JP5771446B2 - 成形材料およびその製造に使用するための添加剤 - Google Patents

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Description

本発明は、成形材料および当該成形材料の製造に使用するための添加剤に関する。
近年、床板、手すり、柵および外壁などの建築部材として、木工品に類似した質感を与える複合樹脂成形品が用いられている。そのような成形品は、特許文献1に記載されているように、例えば、建築廃材または木屑から得られる木質系材料とポリオレフィン系樹脂組成物とを含んだ成形材料から製造される。
この成形品の製造に使用する成形材料には、金属石鹸を含有させることにより、滑性を付与することがある。例えば、特許文献2には、成形材料に塩基性金属石鹸を含有させることにより滑性を付与し、優れた成形加工性を達成することが記載されている。
特開平11−158294号公報 特開2002−138170号公報
上述した複合樹脂成形品の製造においては、環境保護の観点から、成形材料の原料の一部として、使用済みのプラスチック成形品から得られる樹脂を使用することが望ましい。本発明者らは、使用済みプラスチック成形品から得られる樹脂を原料の一部として用いた場合、新品原料を用いた場合と比較して、成形材料の加工性が劣るという問題があることを見出した。
従って、本発明の目的は、使用済みのプラスチック成形品から得られた樹脂を用いて、優れた品質の成形品を製造することのできる成形材料および当該成形材料の製造に使用するための添加剤を提供することにある。
本発明の第1側面によると、使用済みのプラスチック成形品から得られ、ポリエチレンとポリプロピレンとを含んだ40質量部の樹脂と、4乃至60質量部の木粉と、5乃至40質量部の層状鉱物と、0.5乃至5質量部の金属石鹸とを含み、前記層状鉱物の吸油量が100g当たり20ml以上であり、前記金属石鹸は12−ヒドロキシステアリン酸金属塩である成形材料が提供される。
本発明の第2側面によると、当該成形材料の製造に使用するための添加剤であって、5乃至40質量部の層状鉱物と、0.5乃至5質量部の金属石鹸とを含み、前記層状鉱物の吸油量が100g当たり20ml以上であり、前記金属石鹸は12−ヒドロキシステアリン酸金属塩である添加剤が提供される。
本発明によると、使用済みのプラスチック成形品から得られた樹脂を用いて、優れた品質の成形品を製造することのできる成形材料、および当該成形材料の製造に使用するための添加剤が提供される。
本発明の一実施形態に係る成形材料は、使用済みのプラスチック成形品から得られ、ポリエチレンとポリプロピレンとを含んだ40質量部の樹脂と、4乃至60質量部の木粉と、5乃至40質量部の層状鉱物と、0.5乃至5質量部の金属石鹸とを含んだ成形材料であって、前記層状鉱物の吸油量が100g当たり20ml以上であることを特徴とする。
当該成形材料を用い、以下の手順に従って成形品を得ることができる。
(1)まず、使用済みのプラスチック成形品から得た樹脂を準備する。
使用済みのプラスチック成形品から得た樹脂は、例えば、以下の方法により得られたプラスチック樹脂である。
プラスチックには、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の多種類の樹脂が存在する。使用済みのプラスチック成形品は、樹脂の種類別に回収することもあるが、樹脂の種類が異なるプラスチック成形品が混在した状態で回収することも多い。また、プラスチック成形品の寸法は様々であるのに加え、使用済みのプラスチック成形品には汚れが付着していることがある。そのため、そのリサイクルに際しては、前処理が必要となることもある。
前処理は、例えば、(a)切断・破砕・粉砕、(b)分離・分別、(c)洗浄、および(d)脱水・乾燥の1以上の段階を含む。
必要に応じて上記の前処理を行った後、使用済みプラスチック成形品又は小片を、単純再生または複合再生によりリサイクルする。
単純再生では、同一の樹脂からなる使用済みプラスチック成形品又は小片を、例えば、粉砕または破砕によってプラスチック原料として再生する。あるいは、同一の樹脂からなる使用済みプラスチックを溶融、成形および切断することにより再生する。
複合再生では、樹脂の種類が異なる複数のプラスチック成形品又は小片を混合、溶融、成形および切断することにより原料として再生する。
上記再生のいずれかの段階において、充填剤、安定剤、助剤および顔料等を添加してもよい。
このようにして得られるリサイクルプラスチックの形状は特に限定されず、粉末状、ビーズ状、ペレット状などである。なお、以下の説明では、簡略化のため、リサイクルプラスチックはペレットの形態にあることとする。
ここで使用するリサイクルプラスチックは、ポリプロピレン(以下、PPという)およびポリエチレン(以下、PEという)を含んだ樹脂である。このリサイクルプラスチックは、他の成分、例えばポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂および/またはポリカーボネート樹脂など、前処理によって除去仕切れなかった樹脂ならびに不純物をさらに含んでいてもよい。なお、ここで言う「不純物」は、例えば、上記再生段階で添加した成分や、使用済みのプラスチック成形品が最初から含んでいた充填剤、安定剤、助剤および顔料等である。
一例によれば、リサイクルプラスチックは、リサイクルPPリッチペレットである。リサイクルPPリッチペレットは、使用済みプラスチック成形品から上述の方法により得られた樹脂成形品であって、ポリプロピレンを主成分として含んでいる。リサイクルPPリッチペレットは、ポリプロピレンを、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上の濃度で含み、ポリエチレン、その他の樹脂および不純物等を、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下の濃度でさらに含み得る。
他の例によれば、リサイクルプラスチックは、リサイクルPEリッチペレットである。リサイクルPEリッチペレットは、使用済みプラスチック成形品から上述の方法により得られた樹脂成形品であって、ポリエチレンを主成分として含んでいる。リサイクルPEリッチペレットは、ポリエチレンを、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上の濃度で含み、ポリプロピレン、その他の樹脂および不純物等を、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下の濃度でさらに含み得る。
このように、リサイクルプラスチックは、新品のプラスチックとは異なり、様々な成分を含んでいる。
プラスチックの流動性を表す指標として、JIS K7210に準拠して測定されるメルトフローレート(Melt flow rate (以下、「MFR」という。))が挙げられる。一般にMFRの値は、樹脂の種類やグレードによって異なる。新品のプラスチックの場合、種類やグレードに応じて、例えば1〜60g/10minのMFRを有する。一方、リサイクルプラスチックの場合、そこに含まれている使用済みプラスチックの種類、グレードおよび量ならびに不純物等に応じて、MFRは異なった値を示す。具体的には、新品のプラスチックを原料として使用する場合、特定のMFR値を有するプラスチックを入手することができるため、そのMFR値に適した成形材料の配合を決定すれば、それ以降はその配合に従うことで優れた品質の成形品を得ることができる。一方、リサイクルプラスチックについては、特定のMFR値を有するもののみを得ることは難しい。そのため、新品プラスチックを使用する場合のように、毎回同じ配合を用いたのでは、優れた品質の成形品を得ることができない可能性がある。また、その都度、リサイクルプラスチックのMFR値に応じた配合を決定することは、現実的ではない。このような事情が、リサイクルプラスチックを用いた成形材料の加工性が劣る一つの原因である。
(2)準備したリサイクルプラスチックと滑剤とを溶融混練し、溶融混練物を得る。
滑剤は、公知の滑剤が使用できる。例えば、エチレンビスステアリン酸アミドが一般的である。エチレンビスステアリン酸アミドに加えて、またはその代わりに、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドまたはそれらの2種以上の混合物を用いてもよい。
(3)得られた溶融混練物に木粉および添加剤を加え、さらに溶融混練し、その後、所望の形状を有する成形品に成形する。
木粉は、未使用の木材から得られた木粉、または廃材などから得られたリサイクル木粉でもよい。コストおよび環境保護の観点から、木粉はリサイクル木粉が好ましい。リサイクル木粉は、建築廃材および木屑などの廃木材から破砕および/または粉砕して得られるものであってよい。
木粉をプラスチック樹脂に混合することにより、所望の木様の質感、例えば、手触りおよび外観を有する成形品を得ることができる。木粉は、いかなる大きさであってもよいが、好ましくは28メッシュの篩を全通するものである。木粉の大きさが28メッシュよりも大きい場合、分散および表面特性が悪くなる。
木粉は、ペレット40質量部に対して4乃至60質量部、好ましくは10乃至40質量の割合で添加される。木粉の添加量が4質量部未満の場合、木様の質感を有する成形品を得ることができない。60質量部を超える場合、成形品における木粉の分散性が低下する。
添加剤は、層状鉱物と金属石鹸とを含む。
ここで、層状鉱物は、層状構造を有する鉱物である。用いられる層状鉱物は、吸油量が100g当たり20ml以上の層状鉱物である。なお、吸油量はJIS K5101−13に準拠して測定した値である。成形材料が、100g当たり20ml以上の吸油量を有する層状鉱物を含んでいることにより、成形材料が含んでいる各成分の分散性を向上させるとともに、成形材料に望ましい流動性を付与することができる。層状鉱物の吸油量が、100g当たり20ml未満の場合は、分散性が低下する。層状鉱物の吸油量の上限は特にないが、例えば100g当たり150mlである。100g当たり150mlを超えるとハンドリング性が悪くなる。層状鉱物は、例えば、タルク、カオリン、緑泥石であり、好ましくは、タルクである。
層状鉱物は、成形材料中において、ペレット40質量部に対して5乃至40質量部、好ましくは10乃至40質量部の割合で含まれる。層状鉱物の量を5質量部未満とすると、分散性および離型性が低下する。40質量部を超える場合は、成形品が割れなどを生じ、品質が低下する。
金属石鹸は、例えば金属と、炭素数が12乃至30の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸との塩である。この飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、パルミトオレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸およびモンタン酸などの直鎖または分岐鎖状炭化水素基とからなるモノカルボン酸を使用することができる。
金属石鹸としては、12−ヒドロキシステアリン酸塩を用いることが有効である。12−ヒドロキシステアリン酸塩は、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛である。また、これらのうちの2種類以上を用いてもよい。
金属石鹸は、成形材料中において、ペレット40質量部に対して0.5乃至5質量部、好ましくは1乃至5質量部含まれる。金属石鹸を添加することにより、成形品の離型性が向上する。金属石鹸の含有量が0.5質量部未満の場合、十分な離型性を得ることができない。金属石鹸の含有量が5質量部を超える場合、離型性が悪化する。
また、用いられる金属石鹸の平均粒径は、例えば1μm乃至6mmの範囲内にある。当該平均粒径は、レーザー回折式粒度分布計(島津製作所製)により測定するか、あるいは篩を用いて決定される。粒径180μm以上の粒子が60質量%以上あると溶融前の成形材料をより均一に混合することができ、作業性が向上するため、好ましい。
得られた成形品は、天然木に似た質感を有し、分散性および離型性に優れており、使用済みのプラスチック成形品を用いた場合に成形品の品質が劣るという問題を解消することができる。
本発明の別の実施形態は、成形材料の製造に使用するための添加剤に関する。
当該添加剤を、リサイクルプラスチックおよび木粉と混合し、これによって得られる成形材料から成形品を製造する。
添加剤は、上記成形材料の原料の一つであるリサイクルプラスチック40質量部に対し、層状鉱物を5乃至40質量部、金属石鹸を0.5乃至5質量含み、前記層状鉱物の吸油量は、100g当たり20ml以上であることを特徴とする。層状鉱物および金属石鹸としては、上述したものが用いられる。
当該添加剤はさらに、滑剤、相溶化剤、酸化防止剤(老化防止剤)、紫外線吸収剤、チョーキング防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、金属不活性剤、顔料などを含んでいてもよい。
当該添加剤をリサイクルプラスチックおよび木粉に混合することにより、天然木に似た質感を有し、且つ優れた分散性および離型性を有する成形品を製造することができる。また、当該添加剤によれば、使用済みのプラスチック成形品を原料の一つとして用いた場合に、成形材料の成形性や成形品の品質が劣るという問題を解消することができる。
実施例
以下に、例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
表1〜3に示す量で各原料を含有した成形材料を用いて、各例の評価用成形品を得た。
表中、「リサイクルPPリッチペレット」とは、プラスチック容器包装をリサイクルすることにより得られたペレットであって、ポリプロピレンを約80質量%、ポリエチレン、その他の樹脂および不純物を約20質量%含有する。「リサイクルPEリッチペレット」とは、プラスチック容器包装をリサイクルすることにより得られたペレットであって、ポリエチレンを約80質量%、ポリプロピレン、その他の樹脂および不純物を約20質量%含有する。
「HCS」、「HMS」および「HZS」は、それぞれ、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムおよび12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛を示す。ここで用いたこれらの金属石鹸は、200メッシュ(74μm)の篩を99%通過したものである。
また、「CS」、「MS」および「ZS」は、それぞれ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸亜鉛を示す。
Figure 0005771446
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各例の評価用成形品は以下の方法によって作製した。
まず、所定量のリサイクル樹脂ペレットおよびエチレンビスステアリン酸アミドを、2つのローターを有する容量60mlのミキサーを備えたラボプラストミル4C150(東洋精機製作所製)に投入し、180℃に加熱しながら、ローター回転数40rpmで混練した。投入した樹脂が溶融状態になった時、予めブレンドしておいたリサイクル木粉及び添加剤(層状鉱物、金属石鹸)を所定量加え、さらに5分間混練した。なお、リサイクル樹脂ペレット、エチレンビスステアリン酸アミド、リサイクル木粉及び添加剤は、それらの合計量が50gとなるようにミキサーに投入した。その後、溶融混練物をミキサーから取り出し、以下に説明する各評価を行った。
<離型性評価>
ラボプラストミル(東洋精機製作所製)から溶融混練物を取り出した後、ローター及びミキサーのケーシングの内側への溶融物の付着状態を目視し、離型性を下記の基準で評価した。
S:付着なし
A:5質量%未満の付着あり
B:5〜10質量%の付着あり
C:11〜20質量%の付着あり
D:21〜30質量%の付着あり
E:31〜50質量%の付着あり
F:51〜70質量%の付着あり
G:70質量%を超える付着あり
<分散性評価>
ラボプラストミルから取り出した溶融混練物の一部について、温度を160℃に設定したミニテストプレスMP−2F(東洋精機製作所製)を用いて、厚さ0.5mmのプレスシートを作成した。ここでは、圧力を10MPaに設定し、5分間に亘って加圧した。
作成したプレスシートを実体顕微鏡STZ−168(島津製作所社製)を用いて倍率20倍で観察し、分散性を下記の基準で評価した。
◎:ムラがなく均一
○:ムラはないが、少数の点のような分散不良あり
△:少量のムラがあり、少数の点のような分散不良あり
×:全体にムラがあり、多数の点のような分散不良あり
<質感評価>
得られた評価用成形品の質感を確認し、以下の評価基準に従って評価した。
○:木様の質感あり
×:木様の質感が不十分
離型性、分散性および質感の評価結果を、上記表1〜3に示す。なお、表中の例2〜5、9〜11、13〜15、17〜22、46、E〜H、JおよびKは実施例に対応する。
表1〜3から、次のことが明らかである。
表1の例1〜7において得られたデータの比較から明らかなように、成形材料が、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムを、リサイクル樹脂ペレット40質量部に対して0.5乃至5質量部の割合で含む場合、優れた離型性、分散性および質感を有する成形品が得られた。0.5質量部未満の場合(例1)および5質量部を超える場合(例6および7)は、離型性および分散性が劣っていた。
また、例3および8〜11において得られたデータの比較から明らかなように、成形材料が、タルクを、リサイクル樹脂ペレット40質量部に対して5乃至40質量部含む場合(例3および9〜11)、優れた離型性、分散性および質感を備えた成形品が得られた。5質量部未満の場合(例8)、離型性および分散性が劣っていた。なお、例46において得られたデータより、タルクの代わりにカオリンを含んだ成形材料からも、同様に優れた品質の成形品が得られることが示された。
さらに、例12〜16において得られたデータの比較から明らかなように、成形材料が、木粉を、リサイクル樹脂ペレット40質量部に対して4乃至60質量部含む場合(例13〜15)、優れた離型性、分散性および質感を有する成形品が得られた。木粉が4質量部未満の場合(例12)でも、分散性および離型性に優れた成形品を得ることが出来たが、成形品は所望の木様の質感を有さなかった。一方、60質量部を超える場合(例16)、成形品の分散性が低下した。
また、例17および18において得られたデータから、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムに代えて、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウムまたは12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛を用いた場合も、分散性、離型性および質感に優れた成形品を得ることができることが示された。
さらに、例3および19〜22において得られたデータの比較から明らかなように、ポリプロピレンおよびポリエチレンの質量比に関わらず、分散性および離型性に優れた成形品を得ることができたが、ポリプロピレンとポリエチレンの質量比が同じ場合(例20)、またはポリエチレンよりもポリプロピレンの質量比が大きい場合(例3および19)は、特に離型性に優れた成形品を得ることができた。
また、例23〜35および例1〜11において得られたデータから、12−ヒドロキシステアリン酸塩またはタルクのどちらか一方のみを添加した場合(例23〜35)と比較して、これらの両方を添加した場合(例1〜11)は、成形品の分散性および離型性が向上することが示された。
さらに、例36と41において、従来の成形材料の配合について得られたデータの比較から、新品PPペレットを用いた場合には、優れた分散性と離型性を備えた成形品を得ることができるが、リサイクルPPリッチペレットを用いた場合には、分散性および離型性が大きく低下することが示された。
また、表2の例A〜Hについて得られたデータから明らかな通り、新品PPペレットを原料として含んだ従来の配合の成形材料(例A〜D)は、新品PPペレットのMFR値が25g/10minを超えると、成形品の離型性および分散性が低下した。一方、新品PPペレット、タルクおよび12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(HCS)を含んだ成形材料(例E〜H)からは、新品PPペレットのMFR値にかかわらず、優れた離型性および分散性を有する成形品が得られた。このことから、使用済みプラスチックの種類や不純物に応じて様々なMFR値を示すリサイクルプラスチックを用いた場合でも、実施形態に係る成形材料または添加剤によれば、MFR値にかかわらず、優れた品質の成形品が得られることが予想される。
さらに、表3の例I〜Kより、吸油量が100g当たり20ml以上のタルクを含んだ成形材料(例JおよびK)からは、優れた品質の成形品が得られるが、100g当たり20ml未満のタルクを含んだ成形材料(例I)から得られた成形材料は分散性が劣ることが示された。
以上のことから、本発明の実施形態に係る成形材料および添加剤を用いることにより、優れた品質を有する成形品を提供できることが示された。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[1]使用済みのプラスチック成形品から得られ、ポリエチレンとポリプロピレンとを含んだ40質量部の樹脂と、
4乃至60質量部の木粉と、
5乃至40質量部の層状鉱物と、
0.5乃至5質量部の金属石鹸と
を含んだ成形材料であって、前記層状鉱物の吸油量は、100g当たり20ml以上である成形材料。
[2]前記金属石鹸は、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム及び12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛からなる群より選択される1つ以上である[1]に記載の成形材料。
[3][1]または[2]に記載の成形材料の製造に使用するための添加剤であって、
5乃至40質量部の層状鉱物と、
0.5乃至5質量部の金属石鹸と
を含み、前記層状鉱物の吸油量は、100g当たり20ml以上である添加剤。
[4]前記金属石鹸は、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム及び12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛からなる群より選択される1つ以上である[3]に記載の添加剤。

Claims (4)

  1. 使用済みのプラスチック成形品から得られ、ポリエチレンとポリプロピレンとを含んだ40質量部の樹脂と、
    4乃至60質量部の木粉と、
    5乃至40質量部の層状鉱物と、
    0.5乃至5質量部の金属石鹸
    を含んだ成形材料であって、前記層状鉱物の吸油量は、100g当たり20ml以上であり、前記金属石鹸は12−ヒドロキシステアリン酸金属塩である成形材料。
  2. 前記12−ヒドロキシステアリン酸金属塩は、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム及び12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛からなる群より選択される1つ以上である請求項1に記載の成形材料。
  3. 請求項1または2に記載の成形材料の製造に使用するための添加剤であって、
    5乃至40質量部の層状鉱物と、
    0.5乃至5質量部の金属石鹸
    を含み、前記層状鉱物の吸油量は、100g当たり20ml以上であり、前記金属石鹸は12−ヒドロキシステアリン酸金属塩である添加剤。
  4. 前記12−ヒドロキシステアリン酸金属塩は、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム及び12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛からなる群より選択される1つ以上である請求項3に記載の添加剤。
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