JP5757987B2 - 極低温ケーブルの終端接続部 - Google Patents
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Description
超電導ケーブルは、断熱管内に一心又は複数心のケーブルコアが収容された構造を有する。ケーブルコアは、例えば中心から順に、フォーマ、超電導導体層、電気絶縁層、ケーブルシールド層、及び保護層等を有する。断熱管は、ケーブルコアを収容し内部に冷媒(例えば液体窒素)が充填される内管(以下「断熱内管」)と、断熱内管の外周を覆う外管(以下「断熱外管」)を有する。断熱内管と断熱外管の間は、断熱のために真空状態とされる。
特許文献1、2には、冷媒槽と真空槽とをベローズ管等の収縮吸収部を介して接続することが開示されている。特許文献3〜6には、導体引出部の一部(超電導ケーブルとの接続部を含む)を編組線等のフレキシブル導体で構成することが開示されている。
すなわち、特許文献1〜6の終端接続部は、冷却時における冷却槽の熱収縮によって導体引出部に応力が生じ、この応力によって導体引出部等が破損する虞がある。
前記極低温ケーブルの導体に接続され電流を外部に引き出す導体引出部と、
前記極低温ケーブルの端末部を収容し、運転時に冷媒が導入される冷媒槽と、
真空槽本体部及び前記真空槽本体部から上方に向けて垂設される筒状部を有し、前記冷媒槽を収容し、運転時に真空状態とされる真空槽と、
内部が中空であり前記筒状部に連通するように前記筒状部の上部に気密に固定される碍管と、を備え、
前記導体引出部は、前記冷媒槽の内部から前記冷媒槽の長手方向と交差する方向に前記冷媒槽を気密かつ水密に貫通して前記筒状部及び前記碍管を通して前記碍管の上部まで延在し、前記冷媒槽の外側であって前記筒状部に対応する部分に、フレキシブル導体からなる収縮吸収部を有することを特徴とする。
本発明に係る極低温ケーブルの終端接続部の他の態様は、極低温ケーブルの端末部と、
前記極低温ケーブルの導体に接続され電流を外部に引き出す導体引出部と、
前記極低温ケーブルの端末部を収容し、運転時に冷媒が導入される冷媒槽と、
真空槽本体部及び前記真空槽本体部から上方に向けて垂設される筒状部を有し、前記冷媒槽を収容し、運転時に真空状態とされる真空槽と、
内部が中空であり前記筒状部に連通するように前記筒状部の上部に気密に固定される碍管と、を備え、
前記導体引出部は、前記冷媒槽の内部から前記冷媒槽の長手方向と交差する方向に前記冷媒槽を気密かつ水密に貫通して前記筒状部及び前記碍管を通して前記碍管の上部まで延在し、前記冷媒槽の外側であって前記碍管の上部から前記筒状部にわたる部分に、フレキシブル導体からなる収縮吸収部を有し、
前記収縮吸収部の外周を覆う遮へい筒を備えることを特徴とする。
図1は、本発明の一実施の形態に係る終端接続部1を示す図である。説明の便宜上、極低温ケーブル10が導入される側を後端側(図1では右側)、反対側を先端側(図1では左側)として説明する。
断熱内管121は、ケーブルコア11を収容し、運転時には冷媒(例えば液体窒素)が充填される。これにより、超電導導体層112は、超電導状態に維持される。断熱内管121と断熱外管122の間は、断熱のために、運転時に真空状態に保持される。
冷媒槽21は、例えば中空円筒形状を有し、極低温ケーブル10の端末部を収容する。冷媒槽21は、導体引出部30を導入する導体引出口21A及びシールド通電部40を導入するシールド引出口21Bを有する。冷媒槽21は、例えば真空槽22内に配置された架台(図示略)に載置してもよい。
冷媒槽21の導体引出口21A及びシールド引出口21Bが真空槽22の真空槽本体部22Aに収容されるので、熱伝達経路となる導体引出部30、シールド通電部40、及び測定用配管61は真空槽本体部22Aの内部まで導入される。これにより、熱侵入を低減するための熱伝達経路長を確保しやすくなるので、第1の筒状部22B及び第2の筒状部22Cの長さを最小限にすることができ、終端接続部1の小型化を図ることができる。
本体部331は、例えば平編銅線等のフレキシブル導体で構成され、収縮吸収部として機能する。本体部331は可撓性を有するので、冷却時における冷媒槽21の熱収縮(特に水平方向の熱収縮)を容易に吸収することができる。
上部接続端子332は、第1の導体引出部31の下端部が挿嵌される凹部を有する。下部接続端子333は、第2の導体引出部32の上端部が挿嵌される凹部を有する。
同様に、第2の導体引出部32の上端部には導電性のバネ状接触子が配置される。第2の導体引出部32の上端部が下部接続端子333の凹部に挿嵌されることにより、第2の導体引出部32と第3の導体引出部33は電気的に接続される。
ポリマー套管51は、絶縁筒51aと、ポリマー被覆体51bと、を有する。絶縁筒51aは、機械的強度の高いFRP(繊維強化プラスチック)で構成される。ポリマー被覆体51bは、電気絶縁性能に優れる材料、例えばシリコーンポリマー(シリコーンゴム)などの高分子材料で構成される。ポリマー被覆体51bは、絶縁筒51aの外周に設けられており、ポリマー被覆体51bの外周面には、複数個の傘状の襞部が長手方向に離間して形成される。ポリマー套管51の内部(絶縁筒51aの内部)は中空となっている。
また、第3の導体引出部33が、碍管50よりも下方の第1の筒状部22Bに配置されるので、碍管50の周囲の電界に影響を与えない。さらには、収縮吸収部としての第3の導体引出部33を冷媒槽21の外側に配置する、すなわち温度勾配部として必要な第1の筒状部22Bの内部空間を有効利用して配置するので、収縮吸収部を設けることによって終端接続部1が大型になることはない。
例えば、図2に示すように、導体引出部30を上部導体引出部34と下部導体引出部35とで構成し、上部導体引出部34を収縮吸収部として機能させてもよい。つまり、碍管50内の上部から第1の筒状部22Bにわたって配置される上部導体引出部34が、フレキシブル導体で構成される。この場合、フレキシブル導体で構成された収縮吸収部としての上部導体引出部34は、碍管50の上部を気密に貫通する碍管上部接続導体53の下部と電気的に接続される。また、この場合、柔軟性を有する上部導体引出部34による電界への影響を抑制するために、上部導体引出部34の外周は遮へい筒36で覆われる。
10 極低温ケーブル
11 ケーブルコア
111 フォーマ
112 超電導導体層
113 電気絶縁層
114 ケーブルシールド層
115 保護層
12 断熱管
121 断熱内管
122 断熱外管
13 導体接続端子
14 シールド接続端子
15 電界緩和層
20 低温容器
21 冷媒槽
21A 導体引出口
21B シールド引出口
211 先端部
212 後端部
22 真空槽
22A 真空槽本体部
22B 第1の筒状部
22C 第2の筒状部
221 先端部
222 後端部
30 導体引出部
31 第1の導体引出部
32 第2の導体引出部
33 第3の導体引出部(収縮吸収部)
40 シールド通電部
50 碍管
51 ポリマー套管
51a 絶縁筒
51b ポリマー被覆体
52 遮へい金具
52a 円筒部
52b フランジ部
53 碍管上部接続導体
61 測定用配管
62 絶縁スペーサー
63 蓋
Claims (2)
- 極低温ケーブルの端末部と、
前記極低温ケーブルの導体に接続され電流を外部に引き出す導体引出部と、
前記極低温ケーブルの端末部を収容し、運転時に冷媒が導入される冷媒槽と、
真空槽本体部及び前記真空槽本体部から上方に向けて垂設される筒状部を有し、前記冷媒槽を収容し、運転時に真空状態とされる真空槽と、
内部が中空であり前記筒状部に連通するように前記筒状部の上部に気密に固定される碍管と、を備え、
前記導体引出部は、前記冷媒槽の内部から前記冷媒槽の長手方向と交差する方向に前記冷媒槽を気密かつ水密に貫通して前記筒状部及び前記碍管を通して前記碍管の上部まで延在し、前記冷媒槽の外側であって前記筒状部に対応する部分に、フレキシブル導体からなる収縮吸収部を有することを特徴とする極低温ケーブルの終端接続部。 - 極低温ケーブルの端末部と、
前記極低温ケーブルの導体に接続され電流を外部に引き出す導体引出部と、
前記極低温ケーブルの端末部を収容し、運転時に冷媒が導入される冷媒槽と、
真空槽本体部及び前記真空槽本体部から上方に向けて垂設される筒状部を有し、前記冷媒槽を収容し、運転時に真空状態とされる真空槽と、
内部が中空であり前記筒状部に連通するように前記筒状部の上部に気密に固定される碍管と、を備え、
前記導体引出部は、前記冷媒槽の内部から前記冷媒槽の長手方向と交差する方向に前記冷媒槽を気密かつ水密に貫通して前記筒状部及び前記碍管を通して前記碍管の上部まで延在し、前記冷媒槽の外側であって前記碍管の上部から前記筒状部にわたる部分に、フレキシブル導体からなる収縮吸収部を有し、
前記収縮吸収部の外周を覆う遮へい筒を備えることを特徴とする極低温ケーブルの終端接続部。
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