JP5746259B2 - 反射コーティングを備えたミラー要素を有する投影対物系 - Google Patents
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Description
一層微細な構造を作成することを可能にするために、投影対物系の分解力を改善する様々な手法が追求されている。投影対物系の像側開口数(NA)を高めることによって分解力を改善することができることは公知である。別の手法は、より短い波長の電磁放射線を用いることである。
当業技術で公知のように、短波長紫外放射線(約193nmよりも短い)は、本質的なバルク吸収に起因して、多くの屈折レンズ材料には適合しない。光学系内の放射線吸収を低減するために、屈折光学要素の代わりに反射要素を用いることができる。多くの場合に、従来技術のDUVシステムは、屈折レンズ及び反射要素(ミラー)を含む反射屈折光学系を用いる。
別のEUVフォトリソグラフィシステムは、米国特許第5,153,898号に示されている。このシステムは、少なくとも1つが非球面反射面を有する最大で5つのミラーを有する。EUVにおける使用に適する多層反射コーティングのための材料の多くの組合せが説明されている。これらの層(膜)は、全て均一な厚みを有する。
均一な厚みを有する反射コーティングは、堆積させることが比較的単純であるが、利用されるミラーの反射コーティング区域上に入射する放射線の入射角Θが変動する光学系の場合には、これらの層の厚みが、特別に選択された入射角、又は狭い入射角度範囲に対してのみ最適化されるので、通常は高い反射損失を生じる。
US6,927,901は、投影対物系の光軸を定め、かつ反射コーティングを有するいくつかの結像ミラーを物体平面と像平面の間に有するEUV投影対物系を開示している。これらのミラーのうちの少なくとも1つは、投影対物系の光軸に対して離心して配置されたコーティング軸に関して回転対称である膜厚勾配を有する漸変反射コーティングを有する。少なくとも1つの離心漸変反射コーティングを設けることにより、非常に均一な視野照明を高い全体的な伝達度との組合せで可能にする投影対物系を設計することが可能になる。
US2003/0081722A1は、例えば、EUVリソグラフィのための光学系に用いられる多層ミラーから反射される放射線の波収差を補正する方法を開示している。波収差は、ミラーの多層膜の表面への1つ又はそれよりも多くの層の追加、及び/又はこの表面からの1つ又はそれよりも多くの層の除去によってそれぞれ補正される。
本発明の別の目的は、コントラストの僅かな又は低い向き依存性でパターンを結像させることができる高開口数で作動可能なEUV投影光学系を提供することである。
本発明の別の目的は、低レベルの像側テレセントリック性誤差を有する高開口数で作動可能なEUV投影光学系を提供することである。
アポディゼーション補正要素は、アポディゼーション補正要素を持たない同じ光学系と比較して出射瞳内の空間強度分布の対称性を高めるのに有効であるように設計することができる。
APO=(IMAX−IMIN)/(IMAX+IMlN)
このアポディゼーションパラメータは、出射瞳の外縁領域内での完全に回転対称な強度分布の場合はゼロに等しく、回転対称性からの偏位が大きくなる程大きくなることは明らかである。好ましい実施形態では、アポディゼーション補正要素は、アポディゼーション補正要素を持たない光学系に対して出射瞳の縁部領域の強度の正規化方位角変動を減少させるのに有効である。例えば、上記に定めたアポディゼーションパラメータAPOは、少なくとも1%又はそれよりも大きく、又は少なくとも5%又はそれよりも大きく減少させることができる。
一部の実施形態では、アポディゼーション補正要素は、アポディゼーション補正要素を持たない同じ光学系と比較して視野依存アポディゼーションを低減するのに有効であるように設計することができる。一般的に、瞳アポディゼーションが全ての視野点に対して基本的に同じである場合には(視野一定瞳アポディゼーション)、テレセントリック性誤差及び向き依存のコントラストのような対応する収差は、全ての視野点に対して基本的に同じになる。これらの場合には、これらの収差の補償は、光学系における修正によって行うことができる。例えば、テレセントリック性誤差が全ての視野点に対して基本的に同じである場合には、そのような誤差は、物体視野上に入射する照明放射線を傾斜させることによって補償することができる。一方、アポディゼーションが視野にわたって大きく変動する場合には、有意な量のCD変動が起こる場合があり、この変動は、補償することが困難であると考えられる。
アポディゼーション補正要素は、ミラー要素に加えて設けられたフィルタ要素とすることができ、フィルタ要素の利用区域にわたって空間的に変動する透過率分布を有する。フィルタ要素は、作動波長λにおいて有意な吸収を有する吸収性材料から成る少なくとも1つの層を含むことができる。この層は、透過率及び/又は反射率の空間変動が得られるように、利用区域にわたって変動する幾何学的厚みを有することができる。
一部の実施形態では、アポディゼーション補正要素は、異なる材料から成る多層スタックを含む反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素であり、これらの層は、ミラー基板から離れる方向に向く放射線入射側のキャップ層を含み、キャップ層は、反射面にわたって回転非対称勾配関数に従って変化する幾何学的層厚を有する。
例えば、キャップ層の幾何学的層厚は、コーティングの第1の方向に第1の勾配関数に従って、かつ第1の方向に対して垂直な第2の方向に第1の勾配関数とは異なる第2の勾配関数に従って変えることができる。
キャップ層の幾何学的厚みしか変更されない場合には、多層スタックにおける他の層の幾何学的厚みが空間的に変更されることになる場合に導入されると考えられる実質的にいかなる付加的な干渉効果も発生しない。すなわち、キャップ層の幾何学的厚みの変動に対処するための位相補正は、比較的単純なものとすることができる。
一部の実施形態では、キャップ層の材料は、波長λの放射線に対して、中間層の材料の各々の比吸光度よりも大きい吸収度を有する。キャップ層の材料の吸収度は、シリコンの吸収度及び/又はモリブデンの吸収度よりも大きいとすることができる。吸収度差は、例えば、10%又はそれよりも大きい(又は20%又はそれよりも大きく、30%又はそれよりも大きく、又は50%又はそれよりも大きい)とすることができる。
フィルタ層材料は、波長λに対してキャップ層の材料よりも大きい比吸光度を有することができる。この場合、フィルタ層の幾何学的厚みの小さい変更は、アポディゼーション補正要素の反射率の同じ変更度を得るのに十分なものとすることができる。
代替的に、フィルタ層材料は、波長λにおいてキャップ層の材料と基本的に同じ比吸光度を有することができる。フィルタ層は、キャップ層材料から作ることができ、それによって空間的に変動する幾何学的層厚を有するキャップ層を形成することが可能になる。
アポディゼーション補正要素は、物体面と像平面の間の放射線ビーム経路に沿って様々な位置に位置決めすることができる。
P(M)=D(SA)/(D(SA)+D(CR))
ここで、D(SA)は、物体面内の視野点から発する光線束のそれぞれの面M上での部分開口の直径であり、D(CR)は、光学系によって面M上に結像される有効物体視野の主光線の光学系の基準平面内で測定された最大距離であり、この式が成り立つ場合に、基準平面は、光学系の対称平面とすることができる。子午平面を有するシステムでは、基準平面は子午平面とすることができる。部分開口の直径は、視野面でゼロに近づくので、視野面内では、パラメータP(M)=0である。それとは対照的に、主光線の最大距離D(CR)は、瞳面内でゼロに近づく。すなわち、厳密に瞳面内にある位置では、条件P(M)=1が満たされる。一部の実施形態では、瞳面から光学的に遠隔の位置では、条件P(M)<0.99が成り立つ。
一般的に、アポディゼーション補正要素の適切な位置は、瞳アポディゼーションの視野依存性が有意であるか否か、又は瞳アポディゼーションのある一定の視野依存度を満足できるか否かに依存して選択することができる。
以上の及び他の性質は、特許請求の範囲だけではなく、本明細書及び図面においても見ることができ、個々の特性は、本発明及び他の分野の実施形態として単独又は部分結合のいずれかで用いることができ、有利かつ特許性を有する実施形態を個々に表すことができる。
図1を参照すると、一般的に、マイクロリソグラフィツール100は、光源110,照明系120,投影対物系101,及び台130を含む。参照のために直交座標系を示している。光源110は、波長λの放射線を生成し、この放射線のビーム112を照明系120へと誘導する。照明系120は、放射線と相互影響し(例えば、拡大及び均一化)、放射線のビーム122を物体平面103に位置決めされたレチクル140へと誘導する。投影対物系101は、レチクル140から反射された放射線142を像平面102に位置決めされた基板150の面上に結像する。投影対物系101の像側の放射線を光線152として示している。図1に示しているように、光線は単に例示的であり、例えば、レチクル140に対する放射線の経路を正確に示すことを意図していない。基板150は、台130によって支持され、台130は、投影対物系101が、基板150の異なる部分にレチクル140を結像させるように、投影対物系101に対して基板150を移動する。
光源110は、ツール100の望ましい作動波長λの放射線を供給するように選択される。一般的に、リソグラフィツールにおける作動に向けて設計された投影対物系では、波長λは、電磁スペクトルの紫外部分、深紫外部分、又は極紫外部分内にある。例えば、λは、約200nm又はそれ未満とすることができ、約2nmよりも長いとすることができる。この実施形態では、光源110は、作動波長約λ=13.5nmで放射線を供給するEUV光源である。
像平面103は、物体平面102から、投影対物系101の縦方向寸法又はトラック長とも呼ぶ距離Lだけ分離される。一般的に、この距離は、投影対物系101の特定の設計、及びツール100の作動波長に依存する。一部の実施形態では、EUVリソグラフィに向けて設計されたツール等では、Lは、約1mから約3mの範囲にある。
一般的に、EUV用途における実施形態は、少なくとも3つ、又は少なくとも4つのミラーを有する。一部の場合には、厳密に6つのミラーが好ましいとすることができる。一般的に、6つを上回らない、7つを上回らない、8つを上回らないミラーが用いられる。対物系の全てのミラーが物体平面と像平面の間に位置決めされるのが望ましい実施形態では、一般的に、対物系101は、偶数個のミラーを有することになる。ある一定の実施形態では、投影対物系の全てのミラーは、物体平面と像平面の間に位置決めされる場合に奇数個のミラーを用いることができる。例えば、1つ又はそれよりも多くのミラーが比較的大きい角度で傾斜される場合には、投影対物系の全てのミラーは、物体平面と像平面の間に位置決めされる場合に、投影対物系は奇数個のミラーを含むことができる。
最良適合面は、最初にミラー面の表面積を計算し、次に、球面又は非球面表面であるこの面に対する最良適合を最小二乗当て嵌めアルゴリズムを用いて判断することによって計算される。最良適合球面又は非球面表面は、基準軸に対して傾斜又は偏心することができ、偏心及び傾斜は、付加的な当て嵌めパラメータとして用いられる。自由形状曲面は、例えば、最良適合球面から約λ又はそれよりも大きい最大偏位を有することができる。自由形状曲面のより一般的な説明及び自由形状曲面を特徴付ける特徴は、US2007/0058269A1として公開された本出願人の米国特許出願から引用することができ、本出願は、引用によって本明細書に組み込まれている。
自由形状ミラー方程式に対するパラメータは、市販の光学設計ソフトウエアを用いて判断することができる。一部の実施形態では、m+nは、10よりも小さい(例えば、9又はそれ未満、8又はそれ未満、7又はそれ未満、6又はそれ未満、5又はそれ未満、4又はそれ未満、3又はそれ未満)。
投影対物系300は、13.5nmの放射線での作動に向けて構成され、0.35という像側NA、及び1,490mmのトラック長Lを有する。結像される放射線の光路長は4,758mmである。すなわち、トラック長に対する光路長の比は、ほぼ3.19である。投影対物系は、4×の縮小率、2nmよりも小さい最大歪曲、0.030λの波面誤差WRMS、及び30nmの視野曲率を有する。投影対物系300の更に別の特性を以下に続く投影対物系101の解説において提供する。
投影対物系300におけるミラーでは、最良適合球面からの自由形状曲面の最大偏位は、各ミラーにおいて1マイクロメートルよりも有意に大きい。
P(M):=D(SA)/(D(SA)+D(CR))
特に、光学面が厳密に視野面に位置決めされる場合には、D(SA)=0であり、すなわち、P(M)=0である。その一方、光学面Mが厳密に瞳面内にある場合には、D(CR)=0であり、すなわち、P(M)=1である。
1つの特徴付けは、投影対物系100の子午断面内を延びる光線のミラー上への最大入射角θmaxである。別の特徴付けは、投影対物系100の子午断面内を延びる光線のミラー上への最小入射角θminである。
投影対物系100内の各ミラーは、θmaxとθminの間の差に対応する投影対物系の子午断面内の光線の入射角の最大差Δθによって特徴付けることができる。
投影対物系100内の各ミラーは、投影対物系の中心視野点に対応する主光線のそれぞれのミラー上への入射角によって特徴付けることができる。この入射角を主光線入射角θCRで表すことにする。
表3Cは、投影対物系300の全てのミラーに対して上述の値を要約している。
結像の観点からは、瞳面における対称な強度分布が望ましい。例えば、出射瞳内の強度分布が基本的に回転対称である場合には、構造の向きに依存するコントラスト差(H−V差)を回避することができる。
APO=(IMAX−IMIN)/(IMAX+IMlN)
図7に示している縁部視野点FP2に対応する空間強度分布は、最も左の縁部(x方向に)における最小値IMIN=0.47,及び出射瞳の右下の縁部における最大値IMAX=0.90、すなわち、APO=0.314によって表すことができる(図7及び他の対応する図における等高線は、強度分布を準定量的に示し、それに対して上記に提供した解析は、この光学系に対して計算された実際の値に対して行ったものであることに注意されたい)。下記では、適切なアポディゼーション補正要素を設けることにより、特に出射瞳の外縁において回転対称性の改善を得ることができることを明らかにする。
1つ又はそれよりも多くのミラーは、均一な層厚を有する反射コーティングを有することができる。ミラーのうちの少なくとも1つは、ミラー面の少なくとも1つの方向に反射コーティングの非ゼロ層厚勾配によって特徴付けられる漸変コーティングを有することができる。
変調因子fac(x、y)は、ミラーの局所座標系において定められる。局所座標系の原点は、光学系の基準軸と対応してもしなくてもよく、すなわち、この基準軸を中心とするか又はそこから偏心させることができる。基準軸は、光学系の光軸と対応するとすることができる。一方、いかなる光軸も持たない系を利用することができる。
図11Aは、基板SUB上の漸変反射コーティングCOATの概略図を示しており、多層スタックの個々の層の幾何学的層厚は、放物関数に従ってz’軸の回りに回転対称で変動する。そのような放物コーティングは、例えば、ミラーM3及びミラーM4に付加することができる。
例えば、全体透過率を改善するという観点から有利とすることができるミラーM5上に形成されるような傾斜漸変コーティングは、光学系の回転対称性を破壊する傾向を有し、すなわち、視野依存アポディゼーションを生成することに実質的に寄与する場合があることが見出されている。
(段階1)像視野にわたって分配された複数の視野点に対して、光学系の出射瞳における空間強度分布によって表される瞳アポディゼーションを計算する。
(段階2)像視野の縁部に近く又は縁部におけるいくつかの視野点、及び像視野の中心に近く又は中心におけるいくつかの視野点を含むいくつかの視野点に対してミラー要素の各々の上の部分開口を計算する。
(段階3)視野の縁部に近く又は縁部における問題を有する視野点の部分開口が、瞳の強度が低減される面が他の視野点の部分開口と重ね合わないように互いに相対的に位置決めされたミラーを複数のミラーから選択する。「自由にアクセス可能な」部分開口が存在する場合には、これらの部分開口の区域内でミラー要素の相対反射率を修正することによって出射瞳内の強度分布を修正することができる。
(段階4)空間強度分布の対称性が出射瞳内で高まるように、重要な視野部分開口の領域内でミラー面の反射率を修正する。
以上の分析により、ミラーがアポディゼーション補正要素を形成するか又は含むように修正するのに、ミラー320(ミラーM2)を用いることができることが明らかになった。表3Cから分るように、ミラー320におけるP(M)=0.989は、ミラーが、瞳面に近いが、十分な光学的距離のところにあることを示している。
アポディゼーション補正要素として修正されるミラー要素は、重要な縁部視野点(瞳アポディゼーションの有意な非対称性を示す)及びこれらの点に隣接する比較的重要でない隣接点(対称平面により近い)が、ミラーの外縁における自由に影響を及ぼすことができる領域(すなわち、対応する部分開口の重ね合わせが僅かしかないか又はいずれの重ね合わせもない領域)に対応するように選択することができる。
図12から図14に関連して説明した効果から、投影対物系の出射瞳内の強度分布に影響を及ぼすように、選択されたミラー(瞳面に近く過ぎない)の反射率が修正された場合には、像視野内の位置に伴う瞳アポディゼーションの変動をターゲット方式で実質的に変更することができることが分る。
図15は、第2のミラーM2のそれぞれのフットプリントF2に対応する照明区域上で選択された2つの部分開口SA−FP1及びSA−FP2の位置を略示している。ミラー上の部分開口は、特定の視野点から発する光円錐によって照明されるミラー上の区域である。光学面が厳密に視野面に配置された場合には、全ての対応する部分開口は点状であり、空間的に分離された視野点の全ての部分開口は互いに空間的に分離される。一方、光学面が瞳面に位置決めされた場合には、一般的に、円形とすることができる対応する部分開口は、完全に重ね合わせることができる。ミラーが、瞳面からある一定の距離のところに位置決めされた場合には、視野面内で互いに分離された異なる視野点の部分開口は、完全には重ね合わない。図15に図示の実施形態では、中心視野点に対応する第1の部分開口SA−FP1は、基本的にミラーを中心として位置し、それに対して視野のx方向の縁部(図7と比較されたい)における縁部視野点に対応する第2の部分開口SA−FP2は、第1の部分開口に対して横方向のx方向にオフセットされる。第1の部分開口SA−FP1(実線)が、フットプリントF2のx方向の外縁にある縁部領域ER内に延びないのに対して、第2の部分開口SA−FP2(太破線)は、縁部領域ER内に延びている。
原点Oにおけるキャップ層CLの層厚の絶対値は、この実施形態では、d0’=d0*1.025によって表すことができ、ここで、d0=6.99nmは、上述の実施形態において多層スタックMLSの層の実際の物理的厚みを計算するために用いた公称厚である。キャップ層CLによって覆われた多層スタックMLSの厚み値は、図3で説明した基準例におけるものと同じである。
特に顕著なのは、瞳アポディゼーションが、アポディゼーション補正要素を持たない同じ投影対物系に対して、回転対称性に関して大きく改善されていることである。
更に、瞳内の強度分布のエネルギ重心は、瞳の中心に近接するようにシフトされ、それによって像側テレセントリック性が改善される。
全ての特許請求の内容は、引用によって本明細書に組み込まれている。
103 物体平面
105 基準軸
310,320,330,340,350,360 自由形状ミラー
Claims (28)
- 物体面内の物体視野から像面内の像視野へと波長λの放射線を結像させるように配列された複数の要素、
を含み、
前記要素は、放射線の経路に位置決めされた反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素を含み、
前記ミラー要素の少なくとも1つは、1つ又はそれよりも多くの位置で最良適合回転対称反射面から約前記波長λ又はそれよりも大きく偏位する回転非対称反射面を有し、
前記要素は、異なる材料の多層スタックを含む非回転対称漸変コーティングとして設計された反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素を含み、該層の少なくとも1つは、該コーティングの第1の方向に第1の勾配関数に従って、かつ該第1の方向に対して垂直な第2の方向に該第1の勾配関数とは異なる第2の勾配関数に従って変化する幾何学的層厚を有する、
ことを特徴とする光学系。 - 前記多層スタックは、ミラー基板から離れる方向に向く放射線入射側にキャップ層を含み、
前記キャップ層は、前記コーティングの第1の方向に第1の勾配関数に従って、かつ該第1の方向に対して垂直な第2の方向に該第1の勾配関数とは異なる第2の勾配関数に従って変化する幾何学的層厚を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学系。 - 前記幾何学的層厚は、原点からミラーの縁部に向けて前記第1の方向に第1の増大量で増大し、該原点と縁部領域の間の第2の方向に第2の増大量で増大し、前記第2の増大量が前記第1の増大量よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の光学系。
- 前記キャップ層の前記層厚は、少なくとも中心視野点に対応する第1の部分開口に対応する領域の外縁に対応する動径座標までは原点の回りの中心ゾーンにおいて基本的に均一であり、該キャップ層の該層厚は、該中心領域の外側で前記第1の方向に僅かに増大し、前記第2の方向により大きく増大することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光学系。
- 前記中心ゾーンは、それぞれの方向に前記原点までの最大半径方向距離の50%よりも大きく延びることを特徴とする請求項4に記載の光学系。
- 前記キャップ層は、ルテニウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、炭化モリブデン、炭素、窒化チタン、二酸化チタン、及び、ルテニウム、酸化アルミニウム、窒化チタン、又は二酸化チタンと更に別の物質との混合物、合金、又は化合物から成る群から選択された材料から作られることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記反射コーティングは、前記キャップ層とミラー基板の間に配列された複数の中間層を含み、
前記複数の中間層の各々は、均一な層厚を有する、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の光学系。 - 前記キャップ層の前記材料は、該キャップ層とミラー基板の間に配置された中間層の材料の各々の比吸光度よりも大きい波長λの前記放射線に対する比吸光度を有することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記キャップ層の前記材料は、シリコン及びモリブデンの少なくとも一方の比吸光度よりも大きい波長λの前記放射線に対する比吸光度を有することを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記キャップ層の前記材料は、約13nmと14nmの間の波長範囲において0.013よりも大きい減衰係数kによって特徴付けられる比吸光度を有することを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記減衰係数は、13.4nmから13.6nmの波長帯域通過の領域において0.015又はそれよりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の光学系。
- 前記多層スタックは、その放射線入射側の前記キャップ層上に配置された少なくとも1つのフィルタ層を含み、
前記フィルタ層は、波長λの放射線を吸収しかつ空間的に変化する幾何学的厚みを有するフィルタ層材料から作られる、
ことを特徴とする請求項2から請求項11のいずれか1項に記載の光学系。 - 前記フィルタ層は、前記キャップ層の前記材料よりも大きい波長λでの比吸光度を有する材料から作られることを特徴とする請求項12に記載の光学系。
- 前記フィルタ層は、前記キャップ層の前記材料よりも小さい波長λでの比吸光度を有する材料から作られることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の光学系。
- 前記フィルタ層は、ルテニウム、酸化アルミニウム、炭化珪素、炭化モリブデン、炭素、窒化チタン、二酸化チタン、及びルテニウム、酸化アルミニウム、窒化チタン、又は二酸化チタンの混合物、合金、又は化合物、並びに更に別の物質から成る群から選択された材料から作られることを特徴とする請求項12、請求項13、又は請求項14に記載の光学系。
- 前記多層スタックの層は、二重層のスタックを形成し、
二重層が、第1の屈折率を有する第1の材料の比較的厚い層と、該第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する第2の材料の比較的薄い第2の層とを含み、
少なくとも1つの二重層の第1の層及び前記第2の層の幾何学的厚みの間の厚み比が、前記コーティングの第1の方向に第1の勾配関数に従って、かつ該第1の方向に垂直な第2の方向に該第1の勾配関数とは異なる第2の勾配関数に従って変化する、
ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の光学系。 - 前記非回転対称漸変コーティングとして設計された反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素は、条件P(M)<1が満たされる位置に光学系の瞳面から光学的に遠隔に位置決めされ、ここで、
P(M)=D(SA)/(D(SA)+D(CR))
であり、D(SA)は、それぞれの面M上への前記物体面内の視野点から発する光線束の部分開口の直径であり、D(CR)は、該面M上の光学系の基準平面で測定される光学系によって結像される有効物体視野の主光線の最大距離であることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の光学系。 - 前記基準平面は、光学系の対称平面であることを特徴とする請求項17に記載の光学系。
- 条件P(M)<0.99が、前記非回転対称漸変コーティングとして設計された反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素の位置に関して成り立つことを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の光学系。
- 前記非回転対称漸変コーティングとして設計された反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素は、条件0.99>P(M)>0.95が満たされる位置で光学的に光学系の瞳面と視野面の間の中間領域に位置決めされることを特徴とする請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記非回転対称漸変コーティングとして設計された反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素は、条件0<P(M)≦0.93が満たされる視野面に光学的に近いところに位置決めされることを特徴とする請求項17から請求項20のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記非回転対称漸変コーティングとして設計された反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素は、条件0.98<P(M)≦1が満たされる光学系の瞳面に又はそれに光学的に近いところに位置決めされることを特徴とする請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の光学系。
- ミラーの少なくとも1つには、異なる材料の層の多層スタックを含む1次元漸変コーティングとして設計された非回転対称コーティングが設けられ、該層は、該コーティングの前記第1の方向に第1の勾配関数に従って変化しかつ該第1の方向に垂直な前記第2の方向に実質的に一定である幾何学的層厚を有することを特徴とする請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記ミラーは、平均入射角が実質的に線形の関数に従って前記第1の方向に大きく変化し、かつ該平均入射角がそれと垂直な前記第2の方向に実質的に一定であるように配列かつ成形されることを特徴とする請求項23に記載の光学系。
- 第1の及び少なくとも1つの更に別の補正を行うための第2の非回転対称漸変コーティングとして設計された反射コーティングによって形成された反射面を有するミラー要素を含むことを特徴とする請求項1から請求項24のいずれか1項に記載の光学系。
- マイクロリソグラフィに使用するための投影露光システムであって、
1次光源からの放射線を受光するように構成され、かつ投影対物系の物体面内のパターンを照明するための照明系と、
投影対物系と、
を有し、
前記投影対物系は、請求項1から請求項25のいずれか1項に記載の光学系を含む、
ことを特徴とする投影露光システム。 - 前記1次光源は、波長13nm<λ<14nmのEUV放射線を放出することを特徴とする請求項26に記載の投影露光システム。
- 半導体デバイス又は他の種類の微小デバイスを製作する方法であって、
規定のパターンを有するマスクを準備する段階と、
規定の波長λを有する放射線で前記マスクを照明する段階と、
請求項1から請求項27のいずれか1項に記載の光学系によって形成された投影対物系の像平面の近くに配列された感光基板上に前記パターンの像を投影する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
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