以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶式等の画像表示装置21の他、普通図柄表示手段22、第1,第2特別図柄表示手段23a,23b、普通保留個数表示手段24等が設けられている。
画像表示装置21は、第1,第2演出図柄表示手段25a,25b、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの第1,第2特別始動口(第1,第2特別図柄始動手段)27a,27bと、下側の第2特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
第1特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。第2特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
第1,第2特別図柄表示手段23a,23bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段23aは第1特別始動口27a、第2特別図柄表示手段23bは第2特別始動口27bに遊技球が入賞することを条件に第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
第1,第2特別図柄には、例えば10種類の数字図柄「0」〜「9」と記号図柄「−」とが用いられており、「0」〜「9」が大当たり態様、「−」が外れ態様に設定されている。なお、第1,第2特別図柄は、夫々複数種類存在し且つそれらが互いに異なっていればよく、必ずしも数字図柄のような遊技者が容易に判別できるものである必要はない。
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に第1,第2特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bが夫々大当たり判定乱数値の記憶個数
(以下、第1,第2特別保留個数)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、本実施形態では、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
第1,第2演出図柄表示手段25a,25bは、例えば第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して第1,第2演出図柄を変動表示するもので、夫々1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示装置21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、第1演出図柄表示手段25aは第1特別始動口27a、第2演出図柄表示手段25bは第2特別始動口27bに遊技球が入賞することを条件に、第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って第1,第2演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、第1,第2演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。なお、上述したように第1,第2特別図柄表示手段23a,23bは同時に変動することはないため、表示画面21a上で第1,第2演出図柄表示手段25a,25bが同時に図柄変動表示を行うことはない。
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、第1,第2演出図柄表示手段25a,25bによる第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には,例えば第2特別図柄と同じ数字図柄よりなる大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。例えば、第1特別図柄が「7」で停止する場合には第1演出図柄は「7・7・7」で停止し、第1特別図柄が「−」で停止する場合には第1演出図柄は「3・4・5」等の任意の外れ態様で停止するようになっている。なお、第1,第2演出図柄表示手段25a,25bは、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行うようにしてもよい。
第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bは、第1,第2特別保留個数分の第1,第2シンボルX,Yの表示個数により第1,第2特別保留個数を表示するもので、同一の表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2シンボルX,Yを互いに上下に対応させて表示するようになっている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板29が複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板(サブ制御基板)で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板31は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51b、第1,第2特別始動口チェック処理手段52a,52b、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53b、第1,第2特別図柄処理手段54a,54b、特別利益状態発生手段55、第1,第2特別図柄表示制御手段56a,56b、特別遊技状態発生手段57、事前判定手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。
普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、当たり判定手段61、普通停止図柄選択手段62、変動時間選択手段63等を備えている。
当たり判定手段61は、普通図柄の変動後の停止図柄を当たり態様とするか否かの判定を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行うように構成されている。
なお本実施形態では、当たり判定手段61による当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、図5に示すように、特別遊技状態中の当たり確率(例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
普通停止図柄選択手段62は、普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択するものである。本実施形態では、当たり態様と外れ態様に対応するのは各1種類の図柄のみであるため、当たり判定機能による当たり/外れの判定結果に基づいて、当たり判定の場合には
「○」が、外れ判定の場合には「×」が画一的に選択される。
変動時間選択手段63は、普通図柄の変動時間を選択するものである。本実施形態では、図5に示すように、特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44の当たり判定手段61による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別始動口27bの開閉手段28を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
本実施形態では、図5に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、変動時間選択手段63で選択された変動時間が経過することに基づいて、普通停止図柄選択手段62で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。なお本実施形態では、大当たり判定乱数が0〜349の範囲に、大当たり図柄乱数が0〜9の範囲に夫々設定されているものとする。
第1,第2特別始動口チェック処理手段52a,52bは、第1,第2特別始動口27a,27bへの遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別始動口27a,27bが遊技球を検出すること、即ち第1,第2特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bで作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値及び当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに記憶させるように構成されている。
第1,第2特別図柄処理手段54a,54bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71b、第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72b、第1,第2変動パターン選択手段73a,73b等を備えている。
第1,第2大当たり判定手段71a,71bは、乱数抽選により変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様とするか否かの大当たり判定を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bが変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行うように構成されている。
本実施形態では、後述する高確率状態中以外の通常確率状態中には0〜349のうちの例えば「7」が、高確率状態中にはその「7」に加えて「17」「27」等の複数個(例えば合計10個)が、大当たり判定値として設定されているものとする。
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動が優先される。即ち、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れかの変動が終了して次の変動表示が可能な状態となったとき、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1大当たり判定手段71aによる処理が行われ、少なくとも第2特別保留個数が1以上であれば第2大当たり判定手段71bによる処理が行われるようになっている。
第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72bは、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択するもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択するように構成されている。
例えば、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる判定結果が大当たり判定であった場合には、大当たり図柄乱数値に基づいて大当たり図柄である「0」〜「9」の何れかが選択され、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる判定結果が外れ判定であった場合には、外れ図柄である「−」が選択される。
第1,第2変動パターン選択手段73a,73bは、第1,第2演出図柄の変動パターンを選択するもので、第1,第2大当たり判定手段71a,71bによる大当たり/外れの判定結果に基づいて、複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択するように構成されている。
特別利益状態発生手段55は、第1大当たり判定手段71a又は第2大当たり判定手段71bによる判定結果が大当たり判定となり、第1特別図柄表示手段23a又は第2特別図柄表示手段23bの変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者に有利となる特別利益状態を発生させるものである。
特別利益状態中は、大入賞手段17が所定の開放パターンに従って開放されるようになっている。大入賞手段17の開放パターンは例えば複数種類用意されており、特別利益状態発生手段55によってそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
本実施形態では、図4に示すようにA,Bの2種類の開放パターンが設けられており、特別利益状態発生手段55は、第1特別図柄が大当たり図柄になった場合には、その大当たり図柄の種類、即ち大当たり図柄乱数値に応じて開放パターンA,Bの何れかを選択し(図4(a))、第2特別図柄が大当たり図柄になった場合には、その大当たり図柄の種類に拘わらず開放パターンBのみを選択する(図4(b))ように構成されている。
開放パターンAは、大入賞手段17を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンAは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかもラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
開放パターンBは、大入賞手段17を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作を、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)行うように設定されている。この開放パターンBの場合、大入賞手段17への1個の入賞に対する賞球を15個とすると、遊技者が普通に発射動作を続けるだけで殆どの場合に9×15×15=2025個の出球が期待でき、開放パターンAに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている。
第1,第2特別図柄表示制御手段56a,56bは、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの表示制御を行うもので、第1特別図柄処理手段54a又は第2特別図柄処理手段54bによる特別図柄処理に基づいて第1特別図柄表示手段23a又は第2特別図柄表示手段23bによる第1,第2特別図柄の変動を開始させ、第1,第2変動パターン選択手段73a,73bで選択された第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、第1,第2特別停止図柄選択手段72a,72bで選択された停止図柄で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、時短状態発生手段57aと高確率状態発生手段57bとを備えている。
時短状態発生手段57aは、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値と一致しなかった場合に、特別遊技状態の一つとして時短状態を発生させるように構成されている。
なお、本実施形態では、高確率判定値として例えば1,3,5,7,9が設定されており、大当たり図柄乱数値がそれ以外の0,2,4,6,8の何れかと一致した場合に特別遊技状態として時短状態が発生するようになっている。
時短状態中は、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
また、時短状態にはその継続期間が異なる2種類があり、図4に示すように、例えば
「0」,「2」の何れかの図柄による大当たり態様となった場合に発生する時短状態aは第1,第2特別図柄が50回変動するまで、例えば「4」,「6」,「8」の何れかの図柄による大当たり態様となった場合に発生する時短状態bは第1,第2特別図柄が100回変動するまで継続して終了するようになっている。
高確率状態発生手段57bは、第1,第2特別乱数記憶手段53a,53bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致し且つ大当たり図柄乱数値が所定の高確率判定値、例えば1,3,5,7,9の何れかと一致した場合に、特別遊技状態の一つとして高確率状態を発生させるように構成されている。
高確率状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられ、併せて時短状態と同様の処理が行われるようになっている。
事前判定手段58は、第1,第2特別始動口27a,27bが遊技球を検出したときに、その検出によって取得された大当たり判定乱数値の内容を判定するもので、例えば図7に示すような事前判定処理を定期割込毎に実行するように構成されている。
この事前判定処理では、図7に示すように、まず第1,第2特別始動口27a,27bの何れかが遊技球を検出したか否かが判定される(S1,S5)。ここで、第2特別始動口27bが遊技球を検出したと判定された場合には(S1:No→S5:Yes)、その遊技球の検出によって第2特別保留個数が上限の4個を超えないことを条件に(S6:Yes)、取得された大当たり判定乱数値が、高確率状態中の大当たり判定値にのみ一致するもの(以下、「高確率時大当たり保留記憶」という)、通常確率状態中の大当たり判定値と一致するもの(以下、「通常確率時大当たり保留記憶」という)、大当たり判定値とは一致しないもの(以下、「外れ保留記憶」という)の何れであるかが判定される(S4)。
一方、第1特別始動口27aが遊技球を検出したと判定され(S1:Yes)、その遊技球の検出によって第1特別保留個数が上限の4個を超えない場合には(S2:Yes)、特別遊技状態中(高確率状態中及び時短状態中)でないことを条件に(S3:No)、取得された大当たり判定乱数値が高確率時大当たり保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、外れ保留記憶の何れであるかが判定される(S4)。
このように、本実施形態では、事前判定手段58は、特別遊技状態中は、第1特別始動口27aが遊技球を検出したときに取得された大当たり判定乱数値に関する判定を行わないように構成されている。
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段54a,54bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2変動パターンを指定する第1,第2変動パターン指定コマンド、第1,第2特別停止図柄を指定する第1,第2特別停止図柄指定コマンド、第1,第2特別図柄の停止を指定する第1,第2変動停止指定コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板32側に送信する機能、事前判定手段58による判定結果に基づいて、第1,第2特別保留個数を指定する第1,第2特別保留個数指定コマンドを演出制御基板32側に送信する機能の他、例えば特別利益状態等の各種遊技状態に基づいて、画像、音声、ランプの制御コマンドを演出制御基板32側に送信する機能等を備えている。
ここで、第1,第2特別保留個数指定コマンドのうち、第1特別保留個数指定コマンドについては、事前判定手段58による判定が行われた場合(図6(a))と行われなかった場合(図6(b))との2種類が設けられている。また、事前判定が行われなかった場合の第1特別保留個数指定コマンド(図6(b))は、保留1から保留4までの4つの保留記憶に対応する4種類のコマンドで構成されているが、事前判定が行われた場合の第1特別保留個数指定コマンド(図6(a))と第2特別保留個数指定コマンド(図6(c))とについては、保留1から保留4までの4つの保留記憶に対応する4種類のコマンドが、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の3種類に対応して3組設けられている。
演出制御基板32は、第1,第2演出図柄表示手段25a,25b、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b、音声出力手段81、ランプ手段82等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄表示制御手段83、特別保留個数表示制御手段84、コマンド判定手段86、音声制御手段87、ランプ制御手段88等を備えている。
演出図柄表示制御手段83は、第1,第2演出図柄表示手段25a,25bの表示制御を行うもので、主制御基板31側から第1,第2変動パターン指定コマンドの何れかを受信した場合に、指定された変動パターンに基づいて画像表示装置21の表示画面21a上で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を開始させると共に、第1変動停止指定コマンド又は第2変動停止指定コマンドを受信したときに、第1特別停止図柄指定コマンド又は第2特別停止図柄指定コマンドと第1変動パターン指定コマンド又は第2変動パターン指定コマンドとに基づいて選択された停止図柄で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を停止させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段84及びコマンド判定手段86は、事前判定手段58による判定結果に基づいて予告演出を行う予告演出制御手段89を構成している。
コマンド判定手段86は、主制御基板31から送信される第1,第2特別保留個数指定コマンドに基づいて、それが第1特別保留個数指定コマンド(事前判定有り),第1特別保留個数指定コマンド(事前判定なし),第2特別保留個数指定コマンドの何れであるか、それが何個目の保留記憶に対応するものであるか、及び事前判定有りの場合にはその保留記憶が外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の何れであるかを判定するように構成されている。
特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示制御を行うもので、コマンド判定手段86による判定結果に基づいて、表示画面21a上の第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bへの第1,第2シンボルX,Yの表示を制御するようになっている。
即ち、第1,第2特別始動口27a,27bにより新たに遊技球が検出され、主制御基板31から第1,第2特別保留個数指定コマンドを受信した場合には、コマンド判定手段86による判定結果に基づいて、第1特別保留個数指定コマンド(事前判定有り)又は第2特別保留個数指定コマンドの場合には、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の種類を例えば色で区別した表示態様(以下、予告表示態様という)で、第1特別保留個数指定コマンド(事前判定なし)の場合には例えば予告表示態様とは異なる非予告表示態様で、画像表示装置21の表示画面21a上の所定位置に第1,第2シンボルX、Yを1個追加的に表示するようになっている。
本実施形態では、第1,第2シンボルX,Yの色を、外れ保留記憶の場合には緑(図面上では斜線で示す)、通常確率時大当たり保留記憶の場合には黄(図面上では網掛けで示す)、高確率時大当たり保留記憶の場合には赤(図面上では黒塗りで示す)、事前判定なしの場合の非予告表示態様は白(図面上では白抜きで示す)とするが(図6参照)、例えば第1,第2シンボルX,Yの大きさ、模様、形状等を異ならせることにより外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶等の種類を区別してもよい。
なお、このような第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bへの第1,第2シンボルX,Yの表示態様によって外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶等の種類を区別して遊技者に報知することが予告演出表示の一例である。
また、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動が新たに開始され、第1,第2特別保留個数が減少する場合には、特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動開始時に主制御基板31から送信されるコマンド、例えば第1,第2変動パターン指定コマンドを受信することを条件に、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bに表示されている1番目の第1,第2シンボルを消去すると共に、2番目以降の第1,第2シンボルが表示されている場合にはそれらを1個ずつ前側にシフトするようになっている。
音声制御手段87は、スピーカー等の音声出力手段81の音声出力制御を行うもので、主制御基板31側からの音声制御コマンドに基づいて音声出力手段81から所定の効果音等を出力させるようになっている。ランプ制御手段88は、ランプ手段82等の表示制御を行うもので、主制御基板31側からのランプ制御コマンドに基づいてランプ手段82等を所定のパターンで発光させるようになっている。
以上のような本パチンコ機においては、通常遊技状態中における第2特別始動口27bの開閉パターン(通常開閉パターン)は例えば0.2秒×1回であるため、この通常遊技状態では第1特別始動口27aへの入賞に比べて第2特別始動口27bへの入賞はごく僅かとなり、従って特別図柄変動についてもその殆どが第1特別図柄表示手段23aによる第1特別図柄の変動となる。
第1特別図柄表示手段23aによる第1特別図柄の変動の場合、変動後の停止図柄が大当たり態様になれば特別利益状態が発生し、開放パターンA,Bの何れかに従って大入賞手段17が開放する。ここで、開放パターンBが選択された場合には、大入賞手段17が開放してから28秒間経過するかそれまでに9個の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作が15ラウンド行われるため、遊技者は大量の賞球を容易に得ることができるが、開放パターンAが選択された場合には、0.2秒間の開放動作が2ラウンド行われるだけであるため、遊技者は殆ど賞球を得ることができない。
そしてその特別利益状態が終了すると、特別遊技状態として所定期間にわたって高確率状態、時短状態a,bの何れかが発生する。特別遊技状態中は、それが高確率状態、時短状態a,bの何れであっても、第2特別始動口27bの開閉パターンは2秒×3回開放の特別開閉パターンとなり、しかも普通図柄は当たり確率が高確率となり且つ変動時間が短縮されるため、通常遊技状態に比べて第2特別始動口27bへの入賞確率が格段に増加する。しかも第1特別保留個数と第2特別保留個数とが共に1以上の場合には、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動が優先して行われる。
これにより、特別遊技状態中は、例えばその殆どが第2特別図柄表示手段23bによる第2特別図柄の図柄変動となるが、この第2特別図柄の図柄変動において変動後の停止図柄が大当たり態様となって特別利益状態が発生した場合には、必ず開放パターンBが選択されるため、遊技者は大量の賞球を容易に得ることができる。
第1特別始動口27a又は第2特別始動口27bが遊技球を検出すると、事前判定手段58による事前判定処理(図7)により、それが第1特別始動口27aによる上限個数内での検出で且つ特別遊技状態中である場合(S1:Yes→S2:Yes→S3:Yes)を除き、その取得された大当たり判定乱数値が外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の何れであるかが判定される。
そして、その事前判定手段58による判定が行われた場合には、その判定結果と第1特別保留個数又は第2特別保留個数とに基づいて図6(a)又は図6(c)に示す第1特別保留個数指定コマンド又は第2特別保留個数指定コマンドが、事前判定手段58による判定が行われなかった場合、即ち特別遊技状態中における第1特別始動口27aによる遊技球の検出であった場合には、第1特別保留個数に基づいて図6(b)に示す第1特別保留個数指定コマンドが、夫々制御コマンド送信手段59から演出制御基板32側に送信される。
演出制御基板32側では、コマンド判定手段86が、主制御基板31から受信した第1特別保留個数指定コマンド又は第2特別保留個数指定コマンドに基づいて、それが何個目の保留記憶であるか、及び受信したコマンドが事前判定有りに対応する第1特別保留個数指定コマンド又は第2特別保留個数指定コマンドであった場合にはそのその保留記憶が外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の何れであるかを判定する。
そして、その判定結果に基づいて、その第1,第2特別保留個数指定コマンドが外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の何れかであれば、その種類に対応する色(予告表示態様)の第1,第2シンボルX、Yを、事前判定なしの第1特別保留個数指定コマンドであれば非予告表示態様の第1シンボルXを、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bに1個追加的に表示する。
例えば、通常遊技状態中に第1特別始動口27aが遊技球を検出した場合には、その検出の際に取得された大当たり判定乱数値について事前判定手段58による判定が行われ、その判定結果と第1特別保留個数とに基づいて事前判定有りの第1特別保留個数指定コマンド(図6(a))が演出制御基板32側に送信されるため、第1特別保留個数表示手段26aには、その第1特別保留個数指定コマンドに基づいて、例えばそのコマンドがB402Hであれば外れ保留記憶に対応する緑色(予告表示態様)の第1シンボルXが追加的に表示される(図8(a))。
その後に例えば第1特別図柄側の図柄変動において大当たり態様となり(図8(b))、その特別利益状態の終了後に高確率状態(特別遊技状態)が発生した場合には(図8
(c))、その高確率状態中に第1特別始動口27aが遊技球を検出しても、その検出の際に取得された大当たり判定乱数値については事前判定手段58による判定が行われず、第1特別保留個数に基づいて事前判定なしに対応する第1特別保留個数指定コマンド(図6(b))が演出制御基板32側に送信されるため、第1特別保留個数表示手段26aには、その第1特別保留個数指定コマンドに基づいて、例えば非予告表示態様である白色の第1シンボルXが追加的に表示される(図8(d))。
一方、高確率状態中であっても、第2特別始動口27bが遊技球を検出した場合には、その検出の際に取得された大当たり判定乱数値について事前判定手段58による判定が行われ、その判定結果と第2特別保留個数とに基づいて第2特別保留個数指定コマンド(図6(c))が演出制御基板32側に送信されるため、第2特別保留個数表示手段26bには、その第2特別保留個数指定コマンドに基づいて、例えばそのコマンドがB511Hであれば通常確率時大当たり保留記憶に対応する黄色(予告表示態様)の第2シンボルYが追加的に表示される(図8(e))。
ところで、本実施形態のパチンコ機では、上述したように、特別遊技状態中以外の通常遊技状態中は遊技球が第2特別始動口27bに入賞する可能性は極めて低いため、遊技者が自分の意志で第1特別図柄と第2特別図柄との何れかを消化させることはまず不可能であるが、高確率状態中を含む特別遊技状態中であれば、遊技球が第2特別始動口27bに入賞する可能性は通常遊技状態中に比べて格段に高くなるため、遊技者は例えば発射の停止/継続を切り換えることにより、自分の意志で第1特別図柄と第2特別図柄との何れかを消化させることも可能である。
また、高確率状態中に、例えば第1特別始動口27aによる遊技球検出時に取得された大当たり判定乱数値が高確率状態中にのみ大当たり判定値と一致する高確率時大当たり保留記憶であった場合、もし遊技者がこれを知ることができれば、その高確率状態中にその大当たりとなる第1特別図柄側の図柄変動を行わせるべく、例えば発射を止めることにより優先側の第2特別図柄の保留を早くなくして自分に有利な状況に誘導することができるため、実質的に技術介入が可能となる。
しかしながら、本実施形態のパチンコ機では、特別遊技状態中に第1特別始動口27aが遊技球を検出した場合には、その検出の際に取得された大当たり判定乱数値については事前判定手段58による判定が行われず、従って第1特別保留個数表示手段26aによる予告演出表示も行われないため、遊技者はその保留記憶が高確率時大当たり保留記憶であるか否か等について知ることができず、従って技術介入は不可能となる。なお、通常遊技状態中は第1特別始動口27aが遊技球を検出した場合にも事前判定手段58による判定が行われ、その判定結果に基づいて第1特別保留個数表示手段26aによる予告演出表示が行われるが、通常遊技状態中は優先側の第2特別始動口27bに遊技球を入賞させることは殆どできないため、第1特別図柄側の保留記憶の内容を知ることができても遊技者はそれに基づいて技術介入を行うことは不可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、特別遊技状態中に非優先側の第1特別図柄始動手段27aによる遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値に関しては事前判定手段58による判定を行わないように構成したが、第1,第2特別図柄始動手段27a,27bによる遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値に関しては事前判定手段58による判定を全て行った上で、特別遊技状態中における第1特別図柄始動手段27aによる遊技球検出時に取得された大当たり判定用乱数値に関しては、外れ保留記憶,通常確率時大当たり保留記憶,高確率時大当たり保留記憶の種類を区別できない図6(b)に示す第1特別保留個数指定コマンドを用いることにより、事前判定手段58による判定結果が演出制御基板32側に送られないように構成してもよい。
実施形態では、特別遊技状態中であることを条件に、非優先側の第1特別図柄始動手段27aによる遊技球検出時に取得された大当たり判定乱数値に関して事前判定手段58による判定結果が演出制御基板32側に送られないように構成したが、高確率状態中であることを条件に、非優先側の第1特別図柄始動手段27aによる遊技球検出時に取得された大当たり判定乱数値に関して事前判定手段58による判定結果が演出制御基板32側に送られないように構成してもよい。
この場合には、その判定結果を主制御基板31側で記憶しておけば、例えば特別遊技状態が終了した時点でその判定結果を演出制御基板32側に送信することにより、特別遊技状態中に非予告表示態様で表示されていた第1シンボルXを予告表示態様に切り換えることも可能である。
実施形態のパチンコ機は、優先側の第2特別図柄表示手段23bに対応する第2特別始動口27bには高確率状態等の特別遊技状態中以外は殆ど入賞できないような構成となっているため、2つの第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの保留記憶の消化順序を遊技者が自分の意志でコントロール可能となるのは実質的に特別遊技状態中のみであるが、例えば第1特別始動口27aと第2特別始動口27bとを開閉しない入賞手段とし且つそれらを遊技領域13の左右に配置する等、特別遊技状態中であるか否か等に拘わらず、2つの第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの保留記憶の消化順序を遊技者が自分の意志である程度コントロール可能な構成とすることも可能である。
この場合には、非優先側の第1特別図柄始動手段27aによる遊技球検出時に取得された乱数値に関しては、特別遊技状態中であるか否かに拘わらず、事前判定手段58による判定結果が演出制御基板32側に送られないように構成することにより、遊技者による技術介入を防止することができる。
実施形態では、非予告表示態様を外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶に対応する何れの表示態様とも異なるように設定したが、例えば非予告表示態様を外れ保留記憶に対応する表示態様と同じ表示態様に設定してもよい。この場合には、例えば事前判定が行われなかった場合や、事前判定が行われてもその判定結果を演出制御基板32側に送らない場合のための専用の第1特別保留個数指定コマンド(図6(b))を設ける必要はない。
事前判定手段58は、予告演出の内容に応じて、大当たり判定乱数値と大当たり図柄乱数値のうちの少なくとも一方の内容を判定するように構成すればよく、例えば大当たり判定乱数値と大当たり図柄乱数値とを判定してもよいし、大当たり図柄乱数値のみを判定してもよい。
事前判定手段58が大当たり図柄乱数値に関して判定する内容としては、例えば高確率大当たり(通常の15ラウンド等の大当たりの後に高確率状態となるもので、図4では第1特別図柄側の大当たり図柄乱数値5,7,9、第2特別図柄側の大当たり図柄乱数値1,3,5,7,9に対応)となるか否か、通常確率大当たり(通常の15ラウンド等の大当たりの後に時短状態となるもので、図4では第1特別図柄側の大当たり図柄乱数値4,6,8、第2特別図柄側の大当たり図柄乱数値0,2,4,6,8に対応)となるか否か、いわゆる突確(殆ど賞球を得られない2ラウンドの大当たりの後に高確率状態となるもので、図4(a)では大当たり図柄乱数値1,3に対応)となるか否か、いわゆる突時
(殆ど賞球を得られない2ラウンドの大当たりの後に時短状態となるもので、図4(a)では大当たり図柄乱数値0,2に対応)となるか否か等が考えられる。
また、大当たり判定乱数値に基づいていわゆる小当たり(大入賞手段が突確の場合と同様のパターンで短時間開放するもの)を抽選するタイプのパチンコ機においては、事前判定手段58が大当たり判定乱数値に基づいて小当たりとなるか否かを判定するように構成してもよい。
第1,第2特別保留個数指定コマンドは、予告演出の内容に応じて、各保留記憶に関する任意の情報を区別しうるように構成すればよい。例えば、通常確率状態となる大当たり態様に対応する保留記憶の場合と、高確率状態となる大当たり態様に対応する保留記憶の場合とで異なる演出、例えば異なる指示演出表示を行うように構成する場合には、第1,第2特別保留個数指定コマンドを、外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の3種類を区別しうるだけでなく、大当たり図柄乱数値に基づいて高確率状態となる大当たりに対応する保留記憶であるか否かを区別しうるように構成すればよい。
実施形態では、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動が新たに開始され、第1,第2特別保留個数が減少する場合には、特別保留個数表示制御手段84は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動開始時に主制御基板31から送信される第1,第2変動パターン指定コマンドを受信することを条件に第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示を更新するように構成したが、例えば減少後の第1,第2特別保留個数を指定するコマンドを設け、そのコマンドを受信することを条件に第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示を更新するように構成してもよい。
この場合、第1,第2特別保留個数指定コマンドの夫々について、外れ、通常確率時大当たり及び高確率時大当たりに対応する3組のコマンドとは別に、保留0〜保留3に対応する4種類のコマンドを保留減少時専用に設けてもよいし、減少後の保留0に対応するコマンドのみを別途設け、外れに対応する保留1〜3のコマンドを、減少後の保留1〜3に対応するコマンドとしても使用するようにしてもよい。
また、第1,第2特別保留個数が減少する場合には、減少後の第1,第2特別保留個数を指定するコマンドと、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動開始時に主制御基板31から送信されるコマンド(例えば第1,第2変動パターン指定コマンド)とを併用して第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示制御を行うようにしてもよい。この場合、特別保留個数表示制御手段84による第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの制御を、第1,第2特別保留個数の表示制御、即ち第1,第2シンボルX,Yの表示個数の制御(以下、保留個数表示制御)と、予告演出の表示制御、即ち第1,第2シンボルX,Yの表示態様(例えば色)の制御(以下、予告演出表示制御)とに分割し、第1,第2特別保留個数指定コマンドに基づいて保留個数表示制御を行い、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる図柄変動開始時に主制御基板31から送信されるコマンド、例えば第1,第2変動パターン指定コマンドに基づいて予告演出表示制御を行うことが考えられる。
具体的には、保留個数表示制御により第1,第2シンボルX,Yを所定の基本表示態様(例えば外れと同じ色による表示)で第1,第2特別保留個数分表示し、予告演出表示制御により、その基本表示態様で表示された第1,第2シンボルX,Y(以下、保留個数表示シンボル)に、予告演出に係る所定の表示態様(例えば外れ保留記憶、通常確率時大当たり保留記憶、高確率時大当たり保留記憶の種類に対応する色)で表示された第1,第2シンボルX,Y(以下、予告演出表示シンボル)を重ねて表示するように構成し、第1,第2特別保留個数が減少する場合には、減少後の第1,第2特別保留個数を指定するコマンドに基づいて、保留個数表示制御により保留個数表示シンボルの表示個数を減少させ、また第1,第2変動パターン指定コマンドに基づいて、予告演出表示制御によりその保留個数表示シンボルに重ねて表示されている予告演出表示シンボルをシフトさせればよい。このようにすることで、コマンド喪失等による不具合を最小限に抑えることができる。
また、例えば第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の変動パターンを用いる場合には、第1,第2特別図柄で共通の変動パターン指定コマンドを用いると共に、第1,第2特別図柄の変動開始を指定する第1,第2特別図柄変動開始指定コマンドをその変動パターン指定コマンドとは別に設けてもよい。この場合には、第1,第2特別保留個数の減少時に、第1,第2特別図柄変動開始指定コマンドを受信することを条件に第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示を更新するように構成すればよい。また、この第1,第2特別図柄変動開始指定コマンドを新たに設けるのではなく、第1,第2特別図柄の停止図柄を指定する第1,第2特別図柄指定コマンドを第1,第2特別図柄変動開始指定コマンドとして用いてもよい。
予告演出制御手段89により行われる予告演出は、事前判定手段58による事前判定結果に基づいて行われるものであればよく、実施形態のように事前判定結果に応じて第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bへの第1,第2シンボルX,Yの表示態様を異ならせるものの他、事前判定結果に応じて表示画面21a等に所定の予告画像を表示するもの、事前判定結果に応じて表示画面21aの背景画像を変化させるもの、事前判定結果に応じて、例えば大当たりに対応する大当たり判定乱数値が取得された場合に特定の音声を出力し、又は特定の可動体を作動させるもの等でもよい。またその予告演出を行うタイミングとその期間についても任意であり、例えば第1,第2特別図柄始動手段27a,27bによる遊技球検出時又はその後の所定のタイミングで一時的に行ってもよいし、実施形態のようにその事前判定に対応する保留記憶が図柄変動に供されるまで継続的又は断続的に行うようにしてもよい。
また、事前判定手段58による判定結果をサブ制御基板32側に送ることが可能な場合、即ち例えば図7においてS4の処理を実行可能な場合であっても、更なる所定条件(例えば乱数抽選)を満たさなければ事前判定結果をサブ制御基板32側に送らない(例えば事前判定手段58による判定を行わない)ようにしてもよい。
また、サブ制御基板32側では、主制御基板31側から事前判定結果を受信した場合でも、更なる所定条件(例えば乱数抽選)を満たさなければ予告演出を行わないようにしてもよいし、主制御基板31側から事前判定結果を受信していない場合でもいわゆるガセの予告演出を行うようにしてもよい。
実施形態では、第1特別図柄表示手段23a側の第1特別乱数作成処理手段51aと第2特別図柄表示手段23b側の第2特別乱数作成処理手段51bとを別々に設け、大当たり判定乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン選択乱数等の各乱数を全てそれら第1,第2特別乱数作成処理手段51a,51bで別個に生成するように構成したが、それら大当たり判定乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン選択乱数等の少なくとも一部を2つの第1,第2特別図柄表示手段23a,23b間で共通化してもよい。
弾球遊技機の遊技性に関しては、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合に、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動を優先して行うように構成されていればよく、その他の遊技性は任意である。
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。