JP5797227B2 - 鼻内送達用シアノコバラミン低粘度水性製剤 - Google Patents

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(発明の背景)
ビタミンB12は、食物必須要素であり、それが欠乏すると、染色体複製及び分裂が起こ
る任意の細胞内のDNAの合成不良が生じる。細胞回転が最大の組織は、最も劇的な変化を
示すため、造血系は、ビタミンB12欠乏に特に敏感である。B12欠乏の初期の徴候は、巨赤
芽球性貧血である。食物B12は、胃酸及び膵臓プロテアーゼの存在下で、食物及び唾液結
合タンパク質から放出され、胃内因子に結合する。ビタミンB12内在性因子複合体は、回
腸に達すると、粘膜細胞表面上の受容体と反応し、循環内に活発に輸送される。十分な内
在性因子、胆汁及び重炭酸ナトリウム(好適なpH)は、いずれもビタミンB12の回腸輸送に
必要とされる。成人におけるビタミンB12欠乏は、不十分な食事の結果であることは希で
あり、どちらかというと、この複雑な吸収の連鎖の1つ又は別の側面における欠陥を通常
反映する。塩酸欠乏症、及び胃の萎縮又は胃の手術に付随する壁細胞による内在性因子の
分泌量減少が、成人におけるビタミンB12欠乏の一般的な原因である。壁細胞又は内在性
因子複合体に対する抗体も欠乏をもたらす上で顕著な役割を担い得る。いくつかの腸疾患
は、吸収を妨害し得る。ビタミンB12吸収不良は、膵臓障害(膵臓プロテアーゼ分泌の低下
)、細菌過剰成長、腸寄生虫、スプルー、及び疾患による、又は手術の結果としての回腸
粘膜細胞の局部的損傷に見られる。成人におけるビタミンB12の推奨毎日摂取量は、2.4μ
gである。
ビタミンB12には、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン及び
アデノシルコバラミンの4つの主たる形がある。メチルコバラミン及びアデノシルコバラ
ミンは、不安定で、光によって損傷を受ける。したがって、それらは、栄養補助食品又は
医薬での使用に不適切であり、体内でシアノコバラミン又はヒドロキソコバラミンから形
成され得るため必須でない。食物に見いだされるビタミンB12の主たる形は、ヒドロキソ
コバラミンである。治療及び栄養補助食品に使用される主たる形は、最も安定した形であ
るため、合成及び処方が最も容易であるために選択されたシアノコバラミンである。
一般に、ビタミンB12内在性因子複合体輸送メカニズムにおける破壊により、ビタミン
が小腸に吸収できないためにビタミンB12の欠乏が起きると、ビタミンB12を全身的に吸収
しなければならない。現行では、治療量のシアノコバラミンをシアノコバラミンの筋肉内
注射又は深皮下注射によって投与する。しかし、患者は、定期的に医院を訪れて、ビタミ
ンB12のレベルを維持するためのさらなる注射を受けなければならない。しかし、鼻内ゲ
ルシアノコバラミン製剤であるNASCOBAL(登録商標)が現在市販されており、シアノコバラ
ミンが維持ビタミンB12療法として鼻内投与される。しかし、多くの患者は、鼻内ゲルの
粘稠性を不快に感じ、シアノコバラミンを含む低粘度スプレーを鼻内投与することを好む
ビタミンB12を治療有効量鼻内吸収させるために、溶液中のB12の濃度を1重量%より大き
くする(Merkus、米国特許第5,801,161号(以下「Merkus」参照)、或いはゲルが外鼻孔に長
時間残留するように粘性ゲルで鼻内投与しなければならない(Wenig、米国特許第4,724,23
1号)(以下「Wenig」)ことを先行技術は示唆している。実際、低粘度溶液で鼻内投与され
たB12は、有益な吸収を可能にするのに十分に長い時間にわたって鼻粘膜と接触しないとW
enigは述べている。Wenigは、溶液が低粘度であれば、B12のほとんどが浪費されると主張
する。Merkusは、ヒドロキソコバラミン濃度が1%を超えるヒドロキソコバラミンの鼻内製
剤を開発したが、ヒドロキソコバラミンは、さほど安定性が高くないため、保存寿命が短
い。シアノコバラミンは、1%を超える濃度で水溶液に可溶でないため、ヒドロキソコバラ
ミンを選択した。
Wenigの教示は、主題開示が、以下に記載する鼻内投与に好適且つ有効な水性形のシア
ノコバラミン製剤を教示していないという点において明確である。Wenigは、Wenigが教示
する2500〜6000cPsの明示された臨界範囲未満の粘度を有するシアノコバラミン製剤の排
除を明瞭に教示している。特に、鼻内シアノコバラミン製剤は、「さらに10,000cpsまで
のより高粘度の組成物を採用できるが、粘度が約2500から6500cpsになるように十分量の
増粘剤を含むことになる」ことをWenigは教示している(第2欄、第37〜39行、強調が追加)
。Wenigは、出願人が開示するより低粘度の鼻内シアノコバラミン製剤に対する調整又は
選択について教示も開示もしていない。対照的に、Wenigの開示は、約1000cPs未満の粘度
を有する鼻内シアノコバラミン製剤を全く排除することを教示している。Wenigに記載さ
れたシアノコバラミンゲル組成物は、考えられるすべての実施態様において、これよりは
るかに高い粘度を有する。したがって、Wenigは、「本発明の典型的な組成物」は「約450
0cps」の粘度を有すると教示している(第3欄、第41〜51行)。Wenigが提示する報告された
作用実施態様の各々(その粘度値が示され、血漿シアノコバラミン値の測定による生物学
的利用能の点で検証したことが報告される)は、それぞれ4000cps、3500〜4000cps及び400
0cpsを有する(例えば、実施例1;製剤A、B及びC参照)。上述のように、Wenigは、「さらに
10,000cpsまでのより高粘度の組成物を採用できる」ことをさらに強調している。
よって、Wenigの開示の鼻内ゲル製剤の代わりに水性液体(スプレー又は滴剤)シアノコ
バラミン製剤を使用するための教示も示唆もWenigによって明示されていない。加えて、W
enigは、開示の背景のセクションにおいて、シアノコバラミンの非ゲル(粉末及び水性)製
剤がビタミンB12を治療するための鼻内投与に効果的でないことを明確に教示している。
水性製剤に関して、Wenigは、例えば、Montoらによって報告された提案のビタミンB12の
等張性塩化ナトリウム水溶液を引用している(Am. J. Med. Sci. 223:113、1953;Arch. In
t. Med. 93:219、1954)。Wenigは、この溶液は、粉末化シアノコバラミン製剤とともに、
ビタミンB12欠乏を治療するための鼻内使用に効果的でないと述べ、以下の理由を挙げて
いる。
B12の大半がそのまま喉に入る。有益且つ均一の吸収を可能にするのに十分な時間にわ
たって鼻粘膜と接触しない。そのようにして投与されたB12の大半が実際浪費される(第1
欄、第63〜68行)。
したがって、Wenigは、臨界の最小範囲の2500〜6500cps未満まで鼻内シアノコバラミン
製剤の粘度を低下させることを排除することを教示するばかりでなく、Wenigが記載する
鼻内ゲル製剤の代わりに水性組成物(スプレー又は滴剤)を使用する可能性を明確に否定し
ている。Wenigは、当該提案された改造を全く排除することを教示する明確な証拠及び理
由を提示している。特に、効果的な鼻内シアノコバラミン製剤は、「B12の大半が吸収さ
れるように十分長時間にわたって鼻路に製剤を維持するのに十分な粘性」を製剤に付与す
るための臨界パラメータとWenigが記載する「約2500から6500cpsの粘度になるように十分
量の増粘剤を有さなければならない(前出)とWenigは教示している(第2欄、第24〜29行)。
これらの特性は、Wenigによって、Wenigの明確な教示によれば、シアノコバラミンの効果
的な鼻内送達/生物学的利用能を達成するのに十分な鼻粘膜滞留時間を発揮できない非ゲ
ル(液体及び粉末)シアノコバラミン組成物の特性と直接対比されている。
鼻投与のための有用なシアノコバラミン製剤を開発する他の試みにおいて、Garcia-Ari
etaら、Biol. Pharm. Bull. 24:1411〜1416、2001(以下「Garcia-Arietaら」)には、「シ
アノコバラミンの鼻吸収エンハンサーとしてのスプレー-乾燥粉末(Spray-Dried Powders
as Nasal Absorption Enhancers of Cyanocobalamin)」(題名)が記載されている。任意の
シアノコバラミンスプレー及び滴剤についてのGarcia-Arietaらによる唯一の開示は、比
較実験から導かれたものであり、それにより著者は、液体(スプレー及び滴剤)シアノコバ
ラミン組成物が鼻内使用に効果がないと明確に報告している。より具体的には、Garcia-A
rietaらは、2つの実験的シアノコバラミン経鼻溶液(0.1%シアノコバラミンを含有する滴
剤及びスプレー;他の処方パラメータは明記されず)とともに3つのスプレー-乾燥鼻内シア
ノコバラミン製剤の生物学的利用能を試験した(1412頁、右欄)。シアノコバラミンの実験
的経鼻スプレー及び滴剤は、検出可能な生物学的利用能を一切示さなかったことをGarcia
-Arietaらは明確に報告している。1415頁左欄に記載されているように、Garcia-Arietaら
は、彼らの実験から、以下のことを見いだした。
「滴剤における経鼻溶液もスプレーにおける経鼻溶液もウサギにおける血清コバラミン
の基底値を統計的に有意な値まで増加させることができなかった。これは、シアノコバラ
ミンが吸収エンハンサーを用いずに投与されると、鼻路に吸収されにくいこと、又は粘度
向上剤の欠如により、これらの製剤が、それらの吸収を可能にするのに十分な長時間にわ
たって鼻孔に保持されなかったことを意味する。(強調が付加)」
これらの報告には、上記のWenigによる結論と厳密に一致する水性低粘度シアノコバラ
ミン製剤の無効性が記載されている。よって、Wenig及びGarcia-Arietaらは、シアノコバ
ラミンの非ゲル液体鼻内製剤が有益な治療結果を達成するのに無効であると理解されたこ
とを教示している。Wenigには、シアノコバラミンの有用な鼻内ゲル製剤のすべての実証
済作用実施態様に対して2500cpsを超える臨界閾値粘度及び3500〜4500cpsのより大きい範
囲が記載されている。Garcia-Arietaらには、単純な1%水性シアノコバラミンスプレー及
び滴剤が検出可能な生物学的利用能を示さなかったことがさらに示されている。
ビタミンB12欠乏を治療するための有用な鼻内製剤を提供するための他の試みにおいて
、Slotら、Gastroenterology 113:430〜433、1997(以下「Slotら」)には、ヒドロキソコ
バラミンの鼻内製剤が報告されている。特に、Slotらには、ヒドロキソコバラミンは、ビ
タミンB12欠乏を治療するためのビタミンB12の好ましい形であること、及びシアノコバラ
ミンは、液体の鼻内送達製剤又は方法での使用に効果的又は実用的な治療薬でないことが
教示されている。上述のWenigと同様に、Slotらには既に述べたシアノコバラミンの等張
性食塩水溶液について意見が示され、「これらの提案はいずれも臨床的実践で追跡されて
いなかった。明らかに、結果は、極めて実用性に欠けていた。」と述べられている(432頁
、右欄)。Slotらは、以下のことを開示することによって、ビタミンB12を治療するための
鼻内シアノコバラミン製剤及び方法を排除することをさらに教示している。
「ヒドロキソコバラミンは、シアノコバラミンより強く血漿タンパク質に結合し、体内
でより長い半減期を有する。結果として、ヒドロキソコバラミンは、体内でより良好に保
持されるため、投与頻度がより少ない。さらに、シアノコバラミンは、熱帯性弱視及び同
時煙草使用の患者、並びに視神経病を伴う悪性貧血の患者において禁忌であるため、ヒド
ロキソコバラミンは、ビタミンB12欠乏を快復させる上で最適の薬物である。(432頁、右
欄)」
鼻内製剤及び方法におけるコバラミンの有用な形としてのシアノコバラミンの選択の排
除を教示する別の先行技術文献は、上記のMerkus、USPN5,801,161である。Slotらの教示
と同様に、Merkusには、ヒドロキソコバラミンは、シアノコバラミンと比較してビタミン
B12欠乏に対する好ましい治療薬であることが明記されている。経鼻製剤の具体的な文脈
において、Merkusは、以下のことを強調している。
「経鼻投与のための製剤におけるビタミンB12の最も有効な濃度は、1%より高い。シア
ノコバラミンで達成できる最大濃度は、約1%である。約1%を超える濃度は、水溶性が良好
であるという理由からヒドロキソコバラミンでのみ得ることが可能である。ヒドロキソコ
バラミン基質の溶解度は、10%に達することが可能であり、そのことは、ヒドロキソコバ
ラミンを使用すると、単位体積当たり約10倍までのビタミンB12を投与し、経鼻吸収する
ことが可能であることを意味する。(第3欄、43〜53行)」
先述の教示に基づくと、当業者は、特に、ビタミンB12欠乏を治療する鼻内投与のため
の有効な治療手段として、低粘度シアノコバラミン製剤及び方法を開発する実用的な動機
を見いださなかったことになる。先行技術全体を考慮すると、以下に記載するシアノコバ
ラミン製剤及び方法を開発・採用して、ここに開示するように、ビタミンB12欠乏を改善
するのに十分なシアノコバラミンの治療有効な送達/生物学的利用能を順調に達成するこ
とが可能であるという合理的な期待が存在しなかっただけである。Wenig及びGarcia-Arie
taらのいずれにも、低粘度液体シアノコバラミン製剤を全く排除することが教示されてい
る。Wenigには、有効な鼻内シアノコバラミンに対する臨界最小粘度が2500〜4000cpsであ
ることが明確に教示されている。Wenig及びGarcia-Arietaらのいずれにも、非ゲル液体シ
アノコバラミン製剤は、鼻内吸収を可能にするのに十分な時間にわたって保持されないで
あろうことが教示されている。Garcia-Arietaらには、1%の単純な水性シアノコバラミン
製剤の経鼻投与後に有意な生物学的利用能が検出されなかったという実験結果が具体的に
報告されている。鼻内液体製剤に使用されるコバラミンの活性形としてのシアノコバラミ
ンの選択及び濃度に関しても同様に、Slotら及びMerkusには、シアノコバラミンが、ビタ
ミンB12欠乏を治療するための鼻内製剤において、有効でないこと、又はせいぜいヒドロ
キソコバラミンと比較して極めて好ましくないことが(粘度のことと無関係に)集約的に教
示されている。これらの教示を例示して、Merkusは、以下のことを強調している。
「ビタミンB12の高度且つ効率的な鼻内吸収は、医学的治療において有益であり、シア
ノコバラミンより有意に高い水溶性を示すヒドロキソコバラミンを使用することによって
のみ得られる。ヒドロキソコバラミンによってのみ、はるかに高濃度のビタミンB12を有
し、結果的にビタミンB12の経鼻吸収がはるかに効率的である水性媒体中の優れた経鼻組
成物を製造することができる。当該経鼻製剤は、患者による摂取頻度が少なくてすむため
、治療がより容易で安価になる。(第2欄、第27〜37行)」
本発明の包括的な分野に関する他の先行技術において、Deihlの米国特許第4,525,341号
には、ビタミンを鼻内投与することが開示されているが、シアノコバラミンのみを含む具
体的な製剤は記載されておらず、又は有効にされていない。
国際特許出願第PCT/US86/00665、公開番号第WO86/05987には、シアノコバラミンとして
ビタミンB12を含む経鼻スプレー組成物が開示されている。しかし、具体的なスプレー製
剤は、いずれも防腐剤として水銀を含有していたが、その開示は、水銀化合物の存在を必
要としていた。塩化ベンザルコニウム及びクロロブタノールを含む他の防腐剤も言及され
ていた。以上に述べたように、シアノコバラミン含有する鼻内ゲルであるNASCOBAL(登録
商標)は、ワシントン州BothellのNastech Pharmaceutical Company Inc.によって現在製
造・市販されている。それは、過去に欠乏症であったが、筋肉内注射を通じてB12の量を
回復した患者にとってビタミンB12の量を維持する上で非常に有効である。しかし、何人
かの患者は、鼻内でゲルの粘稠性を不快に感じ、より粘度が低く、水銀化合物のない鼻内
製剤を好むことになる。したがって、低粘度を有し、所望により水銀化合物がなく、ビタ
ミンB12の維持治療薬として使用するのに十分な生物学的利用能を有するシアノコバラミ
ンの医薬として安定した水溶液を製造する必要がある。
(発明の要旨)
本発明は、約1000cPs未満の粘度を有する、鼻内投与に好適なシアノコバラミンの安定
した医薬溶液であって、前記シアノコバラミンの鼻内溶液は、シアノコバラミンの筋肉内
注射の生物学的利用能の少なくとも5%、一部の実施態様において少なくとも6%又は7%の生
物学的利用能を有する医薬溶液を提供することによって、この必要性を満たす。
代替的な実施態様において、本発明の治療又は医薬として有効な製剤は、シアノコバラ
ミン、クエン酸、クエン酸ナトリウム及び水で構成されていてもよく、粘度は、1000cPs
未満であり、シアノコバラミンの溶液は、シアノコバラミンの筋肉内注射の生物学的利用
能の少なくとも約5%、一部の実施態様において少なくとも約6%又は7%の生物学的利用能を
有する。一部の実施態様において、本発明によるシアノコバラミンの溶液は、シアノコバ
ラミンの筋肉内注射の生物学的利用能の少なくとも約8%、9%、10%、11%又は12%の生物学
的利用能を有する。一部の実施態様において、該溶液は、水銀及び水銀含有化合物が実質
的にない。
本発明の範囲内の一部の組成物は、粘膜の乾燥を抑制するとともに、刺激を防止するた
めの湿潤剤を含有することになる。ソルビトール、プロピレングリコール又はグリセロー
ルを含むが、それらに限定されない様々な湿潤剤のいずれかを使用することができる。例
示の有用な湿潤剤は、グリセリンである。
組成物の保存寿命を延ばすために防腐剤が広く採用される。防腐剤の例としては、ベン
ジルアルコール、クロロブタノール及び塩化ベンザルコニウムが挙げられるが、それらに
限定されない。例示的な実施態様において、防腐剤は、塩化ベンザルコニウムである。防
腐剤の好適な濃度は、全重量に対して0.002%から2.0%であるが、選択される薬剤に応じて
相当の変動があり得る。
代表的な製剤は、シアノコバラミンが0.5%(全重量に対する百分率)、クエン酸が0.12%
、クエン酸ナトリウムが0.32%、グリセリンが2.23%、塩化ベンザルコニウムが0.02%及び
水が96.79%の濃度を有する。他の詳細な実施態様において、精製水にクエン酸ナトリウム
、クエン酸、グリセリン及び塩化ベンザルコニウムとともにシアノコバラミンを溶解させ
た2.3mLの500mcg/0.1mL溶液を含むスプレー塗布器でシアノコバラミンの経鼻スプレー溶
液を提供する。この文脈における代表的なスプレー溶液は、4.5から5.5のpHを有する。初
期プライミングの後、代表的なスプレーポンプスプレーが平均500mcgのシアノコバラミン
を送達し、ボトルに含まれた2.3mLのスプレー溶液が8回の投与分の経鼻スプレーを送達す
ることになる。
本発明の別の実施態様は、シアノコバラミンの水溶液を鼻に注入することからなるシア
ノコバラミンの投与方法であって、シアノコバラミンの溶液は、1000cPs未満の粘度を有
し、前記シアノコバラミンの溶液は、シアノコバラミンの筋肉内注射の生物学的利用能の
少なくとも約5%、一部の実施態様において少なくとも約6%又は7%の生物学的利用能を有す
る方法である。一部の実施態様において、本発明によるシアノコバラミンの溶液は、シア
ノコバラミンの筋肉内注射の生物学的利用能の少なくとも約8%、9%、10%、11%又は12%の
生物学的利用能を有する。より詳細な実施態様において、本発明の方法に従って投与され
るシアノコバラミン溶液は、水銀及び水銀含有化合物を実質的に含まない。この文脈にお
いて、「実質的に含まない」とは、一般には、特定の物質が2重量%未満である溶液をさす
が、他の態様において、溶液は、該物質が1重量%未満、0.05重量%未満、0.01重量%未満、
又は例えば水銀又は水銀含有化合物が、従来の検出方法を用いて溶液中で検出不可能であ
るように完全に存在しない。
さらに本発明は、血清におけるビタミンB12に対するCSFにおけるビタミンB12の比(B12C
SF/B12血清×100)の平均値を少なくとも約1.1まで高めるようにシアノコバラミンの溶液
を鼻内投与することを含む脳脊髄液(cerebral spinal fluid)(CSF)中のビタミンB12値を
上昇させる方法であって、前記シアノコバラミンの溶液は、シアノコバラミンの筋肉内注
射に対して少なくとも7%の生物学的利用能を有する方法に関する。より詳細な実施態様に
おいて、血清におけるB12値に対するCSFにおけるB12の比が少なくとも1.9になるようにB1
2CSF値を高める。
本発明の方法は、さらに、シアノコバラミン溶液をスプレーとしてアクチュエータチッ
プを介して個人の鼻に投与することからなり、スプレーは、一部の実施態様において、以
下の特性の1つ以上を有する。アクチュエータチップから3.0cmの高さで測定した場合のス
プレーパターン楕円率が約1.0から約1.4であること;又はスプレーが液滴を生成し、その
液滴の約5%未満が10μm未満のサイズを有すること;スプレーが約35.3mmのスプレーパター
ン長軸及び約30.8mmの短軸を有すること;スプレーによって生成された液滴の50%が26.9μ
m以下のサイズを有すること;スプレーによって生成された液滴の90%が55.3μm以下のサイ
ズを有すること;或いはスプレーによって生成される液滴の10%が12.5μm以下のサイズを
有すること。
(図面の簡単な説明)
本発明のシアノコバラミン溶液を含み、連動しないアクチュエータを有する経鼻スプレーポンプキットを示す図である。 本発明のシアノコバラミン溶液を含み、連動するアクチュエータを有し、本発明のシアノコバラミン溶液のスプレープルームを噴出する経鼻スプレーポンプキットを示す図である。 スプレーポンプキットのアクチュエータによって生成されるスプレーパターンを示す図である。
(発明の詳細な説明)
以下の定義は、本発明を理解する上で役立ち得る。
「約」は、それが指す公称値のプラス又はマイナス20%の概算値を表す相対的用語であ
ると捉えられる。本開示の主題である薬理学及び臨床医学並びに類似の技術の分野では、
その値が臨界値であるか、又はより厳密な範囲を必要とするように特に指定されない限り
、この概算のレベルは適切である。
「鼻粘膜」;鼻粘膜は、血管形成され、咽頭中央部と空洞の境界に向かって内部に伸び
る鼻の入口の内張であると捉えられる。
「水性」は、水で形成された溶液を指すが、より少量の他の共溶媒を含有していてもよ
い。
「生物学的利用能」は、活性成分(active ingredient)又は活性部分(active moiety)が
薬物製品から吸収され、活性部位で利用可能になる割合及び程度と定義される[21 CFR §
320.1(a)]。
「シアノコバラミンの筋肉注射に対する鼻内スプレーの生物学的利用能」は、注射され
た同量のシアノコバラミンと比較した、全身血管系に吸収される鼻内投与物の量の百分率
を意味する。例えば、100μgのシアノコバラミンを含有するシアノコバラミン溶液の筋肉
内注射が100%の生物学的利用能を有すると仮定し、シアノコバラミンの鼻内投与物が100
μgを含み、シアノコバラミンの筋肉内注射の生物学的利用能の少なくとも5%、一部の実
施態様において少なくとも約6%又は7%の生物学的利用能を有する場合は、5μg、6μg又は
7μgのシアノコバラミンが血管系に吸収されることになる。同様に、シアノコバラミンの
鼻内投与物が500μgを含有する場合は、鼻内製剤が少なくとも7%の生物学的利用能を有す
るのであれば、少なくとも35μgのシアノコバラミンが血管系に吸収されることになる。
「安定性」:保管中、あるパラメータで測定され、その例としては、経時的に製品の品
質属性に有意に影響すると考えられる濃度、劣化、粘度、pH又は粒径が挙げられるが、そ
れらに限定されない任意の組成変化は、不安定を指す。同様に、製品の品質属性に有意に
影響すると考えられない変化は、安定を指す。安定性を測定する時間は、組成物の意図す
る利用に応じて相対的である。より高温における加速安定性は、実際に測定される時間よ
り長い時間にわたって安定性を推断するより迅速な方法と捉えられることもある。
「医薬として許容し得る」:指定の投与経路によってヒト又は哺乳類に投与しても、前
記化合物の投与によって得られる有益性に不釣り合いな有害反応を引き起こさない組成物
を指す。
「哺乳類」は、乳腺によって分泌された乳で幼体を滋養し、通常はある程度毛で覆われ
た皮膚を有する温血性のより高度な脊椎動物類のいずれかを含み、ヒト及びヒト以外の霊
長類、雄及び雌の双方の新生児及び若体を含むそれらの子供、ウマ、ウシ、ヒツジ及びヤ
ギなどの家畜動物種、並びにイヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット及びウサギを含む
研究及び家庭動物種を非排他的に含む。「患者」又は「対象」は、本明細書において、「
哺乳類」と区別なく用いられる。
「鼻内投与」は、鼻腔の粘膜を主に介して薬物を送達することを指す。これは、上部、
中部及び下部鼻甲介及び鼻咽頭を含む。嗅覚領域は、鼻甲介の上部(上1/3)に集中してい
ることに留意されたい。繊毛作用が物質を咽頭中央部に押し戻すため、鼻入口に堆積され
た物質が鼻粘膜に遭遇してから喉に入る。
「実質的にない」は、本発明の組成物における特定の活性成分の量を指し、該特定の活
性成分は、該組成物における活性成分の全量に対して20重量%未満、好ましくは10重量%未
満、より好ましくは5重量%未満、最も好ましくは1重量%未満を占める。
有用であると見なされる本明細書の送達媒体としては、経鼻溶液及びゲルに広く使用さ
れるアクチュエータディスペンサが挙げられる。この技術の実施態様は、多重ディスペン
サ、単一投与ディスペンサ、計量投与ディスペンサ、小児安全ディスペンサ、使い捨てデ
ィスペンサ及びそれらのキットを含む。
本明細書に用いられるように、「血漿におけるシアノコバラミンの最大濃度(Cmax)」、
「血漿におけるシアノコバラミンの濃度対時間曲線下面積(AUC)」、「血漿におけるビタ
ミンの時間対最大血漿濃度(tmax)」は、当業者に知られている薬物動態学的パラメータで
ある[[Laursenら、Eur. J. Endocrinology、135:309〜315、(1996)]。「濃度対時間曲線
」は、鼻内投与、皮下投与又は他の非経口投与経路によるシアノコバラミン投与物の対象
に対する投与後の、対象の血清におけるシアノコバラミンの濃度対時間の測度である。「
Cmax」は、対象に対するシアノコバラミンの単一投与後の対象の血清におけるシアノコバ
ラミンの最大濃度である。「tmax」という用語は、対象に対するシアノコバラミンの単一
投与物の投与後の対象の血清におけるシアノコバラミンの最大濃度に達する時間である。
本明細書に用いられているように、「血漿におけるシアノコバラミンの濃度対時間曲線
下面積(AUC)」は、線形台形則に従って、且つ残りの面積の加算によって計算される。2つ
の投与物の間の23%の減少又は30%の増加を90%の確率(II型誤差β=10%)で検出することに
なる。最大濃度(Cmax)に到達する時間(tmax)を比較することによって「送達速度」又は「
吸収速度」を推定する。非パラメータ法を用いてCmax及びtmaxの両方を解析する。皮下、
静脈内及び鼻内シアノコバラミン投与の薬物動態の比較を差違分析(ANOVA)によって実施
した。一対一の比較では、Bonferroni-Holmes順次処理を用いて、有意性を評価した。3つ
の経鼻投与物の投与応答関係を回帰分析によって推定した。P<0.05を有意と見なした。
結果を平均値±SEMとして示す(Laursenら、1996)。
上記シアノコバラミン溶液は、滴剤又はスプレーの形で鼻粘膜に投与されるように設計
される。しかし、好ましい投与方式は、スプレー形、すなわち微細液滴の形である。好適
なスプレーポンプの例は、Pfeiffer GmbH(ドイツRadolfzell)が製造するPfeiffer Spray
Pump Model #63385である。
(シアノコバラミンの経鼻投与)
本発明による経鼻スプレーを使用して、シアノコバラミンを鼻内投与する。この分野で
は、以下の定義が有用である。
エアロゾル剤-加圧下で梱包され、適切な弁システムの活性化により放出される治療活
性成分を含有する製品。
計量エアロゾル剤-活性化毎に均一の量のスプレー剤の送達を可能にする計量投与弁か
らなる加圧剤形。
粉末エアロゾル剤-加圧下で梱包され、適切な弁システムの活性化により放出される粉
末の形の治療活性成分を含有する製品。
スプレーエアロゾル剤-湿潤スプレーとして製品を吐出するのに必要な力を提供する噴
射剤として圧縮気体を利用するエアロゾル製品。医薬を水性溶媒に溶解させた溶液に広く
適用可能である。
スプレー-空気又は水蒸気の噴流によって小さく分割された液体。
計量スプレー-活性化毎に指定量のスプレーを分配することを可能にする弁からなる非
加圧剤形。
懸濁液スプレー-液体媒体で、且つ粗液滴の形で、又は微細固体として分散された固体
粒子を含有する液体製剤。
薬物送達デバイス(drug delivery device(「DDD」))として計量経鼻スプレーポンプに
よって放出されるエアロゾルスプレーの流動力学的特性決定。スプレー特性決定は、新規
及び既存の経鼻スプレーポンプのための研究開発、品質保証及び安定性試験手順に対する
米国食品医薬品局(Food and Drug Administration(「FDA」)の承認に必要な法的順守の重
要な部分である。
スプレーの幾何学構造の完全な特性決定は、経鼻スプレーポンプの全体的な性能の最良
の指標であることが判明した。特に、デバイスを出るときのスプレーの開度(プルーム幾
何学構造);スプレーの断面楕円率、均一性及び粒子/液滴分布(スプレーパターン);並びに
展開するスプレーの時間展開の測定値は、経鼻スプレーポンプの特性決定における最も代
表的な性能値であることが判明した。品質保証及び安定性試験を通じて、プルーム幾何学
構造及びスプレーパターン測定値は、経鼻スプレーポンプに対する承認データ基準との整
合性及び適合性を検証するための主要な識別子である。
(定義)
プルーム高さ-アクチュエータチップから、線形流の破壊によりプルーム角度が非線形
になる点までの測定値。デジタル画像の視覚検査に基づいて、且つスプレーパターンの最
も遠い測定点と一致する幅の測定点を確定するために、この試験では30mmの高さを規定す
る。
長軸-基本単位(mm)でCOMwと交差する固定スプレーパターン内に引くことができる最も
大きい弦。
短軸-基本単位(mm)でCOMwと交差する固定スプレーパターン内に引くことができる最も
小さい弦。
楕円率-長軸の短軸に対する比。
D10-サンプルの全液体容量の10%がより小さい直径の液滴からなる液滴の直径(μm)。
D50-サンプルの全液体容量の50%がより小さい直径の液滴からなる液滴の直径(μm)で、
質量中央径としても知られる。
D90-サンプルの全液体容量の90%がより小さい直径の液滴からなる液滴の直径(μm)。
Span-分布幅の測定値。値が小さいほど、分布が狭い。全長は、以下の式で計算される

Figure 0005797227
%RSD-百分率相対標準偏差。標準偏差を数列の平均値で割り、100を掛けた値で、%CVと
しても知られる。
シアノコバラミン経鼻スプレーキット
本発明は、シアノコバラミン経鼻スプレーキット、及び該経鼻スプレーキットを使用し
てシアノコバラミン溶液を投与する方法でさらに構成される。
経鼻スプレーキットは、図1A、1B及び図2で例示される。図1A及び1Bは、実働前(図1A)
及び実働後(図1B)後の経鼻スプレーデバイス10を示す。シアノコバラミン経鼻スプレーキ
ット10は、容器、この場合はシアノコバラミン製剤を配置するボトル12、並びにボトル12
に装着され、ボトル12内のシアノコバラミンの溶液と流体接続するアクチュエータ14で構
成される。アクチュエータ14は、作動又は実働すると、シアノコバラミンのスプレープル
ーム16をアクチュエータのチップ15に通す。スプレープルームは、シアノコバラミンの溶
液の液滴で構成される。プルームの所定の高さを超えるスプレープルーム16の断面の写真
を撮ることによってスプレーパターンを測定する。スプレープルームは、アクチュエータ
14を出るときに放出角20を有する。スプレープルーム16のスプレーパターンを図2に示す
。図2のスプレーパターンは、楕円形であり、長軸24及び短軸26を有する。
1つの代表的な実施態様において、アクチュエータは、アクチュエータチップから3.0cm
の高さで測定した場合におけるスプレーパターン楕円率が約1.0から約1.4であるシアノコ
バラミン溶液のスプレーを生成する。一部の実施態様において、シアノコバラミン溶液の
液滴の5%未満が10μm未満のサイズであり、スプレーパターンは、それぞれ25mm及び40mm
の長軸及び短軸を有し、液滴の50%が26.9μm以下のサイズであり、液滴の90%が55.3μm以
下のサイズであり、液滴の10%が12.5μm以下のサイズである。
上記のように、本発明は、様々な疾患、障害及び状態の治療又は予防のために哺乳類対
象にシアノコバラミンを鼻内投与するための改善された方法及び組成物を提供する。本発
明の方法による治療及び予防のための適切な哺乳類対象の例としては、ヒト及びヒト以外
の霊長類、ウマ、牛、羊及びヤギなどの家畜動物種、並びにイヌ、ネコ、マウス、ラット
、モルモット及びウサギを含む研究及び家庭動物種が挙げられるが、それらに限定されな
い。
代表的な治療方法において、本発明のシアノコバラミン経鼻スプレーを、筋肉内ビタミ
ンB12治療の後に鎮静した患者の血液状態の維持に向けることができる。例えば、初期治
療投薬は、患者が、1から5mgの葉酸とともに約1から2週間にわたって100μgのシアノコバ
ラミンの筋肉注射を毎日受けることを含むことができる。100μgを超える投与物は、血漿
から尿に迅速に排出され、ビタミンB12をより大量に投与してもより大量のビタミンがよ
り長時間滞留しないため、シアノコバラミンの筋肉内注射は、100μgを超えないものとす
る。本発明の方法及び組成物を用いた治療を以下のように当該初期治療の過程の後に行う
ことができる。
100μgのシアノコバラミンを1カ月に1度注射する代わりに、本明細書に記載のシアノコ
バラミンスプレーを使用して、患者が、例えば500μgのシアノコバラミンを含有する経鼻
スプレーの投与物を1週間に1回又は2回自己投与する。鼻内シアノコバラミンの維持治療
は、ビタミンB12欠乏と診断された任意の患者に対応するが、特に、悪性貧血、徹底的菜
食主義者、所謂動物製品を食べない完全菜食主義者において生じるビタミンB12の食事性
欠乏に対して治療される患者に対応する。本発明のシアノコバラミン溶液を使用する維持
シアノコバラミン治療は、内在性因子が分泌される胃又は内在性因子がB12吸収を促進す
る回腸の構造的又は機能的損傷に起因するビタミンB12の吸収不良に苦しむ患者に対して
も示唆される。これらの状態は、熱帯性スプルー及び非熱帯性スプルー(小児脂肪便症、
グルテン誘発腸症)を含む。
本発明のシアノコバラミン溶液を使用する維持シアノコバラミン治療は、内在性因子の
不十分な分泌、胃粘膜を破壊する病変(腐食剤の摂取、大規模な腫瘍形成)、並びに可変的
な程度の胃萎縮に伴ういくつかの状態(多発性硬化症、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)感染、
特定の内分泌障害、鉄欠乏及び部分的胃切除など)に起因するビタミンB12の吸収不良に苦
しむ患者に対しても示唆される。B12欠乏をもたらす構造的病変としては、回腸炎、回腸
切除、クローン病及び悪性腫瘍が挙げられる。ビタミンB12欠乏は、また、腸寄生虫によ
る競合、及び新生物の治療にビタミンに対する抗代謝物質が採用された場合に生じるビタ
ミンB12の不十分な利用の結果であり得る。
本発明の鼻内シアノコバラミン溶液を、例えば、妊娠、甲状腺機能亢進症、溶血性貧血
、大量出血、悪性腫瘍、肝臓病及び腎臓病により通常より多くの量のビタミンB12を必要
とする個人に使用することもできる。
以上に記載したように、本発明は、鼻内投与に好適であり、約1000cPs未満の粘度を有
するシアノコバラミンの安定した医薬溶液であって、前記鼻内シアノコバラミン溶液は、
鼻内投与されると、シアノコバラミンの筋肉内注射の生物学的利用能の少なくとも5%、6%
又は7%の生物学的利用能を有するシアノコバラミン溶液を提供する。鼻内製剤は、水及び
シアノコバラミンに加えて、pHを4から6、好ましくは約5に維持するための緩衝剤、粘膜
の乾燥を抑制するための随意の湿潤剤及び随意の防腐剤でしばしば構成されることになる
一部の代表的な実施態様において、本発明による組成物は、シアノコバラミン、クエン
酸、クエン酸ナトリウム及び水で構成され、粘度は、1000cPs未満であり、シアノコバラ
ミンの溶液は、シアノコバラミンの筋肉内注射の生物学的利用能の少なくとも5%、6%又は
7%、一部の実施態様において少なくとも約8%、9%、10%、11%又は12%以上の生物学的利用
能を有する。
一部の実施態様において、本発明の組成物は、粘膜の乾燥を抑制するとともに、刺激を
防止するための湿潤剤を含有することになる。ソルビトール、プロピレングリコール又は
グリセロールを含む様々な湿潤剤のいずれかを使用することができる。代表的な湿潤剤は
、グリセロールである。
組成物の保存寿命を延ばすために防腐剤が広く使用される。防腐剤の種類としては、ベ
ンジルアルコール、パラベンズチメロサール、クロロブタノール、塩化ベンゼトニウム及
び塩化ベンザルコニウムが挙げられる。本発明の製剤及び方法の範囲内で有用な代表的防
腐剤は、塩化ベンザルコニウムである。防腐剤の好適な濃度は、全重量に対して0.002%か
ら2%であるが、選択される薬剤に応じて相当の差があってもよい。
一部の代表的な実施態様において、本発明による製剤は、シアノコバラミンが0.5%(全
重量に対する百分率)、クエン酸が0.12%、クエン酸ナトリウムが0.32%、グリセリンが2.2
3%、塩化ベンザルコニウム溶液が0.02%及び水が96.79%の濃度を有する。
本発明の範囲内で有用な他の緩衝剤の組合せとしては、リン酸モノカリウムとリン酸二
ナトリウム;フタル酸水素カリウムと水酸化ナトリウム;並びに酢酸ナトリウムと酢酸が挙
げられるが、それらに限定されない。
本発明の別の実施態様は、シアノコバラミンの水溶液を鼻に注入することからなるシア
ロバラシンの投与方法であって、該シアノコバラミン溶液は、1000cPs未満の粘度を有し
、前記シアノコバラミン溶液は、シアノコバラミンの筋肉内注射と比較して少なくとも約
5%、6%又は7%の生物学的利用能を有する方法である。一部の実施態様において、本発明の
シアノコバラミン溶液の生物学的利用能は、シアノコバラミンの筋肉内注射の生物学的利
用能と比較して少なくとも約8%、9%、10%、11%及び12%まで又はそれ以上である。
さらに本発明は、血清におけるビタミンB12に対するCSFにおけるビタミンB12の比(B12C
SF/B12血清×100)の平均値を少なくとも約1.1まで高めるようにシアノコバラミンの溶液
を鼻内投与することを含む脳脊髄液(cerebral spinal fluid)(CSF)中のビタミンB12値を
上昇させる方法であって、前記シアノコバラミンの溶液は、シアノコバラミンの筋肉内注
射に対して少なくとも7%の生物学的利用能を有する方法に関する。一部の実施態様におい
て、血清におけるB12値に対するCSFにおけるB12の比が少なくとも1:9になるようにB12CSF
値を高める。
ビタミンB12欠乏は、神経系の不可逆的な損傷をもたらし得るため、これは本発明の有
意な実施態様である。有髄ニューロンの進行性膨張、脱髄、及び神経細胞死が、脊柱及び
大脳皮質に見られる。これは、手足の麻痺、動揺をもたらす振動及び位置感覚の低下、深
部腱反射の低下、及び後期段階において混乱、不機嫌、記憶喪失、さらには中心視力の低
下を含む広範な神経性徴候及び症状を引き起こす。患者は、妄想、幻覚又はさらには顕在
的精神異常を示し得る。神経性障害は、造血の変化から分離され得るため、ビタミンB12
の欠乏は、貧血でなくても、痴呆及び精神障害の高齢患者における1つの可能性と見なさ
れるべきである。したがって、CSFにおけるビタミンB12値を高めることに関する本発明の
実施態様は、神経性患者にとって大きな利点を有することができる。したがって、本発明
によるビタミンB12の鼻内投与を利用して、アルツハイマー病、痴呆及び多発性硬化症の
ような疾患を治療することができる。
本発明の代表的な製剤は、以下を含む。
シアノコバラミン経鼻スプレー500mcg/0.1mL
製剤:
Figure 0005797227
シアノコバラミン経鼻スプレーに使用できる代替的な緩衝剤系及び量
Figure 0005797227
任意のスプレーボトル又はシリンジを使用して、本発明の鼻内製剤を投与することがで
きる。好ましい経鼻スプレーボトルは、1噴射当たり0.1mLの投与物を送達し、36.05mmの
ディップチューブ長を有する「経鼻スプレーポンプw/安全クリップ、Pfeiffer SAP # 605
48」である。それをニュージャージ州PrincetonのPfeiffer of Americaから購入すること
ができる。
以下の実施例は、限定ではなく、例示を目的として示される。
(実施例1)
本発明の鼻内シアノコバラミン溶液とNASCOBAL(登録商標)及びシアノコバラミンの筋肉
内注射との比較
(導入)
Nascobal(登録商標)(シアノコバラミン、USP)は、同等のビタミンB12活性を有するビタ
ミンB12の合成形である。化学名は、5,6-ジメチル-ベンゾイミダゾリルシアノコバミドで
ある。現在、Nascobal(登録商標)(シアノコバラミン、USP)は、自己投与経鼻ゲルとして
市販されている。注射可能ビタミンB12治療の後に鎮静状態にあるビタミンB12吸収不良の
対象におけるNascobal(登録商標)(シアノコバラミン、USP)の推奨投与量は、1週間に1回5
00μgを鼻内投与することである。
ビタミンB12欠乏には、胃腸系の構造的又は機能的損傷に起因するビタミンB12の吸収不
良及びビタミンB12の食事性欠乏を含むいくつかの原因がある。
この研究の目的は、ビタミンB12経鼻ゲルと経鼻スプレーとの生物学的同等性を比較す
るとともに、正常の健康な男性及び女性の対象の絶食状態におけるビタミンB12の3つの製
剤の相対的生物学的利用能を評価することである。
鼻内シアノコバラミンゲルは500μgの投与量に対して承認される。現行の試験は、また
、同じ500μgの投与量のシアノコバラミン経鼻スプレー及び100μgの筋肉内投与物を利用
する。
(試験の目的)
正常の健康な男性及び女性の対象の絶食状態における単一の鼻内投与スプレー、単一鼻
内投与ゲル(Nascobal(登録商標))及び単一筋肉内投与ビタミンB12の薬物動態プロファイ
ルを比較する。
(調査計画)
全体的な試験設計及び計画
この研究は、以下のように、絶食状態の正常の健康な男性及び女性における鼻内(IN)ス
プレー(500μg)、INゲル(Nascobal(登録商標))(500μg)及び筋肉内(IM)注射(100μg)を介
して投与されるビタミンB12の単一部位、開放ラベル、三方(3治療薬、6系列)交差薬物動
態試験とした。
治療薬A:500μgのビタミンB12の1回のINスプレー投与。鼻内製剤は、本発明の代表的な
実施態様で構成され、0.5%(全重量に対する百分率)の濃度のシアノコバラミン、クエン酸
0.12%、クエン酸ナトリウム0.32%、グリセリン2.23%、50%塩化ベンザルコニウム溶液0.04
%及び96.79%の水を含有していた。
治療薬B:500μgのビタミンB12の1回のINゲル投与(Nascobal(登録商標))
治療薬C:100μgのビタミンB12の1回のIM投与。
対象に各拘束期間を通じてビタミンB12のない食事を与えた。前の治療薬投与後14日以
降に次の治療薬を投与する。
(治療薬)
投与する治療薬
6系列の1つにおいて、PPD Development Biostasticianによって生成された無作為化に
基づいて、8時間絶食後の期間I、II及びIIIの1日目に、500μgビタミンB12の単一INスプ
レー(治療薬A)、500μgビタミンB12の単一INゲル(Nascobal)(登録商標)(治療薬B)又は100
μgビタミンB12の単一IM投与物(治療薬C)を対象に与えた。すべての期間の後に、すべて
の対象が、交差的に各治療薬を与えられた。14日間のウォッシュアウト期間が3つの投与
期間を分割した。
1日目の朝に、治療薬Aが割り当てられる対象は、500μgのビタミンB12の単一INスプレ
ー投与物が与えられた。治療薬Bが割り当てられる対象は、500μgのビタミンB12の単一IN
ゲル投与物(Nascobal(登録商標))が与えられた。治療薬Cが割り当てられる対象は、100μ
gのビタミンB12の単一IM投与物が与えられた。投与の前に一晩(即ち、少なくとも8時間)
絶食させ(水は除く)、投与後に少なくとも4時間絶食させた(水は除く)。
臨床現場に拘束されている間、対象は、他の試験関連活動と矛盾しない予定時間で標準
化されたビタミンB12欠乏食を与えられた。登録栄養士が食事を設定し、食物スタッフが
食事日誌をつけた。試験中は、栄養補助食品を許可しなかった。対象は、チェックイン前
の72時間にわたって、アルコール含有、グレープフルーツ含有又はカフェイン含有食品又
は飲料を摂取するのを控えた。
(研究変数)
各対象について、可能な限り、モデルと無関係のアプローチ、即ちCmax、Tmax及びAUQ0
-tに従って、治療薬A、B及びCのビタミンB12血清濃度に基づいて以下の薬物動態学的パラ
メータを計算した。
(薬物動態学的測定値)
ビタミンB12値のPK分析のための血液サンプルを、5mLのイエロートップVacutainer(登
録商標)Hemogard(商標)真空血清分離器収集管を使用して、留置カテーテル及び/又は直接
静脈穿刺を介して収集した。ビタミンB12値のPK分析のための血液サンプルを1日目の0、6
及び12時間後及び1日目の0時間後(即ち投与前);30分後;各期間について投与後1、1.5、2
、4、6、8、10、12、18、24、36、48、60、72、84及び96時間後に収集した。
(測定値の妥当性)
この研究に使用される薬物動態学的パラメータは、典型的には生物学的同等性を評価す
るのに用いられるものであった。生物学的同等性のすべての評価は、AUC0-t、Tmax及びCm
ax(試験と基準治療薬)の比較に基づいていた。
AUCは、薬物の生物学的利用能の範囲を測定し、体循環に達する全量の薬物を反映する
Cmaxは、薬物投与後に得られる最大血清濃度を表し、十分な薬物が体循環に達して、治
療応答を与えたことを示す。加えて、Cmaxは、見込まれる有毒薬物量の警告を示す。
Tmaxを計算し、中央値±レンジで表した。
(薬物動態学的変数)
各対象について、可能な限り、モデルと無関係のアプローチ(基準1)に従って、治療薬A
、B及びCのビタミンB12血清濃度に基づいて以下の薬物動態学的パラメータを計算した。
Cmax 最大観察濃度
tmax 時間対最大濃度
AUC0-t 線形台形則によって計算した、時間0から最終測定可能濃度までの濃度-時間曲
線下面積
SAS(SAS Inst.、Version 8.02)を使用して、薬物動態学的計算を行った。
(プロトコルにおいて計画された統計的手法及びサンプルサイズの測定)
統計及び分析プラン/薬物動態学的分析
血清サンプルにおけるビタミンB12値をpg/mLで測定した。定量可能な検出限界の下の血
清濃度値をゼロとして処理した。薬物動態学的パラメータのすべての計算において、計画
されたサンプリング時間でなく、実際のサンプリング時間を用いた。しかし、表示を容易
にするために、計画されたサンプリング時間を用いて、表、リスト及び図において結果を
表した。
濃度データから、非区画薬物動態学的パラメータ(AUC0-t、Cmax及びTmax)をセクション
8.4.3に記載のように計算した。
(統計分析)
他に指定する場合を除いて、すべての統計試験を0.05有意レベルで実施した。連続パラ
メータの概要統計値は、数(N)、平均値、中央値、SD及びレンジで構成した。
各時点におけるビタミンB12のレベル及び計算した薬物動態学的パラメータに対する処
理によって、記述統計値を得て、表にまとめた。
生物学的同等性を試験(治療薬A-経鼻スプレー)対基準(治療薬B-ゲル)について評価した
。差違の分析(ANOVA、基準2)を実施し、試験/基準比に対して90%信頼区間を生成した。Cm
ax及びAUC0-tは、分析前に変換された自然対数(loge)とした。対数スケールの平均値の差
に対する90%信頼区間の真数をとることによって、幾何平均比に対する対応する90%信頼区
間を求めた。
loge-変換Cmax及びAUC0-tからの90%信頼区間の下限が80%以上であれば、試験(治療薬A)
は、基準(治療薬B)に対して劣っていないと想定された。loge-変換Cmax及びAUC0-tからの
90%信頼区間の下限が80%未満であれば、非劣等性を確定できないと想定された。
誤差項として数列内での対象に対する根平均誤差(MSE)を用いて数列効果を試験した。
すべての他の主たる効果をANOVAモデルからのMSEに対して試験した。
試験(治療薬A及びB-それぞれ経鼻スプレー及びゲル)並びに基準(治療薬C〜IM)グループ
について生物学的利用能を評価した。基準(治療薬C)グループ平均値に対する試験(治療薬
A及びB)グループ平均値の比について、90%信頼区間を調べることによって相対的生物学的
利用能を評価した。
Tmaxについて、試験グループと各基準グループの間に差が存在するかどうかを判断する
ために、ウィルコクソンの対応対法を用いて分析を行った。
要約-結論
薬物動態試験結果:
2つのIN製剤に対する相対的生物学的利用能は、0.9715であった。生物学的利用能は、
治療薬A(スプレー)と治療薬C(IM)とを比較した場合は0.6105であり、治療薬B(ゲル)と治
療薬C(IM)を比較した場合は0.6284であった。
スプレー製剤及びゲル製剤の薬物動態プロファイルは、Cmax(それぞれ1480pg/mL、1670
pg/mL)及びAUC0-t(それぞれ92000pg*時間/mL、97000pg*時間/mL)について類似していた。
また、スプレーとゲルIN製剤のTmaxの中央値差は15分(-0.24)未満であった。IM製剤に対
するCmax値は、2つのIN製剤のCmax値より有意に大きかった(p<0.0001)。
Cmax及びAUC0-tに基づくゲルデータに関して、ビタミンB12INスプレーについての生物
学的同等性を確定した。スプレー製剤及びゲル製剤についてのloge-変換Cmax及びAUC0-t
の90%信頼区間は、80%から125%の範囲内であった。また、信頼区間の下限がAUC0-t及びCm
axの双方について80%を超えるため、それら2つのIN製剤を比較した場合の非劣等性を想定
することができる。
結論:
2つのIN製剤に対する相対的生物学的利用能は、0.9715であった。生物学的利用能は、
治療薬A(スプレー)対治療薬C(IM)については0.6105であり、治療薬B(ゲル)と治療薬C(IM)
とを比較した場合は0.6284であった。
スプレー製剤及びゲル製剤の薬物動態プロファイルは、Cmax(それぞれ1480pg/mL、1670
pg/mL)及びAUC0-t(それぞれ92000pg*時間/mL、97000pg*時間/mL)について類似していた。
また、スプレーとゲルIN製剤のTmaxの中央値差は15分(-0.24)未満であった。IM製剤に対
するCmax値は、2つのIN製剤のCmax値より有意に大きかった(p<0.0001)。
AUC0-tとCmaxに対するloge-変換90%信頼区間を用いて、ビタミンB12スプレー製剤とビ
タミンB12ゲル製剤との生物学的同等性を確定した。スプレー製剤及びゲル製剤について
のloge-変換Cmax及びAUC0-tの90%信頼区間は、0.8から1.25の範囲内であった。2つのIN製
剤(治療薬Aと治療薬B)について非劣等性を想定することができる。
いずれのビタミンB12製剤も安全で、健康な男性及び女性協力者に十分に許容された。
上記のように、本発明の一部の実施態様において、本発明の鼻内シアノコバラミン製剤
の最小の相対的又は比較上の生物学的利用能(例えば、擬薬又は偽薬製剤が投与された好
適な対照の対象に対するシアノコバラミンの血漿又はCSF濃度について試験された、同等
の投与量の筋肉内シアノコバラミン又は鼻内シアノコバラミンを投与した並行試験対象に
おいて)は、筋肉内注射によって達成される生物学的利用能の少なくとも5%、6%又は7%、
いくつかの場合において8%、9%、10%、11%又は12%以上になる。
本開示は、本発明の方法及び組成物のこれらの予期せぬ性能特性を証明するために、詳
細な比較上の生物学的利用能の研究及び結果を示す。上述のように、2つの代表的な鼻内(
IN)製剤に対する生物学的利用能は、0.9715であった。相対的生物学的利用能は、治療薬A
(スプレー)と治療薬C(筋肉内=IM)とを比較した場合は0.6105であり、治療薬B(ゲル)と治
療C(IM)を比較した場合は0.6284であった。比較されるシアノコバラミンスプレー製剤と
ゲル製剤の薬物動態プロファイルは、Cmax(それぞれ1480pg/mL、1670pg/mL)及びAUC0-t(
それぞれ9200pg*時間/mL、9700pg*時間/mL)について類似していた。また、スプレーとゲ
ルIN製剤のTmaxの中央値差は15分(-0.24)未満であった。IM製剤に対するCmax値は、2つの
IN製剤のCmax値より有意に大きかった(p<0.0001)。
これらのデータは、シアノコバラミンのIN対IMの生物学的利用能に対する比較上のAUC
値の形でそのまま表されていないが、相対的AUC値は、以上に示したデータから容易且つ
正確に導出可能である。特に、以上に示した比較上の生物学的利用能研究の結果は、IMシ
アノコバラミンの生物学的利用能に対する代表的なスプレーシアノコバラミン製剤、及び
IMの生物学的利用能に対する代表的なゲル製剤の「相対的生物学的利用能」がそれぞれ0.
6105及び0.6284であることを証明している。これらの値は、公称投与量に基づくAUCの幾
何平均値の自然対数の比を表す。これらのデータを、鼻内投与した500μg及びIMによって
投与された100μgの投与量に基づいて、適切な多投与量に対して従来の方法に従って投与
量について正規化した。当業者はこれらのデータを容易に把握するとともに、投与量正規
化データが、少なくとも約5%、6%又は7%の開示された相対的最小相対的生物学的利用能に
合理的に対応する本発明のINシアノコバラミン溶液とIM投与との生物学的利用能の比を導
くことを十分に理解するであろう。この測定を標準的な数式処理によって行って、INスプ
レー及びIM注射に対する投与量について正規化された相対的AUC値を導くことができる。
以上に示した実施例において、この標準処理/結果は、0.6105×100μg/500μg×100=12%;
又はINスプレーとIM注射とのAUCの比が0.12である。加えて、実際の算術的AUCは、代表的
なINシアノコバラミンスプレー及びゲルについて、それぞれ92000及び97000pg*時間/mLと
して以上に示されている。これらのデータも同様に、本開示に従って、IM注射研究コンパ
レータについての対応するAUCを証明する。例えば、IMに対するAUCの算術平均値は、1471
55pg*時間/mLとして計算される(以上に示した比から逆数式処理によって容易に導かれる
‐例えば、スプレーでは、92000/147155=0.62比)。投与量について正規化されると、これ
らのデータは、IMシアノコバラミンの生物学的利用能と比較した場合における本発明のIN
シアノコバラミン製剤についての代表的な相対的生物学的利用能値が少なくとも7%、他の
実施態様において少なくとも9%、10%、11%又は12%以上のここに記載の範囲内であること
に直接対応する。
(実施例2)
健康な男性及び妊娠していない女性協力者における鼻内及び筋肉内投与後のビタミンB1
2の脳脊髄液(CSF)への取込み量を比較するための非盲検単一投与並行グループ研究の結果
も本開示によって示される。この研究では、CSF値を両製剤によってもたらされた血漿値
と比較した。
年齢が18歳以上の36人の健康な男性及び妊娠していない女性対象を研究に登録した。18
人の対象に、0.1mLスプレーとして送達される500mcgの単一鼻内投与物を与え、18人の対
象に、筋肉内送達される100mcgの単一筋肉内投与物を与えた。各対象は、1カ月の期間中
に3回臨床現場を訪れた。これらの訪問は、選別のための訪問、1回の投与のための訪問及
び最終訪問からなるものであった。
各投与後、各対象は、1回だけ腰椎穿刺を受け、合計4.0mLのCSF(4チューブ、1チューブ
当たり1.0mL)を回収した。対象の3分の1は、投与60分後にCSFサンプルが回収され、対象
の3分の1は、投与90分後にCSFサンプルが回収され、対象の3分の1は、投与120分後にCSF
サンプルが回収された。
上記に加えて、投与の当日に、投与前、投与の5、10、15及び20分後、並びに投与の0.5
、1、1.5、2、3、4、6及び8時間後(排出前)に7mLの血液サンプルを採取した。
全ビタミンB12含有量について脳脊髄液の評価を行った。本明細書に記載する研究の目
的は、筋肉内(IM)及び経鼻投与の後に血液及びCSFに存在するビタミンB12の量を測定する
ことであった。
(基準及び試験製品)
基準製品:シアノコバラミン100mcg筋肉内注射
シアノコバラミン注射、USPは、筋肉内注射又は皮下注射のためのシアノコバラミン(ビ
タミンB12)の無菌液である。1mL毎に1000mcgのシアノコバラミンを含む。
試験製品:ビタミンB12経鼻スプレー=500mcg/0.1mLスプレー。この研究におけるシアノ
コバラミン鼻内水溶液は、0.5%(全重量に対する百分率)の濃度のシアノコバラミン、クエ
ン酸0.12%、クエン酸ナトリウム0.32%、グリセリン2.23%、50%塩化ベンザルコニウム溶液
0.04%及び96.79%の水を含有していた。
1投与物:1投与当たり500mcg/0.1mLを送達するために2.3mLボトルとしてビタミンB12
鼻スプレーを供給した。
鼻内投与前に、すべての対象に対して、適正な投与技術及び研究の全体的な実施法につ
いての指導を行った。
対象に、鼻を静かにかむよう指示した。対象は、着席姿勢を維持し、プライミングされ
たIN塗布器が、研究スタッフの指示の下で対象によって外鼻孔に挿入された。投与中、反
対側の外鼻孔は人差し指で塞いだ。対象に、投与に向けて頭をわずかに後方に傾け、投与
直後に静かに息を吸い込みながら頭を直立姿勢に戻すよう指示した。このプロトコルによ
れば、0.1mLの投与量のビタミンB12スプレーを各対象の鼻腔に放出した(投与物は、一方
の外鼻孔に対する単一塗布物である)。対象に、IN処理後1時間の間は鼻をかまないよう指
示した。
投与後、各対象は、腰椎穿刺を受け、4.0mLのCSF(4チューブ、1チューブ当たり1.0mL)
を回収した。各グループの対象の3分の1は、投与60分後にCSFサンプルが回収され、対象
の3分の1は、投与90分後にCSFサンプルが回収され、対象の3分の1は、投与120分後にCSF
サンプルが回収された。投与後適切な時間に、検査者は、腰椎穿刺に適し位置に患者を配
置した。腰部に準備を施し、通常の無菌布で覆った。局部麻酔を利用した(1%キシロカイ
ン、1〜5mL)。十分な麻酔状態に達すると、脊柱針(20又は22G)を、検査者が適切と思われ
るレベルで脊柱管に導入した。CSFサンプルを投与から60、90又は120分後に回収した。合
計4.0mLのCSFを各患者から回収し、4つの個別の回収チューブに分配した。チューブに患
者識別子を適切に標示し、生体分析に供した。CSFの回収が完了すると、脊柱針を除去し
た。
CSFにおけるビタミンB12濃度を用いてCSF及び血清の両方におけるビタミンB12値を測定
し、それを、検証済のTOSOH Nex.1A手順を用いてビタミンB12を測定するために分析する
(結果及び結論)
ビタミンB12の血清に対する比は、ビタミンB12の鼻内投与を受けた個人の方がビタミン
B12の筋肉内注射を受けた個人より大きいことがデータによって示された。
ビタミンB12の鼻内投与を受けた個人についての平均比(B12 CSF/B12血清×100)は、1.1
から1.9であるのに対して、ビタミンB12の筋肉内注射を受けた個人は、0.17から0.24の平
均比を有していた。鼻内投与は、ビタミンB12の筋肉内注射に対して血清における生物学
的利用能が約7〜12%しかないという点において、これは驚くべき結果である。これは、ビ
タミンB12の鼻内投与は筋肉内注射よりはるかに効率的にCSFに達することを示している。
(実施例3)
シアノコバラミン溶液の製造
溶液0.1g当たり500mcgの濃度を有する4000gバッチの本発明のシアノコバラミン溶液を
調製した。
出発材料
Figure 0005797227
3871.6グラムの水を、ホットプレート上に配置されたステンレス鋼容器に入れた。水を
約30℃まで加熱し、撹拌した。加熱水に12.8gのクエン酸ナトリウムを添加しながら水を3
00rpmで5分間撹拌した。次いで、4.8gのクエン酸を添加し、10分間撹拌した。この混合物
に20.0gのシアノコバラミンを添加し、30℃にて300rpmで30分間撹拌した。次いで、ホッ
トプレートをオフにした。89.2gのグリセリンを添加し、300rpmで5分間撹拌した。次いで
、シアノコバラミン溶液に50重量%の塩化ベンザルコニウムを含有する1.6gの水溶液を添
加し、300rpmで5分間撹拌した。次いで、pHを測定し、pHが4.5〜5.5の範囲にない場合は
調整した。さらなる水を添加して、溶液の重量を4000gとした。
(実施例4)
本実施例では、治療に有効な血漿濃度をもたらすのに十分な濃度のサケシアノコバラミ
ンの水溶液を含み、前記溶液のエアロゾルを生成するためにアクチュエータを介して送達
される本発明の代表的な医薬組成物であって、前記エアロゾルのスプレーパターン楕円率
が、アクチュエータチップから30cmの高さで測定された場合に1.00から1.40である、医薬
組成物について記載する。
エアロゾルの容量は、約5マイクロリットルから1.0ml、好ましくは20から200マイクロ
リットルであり得る。
この試験方法では、SprayView NSPシステムを使用してシアノコバラミン経鼻溶液製剤
のプルーム幾何学構造の特性決定を行うための手順を記載する。米国特許第6,665,421号
及び2003年1月23日に公開された米国特許出願公開第20030018416号に記載の方法に従って
、統合SprayView NSxアクチュエーションステーション(Image Therm Engineering, Inc.(
マサチューセッツ州Sudbury)を有するSprayView高速光スプレー特性決定システム(SprayV
iew NSP)を使用してプルーム幾何学構造の特性決定を行う。
表1の製剤を使用して、1噴射当たり0.1mLの投与物を送達し、36.05mmのディップチュー
ブ長を有する「経鼻スプレーポンプw/安全クリップ、Pfeiffer SAP # 60550」をいずれも
有するいずれも3mLボトル中の製剤のスプレー特性決定及び液滴サイズ。
液滴サイズデータを以下の表に示す。
Figure 0005797227
以下にスプレーパターン結果を示す。
Figure 0005797227

Claims (6)

  1. シアノコバラミン溶液を鼻内投与するためのキットであって:
    容器、該容器内のシアノコバラミンの溶液、及び前記容器に装着されたアクチュエータを含み、シアノコバラミン溶液のスプレーは、前記アクチュエータが作用するときに前記アクチュエータのチップを介して放出され、
    シアノコバラミンの前記水溶液は、0.5重量%の濃度のシアノコバラミン、0.12重量%の濃度のクエン酸、0.32重量%の濃度のクエン酸ナトリウム、2.23重量%の濃度のグリセリン、0.02重量%の濃度の塩化ベンザルコニウム、及び水を含み、シアノコバラミンの前記溶液は、鼻内投与に好適であり、1000cPs未満の粘度を有し、シアノコバラミンの前記溶液は、鼻内投与された場合のシアノコバラミンの生物学的利用能が、シアノコバラミンの筋肉内注射に対して少なくとも5%であり、該スプレーは、該アクチュエータチップから3.0cmの高さで測定された場合に1.0から1.4のスプレーパターン楕円率を有する、前記キット。
  2. 前記スプレーが、前記溶液の液滴を含み、該シアノコバラミンスプレーの該液滴の5%未満が、10μm未満のサイズである、請求項記載のキット。
  3. 前記スプレーが、前記溶液の液滴を含み、該シアノコバラミンスプレーの該液滴の50%が、26.9μm以下のサイズである、請求項記載のキット。
  4. 前記スプレーが、前記溶液の液滴を含み、該液滴の90%が、55.3μm以下のサイズである、請求項記載のキット。
  5. 前記スプレーが、前記溶液の液滴を含み、前記液滴の10%が、12.5μm以下のサイズである、請求項記載のキット。
  6. 前記スプレーが、35.3mmのスプレーパターン長軸及び30.8mmの短軸を有する、請求項記載のキット。
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