JP5771563B2 - 子宮頸疾患の検出において使用するためのモノクローナル抗体および方法 - Google Patents
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Description
いて、これらの抗体を使用する方法に関する。
2%を占め、年におよそ250000人の死亡の原因となる。非特許文献1。集団検診事
業が利用可能でない多くの発展途上国において、臨床的問題はより深刻である。これらの
国における子宮頸癌は、女性における癌での死亡の第1位の原因である。
形態学的に区別することができる明確な非侵襲性上皮内段階を経て発展するので、集団検
診によって防ぐことができる。非特許文献2。正常な細胞がどのようにして形質転換する
のかは理解されていないが、正常な重層上皮から子宮頸上皮内新生物(CIN)を経て浸
潤癌への組織病理学的変化の連続スペクトルの概念が、長年にわたって広く認められてい
る。子宮頸癌への前駆体は、当該分野でCINまたは扁平上皮内病変(SIL)としても
公知の、異形成である。扁平上皮内異常は、3層(CIN)または2層(ベセズダ)シス
テムを用いることによって分類することができる。ベセズダシステム下で、CINIおよ
びHPV感染に対応する、低悪性度扁平上皮内病変(LSIL)は、一般に、比較的侵襲
性疾患への進行のリスクの低い増殖性HPV感染を示す。LSILおよびHSILの両方
とも悪性腫瘍の潜在的前駆体として考察されているが、3層システムにおけるCINII
およびCINIIIに対応する、高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)は、LSILより
も高い、子宮頸癌への進行のリスクを示す。患者試料はまた、このシステム下で、ASC
US(意義が不明な非定型扁平細胞)またはAGUS(意義が不明な非定型腺細胞)とし
て分類することができる。
HPV)による感染との、強力な関連が確立されている。実際、多数の疫学的および分子
生物学的証拠によって、HPV感染は子宮頸癌における原因因子として確立されている。
さらに、HPVは、高悪性度子宮頸疾患の85%以上の症例において見られる。しかしな
がら、HPV感染は非常に一般的であり、おそらくは30歳を超える女性の5〜15%で
起こるが、高悪性度の子宮頸疾患または癌を生じるHPV陽性の女性はほとんどいない。
HPV単独の存在は感染のみの指標であり、高悪性度子宮頸疾患の指標ではなく、したが
って、HPV感染単独の試験は、多くの偽陽性を生じる。例えば、非特許文献3を参照の
こと。
唆される。成熟ケラチノサイトへの幹細胞の分化は、重層子宮頸上皮への細胞の得られる
遊走とともに、HPVウイルス複製および細胞の再感染と関連付けられる。このウイルス
複製プロセスの間、細胞周期制御解除、活発な増殖、DNA複製、転写活性化およびゲノ
ム不安定性を含む、いくつかの細胞変化が起こる(非特許文献4、非特許文献5、非特許
文献6)。
にそれ自体で解決する。1つまたは複数の腫瘍形成サブタイプのHPVでの持続性の感染
を生じる個体については、HPV感染のない患者と比較して、新生物の発生のリスクがあ
る。子宮頸新生物の発生におけるHPVの重要性を考慮すれば、HPVの臨床的検出は、
子宮頸新生物発生のリスクのある患者の同定における重要な診断手段になっている。子宮
頸疾患についてのHPVベースのスクリーニングの臨床的有用性は、その陰性適中率にあ
る。正常なパパニコラウスミアの経緯と組み合わせたHPV陰性結果は、その後の1〜3
年間の、疾患のない状態および子宮頸新生物発生の低いリスクの優れた指標である。しか
しながら、陽性HPV結果は、子宮頸疾患の症状を示さない。むしろこれは感染の指標で
ある。HPV感染の大多数は一時的であり、12ヶ月間のうちに自然になくなるが、リス
クの高いHPVウイルスサブタイプでの持続性の感染は、子宮頸新生物の発生の、より高
いリスクを示す。HPV試験を補うために、子宮頸新生物と関連のある分子マーカーの同
定によって、子宮頸疾患診断に対する臨床的特異性が向上すると予測される。
癌を検出するための最適な方法である。パプ試験は、60年にわたって実質的に変化しな
いままである主観的な方法である。しかしながら、その性能に関していくつかの懸念があ
る。単一のパプ試験の、報告されている感度(試験陽性である疾患陽性の割合)は低く、
幅広い変動を示す(30〜87%)。単一のパプ試験の特異性(試験陰性である疾患陰性
の割合)は、スクリーニング集団中86%と低い場合があり、潜在する高悪性度疾患の判
定について、ASCUS PLUS集団中で相当低い場合がある。Baldwinら、前
出を参照のこと。LSILまたはCINIとして特徴付けられている相当なパーセンテー
ジのパパニコラウスミアは、実際、高悪性度病変について陽性である。さらに、10%ま
でのパパニコラウスミアは、ASCUS(意義が不明な非定型扁平細胞)として分類され
、すなわち、正常、中等度もしくは重症な病変、または腫瘍として、明確な類別を行うこ
とはできない。しかしながら、実験から、10%までのこのASCUS集団が、結果とし
て見落とされる高悪性度病変を有することが示される。例えば、非特許文献7を参照のこ
と。したがって、高悪性度子宮頸疾患の診断を実施するための信頼できる方法を実施する
ために、高悪性度子宮頸疾患において選択的に過剰発現される分子バイオマーカーおよび
これらのバイオマーカーの検出のための組成物が必要である。
を果たす。ミニクロモソーム維持(MCM)タンパク質は、DNAへの複製前複合体の負
荷、および二本鎖DNA鎖のデノボ合成の間にヘリカーゼとして機能して二本鎖DNAを
解くのを助けることによって、DNA複製の早期に機能する。MCMタンパク質のそれぞ
れは、それらの高度に保存された中央のドメインに、DNA依存的ATPアーゼモチーフ
を有する。MCMタンパク質のレベルは、一般に、正常な細胞が細胞周期のG0期からG
1/S期に進むと、可変の様式で増大する。G0期に、MCM2およびMCM5タンパク
質は、MCM7およびMCM3タンパク質よりもずっと豊富でない。MCM6はMCM2
、MCM4、およびMCM7とともに複合体を形成し、これはヒストンH3に結合する。
また、MCM4、MCM6、およびMCM7の部分複合体はヘリカーゼ活性を有し、これ
はMCM6のATP結合活性およびMCM4のDNA結合活性によって媒介される。例え
ば、その全てが参照によって全体が本明細書中に援用される、非特許文献8、非特許文献
9、非特許文献10を参照のこと。
非特許文献11)、ならびに他の癌(非特許文献12)の検出に有用であることが示され
ている。公開されている文献から、MCM−5に対する抗体が、子宮頸新生物細胞を検出
することができることが示される。高悪性度子宮頸疾患の検出の特異性は、MCM−5に
ついて示されていない(非特許文献13)。MCM−5発現の検出は高悪性度子宮頸疾患
に制限されないが、同定された低悪性度異形成、およびリスクの高いHPVでの感染の後
に細胞周期に再び入った増殖細胞においても検出される。MCM−5に加えて、MCM−
2およびMCM−7を含むMCMファミリーの他のメンバーが、組織試料中で子宮頸新生
物の検出のための潜在的に有用なマーカーであると示されている(非特許文献14、非特
許文献15)。最近の結果から、MCM−7が、免疫化学形式を用いた高悪性度子宮頸疾
患の検出のための特異的マーカーであるようであることが示された(非特許文献16、非
特許文献17)。
Baldwinら(2003年)Nature Reviews Cancer3巻:1〜10頁 Williamsら(1998年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA95巻:14932〜14937頁 Wrightら(2004年)Obstet. Gynecol.103:304〜309頁 Crum(2000年)Modern Pathology13巻:243〜251頁 Middletonら(2003年)J. Virol.77巻:10186〜10201頁 Pettら(2004年)Cancer Res.64巻:1359〜1368頁 Manosら(1999年)JAMA281巻:1605〜1610頁 Freemanら(1999年)Clin. Cancer Res.5巻:2121〜2132頁 Leiら(2001年)J. Cell Sci.114巻:1447〜1454頁 Ishimiら(2003年)Eur. J. Biochem.270巻:1089〜1101頁 Williamsら(1998年)Proc Natl Acad Sci U.S.A.95巻:14932〜14937頁 Freemanら(1999年)Clin. Cancer Res.5巻:2121〜2132頁 Williamsら(1998年)Proc Natl Acad Sci U.S.A.95:14932〜14937頁 Freemanら(1999年)Clin Cancer Res.5巻:2121〜2132頁 Brakeら(2003年)Cancer Res.63巻:8173〜8180頁 Brakeら(2003年)Cancer Res.63巻:8173〜8180頁 Malinowskiら(2004年)Acta Cytol.43:696頁
バイオマーカーの発現を検出することができる抗体に対する必要性がある。高悪性度疾患
を、早期HPV感染および軽度の異形成等の、臨床的疾患と見なされない状態から区別す
るための方法において、かかる抗体を使用することができる。
明の核バイオマーカータンパク質、具体的にはMCMタンパク質、より具体的にはMCM
2に結合することができる、モノクローナル抗体を含む。これらのモノクローナル抗体の
抗原結合断片および変異体、これらの抗体を産生することができるハイブリドーマ細胞株
、ならびに本発明のモノクローナル抗体を含むキットもまた、本明細書中に包含される。
。方法は、少なくとも1つの核バイオマーカーの過剰発現を検出することを含み、ここで
核バイオマーカーの過剰発現が高悪性度子宮頸疾患の指標である。具体的には、方法は、
本発明の抗体を使用して子宮頸試料中のMCM2の過剰発現を検出することを含む。
ープを含む、単離されたポリペプチドを含む。これらのポリペプチドは、MCM2抗体を
生成するための方法において使用を提供する。MCM2エピトープのアミノ酸配列をコー
ドする、単離された核酸分子もまた、提供される。
性度子宮頸疾患において選択的に過剰発現される核バイオマーカータンパク質、具体的に
はMCMタンパク質、より具体的にはMCM2に結合することができる、モノクローナル
抗体を含む。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株もまた開示さ
れる。本明細書中に記載されるモノクローナル抗体を含むキットが、さらに提供される。
本組成物は、患者における高悪性度子宮頸疾患を診断するための方法において使用を提供
する。
体もしくは断片を含む。具体的には、27C5.6および26H6.19と呼ばれるMC
M2抗体が提供される。MCM2モノクローナル抗体27C5.6および26H6.19
を産生するハイブリドーマ細胞株は、2005年4月14日に220110−2209、
バージニア州マナッサスのアメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)の特許
寄託機関に寄託され、それぞれ特許受託番号PTA−6668およびPTA−6667を
割り振られた。これらの寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペス
ト条約の規定のもと維持される。これらの寄託は、単に当業者の便宜上なされたものであ
り、寄託が35U.S.C.第112条のもと必要とされることを認めるものではない。
た、本明細書中に開示される。かかる抗体としては、これらの抗体との競合的結合アッセ
イにおいて競合する抗体、ならびにモノクローナル抗体27C5.6または26H6.1
9に結合することができるエピトープに結合する抗体が挙げられるが、これらに限定され
ない。MCM2に特異的に結合する能力を保持するモノクローナル抗体27C5.6およ
び26H6.19の変異体および断片もまた、提供される。組成物はさらに、本発明のモ
ノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株および少なくとも1つの本明細書中に
開示されるモノクローナル抗体を含むキットを含む。
質である。抗体は抗原に対する結合特異性を示すが、免疫グロブリンとしては、抗体、お
よび抗原特異性を欠く他の抗体様分子の両方が挙げられる。後者の種類のポリペプチドは
、例えば、リンパ系によって低レベルで産生され、骨髄腫によって増大したレベルで産生
される。
キメラおよびヒト化抗体ならびに多特異的抗体等の組換え抗体、ならびに前述のものの全
ての断片および誘導体を、広範に包含し、この断片および誘導体は、少なくとも抗原結合
部位を有する。抗体誘導体は、抗体に結合したタンパク質または化学的部分を含んでもよ
い。用語「抗体」は、最も広範な意味で使用され、完全に集合した抗体、抗原に結合する
ことができる抗体断片(例えば、Fab’、F’(ab)2、Fv、単鎖抗体、二重特異
性抗体)、および前述のものを含む組換えペプチドを包含する。本明細書中で使用される
場合、「MCM2抗体」は、MCM2(配列番号1)に特異的に結合する任意の抗体、ま
たはその変異体もしくは断片をいい、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単鎖抗
体、および親抗体の抗原結合機能を保持するその断片を含む。
ル抗体」は、本明細書中で使用される場合、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体
をいい、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量存在する場合がある、可能な天然
に生じる変異を除いて、同一である。
よび2つの同一な重(H)鎖で構成される約150000ダルトンのヘテロ四量体糖タン
パク質である。各軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に連結されるが、ジ
スルフィド結合の数は異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の間で変化する。各重鎖
および軽鎖はまた、規則的に間隔を空けた鎖内のジスルフィド架橋を有する。各重鎖は一
方の末端に可変ドメイン(VH)とそれに続くいくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖
は、一方の末端に可変ドメインを有し(V,)、そのもう一方の末端に定常ドメインを有
する。軽鎖の定常ドメインは重鎖の第一の定常ドメインとともに整列し、軽鎖可変ドメイ
ンは重鎖の可変ドメインとともに整列する。特定のアミノ酸残基が、軽および重鎖可変ド
メインの間に界面を形成すると考えられている。
定の抗原に対する各特定の抗体の結合および特異性に使用されることをいう。しかしなが
ら、可変性は抗体の可変ドメイン全体で均一に分布しているわけではない。これは、相補
性決定領域(CDR)と呼ばれる3つのセグメントまたは軽鎖および重鎖可変ドメインの
両方における超可変領域において濃縮される。可変ドメインの、より高度に保存された部
分は、フレームワーク(FR)領域と呼ばれる。天然の重および軽鎖の可変ドメインは、
それぞれ4つのFR領域を含み、大部分、3つのCDRによって連結されたpシート配置
を採用し、これが連結したループを形成し、15個の、いくつかの場合においては部分的
な、pシート構造を形成する。各鎖中のCDRは、FR領域によって、他の鎖由来のCD
Rとともに近接してともに保持され、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat
ら、NIH Publ. No.91−3242、I巻、647〜669頁(1991年
)参照)。
る抗体の関係等の種々のエフェクター機能を示す。
ミノ酸残基をいう。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」由来のアミノ酸
残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の残基24〜34(L1)、50〜56(L2)お
よび89〜97(L3)ならびに重鎖可変ドメイン中の31〜35(H1)、50〜65
(H2)および95〜102(H3)、Kabatら、Sequences of Pr
oteins of Immunological Interest、第5版、Pub
lic Health Service, National Institute o
f Health、メリーランド州ベセズダi25[1991年])および/または「超
可変ループ」由来の残基(すなわち、軽鎖可変ドメイン中の残基26〜32(L1)、5
0〜52(L2)および91〜96(L3)ならびに重鎖可変ドメイン中の2632(H
1)、53〜55(H2)および96〜101(H3)、ClothiaおよびLesk
、J. Mol. Biol.196巻:901〜917頁[1987年])を含む。「
フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書中で考えられる超可変領域残基以外の
可変ドメイン残基である。
たは可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、およ
びFv断片;二重特異性抗体;直鎖状抗体(Zapataら(1995年)Protei
n Eng.8(10)巻:1057〜1062頁);単鎖抗体分子;ならびに抗体断片
から形成される多重特異性抗体が挙げられる。抗体のパパイン消化によって、それぞれ単
一の抗原結合部位を有する「Fab」断片と呼ばれる2つの同一な抗原結合断片、および
容易に結晶化することができることを名前が反映している、残りの「Fc」断片が生成さ
れる。ペプシン処理によって、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原を架橋するこ
とができる、F(ab’)2断片が生じる。
種において、この領域は、堅く非共有結合した、1つの重および1つの軽鎖可変ドメイン
の二量体からなる。単鎖Fv種において、軽鎖および重鎖が、二重鎖Fv種のものと類似
した「二量体」構造で結合することができるように、柔軟なペプチドリンカーによって1
つの重および1つの軽鎖可変ドメインを共有結合することができる。各可変ドメインの3
つのCDRが相互作用してVH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義付けるのは、
この配置中である。集合的に、6つのCDRによって抗原結合特異性が抗体に付与される
。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に対して特異的なCDRを3つしか含
まないFvの半分)であっても、完全な結合部位より親和性は低いが、抗原を認識して抗
原に結合する能力を有する。
含む。Fab断片は、抗体ヒンジ領域由来の1つまたは複数のシステインを含む重鎖CH
1ドメインのカルボキシ末端でのいくつかの残基の追加によって、Fab’断片と異なる
。Fab’−SHは、本明細書中では、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離
チオール基を担持するFab’の名称である。F(ab’)2抗体断片は、元々、間にヒ
ンジシステインを有するFab’断片の対として生成された。
よって包含される。したがって、例えば、MCM2抗体の断片は、MCM2抗原に結合す
る能力を保持する。かかる断片は、対応する全長抗体と同様の特性によって特徴付けられ
、すなわち、断片は、MCM2に特異的に結合する。かかる断片は、本明細書中で、「抗
原結合」断片と呼ばれる。
域を含む。抗体断片の例としては、Fab、F(ab’)2、およびFv断片ならびに単
鎖抗体分子が挙げられるが、これらに限定されない。「Fab」によって、軽鎖、および
重鎖の一部で構成される、免疫グロブリンの一価抗原結合断片が意図される。F(ab’
)2によって、両方の軽鎖、および両方の重鎖の一部を含む、免疫グロブリンの二価抗原
結合断片が意図される。「単鎖Fv」または「sFv」抗体断片によって、抗体のVHお
よびVLドメインを含む断片が意図され、ここでこれらのドメインは、単一のポリペプチ
ド鎖中に存在する。例えば、参照によって本明細書中に援用される、米国特許第4946
778号、第5260203号、第5455030号、および第5856456号を参照
のこと。一般に、Fvポリペプチドはさらに、抗原結合のためのsFvの所望の構造の形
成を可能にする、VHとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーを含む。sFvの総
説については、The Pharmacology of Monoclonal An
tibodies、113巻、RosenburgおよびMoore編(Springe
r−Verlag、ニューヨーク州)、269〜315頁中のPluckthun(19
94年)を参照のこと。
48巻:552〜554頁(1990年)および米国特許第5514548号に記載され
ている技術を用いて生じた抗体ファージライブラリーから単離することができる。Cla
cksonら(1991年)Nature352巻:624〜628頁およびMarks
ら(1991年)J. Mol. Biol.222巻:581〜597頁は、それぞれ
ファージライブラリーを使用する、ネズミおよびヒト抗体の単離を記載している。その後
の刊行物は、チェーンシャフリング(Marksら(1992年)Bio/Techno
logy10巻:779〜783頁)、ならびに非常に大きなファージライブラリーを構
築するための戦略としてのコンビナトリアル感染およびin vivo組換え(Wate
rhouseら(1993年)Nucleic. Acids Res.21巻:226
5〜2266頁)による高親和性(nM範囲)ヒト抗体の生成を記載している。したがっ
て、これらの技術は、モノクローナル抗体の単離のための伝統的なモノクローナル抗体ハ
イブリドーマ技術に対する、実現性のある代案である。
、インタクトな抗体のタンパク質分解消化によって導かれた(例えば、Morimoto
ら(1992年)Journal of Biochemical and Bioph
ysical Methods24巻:107〜117頁(1992年)およびBren
nanら(1985年)Science229巻:81頁参照)。しかしながら、これら
の断片は、現在、組換え宿主細胞によって直接生成することができる。例えば、抗体断片
は、上述の抗体ファージライブラリーから単離することができる。あるいは、Fab’−
SH断片は、大腸菌(E.coli)から直接回収し、化学的に結合させてF(ab’)
2断片を形成することができる(Carterら(1992年)Bio/Technol
ogy10巻:163〜167頁)。別の手法によると、F(ab’)2断片は、組換え
宿主細胞培養物から直接単離することができる。抗体断片の生成のための他の技術は、当
業者に明らかになろう。
ノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体を意図し、すなわち
、集団を構成する個々の抗体は、少量存在する場合がある、可能性な天然に生じる変異を
除いて同一である。用語は、抗体の種または供給源に関して限定されない。用語は、免疫
グロブリン全体、ならびにFab、F(ab’)2、Fv、および抗体の抗原結合機能を
保持する他のもの等の断片を包含する。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単
一の抗原性部位、すなわち、本明細書中で下記に定義されるようなMCM2タンパク質内
の特定のエピトープを対象とする。さらに、異なる決定基(エピトープ)を対象とする異
なる抗体を典型的に含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物と対照的に、各モノクロー
ナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。装飾成句「モノクローナル」は、実質
的に均質な抗体の集団から得られるような抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗
体の生成を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモ
ノクローナル抗体は、Kohlerら(1975年)Nature256巻:495頁に
最初に記載されたハイブリドーマ方法によって作製されてもよく、または組換えDNA方
法によって作製されてもよい(例えば、米国特許第4816567号参照)。「モノクロ
ーナル抗体」はまた、例えばClacksonら(1991年)Nature352巻:
624〜628頁、Marksら(1991年)J. Mol. Biol.222巻:
581〜597頁、および米国特許第5514548号に記載されている技術を用いて、
ファージ抗体ライブラリーから単離されてもよい。
〜496頁の方法、またはその改変を用いて、調製することができる。典型的には、抗原
を含む溶液でマウスを免疫化する。免疫化は、生理食塩水中の、好ましくはフロイント完
全アジュバント等のアジュバント中の、抗原含有溶液を混合または乳化すること、および
混合物または乳濁液を非経口的に注入することによって、行うことができる。当該分野で
公知の任意の免疫化の方法を用いて、本発明のモノクローナル抗体を得ることができる。
動物の免疫化の後、脾臓(および場合により、いくつかの大きいリンパ節)を取り除き、
単一の細胞に解離させる。細胞懸濁液を、目的の抗原でコーティングしたプレートまたは
ウェルに適用することによって、脾臓細胞をスクリーニングしてもよい。抗原に特異的な
膜結合免疫グロブリンを発現しているB細胞(すなわち、抗体産生細胞)はプレートに結
合し、洗い落とされない。次いで、得られたB細胞、または全ての解離した脾臓細胞を、
骨髄腫細胞と融合してモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを形成するよう誘導し、選
択培地中で培養する。得られた細胞を段階希釈によって播種し、目的の抗原に特異的に結
合する(かつ関連のない抗原に結合しない)抗体の生成についてアッセイする。次いで、
選択されたモノクローナル抗体(mAb)分泌ハイブリドーマを、in vitro(例
えば、組織培養瓶または中空繊維リアクター中)、またはin vivo(マウスにおけ
る腹水として)のいずれかで培養する。モノクローナル抗体はまた、反復免疫化多重部位
技術(RIMMS)を用いて生成することができる。例えば、その全ての全体が参照によ
って本明細書中に援用される、Kilpatrickら(1997年)Hybridom
a16(4)巻:381〜389頁、Wringら(1999年)J. Pharm.
Biomed. Anal.19(5)巻:695〜707頁、およびBynumら(1
999年)Hybridoma18(5)巻:407〜411頁を参照のこと。
5545403号、第5545405号、および第5998144号に開示されているよ
うに、CHO細胞株等の細胞株において抗体を生成することができる。簡潔に述べると、
それぞれ軽鎖および重鎖を発現することができるベクターで細胞株をトランスフェクトす
る。別々のベクター上の2つのタンパク質をトランスフェクトすることによって、キメラ
抗体を生成することができる。別の利点は、抗体の正しいグリコシル化である。モノクロ
ーナル抗体はまた、バイオマーカータンパク質で組換えコンビナトリアル免疫グロブリン
ライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)をスクリーニングし、
それによって、バイオマーカータンパク質に結合する免疫グロブリンライブラリーメンバ
ーを単離することによって、同定および単離することができる。ファージディスプレイラ
イブラリーを生成およびスクリーニングするためのキットは市販されている(例えば、P
harmacia Recombinant Phage Antibody Syst
em、カタログ番号27−9400−01、およびStratagene SurfZA
P(商標)Phage Display Kit、カタログ番号240612)。また、
抗体ディスプレイライブラリーの生成およびスクリーニングにおける使用について特に影
響を受けやすい方法および試薬の例は、例えば、米国特許第5223409号、PCT公
開第WO92/18619号、第WO91/17271号、第WO92/20791号、
第WO92/15679号、第WO93/01288号、第WO92/01047号、第
92/09690号、および第90/02809号、Fuchsら(1991年)Bio
/Technology9巻:1370〜1372頁、Hayら(1992年)Hum.
Antibod. Hybridomas3巻:81〜85頁、Huseら(1989
年)Science246巻:1275〜1281頁、Griffithsら(1993
年)EMBO J.12巻:725〜734頁に見ることができる。
染色に基づいて選択してもよい。すなわち、特定の実施形態において、抗体は、最終的な
試料型(例えば、細胞学調製物)を考慮して、結合特異性について選択される。MCM2
等の、目的の特定のバイオマーカーを対象とする抗体を選択し、複数工程のスクリーニン
グプロセスによって精製する。抗体選択のためのかかる方法は、その全体が参照によって
本明細書中に援用される、2005年3月23日に提出された、「Methods an
d Compositions for the Detection of Cerv
ical Disease」と題された係属中の米国出願第11/087227号に記載
されている。
または「結合特異性」は、抗体に関して使用される場合、抗体が比較抗体と同じまたは同
様の抗原エピトープを認識することを意味する。かかる抗体の例としては、例えば、競合
的結合アッセイにおいて本発明のモノクローナル抗体と競合する抗体が挙げられる。当業
者は、標準的な方法を用いて、抗体が競合的に別の抗体を妨げるかどうかを判定すること
ができる。
、抗原分子の部分が意図される。「MCM2エピトープ」は、MCM2タンパク質の、M
CM2モノクローナル抗体が結合する部分を含む。エピトープは、直鎖状アミノ酸残基(
すなわち、エピトープ内の残基は直鎖状の様式で次々に連続して配置される)、非直鎖状
アミノ酸残基(本明細書中では「非直鎖状エピトープ」と呼ぶ。これらのエピトープは連
続して配置されない)、または直鎖状および非直鎖状アミノ酸残基の両方を含むことがあ
る。典型的には、エピトープは、短いアミノ酸配列、例えば長さ約5アミノ酸である。エ
ピトープを同定するための体系的な技術は当該分野で公知であり、例えば、米国特許第4
708871号中、および下記の実施例に記載されている。簡潔に述べると、ある方法に
おいて、抗原由来の1組の重複しているオリゴペプチドを合成し、各ピンに特有のオリゴ
ペプチドを有するピンの固相配列に結合させる。ピンの配列は、例えばバイオマーカー特
異的モノクローナル抗体に対する結合について、全ての96種のオリゴペプチドを同時に
アッセイすることができる、96ウェルマイクロタイタープレートを含んでもよい。ある
いは、ファージディスプレイペプチドライブラリーキット(New England B
ioLabs)が、現在、エピトープマッピングのために市販されている。これらの方法
を用いて、所定の抗体が結合するエピトープを同定するために、あらゆる可能な連続した
アミノ酸のサブセットに対する結合親和性を判定してもよい。エピトープはまた、エピト
ープ長ペプチド配列を使用して、抗体を得る動物を免疫化する場合、推論によって同定し
てもよい。
されたポリペプチドを包含する。これらのポリペプチドは、モノクローナル抗体に結合す
る抗原(すなわち、MCM2)の一部に対応する。かかるポリペプチドは、MCM2に選
択的に結合する抗体を生成するための方法において使用を提供する。抗体の生成において
ポリペプチドを使用できるかどうかは、本明細書中で「抗原活性」と呼ばれる。例えば、
配列番号3、4、および14に示されるアミノ酸配列(配列番号1に示されるMCM2ア
ミノ酸配列中の、それぞれ残基369〜382、688〜710、および683〜692
に対応する)は、MCM2モノクローナル抗体、より具体的にはモノクローナル抗体27
C5.6および26H6.19によって認識される、エピトープを含む。詳細については
実施例4を参照のこと。元々のポリペプチドの抗原活性を保持する配列番号3、4、およ
び14に示されるMCM2エピトープ配列の変異体および断片もまた、提供される。本発
明はさらに、MCM2エピトープを含むポリペプチドをコードする、単離された核酸分子
、ならびにその変異体および断片を含む。
MCM2に特異的に結合するモノクローナル抗体を生成するための方法において使用する
ことができる。かかるポリペプチドはまた、ポリクローナルMCM2抗体の生成において
使用することができる。例えば、ポリクローナル抗体は、MCM2エピトープ(すなわち
、免疫原)を含むポリペプチドで、適した対象(例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、または
他の哺乳動物)を免疫化することによって調製することができる。免疫化した対象中の抗
体力価は、固定したバイオマーカータンパク質を使用した酵素免疫測定法(ELISA)
を用いる等の標準的な技術によって、経時的にモニタリングすることができる。免疫化の
後の適当な時点、例えば抗体力価が最も高いときに、対象から抗体産生細胞を得て、Ko
hlerおよびMilstein(1975年)Nature256巻:495〜497
頁によって元々記載されたハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Koz
borら(1983年)Immunol. Today4巻:72頁)、EBVハイブリ
ドーマ技術(Monoclonal Antibodies and Cancer T
herapy、ReisfeldおよびSell編(Alan R. Liss, In
c.、ニューヨーク州ニューヨーク)、77〜96頁中のColeら(1985年))ま
たはトリオーマ技術等の標準的な技術によって、使用してモノクローナル抗体を調製する
ことができる。ハイブリドーマを生成するための技術は周知である(一般に、Colig
anら編(1994年)Current Protocols in Immunolo
gy(John Wiley & Sons, Inc.、ニューヨーク州ニューヨーク
)、Galfreら(1977年)Nature266巻:55052頁、Monocl
onal Antibodies: A New Dimension In Biol
ogical Analyses(Plenum Publishing Corp.、
ニューヨーク州中のKenneth(1980年)、およびLerner(1981年)
Yale J. Biol. Med.、54巻:387〜402頁参照)。
トープを含むポリペプチドもまた、本発明に包含される。変異体は、目的の抗体をコード
するクローニングされたDNA配列中の変異によって調製することができる。変異誘発お
よびヌクレオチド配列変化の方法は、当該分野で周知である。例えば、参照によって本明
細書中に援用される、WalkerおよびGaastra編(1983年)Techni
ques in Molecular Biology(MacMillian Pub
lishing Company、ニューヨーク)、Kunkel(1985年)Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA82巻:488〜492頁、Kunk
elら(1987年)Methods Enzymol.154巻:367〜382頁、
Sambrookら(1989年)Molecular Cloning: A Lab
oratory Manual(Cold Spring Harbor、ニューヨーク
)、米国特許第4873192号、およびそこで引用されている参考文献を参照のこと。
目的のポリペプチドの生物学的活性に影響を及ぼさない、適当なアミノ酸置換基に関する
手引きは、参照によって本明細書中に援用される、Atlas of Protein
Sequence and Structure(Natl. Biomed. Res
. Found.、ワシントン,D.C.)中のDayhoffら(1978年)のモデ
ルに見ることができる。あるアミノ酸を、同様の特性を有する別のアミノ酸と交換するこ
と等の、保存的置換が、好ましい場合がある。保存的置換の例としては、
ーカーに対する同様の結合親和性を有し続けるように、修飾が行われる。明らかに、変異
体ポリペプチドをコードするDNA中で行われる任意の変異は、配列をリーディングフレ
ームの外に配置してはならず、好ましくは、二次mRNA構造を生じる可能性のある相補
領域を生じない。欧州特許出願公開第75444号を参照のこと。
たは参照抗体分子の、より短い部分に対して、少なくとも70%または75%配列同一性
、好ましくは少なくとも80%または85%配列同一性、より好ましくは少なくとも90
%、91%、92%、93%、94%または95%配列同一性を有するアミノ酸配列を有
する。より好ましくは、分子は、少なくとも96%、97%、98%または99%配列同
一性を共有する。本発明の目的のために、同一率は、ギャップ開始ペナルティが12、ギ
ャップ延長ペナルティが2、BLOSUM行列が62のアフィンギャップ検索を用いた、
Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムを用いて判定される。Smith
−Waterman相同性検索アルゴリズムは、SmithおよびWaterman(1
981年)Adv. Appl. Math.2巻:482〜489頁に教示されている
。変異体は、例えば、1〜15個のわずかなアミノ酸残基、6〜10個等の1〜10個の
少ないアミノ酸残基、わずか5つ、わずか4、3、2、またはさらには1つのアミノ酸残
基だけ、参照抗体と異なる場合がある。
は、参照アミノ酸配列に関して、さらなるアミノ酸残基または欠失したアミノ酸残基を有
する場合がある。参照アミノ酸配列との比較のために使用される連続したセグメントは、
少なくとも20個の連続したアミノ酸残基を含み、30、40、50個またはそれより多
いアミノ酸残基を含む場合がある。保存的残基置換またはギャップと関連した配列同一性
の補正を行うことができる(Smith−Waterman相同性検索アルゴリズム参照
)。
料中のバイオマーカータンパク質検出を促進してもよい。かかる抗体は、本発明の方法の
実施において使用を提供する。本発明の抗体および抗体断片は、検出可能な物質に結合さ
せて、抗体結合の検出を促進することができる。単語「標識」は、本明細書中で使用され
る場合、「標識」抗体を生じるように抗体に直接または間接的に結合させる、検出可能な
化合物または組成物をいう。標識は、それ自体検出可能(例えば、放射性同位体標識また
は蛍光標識)であるか、または、酵素標識の場合、検出可能である基質化合物もしくは組
成物の化学的変化を触媒してもよい。抗体を標識する目的のための、検出可能な物質の例
としては、種々の酵素、置換基、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、および放射性物質
が挙げられる。適した酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスフ
ァターゼ、β−ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ、適し
た置換基複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチン
が挙げられ、適した蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオ
レセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン
、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンが挙げられ、発光物質の例としてはルミノールが
挙げられ、生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリ
ンが挙げられ、適した放射性物質の例としては、125I、131I、35S、または3
Hが挙げられる。
れる。「キット」によって、MCM2の発現を特異的に検出するための、少なくとも1つ
の試薬、すなわち抗体を含む任意の製造(例えば、包装または容器)が意図される。キッ
トは、本発明の方法を行うための単位として、販売促進、配送、または販売されてもよい
。また、キットは、キットおよびその使用のための方法について記載している包装挿入物
を含んでもよい。
体、抗体結合の検出のための化学物質、対比染色剤、および、場合により、陽性染色細胞
の同定を促進するための青みづけ剤を含む。本発明にキットにおいて、抗原−抗体結合を
検出する任意の化学物質を使用してもよい。いくつかの実施形態において、検出化学物質
は、二次抗体に結合した標識ポリマーを含む。例えば、抗原−抗体結合部位での色原体の
沈殿を触媒する酵素に結合した二次抗体が提供されてもよい。かかる酵素、および抗体結
合の検出においてそれらを使用するための技術は、当該分野で周知である。一実施形態に
おいて、キットは、HRP標識ポリマーに結合した二次抗体を含む。結合した抗体と適合
性のある色原体(例えば、HRP標識二次抗体の場合のDAB)、および非特異的染色を
ブロックするための過酸化水素等の溶液が、さらに提供されてもよい。他の実施形態にお
いて、モノクローナル抗体に結合するマウスプローブ試薬の使用、その後の、マウスプロ
ーブ試薬に結合するHRPに結合したデキストランポリマーの添加によって、バイオマー
カータンパク質への抗体結合が検出される。かかる検出試薬は、例えばBiocare
Medicalから市販されている。
、タンパク質ブロッキング試薬(例えば、精製カゼイン)、および対比染色剤(例えば、
ヘマトキシリン)を含んでもよい。青みづけ剤(例えば、Tween−20およびアジ化
ナトリウムを含む、水酸化アンモニウムまたはTBS、pH7.4)が、キット中でさら
に提供されて、陽性染色細胞の検出を促進してもよい。キットはまた、品質管理目的で、
陽性および陰性対照試料を含んでもよい。
具体的にはモノクローナル抗体27C5.6および26H6.19を含む。2つのMCM
2モノクローナル抗体およびトポイソメラーゼIIα(Topo2A)を対象とする第三
の抗体を含むキットがさらに提供される。キット中に複数の抗体が存在する場合、各抗体
は、個々の試薬として、または、あるいは目的の抗体の全てを含む抗体カクテルとして、
提供されてもよい。さらに、キット試薬のいずれかまたは全ては、密閉容器等の、それら
を外部環境から保護する容器内で提供されてもよい。本発明のキットは、高悪性度子宮頸
疾患の診断において有用であり、パプ染色のための試薬(例えば、EA50およびオレン
ジG)をさらに含んでもよい。
23日に提出された、「Methods and Compositions for
the Detection of Cervical Disease」と題された係
属中の米国出願第11/087227号に開示されているもの等の患者における高悪性度
子宮頸疾患の診断のための方法において使用を提供する。「高悪性度子宮頸疾患を診断す
る」は、例えば、子宮頸疾患の存在を診断または検出すること、疾患の進行をモニタリン
グすること、および高悪性度子宮頸疾患の指標である細胞または試料を同定または検出す
ることを含むよう意図される。用語、高悪性度子宮頸疾患を診断すること、検出すること
、および同定することは、本明細書中で交換可能に使用される。「高悪性度子宮頸疾患」
によって、膣拡大鏡によって前悪性病状、悪性病状、中程度から深刻な異形成、および子
宮頸癌と分類される状態が意図される。基礎にある高悪性度子宮頸疾患としては、CIN
II、CINIII、HSIL、上皮内癌、腺癌、および癌(FIGO I〜IV期)の
組織学的同定が挙げられる。
の核バイオマーカーの過剰発現を検出することを含む。「核バイオマーカー」によって、
細胞の核において主に発現されるタンパク質の任意の遺伝子が意図される。核バイオマー
カーは、細胞の他の部分において、より低い程度発現されてもよい。「高悪性度子宮頸疾
患において選択的に過剰発現される」によって、高悪性度子宮頸疾患において目的の核バ
イオマーカーが過剰発現されるが、いかなる異形成、未成熟な化生細胞も存在しないLS
IL、CINI、HPV感染試料として分類される状態、および臨床的疾患と見なされな
い他の状態においては過剰発現されないことが意図される。したがって、本発明の核バイ
オマーカーの検出によって、基礎にある高悪性度子宮頸疾患の指標である試料の、良性の
増殖、早期HPV感染、または軽度の異形成の指標である試料からの区別が可能になる。
特に重要な核バイオマーカーとしては、MCMタンパク質、特にMCM2、およびTop
o2Aが挙げられる。
とも1つの本発明のMCM2モノクローナル抗体と接触させること、およびMCM2への
抗体の結合を検出することを含む。他の実施形態において、試料を、MCM2に特異的に
結合する少なくとも2つのモノクローナル抗体、具体的にはモノクローナル抗体27C5
.6および26H6.19と接触させる。さらなる実施形態において、試料を、これらの
2つのMCM2モノクローナル抗体、およびTopo2Aに特異的に結合する第三の抗体
と接触させる。抗体結合を検出するための技術は、当該分野で周知である。目的のバイオ
マーカーへの抗体結合は、抗体結合のレベル、およびしたがって、バイオマーカータンパ
ク質発現のレベルに対応する、検出可能なシグナルを発生する、化学的試薬の使用によっ
て検出してもよい。抗体−抗原結合を検出するための任意の方法を用いて、本発明の方法
を行ってもよい。
とができる、子宮頸由来の細胞、組織、または体液の、任意の採取試料をいう。かかる身
体試料の例としては、婦人科学的液体、生検、およびスミアが挙げられるが、これらに限
定されない。子宮頸試料は、例えば領域を擦過もしくは綿棒でふき取ること、または針を
用いて体液を吸引することを含む種々の技術によって、患者から得てもよい。子宮頸試料
を収集するための方法は、当該分野で周知である。特定の実施形態において、子宮頸試料
は、特に液体ベースの調製物中に、子宮頸細胞を含む。一実施形態において、子宮頸試料
は、例えばSurePath(登録商標)(TriPath Imaging,Inc.
)またはThinPrep(登録商標)調製物(CYTYC,Inc.)等の、液体ベー
スの細胞学標本調製ガイドラインに従って収集される。子宮頸試料は、拡大して調べるた
めに、スライドガラスに移してもよい。標本を保存し、調査を促進するために、定着液お
よび染色液をスライドガラス上の細胞に適用してもよい。一実施形態において、子宮頸試
料を収集および処理して、参照によって本明細書中に援用される米国特許第534683
1号に示されるような、単層試料を提供してもよい。
員によって実行することができることを認識するであろう。したがって、子宮頸試料調製
、抗体、および抗体結合の検出の工程は、自動化されてもよい。本発明の方法はまた、従
来のパプ染色技術と組み合わせて、高悪性度子宮頸疾患の、より正確な診断を可能にして
もよい。
(MCM2に対するマウスモノクローナル抗体の生成)
MCM2に特異的なマウスモノクローナル抗体を生成した。抗原(免疫原性ポリペプチ
ド)は、全長組換えヘキサヒスチジン標識MCM2タンパク質であった。バキュロウイル
ス発現系を用いて、Tni細胞中で抗原を発現させた。具体的には、ヘキサヒスチジン標
識MCM2のコード配列(配列番号10)を、Tni細胞中での発現のために、pFas
tBaclプラスミド(Invitrogen)にクローニングした。バキュロウイルス
発現系を用いて組換えタンパク質を生成するための方法は、当該分野で周知である。Ni
+2イオンを負荷したキレート化アガロース(QiagenのNi−NTA)を用いて標
識MCM2タンパク質を精製し、免疫原として使用した。免疫原性MCM2ポリペプチド
のアミノ酸配列を、配列番号11中に提供する。
Nature256巻:495〜496頁に記載されているように行った。溶液中の免疫
原性標識MCM2タンパク質で、マウスを免疫化した。免疫化したマウスから抗体産生細
胞を単離し、骨髄腫細胞と融合させて、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを形成さ
せた。ハイブリドーマを選択培地中で培養した。得られた細胞を段階希釈によって播種し
、MCM2を特異的に結合する(かつ関連のない抗原に結合しない)抗体の生成について
アッセイした。目的のモノクローナル抗体がMCM2タンパク質とのみ反応してヘキサヒ
スチジン標識と反応しなかったことを確かめるために、選択されたハイブリドーマを、M
CM2−FLAG標識タンパク質に対してスクリーニングした。MCM2−FLAGタン
パク質のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を、それぞれ配列番号12および13に示す。
次いで、選択されたモノクローナル抗体(mAb)分泌ハイブリドーマを培養した。
m,Inc.)を用いて、「枯渇した」ハイブリドーマ細胞(すなわち、生存能が0〜1
5%の間に低下するまで増殖した細胞)の培養培地上清から抗体を精製した。低pHとそ
れに続く迅速なpHの中和を用いて、抗体を溶出させた。280nMで相当な吸光度を有
する画分を貯留した。得られた貯留をPBSに透析した。精製された抗体を、さらなる特
徴付けに供した。MCM2モノクローナル抗体26H6.19および27C5.6は、両
方ともIgG1アイソタイプであると判定された。これらの抗体のエピトープマッピング
の詳細を後述する。
(ハイブリドーマ細胞からのモノクローナル抗体の単離)
以下の手順を用いて、ハイブリドーマ細胞からモノクローナル抗体を単離する。
・無菌の1000ml保存瓶に100mlのハイクローンウシ胎仔血清(FBS)を加え
る。
・10mlのMEM非必須アミノ酸溶液を加える。
・10mlのペニシリン−ストレプトマイシン−L−グルタミン溶液を加える。
・ExCell610−HSF培地でおよそ1000mlまで適量にする。
・無菌のキャップを瓶上に置き、きつく締める。穏やかに渦を巻かせて混合する。
・1000mlの無菌酢酸真空フィルターユニット(0.2μm)を真空ポンプシステム
に連結させる。
・無菌酢酸真空フィルターユニットに培地溶液のおよそ半分を穏やかに注ぎ、減圧をオン
にする。
・一旦培地の最初の半分がろ過されると、残った培地をフィルターユニットに注ぎ、ろ過
を続ける。
・全ての培地がろ過された後、真空フィルターユニットから真空ホースを分離し、減圧ポ
ンプをオフにする。フィルター瓶からフィルターユニットの容器部分を取り除く。新しい
無菌の瓶のキャップを瓶上に置く。
・2℃〜10℃で保存する。光から保護する。
・予め温めた37℃のH2O槽でストックハイブリドーマ凍結培養物のバイアルを解凍す
る。
・凍結バイアルの外側に70%エタノールを噴霧する。
・解凍したバイアルを生物学的安全キャビネットに移す。
・凍結バイアルから細胞を取り除き、細胞を15ml遠心チューブに移す。
・7mlの細胞培養培地を、解凍した細胞を含む15ml遠心チューブに滴下する。
・解凍した細胞および培養培地を含む15ml遠心チューブを5分間200gの力で遠心
分離する。
・細胞を遠心分離している間に、45mlの細胞培養培地を無菌のT−225フラスコに
加える。
・遠心分離の後、細胞ペレットの存在について、チューブを目視検査する。
・細胞ペレットを押しのけないように注意しながら、遠心チューブから培地を除去する。
注意:細胞ペレットがかき乱された場合、遠心分離工程を繰り返す。
・5mlの細胞培養培地を、ペレット化した細胞を含む15ml遠心チューブに加える。
ピペットで移して細胞ペレットを培地に再懸濁する。
・再懸濁した細胞および培養培地の内容物全体を、45mlの培地を含むT−225フラ
スコに移す。
・T−225フラスコにキャップをする。
・インタクトな細胞の存在について顕微鏡下で観察する。T−225フラスコを直ちにC
O2インキュベータに置き、細胞を一晩インキュベートさせた。
・細胞培養物を、生存能、濃度、および混入の存在についてモニタリングし続ける。
・最初のT−225フラスコの細胞懸濁液を、濃度がおよそ600000個の細胞/ml
〜800000個の細胞/mlおよび合計200〜250mlの培地になるまでモニタリ
ングおよび調節する。
・細胞を押しのけ、最小細胞密度要件を満たすように、必要に応じてさらなる培地を加え
る。細胞懸濁液を分割して、1つの新しい無菌のT−225フラスコに移す。2×T−2
25フラスコをCO2インキュベータに入れる。
・濃度がおよそ600000個の細胞/ml〜800000個の細胞/ml、および各フ
ラスコについて合計200〜250mlの間の培地になるまで、2×T−225フラスコ
の細胞をモニタリングする。
・細胞を押しのけ、最小細胞密度要件を満たすように、必要に応じてさらなる培地を加え
る。細胞懸濁液を分割して、合計4×T−225フラスコの2つの新しい無菌のT−22
5フラスコに移す。全てのフラスコをCO2インキュベータに戻す。
・細胞をモニタリングし、細胞濃度がT−225フラスコ当たりおよそ250mlの総体
積(または合計およそ1000ml)でおよそ600000個の細胞/ml〜80000
0個の細胞/mlになるまで、4×T−225フラスコ中で体積を調節する。
・0%〜15%の最終的な生存能で細胞が枯渇するまで増殖するまで、4×T−225フ
ラスコの細胞をモニタリングし続ける。ここで、細胞培養物上清は、清澄工程の準備がで
きている。
・卓上遠心分離機をオンにする。500mlチューブアダプタをローターバスケットに入
れ、蓋を閉めて温度を4℃±4℃に設定する。
・無菌的技術を用いて、ここで枯渇している4つ全てのT−225フラスコから、2×5
00mlコニカル遠心チューブに培地を注ぐ。
・2×500mlは釣り合いが取れていることを確認する。釣り合わせる必要があれば、
上清を一方のチューブから他方のチューブに移す。
・枯渇した上清を1350g(±40g)で15分間、2℃〜10℃で遠心分離する。
・遠心分離が完了した後、上清を無菌の1000ml保存瓶に無菌的に傾瀉し、無菌のキ
ャップを締める。
・1mlを無菌的にマイクロ遠心チューブに移す。マイクロ遠心チューブを試料とともに
2℃〜10℃で保存する(光から保護する)。
・清澄させた上清試料は、Easy−Titer(登録商標)アッセイを用いたIgG評
価の準備ができている。
(結合バッファー)
・およそ600mlのDI H2Oを清潔なビーカーに加える。
・77.28mlのホウ酸溶液(4%W/V)を加える。清潔な撹拌棒で、室温で撹拌す
る。
・233.76gの塩化ナトリウムを計り、撹拌し続けながら溶液に入れる。
・DI H2Oで溶液をおよそ950mlにし、撹拌し続ける。
・塩化ナトリウムが溶解し、溶液が透明になったら、水酸化ナトリウムでpHを9.0±
0.2に調節する。
・溶液を清潔な1000mlメスシリンダーに移し、DI H2Oで1000mlまで適
量にする。
・完了したバッファーを適切な保存瓶に移す。このバッファーは、使用前に7日間まで保
存してもよい。
・このプロセス全体を繰り返して、さらなる0.2l〜1.0lの結合バッファーを調製
する。
・1.725gの一塩基のリン酸ナトリウムを計り、清潔な撹拌棒を有する清潔な250
mlビーカーに入れる。
・3.676gのクエン酸ナトリウムを計り、同じ清潔な250mlビーカーに入れる。
・およそ175mlのDI H2Oを加え、溶解するまで室温で撹拌する。
・4.38gの塩化ナトリウムを計り、撹拌し続けながら溶液に入れる。
・溶液をDI H2Oでおよそ225mlにし、撹拌し続ける。
・塩化ナトリウムが溶解して溶液が透明になったら、塩酸でpHを3.5±0.2に調節
する。
・溶液を清潔な250mlメスシリンダーに移し、DI H2Oで250mlまで適量に
する。
・500ml無菌酢酸真空フィルターユニット(0.2μm)を減圧ポンプシステムに連
結し、溶液をろ過滅菌する。
・フィルターを取り除き、無菌のキャップで容器を閉める。
・清澄させた上清(約1L)を、清潔な撹拌棒を有する清潔な4000mlプラスチック
ビーカーに注ぐ。
・およそ等量(約1L)の結合バッファーを、清澄させた上清を含む清潔な4000ml
プラスチックビーカーに加える。清潔な撹拌棒を加える。
・清潔なラップでビーカーを覆い、「抗体結合」と貼り紙をする。
・表1のデータを用いて、必要なSTREAMLINE(登録商標)プロテインAのおよ
その量を計算する。
する。バルブを閉める。
・瓶を数回逆さにすることによって、適切な量のSTREAMLINEプロテインAビー
ズを混合する。必要な体積を抜き取り、使い捨てカラムに入れる。
・10mlのDI H2OでSTREAMLINEプロテインAビーズを洗浄する。バル
ブを開き、DI H2Oを排出させる。バルブを閉める。さらなる10mlのDI H2
Oで繰り返す。
・10mlの結合バッファーでSTREAMLINEプロテインAビーズを洗浄する。バ
ルブを開き、結合バッファーを排出させる。バルブを閉める。さらなる10mlの結合バ
ッファーで繰り返す。
・STREAMLINEプロテインAビーズを約10mlの清澄させた上清および結合バ
ッファー溶液(4000mlビーカーから)に再懸濁し、ビーズを、清澄させた上清およ
び結合バッファー溶液を含む4000mlビーカーに移す。必要に応じて繰り返して、い
かなる残ったビーズも移す。完了したら、カラムおよびバルブを廃棄する。
・2℃〜10℃でおよそ18時間、混合物を活発に混合させる。
・混合が完了したら、撹拌プレートをオフにし、緩衝された上清およびビーズ懸濁液を含
む「抗体結合」ビーカーを実験台領域に戻す。STREAMLINEプロテインAビーズ
をビーカーの底に沈殿させる(およそ5分間)。
・清潔な使い捨てカラムおよびバルブ組み立て品をリングスタンドおよびクランプに固定
する。バルブを閉める。
・清潔な250ml瓶または適した容器に「カラム洗浄液−結合後」と貼り紙をする。
・清潔なプラスチックビーカーに「上清−結合後」と貼り紙をする。
・4000mlビーカーから、清潔な、貼り紙をした2lプラスチックビーカーに、上清
を傾瀉し、4000mlビーカーの底にビーズを残す。「上清−結合後」溶液を含む20
00mlビーカーを、清潔なラップで覆い、2℃〜10℃で保存する。
・およそ15mlの結合バッファーを、傾瀉した4000ml「抗体結合」ビーカーに加
える。STREAMLINEプロテインAビーズを再懸濁し、それらをカラムに移す。バ
ルブを開き、結合バッファーを「カラム洗浄液−結合後」容器に排出させる。排出すると
きにバルブを閉める。
・さらなる結合バッファーを加えること、混合すること、および先立つ工程のようにカラ
ムに移すことによって、「抗体結合」ビーカー中のいかなる残ったSTREAMLINE
プロテインAビーズも移す。排出するときにバルブを閉める。
・表2のデータを用いて、カラム中のSTREAMLINEプロテインAビーズを洗浄す
るのに必要な結合バッファーのおよその量を計算する。
プロテインAビーズを洗浄し、「カラム洗浄液−結合後」容器に流出液を収集し続ける。
・完了したら、バルブを閉める。「カラム洗浄液−結合後」容器を2℃〜10℃で保存す
る。
・表3から、カラム中のSTREAMLINEプロテインAビーズを溶出させるのに必要
な溶出バッファーおよび中和バッファーの総体積を判定する。
・画分当たりに必要な、適切な体積の中和バッファー(上述の表「C」から判定する)を
、9つの「溶出抗体」画分チューブのそれぞれに入れ、カラムバルブ流出口下にしっかり
と置く。
・中和バッファーを含む「溶出抗体」チューブのそれぞれに溶出液を収集しながら、画分
当たりに必要な、適切な体積の溶出バッファー(上述の表3から判定する)で、画分ごと
にカラム中のSTREAMLINEプロテインAビーズを溶出させる。
・溶出が完了したら、数回渦を巻かせることによって、各「溶出抗体」画分チューブを穏
やかに混合する。およそ50μlの画分#3を取り除き、pH試験紙片上に置いて、溶出
液がおよそpH6.5〜8.5の間に中和されていることを確実にする。必要な場合、p
Hを範囲内にするのに必要な場合、さらなる中和バッファーまたは溶出バッファーを加え
る。
・pH評価が完了したら、280nm〜400nmで各画分の試料の吸光度スキャンを行
って、透析プロセスへの進行の前に、溶出液中のIgGのおよその濃度を判定する。
け入れる。
け入れない。
・無菌コニカル遠心チューブに「溶出抗体」、「溶出液貯留」と貼り紙をし、貯留の一部
として受け入れられた全ての画分を合わせる。
・溶出貯留の試料の吸光度スキャンを行って、透析プロセスへの進行の前に、溶出液中の
IgGのおよその濃度を判定する。
・溶出液貯留の体積を評価し、IgGのおよその総mgを計算する。
・溶出液貯留の体積:_ml×_IgG mg/ml=IgGの_総mg
(抗体透析)
・「溶出抗体」チューブを2℃から10℃に移す。
・溶出液のおよその体積および表4のデータを用いて、抗体溶出液を透析するのに必要な
透析管系のおよその長さを計算する。
生セルロース膜、12000〜14000ダルトン分子量カットオフ(MWCO)、16
mm直径、Spectrum Laboratories Inc.、カタログ番号13
2678)
・透析膜管系を1000mlのDIH2O中で30分より長い間水和する。
・表5のデータを用いて、抗体溶出液を透析するのに必要な透析バッファーのおよその体
積を計算する。
ーに「透析抗体」と貼り紙をする。清潔な撹拌棒を加え、ビーカーを2℃〜10℃で冷蔵
庫または低温室内の撹拌プレートに置く。
・透析管系をDI−H2O中で徹底的にすすぐ。2つの末端の結び目を透析管系の一端か
らおよそ7cmで結びつけ、透析管系をしっかりと固定する。
・およそ5mlのDI−H2Oを透析管系に加える。
・透析管系に、「溶出抗体」収集チューブの溶出抗体を充填する。
・2つの末端の結び目を、透析管系の残った開放端から7cmで結びつけ、しっかりと固
定する。上部空間が、およそ表4から導かれるものであることを確実にする。
・充填し、閉鎖した透析管系を、適切な体積の1×PBS(表5から)を含む透析貯蔵器
に入れる。
・清潔なラップでビーカーを覆う。透析試料が自由に回転するが透析物の渦に引き下ろさ
れないように、撹拌プレート上で速度を調節する。透析は、合計24時間の期間中3回の
バッファー交換ありで、2℃〜10℃で起こるべきである。
・無菌収集チューブに「透析抗体」と貼り紙をする。
・透析した試料管系を透析ビーカーから取り除く。一端で透析管系を切開し、透析した試
料を「透析抗体」遠心チューブに移す。
・別の無菌収集チューブに「透析抗体」と貼り紙をする。
・最終的な透析された体積を保持するのに十分な容量を有する無菌のLuer Lok注
射器を選択する。
・Acrodisc(登録商標)注射器フィルターを、注射器の開口部に取り付ける(0
.2μm HT Tuffryn(登録商標)膜、低タンパク質結合、Gelman L
aboratories、カタログ番号4192)。注射器からプランジャを取り除き、
注射器を直立して保持しながら、透析したモノクローナル抗体を「透析抗体」チューブか
ら注射器に移す。プランジャを戻す。
・Acrodisc(登録商標)注射器フィルターを、開放した無菌の、張り紙をした「
透析抗体」収集チューブ上に保持し、注射器プランジャを押し下げて、精製された抗体を
「精製抗体」チューブにろ過する。
・ろ過が完了したら、「精製抗体」チューブにキャップをし、2℃〜10℃で保存する。
・A280手順を用いて、精製されたモノクローナル抗体の濃度を判定する。
(エピトープマッピングの一般的方法)
(一般的手法)
エピトープマッピングを行って、特定のモノクローナル抗体によって認識される抗原性
タンパク質(すなわち、エピトープ)内の直鎖状アミノ酸配列を同定する。エピトープマ
ッピングのための一般的な手法は、一般的に異種発現系において、全長タンパク質、なら
びにタンパク質の種々の断片(すなわち、トランケートされた形態)の発現を必要とする
。次いで、これらの種々の組換えタンパク質を用いて、特定のモノクローナル抗体が1つ
または複数のトランケートされた形態の標的タンパク質に結合することができるかどうか
を判定する。繰り返すトランケーションの使用および重複するアミノ酸領域を有する組換
えタンパク質の生成によって、調査中のモノクローナル抗体によって認識される領域を同
定することが可能である。ウエスタンブロット分析またはELISAを採用して、調査中
の特定のモノクローナル抗体が1つまたは複数の組換えタンパク質断片を結合することが
できるかどうかを判定する。この手法は、エピトープを含むペプチド領域を最終的に同定
し、いくつかの場合において、エピトープを正確に8〜11アミノ酸配列にさらに精密に
することができる。
エピトープマッピングの最初の工程は、ネステッド遺伝子トランケーションの設計であ
る。頻繁に、さらなる分析のために、遺伝子は4つの等しい部分に分割される。
一般的なクローニング戦略は、PCRベースのクローン化された遺伝子断片の生成で始
まる。クローン化断片を効率的に発現させるために、特に小さいアミノ酸領域を使用する
場合、クローン化断片は融合タンパク質として、すなわち、系において安定して発現され
る別の担体タンパク質に融合されて、発現される。緑色蛍光タンパク質(GFP)は、担
体タンパク質として頻繁に使用される。GFPは、融合パートナーの一部として含まれて
トランケーション断片を安定化させ、その後のin vitroタンパク質発現工程の間
に発現を向上させる。GFPはまた、抗GFP抗体を用いた融合タンパク質発現の追跡を
可能にする。
へのプラスミドクローニングの使用によって、GFP−タンパク質構築物を作製するため
のクローニングを行う。一般に、トランケーション断片を、GFP、およびメガプライミ
ングと呼ばれる技術を用いたタンパク質発現に必要な制御配列に融合させる。
アニーリングした一本鎖DNAを熱安定性DNAポリメラーゼで伸長させることによる、
2つ以上のDNA断片の結合である。このプロセスによって、2つ以上の、より小さい断
片から、それらの共有する配列によってそれらを連結して、1つの大きなDNA断片が生
じる。次いで、大きな断片を、標準的PCRを用いて増幅する。
タンパク質発現制御配列を含むプラスミドにクローニングすることができる。このクロー
ニングによって、エピトープマッピングに必要なGFP/断片融合が生じる。次いで、残
りのプロトコルを後述のように進めることができる。
次いで、例えばメガプライミングによって作製される、発現構築物を、ラピッドトラン
スレーションシステム(RTS)に導入する。RTSは、大腸菌(E.coli)溶解物
由来の、無細胞タンパク質発現系である。この系によって、DNA鋳型からのタンパク質
の迅速な(3〜4時間)発現が可能になる。
Pタンパク質発現プラスミドにクローニングする。次いで、これらの融合プラスミドを、
タンパク質発現のために最適化された大腸菌(E.coli)株に形質転換する。タンパ
ク質発現を、増殖している細菌の培養物中に誘導し、生長の後、細胞を溶解させる。次い
で、複雑な細胞溶解物中のタンパク質を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE
)によって分離し、残りのプロトコルは以下と同じである。
RTSによって生成されたタンパク質断片を、PAGEを用いて分離し、ニトロセルロ
ース膜に移す。次いで、膜結合タンパク質を、溶液中で、調査中の抗体に曝露する。抗体
/タンパク質結合を、当該分野で公知の比色技術を用いて同定する。
体結合は、陽性の結果を構成する。タンパク質の特定の部分がないことによって抗体結合
が排除される場合、エピトープはこの断片上にある。
場合、例えばELISAまたは免疫沈降等の、抗体/タンパク質相互作用を検出するため
の代替的方法が用いられる。抗体/タンパク質相互作用を検出するための方法は、当該分
野で周知である。
上述のプロトコルは、エピトープの位置選定をタンパク質のおよそ4分の1まで狭くす
るだけなので、エピトープの位置選定をさらに分析するために、エピトープを含むと判定
された4分の1のタンパク質に関するプロセスを繰り返す必要がある。非常に大きなタン
パク質については、このプロセスを2〜3回繰り返して、8〜15アミノ酸までエピトー
プを狭める必要がある場合がある。
(MCM2モノクローナル抗体27C5.6および26H6.19についてのエピトー
プの特徴付け)
本質的に実施例3に記載されているように、MCM2モノクローナル抗体27C5.6
および26H6.19についてのエピトープマッピングを行った。具体的には、PCRを
用いて、MCM2遺伝子トランケーションを作製し、それに続くRTSによって組換えM
CM2タンパク質断片を生成し、最後にウエスタンブロッティングによってMCM2への
抗体結合を検出した。2回目のPCRにおいてGFPをMCM2遺伝子トランケーション
と結合させて、RTSにおける確固として安定した発現を確実にした。
イズを有する。しかしながら、組換えMCM2タンパク質の発現に使用され、MCM2抗
体の生成の間にマウスの免疫化に使用されたcDNAは、2688bpの遺伝子サイズを
有した(配列番号5)。使用した、トランケートされたMCM2 cDNAは、MCM2
タンパク質の5’末端を欠く27bp領域、具体的には断片
する必要があるので、遺伝子を、およそ400bpの6つの領域[1〜6]に等分した。
2回目のPCRサイクルの間のメガプライミングを可能にする相同な配列およびpScr
een−GFPプラスミドへのサブクローニングの第二の選択肢のための制限酵素認識部
位を含む、重複する配列を、第一のPCRの間に目的の遺伝子に付加する。1回目のPC
Rによって、以下のものを含むトランケートされたMCM2ヌクレオチド配列(配列番号
5)の断片が生じた。領域[1]は1〜426bpであり、領域[1〜2]は1〜888
bpであり、領域[1〜3]は1〜1377bpであり、領域[1〜4]は1〜1845
bpであり、領域[1〜5]は1〜2241bpであり、領域[1〜6]は1〜2688
bpであり、最後に、領域[2〜6]は427〜2688bpであった。個々の領域(例
領域[5])は発現されず、領域間の連結配列中に存在した、欠けているエピトープが防
がれた。
、pSCREEN−GFP(BamH1−Xho1)にサブクローニングした。成功しな
かった唯一のトランケーションは、全長領域[1〜6]であった。全長遺伝子の増幅に使
用した元々のプライマー、およびトランケーションを、操作して制限酵素認識部位(5’
末端BAMH1、3’末端XHO1)に含めて、pSCREEN−GFPへの直接のサブ
クローニングを可能にした。
けるタンパク質生成のための鋳型として、作製したGFP−遺伝子融合を用いた。RTS
からのタンパク質生成物をアセトン沈殿させ、変性ポリアクリルアミドゲルに直接ロード
し、ウエスタンブロッティングによって分析した。ウエスタンブロットを、27C5.6
モノクローナル抗体およびGFP抗体で直接プローブした。
の両方でプローブした。領域[1〜3]で陽性のバンドを検出した。領域[1〜3]によ
って包含される断片を開始配列として用いて、上述のプロセスを繰り返した。
最初の結果から、MCM2モノクローナル抗体27C5.6のエピトープは、MCM2
タンパク質のN末端領域内に位置していることが示された。引き続きのMCM2タンパク
質のトランケーションから、27C5.6によって認識されるエピトープが、具体的には
配列番号1のアミノ酸残基369〜382(
ープを同定した。最初の結果から、エピトープがMCM2タンパク質のC末端領域内に位
置することが示された。エピトープを、具体的には配列番号1のアミノ酸残基688〜7
10(
Claims (20)
- MCM2に特異的に結合することができるモノクローナル抗体またはその抗原結合断片であって、該モノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、以下:
(a)ATCCに特許受託番号PTA−6668として寄託されているハイブリドーマ細胞株27C5.6によって産生されるモノクローナル抗体、
(b)ATCCに特許受託番号PTA−6667として寄託されているハイブリドーマ細胞株26H6.19によって産生されるモノクローナル抗体、
(c)(a)のモノクローナル抗体の6つの相補性決定領域を含むモノクローナル抗体であって、(a)のモノクローナル抗体と同様の結合親和性を有するモノクローナル抗体、
(d)(b)のモノクローナル抗体の6つの相補性決定領域を含むモノクローナル抗体であって、(b)のモノクローナル抗体と同様の結合親和性を有するモノクローナル抗体、
(e)(a)〜(d)のモノクローナル抗体の抗原結合断片であって、断片がMCM2に特異的に結合する能力を維持している、抗原結合断片、
からなる群から選択される、モノクローナル抗体またはその抗原結合断片。 - ATCCに特許受託番号PTA−6668として寄託されているハイブリドーマ細胞株27C5.6によって産生されるモノクローナル抗体。
- ATCCに特許受託番号PTA−6667として寄託されているハイブリドーマ細胞株26H6.19によって産生されるモノクローナル抗体。
- ATCCに特許受託番号PTA−6668として寄託されている、ハイブリドーマ細胞株27C5.6。
- ATCCに特許受託番号PTA−6667として寄託されている、ハイブリドーマ細胞株26H6.19。
- 請求項1に記載のモノクローナル抗体を産生することができる、ハイブリドーマ細胞株。
- 少なくとも1つの請求項1に記載のモノクローナル抗体を含む、高悪性度子宮頸疾患を診断するためのキット。
- モノクローナル抗体が、ATCCに特許受託番号PTA−6668として寄託されているハイブリドーマ細胞株27C5.6によって産生されるモノクローナル抗体、またはATCCに特許受託番号PTA−6667として寄託されているハイブリドーマ細胞株26H6.19によって産生されるモノクローナル抗体である、請求項7に記載のキット。
- 少なくとも2つの抗体を含み、第一の抗体が、ATCCに特許受託番号PTA−6668として寄託されているハイブリドーマ細胞株27C5.6によって産生されるモノクローナル抗体であり、第二の抗体が、ATCCに特許受託番号PTA−6667として寄託されているハイブリドーマ細胞株26H6.19によって産生されるモノクローナル抗体である、請求項7に記載のキット。
- Topo2Aに特異的に結合する抗体をさらに含む、請求項9に記載のキット。
- 各抗体が別々の抗体試薬として提供される、請求項9に記載のキット。
- 抗体の全てが抗体カクテルとして提供される、請求項9に記載のキット。
- 前記キットがペルオキシダーゼブロッキング試薬、タンパク質ブロッキング試薬、MCM2への抗体結合を検出するための化学物質、対比染色剤、青みづけ剤、および使用のための手引きをさらに含む、請求項7に記載のキット。
- パプ染色のための試薬をさらに含む、請求項7に記載のキット。
- パプ染色のための試薬がEA50およびオレンジGを含む、請求項14に記載のキット。
- a)患者から得られた子宮頸試料と、MCM2に特異的に結合する少なくとも1つの請求項1に記載のモノクローナル抗体とを接触させること、および
b)MCM2への抗体の結合を検出すること
を含む、患者における高悪性度子宮頸疾患の診断のために、子宮頸試料におけるMCM2の発現を検出する方法。 - モノクローナル抗体が、ATCCに特許受託番号PTA−6668として寄託されているハイブリドーマ細胞株27C5.6によって産生されるモノクローナル抗体、またはATCCに特許受託番号PTA−6667として寄託されているハイブリドーマ細胞株26H6.19によって産生されるモノクローナル抗体である、請求項16に記載の方法。
- 試料と、MCM2に特異的に結合する少なくとも2つのモノクローナル抗体とを接触させることを含み、第一の抗体が、ATCCに特許受託番号PTA−6668として寄託されているハイブリドーマ細胞株27C5.6によって産生されるモノクローナル抗体であり、第二の抗体が、ATCCに特許受託番号PTA−6667として寄託されているハイブリドーマ細胞株26H6.19によって産生されるモノクローナル抗体である、請求項16に記載の方法。
- 試料と、Topo2Aに特異的に結合する抗体とを接触させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
- 抗体と試料とを、個々の抗体試薬として連続的に、または抗体カクテルとして同時に接触させる、請求項18に記載の方法。
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