JP5777194B1 - 複合潤滑素材、エンジンオイル、グリース及び潤滑油並びに複合潤滑素材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、潤滑油について、温度変化や酸化などによる基油そのものの劣化を抑制することにより、潤滑油の寿命を長くするために、基油の酸化防止効果及び分解劣化防止効果を有する炭素繊維、カーボンナノチューブなどのカーボンマテリアル、マイナスイオン等を発生する放射性物質を配合することが検討されている(特許文献2、3、4)。
しかしながら、通常、天然黒鉛をそのまま処理しても、剥離されるグラフェン量が少ないことが問題となっていた。しかし、鋭意研究の結果、材料となる黒鉛に所定の処理を施すことで、グラフェンに剥離し易く、高濃度又は高分散させることが出来る黒鉛系炭素素材(グラフェン前駆体)を得た。このグラフェン前駆体が、超音波や撹拌、摺動するうちに一部又は全部が剥離され、グラフェン前駆体からグラフェンまでの混在物「グラフェン様黒鉛」となる。グラフェン様黒鉛は、グラフェン前駆体の添加量やプロセス時間などによって、サイズ、厚さ等は変化するため、限定はしないが、より薄片化していることが望ましい。つまり、言い換えれば、例えば、エンジン、変速機、減速機等の駆動系ユニットで摺動することで、グラフェン様黒鉛に剥離・分散し易い黒鉛が黒鉛系炭素素材(グラフェン前駆体)である。
これらグラフェン前駆体及び/又はグラフェン様黒鉛を母材に少量分散させることによって、潤滑性を向上させることができることを見出した。しかも、特殊な製造方法を経ることが無く、該複合潤滑素材を製造できることを見出した。潤滑性としては、例えば、摩擦係数の低減、摩擦抵抗の低減、摺動熱の放散性、基油の酸化防止・分解劣化防止等を向上させることができ、結果として例えば燃費などの向上に寄与する。
また、母材に分散・配合させるグラフェン様黒鉛の量が少なくても所望する性状を奏する複合潤滑素材を提供することを目的とする。
さらにまた、従来の製造プロセスを用いて潤滑性に優れる複合潤滑素材を提供することを目的とする。
母材に少なくとも黒鉛系炭素素材及び/又は黒鉛系炭素素材から剥離されたグラフェン様黒鉛が分散された複合潤滑素材であって、
前記黒鉛系炭素素材は、菱面晶系黒鉛層(3R)と六方晶系黒鉛層(2H)とを有し、前記菱面晶系黒鉛層(3R)と前記六方晶系黒鉛層(2H)とのX線回折法による次の(式1)により定義される割合Rate(3R)が31%以上であることを特徴としている。
Rate(3R)=P3/(P3+P4)×100・・・・(式1)
ここで、
P3は菱面晶系黒鉛層(3R)のX線回折法による(101)面のピーク強度
P4は六方晶系黒鉛層(2H)のX線回折法による(101)面のピーク強度
である。
この特徴によれば、複合素材は潤滑性に優れる。これは、母材に黒鉛系炭素素材及びグラフェン様黒鉛の少なくともいずれか一方が分散し、摺動部で摺動する際に、黒鉛系炭素素材又はグラフェン様黒鉛が更に薄片化し、グラフェン様黒鉛の絶対数が増えるため、時間が経つほどにグラフェン様黒鉛の密度が上がり、潤滑性が改善されると推察される。
ここで、黒鉛系炭素素材及び/又は黒鉛系炭素素材から剥離されたグラフェン様黒鉛が分散されたとは、黒鉛系炭素素材及び黒鉛系炭素素材から剥離されたグラフェン様黒鉛の少なくともいずれか一方が分散されたことを意味する。
この特徴によれば、添加物の有する潤滑機能を十分に発揮させられる。
この特徴によれば、潤滑性に優れる複合潤滑素材を得ることが出来る。
この特徴によれば、潤滑性に優れる上、長い間、潤滑機能を十分に発揮さられる。
この特徴によれば、放射性物質を出すマイナスイオンによって、基油の酸化、分解の原因となる活性酸素を抑制するため、複合潤滑素材の寿命をさらに伸ばす。
この特徴によれば、潤滑性に優れる内燃機関などのエンジンオイルを得ることができる。
この特徴によれば、潤滑性に優れる転がり軸受等の摺動部材に用いられるグリースを得ることができる。
この特徴によれば、流体軸受けなどの動作部分に用いる潤滑油を得ることができる。
また、母材に少なくとも黒鉛系炭素素材を混錬するステップを含む複合潤滑素材の製造方法であって、
前記黒鉛系炭素素材は、菱面晶系黒鉛層(3R)と六方晶系黒鉛層(2H)とを有し、前記菱面晶系黒鉛層(3R)と前記六方晶系黒鉛層(2H)とのX線回折法による次の(式1)により定義される割合Rate(3R)が31%以上であることを特徴としている。
Rate(3R)=P3/(P3+P4)×100・・・・(式1)
ここで、
P3は菱面晶系黒鉛層(3R)のX線回折法による(101)面のピーク強度、
P4は六方晶系黒鉛層(2H)のX線回折法による(101)面のピーク強度、
である。
また、破砕などの物理的力以外でも加熱によって黒鉛を膨張させて薄片化する方法も知られているが、黒鉛に1600K(摂氏約1300度)の熱をかけて処理を行っても菱面体晶の比率は25%程度である(非特許文献3)。更に超高温の摂氏3000度の熱をかけても30%程度までとなっている(非特許文献2)。
このように、天然黒鉛を物理的力や熱によって処理することで、菱面体晶の比率を増加させることが可能であるがその上限は30%程度である。
Fvdw:ファンデルワールス力
H :Hamaker定数
A :黒鉛又はグラフェンの表面積
t :黒鉛又はグラフェンの厚み
なお、グラフェンは平均サイズが100nm以上の結晶であるため、天然黒鉛以外の非晶質(微結晶)炭素素材である、人造黒鉛、カーボンブラックは、これらを処理してもグラフェンは得られない(非特許文献4)。
また、本明細書において、グラフェン複合体は、本発明に係るグラフェン前駆体として用いられる黒鉛系炭素素材、すなわちRate(3R)が31%以上の黒鉛系炭素素材(例えば後述する実施例1の試料2−7、実施例5の試料2、21・・・)を用いて作成した複合体を意味する。
図3に示されるジェットミルとプラズマとを用いた製造装置Aにより、グラフェン前駆体として用いられる黒鉛系炭素素材を得る方法について説明する。製造装置Aは、電波的力による処理としてプラズマを施し、また、物理的力による処理としてジェットミルを用いた場合を例にしている。
ジェットミルの条件は次のとおりである。
圧力 : 0.5MPa
風量 : 2.8m3/min
ノズル内直径 :12mm
流速 : 約410m/s
プラズマの条件は次のとおりである。
出力 : 15W
電圧 : 8kV
ガス種 : Ar(純度99.999Vol%)
ガス流量: 5L/min
ボールミルの条件は次のとおりである。
回転数 : 30rpm
メディアサイズ: φ5mm
メディア種 : ジルコニアボール
粉砕時間 : 3時間
マイクロ波発生装置(マグネトロン)の条件は次のとおりである。
出力 : 300W
周波数 : 2.45GHz
照射方法 : 断続的
図5−図7を参照して、製造装置A、Bにより製造された黒鉛系天然材料(試料6、試料5)及び製造装置Bのボールミルのみを用いて得た10μm程度の粉体の黒鉛系天然材料(試料1:比較例)のX線回折プロファイルと結晶構造について説明する。
X線回折装置の測定条件は次のとおりである。
線源 : Cu Kα線
走査速度 : 20°/min
管電圧 : 40kV
管電流 : 30mA
各試料は、X線回折法(リガク社製試料水平型多目的X線回折装置 Ultima IV)によれば、それぞれ六方晶2Hの面(100)、面(002)、面(101)、及び菱面体晶3Rの面(101)にピーク強度P1,P2,P3,P4を示すことからこれらについて説明する。
ここで、X線回折プロファイルの測定は、近年では国内外を問わずいわゆる標準化された値が用いられている。当該、リガク社製試料水平型多目的X線回折装置 Ultima IVは、X線回折プロファイルを、JIS R 7651:2007「炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法」に準拠して測定可能な装置である。なお、Rate(3R)は、Rate(3R)=P3/(P3+P4)×100で求められる回折強度の比であり、回折強度の値が変化しても、Rate(3R)の値が変化するものではない。つまり、回折強度の比は規格化されており、絶対値で物質の同定を行うのを回避するために一般に用いられおり、その値が測定装置に依存することはない。
Rate(3R)=P3/(P3+P4)×100・・・・(式1)
ここで、
P1は六方晶系黒鉛層(2H)のX線回折法による(100)面のピーク強度
P2は六方晶系黒鉛層(2H)のX線回折法による(002)面のピーク強度
P3は菱面晶系黒鉛層(3R)のX線回折法による(101)面のピーク強度
P4は六方晶系黒鉛層(2H)のX線回折法による(101)面のピーク強度
である。
次に、上述で製造されたグラフェン前駆体を用いて、グラフェン分散液を作成し、グラフェンの剥離し易さを比較した。
グラフェン分散液の作成方法について図8を参照して説明する。図8においては、グラフェン分散液を作成する際に、液中にて超音波処理とマイクロ波処理とを併用する場合を例にしている。
(1)ビーカー40にグラフェン前駆体として用いられる黒鉛系炭素素材0.2gと分散液であるN−メチルピロリドン(NMP)200mlを入れる。
(2)ビーカー40をマイクロ波発生装置43のチャンバ42に入れ、上方から超音波ホーン44の超音波の振動子44Aを分散液41に挿入する。
(3)超音波ホーン44を作動させ20kHz(100W)の超音波を連続的に3時間付与する。
(4)上記超音波ホーン44を作動させている間に、マイクロ波発生装置43を作動させマイクロ波2.45GHz(300W)を断続的(5分おきに10秒照射)に付与する。
製造装置Bにより製造された試料5を用いたグラフェン分散液30は一部沈殿しているものの全体が黒色を呈するものが確認された。これは、グラフェン前駆体として用いた黒鉛系炭素素材の多くがグラフェンに剥離した状態で分散していると考えられる。
比較例を示す試料1を用いた分散液31は黒鉛系炭素素材のほとんどが沈殿しており、一部が上澄み液として浮いていることが確認された。このことから、ごく一部がグラフェンに剥離し、上澄みとして浮いていると考えられる。
図12を参照して、比較例の試料1(Rate(R3)が23%)の分散液に含まれた薄片状のフレークの粒度分布(サイズの分布)は、0.9μmをピークとする分布であった。また、層数は、30層以上のものが大部分を占め、10層以下のグラフェンが10%となる分布であった。
この結果から、製造装置Bにより製造された試料5のものは、グラフェン前駆体として用いた場合に、10層以下のグラフェンが多く、グラフェンの分散性に優れ、かつ、高濃度のグラフェン分散液を得られることが分った。
図15(b)は、製造装置Bで製造した試料5(Rate(3R)=46%)のグラフェン前駆体を用い超音波処理を施して得られたグラフェン分散液の層数の分布を示す。なお、図15(a)は実施例1の製造装置Bにより製造された試料5の図11(b)に示される分布と同じである。
その結果、層数の分布の傾向は概ね同様であるが、10層以下のグラフェンの割合は64%であり、実施例1の68%に比較し、少し低下している。このことから、グラフェン分散液を作成する際は物理的力と電波的力の処理を2つ同時に行った方がより効果があることが判明した。
実施例1の試料1(Rate(3R)=23%)、試料3(Rate(3R)=38%)、試料5(Rate(3R)=46%)、試料6(Rate(3R)=51%)をグラフェン前駆体として、水と導電性付与剤たる炭素数3以下のアルコールとの混合溶液に導電性インクに使用する濃度にしたINK1,INK3,INK5,INK6を作成し、それぞれの抵抗値を比較した。この結果から、Rate(3R)が高くなるにつれ、抵抗値は低いという結果となった。
グラフェンを分散した樹脂シートを作成する際に、ガラス繊維を添加したものの引張強度が非常に良好であったためその要因を調べたところ、ガラス繊維と同時に添加する相溶化剤が、前駆体がグラフェン化することに寄与していることが知見として得られた。そこで、分散剤と相溶化剤とを樹脂に混ぜたものについて検討した。
実施例1の試料5(Rate(3R)=46%)を前駆体としてLLDPE(ポリエチレン)に1wt%直接添加し、ニーダーや2軸混練機(エクストルーダー)等でシェア(せん段力)をかけながら混練した。
樹脂中で黒鉛系炭素素材がグラフェン化し、高分散すると、引張強度が増加することは公知であることから、樹脂の引張強度を測定することによりグラフェン化と分散の度合いを相対的に推察することができる。引張強度は、島津製作所社製の卓上型精密万能試験機(AUTOGRAPH AGS−J)で試験速度500mm/minの条件で測定した。
(a)添加剤無
(b)一般的分散剤(ステアリン酸亜鉛)
(c)相溶化剤(グラフト変性ポリマー)
(a)の添加剤を加えない場合は、引っ張り強さの差は小さかった。
(b)の分散剤を添加した場合は、試料5のグラフェン前駆体はグラフェン化がある程度促進されることがわかる。
(c)の相溶化剤を添加した場合は、試料5のグラフェン前駆体はグラフェン化がかなり促進されることがわかる。これは、相溶化剤は、グラフェン分散させる効果の他に、グラフェン層結合体と樹脂を結合させ、その状態でシェアを加えると、グラフェン層結合体を引きはがすように作用すると考えられるからである。
(2)(1)において得られたグラフェン分散液0.6kgを直ちに、ニーダー(モリヤマ株式会社製 加圧型ニーダー WDS7-30)を用いて樹脂5.4kgに混練し、ペレットを作成する。混練条件については後述する。なお、樹脂と分散液との配合比率は最終的にグラフェン乃至黒鉛系炭素素材の添加量が0.5wt%になるように選定した。
(3)(2)において作成されたペレットを使用して射出成型機で試験片 JIS K7161 1A形(全長165mm、幅20mm、厚み4mm)を作成する。
(4)(3)により作成された試験片の弾性率(Mpa)をJIS K7161に基づいて、株式会社島津製作所製の卓上精密万能試験機(AUTOGRAPH AGS-J)により試験速度:500mm/minの条件で測定した。
混練温度:135℃
ローター回転数 :30rpm
混練時間:15分
炉内加圧:開始後10分間.0.3MPa、10分経過後大気圧まで除圧
また、グラフェン分散液は時間の経過とともにグラフェン黒鉛系炭素素材が沈降する傾向にあることから、グラフェン分散液を得た直後に樹脂に混練することが好ましい。
また、分散液の溶媒として水の他に2−プロパノール(IPA)、アセトン、トルエン、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などを用いても良い。
このように、実施例5により、Rate(3R)が31%以上であると、グラフェン前駆体として用いられる黒鉛系炭素素材は10層以下のグラフェン乃至薄層の黒鉛系炭素素材に分離される傾向が明確に示された。
基油(鉱物油):ダフニー メカニックオイル 32 (出光興産社製 ISO粘度グレード VG32)(工業用)、
試験機:摩擦摩耗試験機 TRB−S−DU−0000(CSM社製)、
<<ボールオンディスク法>>
ボール(径:φ6mm、材質:SUJ2、硬度HV780)、
ディスク(径:φ30、厚さ:2mm、材質:SUS440C、硬度:HV240、表面粗さ0.3μmRzjis)、
<摩擦条件1:回転動速度:100rpm、半径:10mm、荷重:5N、油温:80℃ 30分間>
<JIS R 1613、DIN50324およびASTM、ISOに準拠>
表面粗さ測定器:SV-3000CNC (ミツトヨ社製)
<測定条件:速度0.1mm/sec、先端半径2μm、測定力0.75mN、JIS B0651:2001に準拠>
黒鉛系炭素素材:グラフェン前駆体(上記方法により製造)、
攪拌機(シンキー社製 ARE-310)、
<撹拌条件1:常温25℃、撹拌2000rpm×10分、撹拌後脱泡2100rpm×30秒>
比較材:二硫化モリブデンパウダー(ダイゾー社製 M-5 平均粒径0.45μm)
ステップ1.基油(990g)にグラフェン前駆体(試料1、2、21、4(実施例1、5に用いた試料)を参照。)を10g加え、撹拌条件1にて、グラフェン前駆体を剥離・分散し、濃度1wt%の分散液62を得る。
ステップ2.600gの分散液62を試験機60の液中ホルダー61に入れ摩擦条件1でボール63を接触させたディスク64を回転させて摩擦試験をした。
ステップ3.30分間の試験の内、終了前30秒間の摩擦係数(μ)の平均値を読み取り、図21にプロットした。
ステップ4.表面粗さ測定器を用いてディスク64の表面のボール63が接触し摩耗した部分を5か所計測し、その平均値から摩耗深さを求め、図22にプロットした。
なお、Rate(3R)が31%未満(実施例6-1)では、せん断力によって剥離されるグラフェン様黒鉛の量が少なく、グラフェン前駆体を添加することによる効果が十分に発揮されていないと考える。
基油(合成油):エクソンモービル1 0W−20 (Mobil社製 SAE粘度グレード0W−20)(自動車用)、
基油以外の実験条件等は実施例6と同様である。
基油(鉱物油):ダフニー エポネックスグリース No.1 (出光興産社製 NLGI No. No.1)(工業用)、
<摩擦条件2:回転動、速度:100rpm、半径:10mm、荷重:5N、油温:80℃、10分間>
基油と摩擦条件以外の実験条件等は実施例6と同様である。
ステップ2.100gのグリース62を試験機60の液中ホルダー61に入れ摩擦条件2でボール63を接触させたディスク64を回転させて摩擦試験をした。
ステップ3.30分間の試験の内、終了前30秒間の摩擦係数(μ)の平均値を読み取り、図27にプロットした。
ステップ4.表面粗さ測定器を用いてディスク64の表面のボール63が接触し摩耗した部分を5か所計測し、その平均値から摩耗深さを求め、図28にプロットした。
このことから、混合比率は、下限は1/10000以上、好ましくは1/1000以上、さらに好ましくは1/200以上、上限は1未満、好ましくは1/10未満、さらに好ましくは1/50未満であることが好ましい。
なお、グラフェン前駆体として用いられる黒鉛系炭素素材は、一般的にグラフェン、グラフェン前駆体、グラフェンナノプレートレット(GNP)、フューレイヤーグラフェン(FLG)、ナノグラフェンなどと呼ばれているが、特に限定するものではない。
(1)エンジンオイル
自動車などの内燃機関用。
(2)摺動面油
工作機械のすべり面用。
(3)タービン油
火力、水力、原子力、船舶、飛行機などのタービン用。
(4)油圧作動油
重機などの油圧作動する油圧装置用。
(5)軸受油
ベアリング、回転軸受など用。
(6)ミスト給油用潤滑油
焼鈍時の冷却や離形剤など用。
(7)ギヤ油
ベベルギヤ、ウォームギヤなど用。
(8)圧縮基油
エアーコンプレッサーなど用。
(9)冷凍基油用
チラー、温調機など用。
(10)真空ポンプ油
油回転式真空ポンプ、オイルミストポンプなど用。
(11)トランスミッション油
CVTなどのトランスミッション用
Claims (12)
- 母材に少なくとも黒鉛系炭素素材及び/又は黒鉛系炭素素材から剥離されたグラフェン様黒鉛が分散された複合潤滑素材であって、
前記黒鉛系炭素素材は、菱面晶系黒鉛層(3R)と六方晶系黒鉛層(2H)とを有し、前記菱面晶系黒鉛層(3R)と前記六方晶系黒鉛層(2H)とのX線回折法による次の(式1)により定義される割合Rate(3R)が31%以上であることを特徴とする複合潤滑素材。
Rate(3R)=P3/(P3+P4)×100・・・・(式1)
ここで、
P3は菱面晶系黒鉛層(3R)のX線回折法による(101)面のピーク強度、
P4は六方晶系黒鉛層(2H)のX線回折法による(101)面のピーク強度、
前記グラフェン様黒鉛は、前記黒鉛系炭素素材から一部又は全部が剥離されてなる、前記黒鉛系炭素素材からグラフェンまでの混在物であり、
前記グラフェンは平均サイズが100nm以上の結晶であって、かつ層数が10層以下の薄片状又はシート状のもの
である。 - 前記母材に対する前記黒鉛系炭素素材の重量比は、1/10000以上〜1未満であることを特徴とする請求項1に記載の複合潤滑素材。
- 前記母材は少なくとも、鉱物由来、合成由来、植物由来及び動物由来の基油の一以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合潤滑素材。
- 前記複合潤滑素材は酸化劣化防止を目的とする添加物が一種以上含有されていることを特徴とする請求項1に記載の複合潤滑素材。
- 前記添加物は放射性物質であることを特徴とする請求項4に記載の複合潤滑素材。
- 請求項1に記載の前記複合潤滑素材を用いたことを特徴とするエンジンオイル。
- 請求項1に記載の前記複合潤滑素材を用いたことを特徴とするグリース。
- 請求項1に記載の前記複合潤滑素材を用いたことを特徴とする潤滑油。
- 母材に少なくとも黒鉛系炭素素材を混錬するステップを含む複合潤滑素材の製造方法であって、
前記黒鉛系炭素素材は、菱面晶系黒鉛層(3R)と六方晶系黒鉛層(2H)とを有し、前記菱面晶系黒鉛層(3R)と前記六方晶系黒鉛層(2H)とのX線回折法による次の(式1)により定義される割合Rate(3R)が31%以上であることを特徴とする複合潤滑素材の製造方法。
Rate(3R)=P3/(P3+P4)×100・・・・(式1)
ここで、
P3は菱面晶系黒鉛層(3R)のX線回折法による(101)面のピーク強度、
P4は六方晶系黒鉛層(2H)のX線回折法による(101)面のピーク強度、
である。 - 前記母材に対する前記黒鉛系炭素素材の重量比は、1/10000以上〜1未満であることを特徴とする請求項9に記載の複合潤滑素材の製造方法。
- 前記母材は少なくとも、鉱物由来、合成由来、植物由来及び動物由来の基油の一以上であることを特徴とする請求項10に記載の複合潤滑素材の製造方法。
- 前記複合潤滑素材は酸化劣化防止を目的とする添加物が一種以上含有されていることを特徴とする請求項11に記載の複合潤滑素材の製造方法。
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