JP5733286B2 - ライブラリ装置及びその制御方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、例えばライブラリ装置等における投入スロットを複数のホスト装置によって共用する技術分野に関する。
近年、企業における業務遂行や、社会生活で必要な情報サービスにおける情報量は、増大しており、これらのデータを例えばサーバルームやデータセンタ等において適切に記憶すると共に、適時に利用できる記憶装置が求められている。
例えば情報処理装置であるサーバ装置等により処理をされたデータは、記憶装置に蓄えられる。その際に、データセンタ等における管理者は、処理されたデータをバックアップや長期保存等の目的のために、例えば、持ち運び可能なカートリッジに収納された磁気記録テープ媒体等にデータを記録するライブラリ装置を用いる。
係るライブラリ装置は、記憶装置として、例えば複数のサーバ装置によって共用される。そのため、ライブラリ装置を共用するサーバ装置同士は、共用する際に生じる競合を調停するため、通信可能な通信ネットワーク(以降、単にネットワークと称する場合あり。以下同様)を用いて通信を行うので、通信トラフィックが増加したり、各サーバ装置における処理負荷が増加したり、あるいは、調停により待たされるサーバ装置は可用性が低下することとなる。
今日、サーバ装置が共用するライブラリ装置は、サーバ装置間で調停処理を行わなくても済むように、物理的なライブラリ装置を予め複数の論理ライブラリに分割し、分割された論理ライブラリに各サーバ装置を対応付けて、サーバ装置からは、あたかもそれぞれのサーバ装置が独立して使用可能なライブラリ装置を有するように見える技術が用いられている。
ところで、係るライブラリ装置に対してバックアップや長期保存のために記録媒体を投入したり、取り出したりする操作は、例えば、業務の区切り等に行うことが多く、それほど頻繁な操作ではない。そのため、ライブラリ装置において記録媒体を出し入れするための物理的な投入スロットの数は、出し入れの頻度が少ないことから、当該ライブラリ装置を使用するサーバ装置の数(つまり、分割された対応する論理ライブラリの数)程多く具備されるわけではない。
また、一般的なライブラリ装置は、外部装置が単一の場合は、操作者が当該ライブラリ装置に具備されている投入スロットに記録媒体を投入し、その投入された記録媒体を外部装置において登録するために、Import(以降、「インポート」と称する。以下同様)処理を行う。
しかし、ライブラリ装置が単一(共用)の投入スロットを有する場合で、且つ、複数のサーバ装置から使用される際には、操作者は、単に記録媒体を投入スロットに投入するという操作だけでは、当該ライブラリ装置における、どの論理ライブラリにその投入した記録媒体を割り当てるべきか判断できない。
そのため、一般的なライブラリ装置を操作する操作者は、ライブラリ装置における投入スロットに記録媒体を投入する際に、割り当てる論理ライブラリを、ライブラリ装置における、例えば投入スロット付近に設置された操作パネル等を用いて指定することが必要となり、操作手順が煩雑になるという問題点がある。
つまり、係る一般的なライブラリ装置は、投入された記録媒体を論理ライブラリに関連付ける作業を行う際に手間を要する。また、そのためにライブラリ装置における可用性が低下する。
ここで、特許文献1に記載された技術は、ライブラリ装置を2つの論理ライブラリに分割し、一方の論理ライブラリから排出されたテープ記録媒体を、もう一方の論理ライブラリに自動的に投入することにより、ライブラリ装置に接続されたシステム間でのデータ移行を行う技術を開示する。
また、特許文献2に記載された技術は、複数のホストからの光ディスク(記録媒体)へのアクセスにおいて、当該記録媒体にアクセス可能なドライブ装置を排他的に使用する際の属性を登録した状態管理テーブルを参照することにより、他のホストが当該記録媒体を使用中か否かを判断して、ホスト間での競合を調停する技術を開示する。
また、特許文献2に記載された技術は、表面と裏面にデータが記録された光ディスクを、ドライブ装置を使用して連続的に読み書きするために、一旦投入された光ディスクを、別の外部装置が取り出せないようにするコマンドを用い、当該記録媒体を取り外したり、取り付けたりする処理を省略することにより全体の処理時間を短縮する技術を開示する。
特開2005−122843号公報 特開平4−0344920号公報
上述した特許文献1が開示する技術は、テープ記録媒体を異なる論理ライブラリに関連付けてデータを移行する際に、ライブラリ装置内においてテープ記録媒体の排出を行わなかった論理ライブラリをデータの移行先の対象論理ライブラリとして決定するのに留まっている。つまり、特許文献1が開示する技術は、ライブラリ装置の外部から投入される記録媒体については考慮していない。
また、上述した特許文献2が開示する技術は、分割された論理ライブラリは有しておらず、排他制御を行う対象とする資源がドライブ装置や記憶ボリュームであり、排他命令をキューイングすることにより、複数のホストからの読み書きを連続的に行う方法を開示するに留まっている。つまり、特許文献2が開示する技術は、外部から投入スロットに投入した記録媒体を何れかの論理ライブラリに関連付けることについては考慮していない。
また、上述した特許文献1及び特許文献2が開示する一般的な技術は、これらを組み合わせたとしても、記録媒体を外部から投入する際に、操作者の負担を減らして共用される投入スロットを投入先の論理ライブラリに容易に関連付けられるようにするようなことは開示していない。
即ち、本発明の主たる目的は、上述した課題を解決するために、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けるライブラリ装置等を提供することである。
本発明は、上述した課題の解決を目的としてなされた。
即ち、本発明に係るライブラリ装置は、
記録媒体が投入される際に共用される投入スロットと、
投入された前記記録媒体が格納された物理ライブラリを前記投入スロットの独立してアクセス可能な数より多い数を基にまとめ、そのまとめられた各領域を表す論理ライブラリと、その論理ライブラリに接続される外部装置との接続情報を含む論理ライブラリ情報と、
前記投入スロットを前記論理ライブラリに関連付けるよう制御する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記記録媒体を前記外部装置に取り込むインポート処理を指示された際に、前記論理ライブラリ情報を参照することによって該インポート処理を指示した前記外部装置に接続される前記論理ライブラリを特定し、
前記特定された論理ライブラリに、前記記録媒体が投入された前記投入スロットを関連付けることを特徴とする。
また、本発明の他の見地として、本発明に係るライブラリ装置の制御方法は、
記録媒体が投入される際に共用される投入スロットと、
投入された前記記録媒体が格納された物理ライブラリを前記投入スロットの独立してアクセス可能な数より多い数を基にまとめ、そのまとめられた各領域を表す論理ライブラリと、その論理ライブラリに接続される外部装置との接続情報を含む論理ライブラリ情報と、
前記記録媒体が投入された前記投入スロットを前記論理ライブラリに関連付けるよう制御する制御部とを有するライブラリ装置において、
前記制御部によって、
前記投入スロットに投入された前記記録媒体を前記外部装置に取り込むインポート処理を指示された際に、前記論理ライブラリ情報を参照することによって該インポート処理を指示した前記外部装置に接続される前記論理ライブラリを特定し、
前記特定された論理ライブラリに、前記記録媒体が投入された前記投入スロットを関連付けることを特徴とする。
なお、同目的は、上記構成を有する上述したライブラリ装置及びその制御方法をコンピュータによって実現するコンピュータ・プログラム、及びそのコンピュータ・プログラムが格納されている、コンピュータ読取り可能な記憶媒体によっても達成される。
本発明によれば、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けることができる。
本発明の第1の実施形態に係るライブラリ装置における機能を概念的に表すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るライブラリ装置において論理ライブラリを外部装置に関連付ける機能を例示するブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係るライブラリ装置における機能を例示するブロック図である。 本発明の第2及び第3の実施形態に係るライブラリ装置における論理ライブラリ接続情報テーブルを概念的に表す図である。 本発明の第3の実施形態に係るライブラリ装置における論理ライブラリ構成情報テーブルを概念的に表す図である。 本発明の第3の実施形態に係るライブラリ装置における論理ライブラリロック状態テーブルを概念的に表す図である。 本発明の第3の実施形態に係るライブラリ装置におけるPrevent解除処理を表すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るライブラリ装置における媒体投入処理を表すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るライブラリ装置における媒体搬送処理を表すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の応用例に係るライブラリ装置において仮想外部装置を用いる例を表すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の応用例に係るライブラリ装置における仮想外部装置番号とインタフェースID(識別子)との関係を表すテーブルである。 本発明の第3の実施形態の応用例に係るライブラリ装置における接続対象の論理ライブラリ番号と、仮想外部装置におけるWorld_Wide_Name(WWN)との関係を表すテーブルである。 本発明の第4の実施形態に係るライブラリ装置における機能を例示するブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係るライブラリ装置におけるREAD_ELEMENT_STATUSコマンド処理を表すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態に係るライブラリ装置における複数の外部装置からのインポート処理を排他的に処理する排他Prevent解除処理を表すフローチャートである。 本発明の第6の実施形態に係るライブラリ装置における機能を情報処理装置によって実現する際の構成を表すブロック図である。
以下、本発明を実施する形態について図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態の構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るライブラリ装置における機能を概念的に表すブロック図である。
本実施形態に係るライブラリ装置1は、制御部2と、論理ライブラリ情報3と、投入スロット4と、論理ライブラリ6とを有する。
また、記録媒体5は、ライブラリ装置1に投入(装填)されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。また、外部装置7は、ライブラリ装置1が有する論理ライブラリ6に接続されると共に、記録媒体5が投入される投入スロット4から記録媒体5を取り込む操作であるインポート処理を指示する。
また、物理ライブラリ8は、投入された記録媒体5を基にした物理的な記憶領域を有する記憶デバイスであり、その物理ライブラリ8は分割されて、論理的な記憶領域である複数の論理ライブラリ6に関連付けられる。
即ち、本実施形態に係るライブラリ装置1は、記録媒体5が投入される際に共用される投入スロット4と、投入された記録媒体5が格納された物理ライブラリ8を投入スロット4の独立してアクセス可能な数より多い数を基にまとめ、そのまとめられた各領域を表す論理ライブラリ6と、その論理ライブラリ6に接続される外部装置7との接続情報を含む論理ライブラリ情報3と、記録媒体5を投入した投入スロットを論理ライブラリ6に関連付けるよう制御する制御部2とを有する。
そして、本実施形態に係るライブラリ装置1における制御部2は、投入スロット4に投入された記録媒体5を外部装置7に取り込むインポート処理(不図示、以下同様)を指示された際に、論理ライブラリ情報3を参照することによってインポート処理を指示した外部装置7に接続される論理ライブラリ6を特定し、特定された論理ライブラリ6に、記録媒体5が投入された投入スロット4を関連付ける。
これによって、本実施形態に係るライブラリ装置1は、本ライブラリ装置1を操作する操作者(不図示)が記録媒体5を投入した投入スロット4と、論理ライブラリ6とを、外部装置7によって行なわれるインポート処理に応じて、論理ライブラリ情報3を参照することによって容易に関連付けることができる。従って、本実施形態によれば、操作者がライブラリ装置1を操作する際の負担を減らすことができる。
また、それによって、外部装置7は、記録媒体5に記録された情報を、その記録媒体5に関連付けられた論理ライブラリ6を通して、適切に読み書きをすることができる。
その理由は、インポート処理を行った外部装置7に論理的に接続する論理ライブラリ6を、インポート処理を契機として特定し、その特定された論理ライブラリ6に、記録媒体5が投入された共用される投入スロット4を関連付けるので、操作者は操作盤等から記録媒体5を投入する先の論理ライブラリ6や、その論理ライブラリ6が更に備える例えば、論理的な投入口である、後述する論理投入スロット(不図示)等を指定する等の操作をしなくて済むからである。
即ち、本実施形態によれば、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けることができる。
尚、図1において、ライブラリ装置1は、物理ライブラリ8を内包する例を示した。しかし、ライブラリ装置1と、物理ライブラリ8とは、別体であってもよい。
また、物理ライブラリ8は、投入スロット4の独立してアクセス可能な数より多い数を基にまとめられ、そのまとめられた各領域が論理ライブラリ6を表す構成を説明した。ここで、「まとめる」とは、例えば、物理的に存在する複数の物理ライブラリを、大きな集合と捉えた場合に、複数の小集合に分割する(換言すれば、グループ分けする、グループ化する、区別する)こととも捉えることができる。
以上、本発明の第1の実施形態として、上述した構成および動作を例に説明したが、係る本実施形態を例として説明した本発明は、必ずしも係る構成や動作には限定されない。
<第2の実施形態>
次に、第1の実施形態を基本とする第2の実施形態について図2及び図4を参照して説明する。
図2は、第2の実施形態に係るライブラリ装置10において論理ライブラリ6を外部装置7に関連付ける機能を例示するブロック図である。
以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより重複する説明を省略する。
本実施形態に係るライブラリ装置10における構成は、制御部2と、論理ライブラリ接続情報テーブル231と、論理ライブラリ6とを有する。また、ライブラリ装置10は、外部装置7と通信可能に接続される。
ここで、ライブラリ装置10における制御部2は、制御部21とインタフェース22とを有する。また、論理ライブラリ接続情報テーブル231は、外部装置7からの指示に基づいて接続する先のライブラリ装置10における論理ライブラリを決めるテーブルである。
また、論理ライブラリ6は、論理ライブラリ(#0)18と、論理ライブラリ(#1)19とを有する。また、外部装置7は、外部装置(#0)15と、外部装置(#1)16と、インタフェース20とを有する。
尚、本実施形態に係るライブラリ装置10における外部装置(#0)15と、外部装置(#1)16と、インタフェース20とは、第1の実施形態で説明した外部装置7に対応する。また、ライブラリ装置10における制御部21と、インタフェース22とは、第1の実施形態における制御部2に対応する。また、ライブラリ装置10における論理ライブラリ(#0)18と、論理ライブラリ(#1)19とは、第1の実施形態における、論理ライブラリ6に対応する。
また、複数ある論理ライブラリ、及び外部装置において、それぞれを区別する場合はそれぞれの番号を表す(#0)、及び(#1)用いる場合がある。また、複数ある論理ライブラリ、及び外部装置を総称する場合は、それぞれ論理ライブラリ6、及び外部装置7と称する場合がある(以下同様)。
また、本実施形態では、説明の都合から一例として、外部装置15、16と、2つのインタフェース20と、2つのインタフェース22と、論理ライブラリ18、19とが存在する場合を説明する。しかしながら、外部装置とインタフェースと論理ライブラリの数は、この数に限定されない。
図4は、本実施形態に係るライブラリ装置10における論理ライブラリ接続情報テーブル231を概念的に表す図である。
そして、制御部21は、外部装置7が、例えば、記録媒体(不図示)を取り込むためのインポート処理を実行する場合に発行するインポート処理を行うためのコマンドを、インタフェース22を介して受信する際に、図4に示す論理ライブラリ接続情報テーブル231を用いて、何れの外部装置が何れの論理ライブラリへ、インポート処理を行おうとしているかを特定する。
具体的には、図4に示す論理ライブラリ接続情報テーブル231は、外部装置7からのコマンドを受け付けたライブラリ装置10におけるインタフェース22が備えるポートを表すポート(Port)番号と、そのポートに論理的に接続される論理ライブラリを識別するためのターゲット(Target)ID(Identification:以下、「識別子」と称する場合あり)と、論理ライブラリが有する論理ユニット番号(Logical_Unit_Number:以下、「LUN」と略称する場合あり)とを有する。
そして、論理ライブラリ接続情報テーブル231は、これらの番号や識別子を用いて、外部装置15、16がそれぞれ接続される論理ライブラリ18、19を表す論理ライブラリ番号を表す(特定する)ことができる。
即ち、本実施形態によれば、外部装置が発行するコマンドを契機として、そのコマンドを受信したライブラリ装置におけるインタフェースにおいて、外部装置が接続する適切な接続先の論理ライブラリを簡単に決定することができる。
以上、本発明の第2の実施形態として、上述した構成および動作を例に説明したが、係る本実施形態を例として説明した本発明は、必ずしも係る構成や動作には限定されない。
<第3の実施形態>
次に、第1及び第2の実施形態を基本とする第3の実施形態について図3乃至図9を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るライブラリ装置100における機能を例示するブロック図である。
本実施形態に係るライブラリ装置100における構成は、制御部21と、インタフェース22と、論理ライブラリ管理テーブル23と、ロボット(搬送装置)24と、スロット25と、ロック制御部26と、開閉検知部27とを有する。
また、スロット25は、搬送された記録媒体28に対してデータを読み書きするドライブ251と、記録媒体28を格納する媒体格納スロット252、ライブラリ装置100に記録媒体28を投入するための投入スロット253とを有する。
尚、投入スロット253は、複数の外部装置7によりインポート処理されることから「共用される投入スロット」253と称する場合がある(以下同様)。
ここで、第1の実施形態におけるライブラリ装置1が有する、制御部2と、論理ライブラリ情報3と、投入スロット4は、順に、それぞれ本実施形態におけるライブラリ装置100が有する制御部21並びにインタフェース22と、論理ライブラリ管理テーブル23と、投入スロット253に対応する。
そして、本実施形態に係るライブラリ装置100は、第1及び第2の実施形態と比べて、ロボット24と、スロット25と、ロック制御部26と、開閉検知部27とを更に有する点が異なる。
従って、以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1及び第2の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより重複する説明を省略する。
尚、記録媒体28が有するデータを読み書きするドライブ装置を単にドライブ251と称する。
図3を参照すると、ライブラリ装置100は、外部装置15若しくは16からコマンドを受信することにより、ライブラリ装置100内における記録媒体28をインポートする(即ち、記録媒体28を外部装置7に取り込む)処理をしたり、記録媒体28を搬送したりする。そしてライブラリ装置100は、その結果を外部装置15若しくは16へ通知する。
尚、外部装置15及び16を表す際は、外部装置7と総称する場合がある。また、外部装置15若しくは16を表す際は、何れかの外部装置7と称する場合がある。
また、外部装置7は、外部装置7が有するインタフェース20を介して通信可能に接続するライブラリ装置100にコマンドを発行し、ライブラリ装置100は、ライブラリ装置100におけるインタフェース22を介して、外部装置7から発行されたコマンドを受信する。
また、本実施形態に係るライブラリ装置100は、説明の都合から外部装置7や、インタフェース20及び22等が2組である例を説明する。しかし、外部装置7の数や、そのインタフェース等の数はこの数には限定されない(以下同様)。
また、ライブラリ装置100は、外部装置7から受信したコマンドの内容に応じてライブラリ装置100を制御する制御部21と、ライブラリ装置100が有するスロット25におけるドライブ251や、媒体格納スロット252等の資源を分割すると共に、それぞれに対応する論理ライブラリ(不図示、以下同様)に関連付ける情報を保持する論理ライブラリ管理テーブル23とを有する。
また、ライブラリ装置100は、ライブラリ装置100内に格納された記録媒体28を搬送するロボット24を有する。
また、ライブラリ装置100は、記録媒体28を搬送するロボット24側と、記録媒体28を出し入れする操作を行なう操作者側との両方からアクセス可能な投入スロット253を、操作者側からアクセスできないようにロックするロック制御部26と、投入スロット253に対して操作者が記録媒体28を投入するために投入スロット253における投入口を開閉したことを検知する開閉検知部27とを有する。
尚、制御部21は、ライブラリ装置100自身を制御する例えば、ファームウェア(Firm_Ware:以下、「FW」と略称する)等を含む制御プログラム(不図示)を有する。
また、外部装置7において動作するApplication(アプリケーション:以下「AP」と略称する)_SoftWare(ソフトウェア:以下「SW」と略称する。また、以下、「AP_SW」と略称する場合あり)は、媒体格納スロット252に格納された記録媒体28における例えば記録媒体28に貼付されたバーコード等の情報を、ロボット24が有する図示していないスキャナ装置等で読み取らせ、読み取らせたデータを外部装置7に報告させることができる。
尚、上述したバーコード等の情報とは、例えば、記録媒体28に貼付されたバーコードラベルの有無や、バーコードラベル名を読取ったデータ等を表す(以下同様)。
次に、図4乃至図6に示すテーブルを用いて論理ライブラリ管理テーブル23に保持する情報について説明する。図4乃至図6は、論理ライブラリ管理テーブル23が有する論理ライブラリ接続情報テーブル231と、論理ライブラリ構成情報テーブル232と、論理ライブラリロック状態テーブル233とを順に表している。
図4に示す論理ライブラリ接続情報テーブル231は、外部装置7に論理的に関連付けられる論理ライブラリと、その論理ライブラリの番号を表す論理ライブラリ番号との対応関係を示すテーブルである。
そして、論理ライブラリ接続情報テーブル231は、インタフェース22におけるポート番号と、ターゲット識別子(ID)と、論理ユニット番号(LUN)とを用いて論理ライブラリ番号を表す。これについては第2の実施形態で説明しているので省略する。
次に、図5に示す、論理ライブラリ構成情報テーブル232は、ライブラリ装置100における物理ライブラリを分割した論理ライブラリを、論理ライブラリ番号を付して区分している。そして、論理ライブラリ構成情報テーブル232は、論理ライブラリを構成する論理スロットを表す論理スロット番号と、物理スロット番号との対応関係を表すテーブルである。即ち、図5は、本実施形態に係るライブラリ装置100における論理ライブラリ構成情報テーブル232を概念的に表す図である。
そして、外部装置7は、それぞれの関連付けられた論理ライブラリを通してそれぞれの分割されたスロット25における物理資源であるドライブ251や、媒体格納スロット252(つまり、物理ライブラリ(不図示))にアクセスすることが可能となる。
ここで、図5に示す、例えば論理ライブラリ#1における論理スロット番号は、物理スロットを分割し、外部装置16(#1)から見て、論理的に論理スロット番号が#0乃至#3まであるように認識される。つまり、一例としては、図5における論理ライブラリ#1に属する論理スロットの論理スロット番号#0は、物理スロットの物理スロット番号#4に対応する。
次に、図6に示す、論理ライブラリロック状態テーブル233は、何れかの論理ライブラリに関連付けられる投入スロット253に、外部から記録媒体28を出し入れ(以降、アクセスと称する場合あり。以下同様)することが禁止されている状態(以下、「Prevent状態」とも表記する)なのか、または、許可されている状態(以下、「Allow状態」とも表記する)なのかを表すテーブルである。
即ち、図6は、本実施形態に係るライブラリ装置100における論理ライブラリロック状態テーブル233を概念的に表す図である。
そして、制御部21は、外部装置7から発行される、例えば「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドを受信し、その受信したコマンドの内容に基づいて、投入スロット253への記録媒体28の出し入れを禁止若しくは許可する。
また、図6に示す論理ライブラリロック状態テーブル233は、本実施形態における一例としての説明のため、それぞれの論理ライブラリ毎に「Prevent状態」なのか、或いは「Allow状態」なのかの情報のみをテーブルとして表している。
しかし、共用される投入スロット253への記録媒体28のアクセス(出し入れ)は、それぞれの論理ライブラリに接続される外部装置7毎にアクセスすることを禁止する状態、若しくは許可する状態を管理し、何れか1つの外部装置7からでも禁止されている場合には、共用される投入スロット253は、外部からの媒体の出し入れが禁止される状態となる。
尚、上述した一例としての外部装置7が発行する「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドは、ライブラリ装置100を制御する外部装置におけるコマンド標準を規定するINCITS_Technical Committee_T10が表すSmall_Computer_Serial_Interface(以下、「SCSI」と略称する)_Medium_Changer_Commands−3(以下、「SMC−3」と略称する)において詳細に記述されている。
そのため、ここでの「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドに関する詳細な説明は省略する。
尚、INCITSは、Information_and_Communication_Technology_Standards(つまり、情報技術規格国際委員会)の略称である。また、上述したT10とは、INCITSにおけるSCSI関連の技術標準を策定する一つの技術委員会である。
続いて、本実施形態に係るライブラリ装置100における動作を説明する。
本実施形態における論理ライブラリのロック状態を利用した投入スロット253を論理ライブラリに関連付ける方法を、図3に示すブロック図と、図3乃至図6に示すテーブル、及び図7乃至図9に示すフローチャートを用いて詳しく説明する。
上述したように、外部装置7において動作するAP_SWは、ライブラリ装置100にアクセスする際に、ライブラリ装置100から記録媒体28を取り出したり、投入したりすることができないように、例えば、「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドを発行することにより、ライブラリ装置100を「Prevent状態」に設定する。
そして、ライブラリ装置100における制御部21は、インポート処理を行うときにだけ、一時的に、記録媒体28をライブラリ装置100から取り出したり、投入したりすることができるように、「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドを発行することにより、ライブラリ装置100を「Allow状態」にする。
図7に示すフローチャートは、何れかの外部装置7が対応する論理ライブラリに関連付ける投入スロット253に対し、操作者が記録媒体28を投入可能にする「Allow状態」(つまり、Prevent解除状態)に設定するために、「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドを発行する際の処理を表している。
即ち、図7は、本実施形態に係るライブラリ装置100におけるPrevent解除処理を表すフローチャートである。
図7に示すフローチャートを参照すると、まず、制御部21は、何れかの外部装置7(つまり、外部装置(#0)15、若しくは外部装置(#1)16。以下、同様)から、「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドが発行されると、インタフェース22を介して当該コマンドを受信し、「Prevent状態」を解除する処理を開始する。
そして、制御部21は、論理ライブラリ接続情報テーブル231(図4)を参照し、受信したインタフェース22に関するポート番号と、ターゲットID(識別子)および論理ユニット番号(LUN)とを比較することによって対応する論理ライブラリ番号を決定する(ステップS100)。
次に、制御部21は、論理ライブラリロック状態テーブル233(図6)を参照し、当該コマンドを発行した何れかの外部装置7が接続する対象となる論理ライブラリに関連付けようとする投入スロット253へのアクセス許可状態、若しくはアクセス禁止状態が、「Prevent状態」(禁止状態)であった場合には、「Allow状態」(許可状態)に設定(ステップS101)する。
そして、制御部21は、ロック制御部26を制御して投入スロット253のロックを解除する(ステップS102)。
そして、操作者は、投入スロット253のロックが解除されると、ライブラリ装置100に記録媒体28を投入するために投入口を開き、投入スロット253に記録媒体28を投入し、その投入口を閉じる。
ライブラリ装置100における制御部21は、投入スロット253における投入口が閉じられたことを開閉検知部27によって検出すると、制御部21は、図8に示す媒体投入処理を開始する。
尚、複数の外部装置7からコマンドが発行された場合は、制御部21において例えば、先着順で処理するようにすればよい。
また、外部装置7において動作するAP_SWは、操作者が記録媒体28を投入口に投入した後に、ライブラリ装置100に対して例えば再び投入口をロックする再ロック要求を行うようにしてもよい。その際、その再ロック要求を受信した制御部21は、ロック制御部26により、投入スロット253における投入口をロックする。
尚、外部装置7にそれぞれ対応する論理ライブラリは、その論理ライブラリに記録媒体28を論理的に投入する論理投入スロット(即ち、仮想的な投入スロット。不図示、以下同様)をそれぞれ有している。そのため、記録媒体28を投入した投入スロット253を関連付ける先を論理ライブラリが有する論理投入スロットと表す場合がある。
図8は、本実施形態に係るライブラリ装置100における媒体投入処理を表すフローチャートである。
図8に示す、媒体投入処理において、ライブラリ装置100における制御部21は、投入スロット253に記録媒体28が格納されているか否かを確認する(ステップS200)。
そして、制御部21は、記録媒体28が格納されている場合(ステップS200にてYES)には、論理ライブラリが有する論理投入スロットに関連付ける投入スロット253に対するアクセスの許可状態、若しくはアクセスの禁止状態を表すロック状態テーブル233(図6)を参照し、投入スロット253へのアクセス許可状態が「Allow状態」となっている論理ライブラリの番号(つまり、論理ライブラリ番号)を取得する(ステップS201)。
そして、制御部21は、論理ライブラリ構成情報テーブル232(図5)を参照して、当該論理ライブラリ番号における論理スロットに投入するための論理的な投入口である論理投入スロットに投入スロット253を関連付け(ステップS202)、記録媒体28を投入する処理を終了する。
また、制御部21は、投入スロット253に記録媒体28が格納されていない場合(ステップS200にてNO)には、当該論理ライブラリ番号における論理投入スロットに、投入スロット253を関連付けることは行わず、そのまま媒体投入処理を終了する。
そして、制御部21は、操作者が、ライブラリ装置100に記録媒体28を投入し、対象とする論理ライブラリが有する論理投入スロットに共用される投入スロットが論理的に関連付けられて記録媒体28が格納された状態となると、外部装置7において動作するAP_SWにより、共用される投入スロット253に投入された記録媒体28を確認し、ロボット24を用いてスロット25における投入スロット253から媒体格納スロット252へ、記録媒体28を搬送する。
図9は、本実施形態に係るライブラリ装置100における媒体搬送処理を表すフローチャートである。
図9に示す、媒体搬送処理は、外部装置7が、ライブラリ装置100内における、記録媒体28の搬送を指示する、「MOVE_MEDIUM」コマンドを発行した際のライブラリ装置100における処理を表す。
図9に示す、媒体搬送処理において、ライブラリ装置100における制御部21は、外部装置7において動作するAP_SWにより指定された搬送元及び搬送先を表す論理スロット番号に対応する物理スロット番号を、論理ライブラリ構成情報テーブル232を参照して取得する(ステップS300)。
次に、制御部21は、ロボット24を用いて、搬送元に指定された物理スロット番号が表す物理スロットから搬送先に指定された別の物理スロット番号が表す物理スロットへ記録媒体28を移動(ステップS301)する。
その後、制御部21は、投入スロット253が空の状態であるか否かを確認する(ステップS302)。
そして、制御部21は、投入スロット253において記録媒体28が格納されていなければ(ステップS302にてYES)、制御部21は、論理ライブラリ構成情報テーブル232を参照し、投入先である論理ライブラリが有する論理投入スロットと、投入スロット253との関連付けを解除する(ステップS303)。
そして、制御部21は、記録媒体搬送後も投入スロット253に記録媒体28が格納されている場合には、(ステップS302にてNO)、上述した関連付ける対象とする論理ライブラリが有する論理投入スロットと、投入スロット253との関連付けの解除は行わずに、媒体搬送処理を終了する。
本ライブラリ装置100における制御部21は、上述したPrevent解除処理(図7)と、媒体投入処理(図8)と、媒体搬送処理(図9)とを実行することにより、記録媒体28が投入された共用される投入スロット253を、外部装置7がアクセスする対象とする論理ライブラリが有する論理投入スロットへ関連付けることを自動的に行うことができる。
その理由は、外部装置7とライブラリ装置100との間で用いられるプロトコル(例えば、SMC−3において規定された、「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンド等)において、外部装置7が発行するコマンドを契機として、そのコマンドが、どの論理ライブラリに対して発行されたのか、という情報に基づいて制御するためである。
また、本実施形態は、第1及び第2の実施形態を基本としている。そのため、本実施形態は、第1及び第2の実施形態が有する効果を同様に有する。
つまり、本実施形態によれば、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けることができる。
尚、本実施形態では、投入スロット253の数は、説明の都合により、1つの場合を一例として説明した。しかしながら、投入スロット253の数は、この数には限定されない。
以上、本発明の第3の実施形態として、上述した構成および動作を例に説明したが、係る本実施形態を例として説明した本発明は、必ずしも係る構成や動作には限定されない。
(第3の実施形態の応用例)
次に、第1乃至第3の実施形態を基本とする第3の実施形態における応用例について図4乃至図12を参照して詳細に説明する。図10は、本実施形態の応用例に係るライブラリ装置150において仮想外部装置を用いる例を表すブロック図である。
本実施形態における応用例に係るライブラリ装置150は、第3の実施形態における外部装置7を仮想化した複数の仮想外部装置を用いるものとする。
そして、仮想化された外部装置7は、仮想外部装置管理情報32を用い、外部(つまりライブラリ装置)に対して複数の外部装置に見せる点が第1乃至第3の実施形態におけるライブラリ装置1、10、100と相違する。
従って、以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1及び第3の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより重複する説明を省略する。
尚、本実施形態における応用例では、複数の仮想化された外部装置7は、外部装置7が有するインタフェース20を介してライブラリ装置150に論理的に接続する場合や、或いは仮想化された外部装置7を更に複数有し、その複数の外部装置7を、例えば図示していないFiber_Channel_Switch(ファイバチャネルスイッチ:以下、「FCスイッチ」と略称する)を介して1つのチャネル(インタフェース)に集線すると共に、ライブラリ装置150における例えば単一のインタフェース22に接続する場合を含む。
更に、本実施形態における応用例に係るライブラリ装置150は、上述した仮想化された外部装置に限定されずに、例えば1つの物理的な外部装置7において複数のインタフェース20を備え、それぞれがライブラリ装置150における複数のインタフェース22(不図示)と接続されるような、冗長化構成を有する場合も含む。
つまり、本実施形態における応用例に係るライブラリ装置150は、外部装置7との間における物理的な接続構成に対応する論理的な接続を一意に対応付けることができない上述したような場合を含む実施形態を実現することが可能である。
本実施形態における応用例では、説明の都合により、単一のインタフェース22に接続された外部装置7を複数の仮想外部装置として用いる場合を、一例として説明する。
図10に示す、ライブラリ装置150は、その内部構成については第3の実施形態と同様であるが、一例としての単一のインタフェース22を有している点と、論理ライブラリ管理テーブル23に含まれる論理ライブラリ仮想外部装置テーブル234とを有する点が、第3の実施形態と相違する。
図12に示す、論理ライブラリ仮想外部装置テーブル234は、World_Wide_Name(つまり、Strage_Area_Network(以下、「SAN」と略称する)規格において規定される、装置を識別するための識別子。以下、「WWN」と略称する)を使用し、仮想外部装置と論理ライブラリ番号とを関係付ける。
図11は、本実施形態の応用例に係るライブラリ装置150における仮想外部装置番号とインタフェースID(つまり、識別子であるWWN。以下同様)との関係を表す仮想外部装置識別テーブル121である。
また、図12は、本実施形態の応用例に係るライブラリ装置150における接続対象の論理ライブラリ番号と、仮想外部装置におけるWWNとの関係を表すテーブルである。
ここで、外部装置7は、物理的には一台の外部装置である。しかしながら、外部装置7は、外部装置7の内部に、複数の仮想外部装置(不図示、以下同様)と、これらの仮想外部装置における管理情報を保持する仮想外部装置管理情報32とを有する。
そして、それぞれの仮想外部装置からは、外部装置7におけるインタフェース20を介してライブラリ装置150における接続対象とする論理ライブラリにそれぞれ論理的に接続する。
そして、仮想外部装置は、接続対象とする論理ライブラリへアクセスする際には、インタフェース20における識別子として、仮想外部装置管理情報32が有する、図11に示す仮想外部装置識別テーブル121に示すインタフェースID(WWN)を使用する。
そして、ライブラリ装置150における制御部21は、図11に示す仮想外部装置番号(つまり、仮想外部装置#0や、#1)と、インタフェースID(WWN)、及び図12に示す、仮想外部装置が接続する論理ライブラリ番号とを対応付け、仮想外部装置と、論理ライブラリとの関連付けをすることが可能である。
なお、本実施形態における応用例では、仮想外部装置がどれであるかの判別方法に、一例としてWWNを用いたが、使用する仮想外部装置と、接続対象とする論理ライブラリとを一意に結びつけることができる情報であれば、WWNに限定しない。
次に、第3の実施形態における説明において用いた、図7に示すPrevent解除処理を説明するフローチャートを基にして、仮想外部装置が記録媒体28をインポート処理する動作を説明する。
仮想外部装置は、共用される投入スロット253に記録媒体28を一時的に投入可能とする「Allow状態」にするための「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドを発行すると、制御部21は、そのコマンドを受信し、「Prevent状態」を解除する処理を開始する。
そして、Prevent状態解除処理では、まず、制御部21は、図12に示す、論理ライブラリ管理テーブル23における論理ライブラリ仮想外部装置テーブル234を参照し、コマンドの発行元である仮想外部装置におけるWWNに関連付けられた論理ライブラリの論理ライブラリ番号を決定する(ステップS100)。
そして、制御部21は、接続する対象である論理ライブラリが、「Prevent状態」であれば、「Allow状態」に設定し(ステップS101)、投入スロット253におけるロックを解除する(ステップS102)。
つまり、第3の実施形態で用いた図7に示すPrevent解除処理は、外部装置7が仮想外部装置であれば、仮想外部装置識別テーブル121や、論理ライブラリ仮想外部装置テーブル234を参照することにより、例えばインポート処理を行うことができる。
従って、以降の処理である、操作者が記録媒体28を共用される投入スロット253に投入し、制御部21は、開閉検知部27によって投入口の開閉を検知すると共に媒体投入処理(図8)と媒体搬送処理(図9)とを実行することは、第3の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
上述したように、本実施形態の応用例は、外部装置7が複数の仮想外部装置によって構成され、論理ライブラリにそれぞれ論理的に接続されるような、物理的な接続構成からは一意に外部装置7を識別できない場合であっても、仮想外部装置識別テーブル121や、論理ライブラリ仮想外部装置テーブル234を用いて適切な接続先の論理ライブラリが有する論理投入スロットに、記録媒体28が投入された共用の投入スロット253を関連付けることができる。
尚、本実施形態では、複数の仮想外部装置と論理的なインタフェースを用いて、ライブラリ装置と接続する例を中心に説明したが、上述したように、複数の外部装置や、ライブラリ装置との間におけるインタフェースが物理的に異なっていても、或いはそのインタフェースが論理的に複数の外部装置と複数の論理ライブラリとの間を論理的に束ねていたとしても同様の効果を奏することができる。
即ち、本実施形態に係るライブラリ装置150における応用例は、物理的な接続構成と論理ライブラリとを一意に対応付けることができない場合を含む実施形態に適用することができる。そして第3の実施形態と同様の効果を享受することができる。
つまり、本実施形態によれば、外部装置とライブラリ装置との間において論理的なインタフェースを用いる場合でも、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けることができる。
以上、本発明の第3の実施形態における応用例として、上述した構成および動作を例に説明したが、係る本実施形態を例として説明した本発明は、必ずしも係る構成や動作には限定されない。
<第4の実施形態>
次に、第1乃至第3の実施形態を基本とする、第4の実施形態について、図3乃至図5と、図13及び図14とを参照して説明する。図13は、本実施形態に係るライブラリ装置200における機能を概念的に表すブロック図である。
本実施形態に係るライブラリ装置200は、第3の実施形態に係るライブラリ装置100におけるロック制御部26及び論理ライブラリ管理テーブル23が有する論理ライブラリロック状態テーブル233(図6)を備えていない点が第3の実施形態と相違する。
そのために、外部装置7において動作するAP_SWは、共用される投入スロット253における投入口を常時ロックしない構成のライブラリ装置に対して、第3の実施形態において述べたコマンドとは異なるコマンドを発行する点が相違する。
従って、以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1乃至第3の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより重複する説明を省略する。
つまり、本実施形態に係るライブラリ装置200は、ライブラリ装置200から外部へ記録媒体28を取り出すことや、外部から記録媒体28を投入することを禁止せず、操作者から、投入スロット253に対して常時アクセス可能な状態で運用されることを前提とする。
そして、制御部21は、操作者がライブラリ装置200における投入スロット253に記録媒体28を投入する際に、投入スロット253へ記録媒体28が投入されたことを投入口における開閉を検知する開閉検知部27よって知る。
そして、外部装置7において動作するAP_SWは、ライブラリ装置200に対して、投入スロット253における記録媒体28が保有する情報(例えば、記録媒体28に貼付されたバーコード等の情報。以下同様)を確認するコマンドである、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドを発行する。これにより、外部装置7は、ライブラリ装置200へ投入された記録媒体28のインポート処理を開始する。
続いて、制御部21は、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドによって、記録媒体28が保有する情報を確認した当該記録媒体28を媒体格納スロット252に搬送する。
上述した第3の実施形態では、インポート処理を開始するために、外部装置7から発行された、「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンドによって「Allow状態」にされた論理ライブラリが有する論理投入スロットに対して、投入スロット253を関連付ける例を説明した。
一方、本実施形態では、操作者は、記録媒体28を投入スロット253に投入した後、外部装置7におけるAP_SWにより、ロック制御部26を有しないライブラリ装置200に対して、別のインポート処理に関するコマンドである、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドを発行する。
そして、ライブラリ装置200における制御部21は、外部装置7から発行された「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドが接続する対象論理ライブラリが有する論理投入スロットへ、投入スロット253を関連付ける。
尚、制御部21は、他の外部装置7からも、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドを受信した場合には、例えば先着順でコマンドを発行した外部装置7が接続する対象論理ライブラリが有する論理投入スロットと、共用される投入スロット253とを関連付けるようにする。
また、外部装置7が、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドを発行するタイミングは、例えば操作者が記録媒体28を外部から投入した際に、制御部21が、開閉検知部27から投入口が開閉したことを表す開閉通知を受けて、且つ、制御部21が、投入スロット253に記録媒体28が格納されていることを確認した旨を外部装置7に通知したことに基づいて、外部装置7が発行する。
次に、本実施形態における「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドによる処理内容を図14に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。図14は、本実施形態に係るライブラリ装置200における「READ_ELEMENT_STATUS」コマンド処理を表すフローチャートである。
まず、ライブラリ装置200における制御部21は、外部装置7から発行された「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドを受け取ると、論理ライブラリ接続情報テーブル231を参照し、受信したインタフェース22におけるポート番号、ターゲットID(識別子)および論理ユニット番号(LUN)とを比較し、接続する対象論理ライブラリの論理ライブラリ番号を決定する(ステップS400)。
次に、制御部21は、論理ライブラリ構成情報テーブル232を参照し、共用される投入スロット253が、既に何れかの論理ライブラリに関連付けられていないかを、論理ライブラリにおける論理投入スロット番号に物理スロットが対応付けられているかどうかで判断する(ステップS401)。
次に、制御部21は、投入スロット253が何れの論理ライブラリにも、未だ関連付けられていないならば(ステップS401にてYES)、次に、投入スロット253に記録媒体28が格納されているか否かを確認する(ステップS402)。
そして、制御部21は、投入スロット253において記録媒体28が格納されているならば(ステップS402にてYES)、論理ライブラリ構成情報テーブル232を参照し、投入スロット253をステップS400において決定した論理ライブラリ番号で表される論理ライブラリが有する論理的な投入口である論理投入スロットに関連付けると共に、制御部21は論理ライブラリ構成情報テーブル232を更新する(ステップS403)。
そして、制御部21は、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドにより、インポート処理をすることを要求された対象論理ライブラリに関連付けられた記録媒体28を表す情報(例えば、記録媒体28に貼付されたバーコード等の情報)を、外部装置7に報告し(ステップS404)、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンド処理を終了する。
また、ライブラリ装置200における制御部21は、外部装置7から、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドを受け付けた際に、共用される投入スロット253が既にいずれかの論理ライブラリに関連付けられている場合(ステップS401にてNO)、または、共用される投入スロット253が何れの論理ライブラリにも、未だ関連付けられていない場合で、且つ、その投入スロット253に記録媒体28が格納されていない場合(ステップS402にてNO)は、以下の処理を行う。
つまり、制御部21は、投入スロット253を、ステップS400にて決定した番号を有する論理ライブラリへの関連付けを変更せずに、インポート処理をするよう要求された接続する対象論理ライブラリに関連付けられた記録媒体28を表すバーコード等の情報を、外部装置7に報告し、(ステップS404)、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンド処理を終了する。
また、制御部21は、上述した、「READ_ELEMENT_STATUS」コマンド処理手順により、図9に示した媒体搬送処理におけるステップS302にてNOと、ステップS303に示す処理と同様に、外部装置7からの媒体搬送コマンドにより、接続対象論理ライブラリに関連付けられた投入スロット253から媒体が無くなるか(ステップS302にてNO)、或いは操作者により投入スロット253が開閉されたことを開閉検知部27が検知した場合に、共用される投入スロット253と、接続する対象論理ライブラリが有する論理投入スロットにおける論理スロット番号との関連付けを解除する。
上述したように、本実施形態に係るライブラリ装置200は、外部から本ライブラリ装置200への記録媒体28の出し入れが禁止されない(つまり、ロック制御部が無く、常時、投入口にアクセス可能な)運用においても、外部装置7からの「READ_ELEMENT_STATUS」コマンドを受信したことを契機に、当該コマンドを受信した対象論理ライブラリが有する論理投入スロットと、共用される投入スロット253とを関連付けることができる。
つまり、本実施形態によれば、記録媒体28の出し入れが禁止されていない運用においても、インポート処理を契機として、第3の実施形態において述べたコマンドとは別のコマンドを用いて、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けることができる。
以上、本発明の第4の実施形態として、上述した構成および動作を例に説明したが、係る本実施形態を例として説明した本発明は、必ずしも係る構成や動作には限定されない。
<第5の実施形態>
次に、第1乃至第4の実施形態を基本とする、第5の実施形態について、図3と、図6及び図15を参照して説明する。図15は、本実施形態に係るライブラリ装置100における複数の外部装置15、16からのインポート処理を排他的に処理する排他Prevent解除処理を表すフローチャートである。
本実施形態に係るライブラリ装置100は、第3の実施形態における図3に示すライブラリ装置100が有する機能において、複数の外部装置7からのインポート処理が競合した際に、接続対象の論理ライブラリ(若しくは、その論理ライブラリが有する論理的な投入口である論理投入スロット)が使用中の場合に、Busy(ビジー、つまり使用中であるという態様)で応答(つまり、ステータス報告)を行う点が、第1乃至第4の実施形態と相違する。
従って、以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1乃至第4の実施形態と同様な構成については、同一の参照番号を付すことにより重複する説明を省略する。
図3に示す、本実施形態に係るライブラリ装置100は、複数の外部装置15、16との接続関係、及びライブラリ装置100における内部構成については、第3の実施形態と同じであるので、ここでの説明は省略する。
尚、図3に示す外部装置15、16は、説明の都合により、一例として2つの外部装置を表している。しかし、この数に限定しているわけではない。また、複数の外部装置15、16を総称する際には、便宜的に外部装置7と称する場合がある。
図15に示すフローチャートを用いて、本実施形態における排他Prevent解除処理の動作を説明する。
本実施形態に係るライブラリ装置100における制御部21は、操作者が、投入スロット253へ記録媒体28を投入した際に、何れかの外部装置が発行するインポート処理を排他的に行うために、一時的に「Allow状態」(つまり、記録媒体28を投入可能状態)にするための「PREVENT_ALLOW_MEDIUM_REMOVAL」コマンド(以下、説明の都合から、本コマンドを排他Prevent解除コマンドと称する。以下、本実施形態において同様)を受け取る。
そして、制御部21は、排他Prevent解除コマンドを受け取ると、図6に示す論理ライブラリロック状態テーブル233を参照し、排他Prevent解除コマンドを受け付けた何れかの当該論理ライブラリ以外の論理ライブラリ(つまり、他系論理ライブラリ。以下同様)において、共用される投入スロット253において記録媒体28を投入(アクセス)することに対する許可、若しくは禁止が、「Allow状態」(つまり、許可状態)となっていないかどうかを確認する(ステップS500)。
そして、制御部21は、排他Prevent解除コマンドを受け付けた当該論理ライブラリ以外の何れかの論理ライブラリが「Allow状態」であった場合には(ステップS500にてYES)、後述する「Prevent状態」の解除は行わずに、排他Prevent解除コマンドを発行した当該外部装置7に対してBusyステータスを報告する(ステップS504)。
そして、制御部21は、排他Prevent解除コマンドを受け付けた論理ライブラリ以外の論理ライブラリが全て「Prevent状態」であった場合には(ステップS500にてNO)、共用される投入スロット253に記録媒体28が格納されているか否かを確認する(ステップS501)。
そして、制御部21は、投入スロット253に記録媒体28が格納されている場合には(ステップS501にてYES)、他の外部装置7からの指示に基づいたインポート処理中であると判断し、排他Prevent解除コマンドを発行した当該外部装置7に対してBusyステータスを報告(ステップS504)する。
そして、制御部21は、投入スロット253に記録媒体28が格納されていない場合には(ステップS501にてNO)、ライブラリ装置100に接続された全ての外部装置7からインポート処理が行われていない状態であるので、排他Prevent解除コマンドを受け付けた接続対象論理ライブラリ(つまり、自系論理ライブラリ。以下同様)に対してPrevent解除処理を行う(ステップS502)。
そして、制御部21は、本論理ライブラリのPrevent解除処理において、図6に示す論理ライブラリロック状態テーブル233を参照し、排他Prevent解除コマンドを受け付けた当該論理ライブラリのロック状態を「Allow状態」に更新すると共に、ライブラリ装置100における共用される投入スロット253の投入口を外部から開閉できる状態にする。
その後、制御部21は、排他Prevent解除コマンドを発行した外部装置7に対してGoodステータス(つまり、使用可能であるという態様)を報告(ステップS503)し、排他Prevent解除処理を終了する。
つまり、本実施形態に係るライブラリ装置100における制御部21は、排他Prevent解除コマンドを受けた接続する対象論理ライブラリ以外の論理ライブラリ、即ち、他系論理ライブラリにおいて、ロック状態が「Allow状態」であった場合、及び投入スロット253に記録媒体28が格納されている場合には、他の外部装置からのインポート処理中であると判断することにより、競合するインポート処理が開始されないように排他(即ち、Busyステータス報告)処理を行う。
これにより、本実施形態に係るライブラリ装置100は、複数の外部装置から同時にインポート処理が行われた場合でも適切に排他処理が行われ、順次にインポート処理を行うことができる。
また、本実施形態に係るライブラリ装置100は、何れかの外部装置に対応する論理ライブラリのうち、例えばある系の論理ライブラリが使用中でも、他系の論理ライブラリが空き次第、自動的に空いた系に当該外部装置との接続が切替わり、直ぐに使うことができる。また、係るライブラリ装置100は、排他的に処理されるので、誤動作(誤接続)しない。
その理由は、ライブラリ装置100における制御部21は、何れかの外部装置と接続する対象論理ライブラリが使用中の場合にBusyステータスにより応答することによって、空いている論理スロットを接続対象とするように制御するからである。
また、本実施形態に係るライブラリ装置100は、第3の実施形態においてロック制御部26を有する例を用いて説明したが、第4の実施形態で説明したように、ロック制御部26を有しないライブラリ装置200においても、排他制御を行うことが可能である。
つまり、本実施形態によれば、複数の外部装置から同時にインポート処理が行われたとしても、そのインポート処理を契機として、接続する対象論理ライブラリにおいて、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けることができる。
以上、本発明の第5の実施形態として、上述した構成および動作を例に説明したが、係る本実施形態を例として説明した本発明は、必ずしも係る構成や動作には限定されない。
<第6の実施形態>
次に、第3乃至第5の実施形態を基本とする、第6の実施形態について図16を参照して説明する。図16は、第3の実施形態に係るライブラリ装置100における機能(図3)を情報処理装置300によって実現する際の構成を表すブロック図である。
本実施形態に係るライブラリ装置は、第3乃至第5の実施形態における機能及び処理を情報処理装置300におけるCentral_Proccessing_Unit(以下、「CPU」と略称する)と、オペレーティングシステム(Operating_System:以下「OS」と略称する)及びアプリケーション(AP)とからなるソフトウェア(SW)によって実現した点が他の実施形態と相違する。
図16を参照すると、本実施形態に係る情報処理装置300は、CPU301と、メモリ302と、共用投入スロット処理プログラム303と、不揮発性主記憶装置304と、アプリケーションソフトウェア(AP_SW)を本情報処理装置300に供給する際に用いる記憶媒体リーダライタ305と、データバス306と、通信インタフェース307と、入出力コントローラ308と、ディスプレー309及び記憶媒体310とからなる。
本実施形態において、情報処理装置300は、図3に示すブロック図における各機能と、図4乃至図6と図11及び図12に示すテーブルと、図7乃至図9と図14及び図15に示すフローチャートにおける各処理とを、図16に示す情報処理装置300が有するCPU301と、そのCPU301において動作するソフトウェアであるOS並びに、メモリ302に展開したコンピュータ・プログラムである共用投入スロット処理プログラム303とが協働することにより実現する。
尚、本実施形態では、一例として、第3の実施形態に係るライブラリ装置100を情報処理装置300により実現するコンピュータ・プログラムを説明する。
しかしながら、これに限定しているわけではなく、第3の実施形態の応用例や、第4及び第5の実施形態においても、上述した共用投入スロット処理プログラム303、及び後述する記憶処理プログラム318を適宜に改変することにより、それぞれライブラリ装置100や、ライブラリ装置150や、或いはライブラリ装置200を、コンピュータ・プログラムを用いて情報処理装置300により実現することが可能である。
また、メモリ302における記憶処理プログラム318は、本情報処理装置300をライブラリ装置として動作させるためのプログラムであり、例えば、各実施形態における制御部21が行う処理に対応する。
続いて、本情報処理装置300によるライブラリ装置における共用投入スロット処理プログラム303について説明する。
本情報処理装置300における共用投入スロット処理プログラム303は、処理機能として、例えば磁気記録テープをカートリッジに収納した記録媒体(不図示)をライブラリ装置に取り込むインポート処理である、Import処理開始検知処理311と、Prevent解除処理312と、媒体投入処理313と、媒体搬送処理314と、READ_ELEMENT_STATUSコマンド処理315と、排他Prevent解除処理316との各処理プログラムを有する。
尚、情報処理装置300によるライブラリ装置は、例えば、後述するインタフェースであるデータバス306を通して、第3の実施形態で説明したスロット25と、ロボット24と、ロック制御部26と、開閉検知部27とを有する例えば図示していない外部の物理ライブラリ装置を制御することができる。
その際、本情報処理装置300は、記憶処理プログラム318を動作させることによって、外部装置7である例えばサーバ装置と、本物理ライブラリ装置とが協働するように制御する。
そして、共用投入スロット処理プログラム303におけるImport処理開始検知処理311と、Prevent解除処理312と、媒体投入処理313、及び媒体搬送処理314は、第3の実施形態において説明した図4乃至図6に示すテーブルを参照し、図7乃至図9におけるフローチャートに対応する処理を実行する。
また、READ_ELEMENT_STATUSコマンド処理315は、第4の実施形態において説明した図14におけるフローチャートに対応する処理を実行する。
また、排他Prevent解除処理316は、第5の実施形態において説明した図15におけるフローチャートに対応する処理を実行する。
尚、上述した各処理を実現する各テーブルや各フローチャートを用いた動作説明は、第3乃至第5の実施形態において説明しているので、本実施形態における説明は省略する。
また、本情報処理装置300は、共用投入スロット処理プログラム303を外部からファイルやデータの形式で読み書きする記憶媒体リーダライタ305と、CPU301と協働するOSによる制御によって情報処理装置300が備える各種入出力データの入出力を制御する入出力コントローラ308と、外部装置(不図示。以下、同様)とデータ交換することが可能なデータバス306と、同じく外部装置(不図示。以下、同様)とデータ通信することが可能な通信インタフェース307とを有する。
尚、データバス306は、インタフェースとして、例えばファイバーチャネル(Fiber_Channel:以下、「FC」と称する)や、Serial_Attached_SCSI(Small_Computer_System_Interface):以下、「SAS」と略称する)や、Automation/Drive_Interface(以下、「ADI」と略称する。)等によって規定される物理的インタフェースやプロトコル等を用いることが可能である。しかし、データバス306の種類はこれらに限定しているわけではない。
また、共用投入スロット処理プログラム303や、記憶処理プログラム318は、それらの元プログラムを、不揮発性主記憶装置304に格納しておくことが可能である。そして、本情報処理装置300が起動する際に、メモリ302にロードすることが可能である。
また、共用投入スロット処理プログラム303や、記憶処理プログラム318は、図示していない、Read_Only_Memory(以下、「ROM」と略称する)等に、本情報処理装置300をライブラリ装置として制御するためのファームウェア(FW)として記憶するようにしてもよい。
また、本実施形態に係る情報処理装置300によるライブラリ装置は、論理ライブラリ管理テーブル317を有する。尚、論理ライブラリ管理テーブル317は、第3の実施形態で説明した、論理ライブラリ接続情報テーブル231と、論理ライブラリ構成情報テーブル232と、論理ライブラリロック状態テーブル233とを有する。
また、論理ライブラリ管理テーブル317は、第3の実施形態の応用例で説明した、図11に示す仮想外部装置識別テーブル121や、図12に示す論理ライブラリ仮想外部装置テーブル234を有する。
また、情報処理装置300は、この論理ライブラリ管理テーブル317をメモリ302とは別の図示していない読み書き可能な記憶部等において記録(更新)するようにしてもよく、共有投入スロット処理プログラム303と共にメモリ302において記録(更新)するようにしてもよい。
また、情報処理装置300によるライブラリ装置を操作する操作者は、論理ライブラリと関連付けられた共用される投入スロット(不図示)の状況を、例えばディスプレー309において表示させ、その表示に基づいてライブラリ装置における運用を管理することが可能である。
また、ディスプレー309は、例えば、外部装置7であるサーバ装置や、論理ライブラリにおける論理スロット(論理投入スロット)や、及び物理ライブラリにおける物理スロットや、共用される投入スロットが稼働している状況をそれらのスロット番号と共に表示することが可能である。
これにより、操作者は、外部から記録媒体28を本ライブラリ装置に投入する際に、論理ライブラリが有する論理投入スロットに、共用される投入スロットが適切に関連付けられることを容易に認識することができる。
また、本実施形態に係る情報処理装置300は、上述したライブラリ装置100(図3)、150(図10)、200(図13)における各ブロック及びその制御を表すフローチャート(図7乃至図9と、図14及び図15)とを、実現可能なコンピュータ・プログラム即ち、共用投入スロット処理プログラム303として供給する。
そして、そのコンピュータ・プログラムを情報処理装置300によるライブラリ装置の制御方法として用意した上記CPU301及び協働するOS並びに、共用投入スロット処理プログラム303をメモリ302に読み出して実行することによって、第3乃至第5の実施形態で説明したライブラリ装置の動作が達成される。
また、当該情報処理装置300への上述したコンピュータ・プログラムの供給方法は、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM(Compact_Disc−Read_Only_Memory)等のディスクメディア及び、ユニバーサルシリアルバス(Universal_Serial_Bus:以下「USB」と略称する)メモリ等のメモリメディア等の各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体310を介して当該情報処理装置300内へ、記憶媒体リーダライタ305を用いてインストールする方法を採用可能である。
また、当該情報処理装置300への上述したコンピュータ・プログラムの供給方法は、データバス306を介して外部装置からインストールする方法あるいは、通信インタフェース307を用いてインターネット等の有線や無線等の通信可能な通信回線を介して外部装置よりダウンロードする方法等のように、現在では一般的な手順を採用することができる。
そして、このような場合において、本実施形態は、係るコンピュータ・プログラムを構成するコード、或いは係るコードが記録されたところの、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体310によって構成されると捉えることができる。
また、係る汎用の情報処理装置300を用いたライブラリ装置は、専用の装置によって実現してもよい。
本実施形態は、第3乃至第5の実施形態を基本としている。そのため、本実施形態は、第3乃至第5の実施形態が有する効果を同様に有する。
つまり、本実施形態によれば、記録媒体が投入された共用される投入スロットを適切な論理ライブラリに簡単に関連付けることができる。
以上、本発明の第6の実施形態として、上述した構成および動作を例に説明したが、係る本実施形態を例として説明した本発明は、必ずしも係る構成や動作には限定されない。
本発明は、上述した各実施形態には限定されず、分割された論理ライブラリを有するライブラリ装置等及びそれらのライブラリ装置等を制御する情報処理装置等に適用可能である。
1 ライブラリ装置
2 制御部
3 論理ライブラリ情報
4 投入スロット
5 記録媒体
6 論理ライブラリ
7 外部装置
8 物理ライブラリ
10 ライブラリ装置
15 外部装置(#0)
16 外部装置(#1)
18 論理ライブラリ(#0)
19 論理ライブラリ(#1)
20 インタフェース
21 制御部
22 インタフェース
23 論理ライブラリ管理テーブル
24 ロボット
25 スロット
26 ロック制御部
27 開閉検知部
28 記録媒体
32 仮想外部装置管理情報
100 ライブラリ装置
121 仮想外部装置識別テーブル
150 ライブラリ装置
200 ライブラリ装置
231 論理ライブラリ接続情報テーブル
232 論理ライブラリ構成情報テーブル
233 論理ライブラリロック状態テーブル
234 論理ライブラリ仮想外部装置テーブル
251 ドライブ
252 媒体格納スロット
253 投入スロット
300 情報処理装置
301 CPU
302 メモリ
303 共用投入スロット処理プログラム
304 不揮発性主記憶装置
305 記憶媒体リーダライタ
306 データバス
307 通信インタフェース
308 入出力コントローラ
309 ディスプレー
310 記憶媒体
311 Import処理開始検知処理
312 Prevent解除処理
313 媒体投入処理
314 媒体搬送処理
315 READ_ELEMENT_STATUSコマンド処理
316 排他Prevent解除処理
317 論理ライブラリ管理テーブル
318 記憶処理プログラム

Claims (10)

  1. 記録媒体が投入される際に共用される投入スロットと、
    投入された前記記録媒体が格納された物理ライブラリと、
    前記物理ライブラリを論理的な記憶領域に分割した各領域を表す論理ライブラリと、
    その論理ライブラリに接続される外部装置との接続情報を含む論理ライブラリ情報と、
    前記投入スロットを前記論理ライブラリに関連付けるよう制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、
    前記記録媒体を前記外部装置に取り込むインポート処理を指示された際に、前記論理ライブラリ情報を参照することによって該インポート処理を指示した前記外部装置に接続される前記論理ライブラリを特定し、
    前記特定された論理ライブラリに、前記記録媒体が投入された前記投入スロットを関連付けることを特徴とするライブラリ装置。
  2. 前記論理ライブラリ情報は、前記論理ライブラリと前記外部装置との接続を表す情報を含む論理ライブラリ接続情報を含み
    前記制御部は、前記インポート処理を指示した前記外部装置からのコマンドを受信するのに応じて、前記論理ライブラリ接続情報を参照し、前記外部装置に接続される前記論理ライブラリを特定することを特徴とする請求項1に記載のライブラリ装置。
  3. 前記論理ライブラリ情報は、前記投入スロットに前記記録媒体を投入することを許可若しくは禁止する状態を示す情報を保持する論理ライブラリロック状態情報を含み
    前記制御部は、前記インポート処理を指示した前記外部装置からのコマンドを受信するのに応じて、前記論理ライブラリロック状態情報を参照し、前記インポート処理の対象である前記論理ライブラリに関連付けられる前記投入スロットに対する状態が禁止状態であれば、その状を許可状態に設定することにより、前記記録媒体が投入された前記投入スロットを論理ライブラリに関連付けることを特徴とする請求項1若しくは請求項2の何れかに記載のライブラリ装置。
  4. 前記制御部は、
    前記外部装置が発行する、前記記録媒体を前記投入スロットから投入可能にする第1のコマンドを受信するのに応じて、前記論理ライブラリ接続情報である論理ライブラリ接続情報テーブルを参照し、当該第1のコマンドを受信した際の前記ライブラリ装置が有するインタフェースにおけるポートを表すポート番号と、該ポートに論理的に接続される前記論理ライブラリを識別するターゲット識別子及びその論理ライブラリが有する論理ユニット番号とを比較した結果に基づき、前記外部装置が接続する対象である対象論理ライブラリにおける論理ライブラリ番号を特定し、
    記論理ライブラリロック状態情報である論理ライブラリロック状態テーブルを参照し、特定された前記論理ライブラリ番号が表す前記対象論理ライブラリが有する前記投入スロットに関する状態が、前記禁止状態である場合に、該状態を許可状態に設定すると共に、前記投入スロットにおける前記投入口におけるロックを解除するよう制御する、ことを特徴とする請求項3に記載のライブラリ装置。
  5. 共用される前記投入スロットに前記記録媒体を出し入れする際の投入口のロックを制御するロック制御部と、
    前記投入口における開閉を検知する開閉検知部とを更に有し、
    前記制御部は、
    前記開閉検知部が、前記ロック制御部により前記ロックを解除された前記投入スロットに、前記記録媒体が投入されたことを検知する、前記記録媒体が格納されているか否かを確認し、
    前記投入スロットに前記記録媒体が格納されている場合は、前記論理ライブラリロック状態テーブルを参照し、前記投入スロットにする状態が、前記許可状態である前記論理ライブラリ番号を取得し、
    取得た当該論理ライブラリ番号を有する前記論理ライブラリが有する論理的な投入スロットに、共用される前記投入スロットを関連付けることを特徴とする請求項4に記載のライブラリ装置。
  6. 前記論理ライブラリ情報において、前記物理ライブラリを構成する物理スロットと、該物理スロットに関連付けられた前記論理ライブラリにおける論理スロットとの関係を表す論理ライブラリ構成情報と、
    前記ライブラリ装置内に格納された前記記録媒体を搬送する搬送装置とを更に有し、
    前記制御部は、
    前記記録媒体が投入された前記投入スロットが、前記論理的な投入スロットに論理的に関連付けられた場合に、前記投入スロットに前記記録媒体が格納されていることを確認し、
    記外部装置が発行する前記記録媒体を搬送する第2のコマンドを受信するのに応じて、前記第2のコマンドが指定する搬送元および搬送先をす論理スロット番号に対応する前記物理スロット番号を、前記論理ライブラリ構成情報から取得し、
    前記搬送装置を用いて、前記搬送元の前記物理スロット番号が表す物理スロットから前記搬送先の前記物理スロット番号が表す物理スロットへ前記記録媒体を移動させ、前記投入スロットに何れの前記記録媒体も格納されていない場合は、前記論理ライブラリ構成情報を参照し、前記論理的な投入スロットと前記投入スロットとの関連付けを解除することを特徴とする請求項に記載のライブラリ装置。
  7. 前記制御部は、
    前記ライブラリ装置が前記ロック制御部を有しない場合に、前記外部装置が、共用される前記投入スロットに投入された前記記録媒体をインポート処理する際に、前記外部装置が発行する、前記投入スロットに前記記録媒体が格納されているか否かを確認する第3のコマンドを受信するのに応じて、前記論理ライブラリ接続情報テーブルを参照し、当該第3のコマンドを受信した際の前記ライブラリ装置が有するインタフェースにおけるポートを表すポート番号と、該ポートに論理的に接続される前記論理ライブラリを識別するターゲット識別子及びその論理ライブラリが有する論理ユニット番号とを比較した結果に基づき、前記外部装置が接続する対象である対象論理ライブラリにおける前記論理ライブラリ番号を特定し、前記論理ライブラリ構成情報を参照し、前記投入スロットが何れの前記論理ライブラリへも未だ関連付けがれていない場合で、且つ、前記投入スロットに前記記録媒体が格納されている場合は、前記論理ライブラリ構成情報を参照し、前記投入スロットを、前記特定された論理ライブラリ番号を有する前記対象論理ライブラリに関連付け、前記第3のコマンドが要求する前記対象論理ライブラリが有する前記論理投入スロットにおける前記記録媒体に関する情報を報告することを特徴とする請求項に記載のライブラリ装置。
  8. 前記制御部は、
    接続する複数の前記外部装置からインポート処理が行われる場合に、前記第1のコマンドを受信した際、前記論理ライブラリロック状態テーブルを参照し、前記第1のコマンドを受け付けた前記論理ライブラリ以外の何れかの論理ライブラリである他系論理ライブラリが有する前記論理投入スロットへの前記記録媒体を関連付けることを許可若しくは禁止する状態が、許可状態の場合は、当該関連付けの禁止状態を解除する処理は行わず、若しくは前記第1のコマンドを受け付けた前記論理ライブラリが、前記記録媒体を投入することに対して禁止状態で、且つ、共用される前記投入スロットに前記記録媒体が格納されている場合には、前記第1のコマンドを発行した前記外部装置に対して報告し、
    前記第1のコマンドを受け付けた前記論理ライブラリが、前記記録媒体を投入することに対して禁止状態で、且つ、共用される前記投入スロットに前記記録媒体が格納されていない場合には、前記第1のコマンドを受け付けた前記論理ライブラリにおける当該関連付けの禁止状態を解除すると共に、前記論理ライブラリロック状態テーブルを参照し、前記第1のコマンドを受け付けた前記論理ライブラリのロック状態を許可状態に更新し、共用の前記投入スロットにおける投入口を開閉できるようにし、前記第1のコマンドを発行した前記外部装置に対して報告することを特徴とする請求項乃至請求項7の何れか1項に記載のライブラリ装置。
  9. 記録媒体が投入される際に共用される投入スロットと、
    投入された前記記録媒体が格納された物理ライブラリと、
    前記物理ライブラリを論理的な記憶領域に分割した各領域を表す論理ライブラリと、
    その論理ライブラリに接続される外部装置との接続情報を含む論理ライブラリ情報と、
    前記記録媒体が投入された前記投入スロットを前記論理ライブラリに関連付けるよう制御する制御部とを有するライブラリ装置において、
    前記制御部によって、
    前記投入スロットに投入された前記記録媒体を前記外部装置に取り込むインポート処理を指示された際に、前記論理ライブラリ情報を参照することによって該インポート処理を指示した前記外部装置に接続される前記論理ライブラリを特定し、
    前記特定された論理ライブラリに、前記記録媒体が投入された前記投入スロットを関連付けることを特徴とするライブラリ装置の制御方法。
  10. 記録媒体が投入される際に共用される投入スロットと、
    投入された前記記録媒体が格納された物理ライブラリと、
    前記物理ライブラリを論理的な記憶領域に分割した各領域を表す論理ライブラリと、
    その論理ライブラリに接続される外部装置との接続情報を含む論理ライブラリ情報と、
    前記記録媒体が投入された前記投入スロットを前記論理ライブラリに関連付けるよう制御する制御部とを有するライブラリ装置の制御プログラムであって、その制御プログラムによって、
    前記投入スロットに投入された前記記録媒体を前記外部装置に取り込むインポート処理を指示された際に、前記論理ライブラリ情報を参照することによって該インポート処理を指示した前記外部装置に接続される前記論理ライブラリを特定し、
    前記特定された論理ライブラリに、前記記録媒体が投入された前記投入スロットを関連付ける処理を、コンピュータに実現させるコンピュータ・プログラム。
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