JP5730835B2 - グレリン受容体の大環状モジュレーターの使用方法 - Google Patents

グレリン受容体の大環状モジュレーターの使用方法 Download PDF

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〔関連出願情報〕
本出願は、合衆国法典第35巻第120条の下、現在係属中の2004年6月18日出
願の米国特許出願番号10/872,142号の一部継続出願であり、合衆国法典第35
巻第119条(e)項の下、2003年6月18日出願の米国特許仮出願番号60/47
9,223号の利益を主張する。この一部継続出願は、合衆国法典第35巻第119条(
e)項の下、2004年10月26日出願の米国特許仮出願番号60/621,642号
、2004年10月27日出願の米国特許仮出願番号60/622,055号、および2
005年1月7日出願の米国特許仮出願番号60/642,271号の利益も主張する。
上記引用出願の開示は、引用する本明細書中に組み込まれ、本発明の開示の一部とみなす

〔技術分野〕
本発明は、グレリン(成長ホルモン分泌促進薬)受容体(GHS−R1aならびにその
サブタイプ、イソ型、および/または変種が含まれる)に結合し、および/またはその機
能的モジュレーターである新規の高次構造が定義された大環状化合物に関する。本発明は
また、これらの化合物の中間体、これらの化合物を含む薬学的組成物、および化合物の使
用方法に関する。これらの新規の大環状化合物は、一定範囲の疾患の徴候の治療薬として
有用である。特に、これらの化合物は、消化管障害(術後腸閉塞、胃不全麻痺(糖尿病性
胃不全麻痺が含まれる)、オピオイド腸機能障害、慢性腸偽閉塞、短腸症候群、機能的消
化管障害が含まれるが、これらに限定されない)の治療および防止に有用である。
ゲノミクスおよびプロテオミクスにおける研究努力によって可能になった種々の生理学
的調節経路のより一層の理解により、新規の医薬品の発見に影響を与え始めている。特に
、鍵となる受容体およびその内因性リガンドの同定により、治療標的としてこれらの受容
体/リガンド対を開発する新たな機会が得られている。例えば、グレリンは、最初にラッ
トの胃から単離され、その後ヒトで同定されたオルソログを有する最近特徴づけられた2
8アミノ酸ペプチドのホルモンである(Kojima,M.;Hosoda,H.et
al.Nature 1999,402,656−660.)。一定範囲の他の種中のこ
のペプチドの存在により、正常な身体機能における保存された重要な役割が示唆される。
このペプチドは、脳内(視床下部中の弓状核および腹内側核、海馬、および黒質)および
下垂体中で主に見出される以前のオーファンGタンパク質共役受容体(GPCR)、1型
成長ホルモン分泌促進薬受容体(hGHS−R1a)の内因性リガンドであることが証明
されている(Howard,A.D.;Feighner,S.D.;et al.A
receptor in pituitary and hypothalamus t
hat functions in growth hormone release.
Science 1996,273,974−977.)(米国特許第6,242,19
9号、国際特許出願番号WO97/21730号およびWO97/22004)。受容体
は、中枢神経系(CNS)および末梢組織の他の領域(例えば、副腎、甲状腺、心臓、肺
、腎臓、および骨格筋)でも検出されている。この受容体は内因性ペプチドリガンドの単
離および特徴づけの前に同定およびクローン化されており、成長ホルモン(GH)分泌、
特に、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)受容体の調節に関与する他の受容体と異な
る。
ラットペプチドおよびヒトペプチドの固有の特徴は、Ser上のn−オクタノイル(
Oct)部分の存在である。しかし、des−アシル形態は、主に循環で存在し、約90
%のホルモンがこの形態である。この群は、翻訳後修飾に由来し、生体活性に関与するよ
うであるが、CNSへの輸送にも関与する可能性がある(Banks,W.A.;Tsc
hoep,M.;Robinson,S.M.;Heiman,M.L.Extent
and direction of ghrelin transport acros
s the blood−brain barrier is determined
by its unique primary structure.J.Pharma
col.Exp.Ther.2002,302,822−827.)。GH放出アッセイ
では、ホルモンのdes−オクタノイル形態は、親ペプチドよりも少なくとも1/100
の効力であるにもかかわらず、des−アシル種はグレリンに関連するいくつかの他の生
物学的効果を担い得ることが示唆されている。このdes−アシル形態は、主にグレリン
に帰する心血管増殖効果および細胞増殖効果を担う一方で、アシル化形態はエネルギー収
支の維持および成長ホルモン放出に関与すると主張されている(Baldanzi,G.
;Filighenddu,N.;Cutrupi,S.;et al.Ghrelin
and des−acyl ghrelin inhibit cell death
in cardiomyocytes and endothelial cells
through ERK1/2 and PI−3 kinase/AKT.J.Ce
ll Biol.2002,159,1029−1037)。同様に、グレリン遺伝子の
選択的スプライシングを惹起する内因性ホルモン形態としてdes−Gln14−グレリ
ンおよびオクタノイル化誘導体が単離されているが、共にインビボでのGH放出の刺激に
は不活性であることが見出されている(Hosoda,H.;Kojima,M.;Ma
tsuo,H.;Kangawa,K.Purification and chara
cterization of rat des−Gln14−ghrelin,a s
econd endogenous ligand for the growth h
ormone secretagogue receptor.J.Biol.Chem
.2000,275,21995−2120.)。翻訳後プロセシングによって産生され
る他の少数のグレリン形態が血漿中に認められているが、比活性はこれらに帰するもので
はない(Hosoda,H.;Kojima,M.;et al.Structural
divergence of human ghrelin.Identificat
ion of multiple ghrelin−derived molecule
s produced by post−translational process
ing.J.Biol.Chem.2003,278,64−70.)。
この受容体およびその内因性ペプチドリガンドの単離前でさえも、GH分泌を刺激する
ことができる薬剤を発見するための多大な研究時間が注がれてきた。ヒトGHの適切な調
節は、適切な身体発育だけでなく一定範囲の他の重大な生理学的効果にも重要である。G
Hおよび他のGH刺激ペプチド(GHRHおよび成長ホルモン放出因子(GRF))なら
びにその誘導体およびアナログを注射によって投与する。したがって、これらの正の効果
をより活用するために、GH分泌促進薬(GHS)と呼ばれるGH分泌を増加させると思
われる経口活性治療薬の開発に注目した。さらに、これらの薬剤の使用は、GHの脈動的
生理学的放出をより密接に模倣すると予想された。
1970年代後半における成長ホルモン放出ペプチド(GHRP)の同定から始まって
(Bowers,C.Y.Growth hormone−releasing pep
tides:physiology and clinical applicatio
ns.Curr.Opin.Endocrinol.Diabetes 2000,7,
168−174;Camanni,F.;Ghigo,E.;Arvat,E.Grow
th hormone−releasing peptides and their
analogs.Front.Neurosci.1998,19,47−72;Loc
atelli,V.;Torsello,A.Growth hormone secr
etagogues:focus on the growth hormone−re
leasing peptides.Pharmacol.Res.1997,36,4
15−423.)、薬剤の宿主を、GHSとして作用するその可能性について研究した。
GH放出の刺激およびこれに関して付随する正の効果に加えて、GHSは、種々の他の障
害(HIV患者で認められる消耗症(悪液質)、癌誘導性食欲不振、高齢者における筋骨
格の骨折、および成長ホルモン欠損疾患が含まれる)の治療において有用であると予想さ
れた。過去25年間にわたる多くの努力により、多数の強力な経口投与可能なGHSが得
られている(Smith,R.G.;Sun,Y.X.;Beatancourt,L.
;Asnicar,M.Growth hormone secretagogues:
prospects and pitfalls.Best Pract.Res.Cl
in.Endocrinol.Metab.2004,18,333−347;Fehr
entz,J.−A.;Martinez,J.;Boeglin,D.;Guerla
vais,V.;Deghenghi,R.Growth hormone secre
tagogues:Past,present and future.IDrugs
2002,5,804−814;Svensson,J.Exp.Opin.Ther.
Patents 2000,10,1071−1080;Nargund,R.P.;P
atchett,A.A.;et al.Peptidomimetic growth
hormone secretagogues.Design considerat
ions and therapeutic potential.J.Med.Che
m.1998,41,3103−3127;Ghigo,E;Arvat,E.;Cam
anni,F.Orally active growth hormone secr
etagogues:state of the art and clinical
perspective.Ann.Med.1998,30,159−168;Smit
h,R.G.;Van der Ploeg,L.H.T.;Howard,A.D.;
Feighner,S.D.;et al.Peptidomimetic regul
ation of growth hormone secretion.Endocr
.Rev.1997,18,621−645.)。これらには、成長ホルモンを刺激する
ために経口で活性なようにデザインされた、ヘキサレリン(hexarelin)(Ze
ntaris)、イパモレリン(ipamorelin)(Novo Nordisk)
、およびアデノシンアナログなどの小ペプチド、ならびにカルポモレリン(carpom
orelin)(Pfizer)、L−252、564(Merck)、MK−0677
(Merck)、NN703(Novo Nordisk)、G−7203(Genen
tech)、S−37435(Kaken)、およびSM−130868(Sumito
mo)などの小分子が含まれる。しかし、このような薬剤を使用した臨床試験は、特に、
長期治療における有効性の欠如または望ましくない副作用(シトクロムP450酵素の不
可逆的阻害が含まれる)のために、得られた結果は失望させるものであった(Zdrav
kovic M.;Olse,A.K.;Christiansen,T.;et al
.Eur.J.Clin.Pharmacol.2003,58,683−688.)。
したがって、治療効果を得るためにGHS−R1a受容体を有効にターゲティングするこ
とができる薬物が依然として必要である。
GH調整に関与するにもかかわらず、グレリンは、主に、胃の酸分泌腺で合成されるが
、他の器官(腎臓、膵臓、および視床下部)でもより少量が産生される(Kojima,
M.;Hsoda,H.;Kangawa,K.Purification and d
istribution of ghrelin:the natural endog
enous ligand for the growth hormone secr
etagogue receptor.Horm.Res.2001,56(Suppl
.1),93−97;Ariyasu,H.;Takaya,K.;Tagami,T.
;et al.Stomach is a major source of circ
ulating ghrelin,and feeding state determ
ines plasma ghrelin−like immunoreactivit
y levels in humans.J.Clin.Endocrinol.Met
ab.2001,86,4753−4758)。GH放出の刺激におけるその役割に加え
て、ホルモンは、種々の他の内分泌機能および非内分泌機能を有し(Broglio,F
.;Gottero,C.;Arvat,E.;Ghigo,E.Endocrine
and non−endocrine actions of ghrelin.Hor
m.Res.2003,59,109−117)、適切なエネルギー収支の維持で役割を
果たす多数の他の系と相互作用することが示されている(Horvath,T.L.;D
iano,S.;Sotonyi,P.;Heiman,M.;Tschoep,M.G
hrelin and the regulation of energy bala
nce - a hypothalamic perspective.Endocri
nology 2001,142,4163−4169;Casanueva,F.F.
;Dieguez,C.Ghrelin:the link connecting g
rowth with metabolism and energy homeost
asis.Rev.Endocrinol.Metab.Disord.2002,3,
325−338)。特に、グレリンは、食事調節における食欲促進シグナルとしての役割
を果たし、レプチン効果に反作用するように作用する。実際、グレリンは、このような食
欲促進性を有することが証明された最初の消化管ペプチドであった(Kojima,M.
;Kangawa,K.Ghrelin,an orexigenic signali
ng molecule from the gastrointestinal tr
act.Curr.Opin.Pharmacology 2002,2,665−66
8.)。ホルモンは、食欲および摂取挙動に関与する多数の他の神経ペプチドの合成およ
び分泌の視床下部調節にも関与する。グレリンレベルは、絶食または長期間の食事制限に
応答して上昇する(Nakazato,M.;Murakami,N.;Date,Y.
;Kojima,M.;et al.A role for ghrelin in t
he central regulation of feeding.Nature
2001,409,194−198)。例えば、食欲不振または過食症を罹患した被験体
は、グレリンレベルが上昇していた。ホルモンの循環レベルは、食事前に上昇し、食後に
低下することが見出されている。さらに、食事誘導性体重減少によってグレリンレベルが
増加するにもかかわらず、胃バイパス手術を受けた肥満症の被験体は、同様に、このよう
な増加を経験しない(Cummings,D.E.;Weigle,D.S.;Fray
o,R.S.;et al.Plasma ghrelin levels after
diet−induced weight loss or gastric byp
ass surgery.N.Engl.J.Med.2002,346,1623−1
630)。
この食物摂取および食欲の調節におけるグレリンの本質的な改善は、肥満研究のための
魅力的な標的となっている。実際、GH分泌および食物摂取の両方の調整に関与している
ことが証明されている他の天然物質はほとんどなかった。
今日まで治療目的のために有効利用されてきたグレリンのさらなる効果は、胃運動性お
よび胃酸分泌の調整における効果である。運動促進活性は、GH分泌作用とは無関係なよ
うであり、迷走神経コリン作動性ムスカリン経路によって媒介される可能性が高い。必要
な用量レベルは、ホルモンのGHおよび食欲刺激作用に必要なレベルに等価である。グレ
リンが他の作用で不活性であるのに対して、des−Gln14ペプチドは運動性の促進
も証明されたことに注目すべきである(Trudel,L.;Bouin,M.;Tom
asetto,C.;Eberling,P.;St−Pierre,S.;Banno
n,P.;L’Heureux,M.C.;Poitras,P.Two new pe
ptides to improve post−operative gastric
ileus in dog.Peptides 2003,24,531−534;T
rudel,L.;Tomasetto,C.;Rio,M.C.;Bouin,M.;
Plourde,V.;Eberling,P.;Poitras,P.Ghrelin
/motilin−related peptide is a potent pro
kinetic to reverse gastric postoperative
ileus in rats.Am.J.Physiol.2002,282,G94
8−G952;Peeters,T.L.Central and periphera
l mechanisms by which ghrelin regulates
gut motility.J.Physiol.Pharmacol.2003,54
(Supp.4),95−103.)。
グレリンは、再生および新生児の発達の種々の態様にも関与する(Arvat,E.;
Gianotti,L.;Giordano,R.;et al.Growth hor
mone−releasing hormone and growth hormon
e secretagogue−receptor ligands.Focus on
reproductive system.Endocrine 2001,14,3
5−43)。グレリンの心血管効果も有意であり、このペプチドが強力な血管拡張薬であ
るからである。そのようなものとして、グレリンアゴニストは、慢性心不全を治療する可
能性がある(Nagaya,N.;Kangawa,K.Ghrelin,a nove
l growth hormone−relasing peptide,in the
treatment of chronic heart failure.Regu
l.Pept.2003,114,71−77;Nagaya,N.;Kangawa,
K.Ghrelin improves left ventricular dysf
unction and cardiac cachexia in heart fa
ilure.Curr.Opin.Pharmacol.2003,3,146−151
;Bedendi,I.;Alloatti,G.;Marcantoni,A.;Ma
lan,D.;Catapano,F.;Ghe,C.;et al.Cardiac
effects of ghrelin and its endogenous de
rivatives des−octanoyl ghrelin and des−G
ln14−ghrelin.Eur.J.Pharmacol.2003,476,87
-95)。国際特許出願公開WO2004/014412号は、心筋細胞における細胞死
の防御および心不全を引き起こす容態の心保護治療薬としてのグレリンアゴニストの使用
を記載している。最後に、グレリンが不安および他のCNS障害ならびに記憶の改善に関
与し得ることが証明されている(Carlini,V.P.,Monzon,M.E.,
Varas,M.M.,Cragnolini,A.B.,Schioth,H.B.,
Scimonelli,T.N.,de Barioglio,S.R.Ghrelin
increases anxiety−like behavior and mem
ory retention in rats.Biochem.Biophys.Re
s.Commun.2002,299,739-743)。
ヒトにおけるグレリンの無数の効果により、その受容体のサブタイプの存在が示唆され
ているにもかかわらず、依然として同定されていない(Torsello,A.;Loc
atelli,Y.;Melis,M.R.;Succu,S.;Spano,M.S.
;Deghenghi,R.;Muller,E.E.;Argiolas,A.;To
rsello,A.;Locatelli,V.;et al.Differentia
l orexigenic effects of hexarelin and it
s analogs in the rat hypothalamus:indica
tion for multiple growth hormone secreta
gogue receptor subtypes.Neuroendocrinolo
gy 2000,72,327−332.)。しかし、GHS−R1bと呼ばれるGHS
−R1aの短縮された不活性形態が、最初の特徴づけ研究で単離および同定された。内因
性ペプチドおよび合成GHSによって示された様々な効果を説明するためにさらなる受容
体サブタイプが異なる組織中に存在し得るという証拠がある。例えば、これらのペプチド
の抗増殖効果、心保護効果、および負の心変力効果の媒介に関与するグレリンおよびde
s−アシルグレリンの高親和性結合部位が、乳癌細胞株、心筋細胞、およびモルモットの
心臓でも見出されている。同様に、GHS−R1aおよびGHS−R1bに加えて、特異
的GHS結合部位が前立腺癌細胞で見出されている。さらに、グレリンおよびdes−ア
シルグレリンは、前立腺癌細胞株において細胞増殖に対して異なる効果を発揮する(Ca
ssoni,P.;Ghe,C.;Marrocco,T.;et al.Expres
sion of ghrelin and biological activity
of specific receptors for ghrelin and de
s−acyl ghrelin in human prostate neoplas
ms and related cell lines.Eur.J.Endocrin
ol.2004,150,173−184)。これらの種々の受容体サブタイプは、独立
して、内因性ペプチドおよび合成GHSによって示される広範な一連の生物活性に関与し
得る。実際、最近、脂肪分解ホルモン(成長ホルモン)のその強力な刺激にもかかわらず
、グレリンによる脂肪蓄積の促進が説明される受容体サブタイプの存在が提示されている
(Thompson,N.M.;Gill,D.A.S.;Davies,R.;Lov
eridge,N.;Houston,P.A.;Robinson,I.C.A.F.
;Wells,T.Ghrelin and des−octanoyl ghreli
n promote adipogenesis directly in vivo
by a mechanism independent of the type 1
a growth hormone secretagogue receptor.E
ndocrinology 2004,145,234−242.)。さらに、この研究
により、グレリンとdes−アシルグレリンとの産生比が栄養状態に反応した脂質生成と
脂肪分解との間のバランスの調節に役立ち得ることが示唆された。
グレリンのGH調整効果と体重増加および食欲に対する効果とを分けるペプチドグレリ
ンアナログの首尾のよい作製により、他の受容体サブタイプの存在および生理学的関連性
についての強力な証拠が得られる(Halem,H.A.;Taylor,J.E.;D
ong,J.Z.;Shen,Y.;Datta,R.;Abizaid,A.;Dia
no,S.;Horvath,T.;Zizzari,P.;Bluet−Pajot,
M.−T.;Epelbaum,J.;Culler,M.D.Novel analo
gs of ghrelin:physiological and clinical
implications.Eur.J.Endocrinol.2004,151,
S71−S75.)。BIM−28163は、GHS−R1a受容体のアンタゴニストと
して機能し、天然グレリンによる受容体活性化を阻害する。しかし、この分子は、体重増
加および食物摂取の刺激に関する完全なアゴニストである。さらに、ペプチドGHSと非
ペプチドGHSとの間に相違が認められる種々の組織における結合研究に基づいて、依然
として特徴づけられていない受容体サブタイプの存在が提案されている(Ong,H.;
Menicoll,N.;Escher,F.;Collu,R.;Deghenghi
,R.;Locatelli,V.;Ghigo,E.;Muccioli,G.;Bo
ghen,M.;Nilsson,M.Endocrinology 1998,139
,432−435.)。ラット精巣における全GHS−R発現とGHS−R1aサブタイ
プの全発現との間の相違が報告されている(Barreiro,M.L.;Suomin
en,J.S.;Gaytan,F.;Pinilla,L.;Chopin,L.K.
;Casanueva,F.F.;Dieguez,C.;Aguilar,E.;To
ppari,J.;Tena−Sempere,M.Developmental,st
age−specific,and hormonally regulated ex
pression of growth hormone secretagogue
receptor messenger RNA in rat testis.Bio
l.Reproduction 2003,68,1631−1640)。モチリン受容
体における結合研究で認められた神経収縮反応に対するグレリンおよびペプチドGHSの
異なる作用の説明としてコリン作動性神経におけるGHS−Rサブタイプが主張されてい
る(Depoortere,I.;Thijs,T.;Thielemans,L.;R
obberecht,P.;Peeters,T.L.Interaction of
the growth hormone−releasing peptides gh
relin and growth hormone−releasing pepti
de−6 with the motilin receptor in the ra
bbit gastric antrum.J.Pharmacol.Exp.Ther
.2003,305,660−667.)。
グレリンに関連する種々の活性は、グレリンおよびアデノシン(共にGHS−R1aに
対するアゴニストとして相互作用する)で認められた異なるシグナル伝達経路を活性化す
る異なるアゴニストにも起因し得る(Carreira,M.C.;Camina,J.
P.;Smith,R.G.;Casanueva,F.F.Agonist−spec
ific coupling of growth hormone secretag
ogue receptor type 1a to different intra
cellular signaling systems.Role of adeno
sine.Neuroendocrinology 2004,79,13−25.)。
GPCRの機能活性は、それ自体または他のタンパク質との二量体または他の多量体複
合体の形成をしばしば必要とすることが示されている(Park,P.S.;Filip
ek,S.;Wells,J.W.;Palczewski,K.Oligomeriz
ation of G protein−coupled receptors:pas
t,present,and future.Biochemistry 2004,4
3,15643−15656;Rios,C.D.;Jordan,B.A.;Gome
s,I.;Devi,L.A.G−protein−coupled receptor
dimerization:modulation of receptor fun
ction.Pharmacol.Ther.2001,92,71−87;Devi,
L.A.Heterodimerization of G−protein−coup
led receptors:pharmacology,signaling and
trafficking.Trends Pharmacol.Sci.2001,2
2,532−537.)。同様に、グレリン受容体の活性はまた、このような複合体によ
って少なくとも部分的に支配され得る。例えば、一定の報告では、GHS−R1aとGH
RHとの相互作用(Cunha,S.R.;Mayo,K.E.Ghrelin and
growth hormone(GH)secreatagogues potent
iate GH−releasing hormone(GHRH)−induced
cyclic adenosine 3’,5’−monophosphate pro
duction in cells expressing transfected
GHRH and GH secretagogue receptors.Endoc
rinology 2002,143,4570−4582;Malagon,M.M.
;Luque,R.M.;Ruiz−Guerrero,E.;Rodriguez−P
acheco,F.;Garcia−Navarro,S.;Casanueva,F.
F.;Gracia−Navarro,F.;Castano,J.P.Intrace
llular signaling mechanisms mediating gh
relin−stimulated growth hormone release
in somatotropes Endocrinology 2003,144,5
372−5380)または受容体サブタイプ間の相互作用(Chan,C.B.;Che
ng,C.H.K.Identification and functional c
haracterization of two alternatively spl
iced growth hormone secretagogue recepto
r transcripts from the pituitary of blac
k seabream Acanthopagrus schlegeli.Mol.C
ell.Endocrinol.2004,214,81−95)が受容体機能の調整に
関与し得ることが示されている。
治療目的のグレリン受容体の活用について報告されたアプローチの大部分は、代謝機能
の調整に注目している。同様に、GHSについての論文の大部分は、そのGH促進作用を
介して治療することができる条件に注目している。本明細書中に記載のいくつかの実施形
態は、特に、GI運動障害によって特徴づけられる疾患の治療手段を提供するためにグレ
リン受容体の選択的活性化を活用している。グレリンを使用して認められたGI運動性の
改善は、グレリンアゴニストが運動性の減少または制限に関連する容態の修正に有用であ
り得ることを証明している(Murray,C.D.R.;Kamm,M.A.;Blo
om,S.R.;Emmanuel,A.V.Ghrelin for the gas
troenterologist:history and potential.Ga
stroenterology 2003,125,1492−1502;Fujino
,K.;Inui,A.;Asakawa,A.;Kihara,N.;Fujimur
a,M.;Fujimiya,M.Ghrelin induces fasting
motor activity of the gastrointestinal t
ract in conscious fed rats.J.Physiol.200
3,550,227−240;Edholm,T.;Levin,F.;Hellstr
oem,P.M.;Schmidt,P.T.Ghrelin stimulates
motility in the small intestine of rats
through intrinsic cholinergic neurons.Re
gul.Pept.2004,121,25−30.)。
これらの容態には術後腸閉塞が含まれる(POI,Luckey,A.;Living
ston,E.;Tache,Y.Mechanisms and treatment
of postoperative ileus.Arch.Surg.2003,1
38,206−214;Baig,M.K.;Wexner,S.D.Postoper
ative ileus:a review.Dis.Colon Rectum 20
04,47,516−526)。POIは、腹部手術、腸手術、婦人科手術、および骨盤
手術後に日常的に起こるGI運動性の障害と定義される。米国のみで、年間430万例の
手術によってPOIが誘導され、経済的影響は10億ドルを超えると推定されている。P
OIは、変動があるが一般に72時間継続される外科的操作に対する副作用と考えられる
。POIは、痛み、腹部膨満、悪心嘔吐、ガスの蓄積、および腸内の体液、および便通過
の遅延によって特徴づけられる。患者は、腸機能が回復するまで、経口摂取に耐えること
ができず、腸を運動させることもできない。POIは、多数の望ましくない結果(患者の
罹患率の増加および長期入院費用の増加が含まれる)を招き、再入院の主な原因である。
さらに、鎮痛薬として術後に投与されるアヘン薬は、その十分に認識されている腸機能を
阻害する副作用によってこの容態を悪化させる。
胃または腸の外科的操作は、胃−脳シグナル伝達経路の崩壊、GI活性の障害、および
POIの誘発の原因となる。グレリンは、迷走神経求心性ニューロンの放電を刺激および
調和させ、それにより、消化管運動性を調整するように胃内で局所的に作用する。したが
って、グレリンは、ヒトの胃内容排出を促進し、動物モデルにおいてPOIを治療するこ
とが証明された強力な薬剤である。グレリンアゴニストは、グレリンの効果を模倣するの
で、POIの根本にある原因を直接的に標的にし、それにより、消化管機能の正常化を促
進してより早期の退院が可能になる。これらの患者はGI運動性障害によって経口治療が
妨げられるので、静脈内投与は、好ましいPOI治療経路であることが多い。米国食品医
薬品局で承認されている特にPOI治療のための薬剤は存在しない。
別の主な運動障害は胃不全麻痺であり、I型糖尿病およびII型糖尿病の両方で特に問
題である(Camilleri,M.Advances in diabetic ga
stroparesis.Rev.Gastroenterol.Disord.200
2,2,47−56;Tack et al.Gastroenterology 20
04;126:A485;Moreaux,B.;VandenBerg,J.;Thi
elmans,L.;Meulemans,A.;Coulie,B.Activati
on of the GHS receptor accelerates gastr
ic emptying in the dog.Digestive Disease
Week,15−20 May 2004,New Orleans,LA,USA
Abstract M1009;Tack et al.Gastroenterolo
gy 2004,126:A74)。胃不全麻痺(「胃の麻痺」)は、いかなる機械的閉
塞のない胃内容排出の遅延によって特徴づけられる症候群である。これは、腹痛、悪心、
嘔吐、体重減少、食欲不振、早期の満腹感、栄養失調、脱水、胃食道逆流、痙攣、および
膨満感によって様々に特徴づけられている。この慢性容態により、頻繁な入院、能力低下
の増大、および生活の質の低下が起こり得る。重症症候性胃不全麻痺は、糖尿病個体で一
般的であり、米国のみで5〜10%の糖尿病患者が罹患し、総患者数は100万人である
。神経障害は、糖尿病によくみられる消耗性の合併症である。内蔵神経障害により、特に
胃に関与し、胃運動障害を引き起こすGI機能障害を発症する。グレリンは、迷走神経の
刺激および胃粘膜での直接的運動促進作用の両方によって胃内容排出を促進する。さらに
、最近の臨床研究により、天然グレリンペプチドの静脈内投与が糖尿病性胃不全麻痺患者
における有効な救急治療であることが示されている。したがって、グレリンアゴニストは
、胃不全麻痺患者が直面する基本的運動障壁の克服およびこの容態の修正で非常に有効で
あろう。POIと同様に、承認されているか有効な糖尿病性胃不全麻痺の治療法は利用す
ることができず、ほとんどの現在の療法は、症状の緩和のみを目的としている。さらに、
開発中の多くの治療法は、この適用疾患には効果がない以前の製品に類似の作用機構を有
する。外科的手順により、病期の経過を改善することができるが、治癒する可能性はない
オピオイド誘導性腸機能障害(OBD,Kurz,A.;Sessler,D.J.O
pioid−Induced Bowel Dysfunction.Drugs 20
03,63,649−671.)は、オピオイド鎮痛薬での治療に起因する一連のGI運
動性の減少を含む症状に適用される用語である。疼痛管理のためにオピオイドを摂取した
患者の約40〜50%が、OBDを経験する。これは、固形便、乾燥便、排便いきみ、不
完全な排便、膨満感、腹部膨満、および胃逆流の増加によって特徴づけられる。明らかな
短期間の苦痛に加えて、この容態により、長期オピオイド治療を受けた患者で物理的およ
び心理的な悪化をもたらす。さらに、機能障害は、適切な疼痛管理を実質的に妨げる用量
を制限する副作用を引き起こすほど重篤であり得る。POIと同様に、グレリンアゴニス
トは、オピオイド使用に起因する運動障害に反作用すると予想することができる。
グレリンおよびグレリンアゴニストのGI運動性刺激効果は、2つのあまり一般的では
ない容態にも役立ち得る。短腸症候群は、実質的な小腸部分の切除後に発症する容態であ
り、栄養失調によって特徴づけられる。腸のグレリン産生神経内分泌細胞の喪失に起因す
るグレリンレベルの減少が患者に認められる。短腸はホルモン放出の回復が可能である(
Krsek,M.;Rosicka,M.;Haluzik,M.;et al.Pla
sma ghrelin levels in patients with shor
t bowel syndrome.Endocr.Res.2002,28,27−3
3.)。慢性腸偽閉塞は、機械的閉塞または炎症の非存在下での慢性腸膨張および運動障
害の存在によって定義される症候群である。遺伝的原因および後天的原因の両方によって
この障害が発症し、毎年世界中の非常に多数の個体が罹患することが公知である。(Hi
rano,I.;Pandolfino,J.Chronic intestinal
pseudo−obstruction.Dig.Dis.2000,18,83−92
.)
グレリン受容体の刺激によって対処することができる他の容態および障害は以下のもの
である。癌化学療法などに起因する嘔吐、過敏性腸症候群(IBS)の低運動期などに関
連する便秘、消耗性容態に関連する遅延性胃内容排出、逆流食道炎(GERD)、胃潰瘍
(Sibilia,V.;Rindi,G.;Pagani,F.;Rapetti,D
.;Locatelli,V.;Torsello,A.;Campanini,N.;
Degenghi,R.;Netti,C.Ghrelin protects aga
inst ethanol−induced gastric ulcers in r
ats:studies on the mechanism of action.E
ndocrinology 2003,144,353−359.)、およびクローン病
さらに、GI運動障害は、他の哺乳動物においても重大な問題である。例えば、腸閉塞
または疝痛と呼ばれる運動機能障害は、ウマにおける第1の死因である。さらに、腸閉塞
は、ウマ腸手術の最も一般的な合併症(言い換えれば、術後腸閉塞)のうちの1つである
。この容態はまた、非外科的原因も有し得る。その消化管の解剖学的構造および機能に基
づいて腸閉塞になりやすいウマもいる。実質的に任意のウマが、年齢、性別、および交配
に基づくわずかな相違によって疝痛に感受性を示し得る。さらに、腸閉塞は、他の動物(
例えば、イヌ科の動物)も罹患し得る(Roussel,A.J.,Jr.;Cohen
,N.D.;Hooper,R.N.;Rakestraw,P.C.Risk fac
tors associated with development of post
operative ileus in horses.J.Am Vet.Med.A
ssoc.2001,219,72−78;Van Hoogmoed,L.M.;Ni
eto,J.E.;Snyder,J.R.;Harmon,F.A.Survey o
f prokinetic use in horses with gastroin
testinal injury.Vet.Surg.2004,33,279−285
.)。
重要なことには、上記のほとんどの容態について、特定の承認された治療薬は存在せず
、ほとんどの治療法が症状の緩和にしか対処しない。しかし、グレリン受容体の特異的調
整により、根底にある容態をより良好に治療し、臨床転帰を改善するための病態生理学障
害部位を直接標的にする機会が得られる。さらに、GHS−R1a受容体と相互作用する
他の薬剤と異なり、本発明の化合物は、同時のGH分泌を刺激すると考えられない。この
受容体の任意のモジュレーターについての胃腸管効果とGH効果とのこの分離は、以前に
報告されていない。しかし、前述のとおり、グレリンに関連する食欲抑制効果とGH調整
効果とを分離するアナログの存在が最近報告されている。
WO01/00830号は、成長ホルモンを分泌し、GI運動性も促進する短い消化管
ペプチド(SGIP)について報告しているが、グレリン受容体に対する作用に起因する
ことは示されていなかった。米国特許第6,548,501号は、GI運動性の刺激に有
用な特定の化合物(GHSとしてではない)を開示している。さらに、他の内因性因子が
GH分泌を刺激することが公知であるが、GI運動性を促進しない。実際、多数が、この
生理学的機能を実際に阻害する。本発明の化合物などの特定の受容体アゴニストは、選択
的且つ有効な治療薬である可能性が遥かにより高い。
強力且つ選択的なGHSの開発研究が続けられており、現在、多数の小分子誘導体が公
知であり、最近まとめられた(Carpino,P.Exp.Opin.Ther.Pa
tents 2002,12,1599−1618.)。特異的GHSは以下の米国特許
および国際特許出願公開に記載されている。WO89/07110号;WO89/071
11号;WO92/07578号;WO93/04081号;WO94/11012号;
WO94/13696号;WO94/19367号;WO95/11029号;WO95
/13069号;WO95/14666号;WO95/17422号;WO95/174
23号;WO95/34311号;WO96/02530号;WO96/15148号;
WO96/22996号;WO96/22997号;WO96/24580号;WO96
/24587号;WO96/32943号;WO96/33189号;WO96/357
13号;WO96/38471号;WO97/00894号;WO97/06803号;
WO97/07117号;WO97/09060号;WO97/11697号;WO97
/15191号;WO97/15573号;WO97/21730号;WO97/220
04号;WO97/22367号;WO97/22620号;WO97/23508号;
WO97/24369号;WO97/34604号;WO97/36873号;WO97
/38709号;WO97/40023号;WO97/40071号;WO97/418
78号;WO97/41879号;WO97/43278号;WO97/44042号;
WO97/46252号;WO98/03473号;WO98/10653号;WO98
/18815号;WO98/22124号;WO98/46569号;WO98/516
87号;WO98/58947号;WO98/58948号;WO98/58949号;
WO98/58950号;WO99/08697号;WO99/09991号;WO99
/36431号;WO99/39730号;WO99/45029号;WO99/585
01号;WO99/64456号;WO99/65486,WO99/65488号;W
O00/01726号;WO00/10975号;WO01/47558号;WO01/
92292号;WO01/96300号;WO01/97831号;米国特許第3,23
9,345号;米国特許第4,036,979号;米国特許第4,411,890号;米
国特許第5,492,916号;米国特許第5,494,919号;米国特許第5,55
9,128号;米国特許第5,663,171号;米国特許第5,721,250号;米
国特許第5,721,251号;米国特許第5,723,616号;米国特許第5,72
6,319号;米国特許第5,767,124号;米国特許第5,798,337号;米
国特許第5,830,433号;米国特許第5,919,777号;米国特許第6,03
4,216号;米国特許第6,548,501号;米国特許第6,559,150号;米
国特許第6,576,686号;米国特許第6,686,359号;米国特許出願番号2
002/0168343号;同第2003/100494号;同第2003/13028
4号;同第2003/186844号。
この一連の膨大な研究にもかかわらず、環状化合物は、受容体に対して作用することは
ほとんど認められていない。認められる場合、アンタゴニスト活性はより一般的であった
。例えば、14アミノ酸化合物(バプレオチド)、SRIH−14アゴニスト、およびソ
マトスタチン模倣物は、グレリンアゴニストであることが証明された。(Degheng
hi R,Papotti M,Ghigo E,et al.Somatostati
n octapeptides(lanreotide,octreotide,vap
reotide,and their analogs)share the grow
th hormone−releasing peptide receptor in
the human pituitary gland.Endocrine 200
1,14,29−33.)。成長ホルモン分泌促進薬受容体に対するコルチスタチン(c
ortistatin)(ソマトスタチン受容体に非選択的に結合することが公知の環状
神経ペプチド)のアナログの結合およびアンタゴニスト活性が報告されている(国際特許
出願WO03/004518号)。(Deghenghi R,Broglio F,P
apotti M,et al.Targeting the ghrelin rec
eptor − Orally active GHS and cortistati
n analogs.Endocrine 2003,22,13−18)。特に、これ
らのアナログのうちの1つであるEP−01492(コルチスタチン−8)は、グレリン
アンタゴニストとしての肥満治療について前臨床研究に進んでいる。これらの化合物のI
50は24〜33nMである。さらに、腫瘍および先端巨大症の治療における放射線診
断または放射線療法での使用に有用な能力についてのこれらの環状化合物およびその誘導
体ならびに金属結合剤を使用したその用途が記載されている。
肥満症の治療薬として成長ホルモン177〜191の環状および直鎖状アナログが研究
されており(WO99/12969号)、1つの特定の化合物AOD9604は、この適
用疾患について臨床段階に入っている。本発明の分子に最も類似した既に研究されている
化合物は、GHS、G−7203(EC50−=0.43nM)、成長ホルモン放出ペプ
チドの環状ペプチドアナログ、GHRP−2である(Elias,K.A.;Ingle
,G.S.;Burnier,J.P.;Hammonds,G.;McDowell,
R.S.;Rawson,T.E.;Somers,T.C.;Stanley,M.S
.;Cronin,M.J.In vitro characterization o
f four novel classes of growth hormone−r
eleasing peptide.Endocrinol.1995,136,569
4−5699)。しかし、この環状誘導体の単純化によってさらに強力な直鎖状化合物が
得られたが、本発明の化合物については、直鎖状アナログは、グレリン受容体活性を欠く
ことが見出された。
本発明の大環状化合物は、アゴニスト活性を有する。しかし、前述のように、hGHS
−R1a受容体の他のアゴニストと異なり、本発明の化合物は、成長ホルモン放出に対す
る刺激効果は予想外に低い。したがって、本発明の化合物は、GH放出に起因する副作用
を生じることなくGI管または代謝障害に選択的作用を示すことができる。
本発明は、新規の高次構造が定義された大環状化合物を提供する。これらの化合物は、
グレリン(成長ホルモン分泌促進薬)受容体(GHS−R1a)のモジュレーター(特に
、アゴニスト)として機能することができる。
本発明の態様によれば、本発明は、下記式I:
Figure 0005730835
[式中、
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にO、S、
またはN原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環を
形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとR
とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5
員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換され
ていてよく;
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にO、S、
またはN原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環を
形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとR
とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5
員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換され
ていてよく;
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にOまたは
S原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し
、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとRとでま
たはRとR11とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい4
員環、5員環、6員環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環は、以下に定義
したRと任意に置換されていてよく;
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にOまたは
S原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し
、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとRとでま
たはRとR11とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい4
員環、5員環、6員環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環は、以下に定義
したRと任意に置換されていてよく;
およびRは、それぞれ独立して水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはR
とRとで、環内にO、S、またはN原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員
環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されて
いてよく;
は、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキ
ル、複素環基、または置換複素環基であるか、またはRとRとでまたはRとR
で、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員
環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環は、以下に記載したRと任意に置
換されていてよく;
は、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環構造上の1つ以上の
水素原子を置換し、独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアル
キル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロ
アリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ハロゲン、ホルミル
、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイ
ル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、および
スルホンアミドからなる群から選択されるか、または2つの隣接する原子上の水素原子を
置換する場合、Rは、縮合シクロアルキル、置換縮合シクロアルキル、縮合複素環、置
換縮合複素環、縮合アリール環、置換縮合アリール環、縮合ヘテロアリール環、または置
換縮合ヘテロアリール環であり;
Xは、O、NR、またはN(R10
(式中、Rは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、スルホニル、スルホンアミド
、またはアミジノであり、R10は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであ
るか、またはRとRとで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいて
よい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、先に定義した
と任意に置換されていてよく;
は、OまたはNR11
(式中、R11は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであるか、またはR
とR11とでまたはRとR11とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含
んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環
は、先に定義したRと任意に置換されていてよく;
は、OまたはNR12
(式中、R12は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルである。)
であり;
m、n、およびpは、それぞれ独立して0、1、または2であり;
Tは、下記式IV:
−U−(CH−W−Y−Z−(CH− (IV)
{式中、
dおよびeは、それぞれ独立して0、1、2、3、4、または5であり;
YおよびZは、それぞれ任意に存在してもよく;
Uは、−CR2122−または−C(=O)−であり、式IのXに結合しており;
W、Y、およびZは、それぞれ独立して−O−、−NR23−、−S−、−SO−、−
SO−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−NH−
C(=O)−、−SO−NH−、−NH−SO−、−CR2425−、−CH=C
H−(Z型またはE型)、−C≡C−、および下記の環構造:
Figure 0005730835
(式中、GおよびGは、それぞれ独立して共有結合であるか、または−O−、−NR
39−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−
C(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−C(=O)−、−SO−NH−、−NH
−SO−、−CR4041−、−CH=CH−(Z型またはE型)、および−C≡C
−からなる群から選択された2価の基であり、Gは、Uの最も近くで結合し、ここで、
前記環内の任意の炭素原子は他で定義されておらず、Nに任意に置換されていてよく、但
し、前記環は4個を超えるN原子を含むことができず、K、K、K、K、および
は、それぞれ独立してO、NR42、またはSであり、R42は以下に定義されてい
る。)
からなる群から選択され;
21およびR22は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、または置換低級アルキ
ルであるか、またはR21とR22とで、環内にO、S、およびNからなる群から選択さ
れる1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し、前記環は
、先に定義したRと任意に置換されていてよく;
23、R39およびR42は、それぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、シ
クロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘ
テロアリール、置換ヘテロアリール、ホルミル、アシル、カルボキシアルキル、カルボキ
シアリール、アミド、アミジノ、スルホニル、またはスルホンアミドであり;
24およびR25は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、置換低級アルキル、ま
たはRAA(RAAは、標準アミノ酸または異常アミノ酸などのアミノ酸の側鎖である。
)であるか、またはR24とR25とで、環内にO、S、およびNからなる群から選択さ
れる1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し、またはR
24またはR25のうちの一方は、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、メル
カプト、カルバモイル、アミジノ、ウレイド、またはグアニジノであり、他方は、水素、
低級アルキル、または置換低級アルキル(R24およびR25が結合した炭素も別のヘテ
ロ原子に結合している場合を除く)であり;
26、R31、R35、およびR38は、それぞれ任意に存在していてよく、存在す
る場合、前記示された環上の1つ以上の水素原子が置換され、それぞれは、独立してハロ
ゲン、トリフルオロメチル、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアル
キル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロ
アリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、ホルミル、アシル、カルボキ
シ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウ
レイド、アミジノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、およびス
ルホンアミドからなる群から選択され;
27は、任意に存在していてよく、前記示された環上の1つ以上の水素原子が置換さ
れ、それぞれは、独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキ
ル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロア
リール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシル、カ
ルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジ
ノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミ
ドからなる群から選択され;
28、R29、R30、R32、R33、R34、R36、およびR37は、それぞ
れ任意に存在していてよく、前記環中で結合する炭素原子に二重結合が存在しない場合、
2つの基が任意に存在していてよく、存在する場合、前記環内に存在する1つの水素が置
換され、または前記環中で結合する炭素原子に二重結合が存在しない場合、前記環上に存
在する2つの水素原子のうちの1つまたは両方が置換され、それぞれ独立してアルキル、
置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、アリー
ル、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリー
ルオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カル
ボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト
、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミドからなる群から選択され、結合する
炭素原子に二重結合が存在する場合のみハロゲンであり;
40およびR41は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、置換低級アルキル、先
に定義の通りであるRAAであるか、またはR40とR41とで、環内にO、S、および
Nからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12
員環を形成し、前記環は、先に定義したRと任意に置換されていてよく、またはR40
またはR41のうちの一方は、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、メルカプ
ト、カルバモイル、アミジノ、ウレイド、またはグアニジノであり、他方は、水素、低級
アルキル、または置換低級アルキル(R40およびR41が結合した炭素も別のヘテロ原
子に結合している場合を除く)であり;
但し、Tは、標準アミノ酸を含むアミノ酸残基、ジペプチドフラグメント、トリペプチ
ドフラグメント、またはより高次のペプチドフラグメントではない。}
の2価の基である。]
、またはその光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはその立
体化学的混合物;
下記式II:
Figure 0005730835
[式中、
50は、−(CHssCH、−CH(CH)(CHttCH、−(C
uuCH(CH、−C(CH、−(CHR55vv−R56、また
は−CH(OR57)CH
(式中、ssは1、2、または3であり、ttは1または2であり、uuは0、1、また
は2であり、vvは0、1、2、3、または4であり、R55は、水素またはC〜C
アルキルであり、R56は、アミノ、水酸基、アルコキシ、シクロアルキル、または置換
シクロアルキルであり、R57は、水素、アルキル、アシル、アミノアシル、スルホニル
、カルボキシアルキル、またはカルボキシアリールである。)
であり;
51は、水素、C〜Cアルキル、または水酸基もしくはアルコキシで置換された
〜Cアルキルであり;
52は、−(CHR58ww59
(式中、wwは0、1、2、または3であり、R58は、水素、C〜Cアルキル、ア
ミノ、水酸基、またはアルコキシであり、R59は、アリール、置換アリール、ヘテロア
リール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、または置換シクロアルキルであり、
53は、水素またはC〜Cアルキルである。)
であり;
は、O、NR、またはN(R10
(式中、Rは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、スルホニル、スルホンアミド
、またはアミジノであり、R10は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであ
る。)
であり;
は、OまたはNR12
(式中、R12は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルである。)
であり;
は、下記式V:
−U−(CH−W−Y−Z−(CH− (V)
{式中、
dおよびeは、独立して0、1、2、3、4、または5であり;
およびZは、それぞれ任意に存在してもよく;
は、−CR6061−または−C(=O)−であり、式IIのXに結合してお
り、ここで、R60およびR61は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、または置換
低級アルキルであるか、またはR21とR22とで、環内にO、S、およびNからなる群
から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し
、前記環は、先に定義したRと任意に置換されていてよく;
、Y、およびZは、それぞれ独立して−O−、−NR62−、−S−、−SO
−、−SO−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−
NH−C(=O)−、−SO−NH−、−NH−SO−、−CR6364−、−C
H=CH−(Z型またはE型)、−C≡C−、および下記の環構造:
Figure 0005730835
(式中、GおよびGは、先に定義されており、ここで、前記環内の任意の炭素原子が
Nに任意に置換されていてよく、但し、前記芳香環は4個を超えるN原子を含むことがで
きず、シクロアルキル環は2個を超えるN原子を含むことができない。)
からなる群から選択され;
62は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複
素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール
、ホルミル、アシル、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、アミジノ、ス
ルホニル、またはスルホンアミドであり;
63およびR64は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、置換低級アルキル、ま
たはRAAであるか、またはR63とR64とで、環内にO、S、およびNからなる群か
ら選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し、
またはR63またはR64のうちの一方は、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミ
ノ、メルカプト、カルバモイル、アミジノ、ウレイド、またはグアニジノであり、他方は
、水素、低級アルキル、または置換低級アルキル(R63およびR64が結合した炭素も
別のヘテロ原子に結合している場合を除く)であり、RAAは、標準アミノ酸または異常
アミノ酸などのアミノ酸の側鎖を示し;
65およびR68は、それぞれ任意に存在していてよく、存在する場合、前記環上の
1つ以上の水素原子が置換され、それぞれは、独立してハロゲン、トリフルオロメチル、
アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環
基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキ
シ、アリールオキシ、アミノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カ
ルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、シアノ、
ニトロ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、またはスルホンアミドであり;
66およびR67は、それぞれ任意に存在していてよく、前記環中で結合する炭素原
子に二重結合が存在しない場合、2つの基が任意に存在していてよく、存在する場合、そ
れぞれ、前記環内に存在する1つの水素が置換され、または前記環中で結合する炭素原子
に二重結合が存在しない場合、前記環上に存在する2つの水素原子のうちの1つまたは両
方が置換され、それぞれ独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロ
アルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロ
アリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシル、
カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニ
ジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、またはスルホンア
ミドであり、結合する炭素原子に二重結合が存在する場合のみハロゲンであり;
69は、任意に存在していてよく、存在する場合、前記環上の1つ以上の水素原子が
置換され、それぞれは、独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロ
アルキル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘ
テロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシ
ル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グ
アニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、またはスルホ
ンアミドであり;
は、OまたはSであり;
ffは、1、2、3、4、または5であり;
但し、Tは、標準アミノ酸を含むアミノ酸残基、ジペプチドフラグメント、トリペプ
チドフラグメント、またはより高次のペプチドフラグメントではない。}
の2価の基である。]
、またはその光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはその立
体化学的混合物;または、
下記式III:
Figure 0005730835
[式中、
70は、水素、C〜Cアルキルであるか、またはR70とR71とで、環内にO
、N、またはS原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、または8
員環を形成し、前記環は、以下に定義したR8aと任意に置換されていてよく;
71は、水素、−(CHaaCH、−CH(CH)(CHbbCH
−(CHccCH(CH、−(CHdd−R76、または−CH(OR
)CH
(式中、aaは0、1、2、3、4、または5であり、bbは1、2、または3であり、
ccは0、1、2、または3であり、ddは0、1、2、3、または4であり、R76
、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、ま
たは置換シクロアルキルでり、R77は、水素、アルキル、アシル、アミノアシル、スル
ホニル、カルボキシアルキル、またはカルボキシアリールである。)
であるか、またはR71とR70とで、環内にO、N、またはS原子を任意に含んでいて
よい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環を形成し、前記環は、以下に定義し
たR8aと任意に置換されていてよく;
72は、C〜Cアルキルであるか、またはR72とR73とで、環内にOまたは
S原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し
、前記環は、以下に定義したR8bと任意に置換されていてよく;
73は、水素であるか、またはR73とR72とで、環内にO、S、またはN原子を
任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し、前記環
は、以下に定義したR8bと任意に置換されていてよく;
74は、水素またはC〜Cアルキルであるか、またはR74とR75とで、環内
にO、N、またはS原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、また
は7員環を形成し、前記環は、以下に定義したR8cと任意に置換されていてよく;
75は、−(CHR78)R79
{式中、R78は、水素、C〜Cアルキル、アミノ、水酸基、またはアルコキシであ
り、R79は、下記の構造:
Figure 0005730835
(式中、E、E、E、E、およびEは、それぞれ任意に存在していてよく、存
在する場合、それぞれ独立してハロゲン、トリフルオロメチル、アルキル、置換アルキル
、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリ
ール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、シ
アノ、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミドなる群から選択され、単環式ま
たは二環式芳香環上の1つ以上の利用可能な位置での置換基を表し、ここで、該置換基は
同一または非同一の選択された群の要素であり、JおよびJは、それぞれ独立してO
またはSである。)
からなる群から選択される。}
であるか、またはR75とR74とで、環内にO、N、またはS原子を任意に含んでいて
よい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義し
たR8cと任意に置換されていてよく;
8a、R8b、およびR8cは、それぞれ独立して3員環、4員環、5員環、6員環
、7員環、または8員環構造上の1つ以上の水素原子を置換し、独立してアルキル、置換
アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、アリール、
置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオ
キシ、オキソ、アミノ、ハロゲン、ホルミル、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル
、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メル
カプト、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミドからなる群から選択されるか
、または2つの隣接する原子上の水素原子を置換する場合、R8a、R8b、およびR
は、それぞれ独立して縮合シクロアルキル、置換縮合シクロアルキル、縮合複素環、置
換縮合複素環、縮合アリール環、置換縮合アリール環、縮合ヘテロアリール環、または置
換縮合ヘテロアリール環であり;
は、O、NR、またはN(R10
(式中、Rは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、スルホニル、スルホンアミド
、またはアミジノであり、R10は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであ
る。)
であり;
10は、OまたはNR12
(式中、R12は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルである。)
であり;
は、Uが式IIIのXに結合していること以外は、定義したTと同一である
。]
、またはその光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはその立
体化学的混合物;
の化合物に関する。
本発明のさらなる態様によれば、化合物は、グレリン受容体アゴニストまたはGHS−
R1a受容体アゴニストである。
本発明のさらなる態様は、(a)本発明の化合物、(b)薬学的に許容可能なキャリア
、賦形剤、または希釈剤を含む薬学的組成物を提供する。
本発明のさらなる態様は、任意の使用説明書と共にパッケージングされた有効量の1つ
以上の本発明の化合物を含む薬学的投薬単位を含む1つ以上の容器を備えるキットを提供
する。
本発明の態様は、さらに、哺乳動物GHS−R1a受容体を調整する有効量のモジュレ
ーターを、消化管運動を刺激する必要のある被験体に投与する工程を含む、哺乳動物にお
ける消化管運動を刺激し、GHS−R1a受容体活性を調整し、そして/または消化管障
害を治療する方法を提供する。特定の実施形態では、モジュレーターとGHS−R1a受
容体との相互作用が有意な量の成長ホルモンの放出を結果として生じない。さらに他の実
施形態では、モジュレーターは、式I、II、および/またはIIIの化合物である。
本発明のさらなる態様は、本発明の化合物および放射性標識金属結合剤の化合物を投与
する工程と、生体標的への組成物の結合を検出する工程とを含む、腫瘍および/または先
端巨大症を診断する方法、ならびに治療有効量の本発明の化合物を含む組成物を投与する
工程を含む、腫瘍および/または先端巨大症を治療する方法を提供する。
本発明のさらなる態様は、式I、II、および/またはIIIの化合物の作製方法に関
する。
本発明の態様は、さらに、本明細書中に記載の障害、特に、消化管障害(術後腸閉塞、
胃不全麻痺(糖尿病性胃不全麻痺および術後胃不全麻痺など)、オピオイド誘導性腸機能
障害、慢性腸偽閉塞、短腸症候群、癌化学療法などに起因する嘔吐、過敏性腸症候群(I
BS)の低運動期などに関連する便秘、消耗性容態に関連する遅延性胃内容排出、逆流食
道炎(GERD)、胃潰瘍、クローン病が含まれる)、運動障害によって特徴づけられる
消化管障害、ならびに他の消化管疾患および消化管障害を予防および/または治療する方
法に関する。
本発明はまた、本明細書中に記載の障害の防止および/または治療のための薬剤を調製
するために使用される式I、II、および/またはIIIの化合物に関する。
本発明の上記の態様および他の態様を、下記の明細書中でより詳細に説明する。
本発明の高次構造が定義された大環状化合物を得るための一般的な合成ストラテジーを示すスキームを示す図である。 本発明の大環状化合物を作製するための一般的チオエステルストラテジーを示す図である。 本発明の大環状化合物についての一般的な閉環メタセシス(RCM)ストラテジーを示す図である。 hGHS−R1a受容体への本発明の例示的化合物の結合についての競合的結合曲線を示す図である。 hGHS−R1a受容体への本発明の例示的化合物の結合についての競合的結合曲線を示す図である。 hGHS−R1a受容体への本発明の例示的化合物の結合についての競合的結合曲線を示す図である。 hGHS−R1a受容体への本発明の例示的化合物の結合についての競合的結合曲線を示す図である。 hGHS−R1a受容体への本発明の例示的化合物の結合についての競合的結合曲線を示す図である。 本発明の例示的化合物によるhGHS−R1a受容体の活性化についての濃度−反応曲線を示す図である。 本発明の例示的化合物によるhGHS−R1a受容体の活性化についての濃度−反応曲線を示す図である。 本発明の例示的化合物によるhGHS−R1a受容体の活性化についての濃度−反応曲線を示す図である。 本発明の例示的化合物によるhGHS−R1a受容体の活性化についての濃度−反応曲線を示す図である。 本発明の例示的化合物によるhGHS−R1a受容体の活性化についての濃度−反応曲線を示す図である。 特に、8mg/kgの化合物298の経口投与後(パネルA)、2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの皮下注射後(パネルB)、2mg/kgの化合物25のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルC)、および2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルD)の本発明の例示的化合物についての薬物動態パラメーターを示すグラフである。 特に、8mg/kgの化合物298の経口投与後(パネルA)、2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの皮下注射後(パネルB)、2mg/kgの化合物25のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルC)、および2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルD)の本発明の例示的化合物についての薬物動態パラメーターを示すグラフである。 特に、8mg/kgの化合物298の経口投与後(パネルA)、2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの皮下注射後(パネルB)、2mg/kgの化合物25のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルC)、および2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルD)の本発明の例示的化合物についての薬物動態パラメーターを示すグラフである。 特に、8mg/kgの化合物298の経口投与後(パネルA)、2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの皮下注射後(パネルB)、2mg/kgの化合物25のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルC)、および2mg/kgの化合物298のシクロデキストリンとの静脈内投与後(パネルD)の本発明の例示的化合物についての薬物動態パラメーターを示すグラフである。 本発明の例示的化合物についての胃内容排出に対する効果を示すグラフである(パネルAおよびB)。 本発明の例示的化合物についての術後腸閉塞に対する効果を示すグラフである。 本発明の例示的化合物についての脈動的成長ホルモン放出に対する効果を示すグラフである(パネルA〜D)。 hGHS−R1a受容体への本発明の例示的化合物の結合についての競合的結合曲線を示す図である。 本発明の例示的化合物のアゴニストを示す活性化曲線を示す図である。 本発明の例示的化合物のグレリン誘導性成長ホルモン放出に対する効果の欠如を示すグラフである。 hGHS−R1a受容体への本発明の例示的化合物の結合に関連する受容体脱感作を示すグラフである。 本発明の例示的化合物についての胃内容排出に対する効果を示すグラフである(パネルAおよびB)。 本発明の例示的化合物についての術後腸閉塞に対する効果を示すグラフである。 本発明の例示的化合物についてのモルヒネ遅延性胃内容排出(パネルA)およびモルヒネ遅延性腸通過時間(パネルB)の逆転を示すグラフである。 本発明の例示的化合物についての胃不全麻痺に対する効果を示すグラフである。 本発明の例示的化合物についての胃不全麻痺に対する効果を示すグラフである。
本発明の上記の態様および他の態様を、本明細書中に記載の他の実施形態に関してより
詳細に記載する。本発明を異なる形態で具体化することができ、本明細書中に記載の実施
形態に制限されると解釈すべきでないと認識すべきである。むしろ、本開示が終始完全で
あり、本発明の範囲が当業者に完全に伝達されるようにこれらの実施形態を提供する。
本明細書中の発明の説明で使用された専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的
であり、本発明を制限することを意図しない。発明の説明および添付の特許請求の範囲で
使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、他で明確に示さない限り、
複数形も含まれることが意図される。したがって、本明細書中で使用される、用語「およ
び/または」には、1つ以上の関連する列挙された項目のいずれかおよび全ての組み合わ
せが含まれ、「/」で省略することができる。
他で定義しない限り、本明細書中で使用した全ての技術用語および科学用語は、本発明
に属する当業者に一般に理解されている意味を有する。
全ての刊行物、米国特許出願、米国特許、および本明細書中で引用された他の引用例は
、引用する本明細書の組み込まれ、本発明の開示の一部とみなす。
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子、いくつかの場合、1〜8個の炭素原子を
有する直鎖または分枝鎖の飽和または部分飽和炭化水素基をいう。用語「低級アルキル」
は、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基をいう。アルキル基の例には、メチル、エチル
、イソプロピル、tert−ブチル、3−ヘキセニル、および2−ブチニルが含まれるが
、これらに限定されない。「不飽和」は、1、2、または3つの二重結合もしくは三重結
合またはその組み合わせの存在を意味する。このようなアルキル基は、下記のように任意
に置換されていてもよい。
本明細書中に記載のアルキル基または他の炭化水素基に下付き文字を使用する場合、下
付き文字は、基が含むことができる炭素数をいう。例えば、C〜Cアルキルは、2、
3、または4個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
用語「シクロアルキル」は、環内に3〜15個の炭素原子、いくつかの場合、3〜7個
の炭素原子を有する飽和または部分飽和環式炭化水素基および前記環式炭化水素基を含む
アルキル基をいう。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロプロピルメチル
、シクロペンチル、2−(シクロヘキシル)エチル、シクロヘプチル、およびシクロヘキ
セニルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で定義したシクロアルキルには
、複数の炭素環(それぞれ飽和または不飽和であり得る)を有する基(例えば、デカリニ
ル、[2.2.1]−ビシクロヘプタニル、またはアダマンタニル)も含まれる。全ての
このようなシクロアルキル基はまた、下記のように任意に置換されていてもよい。
用語「芳香族」は、4n+2個の電子(式中、nは1以上の整数である)を含む共役π
電子系を有する不飽和環式炭化水素基をいう。芳香族分子は、典型的には安定であり、交
互の二重結合および単結合からなる共鳴構造を有する平面的な原子環(例えば、ベンゼン
またはナフタレン)として示される。
用語「アリール」は、6〜15個の環原子、いくつかの場合、6〜10個の環原子を有
する1つまたは縮合した炭素環系中の芳香基、および前記芳香基を含むアルキル基をいう
。アリール基の例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、およびベンジルが含ま
れるが、これらに限定されない。本明細書中で定義したアリールには、縮合することがで
きるか(ナフチルおよびアントラセニルなど)、非縮合の(ビフェニルおよびテルフェニ
ルなど)複数のアリール環を有する基も含まれる。アリールはまた、環の1つが芳香環で
あり、且つ他が飽和された環、部分飽和された環、または芳香環であり得る二環式炭素環
または三環式炭素環をいう(例えば、インダニルまたはテトラヒドロナフチル(テトラリ
ニル))。全てのこのようなアリール基はまた、下記のように任意に置換されていてもよ
い。
用語「複素環」または「複素環の」は、3〜15個の炭素原子、いくつかの場合、3〜
7個の炭素原子を有し、環の少なくとも1つに少なくとも1つのヘテロ原子を有し、ヘテ
ロ原子が、O、S、またはNから選択される、飽和または部分飽和された単環式、二環式
、または三環式の基をいう。複素環基の各環は、1個または2個のO原子、1個または2
個のS原子、1〜4個のN原子を含み得る(但し、各環内のヘテロ原子の総数は4個以下
であり、各環は少なくとも1つの炭素原子を含む)。二環式または三環式の複素環基を完
成する縮合環は、1個の炭素原子のみを含むことができ、飽和または部分飽和されていて
もよい。N原子およびS原子は、任意に酸化されていてよく、N原子は任意に四級化され
ていてもよい。複素環はまた、前記の単環式、二環式、または三環式の複素環基を含むア
ルキル基をいう。複素環の例には、2−または3−ピペリジニル、2−または3−ピペラ
ジニル、2−または3−モルホリニルが含まれるが、これらに限定されない。全てのこの
ような複素環基はまた、下記のように任意に置換されていてもよい。
用語「ヘテロアリール」は、5〜15個の環原子、いくつかの場合、5〜10個の環原
子を有し、環の少なくとも1つに少なくとも1つのヘテロ原子を有し、ヘテロ原子がO、
S、またはNから選択される、単環系または縮合環系の芳香基をいう。ヘテロアリールの
各環は、1個または2個のO原子、1個または2個のS原子、1〜4個のN原子を含み得
る(但し、各環内のヘテロ原子の総数は4個以下であり、各環は少なくとも1つの炭素原
子を含む)。二環基または三環基を完成する縮合環は、1個の炭素原子のみを含むことが
でき、飽和または部分飽和されているか、芳香環でもよい。窒素原子中の電子の孤立電子
対が芳香環のπ電子系の完了に関しない構造では、N原子は任意に四級化されていてもよ
いか、N−酸素に酸化されていてもよい。ヘテロアリールはまた、前記の環式基を含むア
ルキル基をいう。単環式ヘテロアリール基の例には、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニ
ル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソ
チアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジ
ニル、ピリダジニル、およびトリアジニルが含まれるが、これらに限定されない。二環式
ヘテロアリール基の例には、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾ
チエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾ
リル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、クロモ
ニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、プリ
ニル、ピロロピリジニル、フロピリジニル、チエノピリジニル、ジヒドロイソインドリル
、およびテトラヒドロキノリニルが含まれるが、これらに限定されない。三環式ヘテロア
リール基の例には、カルバゾリル、ベンズインドリル、フェナントロリニル、アクリジニ
ル、フェナントリジニル、およびキサンテニルが含まれるが、これらに限定されない。全
てのこのようなヘテロアリール基はまた、下記のように任意に置換されていてもよい。
用語「水酸基」は、−OH基をいう。
用語「アルコキシ」は、−OR基(Rは、アルキル、シクロアルキル、または複素
環である)をいう。例には、メトキシ、エトキシ、tert−ブトキシ、シクロヘキシル
オキシ、およびテトラヒドロピラニルオキシが含まれるが、これらに限定されない。
用語「アリールオキシ」は、−OR基(Rは、アリールまたはヘテロアリールであ
る)をいう。例には、フェノキシ、ベンジルオキシ、および2−ナフチルオキシが含まれ
るが、これらに限定されない。
用語「アシル」は、−C(=O)−R(Rは、アルキル、シクロアルキル、複素環
、アリール、またはヘテロアリールである)をいう。例には、アセチル、ベンゾイル、お
よびフロイルが含まれるが、これらに限定されない。
用語「アミノアシル」は、アミノ酸由来のアシル基を示す。
用語「アミノ」は、−NR基(RおよびRは、独立して水素、アルキル、シ
クロアルキル、複素環、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択されるか、
またはRとRとで、3〜8員環の複素環を形成し、非置換アルキル、非置換シクロア
ルキル、非置換複素環、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、
アリールオキシ、アシル、アミノ、アミド、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキ
シアリール、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、アミジノ、カル
バモイル、グアニジノ、またはウレイドで任意に置換されていてもよく、O、S、または
Nから選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を任意に含んでもよい)をいう。
用語「アミド」は、−C(=O)−NR基(RおよびRは、独立して水素、
アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選
択されるか、またはRとRとで、3〜8員環の複素環を形成し、非置換アルキル、非
置換シクロアルキル、非置換複素環、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、水酸基、
アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アミノ、アミド、カルボキシ、カルボキシアルキ
ル、カルボキシアリール、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、ア
ミジノ、カルバモイル、グアニジノ、またはウレイドで任意に置換されていてもよく、O
、S、またはNから選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を任意に含んでもよい)を
いう。
用語「アミジノ」は、−C(=NR)NR基(Rは、水素、アルキル、シク
ロアルキル、複素環、アリール、およびヘテロアリールからなる群から選択され、R
よびRは、独立して水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、およびヘテ
ロアリールからなる群から選択されるか、またはRとRとで、3〜8員環の複素環を
形成し、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換複素環、非置換アリール、非置
換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アミノ、アミド、カ
ルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、メルカプト、スルフィニル、スル
ホニル、スルホンアミド、アミジノ、カルバモイル、グアニジノ、またはウレイドで任意
に置換されていてもよく、O、S、またはNから選択される1〜3個のさらなるヘテロ原
子を任意に含んでもよい)をいう。
用語「カルボキシ」は、−COH基をいう。
用語「カルボキシアルキル」は、−CO基(Rは、アルキル、シクロアルキル
、または複素環である)をいう。
用語「カルボキシアリール」は、−CO基(Rは、アリールまたはヘテロアリ
ールである)をいう。
用語「シアノ」は、−CN基をいう。
用語「ホルミル」は、−C(=O)H基をいい、−CHOとも示す。
用語「ハロ」、「ハロゲン」、または「ハライド」は、それぞれ、フルオロ、フッ素ま
たはフッ化物、クロロ、塩素、または塩化物、ブロモ、臭素、または臭化物、およびヨー
ド、ヨウ素、またはヨウ化物いう。
用語「オキソ」は、同一炭素上の2つの水素原子が置換されてカルボニル基が形成され
た2価の=O基をいう。
用語「メルカプト」は、−SR基(Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、複素
環、アリール、またはヘテロアリールである)をいう。
用語「ニトロ」は、−NO基をいう。
用語「トリフルオロメチル」は、−CF基をいう。
用語「スルフィニル」は、−S(=O)R基(Rは、アルキル、シクロアルキル、
複素環、アリール、またはヘテロアリールである)をいう。
用語「スルホニル」は、−S(=O)−Rq1基(Rq1は、アルキル、シクロアル
キル、複素環、アリール、またはヘテロアリールである)をいう。
用語「アミノスルホニル」は、−NRq2−S(=O)−Rq3基(Rq2は、水素
、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、またはヘテロアリールであり、Rq3
は、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、またはヘテロアリールである)をい
う。
用語「スルホンアミド」は、−S(=O)−NR基(RおよびRは、独立
して水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、またはヘテロアリールからな
る群から選択されるか、またはRとRとで、3〜8員環の複素環を形成し、非置換ア
ルキル、非置換シクロアルキル、非置換複素環、非置換アリール、非置換ヘテロアリール
、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アミノ、アミド、カルボキシ、カルボ
キシアルキル、カルボキシアリール、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、スルホン
アミド、アミジノ、カルバモイル、グアニジノ、またはウレイドで任意に置換されていて
もよく、O、S、またはNから選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を任意に含んで
もよい)をいう。
用語「カルバモイル」は、式−N(R)−C(=O)−OR基(Rは、水素、ア
ルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、またはヘテロアリールから選択され、R
は、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、またはヘテロアリールから選択され
る)をいう。
用語「グアニジノ」は、−N(R)−C(=NR)−NR基(R、R
、およびRは、独立して水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ま
たはヘテロアリールからなる群から選択されるか、またはRとRとで、3〜8員環の
複素環を形成し、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換複素環、非置換アリー
ル、非置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アミノ、ア
ミド、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、メルカプト、スルフィニ
ル、スルホニル、スルホンアミド、アミジノ、カルバモイル、グアニジノ、またはウレイ
ドで任意に置換されていてもよく、O、S、またはNから選択される1〜3個のさらなる
ヘテロ原子を任意に含んでもよい)をいう。
用語「ウレイド」は、式-N(R)−C(=O)−NRaabb基(R、Raa
、およびRbbは、独立して水素、アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、また
はヘテロアリールからなる群から選択されるか、またはRaaとRbbとで、3〜8員環
の複素環を形成し、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換複素環、非置換アリ
ール、非置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アミノ、
アミド、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、メルカプト、スルフィ
ニル、スルホニル、スルホンアミド、アミジノ、カルバモイル、グアニジノ、またはウレ
イドで任意に置換されていてもよく、O、S、またはNから選択される1〜3個のさらな
るヘテロ原子を任意に含んでもよい)をいう。
用語「任意に置換されていてもよい」は、任意の置換基が明確に示されていない限り、
特定の基が1つ以上の適した置換基に置換されていないかまたは置換されていることを明
確に示すことを意図し、示されている場合、この用語は、基が、特定の置換基で置換され
ていないか置換されていることを示す。先に定義されているように、本明細書中の他で示
されていない限り(例えば、特定の基が置換されていないことを示すことによって)、種
々の基は、置換されていなくても置換されていてもよい(すなわち、任意に置換されてい
る)。
用語「置換された」は、用語アルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、およびヘ
テロアリールと共に使用する場合、独立して非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非
置換複素環、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオ
キシ、アシル、アミノ、アミド、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール
、ハロ、オキソ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、アミジノ、
カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、および式−NRccC(=O)Rdd、−NR
C(=NRff)Rgg、−OC(=O)NRhhii、−OC(=O)Rjj、−
OC(=O)ORkk、−NRmmSOnn、または−NRppSONRqq
(式中、Rcc、Rdd、Ree、Rff、Rgg、Rhh、Rii、Rjj、Rmm
、Rpp、Rqq、およびRrrは、独立して水素、非置換アルキル、非置換シクロアル
キル、非置換複素環、非置換アリール、または非置換ヘテロアリールから選択され、R
およびRnnは、独立して、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換複素環、
非置換アリール、または非置換ヘテロアリールから選択されるか、またはRggとRhh
、RjjとRkk、またはRppとRqqとで、3〜8員環の複素環を形成し、非置換ア
ルキル、非置換シクロアルキル、非置換複素環、非置換アリール、非置換ヘテロアリール
、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アミノ、アミド、カルボキシ、カルボ
キシアルキル、カルボキシアリール、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、スルホン
アミド、アミジノ、カルバモイル、グアニジノ、またはウレイドで任意に置換されていて
もよく、O、S、またはNから選択される1〜3個のさらなるヘテロ原子を任意に含んで
もよい。)の基から選択される置換基に1つ以上の水素原子が置換されたアルキル、シク
ロアルキル、複素環、アリール、およびヘテロアリール基をいう。
さらに、アリールおよびヘテロアリール基が「置換された」は、水素原子の1つがシア
ノ、ニトロ、またはトリフルオロメチルに置換されるという選択肢が含まれる。
任意の通常の原子の価数を超えず、且つ置換によって安定な化合物が得られる場合、置
換される。一般に、基の置換形態が存在する場合、このような置換基は、好ましくは、さ
らに置換されないか、置換される場合、置換基は、限られた数の置換基のみを含み、いく
つかの場合、1、2、3、または4個のこのような置換基を含む。
本明細書中の任意の成分または任意の式で1回を超えて任意の変異が起こり得る場合、
各事象(occurence)におけるその定義は、他の全ての事象でのその定義と無関
係である。また、置換基および/または変異の組み合わせは、このような組み合わせによ
って安定な化合物が得られる場合に限り許容される。
「安定な化合物」または「安定な構造」は、有用な精製度への単離および有効な治療薬
への処方に耐えるのに十分に強い化合物をいう。
用語「アミノ酸」は、当業者に公知の一般的な天然の(遺伝的にコードされた)アミノ
酸または合成アミノ酸およびその一般的な誘導体をいう。アミノ酸に適用する場合、「標
準」または「タンパク質生成(proteinogenic)」は、その天然の高次構造
で遺伝的にコードされた20アミノ酸をいう。同様に、アミノ酸に適用する場合、「非自
然(unnatural)」または「異常な」は、非天然アミノ酸、稀なアミノ酸、また
は合成アミノ酸の幅広く(Hunt,S.in Chemistry and Bioc
hemistry of the Amino Acids,Barrett,G.C.
,Ed.,Chapman and Hall:New York,1985に記載のも
のなど)をいう。
アミノ酸またはアミノ酸誘導体に関する用語「残基」は、下記式:
Figure 0005730835
(式中、この場合RAAは、アミノ酸の側鎖であり、n=0、1、または2である)
の基をいう。
ジペプチド、トリペプチド、またはより高次のペプチド誘導体についての用語「フラグ
メント」は、それぞれ、2個、3個以上のアミノ酸残基を含む基を示す。
用語「アミノ酸の側鎖」は、標準アミノ酸または非自然アミノ酸由来の任意の側鎖をい
い、RAAと示す。例えば、アラニン側鎖はメチルであり、バリン側鎖はイソプロピルで
あり、トリプトファンの側鎖は3−インドリルメチルである。
用語「アゴニスト」は、タンパク質、受容体、または酵素などの内因性リガンドの少な
くともいくつかの効果を模倣する化合物をいう。
用語「アンタゴニスト」は、タンパク質、受容体、または酵素などの内因性リガンドの
少なくともいくつかの効果を阻害する化合物をいう。
用語「成長ホルモン分泌促進薬」(GHS)は、動物(特に、ヒト)における成長ホル
モン、成長ホルモン放出ホルモン、またはソマトスタチンの内因性放出を直接または間接
的に刺激または増大させる任意の外因的に投与される化合物または薬剤をいう。GHSは
、事実上、ペプチドまたは非ペプチドであってよく、いくつかの場合、経口投与すること
ができる薬剤である。いくつかの場合、薬剤は、脈動的応答を誘導することができる。
用語「モジュレーター」は、生物学的または化学的な過程または機構に対する効果を付
与する化合物をいう。例えば、モジュレーターは、生物学的または化学的な過程または機
構を、増大、促進、上方制御、活性化、阻害、減少、遮断、防止、遅延、脱感作、非活性
化、または下方制御などをすることができる。したがって、モジュレーターは、「アゴニ
スト」または「アンタゴニスト」であり得る。モジュレーターによって影響を受ける例示
的な生物学的な過程または機構には、受容体結合およびホルモンの放出または分泌が含ま
れるが、これらに限定されない。モジュレーターにによって影響を受ける例示的な化学的
な過程または機構には、触媒および加水分解が含まれるが、これらに限定されない。
受容体に適用する場合、用語「変種」は、複数の成分を含む二量体、三量体、四量体、
五量体、および他の生体複合体が含まれることを意味する。これらの成分は、同一であっ
ても異なっていてもよい。
用語「ペプチド」は、2つ以上の互いに共有結合したアミノ酸から構成される化合物を
いう。
用語「ペプチド模倣物」は、ペプチドを模倣するようにデザインされているが、その活
性または他の性質(可溶性、代謝安定性、経口生物学的利用能、親油性、浸透性など)を
調整するためのより機能的なペプチド基の1つの付加または置換によって構造が異なる化
合物をいう。これは、ペプチド結合の置換、側鎖の修飾、短縮、官能基の付加などを含み
得る。化学構造はペプチドに由来しないがその活性を模倣する場合、しばしば、「非ペプ
チドペプチド模倣物」という。
用語「ペプチド結合」は、典型的には、各アミノ酸がペプチド中で互いに共有結合して
いるアミド[−C(=O)−NH−]官能性をいう。
用語「保護基」は、分子上の反応する可能性のある官能基(アミン、水酸基、またはカ
ルボキシルなど)が化学反応を受けるのを防止しながら分子中の他の場所で化学変化を起
こすために使用することができる任意の化合物をいう。多数のこのような保護基が当業者
に公知であり、その説明を、「Protective Groups in Organ
ic Synthesis,」 Theodora W.Greene and Pet
er G.Wuts,editors,John Wiley & Sons,New
York,3rd edition,1999 [ISBN 0471160199]で
見出すことができる。アミノ保護基の例には、フタルイミド、トリクロロアセチル、ベン
ジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、およびアダマンチルオキシカル
ボニルが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アミノ保護基は
、アミノ基に結合した場合にカルバメートを形成するアミノ保護基と定義されるカルバメ
ートアミノ保護基である。他の実施形態では、アミノカルバメート保護基は、アリールオ
キシカルボニル(Alloc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニ
ルメトキシカルボニル(Fmoc)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、および
α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル(Ddz)である。よ
り新規の窒素保護基の最近の考察については、Theodoridis,G.Tetra
hedron 2000,56,2339−2358。水酸基保護基の例には、アセチル
、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリチル(Trt)、tert−ブ
チル、およびテトラヒドロピラニル(THP)が含まれるが、これらに限定されない。カ
ルボキシル保護基の例には、メチルエステル、tert−ブチルエステル、ベンジルエス
テル、トリメチルシリルエチルエステル、および2,2,2−トリクロロエチルエステル
が含まれるが、これらに限定されない。
用語「固相化学反応」は、反応の1成分が高分子材料(以下に定義の固体支持体)に共
有結合する化学反応の実施をいう。固相上での化学反応を起こすための反応方法は、より
広く知られており、ペプチドおよびオリゴヌクレオチド化学反応の伝統的分野以外で確立
された。
用語「固体支持体」、「固相」、または「樹脂」は、固相化学反応を起こすために使用
される機械的および化学的に安定な高分子マトリクスをいう。これを、「樹脂」、「P−
」、または下記記号:
Figure 0005730835
で示す。
適切な高分子材料の例には、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレングリコール、
ポリスチレンにグラフトするか共有結合しているポリエチレングリコール(PEG−ポリ
スチレン(TentaGel(商標))とも呼ばれる、Rapp,W.;Zhang,L
.;Bayer,E.In Innovations and Persepctive
s in Solid Phase Synthesis.Peptides,Poly
peptides and Oligonucleotides;Epton,R.,E
d.;SPCC Ltd.:Birmingham,UK;p 205)、ポリアクリレ
ート(CLEAR(商標))、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、PEGA(ポリエチ
レングリコールポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)コポリマー、Meldal,M
.Tetrahedron Lett.1992,33,3077−3080)、セルロ
ースなどが含まれるが、これらに限定されない。これらの材料は、構造を機械的に安定化
するための架橋結合を形成するためのさらなる化学物質(例えば、ポリスチレン架橋ジビ
ニルベンゼン(DVB、通常、0.1〜5%、好ましくは0.5〜2%))を任意に含み
得る。この固体支持体には、制限されない例として、アミノメチルポリスチレン、ヒドロ
キシメチルポリスチレン、ベンズヒドリルアミンポリスチレン(BHA)、メチルベンズ
ヒドリルアミン(MBHA)ポリスチレン、およびさらなる誘導体化または反応のための
遊離化学官能基(最も典型的には、−NHまたは−OH)を含む他の高分子骨格が含ま
れ得る。この用語はまた、これらの官能基の比率が高い(「負荷された」)「ウルトラレ
ジン(Ultraresin)」(ポリエチレンイミンおよび架橋分子から調製したもの
など)が含まれることも意味する(Barth,M.;Rademann,J.J.Co
mb.Chem.2004,6,340−349)。合成終了時に、Frechet,J
.M.J.;Haque,K.E.Tetrahedron Lett.1975,16
,3055に樹脂を再利用することが示されているにもかかわらず、典型的には、樹脂を
破棄する。
一般に、樹脂として使用される材料は、不溶性ポリマーであるが、一定のポリマーは、
溶媒によって溶解性が異なり、固相化学反応に使用することもできる。例えば、ポリエチ
レングリコールは化学反応を行うことができる多くの有機溶媒で可溶性を示すので、ポリ
エチレングリコールをこの様式で使用することができるが、ジエチルエーテルなどの他の
溶媒には不溶性を示す。したがって、溶液中で均一に反応させ、その後、ポリマー上の生
成物をジエチルエーテルの添加によって沈殿させ、固体として処理することができる。こ
れは、「液相」化学反応と呼ばれている。
用語「リンカー」は、固相化学反応に関して使用する場合、固体支持体に共有結合し、
支持体と基質との間に結合して、典型的には、固体支持体から基質を放出(切断)させる
化学基をいう。しかし、リンカーを使用して、固体支持体への結合に安定性を付与するこ
ともできるか、単なるスペーサー成分であり得る。既にリンカーが結合した多くの固体支
持体が市販されている。
アミノ酸について使用した略語およびペプチドの表示は、IUPAC−IUB Com
mission of Biochemical Nomenclature in J
.Biol.Chem.1972,247,977−983の規則に従う。この文書は更
新されている(Biochem.J.,1984,219,345−373;Eur.J
.Biochem.,1984,138,9−37;1985,152,1;Inter
nat.J.Pept.Prot.Res.,1984,24,following p
84;J.Biol.Chem.,1985,260,14−42;Pure App
l.Chem.,1984,56,595−624;Amino Acids and
Peptides,1985,16,387−410;およびBiochemical
Nomenclature and Related Documents,2nd e
dition,Portland Press,1992,pp 39−67)。規則の
拡大は、JCBN/NC−IUB Newsletter 1985,1986,198
9に公開された(Biochemical Nomenclature and Rel
ated Documents,2nd edition,Portland Pres
s,1992,pp 68−69を参照のこと)。
用語「有効量」または「有効な」は、臨床試験および臨床評価および/または患者の所
見などによって認められる疾患または障害の症状を緩和させる用量および/または生物活
性または化学的活性の検出可能に変化させる用量を示すことを意図する。当業者は、関連
する機構または過程についての検出可能な変化を検出および/またはさらに定量すること
ができる。当分野で一般に理解されているように、投薬量は、投与経路、症状、および患
者の体重などに依存して変化するが、投与される化合物にも依存する。
2つ以上の化合物の「組み合わせ」投与は、一方の存在により他方の生物学的作用が変
化するのに十分近い時間で2つの化合物を投与することを意味する。2つの化合物を、同
時(一斉(concurrently))または連続的に投与することができる。投与前
の化合物の混合、化合物の同一時点であるが異なる解剖学的部位への投与、または異なる
投与経路の使用によって同時投与行うことができる。本明細書中で使用される表現「一斉
投与」、「組み合わせ投与」、「同時投与」、または「同時に投与する」は、化合物を同
一時点で投与するか、一方の投与直後に投与することを意味する。後者の場合、得られた
結果が、化合物を同時点で投与した場合に達成される結果と区別することができなくなる
のに十分に近い時間で2つの化合物を投与する。
用語「薬学的に活性な代謝産物」は、体内での代謝によって生成された特定の化合物の
薬理学的に活性な生成物を意味することを意図する。
用語「溶媒和物」は、このような化合物の生物学的有効性を保持する特定の化合物の薬
学的に許容可能な溶媒和物を意味することを意図する。溶媒和物の例には、水、イソプロ
パノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールア
ミンと組み合わせた本発明の化合物が含まれるが、これらに限定されない。
1.化合物
本発明の新規の大環状化合物には、環化されて大環状化合物を形成するテザー(tet
her)成分を含む基礎単位構造を含む大環状化合物が含まれる。基礎単位構造は、アミ
ノ酸(標準および非自然)、ヒドロキシ酸、ヒドラジノ酸、アザ−アミノ酸、特殊化した
部分(ペプチド代用物(surrogate)および同配体の導入で役割を果たすものな
ど)、および本明細書中に記載のテザー成分を含み得る。テザー成分を、下記式:
Figure 0005730835
(式中、(Z)は、ZへのTの共有結合部位であり、Zは式Iについて以下に定義
の通りであり、(X)は、XへのTの共有結合部位であり、Xは式Iについて以下に定義
の通りであり、Lは、−CH−または−O−であり、Uは、−CR101102
−または−C(=O)−であり、R100は低級アルキルであり、R101およびR10
は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであり、xxは2
または3であり、yyは1または2であり、zzは1または2であり、aaaは0または
1である。)
から選択することができる。
本発明の大環状化合物には、下記式I:
Figure 0005730835
[式中、
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にO、S、
またはN原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環を
形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとR
とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5
員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換され
ていてよく;
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にO、S、
またはN原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環を
形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとR
とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5
員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換され
ていてよく;
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にOまたは
S原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し
、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとRとでま
たはRとR11とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい4
員環、5員環、6員環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環は、以下に定義
したRと任意に置換されていてよく;
は、水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはRとRとで、環内にOまたは
S原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し
、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されていてよく、またはRとRとでま
たはRとR11とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい4
員環、5員環、6員環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環は、以下に定義
したRと任意に置換されていてよく;
およびRは、それぞれ独立して水素またはアミノ酸の側鎖であるか、またはR
とRとで、環内にO、S、またはN原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員
環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義したRと任意に置換されて
いてよく;
は、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキ
ル、複素環基、または置換複素環基であるか、またはRとRとでまたはRとR
で、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員
環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環は、以下に記載したRと任意に置
換されていてよく;
は、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環構造上の1つ以上の
水素原子を置換し、独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアル
キル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロ
アリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ハロゲン、ホルミル
、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイ
ル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、および
スルホンアミドからなる群から選択されるか、または2つの隣接する原子上の水素原子を
置換する場合、Rは、縮合シクロアルキル、置換縮合シクロアルキル、縮合複素環、置
換縮合複素環、縮合アリール環、置換縮合アリール環、縮合ヘテロアリール環、または置
換縮合ヘテロアリール環であり;
Xは、O、NR、またはN(R10
(式中、Rは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、スルホニル、スルホンアミド
、またはアミジノであり、R10は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであ
るか、またはRとRとで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含んでいて
よい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、先に定義した
と任意に置換されていてよい。)
であり;
は、OまたはNR11
(式中、R11は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであるか、またはR
とR11とでまたはRとR11とで、環内にO、S、またはさらなるN原子を任意に含
んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環の複素環を形成し、前記環
は、先に定義したRと任意に置換されていてよく;
は、OまたはNR12
(式中、R12は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルである。)
であり;
m、n、およびpは、それぞれ独立して0、1、または2であり;
Tは、下記式IV:
−U−(CH−W−Y−Z−(CH− (IV)
{式中、
dおよびeは、それぞれ独立して0、1、2、3、4、または5であり;
YおよびZは、それぞれ任意に存在してもよく;
Uは、−CR2122−または−C(=O)−であり、式IのXに結合しており;
W、Y、およびZは、それぞれ独立して−O−、−NR23−、−S−、−SO−、−
SO−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−NH−、−NH−
C(=O)−、−SO−NH−、−NH−SO−、−CR2425−、−CH=C
H−(Z型またはE型)、−C≡C−、および下記の環構造:
Figure 0005730835
(式中、GおよびGは、それぞれ独立して共有結合であるか、または−O−、−NR
39−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−
C(=O)−、−C(=O)NH−、−NH−C(=O)−、−SO−NH−、−NH
−SO−、−CR4041−、−CH=CH−(Z型またはE型)、および−C≡C
−からなる群から選択された2価の基であり、Gは、Uの最も近くで結合し、ここで、
前記環内の任意の炭素原子は他で定義されておらず、Nに任意に置換されていてよく、但
し、前記環は4個を超えるN原子を含むことができず、K、K、K、K、および
は、それぞれ独立してO、NR42、またはSであり、R42は以下に定義されてい
る。)
からなる群から選択され;
21およびR22は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、または置換低級アルキ
ルであるか、またはR21とR22とで、環内にO、S、およびNからなる群から選択さ
れる1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し、前記環は
、先に定義したRと任意に置換されていてよく、
23、R39およびR42は、それぞれ独立して水素、アルキル、置換アルキル、シ
クロアルキル、置換シクロアルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘ
テロアリール、置換ヘテロアリール、ホルミル、アシル、カルボキシアルキル、カルボキ
シアリール、アミド、アミジノ、スルホニル、またはスルホンアミドであり;
24およびR25は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、置換低級アルキル、ま
たはRAA(RAAは、標準アミノ酸または異常アミノ酸などのアミノ酸の側鎖である。
)であるか、またはR24とR25とで、環内にO、S、およびNからなる群から選択さ
れる1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し、またはR
24またはR25のうちの一方は、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、メル
カプト、カルバモイル、アミジノ、ウレイド、またはグアニジノであり、他方は、水素、
低級アルキル、または置換低級アルキル(R24およびR25が結合した炭素も別のヘテ
ロ原子に結合している場合を除く)であり;
26、R31、R35、およびR38は、それぞれ任意に存在していてよく、存在す
る場合、前記示された環上の1つ以上の水素原子が置換され、それぞれは、独立してハロ
ゲン、トリフルオロメチル、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアル
キル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロ
アリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、ホルミル、アシル、カルボキ
シ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウ
レイド、アミジノ、シアノ、ニトロ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、およびス
ルホンアミドからなる群から選択され;
27は、任意に存在していてよく、前記示された環上の1つ以上の水素原子が置換さ
れ、それぞれは、独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキ
ル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロア
リール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシル、カ
ルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジ
ノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミ
ドからなる群から選択され;
28、R29、R30、R32、R33、R34、R36、およびR37は、それぞ
れ任意に存在していてよく、前記環中で結合する炭素原子に二重結合が存在しない場合、
2つの基が任意に存在していてよく、存在する場合、前記環内に存在する1つの水素が置
換され、または前記環中で結合する炭素原子に二重結合が存在しない場合、前記環上に存
在する2つの水素原子のうちの1つまたは両方が置換され、それぞれ独立してアルキル、
置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、アリー
ル、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリー
ルオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カル
ボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト
、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミドからなる群から選択され、結合する
炭素原子に二重結合が存在する場合のみハロゲンであり;
40およびR41は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、置換低級アルキル、先
に定義の通りであるRAAであるか、またはR40とR41とで、環内にO、S、または
Nからなる群から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12
員環を形成し、前記環は、先に定義したRと任意に置換されていてよく、またはR40
またはR41のうちの一方は、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、メルカプ
ト、カルバモイル、アミジノ、ウレイド、またはグアニジノであり、他方は、水素、低級
アルキル、または置換低級アルキル(R40およびR41が結合した炭素も別のヘテロ原
子に結合している場合を除く)であり;
但し、Tは、標準アミノ酸を含むアミノ酸残基、ジペプチドフラグメント、トリペプチ
ドフラグメント、またはより高次のペプチドフラグメントではない。}
の2価の基である。]
、またはその光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはその立
体化学的混合物;
下記式II:
Figure 0005730835
[式中、
50は、−(CHssCH、−CH(CH)(CHttCH、−(C
uuCH(CH、−C(CH、−(CHR55vv−R56、また
は−CH(OR57)CH
(式中、ssは1、2、または3であり、ttは1または2であり、uuは0、1、また
は2であり、vvは0、1、2、3、または4であり、R55は、水素またはC〜C
アルキルであり、R56は、アミノ、水酸基、アルコキシ、シクロアルキル、または置換
シクロアルキルであり、R57は、水素、アルキル、アシル、アミノアシル、スルホニル
、カルボキシアルキル、またはカルボキシアリールである。)
であり;
51は、水素、C〜Cアルキル、または水酸基もしくはアルコキシで置換された
〜Cアルキルであり;
52は、−(CHR58ww59
(式中、wwは0、1、2、または3であり、R58は、水素、C〜Cアルキル、ア
ミノ、水酸基、またはアルコキシであり、R59は、アリール、置換アリール、ヘテロア
リール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである。)
であり;
53は、水素またはC〜Cアルキルであり;
は、O、NR、またはN(R10
(式中、Rは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、スルホニル、スルホンアミド
、またはアミジノであり、R10は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであ
る。)
であり;
は、OまたはNR12
(式中、R12は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルである。)
であり;
は、下記式V:
−U−(CH−W−Y−Z−(CH− (V)
{式中、
dおよびeは、独立して0、1、2、3、4、または5であり;
およびZは、それぞれ任意に存在してもよく;
は、−CR6061−または−C(=O)−であり、式IIのXに結合してお
り、ここで、R60およびR61は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、または置換
低級アルキルであるか、またはR21とR22とで、環内にO、S、およびNからなる群
から選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し
、前記環は、先に定義したRと任意に置換されていてよく;
、Y、およびZは、それぞれ独立して−O−、−NR62−、−S−、−SO
−、−SO−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)NH−、−N
H−C(=O)−、−SO−NH−、−NH−SO−、−CR6364−、−CH
=CH−(Z型またはE型)、−C≡C−、および下記の環構造:
Figure 0005730835
(式中、GおよびGは、先に定義されており、ここで、前記環内の任意の炭素原子が
Nに任意に置換されていてよく、但し、前記芳香環は4個を超えるN原子を含むことがで
きず、シクロアルキル環は2個を超えるN原子を含むことができない。)
からなる群から選択され;
62は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複
素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール
、ホルミル、アシル、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、アミジノ、ス
ルホニル、またはスルホンアミドであり;
63およびR64は、それぞれ独立して水素、低級アルキル、置換低級アルキル、ま
たはRAAであるか、またはR63とR64とで、環内にO、S、およびNからなる群か
ら選択される1つ以上のヘテロ原子を任意に含んでいてよい3員環〜12員環を形成し、
またはR63またはR64のうちの一方は、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、アミ
ノ、メルカプト、カルバモイル、アミジノ、ウレイド、またはグアニジノであり、他方は
、水素、低級アルキル、または置換低級アルキル(R63およびR64が結合した炭素も
別のヘテロ原子に結合している場合を除く)であり、RAAは、標準アミノ酸または異常
アミノ酸の側鎖を示し;
65およびR68は、それぞれ任意に存在していてよく、存在する場合、前記環上の
1つ以上の水素原子が置換され、それぞれは、独立してハロゲン、トリフルオロメチル、
アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環
基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキ
シ、アリールオキシ、アミノ、ホルミル、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カ
ルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、シアノ、
ニトロ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、またはスルホンアミドであり;
66およびR67は、それぞれ任意に存在していてよく、前記環中で結合する炭素原
子に二重結合が存在しない場合、2つの基が任意に存在していてよく、存在する場合、そ
れぞれ、前記環内に存在する1つの水素が置換され、または前記環中で結合する炭素原子
に二重結合が存在しない場合、前記環上に存在する2つの水素原子のうちの1つまたは両
方が置換され、それぞれ独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロ
アルキル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロ
アリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシル、
カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニ
ジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、またはスルホンア
ミドであり、結合する炭素原子に二重結合が存在する場合のみハロゲンであり;
69は、任意に存在していてよく、存在する場合、前記環上の1つ以上の水素原子が
置換され、それぞれは、独立してアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロ
アルキル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘ
テロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、オキソ、アミノ、ホルミル、アシ
ル、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グ
アニジノ、ウレイド、アミジノ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、またはスルホ
ンアミドであり;
は、OまたはSであり;
ffは、1、2、3、4、または5であり;
但し、Tは、標準アミノ酸を含むアミノ酸残基、ジペプチドフラグメント、トリペプ
チドフラグメント、またはより高次のペプチドフラグメントではない。}
の2価の基である。]
、またはその光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはその立
体化学的混合物;および/または
下記式III:
Figure 0005730835
[式中、
70は、水素、またはC〜Cアルキルであるか、またはR70とR71とで、環
内にO、N、またはS原子を任意に含んでいてよい4員環、5員環、6員環、7員環、ま
たは8員環を形成し、前記環は、以下に定義したR8aと任意に置換されていてよく;
71は、水素、−(CHaaCH、−CH(CH)(CHbbCH
−(CHccCH(CH、−(CHdd−R76、または−CH(OR
)CH
(式中、aaは0、1、2、3、4、または5であり、bbは1、2、または3であり、
ccは0、1、2、または3であり、ddは0、1、2、3、または4であり、R76
、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、ま
たは置換シクロアルキルでり、R77は、水素、アルキル、アシル、アミノアシル、スル
ホニル、カルボキシアルキル、またはカルボキシアリールである。)
であるか、またはR71とR70とで、環内にO、N、またはS原子を任意に含んでいて
よい4員環、5員環、6員環、7員環、または8員環を形成し、前記環は、以下に定義し
たR8aと任意に置換されていてよく;
72は、C〜Cアルキルであるか、またはR72とR73とで、環内にOまたは
S原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し
、前記環は、以下に定義したR8bと任意に置換されていてよく;
73は、水素であるか、またはR73とR72とで、環内にO、S、またはN原子を
任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し、前記環
は、以下に定義したR8bと任意に置換されていてよく;
74は、水素またはC〜Cアルキルであるか、またはR74とR75とで、環内
にO、N、またはS原子を任意に含んでいてよい3員環、4員環、5員環、6員環、また
は7員環を形成し、前記環は、以下に定義したR8cと任意に置換されていてよく;
75は、−(CHR78)R79
{式中、R78は、水素、C〜Cアルキル、アミノ、水酸基、またはアルコキシであ
り、R79は、下記の構造:
Figure 0005730835
(式中、E、E、E、E、およびEは、それぞれ任意に存在していてよく、存
在する場合、それぞれは、独立してハロゲン、トリフルオロメチル、アルキル、置換アル
キル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、アリール、置換
アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ
、シアノ、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミドからなる群から選択され、
単環式または二環式芳香環上の1つ以上の利用可能な位置での置換を表し、ここで、該置
換基は同一または非同一の選択された群の要素であり、JおよびJは、それぞれ独立
してOまたはSである。)
からなる群から選択される。}
であるか、またはR75とR74とで、環内にO、N、またはS原子を任意に含んでいて
よい3員環、4員環、5員環、6員環、または7員環を形成し、前記環は、以下に定義し
たR8cと任意に置換されていてよく;
8a、R8b、およびR8cは、それぞれ独立して3員環、4員環、5員環、6員環
、7員環、または8員環構造上の1つ以上の水素原子を置換し、独立してアルキル、置換
アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環基、置換複素環基、アリール、
置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、水酸基、アルコキシ、アリールオ
キシ、オキソ、アミノ、ハロゲン、ホルミル、アシル、カルボキシ、カルボキシアルキル
、カルボキシアリール、アミド、カルバモイル、グアニジノ、ウレイド、アミジノ、メル
カプト、スルフィニル、スルホニル、およびスルホンアミドからなる群から選択されるか
、または2つの隣接する原子上の水素原子を置換する場合、R8a、R8b、およびR
は、それぞれ独立して、縮合シクロアルキル、置換縮合シクロアルキル、縮合複素環、
置換縮合複素環、縮合アリール環、置換縮合アリール環、縮合ヘテロアリール環、または
置換縮合ヘテロアリール環であり;
は、O、NR、またはN(R10
(式中、Rは、水素、低級アルキル、置換低級アルキル、スルホニル、スルホンアミド
、またはアミジノであり、R10は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルであ
る。)
であり;
10は、OまたはNR12
(式中、R12は、水素、低級アルキル、または置換低級アルキルである。)
であり;
は、Uが式IIIのXに結合していること以外は、定義したTと同一である
。]
、またはその光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはその立
体化学的混合物;
の大環状化合物がさらに含まれる。
本発明のいくつかの実施形態では、化合物は、下記の構造:
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
、またはその光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ化合物、またはその立
体化学的混合物の1つを有し得る。
本発明は、単離化合物を含む。単離化合物は、いくつかの実施形態では、混合物中に少
なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、または少なくとも70%の化合
物を含む化合物をいう。いくつかの実施形態では、化合物、その薬学的に許容可能な塩、
または化合物を含む薬学的組成物は、ヒトグレリン受容体の生物アッセイで試験した場合
に統計的に有意な結合活性および/またはアンタゴニスト活性を示す。
固体の化合物、塩、または溶媒和物の場合、当業者は、本発明の化合物、塩、および溶
媒和物が異なる結晶形態または多形形態を示してよく、その全てが本発明および特定の方
式の範囲内であることが意図されると理解される。
本明細書中に開示の式I、II、および/またはIIIの化合物は、不斉中心を有する
。本発明の化合物は、単一の立体異性体、ラセミ化合物、および/または鏡像異性体およ
び/またはジアステレオマーの混合物として存在し得る。全てのこれらの単一の立体異性
体、ラセミ化合物、およびその混合物は、本発明の範囲内であることが意図される。しか
し、特定の実施形態では、本発明の化合物を、光学的に純粋な形態で使用する。本明細書
中で使用される、用語「S」体および「R」体は、IUPAC 1974 Recomm
endations for Section E,Fundamentals of
Stereochemistry(Pure Appl.Chem.1976,45,1
3−30.)で定義の通りである。
他で特定の配向であることを示さない限り、本発明は全て立体異性体形態で説明する。
化合物は単一の立体異性体または立体異性体の混合物として調製することができる。非ラ
セミ形態を、合成または分割によって得ることができる。化合物を、例えば、標準的な技
術(例えば、塩形成によるジアステレオマー対の形成)によって鏡像異性体成分に分割す
ることができる。化合物を、キラル部分の共有結合によって分割することもできる。次い
で、ジアステレオマーを、クロマトグラフィー分離および/または結晶学的分離によって
分割することができる。キラル補助基部分の場合、除去することができる。別の方法とし
て、化合物を、キラルクロマトグラフィーの使用によって分割することができる。一定の
場合、酵素的分割方法を使用することもできる。
当業者に一般に理解されているように、「光学的に純粋な」化合物は、単一の鏡像異性
体を含む化合物である。本明細書中で使用される、用語「光学的に活性な」は、混合物が
平面偏光を回転するように少なくとも一方の鏡像異性体が他方よりも十分に過剰に含まれ
る化合物を意味することを意図する。光学的に活性な化合物は、偏光面を回転する能力を
有する。他方を超えた過剰な一方の鏡像異性体を、典型的には、鏡像体過剰率(e.e.
)で示す。光学活性化合物の記載では、文字DおよびLまたはRおよびSを使用して、キ
ラル中心について分子の絶対配置を示す。文字「d」および「l」または(+)および(
−)を使用して、化合物の旋光性を示す(すなわち、光学活性化合物によって偏光面を回
転させる方法)。文字「l」または(−)は化合物が左旋性(すなわち、偏光面を左また
は反時計方向に回転する)であることを示し、文字「d」または(+)は化合物が右旋性
(dextrarotatory)(すなわち、偏光面を右または時計方向に回転する)
であることを意味する。旋光性の表示((−)および(+))は、分子の絶対配置(Rお
よびS)に関連しない。
所望の薬理学的性質を有する本発明の化合物は光学的に活性であり、少なくとも90%
(80%e.e.)、少なくとも95%(90%e.e.)、少なくとも97.5%(9
5%e.e.)、または少なくとも99%(98%e.e.)の単一の異性体から構成さ
れ得る。
同様に、二本鎖などの多数の幾何異性体も本明細書中に記載の化合物中に存在すること
ができ、他で特定しない限り、全てのこのような異性体は本発明の範囲内に含まれる。式
I、II、および/またはIIIの互変異性体および回転異性体も本発明に含まれる。
下記記号:
Figure 0005730835
の使用は、示した環の1つ以上の水素原子の、定義された置換基Rへの置換をいう。
下記記号:
−−−−
の使用は、単結合または任意の二重結合を示す。
本発明の実施形態は、さらに、式I、II、および/またはIIIの化合物を得るため
の本明細書中に記載の合成方法によって形成された中間化合物を提供する。中間化合物は
、本明細書中に記載の適用疾患の治療薬ならびに/またはさらなる合成方法および反応の
ための試薬としての有用性を有し得る。
2.合成方法
式I、II、および/またはIIIの化合物を、伝統的な溶液合成技術または固相化学
反応方法を使用して合成することができる。いずれにしても、以下の4つの段階で構成さ
れる。第1に、生体標的受容体の認識要素および主に立体構造の調節および定義のための
1つのテザー部分を含む基礎単位の合成。標準的な化学転換を使用した第2段階で、これ
らの基本単位を、典型的には連続様式でアセンブリする。次いで、第3段階で、アセンブ
リ由来の前駆体を環化して大環状構造を得る。最後に、保護基の除去および任意の精製を
含む第4の環化後処理により、所望の最終化合物を得る。この一般的な大環状構造型の合
成方法は、国際特許出願WO01/25257号、WO2004/111077号、WO
2005/012331号、およびWO2005/012332号(WO2004/11
1077号およびWO2005/012331号に記載の精製手順が含まれる)に記載さ
れている。
本発明のいくつかの実施形態では、式I、II、および/またはIIIの大環状化合物
を、先に定義した可溶性または不溶性高分子マトリクスに対する固相化学反応を使用して
合成することができる。固相化学反応のために、「負荷(loading)」と呼ばれる
樹脂への第1の基礎単位の結合を含む予備段階を行うことができる。本発明のために使用
した樹脂は、優先的にリンカー部分(L)に結合されている。当分野で公知の標準的反応
方法(エステル結合またはアミド結合の形成のために開発された多数の反応条件のうちの
いずれかなど)によって、ベース樹脂上で、これらのリンカーを、適切な遊離化学官能基
(通常、アルコールまたはアミン、他も可能である)に結合させる。本発明のいくつかの
リンカー部分を、一般に「環化−放出(cyclization−release)」と
呼ばれる過程において、大環状を形成した樹脂から同時に切断されるようにデザインする
(van Maarseveen,J.H.Solid phase synthesi
s of heterocycles by cyclization/cleavag
e methodologies.Comb.Chem.High Throughpu
t Screen.1998,1,185−214;Ian W.James,Link
ers for solid phase organic synthesis.Te
trahedron 1999,55,4855−4946;Eggenweiler,
H.−M.Linkers for solid−phase synthesis o
f small molecules:coupling and cleavage
techniques.Drug Discovery Today 1998,3,5
52−560;Backes,B.J.;Ellman,J.A.Solid supp
ort linker strategies.Curr.Opin.Chem.Bio
l.1997,1,86−93.Of particular utility in
this regard for compounds of the inventi
on is the 3−thiopropionic acid linker.(H
ojo,H.;Aimoto,S.Bull.Chem.Soc.Jpn.1991,6
4,111−117;Zhang,L.;Tam,J.J.Am.Chem.Soc.1
999,121,3311−3320.)。
このような過程により、環状生成物のみが固体支持体から放出され、液相で起こり得る
直鎖前駆体を含む汚染が最小になるので、より高い純度の材料が得られる。示すように、
公知または標準的な反応化学を使用した全ての基礎単位およびテザーの直鎖前駆体への連
続的アセンブリ後、テザー基礎単位の一部である適切な求核官能基によってこのリンカー
に結合したカルボニルへの塩基媒介分子内攻撃により、アミド結合またはエステル結合が
形成され、環状構造が完了される(スキーム1)。より大規模な適用に好ましい可能性が
高い液相に適合した類似の方法を適用することもできる。
スキーム1.環化−放出ストラテジー
Figure 0005730835
この記載が本発明の方法の1つのための経路(チオエステルストラテジー)を正確に示
しているにもかかわらず、テザー成分が環化工程中に正確にアセンブリされる修正経路に
よって本発明の別の方法(別の閉環メタセシス(RCM)法)が進行する。しかし、RC
M法でも、基礎単位のアセンブリは連続的に進行し、その後環化される(固相の場合、そ
の後樹脂から放出される)。RCM反応の特定の副生成物を除去するためにさらなる環化
後処理工程が必要であるが、チオエステルまたは類似の塩基媒介環化ストラテジーと同一
の様式でその後の残りの処理を行う。
さらに、本明細書中に提供した方法を含む工程を独立して行うことができるか、少なく
とも2つの工程を組み合わせることができると理解される。さらに、本明細書中に提供し
た方法を含む工程を、独立してか組み合わせて行う場合、本発明の教示の範囲を逸脱する
ことのない同一温度または異なる温度で行うことができる。
本発明の新規の大環状化合物には、本明細書中に記載のテザー成分を含む大環状化合物
を形成するための基礎単位構造の環化を含む新規の過程によって形成された大環状化合物
が含まれる。したがって、本発明は、(a)基礎単位構造をアセンブリする工程と、(b
)基礎単位構造を化学転換する工程と、(c)テザー成分を含む基礎単位構造を環化する
工程と、(d)基礎単位構造から保護基を除去する工程と、(e)工程(d)から得た生
成物を任意に精製する工程とを含む、本発明の化合物の製造方法を提供する。いくつかの
実施形態では、基礎単位構造のアセンブリは連続的であり得る。さらなる実施形態では、
伝統的な溶液合成技術または固相化学反応技術を使用して合成方法を行う。
A.アミノ酸
アミノ酸、Boc保護アミノ酸、およびFmoc保護アミノ酸、ならびに側鎖保護誘導
体(N−メチルおよび非自然アミノ酸の側鎖保護誘導体が含まれる)を、供給業者から入
手するか(例えば、Advanced ChemTech(Louisville,KY
,USA)、Bachem(Bubendorf,Switzerland)、Chem
Impex(Wood Dale,IL,USA)、Novabiochem(subs
idiary of Merck KGaA,Darmstadt,Germany)、
PepTech(Burlington,MA,USA)、Synthetech(Al
bany,OR,USA))、当業者に公知の標準的方法によって合成した。Ddz−ア
ミノ酸を、Orpegen(Heidelberg,Germany)またはAdvan
ced ChemTech(Louisville,KY,USA)から購入するか、D
dz−OPhまたはDdz−Nを使用した標準的方法を使用して合成した(Birr,
C.;Lochinger,W.;Stahnke,G.;Lang,P.The α,
α−dimethyl−3,5−dimethoxybenzyloxycarbony
l(Ddz)residue,an N−protecting group labi
le toward weak acids and irradiation.Jus
tus Liebigs Ann.Chem.1972,763,162−172.)。
Bts−アミノ酸を、公知の方法によって合成した(Vedejs,E.;Lin,S.
;Klapara,A.;Wang,J.「Heteroarene−2−sulfon
yl Chlorides(BtsCl,ThsCl):Reagents for N
itrogen Protection and >99% Racemization
−Free Phenylglycine Activation with SOCl
.」 J.Am.Chem.Soc.1996,118,9796−9797.また、
WO01/25257,WO2004/111077)。N−アルキルアミノ酸(特に、
N−メチルアミノ酸)は、複数の業者から市販されている(Bachem,Novabi
ochem,Advanced ChemTech,ChemImpex)。さらに、N
−アルキルアミノ酸誘導体を、文献に記載の方法によって利用した(Hansen,D.
W.,Jr.;Pilipauskas,D.J.Org.Chem.1985,50,
945−950.)。
B.テザー
テザーを、国際特許出願WO01/25257号、WO2004/111077号、W
O2005/012331号、および米国特許仮出願番号60/622,055号に記載
の方法から得た。本明細書中に記載のテザーの合成手順を、以下の実施例に示す。例示的
テザー(T)には、下記式:
Figure 0005730835
{式中、(Z)は、Z、Z、またはZ10へのTの共有結合部位であり、Z、Z
、およびZ10は、それぞれ式I、II、およびIIIについて先に定義の通りであり、
(X)は、X、X、またはXへのTの共有結合部位であり、X、X、およびX
、それぞれ式I、II、およびIIIについて先に定義の通りであり、Lは、−CH
−または−O−であり、Uは、−CR101102−または−C(=O)−であり、
100は、低級アルキルであり、R101およびR102は、それぞれ独立して水素、
低級アルキルまたは置換低級アルキルであり、xxは2または3であり、yyは1または
2であり、zzは1または2であり、aaaは0または1である。)
およびその製造における中間体。}
が含まれるがこれらに限定されない。
C.固相技術
本発明の大環状化合物の合成のための特定の固相技術は、WO01/25257号、W
O2004/111077号、WO2005/012331号、およびWO2005/0
12332に記載されている。液相合成経路(より大規模な製造が可能な方法が含まれる
)は、米国特許仮出願番号60/622,055号および60/642,271に記載さ
れた。
しかし、一定の場合、保護基の不安定性により、上記で考察したチオエステルストラテ
ジーにおける環化のための標準的な基本溶剤の使用が除外された。これらの場合、2つの
酸性方法のいずれかを使用して、酸性条件下で大環状化を行った。一方の方法は、HOA
cを使用し、他の方法はHOAtを使用した(スキーム2)。例えば、化合物219には
酢酸環化を使用した。
テザー上のDdz基またはBoc基の脱保護実行後、樹脂を、DCM(2回)、DCM
−MeOH(1:1、2回)、DCM(2回)、およびDIPEA−DCM(3:7、1
回)で連続的に洗浄した。樹脂を、真空下で10分間乾燥させ、その直後に、HOAcの
脱気DMF溶液(5%v/v)に添加した。反応混合物を、50〜70℃でO/N撹拌し
た。樹脂を濾過し、THFで洗浄し、濾過物を合わせ、洗浄物を減圧下で蒸発させて(水
流吸引器、その後オイルポンプ)、大環状物を得た。
スキーム2:別の環化法
Figure 0005730835
テザーT1、AA=Leu、AA=Leu、AA=Pheを有する代表的大環状
物について、スキーム2に示すHOAt法の適用によって収率10%で環状ペプチド模倣
物が得られる一方で、酢酸法はより有効であり、全収率が24%で同一の大環状物が得ら
れた。この後者の方法は、His(Mts)残基を含む化合物で特に有効であった。例え
ば、テザーT8、AA=Phe、AA=Acp、AA=His(Mts)を有する
大環状物が20%の全収率で得られたが、生成物の大部分はもはやヒスチジン上にMts
基を持たなかった(依然として保護されているものに対して15:1)。
本発明の代表的大環状化合物の合成を、以下の実施例に示す。以下の表1Aは、本発明
の224の代表的化合物の合成のまとめを示す。大環状分子の構築で使用した反応方法を
2列目に示し、これは、合成ストラテジー(例えば、図2に示すチオエステルストラテジ
ーまたは図3に示すRCMアプローチの使用)の特定のスキームに関する。3列目は、N
BB1上に任意の置換基が存在するかどうかを示す。4〜6列目および8列目は、いずれ
かの標準的命名法を使用した各化合物、アミノ酸、ヒドロキシ酸、もしくはテザーのため
に使用した各基礎単位を示すか、本出願中の他の場所に示した基礎単位の表示について言
及している。7列目は、テザー結合で使用した方法(Mitsunobu反応(以前にW
O01/25257号に記載)または還元的アミノ化(以前にWO2004/11107
7号に記載)のいずれか)を示す。基礎単位の性質に適切な関連する脱保護およびカップ
リングプロトコールを、環化前駆体のアセンブリについての標準的な手順およびWO20
04/111077に記載の手順を使用して実施する。基礎単位数を標準的なペプチド命
名法と相関させるために、基礎単位を、付加と逆の順序で列挙する。したがって、BB
を最初に付加し、その後にBBを付加し、最後にテザー(T)を付加する。RCMの場
合、環化工程までテザーは完全に形成されないが、テザーが既に基礎単位の一部でない限
り、BBに結合したテザーの一部が依然として手順のこの段階で付加される。適切な脱
保護手順の適用後に、最終大環状物が得られる。環化後に任意の反応が必要な場合、9列
目に列挙する。表1Aに示した全大環状物を精製し、内部合格基準を満たした。収率(1
0列目)は、単離されているか、CLND分析に基づいて計算している。化合物58およ
び99は環化しておらず、それぞれ、化合物10および133の直鎖アナログを示すこと
に留意すべきである。これらの直鎖アナログで認められた結合能の欠如は、所望の活性に
は大環状物の構造特性が重要であることを説明している。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
表1A中、「Compound」は「化合物」を示し、「Macrocyclic A
ssembly Method」は「大環状物アセンブリ法」を示し、「Tether
Attachment Method」は「テザー結合法」を示し、「Tether」は
「テザー」を示し、「Additional Reaction」は「さらなる反応」を
示し、「Yield」は「収率」を示し、「Thioester Strategy」は
「チオエステルストラテジー」を示し、「RCM Strategy」は「RCMストラ
テジー」を示し、「Reductive Amination Reaction」は「
還元的アミノ化反応」を示し、「Mitsunobu Reaction」は「Mits
unobu反応」を示し、「None」は「なし」を示し、「Hydrogenatio
n」は「水素化」を示し、「Thioester Strategy, linear」
は「チオエステルストラテジー(直鎖)」を示し、「No cyclization」は
「環化せず」を示し、「Acetic Acid Cyclization」は「酢酸環
化」を示し、「isolated from synthesis of compou
nd 151」は「化合物151の合成からの単離」を示し、「Reductive a
mination reaction with formaldehyde」は「ホル
ムアルデヒドを使用した還元的アミノ化反応」を示し、「Acetylation」は「
アセチル化」を示す。
表1Bは、本発明の122の代表的化合物の合成のまとめを示し、表1Cは、さらなる
15の代表的化合物の合成を示す。表1Bについて、大環状分子の構築で使用した反応方
法を2列目に示し、これは、合成ストラテジーの特定のスキームに関する。3〜6列目は
、いずれかの標準的命名法を使用した各化合物、アミノ酸、もしくはテザーのために使用
した各基礎単位を示すか、本出願中の他の場所に示した基礎単位の表示について言及して
いる。7列目は、テザーの結合で使用した方法を示す。基礎単位数を標準的なペプチド命
名法と相関させるために、基礎単位を、付加と逆の順序で列挙する。8列目は、補助的保
護を除去するか二重結合を還元するためなどの任意のさらなる反応化学を適用したかどう
かを示す(多くのRCM中間体生成物を用いて行ったように)。表1Bおよび1C中の全
大環状物を精製し、内部合格基準を満たした。収率(9〜10列目)は、単離されている
か、CLND分析に基づいて計算している。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
表1B中、「Compound」は「化合物」を示し、「Macrocyclic A
ssembly Method」は「大環状物アセンブリ法」を示し、「Tether
Attachment Method」は「テザー結合法」を示し、「Tether」は
「テザー」を示し、「Additional Reaction」は「さらなる反応」を
示し、「Amout」は「量」を示し、「Yield」は「収率」を示し、「Thioe
ster Strategy」は「チオエステルストラテジー」を示し、「RCM St
rategy」は「RCMストラテジー」を示し、「Reductive Aminat
ion Reaction」は「還元的アミノ化反応」を示し、「Mitsunobu
Reaction」は「Mitsunobu反応」を示し、「None」は「なし」を示
し、「Hydrogenolysis」は「水素添加分解」を示し、「Hydrogen
ation」は「水素化」を示す。
Figure 0005730835
表1C中、「Compound」は「化合物」を示し、「Macrocyclic A
ssembly Method」は「大環状物アセンブリ法」を示し、「Tether
Attachment Method」は「テザー結合法」を示し、「Tether」は
「テザー」を示し、「Additional Reaction」は「さらなる反応」を
示し、「Amout」は「量」を示し、「Yield」は「収率」を示し、「Thioe
ster Strategy」は「チオエステルストラテジー」を示し、「RCM St
rategy」は「RCMストラテジー」を示し、「Reductive Aminat
ion Reaction」は「還元的アミノ化反応」を示し、「Mitsunobu
Reaction」は「Mitsunobu反応」を示し、「None」は「なし」を示
し、「Hydrogenation」は「水素化」を示す。
表2に、精製生成物のLC−MS分析によって決定した、化合物1〜197、199〜
216、218〜230(表2A)、化合物298、299、301、303、304〜
403、405〜410、415、417、および430〜432(表2B)、ならびに
化合物435〜449(表2C)について得た分析データを示した。これらの化合物を、
下記の生物試験法を使用して、ヒトグレリン受容体に対して相互作用する能力についてさ
らに試験した。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
D.キラル純度の決定
当業者に公知であり、且つ本発明の化合物のためにさらに最適化した技術にしたがって
、立体異性体の純度のHPLCによる一般的決定方法を使用した。
方法 キラルA:Grad35A−05(カラム:Chiralcel AS−RH,
0.46cm×15cm):
1.35%ACN、65%50mM CHCOONH水溶液での40分間のアイソク
ラティックプラトー。
2.70%ACN、30%50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジエン
ト。
3.70%ACN、30%50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイソク
ラティックプラトー。
4.35%ACN、65%50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジエン
ト。
5.35%ACN、65%50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイソク
ラティックプラトー。
6.流速:0.5mL/分
7.カラム温度:室温
8.サンプル温度:室温
方法 キラルB:Grad40A−05(カラム:Chiralcel OD−RH,
0.46cm×15cm):
1.40%ACN、60%50mM CHCOONH水溶液での40分間のアイソク
ラティックプラトー。
2.70%ACN、30%50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジエン
ト。
3.70%ACN、30%50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイソク
ラティックプラトー。
4.40%ACN、60%50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジエン
ト。
5.40%ACN、60%50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイソク
ラティックプラトー。
6.流速:0.5mL/分
7.カラム温度:室温
8.サンプル温度:室温
方法 キラルC:Grad 55A−05(カラム:Chiralcel OD−RH
,0.46cm×15cm):
1.55%/45%のACN/50mM CHCOONH水溶液での40分間のアイ
ソクラティック。
2.70%/30%のACN/50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジ
エント。
3.70%/30%のACN/50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイ
ソクラティック。
4.55%/44%のACN/50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジ
エント。
5.55%/45%のACN/50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイ
ソクラティック。
6.流速:0.5mL/分
7.カラム温度:室温
8.サンプル温度:室温
方法 キラルD:Grad Iso100B_05(カラム:Chiralcel O
D−RH,0.46cm×15cm):
1.27%/73%のACN/50mM CHCOONH水溶液での40分間のアイ
ソクラティック。
2.70%/30%のACN/50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジ
エント。
3.70%/30%のACN/50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイ
ソクラティック。
4.27%/73%のACN/50mM CHCOONH水溶液への5分間のグラジ
エント。
5.27%/73%のACN/50mM CHCOONH水溶液での10分間のアイ
ソクラティック。
6.流速:0.5mL/分
7.カラム温度:室温
8.サンプル温度:室温
3.生物学的方法
下記の競合的放射性リガンド結合アッセイ、蛍光アッセイ、またはエクオリン機能アッ
セイを使用して、本発明の化合物を、ヒトグレリン受容体に対して相互作用する能力につ
いて評価した。このような方法を、多数の化合物を同時に評価するために、高処理様式で
行うことができる。
ヒト(GHS−R1a)、ブタ、およびラットのGHS−受容体(米国特許第6,24
2,199号、国際特許出願番号WO97/21730号および97/22004号)、
イヌGHS−受容体(米国特許第6,645,726号)のための特定のアッセイ方法、
ならびにそのアゴニストおよびアンタゴニストの同定での一般的な使用は公知である。
ヒトグレリン受容体に対して相互作用する本発明の化合物の機能活性の適切な決定方法
も以下に記載する。
A.競合的放射性リガンド結合アッセイ(グレリン受容体)
ヒト成長ホルモン分泌促進薬受容体(hGHS−R1a)における競合的結合アッセイ
を、文献に記載のアッセイと同様に行った(Bednarek MA et al.St
ructure−function studies on the new grow
th hormone−releasing peptide ghrelin:min
imal sequence of ghrelin necessary for a
ctivation of growth hormone secretagogue
receptor 1a;J.Med.Chem.2000,43,4370−437
6;Palucki,B.L.et al.Spiro(indoline−3,4’−
piperidine)growth hormone secretagogues
as ghrelin mimetics;Bioorg.Med.Chem.Lett
.2002,11,1955−1957.)。
材料
膜(GHS−R/HEK293)を、ヒトグレリン受容体(hGHS−R1a)で安定
にトランスフェクトしたHEK−293細胞から調製した。これらの膜は、Perkin
Elmer BioSignal(#RBHGHSM,lot#1887)から提供され
ており、含量0.71μg/アッセイポイントで使用した。
1.[125I]−グレリン(PerkinElmer,#NEX−388);最終濃度0
.0070〜0.0085nM
2.グレリン(Bachem,#H−4864);最終濃度1μM
3.Multiscreen Harvestプレート−GF/C(Millipore
,#MAHFC1H60)
4.ディープウェルプロピレン力価プレート(Beckman Coulter,#26
7006)
5.トップシール−A(PerkinElmer,#6005185)
6.ボトムシール(Millipore,#MATAH0P00)
7.MicroScint−0(PerkinElmer,#6013611)
8.結合緩衝液:25mM Hepes(pH7.4)、1mM CaCl2、5mM
MgCl2、2.5mM EDTA、0.4%BSA
アッセイ体積
300μl濾過アッセイ形式で競合試験を行った。
1.220μLの結合緩衝液で希釈した膜
2.40μLの結合緩衝液で希釈した化合物
3.40μLの結合緩衝液で希釈した放射性リガンド([125I]−グレリン)
本発明の化合物の最終試験濃度(N=1):
10、1、0.5、0.2、0.1、0.05、0.02、0.01、0.005、0.
002、0.001μM。
化合物の取り扱い
化合物を、100%DMSOで希釈して保存濃度10mMにてドライアイス上で凍結し
、試験日まで−80℃で保存した。試験日に、化合物を室温でO/N解凍し、アッセイ緩
衝液で所望の試験濃度に希釈した。これらの条件下で、アッセイにおける最大最終DMS
O濃度は、0.1%であった。
アッセイプロトコール
ディープウェルプレート中で、200μLの希釈細胞膜(最終濃度:0.71μg/ウ
ェル)を、40μLのいずれかの結合緩衝液(最終結合、N=5)、1μMグレリン(非
特異的結合、N=3)、または適切な濃度の試験化合物(各試験濃度についてN=2)と
組み合わせた。40μLの[125I]−グレリン(最終濃度:0.0070〜0.008
5nM)の各ウェルへの添加によって反応を開始させた。プレートを、トップシール−A
でシールし、ボルテックスミキサーで穏やかに撹拌し、室温で30分間インキュベートし
た。Tomtec Harvesterを使用したMultiscreen Harve
stプレート(0.5%ポリエチレンイミンで予備浸漬する)へのサンプルの濾過によっ
て反応を停止させ、500μLの冷50mM Tris−HCl(pH7.4、4℃)で
9回洗浄し、プレートを換気フード中で30分間風乾させた。プレートにボトムシールを
貼り、各ウェルに25μLのMicroScint−0を添加した。プレートを、トップ
シール−Aでシールし、TopCountマイクロプレートシンチレーションにてウェル
につき30秒間計数し、60秒後に発光カウンター(PerkinElmer)で計数し
た。結果を、分あたりの数(cpm)として示した。
データを、可変勾配(variable slope)非線形回帰分析を使用して、G
raphPad Prism(GraphPad Software,San Dieg
o,CA)によって分析した。Ki値を、[125I−グレリン]の0.01nMのKd値(
膜の特徴づけによってあらかじめ決定)を使用して計算した。
max値を、以下の式を使用して計算した。
max=1−[(最大置換される試験濃度−非特異的結合)/(全結合−非特異的結合
)]×100
(式中、全結合および非特異的結合は、1μMグレリンの非存在下または存在下でそれぞ
れ得られたcpmを示す。)
本発明の代表的化合物についてのグレリン受容体に対する結合活性を、以下の表3A〜
3Eに示す。表3A、3B、および3Dの化合物構造を、式Iの一般的構造について定義
した種々の基を使用して示す。表3Bおよび3Dについて、全ての項目において、m、n
、およびpは0であり、X、Z1、およびZ2はそれぞれNHである。表3Bについて、R
1は、全項目についてHである。示すように、XおよびZ2に結合したテザー(T)を示す
。表3Cおよび3Eに化合物自体を示す。代表的化合物1、2、3、4、および25の競
合的結合曲線を、図4に示す。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
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Figure 0005730835
Figure 0005730835
表3A中、「Cmpd」は「化合物」を示す。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
表3B中、「Compound」は「化合物」を示し、「Tether」は「テザー」
を示し、「diastereomer」は「ジアステレオマー」を示す。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
表3C中、「Compound」は「化合物」を示し、「Structure」は「構
造」を示す。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
表3D中、「Compound」は「化合物」を示し、「Tether」は「テザー」
を示す。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
B.エクオリン機能アッセイ(グレリン受容体)
GHS−R1a受容体に結合することが見出された本発明の化合物の機能活性を、高処
理様式でのグレリン受容体活性の最初のスクリーニングとして使用することもできる下記
の方法を使用して決定することができる(LePoul,E.;et al.Adapt
ation of aequorin functional assay to hi
gh throughput screening.J.Biomol.Screen.
2002,7,57−65;Bednarek,M.A.;et al.Structu
re−function studies on the new growth ho
rmone−releasing peptide ghrelin:minimal
sequence of ghrelin necessary for activa
tion of growth hormone secretagogue rece
ptor 1a.J.Med.Chem.2000,43,4370−4376;Pal
ucki,B.L.;et al.Spiro(indoline−3,4’−pipe
ridine)growth hormone secretagogues as g
hrelin mimetics.Bioorg.Med.Chem.Lett.200
1,11,1955−1957.)。
材料
ヒトグレリン受容体を発現するAequoScreen(商標)(EUROSCREE
N,Belgium)細胞株(細胞株ES−410−A;受容体アクセッション番号60
179)を使用して膜を調製した。この細胞株を、典型的には、Gα16およびミトコンド
リアにおいてターゲティングされるエクオリン(Ref #ES−WT−A5)を同時発
現するCHO−K1細胞へのヒトグレリン受容体のトランスフェクションによって構築す
る。
1.グレリン(基準アゴニスト;Bachem,#H−4864)
2.アッセイ緩衝液:0.1%BSA(ウシ血清アルブミン;pH7.0)を含むDME
M(ダルベッコ改変イーグル培地)
3.セレンテラジン(Molecular Probes,Leiden,The Ne
therlands)。
本発明の化合物の最終試験濃度(N=8):
10、1、0.3、0.1、0.03、0.01、0.003、0.001μM
化合物の取り扱い
化合物の保存液(100%DMSO中に10mM)をドライアイス上で凍結し、使用前
に−20℃で保存した。26%DMSOでの20倍希釈によって、500μMの濃度の保
存液から母液を作製した。次いで、0.1%BSAを含むDMEM培地での適切な希釈に
よってアッセイプレートを調製した。これらの条件下で、アッセイにおける最大最終DM
SO濃度は、0.6%未満であった。
細胞調製
AequoScreen(商標)細胞を、5mM EDTAを補足したCa2+およびM
2+を含まないリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を使用した培養プレートから回収し、
1000×gで2分間ペレット化し、0.1%BSAを含むDMEM−Ham F12に
5×106細胞/mLの密度で再懸濁し、5μMセレンテラジンの存在下にて室温でO/
Nインキュベートした。負荷後、細胞を、アッセイ緩衝液にて5×105細胞/mLの濃
度に希釈した。
アッセイプロトコール
アゴニスト試験のために、96ウェルプレート中で(2連のサンプル)、50μLの細
胞懸濁液を、50μLの適切な濃度の試験化合物またはグレリン(基準アゴニスト)と混
合した。グレリン(基準アゴニスト)を、種々の濃度で試験し、実験を確認するために、
試験化合物も同時に試験した。グレリンまたは試験化合物に反応した受容体の活性化に起
因する発光を、Hamamatsu FDSS 6000レコーダー(Hamamats
u Photonics K.K.,Japan)を使用して記録した。
結果の分析および表示
結果を、相対発光量(RLU)として示した。濃度応答曲線を、式:E=Emax/(1
+EC50/C)n(式中、Eは、所与のアゴニスト濃度(C)でのRLUの測定値であり
、Emaxは最大応答であり、EC50は、50%刺激する濃度であり、nは勾配インデック
スであった)に基づいた非線形回帰分析(S字用量−応答)によって、GraphPad
Prism(GraphPad Software,San Diego,CA)を使
用して分析した。アゴニスト試験のために、各濃度の試験化合物の結果を、EC80(すな
わち、3.7nM)に等しい濃度のグレリンによって誘導されたシグナルと比較した活性
化率として示した。EC50、Hill勾配、および%Emax値を報告する。
データは、試験された代表的化合物がグレリン受容体に対するアゴニストとして作用し
、研究された濃度でアンタゴニスト活性を欠くことを示す。さらに、これらの化合物は、
最も近い対応物(52%の配列が相同なモチリン受容体)と比較してグレリン受容体に対
する高い選択性を有することが証明された(Feighner,S.D.;Tan,C.
P.;McKee,K.K.;Palyha,O.C.;Hreniuk,D.L.;P
ong,S.−S.;Austin,C.P.;Figueroa,D.;MacNei
l,D.;Cascieri,M.A.;Nargund,R.;Bakshi,R.;
Abramovitz,M.;Stocco,R.;Kargman,S.;O’Nei
ll,G.;van der Ploeg,L.H.T.;Evans,J.;Patc
hett,A.A.;Smith,R.G.;Howard,A.D.Receptor
for motilin identified in the human gas
trointestinal system.Science 1999,284,21
84−2188.)。内因性ペプチド自体は残基の36%が共通しており、ある時点では
、グレリンは、モチリン関連ペプチドとしても同定されていた(Tomasetto,C
.;Karam,S.M.;Ribieras,S.;Masson,R.;Lefeb
vre,O.;Staub,A.;Alexander,G.;Chenard,M.P
.;Rio,M.C.Identification and characteriz
ation of a novel gastric peptide hormone
:the motilin−related peptide.Gastroenter
ology 2000,119,395−405.)。グレリンは、モチリン受容体と十
分に相互作用しないが、GHRP−6とは相互作用する(Depoortere,I.;
Thijs,T.;Thielemans,L.;Robberecht,P.;Pee
ters,T.L.Interaction of the growth hormo
ne−releasing peptides ghrelin and growth
hormone−releasing peptide−6 with the mo
tilin receptor in the rabbit gastric ant
rum.J.Pharmacol.Exp.Ther.2003,305,660−66
7.)。他方では、モチリン自体は、幾らかのGH放出効果を有することが証明されてい
る(Samson,W.K.;Lumpkin,M.D.;Nilaver,G.;Mc
Cann,S.M.Motilin:a novel growth hormone
releasing agent.Brain Res.Bull.1984,12,5
7−62.)。
本発明の代表的な化合物についてのアゴニスト活性レベルおよび選択性を、以下の表4
に示す。例示的化合物1〜5についての濃度−応答の結果を、図5に示す。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
Figure 0005730835
C.成長ホルモン放出についての細胞培養アッセイ
Cheng,et al.Endocrinology 1989,124,2791
−2798に記載の成長ホルモン放出を決定するための細胞培養アッセイを使用すること
ができる。特に、脳下垂体前葉を、Sprague−Dawleyラットから獲得し、冷
培養培地中に入れた。これらの下垂体を1/8の切片にし、トリプシンで消化する。消化
後に細胞を回収し、プールし、24ウェルプレートに移す(最少で200,000細胞/
ウェル)。細胞が単層を形成した後(一般に、少なくとも培養4日後)、細胞を培地で洗
浄し、試験サンプルおよびコントロールに曝露する。種々の濃度の試験化合物および正の
コントロールとしてのグレリンを、培地に添加した。細胞を37℃で15分間静置し、培
地を除去し、細胞を凍結保存する。GHの放出量を、当業者に公知の標準的な放射免疫ア
ッセイを使用して測定した。
D.本発明の代表的化合物の薬物動態解析
本発明の化合物の薬物動態学的挙動を、当業者に周知の方法によって確認することがで
きる(Wilkinson,G.R.「Pharmacokinetics:The D
ynamics of Drug Absorption,Distribution,
and Elimination」 in Goodman & Gilman’s T
he Pharmacological Basis of Therapeutics
,Tenth Edition,Hardman,J.G.;Limbird,L.E.
,Eds.,McGraw Hill,Columbus,OH,2001,Chapt
er 1.)。以下の方法を使用して、本発明の化合物の静脈内投与、皮下投与、および
経口投与についての薬物動態パラメーター(排出半減期、総血漿クリアランスなど)を調
査した。
血漿の回収
ラット:雄Sprague−Dawleyラット(〜250g)
ラット/治療群:6(それぞれ3匹のラットを含む2つの小集団、交互に採血)
試験化合物の各サンプルを、投与に適切な処方物(シクロデキストリンなどを含む)中
に溶解させた。当業者は、分析で化合物の性質を適切に試験する必要があるので、このプ
ロトコールを適切に修正することができることを認識している。
典型的な用量
1.静脈内(i.v.):2mg/kg
2.皮下(s.c):2mg/kg
3.経口(p.o.):8mg/kg
Figure 0005730835
Figure 0005730835
血漿の回収
1.全投与群について同一のプロトコールを使用する。
2.各群について、3ラット/小集団を含む2小集団(AおよびB)
上記の時間間隔で、各動物から0.7mLの血液を回収した。この体積の血液から少な
くとも0.3mLの血漿サンプルが得られると予想される。全血回収のための抗凝固剤と
してEDTAを使用した。全血サンプルを冷却し、直ちに遠心分離して血漿を得た。
血漿サンプルを、分析まで凍結保存した(−70℃)。以下の適切な調製プロトコール
後に、LC−MSによって血漿サンプル中の親化合物の分析検出を行った(固相抽出(S
PE)カートリッジを使用した抽出(Oasis MCX,Oasis HLB)または
液体−液体抽出)。
HPLC−MS法
カラム:WatersのAtlantis dC18(2.1×30mm)
移動相:
A:95% MeOH、5%水、0.1% TFA
B:95%水、5% MeOH、0.1% TFA
流速:0.5mL/分
勾配(線形):
時間(分) A B
0 30% 70%
0.5 30% 70%
2.8 100% 0%
3.8 100% 0%
4.0 30% 70%
5.0 30% 70%
検量線に基づいて分析物を定量し、内部標準を使用して方法を確認した。
Figure 0005730835
これらの研究の経時変化の結果を、図6A〜6Dに示す。
E.胃内容排出
胃不全麻痺モデルにおける本発明の化合物の効果を試験するために、化合物を、絶食ラ
ットにおける胃内容排出に対して起こり得る効果を評価した。例えば、100μg/kg
の化合物25および298により、賦形剤コントロール群と比較して、胃内容排出が有意
に増加した(30%以上)。100μg/kg i.v.での化合物25および298の
相対的有効性(39%増加)は、同時に実施した20μg/kg i.v.での正の基準
薬であるGHRP−6(40%増加)および10mg/kg i.v.でのメトクロプラ
ミド(41%増加)と類似していた。したがって、100μg/kgの用量の化合物25
および298は、ラットの胃動態活性が証明され、有効性は、20μg/kgのGHRP
−6および10mg/kgのメトクロプラミドと類似していた。さらに、化合物25はま
た、30μg/kgで胃内容排出が証明された。これは100μg/kgで胃内容排出を
促進することができなかったGI運動性を増強させることが以前に見出されているこの受
容体と相互作用する他の化合物よりも有意に強力である(米国特許第6,548,501
号)。
試験物質および投与パターン
GHRP−6および試験サンプルを、9%HPBCD/0.9%NaClの賦形剤に溶
解した。フェノールレッド(0.05%)(2mL/ラット)を含むメチルセルロース(
2%)の経口投与の直後に、試験物質または賦形剤(9%HPBCD/0.9%NaCl
)を、5mL/kgの投与体積でそれぞれ静脈内(i.v.)投与した。
動物
雄Wistarラットを、LASCO(A Charles River Licen
see Corporation,Taiwan)から得た。6匹の動物についての空間
割り当ては、45×23×15cmであった。動物を、APEC(登録商標)ケージに入
れ、使用前に制御された温度(22℃〜24℃)および湿度(60%〜80%)環境にて
12時間/12時間の明暗サイクルで少なくとも1週間実験室に維持した。標準的実験ラ
ット用の固形飼料(Lab Diet,Rodent Diet,PMI Nutrit
ion International,USA)を自由に与え、水道水を与えた。収容、
実験、および処理を含むこの研究の全態様を、一般に実験動物の管理と使用に関する指針
(National Academy Press,Washington,D.C.,
1996)に従って行った。
化学物質
グルコース(Sigma,USA)、塩酸メトクロプラミド(Sigma,USA)、
メチルセルロース(Sigma,USA)、NaOH(Sodium Hydroxid
e,Wako,Japan)、無発熱物質生理食塩水(Astar,Taiwan)、フ
ェノールレッドナトリウム塩(Sigma,USA)、およびトリクロロ酢酸(Merc
k,USA)。
装置
8ウェルストリップ(Costar,USA)、96ウェルプレート(Costar,
USA)、動物用の檻(ShinTeh,R.O.C.)、遠心分離機(Kokusan
,H−107,Japan)、ガラスシリンジ(1 mL、2 mL、Mitsuba,
Japan)、皮下注射針(25G x 1’’,TOP Corporation,J
apan)、マイクロチューブ(Treff,Switzerland)、pH測定機(
Hanna,USA)、ピペットマン(P100,Gilson,France)、ピペ
ットチップ(Costar,USA)、ラット用経口ニードル(Natsume,Jap
an)、Spectra Fluor plus(Austria)、ステンレス製の鋏
(Klappencker,Germany)、およびステンレス製の鉗子(Klapp
encker,Germany)。
アッセイ
フェノールレッド(0.05%)を含むメチルセルロース(2%)の2mL/動物での
経口投与の直後に、試験物質を、200±20gの5匹のO/N絶食Wistar由来の
雄ラット群にそれぞれ静脈内投与した。15分後の動物を屠殺した。直ちに胃を取り出し
、0.1n NaOH(5mL)中でホモジナイズし、遠心分離した。20%トリクロロ
酢酸(0.5mL)によるタンパク質沈殿および0.1N NaOHでの上清の再アルカ
リ化後、胃内に残存する総フェノールレッドを、560nmでの比色法によって決定した
。賦形剤コントロール群と比較した胃内のフェノールレッド濃度の減少として検出された
30%またはそれを超える(30%以上)の胃内容排出の増加は有意とみなされる。
本発明の2つの代表的な化合物の結果を、図7および以下の実施例に示す。
F.ラット術後腸閉塞モデルにおける胃内容排出および腸管輸送
この臨床的に関連するPOIモデルは、Kalffのモデルから適合させている(Ka
lff,J.C.;Schraut,W.H.;Simmons,R.L.;Bauer
,A.J.Surgical manipulation of the gut el
icits an intestinal muscularis inflammat
ory response resulting in postsurgical i
leus.Ann.Surg.1998,228,652−663.)。他の公知のモデ
ルを使用して、本発明の化合物の効果を研究することもできる(Trudel,L.;B
ouin,M.;Tomasetto,C.;Eberling,P.;St−Pier
re,S.;Bannon,P.;L’Heureux,M.C.;Poitras,P
.Two new peptides to improve post−operat
ive gastric ileus in dog.Peptides 2003,2
4,531−534;(b)Trudel,L.;Tomasetto,C.;Rio,
M.C.;Bouin,M.;Plourde,V.;Eberling,P.;Poi
tras,P.Ghrelin/motilin−related peptide i
s a potent prokinetic to reverse gastric
postoperative ileus in rats.Am.J.Physio
l.2002,282,G948−G952.)。
動物
1.ラット(Sprague−Dawley、雄、〜300g)
2.研究前にO/N絶食
術後腸閉塞(POI)の誘導
1.滅菌条件下でイソフルレン麻酔する。
2.腹部正中線を切開する。
3.腸および盲腸を取り出し、生理食塩水で湿度を保つ。
4.腸および盲腸を、湿らせた綿アプリケーターを使用して、その全長に沿って薬物使用
状況における「腸の蠕動(running)」と同様に操作した。この手順を、10分間
継続するように調節した。
5.腸を静かに腹部に戻し、腹部の創傷を滅菌条件下で縫合した。
投与
1.ラットを、イソフルレン麻酔から回復させた。
2.試験化合物(または賦形剤)を、予め埋め込んだ頸静脈カテーテルを介して静脈内投
与した。
3.直ちに放射性99mTc(t=0)で標識したメチルセルロース(2%)を胃内に強制
飼養(gavage)した。
実験
1.t=15分で、動物をCO2で安楽死させた。
2.胃および小腸に沿った10cmの切片を、直ちに結紮し、切断し、γカウンターでの
99mTcの測定のためにチューブに入れた。
3.胃内容排出および小腸輸送を、以下の相乗平均の計算によって測定した。
相乗平均=Σ(総放射能の比率×セグメント数)/100
結果を図8のグラフに示し、100μg/kgの化合物298(i.v.n=5)は、
POI+賦形剤処置ラットと比較して術後腸閉塞を有意に改善することを示す。さらなる
結果を、以下の実施例に示す。
G.試験化合物に対する成長ホルモンの応答
本発明の化合物を、GH放出に対するその効果について、多数の動物モデルで同様に試
験することができる。例えば、ラット(Bowers,C.Y.;Momany,F.;
Reynolds,G.A.;Chang,D.;Hong,A.;Chang,K.E
ndocrinology 1980,106,663−667)、イヌ(Hickey
,G.;Jacks,T.;Judith,F.;Taylor,J.;Schoen,
W.R.;Krupa,D.;Cunningham,P.;Clark,J.;Smi
th,R.G.Endocrinology 1994,134,695−701;Ja
cks,T.;Hickey,G.;Judith,F.;Taylor,J.;Che
n,H.;Krupa,D.;Feeney,W.;Schoen,W.R.;Ok,D
.;Fisher,M.;Wyvratt,M.;Smith,R.J.Endocri
nology 1994,143,399−406;Hickey,G.J.;Jack
s,T.M.;Schleim,K.D.;Frazier,E.;Chen,H.Y.
;Krupa,D.;Feeney,W.;Nargund,R.P.;Patchet
t,A.A.;Smith,R.G.J.Endocrinol.1997,152,1
83−192)、およびブタ(Chang,C.H.;Rickes,E.L.;Mar
silio,F.;McGuire,L.;Cosgrove,S.;Taylor,J
.;Chen,H.Y.;Feighner,S.;Clark,J.N.;Devit
a,R.;Schoen,W.R.;Wyvratt,M.;Fisher,M.;Sm
ith,R.G.;Hickey,G.Endocrinology 1995,136
,1065−1071;Peschke,B.;Hanse,B.S.Bioorg.M
ed.Chem.Lett.1999,9,1295−1298)は、GHS効果のイン
ビボ研究のために首尾よく使用されており、同様に、GHレベルに対するグレリンアゴニ
ストの効果についての調査に適用できるであろう。本発明の化合物の適切な投与後の血漿
中のGHレベルのグレリンの測定を、放射免疫アッセイを使用した当業者に公知の標準的
方法によって行うことができる(Deghenghi,R.;et al.Life S
ciences 1994,54,1321−1328.)。放射性標識を含む試験物質
の動物への投与後の全身オートラジオグラフィを使用して、組織への結合を研究すること
ができる(Ahnfelt−Ronne,I.;Nowak,J.;Olsen,U.B
.Do growth hormone−releasing peptides ac
t as ghrelin secretagogues? Endocrine 20
01,14,133−135.)。
以下の方法を使用して、全身または中心に投与した試験化合物に対する成長ホルモン(
GH)応答の一過性パターンおよび程度を決定する。GH放出に対する効果の欠如を証明
する化合物298についての結果を、図9に示す。化合物25では類似の結果が得られた
。さらなる結果を、以下の実施例に示す。
GH放出のインビボ研究に対する投与およびサンプリング手順
成体雄Sprague Dawleyラット(225〜300g)を、Charles
River Canada(St.Constant,Canada)から購入し、1
2時間/12時間明暗サイクル(点灯時間:0600〜1800)の温度(22±1℃)
および湿度を制御した部屋に個別に収容した。Purinaラット固形飼料(Ralst
on Purina Co.,St.Louis,MO)および水道水を自由に与えた。
これらの研究のために、公知の技術を使用して、ペントバルビタールナトリウム(50m
g/kg、ip)麻酔下で慢性脳室内(icv)および心臓内静脈カニューレを埋め込ん
だ。icvカニューレの配置を、手術の翌日のicvカルバコール(100ng/10μ
l)注射および屠殺時のメチレンブルー染料の正の飲用反応(drinking res
ponse)によって確認した。術後、ラットを、体重が手術前のレベルに回復するまで
(通常、5〜7日以内)、自由に飼料と水が利用できる隔離試験室に直接入れた。この間
、実験日における取り扱いに関連するいかなるストレスも最小にするよう、ラットを毎日
取り扱った。試験日に、サンプリング開始1.5時間前に飼料を除去し、最後に戻した。
6時間のサンプリング期間の間の2つの異なる時点で、自由に動き回るラットに、種々の
レベル(3、30、300、1000μg/kg)の試験サンプルまたは通常の生理食塩
水をiv注射した。以前に報告されているように、GH分泌の典型的なピーク期間および
底(trough)期間を反映するので、11:00および13:00を選択した。ヒト
グレリンペプチド(5μg,Phoenix Pharmaceuticals,Inc
.,Belmont,CA)を、実験の正のコントロールとして使用し、使用直前に通常
の生理食塩水で希釈した。脈動的GH放出に対する試験化合物の中心的作用を評価するた
めに、1/10の用量の試験サンプルまたは通常の生理食塩水を、同時点(11:00お
よび13:00)でicv投与した。血液サンプル(0.35mL)を、6時間のサンプ
リング期間(10:00〜16:00)にわたって15分毎に全動物から採取した。試験
化合物に対するGH応答の速度を報告するために、各注射から5分後にさらなる血液サン
プルを得た。全血液サンプルを直ちに遠心分離し、血漿を分離し、その後のGHアッセイ
のために−20℃で保存した。血液動態の悪化を回避するために、赤血球を通常の生理食
塩水に再懸濁し、次の血液サンプルの取り出し後に動物に戻した。全動物研究を、動物管
理監督委員会(animalcare oversight committee)によ
って承認されている手順の下で行った。
GHアッセイ法
血漿GH濃度を、NIDDKホルモン分布プログラム(Bethesda,MD)によ
って供給された材料を使用した二重抗体RIAによって2連で測定した。群あたり5〜6
匹のラットの平均化した血漿GH値を、ラットGH基準調製物に関して報告する。検量線
は、目的の範囲内で直線であった。使用条件下での血漿GHの最小検出可能濃度は、約1
ng/mLであった。目的の範囲を超える値を有する全サンプルを、1:2〜1:10の
範囲で希釈して再度アッセイした。アッセイ内およびアッセイ間の変動係数は、既知のG
H濃度を含むプールした血漿の2連のサンプルに許容された。
4.薬学的組成物
本発明の大環状化合物または本発明のその薬学的に許容可能な塩を、種々の投薬形態の
薬学的組成物に配合することができる。本発明の薬学的組成物を調製するために、有効成
分としての1つ以上の化合物(その光学異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ
化合物、もしくは立体化学的混合物、または薬学的に許容可能な塩が含まれる)を、薬学
的処方物分野の当業者に公知の技術に従って、適切なキャリアおよび添加物と十分に混合
する。
薬学的に許容可能な塩は、医薬品として使用または処方し、特定の化合物の遊離酸およ
び遊離塩基の生物学的効果を保持し、生物学的または他の点で望ましくないことはない本
発明の化合物の塩形態をいう。このような塩の例は、Handbook of Phar
maceutical Salts:Properties,Selection,an
d Use,Wermuth,C.G.and Stahl,P.H.(eds.),W
iley−Verlag Helvetica Acta,Zuerich,2002[
ISBN 3−906390−26−8]に記載されている。このような塩の例には、遊
離酸および遊離塩基のアルカリ金属塩および付加塩が含まれる。薬学的に許容可能な塩の
例には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水
素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩
、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カ
プロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ス
ベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、
ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニ
トロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、キシレンス
ルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、
乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタ
ンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スル
ホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、およびマンデル酸塩が含まれるが、これらに
限定されない。
本発明の化合物が塩基である場合、所望の塩を、当業者に公知の任意の適切な方法(塩
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、カルボン酸、硫酸、硝酸、リン酸など(これらに限定さ
れない)の無機酸または有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、コハク酸、マ
ンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、ステアリン酸、アスコルビン酸
、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(pyranosidyl acid)(
グルクロン酸またはガラクツロン酸など)、α−ヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸な
ど)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸または
桂皮酸など)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはシクロヘキシル−
アミノスルホン酸など)が含まれるが、これらに限定されない)を使用した遊離塩基の治
療を含む)によって調製することができる。
本発明の化合物が酸である場合、所望の塩を、当分野で公知の任意の適切な方法(無機
塩基もしくは有機塩基(アミン(第1級、第2級、または第3級)など)またはアルカリ
金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物などを使用した遊離酸の治療を含む)によって
調製することができる。適切な塩の実例には、アミノ酸(グリシン、リジン、およびアル
ギニンなど)、アンモニア、第1級、第2級、および第3級アミン(エチレンジアミン、
N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン、コリン、およびプロカイ
ンなど)、環状アミン(ピペリジン、モルホリン、およびピペラジンなど)など由来の有
機塩ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜
鉛、アルミニウム、およびリチウム由来の無機塩が含まれる。
このような薬学的組成物のために使用されるキャリアおよび添加物は、期待される投与
様式によって種々の形態をとることができる。したがって、経口投与のための組成物は、
例えば、固体調製物(錠剤、糖衣錠、硬カプセル、軟カプセル、顆粒、および粉末など)
であってよく、適切なキャリアおよび添加物は、デンプン、糖、結合剤、希釈剤、造粒剤
、潤滑剤、および崩壊剤などである。その使用の容易さおよびより高い患者の服薬遵守に
より、錠剤およびカプセルが多くの病状のための最も有益な経口投薬形態である。
同様に、液体調製物のための組成物には、適切なキャリアおよび添加物(水、アルコー
ル、オイル、グリコール、防腐剤、香味物質、着色料、および懸濁剤など)を含む溶液、
乳濁液、分散液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルなどが含まれる。非経口投与のた
めの典型的な調製物は、滅菌水または非経口で許容可能なオイル(ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、レシチン、ラッカセイ油、ゴマ油が含まれる)などのキャリ
アを有する有効成分を含み、溶解性または保存を補助するための他の添加物も含まれ得る
。溶液の場合、凍結乾燥させて粉末にし、次いで、使用直前に再構成することができる。
分散液および懸濁液について、適切なキャリアおよび添加物には、水性ゴム、セルロース
、ケイ酸塩、またはオイルが含まれる。
本発明の実施形態の薬学的組成物には、経口、直腸、局所、吸入(例えば、エアゾール
による)、口腔(例えば、舌下)、膣内、局所(すなわち、皮膚および粘膜表面(気道表
面が含まれる))、経皮への投与、および非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、関節内
、胸腔内、腹腔内、髄腔内、大脳内、頭蓋内、動脈内、または静脈内)に適切なものが含
まれるが、任意の所与の場合における最も適切な経路は、治療される容態の性質および重
症度ならびに使用される特定の活性成分の性質に依存する。
注射用組成物には、適切なキャリア(プロピレングリコール−アルコール−水、等張水
、注射用滅菌水(USP)、emulPhor(商標)−アルコール−水、cremop
hor−EL(商標)、または当業者に公知の他の適切なキャリアが含まれる)を含む有
効成分が含まれる。これらのキャリアを、単独で使用するか、他の従来の可溶化剤(エタ
ノール、プロピレングリコール、または当業者に公知の他の薬剤など)と組み合わせて使
用することができる。
本発明の大環状化合物を、溶液または注射液の形態で適用すべきである場合、任意の従
来の希釈剤への溶解または懸濁によって化合物を使用することができる。希釈剤には、例
えば、生理学的食塩水、リンゲル液、グルコース水溶液、デキストロース水溶液、アルコ
ール、脂肪酸エステル、グリセロール、グリコール、植物源または動物源由来のオイル、
およびパラフィンなどが含まれ得る。これらの調製物を、当業者に公知の任意の従来の方
法に従って調製することができる。
鼻投与のための組成物を、エアゾール、点滴薬、粉末、およびゲルとして処方すること
ができる。エアゾール処方物は、典型的には、生理学的に許容可能な水性溶媒または非水
性溶媒中に有効成分の溶液または細かい(fine)懸濁液を含む。このような処方物を
、典型的には、単回投与量または複数回投与量を密封容器に含む滅菌形態で提供される。
密閉容器は、カートリッジであり得るか、噴霧デバイスと共に使用するために補充するこ
とができる。あるいは、密封容器は、1回で内容物を完全に使いきることを意図する治療
有効量を送達させるために配置された絞り弁を取り付けた使い捨ての鼻吸入器などの単回
投薬デバイス、ポンプ噴霧器、またはエアゾールディスペンサーであり得る。投薬形態が
エアゾールディスペンサーを含む場合、エアゾールディスペンサーは、圧縮ガス(例えば
、空気)などの噴射剤または有機噴射剤(フルオロクロロ炭化水素またはフルオロ炭化水
素が含まれる)を含む。
口腔投与または舌下投与に適切な組成物には、糖およびアカシア、トラガカント、また
はゼラチンおよびグリセリンなどのキャリアと共に有効成分が配合されている錠剤、ロゼ
ンジ、およびトローチが含まれる。
直腸投与のための組成物には、カカオバターなどの従来の坐剤基剤を含む坐剤が含まれ
る。
経皮投与に適切な組成物には、軟膏、ゲル、およびパッチが含まれる。
当業者に公知の他の組成物を、硬膏などの経皮投与または皮下投与に適用することもで
きる。
さらに、組成物の処方に必要な成分を含む混合物中に有効成分を含むこのような薬学的
組成物の調製では、他の従来の薬理学的に許容可能な添加物(例えば、補形薬、安定剤、
防腐剤、湿潤剤、乳化剤、潤滑剤、甘味料、着色料、香味物質、等張剤、緩衝剤、抗酸化
剤など)を組み込むことができる。添加物として、例えば、デンプン、スクロース、フル
クトース、デキストロース、ラクトース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、沈
降炭酸カルシウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ゼラ
チン、アカシア、EDTA、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、メタ重亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、組成物を、錠剤またはカプセルなどの単位投薬形態で提供す
る。
さらなる実施形態では、本発明は、有効量の1つ以上の本発明の化合物を含む薬学的投
薬単位を含む1つ以上の容器を備えるキットを提供する。
本発明は、さらに、本明細書中に記載の化合物を含むプロドラッグを提供する。用語「
プロドラッグ」は、生理学的条件下または加溶媒分解によって変換するか、薬学的活性な
特定の化合物に代謝的に変換する化合物を意味することを意図する。「プロドラッグ」は
、(i)その親薬物化合物(parent drug compound)の生体活性の
いくつかもしくは全てが保持されるか全く保持されず、(ii)被験体内で代謝されて親
薬物化合物が得られるように化学的に誘導体化された本発明の化合物であり得る。本発明
のプロドラッグは、化合物が、(i)その親薬物化合物の生体活性のいくつかもしくは全
てが保持されるか全く保持されず、(ii)被験体内で代謝されて化合物の生物活性誘導
体が得られるように化学的に誘導されているという点で、「部分的プロドラッグ」でもあ
り得る。プロドラッグを得るための公知の誘導体化技術も使用することができる。このよ
うな方法は、化合物への加水分解性カップリングの形成を使用することができる。
本発明は、さらに、代謝障害および/または内分泌障害、消化管障害、心血管障害、肥
満、および肥満関連障害、中枢神経系障害、遺伝病、過剰増殖障害、および炎症性障害を
防止および/または治療するために使用される治療薬と組み合わせて投与することができ
る本発明の化合物を提供する。薬剤の例には、鎮痛剤(オピオイド鎮痛剤が含まれる)、
麻酔剤、抗真菌薬、抗菌薬、抗炎症薬(非ステロイド性抗炎症薬が含まれる)、駆虫薬、
制吐薬、坑ヒスタミン薬、降圧薬、抗精神病薬、抗関節炎薬、鎮咳薬、抗ウイルス薬、心
臓作用薬、下剤、化学療法薬(DNA相互作用薬、代謝拮抗薬、チューブリン相互作用薬
、ホルモン薬、およびアスパラギン酸塩またはヒドロキシ尿素などの薬剤など)、コルチ
コイド(ステロイド)、抗うつ薬、抑制薬、利尿薬、睡眠薬、ミネラル、栄養補給薬、副
交感神経興奮薬、ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、アドレノコルチコトロ
ピン、成長ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン(thyrptr
opin)放出ホルモン、および甲状腺刺激ホルモンなど)、鎮静薬、スルホンアミド、
興奮薬、交感神経興奮薬、精神安定薬、血管収縮薬、血管拡張薬、ビタミン、およびキサ
ンチン誘導体が含まれる。
本発明の治療に適切な被験体には、鳥類被験体および哺乳動物被験体が含まれるが、こ
れらに限定されず、哺乳動物が好ましい。本発明の哺乳動物には、イヌ、ネコ、ウシ、ヤ
ギ、ウマ、ヒツジ、家禽類、げっ歯類(例えば、ラットおよびマウス)、ウサギ、霊長類
、およびヒトなど、ならびに哺乳動物の胎児が含まれるが、これらに限定されない。本発
明にしたがって治療することが必要な任意の哺乳動物被験体が適切である。ヒト被験体が
好ましい。両方の性および任意の発達段階(すなわち、新生児、幼児、児童、青年、成人
)のヒト被験体を、本発明にしたがって治療することができる。
本発明の例示的鳥類には、ニワトリ、アヒル、シチメンチョウ、ガチョウ、ウズラ、キ
ジ、走鳥類(例えば、ダチョウ)、およびペット用の鳥(例えば、オウムおよびカナリア
)、およびin ovoの鳥類が含まれる。
本発明は、主に、ヒト被験体の治療を考慮するが、獣医学的目的ならびに薬物のスクリ
ーニングおよび薬物開発の目的のために、本発明を、動物被験体、特に哺乳動物被験体(
マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、およびウマなど)に対して実施することもできる。
グレリン受容体のモジュレーター(アゴニストなど)が有効な哺乳動物(すなわち、ヒ
トまたは動物)の容態治療の治療上の使用において、本発明の化合物またはその適切な薬
学的組成物を、有効量で投与することができる。化合物の活性および治療効果の程度は様
々であるので、実際の投薬量を、被験体の年齢、容態、送達経路、および被験体の体重な
どの一般に認識されている要因に基づいて決定する。投薬量は、約0.1〜約100mg
/kgであり、1日に1〜4回経口投与することができる。さらに、化合物を、投与あた
り約0.01〜20mg/kgにて1日に1〜4回注射によって投与することができる。
治療は、数週間、数ヵ月、またはそれを超えて継続することができる。特定の状況に最適
な投薬量の決定は、当業者の能力の範囲内である。
5.使用方法
本発明の式I、II、および/またはIIIの化合物を、一定範囲の病状(代謝障害お
よび/または内分泌障害、消化管障害、心血管障害、肥満、および肥満関連障害、中枢神
経系障害、遺伝病、過剰増殖障害、および炎症性障害、ならびに障害が複数の根底にある
疾患の結果であり得るその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない)の防止およ
び治療のために使用することができる。特定の実施形態では、疾患または障害は、過敏性
腸症候群(IBS)、非潰瘍性消化不良、クローン病、逆流性食道炎、便秘、潰瘍性大腸
炎、膵炎、乳児肥厚性幽門狭窄症、カルチノイド症候群、消化不良症候群、下痢、糖尿病
(真性(II型糖尿病)が含まれる)、肥満症、萎縮性結腸炎、胃炎、胃うっ血、消化管
ダンピング症候群、胃切除後症候群、セリアック病、摂食障害、または肥満症である。他
の実施形態では、疾患または障害は、うっ血性心不全、虚血性心疾患、または慢性心疾患
である。さらに他の実施形態では、疾患または障害は、骨粗鬆症および/または骨の脆弱
性(frailty)、うっ血性心不全、骨折修復の促進、代謝症候群、タンパク質異化
反応の減衰、悪液質、タンパク質喪失、創傷治癒障害またはそのリスク、熱傷からの回復
障害またはそのリスク、手術からの回復障害またはそのリスク、筋肉の強度の障害または
そのリスク、運動障害またはそのリスク、皮膚の厚さの変化またはそのリスク、代謝恒常
性障害またはそのリスク、腎臓恒常性障害またはそのリスクである。他の実施形態では、
疾患または障害は、新生児発達の促進、ヒトにおける成長ホルモン放出の刺激、ヒトにお
ける筋肉の強度および機能の維持、ヒトにおける脆弱性の逆転または防止、糖質コルチコ
イドの異化副作用の防止、骨粗鬆症の治療、筋肉量および筋肉の強度の刺激および増加、
免疫系の刺激、創傷治癒の促進、骨折修復の促進、成長遅延を引き起こす腎不全または腎
機能不全(insufficiency)の治療、低身長の治療、肥満症および成長遅延
の治療、熱傷患者の回復および入院の軽減、子宮内発育遅延の治療、骨格異形成の治療、
副腎皮質機能亢進症の治療、クッシング症候群の治療、脈動的成長ホルモン放出の誘導、
ストレスを受けた患者における成長ホルモンの代償、骨軟骨異形成症の治療、ヌーナン症
候群の治療、統合失調症の治療、うつ病の治療、アルツハイマー病の治療、嘔吐の治療、
記憶喪失の治療、生殖障害の治療、創傷治癒遅延の治療、社会心理的刺激障害の治療、肺
機能障害の治療、人口呼吸器依存の治療、タンパク質異化反応の減衰、悪質液およびタン
パク質喪失の軽減、高インスリン血症の治療、排卵誘発の補助治療、胸腺発達の刺激、胸
腺機能低下の防止、免疫抑制患者の治療、筋肉運動性の改善、皮膚の厚さの維持、代謝恒
常性、腎臓恒常性、骨芽細胞の刺激、骨再造形の刺激、軟骨成長の刺激、コンパニオンア
ニマルの免疫系の刺激、コンパニオンアニマルの加齢障害の治療、家畜の成長促進、およ
び/またはヒツジの羊毛成長の刺激に関与する。
本発明のさらなる態様によれば、グレリン受容体を調整する能力を有する本明細書中に
開示の化合物から選択される有効量の少なくとも1つの要素を患者に投与する工程を含む
、術後腸閉塞、悪液質(消耗症候群)(癌、AIDS、心疾患、および腎疾患などに起因
するものなど)、胃不全麻痺(I型糖尿病またはII型糖尿病に起因するものなど)、他
の消化管障害、成長ホルモン欠損症、骨減少、およびヒト患者または動物患者における他
の年齢関連障害の治療方法を提供する。本明細書中に開示の他の疾患および障害には、短
腸症候群、消化管ダンピング症候群、胃切除後症候群、セリアック病、過剰増殖障害(腫
瘍、癌、および新生物障害など)、および前癌および非新生物または非悪性の増殖過剰障
害が含まれる。特に、本発明によって治療することができる腫瘍、癌、新生物組織には、
悪性障害(乳癌、骨肉種、血管肉腫、線維肉腫、および他の肉腫、白血病、リンパ種、洞
腫瘍(sinus tumor)、卵巣癌、尿管(uretal)癌、膀胱癌、前立腺癌
、および他の性尿器癌、結腸癌、食道癌、胃癌、および他の消化管癌、肺癌、骨髄種、膵
臓癌、肝臓癌、腎臓癌、内分泌癌、皮膚癌、および脳または中枢神経系および末梢神経系
(CNS)の腫瘍(悪性または良性)(神経膠種および神経芽細胞腫))が含まれるが、
これらに限定されない。
特定の実施形態では、本発明の大環状化合物を使用して、術後腸閉塞を治療することが
できる。他の実施形態では、本発明の化合物を使用して、胃不全麻痺を治療することがで
きる。さらに他の実施形態では、本発明の化合物を使用して、糖尿病性胃不全麻痺を治療
することができる。別の実施形態では、本発明の化合物を使用して、オピオイド誘導性腸
機能障害を治療することができる。さらなる実施形態では、本発明の化合物を使用して、
慢性腸偽閉塞を治療することができる。
本発明は、さらに、式I、II、および/またはIIIの構造を有する治療有効量のモ
ジュレーターを投与する工程を含む、ウマまたはイヌの消化管障害を治療する方法を提供
する。いくつかの実施形態では、消化管障害は、腸閉塞または疝痛である。
本明細書中で使用される、「治療」は、関連する障害または症状の治癒または完全な除
去を必ずしも意味しない。
本発明の化合物を、さらに、一定範囲の病状(代謝障害および/または内分泌障害、消
化管障害、心血管障害、肥満、および肥満関連障害、遺伝病、過剰増殖障害、ならびに炎
症性障害が含まれるが、これらに限定されない)の治療薬の調製のために使用することが
できる。
本発明のさらなる実施形態を、以下の実施例に関して記載する。これらの実施例は本発
明の実施形態の例示を目的とし、本発明の範囲を制限しないと認識すべきである。
テザーの合成
A.テザーT9の標準的な合成手順
Figure 0005730835
工程T9−1:2−ヨードフェノール(9−0、200g、0.91mol、1.0当
量)を含むDMF溶液(DriSolv(登録商標)、560mL)に、60%水素化ナ
トリウムを含む鉱物油(3.64g、0.091mol、0.1当量)を少しずつ加えた
(水素が発生する)。反応物を、窒素下にて100℃で1時間加熱し、炭酸エチレンを添
加し、反応混合物を100℃でO/N加熱した。反応物を、TLC(条件:25/75E
tOAc/ヘキサン;Rf:0.15、検出:UV、CMA)によってモニタリングした
。反応混合物を冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残存オイルを、Et2O(1.5L
)で希釈し、1N水酸化ナトリウム(3回)およびブライン(2回)で連続的に洗浄し、
MgSO4で乾燥させ、濾過し、濾過物を減圧下で蒸発させた。粗生成物を、110〜1
15℃の真空下(200μmHg)で蒸留して9−1を得た。
工程T9−2:9−1(45.1g、0.171mol、1.0当量)およびDdz−
プロパルギルアミン(9−A、標準的保護手順によって合成、59.3g、0.214m
ol、1.25当量)を含むアセトニトリル溶液(DriSolv(登録商標)、257
mL)を、溶液にアルゴンを10〜15分間通過させることによって脱気した。これに、
Et3N(85.5mL、CaH2、と共にO/N撹拌し、その後蒸留した)を添加し、混
合物を、アルゴンでのバブリングによって再度パージした(5分間)。再結晶ヨウ化銅(
I)(1.14g、0.006mol、0.035当量)およびtrans−ジクロロ−
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(Strem Chemicals
、3.6g、0.0051mol、0.03当量)を添加し、反応混合物をアルゴン下に
て室温で4時間撹拌した。5〜10分後、反応混合物は黒色になった。反応物を、TLC
(条件:55/45 EtOAc/ヘキサン)によってモニタリングした。完了後、溶媒
を、乾燥するまで減圧下で除去し、残存オイルを、1Lの15%DCMを含むEt2O溶
液で希釈した。有機相を、クエン酸緩衝液(pH4〜5(3回))、飽和重炭酸ナトリウ
ム水溶液(2回)、およびブライン(1回)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、
減圧下で蒸発させた。このようにして得られた粗生成物を、30%EtOAc/ヘキサン
(4〜8L)から開始し、その後5%EtOAc増加によって55%EtOAc/ヘキサ
ンまで増加させるドライパックカラムによって精製して、褐色シロップとして9−2を得
た(収率:65.8g、93.2%)。
工程T9−3:窒素下のDdz−アミノ−アルコール9−2(65.8g,0.159
mol,1.0当量)を含む95%エタノール溶液に、酸化白金(IV)(3.6g,0
.016mol,0.1当量)を添加し、溶液に水素を2時間バブリングした。混合物を
、風船を使用して水素雰囲気を維持しながらO/N撹拌した。完了するまで、反応物を1
H NMRによってモニタリングした。反応完了後、窒素を10分間バブリングして過剰
な水素を除去した。溶媒を、減圧下で蒸発させ、EtOAcで希釈し、シリカゲルパット
で濾過し、TLC.(55/45 EtOAc/ヘキサン)によって検証してさらなる材
料が溶離しなくなるまで、シリカをEtOAcで洗浄した。合わせた濾過物を、減圧下で
濃縮した。残渣を、DCM(500mL)で希釈し、4当量のスカベンジャー樹脂を添加
し、懸濁液をO/N撹拌した。この後者の工程のために、以下の3つの異なる樹脂のうち
のいずれかを使用した。MP−TMT樹脂(Argonaut Technologie
s,Foster City,CA,0.73mmol/g)が好ましいが、他の樹脂(
例えば、PS−TRIS(4.1mmol/g)およびSi−トリアミン(Silicy
cle,Quebec City,QC,1.21mmol/g))も有効に使用するこ
ともできる。樹脂を濾過し、DCMで洗浄し、溶媒を減圧下で蒸発させ、真空下(オイル
ポンプ)でさらに乾燥させて生成物を得た。65gスケールの9−0由来のDdz−T9
の収量は、60.9g(91%)であった。
1H NMR(CDCl3):δ7.19−7.01,(m,2H),6.92−9.83
(m,2H),6.53(bs,2H),6.34(t,1H),5.17(bt,1H
),4.08(m,2H),3.98(m,2H),3.79(s,6H),3.01(
bq,2H),2.66(t,3H),1.26(bs,8H);
13C NMR(CDCl3):δ160.9,156.8,155.6,149.6,1
30.4,127.5,121.2,111.7,103.2,98.4,80.0,6
9.7,61.6,55.5,40.3,30.5,29.3,27.4ppm.
テザーT9を、工程T9−3などの還元によるか当業者に公知の他の適切な水素化触媒
を使用して別のテザー分子から合成することもできる。
B.テザーT33aおよびT33bの標準的な合成手順
Figure 0005730835
2−ヨードフェノール(33−0)および(S)−乳酸メチル(33−A)からこのテ
ザーの(R)異性体(T33a)を構築した。33−0および33−AのMitsuno
bu反応によって立体配置の変換が進行し、優れた収量で33−1を得た。エステルの対
応するアルコール(33−2)への還元も高収量で起こり、その後、Ddz−プロパルギ
ルアミンを用いてSonagashira反応を行った(33−B)。得られたカップリ
ング生成物(33−3)のアルキンを、接触水素化によって還元した。スカベンジャー樹
脂を使用した仕上げによって所望の生成物(Ddz−T33a)を得た。
(R)−乳酸メチル(33−B)から開始する同一の様式において、(S)鏡像異性体
(Ddz−T33b)が類似の収量で合成された。
Figure 0005730835
C.テザー前駆体RCM−TA1の標準的な合成手順
Figure 0005730835
工程A1−1:ジオールA1−0(50g、567mmol、1.0当量)を含むCH
2Cl2(1.5L)溶液に、Et3N(34.5mL、341mmol、0.6当量)お
よびDMAP(1.73g、14.2mmol、0.025当量)を添加した。TBDM
SCl(42.8g、284mmol、0.5当量)を含むCH2Cl2(100mL)を
、シリンジポンプを使用してこの混合物に室温で4時間にわたって添加した。反応物をT
LC(EtOAc/ヘキサン(30:70);検出:KMnO4;Rf=0.39)によ
ってモニタリングし、出発材料、一保護化合物、および二保護化合物が明らかとなった。
混合物をO/N撹拌し、H2O、飽和NH4Cl(水溶液)、およびブラインで洗浄し、M
gSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフ
ィ(EtOAc/ヘキサン、30:70)によって精製して、所望の一保護アルコールA
1−1を得た(収率:31%)。
工程A1−2:0℃のアルコールA1−1(26.5g、131mmol、1.0当量
)のTHF(130mL)溶液に、PPh3(44.7g、170mmol、1.3当量
)を添加した。新たに調製し、滴定した1.3M HN3(149mL、157mmol
、1.5当量)を、この混合物にゆっくり添加し、DIAD(32mL、163mmol
、1.25当量)もゆっくり添加した。これは、発熱反応であった。得られた混合物を、
TLC(EtOAc/ヘキサン(30:70);検出:KMnO4;Rf=0.77)に
よってモニタリングしながら、0℃で1時間撹拌した。化合物A1−2が得られたが、単
離せず、代わりに次の工程のために溶液として直接使用した。
工程A1−3:PPh3(51g、196mmol、1.5当量)を、A1−2溶液に
少しずつ添加し、得られた混合物を、0℃で2時間撹拌し、室温に加温し、3時間維持し
、H2O(24mL、1331mmol、10当量)を添加した。この混合物を、60℃
にO/N加熱した。反応物を、TLC(EtOAc/ヘキサン(1:9);検出:KMn
O4;Rf=ベースライン)によってモニタリングした。冷却後、2N HCl(327
mL、655mmol、5.0当量)溶液を添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌
して溶液として化合物A1−3が得られ、これを直接次の工程で使用した。TLC(DC
M/MeOH/30%NH4OH(7:3:1);検出:KMnO4;Rf=0.32)。
工程A1−4:次の変換のために、減圧下で上記反応混合物からTHFを蒸発させ、残
存する水相をEt2O(150mLで5回)およびCHCl3(150mLで3回)で抽出
した。有機相をTLCでモニタリングし、任意のA1−3が認められた場合、有機相を2
N HClで抽出した。水相を、10N NaOHで注意深くpH8に中和した。この水
溶液にCH3CN(400mL)を添加し、Fmoc−OSu(41.9g、124mm
ol、0.95当量)を含むCH3CN(400mL)を50分にわたってゆっくり添加
した。溶液を、室温でO/N撹拌した。反応の進行を、TLC(EtOAc/ヘキサン(
1:1);検出:ニンヒドリン;Rf=0.27)によってモニタリングした。水相をE
2Oで抽出し、合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた固
体残渣を、H2O(120mL)で混合し、30分間撹拌し、濾過し(スクシンイミド副
生成物を除去する)、真空下で(オイルポンプ)O/N乾燥させた。固体を、フラッシュ
クロマトグラフィ(勾配:EtOAc/ヘキサン(50:50)からEtOAc/ヘキサ
ン(70:30)、溶離液を1回交換して、TLCによって示されるFmoc−OSuを
除去した)によって精製して、白色固体として化合物TA1を得た(収率:71%)。
1H NMR(CDCl3,ppm):7.8(d,2H),7.6(d,2H),7.4
(t,2H),7.3(t,2H),5.9−5.7(1H,m),5.6−5.5(1
H,m),5.0(1H,br),4.4(2H,d),4.2(2H,d),3.9(
2H,br),2.1(1H,br).
13C NMR(CDCl3,ppm):156.8,144.1,141.5,131.
9,128.3,127.9,127.3,125.2,120.2,67.0,58.
0,47.4,38.0.
D.テザー前駆体RCM−TA2の標準的な合成手順
Figure 0005730835
この材料を、炭素骨格を構築することが示されている交差メタセシス反応の適用によっ
て評価した。得られたニトリルをアミンに還元し、樹脂への結合前にin situでF
mocまたは他の適切な保護基で保護し、これを当業者に公知の標準的な固相化学手順を
使用して行った。この標準的手順を、TA2のホモログに適用することもできる。
E.テザー前駆体RCM−TB1の標準的な合成手順
Figure 0005730835
工程B−1:約0.3M溶液としての2−ブロモベンジルアルコール(B1−0、30
g、160mmol)を含むDCM(DriSolv(登録商標)、530mL)に、ジ
ヒドロピラン(B1−A、22mL、241mmol)を添加した。p−トルエンスルホ
ン酸ピリジニウム(PPTS、4.0g、16mmol)を添加し、反応混合物を、室温
でO/N強く撹拌した。飽和Na2CO3溶液(水溶液、200mL)を添加し、混合物を
30分間撹拌した。DCM層を分離し、飽和Na2CO3(水溶液、100mLで2回)お
よびブライン(50mLで2回)で連続的に洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。溶媒
を、減圧下で蒸発させ、粗残渣を、ドライパックシリカゲルカラムで精製した(EtOA
c/ヘキサン(1:9);粗材料のローディング前に、シリカを、1%Et3Nを含むD
CMでのフラッシングによって中和した)。これにより、無色オイルとしてB1−1を得
た(42g、97%)。TLC(EtOAc/ヘキサン(1:9);Rf=0.56)。
工程B1−2:窒素雰囲気下で、削り状マグネシウム(2.21g、90mmol)を
、約0.8MのB1−1(トルエンを少しずつ蒸発させて微量の水を除去した、22.1
4g、81.8mmol)の無水THF(ベンゾフェノンケチルナトリウム(sodiu
m benzopheneone ketyl)から蒸留、100mL)溶液に添加した
。ヨウ素チップ(50mg、0.002当量)の添加によって反応を開始させた。反応混
合物を、2時間加熱還流し、その間にほとんどの削り状Mgが消滅した。反応物を室温に
冷却した。個別の加熱乾燥丸底フラスコ中で、窒素雰囲気下にて新たに蒸留した臭化アリ
ル(6.92mL、81.8mmol)を無水THF(50mL)で希釈し、氷水浴を使
用して0℃に冷却した。これに、新規に冷却したグリニャール液をカニューレを使用して
20〜30分にわたって段階的に移し、未反応の削り状マグネシウムが元のフラスコに残
存していないことを確実にした。グリニャール調製フラスコの内容物を洗浄し(5mL乾
燥THFで2回)、同様に洗浄物をカニューレによって臭化アリル溶液に移した。得られ
た混合物を、N2下でO/N撹拌し、段階的に室温に加温した。飽和NH4Cl(水)溶液
の添加によって反応を停止させ、100mL Et2Oで希釈し、層を分離した。水相を
、Et2O(100mLで3回)で抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧
下で濃縮して、B1−2を得た(18.54g、98%)。TLC(EtOAc/ヘキサ
ン(1:9)、Rf=0.53)。この材料を、さらに精製することなく、次の工程で使
用した。
工程B1−3:2−(2−プロペニル)ベンジルアルコール(TB1)。粗THPエーテ
ルB1−2(18.54g、80mmol)を、MeOH(160mL)に溶解し、p−
トルエンスルホン酸一水和物(PTSA、1.52g、8mmol)を添加した。得られ
た混合物を、室温でO/N撹拌し、減圧下で濃縮し、残渣をEt2O(100mL)で希
釈した。有機層を、5%NaHCO3(水)溶液(50mLで3回)およびブライン(5
0mLで1回)で連続的に洗浄し、MgSO4で乾燥させた。溶媒を、減圧下で蒸発させ
、残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン、1:9)で精製して、
淡黄色オイルとしてTB1を得た(9.2g、78%)。TLC(EtOAc/ヘキサン(
1:9)、検出:UV、PMA;Rf=0.24)。
F.テザー前駆体RCM−TB2の標準的な合成手順
Figure 0005730835
工程B2−1:MePPh3Br(85.7g、240mmol、2.2当量)を含む
THF(500mL)懸濁液に、t−BuOK(26.9g、240mmol、2.2当
量)を少しずつ添加し、得られた混合物を、室温で2時間撹拌し、その間に混合物が黄色
になった。反応混合物を−78℃に冷却し、2−ヒドロキシベンズアルデヒド(B2−0
、11.6mL、109mmol、1.0当量)を10分間にわたって添加し、室温でO
/N撹拌した。反応の進行を、TLC(EtOAc/ヘキサン(20:80);検出:U
V、CMA;Rf=0.25)によってモニタリングした。飽和NH4Cl(水)溶液を
添加し、得られた水相を、Et2O(3回)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾
燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(EtOAc
/ヘキサン、30:70)で精製して、黄色オイルとしてB2−1を得た。同一性および
純度を、1H NMRによって確認した(収率:100%)。
工程B2−2:0℃のアルコールB2−1(2.0g、16.7mmol、1.0当量
)を含むDMF溶液に、炭酸セシウム(1.1g、3.34mmol、0.2当量)を添
加し、混合物を0℃で15分間撹拌した。反応物を100℃に加温し、炭酸エチレンを添
加した。得られた混合物を、100℃でO/N撹拌した。反応物を、TLC(EtOAc
/ヘキサン(30:70);検出:UV、CMA;Rf=0.21)によってモニタリン
グした。溶液を室温に冷却し、H2Oを添加した。得られた水相をEt2O(3回)で抽出
した。有機相を、ブライン(3回)で抽出し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で
濃縮した。黄色シロップ(TB2)が得られ(収率:96%)、これは、さらに精製するこ
となく使用に十分な純度(NMRによって評価された)であった。この生成物は、酸の存
在下で不安定であることが証明されたことに留意のこと。
1H NMR(CDCl3,ppm):7.50(1H,dd,Ph),7.22(1H,
td,Ph),7.05(dd,1H,PhC=CH2),6.98(1H,t,Ph
),7.90(1H,d,Ph),5.75(1H,dd,PhCH=CH),5.3
0(1H.dd,PhCH=CH),4.15−4.10(2H,m,PhOC 2
2OH),4.05−3.95(2H,m,PhOCH2 2OH),2.05(1H
,s,O).
G.テザー前駆体RCM−TB3の標準的な合成手順
Figure 0005730835
2’−ブロモフェネチルアルコール(B3−0、2.0mL、14.9mmol、1.
0当量)を含むトルエン(50mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)(Pd(PPh34、347mg、0.30mmol、0.02当量)お
よびビニルトリブチルスズ(6.5mL、22.4mmol、1.5当量)を添加した。
得られた混合物を、N2下で24時間撹拌しながら還流した。出発材料および生成物は同
一のRf(EtOAc/ヘキサン(30:70))を有していたので、TLCによる反応
の進行のモニタリングは困難であった。反応混合物を室温に冷却し、飽和KF(水)溶液
を添加し、その時点で、沈殿が形成された。固体を、濾過によって任意に除去し、DCM
(4回)で抽出した。合わせた有機相を、ブラインで抽出し、MgSO4で乾燥させ、減
圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン、30:
70)で精製して、無色オイルとしてTB3を得た。同一性および純度を、1H NMRに
よって確認した(収率:100%)。
1H NMR(CDCl3,ppm):7.57−7.45(1H,m,Ph),7.30
−7.15(3H,m,Ph),7.05(dd,1H,PhC=CH2),5.65
(1H,dd,PhCH=CH),5.32(1H.dd,PhCH=CH),4.
85(2H,t,PhCH2 2OH),2.98(2H,t,PhC 2CH2OH),
1.50(1H,s,O).
H.テザー前駆体RCM−TB4の標準的な合成手順
Figure 0005730835
工程B4−1:1,2−ジヒドロナフタレン(B4−0、5.0g、38.4mmol
、1.0当量)を、200mLのDCM:MeOH(1:1)に溶解し、溶液を−78℃
に冷却した。青色に発色するまで、オゾン(O3)を溶液にバブリングした。反応を、T
LC(EtOAc/ヘキサン(30:70);検出:UV、CMA;Rf=0.25)に
よってモニタリングした。青色が消滅するまで溶液にN2をバブリングすることによって
、過剰なO3を除去した。水素化ホウ素ナトリウム(2.9g、76.8mmol、2.
0当量)を、混合物にゆっくり添加し、室温で1時間撹拌した。反応を、TLC(EtO
Ac/ヘキサン(30:70);検出:UV、CMA;Rf=0.06)によってモニタ
リングした。飽和NH4Cl(水)溶液をゆっくり添加し、水相をDCM(3回)で抽出
した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。黄色オイル
としてB4−1を得た(収率:100%)。化合物の同一性および純度を、NMR分析に
よって確認し、典型的には、さらに操作することなく使用するのに十分な濃度であった。
工程B4−2:ジオールB4−1(6.38g、38.4mmol、1.0当量)を含
むベンゼン(200mL)溶液に、MnO2(85%、16.7g、192mmol、5
.0当量)を添加し、得られた混合物を、室温で1時間撹拌した。反応を、TLC(Et
OAc/ヘキサン(50:50);検出:UV、CMA;Rf=0.24)によってモニ
タリングし、反応が完了するまで1時間にわたってさらなるMnO2(5当量)をそれぞ
れ添加し、典型的には、これにはこのような添加が2〜3回必要であった。MnO2を、
Celiteパッドで濾過し、EtOAcで洗浄した。合わせた濾過物および洗浄物を、
減圧下で蒸発させて、B4−2を得た。得られた化合物の純度を調べるために1H NM
Rを行い、典型的には、少量の不純物を含んでいた。しかし、これは、次の工程での使用
に十分な純度があり、アルデヒド生成物(B4−2)の安定性が限られているので、この
工程と同日に次の工程を行った。
工程B4−3:MePPh3Br(30.2g、84.5mmol、2.2当量)を含
むTHF(200mL)懸濁液に、t−BuOK(9.5g、84.5mmol、2.2
当量)を少しずつ添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌し、その間に、溶液は黄色
になった。反応混合物を−78℃に冷却し、B4−2(6.3g、38.4mmol、1
.0当量(理論的収率に基づく))を10分間にわたって添加し、混合物を室温でO/N
撹拌した。反応物を、TLC(EtOAc/ヘキサン(50:50);検出:UV、CM
A;Rf=0.33)によってモニタリングした。飽和NH4Cl(水)溶液を添加し、
得られた水相を、EtOAc(3回)で抽出した。合わせた有機相を、MgSO4で乾燥
させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/
ヘキサン、40:60)で精製して、黄色オイルとしてTB4を得た。NMRを使用して、
生成物の同一性および純度を確認した(収率:73%、2工程)。
1H NMR(CDCl3,ppm):7.55−7.45(1H,m,Ph),7.25
−7.10(3H,m,Ph),7.05(dd,1H,PhC=CH2),5.65
(1H,dd,PhCH=CH),5.30(1H.dd,PhCH=CH),3.
70(2H,t,PhCH2CH2 2OH),2.80(2H,t,PhC 2CH2
2OH),1.90−1.80(2H,m,PhCH2 2CH2OH),1.45(1
H,s,O).
I.テザーT45の標準的な合成手順
Figure 0005730835
このテザーの保護バージョンを、トリエチレングリコール(45−0)の一保護および
その後の残存アルコールのメシレートへの転換、アジドへの置換、および二炭酸ジ−t−
ブチルの存在下での触媒による還元を含む標準的な変換によって得た。
J.テザーT65の標準的な合成手順
Figure 0005730835
このテザーは、実際に、テザーT9の合成における中間体であるので、T9−2の調製
を参照のこと。
1H NMR(CDCl3):δ7.38−7.35(bd,1H),7.30−7.19
(m,1H),6.92(dd,2H),4.88(bs,1H),4.16−4.11
(bt,4H),3.98−3.95(t,2H),1.46(s,9H).
13C NMR(CDCl3):δ156.7,155.8,133.6,130.0,1
21.3,114.8,113.1,112,9,90.2,70.8,61.4,28
.6
K.テザーT66の標準的な合成手順
Figure 0005730835
アルキン(Boc−T65、13.1g、45.1mmol、1.0当量)を含むEt
OH/AcOEt(5:1)溶液に、N2下でキノリン(106μl、0.9mmol、
0.02当量)およびLindlar触媒(1.3g、10重量%)を添加し、混合物に
水素をバブリングした。反応が完了するまで、反応を、1H NMRによってモニタリン
グした(それぞれ30〜40分)。次いで、反応物をCeliteパッドで濾過し、これ
以上材料が溶離しなくなるまでAcOEtですすぎ落とした。溶媒を、減圧下で除去した
。粗生成物を、15%AcOEt/ヘキサン〜40%AcOEt/ヘキサンを用いたフラ
ッシュクロマトグラフィによって精製して、オイルとしてBoc−T66を得た(収率:
7.8g、59%)。TLC(45/55 AcOEt/ヘキサン):Rf:0.15;
検出:UV、KMnO4
1H NMR(CDCl3):δ7.27−7.21(td,1H),7.15−7.10
(dd,1H),7.00.6.85,(m,2H),6.62−6.58(bd,1H
),5.77−5.70(dt,1H),4.13−4.03(m,2H),3.97−
3.95(m,2H),3.9−3.88(bd,2H),1.46,(s,9H)
L.テザーT67の標準的な合成手順
Figure 0005730835
−20℃のEt2Zn(1Mヘキサン溶液、153mL、153.6mmol、3.0
当量)を含むCH2Cl2(150mL)溶液に、CH22(12.4mL、153.6m
mol、3.0当量)(注意:圧力がかかり得る)を添加し、混合物を、−20℃で15
分間撹拌した。Boc−T8(15.0g、51.2mmol、1.0当量)を含むCH
2Cl2(100mL)を添加し、混合物を、室温でO/N撹拌した。反応を、TLC((
60%AcOEt:40%ヘキサン);検出:UVおよびCMA;Rf=0.39)によ
ってモニタリングした。溶液を、NH4Cl水溶液(飽和)で処理し、水相を、CH2Cl
2で抽出した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュ
クロマトグラフィ(60%AcOEt:40%ヘキサン)で精製して、黄色オイルとして
Boc−T67を得た(収率:57%)。
1H NMR(CDCl3,ppm):7.18(1H,t),7.03(1H,d),6
.88(2H,t),4.23−4.04(4H,m),3.73−3.70(2H,m
),1.48(1H,幅広),1.28(9H,s),1.12−1.06(1H,m)
,1.0−0.93(1H,m),0.76(2H,dt).
M.テザーT68の標準的な合成手順
Figure 0005730835
−20℃のEt2Zn(1Mヘキサン溶液、49.2mL、49.2mmol、3.0
当量)を含むCH2Cl2(30mL)溶液に、CH22(3.9mL、49.2mmol
、3.0当量)を添加し、混合物を−20℃で15分間撹拌した。アルケン(Boc−T
66、4.8g、16.4mmol、1.0当量)を含むCH2Cl2(50mL)をゆっ
くり添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。溶液を、NH4Cl水溶液(飽和)で処理
し、水相を、CH2Cl2(1回)で抽出し、ブライン(1回)で洗浄した。有機相を、M
gSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。組成生物を、フラッシュクロマ
トグラフィ(勾配:40%、その後に50%、最後に60%AcOEtのヘキサン溶液)
で精製して、黄色オイルとしてBoc−T68を得た(収率:90.7%)。TLC(6
0%AcOEt:40%ヘキサン):Rf:0.4;検出:UV、ニンヒドリン。
1H NMR(CDCl3):δ7.32−7.20(td,2H),7.10−6.85
,(m,2H),4.25−4.13(m,2H),4.10−3.99(m,2H),
3.41−3.36(dd,1H),2.15−2.02(m,1H),1.38(s,
9H),1.04−0.96(dq,1H),0.78−0.73(q,1H)
13C NMR(CDCl3):δ158.0,130.7,130.4,127.9,1
27.5,127.1,121.2,121.0,111.6,111.2,79.5
69.8,61.5,28.7,17.8,16.8,7.2
N.テザーT69の標準的な合成手順
Figure 0005730835
TLC(25/75 AcOEt/Hex):Rf:0.03;検出:UV、ニンヒドリ
ン。
1H NMR(CDCl3):δ7.06−7.00(bt,1H),6.61−6.52
(m,4H),6.35(m,1H),5.12(bt,1H),4.03(m,2H)
,3.95(m,2H),3.77(s,6H),3.11−3.04(bq,2H),
2.60(bt,2H),1.75(m,8H)
13C NMR(CDCl3):δ163.9,160.9,160.6,157.6,1
57.5,155.6,149.5,130.8,130.6,125.9,107.2
6,106.9,103.2,98,4,80.8,77.5,69.9,61,3,6
0.9,60.6,55,4,40.3,30.4,29.3,26.9,
LC−MS(Grad_A4)tR:8.37分。
O.テザーT70の標準的な合成手順
Figure 0005730835
TLC(25/75 AcOEt/Hex):Rf:0.03;検出:UV、ニンヒドリ
ン。
1H NMR(CDCl3):δ6.84−6.75(m,3H),6.52(bs,2H
),6.34(m,1H),5.17(bt,1H),4.01(m,2H),3.93
(m,2H),3.77(s,6H),3.10(bq,2H),2.63(bt,2H
),1.74(m,8H)
13C NMR(CDCl3):δ160.9,158.9,155.8,155.6,1
52.9,152.9,149.5,132.4,132.3,117.1,116.8
,112.7,112.6,103.2,98.4,80.8,70.4,61.6,5
5.5,40.2,30.3,29.3,27.4.
LC−MS(Grad_A4)tR:8.29分。
P.テザーT71の標準的な合成手順
Figure 0005730835
TLC(25/75 AcOEt/Hex):Rf:0.03;検出:UV、ニンヒドリ
ン。
1H NMR(CDCl3):δ7.12−7.08(bd,2H),6.76−6.73
(d,1H),6.52(m,2H),6.33(bs,1H),5.15(bt,1H
),4.02(m,2H),3.95(m,2H),3.79(s,6H),3.09(
bq,2H),2.61(bt,2H),1.74(m,8H)
13C NMR(CDCl3):δ160.8,155.6,155.4,149.5,1
32.4,130.1,127.0,126.0,112.8,103.2,98.4,
80.8,70.0,61.4,55.5,40.3,30.2,29.3,24.5,
27.4
LC−MS(Grad_A4)tR:9.60分。
Q.テザーT72の標準的な合成手順
Figure 0005730835
TLC(1/1,Hex/AcOEt):Rf:0.16。
1H NMR(ppm):1.49(Boc),1.8(CH2),2.7(CH2),
3.1(CH2),4.0(CH2),4.1(CH2),4.9(NH),6.9(C
H 芳香族),7.35(CH 芳香族),7.4(CH 芳香族)
13C NMR(ppm):29,30,40,61,70,110,124,128,1
32,160
R.テザーT73の標準的な合成手順
Figure 0005730835
TLC(60/40 AcOEt/Hex):Rf:0.11;検出:UV、ニンヒドリ
ン。
1H NMR(CDCl3):δ7.06−6.99,(m,2H),6.84−6.81
(m,1H),6.5(m,2H),6.32(m,1H),5.11(bt,1H),
4.07(m,2H),3.90(bt,2H),3.79(s,6H),3.39(s
,3H),3.09(bt,2H),2.64(bt,2H),1.85−1.74(m
,8H),1.46(bs,9H)
13C NMR(CDCl3):δ160.8,157.1,155.6,151.9,1
49,5,131.3,131.0,128.43,128.37,111.6,103
.2,98.4,84.8,80.8,69.9,61.4,60.6,55.5,41
.8,40.2,30.0,29.3,28.1,27.3ppm.
LC−MS(Grad_A4)tR:8.26分。
S.テザーT74の標準的な合成手順
Figure 0005730835
TLC(50/50 AcOEt/Hex):Rf:0.09;検出:UV、CMA。
1H NMR(DMSO−d6):δ7.14(bd,1H),6.76−6.71(m,
2H),6.53(m,2H),6.33(bs,1H),5.15(bt,1H),4
.08(m,2H),3.95(m,2H),3.79(s,6H),3.41(s,3
H),3.01(bq,2H),2.64(bt,2H),1.75(m,8H),1.
47(s,9H)
13C NMR(DMSO−d6):δ156.1,152.3,150.8,147.0
,144.7,129.8,126.9,125.6,116.8,108.4,98.
5,93.6,80.3,76.1,65.1,56.7,50.7,37.1,35.
6,25.3,24.5,23.4,22.6
LC−MS(Grad_A4)tR:8.21分。
T.テザーT75aおよびT75bの標準的な合成手順
Figure 0005730835
フッ素化誘導体(テザーT75)の合成を、33−A((S)−乳酸メチル)および適
切に置換されたフェノール75−0から出発する関連テザーT33の合成と類似の様式で
行い、淡黄色固体として4.1gのDdz−T75aを得た。最初の2工程(Mitsu
nobu反応およびDIBAL反応)は収率が高かったにもかかわらず(それぞれ、91
%および98%)、Sonagashiraカップリングおよび水素化後の最終生成物の
単離は困難であることが証明されており、全収率は17%に低下した。また、上記手順に
おける(R)−乳酸メチル(33−B)の置換によって対応する下記の(R)鏡像異性体
(Ddz−T75b)に到達できる。
Figure 0005730835
U.テザーT76の標準的な合成手順
Figure 0005730835
工程T76−1:3−ブロモ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド。文献(Hofsl
okken et al.Acta.Chemica Scand.1999,53,2
58)と類似の様式で、室温の2−ブロモフェノール(76−0、3.5g、20mmo
l)およびパラホルムアルデヒド(8.1g、270mmol)を含む100mLの乾燥
アセトニトリルの撹拌懸濁液を、MgCl2(2.85g、30mmol)およびトリエ
チルアミン(TEA、10.45ml、75mmol)で処理した。混合物を、強く撹拌
しながらO/N還流した。この後、混合物を室温に冷却し、30mLの5%HClを添加
し、生成物をEt2Oで抽出して、4.0g(95%)の76−1を得た。
TLC(ヘキサン/ジクロロメタン、3:1):Rf=0.3;検出:CMAおよびUV
工程T76−2:2−ブロモ−6−ビニル−フェノール。室温のCH3PPh3Br(7
2g、0.033mol)の撹拌溶液に、tBuOK(4.1g、0.03mol)を含
むTHF(50mL)溶液を5分間にわたって添加した。混合物を、−78℃に冷却し、
76−1(3g、0.015mol)を、15分間にわたって滴下した。反応混合物を、
室温に加温し、24時間撹拌した。この後、溶媒を真空下で除去し、残渣を、溶離液とし
てヘキサン/ジクロロメタン(3:1)を使用したフラッシュクロマトグラフィによって
、無色オイルとして76−2を得た(2.2g、75%)。
TLC(ヘキサン/ジクロロメタン、3:1):Rf=0.5;検出:CMAおよびUV
工程T76−3:文献の方法(Buono et al.Eur.J.Org.Che
m.1999,1671)を使用してトシレート76−Aを合成し、76−3については
、(Manhas,M.S.J.Am.Chem.Soc.1975,97,461−4
63.Nakano,J.Heterocycles 1983,20,1975−19
78)を利用した。76−2(2.5g、12mmol)、Ph3P(4.6g、18m
mol)、および76−A(4.3g、18mmol)を含む150mLのTHF溶液に
、室温のジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD、3.5mL、18mmol)をゆ
っくり添加した。TLC分析(ヘキサン/酢酸エチル、8:2;Rf=0.6;検出:C
MAおよびUV)によって示すようにに反応が完了するまで、混合物を、室温で6時間撹
拌した。高真空下で溶媒を除去し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィによって精製し
て、淡褐色液体として76−3を得た(4.6g、88%)。
工程T76−4:76−3(3.4g、8mmol)を、第2世代Grubbs触媒(
0.02mol%)を含む50mLのDCMで処理した(Grubbs、R.J.Org
.Chem.1998,63,864−866.Gross,J.Tet.Lett.2
003,44,8563−8565.Hoveyda,A.J.Am.Chem.Soc
.1998,120,2343−2351)。得られた混合物を、室温で12時間撹拌し
た。高真空下で溶媒を除去し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィによって精製して、
淡褐色液体として76−4を得た(2.15g、70%)。TLC(ヘキサン/酢酸エチ
ル、8:2;Rf=0.4;検出:CMAおよびUV)。
工程T76−5:76−4(1.43g、0.023mol)を含む乾燥DMF(50
mL)溶液に、アルゴン雰囲気下で、酢酸セシウム(2.09g、0.0109mol)
を添加した。溶液を、50℃でO/N撹拌した。この後、高真空下で溶媒を除去し、残渣
を、フラッシュクロマトグラフィによって精製して、淡褐色液体として76−5を得た(
0.7g、70%)。TLC(ヘキサン/酢酸エチル、8:2;Rf=0.6;検出:C
MAおよびUV)。
工程T76−6:(8−ブロモ−2H−クロメン−2−イル)−メタノール。76−5
(5.5g、0.023mol)を含む乾燥MeOH(150mL)溶液に、アルゴン雰
囲気下で、触媒量の金属ナトリウムを添加した。溶液を、室温で60分間撹拌した。この
後、Amberlite IRA−120(H+)樹脂を添加して、過剰なナトリウムメ
トキシドを中和し(pH=7)、混合物を10分間強く撹拌した。濾過によって樹脂を除
去し、濾過物を真空で蒸発させた。無色オイルとして純粋な化合物76−6を回収した(
4.5g、98%)。
TLC(ヘキサン/酢酸エチル、7:3):Rf=0.3;検出:CMAおよびUV。
工程T76−7:76−6(4.5g、18mmol)およびDdz−プロパルギルア
ミン(76−B、15.16g、55.8mmol)を、ジオキサン(150mL)およ
びジイソプロピルアミン(27mL)に溶解した。溶液のアルゴンバブリングによって、
反応混合物を脱気した。PdCl2(PhCN)2(430mg、1.11mmol、0.
06当量)、CuI(220mg、1.11mmol、0.06当量)、およびトリブチ
ルホスフィン(10%ヘキサン溶液、4.4mL、2.23mmol)を添加し、混合物
を70℃で加温し、O/N撹拌した。高真空下で溶媒を除去し、残渣を、フラッシュカラ
ムクロマトグラフィによって精製して、淡褐色液体として76−7を得た(3.2g、8
0%)。
TLC(ヘキサン/酢酸エチル、1:1):Rf=0.3;検出:CMAおよびUV。
工程T76−8:アセチレン76−7(4.5g、0.2mol)を、EtOH(15
0mL)に溶解し、窒素で10分間パージする。PtO2(10mol%、450mg)
を添加し、混合物を、水素ガスを充填した風船を使用してパージした。混合物を、パール
ボンブに充填し、水素をフラッシングし(60psiで簡潔に水素を充填し、その後放出
させ、再充填し、この充填−放出−再充填サイクルを3回繰り返す)、60psiの水素
と室温でO/N反応させた。反応混合物を、Celiteパッド(パッドの洗浄にメタノ
ールを使用する)で濾過し、濾過物を濃縮して、実質的に純粋であるが(1H NMRで
クリーン)、有色のDdz−T76サンプルが定量的に得られた。この材料をフラッシュ
クロマトグラフィに供することによってさらに精製した。TLC(ヘキサン/酢酸エチル
、1:1):Rf=0.3;検出:CMAおよびUV。生成物Ddz−T76は、出発材
料(76−7)と同一のRfを有し、1H NMRはこれらを区別するのに最適な方法であ
った。
1H NMR(CDCl3):δ1.73(s,6H),1.75−1.95(m,4H)
,2.60(m,2H),2.70−2.90(m,2H),3.10(m,2H),3
.72(s,6H),3.75(m,2H),4.12(m,1H),5.20(m,1
H),6.35(s,1H),6.50(s,2H),6.80(m,1H),6.90
(m,2H).
13C NMR(CDCl3):δ23.93(2),24.97(2),27.0
7(2),29.35(3),30.45(2),40.23(2),55
.47(3),65.76(2),80.72(H),98.44(H),1
03.22(H),120.29(H),121.90(q),127.76(
H),128.14(H),129.42(q),149.56(q),152.
55(q),155.56(q),160.84(q).
LC−MS(Grad_A4):tR:9.46分;実測質量:443
V.テザーT77の標準的な合成手順
Figure 0005730835
工程T77−1:3−ブロモ−ピリジン−2−オール。室温の2−ピリジン(77−0
、19g、200mmol)を含む200mLの1M KBr水性撹拌懸濁液を、臭素(
32g、200mmol;注意:大量のBr2を慎重に取り扱うべきである)を含む20
0mLの1M KBr水溶液で15分にわたって処理し、室温でO/N強く撹拌した。2
4時間後、この溶液から結晶が沈殿し、これを濾過して取り出し、アセトニトリルから再
結晶させて、27.2g(78%)の3−ブロモ−ピリジン−2−オール(77−1)を
得た(J.Am.Chem.Soc.1982,104,4142−4146;Bioo
rg.Med.Chem.Lett.2002,12,197−200;J Med C
hem.1979,22,1284−1290.)。
54BrNOについて計算した分子量:173;(M+H)+実測値:174
工程T77−2:3−ブロモ−ピリジン−2−オール(77−1、5g、0.028m
ol)、Ph3P(11g、0.04mol)、および2−(tert−ブチルジメチル
シラニルオキシ)−エタノール(77−A、7g、0.04mol)を含む50mLのT
HF溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(8.1g、0.04mol)を室温でゆ
っくり添加した。反応の進行を、TLC(ヘキサン/酢酸エチル(4:1);Rf=0.
5;検出:CMA)によって容易にモニタリングした。混合物を室温で24時間撹拌し、
その時点で、TLC分析によれば反応は完了していた。高真空下で溶媒を除去し、残渣を
、フラッシュクロマトグラフィによって精製して、淡褐色液体として77−2を得た(6
.3g、68%)(Tetrahedron Lett.1994,35,2819−2
822;Tetrahedron Lett.1995,36,8917−8920;S
ynlett,1995,845−846.Heetrocycles 1990,31
,819−824)。
1322BrNO2Siについて計算した分子量 331;(M+H)+実測値:332
工程T77−3:保護アルコール77−2(3g、9.1mmol)を、ジイソプロピ
ルアミン(50mL)に溶解し、反応混合物を、溶液のアルゴンバブリングによって脱気
した。PdCl2(PPh32(410mg、0.61mmol、0.06当量)、Cu
I(74mg、0.4mmol、0.04当量)、およびトリフェニルホスフィン(31
0mg、1.12mmol)を添加し、混合物を70℃に加温し、O/N撹拌した。高真
空下で溶媒を除去し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィによって精製して、淡褐色液
体として77−3(3.36g、70%)を得た(Org.Lett.2003,5,2
441−2444;J.Chem.Soc.Perkin.Trans I 1999,
1505−1510;J.Org.Chem..1993,58,2232−2243;
J Org.Chem.1999,58,95−99;Org.Lett.2000,2
,2291−2293;Org.Lett.2002,4,2409−2412)。
TLC(ヘキサン/酢酸エチル、1:3):Rf=0.3;検出:CMA
284026Siについて計算した分子量:528;(M+H)+ 実測値:529
工程T77−4:アセチレン77−3(3g、5.67mmol)を、EtOH(30
mL)に溶解し、窒素で10分間パージした。PtO2(10mol%、300mg)を
添加し、混合物を、水素ガスを充填した風船を使用してパージした。混合物を、パールボ
ンブに充填し、水素をフラッシングし(80psiで水素を充填し、その後放出させ、再
充填し、この充填−放出−再充填サイクルを3回繰り返す)、80psiの水素を室温で
O/N維持した。反応混合物を、Celiteパッド(Celite上の残渣の洗浄にメ
タノールを使用する)で濾過し、濾過物および洗浄物を減圧下で濃縮して、実質的に純粋
であるが(1H NMRでクリーン)、有色の77−4サンプルが定量的に得られた。こ
の材料をフラッシュクロマトグラフィに供することによってさらに精製した。生成物77
−4は、出発材料(77−3)と同一のRfを有し、1H NMRはこれらを区別するのに
最適な方法であった。
TLC(ヘキサン/酢酸エチル、1:3);Rf=0.3 検出:CMA)
284426Siについて計算した分子量:532、(M+H)+ 実測値:533
工程T77−5:77−4(3g、5.6mmol)を、無水THF(200mL)に
溶解した。透明な溶液に、TBAF(6.7mmol、7mL)を添加し、混合物を、室
温で2時間撹拌した。溶液を、氷水に注いだ。水溶液を、ジクロロメタン(200mLで
3回)で抽出した。有機層を、飽和クエン酸緩衝液(200mLで1回)、水(200m
L)、およびブライン(200mL)で連続的に洗浄した。洗浄した有機抽出物を、無水
硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾燥させて油性の残渣を得た。このシ
ロップを、フラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/AcOEt、1:2)で精製して、
シロップとしてDdz−T77を得た(2.10g、収率90%)。TLC(ヘキサン/
AcOEt、1:2):Rf=0.3;検出:ニンヒドリン。
1H NMR(CDCl3):δ1.73(s,6H),1.75(m,2H),2.65
(m,2H),3.15(m,2H),3.75(s,6H),3.90(m,2H),
4.50(m,2H),5,01(sb,1H),6.30(s,1H),6.50(s
,2H),6.80(m,1H),7.40(m,1H),8.01(m,1H).
13C NMR(CDCl3):δ27.23(2),29.24(3),29.7
1(2),40.17(2),55.44(3),62.76(2),69
.11(2),80.76(q),98.24(H),103.24(H),
117.54(H),124.68(q),138.82(H),144.17(
H),149.45(q),155.50(q),160.84(q),162
.03(q).
223026について計算した分子量:418;(M+H)+ 実測値:419
代表的な大環状化合物の合成
本発明の大環状化合物の代表例を以下に示す。固相法について、他で示さない限り、3
00〜325mgのPS−アミノメチル樹脂(負荷2.0mmol/g)から出発した全
収率を報告する。第1の基礎単位(BB3)の結合は、より困難な樹脂(典型的には、I
leまたはValなどの立体的に込み合った構造)では100%から55%まで様々であ
る。BB2およびBB1の残りのカップリングは、平均収率80〜90%で進行する。Mi
tsunobu反応を使用したテザーの結合により、50〜90%の所望の直鎖前駆体が
得られる。大環状化自体は、平均収率20〜50%で進行する。環化後処理における収率
の喪失は最小である。
本明細書中に示した全ての保持時間の値は、HPLCデータのUV部分に基づく。HP
LC手順では、最終生成物の純度のさらなる評価および定量のためにELSDおよびCL
NDデータ(列挙せず)も入手した(CLND)。全化合物を、同一のHPLC条件を使
用して分析した。使用したHPLC手順の詳細を以下に示す。
カラム:XTerra MS C18 4.6×50mm、3.5μm(Waters)
、HPLC:Alliance 2695(Waters);MS:Platform
LC(Micromass/Waters);CLND:8060(Antek);PD
A:996(Waters);Gradient_B4:(i)0〜50%MeOH:0
.1%TFA水溶液で6分間、(ii)50%MeOH:0.1%TFA水溶液で3分間
;(iii)50〜90%MeOH:0.1%TFA水溶液で5分間;(iv)90%M
eOH:0.1%TFA水溶液で3分間。化合物の保持時間(tR)を列挙する。
化合物58、99、201、203、および215については、標準的方法を修正した
化合物1
収量:33.4mgの純粋な大環状物を得た(CLND定量)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.53,8.41,8.34(d
J=8.7Hz,1H);8.13−8.06,7.82−7.75(m,1H);7.
30−7.05(m,8H);6.90−6.77(m,2H);4.58−4.46,
4.40−4.29,4.27−4.16(m,1H);4.09−3.99,3.97
−3.82(m,2H);3.77−3.44(m,2H);3.37−3.19(m,
4H);3.15,3.08(2s,2H);2.98−2.86(m,5H);2.5
2(s,3H);1.94−1.75,1.60−1.30(m,2H);1.22(b
r s,4H);0.86−0.75(m,3H).
294044についてのHRMS計算値;508.3049;実測値 508.304
0±0.0015。
HPLC tR=8.94分。
化合物3
収量:33.0mgの純粋な大環状物を得た(CLND定量)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.54(d,J=9.4Hz),8
.43−8.36(m),および8.12(br t,J=5.65Hz)(1H);7
.90(d,J=6.6Hz),7.79−7.72(m)(1H);7.30−7.0
5(m,6H);6.90−6.76(m,3H);4.60−4.50(m),4.4
3(d,J=18.3Hz),4.26−4.16(m)(1H);4.13−4.02
(m,1H);4.01−3.84(m,2H);3.74−3.41(m,2H);3
.17,3.09(2s,3H);2.99−2.86(m,5H);2.43−2.1
8(m,1H);1.97−1.75(m,3H);1.72−1.39(m,1H);
0.96(d,5.76Hz,3H);0.93−0.77(m,2H);0.68(d
,5.76Hz,3H).
2838N4O4についてのHRMS計算値;494.2893;実測値 494.28
88±0.0015。
HPLC tR=8.11分。
化合物4
収量:15.3mgの純粋な大環状物を得た(CLND定量)。
1H NMR(300MHz,CD3CN):δ7.48−7.19(m,6H);7.1
3−6.98(m,3H);4.71−4.51(m,3H);4.48−4.32(m
,1H);4.26−4.01(m,1H);3.79−3.57(m,2H);3.4
8−3.20(m,3H);3.19−3.06(m,5H);3.01−2.89(m
,2H);2.80−2.62(m,2H);2.09−1.96(m,3H);1.9
4−1.70(m,1H);1.57−1.36(m,4H);1.32−1.26(m
,1H);1.08−0.97(m,3H).
294044についてのHRMS計算値;508.3049;実測値 508.304
5±0.0015。
HPLC tR=8.37分。
化合物6
収量:28.2mgの大環状物を得た(CLND定量)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ10.80(s,1H);8.46(
d,J=9.65Hz),8.36−8.28(m),8.14−8.07(m),およ
び8.02(d,J=9.65Hz)(1H);7.73−7.65(m),7.59(
d,8.2Hz),および7.51(d,J=8.2Hz)(1H);7.3(d,J=
8.2Hz,1H);7.16−6.91(m,5H);6.89−6.76(m,2H
);4.62−4.49(m)および4.42−4.24(m)(1H);4.15−3
.81(m,2H);3.77−3.43(m,2H);3.41−3.19(m,6H
);3.22−2.85(m,6H);2.52(s,3H);1.89−1.69(m
,1H);1.59−1.02(m,4H);0.88−0.74(m,3H).
303954についてのHRMS計算値;533.3002;実測値 533.299
0±0.0016。
HPLC tR=8.22分。
化合物8
収量:600〜650mgの出発樹脂から74.9mgの純粋な大環状物を得た(CL
ND定量)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ9.47(br s),9.07(s
)(1H)および8.32(br s)(2H);7.94(d,6.6Hz,1H);
7.60−7.42(m,2H);7.38(d,9.0Hz,1H);7.28−7.
04(m,7H);6.93(t,8.1Hz,1H);6.60(d,J=14.4H
z)および6.39−6.27(m)(1H);4.51−4.38(m,1H);4.
29−4.08(m,2H);3.87−3.63(m,2H);3.40−3.13(
m,2H);2.94(t,J=14.1Hz,1H);2.53−2.50(m,1H
);2.32−2.17(m,1H);1.86−1.06(m,10H);0.95−
0.79(m,6H).
324244についてのHRMS計算値;546.3206;実測値 546.319
8±0.0016。
HPLC tR=9.02分。
化合物9
収量: 33.7mgの純粋な大環状物を得た(CLND定量)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.48(s,1H);7.92(d
,J=5.3Hz,1H);7.81(d,J=8.5Hz,1H);7.26−7.0
8(m,7H);6.88−6.75(m,2H);4.30(br t,J=10.1
Hz,1H);4.0(t,J=8.6Hz,1H);3.87(br d,J=8.6
Hz,1H);3.70−3.58(m,1H);3.4−3.25(m,1H);3.
04−2.85(m,3H);2.73(d,7.67Hz,1H);2.53(s,3
H);2.35−2.09(m,2H);1.92−1.44(m,8H);1.42−
1.18(m,2H);0.85,0.81(2つのd,J=6.76Hz,6H).
13C NMR(75MHz,DMSO−d6):δ176.15;173.20;171
.27;157.18;140.08;130.72;130.52;129.71;1
28.64;127.87;126.62;120.88;111.44;68.29;
67.10;66.99;55.24;48.42;41.11;41.03;39.3
6;36.93;35.77;34.65;32.38;30.55;29.96;23
.83;22.65;19.87.
314244についてのHRMS計算値;534.3206;実測値534.2139
±0.0016。
HPLC tR=9.29分。
化合物10
収量:19.2mgの純粋な大環状物を得た(CLND定量)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ8.53,8.41,8.38(d,
J=8.8,8.5,8.5Hz,1H);8.16−8.05,7.87−7.71(
m,1H);7.31−7.04(m,7H);6.91−6.75(m,2H);4.
60−4.45,4.39−4.30,4.28−4.16(m,1H),4.10−4
.00,3.97−3.83(m,2H);3.73−3.46(m,2H);3.22
−3.20(m 1H),3.16,3.09(2 s,3H),2.45−2.39(
m,1H);2.99−2.86(m,1H);2.85−2.58(m,5H);2.
48−2.22(m,1H);2.07(s,1H),1.95−1.78(m,1H)
,1.75−1.42(m,1H),1.42−1.17(m,4H),0.88−0.
77(m,3H).
283844についてのHRMS計算値;494.2893;実測値 494.288
8±0.0015。
HPLC tR=8.27分。
化合物221
収量:50.3mgの大環状物を得た(CLND定量)。
1H NMR(300MHz,DMSO−d6):δ7.86(d,J=6.7Hz)およ
び7.65−7.58(m)(1H);7.28−7.06(m,7H);6.88(d
,8.06Hz,1H);6.81(t,J=6.7Hz,1H);4.07−3.91
(m,3H);3.77−3.65(m,1H);3.56−3.38(m,2H);3
.35−3.25(m,3H);3.25−3.07(m,2H);3.04−2.63
(m,3H);2.52(s,3H);2.01−1.71(m,4H);1.66−1
.49(m,2H);1.47−1.17(m,4H);0.90−0.78(m,3H
).
13C NMR(75MHz,DMSO−d6):δ172.15;170.81;170
.74;157.29;139.62;130.76;130.56;129.56;1
28.82;61.73;59.29;56.37;47.90;41.11;41.0
3;39.36;35.81;35.43;30.23;30.03;29.63;25
.12;19.15;14.66.
304044についてのHRMS計算値;520.3049;実測値 520.304
1±0.0016.
HPLC tR=8.30分。
別の合成ストラテジー
本発明の化合物のより大量の合成に受け入れられる別の合成ストラテジー
A.本発明の化合物の代表的な大量合成のためのLS1法
Figure 0005730835
Figure 0005730835
工程LS1−A:LS1−8の合成
Figure 0005730835
アルコールCbz−T33a(2.4g、7.0mmol、1.0当量)を含むCH2
Cl2(50mL)に、NBS(1.5g、8.4mmol、1.2当量)およびPPh3
(2.2g、8.4mmol、1.2当量)を添加した。混合物を室温でO/N撹拌し、
飽和NH4Cl水溶液を添加した。水相を、CH2Cl2(2回)で抽出し、合わせた有機
相を飽和NH4Cl水溶液で抽出して、スクシンイミド副生成物を除去した。有機相をM
gSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(20%
AcOEt、80%ヘキサン)で精製して、黄色オイルとして臭化物LS1−8aを得た
(2.6g、91%)。
TLC(30%AcOEt、70%ヘキサン):Rf=0.56;検出:UVおよびCM
A。
1H NMR(CDCl3):δ7.37−7.26(5H,m,Ph),7.19−7.
13(2H,m,Ph),6.90(1H,t,Ph),6.83(1H,d,Ph),
5.10(2H,s,NHC(O)OC 2 Ph),4.96(1H,br,NCbz
),4.59(1H,sex,PhOC(CH3)CH2Br),3.58−3.47(
2H,m,C 2 Br),3.19(2H,q,C 2 NHCbz),2.67(2H,t
,PhC 2 CH2),1.78(2H,quin,PhCH2 2 ),1.44(3H,
d,CHC 3 ).
LC/MS(Grad_A4):tR=11.15分。
工程LS1−B1:LS1−10の合成
Figure 0005730835
H−Nva−OMeの塩酸塩を、Na2CO3水溶液(1M)に溶解し、全ての遊離アミ
ンの抽出を確実にするためにNaClで飽和した。水溶液を、AcOEt(3回)で抽出
した。合わせた有機相を、ブラインで抽出し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で
濃縮した。遊離アミン(H−Nva−OMe)は、収率90%で回収された。副反応とし
ての塩化物形成(OTsからCl)を排除するために、遊離アミン(H−Nva−OMe
)とアルキル化することが重要である。乾燥した丸底フラスコでは、臭化物LS1−8a
(740mg、1.83mmol、1.0当量)およびH−Nva−OMe(479mg
、3.60mmol、2.0当量)を添加した。脱気した(真空下で30分間の撹拌によ
る)DMF(3.7mL)、無水Na2CO3(232mg、2.19mmol、1.2当
量)、およびKI(61mg、0.37mmol、0.2当量)を添加、混合物を、11
0℃でO/N撹拌した。水を添加し、水相をEt2O(3回)で抽出した。合わせた有機
相を、水(2回)で抽出し、その後にブライン(1回)で抽出した。有機相を、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(30
%AcOEt:70%ヘキサン)で精製して、黄色オイルとして第2級アミンLS1−1
0を得た(709mg、85%)。
TLC(30%AcOEt、70%ヘキサン):Rf=0.32;検出:UVおよびCM
A。
1H NMR(CDCl3):δ7.35−7.29(5H,m,Ph),7.17−7.
12(2H,m,Ph),6.91−6.84(2H,m,Ph),5.51(1H,幅
広,CH2CHRR’),5.09(2H,s,OC 2Ph),4.67−4.51
(1H,m,PhOC(CH3)R),3.65(3H,s,C(O)OC 3),3.
24−3.10(3H,m,NHC(Pr)CO2MeおよびC 2NHCbz),2.
87−2.41(4H,m,PhC 2CH2およびNHC 2CH(Me)OPh),1
.86−1.76(2H,m,PhCH2 2),1.70−1.63(2H,m,CH
3CH2 2),1.36−1.28(2H,m,CH3 2CH2),1.23(3H,
d,CHC 3),0.90(3H,t,C 3CH2CH2).
13C NMR(CDCl3):δ176.44,156.88,155.58,137.
14,131.16,130.57,128.68,128.34,128.21,12
7.33,120.79,112.62,73.16,66.62,61.30,54.
21,51.95,40.86,36.02,30.60,27.88,19.20,1
7.80,14.07.
LC/MS(Grad_A4):tR=6.76分。
工程LS1−B2:別のLS1−10合成
アルコールCbz−T33a(8.5g、24.7mmol、1.0当量)を含むCH
2Cl2(125mL)溶液に、Et3N(10.4mL、74.1mmol、3.0当量
)、TsCl(5.2g、27.2mmol、1.1当量)、およびDMAP(302m
g、2.47mmol、0.1当量)を添加した。混合物を、室温でO/N撹拌し、飽和
NH4Cl水溶液を添加した。水相を、CH2Cl2(2回)で抽出し、合わせた有機相を
、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラ
フィ(30%AcOEt、70%ヘキサン)で精製して、オイルとしてトシレートLS1
−8bを得た(9.4g、90%)。
TLC(50%AcOEt、50%ヘキサン):Rf=0.47;検出:UVおよびCM
A。
1H NMR(CDCl3):δ7.74(2H,d,Ph),7.36−7.26(7H
,m,Ph),7.14−7.08(2H,m,Ph),6.88(1H,t,Ph),
6.74(1H,d,Ph),5.10(2H,s,NHC(O)OC 2Ph),4.
97(1H,br,NCbz),4.61−4.55(1H,m,PhOC(CH3
)CH2OTs),4.19−4.05(2H,m,C 2OTs),3.15(2H,q
,C 2NHCbz),2.56(2H,td,PhC 2CH2),2.42(3H,s
,PhC 3)1.74(2H,quin,PhCH2 2),1.27(3H,d,C
HC 3
13C NMR(CDCl3):δ156.67,155.05,145.20,137.
04,133.02,131.16,130.65,130.11,128.72,12
8.28,128.23,128.10,127.39,121.50,112.87,
71.99,71.42,66.68,40.79,30.32,27.57,21.8
7,16.74.
LC−MS(Grad_A4):tR=11.02分。
工程LS1−B1を適用するが、アルキル化剤としてのトシレートLS1−8bを2当
量のH−Nva−OMeに置換して、収率73%でLS1−10を得た。
工程LS1−C1:LS1−7の合成
Figure 0005730835
0℃のアミンLS1−10(697mg、1.53mmol、1.0当量)を含むTH
F/H2O(1:1、15mL)溶液に、Na2CO3(244mg、1.68mmol、
1.5当量)および(Boc)2O(366mg、1.68mmol、1.1当量)を添
加し、混合物を、室温で36〜48時間撹拌した。THFを、減圧下で蒸発させ、水相を
Et2O(3回)で抽出した。合わせた有機相をブラインで抽出し、MgSO4で乾燥させ
、濾過し、減圧下で濃縮した。黄色オイルとしてBoc化合物を得て、さらに精製するこ
となく次の反応に使用した。
TLC(30%AcOEt、70%ヘキサン):Rf=0.49;検出:UVおよびCM
A。
粗Boc化合物を含むTHF/H2O(1:1、15mL)溶液に、LiOH(309
mg、7.35mmol、5.0当量)を添加し、混合物を室温でO/N撹拌した。TH
Fを、減圧下で蒸発させ、残存する塩基性の水相を1M HClでpH3に酸性化した(
pH試験紙)。水相をAcOEtで抽出し、合わせた有機相を、水およびブラインで抽出
した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。黄色オイルとして
カルボン酸LS1−7を得た(687mg、83%、2工程)。
TLC(50%AcOEt、50%ヘキサン):Rf=0.32;検出:UVおよびCM
A。
13C NMR(CDCl3):δ176.11,156.81,155.51,155.
18,136.93,131.13,130.37,128.72,128.31,12
7.44,121.20,113.70,81.36,73.40,66.79,61.
99,40.80,32.83,31.56,30.33,28.48,27.48,2
0.10,17.53,14.11.
LC/MS(Grad_A4):tR=12.50分。
工程LS1−C2:異なる合成経路(アミン保護なし)
Figure 0005730835
H−Nva−OtBu・HClを、Na2CO3(1M)水溶液に溶解し、全ての遊離ア
ミンの抽出を確実にするためにNaClで飽和した。この水溶液を、AcOEt(3回)
で抽出した。合わせた有機相を、ブラインで抽出し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減
圧下で濃縮した。約90%の遊離アミン(H−Nva−OtBu)が回収された。塩化物
副生成物の形成(OTs→Cl)を排除するために、遊離アミン(H−Nva−OtBu
)とアルキル化することが重要である。
乾燥丸底フラスコ中に、トシレートLS1−8b(1.0g、2.01mmol、1.
0当量)およびH−Nva−OtBu(752mg、4.02mmol、2.0当量)を
添加した。脱気した(真空下で30分間の撹拌による)DMF(4mL)および無水Na
2CO3(256mg、2.41mmol、1.2当量、他の基剤では有効性が低いことに
留意のこと)を添加し、混合物を、110℃でO/N撹拌した。水を添加し、水相をEt
2O(3回)で抽出した。合わせた有機相を、水(2回)で抽出しおよびブライン(1回
)で抽出した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、
フラッシュクロマトグラフィ(30%AcOEt:70%ヘキサン)で精製して、黄色オ
イルとしてアミンLS1−12(683mg、75%)を得た。この粗第2級アミン(1
.0当量)を、4M HCl/ジオキサン(10当量)に溶解し、混合物を、室温でO/
N撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣にEt2Oを添加した。この混合物へのヘキ
サンの添加の際に、白色沈殿が形成された。沈殿を濾過し、冷ヘキサンですすいで、白色
固体として所望のアミノ酸LS1−13を得た。
TLC(50%AcOEt、50%ヘキサン):Rf=0.71;検出:UVおよびCM
A。
LS1−13は、遊離アミンの存在にもかかわらず、所望の大環状物に首尾よく到達す
るための合成スキームの残りの一部で使用した。
工程LS1−D:ジペプチドLS1−6の合成
Figure 0005730835
H−(D)Phe−OBnのトシレート塩を、1M Na2CO3水溶液に溶解し、水溶
液をAcOEt(3回)抽出した。合わせた有機相を、ブラインで抽出し、MgSO4
乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。遊離アミンH−(D)Phe−OBnは、収率9
0%で回収された。H−(D)Phe−OBn(3.0g、11.76mmol、1.0
当量)を含むTHF/CH2Cl2 1/1(60mL)溶液に、Boc−(D)NMeA
la−OH(2.5g、12.35mmol、1.05当量)、6−Cl HOBt(2
.0g、11.76mmol、1.0当量)、およびDIPEA(10.2mL、58.
8mmol、5.0当量)を添加した。混合物を、0℃に冷却し、EDCI(2.48g
、12.94mmol、1.1当量)を添加した。混合物を0℃で1時間および室温でO
/N撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をAcOEtに溶解した。有機相を、1M
クエン酸緩衝液(pH3.5、2回)、飽和NaHCO3水溶液(2回)、およびブライ
ン(1回)で連続的に洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃
縮した。黄色オイルとしてジペプチドが得られ、これを次の工程のために使用した(5.
3g、100%)。ジペプチドを、HCl/ジオキサン溶液(4M、30mL、10当量
)に溶解し、50mLのジオキサンを添加して浸透を促進し、混合物を室温で1時間撹拌
し、均一な溶液を得た。混合物を減圧下で濃縮し、機械的真空ポンプでさらに乾燥させた
。淡黄色固体としてジペプチド塩酸塩LS1−6を得た(4.4g、100%)。
1H NMR(DMSO−d6):δ9.40−8.70(3H,dおよび2つのbr,C
(O)NおよびCH3 2 +Cl-),7.39−7.17(10H,m,Ph),5.
11(2H,s,C(O)OC 2Ph),4.69−4.61(1H,m,CCH3
,3.69(1H,dd,CCH2Ph),3.31(3H,s,C 3NH2 +Cl-
,3.17−3.11および2.97−2.90(CHC 2Ph),1.28(3H,
d,CHC 3
13C NMR(DMSO−d6):δ171.33,169.18,137.63,13
6.31,129.92,129.11,128.95,128.83,128.63,
127.30,67.00,56.57,54.38,36.98,31.11,16.
47.
LC/MS(Grad_A4):tR=6.17分。
工程LS1−E:アミノ酸LS1−5の合成
Figure 0005730835
0℃の酸LS1−7(1.45g、2.67mmol、1.05当量)を含むTHF/
CH2Cl2(1/1、13mL)溶液に、塩酸塩LS1−6(958mg、2.55mm
ol、1.0当量)、DIPEA(2.2mL、12.8mmol、5.0当量)、およ
びHATU(1.07g、2.81mmol、1.1当量)を添加した。混合物を、室温
でO/N撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を、AcOEtに溶解した。有機相を、1Mク
エン酸緩衝液(pH=3.5、2回)、飽和NaHCO3水溶液(2回)、その後にブラ
イン(1回)で連続的に洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で
濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(勾配:20%AcOEt、80%ヘキ
サンから30%AcOEt、70%ヘキサン)で精製して、淡黄色ゴム状泡として所望の
十分に保護されたトリペプチドを得た(1.6g、73%)。
TLC(50%AcOEt、50%ヘキサン):Rf=0.78;検出:UVおよびCM
A。
LC/MS(Grad_A4):tR=15.15分。
保護されたアルキル化トリペプチド(1.5g、1.75mmol、1.0当量)を含
むAcOEt(23mL)溶液に、10%Pd/C(20重量%、315mg)を添加し
、溶液に水素をバブリングした。混合物を、水素雰囲気下でO/N撹拌した。反応物に窒
素をバブリングし、混合物をCeliteパッドで濾過し、AcOEtですすいだ。合わ
せた濾過物を、減圧下で蒸発させて、白色固体としてLS1−5を得た(1.1g、定量
的)。
TLC(50%AcOEt、50%ヘキサン):Rf=0.52;検出:UVおよびCM
A。
LCMS(Grad_A4):tR=8.23分。
工程LS1−F:大環状化および最終脱保護
Figure 0005730835
環化前駆体LS1−5(50mg、0.08mmol、1.0当量)を含むTHF(3
.2mL、濃度25mM)溶液に、DIPEA(68μL、0.39mmol、5.0当
量)およびDEPBT(28mg、0.094mmol、1.2当量)を添加し、混合物
を、室温でO/N撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を、フラッシュクロマトグラ
フィ(1%MeOH、99%CH2Cl2)で精製して、白色固体としてBoc保護大環状
物LS1−11を得た(40mg、0.064mmol、80%)。反応濃度25mMで
の1gスケールの前駆体LS1−5において、収率は73%であった。
TLC(5:95 MeOH:DCM):Rf=0.43;検出:UVおよびCMA。
1H NMR(DMSO−d6 60oC):δ7.62(1H,d,NH),7.47(
1H,br,NH),7.27−7.08(7H,m,Ph),6.85−6.79(2
H,m,Ph),4.78(1H,幅広),4.51−4.38(1H,m),4.11
−4.02(2H,m),3.62−3.56(1H,m),3.32−3.04(5H
,m),2.92(3H,s,N−C 3),2.72−2.46(2H,m),1.9
0−1.59(4H,m),1.46(9H,s,C(C 33),1.28−1.06
(8H,m),0.65(3H,t,CH2 3).
13C NMR(DMSO−d6):δ172.03,171.07,155.83,15
5.60,139.69,131.82,130.82,129.69,128.73,
127.73,126.75,121.06,113.40,80.66,74.75,
57.22,56.66,50.49,35.88,33.72,32.71,30.4
1,28.68,19.35,18.44,14.95,14.19.
LC−MS(Grad_A4):tR=12.82分。
大環状物LS1−11(565mg、0.91mmol、1.0当量)を、4M HC
l/ジオキサン(4.6mL、20当量)溶液に溶解し、混合物を室温で2時間撹拌した
。混合物を減圧下で濃縮し、真空下(オイルポンプ)において、白色固体として最終大環
状物である化合物410を得た(508mg、100%)。
キラルHPLCでは、AA3位でのその(L)対掌体と比較して、ラセミ化は認められ
なかった。
1H NMR(DMSO−d6,60oC):δ9.38(1H,br),8.28(1H
,d),8.13(1H,br),7.81(1H,t),7.28−7.13(7H,
m,Ph),6.93−6.87(2H,m,Ph),4.84−4.77(1H,m)
,4.54−4.40(3H,m),3.35−3.07(6H,m),2.94(3H
,s,N−C 3),2.90−2.81および2.64−2.47(2H,m),1.
85−1.64(4H,m),1.38−1.21(5H,m),1.10(3H,d,
3),0.88(3H,t,CH2 3).
13C NMR(CDCl3):δ171.92,171.46,170.44,155.
11,139.07,131.68,130.47,129.87,128.67,12
7.54,126.90,121.50,112.94,69.83,67.03,58
.14,56.33,55.61,55.29,53.88,50.48,37.29,
32.29,31.08,29.70,28.58,18.15,17.89,15.2
0,14.55.
LC−MS(Grad_A4):tR=6.23分。
LCキラル(Grad35A−05):tR=26.49分。
LCキラル(Grad40A−05):tR=26.54分。
B.本発明の化合物の代表的な大量合成法LS2
Figure 0005730835
工程LS2−A:ジペプチドLS2−21の合成
Figure 0005730835
室温のH−(D)Phe−OtBu・HCl(5g、0.02mol、1当量)および
Z−(D)NMeAla−OH(4.98g、0.021mol、1.05当量)を含む
130mLの無水THF−DCM(1:1)撹拌懸濁液を、DIPEA(17.50mL
、0.1mol、5当量)および6−Cl−HOBt(3.40g、0.02mol、1
当量)で処理した。混合物を室温で数分間強く撹拌し、氷浴で冷却し、EDCI(4.2
0g、0.022mol、1.1当量)を添加し、混合物を1時間撹拌した。この後、氷
浴を除去し、反応物を室温でO/N撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を、100m
LのAcOEtに溶解し、クエン酸緩衝液(1N、100mLで2回)、飽和NaHCO
3溶液(100mLで2回)、およびブラインで洗浄した。有機層を、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾燥させて、9.25g(100%)の無色オイ
ル(LS2−24)を得た。
TLC(ヘキサン/酢酸エチル、1:1):Rf=0.3;検出:CMAおよびUV。
1H NMR(CDCl3):δ1.25(m,2H),1.40(s,9H),2.66
(s.3H),2.85(dd,1H),3.15(dd,1H),4.70(q,2H
),5.15(s,2H),6.50(sb,1H),7.15(m,2H),7.20
(m,3H),7.35(m,5H).
13C NMR(CDCl3):δ28.18,38.23,53.61,53.61,6
7.87,127.12,128.40,128.19,128.40,128.61,
128.8,129.53,170.01.
LC/MS(Grad_A4);tR=9.73分;実測質量:440.
ジペプチドLS2−24(6.9g、0.015mol)を、AcOEt(100mL
)に溶解し、窒素で10分間パージした。10%Pd−C(690mg)を添加し、混合
物を、水素ガスを充填した風船を使用してパージした。混合物を、H2風船を使用して大
気圧下で水素化した。12時間後、反応混合物を、Celiteの短いパッドで濾過し、
濾過ケーキをAcOEtで洗浄した。合わせた濾過物および洗浄物を減圧下で濃縮して、
実質的に純粋な(NMRでクリーン)、無色の固体化合物LS2−21(4.30g、9
0%)が得られ、これを、さらに精製することなく次の工程で直接使用した。
TLC(100%AcOEt):Rf=0.1;検出:CMAおよびUV。
1H NMR(CDCl3):δ1.20(d J=7.03Hz,3H)(s,9H),
2.40(s,/H),3.01−3.20(m,3H),4.80(q,1H),7.
20(m,5H),7.60(m,1H).
13C NMR(CDCl3):δ19.64,28.18,35.12,38.46,5
3.06,60.42,82.29,127.05,128.50,129.71,13
6.61,170.85,174.28.
LC−MS(Grad_A4):tR=5.86分;実測質量:306.
工程LS2−B:トリペプチドLS2−22の合成
Figure 0005730835
0℃のジペプチドLS2−21(2g、6.50mmol、1当量)およびBts−N
va−OH(LS2−28、2.15g、6.85mmol、1.05当量)を含む32
mLの無水DCM撹拌懸濁液を、DIPEA(4.50mL、0.026mol、4当量
)およびHATU(2.72g、7.18mmol、1.1当量)で処理した。混合物を
、0℃で1時間強く撹拌した。この後、氷浴を除去し、反応物を室温でO/N撹拌した。
溶媒を真空下で除去し、残渣を、30mLのAcOEtに溶解した。有機相を、1Nクエ
ン酸緩衝液(30mLで2回)、飽和NaHCO3溶液(30mLで2回)、およびブラ
イン(30mLで1回)で連続的に洗浄した。有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥さ
せ、濾過し、減圧下で蒸発乾燥させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチ
ル/ヘキサン(1/1))で精製して、無色固体としてLS2−22を得た(3.13g
、80%)。
TLC(ヘキサン/酢酸エチル、3:2):Rf=0.3;検出:CMAおよびUV。
1H NMR(CDCl3):δ0.95(m,3H),1.20(d,2H),1.40
(s,9H),1.42−1.70(m,4H),2.60(m,2H),2.90(s
,3H),4.40(m,1H),4.80(m,1H),4.92(m,1H),6.
10(m,1H),6.30(M,1H),6.40(m,1H),6.90(m,2H
),7.20(m,3H),7.40−7.60(m,2H),7.90(m,1H),
8.10(m,1H).
13C NMR(CDCl3):δ23.42,26.32,33.12,48.63,4
9.10,49.85,77.56,117.63,120.67,122.35,12
2.93,123.11,123.80,124.13,124.68,124.75,
131.45,147.67,165.16,165.68,167.66.
LC−MS(Grad_A4):tR=11.48分;実測質量:602.
工程LS2−C:LS2−23の合成
Figure 0005730835
室温のトリペプチドLS2−22(0.4g、0.66mmol)および臭化テザーL
S2−9(0.5g、1.32mmol、対応するCbz誘導体について工程LS1−A
などで合成された)を含む1.33mLの無水DMF撹拌懸濁液を、KI(0.12g、
0.66mmol)およびK2CO3(0.185g、1.32mmol)で処理した。混
合物を、80℃で24時間強く撹拌した。この後、この混合物を室温に冷却し、20mL
の水を添加し、生成物をEt2O(30mLで3回)抽出した。合わせた有機層を、ブラ
イン(30mLで2回)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で濃縮した。残
渣を、フラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル(1:2))で精製して、白
色固体としてLS2−25を得た(70%)。
TLC(ヘキサン/酢酸エチル、2:1):Rf=0.4;検出:CMAおよびUV。
1H NMR(DMSO−d6):δ0.5(m,1H),0.70(m,1H),1.0
1−1.40(m,)1.60(m,3H),1.80(m,1H),2.55(m,)
,2.95(m,4H),3.1(m,2),3.30(m,2H),3.60(m,1
H),3.90(m,1H),4.30(m,1H),4.80(m,),6.80(m
,3H),7.05(m,6H),7.60(2H),7.95(m,1H),8.20
(m,1H),8.25(m,1H),8.90(s,2H).
13C NMR(CDCl3):δ13.84,15.36,17.40,17.70,1
9.40,22.17,27.52,28.14,28.67,30.29,31.27
,33.27,38.01,40.35,51.02,53.08,54.35,56.
72,70.25,73.13,81.10,113.49,120.94,122.2
8,125.44,127.01,127.19,127.19,127.68,127
.68,127.79,128,64,129.57,130.06,136.2,13
7.10,165.10,170.10,171.10.
LC−MS(Grad_A4):tR=15.10分;実測質量:892.
100mgのアルキル化トリペプチドLS2−25(100mg、0.11mmol)
を、2mLの50%TFA、3%トリエチルシラン(TES)を含むDCMで処理し、混
合物を室温で1時間撹拌した。この後、全溶媒を減圧下で除去した。粗化合物LS2−2
3を、真空ポンプを使用して1時間乾燥させ、さらに精製することなく次の工程に直接使
用した。
LC/MS(Grad_A4):tR=8.55分;実測質量:737.
工程LS2−D:LS2−26の合成(マクロラクタム化(Macrolactamiz
ation))
Figure 0005730835
室温のアルキル化トリペプチド23(0.12mmol)およびDIPEA(0.10
0mL、0.56mmol)を含む11.22mLの無水THFの撹拌懸濁液に、DEP
BT(41mg、0.14mmol)を添加した。混合物を、室温でO/N強く撹拌した
。反応物を、減圧下で濃縮乾燥させ、残渣を、10mLのAcOEtに溶解した。有機溶
液を、クエン酸緩衝液(1N、30mLで2回)、飽和NaHCO3(30mLで2回)
、およびブライン(30mLで1回)で連続的に洗浄した。有機層を、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾燥させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフ
ィ(酢酸エチル/ヘキサン(3:1))で精製して、白色固体としてLS2−26(Bt
s−410)を得た(80mg、98%)。
TLC(酢酸エチル/ヘキサン、3:1):Rf=0.3;検出:CMAおよびUV。
1H NMR(CDCl3):δ0.64(m,3H),0.87(m,1H),1.02
(m,2H),1.20(m,6H),1.40(m,3H),1.60(m,4H),
1.80(m,1H0,2.01(m,1H),2.40(m,1H),2.80(m,
1H),3.15(s,3H),3.20(m,2H),3.45(m,1H),3.6
0−3.80(m,2H),4.40−4.60(dd,2H),4.70(m,2H)
,5.01(m,1H),5.90(m,1H),6.80(m,2H),6.90(m
,1H),7.15−7.25(m,7H),7.60(m,2H),8.01(m,1
H),8.10(m,1H).
13C NMR(CDCl3):δ13.28,13.55,18.75,18.98,2
8.89,29.92,29.92,33.19,36.81,36.98,39.55
,51.94,53.83,55.25,59.51,74.64,111.66,12
0.64,122.51,125.15,127.10,127.37,127.84,
128.07,128.86,129.47,130.51,136.55,137.3
0,152.58,155.86,165.33,169.75,170.09,171
.66.
LC/MS(Grad_A4):tR=13.17分;実測質量:719.
LCキラル(カラムODRH,Grad 55A−05):tR=42.059.
工程LS2−E:化合物410の合成
Figure 0005730835
大環状物LS2−26(40mg、0.003mmol)を含む0.110mLのDM
F撹拌懸濁液に、23mgのK2CO3および10μlのメルカプトプロパン酸を室温で添
加し、O/N反応させた。反応物を減圧下で濃縮乾燥させ、粗残渣を、10mLのAcO
Etに溶解した。有機溶液を、NaHCO3飽和溶液(30mLで2回)、その後にブラ
イン(30mLで1回)で洗浄した。有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過
し、減圧下で蒸発乾燥させた。化合物410は、収率90%で単離された。
TLC(100%AcOEt):Rf=0.2;検出:CMAおよびUV。
1H NMR(DMSO−d6):δ0.79(m,3H),1.20(m,9H),1.
30(M,1H),1.60(m,1H),1.90(m,1H),2.10(sb,1
H),2.35(ddd,J=4.98,4.95,4.69Hz,1H),2.56(
b,1H),2.63(m,1H),2.80(ddd,J=4.99,4.69,4
.40Hz,1H),3.01−3.15(m,5H),3.25(dd,J=4.69
,4.11Hz,1H),3.30(s,2H),3.55(sb,1H),3.95(
q,J=7.33,7.04 Hz,1H),4.50(sb,1H),6.80(m,
1H),6.90(m,1H),7.10−7.30(m,7H),7.70(m,2H
).
13C NMR(DMSO−d6):δ14.60,14.84,18.46,18.85
,29.80,29.96,34.03,35.84,36.31,40.68,54.
79,55.67,57.77,58.11,73.42,112.26,120.58
,126.84,127.81,128.80,129.73,131.10,140.
10,158.10,172.10,172.40,176.10.
LC/MS(Grad_A4):tR=6.19分;実測質量:522.
代表的化合物298の合成および生物学的結果
A.化合物298の溶液合成
Figure 0005730835
工程LS3−1:シクロプロピルグリシンメチルエステル塩酸塩の合成。0℃のH−C
pg−OH(LS3−A、20.0g、174mmol、1.0当量)を含む無水MeO
H(350mL)懸濁液に、新たに蒸留した(PCl5から)アセチルコリン(185m
L、2.6mol、15当量)を45分間にわたってゆっくりと添加した。混合物を室温
に加温し、16〜18時間撹拌した。反応物を、TLC(MeOH/NH4OH/AcO
Et(10:2:88);検出:ニンヒドリン;Rf=0.50)によってモニタリング
した。混合物を、真空下で濃縮し、トルエン(3回)と共沸し、高真空下で16〜18時
間乾燥させて、淡黄色固体としてLS3−1を得た(30.0g、粗収率は100%超)

1H NMR(CD3OD):δ4.88(3H,s,N 3 +),3.85(3H,s,C
3O),3.36−3.33(1H,d,NH3 +CH3O),1.19−1.10(
1H,m,C(CH22),0.83−0.53(4H,m,CH(C 22).
工程LS3−2:臭化テザーの合成。アルコールCbz−T33a(21.5g、62
.6mmol、1.0当量)を含む無水CH2Cl2(250mL)に、NBS(12.8
g、72.0mmol、1.15当量、大量のNBSによって二臭素化副生成物が生成す
る)およびPPh3(18.9g、72.0mmol、1.15当量)を添加した。丸底
フラスコをフォイルで遮光し、TLC(AcOEt/ヘキサン(3:7);検出:UVお
よびCMA;Rf=0.42)でモニタリングしながら、混合物を室温で16〜18時間
撹拌した。飽和NH4Cl水溶液(200mL)を添加し、水相をCH2Cl2(150m
Lで2回)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NH4Cl水溶液(200mLで2回)
で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロ
マトグラフィ(AcOEt:ヘキサン、勾配は5:95〜15:85)で精製して、わず
かに黄色のオイルとして臭化物LS3−2を得た(22.2g、88.4%)。
1H NMR(CDCl3):δ7.37−7.26(5H,m,Ph),7.19−7.
13(2H,m,Ph),6.92−6.88(1H,t,Ph),6.84−6.81
(1H,d,Ph),5.10(2H,s,NHC(O)OC 2Ph),4.96(1
H,br,NCbz),4.62−4.56(1H,sex,PhOC(CH3)C
2Br),3.58−3.45(2H,m,C 2Br),3.22−3.16(2H,
q,C 2NHCbz),2.69−2.64(2H,t,PhC 2CH2),1.83
−1.78(2H,quin,PhCH2 2),1.45(3H,d,CHC 3).
13C NMR(CDCl3):δ156.66,155.08,136.99,131.
28,130.77,128.75,128.32,128.28,127.49,12
1.56,113.03,73.12,66.76,40.69,36.12,30.4
5,27.48,19.00.
LC/MS(Grad_A4):tR=11.04分。
工程LS3−3:塩酸塩LS3−1を、Na2CO3(1M、275mL、0.272m
ol、1.5当量)水溶液に溶解した。塩基性水相を、NaClで飽和し、AcOEt/
CH2Cl2(2:1)(100mLで5回)で抽出した。TLC(MeOH/NH4OH
/AcOEt(10:2:88);検出:ニンヒドリン;Rf=0.50)。合わせた有
機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、室温にて低真空下で濃縮して、黄色オイルとし
て遊離アミノエステルLS3−3を得た(19.1g、85%、2工程)。LS3−3は
揮発性であり、機械的真空ポンプ上に長期間放置すべきではない。ジケトピペラジン形成
を最小にするために、工程LS3−4を、LS3−3の単離直後に行うべきである。
1H NMR(CDCl3):δ3.70(3H,s,C 3O),2.88−2.85(
1H,d,NH2CH3O),1.54(1H,s,NH2),1.04−0.97(
1H,m,C(CH22),0.56−0.27(4H,m,CH(C 22).
工程LS3−4:乾燥丸底フラスコ中に、臭化物LS3−2(47.2g、117mm
ol、1.0当量)および新たに調製したLS3−3(19.1g、148mmol、1
.2当量)を添加した。脱気無水DMF(117mL)、無水Na2CO3(14.8g、
140mmol、1.2当量)、およびKI(19.4g、117mmol、1.0当量
)を添加し、混合物を、窒素雰囲気下にて100℃で16〜18時間撹拌した。反応の進
行をLC−MSおよび/またはTLCでモニタリングした。混合物を室温に冷却し、水(
200mL)を添加し、水相を、MTBE(100mLで3回)で抽出した。合わせた有
機相を、水(100mLで2回)およびブライン(100mLで1回)で連続的に洗浄し
、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラ
フィ(ヘキサン/AcOEt/DCM、勾配(85:10:5)〜(50:45:5))
で精製して、橙色オイルとしてLS3−4を得た(43.1g、81%)。
TLC(ヘキサン/AcOEt(1:1)):Rf=0.35;検出:UVおよびCMA

1H NMR(CDCl3):δ7.31−7.22(5H,m,Ph),7.07−7.
03(2H,m,Ph),6.80−6.74(2H,m,Ph),5.48(1H,幅
広,CH2CHRR’),5.00(2H,s,OC 2Ph),4.49−4.43
(1H,m,PhOC(CH3)R),3.56(3H,s,C(O)OC 3),3.
18−3.11(3H,m,NHC(Pr)CO2MeおよびC 2NHCbz),2.
75−2.50(4H,m,PhC 2CH2およびNHC 2CH(Me)OPh),1
.76−1.68(2H,m,PhCH2 2),1.19−1.14(3H,d,Ph
OCH(C 3)R),0.88−0.80(1H,m,C(CH22),0.46−
0.13(4H,m,CH(C 22).
LC/MS(Grad_A4):tR=6.63分。
工程LS3−5:0℃の第2級アミンLS3−4(43.0g、94.7mmol、1
.0当量)を含むTHF/H2O(1:1、475mL)溶液に、Na2CO3(15.1
g、113.7mmol、1.5当量)および(Boc)2O(24.8g、142.1
mmol、1.2当量)を添加した。混合物を室温に加温し、24時間撹拌した。反応を
、LC/MSおよび/またはTLCによってモニタリングした。THFを真空下で蒸発さ
せ、残存する水相を、MTBE(100mLで3回)で抽出した。合わせた有機相を、ブ
ライン(100mLで1回)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発さ
せて、橙色オイルとして粗LS3−5を得た(59.1g、粗収率は100%超)。
TLC(ヘキサン/AcOEt(1:1)):Rf=0.57;検出:UVおよびCMA

LC/MS(Grad_A4):12.98分。
工程LS3−6:室温のLS3−5(52.5g、94.7mmol、1.0当量.)
を含むTHF/H2O(1:1、475mL)溶液に、LiOH一水和物(19.9g、
474mmol、5.0当量)を添加した。混合物を、室温で16〜18時間撹拌した。
反応を、LC/MS(Grad_A4):tR=12.21分でモニタリングした。TL
C(ヘキサン/AcOEt(1:1);検出:UVおよびCMA;Rf=ベースライン)
。反応混合物を、クエン酸緩衝液(1M、pH3.5)で酸性化し、THFを真空下で蒸
発させた。残存する水相を、AcOEt(150mLで3回)で抽出し、合わせた有機相
を、ブライン(100mLで1回)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で
濃縮して、白色のゴム状固体としてカルボン酸LS3−6を得た(2工程について47.
3g、93%)。
LC/MS(Grad_A4):tR=12.16分。
工程LS3−7:H−(D)Phe(4F)−OH(LS3−B、55.6g、0.3
0mol、1.0当量)を含むベンゼン(1.2L)懸濁液に、p−TSA(69.4g
、0.37mol、1.2当量)およびベンジルアルコール(157mL、1.52mo
l、5.0当量)を添加した。混合物を、Dean−Stark装置にて16〜18時間
撹拌しながら還流し、その間に均一な溶液を得た。混合物を室温に冷却し、白色沈殿物が
形成された。沈殿物を、Et2O(500mL)で希釈し、濾過し、Et2O(500mL
で3回)で倍散(triturate)させた。固体を、真空下で乾燥させて、白色固体
としてLS3−7を得た(126g、93.1%)。ベンゼンをトルエンに置換して、反
応時間を短縮した(2〜3時間)。
1H NMR(DMSO−d6):δ8.40(3H,bs,NH3Cl),7.47−7
.36(2H,d,Ph),7.37−7.06(11H,m,Ph),5.15(2H
,s,OC 2Ph),4.37(1H,bt,CCH2Ph),3.09−3.05(
2H,m,CHC 2Ph),2.27(3H,s,C 3Ph).
13C NMR(DMSO−d6):δ169.52 163.83,160.62,14
0.01,138.56,135.48,132.16,132.04,131.33,
131.28,129.09,129.05,128.84,128.72,127.0
9,126.20,116.18,115.89,67.83,53.88,35.83
,21.47.
LC/MS(Grad_A4):tR=6.12分。
融点(不正確):165〜167℃。
工程LS3−8:トシレート塩LS3−7(122g)を、Na2CO3(1M、500
mL)水溶液に入れた。得られた塩基性水溶液を、AcOEt(500mLで4回)で抽
出し、合わせた有機相を、ブライン(250mLで1回)、MgSO4で乾燥させ、濾過
し、減圧下で濃縮して、白色固体としてアミノエステルLS3−8を得た(74.4g、
99%)。
1H NMR(CDCl3):δ7.38−7.28(5H,m,OCH2 Ph),7.1
0−7.06(2H,m,Ph(4F)),6.96−6.90(2H,m,Ph(4F
)),5.13(2H,d,OC 2 Ph),3.76−3.71(1H,t,CCH2
Ph),(2H,dq,CHC 2Ph),1.53(2H,s,NH2).
工程LS3−9:LS3−8(74.4g、0.27mol、1.0当量)を含む無水
THF/CH2Cl2(1:1、1120mL)溶液に、Boc−(D)NMeAla−O
H(LS3−C、57.1g、0.28mol、1.03当量)、6−Cl−HOBt(
46.2g、0.27mol、1.0当量)、およびDIPEA(238mL、1.37
mol、5.0当量)を添加した。混合物を0℃に冷却し、EDCI(57.6g、0.
3mol、1.1当量)を添加した。混合物を4℃で1時間撹拌し、室温に加温し、18
時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣をAcOEt(1000mL)に溶解した
。有機相を、クエン酸緩衝液(1M、pH3.5、500mLで2回)、H2O(500
mLで1回)、飽和NaHCO3(注意:CO2が発生する、500mLで2回)、および
ブライン(500mLで1回)で連続的に洗浄した。有機相を、MgSO4(180g)
で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色オイルとして粗ジペプチドLS3−9を得
た(127g、粗収率は100%超)。
工程LS3−10:オイルLS3−9を、150mLのジオキサンに溶解し、4M H
Clのジオキサン(1360mL、20当量)溶液を添加し、混合物を室温で1時間撹拌
した。反応を、TLC(AcOEt/ヘキサン(3:2);Rf=ベースライン;検出:
UVおよびニンヒドリン)によってモニタリングした。混合物を、減圧下で濃縮し、得ら
れた残渣を、Et2O(500mLで2回)と同時蒸発させ、真空下で乾燥させた。わず
かに黄色の固体として粗LS3−10が得られた(96g、89.7%)。これを、熱9
5%EtOH(200mL)に溶解し、MTBE(900mL)を添加した。混合物を室
温に冷却し、冷凍庫(−20℃)に18時間入れた。得られた結晶を濾過によって回収し
、MTBE(200mLで2回)で洗浄し、真空下で乾燥させて、結晶性の塩酸ジペプチ
ドLS3−10を得た(62g、回収率64.5%)。
1H NMR(DMSO−d6):δ9.31−9.28(1H,d,C(O)N),7
.38−7.26(7H,m,Ph),7.09−7.04(2H,m,Ph),5.1
0(2H,s,C(O)OC 2Ph),4.65−4.57(1H,m,CCH3),
3.76−3.69(1H,d,CCH2Ph),3.15−3.08および2.99
−2.91(CHC 2Ph),2.221(3H,s,C 3NH2 +Cl-),1.31
−1.28(3H,d,CHC 3).
13C NMR(DMSO−d6):δ171.33,169.18,137.63,13
6.31,129.92,129.11,128.95,128.83,128.63,
127.30,67.00,56.57,54.38,36.98,31.11,16.
47.
LC/MS(Grad_A4):tR=6.26分。
LCキラル(Iso100B_05):tR=29.6分,97%UV。
融点(不正確):140〜142℃。
工程LS3−11:0℃のカルボン酸LS3−6(47.3g、87.6mmol、1
.0当量)およびジペプチド塩酸塩LS3−10(36.2g、91.9mmol、1.
05当量)を含む無水THF/CH2Cl2(1:1)(438mL)溶液に、DIPEA
(92mL、526mmol、6.0当量)およびHATU(34.9g、91.9mm
ol、1.05当量)を添加した。混合物を室温に加温し、16〜18時間撹拌した。反
応を、TLC(AcOEt/Hex(1:1);Rf=0.48;検出:UVおよびCM
A)によってモニタリングした。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、AcOEt(250
mL)に溶解した。有機相を、クエン酸緩衝液(1M、pH3.5、150mLで3回)
、H2O(150mLで1回)、飽和NaHCO3水溶液(150mLで2回)、ブライン
(150mLで1回)連続的に洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減
圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(AcOEt:ヘキサン、勾配(
10:90)〜(50:50))で精製して、白色ゴム状固体としてLS3−11を得た
(70.0g、90%)。
LC/MS(Grad_A4):tR=15.06分。
工程LS3−12:10%Pd/C(13.8g、20重量%)を含むAcOEt(1
50mL)懸濁液に、アルキル化トリペプチドLS3−11(69.0g、78.4mm
ol、1.0当量)を含むAcOEt(375mL)溶液を添加し、溶液に水素を16〜
18時間バブリングした。反応を、TLC(AcOEt/ヘキサン(1:1);Rf=0
.22;検出:UVおよびCMA)によってモニタリングした。混合物を、窒素バブリン
グによってパージし、Celiteパッドで濾過し、AcOEt(3回)ですすいだ。合
わせた濾過物および洗浄物を、減圧下で蒸発させて、白色固体としてLS3−12を得た
(51.4g、100%)。
LC/MS(Grad_A4):tR=8.05分。
工程LS3−13:LS3−12(51.4g、78.4mmol、1.0当量)に、
3.0M HClを含むジオキサン/H2O(75:25、525mL、1.57mol
、20当量)溶液を添加し、混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発さ
せ、残渣を、トルエン(3回)と共沸させ、真空下で乾燥させて、オフホワイトの固体と
して粗LS3−13を得た(58.0g、収率100%超)。
LC/MS(Grad_A4):tR=5.38分。
工程LS3−14:大環状物前駆体LS3−13(LS3−12に基づいて78.4m
mol、1.0当量)を含む無水THF(1.57L、50mM)溶液に、DIPEA(
68.0mL、392mmol、7.0当量)およびDEPBT(25.8g、86.2
mmol、1.1当量)を添加した。混合物を、室温で16〜18時間撹拌した。反応を
、TLC(MeOH/AcOEt(1:9);Rf=0.38;検出:UVおよびCMA
)によってモニタリングした。反応終了時に、かなりの量のDIPEA塩が溶液中に懸濁
していた。蒸発前に、これらの塩を濾過し、THFで洗浄して、蒸発時の溶液の過剰な突
沸を回避した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を、Na2CO3(1M、500mL)およ
びAcOEt(250mL)を含む水溶液に入れた。分離した塩基性水相を、AcOEt
(250mLで2回)で抽出した。合わせた有機相を、ブライン(250mLで2回)で
洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。このようにして得た粗材
料を、フラッシュクロマトグラフィ(AcOEt:MeOH、勾配(100:0)〜(9
0:10))で精製して、淡黄色固体として大環状化合物298を得た(35.0g、8
3%、2工程)。
LC/MS(Grad_A4):tR=6.19分。
工程LS3−15:粗化合物298(18.5g、34.4mmol、1.0当量)を
含む無水EtOH(100mL)に、1.25M HClを含むEtOH(41.2mL
、51.5mmol、1.5当量)をゆっくり添加した。混合物を5分間撹拌し、0℃に
冷却し、冷却したまま濾過した。白色沈殿物を、冷無水EtOH(75mLで3回)で洗
浄し、真空下で乾燥させて、無定形の白色固体として化合物298の塩酸塩を得た(15
.3g、回収率88%、補正)。
化合物298の精製:無定形化合物298の塩酸塩(14.2g、24.7mmol)
を、EtOH/H2O(9:1、215mL)の熱混合物に溶解した。溶液を室温に冷却
し、冷凍庫(−20℃)に16〜18時間入れた。濾過によって結晶を回収し、冷無水E
tOH(75mLで3回)で洗浄して、結晶性白色固体として化合物298の塩酸塩を得
た(12.4g、回収率86%)。結晶性化合物298の塩酸塩(11.4g、19.9
mmol)を、1M Na2CO3/AcOEt(1:1、200mL)に入れ、固体の溶
解が完了するまで撹拌した。分離した塩基性水相を、AcOEt(50mLで2回)で抽
出した。合わせた有機相を、ブライン(50mLで1回)で洗浄し、MgSO4で乾燥さ
せ、濾過し、真空下で蒸発させた。油性残渣を、最少量のAcOEtに溶解し、白色沈殿
が形成されるまで、ヘキサンを添加した。混合物を蒸発させ、真空下で乾燥させて、無定
形白色固体として化合物298を得た(11.1g、回収率100%)。
LC/MS(Grad_A4):6.18分;純度(UV/ELSD/CLND):10
0/100/100。
類似の収量で1kg Cbz−T33a、518g LS3−A、および1kg LS
3−Bから出発するこの一連の反応を繰り返して、400gを超える所望の大環状生成物
化合物298および/または対応するHCl塩形態を得た。本発明の他の化合物に類似の
手順を適用することができる。
別法として、標準的な条件下で生成されたCpgのt−ブチルエステル(LS3−14
)を、工程LS3−4に記載のように使用して、Cbz−T33aの反応によってアルキ
ル化Cpg LS3−15を得た。この種を、LS3−16(LS3−15のt−ブチル
エステルの標準的な酸脱保護によって生成される)上の第2級アミンを保護することなく
、ジペプチドLS3−10と化学選択的にカップリングしてLS3−17を調製した。C
bzおよびベンジル保護基の両方の簡潔な同時水素化によって、2工程が省かれるより効
率的なアプローチにおいて中間体LS3−13が得られた。
Figure 0005730835
Figure 0005730835
工程LS3−17:0℃のカルボン酸の塩酸塩LS3−16(2.1g、4.41mm
ol、1.0当量)およびLS3−10(1.7g、4.59mmol、1.05当量)
を含む無水THF/CH2Cl2(1:1、22mL)に、DIPEA(5.3mL、30
.6mmol、7.0当量)およびHATU(1.7g、4.59mmol、1.05当
量)を添加した。混合物を室温に加温し、16〜18時間撹拌した。反応を、LC−MS
によってモニタリングした。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をAcOEt(150mL)
に溶解した。有機相を、クエン酸緩衝液(1M、pH3.5、25mLで3回)、H2
(25mLで1回)、飽和NaHCO3水溶液(25mLで2回)、およびブライン(2
5mLで1回)で連続的に洗浄した。有機相を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、真空下
で濃縮して、白色固体としてLS3−17を得た(3.5g、粗収率は100%超)。
LC/MS(Grad_A4):tR=12.09分。
工程LS3−18:10%Pd/C(596mg、20重量%)を含む95%EtOH
(10mL)の懸濁液に、アルキル化トリペプチドLS3−17(3.0g、3.82m
mol、1.0当量)を含むAcOEt(15mL)溶液を添加し、溶液に水素を2時間
バブリングした。混合物を、窒素雰囲気下で16〜18時間撹拌した。反応を、TLC(
100%AcOEt;Rf=ベースライン;検出:UVおよびCMA)によってモニタリ
ングした。混合物を、窒素バブリングによってパージし、Celiteパッドで濾過し、
95%EtOH(20mLで3回)ですすいだ。合わせた濾過物およびすすぎ物を、減圧
下で蒸発させて、白色固体としてLS3−13を得た(2.0g、94%)。
LC/MS(Grad_A4):tR=5.40分。
B.生物学的結果
1.グレリン受容体(ヒトクローン、hGHS−R1a)の放射性リガンド結合アッセイ
目的
1.化合物298がhGHS−R1aとの直接的な高親和性相互作用を有することを証
明すること。
方法の鍵となる態様
1.トランスフェクトしたクローン化ヒトグレリン受容体(hGHS−R1a)を発現
するHEK293から調製した膜に対して行った結合。
2.[125I]グレリンを、置換のための放射性リガンドとして使用した(Kd=0.0
1nM、試験濃度=0.007nM)。
3.グレリン(非標識、1μM)を使用して、非特異的結合を決定した。
4.化合物298を、11ポイントの濃度曲線において2連のサンプルで試験した。
結果
化合物298の結合は、複数の時点でhGHS−R1aに結合した。図10に示す代表
的な結合阻害曲線は、化合物298がhGHS−R1aに競合的、可逆的、且つ高親和性
で結合することを証明する。
2.グレリン受容体(ヒトクローン、hGHS−R1a)における細胞ベースの機能アッ
セイ
目的
1.化合物298が、hGHS−R1aに対する完全なアゴニストであることを証明す
ること。
2.hGHS−R1aに対する化合物298アゴニストの効力を測定すること。
方法の鍵となる態様
1.トランスフェクトしたクローン化ヒトグレリン受容体(hGHS−R1a)および
Gα16を発現するCHO−K1細胞で行ったアッセイ。
2.懸濁した細胞を、コエレンテラジン(coelenterazine)とO/Nイ
ンキュベートした。
3.hGHS−R1aの刺激によってGα16が活性化され、それにより、細胞内Ca2
+放出が起こり、最終的にコエレンテラジンが酸化されて定量的発光シグナルを放出する

4.グレリンを正のコントロールとして使用した。
5.化合物298を、8ポイントの濃度曲線において2連のサンプルで試験した。
結果
図11に示すように、化合物298は、EC50=25nMでhGHS−R1aを活性化
する。化合物298は、グレリンペプチド(正のコントロール)とのその類似の最大有効
性に基づいて完全なアゴニストである。
3.意識があり、自由に動き回れるラットにおける成長ホルモン(GH)放出に対する化
合物298(i.v.)の効果
グレリン(およびそのアナログ)は、静脈内投与後の種々の種(ラットが含まれる)に
おける下垂体からのGH放出を強力に刺激することが公知である。
目的
1.化合物298がラットのGH放出を刺激するかどうかを決定すること。
2.化合物298がラットのグレリン誘導性GH放出を調整するかどうかを決定するこ
と。
方法
1.モデルを、Tannenbaum et al.(2003),Endocrin
ology 144:967−974から適応させた。
2.ラットに、慢性の静脈内(i.v.)カニューレを埋め込んだ。
3.GH放出のストレス誘導性の変化を最小にするために、ラットを自由に運動させな
がら、薬物を投与するか採血した。
4.化合物298を、以下を測定するために、GHのピークレベルおよび底のレベルで
投与した:
a.いくらかでもあれば、GH放出に対する刺激効果、および
b.反復投与を用いて任意の刺激効果が維持されるかどうかについて。
5.血液サンプルを、試験日を通して定義された15分間隔で採取し、成長ホルモン(
GH)を、放射免疫アッセイによって直接測定した。
6.化合物298を、3、30、300、1000μg/kgで試験した(i.v.,
N=5〜6ラット/群)。
7.グレリン(正のコントロール)を、5μgで試験した(i.v.)。
結果
1000μg/kgまでの投与量の化合物298では、賦形剤コントロールと比較して
脈動的GH放出に有意な変化は起こらない(30μg/kgおよび300μg/kgの用
量の効果については、図9を参照のこと)。ピークレベルおよび底レベル(正のコントロ
ール)で投与した場合、用量が5μgのグレリンにより、GH放出が有意に増加する。グ
レリン投与の10分前に投与した化合物298では、グレリン誘導性GH放出を阻害も増
大もしない(図12)。GH放出の二次指標として、IGF−1レベルに対する用量が1
000μg/kgの化合物298の効果も試験した。化合物298で治療した際のコント
ロールとのIGF−1レベルの明確な変化は認められなかった。
4.hGHS−R1a受容体の脱感作に対する化合物298の効果
Gタンパク質共役受容体は、受容体脱感作の程度がアゴニストの部分的特徴である場合
、アゴニスト刺激の際に受容体脱感作を受け得る。薬物の慢性使用による耐性の低下に相
関するので、受容体脱感作の低下が望ましい。特に、この要因は、GHSの臨床成績の低
さに関与している。
目的
1.化合物298がグレリン受容体(ヒトクローン、hGHS−R1a)の脱感作を引
き起こす範囲を決定する。
方法
1.FLIPR(蛍光測定画像化プレートリーダー、Molecular Devic
es)によって研究した。
2.hGHS−R1aを発現するHEK293細胞に対してアッセイを行った。
3.化合物298アゴニスト効力を、12ポイントの濃度曲線において2連のサンプル
を使用して測定した。化合物298のEC50を確立した。
4.個別の実験では、hGHS−R1aを発現する細胞を、一定範囲の化合物298(
1、10、100、1000nM)に3分間曝露する。化合物298を洗い流し、細胞を
、非脱感作受容体に対して最大刺激を誘発する濃度のグレリン(EC100)で処置した。
5.DC50値を計算する。DC50値を、グレリン(EC100)応答を50%脱感作する
化合物298の処置前濃度と定義する。
結果
化合物298は、完全なアゴニストである(EC50=5nM;図13A)。化合物29
8の前処置濃度の増加により、EC100グレリンに対する最大応答が脱感作される(DC5
0=32nM;図13B)。DC50値は、EC50値の1/6超であるので、化合物298
は、受容体を脱感作するよりも強力に受容体を刺激する。化合物298は、他のグレリン
アゴニスト(すなわち、グレリンペプチドおよびGHSカプロモレリン(Pfizer)
;図13C)よりも受容体を約1/10脱感作する。
化合物298は、(1)受容体の脱感作よりも6倍の効力で受容体を刺激し、(2)内
因性リガンド(すなわち、グレリン)および代替物(alternate)、小分子グレ
リンアゴニストの効力の1/10の脱感作を誘発するので、好ましい脱感作プロフィール
を有する。したがって、化合物298は、慢性投与を使用した代替グレリンアゴニストよ
りも低く耐性を誘発し得る。
5.ナイーブラットにおける固形飼料の胃内容排出に対する化合物298の効果
目的
1.胃内容排出に対して強い効果を有する運動促進剤としての化合物298のデータを
確認すること(胃不全麻痺モデル)。
方法
1.一晩絶食マウス(雄、Wistar、〜200g、N=5/群)に、胃内強制飼養
によってメチルセルロース(2%)飼料を与えた。飼料を、フェノールレッド(0.05
%)で標識した。
2.試験項目(すなわち、賦形剤、化合物298、メトクロプラミドなど)を、食事直
後に静脈内注射によって投与した。
3.15分後に動物を屠殺し、直ちに胃を切除し、0.1N NaOH中でホモジナイ
ズし、遠心分離した。
4.胃内に残存する総フェノールレッドを、560nmでの比色法によって定量した。
5.コントロール群と比較したフェノールレッド濃度に基づいて検出した30%を超え
る胃内容排出の増加を、有意と見なす。
結果
メトクロプラミド(市販の胃不全麻痺薬)、グレリン、およびGHRP−6(hGHS
−R1aに対する基準ペプチドアゴニスト)は全て、有意な胃内容排出を示した(図14
A)。化合物298は、メトクロプラミドよりも約100倍優れた効力で、用量依存様式
にて有意に胃内容排出を引き起こす(図14B)。化合物298は、メトクロプラミド(
現在使用されている運動促進活性を有する薬物)よりも100倍優れた効力で、ナイーブ
ラットにおける固形飼料の胃内容排出を強く刺激した。
6.ラットにおける術後腸閉塞の治療における化合物298の効果
目的
術後腸閉塞(POI)のラットモデルにおける化合物298の治療有用性を測定するこ
と。
方法
1.モデルを、Kaelff et al.(1998),Ann Surg 228
:652−63から適応させた。
2.試験項目の投与に適合させるために、ラット(雄、Sprague−Dawley
、250〜300g)に頸動脈カテーテルを埋め込んだ。
3.ラットをO/N絶食させ、イソフルオレンで麻酔し、腹部手術に供した。
4.腹部切開後、小腸、盲腸、および大腸を、15分間摘出し、生理食塩水で保湿した

5.「腸の蠕動(running)」(最初の小腸上部の圧迫およびこの操作の大腸ま
での継続によって特徴づけられる腸の臨床関連操作)を行った。
6.イソフルオレン麻酔の任意の効果の消滅から15分間ラットを回復させる。
7.ラットに、賦形剤または化合物298(30、100、または300μg/kg、
i.v.、N=6/gp)を投与し、その後、99mTcメチルセルロース(2%)飼料を
胃内に強制飼養した。
8.15分後、ラットを安楽死させ、胃および腸の連続した10cmのセグメントを単
離した。飼料移動の測定基準として、各組織単離物中の放射能(99mTc)を測定した。
結果
図15では、バーの分布は、経口強制飼養から15分後の胃(「ST」)および小腸の
連続した10cmのセグメントにおける飼料の分布を示す。ナイーブ(すなわち、非操作
)およびPOI治療群の比較によって決定したところ、胃の蠕動と組み合わせた腹部手術
により、ラットは腸閉塞を有意に引き起こした。100および300μg/kg(i.v
.)の試験濃度の化合物298により、胃内容排出および腸移動が有意に増加した。10
0μg/kg投与に対応するデータを、図15に示す。POI+賦形剤処置群と比較して
、飼料の幾何学中心(geometric center)によって測定したところ、1
00μg/kg(i.v.)で、化合物298は、GI移動を2.7倍有意に促進した。
化合物298は、術後腸閉塞を罹患したラットの胃内容排出および腸移動を有意に改善し
た。化合物298は、既存の術後腸閉塞を有効に治療することができるので、臨床開発に
おけるオピオイドアンタゴニストの場合のように、手術前に予防的に使用する必要はない
7.オピオイド遅延型胃内容排出モデルにおける胃内容排出および消化管移動に対する本
発明の化合物の効果
モルヒネなどのオピオイド鎮痛剤は、消化管移動を遅延させることが周知であり、この
薬物クラスの重要な副作用である。この症状についての臨床用語は、オピオイド腸機能障
害(OBD)である。重要には、腹部手術から回復した患者は、術後腸閉塞を経験し、こ
れは、術後の痛みのための付随するオピオイド療法によってさらに悪化する。
目的
1.本発明の化合物がOBD治療において治療有用性を有し得るかどうかを決定するこ
と。
方法
1.試験項目の投与に適合させるために、ラット(雄、Sprague−Dawley
、250〜300g)に頸動脈カテーテルを埋め込んだ。
2.一晩絶食ラットにモルヒネを投与する(3mg/kg s.c.)。
3.30分後、ラットに、賦形剤または化合物298(300または1000μg/k
g,i.v.,n=4〜6/gp)を投与し、その後、99mTcメチルセルロース(2%
)飼料を胃内に強制飼養した。
4.15分後、ラットを安楽死させ、胃および腸の連続した10cmのセグメントを単
離した。飼料移動の測定基準として、各組織単離物中の放射能(99mTc)を測定する。
結果
モルヒネ(3mg/kg、s.c.)は、ラットにおいて胃内容排出および腸移動を有
意に遅延させた(図16A)。オピオイド遅延型消化管移動は、化合物298の治療(i
.v.)によって用量依存性様式で有効に逆転した(図16B)。
8.ヒト血漿における代謝安定性
薬物は、種々のプロテイナーゼ作用およびエステラーゼ作用によって血漿中で酵素分解
を受けている。したがって、創薬の初期段階における代謝スクリーニングとして血漿安定
性がしばしば研究される。この研究の目的は、ヒト血漿中の本発明の化合物の代謝安定性
を測定することであった。
実験方法
37℃のヒト血漿中の化合物298の安定性を、2時間および24時間で測定した。化
合物298の以下の2つの形態を研究した。遊離アミンおよび対応するHCl塩。また、
血漿のみおよびリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で緩衝化した血漿(血漿:リン酸緩衝
液(pH7.0)比は20:1)における化合物298の安定性を確立した。両方におい
てアッセイし、3連のサンプルで分析した。化合物298を、SPE技術(Oasis
MCXカートリッジ)を使用して、血漿マトリクスから抽出した。APCI+モードのL
C−MSを使用して、サンプル分析を行った。血漿サンプル中の化合物298レベルを、
同一の血漿プール由来の−60℃で保存したスパイクサンプル中の化合物298レベルと
比較した。結果を、化合物298の回収率として示す。
Figure 0005730835
表8に示すように、化合物298は、化合物の形態(すなわち、遊離アミンまたは塩)
または血漿サンプルがPBSでpH緩衝化されているかどうかと無関係に37℃のヒト血
漿中で少なくとも24時間安定である。
9.9種のヒトシトクロムP450酵素サブタイプに対する化合物298の相互作用プロ
フィール
化合物298(0.0457〜100μM)は、cyp3A4を除く試験した全てのc
yp450酵素に対する阻害活性が最小であり、cyp3A4に対する阻害活性は中程度
である。cyp3A4に対して化合物298で認められた阻害活性は、治療活性を得るた
めの化合物298の用量が低いことに基づいて、生理学的に関連すると予想されなかった
。または、化合物298は、オピオイド鎮痛剤との薬物−薬物相互作用を受けることが示
されず、POI患者に同時投与することができる。
10.hERGチャネル阻害における化合物298のプロフィール
化合物298(1.10μM)は、賦形剤(0.1%DMSO)コントロールと比較し
て、hERGチャネル機能に対して有意な効果を示さなかった。E−4031(正のコン
トロール)は、500nMでhERGチャネル電流を完全に阻害した。
胃不全麻痺動物モデル
高カロリーの食事は、胃内容排出を妨げることが周知である。この所見は、胃不全麻痺
を経験した遅延型胃内容排出ラットモデルを開発するために、Megens,A.A.;
et al.(未発行)によって最近活用されている。
材料
1Wistarラット、雄、200〜250g
2.チョコレート試験飼料:2mL Clinutren ISO(登録商標)(1.
0 kcal/mL,Nestle SA,Vevey Switzerland)。
方法
時間0に、経口強制飼養によって試験飼料を被験体に投与した。60分後、被験体を屠
殺し、胃を切除し、内容物を秤量した。より高い残存胃内容物によて示されるように、未
治療動物は、胃内容排出の有意な遅延を経験した。
試験化合物を、水溶液または通常の生理食塩水溶液として、時間0で3回の投与レベル
(0.08mg/kg;0.30〜0.31mg/kg,1.25mg/kg)で静脈内
投与した。必要に応じて(例えば、化合物21、299、および415)、材料を可溶化
するために10%シクロデキストリン(CD)を添加した。皮下注射を使用して試験した
試験化合物を、−30分に投与した。群あたり10匹のラットを含むシクロデキストリン
コントロールの場合を除き、群あたり4〜5匹のラットを試験した。
図17Aおよび17Bに示すように、結果を、コントロールとして溶媒のみを注射した
胃の重量と比較した比率として結果を報告し、本発明の化合物の胃内容排出能力を示す。
これらの結果は、胃不全麻痺および/または術後腸閉塞の防止および/または治療にこれ
らの化合物が有用であることを示す。
上記は本発明を例示しており、本発明を制限すると解釈されない。本発明は、特許請求
の範囲によって定義され、特許請求の範囲の等価物が本発明に含まれる。

Claims (12)

  1. 下記式:
    Figure 0005730835
    [式中、各々のPGおよびPG1は、独立してアミン保護基または水素である。]
    のいずれかの化合物。
  2. 前記各々のPGおよびPG1が、独立してアミン保護基である、請求項1に記載の化合
    物。
  3. 前記各々のPGおよびPG1が、独立してカルバメートアミノ保護基である、請求項1
    に記載の化合物。
  4. 前記各々のPGおよびPG1が、フタルイミド、トリクロロアセチル、ベンジルオキシ
    カルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、およびα,α−ジメチル−3
    ,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニルからなる群から独立して選択される、請求項
    1に記載の化合物。
  5. 前記各々のPGおよびPG1が、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、およびα,
    α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニルからなる群から独立して選
    択される、請求項1に記載の化合物。
  6. Figure 0005730835
    からなる群から選択される化合物である、請求項1に記載の化合物。
  7. 高次構造が定義された大環状化合物の合成における、請求項1に記載の化合物の使用であって、前記高次構造が定義された大環状化合物が、下記化合物:
    Figure 0005730835
    Figure 0005730835
    の1つから選択される使用
  8. 前記各々のPGおよびPG1が、独立してアミン保護基である、請求項7に記載の使用。
  9. 前記各々のPGおよびPG1が、独立してカルバメートアミノ保護基である、請求項7に記載の使用。
  10. 前記各々のPGおよびPG1が、フタルイミド、トリクロロアセチル、ベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、およびα,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニルからなる群から独立して選択される、請求項7に記載の使用。
  11. 前記各々のPGおよびPG1が、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、およびα,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニルからなる群から独立して選択される、請求項7に記載の使用。
  12. 前記合成において使用される前記化合物が、
    Figure 0005730835
    からなる群から選択される、請求項7に記載の使用。
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