(第1実施例)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、中央の図柄列に表示される絵柄であって、左右の図柄列に一対のリーチ組合せが後から停止表示される場合に所定の発展演出が発生し得ることを示唆するための特殊絵柄を、中央の図柄列の装飾図柄が不可視となるようにその装飾図柄の位置に表示させる特殊演出パターンを用いて演出表示する。
本実施例では、通常は左右の図柄列にリーチ組合せが表示された後に停止表示されるべき中央の図柄列を一時的に不可視にするとともに、リーチ組合せの表示より前に特殊絵柄を表示させる。この場合、リーチ組合せを表示させた時点でそのリーチ図柄と特殊絵柄との組合せにより、複数の装飾図柄がすべて停止したかのように見せることもできる。このような従来とは異なる停止順序および態様にて装飾図柄および特殊絵柄を表示させることで、比較的期待度の高い発展演出の発生をより効果的に遊技者に期待させることができる。
ここで「発展演出」は、通常の変動表示演出から切り替わって期待度の高いことを示唆する特殊な演出であり、その演出内容は例えば「スーパーリーチ」や「ロングリーチ」とも呼ばれる演出期間の長いリーチ変動演出におけるリーチの成立後に切り替わって大当りへの期待を煽る演出であってもよい。「特殊絵柄」を、例えば3つの図柄列のうち中央の図柄列における装飾図柄が「不可視」となるように、すなわち中央の装飾図柄を覆い隠すように重畳させて表示することにより、中央の装飾図柄に代わって「特殊絵柄」が中央に停止表示されたように見せる。また「不可視」を実現する手法としては、特殊絵柄を表示させる位置に本来表示されるべきであった装飾図柄を透過させることで実現する。こうした処理はアルファブレンディングとも呼ばれる画像の合成技術であってよく、そのような簡易な処理によって装飾図柄の列に特殊絵柄を違和感なく合成することができ、装飾図柄の位置を移動して図柄間に特殊絵柄を挿入したり図柄列における装飾図柄を書き換えたりするなどの処理よりも簡素にすることができる。「特殊演出パターン」は、後述する予告演出パターンとして実現してもよいし、変動演出パターンとして実現してもよい。
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、変動演出の途中から演出内容が発展する過程と、その発展にあたり発展先の演出内容として複数種類の演出テーマの選択肢を画面に提示していずれかの演出テーマを遊技者に選択させる過程と、が含まれる選択発展演出パターンを用いた変動演出を表示する。選択発展演出としては、発展先の演出内容の結末が当否抽選の結果に応じた結末となるよう遊技者により選択された演出テーマに沿って発展先の演出内容を決定するとともに、発展先の演出内容の結末を示唆する展開示唆表示の表示内容を決定する。選択発展演出では、複数種類の演出テーマの選択肢を画面に表示し、遊技者による選択後は決定された展開示唆表示を画面に表示し、選択された演出テーマに沿った発展先の演出内容を画面に表示する。
ここで「演出内容が発展する過程」は、通常の変動表示演出から切り替わって期待度の高いことを示唆する特殊な演出であり、例えば「スーパーリーチ」や「ロングリーチ」とも呼ばれる演出期間の長いリーチ変動演出におけるリーチの成立後に切り替わって大当りへの期待を煽る演出であってもよい。本実施例では、「バトル演出」と呼ばれるキャラクター同士の対戦をモチーフにした演出の動画を表示し、「演出テーマ」はバトル演出に登場させるキャラクターや対戦場面の種類またはモチーフを示す。「発展先の演出内容の結末」は、当否抽選の結果に基づく演出内容の趣旨であり、例えばバトル演出における対戦結果としての勝敗である。「展開示唆表示」は、遊技者が選択した演出テーマについて大当りの期待度がどの程度であるかを示唆する指標となる表示オブジェクトであり、例えば表示する星の数で期待度の大きさを表す。
本実施例によれば、変動演出の途中から演出内容が発展するにあたり発展先の演出内容のテーマを遊技者に自由に選択させることができるとともに、その時点では演出テーマごとの演出の結末は示唆しないことにより演出テーマの表示および選択の自由度を高める。遊技者による演出テーマの選択後に展開示唆表示を表示させるので、遊技者による選択が正しいものであったかが示されるような演出手法を採ることができ、また、表示内容と当否抽選の結果との間に矛盾が生じなくすることができる。また、初期値としての選択候補を所定のランダム選択処理にしたがって選択肢から選択しておき、遊技者による選択操作がなかった場合には初期値として選択された演出テーマに沿って発展先の演出内容を表示する。これにより、選択操作を望まない遊技者や選択操作をし損なった遊技者に対して毎回同じ演出テーマが初期値として選択されてしまうことを避け、演出の形骸化防止を図ることができる。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口(以下「第1始動口」という)62、第2始動入賞口(以下「第2始動口」という)63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62および第2始動口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動口62と第2始動口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。たとえば、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口62または第2始動口63へ入球があるたびに実行される。
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、拡開機構である普通電動役物65(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。普通電動役物65の1回の開放時間は、通常状態においては0.2秒程度の短時間であるが、入球容易状態においては普通電動役物65の1回の開放時間が6秒程度と通常入球状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動口63に入球しやすくなる。
第2始動口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動口63の近傍に集まり、入球容易状態における第2始動口63への入球可能性は高い。これに対して第1始動口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられている。したがって、少なくとも入球容易状態においては第1始動口62よりも第2始動口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
遊技領域52の左下方に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが左右に並設され、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動が表示される。遊技領域52の略中央には演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄192または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。本実施例においてセグメントの組合せで表される第1特別図柄192および第2特別図柄193は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71へ表示されることにより、第1特別図柄192および第2特別図柄193の図柄変動表示が実現される。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄192および第2特別図柄193を表現してもよい。
演出表示装置60は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、第1特別図柄192および第2特別図柄193で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は普通電動役物65を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常入球状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。普通電動役物65の開放時間は、例えば通常状態では0.2秒間であり、入球容易状態では6秒間である。普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では30〜60秒間であり、入球容易状態では2秒間である。
なお、上述の通り普通図柄の当り確率の変動、普通電動役物65の開放時間の延長、普通図柄の変動時間の短縮の3つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成を本実施例では採用する。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動口63への入球容易性を高めることは可能である。また、後述の通り本実施例ではいわゆる「時短」と呼ばれる特別図柄の変動時間短縮機能を入球容易状態においてさらに実施する仕様とするが、変形例では入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、第1特別図柄保留表示装置20および第2特別図柄保留表示装置21が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の上方には第1の遊技に対応する第1特別図柄保留表示装置20が設けられ、第2特別図柄表示装置71の上方には第2の遊技に対応する第2特別図柄保留表示装置21が設けられている。第1特別図柄保留表示装置20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特別図柄保留表示装置20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特別図柄保留表示装置21も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示装置21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施例における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
第1始動口62または第2始動口63に入球すると、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60において第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192および第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192、第2特別図柄193、および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、15回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。15回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「15R大当り」とも称する。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間もなく、1回の単位遊技で第1大入賞口91または第2大入賞口92を0.2秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放を2回繰り返すだけであるため、第1大入賞口91または第2大入賞口92にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。
停止時の第1特別図柄192または第2特別図柄193および装飾図柄190が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態においては、開放抽選が当りになる確率を通常より高め、普通図柄の変動時間を通常状態より短縮するとともに、普通電動役物65の拡開時間を通常状態よりも長くする、いわゆる開放延長を実行する。このように、入球容易状態では一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口63への入球容易性も増すため、第2始動口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、入球容易状態では第2始動口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。入球容易状態においては、さらに第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば入球容易状態もいったん終了する。入球容易状態において第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段129、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、当否抽選手段として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動口62への入球に対応する当否抽選として第1の抽選を実行する。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動口63への入球に対応する当否抽選として第2の抽選を実行する。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、第1始動口62または第2始動口63への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値、第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを複数保持する。複数の当否判定テーブルには、大当りおよび外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、通常確率状態においては通常の当り確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動状態においては通常確率より大当り確率が高くなる当否テーブルを参照する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段113が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段117が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113は図5(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は図5(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図6(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」は確変を伴う15R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」〜「4」は確変を伴わない15R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられ、「190〜229」に種類「3」が対応付けられ、「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。
図6(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図6(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、事前図柄判定においても図6のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1の抽選または第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図7(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、本判定としての変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図7(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図7(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図7(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図9において説明する。
図7(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図7(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図8は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が外れの場合に図8(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が15R大当りの場合に図8(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図8(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。なお、本実施例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、共通の変動パターンテーブル、事前パターン判定テーブルを用いる例を示した。変形例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、これら変動パターンテーブルおよび事前パターン判定テーブルの少なくとも一方について別々のテーブルを用いるようにしてもよい。
図3に戻り、普図抽選手段129は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段129による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段129は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段129は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、特図保留手段144、普図保留手段147を含む。特図保留手段144は、新たに第1の抽選または第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選または第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持し、第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。普図保留手段147は、普図抽選手段129により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特別図柄保留表示装置20、第2特別図柄保留表示装置21、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段144による保留の数は表示領域194にも表示される。
特図保留手段144に保留された第2の抽選の抽選値は第1の抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1の抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2の抽選として抽選値の保留がある限りは第1の抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1の抽選として大当りの保留があっても、さらに第2の抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148は、特図保留手段144により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、特図保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1の抽選と第2の抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2の抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2の抽選の保留数が0になるまでは第1の抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段129による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段152は、第1始動口62および第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口63への入球に基づく第2特別図柄193の変動表示を、第1始動口62への入球に基づく第1特別図柄192の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄193を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、第1始動口62および第2始動口63への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口62、第1始動口62、第2始動口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段152は、また、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、決定された特別図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄195の時短、普通図柄195の確変、第2始動口63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113および第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、第2始動口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、入球容易状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、読み出した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段113および第2当否判定手段117による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄190を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったことと、それ以前の第1の抽選および第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
演出表示制御手段134は、第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1の抽選と第2の抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2の抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2の抽選の保留数が0になるまでは第1の抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
図9は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、保留制御手段116による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、保留制御手段116による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、特図保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、特図保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。以上の構成による動作および制御の過程を以下説明する。
(特殊絵柄を用いた予告演出)
パターン記憶手段130は、予告演出パターンとして、特殊絵柄予告演出パターンを保持する。特殊絵柄予告演出パターンは、一対のリーチ組合せの装飾図柄が後から表示される場合に所定の発展演出が発生し得ることを示唆するための表示オブジェクトである特殊絵柄を表示させる演出パターンである。演出表示制御手段134は、3つの図柄列のうち少なくとも中央の図柄列における装飾図柄190が不可視となるようにその装飾図柄190の位置に特殊絵柄を表示させる。特殊絵柄予告演出パターンは、変動演出パターンとは別にその表示有無および表示種類が演出決定手段132により決定され、変動演出パターンとしてスーパーリーチなどの特殊変動演出パターンが用いられる場合には特殊変動演出パターンによる変動演出とともに表示される。変動演出パターンとして通常の外れ変動演出パターンが用いられる場合には通常の外れ変動演出とともに表示される。特殊絵柄の表示種類は、変動演出パターンの種類を示唆しており、変動演出パターンごとの期待度の高さに応じた選択確率により特殊絵柄の種類が選択される。特殊絵柄の種類は、絵柄のモチーフの違いで表されてもよいし、色の違いで表されてもよい。なお、変動演出パターンとしてスーパーリーチなどの特殊変動演出パターンが選択されている場合、通常の外れ変動演出パターンが選択されている場合より高い確率で、特殊絵柄予告演出パターンによる演出を表示させる決定をする。これにより、特殊絵柄が表示されること自体がスーパーリーチの出現可能性が高いことを示唆することになる。
図10は、特殊絵柄予告演出パターンによる演出を模式的に示す画面例の図である。特殊絵柄予告演出パターンによる演出の表示が決定された場合、演出表示制御手段134は、図10(a)のように3つの装飾図柄190の変動表示を開始後、図10(b)のように3つの図柄列すべての装飾図柄を透明化し、代わりに中央の図柄列に特殊絵柄199を重畳させて変動表示する。特殊絵柄199は、その表示後に左右の装飾図柄190がリーチ態様で停止する場合に所定のスーパーリーチに発展することを示唆する絵柄であり、本図の例ではバトル演出のスーパーリーチの演出内容を示唆する「決戦」の文字列が表示されており、この文字列の違いでスーパーリーチの種類や大当りの期待度を示唆してもよい。このとき、特殊絵柄199によるスーパーリーチへの発展示唆が可能性の示唆に留まらず確定的な示唆である仕様であってもよい。
装飾図柄191の透明化は、装飾図柄191の画像の透明度を高めて他のレイヤーまたはチャンネルの画像だけを可視化することで背景や特殊絵柄199などの他の画像と合成するアルファブレンディングとも呼ばれる画像の合成技術を用いて実現する。3つの図柄列は透明化して不可視となっているだけで、内部的な処理としては依然として不可視状態のまま変動処理を続けている。
図10(b)において中央の図柄列に特殊絵柄199を表示させるとき、装飾図柄190の変動表示と同じように垂直方向に変動表示させた後で所定の停止位置である有効ライン上にさしかかったときに変動表示速度を緩める。このように特殊絵柄199が停止することに対する遊技者の期待を煽るようにゆっくり変動表示し、そのまま停止させる場合もあれば通過を繰り返して何度も煽る場合もあり、また、そのまま有効ライン上で停止させない場合もある。特殊絵柄199を有効ライン上で停止させない場合はリーチにもせずに外れの組合せが表示される。また、特殊絵柄予告演出パターンを複数種類用意しておき、いずれの種類で停止するかを煽ってもよい。
有効ライン上で特殊絵柄199を停止させた場合、図10(c)のように左右の図柄列の装飾図柄190を再び可視化し、中央の図柄列だけを透明な状態のまま残す。本来、中央の図柄列は左右の図柄列の装飾図柄が停止した後の最後に停止するのが通常であるところ、本実施例では中央の図柄列で特殊絵柄199を停止表示することにより、3つの装飾図柄190のうち中央の図柄が最初に止まったように遊技者に見せることができる。これは本来の停止順序とは異なっていることからその意外性により遊技者を期待させることができる。このように簡易な処理によって装飾図柄の列に特殊絵柄を違和感なく合成することができ、装飾図柄の位置を移動して図柄間に特殊絵柄を挿入したり図柄列における装飾図柄を書き換えたりするなどの処理よりも簡素にすることができる。
変形例としてはその装飾図柄の画像に特殊絵柄の画素値を上書きないし置き換えることで実現してもよい。特殊絵柄を、その大きさや外形形状を装飾図柄と同じにすることで外観上も装飾図柄の一種であるかのように見せてもよい。本図の例では特殊絵柄199を中央の図柄列の位置に表示する例を説明したが、変形例としては左右の図柄列のいずれかに表示する構成としてもよい。また、本図の例では図柄列そのものを透明にして不可視化する構成を説明したが、図柄列そのものではなく図柄列におけるいずれかの装飾図柄を一つだけ不可視化し、その位置に特殊絵柄199を表示させて一つの装飾図柄を特殊絵柄199に置き換えた状態で図柄変動を表示する構成としてもよい。
図10(d)のように、左右の図柄列の装飾図柄190は一対のリーチ組合せとなる種類が有効ライン上にさしかかったとき、その変動表示速度を緩めることでリーチ発生に対する遊技者の期待を煽るように表示する。そして、図10(e)のように左右の図柄列に一対のリーチ組合せの装飾図柄190が停止表示された場合は、次図に示すスーパーリーチへと発展する。逆に、一対のリーチ組合せの装飾図柄190が有効ラインを通過して図10(f)のように左右の図柄列にリーチ組合せでない不一致の装飾図柄190が表示された場合、特殊絵柄199は消去または透明化され、それまで透明化されていた装飾図柄191が可視化されて外れ態様にて表示され、図柄の変動表示が終了する。
図10(e)のように一対のリーチ組合せを停止表示させる場合、演出表示制御手段134は、最終的な停止図柄態様の確定表示まではその最終的な停止位置を中心に僅かな揺れ幅にてリーチ組合せの装飾図柄190を揺動させて表示する。また、特殊絵柄199もまた装飾図柄190と同様に揺動させて表示する。この僅かな揺れ幅での揺動は、装飾図柄190が完全な停止状態にはないがいったん停止したように遊技者に見せるための、いわゆる「仮停止」に相当する状態である。このように装飾図柄190と同様に特殊絵柄199も揺動させることにより、特殊絵柄199を装飾図柄190の一種であるかのように見せることができ、よって、リーチ成立より先に中央に図柄が停止したように見せたり、リーチ組合せを含む特殊な3つの図柄組合せで表示しているように見せたりすることも容易となる。
図11は、特殊絵柄の表示からスーパーリーチへ発展する過程を模式的に示す画面例の図である。図10(e)のように左右の図柄列にリーチ態様の装飾図柄190が表示された場合、本図(a)のようにリーチ成立を示す「リーチ!」の文字列を表示し、本図(b)にて模式的に示すスーパーリーチの演出へ発展させる。このとき、装飾図柄190は演出表示装置60の画面右下隅に小さく表示させるとともに、特殊絵柄199も画面右下隅に小さく表示させてもよいし、消去してもよい。スーパーリーチの演出を表示した後、最終的に大当りとなる場合は本図(c)のように特殊絵柄199は表示せずに大当り態様を構成する3つの同種の装飾図柄190を停止表示する。最終的に外れとなる場合は本図(d)のように特殊絵柄199は表示せず、外れ態様として中央だけ異なる図柄を含んだ3つの装飾図柄190を停止表示する。以上、図10および11のように、演出表示制御手段134は、特殊絵柄199の表示開始から最終的に3つの装飾図柄190の停止態様を表示させるまで、3つの図柄列における装飾図柄の透過状態を変動演出表示の進行状態にしたがって制御する。
図12は、特殊絵柄予告演出パターンおよび変動演出パターンに基づく演出過程を示すタイムチャートである。本図(a)では、スーパーリーチなどの特殊変動演出パターンによる変動演出とともに特殊絵柄を表示する場合を説明する。まず3つの装飾図柄が変動開始され(S300)、特殊変動演出パターンに定められた装飾図柄の通常変動が表示される(S301)。その変動中に3つの図柄列の透明化を開始するとともに(S302)、特殊絵柄予告演出パターンに定められた所定タイミングにて中央の図柄列へ特殊絵柄199を停止表示し(S303)、左右の図柄列だけ透明度を元に戻して一対のリーチ組合せの装飾図柄が表示される(S304)。その後、発展演出としてスーパーリーチの演出が表示され(S306)、最終的な停止組合せが表示され(S308)、変動が停止されて変動演出が終了する(S310)。
これに対して、本図(b)では、通常の外れ変動演出パターンによる変動演出とともに特殊絵柄を表示する場合を説明する。まず(a)と同様に3つの装飾図柄が変動開始され(S320)、装飾図柄の通常変動が表示される(S322)。その変動中に3つの図柄列の透明化を開始するとともに(S323)、特殊絵柄予告演出パターンに定められた所定タイミングにて中央の図柄列へ特殊絵柄199の停止を煽るように表示し(S324)、特殊絵柄199の停止または通過とともに左右の図柄列だけ透明度を元に戻してリーチを構成しない組合せの装飾図柄が表示される(S326)。そして、中央の図柄列の透明度を元に戻して最終的な外れ停止組合せが表示され(S328)、変動が停止されて変動演出が終了する(S330)。
なお、本実施例では特殊絵柄を用いた演出を予告演出パターンによって実現する構成を説明したが、変形例においては変動演出パターンにおいて特殊絵柄の表示タイミングを定めて実現する構成としてもよい。
(分割画面を用いた選択発展演出)
パターン記憶手段130は、変動演出パターンとして、選択発展演出パターンを保持する。選択発展演出パターンは、変動演出の途中から演出内容が発展する過程と、その発展にあたり発展先の演出内容として複数種類の演出テーマの選択肢を画面に提示していずれかの演出テーマを遊技者に選択させる過程と、が含まれる変動演出パターンである。
図13は、選択発展演出パターンによる演出内容を模式的に示す画面例の図である。演出決定手段132が選択発展演出パターンによる演出を決定した場合、演出表示制御手段134は、本図(a)のように複数種類の演出テーマの選択肢を画面に表示する。本図の例では、発展先の演出内容は当該遊技機で演出のモチーフとするキャラクター同士が対戦する「バトル演出」である。演出テーマの選択肢はキャラクターA〜Dの画像で表し、画面を4分割した分割領域である第1領域300、第2領域302、第3領域304、第4領域306にそれぞれキャラクターA、B、C、Dを表示させる。これらキャラクターA,B,C,Dは発展先の演出内容を示唆するだけでなく、大当りが発生した場合の特別遊技演出の内容も示唆する。これら4つの分割領域のキャラクターからいずれかを遊技者が操作ボタン82の操作を介して選択する。分割領域の選択状態はカーソル310の表示位置によって示され、演出表示制御手段134は、第1領域300、第2領域302、第3領域304、第4領域306のいずれかにカーソル310を表示させることで、現在の分割領域の選択状態を示す。演出決定手段132は、初期値としての選択候補を所定のランダム選択処理にしたがって選択肢から選択する。「ランダム選択処理」としては、擬似的な乱数を用いて完全にアットランダムに選択する手法であってもよいし、前回の選択と重複しないよう履歴に基づいて選択の偏りをなくす選択基準を用いてもよい。演出表示制御手段134は、選択発展演出パターンによる演出開始とともに初期値としてあらかじめ選択された選択候補である分割領域にカーソル310を表示させる。本図(a)では、初期値として「キャラクターB」が表示された第2領域302が初期値としてあらかじめ設定されており、第2領域302の位置にカーソル310を表示させる。
本図(a)の状態から遊技者が操作ボタン82を押下するたびに、演出表示制御手段134はカーソル310の位置を移動させ、操作ボタン82の押下のたびに第1領域300、第2領域302、第3領域304、第4領域306、第1領域300の順序にカーソル310を移動させて表示する。第1領域300まで戻った後は、再び操作ボタン82の押下のたびに第2領域302、第3領域304、第4領域306の順序で移動させる。遊技者による操作ボタン82の操作は所定の操作待機時間、例えば5秒間にわたって有効に受け付けられ、その操作待機時間の経過とともに遊技者の選択が確定する。すなわち、操作待機期間の終了時におけるカーソル310の表示位置にあるキャラクターが選択されたものとして確定する。例えば本図(b)のようにカーソル310が第3領域304の位置で表示された状態で操作待機期間が経過すると、第3領域304に表示されたキャラクターCが選択されたこととなる。また、操作待機期間において遊技者による操作がなされなかった場合には、初期値として設定された演出テーマが選択される。本実施例では、遊技者による選択操作がなかった場合に毎回同じ演出テーマが選択されてしまうことを防止するために、演出決定手段132が初期値を毎回ランダムに決定して設定する。
操作待機期間が経過して演出テーマの選択が確定すると、演出決定手段132は、発展先の演出内容の結末が当否抽選の結果に応じた結末となるよう遊技者により選択された演出テーマに沿って発展先の演出内容を決定する。例えば本図(b)のように「キャラクターC」の選択が確定すると、その後に選択されるバトル演出は「キャラクターC」が相手のキャラクターと対戦する表示内容が選択される。バトル演出の種類は、キャラクターA、B、C、Dがそれぞれ勝利するパターンと敗北するパターンとがあり、少なくとも計8種類のバトル演出を用意する。従来であれば、バトル演出の種類ごとに大当り期待度が異なるように演出選択テーブルが用意されていたが、本実施例では遊技者がバトル演出の演出テーマとしてキャラクターを自由に選択し、そのキャラクター選択後に実際の当否抽選結果との対応で勝利または敗北のいずれのバトル演出とすべきかを演出決定手段132が決定する。したがって、あらかじめバトル演出の種類ごとに大当り期待度が設定されるわけではない。
また、演出決定手段132は、発展先の演出内容の結末を示唆する展開示唆絵柄の表示内容を決定する。本図(c)に示すように展開示唆絵柄312は星形の絵柄を1つ以上表示するものであり、その展開示唆絵柄312の表示個数の多さで演出内容の結末、すなわちバトル演出での対戦で勝利する可能性の高さを示唆する。バトル演出での勝利は大当りの発生を意味する。演出決定手段132は、当否抽選の結果が大当りの場合は、選択された演出テーマにて勝利するバトル演出を選択し、外れの場合は、選択された演出テーマにて敗北するバトル演出を選択する。また、演出決定手段132は、大当りの場合には展開示唆絵柄312の表示個数を多い数に決定する可能性が高く、外れの場合には展開示唆絵柄312の表示個数を少ない数に決定する可能性が高い。
演出表示制御手段134は、展開示唆絵柄312の表示後、本図(d)のように「キャラクターC」が対戦するバトル演出を、遊技者が選択した演出テーマに沿った発展先の演出として演出表示装置60の画面に表示させる。
なお、本図では画面を4分割した例を説明したが、変形例としては他の分割数でもよい。例えば、2分割、6分割、9分割等であってもよく、それらの場合には選択肢としての演出テーマもそれぞれ2種類、6種類、9種類となり、その中からいずれかを遊技者が選択する。また、本図の例では遊技者により選択された演出テーマについてのみ展開示唆絵柄312を表示する構成としたが、変形例では遊技者により選択された演出テーマを含む他の演出テーマについても展開示唆絵柄312の個数を決定してそれぞれ表示する構成としてもよい。
他の演出テーマについても展開示唆絵柄312を事後的に表示する場合、演出テーマごとに展開示唆絵柄312の個数が適度にばらつくように決定することにより、選択肢としてもともと優劣があったように見せてもよい。そのように他の演出テーマについても展開示唆絵柄312を表示した後、遊技者が別のキャラクターを再選択できる構成としてもよいし、選択したキャラクターに隣接する別のキャラクターが追加的に選択される演出をランダムで実行する構成としてもよい。追加的に選択されたキャラクターは遊技者が選択したキャラクターと結合し、それぞれについて表示された展開示唆絵柄312の個数も合算されて表示される。例えば、キャラクターごとに表示する展開示唆絵柄312の個数は少なくした上で、後続のバトル演出で勝利する演出が選択されている場合に、敗北する場合より高い確率でキャラクターを結合させる演出を実行することで、大当りへの期待をより高める演出が可能となる。さらに、遊技者が選択したキャラクターの分割領域についてその両側にも分割領域が隣接する場合にはそれらが追加選択される可能性を低くする代わりに追加選択するときには両側とも結合しそれだけ展開示唆絵柄312の個数も合算で多くする構成としてもよい。逆に、遊技者が選択したキャラクターの分割領域についてその片側にしか分割領域が隣接しない場合にはその隣接するキャラクターが追加選択される可能性を高くする代わりに両側にキャラクターが隣接する場合よりは合算される展開示唆絵柄312の個数も少なくする構成としてもよい。
図14は、選択発展演出パターンによる演出過程およびその演出に付随する決定過程を示すタイムチャートである。選択発展演出パターンが選択された場合、まず3つの装飾図柄が変動開始され(S340)、選択発展演出パターンに定められた装飾図柄の通常変動が表示される(S342)。リーチ組合せの装飾図柄が表示された後(S344)、所定のボタン操作待機期間が経過するまで画面を4分割した各領域に演出テーマの選択肢を表示して遊技者による選択操作を受け付け(S346)、遊技者による選択操作に応じてカーソル310の表示位置の移動を制御する。ボタン操作待機期間が経過して遊技者による選択が確定するとその選択された演出テーマに沿った演出内容の結末を示唆する展開示唆絵柄312を表示する(S348)。その後、発展先の演出としてバトル演出を表示し(S350)、最終的な停止組合せで表示して(S352)、変動演出を終了する(S354)。
図15は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図16は、図15におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第2始動口63に入球があった場合(S20のY)、始動入賞口に対応する賞球数をセットする(S22)。第1始動口62への入球であれば第1の抽選の保留数が4未満であるか否かを参照し、第2始動口63への入球であれば第2の抽選の保留数が4未満であるか否かを参照し、それぞれにさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。このとき、保留される当否抽選値の種別(第1当否抽選値であるか第2当否抽選値か)、その当否抽選値の保留順序等の情報が、演出決定手段132に送信される。そして、その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を特図保留手段144に保留する(S30)。S20において第1始動口62または第2始動口63への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。以上のS20からS30までの処理が始動入賞口への入球に対する入賞処理である。なお、本実施例では第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方が事前判定として当否判定を実行する例としているが、変形例としては第1抽選手段126による事前判定と第2抽選手段128による事前判定とを異なる態様としてもよい。例えば、当否判定、図柄決定、パターン決定のうちいずれを事前判定として実行するかについての態様を第1抽選手段126と第2抽選手段128とで相違させてもよい。または、第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれか一方のみが事前判定を実行してその判定結果を送信する態様としてもよいし、確変中か否かといった遊技状態に応じて第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれが事前判定を実行するかを切り替えてもよい。あるいは、第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方において遊技状態に応じて事前判定を実行するか否かを決定する態様としてもよい。また、第1抽選手段126と第2抽選手段128が事前判定結果をサブ基板104に送信しつつ、サブ基板104側で遊技状態に応じてその判定結果を利用するか否かを切り替えてもよい。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。第1大入賞口91または第2大入賞口92に入球があった場合は(S36のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92に対応する賞球数をセットし(S38)、第1大入賞口91および第2大入賞口92への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図17は、図16におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄番号を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の演出決定手段132へ送信される(S52)。
図18は、図15におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S150)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行と(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行とが(S154)、繰り返し処理されることとなる。
図19は、図18におけるS150の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、「スーパー1」の変動パターンが選択されたことを事前判定処理の結果に基づいてあらかじめサブ基板104側でも認識し、大当りの期待度が高いことを演出的に示唆することとする。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S160のY)、演出表示制御手段134は事前判定結果とともに受信した、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値および保留数の情報に基づいて演出表示装置60における保留数の表示を更新する(S162)。その時点での保留数が例えば「3個以上」といった所定の前兆演出をするのに十分な個数であり(S164のY)、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」の場合や(S166のY)、異なる値であっても(S166のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「1」の場合は(S168のY)、前兆設定をオンにする(S172)。S168において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S168のN)、S172をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S164のN)、S166からS172までの処理をスキップする。事前判定処理の結果を受信していない場合は本図のフロー全体をスキップする(S160のN)。なお、本図の例では、事前判定により設定された当否範囲とパターン範囲に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定する。変形例としては事前判定により設定された図柄範囲に応じて、あるいは第1の抽選と第2の抽選のいずれの判定結果であったかに応じて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。または、それらの情報とともに所定の抽選に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。あるいは、事前判定結果として送られる情報、すなわち図柄の種類、当否結果、変動パターン等のうち少なくとも一つの情報を用いて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。なお、本実施例では、当否判定の結果が通常時および確変時を問わず大当りの場合、すなわち大当り確定の場合に前兆設定をオンにする例を示したが、確変時のみに大当りとなる場合、あるいは小当りとなる場合に前兆設定をオンにするようにしてもよい。あるいは、15R大当りまたは2R大当りのときに、前兆設定をオンにするようにしてもよい。
図20は、図18におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第2当否抽選値の保留がなされている場合(S62のY)、第2当否判定手段117が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(S64)、第2当否判定手段117が第2特別図柄193を決定し(S66)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定し(S68)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S62のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、第1当否判定手段113が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄192の当否を判定し(S72)、第1当否判定手段113が第1特別図柄192を決定し(S74)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図21は、図18におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、変動演出パターンを決定し(S184)、予告演出の表示有無および予告演出パターンの種類を決定する(S185)。ここで、前兆設定がオンになっている場合(S186のY)、すでに決定されている変動演出パターンや予告演出パターンが、前兆予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容、例えば特殊絵柄予告演出が含まれたパターンでない場合であって(S188のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S190のN)、前兆予告演出を表示すべき設定を実行し(S192)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S190のY)、前兆設定をオフする(S193)。変動演出パターンが選択発展演出パターンであれば(S194のY)、初期値としての選択候補を決定し(S195)、選択発展演出パターンでなければ(S194のN)、S195をスキップする。その後、装飾図柄の変動表示を開始する(S196)。前兆設定がオンでない場合や(S186のN)、変動演出パターンや予告演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S188のY)、S190からS194の処理をスキップする。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS194をスキップする(S180のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S198のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S200)、後述の特殊絵柄表示処理と(S201)、選択発展演出処理を経て(S202)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S203のY)、S182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S204)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS204をスキップし(S203のN)、変動表示が開始済みでないときはS200からS204をスキップする(S198のN)。
図22は、図21におけるS201の特殊絵柄表示処理を詳細に示すフローチャートである。特殊絵柄予告演出パターンが選択されている場合は本図のフローを実行し(S400のY)、選択されていない場合は本図のフローをすべてスキップする(S400のN)。特殊絵柄の表示開始タイミングとなった場合(S402のY)、図柄列の透明度を高めて不可視化し(S404)、代わりに特殊絵柄の表示を開始する(S406)。特殊絵柄の表示開始タイミングでない場合は(S402のN)、S404およびS406をスキップする。左右の図柄列の停止タイミングとなった場合(S408のY)、左右の図柄列の停止処理を実行し(S409)、リーチ組合せでなかったときは(S410のN)、特殊絵柄を消去するなどして不可視化して(S412)、中央の図柄列の透明度を元に戻して可視化する(S414)。リーチ組合せであったときはS412およびS414をスキップする(S410のY)。左右の図柄列の停止タイミングでなかった場合は(S408のN)、S409以降をスキップする。
図23は、図21におけるS202の選択発展演出処理を詳細に示すフローチャートである。選択発展演出パターンが選択されている場合は本図のフローを実行し(S450のY)、選択されていない場合は本図のフローをすべてスキップする(S450のN)。リーチタイミングとなった場合(S452のY)、リーチ組合せの表示を処理し(S454)、リーチタイミングでない場合は(S452のN)、S454をスキップする。画面分割のタイミングとなった場合(S456のY)、画面を分割した各分割領域に演出テーマの選択肢を表示するとともに初期値の演出テーマにカーソル310を表示する(S458)。画面分割のタイミングでなかった場合は(S456のN)、S458をスキップする。演出テーマの選択が確定済みの場合は残りのフローをスキップし(S460のN)、演出テーマの選択が未確定の場合(S460のY)、遊技者による操作待機期間であって(S462のY)、遊技者による操作があれば(S464のY)、カーソル310を移動する(S466)。操作がなければS466をスキップする(S464のN)。操作待機期間を経過していれば(S462のN)、カーソル位置の演出テーマの選択を確定し(S468)、展開示唆絵柄312の表示個数を決定し(S470)、展開示唆絵柄312を表示する(S472)。
図24は、図15におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92がまだ開放済でない場合(S100のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S102)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S104)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S110における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S114)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S116)、特定遊技、すなわち確変および時短の実行を開始する(S118)。単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S119)。
図25は、図15におけるS17の小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済でなければ(S220のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放処理を実行し(S222)、開放済みであれば(S220のY)、S222をスキップする。所定の開放時間を経過した場合(S224のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖し(S226)、所定の開放時間を経過していなければ(S224のN)、S226以降をスキップする。S226における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、設定回数分の開閉が終了していれば(S228のY)、小当り遊技を終了する(S230)。設定回数分の開閉が終了していなければ(S228のN)、開閉回数に1を加算してS17のフローを終了する(S232)。
(第2実施例)
本実施例は、演出モードとして後述する通常モード,確変モード,潜伏モードを含み、当否抽選の結果に応じてそれらのモード切り替えを実行する点において第1実施例と相違する。以下、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
本実施例においては第2始動口63の周囲に設けた遊技釘等の配置構成により、普通電動役物65が拡開されない状態においては第1始動口62のほうが入球容易性が高く、普通電動役物65が拡開された状態においては第2始動口63のほうが入球容易性が高い。このため、通常状態においては第1始動口62への入球を狙い、入球容易状態においては第2始動口63への入球を狙うほうが入球可能性は高い。一方、第1始動口62への入球を契機に開始される第1の遊技よりも、第2始動口63への入球を契機に開始される第2の遊技のほうが、大当りになったときの賞球(出玉)を期待できる仕様とされている。このため、まずは通常状態において第1の遊技にて大当りを取得し、それにより移行された入球容易状態において第2の遊技の大当りを繰り返し取得することが、遊技を有利に進めるうえで効果的となる。
また、本実施例においては特別遊技として、16R大当りにより移行される「16R特別遊技」と、4R大当りにより移行される「4R特別遊技」とが設けられる。16R特別遊技は16回の単位遊技を含み、4R特別遊技は4回の単位遊技を含む。また、単位遊技として大入賞口の開放態様が長開放の「通常単位遊技」と短開放の「短縮単位遊技」が設けられる。それらの単位遊技の組合せにより、単位遊技数は等しいものの、大入賞口の開放パターンが異なる複数種の特別遊技が構成される。
なお、通常単位遊技の終了条件として、大入賞口が開放されてから所定数(9球)以上の入球または所定時間(29秒)の経過が設定され、短縮単位遊技の終了条件として、大入賞口が開放されてから所定数(9球)以上の入球または所定の短時間(0.052秒)の経過が設定されている。このため、少なくとも短縮単位遊技が実行されるラウンドにおいては大入賞口に入球させることすら困難であり、実質的に賞球を期待することができない。そのため、通常単位遊技と短縮単位遊技との組合せによって設計上獲得可能な賞球数、つまり賞球獲得期待値は異なる。本実施例では、通常単位遊技において設計上獲得可能とされる賞球数を基準に賞球獲得期待値を表現することがある。
すなわち、本実施例においては16R特別遊技として、全ラウンドが通常単位遊技とされる「16R通常特別遊技」と、開始から4ラウンドが通常単位遊技とされ、残余のラウンドが短縮単位遊技とされる「16R特定特別遊技」と、全ラウンドが短縮単位遊技とされる「16R短縮特別遊技」とが設けられる。当否抽選の結果が「16R通常大当り」になると16R通常特別遊技へ移行され、「16R特定大当り」になると16R特定特別遊技へ移行され、「16R短縮大当り」になると16R短縮特別遊技へ移行される。賞球獲得期待値は16R通常特別遊技が16ラウンド分、16R特定特別遊技が実質4ラウンド分、16R短縮特別遊技が実質ゼロとなる。
また、4R特別遊技として、全ラウンドが通常単位遊技とされる「4R通常特別遊技」と、全ラウンドが短縮単位遊技とされる「4R短縮特別遊技」が設けられる。当否抽選の結果が「4R通常大当り」になると4R通常特別遊技へ移行され、「4R短縮大当り」になると4R短縮特別遊技へ移行される。賞球獲得期待値は4R通常特別遊技が4ラウンド分、4R短縮特別遊技が実質ゼロとなる。なお、本実施例において16R通常特別遊技が「第1特別遊技」に対応し、16R特定特別遊技が「第2特別遊技」に対応し、4R通常特別遊技が「第3特別遊技」に対応し、4R短縮特別遊技が「第4特別遊技」に対応し、16R短縮特別遊技が「第5特別遊技」に対応する。
すなわち、本実施例において出玉が見込まれる(賞球獲得期待値がゼロではない)特別遊技は、16R通常特別遊技,16R特定特別遊技,4R通常特別遊技の3種類となる。このうち16R通常特別遊技は第2の遊技に対応づけられ、16R特定特別遊技は第1の特別遊技に対応付けられるが、いずれも必ず確変移行を伴う。一方、4R通常特別遊技は、第1の遊技および第2の遊技の双方に対応付けられ、第1の遊技においては確変移行を伴う場合と伴わない場合があるが、第2の遊技においては必ず確変移行を伴う。つまり、第2の遊技においては出玉のある大当りが発生すると確変移行が確保されるため、大入賞口の開放態様をみれば確変移行があるか否かを推測できるが、第1の遊技においては出玉のある大当りが発生しても確変移行は保証されないため、大入賞口の開放態様をみるだけでは確変移行の有無を判別し難い。
一方、本実施例の小当り遊技は、1回の単位遊技からなり、その単位遊技において大入賞口を16回開放し、1回あたりの開放時間を所定の短時間(0.052秒)とする。このため、小当り遊技の賞球獲得期待値も16R短縮特別遊技と同様に実質ゼロとなる。大入賞口の開放態様を見ただけでは、16R短縮特別遊技と小当り遊技のいずれに該当したかが遊技者からは認識困難となる。本実施例においては、16R短縮特別遊技は必ず確変移行を伴うが、小当り遊技は状態変化を伴わないため、大入賞口の開放態様を見ただけでは確変移行の有無も判別し難い。
本実施例では、このような複数種の特別遊技および小当り遊技の態様を利用し、一方で遊技者に安心感を与える確変報知演出を実行し、他方で遊技者の期待感を煽る潜伏演出を実行する。すなわち、第2の遊技において出玉のある大当りが発生すると、その全てについて確変移行が確保される。このため、確変移行確定を報知するための確変報知演出がなされる確変モードへ移行させ、遊技者に安心感を与える。一方、第1の遊技において出玉のある大当りが発生しても、その全てについて確変移行が保証されるわけではない。このため、一部の大当りを除き、確変移行有無を認識困難としたままその移行可能性を示唆するための潜伏演出がなされる潜伏モードへ移行させ、遊技者の期待感を煽る。
ところで、本実施例では上述のように、入球容易状態になると第2の遊技が主遊技となり、遊技者はその第2の遊技にて連荘を狙うようになる。一方、第2の遊技において出玉のある大当りが発生すると確変移行が確定する。したがって、遊技者の意識としては、入球容易状態において出玉のある大当りが発生すると確変移行が約束されたも同然となるところ、遊技者の意に反して第1始動口へ入球し、確変移行を伴わない大当り(事故当り)が発生することも想定される。このような事故当りにより潜伏モードへ移行してしまうことは仕様的に意図しないところである。そこで本実施例では、入球容易状態において大当りとなった場合、通常状態において大当りとなった場合よりも確変モードへ移行されやすくする。具体的には、16R特定特別遊技について、通常状態においては確変モードおよび潜伏モードのいずれにも移行される可能性を残し、入球容易状態においては確変モードにのみ移行させるようにする。そのモード移行処理の詳細については後述する。
また、通常状態(非確変、非時短)において、16R短縮特別遊技と小当り遊技とによっても確変移行の有無が変わる。すなわち、通常状態において16R短縮大当りが発生すると確変状態に移行されるが、通常状態から小当りが発生しても確変状態には移行されない。一方、時短状態(入球容易状態)は特別遊技後の状態であるため、確変状態である可能性も相対的に高いところ、確変状態においては16R短縮特別遊技と小当り遊技のいずれが実行されてもその状態は維持される。つまり、確変移行の有無に関して状態変化は起こらない。このため、時短状態においては16R短縮大当りと小当りのいずれが発生したかを煽る効果は少ない。また、時短中は連荘状態である可能性もあるため、出玉のない遊技への移行のために演出時間を割くのも好ましくない。そこで本実施例では、時短中(入球容易状態)であるにもかかわらず第1始動口へ入球し、16R短縮大当りまたは小当りが発生した場合には、その当否判定結果を示す演出そのものを速やかに終了させる。それにより、遊技者にとって特段有利でも不利でもない当りに関し、遊技者に無駄に期待感や不安感を与えることを抑制し、本来意図する仕様に沿った遊技の進行を実現できるようにする。以下、このような遊技性およびそれを実現するための構成および処理について説明する。
図3において、演出決定手段132は「演出実行手段」として機能する。また、普通電動役物65が「入球変動機構」として機能し、普図抽選手段129が「作動抽選手段」として機能する。なお、本実施例の遊技機も第1実施例と同様に「先読み処理」を行うが、先読み処理を行わない仕様としてもよい。
図26は、第2実施例に係る当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。図示のように、第1当否判定手段113による第1の抽選には小当りが対応付けられているものの、第2当否判定手段117による第2の抽選には小当りは対応付けられていない。つまり、本実施例においては、小当りは第1の遊技においてのみ発生することになる。
図27は、通常状態において参照される図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図27(a)は第1の抽選における当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図27(b)は第2の抽選における当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図27(c)は第1の抽選または第2の抽選における当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図27(d)は第1の抽選における当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「13」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。「0」〜「9」が大当りに対応し、「10」が外れに対応し、「11」〜「13」が小当りに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、特別図柄の種類(番号)、特別遊技へ移行した際のラウンド数、確変移行の有無、出玉(賞球獲得期待値)、時短移行の有無および終期、および当りの種別および大入賞口の開放態様がそれぞれ対応づけられている。
図27(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が第1の遊技における大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」および「1」はいずれも16R特定大当りを示すが、後述する演出モードの切り替えのために区別されている。すなわち、種類「0」は16R特定大当り1を示し、第1図柄抽選値の「0〜29」に対応付けられている。種類「1」は16R特定大当り2を示し、第1図柄抽選値の「30〜59」に対応付けられている。いずれの16R特定大当りも16R特定特別遊技への移行を示し、確変移行を伴う。賞球獲得期待値は4ラウンド分に相当する。また、16R特定特別遊技の終了後には時短へ移行される。16R特定大当り1は、確変と同様に次の大当りまでを終期とする時短を伴うが、16R特定大当り2は、特別図柄の変動回数50回を終期回数とする時短を伴う。
種類「2」は16R短縮大当りを示し、第1図柄抽選値の「60〜99」に対応付けられている。この16R短縮大当りは16R短縮特別遊技への移行を示し、確変移行を伴う。賞球獲得期待値はゼロである。通常状態における16R短縮大当りは時短を伴わない。
種類「3」および「4」はいずれも4R通常大当りを示すが、確変移行の有無が異なる。すなわち、種類「3」は確変移行を伴う4R通常大当り1を示し、第1図柄抽選値の「100〜204」に対応付けられている。種類「4」は確変移行を伴わない4R通常大当り2を示し、第1図柄抽選値の「205〜255」に対応付けられている。いずれの4R通常大当りも4R通常特別遊技への移行を示し、その賞球獲得期待値は4ラウンド分に相当する。4R通常大当り1および4R通常大当り2は、いずれも特別図柄の変動回数50回を終期回数とする時短を伴う。なお、本実施例においては図示のように、第1の遊技にて大当りとなった場合の確変移行確率が約80%とされている。
図27(b)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」は、第2の遊技における大当りに対応付けられている。そのうち、種類「5」は16R通常大当りを示し、第2図柄抽選値の「0〜139」に対応付けられている。この16R通常大当りは16R通常特別遊技への移行を示し、確変移行を伴う。賞球獲得期待値は16ラウンド分に相当する。16R通常特別遊技の終了後には時短へ移行され、次の大当りまでがその終期とされている。
種類「6」は4R通常大当り3を示し、第2図柄抽選値の「140〜179」に対応付けられている。この4R通常大当り3は4R通常特別遊技への移行を示し、確変移行を伴う。賞球獲得期待値は4ラウンド分に相当する。4R通常特別遊技の終了後には時短へ移行される。通常状態における4R通常大当り3は、特別図柄の変動回数50回を終期回数とする時短を伴う。
種類「7」〜「9」はいずれも4R短縮大当りを示す。種類「7」は確変移行を伴う4R短縮大当り1を示し、第2図柄抽選値の「180〜194」に対応付けられている。種類「8」は確変移行を伴う4R短縮大当り2を示し、第2図柄抽選値の「195〜204」に対応付けられている。なお、これら種類「7」および「8」はいずれも確変移行を伴う4R短縮大当りを示すが、後述する演出モードの切り替えのために区別されている。種類「9」は確変移行を伴わない4R短縮大当り3を示し、第2図柄抽選値の「205〜255」に対応付けられている。いずれの4R短縮大当りも4R短縮特別遊技への移行を示し、その賞球獲得期待値はゼロである。通常状態における4R短縮大当り1〜3は、いずれも特別図柄の変動回数50回を終期回数とする時短を伴う。なお、本実施例においては図示のように、第2の遊技にて大当りとなった場合の確変移行確率も約80%とされている。
図27(c)に示す通り、特別図柄の種類「10」は外れを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値のそれぞれの全範囲に対応付けられている。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。なお、本図では外れについて第1の抽選と第2の抽選に共通の当否判定テーブルを示したが、別個のテーブルとしてもよい。
図27(d)に示す通り、特別図柄の種類「11」〜「13」が小当りに対応付けられている。種類「11」は第1図柄抽選値の「0〜230」に対応付けられ、種類「12」は第1図柄抽選値の「231〜246」に対応付けられ、種類「13」は第1図柄抽選値の「247〜255」に対応付けられる。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。小当り遊技中の大入賞口の開放は短開放となる。
図28は、入球容易状態において参照される図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図28(a)は第1の抽選における当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図28(b)は第2の抽選における当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図28(c)は第1の抽選または第2の抽選における当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図28(d)は第1の抽選における当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。
本図の図柄判定テーブルは、図27の図柄判定テーブルと大部分において共通するが、時短の終期において異なる部分がある。すなわち、入球容易状態においては、第1の遊技における16R特定大当り2および16R短縮大当りは、次の大当りまでを終期とする時短を伴う。また、第2の遊技における4R通常大当り3および4R短縮大当り1は、次の大当りまでを終期とする時短を伴う。
図29は、大入賞口の開放パターンを示すタイムチャートである。本実施例では合計7種類の開放パターンが設けられており、図中上段から順に開放パターン1〜7が示されている。横軸は時間の経過を示している。図中の(1)は第1大入賞口91の開放であることを示し、(2)は第2大入賞口92の開放であることを示している。また、1R〜16Rは、特別遊技のラウンド(単位遊技)を示している。
開放パターン1は、第1の遊技にて特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄の種類「0」または「1」による16R特定特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、16ラウンドを有する。1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放されるが、第1ラウンドから第4ラウンドまでは1回あたりの開放時間が29秒の長開放となる通常単位遊技とされ、第5ラウンド以降は1回あたりの開放時間が0.052秒の短開放となる短縮単位遊技とされる。ただし、それらの開放時間の経過以前に9球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。なお、第5ラウンド以降に9球以上の入球があることは設計上想定されていない。ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間時間」ともいう)は第4ラウンドまではΔt1、第5ラウンド以降はΔt2に設定されている。本実施例においては、ラウンド間時間Δt1を1秒、Δt2を0.052秒に設定しているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン2は、第1の遊技にて特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄の種類「2」による16R短縮特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は0.052秒の短開放に設定されているが、それ以前に9球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。ただし、その9球以上の入球があることは設計上想定されていない。ラウンド間時間はΔt2に設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン3は、第1の遊技にて特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄の種類「3」または「4」による4R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、4ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第1大入賞口91が1回開放される。1ラウンドにおける第1大入賞口91の開放時間は29秒の長開放に設定されているが、それ以前に9球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間はΔt1に設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン4は、第2の遊技にて特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄の種類「5」による16R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、16ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第2大入賞口92が1回開放される。1ラウンドにおける第2大入賞口92の開放時間は29秒の長開放に設定されているが、それ以前に9球以上の入球があれば第2大入賞口92は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間はΔt1に設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン5は、第2の遊技にて特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄の種類「6」による4R通常特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、4ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第2大入賞口92が1回開放される。1ラウンドにおける第2大入賞口92の開放時間は29秒の長開放に設定されているが、それ以前に9球以上の入球があれば第2大入賞口92は閉鎖され、ラウンドが終了される。ラウンド間時間はΔt1に設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン6は、第2の遊技にて特別遊技への移行が決定され、それが特別図柄の種類「7」〜「9」による4R短縮特別遊技である場合に適用される開放パターンであり、4ラウンドを有し、1ラウンドあたりに第2大入賞口92が1回開放される。1ラウンドにおける第2大入賞口92の開放時間は0.052秒の短開放に設定されているが、それ以前に9球以上の入球があれば第1大入賞口91は閉鎖され、ラウンドが終了される。ただし、その9球以上の入球があることは設計上想定されていない。ラウンド間時間はΔt2に設定されているが、それと異なる時間を設定してもよい。
開放パターン7は、第1の遊技にて小当り遊技への移行が決定された場合に適用される開放パターンであり、1ラウンドを有し、その1ラウンドあたりに第1大入賞口91が16回開放される。第1大入賞口91の1回あたりの開放時間は0.052秒の短開放に設定され、前後の開放のインターバル時間は開放パターン2による16R短縮特別遊技と同様にΔt2に設定されている。このため、この小当り遊技は見かけ上、その16R短縮特別遊技との区別が困難となる。言い換えれば、このように第1の遊技における16R短縮特別遊技と小当り遊技との開放態様を同様にすることで、いずれの遊技であるか、ひいては確変移行があるか否かにつき遊技者の期待感を煽る遊技性が実現される。
図30は、開放パターン判定テーブルを模式的に示す図である。開閉制御手段124は、大入賞口の開放パターンの決定に際してこの開放パターン判定テーブルを参照する。図30(a)は第1の遊技において参照されるテーブルを示し、図30(b)は第2の遊技において参照されるテーブルを示している。この開放パターン判定テーブルにおいては、特別図柄の種類「0」〜「13」と開放パターン1〜7(図29参照)が対応づけられている。
図示のように、第1の遊技については、特別図柄の種類「0」,「1」に対して開放パターン1が対応づけられ、種類「2」に対して開放パターン2が対応づけられ、種類「3」,「4」に対して開放パターン3が対応づけられ、種類「11」〜「13」に対して開放パターン7が対応づけられている。一方、第2の遊技については、特別図柄の種類「5」に対して開放パターン4が対応づけられ、種類「6」に対して開放パターン5が対応づけられ、種類「7」〜「9」に対して開放パターン6が対応づけられている。開閉制御手段124は、各遊技において決定された特別図柄の種類を用いてその開放パターン判定テーブルを参照し、大入賞口の開放パターンを決定する。開閉制御手段124は、決定された開放パターンにしたがって第1大入賞口91または第2大入賞口92を開閉させる。
次に、本実施例の特徴的構成および動作について説明する。
本実施例では、特別遊技や小当り遊技の実行を契機に演出モードが変更される。図31は、通常遊技中の演出全体の概略構成を示すモード遷移図である。なお、図中の(1)は第1の遊技における第1の抽選を経た当否判定結果であることを示し、(2)は第2の遊技における第2の抽選を経た当否判定結果であることを示している。本実施例においては、演出モードとして通常モード、確変モードおよび潜伏モードが設定されている。通常遊技の通常状態においては基本的に通常モードが設定される。この通常モードでは、装飾図柄190による図柄変動演出や予告演出が表示される。予告演出には、その種類に応じて大当りとなる期待度が設定されている。また、第1実施例にて説明した特殊絵柄予告演出や選択発展演出も表示対象とされる。
通常モードにおいて16R特定大当り1または16R通常大当りが発生すると、その特別遊技の終了後に確変モードに移行される。確変モードにおいてはメインキャラクターと敵キャラクターが戦うバトル演出が表示される。このバトル演出は、メインキャラクターが予め設定されている点、登場するキャラクターの種類が異なる点等において、通常モードにおける選択発展演出のバトル演出とは区別される。この確変モードへの移行契機となる大当りはいずれも確変移行を伴うものであるため、遊技者は、そのバトル演出が表示されることにより、現在の遊技状態が確変状態であると認識することができる。すなわち、バトル演出の表示そのものが、確率変動状態への移行を報知する確変報知演出と位置づけられている。なお、本実施例においては、第2の遊技において出玉のある大当りがその16R通常大当りと4R通常大当り3のみとされているため、遊技者は、第2の遊技において出玉のある大当りが発生したことをもって確変モードへの移行、つまり確変状態への移行を推測することもできる。
バトル演出は、メインキャラクターの勝利により次の大当りの確定を示唆する演出である。確変モードの継続期間にメインキャラクターが最終的に勝利できなければ、大当りを獲得できなかったことになる。具体的には、敵キャラクターとしてキャラクターA〜Cが設定されている。キャラクターの強さはA>B>Cとなっている。このため、最強のキャラクターAが登場するとメインキャラクターが敗北する可能性が高く、大当り発生への期待度は小さくなる。逆に、最弱のキャラクターCが登場するとメインキャラクターが勝利する可能性が高く、大当り発生への期待度は大きくなる。また、メインキャラクターが繰り出す攻撃技についても必殺技X,Y,Zが設定されており、その効果はX<Y<Zとなっている。このため、相対的に効果の小さい必殺技Xが繰り出されるとメインキャラクターが敗北する可能性が高く、大当り発生への期待度は小さくなる。逆に、相対的に効果の大きい必殺技Xが繰り出されるとメインキャラクターが勝利する可能性が高く、大当り発生への期待度は大きくなる。他にも敵キャラクターの攻撃技や、メインキャラクターがその攻撃を避けられるか否かによって期待度が変わるよう設定されているが、その詳細については説明を省略する。
また、通常モードにおいて16R特定大当り2,16R短縮大当り,4R通常大当り1〜3,4R短縮大当り1〜3,小当りのいずれかが発生すると、その特別遊技または小当り遊技の終了後に潜伏モードに移行される。潜伏モードにおいては、メインキャラクターが放浪する放浪演出が表示される。この放浪演出においてはメインキャラクターが味方キャラクターに出会うストーリーが展開される。メインキャラクターがどの味方キャラクターに出会うかによって現在の遊技状態が確変状態である可能性の高さを示唆する演出である。ただし、この潜伏モードへの移行契機となる大当りには、確変移行を伴うものと伴わないものが含まれるため、遊技者は、その放浪演出が表示されることのみをもっては現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判別することはできない。すなわち、放浪演出は、確率変動状態へ移行有無を認識困難としたままその移行可能性を示唆する潜伏演出と位置づけられている。
具体的には、味方キャラクターとしてキャラクターa〜cが設定されている。キャラクターの強さはa<b<cとなっている。このため、最弱のキャラクターaに出会っても戦闘能力は高まらず、確変状態であることの期待度は小さくなる。逆に、最強のキャラクターcが登場すると戦闘能力が格段に高まるため、確変状態であることの期待度は大きくなる。他にも味方キャラクターとの出会い方(背景α〜γ:場所やタイミングなど)によって期待度が変わるよう設定されているが、その詳細については説明を省略する。
なお、確変モードの終期は、時短の終期と一致する。一方、潜伏モードの終期は、時短の終期または予め設定した終期回数(図柄変動回数)に到達したときとされている。すなわち、潜伏モードへの移行契機として16R短縮大当りと小当りが含まれるが、これらは基本的に時短移行を伴うものではない。このため、通常モードからこれらを契機に潜伏モードへ移行された場合には、その終期として所定の図柄変動回数(例えば30回)が設定される。
ただし、確変モードや潜伏モードの終期が満了する前に新たな大当りまたは小当りが発生すると、確変モードから潜伏モードへの移行、潜伏モードから確変モードへの移行、あるいは各演出モードの再開(リセット)が行われる。具体的には図示のように、確変モードにおいて16R特定大当り1,16R特定大当り2,16R通常大当り,16R短縮大当り,4R通常大当り3,4R短縮大当り1のいずれかが発生すると、その確変モードの終期がリセットされ、確変モードが繰り返し実行される。また、確変モードにおいて4R通常大当り1,4R通常大当り2,4R短縮大当り2,4R短縮大当り3,小当りのいずれかが発生すると、その特別遊技または小当り遊技の終了後に潜伏モードに移行される。一方、潜伏モードにおいて16R特定大当り1,16R特定大当り2,16R通常大当り,16R短縮大当り,4R通常大当り3,4R短縮大当り1のいずれかが発生すると、その特別遊技の終了後に確変モードへ移行される。また、潜伏モードにおいて4R通常大当り1,4R通常大当り2,4R短縮大当り2,4R短縮大当り3,小当りのいずれかが発生すると、その潜伏モードの終期がリセットされ、潜伏モードが繰り返し実行される。
ここで、16R特定大当り2について、通常モードにおいて発生した場合には潜伏モードに移行させるのに対し、確変モードまたは潜伏モードにおいて発生した場合には確変モードへ移行させることにしている。これは以下の理由による。すなわち、通常モードの遊技状態は通常状態である、つまり確変状態および時短状態(入球容易状態)のいずれでもなく、連荘状態を考慮する必要がないため、第1の遊技において大当りを発生させる可能性が高い。このため、16R特定大当りを確変モードと潜伏モードのいずれにも対応させることで、16R特定特別遊技が実行された場合に確変移行がなされるか否かにつき遊技者の期待感を煽る遊技性が有効となる。
これに対し、確変モードおよび潜伏モードは時短状態(入球容易状態)である確率が高い。このため、連荘状態である可能性も相対的に高い。連荘状態においては遊技者の遊技意欲も高いと考えられる。一方、遊技者は、時短中には入球容易とされた第2始動口63への入球を狙い、第2の遊技にて有利に遊技を進行させる傾向にあるところ、本実施例ではその第2の遊技において出玉のある大当りは確変移行が確保される。このため、遊技者は、出玉のある大当りの発生により確変移行が約束され、遊技を有利に進められると認識する。しかし、時短中であっても遊技者の意に反して第1始動口62へ入球して大当り、つまり事故当りが発生する可能性がある。この事故当りが16R特定大当り2であった場合、出玉のある大当りであるにもかかわらず潜伏モードへ移行させるのは、上述した遊技者の認識にそぐわず、仕様上意図しないところである。そこで本実施例では、確変モードまたは潜伏モードにおいて16R特定大当りが発生した場合、それが16R特定大当り1であるか16R特定大当り2であるかにかかわらず、確変モードへ移行させ、確変状態であることを報知する。このような設定により、本実施例の遊技性に適した演出を実現することができる。
図32は、通常状態において参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。通常状態において、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図32(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。当否判定結果が16R短縮大当りを除く16R大当りまたは4R大当りのとき、つまり16R特定大当り1,16R特定大当り2,4R通常大当り1,4R通常大当り2,4R通常大当り3,4R短縮大当り1,4R短縮大当り2,4R短縮大当り3のいずれかであるときは図32(b)に示される変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が16R短縮大当りまたは小当りのときには図32(c)に示される変動パターンテーブルを参照する。なお、図32(a)〜(c)の変動パターンテーブルは、それぞれ図7(a)〜(c)の変動パターンテーブルと同態様であってよい。
図33は、入球容易状態において参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。入球容易状態において、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図33(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。当否判定結果が16R短縮大当りを除く16R大当りまたは4R大当りのときには図33(b)に示される変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が16R短縮大当りまたは小当りのときには図33(c)に示される変動パターンテーブルを参照する。なお、図33(a),(b)の変動パターンテーブルは、それぞれ図32(a),(b)の変動パターンテーブルと比較して相対的に変動時間が短い変動パターンを選択対象としている。すなわち、「スーパー11」はスーパー1より変動時間が短くされ、「スーパー12」はスーパー2より変動時間が短くされている。また、「ノーマル11」はノーマル1より変動時間が短くされ、「ノーマル12」はノーマル2より変動時間が短くされている。「リーチなし」についても同様である。
また、入球容易状態において、16R短縮大当りまたは小当りが発生した場合には、必ず短縮変動パターンが選択され、また、リーチ変動パターンが出現しないので、特に演出時間の短縮が図られる。本実施例において、この短縮変動パターンは、変動時間が例えば2秒程度の固定時間とされ、予告演出等が伴わない超短縮変動とされている。既に述べたように、入球容易状態においては確変状態を伴う可能性も高く、16R短縮大当りと小当りのいずれが発生したかを煽る効果が少ないため、その当否判定結果を示すための図柄変動時間を短縮し、その演出も速やかに終了させるようにしている。
図34は、図20におけるS82の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず図柄変動を停止する処理を実行し(S500)、当否抽選の結果が大当りであった場合(S502のY)、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S504のY)、時短の設定をオンする(S506)。時短を伴う図柄でなければ(S504のN)、S506の処理をスキップする。さらに確変を伴う図柄であれば(S508のY)、確変の設定をオンし(S510)、確変を伴う図柄でなければ(S508のN)、確変の設定をオフする(S512)。そして、特別遊技へ移行する(S524)。16R大当りである場合は16R特別遊技へ移行し、4R大当りである場合には4R特別遊技へ移行する。なお、ここで設定された確変のオンおよび時短のオンは、特別遊技の終了後に有効となる。
一方、大当りでなかった場合には(S502のN)、時短中であれば(S514のY)、その時短の終期となっていれば(S516のY)、時短の設定をオフにする(S518)。既に述べたように、時短の終期は、確変の終期と同じかまたは終期回数(50回)に到達したことである。時短の終期となっていなければ(S516のN)、S518の処理をスキップする。時短中でなければ(S514のN)、S516およびS518の処理をスキップする。そして、小当りであった場合には(S520のY)、小当り遊技へ移行する(S522)。小当りでなかった場合、つまり外れであった場合には(S520のN)、S522の処理をスキップする。
図35は、図20におけるS68,S76の変動パターン決定処理を詳細に示すフローチャートである。第1の遊技および第2の遊技における変動パターンの決定に際しては、時短中(入球容易状態)でなければ(S530のN)、図32に示した第1変動パターンテーブルを設定し(S532)、変動パターンを決定する(S536)。一方、時短中であれば(S530のY)、図33に示した第2変動パターンテーブルを設定し(S534)、変動パターンを決定する(S536)。
図36は、図18におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は図21の処理に置き換えて実行されるが、図21の処理と大部分が共通するため、相異点のみ説明する。本実施例においては、S185において、現在の演出モードが通常モード、確変モード、潜伏モードのいずれであるかに応じて予告演出パターンの選択対象を切り替える。すなわち、通常モードにおいては、通常の予告演出(通常予告演出、群予告演出、ステップアップ予告等)、特殊絵柄予告演出、選択発展演出等を選択対象とし、予告演出の有無および予告演出の演出内容を決定する。確変モードにおいては、上述したバトル演出の演出内容を決定する。潜伏モードにおいては、上述した放浪演出の演出内容を決定する。そして、S204にて図柄変動表示が停止されると、演出モードの切り替え有無、切り替え先の演出モードを決定するためのモード切替決定処理を実行する(S206)。
図37は、図36におけるS206のモード切替決定処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果および停止図柄に基づき、大当りの種類および小当りに基づいて演出モードの切り替えを決定する。なお、切り替え処理そのものは特別遊技または小当り遊技の終了後に行われる。
すなわち、第1の遊技における第1の抽選が大当りまたは小当りであった場合(S540のY)、それが通常モード中における抽選結果であって(S542のY)、16R特定大当り1であれば(S544のY)、確変モードへの切り替えを決定する(S546)。16R特定大当り1ではない場合(S544のN)、つまり16R特定大当り2,16R短縮大当り,4R通常大当り1,4R通常大当り2,または小当りであれば、潜伏モードへの切り替えを決定する(S548)。一方、確変モードまたは潜伏モード中における抽選結果である場合には(S542のN)、16R特定大当り1,16R特定大当り2,16R短縮大当りのいずれかであれば(S550のY)、確変モードへの切り替えを決定する(S552)。16R特定大当り1,16R特定大当り2,16R短縮大当りのいずれでもない場合(S550のN)、つまり4R通常大当り1,4R通常大当り2,または小当りであれば、潜伏モードへの切り替えを決定する(S554)。
一方、第2の遊技における第2の抽選が大当りであった場合(S540のN,S556のY)、それが通常モード中における抽選結果であって(S558のY)、16R通常大当りであれば(S560のY)、確変モードへの切り替えを決定する(S562)。16R通常大当りでない場合(S560のN)、つまり4R通常大当り3,4R短縮大当り1,4R短縮大当り2または4R短縮大当り3であれば、潜伏モードへの切り替えを決定する(S564)。一方、確変モードまたは潜伏モード中における抽選結果である場合には(S558のN)、16R通常大当り,4R通常大当り3,4R短縮大当り1のいずれかであれば(S566のY)、確変モードへの切り替えを決定する(S568)。16R通常大当り,4R通常大当り3,4R短縮大当り1のいずれでもない場合(S566のN)、つまり4R短縮大当り2または4R短縮大当り3であれば、潜伏モードへの切り替えを決定する(S570)。一方、第1の遊技または第2の遊技における外れであった場合には(S556のN)、現在の遊技モードの終期であれば(S572のY)、通常モードへの切り替えを決定する(S574)。すなわち、現在の演出モードが確変モードまたは潜伏モードであって、各演出モードに設定された終期が満了していれば、通常モードへ戻る。遊技モードの終期でなければ(S572のN)、S574の処理をスキップする。
図38は、図15におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は図24の処理に置き換えて実行されるが、図24の処理と大部分が共通するため、相異点のみ説明する。本実施例においては、S116において特別遊技が終了されると、演出モードの切り替えを実行する(S117)。すなわち、図37に示したS206にて決定された演出モードへの切り替えを実行する。
図39は、図15におけるS17の小当り遊技を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は図25の処理に置き換えて実行されるが、図25の処理と大部分が共通するため、相異点のみ説明する。本実施例においては、S230において小当り遊技が終了されると、演出モードの切り替えを実行する(S231)。すなわち、図37に示したS206にて決定された演出モードへの切り替えを実行する。
上記第2実施例においては、図29に示したように、16R特定特別遊技における大入賞口の開放パターンとして4R通常特別遊技とは異なる開放態様を採用する例を示した。変形例においては、両者を同態様としてもよい。図40は、変形例に係る大入賞口の開放パターンを示すタイムチャートである。
本変形例では図示のように、16R特定特別遊技の開放パターン1と、4R通常特別遊技の開放パターン3とを同態様としている。すなわち、16R特定特別遊技における1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間を中程度の長さである中開放とする一方、4R通常特別遊技における1ラウンドあたりの大入賞口の開放回数を複数回としている。具体的には、開放パターン1について、全ラウンドにわたって1ラウンドあたりの第1大入賞口91の開放時間を6秒の中開放とし、ラウンド間時間Δt3を1秒に設定している。また、開放パターン3については、1ラウンドあたりに第1大入賞口91を4回開放し、第1大入賞口91の1回あたりの開放時間を6秒の中開放に設定している。さらに、前後の開放のインターバル時間は開放パターン1と同様にΔt3に設定されている。このため、16R特定特別遊技と4R通常特別遊技とは見かけ上、区別が困難となる。このような構成により、通常モードから16R特定大当り2の発生により潜伏モードへ移行した場合、4R通常大当りとの区別が困難となり、16R特定大当り2,4R通常大当り1,4R通常大当り2のいずれの特別遊技であるか、ひいては確変移行があるか否かが判別し難くなり、潜伏演出としての効果をより一層高めることができる。
上記第2実施例においては、確変モードに固有の演出を設けることにより、その演出の表示そのものにより確変移行確定が報知される構成を示した。変形例においては、確変モードに固有の演出を設けるか否かにかかわらず、確変移行がなされたこと(確変中であること)を示す文字列を演出表示装置60に表示させるなど、より明示的な報知を行ってもよい。あるいは、音声により確変移行確定を報知してもよい。
(第3実施例)
本実施例は、装飾図柄の変動表示演出において、3つの図柄が仮停止してから最終停止までの期間に変動演出パターンに応じた態様にて微変動を表示させることにより大当りへの期待度を示唆する点において第1、2実施例と相違する。以下、第1実施例との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。
図3において、パターン記憶手段130は、変動演出パターンとして、3つの装飾図柄の最終停止位置である有効ライン上に表示してから最終的な停止確定までの間、所定の微変動パターンによる表示を繰り返す煽り表示過程が含まれる変動演出パターンを保持する。微変動パターンは、装飾図柄の最終停止位置を軸に装飾図柄を揺動させるための動作が定められたパターンであり、本実施例においては主に上下方向にゆっくりと小さな揺れ幅で往復移動する動きが定められている。この微変動パターンによる微変動表示は、第1実施例にいう「揺動」と同じ動作として実現されてもよいし、第1実施例の「揺動」とは区別して実現されてもよい。例えば、3つの装飾図柄を最終停止位置に仮停止表示させる前から左図柄と右図柄を1つずつ仮停止させるが、その仮停止時の僅かな揺れ幅で揺動させる表示と、3つの図柄をすべて仮停止表示させるときの微変動表示とを異なる揺れ幅や異なる方向に動かすことで両者を区別してもよい。その場合、以下、微変動パターンの「繰り返し量」というときは、3つの図柄をすべて仮停止させた時点からの「繰り返し量」を指す。
微変動パターンの繰り返し態様には複数種類の態様があり、煽り表示過程が含まれる複数種類の変動演出パターンには、それぞれの変動表示過程の態様に応じた微変動パターンの繰り返し態様による煽り表示過程が定められる。本実施例では、大当りの期待度が相対的に高い変動演出パターンほど微変動パターンの繰り返し量が多い煽り表示過程が定められる場合が多く、これにより微変動パターンの繰り返し量が相対的に多い態様ほど大当りの期待度が高いことを示唆する態様となる。本実施例における微変動パターンの繰り返し量は、繰り返し回数の多さを指すが、変形例として繰り返し期間の時間長さや繰り返しの速さで表してもよい。通常、繰り返し回数が多くなれば繰り返し期間も長くなると考えられるが、例えば繰り返し回数自体は一定のままその繰り返しを速くして時間長さを短くしたり、繰り返しを遅くして時間長さを長くすることも考えられる。また、大当りの期待度が高い変動演出パターンほど微変動パターンの繰り返し期間を長くする演出手法だけでなく、期待度が高いほど微変動パターンの繰り返しを速くして動きを激しくすることにより期待度の高さを示唆する演出手法を採ってもよい。
煽り表示過程には微変動がなされた装飾図柄の停止態様のまま停止確定する表示過程が含まれるか、または、微変動がなされた装飾図柄の停止態様を異なる態様に変化させてから停止確定する表示過程が含まれる。また、装飾図柄の微変動が表示される間、図柄の停止態様に変化が生じるかどうかの期待を煽るような映像が背景に表示される。また図柄の微変動の繰り返しにあわせて心臓の鼓動のような音声を出力することでも遊技者の期待を煽る演出がなされる。
演出決定手段132は、微変動パターンの繰り返し態様が大当りの期待度の高さを示唆する態様となるように当否抽選の結果に応じた選択基準にて変動演出パターンを選択する。図柄態様決定手段131は、煽り表示過程が含まれる変動演出パターンが選択された場合であって微変動がなされた装飾図柄の停止態様を異なる態様に変化させてから停止確定する表示過程が含まれる場合にはその変化の前後の態様を決定する。図柄態様の変化としては、左右図柄を一致させたリーチ態様の後に中図柄だけ不一致とする外れ態様で仮停止させてから中図柄を左右図柄と一致させた大当り態様に変化させる「スベリ」が挙げられる。また、3つの図柄を一致させた大当り態様ではあるが、確変を伴わない大当りを示す態様で仮停止させてからそれら全図柄を再変動させて確変を伴う大当りを示す態様に変化させる「全回転」も挙げられる。また、不一致の外れ態様から特定の不一致の態様に「スベリ」で変化することを契機に演出内容をより期待度の高い演出に発展させる「発展」も挙げられる。この場合、変化後に表示される不一致の態様は大当り態様ではないが、変化の契機となる特定の態様として例えば「135」のような特定の外れの組合せが固定的に設定される。
図柄態様決定手段131は、いずれのタイプの変化が変動演出パターンに含まれるかに応じてその変化の前後に表示する図柄態様を決定する。「スベリ」が含まれる場合は変化後に表示する図柄組合せ態様を決定し、「スベリ」前に表示する図柄組合せとして中図柄が1つ分だけ図柄列をずらした位置にある図柄を含んだ組合せ態様を決定する。「全回転」が含まれる場合は変化後の態様としては確変を伴う大当りを示す大当り態様に決定し、変化前の態様としては確変を伴わない大当りを示す態様に決定する。
なお、本実施例では微変動パターンの繰り返し量の違いで期待度の高さを示唆する例を説明したが、変形例としては微変動パターンとして微変動をする方向が異なる複数種類のパターンを設け、変動演出パターンの期待度の高さに合わせて異なる方向に微変動するよう定める構成としてもよい。例えば、縦方向に微変動するか横方向に微変動するかで大当りへの期待度が異なるように設定してもよい。
別の変形例として、微変動を表示させるときに仮停止させた3つの装飾図柄の組合せ態様の違いで期待度の高さを示唆する構成としてもよい。その場合、期待度の異なる複数種類の特定の停止態様をあらかじめ定めておき、当否抽選の結果や変動演出パターンの種類に応じていずれの停止態様で仮停止させるかを図柄態様決定手段131が決定する構成としてもよい。
図41は、リーチ表示から外れ態様で仮停止して微変動表示をする過程を模式的に示す画面例の図である。まず本図(a)のように図柄変動を開始した後、本図(b)のように左図柄列と右図柄列の装飾図柄が同じ「7」で揃ったリーチ態様にて仮停止表示し、中図柄列の装飾図柄だけ変動表示する。(b)の状態から中図柄列の変動表示速度を漸減させ、本図(c)のように中図柄だけが図柄一つ分ずれて不一致となる「767」の外れ態様で仮停止表示する。(c)では最終停止位置である有効ラインを軸にゆっくり下方向に小さく動いてまた元の位置に戻る微変動を示す。本図(d)では、有効ラインを軸にゆっくり下方向に小さく動いてまた元の位置に戻るまでは(c)と同様であるが、さらに上方向にもゆっくり小さく動いて元の位置に戻る微変動も行う。本実施例では、下方向へ動いて元の位置に戻り、さらに上方向へ動いて再び元の位置に戻るまでの往復微変動を1回分の微変動パターンとする。その基準において、(c)の下方向へ動いて元に戻る微変動は0.5回分の微変動パターンとなる。本図(e)では、(d)の微変動を2回繰り返すため、2回分の微変動パターンとなる。
図42は、微変動パターンの繰り返し表示から一部の図柄を異なる図柄に変化させる動作を模式的に示す画面例の図である。本図は、図41(c)〜(e)のいずれかの微変動状態から中図柄だけを図柄一つ分移動させ、「777」のように3つとも一致する装飾図柄で揃わせる変化の過程を示す。この動作は、中図柄を図柄一つ分だけ滑らすような表示であることから「スベリ」と称する。煽り演出によっては(a)のような「スベリ」を発生させずに外れ態様のまま最終停止するパターンもあり、「スベリ」が発生するかどうかという期待を微変動パターンの繰り返し期間に遊技者に煽ることとなる。
図43は、微変動パターンの繰り返し表示から3つの装飾図柄をすべて異なる図柄に変化させる動作を模式的に示す画面例の図である。この例では、仮停止の段階ですでに「555」のように一致する図柄組合せ、すなわち大当り態様で表示されている。ただし、「555」は確変を伴わない大当り態様であり、煽り演出によって確変を伴う大当り態様に変化するかどうかの期待感を醸成する。図41(c)〜(e)のいずれかの微変動状態から、3つの装飾図柄を一致させたまますべて変動させ、「777」のように確変を伴う大当り態様へ変化させるか、または変動後に再び「555」のように確変を伴わない大当り態様に戻す変化をさせる。こうした動作は、全図柄を同時に回転させるような表示であることから「全回転」と称する。煽り演出によって「全回転」の後に確変を伴う大当り態様に変化するかどうかという期待を微変動パターンの繰り返し期間に遊技者に煽ることとなる。
図44は、微変動パターンの繰り返し表示から一部の図柄を異なる図柄に変化させて特定の組合せ態様を成立させる動作を模式的に示す画面例の図である。中図柄だけを変化させる点で図42と同様であるが、微変動パターンの繰り返しの段階からリーチを形成しておらず、また最終的に大当り態様への変化ではなく「135」といった特定の不一致の組合せ態様に変化させる点で図42と異なる。本実施例では、図柄変動演出の演出内容を演出過程においてより期待度の高い演出内容へ発展させる表示をする場合のその発展の契機として特定の不一致の組合せ態様を表示する。すなわち、装飾図柄が「135」の組合せ態様で表示されることを契機として期待度の高い演出へ発展させて図柄を再変動させる。まず、本図(a)のように「135」とは中図柄が異なる「145」といった外れ態様で仮停止し、図41(c)〜(e)のいずれかの微変動状態から、本図(b)のように中図柄の装飾図柄だけを移動させ、最終的に本図(c)のように「135」の組合せ態様で表示し、演出内容を発展させる。
煽り演出によっては(b)のような「スベリ」を発生させずに特定の組合せ態様に変化しないまま外れ態様として最終停止するパターンもあり、「スベリ」が発生するかどうかという期待を微変動パターンの繰り返し期間に遊技者に煽ることとなる。なお、本図では特定の不一致の組合せ態様として「135」の組合せを例示するが、大当り態様以外の組合せ態様であって、図柄変動演出の発展契機となる図柄態様として固定的に設定された組合せであればどのような組合せでもよい。
図45は、変動演出パターンごとの微変動回数と変化態様の対応関係を模式的に示す図である。通常の外れ変動演出パターンでは、微変動は行われず変化も行われないことが定められる。ノーマルリーチの変動演出パターンである「ノーマル1」「ノーマル2」では、微変動パターンの繰り返しによる微変動回数が図41(c)に示したような「0.5回」に設定され、変化態様としては「ノーマル2」に対して図42(a)や図44(b)のような「スベリ」が設定されている。「ノーマル3」「ノーマル4」では、微変動回数が図41(d)に示したような「1回」に設定され、変化態様としては「ノーマル4」に対して図42(a)や図44(b)のような「スベリ」が設定されている。
スーパーリーチの変動演出パターンである「スーパー1」〜「スーパー4」では、微変動回数が「1回」に設定され、変化態様としては「スーパー2」に「スベリ」が、「スーパー3」に「全回転」が、「スーパー4」に「発展」が設定されている。「スーパー5」〜「スーパー8」では、微変動回数が「2回」に設定され、変化態様としては「スーパー6」に「スベリ」が、「スーパー7」に「全回転」が、「スーパー8」に「発展」が設定されている。なお、「発展」が設定されたパターンには、その「発展」の契機となる図柄態様を表示させるときに「スベリ」も表示される。
このように、期待度の高い変動演出パターンほど微変動パターンの繰り返し量が多くなる可能性があり、また、繰り返し量が多いパターンほど図柄変化の可能性も高い。なお、変形例として、「全回転」や「発展」を含む変動演出パターンではすべて微変動パターンの繰り返し量を2回以上に設定することで、繰り返し量が多いほど「全回転」や「発展」の可能性が高いことを示唆する構成としてもよい。さらに、「全回転」や「発展」のときのみ繰り返し量を「3回」以上に設定することで、微変動パターンの繰り返しが3回に達すれば「全回転」または「発展」の出現が確定する構成としてもよい。
図46は、通常の外れ変動演出パターンおよびノーマルリーチの変動演出パターンにおける変動表示から最終停止までの過程を模式的に示すタイムチャートである。まず通常の外れ変動演出パターンでは、本図(a)のように変動表示(S600)のあと、全図柄の仮停止や微変動を介さずに外れ態様にて最終停止する(S602)。「ノーマル1」の場合、本図(b)のように変動表示(S610)から左右の図柄が揃ってリーチ変動を表示し(S612)、3つの図柄を仮停止(S614)させてから微変動パターンを0.5回分表示し(S616)、最終停止する(S618)。「ノーマル2」の場合、本図(c)のように変動表示(S620)から左右の図柄が揃ってリーチ変動を表示し(S622)、3つの図柄を仮停止(S624)させてから微変動パターンを0.5回分表示し(S626)、スベリを表示してから(S627)、最終停止する(S628)。「ノーマル3」の場合、本図(d)のように変動表示(S630)から左右の図柄が揃ってリーチ変動を表示し(S632)、3つの図柄を仮停止(S634)させてから微変動パターンを1回分表示し(S636)、最終停止する(S638)。「ノーマル4」の場合、本図(e)のように変動表示(S640)から左右の図柄が揃ってリーチ変動を表示し(S642)、3つの図柄を仮停止(S644)させてから微変動パターンを1回分表示し(S646)、スベリを表示してから(S647)、最終停止する(S648)。
このように、「ノーマル1」〜「ノーマル4」は仮停止の段階までは同じ変動時間およびリーチ時間であるが、仮停止からの微変動時間やその後の変化に違いがあり、最終停止までの図柄変動時間も異なる。ただし、変形例として、「ノーマル1」〜「ノーマル4」の全体的な変動時間を同じにするために、微変動時間の長さや図柄変化の有無に合わせてリーチ変動時間やリーチ前の変動時間の長さを調整して定めておく構成としてもよい。または、微変動時間が同じノーマルリーチ同士で、図柄変化の有無にかかわらず全体的な変動時間が同じとなるようにリーチ変動時間やリーチ前の変動時間の長さを調整して定めておく構成としてもよい。
図47は、スーパーリーチの変動演出パターンにおける変動表示から最終停止までの過程を模式的に示すタイムチャートである。「スーパー1」の場合、本図(a)のように変動表示(S650)から左右の図柄が揃ってスーパーリーチを表示し(S652)、3つの図柄を仮停止(S654)させてから微変動パターンを1回分表示し(S656)、最終停止する(S658)。「スーパー2」の場合、本図(b)のように変動表示(S660)から左右の図柄が揃ってスーパーリーチを表示し(S662)、3つの図柄を仮停止(S664)させてから微変動パターンを1回分表示し(S666)、スベリを表示してから(S667)、最終停止する(S668)。「スーパー3」の場合、本図(c)のように変動表示(S670)から左右の図柄が揃ってスーパーリーチを表示し(S672)、3つの図柄を仮停止(S674)させてから微変動パターンを1回分表示し(S676)、全回転を表示してから(S677)、最終停止する(S678)。「スーパー4」の場合、本図(d)のように変動表示(S680)から左右の図柄が揃ってスーパーリーチを表示し(S682)、3つの図柄を仮停止(S684)させてから微変動パターンを1回分表示し(S685)、スベリを表示してから(S686)、演出を発展させ(S687)、最終停止する(S688)。
「スーパー5」〜「スーパー8」は、「スーパー1」〜「スーパー4」の微変動パターンをそれぞれ2回ずつ表示させる形にしたパターンである。「スーパー5」は、本図(e)のように変動表示(S690)、スーパーリーチ(S692)、仮停止(S694)を経て微変動パターンを2回分表示し(S696)、最終停止する(S698)。「スーパー6」の場合、本図(f)のように変動表示(S700)、スーパーリーチ(S702)、仮停止(S704)を経て微変動パターンを2回分表示し(S706)、スベリを表示してから(S707)、最終停止する(S708)。「スーパー7」の場合、本図(g)のように変動表示(S710)、スーパーリーチ(S712)、仮停止(S714)を経て微変動パターンを2回分表示し(S716)、全回転を表示してから(S717)、最終停止する(S718)。「スーパー8」の場合、本図(h)のように変動表示(S720)、スーパーリーチ(S722)、仮停止(S724)を経て微変動パターンを2回分表示し(S725)、スベリを表示してから(S726)、演出を発展させ(S727)、最終停止する(S728)。
本図においては簡略化のためにスーパーリーチの変動時間を短縮して描いているが、変動演出パターンによってスーパーリーチの変動時間は長短様々である。変形例として、微変動時間やスーパーリーチの演出内容が同じパターン同士で、「スベリ」や「全回転」といった図柄変化の有無にかかわらず全体的な変動時間が同じとなるようにリーチ変動時間やリーチ前の変動時間の長さを調整して定めておく構成としてもよい。
図48は、第1実施例の図7に代えて第3実施例において参照する変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは本図(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは本図(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは本図(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
本図(a)においては、パターン抽選値0〜229にはリーチなしの「通常」変動パターンが対応付けられる。この抽選値範囲が最も大きく、リーチなしパターンの選択確率が最も高い。次にパターン抽選値230〜238に「ノーマル1」、パターン抽選値239〜247に「ノーマル3」が対応付けられる。これらのノーマルリーチのパターンは、微変動後に図柄が変化せずに外れとなるパターンである。パターン抽選値248、249には「スーパー1」、パターン抽選値250、251には「スーパー4」が対応付けられ、パターン抽選値252、253には「スーパー5」、パターン抽選値254、255には「スーパー8」が対応付けられる。「スーパー1」と「スーパー5」もまた、微変動後に図柄が変化せずに外れとなるパターンである。「スーパー4」と「スーパー8」は、微変動後にスベリが発生して演出が発展した後で外れ態様に至るパターンである。
本図(b)においては、パターン抽選値0〜7には「ノーマル1」が対応付けられ、パターン抽選値8〜15には「ノーマル2」が対応付けられている。パターン抽選値16〜255にはほぼ均等な抽選値範囲に「スーパー1」〜「スーパー8」が対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択され、微変動なしに大当りに至るパターンや微変動後に図柄が変化して大当りに至るパターンとして表示される。
本図(c)においては、パターン抽選値0〜122にはリーチなしの「通常」の変動パターンが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル1」が対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「通常」または「ノーマル1」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図49は、図21におけるS200の装飾図柄変動表示処理を詳細に示すフローチャートである。装飾図柄が変動表示中である場合(S750のY)、装飾図柄の変動表示を実行し(S752)、変動表示中でなければS752をスキップする(S750のN)。仮停止のタイミングであれば(S754のY)、3つの装飾図柄を仮停止して(S756)、微変動パターンの繰り返しによる微変動表示を開始し(S758)、仮停止のタイミングでなければS756とS758をスキップする(S754のN)。微変動表示中であれば(S800のY)、微変動表示を実行し(S802)、微変動表示の終了タイミングであって(S804のY)、スベリ表示を含む変動演出パターンの場合は(S806のY)、スベリを表示し(S807)、さらに演出内容の発展を含む変動演出パターンの場合は(S808のY)、図柄変動の表示を再開させ(S809)、発展を含まない変動演出パターンであればS809をスキップする(S808のN)。スベリ表示を含まない場合で(S806のN)、全回転表示を含む変動演出パターンの場合は(S810のY)、全回転を表示し(S812)、全回転表示を含まない場合はS812をスキップする(S810のN)。微変動表示の終了タイミングでない場合はS806からS812をスキップする(S804のN)。微変動表示中でない場合はS802からS812をスキップする(S800のN)。
第3実施例においては、3つの装飾図柄を最終停止位置である有効ラインを軸にして微変動させる例を説明した。変形例においては、最終停止位置である有効ラインから少しずれた位置に3つの装飾図柄を仮停止させ、その位置を軸にして微変動させる構成としてもよい。この場合、微変動の後に図柄を数秒間以内の短時間だけ完全停止させる「フリーズ演出」と呼ばれる表示をするが、その停止位置を最終停止位置からは少しずれさせていることで最終停止とは区別しており、最後にスベリや全回転などで他の図柄態様へ変化させるか、何も変化させずに最終停止する。
他の変形例においては、微変動パターンの繰り返し時間を複数種類定めておき、スベリや全回転などの変化が含まれる変動演出パターンの場合にだけ所定の長さの繰り返し時間に達するよう煽り演出を構成してもよい。この場合、微変動の時間が所定の長さに達することを条件にスベリや全回転などの変化が発生することとなり、微変動の時間によって遊技者の期待を煽ることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選の双方の当否判定結果を事前判定結果としてメイン基板102からサブ基板104へ送信する例を説明した。変形例としては、第1の抽選または第2の抽選のいずれかの当否判定結果のみを事前判定結果としてメイン基板102からサブ基板104へ送信する構成としてもよい。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定をそれぞれ別個の抽選値を取得することで処理する例を説明した。変形例としては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定のすべてを単一の抽選値を用いて処理する構成としてもよい。また、確変や時短を伴う大当りか否かを決定するためにそれぞれ別個の抽選値を用いてもよい。
上記の実施例においては、事前判定結果としての当否範囲、図柄番号、パターン範囲を示す値とともに、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果であったかを示す値や保留数の情報をメイン基板102からサブ基板104へ送信する例を説明した。変形例においては、これらの情報を一度に送信せずに別々に送信する構成としてもよい。
上記の実施例においては、当否判定テーブルと事前当否判定テーブル、変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブル、これらのテーブル間でそれぞれ抽選値の範囲が一致するよう各テーブルが規定された例を説明した。変形例においては、抽選値の範囲に少しずつズレを設けるなど、事前判定の結果が本判定の結果と必ず一致するわけではないが高い確率で一致するといった程度に留める形で各テーブルを設定してもよい。これにより、例えば当否判定結果が当りの場合と外れの場合とで前兆設定の判定を分けることなく、高い確率で当りとなる判定結果が送信されたときに前兆設定をするようにすることもできる。このようにして事前判定結果についてある程度不確実性を持たせることで、その情報を受けたサブ基板104側でその当否に基づく処理の調整を減らすこともでき、処理負荷が低減されうる。