JP5755814B2 - 画像処理装置、方法、プログラム及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像処理装置、方法、プログラム及び記録媒体並びに撮像装置に係り、特に色モワレの発生を低減する技術に関する。
単板式のカラー撮像素子を有するカラー撮像装置では、カラー撮像素子からの出力画像がRAW画像(モザイク画像)であるため、欠落している色の画素を、周囲の画素から補間する同時化処理(又は「デモザイク処理」という、以下同じ)により多チャンネル画像を得ている。
特許文献1には、デモザイク処理の際、局所領域においては赤(R)、緑(G)、青(B)の色比がほぼ一定に保たれることを仮定した補間処理を行う記載がある。例えば、デモザイク処理の処理対象の画素を中心画素とする7×7画素の入力画素単位に対して、R、G、B信号の低周波成分mR’,mG,mB’を求め、処理対象の画素がG画素の場合におけるG画素上のR、B画素の画素値を、G画素の画素値gと、局所領域の色比(mR’/mG,mB’/mG)とに基づいて、R=(mR'/mG)g、B=(mB'/mG)gと推定する。
また、7×7画素の入力画素単位に対するR、G、B信号の低周波成分mR’,mG,mB’は、7×7画素の入力画素単位内のRGB信号と、中央部に大きな重み付け係数が割り当てられた重み付け係数との畳み込み演算により加重平均値を算出することにより行っている(特許文献1の図24、図26)。
特開2011−182354号公報
特許文献1に記載の発明は、RGB画素の他にホワイト(W)画素をもつ撮像素子から取得されるRGBW配列のモザイク画像のデモザイク処理に関するものである。特許文献1に記載の発明は、各色の再現帯域を越えた高周波信号の折り返りと各色の位相のずれにより発生する低周波の色付き(色モアレ)を低減させるものではない。
縦縞模様又は横縞模様(高周波画像)が撮像素子に入射した場合、特許文献1に記載の重み付け係数により局所領域のRGBの色比(R/G,B/G)を算出すると、局所領域のRGBの色比が一定に保たれるという仮定が成り立たなくなる。そして、この色比に基づいてデモザイク処理を行うと、色モアレが発生するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、色モアレの発生を簡単な画像処理で低減することができる画像処理装置、方法、プログラム及び記録媒体並びに撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る発明は、第1の方向及び第1の方向に垂直な第2の方向に配列された光電変換素子で構成される複数の画素上に、1色以上の第1の色に対応する第1のフィルタと、輝度信号を得るための寄与率が第1の色よりも低い2色以上の第2の色に対応する第2のフィルタとを有する、所定のカラーフィルタ配列のカラーフィルタが配設されてなる撮像素子から取得されたカラーフィルタ配列に対応するモザイク画像を取得する画像取得手段と、第2の色の色毎に対応し、かつ所定のカーネルサイズ内における第1の色に対応して設定される第1の重み付け係数と、第2の色の各色にそれぞれ対応して設定される第2の重み付け係数とを有し、前記第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数が、カーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になる演算手段であって、第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数と、モザイク画像から抽出されるカーネルサイズに対応する局所領域内の第1の色の画素の画素値及び第2の色の色毎の画素の画素値に基づいて第1の色の積和演算値及び第2の色の色毎の積和演算値を算出する演算手段と、局所領域内の処理対象の画素の画素位置における第1の色の画素値と、演算手段により算出された第1の色及び第2の色の色毎の積和演算値とに基づいて画素位置における第2の色の色毎の画素値を算出する画像処理手段と、を備えている。
本発明の一の態様によれば、演算手段は、モザイク画像内の局所領域の色情報を取得するために、所定のカーネルサイズ内における第1の色に対応して設定される第1の重み付け係数と、第2の色の各色にそれぞれ対応して設定される第2の重み付け係数と、モザイク画像から抽出されるカーネルサイズに対応する局所領域内の第1の色の画素の画素値及び第2の色の画素の画素値に基づいて第1の色の積和演算値及び第2の色の積和演算値を算出する。ここで、第1の重み付け係数と第2の重み付け係数は、カーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になるように設定されている。即ち、第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比を1:1にすることにより、第1の方向又は第2の方向に対してどのような周波数の入力があっても、第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数を掛けた結果の色の関係がずれることがない。したがって、その局所領域における正確な色情報(第1及び第2の積和演算値)を算出することができる。画像処理手段は、局所領域内の処理対象の画素の画素位置における第1の色の画素値と、第1の色及び第2の色の色毎の積和演算値とに基づいて画素位置における第2の色の色毎の画素値を算出するが、局所領域における正確な色情報が算出されている。これによりデモザイク処理を精度よく行うことができ、色モアレ(偽色)の発生を低減することができる。
本発明の他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像は、カーネルサイズに対応する局所領域内において、第1の方向及び第2の方向に平行な辺をもつ任意の四角形の少なくとも1つにおいて一方の対角位置に第1の色を有し、他方の対角位置に同色の第2の色を有する2対の画素の組であって、第2の色の色毎に2対の画素の組を1組以上有している。このような第1、第2の画素の配置によりカーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1にできるようにしている。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像は、第1の方向及び第2の方向にM×N画素(M≧3、N≧3)に対応する基本配列パターンを含み、かつ基本配列パターンが第1の方向及び第2の方向に繰り返されて配置される。3色以上の色を含むモザイク画像の場合、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になるためには、基本配列パターンの画素サイズは、3×3画素以上にする必要がある。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像は、第1の方向及び第2の方向の画素ライン上に、第2の色の全ての色の画素が揃わない画素ラインを含んでいる。第1の方向及び第2の方向の画素ライン上に、第2の色の全ての色の画素が揃わない画素ラインを含んでいてもカーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比を1:1にすることができる。本発明はこのようなモザイク画像に対しても有効である。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像に対して局所領域を、処理対象の対象画素単位毎に移動させながら演算手段及び画像処理手段を繰り返し動作させる制御手段を備えている。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像は、第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、演算手段により算出されたR、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を、それぞれRf、Gf、Bfとすると、画像処理手段は、処理対象の対象画素がG画素の場合、G画素の積和演算値とR画素及びB画素の積和演算値との比である色比(Rf/Gf),(Bf/Gf)をそれぞれ算出し、算出した色比(Rf/Gf),(Bf/Gf)と、処理対象のG画素の画素値とに基づいて処理対象の画素位置におけるR、B画素の画素値をそれぞれ算出することが好ましい。
局所領域におけるR画素とG画素の積和演算値(Rf、Gf)の比、及びB画素とG画素の積和演算値(Bf、Gf)の比は、その局所領域における本来の色のGRの色比,及びGBの色比を示している。そして、これらの色比により処理対象のG画素の画素位置におけるR、Bの画素値を補間することにより精度よく推定することができる。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像は、第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、演算手段により算出されたR、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を、それぞれRf、Gf、Bfとすると、画像処理手段は、処理対象の対象画素がR画素の場合、G画素の積和演算値とB画素の積和演算値との比である色比(Bf/Gf)を算出し、算出した色比(Bf/Gf)と、処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて処理対象の画素位置におけるB画素の画素値を算出し、処理対象の対象画素がB画素の場合、G画素の積和演算値とR画素の積和演算値との比である色比(Rf/Gf)を算出し、算出した色比(Rf/Gf)と、処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて処理対象の画素位置におけるR画素の画素値を算出することが好ましい。
R画素上のBの画素値、及びB画素上のRの画素値は、予め算出されたR画素上のGの画素値、及びB画素上のGの画素値を使用し、これらの画素値を色比で補間して算出するようにしている。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像は、第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、演算手段により算出されたR、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を重み付け係数の総和で除算した加重平均値を、それぞれRf’、Gf’、Bf’とすると、画像処理手段は、処理対象の対象画素がG画素の場合、G画素の加重平均値とR画素及びB画素の加重平均値との差である色差(Rf’−Gf’),(Bf’−Gf’)をそれぞれ算出し、算出した色差(Rf’−Gf’),(Bf’−Gf’)と、処理対象のG画素の画素値とに基づいて処理対象の画素位置におけるR、B画素の画素値をそれぞれ算出することが好ましい。
局所領域における色毎の加重平均値(Rf’、Gf’、Bf’)の差は、その局所領域における本来色のRGBの差(色差)を示しており、この色差と処理対象のG画素の画素値とに基づいてR,Bの画素値を精度よく推定することができる。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像は、第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、演算手段により算出されたR、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を重み付け係数の総和で除算した加重平均値を、それぞれRf’、Gf’、Bf’とすると、画像処理手段は、処理対象の対象画素がR画素の場合、G画素の加重平均値とB画素の加重平均値との差である色差(Bf’−Gf’)を算出し、算出した色差(Bf’−Gf’)と、処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて処理対象の画素位置におけるB画素の画素値を算出し、処理対象の対象画素がB画素の場合、G画素の加重平均値とR画素の加重平均値との差である色差(Rf’−Gf’)を算出し、算出した色差(Rf’−Gf’)と、処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて処理対象の画素位置におけるR画素の画素値を算出することが好ましい。
R画素上のBの画素値、及びB画素上のRの画素値は、予め算出されたR画素上のGの画素値、及びB画素上のGの画素値を使用し、これらの画素値を色差で補間して算出するようにしている。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像内の処理対象の画素の近傍の第1の色の画素の画素値に基づいて輝度の相関方向が、第1の方向及び第2の方向と、第1の方向及び第2の方向に対して傾いた第3の方向及び第4の方向のうちのいずれの方向かを判別する方向判別手段を備え、画像処理手段は、処理対象の画素位置の画素がR画素又はB画素の場合に、その画素位置に対するG画素の画素値を、方向判別手段により判別された相関方向に存在するG画素の画素値を使用して算出することが好ましい。
R画素上のGの画素値、及びB画素上のGの画素は、上記のようにして方向判別した相関方向に存在するG画素の画素値を使用することにより、Gの画素値を精度よく推定することができ、高周波部の偽色の発生を低減することができる。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、モザイク画像中の第1の色の画素は、第1、第2、第3及び第4の方向の各方向の画素ライン内に1つ以上配置されることが好ましい。これにより、第1、第2、第3及び第4の方向のうちのいずれの方向に輝度の相関方向が存在しても、輝度の相関方向には必ず第1の色の画素が存在するため、相関方向に存在するG画素の画素値を使用して、R画素上のGの画素値及びB画素上のGの画素値を精度よく算出することができる。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、方向判別手段は、モザイク画像内の処理対象の画素の近傍の第1の色の画素であって、第1、第2、第3及び第4の方向にそれぞれ隣接する同色の画素の画素値を取得し、それぞれ隣接する同色の画素の画素値の差分値に基づいて輝度の相関方向を判別することが好ましい。
第1、第2、第3及び第4の方向の各方向に隣接する同色の第1の色の画素の画素値の差分値に基づいて輝度の相関方向を判別するため、相関方向が4方向のうちのいずれの方向にあるかを、最小画素間隔で判別することができる。
本発明の更に他の態様に係る画像処理装置において、方向判別手段は、第1、第2、第3及び第4の方向の各方向別に、隣接する同色の画素の画素値の差分絶対値を複数算出し、各方向別の複数の差分絶対値の総和又は平均値のうち最小となる方向を相関方向として判別することが好ましい。各方向別に複数の差分絶対値の平均値を算出するようにしたため、精度よく相関方向を判別することができる。
本発明の更に他の態様に係る撮像装置は、上述の画像処理装置を備えている。
本発明の更に他の態様に係る画像処理方法は、第1の方向及び第1の方向に垂直な第2の方向に配列された光電変換素子で構成される複数の画素上に、1色以上の第1の色に対応する第1のフィルタと、輝度信号を得るための寄与率が第1の色よりも低い2色以上の第2の色に対応する第2のフィルタとを有する、所定のカラーフィルタ配列のカラーフィルタが配設されてなる撮像素子から取得されたカラーフィルタ配列に対応するモザイク画像を取得する画像取得工程と、第2の色の色毎に対応し、かつ所定のカーネルサイズ内における第1の色に対応して設定される第1の重み付け係数と、第2の色の各色にそれぞれ対応して設定される第2の重み付け係数であって、カーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になる第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数を用いて演算を行う演算工程であって、第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数と、モザイク画像から抽出されるカーネルサイズに対応する局所領域内の第1の色の画素の画素値及び第2の色の画素の画素値に基づいて第1の色の積和演算値及び第2の色の積和演算値を算出する演算工程と、局所領域内の処理対象の画素の画素位置における第1の色の画素値と、演算工程により算出された第1の色及び第2の色の色毎の積和演算値とに基づいて画素位置における第2の色の色毎の画素値を算出する画像処理工程と、を含み、モザイク画像に対して局所領域を、処理対象の対象画素単位毎に移動させながら演算工程及び画像処理工程による処理を繰り返し実行させている。
本発明の更に他の態様に係る画像処理プログラムは、第1の方向及び第1の方向に垂直な第2の方向に配列された光電変換素子で構成される複数の画素上に、1色以上の第1の色に対応する第1のフィルタと、輝度信号を得るための寄与率が第1の色よりも低い2色以上の第2の色に対応する第2のフィルタとを有する、所定のカラーフィルタ配列のカラーフィルタが配設されてなる撮像素子から取得されたカラーフィルタ配列に対応するモザイク画像を取得する画像取得機能と、第2の色の色毎に対応し、かつ所定のカーネルサイズ内における第1の色に対応して設定される第1の重み付け係数と、第2の色の各色にそれぞれ対応して設定される第2の重み付け係数であって、カーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になる第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数を用いて演算を行う演算機能であって、第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数と、モザイク画像から抽出されるカーネルサイズに対応する局所領域内の第1の色の画素の画素値及び第2の色の画素の画素値に基づいて第1の色の積和演算値及び第2の色の積和演算値を算出する演算機能と、局所領域内の処理対象の画素の画素位置における第1の色の画素値と、演算機能により算出された第1の色及び第2の色の色毎の積和演算値とに基づいて画素位置における第2の色の色毎の画素値を算出する画像処理機能と、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、モザイク画像内の局所領域内の色情報(第1の色の画素の積和演算値及び第2の色の画素の積和演算値)を高周波部の影響を受けずに精度よく算出することができ、これによりデモザイク処理を精度よく行うことができ、色モアレ(偽色)の発生を低減することができる。
図1は、本発明に係る撮像装置の実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示した撮像装置の背面図である。 図3は、図1に示した撮像装置の内部構成の実施形態を示すブロック図である。 図4は、第1の実施形態の撮像素子に設けられているカラーフィルタのカラーフィルタ配列を示す図である。 図5Aは、第1の実施形態の撮像素子に適用される加重平均フィルタの第1の実施形態を示す図である。 図5Bは、第1の実施形態の撮像素子に適用される加重平均フィルタの第1の実施形態を示す図である。 図6は、輝度の相関方向の判別方向を説明するために用いた図である。 図7Aは、第1の実施形態の撮像素子に適用される他の加重平均フィルタの実施形態を示す図である。 図7Bは、第1の実施形態の撮像素子に適用される他の加重平均フィルタの実施形態を示す図である。 図8は、第1の実施形態の撮像素子に適用される加重平均フィルタの第2の実施形態を示す図である。 図9Aは、図5A及び図5Bに示した第1の実施形態の加重平均フィルタの重み付け係数の決め方を説明するために用いた図である。 図9Bは、図5A及び図5Bに示した第1の実施形態の加重平均フィルタの重み付け係数の決め方を説明するために用いた図である。 図10は、図8に示した第2の実施形態の加重平均フィルタの重み付け係数の決め方を説明するために用いた図である。 図11Aは、撮像素子の第2の実施形態とこれに適用される第3の実施形態の加重平均フィルタを示す図である。 図11Bは、撮像素子の第2の実施形態とこれに適用される第3の実施形態の加重平均フィルタを示す図である。 図12Aは、撮像素子の第3の実施形態とこれに適用される第4の実施形態の加重平均フィルタを示す図である。 図12Bは、撮像素子の第3の実施形態とこれに適用される第4の実施形態の加重平均フィルタを示す図である。 図13は、撮像素子の第4の実施形態を示す図である。 図14は、図13に示した基本配列パターンを3×3画素のA配列とB配列に4分割した状態を示す図である。 図15Aは、図13に示した第4実施形態の撮像素子から得られるモザイク画像のデモザイク処理に使用する加重平均フィルタの実施形態を示す図である。 図15Bは、図13に示した第4実施形態の撮像素子から得られるモザイク画像のデモザイク処理に使用する加重平均フィルタの実施形態を示す図である。 図16は、撮像素子の第5の実施形態を示す図である。 図17Aは、図16に示した第5実施形態の撮像素子から得られるモザイク画像のデモザイク処理に使用する加重平均フィルタの実施形態を示す図である。 図17Bは、図16に示した第5実施形態の撮像素子から得られるモザイク画像のデモザイク処理に使用する加重平均フィルタの実施形態を示す図である。 図18は、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ及びWフィルタが配置される各フォトダイオードの分光感度特性を示すグラフである。 図19は、撮像素子の第6の実施形態を示す図である。 図20は、撮像装置の他の実施形態であるスマートフォンの外観図である。 図21は、スマートフォンの要部構成を示すブロック図である。
以下、添付図面に従って本発明に係る画像処理装置、方法、プログラム及び記録媒体並びに撮像装置の実施の形態について詳説する。
[撮像装置]
図1及び図2はそれぞれ本発明に係る撮像装置の実施形態を示す斜視図及び背面図である。この撮像装置10は、レンズを通った光を撮像素子で受け、デジタル信号に変換して記録メディアに記録するデジタルカメラである。
図1に示すように、撮像装置10は、その正面に撮影レンズ(撮影光学系)12、フラッシュ発光部1等が配設され、上面にはシャッタボタン2、電源/モードスイッチ3、モードダイヤル4等が配設されている。一方、図2に示すように、カメラ背面には、3D表示用の液晶モニタ30、ズームボタン5、十字ボタン6、MENU/OKボタン7、再生ボタン8、BACKボタン9等が配設されている。
撮影レンズ12は、沈胴式のズームレンズで構成されている。撮影レンズ12は、電源/モードスイッチ3によってカメラのモードを撮影モードに設定することにより、カメラ本体から繰り出される。フラッシュ発光部1は、主要被写体に向けてフラッシュ光を照射するものである。
シャッタボタン2は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成されている。撮像装置10は、撮影モードで駆動している時は、このシャッタボタン2が「半押し」されることにより、自動露出調整(AE)/自動合焦(AF)が作動し、「全押し」されることにより、撮影を実行する。また、撮像装置10は、撮影モードで駆動している時は、このシャッタボタン2が「全押し」されることにより、撮影を実行する。
尚、レリーズスイッチは半押しと全押しとからなる2段ストローク式のスイッチの形態に限られない。1回の操作でS1オンの信号、S2オンの信号を出力してもよく、それぞれ個別のスイッチを設けてS1オンの信号、S2オンの信号を出力してもよい。
また、タッチ式パネル等により操作指示を行う形態では、これら操作手段としてタッチ式パネルの画面に表示される操作指示に対応する領域をタッチすることで操作指示を出力するようにしてもよい。本発明においては撮影準備処理や撮影処理を指示するものであれば操作手段の形態はこれらに限られない。また、1つの操作手段への操作指示で撮影準備処理と撮影処理を連続して実行するようにしてもよい。
電源/モードスイッチ3は、撮像装置10の電源をON/OFFする電源スイッチとしての機能と、撮像装置10のモードを設定するモードスイッチとしての機能とを併せ持っている。電源/モードスイッチ3は、「OFF位置」と「再生位置」と「撮影位置」との間をスライド自在に配設されている。撮像装置10は、電源/モードスイッチ3をスライドさせて、「再生位置」又は「撮影位置」に合わせることにより、電源がONになる。撮像装置10は、「OFF位置」に合わせることにより、電源がOFFになる。そして、電源/モードスイッチ3をスライドさせて、「再生位置」に合わせることにより、「再生モード」に設定され、「撮影位置」に合わせることにより、「撮影モード」に設定される。
モードダイヤル4は、撮像装置10の撮影モードを設定する撮影モード設定手段として機能する。このモードダイヤルの設定位置により、撮像装置10の撮影モードが様々なモードに設定される。例えば、撮影モードとは、静止画撮影を行う「静止画撮影モード」、動画撮影を行う「動画撮影モード」等である。
液晶モニタ30は、撮影モード時のライブビュー画像(スルー画像)の表示、再生モード時の静止画又は動画の表示を行う。液晶モニタ30は、メニュー画面の表示等を行うことでグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の一部として機能する。
ズームボタン5は、ズームを指示するズーム指示手段として機能し、望遠側へのズームを指示するテレボタン5Tと、広角側へのズームを指示するワイドボタン5Wとからなる。撮像装置10は、撮影モード時に、このテレボタン5Tとワイドボタン5Wとが操作されることにより、撮影レンズ12の焦点距離が変化する。また、再生モード時に、このテレボタン5Tとワイドボタン5Wとが操作されることにより、再生中の画像が拡大、縮小される。
十字ボタン6は、上下左右の4方向の指示を入力する操作部である。十字ボタン6は、メニュー画面から項目を選択したり、各メニューから各種設定項目の選択を指示したりするボタン(カーソル移動操作手段)として機能する。左/右キーは再生モード時のコマ送り(順方向/逆方向送り)ボタンとして機能する。
MENU/OKボタン7は、液晶モニタ30の画面上にメニューを表示させる指令を行うためのメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行などを指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。
再生ボタン8は、撮影記録した静止画又は動画を液晶モニタ30に表示させる再生モードに切り替えるためのボタンである。
BACKボタン9は、入力操作のキャンセルや一つ前の操作状態に戻すことを指示するボタンとして機能する。
[撮像装置の内部構成]
図3は上記撮像装置10の内部構成の実施形態を示すブロック図である。
撮影レンズ12により被写体が撮像され、被写体像を示す光像が撮像素子14(第1の実施形態の撮像素子)の受光面上に結像される。
この撮像素子14は、水平方向(第1の方向)及び垂直方向(第2の方向)に二次元配列された光電変換素子からなる複数の画素(図示せず)と、各画素の受光面上に配置された所定のカラーフィルタ配列のカラーフィルタとから構成された単板式のカラー撮像素子である。尚、撮像素子14のカラーフィルタ配列の詳細については、後述する。
撮像素子14に結像された被写体像は、光電変換素子によって入射光量に応じた信号電荷に変換される。各光電変換素子に蓄積された信号電荷は、制御部22の指令に従って駆動部20から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として撮像素子14から順次読み出される。撮像素子14から読み出される画像信号は、撮像素子14のカラーフィルタ配列に対応したR、G、Bのモザイク画像を示すR、G、B信号である。尚、撮像素子14は、CCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型、XYアドレス型などの他の種類のイメージセンサであってもよい。
撮像素子14から読み出された画像信号は、撮像処理部16に入力する。撮像処理部16は、画像信号に含まれるリセットノイズを除去するための相関二重サンプリング回路(CDS)、画像信号を増幅し、一定レベルの大きさにコントロールするためのAGC(Automatic Gain Control)回路、及びA/D変換器を含んでいる。撮像処理部16は、入力する画像信号を相関二重サンプリング処理するとともに増幅した後、デジタルの画像信号に変換してなるRAWデータを画像処理部18に出力する。
画像処理部18は、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、同時化処理回路(デモザイク処理回路)(単板式の撮像素子14のカラーフィルタ配列に伴うRGBのモザイク画像から画素位置毎にRGBの全ての色情報を算出する処理回路)、輝度・色差信号生成回路、輪郭補正回路、色補正回路等を含んでいる。画像処理部18は、制御部22からの指令に従い、撮像処理部16から入力したモザイク画像のRAWデータに所要の信号処理を施して、画素毎にRGB全ての色情報を有するRGB画素信号を生成し、これに基づいて輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。
画像処理部18で生成された画像データは、圧縮/伸張処理回路により静止画に対しては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠した圧縮処理が施され、動画に対してはMPEG2(Moving Picture Experts Group)規格に準拠した圧縮処理が施される。圧縮処理が施された画像データは、記録メディア(メモリカード)に記録され、また、液晶モニタ30(図2)に出力されて表示される。
<撮像素子の第1の実施形態>
図4は、上記撮像素子14の第1の実施形態を示す図であり、特に撮像素子14の受光面上に配置されているカラーフィルタ配列に関して示している。
この撮像素子14のカラーフィルタ配列は、M×N(3×3)画素に対応する基本配列パターンP(太枠で示したパターン)を含んでいる。カラーフィルタ配列には、この基本配列パターンPが水平方向(H)及び垂直方向(V)に繰り返し配置されている。即ち、このカラーフィルタ配列は、第1の色(緑(G))と、2色以上の第2の色(赤(R)、青(B))の各色のフィルタ(Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ)が所定の周期性をもって配列されている。このように、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタが所定の周期性をもって配列されているため、撮像素子14から読み出されるRGBのRAWデータ(モザイク画像)の画像処理等を行う際に、繰り返しパターンに従って処理を行うことができる。
図4に示すように3×3画素の基本配列パターンPにおけるR、G、Bフィルタに対応するR画素、G画素、B画素の画素数は、それぞれ2画素、5画素、2画素になっている。G画素の画素数が、R画素、B画素のそれぞれの画素数に比べて多く割り当てられている。即ち、R画素、B画素に比べて輝度信号を得るための寄与率の高いG画素の画素数の比率が、R画素、B画素の画素数の比率よりも大きくなっている。
また、図4に示す第1の実施形態のカラーフィルタ配列(モザイク画像)は、水平方向及び垂直方向の画素ラインにおいて、RGB画素が全て揃う画素ラインと、RGB画素が揃わない画素ライン(G,R画素のみの画素ライン、G,B画素のみの画素ライン)とが混在している。
<加重平均フィルタの第1の実施形態>
次に、画像処理部18のデモザイク処理回路(演算手段、画像処理手段)で使用する加重平均フィルタについて説明する。
図5A及び図5Bは、それぞれ第1の実施形態の加重平均フィルタを示す図であり、デモザイク処理の処理対象の画素(図4に示した画素G3)に対して設計された、加重平均フィルタの重み付け係数に関して示している。
図5A及び図5Bに示す加重平均フィルタは、基本配列パターンPと同じサイズのカーネルサイズを有する。図5Aは局所領域に対応するカーネル内のGとRの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。図5Bは局所領域に対応するカーネル内のGとBの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。尚、第1の実施形態の加重平均フィルタの重み付け係数は、“1”と“0”である。
図5Aに示す加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、R画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、R画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
同様に、図5Bに示す加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、B画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、B画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
[デモザイク処理]
次に、画像処理部18のデモザイク処理回路によりRGBのモザイク画像をデモザイク処理する方法について説明する。
デモザイク処理回路は、図4に示すように撮像素子14から得られるモザイク画像(図4はカラーフィルタ配列を示すとともに撮像素子から読み出されて得られるモザイク画像も示す)から、3×3画素の局所領域(本例では、基本配列パターンPのサイズに相当)を抽出する。デモザイク処理回路は、その局所領域内の各画素の画素値と、図5Aに示した加重平均フィルタの重み付け係数とに基づいてG,Rの色毎の積和演算値を算出する。即ち、局所領域内の各画素の画素値と、各画素位置における加重平均フィルタの重み付け係数とを乗算し、乗算結果をG,Rの色毎に加算して色毎の積和演算値を求める。同様に、局所領域内の各画素の画素値と、図5Bに示した加重平均フィルタの重み付け係数とに基づいてG,Bの色毎の積和演算値を算出する。
次に、上記のようにして算出したG,Rの各加重平均値からG,Rの積和演算値の比(色比)を算出し、また、G,Bの各積和演算値からGBの積和演算値の比(色比)を算出する。
そして、3×3画素の局所領域内の中央部の画素(図4に示した太枠の中央部の画素G3)をデモザイク処理の処理対象の画素とし、処置対象の画素G3の画素位置におけるR,Bの画素値を、前記算出した色比と画素G3の画素値とに基づいて算出する。
具体的には、前記算出されたRGBの色毎の積和演算値をそれぞれRf、Gf、Bfとし、デモザイク処理の処理対象の画素G3の画素値がGの場合、処理対象の画素位置におけるR,Bの画素値R,Bは、次式、
R=G×(Rf/Gf) …(1)
B=G×(Bf/Gf) …(2)
により算出する。
図5A及び図5Bに示した加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、R画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、R画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になる重み付け係数が設定されている。このため、デモザイク処理回路は、水平方向又は垂直方向に対して高周波の入力があっても、これらの重み付け係数を掛けた結果の色比((Rf/Gf),(Bf/Gf))の関係がずれることがなく、局所領域における正確な色比を算出することができる。その結果、算出した色比に基づいてデモザイク処理を精度よく行うことができる。
次に、モザイク画像から抽出する局所領域を、水平方向に1画素移動させた場合のデモザイク処理について説明する。
図6は、図4に示した局所領域(太枠で示した領域)を水平方向(右方向)に1画素移動させた場合に関して示している。この場合、デモザイク処理の処理対象の画素(局所領域内の中央部の画素)は、図6に示した太枠の中央部の画素R2となり、デモザイク処理回路は、この画素R2の画素位置におけるG,Bの画素値を算出する。
<Gの画素値の算出方法>
図6に示すように太枠で示した局所領域の中央部の画素R2の近傍の2×2画素のG画素を取り出し、各G画素の画素値をG2,G3,G4,G5とした場合、デモザイク処理回路に含まれる方向判別手段は、各方向別の差分絶対値を算出する。
即ち、水平方向の差分絶対値は(|G2−G3|+|G4−G5|)/2、垂直方向の差分絶対値は(|G2−G4|+|G3−G5|)/2、右上方向の差分絶対値は|G3−G4|、右下方向の差分絶対値は|G2−G5|となる。
方向判別手段は、これらの4つの差分絶対値のうち最小となる差分絶対値をとる方向にGの画素値の相関(相関方向)があると判別する。
上記のように互いに隣接する2×2画素のG画素から相関方向を判別するため、最小画素間隔で相関方向を判別することができる。即ち、高周波の影響を受けずに精度よく相関方向を判別することができる。
デモザイク処理の処理対象の画素における相関方向が判別されると、デモザイク処理回路は、デモザイク処理の処理対象の画素位置における、他の色(本例の場合、G)の画素値を算出する際に、前記判別された相関方向に存在するG画素の画素値を使用する。
図6に示すようにG画素は、水平方向(第1方向)、垂直方向(第2方向)、斜め右上方向(第3方向)、及び斜め右下方向(第4方向)の全ての画素ライン上に存在する。従って、デモザイク処理回路は、処理対象の画素の近傍の相関方向に存在する1つのG画素の画素値、又は複数のG画素の画素値の補間した値を、処理対象の画素位置におけるGの画素値とする。
一方、画素R2の画素位置におけるBの画素値は、上記のようにして算出した画素R2の画素位置におけるGの画素値と、その局所領域における色比(Bf/Gf)とに基づいて算出する。
図7Aに示すように3×3画素の局所領域における色比(Bf/Gf)は、図7Bに示す加重平均フィルタを使用して算出する。この加重平均フィルタは、図5A及び図5Bに示した加重平均フィルタと同様に、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、B画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、B画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
ここで、局所領域におけるG、B画素の画素値の色毎の積和演算値を、それぞれGf、Bfとし、画素R2の画素位置に対して算出されたGの画素値をG’とすると、画素R2の画素位置におけるBの画素値Bは、次式、
B=G’×(Bf/Gf) …(3)
により算出する。
また、処理対象の画素がB画素であり、その画素位置におけるG,Rの画素値を算出する場合には、上記と同様に行う。即ち、Gの画素値は、方向判別手段により判別された相関方向のGの画素値に基づいて算出し、Rの画素値は、算出されたGの画素値と、その局所領域における色比(Rf/Gf)とに基づいて算出する。色比(Rf/Gf)は、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、R画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数(総和)と、R画素に対する重み付け係数(総和)との比が1:1になるように重み付け係数が設定された加重平均フィルタにより算出する。
ここで、局所領域におけるG、R画素の画素値の色毎の積和演算値を、それぞれGf、Rfとし、画素B(B1又はB2)の画素位置に対して算出されたGの画素値をG’とすると、画素Bの画素位置におけるRの画素値Rは、次式、
R=G’×(Rf/Gf) …(4)
により算出する。
上記のようにしてモザイク画像に対して局所領域を1画素ずつ移動させながらデモザイク処理を順次行う。
図4に示すように、この実施形態のモザイク画像の基本配列パターンPは、それぞれ周囲の色との位置関係が異なる5つのG画素(G1〜G5)、2つのR画素(R1,R2)、及び2つのB画素(B1,B2)の9画素を有している。したがって、5つのG画素の各画素について、色比((Rf/Gf)(Bf/Gf))を算出するための異なる加重平均フィルタが用意される。また、2つのR画素の各画素について、色比(Bf/Gf))を算出するための異なる加重平均フィルタが用意され、2つのB画素の各画素について、色比(Rf/Gf))を算出するための異なる加重平均フィルタが用意されている。
デモザイク処理回路は、基本配列パターン内の9画素のうちのいずれの画素が処理対象の画素かに応じて、色比の算出に使用する加重平均フィルタを選択し、選択した加重平均フィルタを使用して前述した式(1)〜(4)により処理対象の画素位置におけるR,Bの画素値を算出する。
<加重平均フィルタの第2の実施形態>
図8の(a)部及び(b)部は、それぞれ第2の実施形態の加重平均フィルタを示す図であり、デモザイク処理の処理対象の画素(図4に示した画素G3)に対して設計された、加重平均フィルタの重み付け係数に関して示している。
図8の(a)部及び(b)部に示す加重平均フィルタは、3×3画素の基本配列パターンPよりもサイズの大きな5×5画素のカーネルサイズを有している。図8の(a)部は5×5画素の局所領域に対応するカーネル内のGとRの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。図8の(b)部は5×5画素の局所領域に対応するカーネル内のGとBの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。
図8の(a)部に示す加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
同様に、図8の(b)部に示す加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
図8の(a)部に示す加重平均フィルタのG画素及びR画素に対する重み付け係数の総和は、それぞれ10である。いま、図8の(c)部に示す高周波の縦縞画像が撮像された場合、積和演算に寄与する白部分のG画素及びR画素に対する重み付け係数の総和は、それぞれ3になる。また、図8の(d)部に示す高周波の横縞画像が撮像された場合、積和演算に寄与する白部分のG画素及びR画素に対する重み付け係数の総和は、それぞれ7になる。
即ち、水平方向又は垂直方向に対して高周波の入力があっても、これらの重み付け係数を掛けた結果の色比((Rf/Gf),(Bf/Gf))の関係がずれることがなく、局所領域における正確な色比を算出することができる。
<重み付け係数の決め方>
図5A及び図5Bに示す3×3画素のカーネルサイズに対応する局所領域内において、水平方向及び垂直方向に平行な辺をもつ任意の四角形を設定した場合に、その四角形の一方の対角がG画素を有し、他方の対角が同色のR画素、又は同色のB画素を有する2対の画素の組を有する四角形を探す。
図9Aは、四角形の一方の対角位置に画素G1、G2を有し、他方の対角位置に画素R1,R2を有する四角形を示している。また、図9Bは、四角形の一方の対角位置に画素G1、G5を有し、他方の対角位置に画素B1,B2を有する四角形を示している。
そして、これらの四角形の2対の対角の位置の重み付け係数として、同じ値の重み付け係数を付与する。図5A及び図5Bに示した重み付け係数は、それぞれ四角形の2対の対角の位置の重み付け係数として“1”が割り当てられ、カーネル内の他の位置には“0”が割り当てられている。
また、カーネル内において、一方の対角がそれぞれG画素を有し、他方の対角がそれぞれR画素を有する四角形と、一方の対角がそれぞれG画素を有し、他方の対角がそれぞれB画素を有する四角形とが、それぞれ少なくとも1以上存在する必要がある。これにより、重み付け係数(“0”以外)が割り当てられた水平方向及び垂直方向の各画素ラインのG画素、R画素に対する重み付け係数の総和の比が1:1になる重み付け係数を有する加重平均フィルタを設定することができる。また、水平方向及び垂直方向の各画素ラインのG画素、B画素に対する重み付け係数の総和の比が1:1になる重み付け係数を有する加重平均フィルタを設定することができる。
また、カーネル内において、一方の対角がそれぞれG画素を有し、他方の対角がそれぞれR画素を有する四角形と、一方の対角がそれぞれG画素を有し、他方の対角がそれぞれB画素を有する四角形とが、それぞれ少なくとも1以上存在する必要がある。このため、モザイク画像の基本配列パターンの画素サイズは、3×3画素以上にする必要がある。
また、図8の(a)部に示した加重平均フィルタの重み付け係数は、上記の四角形を使用して、下記のように求めることができる。
図10に示すように5×5のカーネル内において、一方の対角がそれぞれG画素を有し、他方の対角がそれぞれR画素を有する四角形を1以上探す。図10に示す例では、5つの四角形を採用している。5つの四角形の対角の位置にそれぞれ重み付け係数として“1”を割り当て、それ以外の位置には重み付け係数“0”を割り当てる。また、四角形の対角が重複している位置には、その重複した数(1×重複数)が割り当てられている。
このようにして加重平均フィルタにおける重み付け係数を決定することにより、重み付け係数(“0”以外)が割り当てられた水平方向及び垂直方向の各画素ラインのG画素、R画素に対する重み付け係数の総和の比を1:1にすることができる。さらに、水平方向及び垂直方向の各画素ラインのG画素、B画素に対する重み付け係数の総和の比を1:1にすることができる。
<撮像素子の第2の実施形態及び第3の実施形態の加重平均フィルタ>
図11A及び図11Bは、上記撮像素子14の第2の実施形態とこれに適用される第3の実施形態の加重平均フィルタを示す図である。
第2の実施形態の撮像素子のカラーフィルタ配列は、M×N(4×4)画素に対応する基本配列パターンを含み、この基本配列パターンPが水平方向(H)及び垂直方向(V)に繰り返し配置されている。
図11A及び図11Bに示すように4×4画素の基本配列パターンにおけるR、G、Bフィルタに対応するR画素、G画素、B画素の画素数は、それぞれ3画素、10画素、3画素になっている。G画素の画素数が、R画素、B画素のそれぞれの画素数に比べて多く割り当てられている。即ち、R画素、B画素に比べて輝度信号を得るための寄与率の高いG画素の画素数の比率が、R画素、B画素の画素数の比率よりも大きくなっている。
また、第2の実施形態のカラーフィルタ配列(モザイク画像)は、水平方向及び垂直方向の画素ラインにおいて、RGB画素が全て揃う画素ラインと、RGB画素が揃わない画素ライン(G,R画素のみの画素ライン、G,B画素のみの画素ライン)とが混在している。
図11A及び図11Bに示す第3の実施形態の加重平均フィルタは、4×4画素の基本配列パターンと同じサイズのカーネルサイズを有する。図11Aは局所領域に対応するカーネル内のGとRの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。図11Bは局所領域に対応するカーネル内のGとBの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。
また、図11Aに示す加重平均フィルタの重み付け係数は、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
同様に、図11Bに示す加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
上記加重平均フィルタを使用することにより局所領域における色比((Rf/Gf),(Bf/Gf))を、高周波の影響を受けずに精度よく算出することができる。
一方、図11A及び図11Bに示すようにG画素は、水平方向、垂直方向、斜め右上方向、及び斜め右下方向の全ての画素ライン上に存在する。このため、デモザイク処理回路は、処理対象の画素の近傍の相関方向に存在する1つのG画素の画素値、又は複数のG画素の画素値の補間した値を、処理対象の画素位置におけるGの画素値とすることができる。尚、図11A及び図11Bに示すモザイク画像の場合、図6に示したような2×2画素のG画素が存在しないが、基本配列パターン内において、水平方向、垂直方向、斜め右上方向、及び斜め右下方向にそれぞれ隣接するG画素が存在する。このため、方向判別手段は、これらのG画素に基づいて最小画素間隔で相関方向を判別することができる。
<撮像素子の第3実施形態及び加重平均フィルタ>
図12A及び図12Bは、上記撮像素子14の第3の実施形態とこれに適用される第4の実施形態の加重平均フィルタを示す図である。
第3の実施形態の撮像素子のカラーフィルタ配列は、M×N(5×5)画素に対応する基本配列パターンを含んでいる。上記カラーフィルタ配列では、この基本配列パターンPが水平方向(H)及び垂直方向(V)に繰り返し配置されている。
図12A及び図12Bに示すように5×5画素の基本配列パターンにおけるR、G、Bフィルタに対応するR画素、G画素、B画素の画素数は、それぞれ4画素、17画素、4画素になっている。G画素の画素数が、R画素、B画素のそれぞれの画素数に比べて多く割り当てられている。即ち、R画素、B画素に比べて輝度信号を得るための寄与率の高いG画素の画素数の比率が、R画素、B画素の画素数の比率よりも大きくなっている。
また、第3の実施形態のカラーフィルタ配列(モザイク画像)は、水平方向及び垂直方向の画素ラインにおいて、RGB画素が全て揃う画素ラインと、RGB画素が揃わない画素ライン(G,R画素のみの画素ライン、G,B画素のみの画素ライン)とが混在している。
図12A及び図12Bに示す第4の実施形態の加重平均フィルタは、5×5画素の基本配列パターンと同じサイズのカーネルサイズを有する。図12Aは局所領域に対応するカーネル内のGとRの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。図12Bは局所領域に対応するカーネル内のGとBの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。
また、図12Aに示す加重平均フィルタの重み付け係数は、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
同様に、図12Bに示す加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
上記加重平均フィルタを使用することにより局所領域における色比((Rf/Gf),(Bf/Gf))を、高周波の影響を受けずに精度よく算出することができる。
一方、図12A及び図12Bに示すようにG画素は、水平方向、垂直方向、斜め右上方向、及び斜め右下方向の全ての画素ライン上に存在する。このため、デモザイク処理回路は、処理対象の画素の近傍の相関方向に存在する1つのG画素の画素値、又は複数のG画素の画素値の補間した値を、処理対象の画素位置におけるGの画素値とすることができる。尚、図12A及び図12Bに示すモザイク画像の場合、図6に示したような2×2画素のG画素が存在する。また、この他にも水平方向、垂直方向、斜め右上方向、及び斜め右下方向にそれぞれ隣接するG画素も存在する。このため、方向判別手段は、これらのG画素に基づいて最小画素間隔で相関方向を判別することができる。
<撮像素子の第4実施形態>
図13は、上記撮像素子14の第4の実施形態を示す図であり、特に撮像素子14の受光面上に配置されているカラーフィルタ配列に関して示している。
この撮像素子14のカラーフィルタ配列は、M×N(6×6)画素に対応する基本配列パターンP(太枠で示したパターン)を含んでいる。上記カラーフィルタ配列では、この基本配列パターンPが水平方向(H)及び垂直方向(V)に繰り返し配置されている。
図13に示すカラーフィルタ配列(モザイク画像)は、R、G、Bの全ての色の画素が水平方向及び垂直方向の各ライン内に配置されている。
図14は、図13に示した基本配列パターンPを、3×3画素に4分割した状態に関して示している。
図14に示すように基本配列パターンPは、実線の枠で囲んだ3×3画素のA配列と、破線の枠で囲んだ3×3画素のB配列とが、水平、垂直方向に交互に並べられた配列となっていると捉えることもできる。
A配列及びB配列は、それぞれ輝度系画素であるG画素が4隅と中央に配置され、両対角線上に配置されている。また、A配列は、中央のG画素を挟んでR画素が水平方向に配列され、B画素が垂直方向に配列される。一方、B配列は、中央のG画素を挟んでB画素が水平方向に配列され、R画素が垂直方向に配列されている。即ち、A配列とB配列とは、R画素とB画素との位置関係が逆転しているが、その他の配置は同様になっている。
また、基本配列パターン内におけるR画素、G画素、B画素の画素数は、それぞれ8画素、20画素、8画素になっている。即ち、RGB画素の各画素数の比率は、2:5:2になっており、G画素の画素数の比率は、R画素、B画素の画素数の比率よりも大きくなっている。
図15A及び図15Bは、図13に示した第4実施形態の撮像素子から得られるモザイク画像のデモザイク処理に使用する加重平均フィルタの実施形態を示す図であり、特に加重平均フィルタのフィルタ係数に関して示している。
図15A及び図15Bに示すように、この加重平均フィルタは、9×9のカーネルサイズを有し、同図に示すフィルタ係数が設定されている。
即ち、図15Aに示す加重平均フィルタの重み付け係数は、9×9のカーネルの中央にモザイク画像のA配列がくるように配置した場合に、そのカーネル(局所領域)内の各画素の色に対応して、重み付け係数をG,Rの色毎に抽出して色毎の重み付け係数の総和を求めた場合に、水平方向及び垂直方向の各画素ライン内のG、Rの色毎の重み付け係数の総和の比が、1:1になるように重み付け係数が設定されている。
同様に、図15Bに示す加重平均フィルタの重み付け係数は、水平方向及び垂直方向の各画素ライン内のG、Bの色毎の重み付け係数の総和の比が、1:1になるように重み付け係数が設定されている。
例えば、図15Aで、一番上の行の重み付け係数は、0,0,1,1,4,1,1,0,0になっているが、G,Rに分けて総和を求めると、R=4、G=0+1+1+1+1+0=4となり、4:4=1:1の関係になっていることが分かる。そして、全ての行及び列(水平及び垂直方向の各画素ライン)が、この関係に当てはまる重み付け係数になっている。
また、この加重平均フィルタは、3×3のサイズに分割した領域毎に重み付け係数を比較すると、中央部の3×3の重み付け係数が大きく、次に中央部を挟む上下左右の3×3の重み付け係数が大きく、四隅の3×3のフィルタ係数が一番小さくなるように重み付け係数に重みが付けられている。
図15Aに示した加重平均フィルタを使用することにより9×9画素の局所領域における色比(Rf/Gf)を、高周波の影響を受けずに精度よく算出することができる。同様に、図15Bに示した加重平均フィルタを使用することにより局所領域における色比(Bf/Gf)を、高周波の影響を受けずに精度よく算出することができる。そして、9×9画素の局所領域内の中央部の3×3画素(図15A及び図15Bに示した太枠内の画素)をデモザイク処理の処理対象の画素とし、各画素の画素位置におけるGの画素値と、前記算出した色比とに基づいて各画素位置におけるR,Bの画素値を算出する。尚、処理対象の画素がR画素,又はB画素の場合には、Gの画素値は、方向判別手段により判別された相関方向のGの画素値に基づいて算出する。
9×9画素の局所領域内の中央部の3×3画素の全ての画素について、RGBの画素値を求めるデモザイク処理が終了すると、モザイク画像から抽出する局所領域を、3×3画素毎に移動させながら上記と同じ処理を行う。
図15A及び図15Bに示す状態から、9×9画素の局所領域を水平方向又は垂直方向に3画素移動させると、移動後の9×9画素の局所領域の中央部には、3×3画素のB配列が位置することになる(図14参照)。この場合には、図15Bに示した加重平均フィルタを使用することによりGとRの色比(Rf/Gf)を算出することができる。さらに、図15Aに示した加重平均フィルタを使用することによりGとBの色比(Bf/Gf)を算出することができる。
尚、この実施形態では、3×3画素をデモザイク処理の処理対象の画素とし、局所領域を3×3画素毎に移動させるようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、1画素をデモザイク処理の処理対象の画素とし、局所領域を1画素ずつ移動させるようにしてもよい。この場合、処理対象の画素の種類に応じた多くの加重平均フィルタを用意する必要がある。
<撮像素子の第5実施形態>
図16は、上記撮像素子14の第5の実施形態を示す図であり、特に撮像素子14の受光面上に配置されているカラーフィルタ配列に関して示している。
図16に示すカラーフィルタ配列(モザイク画像)は、図13に示した第4の実施形態の変形例である。図16に示すカラーフィルタ配列は、図14に示したA配列の左上のG画素、及びB配列の左下のG画素の代わりに、透明(W)フィルタを有するW画素が配置されている点で相違する。
図16に示すように6×6画素の基本配列パターンPにおけるR、G、B、Wフィルタに対応するR画素、G画素、B画素、W画素の画素数は、それぞれ8画素、16画素、8画素、4画素になっている。輝度系画素(G画素、W画素)の画素数が、R画素、B画素のそれぞれの画素数に比べて多く割り当てられている。即ち、R画素、B画素に比べて輝度信号を得るための寄与率の高いG画素、W画素の画素数の比率が、R画素、B画素の画素数の比率よりも大きくなっている。
図17A及び図17Bは、図16に示した第5実施形態の撮像素子から得られるモザイク画像のデモザイク処理に使用する加重平均フィルタの実施形態を示す図であり、特に加重平均フィルタのフィルタ係数に関して示している。
図17A及び図17Bに示すように、この加重平均フィルタは、6×6画素の基本配列パターンPと同じサイズのカーネルサイズを有する。図17Aは局所領域に対応するカーネル内のGとRの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。図17Bは局所領域に対応するカーネル内のGとBの色比を算出するための加重平均フィルタを示している。
また、図17Aに示す加重平均フィルタの重み付け係数は、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、R画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
同様に、図17Bに示す加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。
上記加重平均フィルタを使用することにより局所領域における色比((Rf/Gf),(Bf/Gf))を、高周波の影響を受けずに精度よく算出することができる。また、基本配列パターンP内には、水平方向、垂直方向、斜め右上方向、及び斜め右下方向にそれぞれ隣接するG画素が存在する。このため、方向判別手段は、これらのG画素に基づいてデモザイク処理の処理対象の画素の近傍の輝度の相関方向を最小画素間隔で判別することができる。
<R、G、B、W画素の分感度特性>
図18は、Rフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタ及びWフィルタを有する各フォトダイオード(R、G、B、W画素)の分光感度特性の一例を示すグラフである。
図18に示すようにWフィルタを有するW画素の分光感度特性は、R、G、B画素の分光感度特性を加算したような分光感度特性であり、その感度の波長域はR、G、B画素の感度の波長領域を含んでいる。
また、Wフィルタの透過率のピーク(W画素の感度のピーク)は波長480nm以上570nm以下の範囲内にあり、Wフィルタの透過率は波長500nm以上560nm以下の範囲内で、RBフィルタの透過率よりも高くなっている。
ところで、G画素の画像信号は、R画素及びB画素の画像信号よりも輝度信号の生成時の寄与率が高い。具体的に説明すると、上述の画像処理部18は、画素毎にRGB全ての色情報を有するRGB画素信号から、下記の式(5)に従ってY信号を生成する。
Y=0.3R+0.59G+0.11B …(5)
この式(5)ではG色の寄与率が59%になるため、G色は、R色(寄与率30%)やB色(寄与率11%)よりも寄与率が高くなる。したがって、G色が3原色のうち最も輝度信号に寄与する色となる。
また、W画素の画像信号は、そのまま輝度信号となり得るものであるが、G画素とW画素とが混在している上記実施形態の撮像素子の場合、上記式(5)により算出される輝度信号と、W画素の画像信号(輝度信号)とを一定の割合で混合することにより輝度信号を生成する。W画素の画像信号は、G画素の画像信号よりも輝度信号に近く、当然R画素及びB画素の画像信号よりも輝度信号に近いものである。前記混合された輝度信号は、例えば、下記の式(6)のように算出される。
Y=0.5W+0.5(0.3R+0.59G+0.11B) …(6)
即ち、本発明の1色以上の第1の色に対応する輝度系画素(G画素、W画素)は、少なくとも輝度信号を得るための寄与率が50%以上であり、第1の色以外の2色以上の第2の色に対応する各画素(R画素、B画素)は、輝度信号を得るための寄与率が50%未満である。ここで、50%は、第1の色と第2の色とを輝度信号を得るための寄与率により区別するために定めた値であって、輝度信号を得るための寄与率がR色、B色などよりも相対的に高くなる色が「第1の色」に含まれるように定めた値である。
<撮像素子の第6実施形態>
図19は、上記撮像素子14の第6の実施形態を示す図であり、特に撮像素子14の受光面上に配置されているカラーフィルタ配列に関して示している。
図19に示すカラーフィルタ配列(モザイク画像)は、図4に示した第1の実施形態のカラーフィルタ配列を、45°回転させたものに対応する。
複数の画素が斜め格子状に配列されている撮像素子の場合、正方格子状に配列された撮像素子と比較して水平及び垂直方向の再現可能な帯域が√2倍となる。このような構成は、人間の視覚の周波数特性が、斜め方向に比べて水平及び垂直方向に高いという特性に合致しており、視覚的に有利な構造であるといえる。
第6の実施形態のように複数の画素が斜め格子状に配列される撮像素子の場合、斜め右上方向は、本発明の第1の方向及び第2の方向のうちの一方向に相当し、斜め右下向は本発明の第3の方向及び第4の方向のうちの他方向に相当するものとなる。
本発明に係るデモザイク処理は、図19に示したカラーフィルタ配列(モザイク画像)に対しても適切に行うことができる。
[デモザイク処理の他の実施形態]
上記の実施形態では、局所領域におけるGとR、GとBの色比((Rf/Gf),(Bf/Gf))と、処理対象の画素位置におけるGの画素値とに基づいて各画素位置におけるR,Bの画素値を算出するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、GとR、GとBの色差と、処理対象の画素位置におけるGの画素値とに基づいて各画素位置におけるR,Bの画素値を算出するようにしてもよい。
具体的には、加重平均フィルタにより局所領域におけるGとR、GとBの積和演算値(Rf、Gf、Bf)をそれぞれ重み付け係数の総和で除算した加重平均値を算出する。これらの加重平均値をそれぞれRf’、Gf’、Bf’とし、デモザイク処理の処理対象の画素がG画素であり、その画素値がGの場合、処理対象の画素位置におけるR,Bの画素値R,Bを、次式、
R=G+(Rf’−Gf’) …(7)
B=G+(Bf’−Gf’) …(8)
により算出する。
また、デモザイク処理の処理対象の画素がR画素、又はB画素の場合には、処理対象の画素の近傍の相関方向に存在する1つのG画素の画素値、又は複数のG画素の画素値の補間した値を、処理対象の画素位置におけるGの画素値として算出する。そして、この算出したGの画素値をG’とすると、R画素、又はB画素の画素位置におけるB、Rの画素値B,Rを、次式、
B=G’+(Bf’−Gf’) …(9)
R=G’+(Rf’−Gf’) …(10)
により算出する。
本発明に係る加重平均フィルタは、カーネル内の水平方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になり、かつカーネル内の垂直方向の画素ライン内のG画素に対する重み付け係数の総和と、B画素に対する重み付け係数の総和との比が1:1になるように重み付け係数が設定されている。このため、水平方向又は垂直方向に対して高周波の入力があっても、これらの重み付け係数を使用した、G,Bの加重平均値の差分値(Bf’−Gf’)の関係がずれることがなく、局所領域における正確な色差を算出することができる。同様に、局所領域におけるG、Bの色差(Rf’−Gf’)も正確に算出することができる。そして、これらの色差に基づいて処理対象の画素位置におけるR,Bの画素値を補間することにより精度よく算出することができる。
また、撮像装置10の他の実施形態としては、例えば、カメラ機能を有する携帯電話機やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム機が挙げられる。以下、スマートフォンを例に挙げ、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
<スマートフォンの構成>
図20は、撮像装置10の他の実施形態であるスマートフォン500の外観を示すものである。図20に示すスマートフォン500は、平板状の筐体502を有し、筐体502の一方の面に表示部としての表示パネル521と、入力部としての操作パネル522とが一体となった表示入力部520を備えている。また、筐体502は、スピーカ531と、マイクロホン532、操作部540と、カメラ部541とを備えている。尚、筐体502の構成はこれに限定されない。例えば、表示部と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造やスライド機構を有する構成を採用することもできる。
図21は、図20に示すスマートフォン500の構成を示すブロック図である。図21に示すように、スマートフォン500は、無線通信部510と、表示入力部520と、通話部530と、操作部540と、カメラ部541と、記憶部550と、外部入出力部560と、GPS(Global Positioning System)受信部570と、モーションセンサ部580と、電源部590と、主制御部501とを備える。また、スマートフォン500は、基地局装置BSと移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部510は、主制御部501の指示に従って、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータなどの送受信や、Webデータやストリーミングデータなどの受信を行う。
表示入力部520は、主制御部501の制御により、画像(静止画及び動画)や文字情報などを表示して視覚的にユーザに情報を伝達するとともに、表示した情報に対するユーザ操作を検出する、いわゆるタッチパネルである。表示入力部520は、表示パネル521と、操作パネル522とを備える。生成された3D画像を鑑賞する場合には、表示パネル521は、3D表示パネルであることが好ましい。
表示パネル521は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)などを表示デバイスとして用いたものである。操作パネル522は、表示パネル521の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、ユーザの指や尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスをユーザの指や尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部501に出力する。次いで、主制御部501は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル521上の操作位置(座標)を検出する。
図20に示すように、スマートフォン500の表示パネル521と操作パネル522とは一体となって表示入力部520を構成しており、操作パネル522が表示パネル521を完全に覆うような配置となっている。この配置を採用した場合、操作パネル522は、表示パネル521外の領域についても、ユーザ操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル522は、表示パネル521に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
尚、表示領域の大きさと表示パネル521の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要はない。また、操作パネル522が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。更に、外縁部分の幅は、筐体502の大きさなどに応じて適宜設計されるものである。更にまた、操作パネル522で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などが挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
通話部530は、スピーカ531やマイクロホン532を備える。通話部530は、マイクロホン532を通じて入力されたユーザの音声を主制御部501にて処理可能な音声データに変換して主制御部501に出力したり、無線通信部510あるいは外部入出力部560により受信された音声データを復号してスピーカ531から出力するものである。また、図20に示すように、例えば、スピーカ531を表示入力部520が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン532を筐体502の側面に搭載することができる。
操作部540は、キースイッチなどを用いたハードウェアキーであって、ユーザからの指示を受け付けるものである。例えば、図20に示すように、操作部540は、スマートフォン500の筐体502の表示部の下部、下側面に搭載され、指などで押下されるとオンとなり、指を離すとバネなどの復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部550は、主制御部501の制御プログラムや制御データ、通信相手の名称や電話番号などを対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータや、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータなどを一時的に記憶するものである。また、記憶部550は、スマートフォン内蔵の内部記憶部551と、着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部552を備える。尚、記憶部550を構成するそれぞれの内部記憶部551と外部記憶部552は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、Micro SD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部560は、スマートフォン500に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)など)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)など)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
スマートフォン500に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)やSIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるPDA、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホンなどがある。外部入出力部は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン500の内部の各構成要素に伝達することや、スマートフォン500の内部のデータが外部機器に伝送されるようにすることができる。
GPS受信部570は、主制御部501の指示に従って、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、当該スマートフォン500の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部570は、無線通信部510や外部入出力部560(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部580は、例えば、3軸の加速度センサなどを備え、主制御部501の指示に従って、スマートフォン500の物理的な動きを検出する。スマートフォン500の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン500の動く方向や加速度が検出される。この検出結果は、主制御部501に出力されるものである。
電源部590は、主制御部501の指示に従って、スマートフォン500の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
主制御部501は、マイクロプロセッサを備え、記憶部550が記憶する制御プログラムや制御データに従って動作し、スマートフォン500の各部を統括して制御するものである。また、主制御部501は、無線通信部510を通じて、音声通信やデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部550が記憶するアプリケーションソフトウェアに従って主制御部501が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部560を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能や、電子メールの送受信を行う電子メール機能、Webページを閲覧するWebブラウジング機能などがある。
また、主制御部501は、受信データやダウンロードしたストリーミングデータなどの画像データ(静止画像や動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部520に表示する等の画像処理機能を備える。画像処理機能とは、主制御部501が、本発明に係るデモザイク処理を含むRAWデータの現像処理を行い、処理結果の画像を記憶部550に記憶させ、又は表示入力部520に表示する機能のことをいう。
更に、主制御部501は、表示パネル521に対する表示制御と、操作部540、操作パネル522を通じたユーザ操作を検出する操作検出制御を実行する。
表示制御の実行により、主制御部501は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコンや、スクロールバーなどのソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成するためのウィンドウを表示する。尚、スクロールバーとは、表示パネル521の表示領域に収まりきれない大きな画像などについて、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部501は、操作部540を通じたユーザ操作を検出したり、操作パネル522を通じて、上記アイコンに対する操作や、上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付ける。
更に、操作検出制御の実行により主制御部501は、操作パネル522に対する操作位置が、表示パネル521に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル521に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル522の感応領域や、ソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部501は、操作パネル522に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指などによって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部541は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge-Coupled Device)などの撮像素子を用いて電子撮影するデジタルカメラであり、図3のブロック図に示した機能と同等の機能を備えている。また、カメラ部541は、主制御部501の制御により、撮像によって得た画像データを例えばJPEG(Joint Photographic coding Experts Group)などの圧縮した画像データに変換し、記憶部550に記録したり、外部入出力部560や無線通信部510を通じて出力することができる。図20に示すにスマートフォン500において、カメラ部541は表示入力部520と同じ面に搭載されているが、カメラ部541の搭載位置はこれに限らず、表示入力部520の背面に搭載されてもよいし、あるいは、複数のカメラ部541が搭載されてもよい。尚、複数のカメラ部541が搭載されている場合には、撮影に供するカメラ部541を切り替えて単独にて撮影したり、あるいは、複数のカメラ部541を同時に使用して撮影することもできる。
また、カメラ部541はスマートフォン500の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル521にカメラ部541で取得した画像を表示することや、操作パネル522の操作入力の一つとして、カメラ部541の画像を利用することができる。また、GPS受信部570が位置を検出する際に、カメラ部541からの画像を参照して位置を検出することもできる。更には、カメラ部541からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、あるいは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン500のカメラ部541の光軸方向を判断することや、現在の使用環境を判断することもできる。勿論、カメラ部541からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
[その他]
この実施形態では、撮像装置について説明したが、本発明は、RAWデータ(モザイク画像)の記録が可能な撮像装置からモザイク画像を取得し、そのモザイク画像に対して本発明に係るデモザイク処理を含む各種の画像処理(「RAW現像」という)を行うパーソナルコンピュータ等の画像処理装置にも適用できる。また、本発明は、汎用のパーソナルコンピュータにインストールされることにより該パーソナルコンピュータを上記画像処理装置として機能させるRAW現像ソフト(画像処理プログラム)、及びこのRAW現像ソフトが記録された(非一次的(non-transitory)な)記録媒体を含む。
また、本発明は、本実施形態のモザイク画像に限らず種々のものに適用でき、要は本発明に係る重み付け係数の設定が可能なモザイク画像であれば、如何なるものでもよい。
また、本発明は、局所領域の色(色比、色差)を精度よく推定し、デモザイク処理を行うようにしたため、色モアレ、偽色の発生を低減することができる。これにより、撮像装置において、色モアレ等の発生を低減するための光学ローパスフィルタを省略することができ、又は光学ローパスフィルタを適用する場合でも色モアレ等の発生を防止するための高周波数成分をカットする働きの弱いものを適用することができ、解像度を損なわないようにすることができる。
上記実施形態では、RGB、又はRGBWのモザイク画像に対するデモザイク処理について説明したが、本発明は、これに限らず、RGBの3原色+他の色(例えば、エメラルド(E))の4色のモザイク画像にも適用できる。
また、本発明は、原色RGBの補色であるC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)にGを加えた4色の補色系のモザイク画像にも適用できる。
更に、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
10…撮像装置、12…撮影光学系(撮影レンズ)、14…撮像素子、16…撮像処理部、18…画像処理部、20…駆動部、22…制御部

Claims (16)

  1. 第1の方向及び前記第1の方向に垂直な第2の方向に配列された光電変換素子で構成される複数の画素上に、1色以上の第1の色に対応する第1のフィルタと、輝度信号を得るための寄与率が前記第1の色よりも低い2色以上の第2の色に対応する第2のフィルタとを有する、所定のカラーフィルタ配列のカラーフィルタが配設されてなる撮像素子から取得された前記カラーフィルタ配列に対応するモザイク画像を取得する画像取得手段と、
    前記第2の色の色毎に対応し、かつ所定のカーネルサイズ内における前記第1の色に対応して設定される第1の重み付け係数と、前記第2の色の各色にそれぞれ対応して設定される第2の重み付け係数とを有し、前記第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数が、前記カーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、前記第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になる演算手段であって、前記第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数と、前記モザイク画像から抽出される前記カーネルサイズに対応する局所領域内の第1の色の画素の画素値及び第2の色の色毎の画素の画素値に基づいて前記第1の色の積和演算値及び第2の色の色毎の積和演算値を算出する演算手段と、
    前記局所領域内の処理対象の画素の画素位置における第1の色の画素値と、前記演算手段により算出された前記第1の色及び第2の色の色毎の積和演算値とに基づいて前記画素位置における第2の色の色毎の画素値を算出する画像処理手段と、
    を備えた画像処理装置。
  2. 前記モザイク画像は、前記カーネルサイズに対応する局所領域内において、前記第1の方向及び第2の方向に平行な辺をもつ任意の四角形の少なくとも1つにおいて一方の対角位置に前記第1の色を有し、他方の対角位置に同色の前記第2の色を有する2対の画素の組であって、前記第2の色の色毎に前記2対の画素の組を1組以上有する請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記モザイク画像は、前記第1の方向及び前記第2の方向にM×N画素(M≧3、N≧3)に対応する基本配列パターンを含み、かつ当該基本配列パターンが前記第1の方向及び前記第2の方向に繰り返されて配置される請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記モザイク画像は、前記第1の方向及び前記第2の方向の画素ライン上に、前記第2の色の全ての色の画素が揃わない画素ラインを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記モザイク画像に対して前記局所領域を、前記処理対象の対象画素単位毎に移動させながら前記演算手段及び画像処理手段を繰り返し動作させる制御手段を備えた請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記モザイク画像は、前記第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、前記第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、
    前記演算手段により算出された前記R、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を、それぞれRf、Gf、Bfとすると、
    前記画像処理手段は、
    前記処理対象の対象画素がG画素の場合、前記G画素の積和演算値と前記R画素及び前記B画素の積和演算値との比である色比(Rf/Gf),(Bf/Gf)をそれぞれ算出し、前記算出した色比(Rf/Gf),(Bf/Gf)と、前記処理対象のG画素の画素値とに基づいて前記処理対象の画素位置におけるR、B画素の画素値をそれぞれ算出する請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記モザイク画像は、前記第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、前記第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、
    前記演算手段により算出された前記R、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を、それぞれRf、Gf、Bfとすると、
    前記画像処理手段は、
    前記処理対象の対象画素がR画素の場合、前記G画素の積和演算値と前記B画素の積和演算値との比である色比(Bf/Gf)を算出し、前記算出した色比(Bf/Gf)と、前記処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて前記処理対象の画素位置におけるB画素の画素値を算出し、
    前記処理対象の対象画素がB画素の場合、前記G画素の積和演算値と前記R画素の積和演算値との比である色比(Rf/Gf)を算出し、前記算出した色比(Rf/Gf)と、前記処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて前記処理対象の画素位置におけるR画素の画素値を算出する請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記モザイク画像は、前記第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、前記第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、
    前記演算手段により算出された前記R、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を重み付け係数の総和で除算した加重平均値を、それぞれRf’、Gf’、Bf’とすると、
    前記画像処理手段は、
    前記処理対象の対象画素がG画素の場合、前記G画素の加重平均値と前記R画素及び前記B画素の加重平均値との差である色差(Rf’−Gf’),(Bf’−Gf’)をそれぞれ算出し、前記算出した色差(Rf’−Gf’),(Bf’−Gf’)と、前記処理対象のG画素の画素値とに基づいて前記処理対象の画素位置におけるR、B画素の画素値をそれぞれ算出する請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記モザイク画像は、前記第1の色に属する緑(G)色に対応するG画素と、前記第2の色に属する赤(R)及び青(B)色に対応するR画素及びB画素とを有し、
    前記演算手段により算出された前記R、G、B画素の画素値の色毎の積和演算値を重み付け係数の総和で除算した加重平均値を、それぞれRf’、Gf’、Bf’とすると、
    前記画像処理手段は、
    前記処理対象の対象画素がR画素の場合、前記G画素の加重平均値と前記B画素の加重平均値との差である色差(Bf’−Gf’)を算出し、前記算出した色差(Bf’−Gf’)と、前記処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて前記処理対象の画素位置におけるB画素の画素値を算出し、
    前記処理対象の対象画素がB画素の場合、前記G画素の加重平均値と前記R画素の加重平均値との差である色差(Rf’−Gf’)を算出し、前記算出した色差(Rf’−Gf’)と、前記処理対象の画素位置に対して算出されたG画素の画素値とに基づいて前記処理対象の画素位置におけるR画素の画素値を算出する請求項1から5、及び8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記モザイク画像内の処理対象の画素の近傍の前記第1の色の画素の画素値に基づいて輝度の相関方向が、前記第1の方向及び第2の方向と、前記第1の方向及び第2の方向に対して傾いた第3の方向及び第4の方向のうちのいずれの方向かを判別する方向判別手段を備え、
    前記画像処理手段は、前記処理対象の画素位置の画素がR画素又はB画素の場合に、その画素位置に対するG画素の画素値を、前記方向判別手段により判別された相関方向に存在するG画素の画素値を使用して算出する請求項7又は9に記載の画像処理装置。
  11. 前記モザイク画像中の前記第1の色の画素は、前記第1、第2、第3及び第4の方向の各方向の画素ライン内に1つ以上配置される請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記方向判別手段は、前記モザイク画像内の処理対象の画素の近傍の前記第1の色の画素であって、前記第1、第2、第3及び第4の方向にそれぞれ隣接する同色の画素の画素値を取得し、それぞれ隣接する同色の画素の画素値の差分値に基づいて輝度の相関方向を判別する請求項10又は11に記載の画像処理装置。
  13. 前記方向判別手段は、前記第1、第2、第3及び第4の方向の各方向別に、隣接する同色の画素の画素値の差分絶対値を複数算出し、各方向別の複数の差分絶対値の総和又は平均値のうち最小となる方向を相関方向として判別する請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置を備えた撮像装置。
  15. 第1の方向及び第1の方向に垂直な第2の方向に配列された光電変換素子で構成される複数の画素上に、1色以上の第1の色に対応する第1のフィルタと、輝度信号を得るための寄与率が前記第1の色よりも低い2色以上の第2の色に対応する第2のフィルタとを有する、所定のカラーフィルタ配列のカラーフィルタが配設されてなる撮像素子から取得された前記カラーフィルタ配列に対応するモザイク画像を取得する画像取得工程と、
    前記第2の色の色毎に対応し、かつ所定のカーネルサイズ内における前記第1の色に対応して設定される第1の重み付け係数と、前記第2の色の各色にそれぞれ対応して設定される第2の重み付け係数であって、前記カーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、前記第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になる第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数を用いて演算を行う演算工程であって、前記第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数と、前記モザイク画像から抽出される前記カーネルサイズに対応する局所領域内の第1の色の画素の画素値及び第2の色の画素の画素値に基づいて前記第1の色の積和演算値及び第2の色の積和演算値を算出する演算工程と、
    前記局所領域内の処理対象の画素の画素位置における第1の色の画素値と、前記演算工程により算出された前記第1の色及び第2の色の色毎の積和演算値とに基づいて前記画素位置における第2の色の色毎の画素値を算出する画像処理工程と、を含み、
    前記モザイク画像に対して前記局所領域を、前記処理対象の対象画素単位毎に移動させながら前記演算工程及び画像処理工程による処理を繰り返し実行させる画像処理方法。
  16. 第1の方向及び第1の方向に垂直な第2の方向に配列された光電変換素子で構成される複数の画素上に、1色以上の第1の色に対応する第1のフィルタと、輝度信号を得るための寄与率が前記第1の色よりも低い2色以上の第2の色に対応する第2のフィルタとを有する、所定のカラーフィルタ配列のカラーフィルタが配設されてなる撮像素子から取得された前記カラーフィルタ配列に対応するモザイク画像を取得する画像取得機能と、
    前記第2の色の色毎に対応し、かつ所定のカーネルサイズ内における前記第1の色に対応して設定される第1の重み付け係数と、前記第2の色の各色にそれぞれ対応して設定される第2の重み付け係数であって、前記カーネルサイズ内の第1の方向及び第2の方向の画素ライン内の、前記第1の重み付け係数の総和と第2の重み付け係数の総和との比が1:1になる第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数を用いて演算を行う演算機能であって、前記第1の重み付け係数及び第2の重み付け係数と、前記モザイク画像から抽出される前記カーネルサイズに対応する局所領域内の第1の色の画素の画素値及び第2の色の画素の画素値に基づいて前記第1の色の積和演算値及び第2の色の積和演算値を算出する演算機能と、
    前記局所領域内の処理対象の画素の画素位置における第1の色の画素値と、前記演算機能により算出された前記第1の色及び第2の色の色毎の積和演算値とに基づいて前記画素位置における第2の色の色毎の画素値を算出する画像処理機能と、
    をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
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