JP5776416B2 - 抽出装置 - Google Patents

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本発明は、藻類から産生物を抽出する抽出装置に関する。
近年、バイオ燃料(炭化水素やバイオディーゼル)や、アスタキサンチン等の生理活性物質を産生することができる藻類(特に、微細藻類)が注目されており、このような藻類を大量に培養し、石油に換わるエネルギーとして利用したり、薬や化粧品、食品等に利用したりすることが検討されている。このような藻類の中でも、特に、ボツリオコッカス(Botryococcus)属の藻類は、炭化水素を産生する能力に優れており、藻体全量に対する炭化水素の含有量が乾燥重量で20〜40%程度と高い。
従来、ボツリオコッカス属の藻類のように、疎水性の産生物を産生する藻類から産生物を抽出する技術として、藻類を含む培養液を濾過することで湿藻体を分離し、その湿藻体を凍結乾燥させた後、または加温して乾燥させた後、かかる藻体乾燥物をn−ヘキサンや、メタノール−クロロホルム(1:1)等の有機溶媒に浸漬することで、当該有機溶媒中に産生物を溶解させて抽出する技術が挙げられる。
しかし、このような技術では、湿藻体を乾燥する必要があるため、抽出のために長時間を要し、また乾燥のために電力等のエネルギー消費を要することとなっていた。
そこで、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールのいずれかの有機溶媒を用いて、乾燥工程を経ず湿藻体から産生物を直接抽出する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開平09−803号公報
上述した藻類が産生する産生物の多くは、藻体(細胞)内に保持されているため、藻体から産生物を抽出する場合、藻体を構成する細胞壁および細胞膜を破壊する必要がある。
上述した特許文献1の技術では、細胞壁および細胞膜を破壊するために、湿藻体の数十倍量といった大量の有機溶媒を必要とし、また抽出効率の向上を試みると、抽出時間も24時間程度といった長時間を要してしまう。
そこで本発明は、このような課題に鑑み、容易な処理で細胞壁および細胞膜に孔を開けることができ、これによって短時間で効率よく藻類から産生物を抽出することが可能な抽出装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の抽出装置は、藻類から当該藻類が産生した産生物を抽出する抽出装置であって、藻類を含む培養液である藻類液を収容するとともに、少なくとも1対の電極が設けられる収容槽と、1対の電極にパルス電圧を印加することで、藻類液中にパルス電界を形成する電圧印加部と、電圧印加部によってパルス電圧が印加された後の藻類液から産生物を抽出する抽出部と、を備え、収容槽内において藻類液の流れ方向が予め定められており、1対の電極のうち、少なくとも藻類液の流れ方向の上流側に位置する電極には、流れ方向の下流側に延伸した針状部が形成されていることを特徴とする。
上記電圧印加部によってパルス電圧が印加された後の藻類液の温度は、80℃以上100℃以下になってもよい。
上記抽出装置は、電圧印加部によってパルス電圧が印加される前の藻類液を予熱する予熱部をさらに備えてもよい。
上記抽出部は、電圧印加部によってパルス電圧が印加された後の藻類液を加圧濾過することで産生物を抽出してもよい。
上記抽出装置は、収容槽に収容された藻類液が1対の電極間を循環するように当該藻類液を流動させる循環部をさらに備えてもよい。
本発明によれば、容易な処理で細胞壁および細胞膜に孔を開けることができ、これによって短時間で効率よく藻類から産生物を抽出することが可能となる。
抽出装置を説明するための説明図である。 電圧印加部および電極の一例を説明するための説明図である。 抽出方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(抽出装置100)
図1は、本実施形態にかかる抽出装置100を説明するための説明図である。図1に示すように抽出装置100は、収容槽110と、予熱部120と、電圧印加部130と、循環部140と、抽出部150とを含んで構成される。
収容槽110は、導入配管112と連通しており、導入配管112、バルブ112aを通じて導入された、藻類を含む培養液(以下、藻類液と称する)X1を収容するとともに、1対の電極110a、110bがその藻類液に接触するように設けられる。ここで、収容槽110に導入される、藻類液X1は、不図示の培養槽で培養された状態のまま(例えば、培養液中の藻類が0.2重量%程度)の藻類液であってもよいし、培養槽で培養された後、遠心分離等を行うことによって、培養液中の藻類が1〜15重量%程度まで濃縮された藻類液であってもよい。
予熱部120は、ヒータ等で構成され、導入配管112を通過する藻類液X1の温度を、後述する電圧印加部130によってパルス電圧が印加された後の藻類液X1の温度が80℃以上100℃以下となるように藻類液を所定の温度に予熱する。ここで、所定の温度は、電圧印加部130によって藻類液中に形成されたパルス電界に基づいて生じる熱が加わり、結果的に、収容槽110に収容された藻類液の温度が80℃以上100℃以下になるように設定される。本実施形態において、所定の温度は、例えば、25℃以上50℃以下であり、ここでは、50℃を目標値として実際の藻類液の温度が50℃前後となる例について説明する。
藻類液の温度が80℃以上100℃以下であると、藻類からの炭化水素の抽出効率が格段に向上することが「Elsevier, Applied Energy 87, 2010:2420-2423」において報告されている。そこで、電圧印加部130によってパルス電圧が印加された後の藻類液の温度を80℃以上100℃以下にするように、予熱部120が藻類液X1を予熱する構成により、藻類が産生した炭化水素の流動性を向上させることができ、藻類からの炭化水素の抽出効率を向上することが可能となる。
電圧印加部130は、収容槽110に設けられた電極110a、110bにパルス電圧を印加することで、藻類液X1中にパルス電界を形成する。ここで、電圧印加部130は、電極110a、110bに印加するパルス電圧のパルス幅を100nsec未満とし、電極110a、110bによって藻類液X1中で形成されるパルス電界の電界強度が30〜300kV/cmとなるように電極110a、110bにパルス電圧を印加する。
図2は、電圧印加部130および電極110a、110bの一例を説明するための説明図であり、図2(a)は電圧印加部130の例を、図2(b)は電極110a、110bの例を示す。
図2(a)に示す例において、電圧印加部130は、交流(例えば、AC3相200V)を一旦直流(例えば、DC18kV)に変換する直流電源部132と、パルスの整形回路として機能する波形整形部(B−PFN回路)134と、ギャップスイッチで構成されるスイッチ部136と、パルストランス138とを含んで構成される。ここで、波形整形部134は、電極110a、110bに印加するパルス電圧のパルス幅が100nsec未満となるように、パルス波形を調整し、直流電源部132、パルストランス138は、電極110a、110bによって藻類液X1中で形成されるパルス電界の電界強度が30〜300kV/cm(例えば、80kV/cm)となるように、電極110a、110bにパルス電圧を印加する。
図2(b)に示す例において、電極110a、110bは、藻類液X1が通過しやすいように、メッシュ状(網状)に形成された平面部を有し、かかる平面部が藻類液X1の通過方向(図2(b)中、白抜き矢印で示す)に直交するように、収容槽110内に設けられている。このように、電極110a、110bをメッシュ状に形成することにより、藻類液X1を通過させながら、藻類液X1中にパルス電界を形成することができる。
また、藻類液X1の通過方向において、上流側に位置する電極110aには、下流方向に延伸した複数の針状部110cが形成されている。これにより、低エネルギー放電(ストリーマ放電)によるパルス電圧の印加が可能となる。
このように、電圧印加部130が電極110a、110bにパルス電圧を印加することにより、収容槽110に収容された藻類液X1中にパルス電界を形成することができ、藻類の藻体を構成する細胞壁および細胞膜に孔を開けることが可能となる。したがって、藻体(細胞)内に保持された炭化水素等の産生物を、形成された孔を通じて外部へ容易に取り出すことが可能となる。
また、本願発明者らは、電圧印加部130が、電極110a、110bに印加するパルス電圧の立ち上がり時間を100psec〜20nsec未満とし、パルス幅を、100nsec未満とし、立ち下がり時間を100psec〜100nsec以下とし、さらに、収容槽110内(藻類液X1中)で形成されるパルス電界の電界強度が30〜300kV/cmとなるように、電極110a、110bにパルス電圧を印加すると、殺藻効率が高いことを見いだしている。したがって、電圧印加部130が、パルス電圧のパルス幅を100nsec未満とし、電極110a、110bによって藻類液X1中で形成されるパルス電界の電界強度が30〜300kV/cmとなるように電極110a、110bにパルス電圧を印加することで、効率よく、藻類の藻体を構成する細胞壁および細胞膜に孔を開けることができる。
なお、パルス電圧の立ち上がり時間を100psec〜20nsec未満とし、パルス幅を、100nsec未満とし、立ち下がり時間を100psec〜100nsec以下とした場合であっても、藻類の特性や培養液の導電率等によって、藻類液X1中で形成されるパルス電界の電界強度が30〜300kV/cmとならない場合、パルスの繰り返し回数(Pulse/sec)を増やしてもよい。
さらに、上述したように、藻類液X1は、予熱部120によって所定の温度に予熱され、収容槽110内においてパルス電界が印加されることで、80℃以上100℃以下に加温される。このように、予熱部120および電圧印加部130によって収容槽110に収容された藻類液X1の温度を結果的に80℃以上100℃以下とすることにより、藻類が産生した炭化水素の流動性を向上させることが可能となる。したがって、藻体内に保持された炭化水素の、細胞壁および細胞膜に形成された孔を通じた外部への取り出し効率を向上させることができる。
図1に戻って説明すると、循環部140は、循環配管142、バルブ142a、ポンプ142bを含んで構成され、収容槽110に収容された藻類液X1が電極110a、110b間を循環するように藻類液X1を流動させる。具体的に説明すると、循環配管142は、収容槽110における導入配管112が連通される壁面と対向する壁面から延伸し、導入配管112と連通している。そして、導入配管112を通じて収容槽110に導入された藻類液X1は、電極110a、110b間を通過した後、バルブ142aを通じてポンプ142bによって汲み上げられ、循環配管142を通じて、再び導入配管112に返送される。
これにより、藻類液X1を電極110a、110b間に連続的に流通させることが可能となり、藻類液X1に含まれる複数の藻類それぞれに、効率よく、かつ、満遍なく孔を開けることが可能となる。
ここで、循環部140は、電極110a、110b間を通過した藻類液X1を、導入配管112の予熱部120より上流に返送するとよい。これにより、収容槽110に収容される藻類液X1がすべて予熱部120を通過することになるので、藻類液X1の温度を、産生物である炭化水素の流動性を向上させることができる80℃以上100℃以下に維持することが可能となる。
抽出部150は、送出管152を通じて収容槽110と連通している。具体的に説明すると、送出管152は、収容槽110における導入配管112が連通される壁面と対向する壁面に連通され、電圧印加部130によってパルス電圧が印加された後の藻類液X2は、送出管152、バルブ152aを通じて抽出部150に送出される。
なお、循環部140による藻類液X1の循環と、送出管152による収容槽110から抽出部150への藻類液X2の送出は、排他的に行ってもよいし、並行して行ってもよい。例えば、循環部140によって藻類液X1を所定時間循環させた後、送出管152が収容槽110から抽出部150へ藻類液X2を送出してもよい。また、循環部140による藻類液X1の循環と、送出管152による収容槽110から抽出部150への藻類液X2の送出とを、所定の比率の流量で行ってもよい。
そして、抽出部150は、電圧印加部130によってパルス電圧が印加された後の藻類液X2から産生物を抽出する。具体的に説明すると、抽出部150は、例えば、加圧濾過機で構成され、藻類液X2を濾過して、濾液(培養液)と湿藻体(含水された藻体)とに分離し、分離された湿藻体をローラ等で加圧(押圧)することで、藻体内に保持された産生物を、孔を通じて外部に押し出す(抽出する)。これにより、有機溶媒を利用せずとも、藻類から産生物(炭化水素)を抽出することが可能となる。
また、加圧後の湿藻体を有機溶媒(例えば、n−ヘキサンや、メタノールとクロロホルムとの混合液)に浸漬して、藻体内に残存した産生物を抽出してもよい。この場合であっても、藻体を構成する細胞壁および細胞膜にすでに孔が開いているため、パルス電圧を印加せずに藻体をそのまま有機溶媒に浸漬する場合と比較して極めて少量の有機溶媒で、産生物を効率よく抽出することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態にかかる抽出装置100によれば、電圧印加部130によって藻類液X1中にパルス電界を形成するといった容易な処理で、藻体の細胞壁および細胞膜に孔を開けることができ、かかる孔を通じて、藻体内から外部へ容易に産生物を抽出することができる。したがって、短時間で効率よく藻類から産生物を抽出することが可能となる。
(抽出方法)
続いて、上述した抽出装置100を用いた、藻類から産生物を抽出する抽出方法について説明する。図3は、本実施形態にかかる抽出方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、本実施形態における抽出方法は、ユーザによる停止指示があったときには、そのときに遂行している処理を停止する。また、抽出方法は、下記のすべての工程(ステップ、処理)が終了してから、培養槽等の藻類液源から収容槽110へ藻類液X1を導入してもよいし、培養槽等の藻類液源から収容槽110へ順次または連続的に、藻類液X1を導入することで、並行かつ連続的に各工程を遂行してもよい。
まず、不図示の制御装置は、バルブ112a、142a、152aを閉状態にしておき、ポンプ142bをオフ状態にしておく。
図3に示すように、ユーザが藻類からの産生物の抽出を試みる場合、制御装置は、バルブ112aを開状態にする(S200)。そうすると、不図示の藻類液源から、導入配管112へ藻類液X1が供給される。
続いて、予熱部120は、ヒータをオンにして、導入配管112を流通する藻類液X1を所定の温度(例えば、50℃前後)に予熱し(S202)、所定の温度に予熱された藻類液X1は、導入配管112を通じて収容槽110へ導入される(S204)。そして、収容槽110へ導入された藻類液X1が所定の量(電極110a、110bが藻類液X1で浸漬される程度)に到達すると(S206におけるYES)、制御装置はバルブ112aを閉状態にして藻類液X1の導入を終了する(S208)。
次に、電圧印加部130は、電極110a、110bへのパルス電圧の印加を開始して、藻類液X1中にパルス電界を形成する(S210)とともに、制御装置は、循環部140のバルブ142aを開状態にし、ポンプ142bをオン状態にして収容槽110内の藻類液X1を、循環配管142を通じて、再び導入配管112に返送する(S212)。ここで、循環配管142は、導入配管112におけるバルブ112aの下流、かつ、導入配管112の予熱部120より上流に藻類液X1を返送する。
そして、所定時間が経過するまで(S214におけるNO)、電圧印加部130は電極110a、110bにパルス電圧を印加し、循環部140は藻類液X1を循環させ、所定時間が経過すると(S214におけるYES)、電圧印加部130は、電極110a、110bへのパルス電圧の印加を終了する(S216)。また、制御装置は、循環部140のバルブ142aを閉状態にし、ポンプ142bをオフ状態にして、循環部140による藻類液X1の循環を終了する。
続いて、制御装置は、バルブ152aを開状態にする。そうすると、電圧印加部130によってパルス電圧が印加された後の藻類液X2が、送出管152、バルブ152aを通じて、収容槽110から抽出部150へ送出される(S218)。そして、抽出部150は、藻類液X2から産生物を抽出する(S220)。
以上説明したように、上述した抽出方法によっても、電圧印加部130によって藻類液X1中にパルス電界を形成するといった容易な処理で、藻体の細胞壁および細胞膜に孔を開けることができる。したがって、加圧濾過等によって、かかる孔を通じて、藻体内から外部へ容易に産生物を抽出することができる。これにより、短時間で効率よく藻類から産生物を抽出することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態において予熱部120は、ヒータ等で構成される例について説明したが、藻類液X1を所定の温度に予熱できればよく、火力発電所等の発電所や、製造プラント等で生じた排熱を利用してもよい。予熱部120が排熱を利用する構成により、消費電力を削減することができ、藻類からの産生物の抽出にかかるコストを低減することが可能となる。
また、上述した実施形態において、図2を用いて説明した電圧印加部130の構成は、一例であって、ストリーマ放電によるパルス電圧の印加にかかわらず、藻類の藻体を構成する細胞壁および細胞膜に孔を開けることができるパルス電界を形成することが可能であれば、どのような放電態様でパルス電圧を印加してもよい。
さらに、上述した実施形態において、電極110aに針状部110cを備える構成について説明したが、電極110bが、上流方向に延伸した複数の針状部を備えてもよいし、電極110a、110bの双方に針状部を備えてもよい。
また、上述した実施形態において、収容槽110には1対の電極110a、110bが設けられる構成について説明したが、電極の数に制限はなく、2対以上であってもよい。
さらに、上述した実施形態において、抽出部150が加圧濾過機である場合を例に挙げて説明したが、抽出部は、藻類液X2を濾過し、これにより得られた湿藻体をそのまま有機溶媒(例えば、n−ヘキサンや、メタノールとクロロホルムとの混合液)に浸漬して、藻体内に保持された産生物を抽出してもよい。この場合であっても、藻体を構成する細胞壁および細胞膜にすでに孔が開いているため、パルス電圧を印加せずに、藻体を直接有機溶媒に浸漬する場合と比較して1/10程度の少量の有機溶媒で、産生物を効率よく抽出することが可能となる。
また、上述した実施形態では予熱部120を備える構成について説明したが、収容槽110において結果的に藻類液X1が80℃以上100℃以下になればよく、予熱部120を備えずとも、電圧印加部130によるパルス電圧を印加する時間を長くしたり、電圧値を高くしたりして、藻類液X1の温度を80℃以上100℃以下にすることもできる。
さらに、上述した実施形態において、循環部140が、循環配管142、バルブ142a、ポンプ142bを含んで構成される例について説明したが、収容槽110に収容された藻類液X1が電極110a、110b間を循環するように藻類液X1を流動させることができればよく、例えば、循環部140を収容槽110内の藻類液X1を攪拌する攪拌子やミキサー等で構成してもよい。
また、上述した実施形態では循環部140を備える構成について説明したが、収容槽110に収容された藻類液X1に含まれる複数の藻類にそれぞれ満遍なく孔を開けることができればよく、循環部140を備えずとも、電圧印加部130によるパルス電圧を印加する時間を長くして、藻類液X1に含まれる複数の藻類に満遍なく孔が開くようにしてもよい。
さらに、抽出装置100は、図1において示した位置以外にバルブや、ポンプを設けてもよい。
なお、本明細書の抽出方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
本発明は、藻類から産生物を抽出する抽出装置に利用することができる。
X1、X2 …藻類液
100 …抽出装置
110 …収容槽
110a、110b …電極
120 …予熱部
130 …電圧印加部
140 …循環部
150 …抽出部

Claims (5)

  1. 藻類から当該藻類が産生した産生物を抽出する抽出装置であって、
    藻類を含む培養液である藻類液を収容するとともに、少なくとも1対の電極が設けられる収容槽と、
    前記1対の電極にパルス電圧を印加することで、前記藻類液中にパルス電界を形成する電圧印加部と、
    前記電圧印加部によってパルス電圧が印加された後の藻類液から前記産生物を抽出する抽出部と、
    を備え
    前記収容槽内において前記藻類液の流れ方向が予め定められており、
    前記1対の電極のうち、少なくとも前記藻類液の流れ方向の上流側に位置する電極には、該流れ方向の下流側に延伸した針状部が形成されていることを特徴とする抽出装置。
  2. 前記電圧印加部によってパルス電圧が印加された後の藻類液の温度は、80℃以上100℃以下になることを特徴とする請求項1に記載の抽出装置。
  3. 前記電圧印加部によってパルス電圧が印加される前の藻類液を予熱する予熱部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の抽出装置。
  4. 前記抽出部は、前記電圧印加部によってパルス電圧が印加された後の藻類液を加圧濾過することで前記産生物を抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の抽出装置。
  5. 前記収容槽に収容された藻類液が前記1対の電極間を循環するように当該藻類液を流動させる循環部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の抽出装置。
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