JP5762286B2 - 分化無核細胞、及び該無核細胞の作成方法 - Google Patents

分化無核細胞、及び該無核細胞の作成方法 Download PDF

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Description

本出願は、分化無核細胞、及び該細胞の作成方法というタイトルが付された、2008年7月21日出願の米国仮特許出願第61/082,410号の優先権を主張する。該出願は、参照することで、その全体が本明細書に組み込まれる。
無核細胞は、限定することではないが、赤血球及び血小板を含む。赤血球及び血小板は、造血幹細胞の分化に由来する。
特定の実施形態において、本明細書に記載されるのは、複数の無核細胞を作成する方法であって、該方法は、無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で条件的に不死化された幹細胞を培養する工程を備え、条件的に不死化された幹細胞は、a. 複数の幹細胞を、MYC分子をコードする塩基配列を備える第1ベクターで形質移入すること、b. 幹細胞を、Bcl−2、Bcl−X又はこれらの組合せをコードする塩基配列を備える第2レトロウイルスベクターで形質移入すること、c. 幹細胞を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せを用いて培養することにより、生成され、Myc分子の活性は、分化前に抑制されている。いくつかの実施形態において、無核細胞に対する分化を方向付けるサイトカインは、IL−3、EPO又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、MYC分子は、c−Myc、l−Myc、n−Myc、s−Myc又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、第1ベクターは、さらにヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、Myc分子の核への転位を誘導する工程を備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、前記複数の幹細胞を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター、又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)又はこれらの類縁体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFP、又はこれらの誘導体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクター及び第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFPであり、さらに、ウッドチャック肝炎B型ウイルスRNA調節エレメント(WRE)を備える。
特定の実施形態において、本明細書に記載されるのは、複数の無核細胞を生成する方法であって、該方法は、無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で、条件的に不死化された幹細胞を、培養する工程を備え、条件的に不死化された幹細胞は、a. 複数の幹細胞を、核に転位させるMYC分子を備える外因的に合成された第1ペプチドと接触させること、b. Bcl−2、BCL−X又はこれらの組合せを備える外因的に合成された第2ペプチドと接触させること、及びc. 幹細胞を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せを用いて培養することにより生成され、第1ペプチドは、分化前に条件的に不死化された幹細胞との接触から除去される。いくつかの実施形態において、第1ペプチドはさらに、ヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、第1ペプチド、第2ペプチド又は第1ペプチド及び第2ペプチドの両方は、トランスポータ配列を備えることを特徴とする。いくつかの実施形態において、第1タンパク質、第2タンパク質又は第1タンパク質及び第2タンパク質の両方は、TAT配列を備えることを特徴とする。いくつかの実施形態において、方法はさらに複数の幹細胞を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、複数の無核細胞を作成する方法である。該方法は、(a)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、MYC分子をコードする塩基配列を備える第1ベクターで形質移入する工程と、(b)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、Bcl−2、Bcl−X又はこれらの組合せをコードする塩基配列を備える第2ガンマレトロウイルスベクターで形質移入する工程と、(c)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せを用いて培養する工程と、(d)Myc分子の活性を抑制する工程と(c) 無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、培養する工程を備える。いくつかの実施形態において、無核細胞に対する分化を方向付けるサイトカインは、IL−3、EPO又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、MYC分子は、c−Myc、l−Myc、n−Myc、s−Myc又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、第1ベクターは、さらにヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、Myc分子の核への転位を誘導する工程を備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター、又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)又はこれらの類縁体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFP、又はこれらの誘導体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクター及び第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFPであり、さらに、ウッドチャック肝炎B型ウイルスRNA調節エレメント(WRE)を備える。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、複数の無核細胞(例えば、造血幹細胞)を生成する方法である。該方法は、(a)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、(i)核に転位させるMYC分子を備える外因的に合成された第1ペプチドと、(ii)Bcl−2、BCL−X又はこれらの組合せを備える外因的に合成された第2ペプチドと接触させる工程と、(b)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せを用いて培養する工程と、(c)第1ペプチドを除去する工程と、(d) 無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、培養する工程を備える。いくつかの実施形態において、第1ペプチドは、さらにヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、第1ペプチド、第2ペプチド又は第1ペプチドと第2ペプチドの両方は、トランスポーター配列を備える。いくつかの実施形態において、第1タンパク質、第2タンパク質又は第1及び第2タンパク質の両方は、TAT配列を備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、本明細書記載の方法に基づいて作成される血小板である。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、本明細書記載の方法に基づいて作成される赤血球である。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、無核細胞の欠乏で特徴付けられる疾患を治療する方法である。該方法は、本明細書に記載される方法に基づいて作成される無核細胞を投与する工程を備える。いくつかの実施形態において、疾患は、貧血症(例えば、再生不良性貧血、悪性貧血、鉄欠乏性貧血、鎌状赤血球貧血、球状赤血球症、溶血性貧血)、ゴーシェ病、溶血、好中球減少、血小板減少、果粒球減少症、血友病、ホジキンリンパ腫、非ホジキン型リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、バーキットリンパ腫、濾胞状リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、プレ-B急性リンパ性白血病、プレ-T急性リンパ性白血病、急性前骨髄球性白血病、難治性白血病、又はこれらの組合せである。特定の実施例において、無核細胞における欠乏により特徴付けられる疾患は、化学療法を原因とする(部分的又は完全に)。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法により生成される無核細胞は、化学療法と同時に投与される。
図1は、ctlt−造血幹細胞株を生成するためのアプローチを示す。図1Aは、第1マウスHSC細胞を、Myc−ER及びBcl−2で形質導入するのに用いられる、レトロウイルスコンストラクトの概略的な表示を示す。図1Bは、形質導入の後に、5−フルオロウラシルで処置されたドナーから獲得されたHSCsのFACS分析を示す。図1Cは、形質導入されたHSCsを用いて移植されたマウスでの白血病誘導の動態を示す。図1Dは、マウスが骨髄白血病から回復してすぐ後における、ctlt−造血幹細胞のFACS分析を示す。図1Eは、確立されたctlt−造血幹細胞下部のFACS分析を示す。図1Fは、C57/BL6マウスの骨髄から、正常で、未操作の造血幹細胞における幹細胞マーカのFACS分析を示す。 図2は、レトロウイルス挿入のPCR増幅により、ctlt−造血幹細胞下部のクローン性の分析を示す。 図3は、ctlt−幹細胞株の移植後に生じる、成熟した免疫細胞の特徴を示す。図3Aは、移植後の、リンパ系組織におけるctlt−幹細胞由来の細胞の分布を示す。図3Bは、骨髄におけるGFP+骨髄系細胞の検出を示す。脾臓における末梢、成熟リンパ球の分析を示す。第2の連続継代性のctlt−造血幹細胞の後に、移植レシピエントマウスにおける末梢、成熟リンパ球の分析を示す。 図4は、ctlt−造血幹細胞による致死的放射線照射から長期間の救出を示す。 図5は、ctlt−造血幹細胞の、インビトロで赤血球前駆体を発現するTer−119への分化を示す。 図6は、ctlt−造血幹細胞の移植による致死的放射線照射の後に、インビボで赤血球の再構成の表示を示す。 図7は、ctlt−造血幹細胞の移植による致死的放射線照射の後に、インビボで赤血球の再構成の表示を示す。 図8は、ctlt−造血幹細胞の移植による致死的放射線照射の後に、インビボで赤血球の再構成の表示を示す。
本発明の新規な特徴は、特に添付の特許請求の範囲に説明される。具体的な実施形態を説明する以下の詳細な記載を参照にすることにより、本発明の特徴及び利点のよりよい理解が得られ、該実施形態には、本発明の原理が用いられ、図面が付随される。
本明細書に開示されるのは、複数の無核細胞を作成するための方法、結果として得られる無核細胞、及びこれら無核細胞を保存及び使用する方法についてである。特に、このような無核細胞は、適切な遺伝子及び/又はタンパク質(まとめて、工学的な幹細胞)のいずれかで改変された幹細胞からエクスビボで生成される。このような工学的な幹細胞は、有核細胞であり、さらに条件的に不死化されている。このような工学的な有核幹細胞は、細胞に条件的な不死化を失わせて、適切に分化させることで、無核細胞を提供する。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、複数の無核細胞を作成する方法であり、該方法は、無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で、条件的に不死化された幹細胞を、培養する工程を備え、条件的に不死化された幹細胞は、(a)複数の幹細胞を、MYC分子をコードする塩基配列を備える第1ベクターで形質移入すること、(b)幹細胞を、Bcl−2、Bcl−X又はこれらの組合せをコードする塩基配列を備える第2レトロウイルスベクターで形質移入すること、及び(c)幹細胞を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せを用いて培養することにより、生成され、Myc分子の活性は、分化前に抑制されている。いくつかの実施形態において、無核細胞に対する分化を方向付けるサイトカインは、IL−3、EPO又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、MYC分子は、c−Myc、l−Myc、n−Myc、s−Myc又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、第1ベクターは、さらにヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、Myc分子の核への転位を誘導する工程を備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに複数の幹細胞を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター、又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)又はこれらの類縁体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFP、又はこれらの誘導体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクター及び第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFPであり、さらに、ウッドチャック肝炎B型ウイルスRNA調節エレメント(WRE)を備える。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、複数の無核細胞を生成する方法であり、該方法は、無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で、条件的に不死化された幹細胞を、培養する工程を備え、条件的に不死化された幹細胞は、(a)複数の幹細胞を、核に転位させるMYC分子を備える外因的に合成された第1ペプチドと接触させること、(b)Bcl−2、BCL−X又はこれらの組合せを備える外因的に合成された第2ペプチドと接触させること、及び(c)幹細胞を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せを用いて培養することにより生成され、第1ペプチドは、分化前に条件的に不死化された幹細胞との接触から除去される。いくつかの実施形態において、第1ペプチドはさらに、ヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、第1ペプチド、第2ペプチド又は第1ペプチド及び第2ペプチドの両方は、トランスポーター配列を備える。いくつかの実施形態において、第1タンパク質、第2タンパク質又は第1及び第2タンパク質は、TAT配列を備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、複数の無核細胞を作成する方法であって、該方法は、(a)複数の幹細胞(例えば、造血肝細胞)を、MYC分子をコードする塩基配列を備える第1ベクターで形質移入する工程と、(b)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、Bcl−2、Bcl−X又はこれらの組合せをコードする塩基配列を備える第2ガンマレトロウイルスベクターで形質移入する工程と、(c)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せで培養する工程と、(d)Myc分子の活性を抑制する工程と(c) 無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、培養する工程を備える。いくつかの実施形態において、無核細胞に対する分化を方向付けるサイトカインは、IL−3、EPO又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、MYC分子は、c−Myc、l−Myc、n−Myc、s−Myc又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態において、第1ベクターは、さらにヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、Myc分子の核への転位を誘導する工程を備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター、又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)又はこれらの類縁体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクターと第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFP、又はこれらの誘導体である。いくつかの実施形態において、第1ベクター、第2ベクター又は第1ベクター及び第2ベクターの両方は、MSCV−(IRES)−GFPであり、さらに、ウッドチャック肝炎B型ウイルスRNA調節エレメント(WRE)を備える。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、複数の無核細胞(例えば、造血幹細胞)を生成する方法である。該方法は、(a)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、(i)核に転位させるMYC分子を備える外因的に合成された第1ペプチドと、(ii)Bcl−2、BCL−X又はこれらの組合せを備える外因的に合成された第2ペプチド接触させる工程と、(b)複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、IL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せを用いて培養する工程と、(c)第1ペプチドを除去する工程と、(d) 無核細胞に対する分化を方向付ける少なくとも1のサイトカインの存在下で、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、培養する工程を備える。いくつかの実施形態において、第1ペプチドは、さらにヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備える。いくつかの実施形態において、第1ペプチド、第2ペプチド又は第1ペプチドと第2ペプチドの両方は、トランスポーター配列を備える。いくつかの実施形態において、第1タンパク質、第2タンパク質又は第1タンパク質及び第2タンパク質の両方は、TAT配列を備える。いくつかの実施形態において、方法はさらに、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程を備える。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、本明細書開示の方法に基づいて作成される血小板である。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、本明細書開示の方法に基づいて作成される赤血球である。
特定の実施形態において、本明細書に開示されるのは、無核細胞の欠乏で特徴付けられる疾患を治療する方法である。該方法は、本明細書に開示される方法に基づいて作成される無核細胞を投与する工程を備える。
本明細書中の特定の実施形態において提供されるのは、複数の分化された細胞を生成するための方法である。いくつかの実施形態において、本明細書において提供されるのは、複数の無核細胞を生成する方法であって、該方法は、(a)不死化の幹細胞を提供する工程と、(b)不死化の幹細胞を、選択型の細胞へと分化を誘導する工程を備える。
(一般的定義)
本明細書に記載される実施形態の実行又は試験に用いられる、本明細書に記載されるあらゆる方法及び物質に類似するもの又は同等物は、部分的に即座に開示されていると考えられる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるように、特段文脈が明確に規定しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数の言及を含む。従って、「a nucleic acid(核酸)」についての言及は、1又はそれより多い核酸、及び/又は、本明細書に記載される種類の組成物を含み、このことは、この開示等を読むと当業者にとって明らかである。本明細書の「or(又は)」のあらゆる言及は、特段述べられることがない限り、「and/or(及び/又は)」を包含することが意図されている。
本明細書で用いられるように、「stem cells (e.g. hematopoietic stem cells)(幹細胞(例えば、造血幹細胞))は、当該分野で一般的に理解される用語を意味する。例えば、幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、これらのソースに関わらず、長期間、細胞自身の分割及び再生が可能な細胞であり、非特異的な(未分化)細胞であり、そして特異的な細胞の型(すなわち、これらは、様々な、異なる特異的な細胞の種類の前駆細胞又は前駆体細胞である)を生じる(へと分化させる)能力を有する細胞である。本明細書中の特定の実施例において、本明細書中の「stem cells (e.g. hematopoietic stem cells)(幹細胞(例えば、造血幹細胞))は、長期間の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を示す。
幹細胞(例えば、造血幹細胞)に関連して用いられる場合、「long term(長期間)」は、特異的な型の幹細胞に応じて、長期間(例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、12ヶ月、2年、3年)にわたって、同一の非特異的細胞の型に分割することで、細胞自身を再生させる幹細胞(例えば、造血幹細胞の能力)を意味する。特定の例において、幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、以下の細胞表面マーカの存在により同定される。c-kit+、Sca-1+、CD34low/-、CD38+及び/又はThy1+/lowである。いくつかの例において、ヒト幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、以下のマーカの存在により同定される。CD34+、CD38low/-、c-kit-/low及び/又はThy1+である。特定の例において、ヒト及びマウス幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、Ter-119及び/又はGr-1などの細胞系マーカを欠いている。
本明細書に用いられる「immortalizing agent (不死化剤)」は、細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導、促進又は可能とする剤を意味する。「immortalizing agent (不死化剤)」は、細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導、促進又は可能とするあらゆる適切な剤を意味する。用語は、DNA、RNA、ポリペプチド、炭水化物、脂質及び有機低分子を含む有機及び無機分子などの細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導するあらゆる化学化合物を包含する。
「conditionally activated agent that induces immortality(不死化を誘導する条件的活性剤)」は、細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導する剤を意味し、これらの剤の機能が、必要に応じて誘導又は惹起される。例えば、ポリペプチドの場合、条件的活性は、例えば、ポリペプチドをコードする遺伝子の発現、転写又は翻訳といった活性化することにより、生じる。他の場合、条件的に活性化されるポリペプチドの機能は、例えば、ERを備えるポリペプチドを、エストロゲンに対して曝露する、あるいはGRを備えるポリペプチドをミフェプリストンに対して曝露するというように、ポリペプチド上の受容体にリガンドを加えることで誘導される。
「onco-peptide(腫瘍−ペプチド)」及び「oncoprotein(腫瘍性タンパク質)」は本明細書中に交互に用いられ、癌遺伝子又は癌原遺伝子によりコードされるこれらのアミノ酸残基、断片又はアナログのポリマーを意味する。特定の例において、腫瘍−ペプチドは、細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導する。本明細書での特定の実施形態の記載は、「onco-peptide(腫瘍−ペプチド)」を指し示す。いくつかの実施形態において、このような開示は、幹細胞生存能、生存及び/又は増殖を誘導するあらゆるポリペプチドの使用の開示を含む。
「An inhibitor of an endogenous antagonist of an immortalizing agent(不死化剤の内因性アンタゴニストのインヒビタ)」は、不死化剤を拮抗する内因性の剤の活性、濃度、又は発現を、削減、減少又は抑制することで、細胞不死化を誘導する剤を意味する。例えば、特定の内因性の転写抑制リプレッサーが、細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導するように機能するポリペプチドの発現を抑制する。特定の例は、例えばMAD-1などの転写抑制リプレッサーのMADファミリーであり、該MADファミリーは、癌遺伝子のMycファミリーを拮抗する。従って、例えば、MAD-1などの内因性転写抑制リプレッサーのインヒビタは、転写抑制リプレッサーの活性、濃度又はレベルを、削減、減少又は抑制することで、細胞の不死化を誘導するように機能する。
他の実施形態において、例えば、細胞不死化のインデューサーは、サイクリン依存性キナーゼである。例えば、p16、p19、p21及びp27の内因性のサイクリン依存性キナーゼインヒビタは、サイクリン依存性キナーゼにより、細胞不死化の促進を拮抗するように機能する。従って、いくつかの実施形態において、「an inhibitor of an endogenous antagonist of an inducer of cell immortality(細胞不死化のインデューサーの内因性アンタゴニストのインヒビタ)」は、同一の型の野生型幹細胞に関連するサイクリン依存性キナーゼインヒビタの活性、濃度又はレベルを削減、減少又は抑制する剤である。
同様に、「inhibitor of pro-apoptotic polypeptides(アポトーシス促進性のポリペプチドのインヒビタ)」は、例えばアポトーシス促進性の内因性ポリペプチドといった、ポリペプチドの活性、濃度又はレベルを削減、減少又は抑制することで、細胞不死化を誘導するように機能する。「Inhibitors of pro-apoptotic polypeptides(アポトーシス促進性のポリペプチドのインヒビタ)」は、あらゆる適切な手段によりアポトーシス促進性のポリペプチドの活性、濃度又はレベルを削減、減少又は抑制し、該手段は、例えば、ポリペプチドに対して結合させる、ポリペプチドを変性させる、ポリペプチドの活性部位を占有する、又はポリペプチドとポリペプチドの標的との相互作用を阻害することにより、ポリペプチドの発現、転写又は抑制、あるいはポリペプチドに対する直接的作用を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載される不死化を誘導する、ポリペプチドのホモログ、アナログ又は断片は、少なくとも40%から100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、該アミノ酸配列は、例えば、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、又は約40%から約100%までの他のあらゆる比率であって、不死性を誘導するポリペプチドに対して同一である。
本明細書に用いられるように、用語「Myc」、「cMyc」、「Mycタンパク質」及び「Mycポリペプチド」は、交互に用いられ、特定の例において、NCBI受入番号NP002458.2、これらの機能的なホモログ、アナログ又は断片を意味する。いくつかの実施形態において、Mycの異名は、限定することではないが、c-Myc、v-Mycの癌遺伝子促進性タンパク質及び転写因子p64を含む。いくつかの実施形態において、Mycポリペプチドは、少なくとも40%から100%の同一性であるアミノ酸配列を含み、該アミノ酸配列は、例えば、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、95%、96%、97%、98%又は約40%から約100%までの他のあらゆる比率であって、NCBI受入番号NP002458.2の配列と同一である。いくつかの実施形態において、Mycポリペプチドは、長さが40又はそれより多いアミノ酸のポリペプチド配列を備え、該配列は、NCBI受入番号NP002458.2の配列に対して、少なくとも50%から100%の同一であり、例えば、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、95%、96%、97%、98%又は約50%から約100%までの他のあらゆる比率で同一である。いくつかの実施形態において、Mycポリペプチドは、長さが40又はそれより多いアミノ酸のポリペプチド配列を備え、該配列は、NCBI受入番号NP002458.2の配列に対して、少なくとも50%から100%同一であり、例えば、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、90%、91%、92%、94%、95%、96%、97%、98%又は約50%から約100%までの他のあらゆる比率で同一であって、Mycポリペプチドは、細胞生存能、細胞不死化、細胞成長及び/又は細胞増殖を誘導する。
最適な比較の目的のために(例えば、第2アミノ酸又は核酸配列と最適にアラインメントするための、第1アミノ酸又は核酸配列の配列を導入するギャップ)、配列がアラインメントされ、2のアミノ酸配列又は2の核酸配列のパーセントホモロジを決定する。アミノ酸の位置又はヌクレオチドの位置に対応するアミノ酸残基又はヌクレオチドは、その後比較される。第1配列の位置が、第2配列における対応する位置と同じアミノ酸残基又はヌクレオチドにより占有される場合、分子は同一の位置にある。2の配列の間のパーセントホモロジは、配列(すなわち、%同一性=同一位置の#/位置の全体の#(例えば重複位置)×100)により共有される同一の位置の数の関数である。いくつかの実施形態において、2の配列は、同一の長さである。
2の配列の間のパーセントホモロジを決定するために、Karlin及びAltschulのアルゴリズム(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5877により修正された、Karlin及びAltschulのアルゴリズム(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264-2268が用いられる。このようなアルゴリズムは、Altschul, et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラムにて、スコア=100、ワード長=12で実行され、本明細書に記載又は開示される核酸分子と相同のヌクレオチド配列を獲得する。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラムにて、スコア=50、ワード長=3で実行される。比較の目的でギャップアラインメントを獲得するために、ギャップBLASTがAltschul et al (1997) Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402に記載されるように用いられる。BLAST及びギャップBLASTプログラムを用いる際に、各プログラムのデフォルトのパラメータ(例えば、XBLAST及びNBLAST)が用いられる。さらなる詳細については、(Ncbi.nlm.nih.govでのワールドワイドウェブ上の)国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)のウェブページを参照。本明細書に記載される方法で用いる適切なタンパク質は、1から15の間のアミノ酸の変化を有するタンパク質を含み、該アミノ酸の変化は、本明細書に記載されるあらゆるタンパク質のアミノ酸配列と比較される、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15のアミノ酸置換、欠失又は付加である。他の実施形態において、変更されたアミノ酸配列は、本明細書記載のあらゆるタンパク質インヒビタのアミノ酸配列に対して、少なくとも75%同一であり、例えば、77%、80%、82%、85%、88%、90%、92%、95%、97%、98%、99%又は100%同一である。変更されたアミノ酸配列が十分な生物活性を維持することで、本明細書に記載される組成物及び方法において機能する限り、このような配列変異体タンパク質は、本明細書に記載される方法に適している。特定の例において、保存アミノ酸の置換が利用される。具体的なアミノ酸内の保存置換は、以下のグループから選択される。(1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン、(3)セリン及びスレオニン、(4)アスパラギン酸塩及びグルタミン酸塩、(5)アスパラギン酸及びグルタミン酸及び(6)リシン、アルギニン及びヒスチジンである。BLOSUM62テーブルは、タンパク質配列のセグメントの約2000の局所多重アラインメント(local multiple alignment)から由来するアミノ酸置換マトリクスであり、これらは関連するタンパク質の500グループより多い高度に保存された領域を示す(Henikoff et al. Proc. Natl Aad. Sci. USA, 89: 10915-10919)。いくつかの実施形態において、BLOSUM62置換の分布が用いられることで、本明細書に記載される又は開示されるアミノ酸配列に導入される保存アミノ酸の置換を定義する。単に化学的特性(上述の通り)にもとづいて、アミノ酸置換を設計することは可能であるのだが、「保存アミノ酸の置換」の用語は、好ましくは-1よりも大きいBLOSUM62の値により示される置換を意味する。例えば、置換が、0、1、2又は3のBLOSUM62の値により特徴付けられる場合、アミノ酸置換が、保存される。このシステムによると、好適な保存アミノ酸の置換は、少なくとも1(例えば、1、2又は3)のBLOSUM62の値により特徴付けられ、その上、より好適な保存アミノ酸の置換は、少なくとも2(例えば2又は3)のBLOSUM62の値により特徴付けられる。
本明細書に用いられるように、用語「nucleic acid(核酸)」は、1又はそれより多い核酸の組み合わせ又は挿入を介して操作された核酸を意味し、これにより、通常自然において共に生じない配列を組み合わせる。いくつかの実施形態において、核酸はインデューサ又はエンハンサを備える。いくつかの実施形態において、核酸は、制限酵素部位を備える。いくつかの実施形態において、核酸は、ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、核酸は、変異を備える。
本明細書に用いられるように、用語「polypeptide(ポリペプチド)」は、核酸から生成されるポリペプチドを意味する。
本明細書に用いられるように、用語「Myc polypeptide(Mycポリペプチド)」は、核酸から生成されるMycポリペプチドを備える。
本明細書に用いられるように、用語「transgene(導入遺伝子)」は、ポリペプチドを、動物、バクテリア、ウイルス又は細胞のゲノムDNAにコードする核酸に組み込むことを意味する。
本明細書に用いられるように、用語「TRE」は、テトラサイクリン応答エレメントを意味する。
本明細書に用いられるように、「over-expression(過剰発現)」は、同一の細胞内の同一のポリペプチド又はタンパク質の発現の内因性レベルを比較する際におけるより高い発現のレベルを意味する。特定の例において、「over-expression(過剰発現)」は、ポリペプチドの発現を意味する。いくつかの実施形態において、より高い発現レベルは、2%から200%よりも高いレベルを含む。いくつかの実施形態において、より高い発現レベルは、2倍から1000倍よりも高いレベルを含む。いくつかの実施形態において、より高い発現レベルは、2倍から1000倍よりも高いレベルを含む。いくつかの実施形態において、より高い発現レベルは、2倍から10000倍よりも高いレベルを含む。いくつかの実施形態において、より高い発現レベルは、以前の未検出の発現レベルと比較した際の、発現の検出可能なレベルを含む。いくつかの実施形態において、「over-expression(過剰発現)」は、外因性のポリペプチド又はタンパク質の発現のあらゆる検出可能なレベルを意味する。
用語「polypeptide(ポリペプチド)」、「peptide(ペプチド)」及び「protein(タンパク質)」は、本明細書において交互に用いられ、アミノ酸残基のポリマーを意味する。用語は、天然で生じるアミノ酸ポリマーの他に、1又はそれより多いアミノ酸残基が非天然で生じるアミノ酸、例えば、アミノ酸アナログである。本明細書に用いられるように、用語は、全長タンパク質を含むあらゆる長さのアミノ酸鎖を含有し、アミノ酸残基は、ペプチドの共有結合により、結合される。
I.不死化細胞
幹細胞
不死化される、又は条件的に不死化される幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、あらゆる適切なソースから獲得される。特定の実施形態において、利用される幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、動物、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、サル、ラット、ネズミ又はこれらと同類のもの由来である。いくつかの実施形態において、幹細胞は、個体の骨髄、末梢血、臍帯又は胎児組織から獲得される、あるいは、個体の骨髄、末梢血、臍帯又は胎児組織から入手される。
特定の実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、ヒト臍帯又はプラセンタから収集される。複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)のもう1つ別のソースは、胎児動物の発達造血組織である。ヒトにおいて、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)が、約12週から18週までのヒト胎児の循環血において見出される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)が、あらゆるソース、例えば、A+、A−、B+、B−、O+、O−、AB+、AB−の型のドナーの血液の骨髄、末梢血、臍帯又は胎児組織から獲得される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、幹細胞ドナーを麻酔し、後側の腸骨稜を針で穿刺し、そしてシリンジで骨髄細胞の吸引を実行することで獲得される。
残存する骨髄細胞の処理に関連する更なる工程は、連続処理に適した培地又はバッファにおける細胞の遠心分離、再懸濁による細胞収集を備える。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、循環血から収集される。いくつかの実施形態において、骨髄における複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、幹細胞ドナーにサイトカインを注入することで、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)等を、骨髄から循環血へとより多くの数が移動させられる。
本明細書記載の特定の態様において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、異なる血液グループ、又は主組織適合遺伝子複合体(MHC)又はヒト白血球抗原(HLA)適合ソースから獲得される。いくつかの実施形態において、末梢血の採取は、細胞収集の数日前に、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の注入を含む。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を獲得する工程は、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を骨髄から採取する工程を備え、該工程は、幹細胞の増殖を誘導することにより、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を濃縮するために、5−フルオロウラシル(5-FU)を注入することを含む。
あらゆる適切な同定する方法が、任意に用いられ、ドナーから獲得される幹細胞を同定するのに用いられる。例えば、いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)の同定は、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)に関連付けられた細胞表面マーカ、システムの最終分化細胞に特異的に関連付けられた細胞表面マーカを用いることを備える。ある実施形態において、マーカは1又はそれより多いc-kit、Sca-1、CD34、CD38、Thy1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD43、CD45、CD59、CD90、CD105、CD133、ABCG2、NK1.1、B220、Ter-119、Flk-2、CDCP1、エンドムチン又はGr-1を備える。もう1つ別の実施形態において、マーカは、1又はそれより多いCD150、CD244又はCD46を含む。
ドナーから獲得された複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、限定することではないが、蛍光標示式細胞分取器(FACS)又は磁気活性化細胞選別装置(MACS)等のあらゆる適切な方法で、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)ではないものと分離される。
限定しない例において、マウス骨髄細胞は、1又はそれより多いc-kit、Sca-1、CD34、CD38、Thy1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD43、CD45、CD59、CD90、CD105、CD133、ABCG2、NK1.1、B220、Ter-119、Flk-2、CDCP1、エンドムチン又はGr-1等の細胞表面分子を認識する抗体でインキュベートされる。CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、Ter-119及びGr-1に対する抗体は、磁気ビーズと接合される。MACS装置において、これらの表面上のCD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、Ter-119又はGr-1を有する細胞は、磁気ビーズ及び抗体に接合された磁気ビーズに取り付けられた細胞を捕捉するように備えられたカラムに維持される。MACSカラムにより捉えられていない細胞は、FACS分析に晒される。FACS分析で、c-kit、Sca-1、CD34、CD38、Thy1などの表面分子に対する抗体は、蛍光物質に接合される。C-kit1、Sca-11、CD34low/-、CD381、Thy11/lowの細胞は、細胞に関連付けられた蛍光抗体の種類により、残りのサンプルから分離される。これらの細胞は、マウス長期幹細胞(例えば、造血幹細胞)として、本明細書に記載されるさらなる方法で提供される。他の実施形態において、マーカの異なるセットが用いられ、マウス長期幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、骨髄細胞、臍帯血、胎児組織及び末梢血から分離する。
もう1つ別の限定されない例において、ヒト末梢血細胞は、c-kit、Sca-1、CD34、CD38、Thy1、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD43、CD45、CD59、CD90、CD105、CD133、ABCG2、NK1.1、B220、Ter-119、Flk-2、CDCP1、エンドムチン又はGr-1を認識する抗体でインキュベートされる。CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、Ter-119及びGr-1に対する抗体は、磁気ビーズに接合される。CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、Ter-119又はGr-1を発現する細胞は、磁気ビーズ及び抗体に接合される磁気ビーズに付着する細胞を捕捉するように備えられたカラムに維持される。MACSカラムにより捉えられていない細胞は、FACS分析に晒される。c-kit、Sca-1、CD34、CD38、Thy1の抗体は、従来から知られている蛍光物質に接合される。CD34+、CD38low/-、c-kit-/low、Thy1+の細胞は、細胞に関連付けられた蛍光抗体の種類により、残りのサンプルから分離される。これらの細胞は、ヒト長期幹細胞(例えば、造血幹細胞)として、本明細書に開示されるさらなる方法で提供される。
さらなるもう1つ別の限定されない例において、被検体から取得された細胞は、抗体(1又はそれより多いCD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、Ter-119又はGr-1に対する抗体)に接合された磁気ビーズ及び蛍光接合したCD150、CD244及び/又はCD48抗体にラベルされる。サンプルからの抗体に接合された磁気ビーズにより捉えられた細胞を除去してから、サンプルは、FACにより分析され、CD150+、CD244-及びCD48-細胞は、長期幹細胞(例えば、造血幹細胞)として維持される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法で用いられた複数の幹細胞(例えば、不死化細胞又は幹細胞)は、1又はそれより多いマーカを備える。すなわち、c-kit+、Sca-1-、CD34low/-、CD38+、Thy1+/low、CD34+、CD38low/-、c-kit-/low及び/又はThy1+である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に用いられる幹細胞(例えば、不死化細胞又は幹細胞)は、1又はそれより多いマーカが欠いている。すなわち、CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、NK1.1、B220、Ter-119及び/又はGr-1である。特定の実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法で用いられる幹細胞(例えば、不死化細胞又は幹細胞)は、A+、A-、B+、B-、O+、O-、AB+又はAB-型である。
いくつかの実施形態において、不死化された幹細胞を提供する工程は、少なくとも1の不死化細胞又は幹細胞を提供する工程を含む。特定の実施形態において、少なくとも1の不死化幹細胞を提供する工程は、複数の不死化細胞又は幹細胞(例えば、造血幹細胞)を提供する工程を備える。いくつかの実施形態において、不死化された幹細胞を提供する工程は、不死化細胞又は幹細胞を生成する工程を備える。特定の実施形態において、不死化幹細胞を提供する工程は、複数の不死化細胞又は幹細胞(例えば、造血幹細胞)を生成する工程を備える。他の実施形態において、不死化細胞又は幹細胞は、あらゆるソースから得られることにより、提供される。
不死化
特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、適切な期間、適切な条件下で継続して維持され、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞株の確立に成功した。
特定の実施形態において、本明細書に記載される方法に基づいて、条件的に不死化された幹細胞の増殖を誘導する工程は、条件的に不死化された幹細胞を誘導する工程を備え、これにより、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)が増殖させられる。いくつかの実施形態において、増殖を誘導する工程は、不死化を誘導する剤の発現を誘導する工程を備える。特定の実施形態において、不死化を誘導する剤の発現は、不死化を誘導する剤をコードする導入遺伝子を備える、条件的に不死化された細胞において、誘導され、不死化剤をコードする導入遺伝子は、1又はそれより多いTREである。
特定の実施形態において、不死化された幹細胞は、限定することではないが、不死化された造血幹細胞、不死化された間葉系幹細胞、不死化された神経幹細胞、不死化された上皮幹細胞、不死化された腸幹細胞、不死化された心筋細胞前駆幹細胞、不死化された皮膚幹細胞、不死化された濾胞幹細胞、不死化された骨格筋幹細胞、不死化された骨芽前駆幹細胞、不死化された肝幹細胞、不死化された胚幹細胞又はこれらと同類のものである。特定の実施形態において、不死化された幹細胞は、不死化された造血幹細胞である。
いくつかの実施形態において、不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞を、不死化を誘導する剤と接触させることで生成される。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞を不死化させることで、同系の正常型又は野生型の幹細胞が、長期間(例えば、6時間以上、12時間以上、24時間以上、3日以上、1週間以上、2週間以上、1ヶ月以上、3ヶ月以上など)経過後に、エクスビボで残存、増殖及び/又は分化することが不可能になるのを取り除く。特定の実施形態において、不死化剤は、条件的に活性化される。
いくつかの実施形態において、不死化剤は、不死化剤を誘導する腫瘍−ペプチドである。例えば、特定の実施形態において、不死化を誘導する適切な腫瘍−ペプチドは、成長因子及び/又は分裂促進因子、受容体チロシンキナーゼ、特に恒常的な活性受容体チロシンキナーゼ、細胞内チロシンキナーゼ、細胞内セリン/チロシンキナーゼ及びこれらの調節サブユニット、調節GTPアーゼ、転写因子、テロメラーゼ逆転写酵素及び/又は他の腫瘍−ペプチドを活性化する因子である。いくつかの実施形態において、不死化された幹細胞が改変されることで、腫瘍−ペプチドを発現又は条件的に発現する。さらに、いくつかの実施形態において、腫瘍−ペプチドの機能又は発現は、条件的に活性化される。
いくつかの実施形態において、不死化剤は、不死化を誘導する内因性アンタゴニストを抑制する。例えば、いくつかの実施形態において、不死化を誘導する剤は、不死化を誘導する遺伝子の発現を拮抗する転写抑制リプレッサーのインヒビタを備える。特定の実施形態において、転写抑制リプレッサーは、腫瘍−ペプチド、例えばMycを拮抗する。
いくつかの実施形態において、不死化を誘導する剤は、例えば、抗アポトーシスポリペプチドのように、アポトーシスを抑制するポリペプチドである。いくつかの実施形態において、不死化された幹細胞は、アポトーシスを抑制するポリペプチドを発現及び/又は条件的に発現する。例えば、細胞は、アポトーシスを抑制するポリペプチドを発現又は条件的に発現する導入遺伝子を備える。いくつかの実施形態において、不死化を誘導する剤は、例えば内因性のアポトーシス促進性のポリペプチドといった、アポトーシス促進性のポリペプチドを抑制する剤である。
いくつかの実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、幹細胞を不死化を誘導する剤と接触させることで生成される(例えば、腫瘍−ペプチド又は導入遺伝子の発現、又は腫瘍ペプチドの過剰発現)。いくつかの実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、以下から選択される少なくとも1の他の剤と組み合わせて、幹細胞を、不死化を誘導し(例えば、腫瘍−ペプチド又は腫瘍−ペプチドを発現又は過剰発現する導入遺伝子)と接触させることで、生成され、該少なくとも1の他の剤は、不死化を誘導する剤(例えば、もう1つ別の腫瘍−ペプチド及び/又はもう1つ別の腫瘍−ペプチドを発現又は過剰発現する導入遺伝子)、細胞不死化のインデューサーである内因性アンタゴニストのインヒビタ、抗アポトーシスポリペプチド、アポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタ又はこれらの組み合わせから選択される。
本明細書に記載される方法に用いられる、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、あらゆる適切な手法で作成される。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞を、不死化を誘導するポリペプチドをコードするポリペプチド及び/又は導入遺伝子(例えば、癌遺伝子又は癌原遺伝子)と接触させることで生成される。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞を、腫瘍−ペプチド(例えば、Myc)及び/又は腫瘍−ペプチド(例えばMyc)をコードする導入遺伝子に接触させることで、生成される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法で用いられる、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、腫瘍−ペプチドをコードする導入遺伝子を備え、本明細書に記載されるあらゆる方法は、任意でさらに、分化の前に不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の核から導入遺伝子を除去する工程、又は分化の後に選択された型の細胞の核から導入遺伝子を除去する工程のいずれかを含む。
例えば、腫瘍−ペプチド、抗アポトーシスポリペプチド、アポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタ又は細胞不死化のインデューサーである内因性アンタゴニストといった、不死化を誘導する剤をコードする導入遺伝子の幹細胞への送達は、あらゆる適切な手法において達成される。特定の例において、不死化を誘導する剤をコードする導入遺伝子は、ベクターを用いて幹細胞に形質移入される。本明細書に用いられるように、核酸を細胞に挿入することは、限定することではないが、マイクロインジェクション、遺伝子移入、遺伝子導入、エレクトロポレーション又はこれらと同類の方法を任意で備える。いくつかの実施例において、不死化を誘導する剤をコードする導入遺伝子は、条件的に不死化された幹細胞へと形質導入される。いくつかの実施形態において、不死化を誘導する剤をコードする導入遺伝子を形質移入又は形質導入する方法は、U.S.2007/0116691に説明される通りであり、該出願は、本開示で参照することにより本明細書に組み込まれる。例えば、腫瘍−ペプチド、抗アポトーシスポリペプチド、アポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタ、又は細胞不死化の内因性アンタゴニスト等といった、不死化を誘導するポリペプチドの幹細胞への送達は、あらゆる適切な手法により達成される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、ポリペプチドをコードする導入遺伝子を発現することにより、細胞に導入される。特定の実施形態において、ポリペプチドは、ポリペプチド導入ドメインを備える融合ポリペプチドであり、ポリペプチドは条件的に不死化された幹細胞を融合ポリペプチドで、培養することにより、条件的に不死化された幹細胞へと導入される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドを幹細胞へと導入する方法は、U.S.2007/0116691に記載されている通りであり、該出願は本開示で参照することにより本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法において用いられる不死化された幹細胞は、細胞不死化を誘導する剤を備える。いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、細胞不死化を誘導するポリペプチドを発現又は過剰発現する導入遺伝子を備える。いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、細胞不死化を誘導するポリペプチドを備える。いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導するポリペプチドは、腫瘍−ペプチドである。腫瘍−ペプチドは、細胞不死化を誘導する適切なクラスである。例えば、特定の実施形態において、細胞不死化を誘導する適切な腫瘍−ペプチドは、成長因子及び/又は分裂促進因子(例えば、c-Sis等の成長因子由来のPDGF-)、受容体チロシンキナーゼ、特に恒常的な活性受容体チロシンキナーゼ(例えば、上皮成長因子受容体(EGFR)、血小板−由来増殖因子(PDGFR)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)及びHER2/neu)、細胞内チロシンキナーゼ(例えば、Src-ファミリー、Syk-ZAP-70及びチロシンキナーゼのBTKファミリー)、細胞内セリン/チロシンキナーゼ及びこれらの調節サブユニット(例えば、Rafキナーゼ、サイクリン依存性キナーゼ、Aktファミリーのメンバー)調節GTPアーゼ(例えば、Rasタンパク質)、転写因子(例えば、Myc及びH1F-1a)、テロメラーゼ逆転写酵素(例えば、TERT又はhTERT)及び/又は他の腫瘍−ペプチド(例えば、サイクリンD1及びD3等のサイクリンA、B、D及び/又はEを含むサイクリン)を活性化する因子である。特定の実施形態において、腫瘍−ペプチドは、Myc、HIF-1a、Notch-1、Akt、hTERT又はサイクリンである。いくつかの実施形態において、腫瘍−ペプチドは、例えば、Myc、HIF-1a、Notch-1、Akt、hTERT又はサイクリンの機能的断片、ホモログ又はアナログといった、細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導するあらゆる腫瘍−ペプチドの機能的断片、ホモログ又はアナログである。
いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、細胞不死化のインデューサーの内因性アンタゴニストを抑制する。例えば、遺伝的インヒビタ又は低分子インヒビタ(例えばアンタゴニスト等)である。例えば、いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、細胞不死化を誘導する遺伝子の発現を抑制する転写抑制リプレッサーのインヒビタを備える。特定の実施形態において、転写抑制リプレッサーは、例えばMycのように、細胞不死化を誘導する遺伝子の発現を調節する腫瘍−ペプチドを拮抗する。例えば、いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、例えばMAD-1のように、転写抑制リプレッサーのMADファミリーの少なくとも1のメンバーを抑制する剤を備える。他の特定の実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、サイクリン−依存性キナーゼインヒビタのインヒビタを備える(例えば、p16、p19、p21又はp27)
同一の種類の野生型幹細胞に関連した細胞不死化を誘導する剤の内因性アンタゴニストを抑制するあらゆる剤は、本明細書に開示される方法において適切に使用される。細胞不死化を誘導する剤の内因性アンタゴニストのインヒビタである剤は、あらゆるメカニズムによって、あらゆる段階でのアンタゴニストの活性又はレベルを削減、抑制又は減少させる。例えば、いくつかの例において、このような剤は、例えば翻訳レベル又は転写レベルにて、細胞不死化を誘導する剤の活性を拮抗する剤の発現を干渉する。特定の実施形態において、細胞不死化を誘導する剤の活性を拮抗する剤の発現を干渉する剤は、RNA干渉(RNAi分子)の可能な剤である。いくつかの実施形態において、RNAi分子は、例えば腫瘍−ペプチドのように、ポリペプチドをコードするmRNAに開裂又は結合することで生成される。RNAi分子は、低分子干渉RNA(small interfering RNA、siRNA)、ミクロRNA (miRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)又は低分子ヘアピン型RNA(shRNA)を含むあらゆる適切な手段により生成される。特定の実施形態において、細胞不死化を誘導する剤の活性を拮抗する剤の発現を干渉する剤は、例えば、有機低分子といった低分子である。
いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤の内因性アンタゴニストを抑制する剤は、アンタゴニスト上に直接作用する。例えば、いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、抗体又は低分子などのように、細胞不死化を誘導する剤の内因性アンタゴニストに結合するとともに、その活性を抑制する剤を含む。例えば、いくつかの実施形態において、適切な剤は、腫瘍−ペプチドのアンタゴニストに結合するとともに、干渉する剤であり、例えば、1又はそれより多い転写抑制因子(例えば、MAD-1)のMADファミリーあるいはサイクリン−依存性キナーゼインヒビタ(例えば、p16、p19、p21又はp27)に結合するとともに、その自然機能を破壊する抗体又は低分子があげられる。
いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、抗アポトーシスポリペプチドを発現又は過剰発現する導入遺伝子である。いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、抗アポトーシスポリペプチドである。いくつかの実施形態において、幹細胞における抗アポトーシスポリペプチド又は細胞により発現される幹(stem)は、1又はそれより多いBcl-2ホモロジドメインを備える。いくつかの特定の実施形態において、1又はそれより多いBcl-2ホモロジドメイン(例えば、BH1、BH2、BH3及び/又はBH4)を備える抗アポトーシスポリペプチドは、例えば、Bcl-2、Bcl-x、Bcl-XL、Mcl-1、CED-9、A1、Bfl-1、Bcl-w又はこれらと同類のものである。
いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、例えば、同一の型の野生型幹細胞に関連した幹細胞内における、内因性アポトーシス促進性ポリペプチドといった、アポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタである。特定の実施形態において、アポトーシス促進性ポリペプチドは、1又はそれより多いBcl-2ホモロジドメイン(例えば、BH1、BH2、BH3及び/又はBH4)を備える。特定の実施形態において、アポトーシス促進性ポリペプチドは、例えばBIM、PUMA、NOXA、BAK、BAX、BIK、BAD、BID、EGL-1及び/又はこれらと同類のものといった、BH3を備える。特定の実施形態において、アポトーシス促進性ポリペプチドは、例えばBIM、PUMA、NOXA、BAD、BID、EGL-1及び/又はこれらと同類のものといった、BH3-のみのポリペプチドである。
同一の型の野生型幹細胞に関連した幹細胞内における、アポトーシス促進性ポリペプチドの活性又はレベルを抑制するあらゆる剤は、細胞不死化を誘導する剤として適切である。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞でのアポトーシス促進性ポリペプチドのレベルを減少させる剤は、アポトーシス促進性ポリペプチドの発現を干渉する剤である。いくつかの実施形態において、アポトーシス促進性ポリペプチドの発現を干渉する剤は、翻訳レベル又は転写レベルでの発現を干渉する。特定の実施形態において、アポトーシス促進性ポリペプチドの発現を干渉する剤は、RNAi分子(例えば、アポトーシス促進性ポリペプチドをコードするmRNAの開裂又は結合することでRNAを干渉する分子、例えば、BH3ドメインを含むポリペプチドをコードするmRNAである。)いくつかの実施形態において、RNAi分子は、siRNA、miRNA、dsRNA及び/又はshRNAを含むあらゆる適切な手段により生成される。特定の他の実施形態において、アポトーシス促進性ポリペプチドの発現を干渉する剤は、例えば有機低分子といった、低分子である。
いくつかの実施形態において、同一の型の野生型幹細胞に関連する幹細胞内における、アポトーシス促進性ポリペプチドの活性又はレベルを抑制する剤は、アポトーシス促進性ポリペプチド上に直接的に作用する。例えば、いくつかの実施形態において、細胞不死化を誘導する剤は、アポトーシス促進性ポリペプチドを結合するとともに、その活性を抑制する剤を備え、例えば、アポトーシス促進性ポリペプチドに結合するとともに、その自然機能を破壊する抗体又は低分子があげられる。
特定の実施形態において、例えば細胞不死化を誘導するポリペプチドをコードするポリペプチド又は導入遺伝子といった、細胞不死化を誘導する剤は、限定することではないが以下のものを含む。即ち、n-Myc、c-Myc、l-Myc、v-Myc、mTOR、サイクリンD1、サイクリンD3、STAT3、STAT5、AML-ETO、AKT、ICN-1、hTERT、PDK-1、MLL-ENL、IL3受容体 β鎖、β-カテニン、ヘッジホッグファミリー(Shh、Ihh、Dhh)、Bmi-1、c-Jun、Wnt、Bcl-2、Bcl-6、Bcl-10、上皮成長因子受容体 (EGFR、ErbB-1、HER1)、ErbB-2 (HER2/neu)、ErbB-3/HER3、ErbB-4/HER4、EGFRリガンドファミリー、 インスリン様成長因子受容体 (IGFR)ファミリー、IGF-結合タンパク質(IGFBPs)、IGFRリガンドファミリー、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)ファミリー、PDGFRリガンドファミリー、線維芽細胞増殖因子受容体 (FGFR)ファミリー、FGFRリガンドファミリー、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)ファミリー、VEGFファミリー、HGF受容体ファミリー、TRK受容体ファミリー、エフリン(EPH)受容体ファミリー、 AXL受容体ファミリー、 白血球チロシンキナーゼ(LTK)受容体ファミリー、 TIE受容体ファミリー、アンジオポエチン1,2、 受容体型チロシンキナーゼ様オルファン受容体(ROR)の受容体ファミリー、ジスコイジンドメイン受容体(DDR)ファミリー、 RET受容体ファミリー、 KLG受容体ファミリー、 RYK受容体ファミリー、 MuSK受容体ファミリー、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容体、TGF-ベータ、サイトカイン受容体、クラスI (赤血球生成促進因子ファミリー) 及びクラスII (インターフェロン/IL-10ファミリー)受容体、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリー(TNFRSF)、細胞死受容体ファミリー、癌精巣(CT)抗原、系列特異的抗原(lineage-specific antigen)、分化抗原、アルファ-アクチニン-4、ARTC1、易切断領域-アベルソン(Bcr-abl)融合性生物、B-RAF、カスパーゼ-5 (CASP-5)、カスパーゼ-8 (CASP-8)、ベータ-カテニン(CTNNB1)、細胞分裂周期27 (CDC27)、サイクリン-依存性キナーゼ4 (CDK4)、CDKN2A、COA-1、dek-can 融合タンパク質、EFTUD-2、伸長因子2 (ELF2)、Ets変異体遺伝子6/急性骨髄性白血病1遺伝子ETS (ETC6-AML1)融合タンパク質、フィブロネクチン(FN)、GPNMB、低密度脂質受容体/GDP-Lフコース、β−Dガラクトース2-α-フコシルトランスフェラーゼ(LDLR/FUT)融合タンパク質、HLA-A2遺伝子(HLA-A*201-R170I)におけるアルファ.2ドメインのアルファ−へリックスの170残基でのHLA-A2.アルギニンからイソロイシンへの交換、HLA-A11、ヒートショックタンパク質70-2変異(HSP70-2M)、KIAA0205、MART2、メラノーマの広範囲に分布する変異(melanoma ubiquitous mutated) 1、2、3 (MUM-1、2、3)、前立腺性酸性ホスファターゼ(PAP)、ネオ-PAP、ミオシンクラスI、NFYC、OGT、OS-9、pml-RARアルファ融合タンパク質、PRDX5、PTPRK、K-ras (KRAS2)、N-ras (NRAS)、HRAS、RBAF600、SIRT2、SNRPD1、SYT-SSX1又は-SSX2融合タンパク質、トリオースリン酸異性化酵素、BAGE、BAGE-1、BAGE-2,3,4,5、GAGE-1,2,3,4,5,6,7,8、GnT-V (異常N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV、MGAT5)、HERV-K-MEL、KK-LC、KM-HN-1、LAGE、LAGE-1、メラノーマ上のCTL-認識抗原(CAMEL)、MAGE-A1 (MAGE-1)、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-A5、MAGE-A6、MAGE-A8、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-A11、MAGE-A12、MAGE-3、MAGE-B1、MAGE-B2、MAGE-B5、MAGE-B6、MAGE-C1、MAGE-C2、ムシン1 (MUC1)、MART-1/メラン-A (MLANA)、gp100、gp100/Pmell7 (SILV)、チロシナーゼ(TYR)、TRP-1、HAGE、NA-88、NY-ESO-1、NY-ESO-1/LAGE-2、SAGE、Sp17、SSX-1,2,3,4、TRP2-INT2、癌胎児性抗原(CEA)、カリクレイン4、マンマグロビン-A、OA1、前立腺特異抗原(PSA)、TRP-1/gp75、TRP-2、アディポフィリン(adipophilin)、メラノーマ中に存在しないインターフェロン誘導タンパク質の2(interferon inducible protein absent in melanoma 2)(AIM-2)、BING-4、CPSF、サイクリンD1、上皮細胞接着分子(EpCAM, epithelial cell adhesion molecule)、EphA3、線維芽細胞増殖因子-5 (FGF-5)、糖タンパク質250 (gp250)、EGFR (ERBB1)、HER-2/neu (ERBB2)、インターロイキン13受容体アルファ.2鎖(ILI 3Ralpha2)、IL-6受容体、腸管内カルボキシエステラーゼ (iCE)、αフェトタンパク質(AFP)、M-CSF、mdm-2、MUC1、p53 (TP53)、PBF、PRAME、PSMA、RAGE-1、RNF43、RU2AS、SOX10、STEAP1、サバイビン(BIRC5)、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)、テロメラーゼ、ウィルムス癌遺伝子(WT1)、SYCP1、BRDT、SPANX、XAGE、ADAM2、PAGE-5、LIP1、CTAGE-1、CSAGE、MMA1、CAGE、BORIS、HOM-TES-85、AF15q14、HCA661、LDHC、MORC、SGY-1、SPO11、TPX1、NY-SAR-35、FTHL17、NXF2、TDRD1、TEX15、FATE、TPTE、免疫グロブリンイディオタイプ、ベンス・ジョーンズタンパク質、エストロゲン受容体 (ER)、アンドロゲン受容体 (AR)、CD40、CD30、CD20、CD19、CD33、癌抗原72-4 (CA 72-4)、癌抗原15-3 (CA 15-3)、癌抗原27-29 (CA 27-29)、癌抗原125 (CA 125)、癌抗原19-9 (CA 19-9)、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、扁平上皮細胞癌関連抗原、神経特異的エノラーゼ、ヒートショックタンパク質gp96、GM2、サルグラモスチム、CTLA-4、707プロリンアラニン(707-AP)、T-細胞4により認識される腺癌抗原(ART-4)、癌胎児性抗原ペプチド-1 (CAP-1)、カルシウム依存性クロライドチャネル-2 (CLCA2)、シクロフィリンB (Cyp-B)、ヒト印環腫瘍-2 (HST-2)、形質転換遺伝子及びタンパク質由来のシミアンウイルス40 (SV40)、ヒトパピローマウイルス(HPV)タンパク質(HPV-E6、HPV-E7、主要な又はマイナーなカプシド抗原、その他)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)タンパク質(EBV 潜伏感染膜タンパク質-LMP1、LMP2、その他)、B型又はC型肝炎ウイルスタンパク質、ヒト免疫不全ウイルス (HIV)タンパク質、機能ホモログ、機能アナログ、又はこれらの機能断片である。特定の実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法において用いられる、腫瘍−ペプチド、他の不死化導入遺伝子、機能ホモログ、機能アナログ又はこれらの機能断片をコードする導入遺伝子は、細胞生存能、細胞生存及び/又は細胞増殖を誘導するポリペプチドをコードする導入遺伝子を含む。
特定の実施形態において、細胞不死化(例えば、腫瘍−ペプチド)を誘導するポリペプチドを条件的に過剰発現する導入遺伝子は、テトラサイクリン又はこれらのアナログ(例えば、ドキシサイクリン)に応答する要素を備える。特定の実施例において、本明細書に記載されるあらゆるポリペプチド(例えば、腫瘍−ペプチド)をコードする導入遺伝子が、tTA又はrtTA(例えば、TRE-Myc)により、導かれる。このように特定の実施形態において、本明細書に記載される条件的に不死化された幹細胞は、細胞不死化を誘導するポリペプチドをコードする第1導入遺伝子を備え、第1導入遺伝子は、1又はそれより多いTREを備え、さらに1又はそれより多いTRE(例えば、tTA又はrtTA)を条件的に活性化するポリペプチドをコードする第2導入遺伝子を備える。
特定の実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法において用いられる条件的に不死化された幹細胞は、細胞不死化(例えば、腫瘍−ペプチド)を誘導する条件的に活性化されたポリペプチドを発現する導入遺伝子を備え、導入遺伝子により発現されたポリペプチドは、融合ポリペプチドである。いくつかの実施形態において、ポリペプチドの融合ポリペプチドは、受容体(例えば、エストロゲン受容体(ER)であり、受容体の調節(例えば、アゴニズム、アンタゴニズム及び/又はリガンドに対する結合)が、融合ポリペプチドの生存及び増殖特性を活性化する。例えば、特定の実施形態において、条件的に活性化されたポリペプチドは、限定することではないが、Myc-ERのような腫瘍−ペプチドの融合ポリペプチドである。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞を、細胞不死化(例えば、腫瘍−ペプチド)例えばMyc-ERを誘導する条件的に活性化されたポリペプチドと接触させることで、生成される。
いくつかの例において、例えば、腫瘍−ペプチド又は抗アポトーシスポリペプチドのような、不死化を誘導する剤は、条件的に不死化された幹細胞の外部で、任意で発現又は合成され、続いて、条件的に不死化された幹細胞へと送達されることで、不死化されるまたは条件的に不死化される。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞の外部で発現又は合成され、続けて条件的に不死化された幹細胞へと送達された、細胞不死化を誘導する剤は、条件的に不死化された幹細胞を、形質導入ドメインに接触させることで生成され、該ドメインにより、ポリペプチドは、条件的に不死化された幹細胞へと送達されることが可能である。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞の外部で発現又は合成され、続けて条件的に不死化された幹細胞へと送達された、細胞不死化を誘導する剤は、例えば、Tat-Myc、Vpr-Myc、VP22-Myc、Tat-Bcl-2、Vpr-Bcl-2、VP22-Bcl-2、Tat-Bcl-x、Vpr-Bcl-x、VP22-Bcl-x、Tat-Bcl-XL、Vpr-Bcl-XL、VP22-Bcl-XL、 Tat-Mcl-1、Vpr-Mcl-1、VP22-Mcl-1、Tat-CED-9、Vpr-CED-9、VP22-CED-9、Tat-A1、Vpr-A1、VP22-A1、Tat-Bfl-1、Vpr-Bfl-1、VP22-Bfl-1、Tat-Bcl-w、Vpr-Bcl-w及び/又はVP22-Bcl-wである。特定の実施形態において、例えばER又はGRといった受容体を備える腫瘍−ペプチドはまたさらに、形質導入ドメインを備え、該ドメインにより、ポリペプチドは、例えば、Tat-Myc、Vpr-Myc、Tat-Myc-ER、Vpr-Myc-ER、VP22-Myc-ER、Tat-Myc-GR、 Vpr-Myc-GR及び/又はVP22-Myc-GRといった、条件的に不死化された幹細胞へと送達されることが可能である。
特定の例において、形質導入ドメインを備えた、細胞不死化を誘導する剤を有する条件的に不死化された幹細胞は、形質導入ドメインを備えるポリペプチドを用いて幹細胞を培養することにより作成される。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞が、(1) Tat-Myc、Vpr-Myc、 Tat-Myc-ER、Vpr-Myc-ER、 VP22-Myc-ER、 Tat-Myc-GR、 Vpr-Myc-GR又はVP22-Myc-GR及び(2) Tat-Bcl-2、Vpr-Bcl-2、VP22-Bcl-2、Tat-Bcl-x、Vpr-Bcl-x、VP22-Bcl-x、Tat-Bcl-XL、Vpr-Bcl-XL、VP22-Bcl-XL、Tat-Mcl-1、Vpr-Mcl-1、 VP22-Mcl-1、Tat-CED-9、Vpr-CED-9、VP22-CED-9、Tat-A1、Vpr-A1、VP22-A1、Tat-Bfl-1、Vpr-Bfl-1、VP22-Bfl-1、Tat-Bcl-w、Vpr-Bcl-w又はVP22-Bcl-wを用いて、幹細胞を培養することで、作成される。いくつかの実施形態において、形質導入ドメインを備えるとともに癌原遺伝子によりコードされるポリペプチドは、例えば、Tat-Myc、Vpr-Myc、Tat-Myc-ER、Vpr-Myc-ER、VP22-Myc-ER、Tat-Myc-GR、Vpr-Myc-GR又はVP22-Myc-GRである。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、U.S.2007/0116691号に明記される方法により、説明又は作成される細胞であり、該出願は、本開示で参照することにより本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、幹細胞を、不死化を誘導する剤に接触させることで、生成される(例えば、腫瘍−ペプチド又は、腫瘍−ペプチドを発現又は過剰発現した導入遺伝子)。いくつかの実施形態において、不死化又は条件的に不死化された幹細胞は、以下のものから選択される少なくとも1の他の剤と組み合わせて、幹細胞を、不死化を誘導する剤と接触させることで、生成され(例えば、腫瘍−ペプチド又は、腫瘍−ペプチドを発現又は過剰発現した導入遺伝子)、該少なくとも1の他の剤は、不死化を誘導し(例えば、もう1つ別の腫瘍−ペプチド及び/又はもう1つ別の腫瘍−ペプチドを発現又は過剰発現する導入遺伝子)、該剤は、以下の細胞不死化のインデューサーの内因性アンタゴニストのインヒビタ、抗アポトーシスポリペプチド、アポトーシス促進性ポリペプチド又はこれらの組み合わせから選択される。
本明細書に記載された方法により用いられる、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、あらゆる適切な方法で作成される。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞を、不死化を誘導するポリペプチドをコードするポリペプチド及び/又は導入遺伝子(例えば、癌遺伝子又は癌原遺伝子)に接触させることで、生成される。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞を、癌遺伝子(例えば、Myc)及び/又は癌遺伝子(例えば、Myc)をコードする導入遺伝子と接触させることで、生成される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法で用いられる方法で、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞(造血幹細胞)は、腫瘍−ペプチドをコードする導入遺伝子を備え、本明細書に記載されたあらゆる方法は任意でさらに、分化の前に不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の核から導入遺伝子を除去する工程、又は分化の後に選択された型の細胞の核から導入遺伝子を除去する工程のいずれかを含む。
特定の実施形態において、本明細書に開示される方法で用いられる幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、細胞不死化を誘導する少なくとも1の他の剤と組み合わせて、腫瘍−ペプチド又は腫瘍−ペプチドを発現する導入遺伝子を備える。このような組合せの特定の例は、腫瘍−ペプチド又は腫瘍−ペプチド(例えば、Myc、Myc-ER、Tat-Myc、Vpr-Myc、Tat-Myc-ER、Vpr-Myc-ER、VP22-Myc-ER、Myc-GR、Tat-Myc-GR、Vpr-Myc-GR、VP22-Myc-GR、シクリンD1、シクリンD3及び/又はHIF-1a)を発現する導入遺伝子と、細胞不死化を誘導する剤の内因性アンタゴニストのインヒビタとの組み合わせを含む。(例えば、シクリン依存性キナーゼインヒビタ(例えば、p16、p19、p21,又は p27)及び/又は細胞不死化を誘導する遺伝子の発現を抑制する転写物質のインヒビタ(例えば、転写物質(例えば、MAD−1)のMADファミリーのメンバー))
他の実施形態において、不死化を誘導する剤の組み合わせは、腫瘍−ペプチド又は腫瘍ペプチドを発現する導入遺伝子(例えば、Myc、Myc-ER、Tat-Myc、Vpr-Myc、Tat-Myc-ER、Vpr-Myc-ER、VP22-Myc-ER、Myc-GR、Tat-Myc-GR、Vpr-Myc-GR、VP22-Myc-GR、シクリンD1、シクリンD3及び/又はHIF-1a)と、1又はそれより多いBcl-2ホモロジドメイン(例えば、Bcl-2、Bcl-x、Bcl-XL、Mcl-1、CED-9、A1、Bfl-1、Bcl-w又はこれらと同類のもの)及び/又はアポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタ(例えば、BIM、PUMA、NOXA、BAK、BAX、BIK、BAD、BID、EGL-1)を含む。特定の実施形態において、本明細書に開示される方法において用いられる幹細胞(例えば、造血幹細胞)における不死化を誘導する剤の特定の組み合わせは、MyeポリペプチドとBcl-2ポリペプチド、Mycポリペプチドと例えばBIMのようなアポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタである。特定の実施形態において、インヒビタは、核酸、アミノ酸を備え、又は有機低分子である。
いくつかの他の実施形態において、本明細書に開示された方法で用いられる幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、幹細胞の不死化のインデューサーである内因性アンタゴニストと、幹細胞の不死化を誘導する少なくとも他の1の剤との組み合わせを含み、該剤は、例えば幹細胞不死化のインデューサーの内因性アンタゴニストのもう一つ別のインヒビタ、及び/又は腫瘍−ペプチド、及び/又は抗アポトーシスポリペプチド、及び/又はアポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタである。このような組み合わせの特定の限定しない例は、Bcl-2ポリペプチドを有するMAD-1のインヒビタと、例えばBIMのような、アポトーシス促進性ポリペプチドのインヒビタを有するMAD-1のインヒビタを含む。
また特定の実施形態において含まれるのは、細胞不死化を誘導する剤の組み合わせであり、少なくとも1の剤は、全ての剤を含むまで、条件的に発現又は活性化されている。例えば、このような組み合わせは、限定することではないが、例えばMyc-ER、Tat-Myc、Vpr-Myc、Tat-Myc-ER、Vpr-Myc-ER、VP22-Myc-ER、Myc-GR、Tat-Myc-GR、Vpr-Myc-GR及び/又はVP22-Myc-GRといった条件的に活性化された腫瘍−ペプチドと、例えばBcl-2、Tat-Bcl-2、Vpr-Bcl-2、VP22-Bcl-2、Tat-Bcl-x、Vpr-Bcl-x、VP22-Bcl-x、Tat-Bcl-XL、Vpr-Bcl-XL、VP22-Bcl-XL、Tat-Mcl-1、Vpr-Mcl-1、VP22-Mcl-1、Tat-CED-9、Vpr-CED-9、VP22-CED-9、Tat-A1、Vpr-A1、VP22-A1、Tat-Bfl-1、Vpr-Bfl-1、VP22-Bfl-1、Tat-Bcl-w、Vpr-Bcl-w又はVP22-Bcl-wといった抗アポトーシスポリペプチドとの組み合わせを含む。
本明細書に記載される導入遺伝子及びポリペプチドは、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)へと送達され、これにより、該複数の幹細胞は、限定することではないが、ベクターを用いた幹細胞への形質移入、マイクロインジェクション、形質移入、形質導入、エレクトロポレーション又は同類の方法を用いるといったあらゆる適切な方法で、不死化又は条件的に不死化される。特定の例において、導入遺伝子は、あらゆる適切な技術によりベクター中に構成され、該技術は、例えば、遺伝子、又は遺伝子の断片をゲノムから分離するためにポリメラーゼ連鎖反応を用いる技術、遺伝子、又は遺伝子の断片、又はゲノムから分離された遺伝子を改変させるために、制限酵素を用いる技術、及びトポイソメラーゼ、DNAリガーゼ、DNAヌクレアーゼ等の核酸改変酵素を用いる技術、細胞からmRNAを獲得し、mRNAをcDNAに変換し、cDNAをさらなるクローニングのために適切なベクター中にそのDNAをクローニングすることに関する方法を用いる技術を含む。
特定の実施形態において、タンパク質形質導入が用いられることで、不死化剤を細胞に導入する。例えば、タンパク質形質導入のために、融合タンパク質が形質導入前に精製された。その結果、細胞の遺伝子改変は、細胞を条件的に不死化させるために必ずしも必要ではない。
特定の実施形態において、ウイルスの形質導入が用いられる。いくつかの実施形態において、Myc又はBcl-2などの不死化のための遺伝子は、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼインデューサー又はHIV LTR(長期反復)インデューサー等のような様々なウイルスインデューサーの制御下で、遺伝子発現が導き出されるウイルスベクターにクローンされる。特定の実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、myc遺伝子、Bcl-2遺伝子又はこれらの組み合わせをコードする核酸配列を備えるウイルスベクターと接触される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、myc遺伝子、Bcl-2遺伝子又はこれらの組み合わせをコードする核酸配列を備えるレトロウイルスベクターと接触される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば造血幹細胞)は、myc遺伝子、Bcl-2遺伝子又はこれらの組み合わせをコードする核酸配列を備えるアデノウイルスベクターと接触される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、myc遺伝子、Bcl-2遺伝子又はこれらの組み合わせをコードする核酸はいれつを備えるレンチウイルスベクターと接触される。いくつかの実施形態において、細胞の形質移入の方法は、導入遺伝子の送達のために用いられる。従って、いくつかの実施形態において、遺伝子は哺乳類発現ベクターにクローンされ、導入遺伝子を含むベクターは、例えば、カチオン性脂質の技術に基づいて商業的に利用可能な細胞形質移入試薬により送達される。いくつかの実施形態において、形質移入の方法論のバリエーションである、エレクトロポレーション法は、哺乳類発現ベクターを送達するのに任意で用いられる。特定の例において、効率的な形質移入のために、ベクターは形質移入前に直線状化される。
いくつかの実施形態において、不死化を誘導するポリペプチドをコードする導入遺伝子を備える不死化された細胞又は幹細胞(例えば、腫瘍−ペプチド)を用いる、本明細書に記載されるあらゆる方法は、さらに分化前に幹細胞から、又は分化後の分化された細胞から導入遺伝子を除去する工程を備える。特定の実施形態において、導入遺伝子の除去は、Cre-loxP又は同類のシステムを使用することで達成される。本システムにおいて、細胞生存、細胞生存能及び/又は細胞増殖を誘導するポリペプチドをコードする導入遺伝子は、例えばloxP位(5'-ATAACTTCGTATA ATGTATGC TATACGAAGTTAT-3'(配列番号1))のような導入遺伝子の前後に挿入された配列エレメントを備える。特定の例において、loxP配列は、2のloxP(例えば、細胞生存、細胞生存能及び/又は細胞増殖を誘導するポリペプチドをコードする配列エレメント)の間に位置する導入遺伝子を除去するのに任意で用いられるリコンビナーゼ(例えば、Cre)により認識される。Cre-loxPシステムを用いるある実施形態において、ウイルスプラズミドが、融合導入遺伝子(例えば、Tat-Myc、Vpr-Myc、Tat-Myc-ER又はTat-MYC)が2のloxP配列により隣接されるところで構成される。特定の実施形態において、導入遺伝子は、あらゆる適切な方法(例えば、形質導入)により、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)のゲノムへと組み込まれる。
分化
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、選択された型の複数の細胞を生成する方法であり、該方法は、(a)幹細胞を提供する工程と、(b)条件的に不死化された幹細胞を生成するために、不死化を誘導する剤をコードする導入遺伝子又は、不死化を誘導する腫瘍−ペプチドを、条件的に不死化された幹細胞へと導入する工程と、(c)不死化された複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)の分化を複数の細胞の型へと誘導する工程を備える。
特定の実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法において用いられる不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞(ctlt-幹細胞)である。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞の分化は、条件的に不死化された幹細胞の不死化が誘導されていない条件下において生じる。他の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞の分化は、条件的に不死化された幹細胞の不死化が誘導されている条件下において生じる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、条件的に不死化された幹細胞を、分化を誘導するポリペプチド及び/又は分化を誘導するポリペプチドをコードする導入遺伝子と接触させる工程を備える。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、エクスポート配列(export sequence)及び細胞膜保持エレメント(plasma membrane retention element)を備える。特定の実施形態において、細胞内のポリペプチド又は細胞により発現されたポリペプチドが細胞膜に保持される時、ポリペプチドはさらに細胞表面からポリペプチドを除去することを促進する配列を備える。特定の実施形態において、細胞表面からポリペプチドを除去することを促進する配列は、プロテアーゼ開裂部位である。いくつかの実施形態において、プロテアーゼ開裂部位は、血清プロテアーゼの基質である。
特定の実施形態において、分化を誘導するポリペプチドは、サイトカインである。特定の実施形態において、サイトカインは、成長及び/又は分化因子である。特定の実施形態において、成長及び/又は分化因子は、EPO、THPO又はG−CSFである。
本明細書に記載される方法により生成される細胞は、正常または野生型の幹細胞から分化可能なあらゆる細胞である。例えば、本明細書に提供されるのは、不死化又は条件的に不死化された幹細胞から、赤血球(赤血球)、リンパ球系細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、ナチュラルキラー細胞、好中球、好塩基球、好酸球、モノサイト、マクロファージ、血小板又はこれらと同類のものを作成する方法である。特定の実施形態において、赤血球は不死化又は条件的に不死化された幹細胞から作成される。他の特定の実施形態において、血小板は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞から作成される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づき作成された分化された細胞は、例えば、赤血球のような無核細胞である。
さらに、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、分化されている不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を分化することにより作成される細胞の選択型は、限定することではないが、リンパ球前駆細胞、リンパ芽球、前リンパ球、ナイーブT細胞、ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー細胞、細胞傷害性T細胞、メモリーT細胞、調節性T細胞、γδT細胞、前駆B細胞、初期前駆-B細胞、終期前駆-B細胞、大プレ-B細胞、小プレ-B細胞、未成熟B細胞、成熟B細胞、プラズマB細胞、メモリーB細胞、B-1細胞、リンパ球樹状細胞、骨髄性前駆細胞(common myeloid progenitor cell)、巨核芽球、プロ巨核芽球(promegakayroblast)、巨核球、血小板、前赤芽球、好塩基性赤芽球、多染性赤芽球、正染性赤芽球、網状赤血球、赤血球、骨髄芽球、好塩基性前骨髄球(basophilic promyelocyte)、好塩基性骨髄球、好塩基性後骨髄球、好塩基性桿状核球、好塩基球、好中性前骨髄球(neutrophilic promyelocytes)、好中性骨髄球、好中性後骨髄球、好中性桿状核球、好中球、好酸球性前骨髄球、好酸球性骨髄球、好酸球性後骨髄球、好酸球性桿状核球、単芽球、プロモノサイト、モノサイト、マクロファージ、骨髄性樹状細胞及びマスト細胞を含む。さらに、いくつかの実施形態において、不死化又は条件的に不死化された幹細胞は、上皮細胞、肝細胞、肺細胞、消化管細胞、脳細胞、心臓細胞、骨格筋細胞及び皮膚細胞などの非系列の細胞に分化される。
いくつかの実施形態において、骨細胞(骨細胞)、軟骨細胞(軟骨細胞、脂肪細胞(脂肪細胞))、肺細胞又はこれらと同類のものは、不死化された又は条件的に不死化された間葉系幹細胞から作成される。特定の実施形態において、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイト又はこれらと同類のものは、不死化された又は条件的に不死化された神経幹細胞から作成される。いくつかの実施形態において、上皮細胞(例えば、上皮組織の構成細胞)は、不死化された又は条件的に不死化された上皮幹細胞から作成される。特定の実施形態において、ケラチノサイト又はこれらと同類のものは、不死化又は条件的に不死化された皮膚幹細胞から作成される。いくつかの実施形態において、毛髪濾胞細胞(hair follicular cell)、表皮細胞又はこれらと同類のものは、不死化された又は条件的に不死化された濾胞幹細胞から作成される。
特定の実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、あらゆる適切な手法において選択された細胞の型へと分化される。いくつかの実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、細胞を、例えばサイトカインといった分化を誘導する剤と接触させることで分化される。特定の実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の分化を誘導する剤と接触させる工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を用いて剤(剤の組み合わせ)を培養する工程を備える。特定の例において、サイトカインは、細胞表面上の様々な細胞受容体により認識され、受容体に機能的に関連付けられた、細胞応答を引き起こす。ある態様において、本明細書に用いられるサイトカインは、サイトカインのあらゆるクラスを意味し、該サイトカインは、自己分泌サイトカイン、パラクリンサイトカイン又は内分泌サイトカインを含む。分化を誘導するために使用される剤(例えば、サイトカイン)又は剤の組み合わせは、任意で使用される。特定の実施形態において、不死化又は条件的に不死化された幹細胞(例えば造血幹細胞)を分化するのに使用される剤(例えば、サイトカイン)は、限定することではないが、IL-1からIL-35まで及ぶ1又はそれより多いインターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、白血球遊走抑制因子(LMIF)白血病抑制因子(LIF)、オンコスタチンM(OSM)、オステオポンチン、トロンボポエチン(THPO)、形質転換成長因子ベータ(TGFβ)、腫瘍壊死因子(TNF)、幹細胞因子(SCF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(G-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、ベータ−トロンボグロブリン、Cファミリーケモカイン、CCファミリーケモカイン、CXCファミリーケモカイン、CX3Cファミリーケモカイン、血小板因子4、マクロファージ炎症性タンパク質、腫瘍オートクリン運動因子、ヘパトサイト成長因子、ニューロロイキン、T-細胞抑制因子、B-細胞活性因子、エクトジスプラシン、Fasリガンドタンパク質、OX40リガンド、RANKリガンド、リンフォトキシン又はこれらの組合せを含む。
例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、赤血球又は赤血球前駆細胞に不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞をEPOで接触(培養)する工程を備える。さらなる実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、赤血球又は赤血球前駆体に不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞をIL-3、IL-6、G-CSF及びEPOで接触(例えば、培養)させる工程を含む。さらに、特定の実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、血小板に不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞をTHPOに接触(例えば、培養)させる工程を含む。さらなる実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、血小板前駆体に不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、IL-3、IL-6、G-CSF及びTHPOに接触(例えば、培養)させる工程を含む。いくつかの実施形態において、デキサメタゾン、β−エストラジオール、インスリン成長因子−1及び/又はシクロスポリンA等のサイトカインは、本明細書に記載される分化の方法で用いられる。
いくつかの例において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、分化を誘導する剤と接触させる前に、不死化を誘導する剤、例えば腫瘍−ペプチド及び/又は腫瘍−ペプチドをコードする導入遺伝子及び/又は抗アポトーシスペプチドは、条件的に不死化された幹細胞から除去される。不死化を誘導する剤の除去は、細菌性リコンビナーゼ(bacterial recombinases)(例えばCre又はFlp)を含むあらゆる適切な手法で達成される。
特定の実施形態において、本明細書で提供されるのは、複数の分化された細胞を生成する方法であって、該方法は、(d)幹細胞を提供する工程と、(e)不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を生成するために、不死化を誘導する剤をコードする導入遺伝子又は不死化を誘導するポリペプチドを、条件的に不死化された幹細胞に導入する工程と、(f)細胞の選択された型へと不死化された幹細胞の分化を誘導する工程を備える。
様々な実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、限定することではないが、幹細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞、上皮幹細胞、腸幹細胞、心筋細胞前駆幹細胞、皮膚幹細胞、濾胞幹細胞、骨格筋幹細胞、骨芽前駆幹細胞、肝幹細胞、胚幹細胞又はこれらと同類のものである。特定の実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、あらゆる適切なソースから獲得される。例えば、いくつかの実施形態において、幹細胞は、個体の骨髄、末梢血、臍帯又は胎児組織から獲得される、あるいは、骨髄、末梢血、臍帯又は胎児組織から入手される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば造血幹細胞)は、幹細胞ドナーを麻酔し、後側の腸骨稜を針で穿刺し、そしてシリンジで骨髄細胞の吸引を実行することで獲得される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、循環血から収集される。いくつかの実施形態において、骨髄における複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、幹細胞ドナーに顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)等を、サイトカインを注入することで、骨髄から循環血へとより多くの数が移動させられる。特定の実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、ヒト臍帯又はプラセンタから収集される。いくつかの実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)のソースは、胎児動物の造血組織を発育させる。ヒトにおいて、幹細胞(例えば、造血幹細胞)が、約12週から18週までのヒト胎児の循環血において見出される。
さらに、いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるあらゆる細胞の前駆体又は前駆物質を作成する方法である。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法は、赤血球または血小板の前駆体又は前駆物質を作成するのに用いられる。このような前駆体又は前駆物質は、限定することではないが、骨髄系前駆細胞を含む。前駆細胞は、制限された分化能を有する細胞である。これらは、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)から生成され、高分化及び特異化された細胞のサブセットを生じさせる。例えば、骨髄系前駆細胞は、骨髄系細胞を生じさせ、リンパ球前駆細胞は、T細胞又はB細胞などのリンパ球前駆細胞を生じさせる。特定の実施形態において、前駆細胞は、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、生成される。
特定の実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法により作成される細胞は、さらに分離され、最終的な細胞生成物の均一性(homogeneity)を達成する。例えば、赤血球は、分化の方法の間、異なる形態又は特徴の様々な段階を経る。特定の実施形態において、連続的に均質化された複数の赤血球を収集するために、様々な方法が用いられ、形状、大きさ、重量及び/又は体積に基づいて赤血球を分離する。様々な分化方法は、限定することではないが、遠心分離、選別機の使用又はフィルタリングを含む。特定の実施形態において、高分化された生成物は培地において、非分化細胞と即座に区別しない場合、高分化された生成物は、細胞の高分化された形態に対して特異的に関連付けられたマーカの存在により分離されている。例えば、いくつかの実施形態において、高分化されたマクロファージを隔離するために、マクロファージの混合物、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞及び他の前駆細胞を含有する培地は、蛍光接合型Gr-1抗体とともに処理され、培地内におけるマクロファージを同定する。いくつかの実施形態において、同定されたマクロファージは、FACS装置を使用することで、均質化された集団(homogeneous population)に分離される。
特定の実施形態において、高分化されていない前駆細胞は、本明細書に記載されるあらゆる方法により生成される。例えば、いくつかの実施形態において、持続的なインビボでの赤血球の生成のために、本明細書に記載される方法に従って作成される網状赤血球又は前赤芽球は、大量の赤血球の即座の注入よりもむしろ、持続的な血液供給を必要とする被検体に、送達される。特定の実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞から、高分化された細胞よりむしろ前駆体細胞への分化を促進するために、サイトカイン選択、濃度及び/又は培地から除去する時間が任意に調整される。これらのパラメータを調整することで、例えば、赤血球分化は、高分化された赤血球よりもむしろ前赤芽球の生成に好適な条件を対象としている。特定の実施形態において、前駆細胞は、あらゆる適切な手法で同定及び/又は分離される。特定の実施形態において、分離、同定及び/又は分離は、限定することではないが、FACS装置の使用により達成される。いくつかの実施形態において、赤血球前駆体は、Ter-119抗体に付着する能力に基づいて、同定及び/又は分離されている。図5は、条件的に不死化された複数の幹細胞の、インビトロで赤血球前駆体を発現するTer-119への分化を示す。
赤血球及び血小板
さらに、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて作成される分化細胞(例えば赤血球、血小板又は前駆体)である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、赤血球を作成する方法であって、該方法は、(g)条件的に不死化された幹細胞を提供する工程と、(h)条件的に不死化された幹細胞を赤血球又は赤血球前駆体への分化を誘導する工程を備える。
特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞を赤血球又はこれらの前駆体に分化を誘導する工程は、条件的に不死化された幹細胞をエリスロポエチン(EPO)に接触させる工程を備える。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、赤血球又は赤血球前駆体へと分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、EPOに接触(例えば、培養)させる工程を備える。さらなる実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、赤血球又は赤血球前駆体に分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、G−CSF及びEPOに接触(例えば、培養)させる工程を備える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、赤血球又は赤血球前駆体へと分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、IL-3、G-CSF及びEPOに対して接触(例えば、培養)させる工程を含む。特定の実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、赤血球又は赤血球前駆体に分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、IL-3、G-CSF、IL-6、及びEPOに接触(例えば、培養)させる工程を含む。さらなる実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、赤血球又は赤血球前駆体に分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、IL-3、G-CSF、シクロスポリンA及びEPOに接触(例えば、培養)させる工程を備える。さらなる実施形態において、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、赤血球又は赤血球前駆体に分化を誘導する工程は、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞を、G-CSF及びEPO及び1又はそれより多いIL-3、IL-6、シクロスポリンA又はTNF−αに接触(例えば、培養)させる工程を備える。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるのは、血小板を作成する方法であって、該方法は、(i)条件的に不死化された幹細胞を提供する工程と、(j)条件的に不死化された幹細胞を、血小板又は血小板前駆体に分化を誘導する工程を備える。
特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞を、赤血球又はこれらの前駆体へと分化を誘導する工程は、条件的に不死化された幹細胞を、トロンボポイエチン(THPO)に接触させる工程を備える。
II.スクリーニング方法
特定の実施形態において、本明細書に提供されるのは、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の分化を選択的に誘導する化合物を同定する方法及びキットであり、該キット及び方法は、(a)条件的に不死化された幹細胞を提供すること、(b)条件的に不死化された幹細胞を化合物に接触させること、(c)条件的に不死化された幹細胞の分化の状況における化合物の効果を検知又は測定すること、(d)不死化された幹細胞と接触する際に化合物の同定が不明である場合、不死化された幹細胞と接触される化合物を任意で分離及び特徴付けることにより行なわれる。
本明細書に開示される、あらゆる不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、選択された型の細胞に分化を誘導する化合物をスクリーニングする方法において用いられる。
特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞を化合物に接触させる工程は、条件的に不死化された幹細胞が不死化されていない状態(すなわち、条件的に不死化の状態を誘導するために用いられている外的因子又は分子が、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)から除去された、又は曝露されていない)の条件下で、条件的に不死化された幹細胞を、化合物と接触させる工程を備える。例えば、いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞が、条件的に不死化された幹細胞をMyc-ER又はMyc-GRポリペプチドと接触させることで生成される場合、条件的に不死化された幹細胞は、エストロゲン受容体モジュレータ又はリガンド(例えば、タモキシフェン又は4-ヒドロキシタモキシフェン)あるいはグルココルチコイド受容体リガンド(例えばミフェプリストン)の存在しない化合物と接触される。従って、これらの特定の実施形態において、ER又はGRは、活性化されず、融合ポリペプチドのMycドメインは、非機能的であるままである。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された細胞は、例えば、rTA又はrtTAにより活性化されるMyc等のTRE-Mycを備え、条件的に不死化された幹細胞が化合物に接触され、この場合、TRE-Mycが非活性であり、例えば、Mycに活性化されたrTAの場合にはテトラサイクリンが非存在であり、Mycに活性化されたrtTAの場合にはドキシサイクリンが存在する。
いくつかの例において、スクリーニング方法で複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)を化合物に接触させる前に、不死化を誘導する剤、例えば、腫瘍−ペプチド及び/又は腫瘍ペプチドをコードする導入遺伝子、及び/又は抗アポトーシスペプチドは、条件的に不死化された幹細胞から除去される。不死化を誘導する剤の除去は、細菌性リコンビナーゼ (例えばCre又はFlp)を含むあらゆる適切な手法で達成される。
特定の実施形態において、分化を誘導する化合物を同定するためのスクリーニングは、EPOの非存在下で行なわれる。このような場合に、スクリーニングにより同定された化合物は、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、選択された型の細胞、例えば赤血球に、EPOの補助なく分化を誘導する。いくつかの実施形態において、スクリーニングがEPOの非存在下で実行されると、EPO受容体の発現が破壊される。複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)をEPOの非存在下で赤血球に分化を誘導する、本明細書に開示されるスクリーニング方法により同定される化合物は、EPOの長期投与で赤白血病を生じさせるリスクをなくして、治療的に投与される。
他の実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)の分化を誘導する化合物のスクリーニングは、EPOの存在下で行なわれる。EPOが存在すると、スクリーニング方法により同定される化合物は、EPOの活性を調節(増加又は減少)する。本明細書に記載されるスクリーニング方法により同定されるEPOの活性を調節する化合物は、赤芽球性白血病の処置に効果的である。
特定の実施形態において、分化を誘導する化合物を同定するためのスクリーニングがTHPOの非存在下で行なわれる。このような事例において、スクリーニングにおいて同定された化合物は、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を、THPOの補助なく、選択された型の細胞、例えば血小板に分化を誘導する。いくつかの実施形態において、スクリーニングがTHPOの非存在下で実行されると、THPO受容体の発現が破壊される。他の実施形態において、スクリーニングがTHPOの存在下で実行される。THPOが存在する場合、スクリーニング方法により同定された化合物は、THPOの活性を調整(例えば、増加又は減少)する。
特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞の分化された状態で化合物の効果を検知又は測定することは、限定することではないが、機能獲得型のスクリーニング(gain-of-function screens)、遺伝子発現及びマイクロアレイ分析、免疫細胞化学、ラベルされた抗体検知又は細胞マーカの測定、細胞分子サインのHPLC分析、低分子蛍光スクリーニング及び細胞機能分析を含む。
特定の実施形態において、細胞に接触させる化合物は、当業者に周知の適切な方法により分離され、該方法は限定することではないが、ガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ、フラッシュクロマトグラフィ、沈殿及び結晶化を含む。特定の実施形態において、特徴付けられた化合物は、当業者に周知の適切な方法を用いて特徴付けられ、該方法は、限定することはないが、例えば、NMR、IR、質量分析及びX線結晶解析を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載されるあらゆる方法により同定される化合物である。化合物は、個々の化合物又は混合された化合物をスクリーニングすることにより同定される。条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、任意で、個々の化合物又は化合物の収集物、例えば、化合物のコンビナトリアルライブラリーに接触される。化合物は、分化を誘導する又は他の分化剤の活性を調整する化合物を同定するための比色分析を用いて、高処理の手法でスクリーニングされる。
特定の実施形態において、複数の幹細胞(例えば造血幹細胞)、特に条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の分化を誘導する適切な化合物を同定するキットは、複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)、特に条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を備え、該キットは、本明細書で説明された複数の幹細胞(例えば、造血幹細胞)の分化を誘導する化合物の同定のためのスクリーニング方法を示す。
III.処置の方法
本明細書のあらゆる方法に基づいて作成された細胞は、任意で、治療として用いられるあるいは、研究目的の細胞のソースとして用いられる。
除核細胞の欠乏疾患
特定の実施形態において、本明細書に記載されるのは、無核細胞の欠乏により特徴付けられる疾患を処置する方法であって、該方法は、本明細書に開示される方法に基づいて作成される無核細胞を投与する工程を備える。いくつかの実施形態において、疾患は、貧血(例えば、再生不良性貧血、悪性貧血、鉄欠乏性貧血、鎌状赤血球貧血、球状赤血球症、溶血性貧血)、ゴーシェ病、溶血、好中球減少、血小板減少、果粒球減少症、血友病、ホジキンリンパ腫、非ホジキン型リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、バーキットリンパ腫、濾胞状リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、プレ-B急性リンパ性白血病、プレ-T急性リンパ性白血病、急性前骨髄球性白血病、難治性白血病、又はこれらの組合せである。特定の例において、無核細胞における欠乏により特徴付けられる疾患は、化学療法を原因とする(部分的又は完全に)。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法により生成される無核細胞は、化学療法と同時に投与される。
いくつかの実施形態において、血小板、赤血球又はこれらの前駆体は、それを必要とする例えば血液の損失を患う個体に投与又は輸血される。いくつかの実施形態において、骨髄系細胞のサブセットの数の少ないことに苦しむ患者は、骨髄系前駆細胞を与え、処置され、骨髄性の欠乏を補う。特定の実施形態において、即座の輸血が必要とする場合、本明細書に記載される方法にもとづいて作成される多くの量の赤血球及び/又は血小板は、個体に対して投与される。いくつかの実施形態において、持続的な輸血及び/又は血小板の投与が望まれ、赤血球及び/又は血小板の前駆体が個体に投与される。
本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて作成された選択された型の細胞は、細胞置換療法(cell replacement therapy)及び/又は補足的療法で任意に用いられ、限定することではないが、貧血、好中球減少、血小板減少、顆粒球減少症、ホジキンリンパ腫、非ホジキン型リンパ腫、B細胞性慢性リンパ性白血病、バーキットリンパ腫、濾胞状リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、プレ-B急性リンパ性白血病、プレ-T急性リンパ性白血病、急性前骨髄球性白血病、難治性白血病、又はこれらの組合せを含む。
送達装置
本明細書に開示されるあらゆる方法に基づいて作成された細胞は、所望のポリペプチドの送達ビヒクルとして、例えば、治療的又は診断的目的のために、患者に対して任意に投与される。例えば、タンパク質送達のために、本明細書に記載される方法により作成された細胞、例えば赤血球及び血小板を用いる重要な利点は、細胞の一時的性質、爛熟した無核細胞における遺伝物質の欠乏、個体発生からのリンパ領域による送達のための「自己血管(self vessel)」の耐性を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、治療的に有益なポリペプチドである。他の実施形態において、ポリペプチドは、診断のポリペプチドである。特定の実施形態において、ポリペプチドは、腫瘍−ペプチドではない。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、エクスポート配列及び細胞膜保持エレメントを備え、これにより、細胞におけるポリペプチド又は細胞により発現されたポリペプチドは、細胞膜に維持される。いくつかの限定しない実施形態において、細胞膜保持エレメントは、GPI−結合タンパク質、CD8又はCD16である。特定の実施形態において、細胞におけるポリペプチド又は細胞により発現されたポリペプチドは、細胞膜に保持されると、ポリペプチドはさらに、プロテアーゼ開裂部位などの細胞表面からポリペプチドの除去を促進する配列を備える。いくつかの実施形態において、プロテアーゼ開裂部位は、例えばヒト血清プロテアーゼといった血清プロテアーゼの基質である。この手法により生成された細胞は、特異的なペプチドを、患者の末梢血に導入することで患者に送達するのに用いられ、この場合、血清プロテアーゼは、細胞表面からペプチドを開裂及び開放する。本明細書に開示される手法で生成される開裂可能なポリペプチドを含む細胞膜上で選択されたポリペプチドを発現する細胞は、治療的なタンパク質の送達のためのビヒクルである。例えば、特定の実施形態において、赤血球がタンパク質送達のためのビヒクルとして用いられると、重要な利点は、赤血球の一時的性質及び赤血球が送達するコードされたタンパク質、爛熟した無核の赤血球における遺伝物質の欠乏、個体発生からのリンパ領域による許容されるための「管」の使用、及びインビトロで送達するための細胞を生成する能力を含む。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、デコイ受容体である。特定の実施形態において、デコイ受容体はサイトカイン受容体である。いくつかの実施形態において、サイトカイン受容体は、可溶性である。特定の実施形態において、デコイ受容体は、IL3R-Fc、IL6R-Fc、TNF-αR-FC、IFN-αR-Fc又はBAFFR-Fcである。
他の実施形態において、ポリペプチドは毒素である。特定の実施形態において毒素はリシン又はジフテリア毒素である。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは血管新生インヒビタである。
他の実施形態において、ポリペプチドは血管新生促進因子である。
さらなる他の実施形態において、ポリペプチドはリンパ管内皮因子である。
さらなる実施形態において、ポリペプチドは血管拡張性ペプチドである。
他の実施形態において、ポリペプチドは抗原である。
さらなる他の実施形態において、ポリペプチドはプロテアーゼである。特定の実施形態において、プロテアーゼは、塞栓腫瘤(embolitic masses)における線維性組織に対して特異的である。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは例えばウイルス、細菌、菌、原虫又は寄生虫といった微生物の受容体である。いくつかの特定の実施形態において、微生物受容体は、微生物に対する高い結合親和性により、微生物に対する内因性受容体を打ち負かす遺伝的に改変された微生物受容体である。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法により生成される細胞は、血管新生インヒビダのための送達ビヒクルである。他の実施形態において、ポリペプチドは血管新生促進因子及び/又はリンパ管内皮因子であり、本明細書に開示される方法により生成されるこのような細胞は、例えば、凍傷、癌に関連した血管収縮又はリウマチ性関節炎の処置のためのポリペプチドを送達するために、患者に対して投与される。
さらなる他の実施形態において、本明細書に開示されるあらゆる方法により生成される細胞におけるポリペプチド又は該細胞により発現されるポリペプチドは、血管拡張性ペプチドである。この手法において、本明細書に開示される方法により生成される細胞は、心筋梗塞、分娩又は偏頭痛の間の血管収縮の処置のためのタンパク質を送達するためのビヒクルである。
他の実施形態において、ポリペプチドは抗原である。抗原の発現を行う、本明細書に開示される方法により生成される細胞は、免疫反応を生成するためのその抗原の送達するビヒクルである。
いくつかの実施形態において、このような細胞は、一生の免疫性を強化するために、トール様受容体リガンド(TLRリガンド)と連動して患者に送達される。
さらなる他の実施形態において、ポリペプチドはプロテアーゼである。特定の実施形態において、プロテアーゼは塞栓腫瘤における線維性組織に対して特異的である。特定の実施形態において、例えば、塞栓腫瘤における線維性組織に対して特異的なプロテアーゼを発現する、本明細書に開示される方法により生成される細胞は、患者に投与され、血栓の形成を緩和する、又は肺塞栓症の危険を減少させる。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、ウイルスの受容体である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法により生成されたウイルス受容体を発現する細胞は、患者に対して投与され、例えば、自然の標的細胞からのウイルスを隔離することにより、ウイルス量を減少させる。
図6は、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の移植による、致死的放射線照射後のインビボでの赤血球の再構成を示す−肉眼的表示I。図7は、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の移植による、致死的放射線照射後のインビボでの赤血球の再構成を示す−肉眼的表示II。図8は、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の移植による致死的放射線照射後のインビボでの赤血球の再構成を示す−無核の赤血球の顕微鏡的表示である。
バイオリアクタ
いくつかの実施形態において、分化された血液細胞(例えば、赤血球又は血小板)の生成は、バイオリアクタの使用により達成される。特定の実施形態において、バイオリアクタは、フローリアクタ又はバッチリアクタである。特定の実施形態において、フローリアクタは、連続フローリアクタ、又はバッチフローリアクタである。特定の実施形態において、リアクタにおける合成は、容器に不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の集団をシードすることで達成される。いくつかの実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の集団は誘導され、または増殖が可能となる(例えば、ポリペプチドにより引き起こされた細胞生存、生存能及び/又は増殖を促進することによる)。不死化された又は条件的に不死化された幹細胞の十分な集団(例えば、少なくとも0.1kg、1kg、10kg又は100kg)が作成されると、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)は、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を所望の細胞へと分化を誘導する培地に、例えば、本明細書に記載されるあらゆる方法に基づいて、接触させる。特定の実施形態において、所望の分化された細胞(例えば、前駆体及び/又は高分化された細胞)がその後収集される。
本明細書に記載される、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、凍結保存されることが可能である(例えば、約1日未満、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約6ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約12ヶ月)。この特徴により、好適なオンデマンドの選択された型の大規模な細胞合成が可能である。特定の実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞が処理されることで、不死化された遺伝子を除去し、その後、以後の分化のために凍結保存されている。いくつかの実施形態において、不死化された又は条件的に不死化された幹細胞は、前駆体、例えば巨核芽球に分化され、血小板の即座の生成のために凍結保存されている。
本明細書で特定の実施形態において提示されるのは、リアクタシステムであって、該システムは、(k)複数の条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)を備えるフィーダ容器と、(l)複数の条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)及び条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の赤血球又は血小板への分化を誘導する剤を備える反応容器を備え、該反応容器はフィーダ容器と流通し、前記システムはさらに、(m)前記反応容器と流通する下流収集容器を備え、該下流収集容器は複数の赤血球又は血小板を備える。
特定の実施形態において、フィーダ容器はさらに条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の増殖を誘導する剤を備える。いくつかの実施形態において、システムはさらに、反応容器とフィーダ容器との間、及び反応容器及び下流収集リアクタとの間の流通を調節するリアクタ管理システムを備える。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、Myc遺伝子又はポリペプチド及び任意でBcl-2遺伝子(即ちBcl-2導入遺伝子)又はポリペプチドと、条件的に不死化された幹細胞を接触させることで生成される。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞は、条件的に不死化された幹細胞を、Myc-ER融合遺伝子又は融合ポリペプチド及び任意でBcl-2遺伝子又はポリペプチドに接触させることで生成される。特定の実施形態において、複数の幹細胞(例えば、造血細胞)の増殖を誘導する剤は、エストロゲン受容体モジュレータである。いくつかの実施形態において、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の赤血球への分化を誘導する剤は、IL-3及びEPOである。特定の実施形態において、条件的に不死化された幹細胞(例えば、造血幹細胞)の血小板への分化を誘導する剤は、IL-3及びTHPOである。
実施例
実施例1
図1Aは、プライマリマウスHSC細胞を、MYC.ER及びBcl-2で形質導入するのに用いられるレトロウイルスコンストラクトの概略的表示を示す。pMSCVのバックボーンの変異体が生成され、ヒトMYC.ERまたはBcr-2の他にIRESエレメントのcDNA、及びレポーター遺伝子をコードする。結果として得られたウイルスはバイシストロニック転写物を生成することにより、レポーター遺伝子の発現のレベルが第1cDNAの発現レベルに互いに関係付けられる。図1Bは、pMIG-MYC.ER及びpMIG-Bcl-2.で形質導入後に、5-フルオロウラシルで処置されたドナーから獲得されたHSCのフローサイトメトリ分析を示す。図1Cは、パネルBで示される形質導入されたHSCが移植されたマウスの白血病誘導の動態を示す。致死的に放射線照射されたマウスのコホートは、pMIG-MYC.ER及びpMIG^Bcl-2.で形質導入された105 HCSで移植される。移植後1週間経過してから、マウスは、一定の4OHTを1週間ごとに注入される。曲線は、4OHT注入が開始されてから(グラフにおける0日)、時間内の一定の時点で、生存するマウスの比率を示す。マウスの全てAMLのような白血病で一様に死亡した。本明細書に示されるデータは、4の独立した実験の1つの代表的実験からである。図1Dは、骨髄性白血病のマウスから回復後すぐにおけるctlt−造血幹細胞のFACS分析を示す。条件的に不死化された造血幹細胞株を確立する方法の初期段階において、細胞は、GFPの高レベルで均一的に発現し、c-kit及びSca-1を高レベルで優先的に発現し、そして、Flk-2、CD34又は細胞系マーカを発現しない。ここで細胞系マーカは、CD19、B220(図示せず)、又はThy1.2、Mac-1、Gr-1、Ter-119である。図1Eは、確立された、条件的に不死化された造血幹細胞株のFACS分析をしめす。条件的に不死化された造血幹細胞が膨張され、凍結保存されると、パネルBに示される安定した表面のフェノタイプが維持される。これらの細胞は、高レベルのSca-1を発現するが、c-Kitの表面レベルを減少させ、Flk-2、CD34、B220、CD19又は他の細胞系マーカ(thy1.2、Gr-1、Mac-1、Ter-119:図示せず)のネガティブは維持される。HSC様のフェノタイプを維持するためにG-CSFを必要とするため、表面からc-kitレベルの減少は、継続的なシグナリングの結果、生じる。図1Fは、野生型のC57/BL6マウスの骨髄から得られる標準的な操作の行われていない造血幹細胞の幹細胞マーカのFACS分析を示す。骨髄幹細胞は、野生型、操作の行われていないC57/BL6マウスから獲得される。標準的なHSCによりマーカータンパク質の発現レベルと、ctlt-造血幹細胞株におけるマーカータンパク質の発現レベルを比較するために、細胞はc-kit、sca-1、Flk-2及びCD34に対する抗体で染色される。
実施例2
図2は、レトロウイルスの挿入されたPCR増幅による、条件的に不死化された造血幹細胞株のクローン分析を示す。我々は、ゲノムDNAを、C57/BL6マウスから獲得された標準的な骨髄細胞、もしくは2つの親細胞株、又は親細胞株の単細胞クローン由来の7つの細胞株から分離する。組み込まれたレトロウイルス挿入物は、ネスティッド2段階PCR法で増幅される。レーン1は、標準的なC57/BL6細胞のパターンを示す。レーン2及びレーン3は、多細胞株におけるレトロウイルスの組み込みのパターンを示す。レーン4から10は、いずれかの親細胞株の単細胞のクローンから元来由来する細胞株におけるレトロウイルスの挿入物のパターンを示す。親株のように、クローンの集団は、致死的な放射線照射からマウスを救出し、造血系細胞が生じる。
実施例3
図3は、ctlt-造血幹細胞の移植後に生じる成熟免疫細胞の特徴を示す。図3Aは、移植後にリンパ組織におけるctlt-造血幹細胞由来の細胞の分布を示す。C57/BL6マウスのコホートは、致死的に放射線照射され、Rag-1-/-マウス由来の103 ctlt-造血幹細胞及び骨髄細胞全体における3×105の担体からなる移植片が提供される。条件的に不死化された造血幹細胞から成長した細胞は、レトロウイルスにコードされたレポーター遺伝子であるGFPにより、インビボで追跡される。キメラマウスの骨髄、胸腺、脾臓及びリンパ節においてGFPを発現する造血細胞の分布は、パネルAで示される。これらのヒストグラムは、5のコホート内における、例となるそれぞれ1のマウス臓器由来である。図3Bは、骨髄におけるGFP+骨髄系細胞の検知を示す。我々は骨髄細胞をMac-1及びGr-1の染色を行った。キメラマウスの骨髄で見出される骨髄細胞の全てがレトロウイルスにコードされたレポーター遺伝子を発現しないが、重要な部分はGFP+であり、従ってctlt-造血幹細胞由来であることを、パネルBは示す。図3Cは、脾臓における末梢成熟リンパ球の分析を示す。キメラマウスの脾臓は、成熟T細胞及びB細胞のフローサイトメトリにより分析された。パネルCは、CD4又はCD8のいずれかのシングルポジティブであるTCRαβのT細胞の存在を示す。さらに、パネルCは、表面上にIgM及びIgDを発現するCD19+B細胞の検知を示す。脾臓における成熟T細胞の分布が野生型の操作されていないC57/BL6マウスで見出される分布に相当するので、B細胞の成長が遅延される。図3Dは、条件的に不死化された幹細胞の第2の連続継代性の後の、移植レシピエントマウスにおける末梢成熟リンパ球の分析を示す。脾臓は、キメラマウスから収集され、単細胞懸濁液は、FACS分析のために作成及び使用される。移植レシピエントマウス及び野生型C57/BL6マウスにおいて見出される成熟T細胞及びB細胞の分布が比較される。正常なマウスと類似する分布で、成熟したCD4又はCD8のシングルポジティブであるTCRαβのT細胞の脾臓における存在をパネルDが示す。例えば、正常なマウスよりも低い分布であったとしても、CD19+IgM+及びIgD+B細胞は存在する。
実施例4
実施例4は、ctlt−造血幹細胞による致死的放射線照射から長期間の救出を示す。条件的に不死化された造血幹細胞のみの移植では、赤血球の損失により危機を超えて誘導された放射線保護を提供しない。図4は致死的放射線照射され、103又は105の細胞からなる移植片を与えられたマウスのコホルトにおけるKaplan/Mayer生存曲線を示し、該移植片は、2の異なる条件的に不死化された造血幹細胞株由来の細胞で合成される。(条件的に不死化された造血幹細胞又は条件的に不死化された造血幹細胞2)。10のマウス及びこれらの動物からなるコホルトの全ては、均一的に重篤な貧血により死亡した。我々は、マウスの2のコホルトの死亡曲線を示し、該マウスは、致死量の放射線を照射されるとともに、いずれかの細胞株から103の条件的に不死化された造血幹細胞とともにRag-1-/-マウス由来の3×105担体全体の骨髄細胞が提供される。コホルトは、それぞれ3−4のマウスからなり、移植後6ヶ月まで動物は生き残り、健康であった。
実施例5−本明細書に開示される方法により生成される赤血球の投与による貧血のインビボでの処置
健康なマウスの2のコホルトに対して、亜致死量の放射線照射を行い、貧血を誘導させる。貧血マウスの第1グループは、適切な担体における赤血球(本明細書に開示されるように生成された)を投与する。マウス(対照となるマウス)の第2グループは、適切な担体のみが投与された。2のグループのマウスの死亡率が比較されることで、貧血からマウスを救出するための、本明細書に開示される赤血球の投与の効果を決定する。
実施例6−腎不全マウスモデルにおける貧血のインビボでの処置
貧血は、文献で報告されているように、腎不全マウスモデルにおいて誘導される。Hamamori, et al. J. Clin. Invest. (1995), 95:1808-1813 簡潔に述べると、2段階の腎摘除が7−8週のオスのヌードマウスに対して実行される。マウスにおける貧血が、ヘマトクリットレベルを測定する。本明細書に開示される方法により生成された赤血球の投与を受けたマウスの死亡率が、細胞の担体のみを受けたマウスの死亡率と比較され、腎不全を原因とする貧血の処置に本明細書に開示される赤血球の投与の効果を決定する。
本発明の好適な実施形態は、本明細書に提示及び記載されるが、当業者にとって、このような実施形態はほんの一例であることは明らかである。様々な変更形態、変更及び置換は、本発明から逸脱することでないことを理解する。本明細書に記載される発明の実施形態に対する様々な変更は、本発明の実施に用いられることを理解する。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を明示し、該特許請求の範囲は、これらの請求の内容及びこれらの等価物の範囲内の方法及び構造に及ぶことを意味する。

Claims (18)

  1. 複数の無核細胞を作成する方法であって、該方法は、
    赤血球への分化を誘導する剤IL-3およびエリスロポエチン(EPO)の存在下で条件的に不死化された幹細胞を培養する工程を備え、
    前記条件的に不死化された幹細胞は、
    a. 複数の幹細胞を、MYC分子をコードする塩基配列を備える第1ベクターで形質導入すること、
    b. 幹細胞を、Bcl−2、Bcl−X又はこれらの組合せをコードする塩基配列を備える第2レトロウイルスベクターで形質導入することにより、生成され、
    活性化されたMyc分子の活性は、分化前に抑制されていることを特徴とする、複数の無核細胞を作成する方法。
  2. 前記第1ベクターは、さらにヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインを備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、前記Myc分子が核への転位を誘導する工程を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第1ベクター、第2ベクター、又は前記第1ベクターと第2ベクターの両方は、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)又はこれらの類縁体であり、随意にMSCV−(IRES)−GFP、又はこれらの誘導体であり、随意にMSCV−(IRES)−GFPであり、さらに、ウッドチャックB型肝炎ウイルスRNA調節エレメント(WRE)を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 複数の無核細胞を作成する方法であって、該方法は、
    赤血球への分化を誘導する剤IL-3およびエリスロポエチン(EPO)の存在下で条件的に不死化された幹細胞を培養する工程を備え、
    前記条件的に不死化された幹細胞は、
    a. 複数の幹細胞を、核に転位させるMYC分子を備える外因的に合成された第1ペプチドと接触させること、
    b. 前記幹細胞を、Bcl−2、BCL−X又はこれらの組合せを備える外因的に合成された第2ペプチドと接触させることにより、生成され、
    前記第1ペプチドは、分化前に前記条件的に不死化された幹細胞との接触から除かれることを特徴とする、複数の無核細胞を作成する方法。
  6. 前記第1ペプチド、第2ペプチド又は前記第1ペプチド及び第2ペプチドの両方は、タンパク質導入ドメイン配列を備えることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 第1タンパク質、第2タンパク質又は第1タンパク質及び第2タンパク質の両方は、TATタンパク質導入ドメイン配列を備えることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記MYC分子は、c−Myc、l−Myc、n−Myc、s−Myc、又は、これらの組合せであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記複数の幹細胞を、エストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  10. 無核細胞を作成する方法であって、該方法は、赤血球への分化を誘導する剤の存在下で条件的に不死化された造血幹細胞を培養する工程を備え、
    ここで前記剤はIL−3及びエリスロポエチン(EPO)であり、
    前記剤は赤血球を成熟させるために前記条件的に不死化された幹細胞の分化を誘導してその結果無核細胞を生成し、
    前記条件的に不死化された造血幹細胞は、以下の工程a.乃至c.によって生成され、
    a. 前記条件的に不死化された造血幹細胞に、
    (i)腫瘍−ペプチドをコードする核酸配列を含む第1ベクター、
    (ii)外因的に合成された腫瘍−ペプチド、
    を1つ以上導入する工程であって、
    ここで前記腫瘍−ペプチドはMyc、n−Myc、c−Myc、l−Myc、v−Myc、s−Myc、IcN−1又はその組み合わせである工程、
    b. 前記条件的に不死化された造血幹細胞に、
    (i)抗アポトーシスポリペプチドをコードする核酸配列を含む第2ベクター、
    (ii)外因的に合成された抗アポトーシスポリペプチド、
    を1つ以上導入する工程であって、
    ここで前記抗アポトーシスポリペプチドは抗アポトーシス活性を有するBcl−2ホモロジドメインを1つ以上含む工程、
    c. 前記条件的に不死化された造血幹細胞をIL−3、IL−6、幹細胞因子、トロンボポイエチン、Flt3リガンド又はこれらの組合せとともに培養する工程、
    ここで前記腫瘍−ペプチドの活性は分化前に抑制されている、無核細胞を作成する方法。
  11. 前記腫瘍−ペプチドがMycであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記抗アポトーシスポリペプチドが、BH1、BH2、BH3及びBH4からなる群から選択される1つ以上のBcl−2ホモロジドメインを含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記腫瘍−ペプチドを核に転位させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項10乃至12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記第1ペプチド、前記第2ペプチド又は第1ペプチド及び第2ペプチドの両方がタンパク質導入ドメインを含み、該タンパク質導入ドメインは細胞の核へペプチドを輸送することが可能であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  15. 前記第1ペプチド、前記第2ペプチド又は第1ペプチド及び第2ペプチドの両方が、TATタンパク質導入ドメイン配列又はVPRタンパク質導入ドメイン配列を含むことを特徴とする、請求項10又は14に記載の方法。
  16. 前記腫瘍−ペプチドがヒトエストロゲン受容体のホルモン結合ドメインをさらに含むことを特徴とする、請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。
  17. 前記造血幹細胞をエストラジオール(E2)、4−ヒドロキシタモキシフェン(4−OHT)又はこれらの両方と接触させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項10乃至1316のいずれかに記載の方法。
  18. 分化前の前記腫瘍−ペプチドの活性の抑制が、前記造血幹細胞との接触から前記腫瘍−ペプチドを除去する工程を含むことを特徴とする、請求項10記載の方法。
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