以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る組合せ秤の概略構成を示す模式図である。この実施形態の組合せ秤は、その装置上部の中央に、供給装置1から供給される被計量物20を振動によって放射状に分散させる円錐形のトップコーン3と、このトップコーン3を振動させるメインフィーダ(分散フィーダ)4と、トップコーン3及びメインフィーダ4を支持し、トップコーン3に供給される被計量物の量を計測するトップコーン用重量センサ5とを備えている。
被計量物20は、特に限定されないが、例えば、ピーマン、パプリカ、トマト、ジャガイモ等の野菜類やオレンジ、リンゴ等の果物類などの計量に好適であり、組合せ計量を行って複数個入りの包装品を生産するのに好適である。
供給装置1は、図示しないベルトコンベアから供給されるピーマン等の被計量物20を振動によって搬送してトップコーン3の中央部へ供給する。トップコーン3では、供給装置1からその中央部に供給される被計量物20を振動によってその周縁部方向へ搬送する。トップコーン3の周辺には、トップコーン3から送られてきた被計量物20を複数の各供給ホッパ12に搬送する複数のリニアフィーダパン6と、このリニアフィーダパン6をそれぞれ振動させる複数のリニアフィーダ8とが放射状に設けられている。
各リニアフィーダパン6の周縁部下方には、供給部としての複数の供給ホッパ12が設けられ、各供給ホッパ12の下方には、計量部としての計量ホッパ13がそれぞれ設けられ、両ホッパ12,13は、円周状に配置されている。供給ホッパ12及び計量ホッパ13の下部には、開閉可能な投入用のゲート12a及び排出用のゲート13aがそれぞれ設けられている。
供給ホッパ12は、リニアフィーダパン6によって搬送されてその先端である搬送終端6aから落下排出される被計量物20を受け取り、その下方に配置された計量ホッパ13が空になると投入用のゲート12aを開放して被計量物20を計量ホッパ13へ落下投入する。また、各計量ホッパ13には、計量ホッパ13内の被計量物20の重量を計測するロードセル等の重量センサ10がそれぞれ連結され、各重量センサ10による計量値は制御装置9へ出力される。
複数のリニアフィーダパン6及び各リニアフィーダパン6をそれぞれ振動させる複数のリニアフィーダ8によって、対応する各供給ホッパ12に被計量物20をそれぞれ搬送する複数の搬送部が構成される。
計量ホッパ13は、被計量物20を集合シュート14へ排出可能である。制御装置9による後述の組合せ演算によって、複数の計量ホッパ13の中から被計量物20を排出すべき計量ホッパ13の適量組合せが求められ、包装機15から排出要求信号の入力があると、その適量組合せに該当する計量ホッパ13から被計量物20が集合シュート14へ排出され、更にその下方の包装機15へと投入されて包装される。
制御装置9には、操作設定表示部11によって、動作パラメータなどの設定が行なわれ、この操作設定表示部11は、例えばタッチパネル等を用いて構成され、運転速度や組合せ計量値等を画面に表示する。動作パラメータには、組合せ演算における目標値である目標組合せ重量及びそれに対する許容範囲、メインフィーダ4の振動の振幅や駆動時間、及び、リニアフィーダ8の振動の振幅や後述の駆動制限時間等がある。
制御装置9では、供給装置1の動作制御および組合せ秤の全体の動作制御を行うと共に、組合せ演算を行う。組合せ演算では、計量ホッパ13内の被計量物20の重量が重量センサ10によって計量される。複数の計量ホッパ13の中から、被計量物20の重量値の合計である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しいあるいは許容範囲内の最も近い所定重量範囲となる最適組合せが1つ求められる。
この実施形態では、ピーマン等の被計量物20の組合せ計量を行って、目標組合せ重量及びその許容範囲で規定される所定重量範囲となる複数個の被計量物20を包装機15へ排出し、包装機15で複数個の被計量物20を包装する。
前記目標組合せ重量に対して、ピーマン等の被計量物20の単体重量が大きいので、所定重量範囲の適量組合せを成立し易くするために、計量ホッパ13には、各計量サイクルで被計量物20が供給ホッパ12から所要数として、1個投入されるようにしている。
供給ホッパ12から計量ホッパ13に、被計量物20を1個投入するためには、各計量サイクルで、リニアフィーダパン6から供給ホッパ12に被計量物20を1個供給する必要がある。
従来では、上述のように、リニアフィーダパン6から供給ホッパ12に被計量物20を1個供給するように、リニアフィーダパン6を振動させるリニアフィーダ8による振動の振幅や駆動時間が設定される。
かかる設定を固定したままでは、ピーマン等の被計量物20が、産地やロットなどによってサイズや形状あるいは単体重量がばらつくために、リニアフィーダパン6から供給ホッパ12へ供給される被計量物20が、必ずしも1個にならず、2個以上供給されたり、あるいは、全く供給されなかったりする場合が生じ、このため、リニアフィーダ8による振動の振幅や駆動時間を再度調整して設定し直す必要があるが、かかる調整は、経験が必要であって、手間がかかるという難点がある。
そこで、この実施形態では、各リニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物20をそれぞれ検出する複数の被計量物センサ7を設けており、制御装置9は、この被計量物センサ7の検出出力に基づいて、リニアフィーダパン6から供給ホッパ12に被計量物20が1個供給されるように、リニアフィーダ8の駆動を制御している。
被計量物センサ7は、例えば、光電センサからなり、リニアフィーダパン6の搬送終端6aにおける被計量物20を検出するものであり、被計量物20が存在しているときには、検出状態に対応する、例えばハイレベルの検出出力を与え、被計量物20が存在していないときには、非検出状態に対応するローレベルの検出出力を与える。
図1では、簡略化して示しているが、リニアフィーダパン6上では、隣合う被計量物20同士が当接して隙間がない状態で連続的に搬送される。
被計量物センサ7の搬送終端6aにおける検出領域は、リニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物20が供給ホッパ12に落下供給された時点から次の被計量物20が前記検出領域内に搬入される時点までの期間に亘って被計量物20が存在せず、前記次の被計量物20が前記検出領域内に搬入された時点から検出領域を搬送されて供給ホッパ12に落下供給される時点までの期間は、被計量物20が前記検出領域に存在するように設定されている。
したがって、被計量物センサ7は、リニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物20が供給ホッパ12に落下した時点から次の被計量物20が検出領域内に搬入される時点までの期間に亘って、被計量物20を検出していない非検出状態に対応する検出出力を与え、次の被計量物20が検出領域内に搬入された時点から供給ホッパ12に落下供給される時点までの期間は、被計量物20を検出している検出状態に対応する検出出力を与えることになる。
制御装置9は、リニアフィーダ8を駆動して、リニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物20が供給ホッパ12に落下したことが、被計量物センサ7によって検出されたときに、1個の被計量物20が供給ホッパ12に供給されたとしてリニアフィーダ8の駆動を停止するようにしている。
この実施形態では、被計量物を検出する被計量物センサ7として、光電センサを用いているが、光電センサに限らず、リミットスイッチなどの他のセンサを用いてもよい。
図2は、この実施形態における組合せ秤の制御系統の概略構成を示すブロック図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
図2に示すように、制御装置9は、演算制御部としてのCPU部16と、メモリ部17と、A/D変換回路部18と、ゲート駆動回路部19と、振動制御回路部21と、包装機15に接続されたI/O回路部22と、被計量物センサ7の検出出力が与えられるI/O回路部25とを備えている。
演算制御部としてのCPU部16は、各部を制御すると共に、組合せ演算を行う。メモリ部17は、組合せ秤の動作プログラム及び設定される動作パラメータ等を記憶しており、CPU部16に対する演算などの作業領域となる。
A/D変換回路部18は、トップコーン3上の被計量物20の重量を検出するトップコーン用重量センサ5及び各計量ホッパ13の被計量物20の重量を検出する各重量センサ10からのアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU部16へ出力する。また、CPU部16には、I/O回路部25を介して各リニアフィーダパン6の搬送終端6aにおける被計量物20をそれぞれ検出する上述の被計量物センサ7からの検出出力が与えられる。
ゲート駆動回路部19は、CPU部16からの制御信号に基づいて、供給ホッパ12の投入用のゲート12a及び計量ホッパ13の排出用のゲート13aの開閉を制御する。振動制御回路部21は、CPU部16からの制御信号に基づいて、供給装置1、メインフィーダ4及び各リニアフィーダ8のそれぞれの振動動作を制御する。また、CPU部16は、操作設定表示部11と相互に通信できるように接続されている。
制御装置9は、CPU部16がメモリ部17に記憶されている動作プログラムを実行することにより、供給装置1及び組合せ秤全体の動作を制御する。
組合せ秤では、上述のような動作を行うための多数の動作パラメータの設定が必要であり、その設定は操作者が操作設定表示部11を用いて行い、設定された動作パラメータの値はCPU部16へ送られ、メモリ部17に記憶される。
図3は、この実施形態の組合せ秤の全体の処理動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、制御装置9は、トップコーン用重量センサ5の検出出力に基づいて、供給装置1をON/OFF制御して、トップコーン3上への被計量物20の供給量を制御する供給装置制御を行う(ステップs1)。
次に、トップコーン3を振動させるメインフィーダ4の駆動を制御してトップコーン3上の被計量物20を周囲へ分散させてリニアフィーダパン6に被計量物20を供給するメインフィーダ制御を行う(ステップs2)。
次に、リニアフィーダパン6を振動させるリニアフィーダ8の駆動を制御して、空の供給ホッパ12に対応するリニアフィーダパン6を振動させてリニアフィーダパン6上の被計量物20を当該空の供給ホッパ12に供給するリニアフィーダ制御を行う(ステップs3)。
次に、ステップs4の供給ホッパ制御に移る。この供給ホッパ制御では、空の計量ホッパ13に対応する供給ホッパ12の投入用のゲート12aを開放して、被計量物20を当該空の計量ホッパ13へ投入し、ステップs5へ移る。
ステップs5では、計量ホッパ13に被計量物20が供給されると、対応する重量センサ10によって、前記計量ホッパ13に供給された被計量物20の重量を計量し、計量値を制御装置9に取込む計量制御を行う。
次に、計量ホッパ13に供給されている被計量物20の重量に基づいて、組合せ演算を行い、被計量物20の重量を種々組合せた合計重量である組合せ重量が、目標組合せ重量に等しいか、あるいは、目標組合せ重量よりも重く、かつ、目標組合せ重量に近い所定重量範囲の計量ホッパ13の組合せである最適組合せの選択を行う(ステップs6)。その後、包装機15からの排出要求信号の入力があるか否かを判断し(ステップs7)、排出要求信号の入力があると、組合せ演算で選択された最適組合せの計量ホッパ13の排出用のゲート13aを開放して被計量物20を排出する計量ホッパ制御を行い(ステップs8)、ステップs1に戻る。以下、上述と同様の計量サイクルを繰り返すことによって、最適組合せの被計量物20が包装機15へと排出される。
図4は、この実施形態の動作の一例を説明するためのタイムチャートであり、計量ホッパ13、供給ホッパ12、リニアフィーダ8及び被計量物センサ7の対応する一組の状態を代表的に示すものである。図4(a)は計量ホッパ13の排出用のゲート13aの開閉状態を、図4(b)は供給ホッパ12の投入用のゲート12aの開閉状態を、図4(c)はリニアフィーダ8の駆動状態を、図4(d)は被計量物センサ7の検出出力をそれぞれ示している。
先ず、計量サイクルT1では、適量組合せに選択された計量ホッパ13の排出用のゲート13aの開放が、図4(a)に示されるようにt1の時点で開始され、計量ホッパ13の被計量物20が集合シュート14に排出されて包装機15に投入され、包装機15で包装される。
被計量物20を排出して空となった計量ホッパ13に対して、供給ホッパ12の投入用ゲート12aの開放が、図4(b)に示されるようにt2の時点で開始され、供給ホッパ12から計量ホッパ13へ被計量物20が投入される。
次に、被計量物20を計量ホッパ13に投入して空となった供給ホッパ12に対して被計量物20を供給するために、図4(c)に示されるようにリニアフィーダ8の駆動をt3の時点で開始する。
図4(d)に示される被計量物センサ7の検出出力は、計量サイクルT1よりも前の計量サイクルにおいて、リニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物20が、供給ホッパ12へ落下した時点でリニアフィーダ8の駆動が停止され、リニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物センサ7の検出領域には、被計量物20が存在していないので、非検出状態に対応するオフとなっている。
図4(c)に示されるリニアフィーダ8の駆動の開始によって、新たな被計量物20が、被計量物センサ7の搬送終端6aの検出領域に搬送されるので、被計量物センサ7の検出出力は、図4(d)に示されるようにt4の時点で被計量物20を検出している検出状態に対応するオンに変化する。
この実施形態では、図4(c)に示されるリニアフィーダ8の駆動を、図4(d)に示される被計量物センサ7の検出出力がオフの非検出状態に変化した時点t5、すなわち、リニアフィーダパン6の搬送終端6aから被計量物20が、供給ホッパ12に1個落下供給したことを検出したときに停止するようにしている。
次の計量サイクルT2においても、適量組合せに選択された計量ホッパ13の排出用のゲート13aの開放が、図4(a)に示されるようにt6の時点で開始され、被計量物20が集合シュート14に排出される。被計量物20を排出して空となった計量ホッパ13に対して供給ホッパ12の投入用ゲート12aの開放が、図4(b)に示されるようにt7の時点で開始され、供給ホッパ12から計量ホッパ13へ被計量物20が投入される。
次に、被計量物20を計量ホッパ13に投入して空となった供給ホッパ12に対して被計量物20を供給するために、図4(c)に示されるように、リニアフィーダ8の駆動をt8の時点で開始し、これによって、次の被計量物20が、被計量物センサ7の検出領域内に搬送され、被計量物センサ7の検出出力が、図4(d)に示されるように、t9の時点で検出状態に対応するオンに変化する。
リニアフィーダ8の駆動は、この被計量物センサ7の検出出力が、オフの非検出状態に変化した時点t10、すなわち、リニアフィーダパン6の搬送終端6aから被計量物20が1個落下供給したことを検出したときに停止する。
このように被計量物センサ7の検出出力が、検出状態に対応するオンから非検出状態に対応するオフに変化したとき、すなわち、被計量物20が、リニアフィーダパン6の搬送終端6aから供給ホッパ12に落下供給されたときに、リニアフィーダ8の駆動を停止するので、ピーマン等の被計量物20のサイズや単体重量などが産地やロットによってばらついても、被計量物20が供給ホッパ12に2個以上供給されたり、あるいは、全く供給されないのを防ぐことができ、これによって、計量速度が低下したり、歩留まりが悪くなるのを防止することができる。
しかも、被計量物20のサイズや単体重量などが産地やロットによってばらついたときに、従来のように、リニアフィーダ32の駆動時間等を再度調整して設定し直すといった作業も不要となる。
この実施形態では、被計量物センサ7の検出出力が、検出状態に対応するオンから非検出状態に対応するオフに変化したときに、リニアフィーダ8の駆動を停止するので、次の被計量物20が、被計量物センサ7の検出領域内に搬入されておらず、被計量物センサ7の検出出力がオフのままであって、次の計量サイクルでリニアフィーダ8の駆動を開始することによって、次の被計量物20が、被計量物センサ7の検出領域内に搬入されて被計量物センサ7の検出出力がオンに変化するようにしている。
これに対して、本発明の他の実施形態として、被計量物センサ7の検出出力が、検出状態に対応するオンから非検出状態に対応するオフに変化したときに、リニアフィーダ8の駆動を一旦停止した後、再びリニアフィーダ8を駆動し、次の被計量物20が、被計量物センサ7の検出領域内に搬入されて被計量物センサ7の検出出力がオンに変化したときに、リニアフィーダ8の駆動を停止するようにしてもよい。あるいは、被計量物センサ7の検出出力が、検出状態に対応するオンから非検出状態に対応するオフに変化したときに、リニアフィーダ8の駆動を直ちに停止するのではなく、次の被計量物20が、被計量物センサ7の検出領域内に搬入されて被計量物センサ7の検出出力がオンに変化したときに、リニアフィーダ8の駆動を停止するようにしてもよい。
この実施形態では、被計量物20を、リニアフィーダパン6の搬送終端6aから供給ホッパ12に、所要数として1個供給する場合に適用して説明したけれども、本発明は、1個に限らず、複数個を供給するようにしてもよいのは勿論である。この場合には、被計量物センサ7の検出出力が、検出状態から非検出状態に変化し、更に、検出状態、非検出状態に順次複数回変化するのに基づいて、リニアフィーダ8の駆動を停止するようにすればよい。
図5は、この実施形態の他の動作例を説明するための図4に対応するタイムチャートである。
先ず、計量サイクルT1では、適量組合せに選択された計量ホッパ13の排出用のゲート13aの開放が、図5(a)に示されるようにt1の時点で開始され、被計量物20が集合シュート14に排出される。被計量物20を排出して空となった計量ホッパ13に対して供給ホッパ12の投入用のゲート12aの開放が、図5(b)に示されるようにt2の時点で開始され、これによって、供給ホッパ12から計量ホッパ13へ被計量物20が投入される。
次に、被計量物20を計量ホッパ13に投入して空となった供給ホッパ12に対して被計量物20を供給するために、図5(c)に示されるように、リニアフィーダ8の駆動をt3の時点で開始する。
このリニアフィーダ8の駆動の開始によって、新たな被計量物20が、被計量物センサ7の搬送終端6aの検出領域に搬入されるので、被計量物センサ7の検出出力は、図5(d)に示されるように、t4の時点で被計量物20を検出している検出状態に対応するオンに変化する。
この例では、例えば、被計量物20がリニアフィーダパン6上を円滑に搬送されず、リニアフィーダ8の駆動を継続しても図5(d)に示されるように、被計量物センサ7の検出出力が、オンの検出状態からオフの非検出状態に変化しないので、予め設定されている駆動制限時間Trになった時点trで、リニアフィーダ8の駆動を強制的に停止させる。
このようにリニアフィーダ8の駆動時間を制限するのは、駆動時間を長くして次の計量サイクルT2における供給ホッパ12の投入用のゲート12aが開閉している期間に被計量物20が落下して、ゲート12aに挟まったり、直接、計量ホッパ13に投入されることがないようにするためである。
この実施形態では、駆動制限時間Trは、1計量サイクルの期間から供給ホッパ12のゲート12aの開閉期間及び被計量物20がリニアフィーダパン6の搬送終端6aから供給ホッパ12に落下するのに要する期間を差し引いた時間とされ、駆動制限時間として最大の時間に設定している。
次の計量サイクルT2においては、適量組合せに選択された計量ホッパ13の排出用のゲート13aの開放が、図5(a)に示されるt6の時点で開始され、被計量物20が集合シュート14に排出される。被計量物20を排出して空となった計量ホッパ13に対して供給ホッパ12の投入用ゲート12aの開放が、図5(b)に示されるようにt7の時点で開始され、これによって、供給ホッパ12から計量ホッパ13へ被計量物20が投入される。
次に、被計量物20を計量ホッパ13に投入して空となった供給ホッパ12に対して被計量物20を供給するために、図5(c)に示されるように、リニアフィーダ8の駆動をt8の時点で開始する。
この計量サイクルT2では、先の計量サイクルT1におけるリニアフィーダ8の駆動時間が長かったので、比較的短いリニアフィーダ8の駆動によって、図5(d)に示されるようにt10の時点で被計量物センサ7の検出出力が、オフの非検出状態に変化し、この時点t10において、リニアフィーダパン6の搬送終端6aから被計量物20が1個落下供給されたとして、リニアフィーダ8の駆動を停止する。
このように、リニアフィーダ8を駆動してもリニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物20が、落下したことが被計量物センサ7によって検出されないときには、リニアフィーダ8の駆動を、駆動制限時間Tr内に制限するので、次の計量サイクルに悪影響を及ぼすのを防止することができる。
図6は、この実施形態の動作説明に先立って動作を説明する参考例のフローチャートである。
この図6の処理は、一定時間、例えば、10ms毎に実行される。
先ず、1〜nの複数のリニアフィーダ8を特定するための番号kを、初期値「1」に設定する(ステップs351)。
次に、リニアフィーダ8(k)を駆動することを示す駆動フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs352)、オンしているときには、リニアフィーダ8(k)の駆動時間を制限するためのリニアフィーダ駆動制限時間タイマをセットして駆動制限時間の計測を開始し(ステップs353)、リニアフィーダ8(k)を駆動中であることを示す駆動中フラグをオンし(ステップs354)、リニアフィーダ8(k)の駆動を開始してステップs362に移る(ステップs355)。
ステップs362では、番号kを1つ増加し、番号kがn+1になったか否かを判断し(ステップs363)、n+1になっていないときには、ステップs352に戻って次のリニアフィーダ8について同様の処理を行ない、n+1になったときには、複数のリニアフィーダ8の処理が終わったとして終了する。
ステップs352において、リニアフィーダ8(k)の駆動フラグがオンしていないときには、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs356)、駆動中フラグがオンしていないときには、ステップs362に移る。
ステップs356において、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグがオンしているときには、リニアフィーダ8(k)が駆動されているので、被計量物センサ7が、被計量物20の落下を検出したか否か、すなわち、被計量物センサ7の検出出力が、オンの検出状態からオフの非検出状態に変化したか否かを判断する(ステップs357)。
ステップs357において、被計量物の落下を検出したときには、ステップs360に移り、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグをオフし、リニアフィーダ8(k)の駆動を停止してステップs362に移る(ステップs361)。これによって、被計量物センサ7が、被計量物20の落下を検出したとき、すなわち、リニアフィーダパン6の搬送終端6aの被計量物20が、供給ホッパ12に1個供給されたときには、リニアフィーダ8(k)の駆動が停止されることになる。
ステップs357において、被計量物の落下が検出されないときには、リニアフィーダ駆動制限時間タイマの駆動制限時間を減算し(ステップs358)、このリニアフィーダ駆動制限時間タイマの駆動制限時間が、上述の駆動制限時間Trとなったか否か、すなわち、タイムアップしたか否かを判断する(ステップs359)。
ステップs359において、タイムアップしたときには、ステップs360に移り、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグをオフし、リニアフィーダ8(k)の駆動を停止してステップs362に移る。これによって、リニアフィーダ8を駆動しても、被計量物20の落下が検出されず、駆動制限時間になったときには、リニアフィーダ8の駆動を強制的に停止する。
ステップs369において、タイムアップしていないときには、ステップs362に移る。
上述では、リニアフィーダ8の駆動制限時間Trを予め設定したけれども、本発明の実施形態では、リニアフィーダ8を駆動してから被計量物20が落下するまでの駆動時間を計測し、計測した駆動時間に基づいて、駆動制限時間Trを自動的に調整するようにしている。
この実施形態では、各リニアフィーダ8の駆動を開始してから、被計量物センサ7によって被計量物20の落下が検出されるまでの駆動時間をそれぞれ計測し、計測した駆動時間の平均値及び標準偏差をそれぞれ算出し、平均値に、標準偏差を所定倍した値を加算した値を、次回以降の駆動制限時間としている。
ここで、被計量物の落下の確率変数Xが、正規分布N(μ,σ2)に従うとすると、駆動時間の平均μからのずれが±1σ以下の範囲にXが含まれる確率は68.26%、駆動時間の平均μからのずれが±2σ以下の範囲にXが含まれる確率は95.44%、更に駆動時間の平均μからのずれが±3σ以下の範囲にXが含まれる確率は、99.74%となる。
したがって、駆動制限時間を、駆動時間の平均μ+標準偏差σとすると、68.26%の被計量物20は、その駆動制限時間内に落下し、駆動時間の平均μ+2倍の標準偏差2σとすると、95.44%の被計量物20は、その駆動制限時間内に落下し、駆動時間の平均μ+3倍の標準偏差3σとすると、99.74%の被計量物20は、その駆動制限時間内に落下することになる。
そこで、この実施形態では、計測した駆動時間の平均値μに、標準偏差σの所定倍、例えば、4倍を加算した値(μ+4σ)を、駆動制限時間にするようにしている。
図7は、この実施形態の動作を説明するためのフローチャートであり、上述の参考例の図6に対応するフローチャートである。
先ず、1〜nの複数のリニアフィーダ8を特定するための番号kを、初期値「1」に設定する(ステップs351)。
次に、リニアフィーダ8(k)の駆動フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs352)、オンしているときには、リニアフィーダ8(k)の駆動時間を計測するリニアフィーダ駆動時間計測タイマをセットして駆動時間の計測を開始すると共に(ステップs353)、リニアフィーダ8(k)の駆動制限時間を計測するリニアフィーダ駆動制限時間タイマをセットして駆動制限時間の計測を開始する(ステップs354)。
次に、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグをオンし(ステップs355)、リニアフィーダ8(k)の駆動を開始してステップs369に移る(ステップs356)。
ステップs369では、番号kを1つ増加し、番号kがn+1になったか否かを判断し(ステップs370)、n+1になっていないときには、ステップs352に戻って次のリニアフィーダ8について同様の処理を行ない、n+1になったときには、複数のリニアフィーダ8について処理が終了したとして終了する。
ステップs352において、リニアフィーダ8(k)の駆動フラグがオンしていないときには、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグがオンしているか否かを判断し(ステップs357)、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグがオンしているときには、リニアフィーダ8(k)が駆動されているので、被計量物センサ7が、被計量物20の落下を検出したか否か、すなわち、被計量物センサ7の検出出力が、オンの検出状態からオフの非検出状態に変化したか否かを判断する(ステップs358)。
ステップs358において、被計量物20の落下を検出していないときには、リニアフィーダ8(k)の駆動時間計測タイマの計測時間を増加し(ステップs359)、リニアフィーダ8(k)の駆動制限時間タイマを減算し(ステップs360)、この駆動制限時間タイマが駆動制限時間となったか否か、すなわち、タイムアップしたか否かを判断し(ステップs361)、タイムアップしたときには、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグをオフし(ステップs367)、リニアフィーダ8(k)の駆動を停止してステップs369に移る。また、ステップs361において、タイムアップしていないときには、ステップs369に移る。
ステップs358において、被計量物20の落下を検出したときには、リニアフィーダ8(k)の駆動時間計測タイマの計測時間を記憶し(ステップs362)、それまでの駆動時間計測タイマによる計測時間の記憶値の所定回分の移動平均値を算出すると共に、標準偏差を算出し、この移動平均値(μ)に4倍の標準偏差(4σ)を加算した時間を、リニアフィーダ8(k)の暫定の駆動制限時間とし(ステップs363)、この暫定の駆動制限時間が閾値、例えば、上述の実施形態の最大の駆動制限時間Tr以下であるか否かを判断し(ステップs364)、閾値以下でないときには、ステップs366に移り、閾値以下であるときには、暫定の駆動制限時間を、次回以降のリニアフィーダ8(k)の新たな駆動制限時間とし、ステップs366に移る(ステップs365)。
ステップs366では、リニアフィーダ8(k)の駆動時間計測タイマを初期化してステップs367に移り、リニアフィーダ8(k)の駆動中フラグをオフし、リニアフィーダ8(k)の駆動を停止してステップs369に移る(ステップs368)。
この実施形態によれば、駆動制限時間が、実測された駆動時間によって自動的に適切な駆動制限時間に調整されることになる。