JP5787460B2 - 耳垢除去具 - Google Patents

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Description

本発明は、耳垢除去具に関する。
耳垢を除去するための道具として、例えば、特許文献1に開示された耳かきが知られている。図7に示すように、この耳かきは、耳かき本体51の先端に、軸部52を介して掻き取り部53が設けられている。掻き取り部53は、軸方向に沿って間隔をあけて配置された3つのフランジから構成されており、このフランジによって外耳道内の耳垢の剥離や掻き出しを行う。
特開2000−237086号公報
ところが、上記従来の耳かきは、フランジが硬い材質で構成されていると、耳垢を掻き出す際には、外耳道の微細な凹凸によってフランジと外耳道内壁面との間に隙間が生じやすく、耳垢を効率よく掻き出すことができなかったり、回転させたときに外耳道の内壁面との間で滑りが生じやすく、内壁面に付着した耳垢を剥離しにくいといった問題があった。なお、従来の耳かきとしては、掻き取り部の反対側に梵天を備える構成も一般的であるが、梵天の羽毛は、軸部の端部から外方に拡がるように配置されているため、十分な掻き取り効果が期待できないという問題があった。
本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであって、外耳道に付着した耳垢の剥離および除去を確実に行うことができる耳垢除去具の提供を目的とする。
本発明の前記目的は、棒状の軸部と、前記軸部の周囲に沿って形成された突部とを備え、前記突部を外耳道に挿入可能な耳垢除去具であって、前記突部は、弾性変形可能なフィラメントからなり前記軸部から突出する保持体を複数備えており、前記突部は、軸方向に沿って螺旋状に形成されており、前記突部の螺旋径dが外耳道の径よりも大きくなるように設定されており、前記突部の形成方向に沿って隣接する前記各保持体間に耳垢を保持可能に構成されており、前記突部は、前記軸部の先端に向けて螺旋径dが大きくなる逆円錐台状、又は、前記軸部の先端に向けて螺旋径dが小さくなる円錐台状及び前記軸部の先端に向けて螺旋径dが大きくなる逆円錐台状を突き合わせた形状である耳垢除去具により達成される。
また、棒状の軸部と、前記軸部の周囲に沿って形成された突部とを備え、前記突部を外耳道に挿入可能な耳垢除去具であって、前記突部は、弾性材料からなり前記軸部に支持された保持体を複数備えており、前記突部の形成方向に沿って隣接する前記各保持体間に耳垢を保持可能に構成されている耳垢除去具において、前記保持体は、前記突部に切り込みを形成して構成することもできる。
本発明の耳垢除去具によれば、外耳道に付着した耳垢の剥離および除去を確実に行うことができるだけではなく、従来の耳垢除去具ではできなかった、より小さな粉状の耳垢の除去も確実に除去できる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る耳垢除去具の側面図である。図1に示すように、この耳垢除去具1は、棒状に形成された軸部10の一端側に突部20を備えており、軸部10の他端側には軸部10よりも大径に形成された筒状の把持部30を備えている。
突部20は、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやボリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂等からなる弾性変形可能な各種フィラメントの1種または複数種を多数配置してなり、これらのフィラメントが耳垢を保持する保持体22を構成している。
軸部10は、図2に示すように金属ワイヤ24から構成されており、2つ折りにして並列状態の複数の保持体22における中央部を挟み込んだ後、捻ることにより、図1に示すように、軸部10から両側に突出した保持体22により、突部20が軸部10の周囲に沿って螺旋状に形成されている。
以上のように構成された耳垢除去具1によれば、使用者が把持部30を持って、突部20を外耳道内に挿入および引出することで、各保持体22は弾性力によって先端が外耳道の内壁面に摺接するので、外耳道に付着していた耳垢が剥離され、突部20の形成方向に沿って隣接する保持体22同士の間に耳垢が保持される。また、突部20を外耳道内に挿入した状態で軸部10を回転させると、各保持体22は先端が外耳道の内壁面を摺接しながら回転する。これにより、外耳道に付着していた耳垢の剥離が容易になり、突部20の形成方向に沿って隣接する保持体22同士の間に耳垢が保持される。このように、突部20を構成する各保持体22が、耳垢の剥離および保持の双方を行うことにより、耳垢を確実に除去することができる。保持体22に保持された耳垢は、指先で払い落として脱離することが可能であり、保持体22を黒などの濃色とすることで、耳垢の保持あるいは脱離の状況を目視で容易に確認することができる。
また、本実施形態の耳垢除去具1は、突部20が軸部10の周囲に沿って螺旋状に形成されているため、軸部10の回転により突部20が耳垢を搬送することができる。したがって、保持体22に保持されない耳垢も外部に排出することが可能であり、耳垢の除去をより確実にすることができる。この場合、螺旋状の突部20と外耳道内壁面とによって形成される閉鎖空間内に、耳垢を確実に留めることができるように構成することが好ましい。
具体的には、保持体22を構成するフィラメントの弾性率は、小さすぎると、保持体22の先端が外耳道の内壁面が有する微細な凹凸に入り込みにくくなるので、該凹凸と保持体22の先端との間に隙間が生じやすくなり、耳垢がすり抜けやすくなる一方、大きすぎると、外耳道に付着した耳垢を掻き取る力が弱くなる傾向がある。また、突部20の軸部10から先端までの径方向露出長さr(図1参照)は、小さすぎると、耳垢が脱出しやすくなる傾向があるので、1.5mm以上が好ましく、2.5mm以上がより好ましい。また、長さrの上限は、外耳道の直径に応じて適宜設定されるが、通常は5.0mmが好ましく、4.0mmがより好ましい。径方向露出長さrを、このような数値範囲に設定することで、外耳道に付着した耳垢の掻き取り効果の向上だけでなく、より小さな粉状の耳垢の掃除効果も期待できる。更に、突部20の螺旋の間隔(ピッチ)p(図1参照)は、小さすぎると、保持体22の先端が外耳道の内壁面に摺接する際に耳垢を留める上記閉鎖空間が塞がれ易く、耳垢を取り込むことが困難になる一方、大きすぎると、突部20の数が少なくなり、外耳道を掻き取る効果が低下しやすくなることから、0.2〜5mmが好ましい。
突部20を構成する各保持体22は、外耳道に付着した耳垢を良好に掻き取ることができるように、ある程度の剛性を有することが好ましく、フィラメントの太さは、例えば、0.02〜0.1mmが好ましく、0.03〜0.08mmがより好ましい。更に、保持体22の本数(配置密度)は、軸部10の軸方向1cmあたり200〜2000本程度であることが好ましく、800〜1500本程度がより好ましい。保持体22の太さや配置密度等は、必ずしも全体にわたって均一である必要はない。例えば、軸方向中央部に配置されるフィラメントを太くしたり、配置密度を高めることにより、耳垢の剥離効果が良好な部分と、耳垢の保持効果が良好な部分とを、軸部10の軸方向に沿って配置することが可能であり、使用者が使用位置を適宜選択することにより、耳垢の除去効果の向上を図ることも可能である。
また、各保持体22の剛性を上記のように調整することに加えて、突部20の螺旋径d(図1参照)を外耳道の径よりも若干(例えば、0.5〜6mm)大きくすることにより、図3(a)に示すように、突部20を外耳道Eに挿入する際に、突部20の周縁が進行方向後方に傾斜して先端が外耳道Eの内壁面に当接した状態を、図3(b)に示すように、突部20を引き出す際にも維持することができ、耳垢Cを掻き出すことができるので、耳垢の除去をより容易にすることができるので好ましい。
また、各保持体22は、耳垢との電位差のある材質から構成することが好ましい。耳垢との電位差の関係でプラス側に帯電し易い材質としては、例えば、ナイロン、羊毛などがあげられ、マイナス側に帯電し易い材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンなどがあげられる。このように耳垢との電位差のある材質から構成することにより保持体22と外耳道との間に生じる摩擦によって、プラスまたはマイナスに帯電した保持体22が耳垢を吸着することができ、保持体22による耳垢の保持をより確実にすることができる。
突部20の軸方向長さL(図1参照)は、外耳道の清掃を容易にするために外耳道長さ等を考慮して適宜設定すればよく、例えば、2〜3cm程度である。また、把持部30は必須の構成ではなく、把持部30を設けない構成にすることも可能である。
また、図1に示す突部20は、軸部10に沿った両端における螺旋径が等しく、全体として円筒状に形成しているが、図4(a)に示すように、把持部30側から軸部10の先端に向けて螺旋径が徐々に小さくなるように、突部20を全体として円錐台状に形成してもよい。これにより、外耳道に突部20をスムーズに挿入することができる。或いは、図4(b)に示すように、把持部30側から軸部10の先端に向けて螺旋径が徐々に大きくなるように、突部20を全体として逆円錐台状に形成してもよい。これにより、軸部10の先端部において耳垢の掻き取りや排出を行うことができ、除去効果の向上を図ることができる。更には、図4(c)に示すように、全体として円錐台状の構成を2つ突き合わせて突部20を構成することも可能であり、この場合は、外耳道と、螺旋径が大きい突部20の両端とによって、閉鎖空間を形成することができ、この閉鎖空間内の耳垢を突部20と共に容易に排出することができる。
本実施形態の突部20は、フィラメントからなる複数の保持体22を、軸部10の周囲に沿って螺旋状に配置することにより構成されているが、突部の形状は、軸部の周囲に沿って形成されている限り、必ずしも螺旋状に限定されるものではなく、周方向や軸方向など種々の方向に延びるように形成可能である。更に、保持体についても、突部の形成方向に沿って隣接するもの同士で耳垢を保持可能に構成されている限り、フィラメント状のものに限定されず、突部表面の凹凸や切り込みなどによって形成することが可能である。
例えば、図5に示すように、ゴムや合成樹脂などの弾性材料からなるフランジ状の突部201を、棒状の軸部101に沿って間隔をあけて複数配置し、各突部201の周縁に沿って略等間隔に切り込みsを形成することにより、これら切り込みs,sの間に可撓性を有する保持体221を形成することが可能である。或いは、図6に示すように、軸部102と同心状に設けた弾性材料からなる円筒状部材242の外周面に、軸部102に沿って延びるように周方向に間隔をあけて突部202を形成し、それぞれの突部202を切り込みsによって軸方向に分割することで、保持体222を形成することも可能である。
上記各実施形態のように、板状、帯状、リブ状などの突部に複数の切り込みを形成することで、各切り込み間に耳垢を保持可能な保持体を容易に形成することができる。これらの構成についても、図1に示す螺旋状の突部20について上記した各種変形例を適用可能であることは、いうまでもない。
本発明の一実施形態に係る耳垢除去具の側面図である。 図1に示す耳垢除去具の突部の形成方法を説明するための側面図である。 図1に示す耳垢除去具を外耳道に沿って進退させたときの状態を示す模式図である。 図1に示す耳垢除去具について突部の変形例を示す側面図である。 本発明の他の実施形態に係る耳垢除去具の側面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る耳垢除去具の側面図である。 従来の耳垢除去具の側面図である。
符号の説明
1 耳垢除去具
10 軸部
20 突部
22 保持体
24 金属ワイヤ
30 把持部

Claims (4)

  1. 棒状の軸部と、前記軸部の周囲に沿って形成された突部とを備え、前記突部を外耳道に挿入可能な耳垢除去具であって、
    前記突部は、弾性変形可能なフィラメントからなり前記軸部から突出する保持体を複数備えており、
    前記突部は、軸方向に沿って螺旋状に形成されており、前記突部の螺旋径dが外耳道の径よりも大きくなるように設定されており、
    前記突部の形成方向に沿って隣接する前記各保持体間に耳垢を保持可能に構成されており、
    前記突部は、前記軸部の先端に向けて螺旋径dが大きくなる逆円錐台状、又は、前記軸部の先端に向けて螺旋径dが小さくなる円錐台状及び前記軸部の先端に向けて螺旋径dが大きくなる逆円錐台状を突き合わせた形状である耳垢除去具。
  2. 前記軸部は、2つ折りされ、並列状態の複数の前記保持体を挟み込んだ金属ワイヤを捻ることで形成される請求項1に記載の耳垢除去具。
  3. 前記突部の前記軸部から先端までの径方向露出長さrが1.5mm以上5.0mm以下である請求項1または2に記載の耳垢除去具。
  4. 前記突部の螺旋の間隔pが0.2mm〜5mmである請求項1〜3のいずれかに記載の耳垢除去具。
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