JP5795017B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンに搭載される燃料噴射ポンプの技術に関する。
従来、大型のディーゼルエンジンに搭載される燃料噴射ポンプとして、燃料効率の向上や排気ガスエミッションの低減のために、エンジンの運転状態に応じて燃料噴射のタイミングや燃料噴射の回数等を制御するものが知られている。このような燃料噴射ポンプは、電磁スピル弁を任意のタイミングで開閉することにより精密な燃料噴射を行う。
前記電磁スピル弁においては、スピル弁体がエンジンの運転状態に応じて複雑かつ高速に開閉されるため、スピル弁体のシール面が電磁スピル弁のハウジングに形成される弁座に着座する際に大きな衝撃や摩擦が連続的に生じる。この結果、シール面および弁座に摩耗が生じ、シール面が弁座に密接して着座することができずに燃料の漏れが発生する。よってシール面、および弁座の耐摩耗性を向上させるために、スピル弁体やハウジング全体を高強度の材料で構成する必要があり、生産コストが増大する要因になっていた。
そこで、シール面(シート部)が形成されるスピル弁体(弁体)、および弁座(弁座部)が形成されるハウジング(弁ボディ)のうち、一方を構成する材料(面)を、他方を構成する材料よりも軟質の材料で構成する技術が提案されている。この技術を用いると、シール面(シート部)または弁座(弁座部)に摩耗が生じても、軟質の材料で構成された一方の面が他方の形状にならうこととなり、シート部と弁座部とが密接して、燃料の漏れが低減する。例えば特許文献1のごとくである。
しかし、上述した特許文献1に開示されるような技術では、シート部および弁座部の摩耗が進行し、軟質の材料の作用による燃料漏れの低減効果が得られない場合は、電磁スピル弁のシール性能を維持するために、電磁スピル弁(流量制御弁)全体を交換する必要がある。つまり、交換する必要のない電磁スピル弁の構成部材も同時に交換することになり、本来は不要なメンテナンスコストが発生する問題があった。
特開2006−112598号公報
本発明は、上記の如き課題を鑑みてなされたものであり、生産コストを増大させることなく、最小限のメンテナンスコストで電磁スピル弁のシール性能を維持することができる燃料噴射ポンプの提供を目的とする。
請求項1においては、加圧された燃料を逃して燃料噴射を制御する電磁スピル弁(20)を具備する燃料噴射ポンプ(1)であって、電磁スピル弁(20)のハウジング(21)に、インサートピース(22)が着脱自在に内装されており、前記インサートピース(22)には、電磁スピル弁(20)のスピル弁体(23)が摺動自在に挿入されており、前記インサートピース(22)の側端部には、内径を縮径した縮径部(22a)を形成し、前記縮径部(22a)の側端部には、側方へむかって拡径するテーパ状に形成された円環状の弁座(22b)を形成し、前記スピル弁体(23)の外周面には、テーパ状に形成される円環状のシール面(23b)を形成し、前記インサートピース(22)の内部において前記スピル弁体(23)のシール面(23b)が前記弁座(22b)に密接して着座するように構成し、前記弁座(22b)の側方に隣接して内径を拡径した拡径部(22d)を形成し、前記拡径部(22d)には、該拡径部(22d)と前記ハウジング(21)のスピル油排出路(21c)とを連通させるスピル油排出口(22c)を形成したものである。
請求項2においては、前記インサートピース(22)は、前記ハウジング(21)のインサートピース内装孔(21e)に螺合されるストッパ(24)により固定されており、前記スピル弁体(23)の摺動量は、前記ストッパ(24)のインサートピース内装孔(21e)側に設けた当接面(24a)に前記スピル弁体(23)を当接させることにより規制されているものである。
請求項3においては、前記スピル弁体(23)の摺動量は、前記インサートピース(22)とストッパ(24)との間にシム(24b)を介設することにより調整されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明によれば、経時変化による磨耗が生じないので、電磁スピル弁の構成部材を交換する必要がない。
また、ハウジング全体を高価な高強度の材料で構成する必要がない。このため、電磁スピル弁の生産コストおよびメンテナンスコストを削減することができる。
また、スピル弁体とインサートピースとの位置関係を変更するだけでスピル弁体のリフト量を調整することができる。
このため、電磁スピル弁の生産コストおよびメンテナンスコストを削減することができる。
第一実施形態に係る燃料噴射ポンプの一部を示す断面図。 図1における電磁スピル弁部分を示す拡大断面図。 第一実施形態に係る燃料噴射ポンプの別実施形態の一部を示す断面図。 (a)電磁スピル弁が閉弁した場合における燃料の流れを示す電磁スピル弁部分の拡大断面図。(b)電磁スピル弁が開弁した場合における燃料の流れを示す電磁スピル弁部分の拡大断面図。 (a)電磁スピル弁からスピル弁体を取り外す場合の態様を示す断面図。(b)電磁スピル弁からインサートピースを取り外す場合の態様を示す断面図。 (a)スピル弁体のリフト量を調整する場合の態様を示す部分断面図。(b)スピル弁体のリフト量を調整する場合の調整部分を示す部分断面図。 別実施形態におけるスピル弁体のリフト量を調整する場合の調整部分を示す拡大断面図。 第二実施形態に係る燃料噴射ポンプの電磁スピル弁部分を示す拡大断面図。 第二実施形態に係る燃料噴射ポンプの別実施形態の電磁スピル弁部分を示す拡大断面図。
次に、図1および図2を用いて、燃料噴射ポンプの第一実施形態である燃料噴射ポンプ1について説明する。なお、以下では矢印A方向を上方向として上下方向を規定し、矢印B方向を右方向として左右方向を規定する。
図1に示すように、燃料噴射ポンプ1は、図示しない低圧ポンプ(フィードポンプ)と接続され、低圧ポンプからの燃料を加圧して図示しない燃料噴射ノズルへ供給するものである。燃料噴射ポンプ1は、ポンプ本体部10と、電磁スピル弁20と、等圧弁部30とを具備する。
ポンプ本体部10は、ポンプ本体上部11と、バレル12と、プランジャ13と、プランジャばね14と、タペット15と、図示しないカム等とから構成される。
ポンプ本体上部11は、略円筒状に形成され、図示しないポンプ本体下部の上部に固設される。ポンプ本体上部11の下側端面の軸心部には、プランジャばね14およびタペット15等を内装するプランジャばね室11aが下側を開放して形成される。また、ポンプ本体上部11の上側端面の軸心部には、バレル12を保持するバレル保持孔11bが上側を開放して形成される。バレル保持孔11bはプランジャばね室11aとポンプ本体上部11内で連通される。また、ポンプ本体上部11のバレル保持孔11bの上下途中部には、円環状の拡径部が形成される。この拡径部は燃料給排室11cの外側面を構成する。ポンプ本体上部11の外周面には、燃料供給ポート11dが燃料給排室11cと連通するように形成される。燃料供給ポート11dは図示しない低圧ポンプと接続される。
バレル12は、プランジャ13を軸心方向、即ち上下方向に摺動自在に内装するものである。バレル12は、略円筒状に形成されて、上端部および下端部がポンプ本体上部11のバレル保持孔11bから上下方向に突出するように、当該バレル保持孔11bに隙間なく挿入される。バレル12の軸心部には、プランジャ13を内装するプランジャ孔12aが下側端部を開放して形成される。バレル12の軸心部でプランジャ孔12aよりも上側には、第一燃料供給路12bが上下方向に延びるように形成される。第一燃料供給路12bはプランジャ孔12aと連通される。バレル12の上端部には、フランジが径方向へ突出するように形成される。バレル12は、バレル保持孔11bに挿入された状態で、フランジを介してポンプ本体上部11の上側端部にボルト等で固定される。これにより、バレル保持孔11bの円環状の拡径部とバレル12の外周面とから燃料給排室11cが構成される。バレル12の第一燃料供給路12bよりも径方向外側には、第一スピル油排出路12cが概ね上下方向に延びるように形成される。第一スピル油排出路12cは、ポンプ本体上部11の燃料給排室11cと連通される。
プランジャ13は、燃料を加圧するものである。プランジャ13は、略円柱状に形成されて、プランジャ孔12aに隙間なく上下方向に摺動自在に挿入される。プランジャ13の上端面とプランジャ孔12aとから加圧室16が形成される。加圧室16は、バレル12に形成される燃料吸入路12dによって燃料給排室11cと連通される。
プランジャばね14は、圧縮ばねでありプランジャ13を下方に付勢するものである。プランジャばね14は、伸縮方向を上下方向として、プランジャ13の下部に外嵌される。プランジャばね14の下側端部はプランジャばね受け14aを介してプランジャ13に掛止され、上側端部はプランジャばね受け14bを介してポンプ本体上部11に掛止される。
タペット15は、図示しないカムからの押圧力をプランジャ13に伝達するものである。タペット15は、有底円筒状に形成されて、プランジャばね室11aに隙間なく上下方向に摺動自在に挿入される。タペット15の内部には、プランジャ13の下部、プランジャばね14、およびプランジャばね受け14aが内装される。タペット15の底部には、図示しないローラが下方に配置される前記カムに臨むように回動自在に支持される。タペット15は、プランジャばね14の付勢力によって、前記カムに前記ローラを介して当接している。タペット15は、前記カムからの押圧力を前記ローラを介して受け、これをプランジャ13に伝達する。これにより、プランジャ13は、前記カムの回転に従って上下方向に摺動される。
電磁スピル弁20は、燃料噴射ポンプ1の燃料噴射量、および噴射時期を調節するものである。電磁スピル弁20は、ハウジング21と、インサートピース22と、スピル弁体23と、ストッパ24と、ソレノイド25等を具備する。
ハウジング21は、電磁スピル弁20の本体部分を構成する構造体である。ハウジング21は、略直方体に形成される。ハウジング21の上部には、等圧弁ばね室21aが上下方向に延びるように形成される。また、等圧弁ばね室21aの途中部から拡径されて上方向に延びるように吐出弁室21fが形成される。ハウジング21の下部には、第二燃料供給路21bが上下方向に延びるように形成される。等圧弁ばね室21aは、当該第二燃料供給路21bと連通される。ハウジング21の上下中途部には、スピル弁孔21dがハウジング21を左右方向に貫通するように形成される。スピル弁孔21dは、第二燃料供給路21bと交差して連通される。こうして、スピル弁孔21dは、第二燃料供給路21bを介して等圧弁ばね室21aと連通される。スピル弁孔21dの左側端部に雌ねじ部が形成され、右側端部にスピル弁ばね23eを内装する拡径部が形成される。
図2に示すように、スピル弁孔21dの第二燃料供給路21bとの連通部分よりも左側部分がスピル弁孔21dの左側端まで拡径され、インサートピース内装孔21eとして形成される。ハウジング21の第二燃料供給路21bよりも外側に、第二スピル油排出路21cが上下方向に延びるように形成される。第二スピル油排出路21cはインサートピース内装孔21eと連通される。ハウジング21は、下側端面をバレル12の上側端面に密着させて、当該バレル12にボルト等で固定される。ここで、第二燃料供給路21bがバレル12の第一燃料供給路12bと連通され、第二スピル油排出路21cがバレル12の第一スピル油排出路12cと連通される。
インサートピース22は、スピル弁体23が着座するものである。インサートピース22は、インサートピース内装孔21eと略同一の全長の略円筒状に形成される。インサートピース22は、その右側端部とインサートピース内装孔21eの右側端部に形成される段付部とが当接するようにインサートピース内装孔21eに隙間なく、かつ着脱自在に挿入される。インサートピース22の左側内径は、スピル弁孔21dの直径よりも大きくなるように形成される。また、インサートピース22の右側端部には、内径をスピル弁孔21dの直径と略同一径に縮径した縮径部22aが形成される。縮径部22aの左側端部には、左側方へむかって拡径するテーパ状に形成される円環状の弁座22bが形成される。さらに、弁座22bの左側に隣接して内径を拡径した拡径部22dが形成される。また、スピル油排出口22cが拡径部22dとハウジング21の第二スピル油排出路21cとを連通させるように形成される。
スピル弁体23は、第二燃料供給路21bを圧送される燃料の流路を切替えるものである。スピル弁体23は、その右側部分をスピル弁孔21dに摺動自在に挿入され、その左側部分をインサートピース22に摺動自在に挿入される。スピル弁体23は、スピル弁孔21dに挿入された際にハウジング21の第二燃料供給路21bと交差する部分に、スピル弁孔21dの直径よりも小径の縮径部23aを有する。これにより、スピル弁体23は、スピル弁孔21dをまたいで第二燃料供給路21bを流れる燃料の流れを閉塞することがない。スピル弁体23は、この縮径部23aの左側端部に、その外周面に連続して左側方へむかって拡径するテーパ状に形成される円環状のシール面23bを有する。シール面23bは、インサートピース22の弁座22bに密接して着座可能な面になるように形成される。
スピル弁体23は、その左側端面からシール面23bまでをインサートピース22の内径と略同一径に拡径した拡径部23cを有する。スピル弁体23の縮径部23aよりも右側部分はハウジング21のスピル弁孔21dに摺動自在に挿入され、シール面23bよりも左側部分の拡径部23cはインサートピース22に摺動自在に挿入される。よって、スピル弁体23が右側方に摺動されたとき、シール面23bがインサートピース22の弁座22bに着座される。この際、スピル弁体23は、左側端がインサートピース22の左側端よりも右側方に位置するように構成される。スピル弁体23は、スピル弁孔21dの右側端部の拡径部に内装されるスピル弁ばね23eによって左側方に付勢されている。スピル弁体23の右側端部には、磁性体で構成されるアーマチュア23dが配設されている。
ストッパ24は、スピル弁体23の摺動を規制するものである。ストッパ24は、右側端面に当接面24aを有し、ハウジング21のインサートピース内装孔21eに螺合可能な略円柱状に形成される。ストッパ24は、当接面24aがインサートピース内装孔21eに内装されたインサートピース22の左側端面に当接するように、ハウジング21のインサートピース内装孔21eに左側から螺合される。これにより、ストッパ24は、インサートピース22をインサートピース内装孔21e内に固定する。また、ストッパ24は、スピル弁体23が左側方に摺動されたとき、スピル弁体23の左側端が当接面24aに当接するよう構成される。これにより、ストッパ24は、スピル弁体23の摺動量を規制することが可能となっている。
ソレノイド25は、磁力を発生させるものである。ソレノイド25は、吸着面がスピル弁孔21dが形成されているハウジング21の右側端面と相対するように、当該ハウジング21に固定される。ソレノイド25は、図示しない制御装置からの信号を取得することにより磁力を発生して、スピル弁体23に配設されているアーマチュア23dを吸着するように構成される。これにより、ソレノイド25は、図示しない制御装置からの信号に基づいて、スピル弁体23を右側方に摺動させる。
以上より、電磁スピル弁20においては、スピル弁ばね23eによって、スピル弁体23が左側方に摺動される場合、スピル弁体23のシール面23bがインサートピース22の弁座22bから離間される。その結果、第二燃料供給路21bが、スピル弁孔21d、インサートピース22の拡径部22d内、およびスピル油排出口22cを介して、第二スピル油排出路21cと連通される。一方、ソレノイド25によって、スピル弁体23がスピル弁ばね23eの付勢力に抗して右側方に摺動される場合、スピル弁体23のシール面23bがインサートピース22の弁座22bに着座される。その結果、第二燃料供給路21bと第二スピル油排出路21cとの連通が遮断される。
図1に示すように、等圧弁部30は、燃料を吐出したり、噴射終了後の高圧管継手35内の燃料圧力を所定の値に維持したりするものである。等圧弁部30は、等圧弁本体32と、吐出弁33と、等圧弁34等を具備する。また、等圧弁部30は、高圧管継手35が接続される。
等圧弁本体32は、下側端面がハウジング21の上側端面と略同一形状の円柱状に形成される。等圧弁本体32は、下側端面とハウジング21の上側端面とを密着させて、ハウジング21にボルト等で固定される。等圧弁本体32の下部には、吐出弁ばね室32aが上下方向に延びるように形成されて、吐出弁室21fと対向配置される。吐出弁ばね室32aは、等圧弁ばね室21a、および吐出弁室21fと連通される。等圧弁本体32の上部には、高圧管継手35を枢密的に締結するため、その内周面に連続して下側方へむかって縮径するロート状に形成される円環状のシール面32cが形成される。等圧弁本体32の上下中途部には、吐出口32bが開口される。吐出弁ばね室32aと雌ねじ部32d内とは、吐出口32bを介して連通される。
吐出弁33は、吐出口32bから燃料を吐出するものである。吐出弁33は、吐出弁体33aおよび吐出弁ばね33cから構成される。吐出弁体33aは、略円筒状に形成されて、吐出弁室21fの内周面との間に高圧燃料が通過可能な隙間が生じるように、吐出弁室21fに内装される。吐出弁ばね33cは、吐出弁室21fの吐出弁体33aよりも上方に内装される。吐出弁体33aは、下側端面が吐出弁室21fの下側端面に着座するように、吐出弁ばね33cによって下方へ付勢されている。また、吐出弁体33aの下部には、下方を開放した凹部が形成される。この凹部内が等圧弁室33dとされる。吐出弁体33aの上部には、等圧弁通路33bが上下方向に延びるように形成される。等圧弁通路33bは、下側で等圧弁室33dと連通されるとともに、上側で吐出弁ばね室32aと連通される。
なお、図3に示すように、吐出弁33は、ハウジング21には等圧弁ばね室21aのみが形成され、等圧弁本体32に形成される吐出弁ばね室32aの内周面との間に高圧燃料が通過可能な隙間が生じるように、吐出弁ばね室32aに内装される構成としてもよい。
等圧弁34は、等圧弁通路33bを開閉するものである。等圧弁34は、等圧弁体34aおよび等圧弁ばね34bから構成される。等圧弁体34aは、ボールと受部材で構成される。受部材は、等圧弁室33dの内周面との間に燃料が通過可能な隙間が生じるように、等圧弁室33dに内装される。ボールは、等圧弁室33dの上面に開口する等圧弁通路33bの開口部に着座するように、受部材上に配置される。等圧弁体34aは、受部材の下側端面で等圧弁ばね室21aに内装される等圧弁ばね34bと接し、この等圧弁ばね34bにより上側に付勢される。こうして、等圧弁34は、等圧弁ばね34bの付勢力を用いて等圧弁体34aにより等圧弁室33dと等圧弁通路33bとの連通を遮断する。
高圧管継手35は、高圧燃料を図示しない燃料噴射ノズルへ供給するものである。高圧管継手35の一側(吐出口32b側)には、その外周面に連続して下側方へむかって縮径するテーパ状に形成される円環状のシール面35aが形成される。高圧管継手35は、シール面35aを等圧弁本体32のシール面32cに密接するように押圧されて等圧弁本体32に取り付けられる。高圧管継手35の内部には、燃料供給路35bが形成される。燃料供給路35bは、吐出口32bに連通される。
なお、図3に示すように、等圧弁本体32の上部に形成される雌ねじ部32dに、高圧管継手35の一側(吐出口32b側)に形成される雄ねじ部35cが螺合して取り付けられる構成としてもよい。
燃料噴射ポンプは、第一実施形態においてはタペットがエンジンに具備されるPF形燃料噴射ポンプであるが、これに限定されるものではない。例えば、燃料噴射ポンプは、燃料噴射ポンプ本体部にタペットを具備するPFR形燃料噴射ポンプでもよい。
このような構成により、燃料噴射ポンプ1が燃料を吐出する場合、図示しない低圧ポンプからの燃料が、ポンプ本体上部11の燃料供給ポート11dを介して燃料給排室11cに送給される。燃料給排室11c内に送給された燃料が、バレル12の第一スピル油排出路12cを介して加圧室16に送給される。プランジャ13が図示しないカムの回転に従って上方向に摺動されると、加圧された燃料が、加圧室16、第一燃料供給路12b、ハウジング21の第二燃料供給路21bの順に流れて、ハウジング21の等圧弁ばね室21aに送給される。この際、図示しない制御装置からの信号に基づいて電磁スピル弁20のソレノイド25が励磁される。
図4(a)に示すように、電磁スピル弁20においては、図示しない制御装置からの信号により励磁したソレノイド25によって、スピル弁体23が右側方(白矢印方向)に摺動される。そして、スピル弁体23のシール面23bがインサートピース22の弁座22bに着座される。即ち、電磁スピル弁20が閉弁する。この結果、ハウジング21の第二燃料供給路21bと第二スピル油排出路21cとの連通が遮断されて、第二燃料供給路21b内の燃料圧力が第二スピル油排出路21cを通じて放圧されずに維持される。よって、加圧された燃料が、黒矢印方向に流れて、加圧室16内(図1参照)、第一燃料供給路12b内、第二燃料供給路21b内、および等圧弁ばね室21a内に満たされた状態となる。
等圧弁ばね室21a内の燃料圧力によって、吐出弁33の吐出弁体33a(等圧弁34の等圧弁体34a)に加わる力が、吐出弁体33aを下方に付勢している吐出弁ばね33cの付勢力より大きくなると、吐出弁体33aが上方に移動して吐出弁室21fの下側端面から離間して、吐出弁33が開弁する。ここで、等圧弁34は閉弁している。その結果、加圧された燃料が等圧弁ばね室21aから吐出弁ばね室32aへ流れ、この吐出弁ばね室32aから吐出口32bを介して高圧管継手35の燃料供給路35bに吐出される(図1参照)。
こうして、等圧弁ばね室21a内の燃料圧力が放圧されると、吐出弁体33aを下方へ付勢している吐出弁ばね33cの付勢力によって吐出弁体33aが下方に移動して吐出弁室21fの下側端面に着座して、吐出弁33が閉弁する。その結果、燃料が吐出弁ばね室32aから吐出口32bを介して燃料供給路35bへ吐出されなくなる。この際、吐出弁33よりも下流に位置する燃料供給路35bと図示しない燃料噴射ノズルとの間にわたって残留している燃料圧力に脈動が発生する。発生した燃料圧力の脈動によって等圧弁体34aに加わる力が、等圧弁体34aを上側(吐出口32b側)方向に付勢している等圧弁ばね34bの付勢力より大きいとき、等圧弁体34aが下側(反吐出口32b側)方向に移動して、等圧弁34が開弁する。これにより脈動により昇圧した燃料圧力が放圧され、所定の値まで降圧される。
燃料噴射ポンプ1が燃料の吐出を停止する場合、図4(b)に示すように、電磁スピル弁20において、図示しない制御装置からの信号に基づいてソレノイド25が消磁される。これにより、スピル弁ばね23eの付勢力によって、スピル弁体23がストッパ24の当接面24aに当接するまで左側方(白矢印方向)に摺動される。そして、スピル弁体23のシール面23bがインサートピース22の弁座22bから離間される。即ち、電磁スピル弁20が開弁する。この結果、ハウジング21の第二燃料供給路21bと第二スピル油排出路21cとが連通されて、第二燃料供給路21b内の燃料圧力が第二スピル油排出路21cを通じて放圧される。その結果、燃料が、第二燃料供給路21bからスピル弁孔21d、インサートピース22の拡径部22d内、スピル油排出口22c第二スピル油排出路21cの順に黒矢印方向に流れ、第一スピル油排出路12cを経て燃料給排室11cに排出される。
次に、図5および図6を用いて、燃料噴射ポンプの第一実施形態である燃料噴射ポンプ1において、電磁スピル弁20からインサートピース22とスピル弁体23とを交換する態様、およびスピル弁体23のリフト量を調整する態様について説明する。
はじめに、インサートピース22とスピル弁体23とを交換する態様について説明する。図5(a)に示すように、燃料噴射ポンプ1の電磁スピル弁20において、ストッパ24、およびソレノイド25をハウジング21から取り外す。そして、アーマチュア23dをスピル弁体23から取り外す。この作業により、スピル弁体23をハウジング21から取り外し可能となる。
図5(b)に示すように、ハウジング21からスピル弁体23を取り外すと、インサートピース22がハウジング21から取り外し可能となる。そして、取り外したインサートピース22及びスピル弁体23の代わりの交換部品であるインサートピース及びスピル弁体、先に取り外したアーマチュア23dとストッパ24とソレノイド25とを逆の手順でハウジング21に取り付ける。このようにして、燃料噴射ポンプ1は、電磁スピル弁20のうち、スピル弁体23、およびインサートピース22のみを新たなものに交換することができる。
次に、スピル弁体23のリフト量を調整する態様について説明する。図6(a)に示すように、スピル弁体23をインサートピース22に挿入する。この際、スピル弁体23は、シール面23bがインサートピース22の弁座22bに着座されるように、インサートピース22に内装される。図6(b)に示すように、スピル弁体23は、インサートピース22の左側端面に当接されるストッパ24(当接面24a)によって左側方への摺動量が規制される。すなわち、スピル弁体23は、シール面23bがインサートピース22の弁座22bに着座している状態におけるインサートピース22の左側端とスピル弁体23の左側端との軸方向の距離Lによってリフト量が決定される。よって、スピル弁体23のリフト量の調整は、スピル弁体、またはインサートピースの加工や交換により距離Lを変更することで行うことができる。
また、距離Lは、ストッパ24の軸方向(左右方向)の取付位置を移動させることでも変更することができる。図7に示すように、ストッパ24の軸方向の取付位置は、インサートピース22とストッパ24との間に任意の厚さ(左右方向の幅)を有するシム24bを介装することで軸方向に移動させることができる。よって、スピル弁体23のリフト量の調整は、シム24bの厚さによりストッパ24の軸方向の取付位置を移動させて距離Lを変更することで行うことができる。
以上の如く、燃料噴射ポンプの第一実施形態である燃料噴射ポンプ1は、電磁スピル弁20を具備する燃料噴射ポンプ1であって、電磁スピル弁20は、インサートピース内装孔21eが形成されるハウジング21と、内周面に弁座22bを有する略円筒状に形成され、インサートピース内装孔21eに軸心を一致させて着脱自在に内装されるインサートピース22と、外周面に弁座22bと相対するシール面23bを有する略円柱状に形成され、インサートピース22の軸方向右側方に摺動されるとシール面23bが弁座22bに着座するようにインサートピース22に摺動自在に挿入されるスピル弁体23と、ハウジング21に着脱可能に取り付けられ、スピル弁体23がインサートピース22の軸方向左側方に摺動されたとき、スピル弁体23と当接可能なストッパ24と、スピル弁体23を軸方向右側方に摺動可能なソレノイド25と、スピル弁体23を軸方向左側方に付勢する付勢部材であるスピル弁ばね23eと、を具備するものである。
このように構成することで、燃料噴射ポンプ1は、経時変化により電磁スピル弁20の弁座22bが摩耗しても、スピル弁体23、および弁座22bを有するインサートピース22のみを交換するだけでよい。つまり、交換する必要のない電磁スピル弁20の構成部材は継続して使用することができる。よって、電磁スピル弁20のハウジング21全体を高価な高強度の材料で構成する必要がない。また、電磁スピル弁20は、インサートピース22を簡易な形状として、弁座22bをインサートピース22に容易、かつ高精度に形成することができる。この結果、部品点数が増えても生産コストを増大させることなく、最小限のメンテナンスコストで燃料噴射ポンプ1の性能を維持することができる。
また、電磁スピル弁20は、インサートピース22の左側端がストッパ24に当接するとともに、シール面23bが弁座22bに着座したとき、スピル弁体23の左側端がストッパ24から離間するように構成されるものである。
このように構成することで、前述の効果に加え、電磁スピル弁20の開弁時に、スピル弁体23が、その左側端がインサートピース22の左側端と同一の位置に到達するまでインサートピース22の軸方向左側方に摺動可能となる。つまり、電磁スピル弁20の開弁時におけるスピル弁体23のリフト量は、スピル弁体23のシール面23bがインサートピース22の弁座22bに着座している状態、すなわち電磁スピル弁20の閉弁時におけるスピル弁体23の左側端と、インサートピース22の左側端との軸方向の距離Lに等しい。よって、電磁スピル弁20は、スピル弁体23の左側端とインサートピース22の左側端との位置関係を変更するだけでスピル弁体23のリフト量を調整することができる。この結果、容易、かつ高精度にスピル弁体23のリフト量の調整を行うことができるので、生産コスト、およびメンテナンスコストを低減することができる。
また、電磁スピル弁20は、インサートピース22の左側端とストッパ24の当接面24aとの間にシム24bが交換自在に介装されるものである。
このように構成することで、電磁スピル弁20は、スピル弁体23のリフト量の調整を、シム24bの交換によってストッパ24の当接面24aの位置を変更するだけで行うことができる。よって、当接面24aの位置が異なる複数のストッパ24を調整用の在庫部品として持つ必要がない。この結果、調整用の在庫部品のコストを削減することができ、容易、かつ高精度にスピル弁体23のリフト量の調整を行うことができるので、生産コスト、およびメンテナンスコストを低減することができる。
以下では、図8を用いて、燃料噴射ポンプの第二実施形態である燃料噴射ポンプ2について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した第一実施形態と同様の点に関しては同一符号を付してその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
燃料噴射ポンプ2は、図示しない低圧ポンプ(フィードポンプ)と連結され、低圧ポンプからの燃料を燃料噴射ポンプ2で加圧し図示しない燃料噴射ノズルへ供給するものである。燃料噴射ポンプ2は、ポンプ本体部10と、電磁スピル弁20と、等圧弁部30とを備える(図1参照)。
電磁スピル弁20は、加圧室16で加圧された燃料を低圧側の燃料給排室11cへ逃がすための第一及び第二スピル油排出路12c・26cを開閉して、燃料噴射ポンプ2の燃料噴射を制御するものである。電磁スピル弁20は、ハウジング26と、インサートピース27と、スピル弁体28と、ストッパ24と、ソレノイド25等を具備する。
ハウジング26は、電磁スピル弁20の本体部分を構成する構造体である。ハウジング26は、略直方体に形成される。ハウジング26の上部には、等圧弁ばね室26aが上下方向に延びるように形成される。また、等圧弁ばね室26aの途中部から拡径されて上方向に延びるように吐出弁室26fが形成される。ハウジング26の下部には、第二燃料供給路26bが上下方向に延びるように形成される。等圧弁ばね室26aは、第二燃料供給路26bよりも拡径されて、当該第二燃料供給路26bと連通される。ハウジング26の上下中途部には、インサートピース内装孔26dがハウジング26を左右方向に貫通するように形成される。インサートピース内装孔26dは、第二燃料供給路26bと交差して連通される。こうして、インサートピース内装孔26dは、第二燃料供給路26bを介して等圧弁ばね室26aと連通される。インサートピース内装孔26dは、第二燃料供給路26bよりも左側の途中部から右側部分が縮径されて段付部26gが形成される。また、インサートピース内装孔26dの左側端部に雌ねじ部が形成される。
ハウジング26の第二燃料供給路26bよりも外側に、第二スピル油排出路26cが上下方向に延びるように形成される。第二スピル油排出路26cはインサートピース内装孔26dと連通される。ハウジング26は、下側端面をバレル12の上側端面に密着させて当該バレル12にボルト等で固定される。ここで、第二燃料供給路26bがバレル12の第一燃料供給路12bと連通され、第二スピル油排出路26cがバレル12の第一スピル油排出路12cと連通される。
インサートピース27は、スピル弁体28が着座するものである。インサートピース27は、インサートピース内装孔26dよりも短い全長の略円筒状に形成される。インサートピース27は、その途中部から縮径されて段付部27fが形成される。インサートピース27は、段付部27fとインサートピース内装孔26dの段付部26gとが当接するようにしてインサートピース内装孔26dに隙間なく、かつ着脱自在に挿入され、左側端をストッパ24に付勢されて内装される。インサートピース27は、インサートピース内装孔26dに内装された際、第二燃料供給路26bと交差する部分に、燃料供給孔27aが貫通して形成される。
なお、図9に示すように、インサートピース内装孔26dの右側端部を縮径して段付部26gを形成し、インサートピース27の右側端と段付部26gとが当接するようにしてインサートピース内装孔26dに隙間なく、かつ着脱自在に挿入され、左側端をストッパ24に付勢されて内装される構成としてもよい。
インサートピース27の内径には、燃料供給孔27aの左側方に内径を拡径した第一拡径部27dが形成される。インサートピース27は、この第一拡径部27dの右側端部に、その内周面に連続して左側方へむかって拡径するテーパ状に形成される弁座27bを有する。さらに、インサートピース27は、第一拡径部27dよりも左側方の内径を縮径した第二拡径部27eが形成される。第一拡径部27dは、第二拡径部27eよりも大きい内径に形成される。インサートピース27は、スピル油排出口27cが第一拡径部27dとハウジング26の第二スピル油排出路26cとが連通するように形成される。インサートピース27は、インサートピース内装孔26dに内装される。
スピル弁体28は、第二燃料供給路26b内を圧送される燃料の流路を切替えるものである。スピル弁体28は、インサートピース27に摺動自在に挿入される。スピル弁体28は、インサートピース27に挿入された際、インサートピース27の燃料供給孔27aと交差する部分にスピル弁体28の直径よりも小径の縮径部28aを有する。これにより、スピル弁体28は、インサートピース27をまたいで第二燃料供給路26bを流れる燃料の流れを閉塞することがない。スピル弁体28は、この縮径部28aの左側端部にその外周面に連続して左側方へむかって拡径するテーパ状に形成されるシール面28bを有する。シール面28bは、インサートピース27の弁座27bに密接して着座可能な面になるように形成される。
スピル弁体28は、その左側端面からシール面28bまでをインサートピース27の第二拡径部27eの内径と略同一径に拡径した拡径部28cを有する。スピル弁体28は、縮径部28aよりも右側部分がインサートピース27に摺動自在に挿入され、シール面28bよりも左側部分の拡径部28cがインサートピース27の第二拡径部27eに摺動自在に挿入される。つまり、スピル弁体28は、その軸方向の長さの半分以上がハウジング26に内装されるインサートピース27のみに挿入されており、スピル弁体28が摺動される際にはインサートピース27のみによって案内される。
スピル弁体28が右側方に摺動されたとき、シール面28bがインサートピース27の弁座27bに着座される。この際、スピル弁体28は、左側端がインサートピース27の左側端よりも右側方に位置するように構成される。スピル弁体28は、インサートピース内装孔26dの右側端部の縮径部に内装されるスピル弁ばね28eによって左側方に付勢されている。スピル弁体28の右側端部には、磁性体で構成されるアーマチュア28dが配設されている。
以上の如く、電磁スピル弁20は、スピル弁体28をインサートピース27のみで支持するものである。
このように構成することで、スピル弁体28がハウジング26に内装されるインサートピース27のみによって案内される。よって、電磁スピル弁20は、スピル弁体28を高精度に内装することができる。この結果、インサートピース27の弁座27bとスピル弁体28シール面28bとの着座精度が向上し摩耗量を抑制することができるので、メンテナンスコストを低減することができる。
1 燃料噴射ポンプ
20 電磁スピル弁
21 ハウジング
21e インサートピース内装孔
22 インサートピース
22b 弁座
23 スピル弁体
23b シール面
24 ストッパ
24a 当接面
25 ソレノイド

Claims (3)

  1. 加圧された燃料を逃して燃料噴射を制御する電磁スピル弁(20)を具備する燃料噴射ポンプ(1)であって、
    電磁スピル弁(20)のハウジング(21)に、インサートピース(22)が着脱自在に内装されており、
    前記インサートピース(22)には、電磁スピル弁(20)のスピル弁体(23)が摺動自在に挿入されており、
    前記インサートピース(22)の側端部には、内径を縮径した縮径部(22a)を形成し、
    前記縮径部(22a)の側端部には、側方へむかって拡径するテーパ状に形成された円環状の弁座(22b)を形成し、
    前記スピル弁体(23)の外周面には、テーパ状に形成される円環状のシール面(23b)を形成し、
    前記インサートピース(22)の内部において前記スピル弁体(23)のシール面(23b)が前記弁座(22b)に密接して着座するように構成し、
    前記弁座(22b)の側方に隣接して内径を拡径した拡径部(22d)を形成し、
    前記拡径部(22d)には、該拡径部(22d)と前記ハウジング(21)のスピル油排出路(21c)とを連通させるスピル油排出口(22c)を形成した
    ことを特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 前記インサートピース(22)は、前記ハウジング(21)のインサートピース内装孔(21e)に螺合されるストッパ(24)により固定されており、前記スピル弁体(23)の摺動量は、前記ストッパ(24)のインサートピース内装孔(21e)側に設けた当接面(24a)に前記スピル弁体(23)を当接させることにより規制されていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
  3. 前記スピル弁体(23)の摺動量は、前記インサートピース(22)とストッパ(24)との間にシム(24b)を介設することにより調整されることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射ポンプ。
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