステップ2007において、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータの夫々の転送を抑止している。したがって、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10nに対する“ハンドオーバ要求確認”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tから受信しても、第2無線基地局T−DeNB30tへのユーザデータの転送処理を開始しない。
第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対する“無線リソース制御接続再構成(RRC Connection Reconf)”メッセージをリレーノードRN20へ送信する(S2010)。
リレーノードRN20は、自局RN20に対する“ハンドオーバ完了(Handover Complete)”メッセージ(“無線リソース制御接続再構成完了(RRC Connection Reconf Comp)”メッセージ)を、第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S2011)。
また、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ完了”メッセージ(“無線リソース制御接続再構成完了”メッセージ)を、第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S2012)。
第2無線基地局T−DeNB30tは、リレーノードRN20に対する“パス切り替え要求(Path Switch Request)”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S2013)。
また、第2無線基地局T−DeNB30tは、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“パス切り替え要求”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S2014)。
第1移動管理装置MME40は、リレーノードRN20に対する“ベアラ変更要求(Modify Bearer Request)”メッセージをゲートウェイ50に送信する。また、第1移動管理装置MME40は、リレーノードRN20に対する“ベアラ変更応答(Modify Bearer Response)”メッセージをゲートウェイ50から受信する。そして、第1移動管理装置MME40は、リレーノードRN20に対する“パス切り替え要求確認(Path Switch Request Ack)”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S2015)。
また、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ベアラ変更要求”メッセージをゲートウェイ50に送信する。また、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ベアラ変更応答”メッセージをゲートウェイ50から受信する。そして、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“パス切り替え要求確認”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S2016)。
第2無線基地局T−DeNB30tは、リレーノードRN20に対する“RNコンテキスト解放(RN Context Release)”メッセージを第1無線基地局S−DeNB30sへ送信する(S2017)。第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対するコンテキストを解放する。
図6に示したハンドオーバ制御シーケンスによれば、リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化を検出すると、自局RN20に対するハンドオーバ処理を実行する。また、リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化の検出を契機に、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を自律的に実行する。
すなわち、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nの記憶済みの情報に基づいて、移動局UE1−1〜10−n夫々のハンドオーバ処理を自律的に開始する。
また、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータの夫々の転送(forwarding)を抑止する。この結果、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10nに対する“ハンドオーバ要求確認”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tから受信しても、ユーザデータの転送を行なわない。
したがって、実施形態に従えば、移動局UE10−1〜10−nおよびリレーノードRN20がハンドオーバした場合に、同一リレーノードRN20間における不必要なユーザデータの転送を防ぎ、ユーザデータの転送処理の効率化を図ることができる。
図7は、S1ハンドオーバのケースの実施形態に従ったハンドオーバ制御のシーケンス図である。
なお、図7に示した第2移動管理装置MME41は、第2無線基地局T−DeNB30tに接続されている移動管理装置MMEを指す。すなわち、図7に示したS1ハンドオーバのケースでは、第1無線基地局S−DeNB30sは、第1移動管理装置MME40と接続され、第2無線基地局T−DeNB30tは、第1移動管理装置MME40とは異なる第2移動管理装置MME41と接続されている。
図7に示したハンドオーバ制御シーケンス図には、移動局UE10−1〜10−n夫々が通信中である状態(図5のステップS1022)以降のシーケンスが示されている。
移動局UE10−1〜10−nが通信中である時に、移動局UE10−1〜10−nおよびリレーノードRN20が第1無線基地局S−DeNB30sの通信エリアから第2無線基地局T−DeNBの通信エリアへ移動したとする(S3001)。
リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質が劣化したことを検出する(S3002)。そして、リレーノードRN20は、自局RN20の“無線環境測定報告(Measurement Report)”メッセージを第1無線基地局S−DeNB30sへ送信する(S3003)。
第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対する第2無線基地局T−DeNB30tへのハンドオーバを決定する。そして、第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ実行要求(Handover Required)”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S3004)。
リレーノードRN20は、自局RN20に記憶している、通信中の移動局UE10−1〜10−n夫々のインスタンス情報およびコンテキスト情報(図5のS1004およびS1009で記憶した情報)を抽出する。そして、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに対する第2無線基地局T−DeNB30tへのハンドオーバを決定し、通信中の移動局UE10−1〜10−n夫々に対するハンドオーバ処理を自律的に開始する(S3005)。
リレーノードRN20は、抽出したインスタンス情報およびコンテキスト情報に基づいて、移動局UE10−1〜10−nに対する“ハンドオーバ実行要求(Handover Required)”メッセージを生成する。リレーノードRN20は、生成した“ハンドオーバ実行要求”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S3006)。
第1移動管理装置MME40は、リレーノードRN20に対する“フォワード・リロケーション要求(Forward Relocation Request)”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3007)。
また、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“フォワード・リロケーション要求”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3008)。
第2移動管理装置MME41は、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S3009)。
また、第2移動管理装置MME41は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ要求”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S3010)。
第2無線基地局T−DeNB30tは、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ要求確認(Handover Request Ack)”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3011)。
また、第2無線基地局T−DeNB30tは、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ要求確認”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3012)。
第2移動管理装置MME41は、リレーノードRN20に対する“フォワード・リロケーション応答(Forward Relocation Response)”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S3013)。
また、第2移動管理装置MME41は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“フォワード・リロケーション応答”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S3014)。
第1移動管理装置MME40は、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ命令(Handover Command)”メッセージを第1無線基地局S−DeNB30sへ送信する(S3015)。
また、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ命令”メッセージをリレーノードRN20へ送信する(S3016)。
第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ命令”メッセージをリレーノードRN20へ送信する(S3017)。
リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータの夫々の転送(forwarding)を抑止する(S3018)。したがって、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ命令”メッセージを第1移動管理装置40から受信したとしても、リレーノードRN20は、第2無線基地局T−DeNB30tへのユーザデータの転送を開始しない。
リレーノードRN20は、自局RN20に対する“ハンドオーバ完了確認(Handover Confirm)”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S3019)。
また、リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ完了確認”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する(S3020)。
第2無線基地局T−DeNB30tは、リレーノードRN20に対する“ハンドオーバ完了通知(Handover Notify)”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3021)。
また、第2無線基地局T−DeNB30tは、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ完了通知”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3022)。
第2移動管理装置MME41は、リレーノードRN20に対する“フォワード・リロケーション完了(Forward Relocation Complete)”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S3023)。
また、第2移動管理装置MME41は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“フォワード・リロケーション完了”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する(S3024)。
第1移動管理装置MME40は、リレーノードRN20に対する“フォワード・リロケーション完了確認(Forward Relocation Complete Ack)”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3025)。
また、第1移動管理装置MME40は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“フォワード・リロケーション完了確認”メッセージを第2移動管理装置MME41へ送信する(S3026)。
第1移動管理装置MME40は、“RNリソース解放(RN Release Resource)”メッセージを第1無線基地局S−DeNB30sへ送信する(S3027)。第1無線基地局S−DeNB30sは、リレーノードRN20に対するリソースを解放する。
図7に示したハンドオーバ制御シーケンスによれば、リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化を検出すると、自局RN20に対するハンドオーバ処理を実行する。また、リレーノードRN20は、自局RN20と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化の検出を契機に、移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を自律的に実行する。
すなわち、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nの記憶済みの情報に基づいて、移動局UE1−1〜10−n夫々のハンドオーバ処理を自律的に開始する。
また、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータの夫々の転送(forwarding)を抑止する。この結果、移動局UE10−1〜10−n夫々に対する“ハンドオーバ命令”メッセージを第1移動管理装置40から受信したとしても、リレーノードRN20は、ユーザデータの転送を行なわない。
したがって、実施形態に従えば、移動局UE10−1〜10−nおよびリレーノードRN20がハンドオーバした場合に、同一リレーノードRN20間における不必要なユーザデータの転送を防ぎ、ユーザデータの転送処理の効率化を図ることができる。
図8は、移動局UEから“無線環境測定報告”メッセージを受信した場合のリレーノードRNのハンドオーバ処理のフロー図である。
図6および図7を示して前述したハンドオーバ処理中に、“無線環境測定報告(Measurement Report)”メッセージが移動局UE10−1〜10−n中の移動局UE10−xからリレーノードRN20へ送信されたケースを以下に説明する。
移動車両に搭載されたリレーノードRN20と接続し通信中である、移動車両中の移動局UE10−1〜10−nが、リレーノードRN20と共に移動した場合、移動局UE10−1〜10−nにとって移動後の最適な接続先ノードは、依然としてリレーノードRN20であることが多い。
しかしながら、移動局UE10−xから送信された“無線環境測定報告”メッセージに基づくと、移動車両の車外にある第2無線基地局T−DeNB30tまたは第2無線基地局T−DeNB30tとは異なる第3無線基地局T−DeNBが移動後の最適な接続先ノードとなることが想定し得る。
そこで、実施形態では、リレーノードRN20は、ハンドオーバ制御処理中に移動局UE10−xから受信した“無線環境測定報告”メッセージに基づき、移動局UE10−xに対するハンドオーバ処理を図8に示す処理フローのように実行する。
図8のステップS4001では、リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nと共に、第1無線基地局S−DeNB30sの通信エリアから第2無線基地局T−DeNB30tの通信エリアへ移動する。ステップS4001は、例えば、図6のステップ2001および図7のステップ3001に相当する。
リレーノードRN20は、第1無線基地局S−DeNB30sから第2無線基地局T−DeNB30tへの自局RN20のハンドオーバ処理を開始する(S4002)。図8のS4002の処理は、例えば、図6のステップS2002およびS2003の処理、および図7のステップS3002およびS3003の処理に相当する。
リレーノードRN20は、移動局UE10−1〜10−n夫々のハンドオーバ処理を自律的に開始する(S4003)。図8のステップS4003の処理は、例えば、図6のステップ2005およびS2006の処理、および図7のステップS3005およびS3006の処理に相当する。
リレーノードRN20は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータを第2無線基地局T−DeNB30tへ夫々転送する処理(forwarding)を抑止する(S4004)。図8のステップS4004の処理は、例えば、図6のステップS2007の処理および図7のステップS3018の処理に相当する。
例えば、図8に示したように、ステップS4004の処理後に、移動局UE10−1〜10−n中の移動局UE10−xからの“無線環境測定報告”メッセージをリレーノードRN20が受信したとする。
リレーノードRN20は、移動局UE10−xから受信した“無線環境測定報告”メッセージに基づいて、移動局UE10−xを第2無線基地局T−DeNB30tへハンドオーバするか、または第3無線基地局T−DeNBへハンドオーバするかを判定する(S4005)。
リレーノードRN20は、移動局UE10−xを第2無線基地局T−DeNB30tへハンドオーバすると判定した場合(ステップS4005において“NO”)、移動局UE10−xを含む移動局UE10−1〜10−nを第2無線基地局T−DeNB30tへハンドオーバする処理を行う(S4006)。図8のステップS4006の処理は、例えば、図6のステップS2012の処理および図7のステップS3020の処理に相当する。
一方、リレーノードRN20は、移動局UE10−xを第3無線基地局T−DeNBへハンドオーバすると判定した場合(ステップS4005において“YES”)、移動局UE10−xを第3無線基地局T−DeNBへハンドオーバする処理を行う(S4007)。
すなわち、第3無線基地局T−DeNBが第1無線基地局S−DeNBと同一の第1移動管理装置MME40と接続し、第1無線基地局S−DeNBと第3無線基地局T−DeNBとの間にX2接続が確立しているとする。この場合には、リレーノードRN20は、“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージを第3無線基地局T−DeNBへ送信して、移動局UE10−xに対するX2ベースのハンドオーバ処理を実行する。
また、第3無線基地局T−DeNBが第1無線基地局S−DeNBと異なる第3移動管理装置MMEと接続し、第1無線基地局S−DeNBと第3無線基地局T−DeNBとの間にX2接続が確立していないとする。この場合には、リレーノードRN20は、“ハンドオーバ実行要求(Handover Required)”メッセージを第3移動管理装置MMEへ送信して、移動局UE10−xに対するS1ベースのハンドオーバ処理を実行する。
移動局UE10−xを第3無線基地局T−DeNBへハンドオーバする処理では、リレーノードRN20は、ステップS4004で転送を抑止した移動局UE10−xに関するユーザデータを第3無線基地局T−DeNBへ転送する。
また、ステップS4005において“YES”の場合、リレーノードRN20は、移動局UE10−xを除いた移動局UE10−1〜10−nを第2無線基地局T−DeNB30tへハンドオーバする処理を実行する(S4008)。図8のステップS4008の処理は、例えば、図6の移動局UE10−x以外についてのステップS2012の処理、および図7の移動局UE10−x以外についてのステップS3020の処理に相当する。
リレーノードRN20は、自局RN20に対する第2無線基地局T−DeNB30tへのハンドオーバ処理を実行する(S4009)。図8のステップ4009の処理は、例えば、図6のステップS2011の処理および図7のステップS3019の処理に相当する。
こうして、リレーノードRN20は、自局RN20および通信中の夫々の移動局UE10−1〜10−nに対するハンドオーバ処理を完了する(S4010)。
以上のように、移動局UE10−xからの“無線環境測定報告”メッセージに基づき移動局UE10−xを第2無線基地局T−DeNB30tへハンドオーバするとリレーノードRN20が判定したとする。この場合、リレーノードRN20は、移動局UE10−xに対しても他の移動局UE10−1〜10−nと同様に、第2無線基地局T−DeNB30tへのハンドオーバ処理を実行する。この結果、ハンドオーバ実施後において、移動局UE10−xは、他の移動局UE10−1〜10−nと同様に、リレーノードRN20および第2無線基地局T−DeNB30tを介した通信を行なう。
また、移動局UE10−xからの“無線環境測定報告”メッセージに基づき第3無線基地局T−DeNBへハンドオーバするとリレーノードRN20が判定したとする。この場合、リレーノードRN20は、移動局UE10−xに対する第3無線基地局T−DeNBへのハンドオーバ処理を実行する。この結果、ハンドオーバ実施後において、移動局UE10−xは、他の移動局UE10−1〜10−nと異なり、第3無線基地局T−DeNBを介した通信を行なう。
図9は、実施形態に従った移動局UEのハードウェア構成図である。
図9に示した移動局UE100は、例えば、移動局UE10−1〜10−nに相当する。
移動局UE100には、データ処理装置101、汎用加入者識別モジュール(Universal Subscriber Identity Module、USIM)102、LTE用無線装置103a、LTE用アンテナ104a、第3世代(3 Generation、3G)用無線装置103b、第3世代用アンテナ104b、キーボード105、マイク106、およびスピーカー107が含まれる。
汎用加入者識別モジュール102、LTE用無線装置103a、第3世代用無線装置103b、キーボード105、マイク106、およびスピーカー107は、データ処理装置101と接続される。
LTE用アンテナ104aは、LTE用無線装置103aと接続される。第3世代用アンテナ104bは第3世代用無線装置103bと接続される。
データ処理装置101には、処理部101aおよびメモリ101bが含まれる。
処理部101aは、メモリ101bに格納されたプログラム、および汎用加入者識別モジュール102に格納された電話番号および契約者情報に基づき、各種の処理を実行する。
なお、図9に示したハードウェア構成図では、移動局UE100は、LTE用無線装置103aおよびLTE用アンテナ104aと、第3世代用無線装置103bおよび第3世代用アンテナ104bとを備える。しかしながら、移動局UE100は、第3世代用無線装置103bおよび第3世代用アンテナ104bを備えなくてもよい。
図10は、実施形態に従ったリレーノードRNのハードウェア構成図である。
図10に示したリレーノードRN200は、リレーノードRN20に相当する。
リレーノードRN200には、制御装置201、レイヤ2スイッチ(L2SW)202、入出力(I/O)ポート203、アナログデジタル(A/D)変換器204、増幅器(AMP)205、アンテナ206、汎用加入者識別モジュール(USIM)207、およびベースバンド処理装置208が含まれる。
制御装置201は、呼制御やリレーノードRN200を構成する各部の監視制御を行なう。また、制御装置201は、実施形態のハンドオーバ処理を行う。
制御装置201には、中央処理部(Central Processing Unit、CPU)201aおよびメモリ201bが含まれる。制御装置201による各種の処理は、メモリ201bに格納されたプログラムに従い中央処理部201aが処理を実行することにより行なわれる。
制御装置201は、汎用加入者識別モジュール207およびレイヤ2スイッチ202と接続される。
汎用加入者識別モジュール207には、電話番号や契約者の情報が格納される。
レイヤ2スイッチ202は、ネットワークの中継機器である。レイヤ2スイッチ202は、制御装置201、ベースバンド処理装置208、および入出力ポート203と接続される。
ベースバンド処理装置208は、無線周波数(Radio Frequency、RF)変換前のデジタル信号の処理を実行する。ベースバンド処理装置208には、ディジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)208aおよびメモリ208bが含まれる。
入出力ポート203は、レイヤ2スイッチ202およびアナログデジタル変換器204と接続され、アナログデジタル変換器204は、入出力ポート203および増幅器205と接続され、増幅器205はアナログデジタル変換器204およびアンテナ206と接続される。
図11は、実施形態に従ったリレーノードRNの制御装置の機能的構成図である。
制御装置201には、中央処理部201aおよびメモリ201bが含まれる。
中央処理部201aには、通信中移動局管理部201a1、無線品質検知部201a2、ハンドオーバ制御部201a3、信号編集部201a4、および信号解析部201a5が含まれる。
メモリ201bには、通信中移動局情報記憶部201b1が含まれる。
図12は、通信中移動局情報記憶部中に移動局UE毎に格納される情報テーブルの一例である。
図12に示すように、通信中移動局情報記憶部201b1には、セル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)といった移動局UE10−1〜10−nのインスタンスが移動局UE毎に格納される。
移動局UE10−1〜10−nのインスタンスは、通信を開始する際に移動局UE10−1〜10−nが夫々送信する“無線リソース制御接続要求”メッセージをリレーノードRN200が受信した時に、通信中移動局管理部201a1により通信中移動局情報記憶部201b1に格納される。
図12に示すように、通信中移動局情報記憶部201b1には、移動局UE10−1〜10−n夫々のコンテキスト情報が移動局UE毎に格納される。
通信中移動局情報記憶部201b1に格納されるコンテキスト情報には、S1−MMEインタフェースUE識別情報(MME UE S1AP ID)、UEセキュリティ機能(UE Security Capabilities)、UE合計最大ビットレート(UE Aggregate Maximum Bit Rate)、E−RAB識別情報(E-RAB ID)、E−RABレベルQoSパラメータ(E-RAB Level QoS Parameters)、およびアップリンクGTPトンネル終端点(UL GTP Tunnel Endpoint)が含まれる。
図12に示したコンテキスト情報は、第1移動管理装置MME40から送信される“初期コンテキスト設定要求”メッセージをリレーノードRN200が受信した時に、通信中移動局管理部201a1により通信中移動局情報記憶部201b1に格納される。“初期コンテキスト設定要求”メッセージは、通信を開始する際の移動局UE10−1〜10−n夫々に対する登録(attach)処理を第1移動管理装置MME40が完了した後に送信される。
通信中移動局情報記憶部201b1に格納された情報は、移動局UE10−1〜10−n夫々の終話時、無線リンク障害等の異常発生時、およびリレーノードRN200から別のリレーノードRNまたは無線基地局T−DeNBへのハンドオーバ発生時に消去される。
図11に示した無線品質検知部201a2は、リレーノードRn200と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化を検出する。検出結果から、第2無線基地局T−DeNB30tの方が第1無線基地局S−DeNB30sよりも無線品質が良好と判断した場合、無線品質検知部201a2は、通信中セルの無線品質劣化および良好なターゲットセルをハンドオーバ制御部201a3に通知する。
図11に示したハンドオーバ制御部201a3は、無線品質検知部201a2よりハンドオーバ実施のトリガを受信すると、リレーノードRN200に対するターゲットセルへのハンドオーバ処理を実施する。ハンドオーバ制御部201a3は、“無線環境測定報告”メッセージを第1無線基地局S−DeNB30sへ送信する。
また、ハンドオーバ制御部201a3は、無線品質検知部201a2よりハンドオーバ実施のトリガを受信すると、通信中の移動局UE10−1〜10−n夫々に対するターゲットセルへのハンドオーバ処理を、以下の<1>〜<5>に示すように実施する。
<1>ハンドオーバ制御部201a3は、通信中移動局情報記憶部201b1を参照し、通信中の移動局UE10−1〜10−nの有無を確認する。
<2>前記<1>において通信中の移動局UE10−1〜10−nが有る場合、ハンドオーバ制御部201a3は、該移動局UE10−1〜10−n夫々に対するハンドオーバ制御信号の信号編集を信号編集部201a4に指示する。
<3>前記<2>において信号編集部201a4に指示する際に、ハンドオーバ制御部201a3は、物理セル識別情報(Physical Cell ID、PCI)により隣接セル情報を検索する。そして、ハンドオーバ制御部201a3は、ハンドオーバ候補の無線基地局T−DenBを特定し、Public Land Mobile Network(PLMN)およびMME Group等の第2無線基地局T−DeNB30tに関する情報を取得する。また、第2無線基地局T−DeNB30tとのX2接続状態情報を取得する。
ハンドオーバ制御部201a3は、同じMME Groupであり且つX2接続が確立している場合、同一移動管理装置MME内のハンドオーバ(X2ハンドオーバのケース)と判断する。それ以外の場合は、異なる移動管理装置MME間のハンドオーバ(S1ハンドオーバのケース)と判断する。
同一移動管理装置MME内のハンドオーバと判断する場合にハンドオーバ制御部201a3が信号編集部201a4に編集を指示するハンドオーバ制御信号は、ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージである。一方、異なる移動管理装置MME間のハンドオーバと判断する場合のハンドオーバ制御信号は、“ハンドオーバ実行要求(Handover Required)”メッセージである。
<4>同一移動管理装置MME内のハンドオーバでは、ハンドオーバ制御部201a3は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータを第2無線基地局T−DeNB30tへ転送する処理(forwarding)を抑止する。
ハンドオーバ制御部201a3は、前述の<2>において編集された“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する。
“ハンドオーバ要求確認(Handover Request Ack)”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tより受信すると、ハンドオーバ制御部201a3は、通知された移動局UE10−1〜10−nの情報および該受信信号を基に、ハンドオーバ制御信号の信号編集を信号編集部201a4に指示する。すなわち、ハンドオーバ制御部201a3は、“ハンドオーバ完了(無線リソース制御接続再構成完了)”メッセージの信号編集を信号編集部201a4に指示する。
ハンドオーバ制御部201a3は、信号編集部201a4により編集された“ハンドオーバ完了(無線リソース制御接続再構成完了)”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する。
<5>異なる移動管理装置MME間のハンドオーバでは、ハンドオーバ制御部201a3は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに関するユーザデータを第2無線基地局T−DeNB30tへ夫々転送する処理(forwarding)を抑止する。
ハンドオーバ制御部201a3は、前述の<2>において編集された“ハンドオーバ実行要求”メッセージを第1移動基地局MME40へ送信する。
図11に示した信号編集部201a4は、ハンドオーバ制御部201a3より信号編集を指示された際に、ハンドオーバ制御信号の信号編集を実施する。
図13は、実施形態に従った“ハンドオーバ要求”メッセージの構成例である。
同一移動管理装置MME内のハンドオーバ(X2ハンドオーバのケース)では、信号編集部201a4は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに対する“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージを図13に示すような構成で編集する。
信号編集部201a4は、通信中移動局情報記憶部201b1に記憶されている通信中の移動局UE10−1〜10−n毎にOld eNB UE X2 AP IDを捕捉し、通信中の移動局UE10−1〜10−nの数分、繰り返しOld eNB UE X2 AP IDを設定する。
信号編集部201a4は、リレーノードRN200のハンドオーバ処理で使用するTarget Cell IDおよびGUMMEIを使用して、通信中の移動局UE10−1〜10−nに対する“ハンドオーバ要求”メッセージ中のTarget Cell IDおよびGUMMEIを設定する。すなわち、実施形態では、信号編集部201a4は、移動局UE10−1〜10−nから“無線環境測定報告”メッセージにより通知された物理セル識別情報(PCI)を基に抽出したTarget Cell IDおよびGUMMEIを使用しない。
信号編集部201a4は、MME UE S1AP ID、UE Security Capabilities、UE Aggregate Maximum Bit Rate、E-RAB ID、E-RAB Level QoS Parameters、およびUL GTP Tunnel Endpoint(オプションとして、Subscriber Profile ID for RAT/Frequency priorityおよびDL Forwarding)を通信中の移動局UE10−1〜10−nの数分、繰り返し設定する。これらの情報は、第1移動管理装置MME40から受信した“初期コンテキスト設定要求”メッセージによりリレーノードRN200に通知され、通信中移動局情報記憶部201b1に移動局UE10−1〜10−n毎に記憶されている。
信号編集部201a4は、“ハンドオーバ要求”メッセージ送信時に、現在のターゲットセルの物理セル識別情報等からセキュリティ中間鍵KeNB*を移動局UE10−1〜10−n毎に作成する。そして、信号編集部201a4は、通信中のUE10−1〜10−nの数分、繰り返しAS Security Informationを設定する。
信号編集部201a4は、“ハンドオーバ要求”メッセージ送信時に、通信中の移動局UE10−1〜10−n毎にRRC Contextのエンコード情報を作成し、通信中UE10−1〜10−nの数分、繰り返し設定する。
図14は、実施形態に従った別の“ハンドオーバ要求”メッセージの構成例である。
実施形態では、同一移動管理装置MME内のハンドオーバ(X2ハンドオーバのケース)では、信号編集部201a4は、通信中の移動局UE10−1〜10−nに対する“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージを図14に示すような構成で編集することも可能である。
すなわち、信号編集部201a4は、通信中移動局情報記憶部201b1に記憶されている通信中の全ての移動局UE10−1〜10−nの情報を纏めて1つの“ハンドオーバ要求”メッセージに編集してもよい。
図14に示した“ハンドオーバ要求”メッセージにおいて、eNB UE X2AP ID数は、通信中移動局情報記憶部201b1に記憶されている移動局UE10−1〜10−nの数を示す。
eNB UE X2AP ID Informationは、Old eNB UE X2AP IDをeNB UE X2AP ID数の数分、繰り返し設定可能な情報要素(Initial Element、IE)を示す。
UE Context Infromation数は、通信中移動局情報記憶部に記憶されている移動局UE10−1〜10−nの数を示す。
UE Context Informationには、MME UE S1AP ID、UE Security Capabilities、AS Security Information、UE Aggregate Maximum Bit Rate、およびE-RABs To Be Setup List(オプションとして、Subscriber Profile ID for RAT/Frequency priority)が、UE Context Infromation数の数分、繰り返し設定される。
図13に示した“ハンドオーバ要求”メッセージが用いられた場合、信号編集部201a4は、通信中の移動局UE10−1〜10−nの数分、“ハンドオーバ要求”メッセージを編集する。ハンドオーバ制御部201a3は、編集された“ハンドオーバ要求”メッセージを、通信中の移動局UE10−1〜10−nの数分、第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する。
一方、図14に示した“ハンドオーバ要求”メッセージが用いられた場合、信号編集部201a4は、通信中の移動局UE10−1〜10−n関して1つの“ハンドオーバ要求”メッセージに纏めて編集する。ハンドオーバ制御部201a3は、纏めて編集された“ハンドオーバ要求”メッセージを第2無線基地局T−DeNB30tへ送信する。
したがって、図14に示した“ハンドオーバ要求”メッセージを用いることにより、リレーノードRN配下の通信中の移動局UEがハンドオーバする際の制御信号の送信回数を削減することが可能である。
図15は、実施形態に従った“ハンドオーバ完了(無線リソース制御接続再構成完了)”メッセージの構成例である。
図15には、通信中の移動局UE10−1〜10−n毎に編集する場合の“ハンドオーバ完了(Handover Complete)(無線リソース制御接続再構成完了(RRC Connection Recont Comp))”メッセージの構成例が示されている。
しかしながら、信号編集部201a4は、図15にしたメッセージ中の各情報要素を通信中の移動局UE10−1〜10−nに関して1つのハンドオーバ制御信号に纏めて編集することも可能である。この場合、ハンドオーバ制御部201a3は、纏めて編集されたハンドオーバ制御信号を第2無線基地局T−DeNB30tへ送信すればよい。したがって、この場合には、リレーノードRN配下の通信中の移動局UEがハンドオーバする際の制御信号の送信回数を削減することが可能である。
図11に示した信号解析部201a5は、第2無線基地局T−DeNB30tから受信したハンドオーバ制御信号を解析する。
また、第2無線基地局T−DeNB30tから受信したハンドオーバ制御信号が後述の図19に示すように移動局UE10−1〜10−nに関して束ねられていた場合には、信号解析部201a5は、束ねられた受信信号を分解して解析する。
信号解析部201a5は、ハンドオーバ制御信号の解析結果をハンドオーバ制御部201a3に通知する。
図16は、実施形態に従った無線基地局DeNBのハードウェア構成図である。
図16に示した無線基地局DeNB300は、例えば、第1無線基地局S−DeNB30sおよび第2無線基地局T−DeNB30tに相当する。
無線基地局DeNB300には、制御装置301、レイヤ2スイッチ(L2SW)302、入出力(I/O)ポート303、アナログデジタル(A/D)変換器304、増幅器(AMP)305、アンテナ306、伝送路インタフェース307、およびベースバンド処理装置308が含まれる。
制御装置301は、呼制御や無線基地局DeNB300を構成する各部の監視制御を行なう。また、制御装置301は、実施形態のハンドオーバ処理を行う。
制御装置301には、中央処理部(CPU)301aおよびメモリ301bが含まれる。制御装置301による各種の処理は、メモリ301bに格納されたプログラムに従い中央処理部301aが処理を実行することにより行なわれる。
制御装置301は、レイヤ2スイッチ202と接続される。
レイヤ2スイッチ302は、ネットワークの中継機器である。レイヤ2スイッチ302は、制御装置301、ベースバンド処理装置308、入出力ポート303、および伝送路インタフェース307と接続される。
ベースバンド処理装置308は、無線周波数(Radio Frequency、RF)変換前のデジタル信号の処理を実行する。ベースバンド処理装置308には、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)308aおよびメモリ308bが含まれる。
入出力ポート303は、レイヤ2スイッチ302およびアナログデジタル変換器304と接続され、アナログデジタル変換器304は、入出力ポート303および増幅器305と接続され、増幅器305はアナログデジタル変換器304およびアンテナ306と接続される。また、伝送路インタフェース307は、レイヤ2スイッチ302および無線基地局DeNB300の外部にあるインターネットプロトコル(Internet Protocol、IP)ネットワークと接続される。
図17は、実施形態に従った無線基地局DeNBの制御装置の機能的構成図である。
制御装置301には、中央処理部301aおよびメモリ301bが含まれる。
中央処理部301aには、信号解析部301a1、ハンドオーバ制御部301a2、および信号編集部301a3が含まれる。
信号解析部301a1は、ハンドオーバ制御信号を解析する。例えば、無線基地局DeNB300が第2無線基地局T−DeNB30tである場合、信号解析部301a1は、リレーノードRN20から受信した“ハンドオーバ要求”メッセージを解析する。
また、ハンドオーバ制御信号が移動局UE10−1〜10−nに関して束ねられていた場合には、信号解析部301a1は、束ねられた受信信号を分解して解析する。
信号解析部301a1は、ハンドオーバ制御信号の解析結果をハンドオーバ制御部301a2に通知する。
ハンドオーバ制御部301a2は、リレーノードRN20に対するハンドオーバ処理を実行する。
また、ハンドオーバ制御部301a2は、リレーノードRN20の配下の通信中の移動局UE10−1〜10−n夫々に対するハンドオーバ処理を実行する。
例えば、無線基地局DeNB300が第2無線基地局T−DeNB30tである場合、X2ハンドオーバのケースでは、ハンドオーバ制御部301a2は、移動局UE10−1〜10−n夫々に対するターゲットセルへのハンドオーバ処理を、以下の<1>〜<5>に示すように実施する。
<1>ハンドオーバ制御信号(“ハンドオーバ要求”メッセージ)を信号解析部301a1から受信すると、ハンドオーバ制御部301a2は、信号解析部301a1から通知された移動局UE10−1〜10−nの情報と該受信信号を基にハンドオーバ制御を実施する。
ハンドオーバ制御が成功すると、ハンドオーバ制御部301a2は、信号解析部301a1から通知された移動局UE10−1〜10−nの情報と該受信信号とを基にハンドオーバ要求確認”メッセージの信号編集を信号編集部301a3に指示する。
<2>ハンドオーバ制御部301a2は、信号編集部301a3により編集されたハンドオーバ要求確認”メッセージをリレーノードRN20に送信する。
<3>ハンドオーバ制御部301a2は、リレーノードRN20から送信された“ハンドオーバ完了(無線リソース制御接続再構成完了)”メッセージを信号解析部301a1から受信する。そして、ハンドオーバ制御部301a2は、信号解析部301a1から通知された移動局UE10−1〜10−nの情報と該受信信号とを基に“パス切り替え要求”メッセージの信号編集を信号編集部301a3に指示する。
<4>ハンドオーバ制御部301a2は、信号編集部301a3により編集された“パス切り替え要求”メッセージを第1移動管理装置MME40へ送信する。
図17に示した信号編集部301a3は、ハンドオーバ制御部301a2の指示に基づき、ハンドオーバ制御信号を編集する。
図18は、実施形態に従った“ハンドオーバ要求確認”メッセージの構成例である。また、図19は、実施形態に従った別の“ハンドオーバ要求確認”メッセージの構成例である。
図18および図19において、信号編集部301a3は、Target eNB To Source eNB Transparent Containerのエンコード情報を通信中の移動局UE10−1〜10−n毎に作成し、通信中のUE10−1〜10−n数分、繰り返し設定する。
図19において、eNB UE X2AP ID数は、“ハンドオーバ要求”メッセージにより通知された移動局UE分のハンドオーバ準備(Handover Preparation)処理が成功した移動局UEの数を示す。
また、eNB UE X2AP ID Informationには、Old eNB UE X2AP ID、New eNB UE X2AP ID、E-RABs Admitted List、およびTarget eNB To Source eNB Transparent Container(オプションとして、Criticality Diagnostics)がeNB UE X2AP ID数の数分、繰り返し設定される。
図18に示した“ハンドオーバ要求確認(Handover Request Acknowledge)メッセージ”が用いられた場合、信号編集部301a3は、通信中の移動局UE10−1〜10−nの数分、“ハンドオーバ要求確認”メッセージを編集する。ハンドオーバ制御部301a2は、編集された“ハンドオーバ要求”メッセージを、通信中の移動局UE10−1〜10−nの数分、リレーノードRN20へ送信する。
一方、図19に示した“ハンドオーバ要求確認”メッセージが用いられた場合、信号編集部301a3は、“ハンドオーバ要求”メッセージを通信中の移動局UE10−1〜10−nに対して1つに纏めて編集する。ハンドオーバ制御部301a2は、纏めて編集された“ハンドオーバ要求”メッセージをリレーノードRN20へ送信する。
したがって、図19に示した“ハンドオーバ要求確認”メッセージを用いれば、リレーノードRN配下の通信中の移動局UEがハンドオーバする際の制御信号の送信回数を削減することが可能である。
移動局UE100、リレーノードRN200、および無線基地局DeNB300のハンドオーバ処理動作の一例を以下に説明する。
以下の一例において、移動局UE100は、移動局10−1〜10−nに対応する。リレーノード200は、リレーノード20に対応する。無線基地局DeNB300は、第2無線基地局T−DeNB30tに対応する。また、X2ハンドオーバのケースにおいて、移動局UE100に対するハンドオーバ制御信号をリレーノード200および無線基地局DeNB300が、図14および図19のように纏めて編集し送受信する場合を一例として説明する。
図20は、“無線リソース制御接続要求”メッセージの受信から“ハンドオーバ要求メッセージ”の送信までのリレーノードRNの動作フロー図である。図21は、“ハンドオーバ要求”メッセージの受信から“ハンドオーバ要求確認”メッセージの送信までの無線基地局DeNBの動作フロー図である。図22は、“ハンドオーバ要求確認”メッセージの受信から“ハンドオーバ完了”メッセージの送信までのリレーノードRNの動作フロー図である。図23は、“ハンドオーバ完了”メッセージの受信からパス切り替え完了までの無線基地局DeNBの動作フロー図である。
図20において、移動局UE100から“無線リソース制御接続要求(RRC Connection Request)”メッセージを受信すると、リレーノードRN200は、移動局100のC−RNTIといったインスタンスを捕捉する(S5001)。そして、通信中移動局管理部201a1は、補足した移動局UE100のインスタンスを通信中移動局情報記憶部201b1に移動局UE毎に記憶する(S5002)。
その後、第1移動管理装置MME40から“初期コンテキスト設定要求(Initial Context Setup Request)”メッセージを受信すると、通信中移動局管理部201a1は、受信したメッセージに含まれるコンテキスト情報を通信中移動局情報記憶部201b1に移動局UE毎に記憶する(S5003)。すなわち、通信中移動局管理部201a1は、移動局UE100のコンテキスト情報を移動局UE100のインスタンスと対応付けて通信中移動局情報記憶部201b1に記憶する。
移動局UE100が通信中であるときに(S5004)、リレーノードRN200と共に移動局UE100が第1無線基地局S−DeNB30sの通信エリアから無線基地局DeNB300の通信エリアへ移動したとする。
無線品質検知部201a2は、自局RN200の移動により第1無線基地局S−DeNB30sとの無線品質劣化を検出する(S5005)。そして、第1無線基地局S−DeNB30sよりも無線基地局DeNB300の方が無線品質良好と判断した場合、無線品質検知部201a2は、通信中セルの無線品質の劣化および良好なターゲットセルをハンドオーバ制御部201a3に通知する。
ハンドオーバ制御部201a3は、無線品質検知部201a2からの通知をトリガとしてリレーノードRN200に対するハンドオーバ処理を開始する(S5006)。
ハンドオーバ制御部201a3は、通信中移動局情報記憶部201b1を参照し(S5007)、通信中の移動局UE100の有無を確認する(S5008)。
通信中の移動局UE100がない場合(S5008で“無”)には、ハンドオーバ制御部201a3は、リレーノードRN200に対するハンドオーバ処理を続行する。
通信中の移動局UE100がある場合(S5008で“有”)には、ハンドオーバ制御部201a3は、通信中の移動局UE100に対する“ハンドオーバ要求(Handover Request)”メッセージの編集を信号編集部201a4に指示する。信号編集部201a4は、“ハンドオーバ要求”メッセージを編集する(S5009)。
また、ハンドオーバ制御部201a3は、通信中の移動局UE100に対するユーザデータの転送処理を抑止する(S5010)。
ステップS5009およびS5010は、通信中の移動局UE100の数分、繰り返し実行される。そこで、信号編集部201a4は、通信中の移動局UE100の数に対する“ハンドオーバ要求”メッセージを1つに纏めて編集する。纏めて編集された“ハンドオーバ要求”メッセージは、信号編集部201a4からハンドオーバ制御部201a3へ送信される。
ハンドオーバ制御部201a3は、信号編集部201a4により纏めて編集された“ハンドオーバ要求”メッセージを無線基地局DeNB300へ送信する(S5011)。
図21において、無線基地局DeNB300が“ハンドオーバ要求”メッセージをリレーノードRN200から受信すると、信号解析部301a1は、受信したメッセージからeNB UE X2AP ID Informationを抽出する(S5012)。また、信号解析部301a1は、UE Context Informationを抽出する(S5013)。
ステップS5012におけるeNB UE X2AP ID Informationの抽出は、“ハンドオーバ要求”メッセージに含まれるeNB UE X2AP ID数の数分、繰り返し行なわれる。また、ステップS5013におけるUE Context Informationの抽出は、“ハンドオーバ要求”メッセージに含まれるUE Context Information数の数分、繰り返し行なわれる。
信号解析部301a1は、抽出した情報要素をハンドオーバ制御部301a1へ通知する。
ハンドオーバ制御部301a2は、信号解析部301a1から通知された情報要素を基に、ハンドオーバ準備(Handover Preparation)制御を通信中の移動局UE100毎に行なう(S5014)。そして、ハンドオーバ制御部301a2は、ハンドオーバ準備制御が成功した移動局UE100に対する“ハンドオーバ要求確認(Handover Request Acknowledge)”メッセージの編集を信号編集部301a3に指示する。
信号編集部301a3は、ハンドオーバ制御部301a2からの指示に基づき、“ハンドオーバ要求確認”メッセージを編集する(S5015)。
ステップ5015における編集は、ハンドオーバ準備制御が成功した移動局UE100の数分、繰り返し行なわれる。そこで、信号編集部301a3は、ハンドオーバ準備制御が成功した移動局UE100の数に対応する“ハンドオーバ要求確認”メッセージを1つに纏めて編集する。纏めて編集された“ハンドオーバ要求確認”メッセージは、信号編集部301a3からハンドオーバ制御部301a2へ送信される。
ハンドオーバ制御部301a2は、信号編集部301a3により纏めて編集された“ハンドオーバ要求確認”メッセージをリレーノードRN200へ送信する(S5016)。
図22において、リレーノードRN200が“ハンドオーバ要求確認”メッセージを無線基地局DeNB300から受信すると、信号解析部201a5は、受信したメッセージからeNB UE X2AP ID Informationを抽出する(S5017)。ステップS5017におけるeNB UE X2AP ID Informationの抽出は、“ハンドオーバ要求確認”メッセージに含まれるeNB UE X2AP ID数の数分、繰り返し行なわれる。
信号解析部201a5は、抽出した情報要素をハンドオーバ制御部201a3へ通知する。
ハンドオーバ制御部201a3は、信号解析部201a5から通知された情報要素を基に、ハンドオーバ実行(Handover execution)制御を移動局UE100毎に行なう(S5018)。
ハンドオーバ制御部201a3は、移動局UE100に関するユーザデータの夫々の転送を抑止している。したがって、ハンドオーバ制御部201a3は、移動局UE100に対する“ハンドオーバ要求確認”メッセージを無線基地局DeNB300から受信しても、ユーザデータの転送処理を開始しない。
ハンドオーバ制御部201a3は、ハンドオーバ実行制御を行なった移動局UE100に対する“ハンドオーバ完了(Handover Complete)”メッセージの編集を信号編集部201a4に指示する。
信号編集部201a4は、ハンドオーバ制御部201a4からの指示に基づき、ハンドオーバ実行制御が行なわれた移動局UE100の“ハンドオーバ完了”メッセージを編集する。編集された“ハンドオーバ要求確認”メッセージは、信号編集部201a4からハンドオーバ制御部201a3へ送信される。
ハンドオーバ制御部201a3は、信号編集部201a4により編集された“ハンドオーバ完了”メッセージを無線基地局DeNB300へ送信する(S5019)。
図23において、無線基地局DeNB300が“ハンドオーバ完了”メッセージをリレーノード200から受信すると、信号解析部301a1が受信した“ハンドオーバ完了”メッセージを解析する。そして、信号解析部301a1は、解析により得られた情報要素をハンドオーバ制御部301a2へ送信する。
ハンドオーバ制御部301a2は、信号解析部301a1から受信した情報要素に基づき、第1移動管理装置MME40およびゲートウェイGW50との移動局UE100に対するパス切り替えを行う(S5020)。
こうしてリレーノードRN200と共に移動した通信中の移動局100のハンドオーバ処理が完了する(S5021)。
実施形態では、リレーノードRN200は、自局RN200と第1無線基地局S−DeNB30sとの間の無線品質劣化の検出を契機に、自局RN200に対するハンドオーバ処理と共に、移動局UE100に対するハンドオーバ処理を自律的に実行する。
すなわち、リレーノードRN200は、通信中の移動局UE100の記憶済みの情報に基づいて、移動局UE100夫々のハンドオーバ処理を自律的に開始する。
また、リレーノードRN200は、通信中の移動局UE100に関するユーザデータの夫々の転送(forwarding)を抑止する。この結果、リレーノードRN200は、移動局UE100に対する“ハンドオーバ要求確認”メッセージを無線基地局DeNB300から受信しても、ユーザデータの転送を行わない。
したがって、実施形態に従えば、同一リレーノードRN200間での不必要なユーザデータの転送をなくし、ハンドオーバ処理時のユーザデータの転送を効率的に実施することができる。
また、実施形態では、ハンドオーバ制御信号は、通信中の移動局100に対して1つに纏めて編集され、リレーノードRn200とハンドオーバのターゲットとする無線基地局DeNB300との間で送受信される。
したがって、実施形態に従えば、リレーノードRn200と無線基地局DeNB300との間における移動局UE100に対するハンドオーバ制御信号の送信回数および受信回数を削減することができる。
実施形態に従えば、ユーザデータの転送を効率的に実施できること、更にはハンドオーバ制御信号の送信回数を削減することができることから、無線回線効率的な使用、および他の移動局移動局から受ける干渉および他の移動局へ与える干渉の削減が可能である。