以下、本発明のいくつかの実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。
(システム全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1を含むゲームシステムのブロック図である。このゲームシステムは、情報処理装置1と、通信端末2(端末装置)と、を備える。図1では簡便のため、通信端末2を1つのみ図示しているが、複数の通信端末2を備えていてもよい。また、情報処理装置1と通信端末2とは、例えばインターネット等のネットワークを介して通信するが、このような通信形態に限定されるものではない。
本実施形態において、情報処理装置1は、通信端末2に対してゲームを提供するゲームサーバである。通信端末2は、プレイヤがゲームに関連する操作を行う端末機器であり、本実施形態ではスマートフォンである。情報処理装置1及び通信端末2の構成の詳細については後述する。
情報処理装置1が提供するゲームは、ゲーム媒体を用いるゲームであって、本実施形態ではカードゲームタイプのRPGである。例えば、プレイヤキャラクタは、敵キャラクタや相手キャラクタとの対戦バトルやミニゲームにおいて勝利したり、集会イベント等に参加してポイントを集めたりする。本実施形態において、このカードゲームタイプのRPGが前述の本体のゲーム及び本発明のゲームに対応する。ここで、情報処理装置1は、カードゲームタイプのRPGの一つのイベントとしてミニゲームを提供する。本実施形態において、ミニゲームは、シートに並んだパネルを所定の位置関係となるように空けるとプレイヤに報酬が付与されるものである。カードゲームタイプのRPGに関する複数の条件(例えばAタイプのボスを倒す、集会イベントでアイテムを取得する等)のそれぞれが、各パネルに割り当てられており、条件が満たされればパネルが空く。また、本実施形態のミニゲームで、プレイヤに付与される報酬はシート用ポイント(本発明のポイントに対応)を含み、プレイヤはシート用ポイントを消費する(使用する)ことと引き換えに、シートのパネルの配置を変更することができる。なお、本実施形態のミニゲームに関する詳細な説明は後述する。
ここで、「ゲーム媒体」は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、キャラクタ及びアバタ等を含む。また、ゲーム媒体は、ゲームの進行に応じ、プレイヤによって、ゲーム内で、取得、保有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、及び/又は贈与等され得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものには限られない。ゲーム媒体が固有に有するパラメータは、ゲーム媒体の攻撃力及び防御力等の戦闘力、ゲーム媒体の攻撃手段及び防御手段等の戦闘手段、ゲーム媒体のスキル情報、ゲーム媒体のアバタに関する情報、ゲーム媒体の属性、ゲーム媒体の希少度を示す指標等である。ゲーム媒体の希少度を示す指標は、ノーマル、レア、スーパーレア、ウルトラレア等の階層により表されてもよい。
ここで、「プレイヤ」とは、ゲームをプレイするユーザであり、通常、通信端末2の操作者である。また、「報酬」とは、それを所有又は使用することによりゲーム又はミニゲームを進める上で有用な効果を生じさせるものをいう。報酬は例えば本体のゲームで使用されるカード、ゲーム内通貨、キャラクタ、武器、防具、又はアイテム等であってもよい。前述のように、本実施形態において、報酬はミニゲームでプレイヤが使用できるシート用ポイントを含む。
図1に示されるように、情報処理装置1は、サーバ通信部10と、記憶部11と、サーバ制御部15とを備える。サーバ制御部15は、データ管理部31と、表示制御部32と、シート処理制御部33とを備える。ここで、本実施形態のサーバ制御部15は、本発明の制御部に対応する。また、表示制御部32は、本発明の表示情報を出力する手段に対応する。また、シート処理制御部33は、本発明の第1の配置を設定する手段、異なる配置を第2の配置として設定する手段、及び報酬を付与する手段に対応する。なお、表示制御部32は、シート処理制御部33の指示に従って動作する。また、シート処理制御部33は、記憶部11が記憶するシートデータ111及びプレイヤデータ112にアクセスする場合には、データ管理部31を介してこれらのデータにアクセスする。
サーバ通信部10は通信端末2と通信する。本実施形態において、サーバ通信部10は、通信端末2と無線で通信するが、有線によって通信してもよい。また、サーバ通信部10は、無線通信と有線通信とを併用可能又は選択可能であってもよい。
記憶部11は、シートデータ111と、プレイヤデータ112と、を記憶する。記憶部11は、例えばハードディスク、不揮発性メモリ等で構成されるが、特に限定されるものではない。本実施形態において、それぞれのデータはテーブル形式で記憶部11に記憶されるが、詳細については後述する。
サーバ制御部15は、情報処理装置1の各種動作及びゲーム全体の進行を制御する。サーバ制御部15は、例えば、対戦バトルにおける対戦相手、プレイヤが挑戦する課題の内容等を決定し、サーバ通信部10を介して、種々のゲーム画面を表示させる指示を通信端末2に送信する。また、サーバ制御部15は、特にデータ管理部31、表示制御部32、及びシート処理制御部33によって、ミニゲームの実行、及び管理(具体的にはプレイヤデータ112の管理)を行う。
データ管理部31は、記憶部11のシートデータ111、プレイヤデータ112について読み出し、更新(記憶)等の管理を行う。データ管理部31は、例えば条件が満たされてシートのパネルが空いた場合に、シート処理制御部33からの指示に従って、プレイヤデータ112を更新する。また、データ管理部31は、シート処理制御部33からの指示に従ってシートデータ111を読み出して、初期のパネルの配置、シートの難易度(それぞれ後述する初期配列データ、区分)をシート処理制御部33に伝える。ここで、詳細は後述するが、ミニゲームの進行に影響がある本体のゲームのイベント等やシート用ポイントもプレイヤデータ112に含まれており、データ管理部31によって更新等が行われる。
表示制御部32は、サーバ通信部10を介して、ミニゲームに関連する画面を通信端末2に表示させる。ミニゲームに関連する画面は、後述するシートの第1の配置に対応する画面、異なる配置に対応する画面、これらのシートでパネルが空いた画面等が含まれる。なお、表示制御部32は、サーバ制御部15の制御に従って、ミニゲームに関連しない画面を通信端末2に表示させてもよい。
シート処理制御部33は、シートを用いるミニゲームに関するデータの取得、演算をし、取得したデータや演算結果に基づいて、データの更新、表示を含む各種制御等を行う。シート処理制御部33は、特にミニゲームの際に、シートを選択し、プレイヤによるゲームの進行状況に応じてパネルを空ける等の制御をし、後述するように所定の位置関係となった場合に報酬を与え、必要に応じてデータ管理部31にプレイヤデータ112の更新を指示し、表示制御部32にミニゲームに関連する画面を表示させてもよい。
ここで、データ管理部31、表示制御部32、及びシート処理制御部33の全て又は一部を併合して1つのブロックとしてもよい。逆に、データ管理部31、表示制御部32、及びシート処理制御部33の全て又は一部について、更にブロックを分けてもよい。また、情報処理装置1は、記憶部11に記憶されるプログラムに従って動作するコンピュータであって、データ管理部31、表示制御部32、及びシート処理制御部33の全て又は一部がソフトウェアで実現されてもよい。例えば、記憶部11に記憶されるプログラムが、コンピュータを、データ管理部31、表示制御部32、及びシート処理制御部33として機能させてもよい。
通信端末2は、端末通信部20と、表示部21と、操作部22と、端末制御部24と、を備える。
端末通信部20は情報処理装置1と通信する。本実施形態において、端末通信部20は、情報処理装置1と無線で通信するが、有線によって通信してもよい。また、端末通信部20は、無線通信と有線通信とを併用可能又は選択可能であってもよい。
表示部21は、端末制御部24からの指示に従い、例えば対戦バトル、ミニゲーム等の種々のイベントの画面を含むゲーム画面の表示を行う。
操作部22は、例えば対戦バトル、ミニゲーム等に関連して行われるプレイヤ操作を受け付ける。そして、操作部22は、受け付けたプレイヤ操作に応じた入力信号を端末制御部24に渡す。操作部22には、ボタンやタッチパネル等、任意の入力インターフェースを採用可能である。以下において、操作部22はタッチパネルであって、表示部21と一体化しているとして説明する。
端末制御部24は、通信端末2の各種動作を制御する。端末制御部24は、情報処理装置1からの指示に従って各種のゲーム画面を表示部21に表示させる。また、端末制御部24は、表示部21に表示される各種画面において受け付けたプレイヤ操作に応じた入力信号を操作部22から取得する。そして、端末制御部24は、端末通信部20を介して、取得した入力信号を情報処理装置1に送信する。特に、端末制御部24は、ミニゲームにおいて、パネルの配置の変更内容を示す情報を含む入力信号を情報処理装置1に送信する。
(シートデータ)
図2は、記憶部11に記憶されるシートデータ111の例を示す図である。本実施形態のシートはパネルを5行5列(以下、5×5のように表記する)に並べたものである。上述のように、パネルのそれぞれには、カードゲームタイプのRPGに関する複数の条件の1つが割り当てられる。本実施形態において、条件はA,B,C,W,Xの5種類であるが、これらに限定されない。プレイヤは、条件を満たしてパネルを空けることで、空いたパネル(満たされた条件)が所定の位置関係になることを目指す。所定の位置関係になれば、プレイヤには報酬が与えられる。シートデータ111は、ミニゲームで使用されるシートのそれぞれの固有の初期配列、すなわち初期のパネルの配置をテーブル形式で管理するものである。また、シートデータ111は、シートのそれぞれについて、空いたパネルが所定の位置関係になるまでの難易度をテーブル形式で管理するものである。
シートデータ111は、ミニゲームで使用される複数のシートのそれぞれを、識別子(“シート識別子”、例えばSID001)を付して区別している。そして、シート識別子と対応づけて“初期配列データ”及び“区分”のパラメータについてテーブル管理している。また、パラメータは図2に示されるものに限られず、例えば、そのシートが過去に選択された回数である“選択回数”等の情報を更に含んでもよいし、逆に図2の一部のパラメータが省略されていてもよい。本実施形態において、“シート識別子”、“初期配列データ”及び“区分”の情報は時間が経っても不変である。しかし、例えばシートデータ111が“選択回数”のパラメータを含む場合には、データ管理部31によって更新されてもよい。
“シート識別子”は、本実施形態においては「SID」の文字に3桁の数字を組み合わせているが、これに限られるものではない。
“初期配列データ”はシートにおける初期のパネルの配置を表し、シートに並ぶ5×5のパネルに対応する条件を配列の形式で示したものである。例えば、シート識別子がSID001であるシートのパネルに割り当てられた条件の配置(以下、単に「パネルの配置」と表現する)のうち第1行目及び第5行目は、B,B,A,B,Bである。また、第2行目のパネルの配置は、B,W,X,W,Bである(図4(a)参照)。
ここで、条件のAは「Aタイプのボスを倒すこと」であり、条件のBは「Bタイプのボスに少なくとも1回の攻撃を加えること」であり、条件のCは「Cタイプのボスに少なくとも1回の攻撃を加えること」である。また、条件のWは、前述の条件A,B又はCのいずれかを満たせばよい。また、条件のXは、「パネルが空いている」ことを示し、“初期配列データ”におけるXは、最初からパネルが空いていることを示す。シート処理制御部33は、データ管理部31を介してシートデータ111を読み出し、1つのシートを選択することによって、ゲームに関する複数の条件を位置付けてパネルの初期の配置を設定することができる。なお、後述するように、これらの条件の記号はプレイヤデータ112でも用いられ、条件A,B,C又はWが満たされて「パネルが空いている」状態になった場合に、A,B,C又はWをXで置き換える。
“区分”は、空いたパネルが所定の位置関係になって報酬を得られるまでのシートの難易度を表す。本実施形態において、区分は易しい順に1,2,3の3段階であるが、これより多くても少なくてもよい。本実施形態において、難易度の高いシートほど満足しにくい条件のAが多く、最初から空いているパネルが少なくなる。しかし、難易度の高いシートほど得られる報酬が豪華になったり(例えば、得られるゲーム内通貨やシート用ポイントが多くなったり)、得られる報酬のレア度が高くなったり(例えば、レア度の高い武器、防具が得られたり)してもよい。このとき、プレイヤにより高い達成感を与えて、ミニゲームのゲーム性を高めることが可能である。そして、シート処理制御部33は、データ管理部31を介してシートデータ111を読み出し、区分の数値に基づいて(例えば、区分の数値が大きいほど選択されにくくなるように)ゲームバランスを考慮しながら1つのシートを選択することができる。なお、区分はシートの難易度とは関係なく、レア度を表してもよい。このとき、レア度が高いシートほど出現確率が小さいが、得られる報酬のレア度が高くなってもよい。
(プレイヤデータ)
図3は、記憶部11に記憶されるプレイヤデータ112の例を示す図である。シートデータ111は、ミニゲームに関連するデータをプレイヤ毎にテーブル形式で管理するものである。プレイヤデータ112では、通信端末2のプレイヤを一意に識別可能な識別子(“プレイヤ識別子”、例えばUID001)で区別している。そして、プレイヤ識別子と対応づけて、“所有シート”、“配列データ”、“シート履歴”、“イベント履歴”、“シート用ポイント”のパラメータについてテーブル管理している。また、パラメータは図3に示されるものに限られず、例えば“シート用ポイントの履歴”(取得、消費のタイムスタンプ)の情報等を更に含んでもよいし、逆に図3の一部のパラメータが省略されていてもよい。
“プレイヤ識別子”は、本実施形態においては「UID」の文字に3桁の数字を組み合わせているが、これに限られるものではない。例えば、プレイヤを一意に識別可能であるならば、プレイヤが任意に設定した名称であってもよい。
“所有シート”は、プレイヤが所有するシート、すなわちプレイヤが現在ミニゲームで使用中のシートを、シートデータ111で使用されるシート識別子で示したものである。図3において、例えばプレイヤ識別子がUID001であるプレイヤは、シート識別子がSID001のシートを用いてミニゲームを実行している。
“配列データ”は、進行中のミニゲームのシートについて、パネルの状態を記録するのに用いられるパラメータである。配列データの初期値は、選択されたシートの初期配列データ(シートデータ111のパラメータ)と同じである。そして、プレイヤが条件を満たすことでパネルが空くと、配列データの該当する条件がXに置き換えられて記憶される。例えば、プレイヤ識別子がUID001であるプレイヤは、シート識別子がSID001のシートを用いているが、その第1行目の初期値はB,B,A,B,Bである(図2参照)。プレイヤ識別子がUID001であるプレイヤは、カードゲームタイプのRPGにおいて条件Bを満たしたので、図3の配列データのように第1行目がX,B,A,B,Bと変化している。つまり、シートの第1行目の第1列目のパネルが空いた状態になっている。
本実施形態において、カードゲームタイプのRPGでプレイヤが条件A,B,C,Wのいずれかを満たした場合に、シート処理制御部33は、プレイヤデータ112から当該プレイヤの所有するシートの配列データを、データ管理部31を介して読み出す。そして、満たされた条件に該当するパネルの1か所をランダムに選択して空いた状態にして(Xに置き換えて)、データ管理部31を介して配列データを更新する。このとき、シート処理制御部33は、満たされた条件がシートにおいて後述する所定の位置関係となっているか否かも判定する。なお、本実施形態では、シート処理制御部33がランダムに満たされた条件に該当するパネルの1か所を空いた状態にするが、プレイヤがパネルを指定してもよい。本実施形態の場合にはランダムにパネルが選択されることからミニゲームのゲーム性が高まるが、プレイヤが選択できる場合にはミニゲームにおけるプレイヤの戦略性を高めることができる。
“シート履歴”は、プレイヤが直前に所有していたシートと、そのシートで完成した所定の位置関係の情報を記憶するパラメータである。また、“イベント履歴”は、プレイヤがカードゲームタイプのRPGにおいて実行したイベントを記憶するパラメータである。本実施形態において、シート処理制御部33は、データ管理部31を介して“シート履歴”及び“イベント履歴”を取得し、これらに基づいて次にシートデータ111のどのシートを選択するかを定める。図3の例において、プレイヤ識別子がUID001であるプレイヤは、直前にシート識別子がSID008のシートを用いて、所定の位置関係として3ラインの並びを達成している。また、イベントの識別番号がIV002,IV005のイベント(例えば、大ボスを倒す、特殊なアイテムを取得する等)を実行済みである。
シート処理制御部33は、“シート履歴”が一定の条件に合致する場合に、通常よりもレア度が高いシート、難易度が低いシートを選択してもよい。例えば、直前に2ライン以上の並びを達成したことがシート履歴に記録されている場合に、シート処理制御部33は、レア度の高い報酬が得られる特殊なシートを選択してもよい。また、シート処理制御部33は、さらに“イベント履歴”が一定の条件に合致する場合に、通常よりもレア度が高いシート、難易度が低いシートを選択してもよい。例えば、ボスを特殊なアビリティを用いて倒したことがイベント履歴に記録されている場合に、シート処理制御部33は、特殊なシートであって、中央部分の3×3の部分を1つの条件を満たすだけで空けることができるものを選択してもよい。なお、イベント履歴は、本発明のゲームに関する履歴に対応する。
“シート用ポイント”は、プレイヤが有するポイントであって、シートのパネルを変更、交換することを可能にするものである。シート用ポイントの使い方の詳細については後述する。本実施形態において、プレイヤは、シート用ポイントをミニゲームの報酬の一部として取得できる。また、プレイヤがカードゲームタイプのRPGにおいて特定のイベント(例えば、大ボスを倒す等)を実行した場合に、シート用ポイントが付与されてもよい。
(ミニゲームの画面)
表示制御部32は、シート処理制御部33のミニゲームに関する演算、処理等に基づく画像を表示情報として生成し、表示情報を通信端末2に出力して、通信端末2の画面に表示させる。以下に、これらの画面の例について図面を参照して説明する。表示制御部32は、更に、通信端末2に通常のゲーム画面を含めて表示情報として生成してもよい。例えばゲーム画面には、プレイヤにカードをデッキに含めるか否かを選択させるデッキ編成画面、戦闘バトルを行うバトル画面が含まれていてもよい。
図4(a)は、通信端末2の表示部21に表示される、ミニゲームの画面の例を示す図である。上述のように、通信端末2の表示部21はタッチパネルであり、操作部22としても機能する。図4(a)に示されるように、ミニゲームの画面は、シートSに5×5のパネルP11〜P55が並べられ、それぞれのパネルには条件A,B,C,W,Xに対応する画像(条件A,B,C,Wについてはそのアルファベットを示す文字の画像、条件Xについてはパネルが空いた状態であることを示す黒塗りの画像)が付されている。なお、特定のパネルを示すときには符号Pij(i,j=1,2,3,4,5)を用いるが、“i”がシートSにおける行を、“j”がシートSにおける列を示す。図4(a)のシートSにおけるパネルP11〜P55の配置は、シート識別子がSID001のシートSの初期配列データ(図2参照)に対応する。例えば、プレイヤがAタイプのボスを倒して条件Aを満たした場合には、パネルP13,P22,P24,P31,P33,P35,P42,P44,P53のいずれか1つがシート処理制御部33によって選択されて、空いた状態となり、表示制御部32が空いた状態となったパネルを黒塗りの画像で表示する。
図4(b)は、シートSにおいて満たされた条件(黒塗りの画像で表示されたパネル)が所定の位置関係となる場合の例を示す図である。本実施形態では、所定の位置関係は、シートSにおける黒塗りの画像で表示されたパネルによって、縦、横、又は斜めのラインが揃うことである。図4(b)の例では、条件W、すなわち条件A,B,Cのいずれかが満たされてパネルP33が空いた状態となる(黒塗りの画像になる)と、縦のライン(パネルP13,P23,P33,P43,P53)、横のライン(パネルP31,P32,P33,P34,P35)、及び斜めのライン(パネルP15,P24,P33,P42,P51)が揃う。このとき、同時に3つのラインの並びができる、以下では「3ラインが揃う」のように表現する。なお、図3におけるシート履歴では、揃ったラインの数が記載される。
図4(b)の例のように3ラインが揃う場合と、例えば1ラインだけが揃う場合とでは、報酬に違いが生じる。本実施形態においては、より多くのラインが揃う場合に、よりレア度の高い報酬が得られ、獲得できるシート用ポイントも多くなる。プレイヤはより多くのラインが揃うことを目指すが、空くパネルはシート処理制御部33によってランダムに選択されるため、例えば4ラインを目指しても1ラインだけの並びができてミニゲームが完了する可能性もある。本実施形態では、プレイヤは後述するようにシート用ポイントを使用することで、より多くのラインが揃うようにパネルの配置を変更でき、戦略的にミニゲームを実行することが可能である。
(本体のゲームの画面)
ここで、図5は、本体のゲームであるカードゲームタイプのRPGの1つの画面(戦闘バトルのシーン)を示す図である。本実施形態において、プレイヤは、本体のゲームにおいてボスを倒す、又は少なくとも1回の攻撃を加えることで、上述の条件A,B,C又はWを満たすことができる。図5に示されるように、バトル画面は、上部中央に「バトル」と書かれたタイトル部26Aを含む。また、バトル画面は、プレイヤキャラクタの画像26Cと、対戦相手(敵キャラクタ)の画像26Bと、を含む。また、図5の例では、バトル画面において、プレイヤキャラクタが有する複数のアビリティ(特殊能力)26Dも表示され、プレイヤの選択によってバトルで使用することができる。
このとき、端末制御部24によって、操作部22からのプレイヤ操作に応じた入力信号が、端末通信部20を介して情報処理装置1に送信される。入力信号には、例えば敵キャラクタを倒した、アビリティb3を使用した等のプレイヤ操作の詳細な情報が含まれており、シート処理制御部33は受け取った入力信号に基づいて条件A,B,C又はWを満たしたかを判定できる。また、シート処理制御部33は受け取った入力信号に基づいて、シートの選択に影響するイベント履歴(図3参照)が実行されたかを判定できる。そして、シート処理制御部33は、プレイヤデータ112の配列データ、イベント履歴の内容を変更し、データ管理部31にプレイヤデータ112を更新させる。また、シート処理制御部33は、表示制御部32に更新されたシートSを、適切なタイミング(例えば、戦闘バトル終了後)で表示させる。
(ポイントについて)
上述のとおり、一般にミニゲーム自体の変化が乏しい場合、プレイヤに飽きられやすく、本体のゲームに対する継続意欲を向上させる効果が十分に発揮されるとは言い難い。本実施形態では、シートSにおいて1ライン以上が揃った場合に、報酬の一部としてシート用ポイント(図3参照、以下単に「ポイント」とする)がプレイヤに付与される。そして、プレイヤはポイントを使用することで、シートSにおけるパネルP11〜P55の配置を変更する(厳密には、パネルP11〜P55に割り当てられる条件を変える)ことができる。そのため、ミニゲーム自体の変化を生じることが可能であり、また、ミニゲームにおいてもプレイヤは戦略性を発揮することが可能である。以下に、本実施形態におけるポイントの使い方について説明する。
図6(a)はシート処理制御部33によってシートが選択されて、シートの初期配列データに従うパネルP11〜P55(第1の配置)を有するシートSが表示部21に表示された状態を示す。一方、図6(b)はプレイヤが第1の配置から変更した後のパネルP11〜P55(異なる配置)を有するシートSが表示部21に表示された状態を示す。なお、図4(a)及び図4(b)と同じ要素には同じ符号を付し説明を省略する。また、図6(a)及び図6(b)のポイントの数値はプレイヤが有するポイントであり、使用されることで数値が減る。
本実施形態において、パネルP22とパネルP32と交換のように、隣接パネル間で配置変更がある場合には1ポイントを消費する。また、パネルP24とパネルP43と交換のように、離れたパネル間での配置変更は、距離に応じてポイントを消費する。距離は、縦、横の隣接パネル間を1と換算して計算され、パネルP24とパネルP43と交換では3ポイントを消費する。また、パネルP33のように、交換ではなく条件を変更(条件Aから条件Wへの変更)する場合には5ポイントを消費する。また、パネルP25とパネルP35と交換のように、一方が空いた状態のパネルであっても交換可能である。ただし、交換によってラインが揃う(所定の位置関係となる)場合には交換できない。このようなパネル間の交換や条件の変更を、プレイヤは有するポイントの範囲内で行うことができる。例えば、中央のパネルP33が既に空いた状態の場合には1つのラインが揃う確率が高くなる。そのため、プレイヤは多くの(複数の)ラインが同時に揃うように、中央のパネルP33と別のパネルとを交換する、といった戦略性を発揮することができる。ポイントが存在することによって、ミニゲームに自体の変化が生じて、本体のゲームに対する継続意欲を向上させる効果も発揮される。なお、図6(b)の例では、プレイヤは有していた10ポイント全てを使用して、パネルを自己に有利なように配置変更している。また、ミニゲームの設定によって、パネル間の交換を隣接パネル間に限定してもよいし、条件の変更(例えば条件Aから条件Wへの変更)を禁止してもよいし、空いた状態のパネルの交換や変更を禁止してもよい。
ここで、図6(b)に示されるような、プレイヤによるパネルの異なる配置への変更指示に対しては、以下のようなサーバ制御部15の処理が行われる。まず、操作部22からのプレイヤ操作に応じた入力信号として端末制御部24が取得し、端末通信部20を介して情報処理装置1に送信される。入力信号には、パネルの配置の変更内容を示す情報が含まれており、シート処理制御部33は受け取った入力信号に基づいて必要なポイントを計算する。シート処理制御部33は、プレイヤが必要なポイントを有していれば、受け取った入力信号に基づいて異なる配置に対応する配列データに更新する。
なお、プレイヤがポイントを使用できる機会を限定してもよい。例えば、あるシートで一つ以上のラインが揃うと報酬としてプレイヤにポイントが付与される。その後、新たなミニゲームを開始するために次のシートが選択されるが(後述する図7における、ステップS8の後のステップS1)、このステップが本発明の第3配置ステップに対応する。そして、第3配置ステップにおける初期配列データに基づくパネルの配置が、本発明の第3の配置に対応する。この第3の配置を異なる配置にする際に限って、プレイヤは付与されたポイントを使用可能(ポイントを消費可能)であってもよい。このとき、プレイヤは取得したポイントの使用機会が1度に限られるため、一層正しい戦略を選択する必要性が生じ、ミニゲームのゲーム性も高まることになる。よって、一層、本体のゲームに対する継続意欲を向上させる効果が発揮される。
(情報処理装置の処理)
図7は本実施形態に係る情報処理装置1のサーバ制御部15が、上述のミニゲームを実行する場合のフローチャートである。つまり、図7のフローチャートは、情報処理装置1の制御方法を表す。
ステップS1では、サーバ制御部15がシートデータ111、プレイヤデータ112を読み出し、シートデータ111から1つのシートを選択する。そして、選択されたシートの初期配列データに基づいて第1の配置を設定する。このとき、サーバ制御部15は、プレイヤデータ112の所有シートに選択されたシート識別子を、配列データに初期配列データを書いて、プレイヤデータ112の内容を更新する。なお、ステップS1は、本発明の第1配置ステップに対応する。
ステップS2では、サーバ制御部15が第1の配置の表示をさせる。つまり、サーバ制御部15は、サーバ通信部10を介して、端末制御部24に第1の配置に対応する画面を表示させるための表示情報を出力して、表示部21に表示させるように指示する。
ステップS3で、サーバ制御部15は、端末装置(通信端末2)から異なる配置への指示があるか否かを判定する。操作部22からのプレイヤ操作に応じた入力信号(本発明のプレイヤによる入力信号に対応)は、端末制御部24が取得し、端末通信部20を介して情報処理装置1に送信される。サーバ制御部15は、入力信号に、パネルの配置を第1の配置から異なる配置に変更する指示が含まれている場合には(ステップS3のYES)、サーバ制御部15はステップS4の処理に進む。そうでない場合には(ステップS3のNO)、パネルの配置は第1の配置のままであり、サーバ制御部15はステップS7の処理に進む。
ステップS4で、サーバ制御部15は、入力信号に含まれるパネルの配置が第1の配置から異なる配置へ変化したとの情報に基づいて必要なポイントを計算する。そして、必要なポイントをユーザが有しているならば(ステップS4のYES)、サーバ制御部15はステップS5の処理に進む。ポイントが不足するならば(ステップS4のNO)、サーバ制御部15は、第1の配置から異なる配置に変更する指示を受付けることなく、ステップS3の処理に戻る。
ステップS5で、サーバ制御部15は第1の配置から異なる配置に変更する指示を受付けて、プレイヤが指定した異なる配置を第2の配置として設定する。このとき、プレイヤデータ112の配列データの内容が更新され、シート用ポイントについても消費したポイントを減じた数値に変更される。そして、サーバ制御部15は続けてステップS6の処理を行う。ステップS6で、サーバ制御部15は、ステップS2と同様の処理によって、第2の配置(異なる配置と同じ)の表示をさせる。このとき、サーバ制御部15は、プレイヤに要求通りにパネルの配置が変更されたことを知らせる画面を表示させてもよい。また、サーバ制御部15は、ステップS6の画面を表示した後に、本体のゲームの画面を表示させてもよい。なお、ステップS5は、本発明の第2配置ステップに対応する。
ステップS7で、サーバ制御部15は、満たされた条件の並びが所定の位置関係となるまで、すなわち少なくとも1つの縦、横、又は斜めのラインが揃うまで待機する(ステップS7のNO)。そして、少なくとも1ラインの並びができた場合には(ステップS7のYES)、サーバ制御部15は、プレイヤにポイントを含む報酬を付与する(ステップS8)。ポイントは、揃ったラインの数に応じて変化する。例えば、2つのラインが揃えば1ポイント、3つのラインが揃えば2ポイント、4つのラインが揃えば5ポイントのように変化してもよい。なお、ステップS8は、本発明の付与ステップに対応する。
サーバ制御部15は、プレイヤにポイントを含む報酬を付与する(ステップS8)と、現在のシートを用いてミニゲームが継続できなくなるので、ステップS1に戻り(本発明の第3配置ステップに対応)、新たにシートを選択する。
以上に説明したように、本実施形態の情報処理装置1、情報処理装置1のサーバ制御部15の制御方法(プログラムでも実現可能)では、プレイヤはポイントを使用することで、シートSにおけるパネルP11〜P55の配置を変更できる。このことにより、ミニゲーム自体の変化を生じることが可能であり、また、プレイヤは戦略性を発揮することが可能である。そのため、ゲーム性の高いミニゲームにプレイヤが惹かれることによって、本体のゲームに対する継続意欲を向上させることが可能である。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各ブロック及びステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数のブロック及びステップを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、パネルが空いた状態になる条件を細かく設定してもよい。例えば、ボスを倒す際のプレイヤの貢献度が低い場合には、複数回条件を満たさないとパネルが空かないようにしてもよい。このことは、プレイヤにゲームへの積極的な参加を促す効果が期待できる。また、逆に貢献度が高い場合や、ボスに所定量以上のダメージを与えた場合には、複数のパネルが空くようにしてもよい。この場合、更に、プレイヤにゲームへの積極的な参加を促す効果が期待できる。ここで、貢献度とは、あるプレイヤが、ボス等を倒すのにどの程度貢献したかを示す数値である。例えば、複数のプレイヤが属するグループがボスを倒した場合に、あるプレイヤの攻撃のみでボスを倒したならば、そのプレイヤの貢献度は100%であって、他のプレイヤキャラクタの貢献度は0%である。貢献度は、この例のように割合といった相対的な数値が用いられてもよいが、特に限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、必要なポイントは交換するパネルの距離に応じて変化していたが、距離に関係なく1回のパネルの交換で1ポイントを消費してもよい。このことはプレイヤにより大きなパネルの配置の変更を可能にする。そのため、プレイヤが更にミニゲームに惹かれ、本体のゲームに対する継続意欲を向上させることができる。また、上述の実施形態では、シートを用いたゲームは本体のゲーム(カードゲームタイプのRPG)に付随するミニゲームであったが、カードゲームタイプのRPGと対等の独立したゲームであって、互いの進行、状況が相手のゲームに影響を与える関係にあってもよい。
また、上述の実施形態では、条件A〜Cは、いずれも本体のゲーム(カードゲームタイプのRPG)でボスを倒す、又は攻撃することであったが、条件の内容は限定されるものではない。例えば「特定キャラクタのカードをデッキに含める」といった、プレイヤのカードの選択内容を条件の1つとしてもよい。また、条件の種類も数種類に限らず、多数であってもよい。パネルを空けるための条件を多様にすることで、プレイヤにゲームへの積極的な参加を促す効果が期待できる。例えば、本体のゲーム以外の他のゲームに関する条件が含まれてもよい。他のゲームは例えば本体のゲームとのコラボイベント等を行っているゲームである。このとき、本体のゲームだけでなくコラボイベント等を行っているゲームの実行を促し、両ゲームの継続意欲を向上させることができる。つまり、ミニゲームに本体のゲーム以外の他のゲームに関する条件を含めることによって、継続意欲を向上させる対象のゲームを容易に拡大することができる。
また、上述の実施形態では、プレイヤに与えられるポイントは、シートで揃ったラインの数に応じて変化するが、さらにポイントを変化させる要素があってもよい。例えば、プレイヤが専用アイテム(特別なアイテム)を取得することでポイントが増加してもよい。また、上述の実施形態では、プレイヤはポイントを使用することでパネルに割り当てられた条件を交換、変更することができるが、プレイヤが専用アイテム(特別なアイテム)を取得することでも交換、変更が可能であってもよい。また、例えば、ポイントを使用することでパネルの交換は可能であるが変更はできず、プレイヤが専用アイテムを取得することでパネルの変更が可能になってもよい。このとき、専用アイテムの取得を目指して、プレイヤがゲームに積極的に参加するという効果が期待できる。
また、上述の実施形態では、プレイヤは第1の配置が設定された後にのみ配置を変更できるが、ミニゲームの実行中にいつでも配置を変更可能であってもよい。例えば、図7のステップS7で所定の位置関係とならなかった場合(ステップS7のNO)に、プレイヤに再びパネルの配置を変更できる機会を与えるため、サーバ制御部15はステップS3の処理に戻ってもよい。このとき、プレイヤは少なくとも1つの縦、横、又は斜めのラインが揃うまでは、パネルの配置を変更できる機会を得ることができる。例えば、プレイヤは1ラインの並びができることを防止し、さらに多くのラインが揃うことを目標として、パネルの空き具合を見ながら配置を変更可能になる。そのため、更に戦略性を高めることが可能である。
また、例えば、情報処理装置1が、通信端末2とネットワークを介して接続されたゲームのサーバ装置として機能する場合に、ウェブ表示とネイティブ表示とが混在していてもよい。例えば、本体のゲームの進行画面はサーバ装置(情報処理装置1)が生成したデータに基づき通信端末2にて表示されるウェブ表示であって、ミニゲームの画面等は通信端末2にインストールされているネイティブアプリによって表示されるネイティブ表示としてもよい。つまり、情報処理装置1は、サーバ装置(情報処理装置1)とプレイヤ端末(通信端末2)のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームのサーバ装置であってもよい。