JP5783623B1 - 受信機におけるpim補償 - Google Patents
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Abstract
本開示は、受信機におけるパッシブ相互変調(PIM)歪みの補償に関する。1つの実施形態において、主受信機は、無線周波数受信信号を受信し、主受信機出力信号を出力する。PIM歪みを補償するために、チューニング可能な非線型回路は、無線周波数送信信号を示す信号の関数としての複数の相互変調積(IMP)を含むIMP信号を生成する。補助受信機は、IMP信号を受け取って、IMPのうちの主受信機の通過帯域内に入るサブセットのみを含む補助受信機出力信号を出力する。補助受信機出力信号は、適応的にフィルタリングされてPIM推定信号が提供され、そして、PIM推定信号が主受信機出力信号から減算されて、補償された出力信号が提供される。【選択図】図1
Description
[関連出願]
本出願は、2012年8月2日に提出された米国特許出願第13/565,167号の利益を主張し、その開示は参照により全体としてここに取り入れられる。
本出願は、2012年8月2日に提出された米国特許出願第13/565,167号の利益を主張し、その開示は参照により全体としてここに取り入れられる。
[開示の分野]
本開示は、受信機におけるパッシブ相互変調(PIM)歪みを補償することに関する。
本開示は、受信機におけるパッシブ相互変調(PIM)歪みを補償することに関する。
パッシブ相互変調(PIM)は、何らかの非線型的な振る舞いを呈示する受動的なデバイス内に複数の信号が存在する場合に生じる。無線通信ネットワークの基地局といった無線通信デバイスでは、PIMは、何らかの非線型性を呈示する受動的なデバイスを高電力の送信信号が通過する際に生じる。この非線型的な受動的なデバイスを、PIMソースという。PIMソースは、例えばケーブル、コネクタ、デュプレクスフィルタ又は無線通信デバイスのアンテナなどといった、無線通信デバイスの送信パス内の非線型的なコンポーネントであり得る。PIMソースは、代替的に、無線通信デバイスの外部の物体(例えば、フェンス)に起因することもあり得る。無線通信デバイスは、複数のPIMソースを有するかもしれない。
PIMソースにより生成されるPIMは、送信信号の多重的な相互変調積(IMP:Intermodulation Product)(例えば、二次、三次など)を含む。無線通信デバイスの受信機の通過帯域内にIMPのいずれかが入る場合、そのために生じるPIM歪みが受信信号に取り込まれ、結果として、受信機の感度が劣化する。PIM歪みは、マルチキャリア又はマルチバンドの無線通信デバイスにとって特に問題である。マルチキャリア又はマルチバンドの信号は、現代の無線通信標準(例えば、LTE(Long Term Evolution)セルラー通信標準)に加えて、マルチ標準又はマルチバンドの無線通信デバイスの重要な特性である。そのため、PIM歪みは、ますます解決されなければならない重要な問題となってきている。
PIM歪みを解決するための過去の1つのアプローチは、2010年8月5日に提出され2011年3月31日に公開された、“Mitigation of Transmitter Passive and Active Intermodulation Products in Real and Continuous Time in the Transmitter and Co-Located Receiver”というタイトルの米国特許出願公開第2011/0075754号において説明されている。公開されたこの特許出願では、PIM歪みは、ベースバンドのデジタル領域における多項式モデルでPIM歪みをモデル化することにより推定される。しかしながら、この多項式モデルは、PIM歪みを正確にモデル化するために、多項式の非常に高い次数を要する。例えば、J. Henrie, A. Christianson, W.J. Chappellによる“Prediction of passive intermodulation from coaxial connectors in microwave networks”(IEEE Trans. On Microwave Theory and Techniques, Vol.56, No.1, Jan. 2008, pp.209-216)では、SMA(Subminiature version A)コネクタのPIMについてAMFund−AMIM3曲線を正確にモデル化するために49次の多項式を要すると判定された。AMFund−AMIM3は、入力信号(基本波)の振幅から出力IM3信号の振幅の間の関係を表現する。多項式モデルのために要するデジタルリソースの所要量は、多項式モデルの次数が増加するにつれて増加する。そのため、PIM歪みの正確な多項式モデルは、多くの場合、困難なほど多量のデジタルリソースを要する。
PIM歪みを補償するための他のアプローチは、N.M. Amin及びM. Weberによる“Transmit and receive crosstalk cancellation”(2010 6th International Conference on Emerging Technologies (ICET), Oct. 18-19, 2010, pp.210-215)において説明されている。しかしながら、このアプローチは、PIMソースの非線型的な振る舞い(即ち、AMFund−AMIM3曲線及びAMFund−PMIM3曲線)が、電力増幅器の線型化が適用された後の送信機の電力増幅器の非線型性のそれと同様であることを前提とする。この前提は、非常に制限的である。一例として、PIMソースはある5次IMP対3次IMPの比率を有し得るが、線型化された電力増幅器は異なる比率を有し得る。
そのため、従来のアプローチに関連付けられる上述した問題を克服する、受信機内のPIM歪みを補償するためのシステム及び方法についてのニーズが存在する。
本開示は、受信機におけるパッシブ相互変調(PIM)歪みを補償することに関する。1つの実施形態において、主受信機は、無線周波数受信信号を受信し、主受信機出力信号を出力する。無線周波数受信信号は、随伴する送信機(companion transmitter)により出力される無線周波数送信信号の非線型関数であるPIM歪みを含む。PIM歪みを補償するために、チューニング可能な非線型回路は、無線周波数送信信号を示す信号の関数としての複数の相互変調積(IMP)を含むIMP信号を生成する。補助受信機は、IMP信号を受け取って、IMPのうちの主受信機の通過帯域内に入るサブセットのみを含む補助受信機出力信号を出力する。そして、適応フィルタは、補助受信機出力信号を適応的にフィルタリングして、主受信機出力信号内のPIM歪みの推定結果であるPIM推定信号を提供する。減算回路は、PIM推定信号を主受信機出力信号から減算して、補償された出力信号が提供する。好適には、チューニング可能な非線型回路及び適応フィルタは、補償された出力信号内のPIM歪みを最小化し又は少なくとも実質的に低減するようにチューングされる。
1つの実施形態において、無線周波数送信信号を示す上記信号は、随伴する送信機の出力から取得される無線周波数送信信号である。他の実施形態において、主受信機及び随伴する送信機は、デュプレクサを介してアンテナへ連結され、無線周波数送信信号を示す上記信号は、デュプレクサのアンテナポートから取得される無線周波数送信信号である(即ち、アンテナへ連結されるデュプレクサの出力)。また別の実施形態では、無線周波数送信信号を示す上記信号は、随伴する送信機の出力から取得される無線周波数送信信号の遅延バージョンである。
他の実施形態において、無線周波数送信信号を示す上記信号は、低電力補助送信信号である。より具体的には、1つの特定の実施形態において、随伴する送信機は、入力信号を受け取り、上記無線周波数送信信号を出力する。低電力の補助送信機は、上記送信機へ提供される上記入力信号に基づいて、低電力補助送信信号を生成し、当該低電力補助送信信号が、無線周波数送信信号を示す上記信号として、チューニング可能な非線型回路へと提供される。さらに、1つの実施形態において、送信機出力及びPIMソースの間のパスを含む、随伴する送信機と低電力補助送信機との間の差異をモデル化するデジタルフィルタは、上記入力信号を処理して、フィルタリングされた入力信号を補助受信機へ提供する。そして、上記低電力補助受信機は、フィルタリングされた入力信号を処理して、低電力補助送信信号を提供する。1つの実施形態において、低電力補助送信信号のキャリア周波数は、上記無線周波数送信信号のそれに等しい。他の実施形態において、低電力送信信号のキャリア周波数は、上記無線周波数送信信号のそれよりも小さい。
当業者は、好適な実施形態の以下の詳細な説明を添付図面の図との関連において読んだ後に、本開示の範囲を認識し、その追加的な側面を理解するであろう。
本明細書の一部に取り入れられ及びそれを形成する添付図面は、本開示の複数の観点を、本開示の原理を説示するために供される説明と共に示している。
以下に説明される実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能とするために必要な情報を表現し、実施形態の実践の最良の形態を例示する。添付図面の図を踏まえて以下の説明を読めば、当業者は、本開示の概念を理解し、ここでは特に書かれていないそれら概念の応用を認識するであろう。それら概念及び応用は本開示及び添付の請求項の範囲に入ることが理解されるべきである。
本開示は、受信機におけるパッシブ相互変調(PIM)歪みを補償することに関する。これに関して、図1は、本開示の1つの実施形態に係る通信デバイス10の受信機内のPIM歪みを補償する、当該通信デバイス10を示している。通信デバイス10は、限定ではないが、セルラー通信ネットワークのための基地局であってよい。通信デバイス10は、好適には、マルチキャリア又はマルチバンドの通信デバイス(例えば、2つの異なるLTE(Long Term Evolution)周波数帯域で同時に動作する通信デバイス)である。図示したように、通信デバイス10は、デュプレクサ18を介してアンテナ16へ連結される、送信機12及び受信機14(ここでは主受信機14ともいう)を含む。送信機は、ここでは受信機14の“随伴する送信機”として言及される。ここで使用されるところによれば、
送信機12及び受信機14が図1ではアンテナ16である同じアンテナへ連結される場合に、送信機12は、受信機14の“随伴する送信機”である。典型的には、これは、送信機12及び受信機14が単一の送受信機へと組み込まれる場合に生じる。
送信機12及び受信機14が図1ではアンテナ16である同じアンテナへ連結される場合に、送信機12は、受信機14の“随伴する送信機”である。典型的には、これは、送信機12及び受信機14が単一の送受信機へと組み込まれる場合に生じる。
送信機12は、例えばアップコンバージョン回路(図示せず)及び電力増幅器(PA)20といった旧来の送信機コンポーネントを含む。送信機12は、ベースバンド入力信号を処理(例えば、アップコンバート及び増幅)して、無線周波数送信信号を出力する、ように動作する。そして、無線周波数送信信号は、デュプレクサ18を通過してアンテナ16へと至り、それにより、通信デバイスによって当該無線周波数送信信号が送信される。送信機12により出力された後、無線周波数送信信号は、PIMソース22を通過する。この例では、PIMソース22は、デュプレクサ18のアンテナポートである(即ち、PIMソース22の出力はアンテナ16へ連結される)。しかしながら、PIMソース22は、それに限定されない。むしろ、PIMソース22は、ある程度の非線型性を含む、送信機12の出力とアンテナ16との間のいかなるパッシブコンポーネントであってもよく、あるいは通信デバイス10の外部の物体(例えば、フェンス)であってさえよい。PIMソース22の非線型性に起因して、アンテナ16において受信される無線周波数受信信号へPIMが取り込まれる。PIMは、無線周波数送信信号のある数の相互変調積(IMP:Intermodulation Products)を含む。IMPは、2次IMP、3次IMPなどを含む。
受信機14は、例えば低雑音増幅器(LNA)24、フィルタ(図示せず)及びダウンコンバージョン回路(図示せず)などといった旧来の受信機コンポーネントを含む。受信機14は、アンテナ16からデュプレクサ18を介して受信される無線周波数受信信号を処理(例えば、増幅、フィルタリング及びダウンコンバート)して、主受信機出力信号を出力する、ように動作する。PIMソース22により生み出される、受信機14の通過帯域内に入る無線周波数送信信号のIMPは、受信機14により出力される主受信機出力信号内のPIM歪みに帰結する。以下で議論するように、本明細書ではPIM推定信号というPIM歪みの推定結果が生成され、減算回路26へ提供される。減算回路26は、デジタル領域において主受信機出力信号からPIM推定信号を減算して、それにより補償された出力信号を提供する、ように動作する。PIM推定信号は、補償される出力信号内のPIM歪みが最小化され又は主受信機出力信号内のPIM歪みと比較して少なくとも実質的に低減されるように、生成される。
本実施形態において、PIM推定信号は、図示した通りに接続されるチューニング可能な非線型回路28、補助受信機30及び適応フィルタ32により生成される。チューニング可能な非線型回路28は、いかなる特定の回路にも限定されず、例えば電力増幅器の事前又は事後の歪みのために旧来使用される回路を用いて実装されてもよい。チューニング可能な非線型回路28は、PIMソース22をモデル化し、送信機12の出力から取得される無線周波数送信信号を用いてある数のIMPを生成する。より具体的には、チューニング可能な非線型回路28は、送信機12の出力から取得される無線周波数送信信号を処理して、ここでIMP信号という出力信号を生成し、IMP信号は、無線周波数送信信号のある数のIMPを含む(例えば、2次、3次など)。重要なこととして、チューニング可能な非線型回路28は、無線周波数又は何らかの所望の中間周波数で、アナログ領域においてPIMソース22をモデル化する。そのため、PIMソース22をモデル化するために使用される回路の複雑さは、デジタル領域においてベースバンドでPIM又はPIM歪みをモデル化する多項式モデルのアプローチに要するよりも実質的にあまり複雑ではない。さらに、チューニング可能な非線型回路28は、何らかの電力増幅器の線型化が適用された後の、PIMソース22及び電力増幅器20の非線型的な振る舞いにおける差異を計上するチューニングを可能とする(即ち、AMFund−AMIM3曲線及びAMFund−PMIM3曲線の形状)。
チューニング可能な非線型回路28により出力されるIMP信号は、補助受信機30により処理されて、補助受信機出力信号が提供される。補助受信機30は、受信機14をモデル化する。より具体的には、補助受信機30は、補助受信機出力信号が受信機14の通過帯域内に入るIMPのみのダウンコンバートされデジタル化されたバージョンを含むように、受信機14の通過帯域にチューニングされる。
そして、適応フィルタ32は、補助受信機出力信号を適応的にフィルタリングして、PIM推定信号を提供する。適応フィルタ32は、PIMソース22及び受信機14の出力の間の主PIMパスと、チューニング可能な非線型回路28の出力及び補助受信機30の出力の間の補助PIMパスと、の間の差異をモデル化する。好適には、チューニング可能な非線型回路28及び適応フィルタ32は、補償された出力信号内のPIM歪みを最小化し又は少なくとも主受信機出力信号内のそれと比較して実質的に低減するように、補償された出力信号に基づいて適応的に構成される。一例として、チューニング可能な非線型回路28は、電力最小化アルゴリズムを用いて適応的に構成されてよく、適応フィルタ32は、最小平均二乗(LMS)アルゴリズム及びLMSアルゴリズムの変種を用いて適応的に構成されてよい。しかしながら、それらアルゴリズムは単なる例に過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図しない。補償された出力信号内のPIM歪みを最小化し又は少なくとも実質的に低減する目的で、チューニング可能な非線型回路28及び適応フィルタ32を適応的に構成するためのいかなる適したアルゴリズムが使用されてもよい。
図2は、本開示の1つの実施形態に係る、図1の適応フィルタ32のより詳細な例示図である。この実施形態では、適応フィルタ32は、図示された通りに接続される可変フィルタ34及びアダプタ36を含む。動作中に、可変フィルタ34は、補助受信機出力信号をフィルタリングして、PIM推定信号を提供する。上で議論したように、減算回路26は、主受信機出力信号からPIM推定信号を減算して、補償された出力信号を提供する。補償された出力信号に基づいて、アダプタ36は、主受信出力信号とPIM推定信号との間の差異を最小化する目的で、可変フィルタ34のための1つ以上の構成パラメータ(例えば、フィルタ係数)を、所望の更新又は適応アルゴリズム(例えば、LMSアルゴリズム又はその変種)を用いて更新する。なお、上記適応は、主受信機出力信号がPIM歪みのみを含む(即ち、受信信号が無い)時間ピリオドの期間中に実行される場合に、より迅速に実行され得る。しかしながら、適応は、主受信機出力信号がPIM歪みに加えて受信信号を含む場合であっても実行されてよい。
図3は、本開示の他の実施形態に係る通信デバイス10を例示している。この実施形態は、図1の実施形態と実質的に同じであるが、但しチューニング可能な非線型回路28の入力はデュプレクサ18のアンテナポートへと接続される。言い換えれば、チューニング可能な非線型回路28へ入力される無線周波数送信信号は、PIMソース22でもあるデュプレクサ18のアンテナポートから取得される。PIMソース22にて無線周波数送信信号を採取することで、PIMが生み出される元となる無線周波数送信信号の最も正確なバージョンが、チューニング可能な非線型回路28にも入力される。また、図1及び図3は無線周波数送信信号が送信機12の出力及びデュプレクサ18のアンテナポートで採取される実施形態を例示しているものの、本開示はそれに限定されないことにも留意すべきである。無線周波数送信信号は、送信機12の出力とアンテナ16との間のいかなる所望の場所で採取されてもよい。
図4は、本開示の他の実施形態に係る通信デバイス10を例示している。この実施形態は、図1の実施形態と実質的に同じであるが、但しチューニング可能な非線型回路28の入力は、低電力補助送信機38により生成される低電力補助送信信号である。ここで使用されるところによれば、“低電力”補助送信機38は、送信機12をモデル化するが、但し送信機12により出力される無線周波数送信信号の電力レベルよりも低い、好適には相当に低い電力レベルの出力信号を生成する。
この実施形態において、送信機12のベースバンド入力信号もまた、補助送信パスにより処理されて、低電力補助送信信号が提供される。より具体的には、ベースバンド入力信号は、デジタルフィルタ40へ提供される。デジタルフィルタ40は、補助送信パスと、送信機12を通過し、好適には送信機12の出力及びPIMソース22の間のパスを含むする主送信パスと、の間の差異をモデル化するように構成される。デジタルフィルタ40は、主送信パス内のPIMソース22の場所に関わらない(例えば、コネクタ、デュプレクサ18の出力又はアンテナ16の外部など)主送信パスと補助送信パスとの間の差異のモデル化を許容する、適応フィルタであってよい。
デジタルフィルタ40は、フィルタリングされたベースバンド入力信号を出力し、フィルタリングされたベースバンド入力信号は、低電力補助送信機38により処理されて、低電力補助送信信号が提供される。1つの実施形態において、低電力補助送信機38は、低電力補助送信信号のキャリア周波数が無線周波数送信信号のそれと同じとなるように、低電力補助送信信号を生成する。一方、他の実施形態において、低電力補助送信機38は、低電力補助送信信号のキャリア周波数が無線周波数送信信号のそれよりも小さく、好適には相当に小さくなるように、低電力補助送信信号を生成する。例えば、低電力補助送信信号は500メガヘルツ(MHz)で生成され得る一方、無線周波数補助送信信号は有意により高い周波数(例えば、2000MHz)で生成され得る。結果として、補助送信パスは、主送信パスよりもかなり低い周波数で動作してよく、それはコスト及び複雑さを低減させる。
低電力補助送信信号は、チューニング可能な非線型回路28の入力へ提供される。すると、チューニング可能な非線型回路28、補助受信機30及び適応フィルタ32は、上述したやり方で動作して、低電力補助送信信号の関数としてのPIM推定信号を生成する。そして、減算回路26は、主受信機出力信号からPIM推定信号を減算して、補償された出力信号を提供する。
図5は、本開示のまた別の実施形態に係る通信デバイス10を例示している。この実施形態は、図1の実施形態と実質的に同じであるが、但しチューニング可能な非線型回路28の入力は遅延器42を介して送信機12の出力へ接続される。言い換えれば、この実施形態では、無線周波数送信信号の遅延されたバージョンが、チューニング可能な非線型回路28の入力として提供される。遅延器42は、フィルタとして実装されてもよい。遅延器42は、チューニング可能な非線型回路28の前段で追加的な集合遅延(group delay)を付加するように動作する。この追加的な集合遅延は、送信機12の出力とPIMソース22との間のパスの集合遅延により良好に適合するように構成され得る。送信機12の出力とPIMソース22との間のパスの集合遅延は、周波数依存のAMFund−PMIM3曲線をもたらす。遅延器42により負荷される追加的な集合遅延は、遅延を適合させることにより、この依存性を低減させる。
図6は、本開示の1つの実施形態に従って受信機14においてPIM歪みを補償するための処理を例示するフローチャートである。図示したように、受信機14により、アンテナ16から無線周波数受信信号が受信され、主受信機出力信号が提供される(ブロック100)。無線周波数受信信号は、PIMソース22において生み出される、無線周波数送信信号の複数のIMPを含む。加えて、送信機12により出力される無線周波数送信信号を示す信号を用いて、チューニング可能な非線型回路28により、IMP信号が生成される(ブロック102)。そして、受信機14の通過帯域内のIMPが、補助受信機30により捕捉され(ブロック104)、その結果の補助受信機出力信号が適応フィルタ32により適応的にフィルタリングされて、PIM推定信号が提供される(ブロック106)。そして、PIM推定信号は、主受信機出力信号から減算され、それにより、補償された出力信号(ブロック108)が提供される。最後に、動作の前及び/又は動作中に、チューニング可能な非線型回路28及び適応フィルタ32は、補償された出力信号内のPIM歪みを最小化し又は少なくとも実質的に低減するように、適応的に構成される(ブロック110)。
本開示を通じて、以下の頭字語が使用されている。
・IMP Intermodulation Products
・LMS Least Mean Square
・LNA Low Noise Amplifier
・LTE Long Term Evolution
・MHz Megahertz
・PA Power Amplifier
・PIM Passive Intermodulation
・SMA Subminiature Version A
・IMP Intermodulation Products
・LMS Least Mean Square
・LNA Low Noise Amplifier
・LTE Long Term Evolution
・MHz Megahertz
・PA Power Amplifier
・PIM Passive Intermodulation
・SMA Subminiature Version A
当業者は、本開示の好適な実施形態への改善及び修正を認識するであろう。全てのそうした改善及び修正は、ここで開示された概念及び次の請求項の範囲内であるものと見なされる。
Claims (21)
- 通信デバイス(10)であって、
入力信号を受け取り、前記通信デバイス(10)により送信される無線周波数送信信号を出力する、ように構成される送信機(12)と、
無線周波数受信信号を受信し、前記送信機(12)により出力される前記無線周波数送信信号の非線型関数であるパッシブ相互変調歪みを含む主受信機出力信号を出力する、ように構成される主受信機(14)と、
前記無線周波数送信信号を示す信号の関数としての複数の相互変調積を含む相互変調積信号を生成する、ように構成されるチューニング可能な非線型回路(28)と、
前記相互変調積信号を受け取って、前記複数の相互変調積のうちの前記主受信機(14)の通過帯域内に入るサブセットのみを含む補助受信機出力信号を提供する、ように構成される補助受信機(30)と、
前記補助受信機出力信号を適応的にフィルタリングして、前記主受信機出力信号内の前記パッシブ相互変調歪みの推定結果であるパッシブ相互変調推定信号を提供する、ように構成される適応フィルタ(32)と、
前記主受信機出力信号から前記パッシブ相互変調推定信号を減算して、それにより補償された出力信号を提供する、ように構成される減算回路(26)と
を備える通信デバイス(10)。 - 前記チューニング可能な非線型回路(28)及び前記適応フィルタ(32)は、前記補償された出力信号における前記パッシブ相互変調歪みを最小化するように適応的に制御される、請求項1の通信デバイス(10)。
- 前記適応フィルタ(32)は、
前記補助受信機出力信号をフィルタリングして、前記パッシブ相互変調推定信号を提供する、ように構成される可変フィルタ(34)と、
所望の適応アルゴリズムを用いて、前記補償された出力信号に基づいて前記可変フィルタ(34)の1つ以上のパラメータを適応的にチューニングする、ように構成されるアダプタ(36)と、
を含む、請求項1の通信デバイス(10)。 - 前記所望の適応アルゴリズムは、最小平均二乗アルゴリズム及び前記最小平均二乗アルゴリズムの変種、からなる群のうちの1つである、請求項3の通信デバイス(10)。
- 前記チューニング可能な非線型回路(28)は、電力最小化法に基づいてチューニングされる、請求項1の通信デバイス(10)。
- 前記無線周波数送信信号を示す前記信号は、前記送信機(12)の出力から取得される前記無線周波数送信信号である、請求項1の通信デバイス(10)。
- 前記送信機(12)及び前記主受信機(14)は、デュプレクサ(18)を介して前記通信デバイス(10)のアンテナ(16)へ連結され、前記無線周波数送信信号を示す前記信号は、前記デュプレクサ(18)のアンテナポートから取得される前記無線周波数送信信号である、請求項1の通信デバイス(10)。
- 前記無線周波数送信信号を示す前記信号は、前記送信機(12)の前記入力信号から生成される低電力補助送信信号である、請求項1の通信デバイス(10)。
- 前記送信機(12)の前記入力信号は、ベースバンド入力信号である、請求項8の通信デバイス(10)。
- 前記送信機(12)の前記ベースバンド入力信号に基づいて、前記低電力補助送信信号を提供する、ように構成される低電力補助送信機(38)、
をさらに備える、請求項9の通信デバイス(10)。 - 前記送信機(12)の前記ベースバンド入力信号を受け取り、フィルタリングされたベースバンド入力信号を出力する、ように構成されるデジタルフィルタ(40)、
をさらに備え、
前記低電力補助送信機(38)は、前記フィルタリングされたベースバンド入力信号を受け取り、前記低電力補助送信信号を出力する、
請求項10の通信デバイス(10)。 - 前記デジタルフィルタ(40)は、前記送信機(12)と当該送信機(12)の出力及び前記パッシブ相互変調歪みのソースの間のパスとを含む送信パスと、前記低電力補助送信機(38)を含む補助送信パスと、の間の差異をモデル化する、請求項11の通信デバイス(10)。
- 前記低電力補助送信信号のキャリア周波数は、前記無線周波数送信信号のキャリア周波数に等しい、請求項8の通信デバイス(10)。
- 前記低電力補助送信信号のキャリア周波数は、前記無線周波数送信信号のキャリア周波数よりも小さい、請求項8の通信デバイス(10)。
- 前記送信機(12)の出力から取得される前記無線周波数送信信号を遅延させて、前記無線周波数送信信号を示す前記信号を提供する、ように構成される遅延回路(42)、をさらに含む、請求項1の通信デバイス(10)。
- 通信デバイス(10)の動作方法であって、
主受信機(14)を介して、無線周波数受信信号を受信し、随伴する送信機(12)の無線周波数送信信号の非線型関数であるパッシブ相互変調歪みを含む主受信機出力信号を提供することと、
前記無線周波数送信信号を示す信号の関数としての複数の相互変調積を含む相互変調積信号を生成することと、
補助受信機(30)を介して、前記相互変調積信号から前記複数の相互変調積のうちの前記主受信機(14)の通過帯域内に入るサブセットのみを捕捉して、それにより補助受信機出力信号を提供することと、
前記補助受信機出力信号を適応的にフィルタリングして、前記主受信機出力信号内の前記パッシブ相互変調歪みの推定結果であるパッシブ相互変調推定信号を提供することと、
前記主受信機出力信号から前記パッシブ相互変調推定信号を減算して、それにより補償された出力信号を提供することと、
を含む方法。 - 前記相互変調積信号を生成することは、チューニング可能な非線型回路(28)を介して前記相互変調積信号を生成すること、を含み、前記補助受信機出力信号を適応的にフィルタリングすることは、適応フィルタ(32)を介して前記補助受信機出力信号を適応的にフィルタリングすること、を含み、前記方法は、
前記チューニング可能な非線型回路(28)及び前記適応フィルタ(32)を、前記補償された出力信号における前記パッシブ相互変調歪みを最小化するように構成すること、
をさらに含む、請求項16の方法。 - 前記無線周波数送信信号を示す前記信号は、前記随伴する送信機(12)の出力から取得される前記無線周波数送信信号である、請求項16の方法。
- 前記随伴する送信機(12)及び前記主受信機(14)は、デュプレクサ(18)を介して前記通信デバイス(10)のアンテナ(16)へ連結され、前記無線周波数送信信号を示す前記信号は、前記デュプレクサ(18)のアンテナポートから取得される前記無線周波数送信信号である、請求項16の方法。
- 前記無線周波数送信信号を示す前記信号は、前記随伴する送信機(12)の入力信号から生成される低電力補助送信信号である、請求項16の方法。
- 前記随伴する送信機(12)の出力から取得される前記無線周波数送信信号を遅延させて、前記無線周波数送信信号を示す前記信号を提供すること、をさらに含む、請求項16の方法。
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