JP5793458B2 - 鉄道車両の運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の運転士を支援する運転支援装置に関し、特に空気ブレーキ装置等の摩擦力でブレーキを行う摩擦ブレーキ装置と、鉄道車両を駆動する電動機を発電機として使用することで回生電力を回収しブレーキを行う回生ブレーキ装置とからなるブレーキ装置を備えた鉄道車両に配備される運転支援装置に関する。
鉄道車両の運転士を支援する運転支援装置としては、下記特許文献1、2にみられるように、列車ダイヤどおりに所定位置に所定時刻に円滑に到着させるよう、最適な走行パターンやブレーキパターンを表示するものが知られている。
これらの従来技術は、列車ダイヤの維持を主眼としているが、近年では地球環境保護の観点から、列車ダイヤの維持のみならず、一層の省エネルギーが要求されており、運転士への支援情報としてエネルギー効率のよい運転パターンを提示し、体得させることが求められている。
鉄道車両には、一般的には駆動用の電動機を発電機として利用し、発生した電力が架線を通じて他の鉄道車両の力行に使用される回生ブレーキと、圧縮空気の圧力を利用してシリンダを動作させ、制輪子をブレーキディスクまたは車輪踏面に押し当てることにより発生した摩擦力を利用する空気ブレーキが搭載されている。
省エネルギーの観点からは、こうした二つのブレーキのうち、鉄道車両の減速に必要なブレーキ力である必要ブレーキ力を可能な限り回生ブレーキに負担させ、減速エネルギーを他の鉄道車両の力行用エネルギーとして回収することが望ましい。
しかし、回生ブレーキが出力し得るブレーキ力は、車両速度に依存し、所定の低速域では、ほぼ一定の高い回生ブレーキ力を得ることができるが、これより高い速度域では、車両速度が高くなるほど回生ブレーキ力が小さくなる特性がある。
そのため、運転士が高速域からブレーキノッチ(ブレーキ操作を行うための有限の刻み段)を高段側に切り換え、高い必要ブレーキ力を要求した場合は、要求されたブレーキ力の一部しか回生ブレーキで負担できず、これを補うため空気ブレーキ装置が強力なブレーキ力を作用させることになる。一方、低速域において低段側のブレーキノッチに切り換えると、停止までの走行時分が増加することにより走行抵抗が増加し、回生効率が低下してしまう。
こうした背景から、下記特許文献3には、電気自動車やハイブリッド自動車において、車速とブレーキ操作量に基づいて必要制動力を定め、この必要制動力と、その時点で算出した最大回生制動電力と、実際に発生した回生制動力とを比較して、適切なブレーキ操作量であったか否かを報知することが示されている。
すなわち、特許文献3の報知装置は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車を急発進、急加速させたり、車間距離の短い運転をすると、追突等を防止するため、自ずとブレーキ操作量が大きくなり、摩擦制動力で補わざるを得ず、回生制動動力を最大限活用した省エネ運転ではないと判定し、運転者に対しその旨を報知するものである。
特許第3525481号公報 特開2008−5585号公報 特開2009−189074号公報
しかしながら、必要ブレーキ力と実際に作用している回生制動力、または出力し得る最大回生制動電力を表示するだけでは、具体的にどのくらいのブレーキ操作量とすればよいかを体得することが困難である。
その結果、この技術を鉄道車両に適用した場合、運転士が可能な限り回生ブレーキだけで減速しようとすると、表示を常に確認しながらブレーキノッチの操作量を調節せざるを得ないため、前方に対する注意が散漫になりやすく、列車運行管理上採用することができない。
そこで、本発明は、鉄道車両が、自動車等とは異なり、発車駅から到着駅まで、力行、惰行、力行、惰行・・・減速といった運転パターンが予め定められていること、ブレーキノッチの段数毎に必要とするブレーキ力が予め割り当てられていることに着目し、運転士が表示装置を常に確認しなくても、ブレーキ操作を行う度に、省エネ運転のための支援情報を与えることにより、回生ブレーキを最大限活用して減速できるようにして、回生効率を最大限活かした運転パターンを体得させることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明においては、次のような技術的手段を講じた。
すなわち、摩擦力でブレーキを行う摩擦ブレーキ装置と、鉄道車両を駆動する電動機を発電機として使用することで回生電力を回収しブレーキを行う回生ブレーキ装置とからなり、運転士が操作したブレーキノッチにより必要ブレーキ力を求め、そのとき得られる実回生ブレーキ力が前記必要ブレーキ力に対し不足している場合、前記摩擦ブレーキ力で補うようにしたブレーキ装置を備えた鉄道車両に配備される運転支援装置であって、鉄道車両の運転状態に基づいて、前記回生ブレーキ装置から出力可能なブレーキ力に相当する最大ブレーキノッチを算出し、運転士に通知するようにした。
また、上記の運転支援装置において、前記回生ブレーキ装置から出力可能なブレーキ力は、前記回生ブレーキ装置が実際に出力した実回生ブレーキ力に基づいて算出してもよいし、鉄道車両の重量、車両速度、前記架線電圧、及び前記回生ブレーキ装置の異常を示す開放情報に基づいて算出してもよい。
さらに、上記の運転支援装置において、前記必要ブレーキ力が前記回生ブレーキ装置の実際に出力した回生ブレーキ力を超えている場合、前記必要ブレーキ力が、前記回生ブレーキ装置が出力可能なブレーキ力を超えている場合、運転士が操作した前記ブレーキノッチが所定の値以下の場合、さらには、自動的に列車を減速させる装置からブレーキ指令がない場合などを判定したときに、運転士への通知を実施するようにしてもよい。
なお、上記のように、回生ブレーキ装置から出力可能なブレーキ力に相当するブレーキノッチは、ディスプレイ表示のほか、音声を用いて運転士に通知してもよい。
本発明によれば、回生ブレーキのみで減速可能なブレーキ操作量が最大ブレーキノッチとして運転士に通知されるため、運転士は表示装置を常に確認しなくても、回生ブレーキを最大限活用したブレーキノッチ操作量を体得することが可能となり、回生効率を向上させることが可能である。
また、この通知を常時行うことなく、必要ブレーキ力が最大回生ブレーキ力を超えた場合、運転士が操作したブレーキノッチが所定の段数以下の場合、自動的に列車を減速させる装置からブレーキ指令がない場合など、必要なタイミングに限って通知するようにすれば、運転士が通常運転においてブレーキ操作量を変更するタイミングをさらに明確に把握することができ、しかも、緊急時や保安装置やATO装置などからのブレーキ指令と混同する可能性を低くすることできる。
実施例1の機器構成図。 実施例1における表示タイミング判定装置内の処理を示したフロー図。 実施例1における最大ブレーキノッチ算出装置内の処理を示したフロー図。 実施例2の機器構成図。 実施例2における表示タイミング判定装置内の処理を示したフロー図。 実施例3の機器構成図。 実施例3における最大ブレーキノッチ算出装置内の処理の示したフロー図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1を示す機器構成図であり、図1を用いてそのシステム構成の一例を説明する。
車両を減速させる場合、運転士は運転台に設けられた主幹制御器(101)のブレーキレバーを操作する。ブレーキレバーが操作されるとブレーキレバーの刻み段情報であるブレーキノッチ(151)が列車の運行に関わる機能の管理を行う車両制御装置(102)に入力される。
車両制御装置(102)は、ブレーキノッチ(151)毎に割り振られた所定の減速度情報と、車両重量(152)とに基づいて、当該所定の減速度で減速するのに必要なブレーキ力を必要ブレーキ力として算出する。
なお、この実施例では、車両重量(152)は車両に取り付けられた重量センサとして、空気圧を利用して車両の高さを制御する空気ばね内に設けられた圧力センサを用いて算出しているが、空気ばねから直接取得してもよいし、空気ブレーキ制御装置(103)から車両重量(152)を取得してもよい。要は、車両重量(152)を取得できれば、車両重量(152)の算出装置及び原理は問わない。
次に車両制御装置(102)は電動機制御装置(104)に送信する回生ブレーキ力(153)を算出する。具体的には車両制御装置(102)は、上記のように算出した必要ブレーキ力と、車両重量(152)、電動機制御装置(104)の故障状態を示す開放情報(154)、電動機の回転軸端あるいは車軸端に取り付けられたパルスジェネレータ(105)のような速度センサから算出した車両速度(155)、架線の状態を示す架線電圧(156)及び車輪とレールの粘着係数から算出される粘着リミット値に基づいて、電動機制御装置(104)が負担すべき回生ブレーキ力(153)を算出する。
なお、多数の車両が連結された鉄道車両の場合、電動機制御装置(104)は、複数台の車両に配置され、例えば、10両編成の場合、先頭車両から2両ごとに計6台の電動機制御装置(104)が配置される。このうち、故障したものがあると、その分だけ電動機制御装置(104)が出力可能な回生ブレーキ力(153)が減少することから、各電動機制御装置(104)の異常状態を示す開放情報(154)に基づいて、修正する必要がある。
また、架線電圧(156)は、例えば、同一架線に力行中の他の鉄道車両の有無に応じて、どの程度の回生電力を回収できるかを示すものである。
電動機制御装置(104)は、このように算出した回生ブレーキ力(153)に基づいて電動機を制御し、これにより実際に作用した回生ブレーキ力を実回生ブレーキ力(157)として車両制御装置(102)へ送信する。
車両制御装置(102)は必要ブレーキ力と実回生ブレーキ力(157)を比較し、実回生ブレーキ力(157)が必要ブレーキ力に対して不足している場合には、不足しているブレーキ力を空気ブレーキ力(158)として空気ブレーキ制御装置(103)に送信する。空気ブレーキ制御装置(103)は、この空気ブレーキ力(158)に基づいて空気ブレーキ力を出力させる。
なお、この実施例では、必要ブレーキ力に対して、実回生ブレーキ力(157)の不足分を補う空気ブレーキ力(158)を空気ブレーキ制御装置(103)に送信しているが、必要ブレーキ力と実回生ブレーキ力(157)に相当する空制減算指令とを空気ブレーキ制御装置(103)に送信し、空気ブレーキ制御装置(103)で必要ブレーキ力と空制減算指令から空気ブレーキ力を算出してもよい。
また、図1においては、架線電圧(156)を集電装置(106)から取得しているが、電動機制御装置(104)から取得してもよい。すなわち、電動機制御装置(104)に印加される架線電圧が把握できる変数であればよく、例えば、電動機制御装置(104)内のフィルタコンデンサ電圧などを用いてもよい。
電動機制御装置(104)は、具体的には、直流から可変電圧可変周波数の交流を出力して電動機を駆動するインバータ装置であり、回生動作時には電動機を発電機として動作させるもので、電動機制御装置(104)からの出力電流から推定される電動機の回転数を車両速度(155)として用いてもよい。
後述するように、表示タイミング判定装置(107)は、ブレーキノッチ(151)、車両重量(152)及び実回生ブレーキ力(157)に基づいて、現在のブレーキノッチで必要なブレーキ力が実回生ブレーキ力(157)を超えているかどうかを判断し、超えている場合は表示装置(109)に表示要求(159)を出力するものであり、最大ブレーキノッチ算出装置(108)は車両重量(152)と、実回生ブレーキ力(157)から回生ブレーキのみで負担可能な最大のブレーキノッチ(160)を算出し、表示装置(109)へ送信するものである。
図1における表示タイミング判定装置(107)内での処理の流れを図2に示し、ステップ201〜ステップ210により、運転士に対する通知を実施するか否かを決定する。
(1)ステップ201
主幹制御装器(101)からブレーキノッチ(151)を取得し、ステップ202に進む。
(2)ステップ202
ブレーキノッチ(151)からブレーキ中であるか否かを判定し、ブレーキ中である場合はステップ203へ進む。
(3)ステップ203
ブレーキノッチ(151)に変化があるか否かを判定する。変化がある場合はステップ204へ進む。変化がない場合はステップ205へ進む。
(4)ステップ204
ブレーキノッチの変化状態に応じて必要ブレーキ力と実回生ブレーキ力(157)を比較するまでの時素を決定する。一般的に回生ブレーキはブレーキ力の立ち上げ時に回路形成等の電流を流す準備が必要であり、ブレーキノッチの入力から出力可能となるまで所定の時間がかかる。また回生ブレーキ力出力中においても指令値に対して伝送遅延や処理演算遅延などにより多少の応答遅れが発生する。
このため、ブレーキノッチが変化したとき、実回生ブレーキ力がその指令値に追従するまでの時間を考慮せずに、必要ブレーキ力と実回生ブレーキ力を比較すると、常に必要ブレーキ力が実回生ブレーキ力よりも大きいと判定される恐れがある。そこで、このステップで、指令値に追従するために要する時間に対応して時素を決定している。
この時素は現車試験などから予め算出された所定の値を用いてもよいが、ブレーキノッチの変化状態によって指令値に追従するのに要する時間が変化するため、例えば、比較的応答遅れの大きいノッチオフからのブレーキノッチ投入時は時素を長めに、ブレーキ中のブレーキノッチ変化時は時素を短めにするなど、ブレーキノッチの変化状態に合わせて最適な時素を決定してもよい。また、実際の運転において、実回生ブレーキ力の追従に要する応答遅れをリアルタイムに検出して学習させてもよい。
(5)ステップ205
ステップ204で決定された時素時間が終了したか否かを判定し、終了した場合はステップ206へ進む。
(6)ステップ206
車両重量(152)を空気ブレーキ制御装置(103)から取得し、ステップ207へ進む。
(7)ステップ207
車両重量(152)とブレーキノッチ(151)から必要ブレーキ力を算出し、ステップ208へ進む。
(8)ステップ208
実回生ブレーキ力(157)を電動機制御装置(104)から取得し、ステップ209へ進む。
(9)ステップ209
必要ブレーキ力が実回生ブレーキ力(157)よりも大きいかを判定し、大きい場合はステップ210へ進む。一般に実回生ブレーキ力が指令値に誤差なく追従することは難しいため、実回生ブレーキ力に誤差分を補正した値をもとに必要ブレーキ力と比較することが望ましい。たとえば、必要ブレーキ力よりも誤差分以上実回生ブレーキ力が小さい場合は、必要ブレーキ力が実回生ブレーキ力よりも大きいと判定してもよい。
(10)ステップ210
表示装置(109)へ表示要求(159)を送信する。
次に図1における最大ブレーキノッチ算出装置(108)内での処理の流れを図3に示し、ステップ301〜ステップ308により、運転士に対して通知する最大ブレーキノッチを算出する。
(1)ステップ301
車両重量(152)を空気ブレーキ制御装置(103)から取得し、ステップ302へ進む。
(2)ステップ302
実回生ブレーキ力(157)を電動機制御装置(104)から取得し、ステップ303へ進む。
(3)ステップ303
仮想ブレーキノッチに一番低いノッチを代入し、ステップ304へ進む。
(4)ステップ304
車両重量(152)と仮想ブレーキノッチから仮想必要ブレーキ力を算出し、ステップ305に進む。
(5)ステップ305
仮想必要ブレーキ力と実回生ブレーキ力(157)を比較し、仮想必要ブレーキ力が実回生ブレーキ力(157)よりも大きい場合はステップ307へ、小さい場合はステップ306へ進む。
(6)ステップ306
仮想ブレーキノッチに一段高いノッチを代入し、ステップ304へ戻る。
(7)ステップ307
仮想ブレーキノッチを一段低い値として、最大ブレーキノッチ(160)に代入し、ステップ308へ進む。このようにして、仮想必要ブレーキ力が実回生ブレーキ力を上回った時の仮想ブレーキノッチの一段下のブレーキノッチが、回生ブレーキのみで減速可能な最大のブレーキノッチとなる。
ただし、ステップ305で決定された仮想ブレーキノッチが一番低いノッチの場合、ブレーキノッチ操作が不要としてこの処理は行わない。
(8)ステップ308
表示装置(109)に最大ブレーキノッチ(160)を送信する。
上述した表示タイミング判定装置(107)内での処理により、表示装置(109)に表示タイミング判定装置(107)からの表示要求(159)があった場合に、最大ブレーキノッチ算出装置(108)によりステップ307で求めた最大ブレーキノッチ(160)を表示装置(109)の画面に表示することで運転士に通知する。なお、通知方法は画面への表示以外でもよく、たとえば音声による通知でもよい。
例えば、運転士が列車の高速域で高段側のブレーキノッチ(151)を選択し、低速域になってから、低段側のブレーキノッチ(151)を選択して次駅に停車させるような運転パターンを行っている場合、高速域において、高段側のブレーキノッチ(151)に必要なブレーキ力が実回生ブレーキ力(157)を超え、それを補うよう空気ブレーキが作動するため、十分な回生電力を回収することができない。
しかも、低速域においては発生し得る実回生ブレーキ力が十分高いにもかかわらず、低段側のブレーキノッチ(151)が選択されているため、停止までの走行時分が増加し、走行抵抗によるエネルギ損失分が増加することから、本来得られる回生電力を回収することができないことになる。
このような場合、運転士は、表示装置(109)の画面から、回生ブレーキのみで負担可能な最大のブレーキノッチ(160)を確認し、高速域において自分の操作したブレーキノッチ(151)が高すぎたこと、そして、低速域において、より高いブレーキノッチ(151)を選択すべきであったことを瞬時に把握することができる。
現駅を発車して次駅に停車させる運行を想定すると、運転士には一定の運行時間を厳守しながら、スムースな発進、減速、停車が求められている。
したがって、上記のような表示が行われると、運転士は、次回の運転では、より早いタイミングでブレーキ操作を開始したり、ブレーキ操作を行う直前の力行を中止することにより、高速域ではより低めのブレーキノッチ(151)を選択するとともに、十分に低速になった時点で、十分に高いブレーキノッチ(151)を選択することにより、自分の操作したブレーキノッチが、回生ブレーキのみで負担可能な最大のブレーキノッチ(160)を超えないよう、実際の運転を通して体得していくことが可能となる。
[実施例2]
図4は、本発明の実施例2を示す機器構成図であり、図4を用いて本実施例のシステム構成の一例を説明する。
実施例1においては、表示タイミング判定装置(107)が主幹制御器(101)からのブレーキノッチ(151)、空気ブレーキ装置(103)からの車両重量(152)及び電動機制御装置(104)からの実回生ブレーキ力(157)に基づいて、現在のブレーキノッチで必要なブレーキ力が実回生ブレーキ力(157)を超えているかどうかを判断していたが、この実施例では、表示タイミング判定装置(407)が、主幹制御器(401)からのブレーキノッチ(451)、空気ブレーキ制御装置(403)からの車両重量(452)、架線電圧(456)、車両速度(455)及び各車両に配備された電動機制御装置(404)の開放情報(454)に基づいて、現在のブレーキノッチで必要なブレーキ力が、電動機制御装置(404)の出力可能な最大回生ブレーキ力を超えているかどうかを判断し、超えている場合は表示装置(409)に表示要求(459)を出力する。また、最大ブレーキノッチ算出装置(408)は、車両重量(452)及び実回生ブレーキ力(457)に基づいて回生ブレーキのみで負担可能な最大のブレーキノッチ(460)を算出し,表示装置(409)へ送信する。これ以外の構成については、実施例1と同様である。
前述のように、回生ブレーキが出力し得るブレーキ力は、車両速度に依存し、所定の低速域では、ほぼ一定の高い回生ブレーキ力を得ることができるが、これより高い速度域では、車両速度が高くなるほど小さくなる特性があるので、こうした特性をマッピングしておき、車両速度(455)に基づき、電動機制御装置(404)により出力し得る最大回生ブレーキ力を算出する。
また、上述のように、電動機制御装置(404)が複数配置される場合、このうち、故障したものがあると、その分だけ電動機制御装置(404)により出力し得る回生ブレーキ力が減少することから、各電動機制御装置(404)の異常状態を示す開放情報(454)に基づいて、電動機制御装置(404)により出力し得る最大回生ブレーキ力を修正する必要がある。
図4における表示タイミング判定装置(407)内での処理の流れを図5に示す。図5のステップ501〜ステップ510にて運転士に対する通知を実施するか否かを決定する。
(1)ステップ501
主幹制御装器(401)からブレーキノッチ(451)を取得し、ステップ502に進む。
(2)ステップ502
ブレーキノッチ(451)からブレーキ中であるか否かを判定し、ブレーキ中である場合はステップ503へ進む。
(3)ステップ503
車両重量(452)を空気ブレーキ制御装置(403)から取得し、ステップ504へ進む。
(4)ステップ504
架線電圧(456)を集電装置(406)から取得し、ステップ505へ進む。
(5)ステップ505
車両速度(455)を取得し、ステップ506へ進む。
(6)ステップ506
開放情報(454)を電動機制御装置(404)から取得し、ステップ507へ進む。
(7)ステップ507
車両重量(452)とブレーキノッチ(451)から必要ブレーキ力を算出し、ステップ508へ進む。
(8)ステップ508
最大回生ブレーキ力を算出し、ステップ509へ進む。
(9)ステップ509
必要ブレーキ力が最大回生ブレーキ力よりも大きいかを判定し、大きい場合はステップ510へ進む。
(10)ステップ510
表示装置(409)へ表示要求(459)を送信する。
図4における最大ブレーキノッチ算出装置(408)内での処理は第1の実施例と同じである。表示装置(409)は表示タイミング判定装置(407)からの表示要求(459)があった場合に、最大ブレーキノッチ算出装置(408)からの最大ブレーキノッチ(460)を表示装置(409)の画面に表示することで運転士に通知する。なお、通知方法は画面への表示以外でもよく、たとえば音声による通知でもよい。
[実施例3]
図6は、本発明の実施例3を示す機器構成図であり、図6を用いて本実施例のシステム構成の一例を説明する。
この実施例においては、表示タイミング判定装置(607)が、ブレーキノッチ(651)、車両重量(652)、架線電圧(656)、車両速度(655)及び各電動車の開放情報(654)とから現在のブレーキノッチで必要なブレーキ力が電動機制御装置(604)の出力可能な最大回生ブレーキ力を超えているかどうかを判断する。超えている場合は表示装置(609)に表示要求(659)を出力する。また、最大ブレーキノッチ算出装置(608)は、実施例2と同様に、車両重量(652)、架線電圧(656)、車両速度(655)及び各電動機制御装置の開放情報(654)に基づいて、回生ブレーキのみで負担可能な最大のブレーキノッチ(660)を算出し、表示装置(609)へ送信する。これ以外の構成は、実施例1と同様である。
次に図6における最大ブレーキノッチ算出装置(608)内での処理の流れを図7に示す。図7のステップ701〜ステップ711にて運転士に対して通知する最大ブレーキノッチを算出する。
(1)ステップ701
車両重量(652)を空気ブレーキ制御装置(603)から取得し、ステップ702へ進む。
(2)ステップ702
架線電圧(656)を集電装置(606)から取得し、ステップ703へ進む。
(3)ステップ703
車両速度(655)を取得し、ステップ704へ進む。
(4)ステップ704
開放情報(654)を電動機制御装置(604)から取得し、ステップ705へ進む。
(5)ステップ705
最大回生ブレーキ力を算出あい、ステップ706へ進む。
(6)ステップ706
仮想ブレーキノッチに一番低いノッチを代入し、ステップ707へ進む。
(7)ステップ707
車両重量(652)と仮想ブレーキノッチから仮想必要ブレーキ力を算出し、ステップ708に進む。
(8)ステップ708
仮想必要ブレーキ力と最大回生ブレーキ力を比較し、仮想必要ブレーキ力が最大回生ブレーキ力よりも大きい場合はステップ710へ、小さい場合はステップ709へ進む。
(9)ステップ709
仮想ブレーキノッチに一段高いノッチを代入し、ステップ707へ進む。
(10)ステップ710
仮想ブレーキノッチを一段低い値として、最大ブレーキノッチ(660)に代入し、ステップ711へ進む。
(11)ステップ711
表示装置(609)に最大ブレーキノッチ(660)を送信する。
図6における表示タイミング判定装置(607)内での処理は第2の実施例と同じである。表示装置(609)は表示タイミング判定装置(607)からの表示要求(659)があった場合に、最大ブレーキノッチ算出装置(608)からの最大ブレーキノッチ(660)を画面に表示することで運転士に通知する。なお、通知方法は画面への表示以外でもよく、たとえば音声による通知でもよい。
以上説明した実施例1〜3では、表示タイミング判定装置による最大ブレーキノッチ表示要求について制限を設けなかったが、運転士に混乱を招く可能性がある場合には、表示要求を取り下げる機能を追加してもよい。
例えば、所定のブレーキノッチよりも高いブレーキノッチが主幹制御器から入力された場合は表示要求を取り下げることにより、衝突回避時など緊急度が高いと思われるブレーキ中には通知が行われないようにすれば、このような緊急ブレーキ中に運転支援装置から通知を受け取ることによって運転士が混乱することを避けることができる。
また、自動列車運転装置(ATO:Automatic Train Operation)や自動列車制御装置(ATC:Automatic Train Control)や自動列車停止装置(ATS:Automatic Train Stop)などのように、自動的に列車を減速させる装置からブレーキノッチが入力された場合は、表示要求を取り下げることにより、緊急度が高いと思われるブレーキ中には通知が行われないようにすれば、このような緊急ブレーキ中に運転支援装置から通知を受け取ることによって運転士が混乱することを避けることができる。
以上に述べたとおり、本発明によれば回生ブレーキのみで減速可能なブレーキ操作量が最大ブレーキノッチとして運転士に通知されるため、運転士は表示装置を常に確認せずとも回生ブレーキのみで減速させることが可能となり、回生効率を向上させる運転支援装置として広く採用されることが期待できる。
また前記通知は常時通知されることなく、必要ブレーキ力が最大回生ブレーキ力を超えた場合など必要なタイミングでのみ通知さるため、運転士がブレーキ操作量を修正するタイミングが分かりやすいうえ、保安装置やATO装置などからのブレーキ指令と混同する可能性を低くすることが可能となる。
101 主幹制御器
102 車両制御装置
103 空気ブレーキ制御装置
104 電動機制御装置
105 速度発電機(TG)
106 集電装置
107 表示タイミング判定装置
108 最大ブレーキノッチ算出装置
109 表示装置
151 ブレーキノッチ
152 車両重量
153 回生ブレーキ力
154 故障情報
155 車両速度
156 架線電圧
157 実回生ブレーキ力
158 空気ブレーキ力
159 表示要求
160 最大ブレーキノッチ

Claims (6)

  1. 摩擦力でブレーキを行う摩擦ブレーキ装置と、鉄道車両を駆動する電動機を発電機として使用することで回生電力を回収しブレーキを行う回生ブレーキ装置とからなり、運転士が操作したブレーキノッチにより必要ブレーキ力を求め、そのとき得られる実回生ブレーキ力が前記必要ブレーキ力に対し不足している場合、前記摩擦ブレーキ装置の摩擦ブレーキ力で補うようにしたブレーキ装置を備えた鉄道車両に配備され、
    鉄道車両の運転状態に基づいて、前記回生ブレーキ装置から出力可能なブレーキ力に相当する最大ブレーキノッチを算出し、運転士に通知する運転支援装置であって、
    前記回生ブレーキ装置から出力可能なブレーキ力を、前記回生ブレーキ装置が実際に出力した実回生ブレーキ力に基づいて算出することを特徴とする運転支援装置。
  2. 請求項1に記載の運転支援装置において、前記回生ブレーキ装置から出力可能なブレーキ力を、鉄道車両の重量、車両速度、架線電圧、及び前記回生ブレーキ装置の異常を示す開放情報に基づいて算出することを特徴とする運転支援装置。
  3. 請求項1に記載の運転支援装置において、前記通知は前記必要ブレーキ力が前記回生ブレーキ装置の実際に出力した回生ブレーキ力を超えている場合に実施することを特徴とする運転支援装置。
  4. 請求項1から3の何れか1つに記載の運転支援装置において、前記必要ブレーキ力が、前記回生ブレーキ装置が出力可能なブレーキ力を超えている場合に運転士への通知を実施することを特徴とする運転支援装置。
  5. 請求項1から4の何れか1つに記載の運転支援装置において、運転士が操作した前記ブレーキノッチが所定の値以下の場合に運転士への通知を実施することを特徴とする運転支援装置。
  6. 請求項1から5の何れか1つに記載の運転支援装置において、自動的に列車を減速させる装置からブレーキ指令がない場合に運転士への通知を実施することを特徴とする運転支援装置。
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