JP5785804B2 - トラジェクトリ管理システム、共有トラジェクトリ管理装置、トラジェクトリ更新方法およびプログラム - Google Patents
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Description
また、トラジェクトリを生成する基となる飛行計画情報は、管制に必要な情報を複数のエリアにわたって提供するものの、フライトプランに基づいて生成されており、例えば各エリアの気象状況や混雑状況などの各エリアの状況を十分に反映していない。
例えば、あるエリアから次のエリアへの、航空機の管制の引渡しポイントや、引渡し時刻は、引渡し元のエリアの状況に基づいて決定され、引渡し先にとっては必ずしも好ましい管制が行われないことが考えられる。
また、特許文献1には、各エリアにおける管制に、管制の引渡し先となるエリアの状況を反映さえる技術については開示されていない。
また、本発明の一態様による共有トラジェクトリ管理装置は、上述の共有トラジェクトリ管理装置であって、前記飛行模擬部は、個別トラジェクトリの始点と現在の航空機の高度が異なる場合、当該航空機が所定の高度変化率で飛行して前記個別トラジェクトリの始点に達する軌道にて所用時間を求めることを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態におけるトラジェクトリ管理システム1の概略構成を示す構成図である。同図において、トラジェクトリ管理システム1は、共有トラジェクトリ管理装置100と、空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200と、航空路エリア個別トラジェクトリ管理装置300と、洋上エリア個別トラジェクトリ管理装置400と、ネットワーク900とを具備する。
共有トラジェクトリ管理装置100は、通信部(個別トラジェクトリ受信部、共有トラジェクトリ送信部)110と、記憶部120と、制御部130とを具備する。制御部130は、共有トラジェクトリ生成・更新部131と、データ管理部(性能情報取得部)132と、接続判定部133と、接続点決定部134と、飛行模擬部135と、再スケジューリング部136とを具備する。
空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを具備する。制御部230は、個別トラジェクトリ取得部231と、ずれ検出部232とを具備する。
航空路エリア個別トラジェクトリ管理装置300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを具備する。制御部330は、個別トラジェクトリ取得部331と、ずれ検出部332とを具備する。
洋上エリア個別トラジェクトリ管理装置400は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを具備する。制御部430は、個別トラジェクトリ取得部431と、ずれ検出部432とを具備する。
また、共有トラジェクトリ管理装置100の通信部110と、空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200の通信部210と、航空路エリア個別トラジェクトリ管理装置300の通信部310と、洋上エリア個別トラジェクトリ管理装置400の通信部410とは、ネットワーク900に接続されている。
なお、空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200と、航空路エリア個別トラジェクトリ管理装置300と、洋上エリア個別トラジェクトリ管理装置400とは、いずれも、本発明における個別トラジェクトリ管理装置の一例である。通信部210と、通信部310と、通信部410とは、いずれも、本発明における共有トラジェクトリ受信部および個別トラジェクトリ送信部の一例である。以下では、空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200と、航空路エリア個別トラジェクトリ管理装置300と、洋上エリア個別トラジェクトリ管理装置400とをまとめて「個別トラジェクトリ管理装置500」と称する。
共有トラジェクトリは、航空機が離陸してから着陸するまでの全軌道を示す情報である。一方、個別トラジェクトリは、航空機の軌道のうち、個別エリアに含まれる部分の軌道を示す情報である。
これに対して、フライト全体を通しての航空機の位置の集合を、以下では「飛行経路」と称する。
そこで、トラジェクトリ管理システム1は、空港エリア毎に空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200を具備して各空港エリアの個別トラジェクトリを管理し、航空路エリア毎に空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200を具備して各空港エリアの個別トラジェクトリを管理し、洋上エリアに対して洋上エリア個別トラジェクトリ管理装置400を具備して洋上エリアの個別トラジェクトリを管理する。
また、トラジェクトリ管理システム1は、共有トラジェクトリ管理装置100を具備して共有トラジェクトリを管理する。
制御部130は、例えば共有トラジェクトリ管理装置100の具備するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部120からプログラムを読み出して実行することによって実現され、制御部130の各部を制御する。
データ管理部132は、記憶部120のデータを管理しており、記憶部120へのデータの書込や記憶部120からのデータの読出しを行う。特にデータ管理部132は、接続点決定部134からの要求に応じて、最大旋回率や、高度変化率の最大値や、最高速度など、航空機の性能情報を記憶部120から読み出して接続点決定部134に出力する。
飛行模擬部135は、接続処理によって得られた経路の予測精度を高めるために、当該経路について飛行模擬を行う。
再スケジューリング部136は、飛行模擬部135の飛行模擬の結果に従って、接続処理によって得られた軌道のデータを修正する。
記憶部220は、制御部230が共有トラジェクトリを生成し更新するために用いられる各種情報や、制御部230が実行するプログラムや、制御部230が生成し更新した個別トラジェクトリを記憶する。
個別トラジェクトリ取得部231は、通信部210が受信する共有トラジェクトリに基づいて、個別トラジェクトリを生成ないし更新することで、個別トラジェクトリを取得する。なお、個別トラジェクトリ取得部231が個別トラジェクトリを取得する方法は、共有トラジェクトリに基づいて個別トラジェクトリ取得部231が個別トラジェクトリを自動生成ないし自動更新する方法に限らない。例えば、空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200が液晶ディスプレイ等の表示画面を有して、個別トラジェクトリおよび共有トラジェクトを表示画面に表示し、ユーザ(例えば空港エリア個別トラジェクトリ管理装置200の管理者)による個別トラジェクトリの生成操作ないし更新操作を受け付けることで、個別トラジェクトリ取得部231が個別トラジェクトリを取得するようにしてもよい。
ネットワーク900は通信ネットワークであり、トラジェクトリ管理システム1の具備する各装置が行う通信を媒介する。
図2は、フライトプランに含まれるデータ項目を示す説明図である。フライトプランは、フライト毎に予め提出される情報である。通信部110は、フライトプランを受信すると共有トラジェクトリ生成・更新部131に出力する。そして、共有トラジェクトリ生成・更新部131は、フライトプランに基づいて共有トラジェクトリを生成する。
共有トラジェクトリでは、ポイント名として、出発空港名や、到着空港名や、FIX名に加えて滑走路名やスポット名など、フライトプランのポイント名よりも詳細な情報を登録可能である。また、共有トラジェクトリのポイント名では、針路変更地点や高度変更地点など、予め定められているFIX以外の点を登録することもできる。
このように、より詳細な情報を共有トラジェクトリに登録しておくことで、共有トラジェクトリにおけるフライト予測精度を高めることができる。フライト予測精度の高い共有トラジェクトリに基づいて個別トラジェクトリを生成・更新することで、個別トラジェクトリの予測精度を高めることができる。
図4に示すように、個別トラジェクトリには、ポイント名や、各ポイントの水平位置(緯度経度)や、ポイント通過時の予測高度や、予測時刻の各情報が含まれる。各情報の内容は、共有トラジェクトリの場合と同様であり、説明を省略する。
図5に示すように、気象データには、メッシュ番号(メッシュの識別番号)や、メッシュの緯度経度や、高度帯や、メッシュにおける風情報や、気温情報が含まれる。ここでいう「メッシュ」とは、物理空間(管制対象の空間)を東西、南北、水平方向の各々に区切って得られる個々の領域を代表する格子点である。
この傾向データは、気象データ(図5)と同様、記憶部120が記憶しておき、飛行模擬部135が飛行模擬を行う際に用いる。個別トラジェクトリ管理装置500の記憶部も気象データを記憶しておき、個別トラジェクトリ管理装置500が個別トラジェクトリを生成・更新する際に気象データを用いるようにしてもよい。
図6に示すように、傾向データには、メッシュ番号(メッシュの識別番号)や、メッシュの緯度経度や、高度帯や、メッシュにおける速度傾向や、高度変化傾向の情報が含まれる。
図7に示すように、航空機性能情報は、航空機の型式と、当該型式の航空機の速度(例えば最高速度あるいは巡航速度)や、旋回率(例えば最大旋回率)や、高度変化率(例えば高度変化率の最大値)の情報が含まれる。
図8は、共有トラジェクトリ管理装置100が接合処理を行う際の、共有トラジェクトリおよび個別トラジェクトリの例を示す説明図である。
ここでは、共有トラジェクトリ管理装置100は、最大旋回率に基づく接合処理を行う。この最大旋回率に基づく接合処理の他に、共有トラジェクトリ管理装置100は、図16を用いて後述する高度や速度の接合処理も行う。
図8(a)は共有トラジェクトリと個別トラジェクトリとが合わさった例を示す。同図(a)において、点P11は出発地点の空港を示し、点P12は、航空機の現在地点を示す。また、点P13は、到着目標の空港を示し、この点P11から点P13までの線が共有トラジェクトリを示す。また、点P14から点P13までの線が、個別トラジェクトリ管理装置500から送信された個別トラジェクトリを示す。
例えば、接続判定部133は、同図(b)に示すように、個別トラジェクトリの始点P14から、共有トラジェクトリに垂線を引いて、点P14に最も近い共有トラジェクトリ上の点P21を得る。そして、接続判定部133は、点P14と点P21との距離(個別トラジェクトリの始点と共有トラジェクトリとの距離)が所定の値以下か否かを判定する。所定の値以下であれば、接続判定部133は、個別トラジェクトリの始点が共有トラジェクトリの示す飛行経路に含まれていると判定する。一方、所定の値より大きければ、接続判定部133は、個別トラジェクトリの始点が共有トラジェクトリの示す飛行経路に含まれていないと判定する。
飛行模擬は、飛行模擬部135が、データ管理部132を介して記憶部120から気象データや、傾向データや、航空機性能情報を読み出して行う。
飛行模擬に際して、飛行模擬部135は、気象データに加えて、傾向データも参照して飛行模擬を行う。傾向データは、各地点において航空機が一般的にとっている行動を示す統計データである。飛行模擬部135は、飛行模擬の対象となっている航空機もこの一般的な行動をとると仮定して、傾向データに基づいて飛行模擬を行う。
図10は、飛行模擬部135が気象データや傾向データを取得する格子点の例を示す説明図である。同図において、線L51は、航空機のトラジェクトリ(仮更新後の共有トラジェクトリ)を示している。また、同図において、点P511、P512、P521、P522、P531、P532、P541、P542の8つの格子点が示されている。
これら格子点の各々には、水平方向の気象データと、垂直方向の気象データと、水平方向の傾向データと、垂直方向の傾向データとが登録されている。
そして、同図の例では、垂直方向の風の成分として、z軸の負の向き、すなわち下向きの風が示されている。
通過予定速度として、飛行模擬部135は、指示大気速度(Indicated Airspeed;IES)と、真大気速度(True Airspeed;TAS)と、マックナンバー(Mach Number)と、対地速度(Ground Speed;GS)とを算出する。
真大気速度は、乱れていない大気と航空機との相対速度であり、航法に用いられる。
マックナンバーは、音速との比で示される航空機の速度であり、航空機の速度が音速に近付くと種々の障害が生じることから、航空機と音速との関係を知るために用いられる。
対地速度は、地表面に対する航空機の相対的な水平速度であり、各ポイントの通過予定時刻を算出するために用いられる。
また、飛行模擬部135は、真大気速度の水平成分を算出し、さらに風の影響を加味して対地速度を求める。
その際、高度14000フィート以上に関しては、飛行模擬部135は、QNH(高度計規正値)を一定として、海面を基準(高度0)とする高度を求める。一方、高度14000フィート未満に関しては、飛行模擬部135は、QNHで補正して、滑走路(滑走面)を基準とする高度を求める。
そして、飛行模擬部135は、気温と海面温度とから気圧を算出する。さらに、飛行模擬部135は、算出した気圧と、次のポイントに設定されているQNHとに基づいて、QNHで補正した高度を算出する。
飛行模擬部135は、個別トラジェクトリの開始点から逆順に飛行模擬を行うリバース飛行模擬によって高度や速度の接合処理を行う。なお、個別トラジェクトリの開始点における航空機の高度と、現在の航空機の高度とが同じ場合は、飛行模擬部135は、途中の経路の高度も個別トラジェクトリの開始点の高度と同一とする。同様に、個別トラジェクトリの開始点における航空機の速度と、現在の航空機の速度とが同じ場合は、飛行模擬部135は、途中の経路における速度も個別トラジェクトリの開始点における速度と同一とする。
同図(a)は、飛行模擬を行って得られた経路(仮の共有トラジェクトリ)の例を示す。同図(a)において、点P11から点P31までの経路は、元の共有トラジェクトリの経路の一部を示し、点P14から点P13までの経路は、個別トラジェクトリから得られた経路を示し、点P31から点P14までの経路は、最大旋回率に基づく接合処理および飛行模擬によって得られた経路を示す。
また、飛行模擬部135は、現在の航空機の位置から、現在の高度に達する位置までの途中の各ポイントにおける航空機の高度を、現在の航空機の高度と同一に設定する。図15(b)では、点P81における高度が、現在の航空機の高度と同じく2万9千フィートに設定されている。
なお、高度の接合処理と速度の接合処理との両方を行う場合、飛行模擬部は、1回のリバース飛行模擬で両方の接合処理を行うことで、接合処理に要する時間を短縮する。
なお、リバース飛行模擬の精度が飛行模擬の精度よりも低い場合は、飛行模擬部135が、リバース飛行模擬を行った区間に対してさらに飛行模擬を行って、高度や速度や軌道や所要時間の精度を高めるようにしてもよい。
再スケジューリング部136は、まず、再スケジューリングの開始点を検索する。具体的には、再スケジューリング部136は、接合経路の開始点と、高度の接合処理における現在の高度に達する点と、速度の接合処理における現在の速度に達する点とのうち、最初に通過する点を検出し、検出した点(以下、「変更開始点」と称する)の直前のポイント(図3で説明した共有トラジェクトリのデータ項目が登録されているポイント。以下、「基準点」と称する)を検索する。図16の例では、再スケジューリング部136は、再スケジューリングの開始点P31と、高度の接合処理における現在の高度に達する点P82とのうち、最初に通過する点P82を変更開始点として検出し、変更開始点P82の直前のポイントP81を基準点として検出する。
また、再スケジューリング部136は、基準点における飛行速度を読み出し、当該ポイントから変更開始点までの所要時間を算出する。そして、再スケジューリング部136は、変更開始点までの所要時間と、飛行模擬部135が算出した各点間の所要時間とを足し合わせて、元の個別トラジェクトリの始点までの所要時間を算出する。
そして、再スケジューリング部136は、取得したこれらの時間を足し合わせて、ポイントP81から元の個別トラジェクトリの始点P14までの所要時間「15分」を取得する。
以上により、更新後の共有トラジェクトリにおける各点の予定時刻を到達可能な時刻に設定しなおすことが出来る。
図17は、トラジェクトリ管理システム1が共有トラジェクトリおよび個別トラジェクトリを更新する処理手順を示すフローチャートである。トラジェクトリ管理システム1において通信部110がフライトプランを受信すると、トラジェクトリ管理システム1は同図の処理を開始する。
次に、共有トラジェクトリ生成・更新部131は、取得したフライトプランに基づいて共有トラジェクトリを生成する(ステップS102)。例えば、共有トラジェクトリ生成・更新部131は、フライトプランの項目を共有トラジェクトリの項目にコピーし、埋まらなかった項目について、例えば航空機性能情報に示されるデータを用いて埋めるなど、予め設定されているデフォルト処理に従って共有トラジェクトリの各項目にデータを登録する。あるいは、フライトプランに示されるデータに対して飛行模擬を行って、より精度の高い共有トラジェクトリを生成するようにしてもよい。
通信部110から送信される共有トラジェクトリを通信部210が受信すると(ステップS111)、個別トラジェクトリ取得部231は、この共有トラジェクトリに基づいて個別トラジェクトリを生成する(ステップS112)。この個別トラジェクトリの生成は、個別トラジェクトリ取得部231が自動で行うようにしてもよいし、ユーザの操作入力に従って行うようにしてもよい。
一方、ずれが所定の大きさ以上であると判定した場合(ステップS114:YES)、ずれ検出部232は、共有トラジェクトリ管理装置100に個別トラジェクトリを送信するように個別トラジェクトリ取得部231に指示し、個別トラジェクトリ取得部231は、当該指示に従って、通信部210を介して共有トラジェクトリ管理装置100に個別トラジェクトリを送信する(ステップS121)。
そして、制御部130では、上述したように、接続判定部133が、個別トラジェクトリの端点が共有トラジェクトリの示す飛行経路に含まれるか否かを判定する。含まれないと判定した場合は、接続点決定部134が、接続を行う点を決定し、共有トラジェクトリ生成・更新部131が、個別トラジェクトリと共有トラジェクトリとを接合する。そして、飛行模擬部135が、接合経路に対する飛行模擬を行い、再スケジューリング部136が、飛行模擬の結果に従って再スケジューリングを行う。
これにより、制御部130は共有トラジェクトリを更新する(ステップS132)。
なお、接続判定部133が、個別トラジェクトリの端点が共有トラジェクトリの示す飛行経路に含まれると判定した場合は、そのまま個別トラジェクトリを共有トラジェクトリに接続し、個別トラジェクトリであった部分について、共通トラジェクトリにおける飛行予定時刻と個別トラジェクトリにおける飛行予定時刻とのずれに基づいて飛行予定時刻を更新することで、共有トラジェクトリを更新する。
通信部110から送信される共有トラジェクトリを通信部210が受信すると(ステップS141)、個別トラジェクトリ取得部231は、この共有トラジェクトリと個別トラジェクトリとのずれを検出して、共有トラジェクトリに基づいて個別トラジェクトリを更新する必要があるか否かを判定する(ステップS142)。
更新する必要があると判定した場合(ステップS142:NO)、個別トラジェクトリ取得部231は共有トラジェクトリに基づいて個別トラジェクトリを更新する(ステップS151)。個別トラジェクトリ取得部231が当該更新を自動で行うようにしてもよいし、ユーザの」操作入力に従って更新を行うようにしてもよい。
その後、ステップS113に戻る。
一方、ステップS142において、共有トラジェクトリに基づいて個別トラジェクトリを更新する必要がないと判定した場合(ステップS142:NO)、ステップS113に戻る。
トラジェクトリ管理システム1は、航空機が着陸してトラジェクトリの更新が不要となると、当該航空機に関して同図の処理を終了する。
そして、上述したように、この共有トラジェクトリに基づいて個別トラジェクトリを更新するなど、共有トラジェクトリの示す航空機の軌道全体についての情報を管制に反映させることによって、航空機の管制に際して、管制の引渡し先となるエリアの状況が、より適切に反映される。このため、効率的に管制の引渡しを行えるようになる。また、航空機にとっても、より短い航路を飛行できるなど、効率の良い経路を飛行できる可能性が高まる。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、コンパクトディスク等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
100 共有トラジェクトリ管理装置
110、210、310、410 通信部
120、220、320、420 記憶部
130、230、330、430 制御部
131 共有トラジェクトリ生成・更新部
132 データ管理部
133 接続判定部
134 接続点決定部
135 飛行模擬部
136 再スケジューリング部
200 空港エリア個別トラジェクトリ管理装置
231、331、431 個別トラジェクトリ取得部
232、332、432 ずれ検出部
300 航空路エリア個別トラジェクトリ管理装置
400 洋上エリア個別トラジェクトリ管理装置
900 ネットワーク
Claims (8)
- 複数の個別トラジェクトリ管理装置と、共有トラジェクトリ管理装置と、を具備するトラジェクトリ管理システムであって、
前記個別トラジェクトリ管理装置は、
全体エリアに含まれ個別トラジェクトリ管理装置毎に設定される個別エリアにおける、航空機の軌道を示す個別トラジェクトリを、前記共有トラジェクトリ管理装置に送信する個別トラジェクトリ送信部を具備し、
前記共有トラジェクトリ管理装置は、
前記個別トラジェクトリ管理装置の送信する前記個別トラジェクトリを受信する個別トラジェクトリ受信部と、
前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリに示される前記軌道に含まれる点であって、当該共有トラジェクトリの示す軌道を飛行して当該点に到達した航空機が、前記個別トラジェクトリ受信部が受信した個別トラジェクトリの始点に到達して当該個別トラジェクトリの示す経路を航行可能な点である接続点を検出する接続点決定部と、
前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリの、前記接続点以降の軌道を、前記接続点と前記受信した個別トラジェクトリの始点とを結ぶ接合経路および前記個別トラジェクトリの示す軌道で置き換える共有トラジェクトリ更新部と、
を具備することを特徴とするトラジェクトリ管理システム。 - 前記共有トラジェクトリ管理装置は、
前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機が前記接合経路を通過する際の所要時間を算出する飛行模擬部と、
前記飛行模擬部が算出する前記所要時間に基づいて、前記共有トラジェクトリ更新部により前記個別トラジェクトリを反映された共有トラジェクトリのうち、前記個別トラジェクトリを反映された部分における飛行予定時刻を算出する再スケジューリング部と、
前記再スケジューリング部が算出した飛行予定時刻に基づいて前記共有トラジェクトリを更新する制御部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載のトラジェクトリ管理システム。 - 前記個別トラジェクトリ管理装置は、
前記個別トラジェクトリと前記共有トラジェクトリとの間で予定時刻の差であるずれの大きさを検出するずれ検出部を具備し、
前記個別トラジェクトリ送信部は、前記ずれ検出部が所定の大きさ以上のずれを検出すると、前記個別トラジェクトリを前記共有トラジェクトリ管理装置に送信する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトラジェクトリ管理システム。 - 全体エリアに含まれる個別エリアにおける航空機の軌道を示す個別トラジェクトリを受信する個別トラジェクトリ受信部と、
前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリに示される前記軌道に含まれる点であって、当該共有トラジェクトリの示す軌道を飛行して当該点に到達した航空機が、前記個別トラジェクトリ受信部が受信した個別トラジェクトリの始点に到達して当該個別トラジェクトリの示す経路を航行可能な点である接続点を検出する接続点決定部と、
前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリの、前記接続点以降の軌道を、前記接続点と前記受信した個別トラジェクトリの始点とを結ぶ接合経路および前記個別トラジェクトリの示す軌道で置き換える共有トラジェクトリ更新部と、
を具備することを特徴とする共有トラジェクトリ管理装置。 - 前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機が前記接合経路を通過する際の所要時間を算出する飛行模擬部と、
前記飛行模擬部が算出する前記所要時間に基づいて、前記共有トラジェクトリ更新部により前記個別トラジェクトリを反映された共有トラジェクトリのうち、前記個別トラジェクトリを反映された部分における飛行予定時刻を算出する再スケジューリング部と、
前記再スケジューリング部が算出した飛行予定時刻に基づいて前記共有トラジェクトリを更新する制御部と、
を具備することを特徴とする請求項4に記載の共有トラジェクトリ管理装置。 - 前記飛行模擬部は、個別トラジェクトリの始点と現在の航空機の高度が異なる場合、当該航空機が所定の高度変化率で飛行して前記個別トラジェクトリの始点に達する軌道にて所用時間を求めることを特徴とする、請求項5に記載の共有トラジェクトリ管理装置。
- 複数の個別トラジェクトリ管理装置と、共有トラジェクトリ管理装置と、を具備するトラジェクトリ管理システムのトラジェクトリ更新方法であって、
前記個別トラジェクトリ管理装置が、全体エリアに含まれ個別トラジェクトリ管理装置毎に設定される個別エリアにおける、航空機の軌道を示す個別トラジェクトリを、前記共有トラジェクトリ管理装置に送信する個別トラジェクトリ送信ステップと、
前記共有トラジェクトリ管理装置が、前記個別トラジェクトリ送信ステップにて送信される前記個別トラジェクトリを受信する個別トラジェクトリ受信ステップと、
前記共有トラジェクトリ管理装置が、前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリに示される前記軌道に含まれる点であって、当該共有トラジェクトリの示す軌道を飛行して当該点に到達した航空機が、前記個別トラジェクトリ受信ステップにて受信した個別トラジェクトリの始点に到達して当該個別トラジェクトリの示す経路を航行可能な点である接続点を検出する接続点決定ステップと、
前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリの、前記接続点以降の軌道を、前記接続点と前記受信した個別トラジェクトリの始点とを結ぶ接合経路および前記個別トラジェクトリの示す軌道で置き換える共有トラジェクトリ更新ステップと、
を具備することを特徴とするトラジェクトリ更新方法。 - 複数の個別トラジェクトリ管理装置と、共有トラジェクトリ管理装置と、を具備するトラジェクトリ管理システムを制御するプログラムであって、
前記個別トラジェクトリ管理装置が、全体エリアに含まれ個別トラジェクトリ管理装置毎に設定される個別エリアにおける、航空機の軌道を示す個別トラジェクトリを、前記共有トラジェクトリ管理装置に送信する個別トラジェクトリ送信ステップと、
前記共有トラジェクトリ管理装置が、前記個別トラジェクトリ送信ステップにて送信される前記個別トラジェクトリを受信する個別トラジェクトリ受信ステップと、
前記共有トラジェクトリ管理装置が、前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリに示される前記軌道に含まれる点であって、当該共有トラジェクトリの示す軌道を飛行して当該点に到達した航空機が、前記個別トラジェクトリ受信ステップにて受信した個別トラジェクトリの始点に到達して当該個別トラジェクトリの示す経路を航行可能な点である接続点を検出する接続点決定ステップと、
前記受信した個別トラジェクトリで軌道を示される航空機の、前記全体エリアにおける軌道を示す共有トラジェクトリの、前記接続点以降の軌道を、前記接続点と前記受信した個別トラジェクトリの始点とを結ぶ接合経路および前記個別トラジェクトリの示す軌道で置き換える共有トラジェクトリ更新ステップと、
を具備することを特徴とする、コンピュータにて実行可能なプログラム。
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