JP5739125B2 - 人工骨部材 - Google Patents

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本発明は、人工骨を用いた人工骨部材に関する。
近年、我が国では人口の高齢化が急速に進行している。高齢化に伴い生体機能が衰退するため、骨粗鬆症や関節機能の低下、歯の損傷といった骨や歯に関する障害が多くなってきている。こういった障害への対策の中で自家骨と呼ばれる患者自身の骨の移植や同種骨とよばれる他人の骨を移植することが全体の約70%を占めており、骨の欠損部分を補うための人工骨と呼ばれる人工的な素材が使用されるのは残りの約30%程度にとどまっている。特に自家骨を使用する場合は患者自身の負担が非常に大きいため、従来、より患者の負担を軽減できる優れた素材の開発が医療分野を中心として進められている。
生体内で人工的な素材が使用される場合、生体環境中での反応とその耐久性を無視することができない。そこで、人工骨の使用を増やしていくため、各種の素材について、自家骨との結合力の強化、生体活性機能の付与、生体活性機能と力学的特性との関係についての研究・開発の試みがなされている。
ところで、人工骨は従来、主にチタンやチタン合金といった生体適合性の良好な金属が用いられている。この種の金属からなる部材(金属部材)を生体内に埋め込んだときの自家骨との親和性を高めるため、従来、金属部材の表面に被膜を形成することに関する技術が用いられていた。例えば、特許文献1には、金属部材の表面にカルシウムを酸化物または水酸化物として存在させるなどして部材表面におけるハイドロキシアパタイトの析出速度を高めることが開示されている。また、特許文献2には、金属部材またはセラミック部材の表面にイオンビームダイナミックミキシング法によりリン酸カルシウム塩をコーティングすることが開示されている。さらに、特許文献3には、人工股関節の摺動部分表面にDLC(Diamond like Carbon)膜を形成することが開示されている。
特開平9−308681号公報 特開平6−285149号公報 特開2009−106485号公報
前述した従来技術によって、金属部材またはセラミック部材を用いた人工骨部材の親和性を高めることが可能になる。
しかし、いずれの技術も、金属部材またはセラミック部材の表面に何らかの被膜を形成しているため、その被膜が剥離して人工骨部材と自家骨との接合強度が低下するおそれを皆無にすることができなかった。特に特許文献2記載の技術のように、コーティング層と人工骨部材との間に中間層を形成しているときは被膜が複数重なった構造になる。そうすると、どれかの1つの被膜が剥離しただけで人工骨部材が自家骨から剥離するため、人工骨部材は自家骨との接合強度が低下しやすかった。つまり、従来技術には、重なっている被膜の数が多くなるほど自家骨との接合強度が低下する可能性があるという課題がある。
また、人工骨部材が金属部材を用いて形成されているときは、いくら被膜を形成しようが金属部材が生体内に埋め込まれる事態に変わりはない。そうすると、金属部材によって生体内で何らかの拒絶反応が出るおそれを排除しきれないという課題もある。
その上、従来技術では、接合強度を高めるためには基材表面への被膜形成などを必要としているため、人工骨部材のうち被膜を形成できる部分だけしか自家骨との接合強度を高められなかった。そのため、自家骨との接合強度を高めたい部分が例えば小さい部分である等、被膜の形成が不能ないし困難な部分であるときはその部分の接合強度を高めることが困難である。
つまり、自家骨との接合強度を高めたい人工骨部材の一部分について、従来技術では、接合面積の制約等で接合強度を高められないことがあり、したがって、従来技術は適用できる範囲が限定的で汎用性に乏しいといった課題もある。
そこで、本発明は上記課題を解決するために、自家骨との接合強度を高くして自家骨との強固な接合を発現維持させて、しかも汎用性の高い人工骨部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、生体活性セラミックスからなる基材の表面の少なくとも一部にイオン注入による表面改質によってイオン注入が行われていない基材よりも自家骨との接合強度を高めた接合部が形成され、接合部の一部にイオン注入による表面改質によってイオン注入が行われていない基材よりも自家骨の形成開始タイミングが遅延する開始遅延部が形成され、開始遅延部は、イオン注入によって注入されたイオンの濃度が1×10 12 /cm 以上1×10 14 /cm 以下の範囲に設定されている人工骨部材を特徴とする。
本発明に係る人工骨部材はイオン注入による表面改質によって形成された接合部を有し、被膜が存在しないので、被膜の剥離のおそれはなく、イオン注入が行われていない基材よりも接合部において自家骨と強固に接合される。また、接合部の一部に開始遅延部が形成されているから、その部分における自家骨の形成開始タイミングをイオン注入が行われていない基材よりも遅延させることができる。
また、上記人工骨部材において、イオン注入によって、リンイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンのいずれか少なくとも一つが注入されているようにすることができる。
これらのイオンを基材の表面に注入することによって、接合強度が所望のレベルになった接合部が形成される。
また、本発明は、生体活性セラミックスからなる基材の表面の少なくとも一部にリンイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンのいずれか少なくとも一つを用いたイオン注入による表面改質が行われている人工骨部材であって、イオン注入によって注入されるイオンの濃度が1×10 /cm 以上1×10 16 /cm 未満の範囲に設定されていることによって形成される基材よりも自家骨との接合強度を高めた接合部と、その接合部の一部であって、イオン注入によって注入されるイオンの濃度が1×10 12 /cm 以上1×10 14 /cm 以下の範囲に設定されていることによって形成されるイオン注入が行われていない基材よりも自家骨の形成開始タイミングが遅延する開始遅延部と、イオン注入によって注入されるイオンの濃度が1×10 16 /cm 以上の範囲に設定されていることによって形成される自家骨が形成されない非形成部と、が形成されていることによって自家骨との接合パターンを複数有する人工骨部材を提供する。
以上詳述したように、本発明によれば、自家骨との接合強度を高くして自家骨との強固な接合を発現維持させて、しかも汎用性の高い人工骨部材を提供することができる。
本発明の実施の形態の一例に係る人工骨部材を組み込んだ人骨の一部を模式的に示す斜視図である。 (a)は人工骨部材の自家骨との接合端面における図1のcで示した領域を拡大した断面図、(b)は人工骨部材の接合端面からみた一部省略した斜視図である。 (a)は接合強化部の表面を模式的に示した図、(b)は未注入領域の表面を模式的に示した図である。 SBF浸漬後の人工骨部材の表面を模式的に示す図である。 人工骨部材が組み込まれた中指の骨および基材を模式的に示す正面図である。 リンイオンを1×1012/cmで注入したときのSBF浸漬後の基材表面のSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬直後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。 同じく、リンイオンを1×1013/cmで注入したときのSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬直後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。 同じく、リンイオンを1×1014/cmで注入したときのSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬直後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。 リンイオンを1×1012/cmで注入したときのSBF浸漬後の基材表面の断面のSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(b)は4週間経過後、(c)は6週間経過後を示している。 同じくリンイオンを1×1013/cmで注入したときのSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬開始から4週間経過後、(b)は6週間経過後を示している。 同じくリンイオンを1×1014/cmで注入したときのSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬開始から4週間経過後、(b)は6週間経過後を示している。 リンイオンを1×1012/cmで注入したときの浸漬時間とアパタイト膜の厚さとの関係を示したグラフである。 同じくリンイオンを1×1013/cmで注入したときのグラフである。 同じくリンイオンを1×1014/cmで注入したときのグラフである。 基材表面のうちのリンイオンが注入された部分のサーマルエッチング後を示す図である。 同じく炭素イオンが注入された部分のサーマルエッチング後を示す図である。 同じくアルゴンイオンが注入された部分のサーマルエッチング後を示す図である。 基材表面のうちの未注入領域のサーマルエッチング後を示す図である。 リンイオンを1×1016/cmで注入したときの基材表面のSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬直後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。 同じくアルゴンイオンを1×1016/cmで注入したときの基材表面のSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬直後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。 同じく炭素イオンを1×1016/cmで注入したときの基材表面のSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬直後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。 イオン注入を行わない基材におけるSBF浸漬後の表面のSEM写真を示していて、(a)はSBF浸漬開始から1週間経過後、(b)は2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。 同じくイオン注入を行わない基材におけるSBF浸漬後の基材表面の断面のSEM写真を示し、(a)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(b)は4週間経過後、(c)は6週間経過後を示している。 同じく浸漬時間とアパタイト膜の厚さとの関係を示したグラフである。 未注入領域における表面のSEM写真である。 リンイオンを1×1012/cmで注入したときの表面のSEM写真である。 リンイオンを1×1014/cmで注入したときのSEM写真である。 リンイオンを1×1016/cmで注入したときのSEM写真である。 リンイオンの加速電圧を100keVに設定した場合の基材表面のSBF浸漬開始から3週間経過後のSEM写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
(人工骨部材の構成)
図1、図2を参照して本発明の実施の形態に係る人工骨部材の構成について説明する。図1は本発明の実施の形態の一例に係る人工骨部材を組み込んだ人骨の一部を模式的に示す斜視図である。図2(a)は図1に示した人工骨部材の自家骨との接合端面における図1のcで示した領域を拡大した断面図、(b)は人工骨部材の接合端面からみた一部省略した斜視図である。
図1の人骨は肘関節1を示している。肘関節1は上腕骨2と、尺骨3と、橈骨4とを有し、これらが靱帯5によって接続された構成を有している。図示した上腕骨2は、尺骨3側の一部の自家骨(患者自身の骨)を取り出し、代わりに人工骨部材10が組み込まれている。上腕骨2は人工骨部材10と自家骨11とによって構成されており、人工骨部材10の接合端面12に自家骨11が接合されている。そして、人工骨部材10の接合端面12以外の表面は他の骨との接触を要する等の理由から後述する過剰注入領域15となっている。
人工骨部材10は図2(a)に詳しく示すように基材13からなり、その表面の一部である接合端面12に接合部14が形成されている。基材13は代表的な生体活性セラミックスであるハイドロキシアパタイト(HAともいう)からなっている。基材13は上腕骨2における尺骨3側部分のもともとの形状(尺骨3側の取り出した部分の形状)に適合させた形状を有している。接合端面12は自家骨11と接合するための端面であって、接合部14が形成されている(図2(b)において接合端面12は網掛けして示している)。
ハイドロキシアパタイトは生物の歯や骨の主成分であって、人間の歯の表面におけるエナメル質において95%以上がハイドロキシアパタイトである。また、人骨はHAと繊維性タンパクのコラーゲンで構成されており、人骨の約65%がHAである。HAは現在、人工骨、人工歯、人工歯根、虫歯予防材のための新しい材料として実用化されている。
ハイドロキシアパタイトは前述のように歯や骨の主成分であって生体に対して有害な作用を及ぼさないとされ、所要の強度や耐食性、安全性を備え、自家骨と直接接合するようにして骨形成するといった特徴を有している。つまり、ハイドロキシアパタイトは生体が本来備えている再生能力を元に失われた骨組織そのものを元に戻すことができる材料である。そのため、ハイドロキシアパタイトは骨を補填するための人工骨部材を製造するのに非常に優れた材料である。
HAはアパタイト系に属している。アパタイトは以下のような化学組成で表される。
10(MO
ここで、Aは1,2,3価等の陽イオンであって、Ca,Ba,Mg,Sr,Pb,Cd,Zn,Ni,Fe,Al,Laなどである。またMはP,As,V,S,Siなど、XはF,OH,Cl,Oなどである。これらの元素が単独、または複数入り込んでいることがあり、その組み合わせによって種々のアパタイトが構成される。その中で、CaやPを含む水酸化物がHAである。HAの化学組成はCa10(PO(OH)で表される
接合部14は、後述するイオン注入が行われたことによって接合端面12に表面改質が起こり、その表面改質によってイオン注入が行われていない基材(この基材を未注入基材ともいう)よりも自家骨11との接合強度が高められている部分である。接合部14は、接合強度が高められたことによって自家骨11と強固に接合(密着)している。なお、表面改質とは、表面の物理的または化学的な性質を改変することを意味しており、本実施の形態では、セラミックの結晶粒子の構造を改変することを意味している。
そして、接合部14は図3(a)に示すようにHAの結晶粒子17aを多数有している。図3(a)は後述する実施例3の結果に基づき接合強化部の表面を模式的に示した図、図3(b)は同じく未注入領域の表面を模式的に示した図である。各結晶粒子17aは、幅w1および高さh1がともに約1.9μm〜2.5μm程度(平均粒径は約2μm程度)であって、後述する結晶粒子18aよりも粒子径が細かい。接合部14は、結晶粒子17aの平均粒径が結晶粒子18aの平均粒径の2/3程度の大きさに細かくなった微細構造を有している。
各結晶粒子17aの境目は境界部分17bとなっており、境界部分17bは結晶粒子17aよりも凹んだ溝状部分(溝部ともいう)になっている(図3(a)では、境界部分17bを太線で表示している)。接合部14は多数の結晶粒子17aを有していることにより、各境界部分17bの長さが後述する境界部分18bの長さよりも短く、逆に境界部分17bの本数は未注入領域よりも多くなっている。図3(a)では、境界部分17bは11本なのに対し、図3(b)に示すように境界部分18bは3本である。
そのため、接合部14は未注入領域よりも細かい凹凸が多数形成されていて、溝部区画率が未注入領域よりも高くなっている。ここで、溝部区画率とは、溝部以外の部分が溝部によって区画される単位面積あたりの回数を意味し、これが高い方が単位面積あたりの凹凸の繰り返しが多く、入り組んだ構造であることを意味している。
結晶粒子18aは、基材13の表面における未注入領域に形成されている。過剰注入領域15は、基材13の表面のうちの後述するイオン注入が過剰濃度で行われている領域であり、人工骨部材10の関節部分(尺骨3との接触をする部分)等に代表される、人工骨と自家骨とが接触しながらも人工骨の表面にアパタイト膜の成長をさせないための非形成部を形成するための領域である。なお、接合端面12も、イオン注入が行われる前は結晶粒子18aが形成されていたところ、イオン注入が行われたことによる表面改質によって粒径の大きさが小さく変化し、結晶粒子17aが形成されている。
結晶粒子18aは、図3(b)に示す幅w2および高さh2が約2.5μm〜3.6μm程度(平均粒径は約3μm程度)であるため、結晶粒子17aよりも粒子径が粗くなっている。また、各結晶粒子18aの境目となる境界部分18bは結晶粒子18aよりも凹んだ溝状の部分(溝部)である。
そして、本実施の形態において、イオン注入では、所定種類のイオン(本実施の形態では、リンイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンのいずれか少なくとも一つとしており、以下これらのイオンを接合強度を高めるための、という意味で「強化用イオン」という)を基材13の表面の一部または全部に所定条件で注入している。
また、詳しくは後述するが本実施の形態では、イオン注入の際、前述した強化用イオンについて、その濃度を1×10/cm以上1×1016/cm未満の範囲(この範囲の濃度を「強化用濃度」という)に設定している。そして強化用濃度の強化用イオンを所定電圧で加速して、基材13の表面に注入することにより、イオン注入が行われていない未注入領域の結晶構造が変化して接合部14が形成される。こうして形成される接合部14は接合強度が所望のレベルになっている。強化用イオンの加速電圧は10kev〜200kev程度とし、この範囲で加速電圧を変更しても、後述する実施例で用いた35kevの場合とほぼ同じ傾向が見られた。
そして、上記の条件でイオン注入を行うと、結晶粒子の平均粒径が約3μm程度から約2μm程度にまで変化する。すなわち、接合部14は、結晶粒子の平均粒径がイオン注入前の2/3程度になるまで小さく変化しており、こうして結晶粒子の平均粒径が2/3程度の大きさに細かくなった微細構造が形成される。接合部14が微細構造を有することにより、接合強度が十分なレベルになる。
しかし、注入するイオンの濃度を1×1016/cm以上にすると、注入するイオンの濃度が高すぎる。この場合、基材13の表面は微細構造を有しているものの、SBF(擬似体液)に浸漬し6週間経過しても、骨の成分であるアパタイトからなる膜(アパタイト膜)が接合部14に形成されない。アパタイト膜が成長する場合はまず、成長のための核となる部分ができ、その核となる部分が基礎となって成長が進行していくが、注入するイオンの濃度が1×1016/cm以上になると、成長に必要な核の形成が阻害されるものと考えられる。そのため、1×1016/cm以上の濃度はイオン注入が過剰に行われた過剰濃度ということができる。また、接合部14の少なくとも一部にあえて過剰濃度でのイオン注入を行うと、その部分にアパタイト膜が形成されなくなることから、過剰濃度でのイオン注入を行うことによって自家骨が形成されない非形成部を形成することができる。
以上のとおり、強固に接合されるアパタイト膜を形成するためには注入するイオンの濃度は1×1016/cm未満にすることが好ましい。
(人工骨部材の製造方法)
次に、人工骨部材の製造方法について説明すれば以下のとおりである。すなわち、人工骨部材10を製造するときは、まず、所望の形状にした基材13を用意する。そして、基材13の表面の中で自家骨11との接合を強化したい部分、すなわち、前述の場合であれば接合端面12に対してイオン注入を行い、イオン注入が行われた部分の表面改質によって接合部14を形成する。これによって、人工骨部材10を製造することができる。前述した人工骨部材10の場合、接合端面12以外の部分は尺骨3等との接触を要する等の理由から、アパタイト膜の形成は必要ないので、過剰濃度でのイオン注入を行った過剰注入領域15となっている。
前述したとおり、イオン注入を行う際、注入するイオンの濃度が1×1016/cm以上になるとSBF(擬似体液)に浸漬し6週間経過してもアパタイト膜が形成されなくなる。また、注入するイオンの濃度が1×10/cm未満では、注入されるイオンの濃度が少なすぎてイオン注入による表面改質が十分なレベルでは引き起こされない。したがって、接合端面12以外の部分に対して、注入するイオンの濃度を過剰濃度に設定してイオン注入を行ってもよい。こうすることにより、自家骨が形成されない非形成部16を形成することができる。
(人工骨部材10の作用効果の説明)
以上の構成を有する人工骨部材10はSBFに浸漬するか体内に埋め込んだまま所定期間が経過すると、その表面にアパタイト膜が形成される。このアパタイト膜が形成されることによって人工骨部材10が自家骨11と接合する。この場合、人工骨部材10の接合部14では、過剰注入領域15の表面とは異なり、アパタイト膜に図4に示すような繊維状の模様が多数形成されている。つまり、接合部14では、過剰注入領域15と比べてアパタイト膜の生成形態が変化している。
そして、接合部14はイオン注入による表面改質によって形成された微細構造を有しているため、未注入領域よりも凹凸の繰り返しの多い入り組んだ構造になっている。
また、接合部14はイオン注入により形成された表面の凹凸などからアパタイト膜の応力を効果的に分散できるようになり、また、未注入領域よりもアパタイト膜に対する良好なアンカー効果を発揮している。したがって、接合部14は自家骨11への接合(密着)強度が高く、自家骨11と強固に接合して一体化される。
その上、人工骨部材10では、このような接合部14がイオン注入による表面改質によって形成されているのであり、表面に何らかの被膜を重ねて形成されているのではない。接合部14はイオン注入が行われる前は人工骨部材10の表面の一部分を構成していたものであり、その部分へのイオン注入による表面改質によって形成したものである。したがって、人工骨部材10では、自家骨との接合を強化するための被膜が存在しないため、被膜の剥離等によって自家骨11との接合部分の接合強度が低下するおそれも皆無である。人工骨部材10は自家骨11との強固な接合を維持することができる。
さらに、人工骨部材10はHAの基材13からなっているのであって、チタン等の金属を用いているのではない。そのため、人工骨部材10は生体との親和性が極めて良好であり、生体内で何らかの拒絶反応が出るおそれも皆無である。
一方、従来技術では、自家骨との接合強度を高めるのに基材表面への被膜形成を必須としていたため、被膜を形成できる部分しか自家骨との接合強度を高めることができなかった。したがって、例えば図5に示すような第1関節21、第2関節22、第3関節23からなる中指の骨20では、次のような問題が生じ得る。
ここで、第3関節23の差替部分23aだけを自家骨の代わりに人工骨部材としたい場合を考える。従来技術では、差替部分23aに対応している形状のチタン等からなる基材103を用意し、その表面に被膜を形成して人工骨部材を製造する必要があった。しかし、差替部分23aは表面に細かな凹凸が形成されているので、基材103の表面にも差替部分23aに応じた凹凸が形成されており、したがって、被膜を確実に形成することが困難である。たとえ被膜が形成できたとしても凹部では基材103への被膜の接着性が不良になりやすく、被膜の剥離が起きやすい。そうすると、自家骨との接合強度を高めることが困難である。
一方、本実施の形態に係る人工骨部材は、HAからなる基材103を用意し、その表面に前述のイオン注入を行うことによって得られる。注入されるイオンは極めて微細であるから、細かな凹凸が形成されていようが前述のイオン注入は狙った部分に確実に行える。したがって、本実施の形態に係る人工骨部材を製造する方法を適用することによって、基材103の中で自家骨との接合強度を高めたい部分について、確実に接合強度を高めることができる。このように、本実施の形態に係る人工骨部材を製造する方法は、基材がどのような形状であっても適用可能であるため、適用範囲が広く汎用性が高いものとなっている。
また、イオン注入を行う際、注入するイオンの濃度を強化用濃度に設定したときはイオン注入が行われた部分が強固な接合部となるも、過剰濃度に設定したときは非形成部になる。そのため、本実施の形態に係る人工骨部材を製造する方法では、注入するイオンの濃度を変更するだけで同じ基材の表面を強固な接合部にしたり、非形成部にしたりすることができ、接合部の形成場所を任意に変更することもできる。したがって、本実施の形態に係る人工骨部材の製造方法では、自家骨との接合を強化したい場所、そうでない場所の指定や変更を簡便に行え、接合を強化する場所を任意にコントロールすることができる。そのため、本実施の形態に係る人工骨部材を製造する方法は、汎用性の高いものとなっている。
続いて、HAからなる基材の表面にイオン注入を行い、実際に人工骨部材を製造する実験を行ったので、その内容について説明する。
HAからなる基材は生体内に埋め込むと、その表面にアパタイト膜が形成される。イオン注入の条件を変えながらいくつかの人工骨部材を製造し、イオン注入の条件によって基材に対するアパタイト膜の接合強度がどのように変化するかを調べた。
本実施例では、イオン注入を行った後の人工骨部材をSBF中に一定期間を浸漬し、その表面に形成されたアパタイト膜の接合強度やアパタイト膜の生成場所、アパタイト膜の生成速度、生成開始時期を調べた。SBFは、生体活性セラミックスの生体内での表面構造変化を体外で正確に再現し得ることが確かめられており、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの無機イオンが人体の血しょうに近い濃度で含まれている。本実施例では、SBFは一般に使用されているものを用いた。
イオン注入では、強化用イオンのうちリンイオン、アルゴンイオンを次の要領で注入し、その他、生体に対して安全な炭素イオンを次の要領で注入した。なお、各イオンの加速電圧は35keVに設定している。
(実施例1)
実施例1では、1×1012/cm、1×1013/cm、1×1014/cmの3種類の濃度それぞれでリンイオンを注入した。このときの結果は図6〜14に示すとおりである。図6〜8は、リンイオンをそれぞれ1×1012/cm、1×1013/cm、1×1014/cmの各濃度で注入したときのSBF浸漬前後の基材表面のSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)写真を示している。各図において、(a)はSBF浸漬後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。
図9〜11は、リンイオンをそれぞれ1×1012/cm、1×1013/cm、1×1014/cmの各濃度で注入したときのSBF浸漬後の基材表面の断面のSEM写真を示している。図9において(a)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(b)は4週間経過後、(c)は6週間経過後を示している。また、図10、11において(a)はSBF浸漬開始から4週間経過後、(b)は6週間経過後を示している。さらに、図12〜14は、それぞれ1×1012/cm、1×1013/cm、1×1014/cmの各濃度でリンイオンを注入したときのSBFに浸漬している時間(浸漬時間)とアパタイト膜の厚さとの関係を示したグラフである。
図6〜図8に示すように、SBF浸漬後一定期間を経過すると、基材のイオン注入が行われた部分の表面に繊維状の模様を備えたアパタイト膜が現れることを確認することができる。また、図9〜図11に示すように、形成されたアパタイト膜は基材の表面から剥離することなく基材の表面に確実に接合していることも確認することができる。したがって、本実施の形態に係る人工骨部材はイオン注入が行われたことで自家骨との接合強度が向上し、強固な接合を維持していると考えられる。
そして、図12に示すように、リンイオンを1×1012/cmで注入したときはアパタイト膜の形成がSBFへの浸漬開始後しばらくしてから始まり、以後、浸漬期間にほぼ比例してアパタイト膜の形成が進行している点が確認できる。
ところが、図13,14に示すように、リンイオンを1×1013/cmまたは1×1014/cmの濃度で注入したときはアパタイト膜の形成がSBFの浸漬開始から2週間経過後から進行している点が確認できる。
図12〜14からみて、注入するリンイオンの濃度を1×1012/cmから1×1014/cmに設定してイオン注入を行うことによって、図22に示す未注入基材よりも、アパタイト膜の形成が始まるタイミング(形成開始タイミング)を遅延させることができる、という点が明らかになる。このことから、注入イオンの濃度を変更することでアパタイト膜の形成が始まるタイミングを変更でき、アパタイト膜の形成開始タイミングを注入イオンの濃度によって変更することができることとなる。したがって、人工骨部材について、自家骨との接合をあえて遅延させたいというときは、注入するイオンの濃度を1×1012/cm〜1×1014/cmの範囲にまで高く設定すればよい。こうすることにより、接合部14の少なくとも一部に、未注入基材よりも自家骨の形成開始タイミングが遅延する開始遅延部を形成することができる。
本実施例により、人工骨部材の自家骨との接合パターンが複数あり、それだけ本発明に係る人工骨部材を製造する方法は汎用性が高い、という点が明らかになる。
一方、リンイオンのイオン注入を行ったときの基材表面の構造を調べるため、できあがった人工骨部材についてサーマルエッチングを行い、それから表面をSEMで観察したところ、図15のようになった。図15は基材表面のうちのイオン注入が行われた部分のサーマルエッチング後を示す図である。比較のため、炭素イオンを注入した後の基材表面と、アルゴンイオンを注入した後の基材表面と、イオン注入を行っていない部分の基材表面とを同様にして調べたところ、図16、図17、図18のようになった。図15から図17と、図18とを比較して明らかなとおり、リンイオンなどのイオン注入が行われたことにより、表面に細かな凹凸が形成されていることが確認できる。この点は図3を参照しながら前述したとおりである。
(実施例2)
実施例2では、リンイオン、アルゴンイオン、炭素イオンをそれぞれ1×1016/cmで注入したときの基材表面の状態を調べた。その結果は図19〜21に示すとおりである。各図において、(a)はSBF浸漬直後、(b)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。これらの図から、リンイオン、アルゴンイオン、炭素イオンのいずれについても、1×1016/cmで注入したときは繊維状の模様を備えたアパタイト膜が現れず、接合開始が遅延していると考えられる。
(比較例)
そして、イオン注入を行わない基材(未注入基材)について、SBF浸漬後の表面を実施例1とほぼ同様の手順で調べたところ、図22〜24のようになった。図22は、SBF浸漬後の表面のSEM写真を示していて、(a)はSBF浸漬開始から1週間経過後、(b)は2週間経過後、(c)は4週間経過後、(d)は6週間経過後を示している。また、図23はSBF浸漬後の基材表面の断面のSEM写真を示していて、(a)はSBF浸漬開始から2週間経過後、(b)は4週間経過後、(c)は6週間経過後を示している。図24は浸漬時間とアパタイト膜の厚さとの関係を示したグラフである。
図22から、未注入基材では、SBF浸漬開始から1週間経過した時点で、結晶が成長するための核が現れる点が確認できる。また、図23から明らかなとおり、未注入基材では、アパタイト膜と基材表面との間に空隙が見られ、アパタイト膜が剥離していて接合強度が高くなっていない点が確認できる。したがって、未注入基材では、自家骨との接合強度が十分なレベルになっていない点が明らかである。
(実施例3)
さらに、本実施例では、注入したイオンの濃度によってHAの結晶粒子の粒径がどのように変化するかを調べた。その結果は、図25〜28に示すとおりである。図25は、未注入領域における表面のSEM写真を示している。図26〜28は、それぞれリンイオンを1×1012/cm、1×1014/cm、1×1016/cmの各濃度で注入したときの表面のSEM写真を示している。これらの図に示すように、1×1012/cm〜1×1016/cmの濃度でイオン注入を行うことによって、HAの結晶粒子の粒径が小さく変化している点が明らかである。
(実施例4)
前述したとおり、イオン注入により改質された接合部14は基材13の表面に形成されている。接合部14が基材13の表面にある程度の深さで形成されても、膜生成効果が発現するかを調べるため次のような実験を行った。
前述までの各実施例では、イオンの加速電圧を35keVに設定しているが、本実施例では、60keVと、100keVの2通りに設定した。また、強化用イオンとしてリンイオンを用い、これを1×1013/cmの濃度で注入した。図29は、イオンの加速電圧を100keVに設定した場合の基材表面のSBF浸漬開始から3週間経過後のSEM写真を示している。
注入されたリンイオンは基材13の表面からある程度の深さの部分にまで分布している。その中でのリンイオンの濃度は一様ではなく、表面からの深さによって変化している。
ここで、注入されたイオンが分布している部分のうち、注入されたイオンの濃度が他の部分よりも相対的に高い部分を高濃度注入イオン層とする。すると、高濃度注入イオン層は、加速電圧を60keVにして、1×1013/cmの濃度でリンイオンを注入した場合は基材13の表面から60nm〜80nmの範囲に存在し、加速電圧を100keVにした場合は100nm〜120nmの範囲に存在することをシミュレーションにより確認した。
注入されたリンイオンは高濃度注入イオン層から離れるにしたがい濃度が漸次低下するようにして分布しているため、高濃度注入イオン層の外側近傍にもリンイオンが分布している。そのため、基材13の表面から少なくとも高濃度注入イオン層が存在している部分までの間には接合部14が形成されていると考えられる。したがって、以上の結果から、加速電圧を60keVにした場合、基材13の表面から少なくとも80nmまでの範囲には接合部14が形成されており、また、加速電圧を100keVにした場合、基材13の表面から少なくとも120nmまでの範囲には接合部14が形成されており、そのいずれの場合でも十分に膜生成効果があることが確認できた。
以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。又、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。
本発明を適用することによって、自家骨との接合強度の高い人工骨部材が得られ、しかも汎用性が高い製造方法が得られる。
1…肘関節、2…上腕骨、3…尺骨、4…橈骨、5…靱帯、10…人工骨部材、11…自家骨、12…接合端面、13…基材、14…接合部、15…過剰注入領域、16…非形成部、17a,18a…結晶粒子、17b,18b…境界部分。

Claims (3)

  1. 生体活性セラミックスからなる基材の表面の少なくとも一部にイオン注入による表面改質によって前記イオン注入が行われていない前記基材よりも自家骨との接合強度を高めた接合部が形成され、
    前記接合部の一部に前記イオン注入による表面改質によって前記イオン注入が行われていない前記基材よりも前記自家骨の形成開始タイミングが遅延する開始遅延部が形成され、
    前記開始遅延部は、前記イオン注入によって注入されたイオンの濃度が1×1012/cm以上1×1014/cm以下の範囲に設定されていることを特徴とする人工骨部材。
  2. 前記イオン注入によって、リンイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンのいずれか少なくとも一つが注入されていることを特徴とする請求項1記載の人工骨部材。
  3. 生体活性セラミックスからなる基材の表面の少なくとも一部にリンイオン、アルゴンイオンおよび炭素イオンのいずれか少なくとも一つを用いたイオン注入による表面改質が行われている人工骨部材であって、
    前記イオン注入によって注入されるイオンの濃度が1×10 /cm 以上1×10 16 /cm 未満の範囲に設定されていることによって形成される前記基材よりも自家骨との接合強度を高めた接合部と、
    該接合部の一部であって、前記イオン注入によって注入されるイオンの濃度が1×10 12 /cm 以上1×10 14 /cm 以下の範囲に設定されていることによって形成される前記イオン注入が行われていない前記基材よりも前記自家骨の形成開始タイミングが遅延する開始遅延部と、
    前記イオン注入によって注入されるイオンの濃度が1×10 16 /cm 以上の範囲に設定されていることによって形成される前記自家骨が形成されない非形成部と、
    が形成されていることによって前記自家骨との接合パターンを複数有する人工骨部材。
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