JP5737425B2 - 通信システム、基地局装置、データ送信方法及びプログラム - Google Patents

通信システム、基地局装置、データ送信方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は装置設定を自律的に行う基地局装置を含む通信システムに関する。
移動通信ネットワークを構成する基地局の設定を行う際に、端末や基地局から品質測定データ等を収集及び分析し、基地局設定の自律化を行うSON(Self Organizing Networks)機能が用いられている。SON機能を用いることにより、ネットワークの品質向上及び運用コスト削減を実現させることが可能である。
例えば、家庭用の小型基地局であるHNB(Home NodeB)やHeNB(Home eNodeB)が、自動でプラグアンドプレイを行い、無線電波を受信(ネットワークリスニング)し、周波数(EARFCN:E-UTRA Absolute Radio Frequency Channel Number)やPCI(Physical Cell ID)のような無線パラメータを自身で決定するのも一つのSONの動作といえる。また、無線の電波の状況(パイロットチャネルの分布、隣接セル、干渉、スループット状況、ハンドオーバ失敗率、無線の負荷状況、PM(Performance Management)等)の測定を長期間にわたって行い、統計的手法によって、OAMパラメータを最適化するのも一つのSONの動作といえる。
図16を用いて、LTE無線通信方式に対応した移動通信システムの構成について説明する。eNB10、eNB11、eNB12は、LTE無線通信方式に対応した基地局である。eNB間のインタフェースはX2インタフェースと呼ばれる(非特許文献1:3GPP TS36.300参照)。EM14は、eNBを制御するElement Manager、NM15はOAM上、EM14の上位装置であり、ネットワーク全体を保守監視する、Network Managerを示す。MME/S−GW13は、コアネットワークを指し、移動管理制御、セッション管理制御を行う。eNBとMME/S−GW間はS1インタフェースとして定義される。
続いて、図17を用いて、非特許文献2(3GPP TS32.101)に開示されているOAM参照モデルについて説明する。本図におけるNM(Network Manager)、EM(Element Manager)、NE(Network Element)に関する定義は3GPP TS32.101に基づいている。
NE21〜25とは、Network Elementであり、例えば、eNB(E-UTRAN NodeB)、HeNB、NodeB、RNC、HNB(Home NodeB)等が該当する。DM31〜33とは、Domain Managerであり、Network Elementの管理機能及び、サブネットワークのドメイン管理機能を保持する。EM34〜37とは、Element Managerであり、Network Elementを管理する機能を提供する。NM41〜42とは、Network Managerであり、EMの上位に位置し、EMによってサポートされるネットワークの管理を行う。NEに、EM機能が収容されている場合には、NMよりNEに直接アクセスを行う。NM41及び42は、サーバ装置等により構成されるEnterprise Systems50に接続されている。
なかでも、EMとNM間あるいは、EM機能を持つNEとNM間は、Type2インタフェースと定義され、別名、ITF―N (North bound interface)と定義され、3GPPの標準化仕様書シリーズによって定義されているOpenなインタフェースである。
次に、上述したOAM参照モデルにおいて実現されるSONソリューションについて説明する。SONソリューションには、非特許文献3(3GPP TS32.500 Ver10.1.0)に記載されるようにCentralised SON、Distributed SON、 Hybrid SONの3つの方法が存在している。Centralised SONとは、SONアルゴリズムがOAMシステムで実施されるSONソリューションであり、Network ManagementレベルにおいてSONアルゴリズムが実施されるNM−Centralised SONと、Element ManagementレベルにおいてSONアルゴリズムが実施されるEM−Centralised SONの二種類が存在する。Distributed SONとは、SONアルゴリズムがNetwork Elementレベルで実施されるSONソリューションである。さらに、Hybrid SONとは、SONアルゴリズムがNEあるいは、EM、NMの複数のレベルにおいて実施されるSONソリューションである。
これらのSONソリューションは、自動設定内容、自動最適化されるOAM対象装置、SONアルゴリズム又は要求される性能に応じて適切に選択される。また、SONソリューションは、ベンダーの機器、つまり通信装置に実装される。
Distributed SONの場合には、NEにおいてSONアルゴリズムが実現されるため、すぐにOAMパラメータの変更が可能である。そのため、Distributed SONは、リアルタイムにOAMパラメータを最適化するのに適している。しかしながら、NEが自身でOAMパラメータを最適化するためには、隣接のNEより、プロトコルメッセージにて頻繁に情報を収集する必要がある。そのため、Distributed SONを実行した場合、NE間のシグナリングが増加する。また、NEが把握できる範囲は、NEの隣接セルあるいは、隣接セルが隣接しているセルの範囲に限定されるといった制約が生じる。
一方、Centralised SONでは、広範囲における複数のNEを束ねて集中管理を行い、統計情報を活用できるため、長期間の間隔において、ネットワーク全体の最適化を行うことに適している。また、NE間におけるX2APメッセージなどのシグナリングを使用する必要は無いというメリットがある。
ネットワークにおいては複数のベンダーの機器(NE、EM、NM等)が用いられ、ベンダー独自のアルゴリズム(SONアルゴリズム)あるいはSONの実現方法によって、機器毎に別々のSONソリューションが使用される可能性がある。
例えば、PCI割り当ての最適化方法としては、非特許文献4(TR36.902)に述べられるように、PCI Collision−freeとPCI Confusion−freeを保証するようにPCIが割り当てられる必要がある。しかし、PCI割り当て方法をDistributed SONで実現するか、Centralised SONで実現するか、Hybrid SONで実現するかは機器ベンダーの実装に依存する。つまり、PCI割り当ての最適化アルゴリズムをNE側において実装する場合には、Distributed SONであり、EMあるいはNMにおいて実装する場合には、Centralised SONである。また、NEおよび、EM/NMの双方にて実装する場合には、Hybrid SONである。このように、どのように実現されるかはベンダーの実装に依存する。
SONの代表的なユースケース(SON機能)としては、PCI割り当ての最適化、ANR(Automatic Neighbour Relation)、MRO(Mobility Robustness Optimisation)、MLB(Mobility Load Balancing)、 RACH Optimisation、Self Healing、ICIC(Inter-cell Interference Coordination)、CoC(Cell outage Compensation)などが3GPP仕様書(3GPP TS36.300 Ver10.0.0、TR36.902 V9.3.1、TS32.500 Ver10.0.0、非特許文献5:TS32.541 Ver10.0.0等)において定義されている。
また、TR36.902に定義されるように、PCI Collision−freeとは、セルがカバーするエリアにおいてPCIがユニークであることを保証することである。また、PCI confusion−freeとは、隣接セルにおいてPCIがユニークであることを保証することである。
マルチベンダー間においてDistributed SON、Centralised SONの混在を許容可能とする場合には以下の課題がある。LTEシステムをベースとして、eNodeBを用いた場合のSONシステムを中心として課題の説明を行う。
第1の課題について、以下に説明する。X2インタフェースではSONを目的として、様々なプロトコルが定義されているが、隣接のeNodeBがどのようにしてSONを実現しているのかはX2APメッセージにより通知されていない。そのため、eNodeBは隣接のeNodeBにおいてCentralised SONが実施されていようが、Distributed SONが実施されていようが一律、SON機能に関連する情報を、X2APメッセージを用いて通知しなければならない。これによって、たとえ、隣接のeNodeBが、Centralised SONを採用していても、X2APメッセージを減らすことはできないという問題が発生する。
例えば、X2AP(非特許文献6:3GPP TS36.423)手順では、
- X2 SETUP
- ENB CONFIGURATION UPDATE
を使用することによって、eNB同士が隣接のNeighbour relation情報を通知しあうことが可能である。例えば、X2 SETUP手順では、eNBは、X2確立時において、eNB自身が管理しているセル情報(Served Cell Information)のみではなく、eNBの隣接セル情報(Neighbour Information)も通知することができる。また、X2AP ENB CONFIGURATION UPDATE手順では、eNBは、eNB自身が管理している最新のセル情報(追加セル情報、削除セル情報、修正されたセル情報)のみではなく、隣接セル情報も通知することができる。隣接セル情報には、ECGI(E-UTRAN Cell Global Identifier)、PCI(Physical Cell Identifier)、EARFCN等が含まれる。隣接セル情報に基づいて、例えば、eNBは、隣接セルのeNBのPCI(Physical Cell Identifier)を把握するのみではなく、隣接セルの隣接セルのeNBのPCI情報までも把握することが可能となっている。
PCI情報は、UEがセルを識別する上で重要なパラメータである。LTEではアサインできるPCIの最大数が504であるため、システム上ではPCIを繰り返して使用する必要がある。PCIは、UEのCell search動作や同期検出に必要となるシグナルを生成する為に必要なIDであり、eNBで使用される中でも非常に重要なIDのひとつである。PCIに最適な値が使用されないならば、無線システムにおいて、PCI confusion発生による誤ったTarget eNBへのハンドオーバールーティングを原因とするハンドオーバ失敗や、PCI collision発生による干渉増加により、UEにおいてチャネル推定性能劣化によるスループット減少や同期外れなどが起こり、エンドユーザへ提供するサービス品質が劣化し得る。このように、PCI CollisionやPCI Confusionを避けるために3GPP TS36.300に記載されるように、X2 SETUP手順によって通知される隣接セル情報のPCI情報が、PCI Optimisationを実施する上で重要となる。
一方、既存の3GPP TS36.423では、eNBは各セルがどのようなSONソリューションを実行しているかを通知していない。また、TS32.762 Ver10.3.0(E-UTRAN Network Resource Model (NRM)) において、ExternalEUtranGenericCellや、ExternalENBFunction、EUtranRelationでは、隣接のeNBが、どのようなSONソリューションによりSONユースケース(SON機能)を実現しているかを通知していない。そのため、隣接のeNBは、X2APメッセージを受信した場合において、一律、他のeNBに対してX2APメッセージを送信しなければならない。このため、PCI Optimisationでは以下の問題が発生する。
ここで図18を用いて、Distributed SONが用いられた場合のPCI変更動作例を示す。eNB100は、PCI割り当て方法においてDistributed SONを実行していると仮定する。eNB100配下セルのPCI値が3であるとする。PCI Collisionあるいは、PCI Confusionが検出されることによって、Distributed SONのPCI最適化機能が動作する。eNBは、PCI値をたとえば、3から200に変更した場合には、隣接のeNBに対してX2AP : X2 SETUP メッセージあるいは、X2 ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを送信することにより、隣接のeNB101、eNB102、eNB103、eNB104、eNB105、eNB106に変更後のPCI値を通知することとなる。つまり、eNB100が管理するセルのPCIが変更になった場合には、図18に示すように、あるeNBのセルの隣接するセルを管理するeNB数が6である場合には、eNBは、合計6回のX2APメッセージを通知する。なお、本例では、簡単のために、eNBは、1セルのみを管理しているとする。
さらに、PCI collision及びPCI Confusion問題を隣接セルの隣接セルとも避けるためには、X2AP手順によって、隣接セル情報に関する変更についても通知する必要がある。したがって、eNB100に隣接するeNB101、eNB102、eNB103、eNB104、eNB105及びeNB106は、eNB100配下のセルのPCI値が3より200に変更となったことを隣接するeNBに対して、X2AP:X2 SETUPメッセージあるいは、X2 ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを用いて通知する。
図19は、eNB101がeNB107、eNB108、eNB109、eNB106、eNB100及びeNB102に対して合計6回、X2APメッセージを送信することを示している。同様に、eNB102、eNB103、eNB104、eNB105、eNB106も隣接するeNBに対して、X2AP:X2 SETUPメッセージあるいは、X2 ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを送信する。
以上説明した動作が、Distributed SONの3GPP標準化仕様書TS36.423に基づいた動作例である。このように隣接セル数が6セルとして、隣接するX2リンク数も6本である場合には、1セルの変更を通知するためのX2APメッセージ数は6×6=36メッセージとなる。
実際の運用では、マクロセル同士が隣接する場合にはX2リンク数は典型的には32本であり、X2APメッセージの送信回数は、32×32=1024回となる。つまり、ある特定のPCIを一つ変更すると、1024回のX2APシグナリング回数が発生することとなる。同様に、マクロの基地局配下にマクロセル以外にセル半径の小さいマイクロセルやピコセル、フェムトセルが混在するネットワークを想定すると、隣接するX2リンク数が増加していくこととなる。例えば、X2リンク数を128本とすると、128×128=16384回のX2APシグナリングが発生することとなる。つまり、eNBにおいてあるセルのPCIを変更しただけで、X2リンク数をN_x2とすると、N_x2×N_x2=(N_x2の2乗)回数のX2APシグナリングの通知が必要となる。このようにシグナリングメッセージが増加することにより、それぞれのノードにおいて輻輳が発生するという問題が生じる。さらに、X2APメッセージの通知の結果、PCIの通知が行われ、隣接の隣接eNBにPCI Confusionが発生する場合、隣接の隣接のeNBにおいてさらにPCIの変更が行われると、さらに、PCIの通知が行われることとなる。
本問題ではPCI変更ケースを例にあげているが、同様の問題が隣接セル情報である、ECGIやEARFCNについても当てはまる。
このように、NE側にSON機能を有するDistributed SONが存在するために、NE間同士でメッシュにX2インタフェースによって必要な変更情報を通知しあうようになる。これによって、X2APメッセージの大量の信号増加を生み出されるという問題が生じる。大量の信号増加によって、信号送信バッファ、あるいは、信号受信バッファ枯渇を引き起こし、eNBの正常動作ができなくなり、不安定な状態を引き起こす問題が生じる可能性がある。また、信号数が増加することで処理能力が上昇し、同様に、eNBの正常動作ができなくなり、不安定な状態を引き起こす問題が生じる可能性もある。
一方、Centralised SONの場合にはEMあるいはNMが、配下のeNBを制御しており、あるeNBのPCIが変更となったとしても、同じEMあるいは、同じNM配下のeNBであれば、そのeNBのPCI変更を管理しているため、通知する必要は無い。したがって、Distributed SONにみられる、X2APメッセージ増加による大量信号増加の問題はない。しかしながら、実際の運用においては、機器(NE)ベンダーのSON機能のアルゴリズム実装方法により、Distributed SONとCentralised SONの混在が発生しうる。たとえば、図20を用いて、Distributed SONとCentralised SONとが混在する例について説明する。
eNB100、102、104、108、110及び112がEM200によって制御され、EM200にSON機能が存在すると仮定する。それ以外のeNBである、eNB101、103、105、106、107及び109についてはDistributed SONが実行されていると仮定する。
現状のX2APメッセージでは、隣接するeNBがどのノードでSON機能を実施し、どのようなSONソリューションにてSON機能を実現しているかは通知されていない。例えば、Distributed SONを実施しているeNB106は、eNB100がDistributed SONを実施しているのか、Centralised SONを実施しているのかを把握していない。eNB106は、eNB100のSON機能を実行しているEMやNM等も通知されていない。
eNB100配下セルのPCI値が3より200に変更となった場合に、eNB100は、隣接しているeNB104、eNB102が同じEM200によって制御され、Centralised SONを実施しているため、eNB104及び102に対してX2APメッセージを送信しない。一方、eNB100は、PCI変更のために、eNB106、eNB101、eNB103及びeNB105にX2APメッセージを通知する。
eNB100からPCI変更通知を受信したeNB101、eNB103、eNB105及びeNB106は、隣接eNBがどのSON機能をどのようなSONソリューションにて実現しているかを把握していない。そのため、図20に示すように、eNB101はeNB102、106、107、108及び109に、eNB105はeNB112に、eNB106はENB110に、eNB100のPCI値の変更の通知を行ってしまうこととなる。
実際には、eNB108、eNB110及びeNB112はeNB100と同じEM200のSON機能によって制御されているため通知は不要である。つまり、eNB108、eNB110及びeNB112がX2APメッセージによりPCIの変更を受信した場合には、EM200に配置されているSON機能に通知するが、EM200は、eNB100のPCIの変更自体は把握している。そのため、eNB108、eNB110及びeNB112に通知された信号は、不要な信号にほかならない。
このように、上記のようにDistributed SONとCentralised SONが混在している場合には、隣接しているeNB同士がお互いにどのノードにてどのようなSONソリューションを実現しているかを通知していないために、Centralised SONを実行しているノードにとっては不要なシグナリングが発生してしまうこととなり、Centralised SONの利点が大幅に失われてしまうこととなる。上記の例では、隣接リンク数が多くても6のケースであるが、仮に隣接eNBとしてX2リンクを128本と仮定すれば、1eNBあたり、128回もの不要なX2APシグナリングが発生する可能性がある。このような大量のシグナリング発生は、通信用バッファの枯渇や信号処理数を増加させ、eNBあるいは、EM(またはNM)の動作を不安定にし、機器の障害を引き起こす可能性がある。このように、現状の課題として、X2AP手順では隣接のeNB間においてSON機能をどのノードが実現しているかを通知していないため、eNBは、PCI変更通知等を、一律X2APメッセージを用いて通知しなくてはならないという課題がある。
第2の課題について以下に説明する。たとえば、MRO(Mobility Robustness Optimisation)やMLB(Mobility Load Balancing)のX2APメッセージが図21のとおり、3GPP TS36.423に定義されているが、隣接するeNBが全て同じSON機能をサポートしているとは限らない。例えば、あるeNBは、MRO(Mobility Robustness Optimisation)を用いてハンドオーバの閾値やパラメータを最適化することによって、ハンドオーバの成功率を向上させることができる。この時、X2AP手順では、Mobility Setting Change手順を用いることにより、対向eNBに対してハンドオーバ閾値やCIO(Cell individual offset)を変更するように要求することが可能である。
同様にMLB(Mobility Load Balancing)手順では、eNB間の負荷情報(HW(hardware) load, TNL(transport network layer) load, PRB(Physical resource block))をもとに、eNB間の負荷を制御するようにハンドオーバパラメータやCIOを変更する。このような変更を行うために、X2AP手順では、Mobility Setting Change手順によって対向eNBに対して通知を行う。さらに、Too Late Handover、Too Early Handover、HO to Wrong Cell(TS36.300)を検出する場合において、これらの現象を把握するために、X2AP手順であるRadio Link Failure IndicationやHandover Event Reportのような手順が使用される。図21に、X2AP手順とSONユースケース(SON機能)との対応関係の一例を示す。
しかしながら、複数のベンダーの機器が混在している場合に、全てのeNBが同じSON機能をサポートしているとは限らない。したがって、MROを未サポートのeNBに対して、MROをサポートしているeNBがRadio Link Failure Indication、Handover Event Reportあるいは、Mobility State Change手順を起動してしまうことがありえる。同様に、MLBを未サポートのeNBに対してResource Status Reporting Initiation、Mobility Settings Change手順を起動してしまうことがありえる。そのため、不要なX2APシグナリングが大量に発生してしまい、eNBの通信バッファ枯渇や信号処理数増加の問題が発生する。
本発明は、上述した課題のうち少なくとも一つを解決するためになされたものであり、SON機能を実行することにより、不要なシグナリングが大量に発生することのない通信システム、基地局装置、データ送信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる通信システムは、第1の通信装置と、前記第1の通信装置とデータ送受信を行う第2の通信装置とを備える通信システムであって、前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置から前記第1の通信装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第2の通信装置に対して送信する送信部を備えるものである。
本発明の第2の態様にかかる基地局装置は、第1の基地局装置に隣接する基地局装置であって、前記第1の基地局装置において前記基地局装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第1の基地局装置に対して送信する送信部、を備えるものである。
本発明の第3の態様にかかるデータ送信方法は、第1の基地局装置に隣接する基地局装置におけるデータ送信方法であって、前記第1の基地局装置において前記基地局装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第1の基地局装置に対して送信するものである。
本発明の第4の態様にかかるプログラムは、第1の基地局装置に隣接する基地局装置におけるコンピュータに実行させるプログラムであって、前記第1の基地局装置において前記基地局装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第1の基地局装置に対して送信するステップをコンピュータに実行させるものである。
本発明により、SON機能を実行することにより、不要なシグナリングが大量に発生することのない通信システム、基地局装置、データ送信方法及びプログラムを提供することができる。
実施の形態1にかかる基地局装置の構成図である。 実施の形態1にかかるX2 SETUP REQUESTメッセージの情報要素を示す図である。 実施の形態1にかかるX2 SETUP RESPONSEメッセージの情報要素を示めす図である。 実施の形態1にかかるSON Solution Informationの設定内容を示す図である。 実施の形態1にかかるSON Solution Informationの設定内容を示す図である。 実施の形態1にかかるServed Cell Informationの設定内容を示す図である。 実施の形態1にかかるENB CONFIGURATION UPDATEメッセージの情報要素を示す図である。 実施の形態1にかかるSON機能の実現方法を通知する処理を示すシーケンス図である。 実施の形態1にかかるSON機能の実現方法を通知する処理を示すシーケンス図である。 実施の形態1にかかるデータベース部の構成を示す図である。 実施の形態1にかかるeNBにおけるX2APメッセージ送信処理を示すフローチャートである。 実施の形態2にかかるType2インタフェースにてNMからEMに対して通知されるeNBのSON機能に関する情報を示す図である。 実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。 実施の形態3X2AP確立処理を示すシーケンス図である。 実施の形態3X2AP確立処理を示すシーケンス図である。 実施の形態3にかかるX2 SETUP RESPONSEメッセージの情報要素を示めす図である。 LTE無線通信方式に対応した移動通信システムの構成図である。 OAM参照モデルを示す図である。 PCI変更動作を示す図である。 PCI変更動作を示す図である。 PCI変更動作を示す図である。 SON機能に関連づけられるX2APメッセージを示す図である。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる基地局装置の構成例について説明する。具体的には、基地局として3GPPのLTE無線通信方式において用いられるeNBの構成例について説明する。eNB100は、制御部1101と、信号送受信部1102と、データベース部1103とを備えている。
信号送受信部1102は、他のeNBや、MME、EM等と信号の送受信を行う。例えば、送受信される信号には、S1AP、X2AP、CORBA、SOAP又はSNMP等が含まれる。S1APは、eNB100と、MMEとの間において送受信される信号である。X2APは、eNB間において送受信される信号である。
信号送受信部1102は、他のeNBからeNB100に対する自律設定情報を送信するか否かに関する情報を、X2APを用いて他のeNBに対して送信する。自律設定情報とは、例えば、PCI値や、MRO又はMLB等の実行時に送信される情報等が含まれる。eNB100は、隣接eNBにおいてPCI値等が変更された場合に、変更後のPCI値等が通知されると、自律的に自装置において隣接eNBのPCI値を設定する。また、隣接eNBにおけるPCI値の設定変更により、自装置のPCI値を変更する必要がある場合、例えばPCI Confusion等の発生する場合には、自律的に自装置のPCI値を変更する。自律設定情報を送信するか否かに関する情報は、例えば、自身のeNBにおいてサポートしているSON機能や、Centralised SONを用いる場合には、自身のeNBを管理するEMや、NMのノード識別情報等が含まれる。SON機能は、例えば、図21のSONユースケースに記載されている機能である。
eNB100の信号送受信部1102から、他のeNBに対して送信される情報には、例えば、X2 SETUP REQUESTメッセージや、X2 SETUP RESPONSEメッセージ、ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージ、SON Solution Information、Served Cell Information等が含まれる。なお、X2 SETUP RESPONSEメッセージは、X2 SETUP REQUESTメッセージに対する応答信号である。
続いて、図2及び図3を用いて、X2 SETUP REQUESTメッセージ及びX2 SETUP RESPONSEメッセージに設定される情報要素について説明する。図2には、X2 SETUP REQUESTメッセージが示されている。図3には、X2 SETUP RESPONSEメッセージが示されている。図2及び図3に示されるように、X2 SETUP REQUESTメッセージ及びX2 SETUP RESPONSEメッセージにおいて情報要素SON Solution Informationが定義される。
図4A及び図4Bは、SON Solution Informationに設定される具体的な内容が示されている。SON Solution Informationには、SONにおいて実行される機能(SON機能)が、明示されている。SON機能として、例えば、PCI Assigment、ANR(Automatic Neighbor Relation)、MRO(Mobility Robustness Optimization)、MLB(Mobility Load Balancing)、CCO(Coverage and Capacity Optimization)、Energy Serving、ICIC(Inter-Cell Interference Coordination)及びCoCが示されている。また、SON Solution Informationには、それぞれのSON機能が、Centralised SON、Hybrid SON及びDistributed SONのうちのいずれのSONソリューションを用いて実現されているかが示されている。例えば、SON Solution Informationには、Centralised SON又はHybrid SONが用いられる場合には、Centralised又はHybrid等が明示的に設定され、Centralised又はHybrid等が明示的に設定されていないSON機能に関しては、Distributed SONを用いて実現されるとしてもよい。
また、Centralised SON又はHybrid SONを用いて実行されるSON機能は、さらにSON機能を実行する上位装置のノード識別情報が設定されている。ノード識別情報は、FQDN形式もしくはIPアドレス等が用いられてもよい。上位装置は、EMや、NM等である。
また、SON Solution Informationは、X2 SETUP REQUESTメッセージ及びX2 SETUP RESPONSEメッセージに定義される代わりに、X2 SETUP REQUESTメッセージ及びX2 SETUP RESPONSEメッセージにおいて定義されているServed Cell Informationという情報要素に定義されてもよい。図5に、SON Solution Informationを情報要素に追加したServed Cell Informationの設定例を示す。
また、SON Solution Informationは、X2 SETUP REQUESTメッセージ及びX2 SETUP RESPONSEメッセージに定義される代わりに、ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージに定義されてもよい。図6に、SON Solution Informationを情報要素に追加したENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを示す。
図1に戻り、制御部1101は、eNB100におけるSON機能に関するパラメータを設定する。また、eNB100がDistributed SONを用いて実行される場合、制御部1101において、ANRや、PCI Assigment等のSON機能が実行される。つまり、制御部1101において、ANRアルゴリズムや、PCI Assigmentアルゴリズム等が実行され、自律的にネットワーク設計に関する最適なパラメータが設定される。
データベース部1103は、eNB100に隣接するeNBのSONに関する情報を記憶する。例えば、データベース部1103は、隣接するeNBが、Distributed SONを用いているか、Centralised SONを用いているか、更には、隣接するeNBがサポートしているSON機能に関する情報等を記憶している。
なお、eNB100の各構成要素の機能は、ハードウェアを用いて実現されてもよく、CPU等がプログラムを実行することにより達成されるソフトウェアを用いて実現されてもよい。
また、EMや、NMも図1と同様の装置構成を有している。例えば、EMにおける信号送受信部1102は、Type1インタフェースを介して、eNBに制御用のメッセージを送信する。さらに、EMにSON機能が配置されるEM Centralised SON又はHybrid SONの場合においては、EMにおける制御部1101において、ANRやPCI Assigment等のSON機能が実行される。
NMも同様に、NMにおける信号送受信部1102は、Type2インタフェースを介して、EMに制御用のメッセージを送信する。さらに、NMにSON機能が配置されるNM Centralised SON又はHybrid SONの場合においては、NMにおける制御部1101において、ANRやPCI Assigment等のSON機能が実行される。
続いて、図7を用いて、X2 SETUP REQUEST及びX2 SETUP RESPONSEメッセージを用いたSON機能の実現方法の通知シーケンスについて説明する。
はじめに、eNB100の制御部1101は、eNB100におけるSON Solution Informationを設定する(S11)。eNB100が、Centralised SONソリューションを用いている場合には、EMもしくはNMによってSON Solution Informationが設定されてもよい。次に、eNB100の信号送受信部1102は、eNB100におけるSON Solution Informationを、X2 SETUP REQUESTメッセージを用いて他のeNB(eNB101)へ送信する(S12)。
X2 SETUP REQUESTメッセージを受信したeNB101は、データベース部において、eNB100のSON Solution Informationを記憶する(S13)。また、eNB101は、制御部において、eNB101のSON Solution Informationを設定する(S14)。
次に、eNB101は、eNB101におけるSON Solution Informationを、X2 SETUP RESPONSEメッセージを用いてeNB100へ送る(S15)。eNB100は、X2 SETUP RESPONSEメッセージを受信すると、eNB101のSON Solution Informationをデータベース部1103へ記憶する。
続いて、図8を用いて、ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを用いたSON機能の実現方法の通知シーケンスについて説明する。ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージは、eNBにおけるSON機能の実現方法に変更があった場合に、通知される。例えば、Centralised SONを実行する際に、eNBを管理するEMが変更された場合や、新たなSON機能をサポートする場合等に通知される。
はじめに、eNB100の制御部1101は、eNB100におけるSON Solution Informationを更新する(S21)。次に、eNB100の信号送受信部1102は、更新後のeNB100におけるSON Solution Informationを、ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージを用いてeNB101へ送信する(S22)。
eNB101は、データベース部において、更新後のeNB100のSON Solution Informationを上書きして記憶する(S23)。もしくは、eNB101は、データベース部において、更新後のeNB100noSON Solution Informationを、既存の情報に置き換えて記憶する。次に、eNB101は、ENB CONFIGURATION UPDATEメッセージへの応答メッセージとしてENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGEメッセージをeNB100へ返送する(S24)。eNB100は、ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGEメッセージを受け取ることにより、eNB101において、正常にeNB100のSON Solution Informationの更新情報が反映されたことを認識することができる。
続いて、図9を用いて、eNB100が保持するデータベース部1103の構成例について説明する。図9は、eNB100に隣接するeNB101〜106が、SON機能として、PCI最適化及びMROをサポートしているか否かを示している。また、図9には、PCI最適化及びMROを実現するために、Centralised SON、Hybrid SON又はDistributed SONのいずれが用いられるかが示されている。さらに、Centralised SON又はHybrid SONが用いられる場合には、SONを実行するノードのノード識別子が示されている。
例えば、eNB101は、PCI最適化をサポートしている。eNB101におけるPCI最適化は、Distributed SONを用いて実行される。これより、PCI最適化を実行するノードは、eNB101自身であるため、PCI最適化ノード識別子には、外部のSON実行ノードは存在ことを示すN/Aが設定されている。さらに、eNB101は、MROをサポートしている。eNB101におけるMROは、Hybrid SONを用いて実行され、その実行ノードは、EM201である。
また、eNB102は、PCI最適化をサポートしているが、MROをサポートしていない。PCI最適化は、Centralised SONを用いて実行され、その実行ノードは、EM200である。
このようにして、eNB100のデータベース部1103は、隣接するeNBに関して、SON機能のサポート状況及び、SONソリューション情報が記憶されている。
次に、eNB間における、SON機能に関する情報の通知動作について説明する。例えば、eNB100は、隣接eNBがPCI割り当て最適化機能を有するかどうかを、SON Solution Informationに、SON Solution type for PCI Assignmentパラメータが設定されているかによって把握する。もし、隣接eNBがPCI割り当て最適化機能を保持していれば、eNB100は、eNB100のPCI変更時にENB CONFIGURATION UPDATEメッセージによりPCI変更を隣接eNBに対して通知する必要がある。しかし、隣接eNBがPCI割り当て最適化機能を保持していなければ、eNB100は、eNB100のPCI変更時にENB CONFIGURATION UPDATEメッセージによりPCI変更を隣接eNBに対して通知する必要はない。
また、eNB100は、SON Solution Informationに、SON Solution type for MRO Algorithmパラメータが設定されているかどうかにより、隣接eNBにおけるMRO機能のサポート有無を把握することができる。eNB100は、MROがサポートされていないeNBに対しては、Handover Report手順を通知する必要もなく、Mobility State Change手順を起動する必要もない。図9の例では、eNB100は、eNB102、eNB105がMRO機能を未サポートであることより、MRO動作に必要なHandover Report手順やMobility State Change手順をeNB102及び105に対して送らない。これにより、X2APメッセージを低減することができる。
同様に、eNB100は、SON Solution type for ANR Algorithmパラメータが設定されているかどうかにより、隣接eNBのANR機能のサポート有無を、SON Solution type for MLB Algorithmパラメータが設定されているかどうかにより、隣接eNBのMLB機能のサポート有無を、SON Solution type for CCO Algorithmパラメータが設定されているかどうかにより、隣接eNBのCCO機能のサポート有無を、SON Solution type for Energy Saving Algorithmパラメータが設定されているかどうかにより、隣接eNBのEnergy Saving機能のサポート有無を、SON Solution type for ICIC Algorithmパラメータが設定されているかどうかにより、隣接eNBのICIC機能のサポート有無を、SON Solution type for CoC Algorithmパラメータが設定されているかどうかにより、隣接eNBのCoC機能のサポート有無を把握することができる。
このように、SON機能のサポート有無を事前に隣接eNB間において通知しあうことにより、隣接するeNBにおいてサポートされていないSON機能に関する変更情報等を送信することを抑止することができる。これにより、無駄な制御メッセージ等を減少させることができる。
また、図4A及び図4Bに示されるように、SON Solution Informationには、SON Solution typeパラメータが存在しSONソリューションがCentralised SONあるいは、Hybrid SONである場合には、そのSON機能を実現しているノードのノード識別子情報を設定することができる。ノード識別子情報は図4及び図4Bでは、IPアドレスやホストネーム(FQDN形式)を設定する。ただし、ネットワークにおいてユニークに識別できる番号であれば、IPアドレスやホストネーム(FQDN形式)に限定されず、どのような識別子でも、番号体系でもよい。
例えば、図20を例にとると、SON Solution InformationのIdentification of Node executing PCI Assignment algorithmにより、eNB100、102、104、112、110、108のPCI割り当て最適化機能がEM200によって実現されていることをeNB100、102、104、112、110、108は、隣接するeNBとX2リンクを確立する際に、X2 SETUPメッセージにより通知することができる。したがって、eNB100のセルのPCI値が3より200に変更となった場合に、eNB100は、eNB106、eNB101、eNB103、eNB105にX2APメッセージの通知を行う。eNB106は、eNB110がEM200によってPCI割り当て最適化機能が実現されていることを把握しているため、eNB110にX2APメッセージを通知しない。
同様にeNB105は、eNB112に対して、eNB101は、eNB108や102に対して信号を通知しないと判断することができる。したがって、最終的にはeNB101は、eNB100と同じEM200によってPCI割り当て最適か機能が実現されているeNB102及び208には、X2APシグナリングを通知せず、eNB106、107、109のみにX2APシグナリングを通知すればよく、eNB間におけるX2APメッセージ数を低減することができる。
同様に、Identification of Node executing ANR algorithmは、ANR機能を実現しているノードのノード識別子情報であり、Identification of Node executing MRO algorithmは、MRO機能を実現しているノードのノード識別子情報であり、Identification of Node executing MLB algorithmは、MLB機能を実現しているノードのノード識別子情報であり、Identification of Node executing CCO algorithmは、CCO機能を実現しているノードのノード識別子情報であり、Identification of Node executing Energy Saving algorithmは、Energy Saving機能を実現しているノードのノード識別子情報であり、Identification of Node executing ICIC algorithmはICIC機能を実現しているノードのノード識別子情報であり、Identification of Node executing CoC algorithmはCoC機能を実現しているノードのノード識別子情報である。
このように、それぞれのSON機能を実現しているEM等のノード識別情報をeNB間において通知することにより、上述したように、X2APメッセージ数を低減することができる。
続いて、図10を用いて本発明の実施の形態1にかかるeNBにおけるX2APメッセージ送信処理フローについて説明する。はじめに、eNB100は、SONアルゴリズムに必要な測定制御や、SONアルゴリズムにおいて決定されたパラメータの通知を目的としたX2APメッセージ送信契機の検出を行う(S31)。例えば、eNB100は、自装置において、PCI値を変更した場合に、X2APメッセージの送信契機を検出する。
次に、eNB100の制御部1101は、隣接eNBがどのようなSON機能をサポートしているかどうかをデータベース1403より取得する(S32)。制御部1101は、例えば、隣接eNBがPCI最適化に関するSON機能を未サポートであれば、PCI値変更に関するX2APメッセージを隣接eNBへ送信しないと判断する。隣接eNBがPCI最適化に関するSON機能をサポートしている場合には、制御部1101は、SON機能を実現しているノードが自ノードと同じかどうかを判断する(S33)。つまり、eNB100においてSON機能を実現しているノードがEM200である場合に、制御部1101は、隣接eNBにおいてSON機能を実現しているノードが、EM200であるか否かを判断する。信号送受信部1102は、隣接eNBにおいてSON機能を実現しているノードが自ノードと同じであれば、隣接eNBには、X2APメッセージを送信しない。信号送受信部1102は、隣接eNBにおいてSON機能を実現しているノードが自ノードと異なる場合には、隣接eNBへ、X2APメッセージの送信を行う(S34)。
ここで、eNB100に隣接するeNB101における動作について説明する。eNB101は、eNB100においてPCI値が変更したことを通知されると、ステップS31〜ステップS33における処理を実行する。eNB101は、ステップS33において、隣接するeNBにおいてSON機能を実現しているノードが自ノードとは異なると判断された場合に、さらに、隣接するeNBにおいてSON機能を実現しているノードがeNB100と同じか否かを判断してもよい。隣接するeNBにおいてSON機能を実現しているノードがeNB100と同じである場合には、隣接eNBに対して、X2APメッセージの送信を行わず、隣接するeNBにおいてSON機能を実現しているノードがeNB100と異なる場合には、隣接eNBへ、X2APメッセージの送信を行ってもよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる通信システムを用いることにより以下に記載するような効果を奏する。
第1の効果として、eNBがX2リンク確立時にSON機能のサポート状況を通知しているので、eNBは、隣接eNBのSON機能のサポート状況を把握することができる。そのため、eNBは、SON機能を未サポートであるeNBに対しては、X2APメッセージ送信を抑止することができる。これにより、eNBは、X2APメッセージ送信を低減することができる。
第2の効果として、eNBがX2リンク確立時にSON機能の実現ノード識別子を通知しているので、eNBは、隣接eNBのSONがどのようなSONソリューションにて実現されているか、そして、どのノードにてSON機能を実現しているかを把握することができる。そのため、eNBは、ノード識別子を比較することにより、X2APメッセージ送信の必要性を判定できる。これにより、X2APメッセージ送信を低減することができる。
また、3GPP TS36.300に示されるように、Relayノード(RN)およびDonor eNB(DeNB)が存在している場合に、RNとDeNB間および、RNとRN間におけるX2インタフェースにおいても、本発明の実施の形態1における通信方法を適用することができる。これによって、RNとDeNB間および、RNとRN間において、X2APシグナリングを低減させることができる。
また、実施の形態1においては、LTEのeNBを用いて説明しているが同様に、実施の形態1にかかる発明は、W−CDMAベースの3Gシステムにも適用することができる。また、実施の形態1にかかる発明は、GERAN、Wimax、WLANなど他の無線アクセスシステムにおいても適用することができる。例えば、3GPP TS25.401に示されるように、RNCがSON機能を有する場合において、RNC間のIurインタフェースにおいてSON機能のサポート状況あるいは、SON機能の実現ノードのノード識別子あるいは、SON機能のソリューションタイプについて通知することにより、RNC間におけるRNSAP信号などのSONに必要なシグナリングを低減させることができる。
また、フェムト基地局(HeNB、HNB)、eNBあるいはRNC間においても、MROや、ICIC等のSON機能を実行することが考えられる。つまり、HeNB−HeNB間、HeNB−eNB間、HeNB−RNC間、HeNB−HNB間、HNB−HNB間、HNB−eNB間、HNB−RNC間等においてSON機能のサポート状況、SONソリューションタイプ、SON実現ノードのノード識別子の情報を通知しあうことができる。これにより、フェムト基地局間、あるいは、フェムト基地局-マクロ基地局間における不要なSON関連のシグナリングを低減することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、eNB間におけるX2APメッセージを用いて、サポートしているSON機能や、SON Solution等を通知する方法について説明した。しかし、eNB間において、山脈があるなど地形的な理由、あるいは、X2リンク帯域削減によるCAPEX/OPEX削減のためにeNB間においてX2リンクを設定しないことも想定される。この場合に、OAMシステムにおいて、NM間、あるいは、EM間、あるいは、NM−EM間のインタフェースが存在しているのであれば、これらのインタフェースを用いて、SON機能がどのように実装されているかに関する情報を通知してもよい。
図11は、NM−EM間のType2インタフェースにてNMからEMに対して通知されるeNBのSON機能に関する情報を示す図である。図11に示す情報は、例えば、無線アクセスネットワークに関する規格が定められている3GPP TS32.762に定義されるEUtranRelation に、図4にて定義される、SON Solution Informationを追加するケースを示している。これによって、EMあるいは、eNBは、隣接eNBにおけるSON機能のサポート状況、さらに、SONソリューションタイプ、SON実現ノードのノード識別子を知ることが可能となる。識別子については、DN(Distinguished name)でも、IPアドレスでも、FQDNでもどのような形態でもよく、ネットワーク内部においてノードをユニークに識別できるものであればよい。
これにより、実施の形態1と同様に、SON機能が未サポートであるeNBや、SON実現ノードが同じeNBに対してはSONを目的としたCN(Core Network)経由によるS1APメッセージを送信しないことが可能となる。なお、SON Solution Informationの追加方法については、図4の構成に限定されず、隣接eNBのSON機能サポート状況、ソリューションタイプ、SON実現ノードのノード識別子が通知されれば、どのような構成でもよい。
また、SON機能の通知方法等については、異なる無線アクセスのシステム間、つまり、Inter−RAT(Radio Access Technology)のシナリオにおいても適用することができる。異なるRAT間、例えば、LTE無線アクセス技術のE−UTRANとW−CDMA無線アクセス技術のUTRANにおいて、ANR機能やMRO機能といったSON機能を適用することもできる。例えば、ANR機能を使用すれば、LTEのeNBはUTRANのネットワークの隣接セル情報を自動的に構築することができるようになる。この場合において、UTRANとE−UTRANのシステム間において、図12に示すように、eNB200とRNC201とをダイレクトに接続し、隣接セルの情報を通知しあうこともできる。E−UTRANシステムは、eNB200と、MME/S−GW202とを備えている。UTRANシステムは、RNC201と、MSC203と、NodeB205とを備えている。UTRANとE−UTRANとを接続するゲートウェイ装置として、SGSN204が用いられる。この場合においても、本発明は適用することができる。つまり、eNB200とRNC201との間においてSON機能のサポート状況、SONソリューションタイプ、SON実現識別子の情報を通知しあうことができる。これにより、RAT間における不要なSON関連のシグナリングを低減することができる。
また、コアネットワーク(MMEやMSC、SGSN等)を経由してS1APプロトコルあるいは、RANAPプロトコルにおいてeNBとRNCとの間におけるSON機能のサポート状況、SONソリューションタイプ、SON実現ノードのノード識別子の情報を通知しあうことができる。これにより、RAT間における不要なSON関連のシグナリングを低減することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態1及び2では、X2APメッセージにより、SON機能の実現ノード、SON機能のサポート状況等を通知することで、不要なX2APメッセージ低減を目的としていた。本発明の実施の形態3においては、eNBは、SON機能の実現ノード、SON機能のサポート状況等を直接通知せずに、隣接eNBとのX2AP確立時において、隣接eNBから送信されるX2APメッセージのうち、受信を望まないX2APメッセージ情報を指定して事前に通知する。
図13を用いて、X2AP確立処理の流れについて説明する。はじめに、送信元eNBは、隣接eNBから受信を望まないX2APメッセージ情報を決定する(S31)。次に、送信元eNBは、決定した情報をX2 SETUP REQUESTメッセージを用いて送信する(S32)。図15に、X2 SETUPメッセージの例を示す。図15では、X2 SETUP REQUESTメッセージに受信を望まないX2APメッセージ情報である、Prohibited X2AP procedureパラメータグループを設定することができる。例えば、Load Indicationと設定することにより、送信元のeNBは、Load Indication手順を受信しないことを望んでいることを示す。
X2 SETUP REQUESTメッセージを受信したeNBは、送信元eNBが受信を望まないX2APメッセージ情報を記憶する(S33)。そして、本情報を送信した隣接eNBに対しては、指定されたX2AP手順を起動しないように制御する。次に、X2 SETUP REQUESTメッセージを受信したeNBは、受信を望まないX2APメッセージ情報を決定し(S34)、X2AP SETUP RESPONSEを用いて、受信を望まないX2APメッセージ情報を通知する(S36)。
また、Prohibited X2AP procedureパラメータグループに変更があった場合には、図14に示すとおり、はじめに、eNB100において、受信を望まないX2APメッセージ情報を更新する(S41)。eNB100は、ENB CONFIGURATION UPDATEを用いて、受信を望まないX2APメッセージ情報である、変更後のProhibited X2AP procedureパラメータグループを設定し、隣接eNBに通知する(S42)。
次に、eNB101は、eNB100が受信を希望していないX2AP手順更新する(S43)。これにより、eNBは、隣接eNBにおいて受信を希望しないX2APメッセージを事前に把握することが可能となるため、不要なX2APメッセージを低減させる効果を奏する。もちろん、他のメッセージあるいは他のパラメータに受信を望まないX2APメッセージ情報である、Prohibited X2AP procedureパラメータを追加してもよい。また、Prohibited X2AP procedureとしては、どのようなX2AP手順の受信を希望していないかを通知できれば、図15の構成でなくてもよい。次に、eNB101は、ENB CONFIGURATION UPDATEの応答信号として、ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGEをeNB100へ送信する(S44)。
以上説明したように、本発明の実施の形態3にかかる通信システムを用いることにより、X2リンク確立時に、隣接するeNBに対して、送信不要なX2APメッセージを通知することができる。これにより、不要なX2APメッセージが送信されることを防止することができるため、X2APメッセージ送信を低減することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではなく、図7、図8、図10、図13及び図14におけるeNBの処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。この場合、コンピュータプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2011年11月17日に出願された日本出願特願2011−251454を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
100、101、200 eNB
201 RNC
202 MME/S−GW
203 MSC
204 SGSN
205 NodeB
1101 制御部
1102 信号送受信部
1103 データベース部

Claims (11)

  1. 第1の通信装置と、前記第1の通信装置とデータ送受信を行う第2の通信装置とを備える通信システムであって、
    前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置から前記第1の通信装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第2の通信装置に対して送信する送信手段を備え、
    前記第1の通信装置が、前記自律設定情報を上位装置において管理される場合、前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置に対して、前記上位装置のノード識別子情報を送信し、
    前記第1の通信装置において自律設定情報が変更された場合に、
    前記第1の通信装置は、
    前記第1の通信装置に隣接する他の通信装置のうち前記第1の通信装置の前記自律設定情報を管理する上位装置と異なる上位装置において前記自律設定情報が管理される通信装置及び上位装置から前記自律設定情報が送信されない通信装置の少なくとも一方を含む通信装置に対して、前記変更後の自律設定情報を送信する、通信システム。
  2. 前記第1の通信装置及び前記第2の通信装置は、移動通信システムにおいて用いられる基地局装置であり、前記自律設定情報は、前記基地局装置間において定められる通信メッセージを用いて送信される、請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第1の通信装置から、前記変更後の自律設定情報を受信する第3の通信装置をさらに備え、
    前記第3の通信装置は、
    前記第3の通信装置に隣接する他の通信装置のうち前記第1の通信装置の前記自律設定情報を管理する上位装置と異なる上位装置において前記自律設定情報が管理される通信装置及び上位装置から前記自律設定情報が送信されない通信装置の少なくとも一方を含む通信装置に対して、前記変更後の自律設定情報を送信する、請求項1又は2に記載の通信システム。
  4. 前記自律設定情報は、複数のSON(Self Organizing Networks)機能に関する情報を有し、
    前記第1の通信装置は、
    前記複数のSON機能の中から、前記第1の通信装置においてサポートされるSON機能を前記第2の通信装置に対して通知する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 前記第2の通信装置は、
    前記第1の通信装置においてサポートされるSON機能に関する情報を前記第1の通信装置へ送信し、前記第1の通信装置においてサポートされていないSON機能に関する情報を前記第1の通信装置へ送信しない、請求項4に記載の通信システム。
  6. 前記自律設定情報は、複数のSON(Self Organizing Networks)機能に関する情報を有し、
    前記第1の通信装置は、
    前記複数のSON機能に関する情報の中から、前記第2の通信装置からの送信を希望しないSON機能に関する情報を前記第2の通信装置に対して送信する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信システム。
  7. 前記第2の通信装置は、
    前記第1の通信装置から送信を希望しないと通知されたSON機能に関する情報を前記第1の通信装置へ送信しない、請求項6に記載の通信システム。
  8. 前記複数のSON機能は、
    PCI Assignment、ANR(Automatic Neighbour Relation)、MRO(Mobility Robustness Optimisation)、MLB(Mobility Load Balancing)、CCO(Coverage and Capacity Optimization)、Energy Saving、ICIC(Inter-cell Interference Coordination)及びCoC(Cell outage Compensation)、のうち少なくとも1つを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の通信システム。
  9. 第1の基地局装置に隣接する基地局装置であって、
    前記第1の基地局装置において前記基地局装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第1の基地局装置に対して送信する送信部、を備え、
    前記基地局装置が、前記自律設定情報を上位装置において管理される場合、前記送信部は、前記第1の基地局装置に対して、前記上位装置のノード識別子情報を送信し、
    前記基地局装置において自律設定情報が変更された場合に、
    前記送信部は、
    前記基地局装置に隣接する他の基地局装置のうち前記基地局装置の前記自律設定情報を管理する上位装置と異なる上位装置において前記自律設定情報が管理される基地局装置及び上位装置から前記自律設定情報が送信されない基地局装置の少なくとも一方を含む基地局装置に対して、前記変更後の自律設定情報を送信する、基地局装置。
  10. 第1の基地局装置に隣接する基地局装置におけるデータ送信方法であって、
    前記第1の基地局装置において前記基地局装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第1の基地局装置に対して送信し、
    前記基地局装置が、前記自律設定情報を上位装置において管理される場合、前記第1の基地局装置に対して、前記上位装置のノード識別子情報を送信し、
    前記基地局装置において自律設定情報が変更された場合に、
    前記基地局装置に隣接する他の基地局装置のうち前記基地局装置の前記自律設定情報を管理する上位装置と異なる上位装置において前記自律設定情報が管理される基地局装置及び上位装置から前記自律設定情報が送信されない基地局装置の少なくとも一方を含む基地局装置に対して、前記変更後の自律設定情報を送信する、データ送信方法。
  11. 第1の基地局装置に隣接する基地局装置におけるコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記第1の基地局装置において前記基地局装置に対して自律設定情報を送信するか否かを判定するために用いられる情報を、前記第1の基地局装置に対して送信するステップと、
    前記基地局装置が、前記自律設定情報を上位装置において管理される場合、前記第1の基地局装置に対して、前記上位装置のノード識別子情報を送信するステップと、
    前記基地局装置において自律設定情報が変更された場合に、
    前記基地局装置に隣接する他の基地局装置のうち前記基地局装置の前記自律設定情報を管理する上位装置と異なる上位装置において前記自律設定情報が管理される基地局装置及び上位装置から前記自律設定情報が送信されない基地局装置の少なくとも一方を含む基地局装置に対して、前記変更後の自律設定情報を送信するステップと、をコンピュータに実行させるプログラム。
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