JP5797385B2 - 触感呈示装置 - Google Patents

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本発明は、触感を呈示する装置に関するものであり、特に、タッチセンサに対する接触等に応じて触感を呈示する装置に関するものである。
近年、携帯電話等の携帯端末において、ユーザによる操作を受け付ける操作部やスイッチ等の入力装置として、タッチパネルやタッチスイッチ等のタッチセンサを備える入力装置が採用されているものがある。携帯端末以外に、電卓、券売機等の情報機器や、電子レンジ、テレビ、照明器具等の家電製品、産業用機器(FA機器)等にも、タッチセンサを備える入力装置は広く使用されている。
このようなタッチセンサには、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の種々の方式が知られている。特に、携帯電話などの小型の端末装置は、例えばテンキーなどのキーやアイコン等をオブジェクトとして表示部に表示して、当該オブジェクトに対する操作者の接触をタッチセンサにより検出する、タッチパネルを備えることが多い。
このようなタッチパネルを備えた端末装置は、起動するアプリケーションソフトウェアに応じて、種々のユーザインタフェースを、オブジェクトの表示によって構成することができる。したがって、操作者にとっては操作がわかり易く使い勝手が良いため、タッチパネルを備えた端末装置は急速に普及している。
しかしながら、いずれの方式のタッチセンサにおいても、指やスタイラスによるタッチ操作を受け付けるものであって、タッチセンサ自体は、タッチされても、機械式の押しボタンスイッチのようには物理的に変位しない。したがって、操作者は、タッチ操作が受け付けられても、当該操作に対するフィードバックを得ることができない。このため、操作者は、操作を行う際のキーやボタンを「押下した/押下を解除した」という操作感が得られず、同じ位置を何度もタッチする等の操作の繰り返しが生じ易く、操作者にストレスを与える場合がある。
そこで、タッチセンサが接触を検知すると、タッチセンサを振動させるようにしたフィードバック方法も提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特開2003−288158号公報 特開2008−130055号公報
ところで、例えば静電容量方式のタッチセンサにおいては、透明な導電膜に微弱な電流を流すことでタッチセンサの表面全体に電界を形成し、その導電膜に操作者の指等が接触した位置の表面電荷の変化をとらえて位置検出を行う。この際、人体の静電容量を経由して流れる微弱な電流の変化に基づいて、その接触の位置を求めている。
このような静電容量方式のタッチセンサを備えた触感呈示装置において、タッチセンサを振動させて操作者に触感のようなフィードバックを提供するには、振動を発生するための駆動機構を、タッチセンサの傍に設置しなければならない。しかも、このような駆動機構をタッチセンサの傍に設置する場合、その駆動機構がタッチセンサに接する程度に、可能な限り近接させて設置する必要がある。さもないと、駆動機構の発生する振動がタッチセンサに十分に伝達しないため、タッチセンサの振動にかかる電力の一部が浪費されるという不都合が生じるからである。また、特に携帯電話のような小型の端末装置においては、内部スペースの制約からも、振動を発生する駆動機構をタッチセンサに近接させて設置しなければならないという事情もある。
しかしながら、タッチセンサを振動させるために、例えば圧電素子のような触感呈示部をタッチセンサの近傍に設置すると、圧電素子を振動させる際に印加する電圧による電場が発生する。上述したように、タッチセンサは微弱な電流の変化に基づいて接触の位置を求めるものである。そのため、このような電場が発生すると、それが仮に微弱なものであっても、タッチセンサに対する接触の位置の検出に悪影響を及ぼしてしまうという問題がある。すなわち、操作者にフィードバックを提供するために、触感呈示部を駆動するための電圧を印加すると、タッチセンサが影響を受けてしまうため、接触の位置を正確に検出することができなくなるおそれがある。
このため、近年の研究により、フィードバックを提供する際に触感呈示部が発生する電場によるノイズに対してある程度の耐性を有しつつ、接触の位置を検出できる検出機構を備えるタッチパネルの開発が進められている。また、例えば接触の位置を検出するために電流を流す走査線の形状を工夫する等して、ノイズをキャンセルするような技術などの研究も進められている。さらに、液晶表示パネルなどの表示部をタッチセンサに重ねて使用する場合、この表示部からもノイズが発生するが、適切な静電容量デジタル変換器や雑音抑制アルゴリズムを使用することにより、ある程度のノイズは排除することができる。
しかしながら、これらのようなタッチセンサであっても、圧電素子のような触感呈示部をタッチセンサのごく近傍に設ける場合、電場の悪影響を受けないようにするのに十分と言えるものではない。なぜなら、タッチセンサは、そもそも外部からの影響(作用)を受けて、それを検出するものであるため、接触の位置を検出する精度を良好にするには、タッチセンサをある程度敏感にすることが求められるからである。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、触感の呈示がタッチセンサの位置検出に悪影響を与えないようにした触感呈示装置を提供することにある。
上記目的を達成する第1の観点に係る触感呈示装置の発明は、
タッチセンサと、
前記タッチセンサに近接させて配置するとともに、該タッチセンサを振動させる触感呈示部と、
前記タッチセンサに対する接触の位置を検出するための走査を行う時間区間と、前記触感呈示部が前記タッチセンサを振動させる時間区間とが、重ならないように制御する触感制御部と、
を備えることを特徴とするものである。
第2の観点に係る発明は、第1の観点に係る触感呈示装置において、
前記タッチセンサを、静電容量方式のタッチセンサにするものである。
第3の観点に係る発明は、第1の観点に係る触感呈示装置において、
前記触感制御部は、前記タッチセンサを振動させる区間に、前記触感呈示部が振動を発生させるべく駆動電圧を印加するものである。
本発明によれば、タッチセンサに対する接触の位置を検出するための走査を行う時間区間が、タッチセンサを振動させる時間区間と重ならないように制御される。したがって、本発明によれば、触感の呈示がタッチセンサの位置検出に悪影響を与えることがなくなり、タッチセンサは高い精度で接触の位置の検出を行うことができる。
本発明の第1実施の形態に係る触感呈示装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施の形態に係る触感呈示装置の動作を説明する概念図である。 本発明の第2実施の形態に係る触感呈示装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施の形態に係る触感呈示装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る触感呈示装置の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係る触感呈示装置は、例えば携帯端末や、銀行に設置されるATM、駅に設置される券売機など、タッチセンサにより操作者のタッチ操作を受け付けるものであれば、任意の装置に適用することができる。
図1に示すように、本実施の形態に係る触感呈示装置1は、タッチセンサ11、触感呈示部12、タッチセンサ制御部20、および、触感制御部30を備える。なお、タッチセンサ制御部20は、走査信号発生部22および位置検出部24を含んで構成される。また、触感制御部30は、駆動信号発生部32を含んで構成される。
タッチセンサ11は、タッチ面を有するセンサであり、操作者の指などがタッチ面に接触(タッチ)したことを検出する。このタッチセンサ11は、一般的には、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知の方式のもので構成することができるが、本実施の形態では静電容量方式のものを採用する。タッチセンサ11が静電容量方式の場合、通常、格子状のX電極およびY電極からなるセンサ部を備えており、このセンサ部は、電極間に電気エネルギーを蓄えることができる。タッチセンサ11に対して接触がなされていない状態では、センサ部の2つの電極は安定した電界を構成する。しかしながら、人間の指が近接または接触すると、人体の持っている導電性により指がアースの役割を果たすため、電界が変化して、指が触れた部分の静電容量値が減少する。この静電容量値の変化に基づいて、触感呈示装置1は、タッチセンサ11に対する接触の位置を検出することができる。なお、図1においては、タッチセンサ11のX電極およびY電極の一部のみを示している。
また、タッチセンサ11は、タッチ面を透過型にして、図示しない表示部の前面に配置することにより、表示部に表示したキーやボタン等のオブジェクトに対して操作者がタッチしたことを検出するセンサとしても使われる(いわゆるタッチパネル)。ここで、図示しない表示部は、ボタンやキーまたはアイコン等のオブジェクトを描画して表示するもので、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を用いて構成する。なお、本実施の形態において、表示部の前面にタッチセンサを配置して、表示部に表示したオブジェクトに対する接触を受け付けることについては、公知の技術によるものと特に変わるところがないため、図示および詳細な説明を省略する。
触感呈示部12は、タッチセンサ11を振動させるもので、一般的には種々のものを用いることができるが、本実施の形態においては圧電振動子(圧電素子)を用いて構成する。本実施の形態において、触感呈示部12は、タッチセンサ11に対する振動を十分に提供できるように、タッチセンサ11に十分近接させて配置するのが好適である。このようにすれば、触感呈示部12の発生する振動はタッチセンサ11に十分に伝達するため、タッチセンサ11の振動にかかる電力の無駄を抑えることができる。
タッチセンサ制御部20は、タッチセンサ11に対する接触の位置の検出を全般的に制御する。タッチセンサ制御部20は、タッチセンサ11に対する接触の位置の検出を行うために、走査信号発生部22から、タッチセンサ11の電極に走査信号を供給して走査を行う。位置検出部24は、走査信号発生部22からタッチセンサ11の電極に供給された走査信号の静電容量の変化を検知する。これにより、タッチセンサ制御部20は、タッチセンサ11に対する接触の位置を検出して、その結果として位置情報を出力することができる。このような静電容量センシング技術も公知のものを用いることができるため、より詳細な説明は省略する。
触感制御部30は、触感呈示部12が触感を呈示する動作を全般的に制御する。具体的には、触感制御部30は、触感呈示の指示を受けると、駆動信号発生部32から触感呈示部12に駆動信号を供給する。この駆動信号に応じて、触感呈示部12は、タッチセンサ11を振動させることにより所定の触感を呈示する。なお、本実施の形態に係る触感呈示装置1においては、触感制御部30は、タッチセンサ制御部20から、走査信号発生部22が走査信号を供給するタイミングの通知を受け取ることができる。
図2は、本実施の形態による触感呈示処理を説明するための概念図である。図2(A)は、従来の触感の呈示の代表例を説明する図である。
従来、タッチセンサに対する接触の位置を検出する処理をあまり高速に行うことができなかった等の事情から、一般的には、図2(A)の上段に示すように、接触の位置を検出するための走査は、所定の長期間にわたって、例えば常時走査するような動作として行われていた。図2(A)の上段において、ONの位置に実線が存在する期間は、走査を行うための信号が供給されていることを表している。このような状況で、図2(A)の下段に示すように、タッチセンサに振動を発生させるために、駆動機構を駆動させる信号を(1)から(2)までの期間発生したとする。図2(A)の下段においても、ONの位置に実線が存在する期間は、駆動信号が供給されていることを表している。しかしながら、この(1)から(2)までの期間は、前述したように、駆動信号の発生がノイズとして作用することより、走査に悪影響を及ぼすことになる。
近年、タッチセンサに対する接触の位置を検出する処理は非常に高速に行うことができるようになった。そのため、接触の位置を検出するための走査は、例えば図2(B)の上段に示すように、例えば周期的に短期間行うような間欠的なものであっても、充分に役割を果たすことができる。例えば、静電容量方式のタッチセンサの場合、数10マイクロ秒ごとに、数マイクロ秒の間、接触位置の走査の動作を行うことにより、タッチセンサ上の位置を検出するようにできる。
しかしながら、図2(B)の上段のように間欠的に走査することによって接触の位置を検出するようにしても、図2(B)の下段に示すように、駆動機構を駆動させる信号を長期間発生すると、不都合が生じる。すなわち、この場合も、(3)から(4)までの期間および(5)から(6)までの期間は、駆動信号がノイズとして作用するため、やはり走査に悪影響を及ぼすことになる。
そのため、本実施の形態においては、図2(C)の上段に示すように、接触の位置の検出を間欠的な走査により行いつつ、さらに、タッチセンサに振動を発生させるための駆動信号を、図2(C)の下段に示すように、接触位置を検出する走査が行われている時間区間と重ならないように発生させる。すなわち、本実施の形態による触感制御部30は、タッチセンサ11に対する接触の位置を検出するための走査を行う時間区間と、触感呈示部12がタッチセンサ11を振動させる時間区間とが、重ならないように制御する。このような制御により、タッチセンサ11を振動させる時間区間には、タッチセンサ11に対する接触の位置を検出するための走査は行われないため、振動を発生させる駆動信号がノイズとして作用することが原因で走査に悪影響を及ぼすことはなくなる。
本実施の形態に係る触感呈示装置1においては、上述したように、触感制御部30は、タッチセンサ制御部20から、走査信号発生部22が走査信号をタッチセンサ11に供給するタイミングの通知を受け取ることができる。この通知により、触感制御部30は、タッチセンサ制御部20の走査信号発生部22が走査信号を発生するタイミングを、前もって、またはリアルタイムで知ることができる。したがって、このようにして把握した、走査信号発生部22が走査信号を発生するタイミングに基づいて、触感制御部30は、駆動信号発生部32により発生される駆動信号が、走査信号の発生と時間的に重ならないようにタイミングを制御する。すなわち、触感制御部30は、触感を呈示する指示を受けたとしても、走査信号が発生する時間区間においては駆動信号発生部32から駆動信号を供給せずに、走査信号が発生しない時間区間に前記駆動信号を発生させるようにタイミングを制御する。このように制御されたタイミングに基づいて、触感制御部30は、タッチセンサ11を振動させる区間に、触感呈示部12が振動を発生させるべく駆動電圧を印加する。
なお、図1に示した本実施の形態の触感呈示装置1においては、触感制御部30は、走査信号が供給されるタイミングの通知をタッチセンサ制御部20から受け取ることを想定して説明した。しかしながら、本実施の形態に係る触感呈示装置1はこのような構成に限定されるものではない。例えば、触感制御部30は、走査信号発生部22がタッチセンサ11に向けて発生する走査信号を直接受信する構成にして、走査信号が発生するタイミングをリアルタイムで把握できるようにしてもよい。
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に係る触感呈示装置について説明する。図3は、本発明の第2実施の形態に係る触感呈示装置の概略構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、第2実施の形態に係る触感呈示装置2は、図1において説明した第1実施の形態に係る触感呈示装置1において、さらにホストコントローラ40を備えるものである。その他の概略構成は、第1実施の形態に係る触感呈示装置1と同様の構成とすることができる。したがって、本実施の形態において、第1実施の形態にて説明した内容と同じになる説明は、適宜省略する。
触感呈示装置2においては、ホストコントローラ40を備えるため、上述した第1実施の形態に係る触感呈示装置1とは異なり、走査信号が供給されるタイミングの通知を触感制御部30がタッチセンサ制御部20から受け取る必要はない。ホストコントローラ40は、タッチセンサ11に対する接触の位置をタッチセンサ制御部20が検出した結果を受信する。この結果を受信すると、ホストコントローラ40は、アプリケーションソフトウェアの指示に基づいて、タッチセンサ11に対する接触の位置に応じて、触感制御部30に触感を呈示する旨の指示を行うか否かを判定する。すなわち、ホストコントローラ40は、タッチセンサ11の前面に配置された図示しない表示部上の表示状態を把握しており、タッチセンサ11に対する接触の位置が、触感を呈示すべきオブジェクトの位置に対応するか否かを判定する。
タッチセンサ11に対する接触の位置が、触感を呈示すべきオブジェクトの位置に対応する場合、ホストコントローラ40は、触感制御部30に触感を呈示する旨の指示を出す。一方、タッチセンサ11に接触が検知されていても、当該接触の位置が触感を呈示すべきオブジェクトの位置に対応しない場合、ホストコントローラ40は、触感制御部30に触感を呈示する旨の指示を出さない。
また、ホストコントローラ40は、タッチセンサ制御部20からの通知により、走査信号発生部22が走査信号を供給するタイミングも把握することができる。したがって、ホストコントローラ40は、触感制御部30に触感を呈示する旨の指示を出す際に、走査信号発生部22が走査信号を供給するタイミングも併せて通知する。これにより、本実施の形態においても、触感制御部30は、触感を呈示する指示を受けたとしても、走査信号が発生する時間区間においては駆動信号発生部32から駆動信号を供給せずに、走査信号が発生しない時間区間に前記駆動信号を発生させるようにタイミングを制御する。
なお、本実施の形態においても、第1実施の形態と同様に、走査信号発生部22が走査信号を供給するタイミングの通知を、触感制御部30がタッチセンサ制御部20から受け取ることにより、駆動信号発生部32から駆動信号を発生するタイミングを触感制御部30が制御するようにもできる。さらに、本実施の形態においては、ホストコントローラ40が、触感制御部30に触感を呈示する旨の指示を出す時点で、走査信号発生部22が走査信号を供給するタイミングを既に把握している。したがって、走査信号が発生しない時間区間に前記駆動信号を発生させるようなタイミング制御を、触感制御部30ではなくホストコントローラ40が行うようにしてもよい。
また、図3に示した本実施の形態の触感呈示装置2においては、触感制御部30は、走査信号が供給されるタイミングの通知をホストコントローラ40から受けることを想定して説明した。しかしながら、本実施の形態に係る触感呈示装置2はこのような構成に限定されるものではない。例えば、第1実施の形態で説明したのと同様に、触感制御部30は、走査信号発生部22がタッチセンサ11に向けて発生する走査信号を直接受信する構成にして、走査信号が発生するタイミングをリアルタイムで把握できるようにしてもよい。
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態に係る触感呈示装置について説明する。図4は、本発明の第3実施の形態に係る触感呈示装置の概略構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、第3実施の形態に係る触感呈示装置3は、図2において説明した第2実施の形態に係る触感呈示装置2において、さらに荷重検出部14を備えるものである。その他の概略構成は、第2実施の形態に係る触感呈示装置2とほぼ同様の構成とすることができる。したがって、本実施の形態において、第1または第2実施の形態にて説明した内容と同じになる説明は、適宜省略する。
本実施の形態において、荷重検出部12は、タッチセンサ11のタッチ面に対する押圧荷重を検出するもので、例えば、歪みゲージセンサや圧電素子等の、荷重に対してリニアに反応する素子を用いて構成する。
上述した第1および第2実施の形態においては、タッチセンサ11に対する接触が、表示部に表示した触感を呈示すべきオブジェクトに対応する位置に検出された時点で、触感制御部30に触感を呈示すべき旨の指示をする態様について説明した。しかしながら、このように接触を検知した時点で触感を呈示すると、操作者がタッチセンサ11に意図せず軽く接触してしまった場合であっても触感を呈示することになる。このような端末装置は、操作者の意図しない操作も受け付けてしまうだけでなく、実際のキーやボタンなどを押下した際に得られるようなリアルな触感(ボタンが押し下がった触感)を操作者に与えることができない。
そこで、操作者に対してリアルな触感を呈示するために、触感呈示装置3は、以下のような動作を行うことにより、操作者の圧覚を刺激した状態で触覚を刺激する。すなわち、触感呈示装置3は、タッチセンサ11に加わる荷重が、触感を呈示する基準(例えば1N)を満たすまでは、圧覚を刺激するようにし、荷重が当該基準を満たすと、触感呈示部12を構成する圧電振動子を所定の駆動信号で駆動してタッチセンサのタッチ面を振動させて触覚を刺激する。これにより、触感呈示装置3は、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のようなボタンスイッチを押した際に得られるのと同様なボタンが押し下がった触感を、操作者に呈示することができる。したがって、操作者は、タッチセンサ上(の表示部)に描画されたオブジェクトの押しボタンスイッチであっても、現実の押しボタンスイッチを操作した場合と同様のリアルなボタンの押し下がった触感を得ながら、タッチセンサ11に対して押圧操作を行うことができるので、違和感を覚えることがない。また、タッチセンサ11を「押した」という意識との連動で操作を行うことができるので、操作ミスも防止することができる。
上述した触感を呈示する際の駆動信号、すなわち触覚を刺激する一定周波数、周期(波長)、波形、振幅は、呈示する触感に応じて適宜設定することができる。例えば携帯端末に使用されているメタルドームスイッチに代表される触感を呈示する場合、例えば、140Hz以上の一定周波数からなる1/4〜5/4の何れかの周期分の駆動信号により触感呈示部12を駆動する。このような駆動信号により触感呈示部12を駆動させて、タッチセンサ11のタッチ面を、基準の押圧荷重が加わった状態で、約15μm振動させる。これにより、実際のキーを押し下げた場合のような、リアルな触感を操作者に呈示することができる。
本実施の形態において、触感制御部30は、荷重検出部14が検知するタッチセンサ11に対する押圧荷重を監視する。そして、触感制御部30は、荷重検出部14により検出される押圧荷重が、操作者によるタッチセンサ11の押圧によって増加して所定の基準を満たした場合、その旨をホストコントローラ40に通知する。すると、ホストコントローラ40は、タッチセンサ11に対する接触の位置が、触感を呈示すべきオブジェクトの位置に対応するか否かを判定し、当該オブジェクトの位置に対応する場合には、触感制御部30に触感の呈示を指示する。このようにしてホストコントローラ40から触感の呈示を指示されたら、触感制御部30は、操作信号発生部22が走査信号を発生するのと時間的に重ならないタイミングで、駆動信号発生部32が駆動信号を発生するように制御する。なお、触感制御部30は、予めホストコントローラ40から触感呈示の指示があり(開始指示)、押圧荷重が所定の基準を満たすと、(走査信号を発生する時間と重ならないタイミングで)触感呈示することもできる。
なお、荷重検出部14は、例えば、複数の圧電素子の出力の平均値から荷重を検出する。ここで、所定の基準を満たす荷重は、操作者が通常の押圧操作を行う際の押圧荷重に基づいて、例えば1N(ニュートン)などの値を予め設定し、その後も設定変更できるようにするのが好適である。また、操作者が意図せずにタッチセンサに軽く触れてしまったような場合は、押圧荷重が所定の基準を満たしたと判定されないようにするため、この所定の基準は過度に低い値を設定しないようにする。さらに、上述したリアルな触感のための圧覚を操作者に与えるためにも、操作者の意図に基づく押圧の普段の荷重(例えば平均値など)を考慮する等して、前記所定の基準は過度に低い値を設定しないようにするのが好適である。
このように、本実施の形態に係る触感呈示装置3によれば、第1または第2実施の形態に係る触感呈示装置と同様の効果を得つつ、操作ミスを防止するのみならず、さらにリアルな触感を呈示することができる。
なお、図4に示す触感呈示装置3においては、触感呈示部12と荷重検出部14とを別の構成要素として図示した。しかしながら、本実施の形態に係る触感呈示装置3はこのような構成に限定されるものではない。例えば、触感呈示装置3において、触感呈示部12と荷重検出部14とを、例えば圧電素子などの同一の要素により構成することもできる。すなわち、圧電素子などの同一の要素が、タッチセンサ11に対する押圧荷重を検出するとともに、当該押圧荷重が所定の基準を満たした場合には、当該タッチセンサ11を振動させることにより所定の触感を呈示することができる。
この場合、触感制御部30は、荷重検出部14によりタッチセンサ11の荷重を検出する動作と、駆動信号発生部32が駆動信号を発生する動作とが、時間的に重ならないようにタイミングを制御することにより、同一の要素を用いてその機能を使い分けることが可能になる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上述した第1ないし第3実施の形態において、タッチセンサ制御部20と触感制御部30とは別個の構成要素として説明した。しかしながら、本発明による触感呈示装置は、このような構成態様に限定されるものではなく、例えば、タッチセンサ制御部20と触感制御部30とをワンチップ構成としたコントローラとすることも当然可能である。その他の構成要素も、適宜、同一の構成としたり、あるいは分離した構成としたりすることもできる。
また、上述した各実施の形態における荷重検出部は、任意の個数の歪みゲージセンサを用いて構成することができる。さらに、荷重検出部は、タッチセンサにおける入力検出方式に応じて、例えば、抵抗膜方式の場合には、接触面積による抵抗変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。あるいは、静電容量方式の場合には、静電容量の変化に基づく出力信号の変化から荷重が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。
また、触感呈示部は、任意の個数の圧電振動子を用いて構成したり、タッチセンサの全面に透明圧電素子を設けて構成したり、触感を呈示する振動を表現できるのであれば、偏心モータを駆動信号の1周期で1回転させるようして構成したり、することもできる。さらに、荷重検出部および触感呈示部は、圧電素子を用いて構成する場合は、圧電素子を共用して荷重検出部および触感呈示部を構成することもできる。
また、本発明に係る触感呈示装置は、荷重検出部により検出される押圧荷重が、触感を呈示する基準を満たした際に、触感呈示部を駆動させる。しかしながら、上記荷重検出部により検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際とは、荷重検出部により検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、荷重検出部により検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよい。また、荷重検出部により触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
11 タッチセンサ
12 触感呈示部
14 荷重検出部
20 タッチセンサ制御部
22 走査信号発生部
24 位置検出部
30 触感制御部
32 駆動信号発生部

Claims (3)

  1. タッチセンサと、
    前記タッチセンサに近接させて配置するとともに、該タッチセンサを振動させる触感呈示部と、
    前記タッチセンサに対する接触の位置を検出するための走査を行う時間区間と、前記触感呈示部が前記タッチセンサを振動させる時間区間とが、重ならないように制御する触感制御部と、
    を備えることを特徴とする触感呈示装置。
  2. 前記タッチセンサは、静電容量方式のタッチセンサである、請求項1に記載の触感呈示装置。
  3. 前記触感制御部は、前記タッチセンサを振動させる区間に、前記触感呈示部が振動を発生させるべく駆動電圧を印加する、請求項1に記載の触感呈示装置。
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