次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。なお、以下では、特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示され、これを契機に大当り遊技が開始されるタイプ(いわゆるセブン機タイプ)のパチンコ機に本発明を適用した例を説明する。
図1は本発明の実施例のパチンコ機10(遊技機)の外観を示す外観斜視図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3はパチンコ機10の制御回路の構成の概略を示すブロック図である。
[パチンコ機10の全体構成]
本実施例のパチンコ機10は、図1に示すように、前面枠11に嵌め込まれたガラス板12(透明板)を介して盤面が視認可能に配置された遊技盤30(図2参照)と、遊技球を貯留する上受け皿14および下受け皿16と、上受け皿14に貯留されている遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ハンドル18と、を備える。
前面枠11は、本体枠21に嵌め込まれており、左辺を回動軸として本体枠21に対して回動できるようになっている。本体枠21は、外枠22に嵌め込まれており、左辺を回動軸として外枠22に対して回動できるようになっている。なお、前面枠11と本体枠21は、略長方形状のプラスティック製の枠体として構成されている。また、外枠22は、略長方形状の木製の枠体として構成されており、パチンコホールの島設備の島枠に固定される。
また、前面枠11の左上部と右上部には、遊技の進行に伴って種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするためのスピーカ28a,28bが設けられており、右端部には、前面枠11を本体枠21に対して施錠するための施錠装置29が設けられている。また、前面枠11の左側には、図示しないプリペイドカード式の球貸装置(CRユニット)が設けられている。
上受け皿14は、その上面部に、CRユニットに挿入されたカードの価値残高(有価残高)の範囲内で遊技球の貸し出しを指示するための球貸ボタン24aと、CRユニットに挿入されているカードの返却を指示するための返却ボタン24bとが配設されている。また、上受け皿14は、その上面中央部に、遊技者の操作に応じて各種演出を行うための演出ボタン26が配設されている。
発射ハンドル18は、前面枠11の右下部に設けられており、遊技者がハンドルに触れていることを検知するタッチセンサ18a(図3参照)や遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ18b(図3参照)が設けられている。発射ハンドル18の回転軸には、上受け皿14に貯留されている遊技球を1球ずつ打ち出すための図示しない発射装置が接続されており、発射ハンドル18が回転操作されると、発射装置が備える発射モータ19(図3参照)が回転し、これに伴って発射ハンドル18の操作量に応じた強さの打撃力で遊技球を打ち出す。
[遊技盤30の構成]
遊技盤30は、図2に示すように、外レール31aと内レール31bとによって囲まれる遊技領域31が形成されている。この遊技盤30は、遊技領域31の左部に配置され遊技球の通過を検知するゲートスイッチ32a(図3参照)を有する普通図柄作動ゲート32と、遊技領域31の右下部に配置された図柄表示装置40と、遊技領域31の中央部に配置された演出表示装置34と、演出表示装置34の周囲に配置されたセンター役物50と、センター役物50の下側に配置され遊技球の入球を検知する第1始動口スイッチ36a(図3参照)を有する第1始動口36と、センター役物50の左部に形成され遊技球の入球を検知する第2始動口スイッチ38a(図3参照)を有する第2始動口38と、遊技領域31の右下部に開閉可能に配置され遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ44a(図3参照)を有する大入賞口44(「可変入球口」ともいう)と、遊技領域31の左下部に配置され一般入賞口スイッチ45a(図3参照)を有する一般入賞口45と、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するためのアウト口46と、を備える。センター役物50の上部中央には、装飾モータ93b(図8参照)の駆動によって作動する月の形を模した第1可動役物51(月役物)が設けられ、センター役物50の上部左側には、装飾モータ93c(図8参照)の駆動によって作動する刀の形を模した第2可動役物52(左刀役物)が設けられ、センター役物50の上部右側には、装飾モータ93d(図8参照)の駆動によって作動する刀の形を模した第3可動役物53(右刀役物)が設けられている。なお、刀の形を模した第2可動役物52と第3可動役物53とは、略同じ大きさと形状に形成されており、左右対称の向きとなるよう配置されている。また、遊技盤30には、この他に、遊技領域を流下する遊技球をガイドしたり弾いたりする風車48や図示しない多数の釘が設けられている。
第2始動口38は、普通電動役物として設けられる可変式の入球口であり、翼片部38cと、翼片部38cを作動させる第2始動口ソレノイド38b(図3参照)と、を備える。この第2始動口38は、翼片部38cが直立しているときには遊技球の入球の可能性が比較的低い通常状態となり(図2の点線参照)、翼片部38cが左側に開いているときには遊技球の入球の可能性が通常状態よりも高い開放状態となる(図2の実線参照)。なお、本実施例では、翼片部38cが直立した通常状態においては、第2始動口38への遊技球の入球が不可能となるように構成されている。
大入賞口44は、特別電動役物として設けられる可変式の入球口であり、開閉板44cと、開閉板44cを作動させる大入賞口ソレノイド44b(図3参照)と、を備える。この大入賞口44は、通常は開閉板44cによって塞がれて遊技球を受け入れない閉状態(閉鎖状態)とされており、大当り遊技(特定遊技)のときに、大入賞口ソレノイド44b(図3参照)によって開閉板44cが作動して手前側に開くことで、遊技球を受け入れやすい開状態(開放状態)となる。大入賞口44には、遊技球の入球を検知すると共にその入球数をカウントするための大入賞口スイッチ44a(図3参照)が取り付けられている。本実施例では、大当り遊技の処理として、大入賞口スイッチ44aが遊技球の入球を10個カウントするか10個カウントする前に所定時間(例えば、25秒)が経過するまでを1ラウンドとして大入賞口44を開放し、規定ラウンドまで大入賞口44の開放動作を繰り返す。なお、各ラウンドの間には、所定時間(例えば、2秒間)だけ大入賞口44を閉状態とする。
図柄表示装置40は、図5の構成図に例示するように、普通図柄の変動表示および停止表示が可能な普通図柄表示部(普通図柄表示装置)41と、特別図柄の変動表示および停止表示が可能な特別図柄表示部(特別図柄表示装置)42と、大当り遊技の規定ラウンド数(最大ラウンド数)を示す図柄を表示するラウンド表示部(ラウンド表示装置)43と、を備える。普通図柄表示部41は、発光ダイオード(LED)を用いて構成された左普通図柄表示部41aおよび右普通図柄表示部41bを備える。図5に、普通図柄表示部41の表示態様の一例を示す。普通図柄表示部41は、図示するように、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に消灯した表示態様(上から1段目参照)と、左普通図柄表示部41aが点灯し右普通図柄表示部41bが消灯した表示態様(上から2段目参照)と、左普通図柄表示部41aが消灯し右普通図柄表示部41bが点灯した表示態様(上から3段目参照)と、左普通図柄表示部41aと右普通図柄表示部41bとが共に点灯した表示態様(上から4段目参照)の4通りの表示態様がある。普通図柄表示部41は、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過するのを検知したときに、4通りの表示態様を順次切り替えることにより普通図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、上記表示態様のうちのいずれかの表示態様で普通図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された普通図柄の表示態様が特定の表示態様(例えば、上から4段目に示す表示態様)であるときに、当りとして第2始動口38を一定時間(例えば、0.5秒)に亘って開放する。なお、普通図柄の変動表示中に、遊技球が普通図柄作動ゲート32を通過したときには、普通図柄の変動表示を最大4回まで保留し、現在の変動表示が終了したときに、保留されている変動表示が順次消化される。
特別図柄表示部42は、図4に示すように、7セグメント表示器を用いて構成された第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bとを備えており、各セグメントの点灯と消灯との組み合わせにより複数通りの表示態様(最大128通り)を表現している。特別図柄表示部42は、第1始動口36か第2始動口38のいずれかの入球が検知されたときに、第1特別図柄表示部42aと第2特別図柄表示部42bのうち対応する特別図柄表示部の表示状態を順次切り替えることにより特別図柄を変動表示させ、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、表現可能な表示態様のうちのいずれかの表示態様で特別図柄を停止表示させる。このとき、停止表示された特別図柄の表示態様が特定の表示態様(当り特別図柄)である場合に、大当りとなる。本実施例では、第1特別図柄表示部42aが第1始動口36への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる表示部となっており、第2特別図柄表示部42bが第2始動口38への遊技球の入球に基づき特別図柄を変動表示させる表示部となっている。以下、特に、第1特別図柄表示部42aで表示される特別図柄を第1特別図柄(特図1)とも呼び、第2特別図柄表示部42bで表示される特別図柄を第2特別図柄(特図2)とも呼ぶ。図6に、大当り時における特別図柄表示部42の表示態様の一例を示す。図示するように、第1の通常大当りとなる特別図柄(第1の通常大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける右上,右下,左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける中段の横棒セグメントと右上および左下の縦棒セグメントが点灯する表示態様とがある(上から1段目参照)。また、第1の確変大当りとなる特別図柄(第1の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段の横棒セグメントと左上および左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(上から2段目参照)。また、第2の確変大当りとなる特別図柄(第2の確変大当り図柄)は、第1特別図柄表示部42aにおける上段の横棒セグメントと右下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様と、第2特別図柄表示部42bにおける上段および下段の横棒セグメントと左下の縦棒セグメントとが点灯する表示態様とがある(上から3段目参照)。なお、大当り時における特別図柄の表示態様は、上記態様に限られることはなく、如何なる態様で表示するものとしてもよいし、大当り時における特別図柄の表示態様の種類も1種類に限られず、複数種類用意するものとしてもよい。特別図柄の変動表示中に、遊技球が第1始動口36に入球したときには、第1特別図柄の変動表示を最大4回まで保留し、遊技球が第2始動口38に入球したときには、第2特別図柄の変動表示を最大4回まで保留する。そして、現在の変動表示が終了したときに、保留されている特別図柄の変動表示が順次消化される。なお、後述するが、第1特別図柄の変動表示の保留数は第1保留図柄35aによって表示され、第2特別図柄の変動表示の保留数は第2保留図柄35bによって表示される。
ここで、第1の通常大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率(特図当り確率)を低確率状態に設定し、所定回数(例えば、100回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に普通図柄の当否判定の結果が当りとなる確率(普図当り確率)が低確率状態よりも高くなり且つ普通図柄が当りで停止表示されたときに第2始動口38の開放時間が延長される電サポあり状態を設定する大当り態様(大当り遊技後に低確率電サポあり状態を設定する大当り態様)である。なお、大当り遊技の終了後に所定回数の特別図柄の変動表示が行われると、電サポあり状態が終了し、電サポなし低確率状態となる。また、第1の確変大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数(例えば、16ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、所定回数(例えば、10,000回)の特別図柄の変動表示が行われるまで、特図当り確率が低確率状態よりも高くなる高確率状態に設定し、電サポあり状態を設定する大当り態様(大当り遊技後に高確率電サポあり状態を設定する大当り態様)である。また、第2の確変大当りは、大入賞口44の開放動作が所定ラウンド数よりも少ないラウンド数(例えば、5ラウンド)に亘って繰り返される大当り遊技が行われると共に、大当り遊技の終了後には、第1の確変大当りと同様に、高確率電サポあり状態を設定する大当り態様である。以下、特図当り確率が低確率状態にある遊技状態を特図低確率状態とも呼び、特図当り確率が高確率状態にある遊技状態を特図高確率状態とも呼ぶ。また、普図当り確率が低確率状態にある遊技状態を普図低確率状態とも呼び、普図当り確率が高確率状態にある遊技状態を普図高確率状態とも呼ぶ。さらに、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される遊技状態を時短状態とも呼び、第2始動口38の開放時間が延長される遊技状態を開放延長状態とも呼ぶ。なお、本実施例では、電サポあり状態は、普図高確率状態と時短状態と開放延長状態の3つの状態が全て発生した状態としたが、3つの状態のうちいずれか1つまたは2つが発生した状態としてもよい。
演出表示装置34は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、表示画面上で演出図柄の変動表示やリーチ演出や予告演出などの様々な演出表示が行われる。本実施例の演出表示装置34は、図7に例示する画面構成に示すように、横方向に並んで配置されキャラクタや数字により構成される左,中,右の3つの演出図柄(疑似特別図柄)34L,34M,34Rと、図示しない背景図柄とを有している。この演出表示装置34は、遊技球が第1始動口36に入球した場合と、遊技球が第2始動口38に入球した場合に、3つの演出図柄34L,34M,34Rを変動表示させる。演出図柄34L,34M,34Rは、変動表示が開始されると、それぞれ上から下に向かって高速でスクロールするように変動表示され、変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、左の演出図柄34L,右の演出図柄34R,中の演出図柄34Mの順に停止表示される。このとき、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致しなかったときにはリーチなしの単純な外れとなり、左の演出図柄34Lと右の演出図柄34Rとが一致したときにはリーチとなる。そして、所定のリーチ演出を伴って中の演出図柄34Mが停止したときに、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致しなかったときにはリーチありの外れとなり、中の演出図柄34Mと左右の演出図柄34L,34Rとが一致したときに大当りとなる。また、この演出表示装置34で表示される演出図柄の当否の結果は、基本的には、上述した特別図柄表示部42により表示される特別図柄(第1特別図柄,第2特別図柄)の当否の結果と対応する。
また、演出表示装置34は、本実施例では、表示画面内に第1保留図柄35aと第2保留図柄35bも表示されている。第1保留図柄35aは、第1特別図柄や第2特別図柄のの変動表示中に第1始動口36に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第1特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。第2保留図柄35bも、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中に第2始動口38に遊技球が入球するごとに左側から順に一つずつ表示され、第2特別図柄の変動表示が開始されるごとに始動入球時とは逆の順に消去される。
こうして構成された実施例のパチンコ機10では、第1始動口36が演出表示装置34(センター役物50)の下側に配置されており、大当り遊技でない通常遊技のときに、遊技者は遊技球を遊技領域31の左側(演出表示装置34の左側領域)に流下させるように発射ハンドル18の回転操作(所謂左打ち)を行うことにより、遊技球を第1始動口36に入球させることができる。また、普通図柄作動ゲート32および第2始動口38が演出表示装置34の左側に配置されており、遊技者は左打ちを行うことにより、遊技球を普通図柄作動ゲート32に通過させることができ、普通図柄が当りとなって第2始動口38が開放すると、遊技者は左打ちを継続することにより、遊技球を第2始動口38に入球させることができる。さらに、大入賞口44が遊技領域31の右下部に配置されており、大当り遊技が開始されると、遊技者は発射ハンドル18を最大限右回転させて遊技球を発射させる所謂右打ちを行うことにより、遊技球を遊技領域31の右側(演出表示装置34の右側領域)に流下させて、開状態となった大入賞口44に入球させることができる。
[制御回路の構成]
次に、実施例のパチンコ機10の制御回路の構成について主として図3を参照しながら説明する。パチンコ機10の制御回路は、図3に示すように、遊技の基本的な進行の制御を司る主制御基板70と、賞球や球貸の払い出しに関する制御を司る払出制御基板80と、遊技の進行に伴って行われる各種演出の全体的な制御を司るサブ制御基板90と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板100などの制御基板により構成されている。これらの制御基板は、各種論理演算や算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM,プログラムの実行に際してデータを一時的に記憶するRAM,各種制御に必要な時間を計るタイマ(システムタイマ),周辺機器との間でデータをやり取りするための周辺機器インターフェース(PIO),CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器,CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ,定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマー・サーキット)などの種々の周辺LSIがバスにより相互に接続されている。なお、図3では、各制御基板に搭載された各種デバイスのうち主制御基板70のCPU70a,ROM70b,RAM70cのみを図示し、その他については図示を省略した。また、制御回路の一部をなすサブ制御基板90の構成の概略を示すブロック図を図8に示す。
主制御基板70は、遊技の基本的な進行の制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、第1始動口スイッチ36aからの入球信号や第2始動口スイッチ38aからの入球信号が直接に入力されると共にゲートスイッチ32aからの通過信号や大入賞口スイッチ44aからの入球信号,一般入賞口スイッチ45aからの入球信号などが中継端子板72を介して入力されている。主制御基板70からは、図柄表示装置40の表示制御を司る図柄表示基板40aへの制御信号や第2始動口ソレノイド38bへの駆動信号,大入賞口ソレノイド44bへの駆動信号などが中継端子板72を介して出力されている。また、主制御基板70は、払出制御基板80やサブ制御基板90,発射制御基板100(払出制御基板80を介して通信)と通信しており、各種指令信号(コマンドや駆動信号など)やデータのやり取りを行っている。
払出制御基板80は、賞球や球貸の払い出しに関する制御を行うために必要な信号として、図3に示すように、前面枠11の開放を検知する枠開放スイッチ81からの検知信号が直接に入力され、球貸ボタン24aや返却ボタン24bからの操作信号が球貸表示基板82,中継端子板83を介して入力され、賞球の払い出しを検知する払出前スイッチ84および払出後スイッチ85からの検知信号が中継端子板87を介して入力されている。払出制御基板80からは、賞球の払い出しを行う払出モータ86への駆動信号などが中継端子板87を介して出力されている。また、払出制御基板80は、主制御基板70や発射制御基板100と通信しており、各種指令信号やデータのやり取りを行っている。
サブ制御基板90は、図8に示すように、CPU90aやROM90b,RAM90cなどを備えており、主制御基板70から各種指令信号を受信してその指令に応じた遊技の演出を行う。サブ制御基板90は、演出表示装置34の制御を行う演出表示制御基板91や各種スピーカ28a,28bを駆動するアンプ基板92、前面枠11に設けられた枠ランプ(LEDランプ)93aを発光したりセンター役物50内の第1〜第3可動役物51,52,53をそれぞれ動作させるための装飾モータ93b,93c,93dを駆動したりする装飾駆動基板93、演出ボタン26に設けられ演出ボタン26の操作を検知する演出ボタン操作検知スイッチ27からの操作信号を入力する演出ボタン基板94などが接続されている。
発射制御基板100は、タッチセンサ18aからの検知信号や発射停止スイッチ18bからの操作信号,下受け皿16に遊技球が満タン状態となるのを検知する下受け皿満タンスイッチ102からの検知信号などを入力しており、発射モータ19へ駆動用のパルス信号などを出力している。発射制御基板100は、発射ハンドル18が回転操作されてタッチセンサ18aがオンで発射停止スイッチ18bがオフで下受け皿満タンスイッチ102がオフのときに発射モータ19を駆動して遊技球を発射し、タッチセンサ18aがオフか発射停止スイッチ18bがオンか下受け皿満タンスイッチ102がオンかのいずれかが成立したときに発射モータ19の駆動を停止して遊技球の発射を停止する。また、発射制御基板100は、払出制御基板80を介して主制御基板70と通信しており、タッチセンサ18aからの検知信号などの発射ハンドル18の操作状態に関するデータを払出制御基板80を介して主制御基板70に送信する。
[主制御処理]
次に、こうして構成された実施例のパチンコ機10の動作について説明する。図9は、主制御基板70のCPU70aにより実行される主制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ機10の電源が投入されたときに実行される。主制御処理は、初期化処理などの電源投入に必要な電源投入処理を実行した後(S100)、遊技開始処理(S110)と、普通図柄遊技処理(S120)と、普通図柄当り遊技処理(S130)と、特別図柄遊技処理(S140)と、大当り遊技処理(S150)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、本実施例では、S110〜S150の処理に要する時間は約4msecとなっているため、これらの処理は約4msecの間隔で繰り返し実行されることになる。主制御基板70は、これらの処理の実行に伴って、各種コマンドを担当する制御基板に送信してコマンドに応じた処理を実行させることにより、パチンコ機10の全体の遊技を進行させている。
[遊技開始処理]
S110の遊技開始処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、各種センサ(ゲートスイッチ32aや第1始動口スイッチ36a,第2始動口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)の状態を検出してRAM70cの所定の状態記憶領域に保存したり、各種判定用情報(後述する大当り判定用乱数や大当り図柄決定用乱数,リーチ用乱数,変動パターン決定用乱数、普通図柄当否判定用乱数など)を更新したりする。続いて、遊技球の入球に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ36aや第2始動口スイッチ38a,大入賞口スイッチ44a,一般入賞口スイッチ45aなど)により遊技球が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定すると、払い出すべき賞球数を演算して賞球情報としてRAM70cの所定の賞球情報記憶領域に保存し、賞球情報が値0でないときには賞球数指定コマンド(賞球情報)を払出制御基板80に送信して遊技開始処理を終了する。払出制御基板80は、賞球数指定コマンドを受信すると、払出モータ86を駆動制御して遊技球を1球ずつ払い出すと共に払出前スイッチ84および払出後スイッチ85により払い出した遊技球が検知される度に賞球情報(未払いの遊技球数)を値1ずつデクリメントする賞球払出処理を実行する。この賞球払出処理は、賞球情報が値0となるまで繰り返し実行されるが、遊技球の入球が検知されて主制御基板70から新たな賞球数指定コマンドを受信すると、その賞球情報も値0となるまで処理が繰り返される。遊技開始処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS120の普通図柄遊技処理に進む。
[普通図柄遊技処理]
S120の普通図柄遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、普通図柄の保留が値0でない即ち値1以上あるか否かを判定し、保留が値1以上あるときには保留数を値1だけデクリメントして普通図柄の当否判定を行うと共に当否判定の結果に基づいて停止表示させる普通図柄(図5参照)を決定する。普通図柄の当否判定は、普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過することに基づき取得される普通図柄当否判定用乱数と、普通図柄当り判定テーブルを用いて行われるもので、電サポなし状態にあるときには当り確率の低い(例えば、約0.8%)低確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられ、電サポあり状態にあるときには当り確率の高い(例えば、約99.2%)高確率用の普通図柄当り判定テーブルが用いられる。また、当否判定の結果が当りのときには、当り図柄を停止表示させる図柄に決定し、当否判定の結果が外れのときには、外れ図柄のうちのいずれかを停止表示させる図柄に決定する。そして、普通図柄の変動時間を設定して普通図柄の変動表示を開始し、変動時間が経過するのを待つ。変動時間の設定は、電サポなし状態にあるときには長時間(例えば、30秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには短時間(例えば、1秒)に短縮される。変動時間が経過すると、決定した図柄で普通図柄を停止表示し、停止表示した図柄が当り図柄のときには、第2始動口38の開放時間を設定し、第2始動口38の開放を開始して普通図柄遊技処理を一旦終了し、停止表示した図柄が外れ図柄のときには、何もせずに普通図柄遊技処理を終了する。第2始動口38の開放時間は、電サポなし状態にあるときには短時間(例えば0.5秒)に設定され、電サポあり状態にあるときには長時間(例えば5秒)に延長される。また、第2始動口38の開放は、上述したように、第2始動口ソレノイド38bを駆動制御することによって、翼片部38cを左に開くことにより行う。普通図柄遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS130の普通図柄当り遊技処理に進む。
[普通図柄当り遊技処理]
S130の普通図柄当り遊技処理では、主制御基板70のCPU70aは、第2始動口38が開放を開始してからの経過時間(開放経過時間)が普通図柄遊技処理で設定された設定時間に達しているか否か、規定数(例えば、8個)の遊技球が第2始動口38に入球しているか否かを判定する。開放経過時間が設定時間に達しておらず規定数の遊技球が第2始動口38に入球してもいないと判定すると、第2始動口38の開放を維持したまま普通図柄当り遊技処理を一旦終了する。一方、開放経過時間が設定時間に達していると判定したり、開放経過時間が設定時間に達する前であっても既に規定数の遊技球が第2始動口38に入球していると判定すると、第2始動口ソレノイド38bの駆動を停止して、普通図柄当り遊技処理を終了する。普通図柄当り遊技処理を終了すると、主制御処理に戻って次のS140の特別図柄遊技処理に進む。
[特別図柄遊技処理]
S140の特別図柄遊技処理は、図10〜図12に示すフローチャートに従って実行される。特別図柄遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、第1始動口スイッチ36aからの検知信号を入力して第1始動口36に遊技球が入球したか否かを判定する(S200)。第1始動口36に遊技球が入球したと判定すると、現在の第1特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S202)。第1特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第1特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S204)、判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納する(S206)。ここで、S206で取得される判定用情報としては、第1始動口36への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第1特別図柄表示部42aに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第1特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの情報が例示できる。次に、こうして取得した各種情報に基づき、第1特別図柄の変動表示の開始に先立って、第1特別図柄の変動パターンを事前に取得し(S208)、取得した変動パターンの情報を含む第1特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S210)。なお、変動パターンの取得の詳細は後述する。また、第1特別図柄保留発生時コマンドには、変動パターンの情報以外に、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第1保留図柄35aで表示するための第1特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S200で第1始動口36に遊技球が入賞していないと判定したり、S202で第1特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S204〜S210の処理をスキップして次の処理に進む。
続いて、第2始動口スイッチ38aからの検知信号を入力して第2始動口38に遊技球が入球したか否かを判定する(S212)。第2始動口38に遊技球が入球したと判定すると、現在の第2特別図柄の保留数がその上限値(本実施例では、値4)よりも少ないか否かを判定する(S214)。第2特別図柄の保留数が上限値よりも少ないと判定したときには、第2特別図柄の保留数を値1だけインクリメントすると共に(S216)、判定用情報(取得情報)を取得してRAM70cの所定の判定用情報記憶領域に格納する(S218)。ここで、S218で取得される判定用情報としては、第2始動口38への遊技球の入球に基づいて行われる大当り判定の際に用いられる大当り判定用乱数や、大当り判定の結果が大当りのときに第2特別図柄表示手段42bに停止表示させる大当り図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数,第2特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などの情報が例示できる。次に、こうして取得した各種情報に基づき、第2特別図柄の変動表示の開始に先立って、第2特別図柄の変動パターンを事前に取得し(S220)、取得した変動パターンの情報を含む第2特別図柄保留発生時コマンドをサブ制御基板90に送信する(S222)。なお、第2特別図柄保留発生時コマンドには、変動パターンの情報以外に、保留数を演出表示装置34の表示画面内の第2保留図柄35bで表示するための第2特別図柄の保留数指定コマンドが含まれる。なお、S212で第2始動口38に遊技球が入賞していないと判定したり、S214で第2特別図柄の保留数が上限値に達していると判定すると、S216〜S222の処理をスキップして次のS224の処理に進む。
次に、大当り遊技中であるか否か(S224)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中であるか否か(S226)、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが停止表示時間中であるか否か(S228)をそれぞれ判定する。大当り遊技中と判定すると、これで特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。一方、大当り遊技中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが変動表示中でなく、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもが停止表示時間中でないと判定すると、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数が値0か否かを判定し(S230)、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが値0と判定すると、特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれかが値0でないと判定すると、判定用情報記憶領域(RAM70c)に記憶されている第1特別図柄の判定用情報および第2特別図柄の判定用情報のうち最も古い判定用情報(大当り判定用乱数)を読み出し(S232)、変動表示関連処理を実行して(S234)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。本実施例では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数がいずれも値0でないときには、判定用情報記憶領域に記憶されている第1特別図柄の判定用情報および第2特別図柄の判定用情報のうち最も古いものから順に、即ち、第1始動口36と第2始動口38とのうち遊技球が入球した順に消化する(いわゆる入球順変動)。以下、変動表示関連処理の詳細について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理はいずれも共通の処理が実行されるため、共通のフローチャート(図13のフローチャート)を用いて説明する。
変動表示関連処理では、まず、確変フラグがオンか否か、即ち現在の遊技状態が高確率状態および低確率状態のいずれであるかを判定する(S300)。確変フラグがオフのとき、即ち現在の遊技状態が低確率状態のときにはS232で読み出した大当り判定用乱数と低確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行い(S302)、確変フラグがオンのとき、即ち現在の遊技状態が高確率状態のときには読み出した大当り判定用乱数と高確率用大当り判定テーブルとを用いて大当り判定を行って(S304)、その判定結果が大当りか否かを判定する(S306)。大当り判定テーブルの一例を図14に示す。なお、図14(a)に低確率用大当り判定テーブルを示し、図14(b)に高確率用大当り判定テーブルを示す。低確率用大当り判定テーブルでは大当り判定用乱数が値0〜796のうち値60,61のときに大当りとし(1/398.5の大当り確率)、高確率用大当り判定テーブルでは当り判定用乱数が値0〜796のうち値60〜79のときに大当りとするものとした(1/39.85の大当り確率)。なお、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り判定テーブルが用いられる。
S306で大当り判定の結果が大当りと判定されたときには、判定用情報記憶領域(RAM70c)から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S308)、読み出した大当り図柄決定用乱数に基づいて停止表示させる大当り図柄を選択して決定する(S310)。ここで、第1特別図柄の大当り図柄の決定には、図15に例示する第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルが用いられ、第2特別図柄の大当り図柄の決定には、図16に例示する第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルが用いられる。
第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルでは、図15に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜101のときに図6の左側1段目の図柄が選択されて「第1の通常大当り」となり(約40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値102〜203のときに図6の左側2段目の図柄が選択されて「第1の確変大当り」となり(約40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値204〜255のときに図6の左側3段目の図柄が選択されて「第2の確変大当り」となる(約20%の出現確率)。また、第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルでは、図16に示すように、大当り図柄決定用乱数が値0〜255のうち値0〜101のときに図6の右側1段目の図柄が選択されて「第1の通常大当り」となり(約40%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値102〜229のときに図6の右側2段目の図柄が選択されて「第1の確変大当り」となり(約50%の出現確率)、大当り図柄決定用乱数が値230〜255のときに図6の右側3段目の図柄が選択されて「第2の確変大当り」となる(約10%の出現確率)。このように、第2特別図柄の大当り図柄決定テーブルは、第1特別図柄の大当り図柄決定テーブルに比べて、「第1の確変大当り」の出現確率が高く、「第2の確変大当り」の出現確率が低くなっている。このため、第2特別図柄に係る遊技の方が、第1特別図柄に係る遊技よりも、大当り遊技で獲得可能な賞球の期待値が大きく、遊技者に有利な大当り遊技が行われるものといえるから、遊技者に有利に遊技が進行することになる。
また、S306で大当り判定の結果が大当りでないと判定すると、外れであるから、外れ図柄を決定する(S312)。なお、外れ図柄は、詳細な説明は省略するが、例えば、大当り図柄決定用乱数と図示しない外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することができる。勿論、大当り図柄決定用乱数とは別に外れ図柄決定用乱数を取得するものとすれば、この外れ図柄決定用乱数と外れ図柄決定用テーブルとを用いて設定することもできる。
こうして停止図柄を決定すると、変動パターンテーブルを設定するための変動パターンテーブル設定処理を実行する(S314)。この変動パターンテーブル設定処理は、変動表示関連処理のS302,S304における大当り判定の結果が大当りのときには図17に示す大当り変動パターンテーブルを設定し、大当りではなく外れのときには、変動短縮フラグがオフであれば、図18に示す電サポなし状態用外れ変動パターンテーブルを設定し、変動短縮フラグがオフでなくオンであれば、図19に示す電サポあり状態用外れ変動パターンテーブルを設定することにより行われる。
図17〜図19に示すように、各変動パターンテーブルには、保留数および変動パターン決定用乱数の値0〜255に対応付けて各種の変動パターン(変動時間)が規定されており、特別図柄を変動表示させる際には、これらの変動パターンテーブルを用いて一の変動パターンが選択される。前述した図10の特別図柄遊技処理のS208,S220でも、同様の処理で選択した一の変動パターンを取得することになる。なお、各変動パターンテーブルは、便宜上、少数のパターンを記憶したテーブルを示しているが、実際には、より多数のパターン(例えば、20種類以上のパターン)を記憶したテーブルが用いられる。また、本実施例では、各変動パターンテーブルにて変動時間が65秒のスーパーリーチBを発生させる変動パターンP06が選択されると、選択された変動パターンP06に基づいて特別図柄を変動表示させる(保留を消化させる)際に、月の形を模した第1可動役物51(月役物)を作動させるリーチ演出(月リーチ)を伴う第1特定演出を実行する。また、各変動パターンテーブルにて変動時間が68秒のスーパーリーチCを発生させる変動パターンP07が選択されると、選択された変動パターンP07に基づいて特別図柄を変動表示させる際に、刀の形を模した第2可動役物52(左刀役物)と第3可動役物53(右刀役物)とを作動させるリーチ演出(刀リーチ)を伴う第2特定演出を実行する。このため、第1特定演出が実行される変動パターンP06を第1特定変動パターン、第2特定演出が実行される変動パターンP07を第2特定変動パターンと称し、変動パターンP06,P07をまとめて特定変動パターンと称する。
こうして変動パターンテーブルを設定すると、変動パターン決定用乱数を読み出し(S316)、読み出した変動パターン決定用乱数と設定した変動パターンテーブルとを用いて変動パターンを設定する(S318)。そして、特別図柄の変動表示を開始すると共に(S320)、特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし(S322)、保留消化時コマンドと図柄変動開始時コマンドをサブ制御基板90に送信して(S324)、変動表示関連処理を終了する。S320〜S324の処理は、現在の変動表示関連処理の対象が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄の変動表示を開始すると共に、第1特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第1特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。一方、現在の変動表示関連処理の対象が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特別図柄の保留数を値1だけデクリメントし、保留消化時コマンドとして第2特別図柄の保留消化時コマンドを送信する処理となる。また、S324で送信する図柄変動開始時コマンドには、大当り判定の結果が大当りのときには大当り変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と大当り停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれ、大当り判定の結果が外れのときには外れ変動パターンおよびそのパターンにおける変動時間(変動パターン指定コマンド)と外れ停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)とが含まれている。図柄変動開始時コマンドを受信したサブ制御基板90は、コマンドを解析し、その解析結果に基づいて演出表示装置34の画面上で行う演出内容を決定し、その決定に応じた制御信号(演出コマンド)を演出表示制御基板91に出力して演出表示装置34の制御を行う。なお、特別図柄の変動表示が開始されると、その変動表示に係る判定用情報(保留情報)が判定用情報記憶領域からクリアされる。
図10〜図12の特別図柄遊技処理に戻って、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後に特別図柄遊技処理が実行されると、S226で第1特別図柄および第2特別図柄のいずれかが変動表示中と判定するため、主制御基板70のCPU70aは、変動時間が経過したか否かを判定する(S236)。変動時間は特別図柄の変動パターンに応じて決定されるから、変動時間が経過したか否かは、特別図柄の変動表示が開始されてからの経過時間と、変動パターンに対応する変動時間とを比較することにより行うことができる。変動時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動時間が経過していると判定すると、変動中の特別図柄の変動表示を停止し(S238)、図柄停止コマンドをサブ制御基板90に送信する(S240)。この図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板90(演出表示制御基板91)は、演出表示装置34での図柄変動演出を終了させる。そして、停止表示時間を設定し(S242)、停止表示時間が経過したか否かを判定する(S244)。ここで、停止表示時間は、特別図柄の変動表示を停止してから次に変動表示を開始するまでのインターバルであり、例えば0.6秒に設定される。停止表示時間が経過していないと判定すると、特別図柄遊技処理を一旦終了する。特別図柄の停止表示がなされた後に、特別図柄遊技処理が実行されると、S228で停止表示時間中と判定するため、再びS244で停止表示時間が経過したか否かを判定し、停止表示時間が経過していると判定すると、停止表示している特別図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S246)。
S246で大当り図柄と判定すると、大当り遊技フラグをオンとすると共に(S248)、大当り遊技開始指定コマンドをサブ制御基板90に送信する(S250)。これにより、サブ制御基板90によって、後述する大当り遊技演出処理で大当り遊技開始演出などが実行されることになる。また、大当り遊技中には確変機能や変動時間短縮機能,開放延長機能を停止させるために、確変フラグがオンのときには確変フラグをオフとし(S252,S254)、変動短縮フラグがオンのときには変動短縮フラグをオフとすると共に開放延長フラグをオフとして(S256〜S260)、特別図柄遊技処理を終了し、主制御処理に戻って次のS150の大当り遊技処理に進む。
一方、S246で大当り図柄でないと判定すると、確変フラグがオンか否かを判定し(S262)、確変フラグがオンでないと判定すると、次のS272の処理に進む。確変フラグがオンであると判定すると、確変カウンタを値1だけデクリメントして(S264)、確変カウンタが値0であるか否かを判定する(S266)。ここで、確変カウンタは、高確率状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際してその値がセットされる。確変カウンタが値0でないと判定すると、高確率状態を維持したまま次のS272の処理に進み、確変カウンタが値0であると判定すると、確変フラグをオフとすると共に(S268)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S270)、次のS272の処理に進む。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、高確率状態から低確率状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す確変フラグの設定状況などが含まれる。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面などの表示を高確率状態用から低確率状態用に変更する等の処理を行う。
次に、変動短縮フラグがオンであるか否かを判定し(S272)、変動短縮フラグがオンでないときにはそのまま特別図柄遊技処理を一旦終了する。変動短縮フラグがオンのときには変動短縮カウンタを値1だけデクリメントし(S274)、変動短縮カウンタが値0であるか否かを判定する(S276)。ここで、変動短縮カウンタは、変動時間短縮機能(特別図柄および普通図柄の変動短縮)の作動状態を維持する特別図柄の変動回数の上限値を示すものであり、大当り遊技の終了に際して大当り態様に応じた値がセットされる。変動短縮カウンタが値0でないときには、電サポあり状態を維持したまま特別図柄遊技処理を一旦終了し、変動短縮カウンタが値0のときには、電サポあり状態を終了させるために、変動短縮フラグをオフとすると共に(S278)、開放延長フラグをオフとし(S280)、遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S282)、特別図柄遊技処理を一旦終了する。これにより、パチンコ機10の遊技状態は、電サポあり状態から電サポなし状態に変更されることになる。なお、遊技状態指定コマンドには、パチンコ機10の現在の遊技状態を示す変動短縮フラグや開放延長フラグの設定状況などが含まれる。遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面などの表示を電サポあり状態用から電サポなし状態用に変更する等の処理を行う。なお、S266の判定は低確率状態か高確率状態かに拘わらず実行され、S276の判定は電サポなし状態か電サポあり状態かに拘わらず実行されるが、第1の確変大当りや第2の確変大当りでは、大当り終了後に、確変カウンタや変動短縮カウンタに10,000回が設定されるため、これらの確変大当りの場合に、確変カウンタや変動短縮カウンタが値0となることは通常あり得ず、次回に大当りを引くまで高確率状態や電サポあり状態が終了することはない。
[大当り遊技処理]
S150の大当り遊技処理は、図20に示すフローチャートに従って実行される。図20の大当り遊技処理が実行されると、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグがオンであるか否か、即ち大当り遊技中であるか否かを判定する(S400)。大当り遊技フラグがオフであると判定すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。一方、大当り遊技フラグがオンであると判定すると、大入賞口44が開放中であるか否かを判定し(S402)、大入賞口44が閉鎖中である(開放中でない)と判定すると、大入賞口44の開放タイミングであるか否かを判定する(S404)。この判定は、規定の閉鎖時間(本実施例では、2秒)が経過したか否かを判定することにより行われる。大入賞口44の開放タイミングであると判定すると、大入賞口44が開放されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御して(S406)、大当り遊技処理を一旦終了する。一方、S404で大入賞口44の開放タイミングでないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。
一方、S402で大入賞口44が開放中であると判定すると、大入賞口44の閉鎖タイミングか否かを判定する(S408)。この判定は、規定の開放時間(本実施例では、25秒)が経過したか、大入賞口44に入球した遊技球の数が規定数(本実施例では、10個)に達したかのいずれかの成立を判定することにより行われる。大入賞口44の閉鎖タイミングでないと判定すると、大入賞口44の開放を維持したまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大入賞口44の閉鎖タイミングであると判定すると、大入賞口44が閉鎖されるよう大入賞口ソレノイド44bを駆動制御し(S410)、大当り遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S412)。この判定は、大入賞口44が規定ラウンド数通りに開放されたか否かを判定することにより行われる。なお、規定ラウンド数は、第1の通常大当りや第1の確変大当りでは16ラウンドとなり、第2の確変大当りでは5ラウンドとなる。S412で大当り遊技の終了条件が成立していないと判定すると、そのまま大当り遊技処理を一旦終了する。一方、大当り遊技の終了条件が成立したと判定すると、図21に例示する大当り遊技終了時処理を実行して(S414)、大当り遊技処理を終了する。
図21の大当り遊技終了時処理では、主制御基板70のCPU70aは、まず、大当り遊技フラグをオンからオフとし(S450)、今回の大当りが確変大当り(第1の確変大当りまたは第2の確変大当り)であるか否かを判定する(S452)。今回の大当りが確変大当りでなく、通常大当りであると判定すると、確変フラグはオフのまま維持して、変動短縮カウンタを100回に設定し(S454)、確変大当りであると判定すると、確変カウンタを10,000回に設定して確変フラグをオンとすると共に(S456,S458)、変動短縮カウンタを10,000回に設定する(S460)。なお、前述したように、確変カウンタと変動短縮カウンタとが10,000回に設定されると、実質的には、次回の大当りを引くまで高確率状態と電サポあり状態とが継続される。こうして変動短縮カウンタをセットすると、変動短縮フラグと開放延長フラグとをオンとし(S462,S464)、大当り遊技終了指定コマンドと遊技状態指定コマンドをサブ制御基板90に送信して(S466)、大当り遊技終了時処理を終了する。また、遊技状態指定コマンドを受信したサブ制御基板90は、例えば、演出表示制御基板91に遊技状態を示す演出コマンドを送信して演出表示装置34の背景画面をそのときの遊技状態に応じた背景に設定する処理等を行う。
次に、サブ制御基板90により実行される処理について説明する。図22は、サブ制御基板90のCPU90aにより実行される演出制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御処理は、演出モード設定処理(S500)と、保留発生時演出処理(S510)と、保留消化時演出処理(S520)と、図柄変動演出処理(S530)と、大当り遊技演出処理(S540)とを繰り返し実行することにより行われる。なお、S540の大当り遊技演出処理は、図12の特別図柄遊技処理のS250の処理で主制御基板70により送信される大当り遊技開始指定コマンドを受信したときに、演出表示装置34に大当りファンファーレ画面を表示して大当り遊技開始演出を実行したり、図21の大当り遊技終了時処理のS466の処理で主制御基板70により送信される大当り遊技終了指定コマンドを受信したときに、演出表示装置34に大当りエンディング画面を表示して大当り遊技終了演出を実行したりすることにより行われる。
[演出モード設定処理]
S500の演出モード設定処理は、図23に示すフローチャートに従って実行される。本実施例では、演出モードとして2つの演出モードA,Bを有しており、演出モードA,Bを選択的に設定可能となっている。この2つの演出モードA,Bは、大当り遊技演出以外の各演出処理の一部が異なる。なお、電源投入時などの初期状態(デフォルト設定)では、演出モードAが設定されている。
演出モード設定処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数のいずれもが値0である保留数0の状態であるか否か(S600)、その保留数0の状態が所定時間継続しているか否か(S602)、をそれぞれ判定する。後述するように、S510の保留発生時演出処理では保留発生時に保留情報をRAM90cに記憶し、S520の保留消化時演出処理では保留消化時にRAM90cに記憶している保留情報を消去する。このため、S600の保留数0の状態であるか否かの判定は、RAM90cに記憶している保留情報の有無に基づいて行われる。また、保留数0の状態になってからの時間を計測し、その計測時間が所定時間になると、S602で保留数0の状態が所定時間継続していると判定する。S600で保留数0の状態でないと判定したり、S602で保留数0の状態が所定時間継続していないと判定すると、そのまま演出モード設定処理を終了する。
一方、S602で保留数0の状態が所定時間継続していると判定すると、現在の演出モードが演出モードAであるか否かを判定し(S604)、演出モードAと判定すると、演出モードBを設定(演出モードBに変更)して(S606)、演出モード設定処理を終了する。また、現在の演出モードが演出モードBと判定すると、演出モードAを設定(演出モードAに変更)して(S608)、演出モード設定処理を終了する。このように、本実施例では、保留数0の状態が所定時間継続する度に演出モードA,Bを交互に設定するのである。以下、演出モードAの各処理を説明してから演出モードBの各処理を説明する。
[演出モードAの保留発生時演出処理]
演出モードAのS510の保留発生時演出処理は、図24に示すフローチャートに従って実行される。保留発生時演出処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図10の特別図柄遊技処理のS210,S222の処理で主制御基板70により送信される保留発生時コマンド(特図1保留発生時コマンド,特図2保留発生時コマンド)を受信したか否かを判定する(S700)。保留発生時コマンドを受信していないと判定すると、そのまま保留発生時演出処理を終了し、保留発生時コマンドを受信したと判定すると、保留情報をRAM90cに記憶して、演出表示装置34の表示画面に保留図柄を1つ追加表示する(S702)。S702の処理は、第1特別図柄保留発生時コマンドを受信した場合には第1保留図柄35aを1つ追加表示する処理となり、第2特別図柄保留発生時コマンドを受信した場合には第2保留図柄35bを1つ追加表示する処理となる。この処理は、保留図柄の追加表示を指示するコマンドを演出表示制御基板91に送信することによって行う。なお、RAM90cに記憶される保留情報には、保留発生時コマンドに含まれる変動パターンの情報や保留数の情報の他、後述する処理で設定される予告演出対象保留である旨の情報などが含まれる。
次に、保留発生時コマンドに含まれる変動パターン情報に基づいて今回発生した保留が特定演出の実行対象である特定演出対象保留であるか(変動パターンP06,07のいずれかであるか)否かを判定する(S704)。なお、前述したように、第1特定変動パターンP06では、第1可動役物51(月役物)を作動させるリーチ演出(月リーチ)を伴う第1特定演出が行われ、第2特定変動パターンP07では、第2,第3可動役物52,53(刀役物)を作動させるリーチ演出(刀リーチ)を伴う第2特定演出が行われる。S704で特定演出対象保留でないと判定すると、保留発生時演出処理を終了し、特定演出対象保留であると判定すると、特定演出が実行されることを予告報知する予告演出(報知演出ともいう)を行うか否かを抽選により決定する予告演出抽選処理を行う(S706)。そして、予告演出抽選処理に当選したか否かを判定し(S708)、当選でなく外れたと判定すると、保留発生時演出処理を終了し、当選したと判定すると、今回発生した特定演出対象保留を予告演出対象保留(予告対象取得情報)に設定する(S710)。このため、特定演出対象保留でも、抽選に外れると、予告演出対象保留に設定されないことになる。
こうして予告演出対象保留を設定すると、その予告演出対象保留が第1特定演出を行う保留であるか否か(第1特定変動パターンP06であるか否か)を判定する(S712)。第1特定演出を行う保留であると判定すると、消化順が先の保留(今回発生した特定演出対象保留よりも先に特別図柄の変動表示を行う保留)で、第1特定演出の実行を予告する第1予告演出(第1報知演出ともいう)を実行中であるか否かを判定し(S714)、先の保留で第1予告演出を実行中でないと判定すると、第1特定演出で作動する第1可動役物51を示す月図柄を演出表示装置34に表示することにより第1予告演出を実行し(S716)、第1特定演出制限フラグをオンとして(S718)、保留発生時演出処理を終了する。
一方、S712で第1特定演出ではなく第2特定演出を行う保留であると判定すると、第2特定演出の実行を予告する第2予告演出(第2報知演出ともいう)を消化順が先の保留で実行中であるか否かを判定し(S720)、先の保留で第2予告演出を実行中でないと判定すると、第2特定演出で作動する第2,第3可動役物52,53を示す刀図柄を演出表示装置34に表示することにより第2予告演出を実行し(S722)、第2特定演出制限フラグをオンとして(S724)、保留発生時演出処理を終了する。なお、第1特定演出制限フラグは、後述する処理で第1特定演出の実行を制限(抑制)するためのフラグであり、第2特定演出制限フラグは、後述する処理で第2特定演出の実行を制限(抑制)するためのフラグである。また、本実施例では、同じ特定演出の実行を予告する同じ予告演出が同時期に行われることがないようにするため、S714で先の保留で第1予告演出を実行中と判定すると保留発生時演出処理を終了し、S720で先の保留で第2予告演出を実行中と判定すると保留発生時演出処理を終了する。このように、本実施例では、特定演出対象保留でも、抽選に外れると予告演出を実行せず、抽選に当選して予告演出対象保留に設定されても消化順が先の保留で同じ予告演出を実行中であると予告演出を実行しないのである。このため、特定演出対象保留でも、抽選に外れた場合と、先の保留で同じ予告演出を実行中の場合には、予告演出を実行せずに特定演出を実行することがある。
ここで、図25は、演出モードAで実行される予告演出の様子を示す説明図である。なお、図25では、左から3つ目の第1保留図柄35aを新たに追加表示し、その保留が予告演出対象保留(特定演出対象保留)である場合を示す。図25(a)は、追加表示した保留図柄の上方に月図柄を表示することで第1予告演出が実行される様子を示す。また、図25(b)は、追加表示した保留図柄の上方に刀図柄を表示することで第2予告演出が実行される様子を示す。このように、演出モードAの予告演出は、特定演出で作動する可動役物の図柄を、予告演出対象保留の保留図柄に対応付けて表示するのである。したがって、予告演出を見た遊技者は、左から3つ目の保留(予告演出対象保留)に基づいて特別図柄の変動表示が行われるとき(保留が消化されるとき)に、特定演出が実行されることを認識することになる。
[演出モードAの保留消化時演出処理]
演出モードAのS520の保留消化時演出処理は、図26に示すフローチャートに従って実行される。保留消化時演出処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図13の変動表示関連処理のS324の処理で主制御基板70により送信される保留消化時コマンドを受信したか否かを判定する(S750)。保留消化時コマンドを受信していないと判定すると、そのまま保留消化時演出処理を終了し、保留消化時コマンドを受信したと判定すると、RAM90cに記憶されている消化対象の保留情報を消去して、消化対象の保留図柄の表示を消去する(S752)。S752の処理は、保留消化時コマンドとして第1特別図柄の保留消化時コマンドを受信した場合には左端の第1保留図柄35aを消去すると共に残りの第1保留図柄35aを左側に1つずつシフトする処理となり、保留消化時コマンドとして第2特別図柄の保留消化時コマンドを受信した場合には左端の第2保留図柄35bを消去すると共に残りの第2保留図柄35bを左側に1つずつシフトする処理となる。これらの処理は、保留図柄の消去を指示するコマンドを演出表示制御基板91に送信することによって行う。
次に、消化対象の保留(当該保留)で予告演出を実行中であるか否かを判定し(S754)、予告演出を実行中でないと判定すると、保留消化時演出処理を終了し、予告演出を実行中であると判定すると、その予告演出が第1予告演出であるか否かを判定する(S756)。第1予告演出であると判定すると、月図柄を消去することにより実行中の第1予告演出を終了すると共に(S758)、第1特定演出制限フラグをオフとして(S760)、保留消化時演出処理を終了する。一方、第1予告演出ではなく第2予告演出であると判定すると、刀図柄を消去することにより実行中の第2予告演出を終了すると共に(S762)、第2特定演出制限フラグをオフとして(S764)、保留消化時演出処理を終了する。このように、予告演出は、基本的には、予告演出対象保留の消化時まで行われるものである。なお、S760で第1特定演出制限フラグをオフとすると、第1特定演出の実行制限が解除され、S764で第2特定演出制限フラグをオフとすると、第2特定演出の実行制限が解除される。
[演出モードAの図柄変動演出処理]
演出モードAのS530の図柄変動演出処理は、図27に示すフローチャートに従って実行される。図柄変動演出処理が実行されると、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、図13の変動表示関連処理のS324の処理で主制御基板70により送信される図柄変動開始時コマンドを受信したか否かを判定する(S800)。図柄変動開始時コマンドを受信したと判定すると、その受信したコマンドに基づき演出図柄の停止図柄を設定すると共に(S802)、演出パターンを選択する(S804)。ここで、図柄変動開始時コマンドには特別図柄の停止図柄(特別図柄停止情報指定コマンド)が含まれているから、演出図柄の停止図柄の設定は、ROM90bに予め記憶されている演出図柄の停止図柄のうち、受信した特別図柄停止情報指定コマンドに対応する停止図柄を読み出すことにより行うことができる。また、図柄変動開始時コマンドには特別図柄の変動パターン(変動パターン指定コマンド)が含まれているから、演出パターンの選択は、ROM90bに予め記憶されている演出パターンテーブルが有する演出パターンのうち、受信した変動パターン指定コマンドに対応する演出パターンを読み出すことにより行うことができる。なお、第1特定変動パターンP06には第1特定演出パターンが対応し、第2特定変動パターンP07には第2特定演出パターンが対応し、それらをまとめて特定演出パターンと称する。演出パターンを選択すると、選択した演出パターンが特定演出パターンであるか否かを判定し(S806)、特定演出パターンでないと判定すると、選択した演出パターンをそのまま実行演出パターンに設定し(S808)、特定演出パターンであると判定すると、図28に示す特定演出パターン設定処理を実行する(S810)。
図28の特定演出パターン設定処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、S804の処理で第1特定演出パターンを選択したか否かを判定し(S830)、第1特定演出パターンを選択したと判定すると、第1特定演出制限フラグがオンであるか否かを判定する(S832)。前述したように、第1特定演出制限フラグは、保留発生時演出処理で第1予告演出を実行するときにオンとされ、保留消化時演出処理で第1予告演出を終了するときにオフとされる。このため、第1予告演出を実行していた予告演出対象保留の図柄変動演出を開始するときには、第1特定演出制限フラグがオフされていることになる。一方、第1特定演出対象の保留でも第1予告演出を実行しない場合があるから、第1予告演出対象保留よりも先に消化される保留で、第1特定演出パターンが選択される場合がある。その場合、第1特定演出制限フラグがオンの状態で、第1特定演出パターンが選択される。
S832で第1特定演出制限フラグがオフであると判定すると、第1特定演出パターンを実行演出パターンに設定する(S834)。また、第1特定演出制限フラグがオンであると判定すると、図柄変動開始時コマンドに含まれる特別図柄停止情報指定コマンドに基づいて、今回消化される保留の当否判定結果が大当りであるか否かを判定し(S836)、大当りでないと判定すると、第1差替演出パターンを実行演出パターンに設定し(S838)、大当りであると判定すると、第1特定演出パターンを実行演出パターンに設定する(S834)。このように、第1特定演出制限フラグがオンの場合には、第1特定演出パターンに代えて第1差替演出パターンを実行演出パターンに設定し、第1特定演出制限フラグがオフの場合あるいは第1特定演出制限フラグがオンであっても大当りの場合には、第1特定演出パターンを実行演出パターンに設定するのである。
一方、S830で第1特定演出パターンではなく第2特定演出パターンが選択されたと判定すると、第2特定演出制限フラグがオフであるか否かを判定する(S840)。ここで、第2特定演出制限フラグも、保留発生時演出処理で第2予告演出を実行するときオンとされ、保留消化時演出処理で第2予告演出を終了するときにオフとされる。このため、第2予告演出を実行していた予告演出対象保留の図柄変動演出を開始するときには、第2特定演出制限フラグがオフされていることになる。一方、第2特定演出対象の保留でも第2予告演出を実行しない場合があるから、第2予告演出対象保留よりも先に消化される保留で、第2特定演出パターンが選択される場合がある。その場合、第2特定演出制限フラグがオンの状態で、第2特定演出パターンが選択される。
S840で第2特定演出制限フラグがオフであると判定すると、第2特定演出パターンを実行演出パターンに設定する(S842)。また、第2特定演出制限フラグがオンであると判定すると、特別図柄停止情報指定コマンドに基づいて今回消化される保留の当否判定結果が大当りであるか否かを判定し(S844)、大当りでないと判定すると、第2差替演出パターンを実行演出パターンに設定し(S846)、大当りであると判定すると、第2特定演出パターンを実行演出パターンに設定する(S842)。このように、第2特定演出制限フラグがオンの場合には、第2特定演出パターンに代えて第2差替演出パターンを実行演出パターンに設定し、第2特定演出制限フラグがオフの場合あるいは第2特定演出制限フラグがオンであっても大当りの場合には、第2特定演出パターンを実行演出パターンに設定するのである。
ここで、図29は、特定演出パターンと差替演出パターンの演出内容を示す説明図である。図示するように、第1特定演出パターンでは、演出中に第1可動役物51(月役物)が作動し、第1差替演出パターンでは、各可動役物の作動はなく、演出中に第1可動役物51の作動に代えて所定のキャラクタが出現する。また、第2特定演出パターンでは、演出中に第2,第3可動役物52,53が作動し、第2差替演出パターンでは、各可動役物の作動はなく、演出中に第2,第3可動役物52,53の作動に代えて所定のキャラクタが出現する。
こうして実行演出パターンを設定すると、実行演出パターンに基づいて図柄変動演出を開始する(S812)。この処理は、演出図柄の停止図柄と演出パターンとに基づく図柄変動演出の開始を指示する演出コマンド(図柄変動演出開始コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行われる。
S800で図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定した場合またはS812で図柄変動演出を開始した場合には、図11の特別図柄遊技処理のS240の処理で主制御基板70により送信される図柄停止コマンドを受信したか否かを判定する(S814)。図柄停止コマンドを受信したと判定すると、演出表示装置34での図柄変動演出を終了する(S816)。この処理は、図柄変動演出の終了を指示する演出コマンド(図柄変動演出終了コマンド)を演出表示制御基板91に送信することによって行われる。なお、S814で図柄停止コマンドを受信していないと判定すると、S816の処理をスキップして図柄変動演出処理を終了する。
図30は、第2特定演出パターンで図柄変動演出が実行される様子を示す説明図であり、図31は、第2差替演出パターンで図柄変動演出が実行される様子を示す説明図である。図30では、左側から1つ目の第1保留図柄35aが第2予告演出対象保留(第2特定演出対象保留)である(図30(a)参照)。また、図31では、左側から1つ目の第1保留図柄35aが第2特定演出対象保留であるが第2予告演出対象保留ではなく、左側から3つ目の第1保留図柄35aが第2予告演出対象保留(第2特定演出対象保留)である(図31(a)参照)。図30では、変動表示が開始されるときに保留図柄35aを1つ消去すると共に第2予告演出の実行を終了し(図30(b)参照)、変動表示中の第1の所定タイミングで第2可動役物52(左刀役物)が作動して左の演出図柄34Lを停止表示させ(図30(c)参照)、第2の所定タイミングで第3可動役物53(右刀役物)が作動して右の演出図柄34Rを停止表示させる(図30(d)参照)。そして、演出表示装置34の演出画面の左上隅で演出図柄34Mを変動表示しながら演出画面の中央でスーパーリーチ演出を行い(図30(e)参照)、第3の所定タイミングで第2可動役物52と第3可動役物53とが共に作動して中の演出図柄34Mを停止表示させて(図30(f)参照)、図柄変動演出が終了する。
一方、図31では、変動表示が開始されるときに保留図柄35aを1つ消去するが、第2予告演出は実行したままとなる(図31(b)参照)。そして、変動表示中の第1の所定タイミングで所定のキャラクタ(ここでは猫のキャラクタ)が出現して左の演出図柄34Lを停止表示させ(図31(c)参照)、第2の所定タイミングで所定のキャラクタが出現して右の演出図柄34Rを停止表示させる(図31(d)参照)。続いて、図30(e)と同様に演出を進行させて(図31(e)参照)、第3の所定タイミングで所定のキャラクタが出現して中の演出図柄34Mを停止表示させて(図31(f)参照)、図柄変動演出が終了する。
演出モードAでは、特定演出実行対象保留に対応付けて予告演出が実行されるため、遊技者が、どの保留で特定演出が実行されるかを認識することになる。一方で、特定演出対象保留であっても、予告演出を実行しない場合があるため、特定演出の実行を遊技者が認識していない保留が消化されるときに特定演出が実行される場合が生じうることになる。そうなると、遊技者の意図しないタイミングで特定演出が実行されて、遊技者が戸惑う(混乱する)ことがあり、予告演出の信頼性も損なわれる。したがって、本実施例の演出モードAでは、予告演出対象保留で予告演出が実行されている場合には特定演出制限フラグをオンとすることで、予告演出対象保留よりも先に消化される保留で特定演出の実行を制限する(差替演出を実行する)のである。これにより、遊技者の意図しないタイミングで特定演出が実行されるのを抑制し、特定演出と予告演出との整合が取れないことによる無用な戸惑い(混乱)を避けると共に予告演出を信頼性のある演出とするのである。なお、差替演出は、単に可動役物を作動させなくするのではなく、可動役物の作動タイミングに合わせてキャラクタを出現させる演出を行うから、特定演出の実行を制限しても遊技興趣が大きく低下するのを抑制することができる。
続いて、予告演出を実行中の保留と特定演出が制限される保留との関係について説明する。図32には、第1予告演出を実行中に特定演出が制限される保留を示す。図32(a)に示すように、消化順が3番目の保留で第1予告演出を実行中の場合、先に消化される消化順が1番目と2番目の保留で第1特定演出の実行が制限される。ただし、図32(b)に示すように、先に消化される保留の当否判定結果が大当り(当り)であれば、第1特定演出の実行は制限されない(図28のS836,S844参照)。これは、大当りの場合、特定演出を制限して遊技者の戸惑いを避けるよりも、特定演出を実行して遊技者に大当り発生の期待感を高めてから大当たり遊技を開始する方が、遊技興趣を盛り上げることができてメリットが大きいためである。また、大当りが発生した場合には、図柄変動演出が終了すると大当り遊技演出が実行されるため、遊技者は大当り遊技演出に注目することになり、特定演出と予告演出との整合が取れないことによる戸惑いをそれほど感じないと考えられるためである。
また、図33には、第1予告演出と第2予告演出とを実行中に特定演出が制限される保留を示す。図33(a)に示すように、消化順が3番目の保留で第1予告演出を実行中で、消化順が4番目の保留で第2予告演出を実行中である場合、消化順が1番目と2番目の保留は、第1特定演出の実行と第2特定演出の実行とがいずれも制限される。また、図33(b)に示すように、消化順が2番目の保留で第1予告演出を実行中で、消化順が4番目の保留で第2予告演出を実行中である場合、消化順が1番目の保留は、第1特定演出の実行と第2特定演出の実行とがいずれも制限され、消化順が3番目の保留は、第2特定演出の実行が制限されることになる。このように、第1予告演出を実行中の保留と第2予告演出を実行中の保留とがある場合には、第1予告演出を実行中の保留よりも先に消化される保留で第1特定演出を制限し、第2予告演出を実行中の保留よりも先に消化される保留で第2特定演出を制限することにより、実行中の予告演出にそれぞれ対応する特定演出の実行を制限するのである。言い換えると、第1予告演出だけを実行中には第2特定演出を制限せず、第2予告演出だけを実行中には第1特定演出を制限しないことになる。このため、特定演出が必要以上に制限されて遊技興趣が低下するのを防止することができる。
[演出モードBの保留発生時演出処理]
演出モードBのS510の保留発生時演出処理は、図34に示すフローチャートに従って実行される。なお、演出モードBの各フローチャートでは、演出モードAの各フローチャートと同じ処理には同じステップ番号を付して、その説明は省略する。演出モードBの保留発生時演出処理では、S712で予告演出対象保留が第1特定演出を行う保留であると判定すると、消化順が先の保留に第1再実行フラグがオンの保留があるか否かを判定する(S713)。第1再実行フラグは、後述する処理で、実行中の第1予告演出を強制終了した予告演出対象保留に対し、1回の変動表示を空けて第1予告演出を再実行する場合にオンとするものである。第1再実行フラグがオンの保留があると判定すると、そのまま保留発生時処理を終了する。第1再実行フラグがオンの保留がないと判定して、続くS714で先の保留で第1予告演出を実行中でないと判定すると、第1可動役物51(月役物)を作動させる第1特定演出を行う保留があることを示す第1予告演出を実行して(S716a)、保留発生時演出処理を終了する。なお、演出モードBでは、演出モードAと異なり、第1特定演出の実行や第2特定演出の実行を制限しないため、第1特定演出制限フラグや第2特定演出制限フラグに関する処理は行わない。
また、S712で予告演出対象保留が第2特定演出を行う保留であると判定すると、消化順が先の保留に第2再実行フラグがオンの保留があるか否かを判定する(S719)。第1再実行フラグは、後述する処理で、実行中の第1予告演出を強制終了した予告演出対象保留に対し、1回の変動表示を空けて第1予告演出を再実行する場合にオンとするものである。第2再実行フラグがオンの保留があると判定すると、そのまま保留発生時処理を終了する。第2再実行フラグがオンの保留がないと判定して、続くS720で先の保留で第2予告演出を実行中でないと判定すると、第2,第3可動役物52,53(刀役物)を作動させる第2特定演出を行う保留があることを示す第2予告演出を実行して(S722a)、保留発生時演出処理を終了する。このため、演出モードBでは、特定演出対象保留でも、抽選に外れると予告演出を実行せず、抽選に当選しても消化順が先の保留で再実行フラグがオンの保留があったり同じ予告演出を実行中であったりすると、予告演出を実行しないのである。即ち、特定演出対象保留でも、抽選に外れた場合と、再実行フラグがオンで同じ予告演出の再実行待ちの保留がある場合と、先の保留で同じ予告演出を実行中の場合には、予告演出を実行せずに特定演出を実行することがある。
ここで、図35は、演出モードBで実行される予告演出の様子を示す説明図である。なお、図35では、左から3つ目の第1保留図柄35aを新たに追加表示し、その保留が予告演出対象保留である場合を示す。図35(a)に第1予告演出の様子を示し、図35(b)に第2予告演出の様子を示す。このように、演出モードBの予告演出では、特定演出の内容(作動する可動役物)を示す文言を表示中の保留図柄の上方に表示するのである。このため、この予告演出を見た遊技者は、表示中(消化待ち)の保留のうちいずれかの保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われるとき(いずれかの保留が消化されるとき)に、特定演出が行われることを認識することになる。但し、どの保留に基づいて特定演出が行われるかを明確に認識することはできない。なお、第1予告演出と第2予告演出とが同時に実行される場合には、先に表示した予告演出をさらに上方に移動させて、後の予告演出を保留図柄の上方に表示するものなどとすればよい。
[演出モードBの保留消化時演出処理]
演出モードBのS520の保留消化時演出処理は、特定演出制限フラグに関する処理(S760,S764)を省略する以外は、図26の演出モードAの保留消化時演出処理と同じ処理を行うため、図示を省略する。
[演出モードBの図柄変動演出処理]
演出モードBのS530の図柄変動演出処理は、図36に示すフローチャートに従って実行される。演出モードBの図柄変動演出処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、S804で演出パターンを選択すると、選択した演出パターンをそのまま実行演出パターンに設定する(S808)。また、S816で図柄変動演出を終了すると、再実行フラグがオンの保留の予告演出を再実行する図37に示す予告演出再実行処理を実行し(S818)、実行中の予告演出を強制終了(実行を制限)する図38に示す予告演出強制終了処理を実行して(S820)、図柄変動演出処理を終了する。
図37の予告演出再実行処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、第1再実行フラグがオンの第1予告演出の再実行待ちの保留(予告演出対象保留)があるか否かを判定し(S850)、第1再実行フラグがオンの保留があると判定すると、第1再実行フラグがオンの保留に基づいて第1予告演出を再実行し(S852)、その保留の第1再実行フラグをオフとして(S854)、次のS856の処理に進む。なお、S850で第1再実行フラグがオンの保留がないと判定すると、S852,S854の処理をスキップして、次のS856の処理に進む。
次に、第2再実行フラグがオンの第2予告演出の再実行待ちの保留(予告演出対象保留)があるか否かを判定し(S856)、第2再実行フラグがオンの保留があると判定すると、第2再実行フラグがオンの保留に基づいて第2予告演出を実行し(S858)、その保留の第2再実行フラグをオフとして(S860)、予告演出再実行処理を終了する。なお、S858で第2再実行フラグがオンの保留がないと判定すると、S858,S860の処理をスキップして、予告演出再実行処理を終了する。
図38の予告演出強制終了処理では、サブ制御基板90のCPU90aは、まず、今回終了したのは特定演出パターンの図柄変動演出であるか否かを判定し(S870)、特定演出パターン以外のパターンの図柄変動演出が終了したと判定すると、そのまま予告演出強制終了処理を終了する。一方、特定演出パターンの図柄変動演出が終了したと判定すると、終了したのは第1特定演出であるか否かを判定する(S872)。第1特定演出であると判定すると、第1予告演出を実行中であるか否かを判定し(S874)、第1予告演出を実行中でないと判定すると、予告演出強制処理を終了する。一方、第1予告演出を実行中であると判定すると、第1予告演出を強制終了する(S876)。このように、予告演出強制終了処理では、第1予告演出を実行中に、予告演出対象保留よりも先に消化される保留で第1特定演出が実行されると、実行中の第1予告演出を強制的に終了するのである。
続いて、S876で予告演出を終了した予告演出対象保留が消化されるまでに他の保留が消化されるか否かを判定する(S878)。この判定は、保留の発生順に基づいて、図柄変動演出が終了した保留(今回消化した保留)と、S876で予告演出を強制終了した予告演出対象保留との間に、他の保留があるか否か(他の保留に基づいて1回の図柄変動演出が行われるか否か)を判定することにより行われる。S878で他の保留があると判定すると、予告演出対象保留の第1再実行フラグをオンとして(S880)、予告演出強制終了処理を終了し、他の保留がないと判定すると、第1再実行フラグをオンとすることなく予告演出強制終了処理を終了する。図39に、第1特定演出を実行した保留と第1再実行フラグがオンとされる保留との関係を示す。図39(a)に示すように、消化順が2番目の保留が第1予告演出対象保留であり、今回の図柄変動演出処理で第1特定演出を実行した保留(消化済みの保留)との間に、消化順が1番目の他の保留がある場合、第1再実行フラグをオンとする。一方、図39(b)に示すように、消化順が1番目の保留が第1予告演出対象保留であり、今回の図柄変動演出処理で第1特定演出を実行した保留(消化済みの保留)との間に、1つも保留がない(消化順が連続している)場合、第1再実行フラグをオンとしない(オフのままとする)。
また、S872で終了したのは第2特定演出であると判定すると、第2予告演出を実行中であるか否かを判定し(S882)、第2予告演出を実行中でないと判定すると、予告演出強制処理を終了する。一方、第2予告演出を実行中であると判定すると、第2予告演出を強制終了する(S884)。このように、予告演出強制終了処理では、第2予告演出を実行中に、予告演出対象保留よりも先に消化される保留で第2特定演出が実行されると、実行中の第2予告演出を強制的に終了するのである。続いて、S884で第2予告演出を終了した予告演出対象保留が消化されるまでに他の保留が消化されるか否かを判定する(S886)。S886で他の保留があると判定すると、予告演出対象保留の第2再実行フラグをオンとして(S888)、予告演出強制終了処理を終了し、他の保留がないと判定すると、第2再実行フラグをオンとすることなく予告演出強制終了処理を終了する。
このように、第1再実行フラグは、予告演出強制終了処理で第1予告演出を強制終了した予告演出対象保留に対してオンとされ、第2再実行フラグは、予告演出強制終了処理で第2予告演出を強制終了した予告演出対象保留に対してオンとされる。そして、他の保留によって1回の図柄変動演出が行われた後に、予告演出再実行処理が実行されると、第1再実行フラグがオンの予告演出対象保留に基づいて第1予告演出を再実行し、第2再実行フラグがオンの予告演出対象保留に基づいて第2予告演出を再実行することになる。このように、本実施例では、予告演出を強制終了しても、1回の図柄変動演出を空けて、強制終了した予告演出を再実行するのである。
ここで、図40は、図柄変動演出を行って予告演出を強制終了する様子を示す説明図である。図40(図40(a))では、消化順が2番目(あるいは3番目)の保留が予告演出対象保留であり、保留内に第2特定演出が行われる保留があることを示す第2予告演出が実行されている状態で、消化順が1番目の保留が消化される(変動表示が開始される)場合を示す。変動表示が開始されるときには、保留図柄35aを1つ消去するが、予告演出対象保留が消化されるわけではないため、第2予告演出はそのまま実行される(図40(b)参照)。そして、図30と同様に、第2特定演出パターンに基づく図柄変動演出を進行させる(図40(c)〜(e)参照)。こうして図柄変動演出が終了すると、予告演出強制終了処理が実行され、第2特定演出が終了したために第2予告演出を強制終了する(図40(f)参照)。これにより、特定演出(ここでは第2特定演出)が終了したにも拘わらず、その特定演出の実行を予告報知する予告演出(ここでは第2予告演出)が引き続き行われるのを防止することができるから、遊技者が戸惑うのを抑制することができる。なお、演出モードBの予告演出は、演出モードAのように予告演出対象保留に対応付けて表示するものではなく、遊技者はどの保留で特定演出が実行されるかを認識していないから、予告演出対象保留が消化されるタイミングと異なるタイミングで予告演出が終了しても、遊技者が違和感を感じることはない。
また、図41には、第1予告演出と第2予告演出とを実行中に予告演出を強制終了する様子を示す。図41(a)には、消化順が2番目の保留で保留内に月リーチがあることを示す第1予告演出を実行中で、消化順が3番目の保留で保留内に刀リーチがあることを示す第2予告演出を実行中であり、消化済みの(変動表示が終了した)保留で第1特定演出を実行した場合を示す。この場合、図41(b)に示すように、第1予告演出のみを強制終了し、第2予告演出は引き続き実行することになる。このように、第1予告演出と第2予告演出との2つの予告演出を実行中に、先の保留で第1特定演出か第2特定演出のいずれかが実行された場合には、実行された特定演出に対応する予告演出のみを強制終了するのである。言い換えると、第1予告演出の実行中に第2特定演出が実行されても第1予告演出を強制終了せず、第2予告演出の実行中に第1特定演出が実行されても第2予告演出を強制終了しないのである。これにより、特定演出が終了したにも拘わらず、終了した特定演出の実行を予告報知する予告演出が引き続き実行されるために遊技者が戸惑うような場合にのみ、予告演出を強制終了することができる。
以上説明した実施例のパチンコ機10によれば、演出モードAにおいて、特定演出の実行を予告報知する予告演出が実行されている場合、予告演出の対象とされた予告演出対象保留が消化されるまでに、予告演出対象保留以外の保留に基づいて特定演出が実行されるのを制限する。このため、特定演出と予告演出とを整合させることができ、遊技者の認識と異なるタイミングで特定演出が実行されることにより、遊技者が戸惑うのを抑制することができる。また、特定演出の実行を制限する場合には、特定演出に代えて差替演出を実行するから、遊技興趣が大きく低下するのを抑制することができる。また、大当りに係る保留が消化される場合には、特定演出の実行を制限しないから、特定演出の実行により遊技者の大当り発生への期待感を高めて遊技興趣を向上させることができる。また、予告演出図柄を対応する保留図柄の上方に対応付けて表示することで、特定演出が実行される保留を明確にするから、遊技者の認識と異なるタイミングで特定演出が実行されるのを抑制する効果を顕著なものとすることができる。また、第1予告演出の実行中には第1特定演出の実行を制限して第2特定演出の実行を制限せず、第2予告演出の実行中には第2特定演出の実行を制限して第1特定演出の実行を制限しないから、特定演出が必要以上に制限されて遊技興趣が低下するのを防止することができる。
また、実施例のパチンコ機10によれば、演出モードBにおいて、特定演出の実行を予告報知する予告演出が実行中の場合、予告演出対象保留に基づいて図柄変動演出が行われる前に、予告演出対象保留以外の保留に基づいて特定演出が実行されると、実行中の予告演出を強制終了する。このため、特定演出が実行されたにも拘わらず、予告演出を継続して実行するのを防止して、特定演出と予告演出とを整合させることができる。また、特定演出の実行に基づいて予告演出を終了するから、特定演出の実行を予告して期待感を高めるという予告演出の本来の効果が損なわれることがない。また、予告演出対象保留以外の保留に基づいて特定演出が実行されて実行中の予告演出を強制終了しても、図柄変動演出を1回行うと予告演出を再実行するから、遊技者が戸惑うのを抑制しつつ予告演出の実行機会を増やすことができる。また、第1予告演出の実行中に第2特定演出が実行されても実行中の第1予告演出を強制終了せず、第2予告演出の実行中に第1特定演出が実行されても実行中の第2予告演出を強制終了しないから、予告演出が必要以上に強制終了されて遊技興趣が低下するのを防止することができる。
実施例のパチンコ機10では、演出モードAでは、予告演出の実行中に、その予告演出で実行を予告している特定演出と同じ特定演出の実行を制限したが、これに限られず、予告演出で実行を予告している特定演出と類似の特定演出の実行を制限してもよい。また、演出モードBでは、予告演出の実行中に、その予告演出で実行を予告している特定演出と同じ特定演出が実行されると、実行中の予告演出を強制終了したが、これに限られず、予告演出で実行を予告している特定演出と類似の特定演出が実行されると、実行中の予告演出を強制終了してもよい。
この変形例の特定演出パターンと差替演出パターンの演出内容を図42に示す。なお、図42には、予告演出図柄も示す。変形例において、第1特定演出パターンやそれに対応する予告演出図柄および第1差替演出パターンは、実施例と同じである。一方、変形例では、変動パターンP07に対応する第2特定演出パターンでは、第2可動役物52(左刀役物)を用いて第3可動役物53(右刀役物)を用いずに、第2特定演出を行い、変動パターンP08に対応する第3特定演出パターンでは、第3可動役物53(右刀役物)を用いて第2可動役物52(左刀役物)を用いずに、第3特定演出を行う。なお、前述した実施例の変動パターンP07に対応付けられた変動パターン決定用乱数を、変形例の変動パターンP07と変動パターンP08とに割り当てて対応付けるものなどとすればよい。ここで、第2可動役物52と第3可動役物53とは、略同じ大きさと形状に形成されて左右対称の向きに配置されているから、両者は類似の可動役物といえる。このため、変形例において、第2可動役物52(左刀役物)を用いる第2特定演出と、第3可動役物53(右刀役物)を用いる第3特定演出とは、類似の特定演出といえる。なお、第1特定演出と第2特定演出、および、第1特定演出と第3特定演出は、非類似の特定演出である。以下、この変形例について説明する。図43は、変形例の演出モードAの保留発生時演出処理であり、図44は、変形例の演出モードAの保留消化時演出処理であり、図45は、変形例の特定演出パターン設定処理であり、図46は、変形例の予告演出強制終了処理である。なお、変形例のフローチャートでは、実施例と同じ処理には同じステップ番号を付してその説明は省略する。
[演出モードAの保留発生時演出処理]
図43の変形例の演出モードAの保留発生時演出処理では、S712で予告演出対象保留が第1特定演出を行う保留でないと判定すると、予告演出対象保留が第2特定演出を行う保留であるか否か(変動パターンが第2特定変動パターンP07であるか否か)を判定する(S719)。第2特定演出を行う保留であると判定すると、消化順が先の保留で第2予告演出または第3予告演出のいずれかを実行中であるか否かを判定し(S720a)、先の保留で第2予告演出または第3予告演出のいずれも実行中でないと判定すると、第2特定演出で作動する第2可動役物52の左刀図柄(図42参照)を表示することにより第2予告演出を実行し(S722a)、S724で第2特定演出制限フラグをオンとして、保留発生時演出処理を終了する。また、先の保留で第2予告演出または第3予告演出のいずれかを実行中であると判定すると、S722a,S724の処理をスキップして(第2予告演出を実行することなく)、保留発生時演出処理を終了する。一方、S719で第2特定演出ではなく第3特定演出を行う保留であると判定すると、消化順が先の保留で第2予告演出または第3予告演出のいずれかを実行中であるか否かを判定し(S726)、先の保留で第2予告演出または第3予告演出のいずれも実行中でないと判定すると、第3特定演出で作動する第3可動役物53の右刀図柄(図42参照)を表示することにより第3予告演出を実行し(S728)、第3特定演出制限フラグをオンとして(S730)、保留発生時演出処理を終了する。また、先の保留で第2予告演出または第3予告演出のいずれかを実行中であると判定すると、S728,S730の処理をスキップして(第3予告演出を実行することなく)、保留発生時演出処理を終了する。このように、変形例の保留発生時演出処理では、消化順が先の保留で同じ特定演出を予告する同じ予告演出を実行しないだけでなく、類似の特定演出を予告する類似の予告演出を実行しないようにするのである。
[演出モードAの保留消化時演出処理]
図44の変形例の演出モードAの保留消化時演出処理では、S756で実行中の予告演出が第1予告演出でないと判定すると、実行中の予告演出が第2予告演出であるか否かを判定する(S761)。実行中の予告演出が第2予告演出であると判定すると、左刀図柄を消去することにより実行中の第2予告演出を終了すると共に(S762)、第2特定演出制限フラグをオフとして(S764)、保留消化時演出処理を終了する。一方、S761で実行中の予告演出が第2予告演出でなく第3予告演出であると判定すると、右刀図柄を消去することにより実行中の第3予告演出を終了すると共に(S766)、第3特定演出制限フラグをオフとして(S768)、保留消化時演出処理を終了する。
[特定演出パターン設定処理]
図45の変形例の特定演出パターン設定処理では、S839で第2特定演出パターンが選択されたと判定すると、第2特定演出制限フラグおよび第3特定演出制限フラグのいずれもがオフであるか否かを判定する(S840a)。第2特定演出制限フラグおよび第3特定演出制限フラグのいずれもがオフであると判定すると、S842で第2特定演出パターンを実行演出パターンに設定する。また、第2特定演出制限フラグまたは第3特定演出制限フラグのいずれかがオンであると判定すると、S844で今回が大当りでないと判定すると、S846で第2差替演出パターンを実行演出パターンに設定し、大当りであると判定すると、S842で第2特定演出パターンを実行演出パターンに設定する。
また、S839で第2特定演出パターンでなく第3特定演出パターンが選択されたと判定すると、第2特定演出制限フラグおよび第3特定演出制限フラグのいずれもがオフであるか否かを判定する(S840b)。第2特定演出制限フラグおよび第3特定演出制限フラグのいずれもがオフであると判定すると、第3特定演出パターンを実行演出パターンに設定する(S847)。また、第2特定演出制限フラグまたは第3特定演出制限フラグのいずれかがオンであると判定すると、今回が大当りであるか否かを判定し(S848)、今回が大当りでないと判定すると、第3差替演出パターンを実行演出パターンに設定し(S849)、大当りであると判定すると、S847で第3特定演出パターンを実行演出パターンに設定する。
このように、特定演出パターン設定処理では、第2特定演出を制限する第2特定演出制限フラグがオンまたは第3特定演出を制限する第3特定演出制限フラグがオンの場合には、第2特定演出の実行と第3特定演出の実行とをいずれも制限するのである。即ち、第2特定演出を予告する第2予告演出を実行中の場合、第2特定演出だけでなく第2特定演出に類似する第3特定演出の実行を制限し、第3特定演出を予告する第3予告演出を実行中の場合、第3特定演出だけでなく、第3特定演出に類似する第2特定演出の実行を制限するのである。ここで、遊技者が特定演出の実行タイミングを認識していると、その認識と異なるタイミングで類似の特定演出が実行されたときにも遊技者が戸惑う場合がある。このため、変形例では、実行中の予告演出で予告される特定演出と同じ特定演出だけでなく、類似の特定演出の実行も制限することにより、遊技者が戸惑うのをより確実に抑制するのである。なお、第2特定演出制限フラグまたは第3特定演出制限フラグのいずれかがオンであっても大当りの場合には、第2特定演出パターンを実行演出パターンに設定したり、第3特定演出パターンを実行演出パターンに設定したりするのは、実施例と同様に、大当りの場合には特定演出を実行して遊技興趣の向上を図るためである。
[予告演出強制終了処理]
図46の変形例の予告演出強制終了処理では、S872で終了したのは第1特定演出でなく第2特定演出または第3特定演出のいずれかであると判定すると、第2予告演出を実行中の場合には第2予告演出を強制終了し(S882,S884)、第3予告演出を実行中の場合には第3予告演出を強制終了して(S890,S892)、予告演出強制終了処理を終了する。これにより、変形例の演出モードBの予告演出強制終了処理では、第2特定演出の実行が終了した場合に、第2予告演出だけでなく、類似の第3予告演出を終了することになる。また、第3特定演出の実行が終了した場合に、第3予告演出だけでなく、類似の第2予告演出を終了することになる。即ち、予告演出の実行中に、当該予告演出で実行を予告している特定演出だけでなく、その特定演出に類似する特定演出が実行されると、実行中の予告演出を強制終了することになる。このため、特定演出が実行された後に、類似の予告演出が引き続き行われることにより遊技者が戸惑うのを抑制することができる。
なお、この変形例の演出モードBの処理において、実施例と同様に再実行フラグを用いてもよい。その場合、予告演出強制終了処理では、S876で第1予告演出を終了した場合、消化済みの保留と予告演出対象保留との間に消化される他の保留があれば、予告演出対象保留の第1再実行フラグをオンとして第1予告演出の再実行待ちの保留に設定し、S884で第2予告演出を終了した場合、消化済みの保留と予告演出対象保留との間に消化される他の保留があって第3予告演出の再実行待ちの保留がなければ、予告演出対象保留の第2再実行フラグをオンとして第2予告演出の再実行待ちの保留に設定し、S892で第3予告演出を終了した場合、消化済みの保留と予告演出対象保留との間に消化される他の保留があって第2予告演出の再実行待ちの保留がなければ、予告演出対象保留の第3再実行フラグをオンとして第3予告演出の再実行待ちの保留に設定すればよい。また、演出モードBの保留発生時処理では、第1予告演出の実行には第1予告演出の再実行待ちの保留がないことを条件とし、第2予告演出の実行には第2予告演出や第3予告演出の再実行待ちの保留がないことを条件とし、第3予告演出の実行には第2予告演出や第3予告演出の再実行待ちの保留がないことを条件とすればよい。また、図柄変動演出が終了したときに行われる予告演出再実行処理では、第1予告演出の再実行待ちの保留があれば第1予告演出を再実行して第1再実行フラグをオフとし、第2予告演出の再実行待ちの保留があれば第2予告演出を再実行して第2再実行フラグをオフとし、第3予告演出の再実行待ちの保留があれば第3予告演出を再実行して第3再実行フラグをオフとすればよい。
実施例のパチンコ機10では、演出モードAの特定演出パターン設定処理において、特定演出制限フラグがオンでも大当りであれば特定演出の実行を制限しないものとしたが、これに限られず、特定演出制限フラグがオンでも遊技状態(例えば、電サポあり状態中や高確率状態中など)によって特定演出の実行を制限しないものとしてもよい。あるいは、特定演出制限フラグがオンであれば常に特定演出の実行を制限するものとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、演出モードAにおいて特定演出を制限する場合には可動役物の作動に代えて所定のキャラクタを出現させる差替演出を行うものとしたが、これに限られず、単に可動役物を作動させないもの(同じ演出パターンで可動役物の作動のみを中止するもの)としてもよいし、可動役物の作動に代えてスピーカ28a,28bから効果音を出力したり枠ランプ(LEDランプ)93aを発光させたりしてもよいし、予告している作動役物(例えば月役物)とは異なる作動役物(例えば刀役物)を作動させる特定演出を差替演出として実行するものなどとしてもよい。
実施例のパチンコ機10では、演出モードBの予告演出強制終了処理において、特定演出が実行された場合にはその特定演出の実行を予告報知する予告演出を常に強制終了するものとしたが、常に強制終了するものに限られない。例えば、特定演出が実行された場合に、予告演出対象保留が大当りに係る保留であれば、予告演出をそのまま実行するものなどとしてもよい。この場合、特定演出が実行されたにも拘わらず予告演出が引き続き実行されていれば、大当りの発生が確定していることを遊技者に報知することができる。このため、特定演出が実行されたにも拘わらずその特定演出の実行を予告報知する予告演出が引き続き実行されることにより遊技者が戸惑いを感じるよりも、遊技者にメリットが大きいと考えられる。
実施例のパチンコ機10では、演出モードBの予告演出強制終了処理において強制終了した予告演出を予告演出再実行処理において再実行可能としたが、これに限られず、強制終了された予告演出を再実行しないものとしてもよい。この場合、再実行に関する処理、即ち、図34の保留発生時演出処理のS713,S719の処理と、図36の図柄変動演出処理のS818の処理(図37の予告演出再実行処理)と、図38の予告演出強制終了処理のS878,S880,S886,S888の処理とを省略すればよい。
実施例のパチンコ機10では、演出モードBの図柄変動演出処理のS820で予告演出強制終了処理を行うもの、即ち図柄変動演出の終了後に予告演出強制処理を行うものとしたが、これに限られず、図柄変動演出の終了前に、例えばS808で実行演出パターンを設定したときやS812で図柄変動演出を開始するときに予告演出強制処理を行うものとしてもよい。こうすれば、予告演出を強制終了するタイミングが、保留消化時処理で予告演出を終了するタイミング(通常の予告演出終了タイミング)に近くなるから、遊技者が感じる違和感をより抑制することができる。
実施例のパチンコ機10では、予告演出を強制終了して図柄変動演出を1回行ってから予告演出を再実行したが、これに限られず、予告演出を強制終了して所定時間(例えば、数十秒など)が経過してから予告演出を再実行してもよい。
実施例のパチンコ機10では、演出モードA,Bの保留発生時演出処理において今回発生した保留が特定演出対象保留であっても消化順が先の保留で同じ予告演出を実行中の場合には、予告演出を実行せずにそのまま保留発生時演出処理を終了したが、これに限られるものではなく、今回発生した特定演出対象保留を予告演出の実行待ちの保留に設定して、予告演出を実行中の先の保留が消化されると、実行待ちの保留に基づき予告演出を実行するものとしてもよい。その場合、例えば、保留発生時演出処理のS714の処理で先の保留で第1予告演出を実行中であると判定すると、第1予告演出の実行待ちであることを示す第1実行待ちフラグをオンとして保留発生時演出処理を終了し、保留発生時演出処理のS720の処理で先の保留で第2予告演出を実行中であると判定すると、第2予告演出の実行待ちであることを示す第2実行待ちフラグをオンとして保留発生時演出処理を終了すればよい。この場合、演出モードBの予告演出強制終了処理と同様に、予告演出を実行中の先の保留と今回発生した保留との間に消化される他の保留があることを条件として実行待ちフラグをオンとしてもよい。そして、演出モードAの図柄変動演出処理でも、演出モードBの図柄変動演出処理のS818の予告演出再実行処理と同様に、実行待ち保留用の予告演出実行処理を行うものとすればよい。その予告演出実行処理では、第1予告演出の実行待ちの保留があれば、終了した図柄変動演出が第1特定演出パターンに基づいて行われた場合に第1予告演出を実行して第1実行待ちフラグをオフとし、第2予告演出の実行待ちの保留があれば、終了した図柄変動演出が第2特定演出パターンに基づいて行われた場合に第2予告演出を実行して第2実行待ちフラグをオフとするものなどとすることができる。
実施例のパチンコ機10では、第1始動口36と第2始動口38とのうち遊技球が入球した順に消化するいわゆる入球順変動としたが、これに限られず、第1始動口36に入球した遊技球よりも第2始動口38に入球した遊技球を優先的に消化するいわゆる特図2優先変動としてもよい。
実施例のパチンコ機10では、第1始動口36をセンター役物50の下側に配置して第2始動口38をセンター役物50の左部に配置したが、これに限られず、第1始動口36と第2始動口38とをセンター役物50の下側などに隣接して配置するものなどとしてもよい。また、第1始動口36と第2始動口38とを隣接して配置すると共にそれらの始動口の上側に始動口振分装置を配置して、始動口振分装置の上部に形成された入球口に入球した遊技球を第1始動口36および第2始動口38のいずれかに選択的に振り分けるよう始動口振分装置を構成してもよい。この場合、始動口振分装置は、遊技球を所定数ずつ(例えば1球ずつ)、第1始動口36および第2始動口38に振り分けるものとしてもよい。このようにすれば、電サポなし状態から第1特別図柄と第2特別図柄とを合わせて最大8個の保留を記憶し、それらの保留を対象として、演出モードAの各演出処理や演出モードBの各演出処理を実行することができる。
実施例のパチンコ機10では、保留数0の状態が所定時間継続していることに基づいて演出モードAと演出モードBとを交互に設定変更したが、これに限られず、タイマなどの計測時間に基づいて設定変更してもよいし、遊技者の選択により設定変更してもよい。あるいは、実施例のように2つの演出モードA,Bを切り替えるものに限られず、いずれかの演出モードのみを有するパチンコ機であってもよい。
実施例のパチンコ機10では、特定演出として可動役物の作動を伴う演出を例示したが、特定演出は可動役物の作動を伴う演出に限られず、演出表示装置34の画面に表示される演出画像やスピーカ28a,28bから出力される音声や効果音、枠ランプ(LEDランプ)93aから発光される光、演出ボタン26などの少なくともいずれかを用いる演出であれば、如何なる演出であってもよい。
実施例のパチンコ機10では、演出モードAと演出モードBとにおける予告演出の態様を異なるものとしたが、これに限られず、同じ態様としてもよい。この場合、いずれも演出モードAの予告演出態様としてもよいし、いずれも演出モードBの予告演出態様としてもよい。
また、実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機(パチンコ機)に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAM(遊技価値管理制御部)に記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプの遊技機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。もちろん、遊技価値管理制御部が管理する遊技価値として、遊技の結果得られた遊技価値と、現金等を投入することで得られた遊技価値とを別に管理(別途に表示)してもよいし、一緒に管理(加減算して表示)してもよい(別表示と加減算表示の両方をしてもよい)。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、パチンコ機10が「遊技機」に相当し、図10の特別図柄遊技処理のS208,S210,S220,S222の処理を実行する主制御基板70のCPU70aと図24の演出モードAの保留発生時演出処理におけるS704の処理を実行するサブ制御基板90のCPU90aとが「判定手段」に相当し、図24の演出モードAの保留発生時演出処理におけるS706〜S710,S712,S716,S722の処理と図26の演出モードAの保留消化時演出処理におけるS756,S758,S762の処理とを実行するサブ制御基板90のCPU90aと演出表示制御基板91と演出表示装置34とが「報知演出実行手段」に相当し、図27の演出モードAの図柄変動演出処理におけるS812の処理を実行するサブ制御基板90のCPU90aと演出表示制御基板91と演出表示装置34と装飾駆動基板93と第1〜第3可動役物51〜53(装飾モータ93b〜93d)とが「特定演出実行手段」に相当し、演出モードAの保留発生時演出処理におけるS718,S724の処理と図28の特定演出パターン設定処理とを実行するサブ制御基板90のCPU90aが「特定演出抑制手段」に相当する。また、実施例の予告演出が「報知演出」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。