JP5728783B2 - 伝送装置及び伝送システム - Google Patents

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Description

本発明は、伝送装置及び伝送システムに関するものである。例えば、本発明は、伝送システムにおいて、ソフトウェア更新等に伴うCPU再起動中でも、継続して正常に主信号を導通する伝送装置及び伝送システムに適用し得るものである。
近年、一般個人宅へ高速・広帯域なブロードバンドサービスを提供する目的で、伝送路に光ファイバを用いたFTTH(Fiber To The Home)と呼ばれるアクセス網が普及している。FTTHによるブロードバンドサービスの提供には、PON(Passive Optical Network)と呼ばれる光アクセスシステムが多く利用されている。
PONシステムは、図3に示すように、1つの局側光回線終端装置(OLT:Optical Line Terminal)2と複数の加入者宅側光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)1(1−1〜1−n:以下、例えばONU1−1等と示し、又ONU全体を指すときにはONU1と示す)とを、光スプリッタ(光カプラ)3と呼ばれる光受動素子を用いて1本の光ケーブル4を分岐させて1対多に接続する構成である。光ファイバ4や伝送装置を複数の加入者で共有することにより、経済的にFTTHサービスを提供することが可能である。
PONシステムでは、一般的に、OLT2からONU1への通信およびONU1からOLT2への通信にはそれぞれ異なる波長を用いたWDM(Wavelength Division Multiplexing)方式を利用している。また、1本のファイバを複数のONU1−1〜1−nで共用しているため、ONU1からOLT2への通信は、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を用いて、各ONU1からの信号の衝突を回避している。
PONシステムを用いたアクセスネットワークとしては、プロトコルにギガビットイーサネット(登録商標)を用い、IEEE Std 802.3ahとして標準化されているGE−PON(Gigabit Ethernet PON)と呼ばれるものがある。GE−PONでは、上記TDMAによるアクセス制御のために、Multi−point Control Protocol(MPCP)と呼ばれる制御機能を規定しており、MAC Controlフレームと呼ばれる制御フレームをOLT2とONU1との間で送受信することでMPCP制御を実現している。
MPCPでは、OLT2とONU1との間の通信に先立ち、ディスカバリープロセスと呼ばれる手順により、OLT2とONU1との間の通信路の確立を行う。ディスカバリープロセスでは、OLT2とONU1との間でDiscovery処理用MAC Controlフレームを送受信することで、OLT2とONU1との間の通信路の確立を行う。また、ONU1からOLT2へのTDMA制御のために、ディスカバリープロセスにおいて、OLT2と全ONU1の時刻同期を行っている。
通信路の確立後は、ONU1は、送信したいデータ量(送信要求量)をMAC Controlフレームの1つであるREPORTフレームを用いてOLT2に通知する。
OLT2は、REPORTフレームにより通知された各ONU1の送信要求量から、各ONU1の送信を許可するデータ量(送信許可量)と送信開始時刻とを、MAC Controlフレームの1つであるGATEフレームを用いてONU1へ通知する。
ONU1は、GATEフレームにより通知された送信許可量と送信開始時刻を元に、OLT2へデータフレームを送信する。
また、IEEE Std 802.3ahでは、OLT−ONU間の運用・管理・保守に関する機能(OAM:Operation、Administration and Maintenance)を規定しており、スロープロトコルフレームと呼ばれる制御フレームを用いて、OLT−ONU間でOAM情報の通信を行っている。
OLT−ONU間のOAM情報の通信に関しては、MPCPによる通信路が確立された後、OAMディスカバリーの仕組みにより、OAM情報用通信路が確立される。OAM情報用通信路が確立された後は、周期的なOAM情報のやりとりを監視することでOAM情報用通信路の正常性の確認を行っている。
以上説明した、MPCPのディスカバリープロセス、通信路の確立後のGATEフレーム、REPORTフレームによる制御情報のやりとり、および運用・管理・保守機能に関しては、PONシステムを構成する伝送装置において、CPUによるソフトウェア処理で実現されるのが一般的である。
しかしながら、OLT2及びONU1の装置に搭載されるソフトウェアは、機能拡張などの理由により、しばしばソフトウェアの更新が発生することが予想され、その際には、CPUの再起動が伴うのが一般的である。
そのため、ソフトウェア更新によるCPU再起動中においては、前記通信路確立後のGATEフレーム、REPORTフレームによる制御情報をやりとりする機能が停止してしまい、OLTとONU間でのGATEフレームとREPORTフレームの送受信が不可能になり、ひいては主信号フレームの導通が不可能になるという問題があった。
また、ソフトウェア更新によるCPU再起動中においては、前記運用・管理・保守機能が停止してしまい、OAM情報用通信路の維持が不可能になり、伝送装置においては、運用・管理・保守用の通信路が切断されると、主信号の導通も切断するという動作が一般的であるため、主信号フレームの導通が不可能になるという問題があった。
上記のような問題を解決する方法として、特願2009−290211に記載した技術を提案した。この方法は、あらかじめ計算されたGATE情報(フレーム送信開始時刻と送信許可量)を送信許可帯域設定メモリ部に設定しておき、CPU再起動中は、そのあらかじめ設定された設定情報を周期的にONUに個別に通知するというものである。
この方法の場合、図4に示すように、1回のGATE情報送信周期中に、接続されているすべてのONU1の送信開始時刻(STi;iはONUの番号を示す、1≦i≦n)と送信許可量(LENi)を割り当て、その情報を周期的にONU1へ通知する処理となる。
特開2009−065575号公報
しかしながら、前述の方法ではONUの接続台数とGATE情報の送信周期によっては問題が発生する場合がある。
1回の周期で与えられる最大の送信許可量は、その周期とそのときの伝送速度によって決まる。例えば、1回の周期で与えられる最大送信許可量が10000バイトであり、そのとき接続されているONU1が10台であるとする。このとき、各ONU1の1台当たりの送信許可量を均等に割り当てようとした場合、ONU1の1台当たりの送信許可量は1000バイトになる。
この場合、各ONU1の割り当て状態は、例えば、図5(A)のようになり、OLT2の送信許可帯域設定メモリ部の設定内容は、ONU1−1およびONU1−10を例にとると、図5(B)及び図5(C)のようになっている。すなわち、ONU1−1についての送信許可帯域設定メモリ部は、図5(B)に例示するように、「送信開始時刻=0」、「送信許可量=1000」を記憶し、またONU1−10についての送信許可帯域設定メモリ部は、図5(C)に例示するように、「送信開始時刻=9000」、「送信許可量=1000」を記憶する。
伝送装置上を導通するフレーム種類は、プロトコルにより様々である。例えば、イーサネット(登録商標)に着目した場合、一般的に、イーサネットフレームの最大フレーム長は1518バイトである。従って、ONU1が、例えば1500バイト長のフレームを伝送しようとした場合、上記のように周期的に与える送信許可量が1000バイトであると、伝送帯域が足りず、フレームを導通することができなくなってしまうという問題が発生する。
そこで、本発明は、GATE情報送信周期(=1スロット)を複数回まとめてマルチスロット化し、それぞれのスロットで送信許可を与えるONUを制限する機能を搭載することにより、ソフトウェア更新などによるコンピュータ再起動中においても、フレーム長に関係なく、主信号の導通を断ずることなく、通信サービスを継続することができる伝送装置及び伝送システムを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、(1)複数の対向伝送装置に伝送制御情報を周期的に送信する複数の送信周期を用た、マルチスロットの最大送信許可帯域内で、複数の対向伝送装置のそれぞれに対して送信許可帯域を割り当てるものであって、複数の送信周期内で、各対向伝送装置に伝送制御情報送信する期間を割り振り、伝送制御情報を送信する期間の送信開始時刻及び送信許可量を、向伝送装置毎に決定する送信許可帯域決定手段と、(2)送信許可帯域決定手段により決定された、伝送制御情報を送信する期間を示すスロット番号と、当該スロット番号の送信開始時刻及び送信許可量とを、向伝送装置毎に設定する伝送制御情報設定手段と、(3)再起動の際、伝送制御情報設定手段から取得した、対応する対向伝送装置のスロット番号と送信開始時刻及び送信許可量とに基づいて生成した伝送制御情報を送信周期に、対応する対向伝送装置に送信する複数の伝送制御情報送信手段とを備え、送信許可帯域決定手段が、対向伝送装置に伝送制御情報を送信する1周期の最大送信許可帯域と、接続している対向伝送装置の数とに基づき、1台の対向伝送装置に割り当てる送信許可帯域が閾値未満のときに、マルチスロットの最大送信許可帯域内で割り当てを行い、1台の対向伝送装置に割り当てる送信許可帯域が閾値以上のときに、1周期の送信周期内で割り当てを行うことを特徴とする伝送装置である
第2の本発明は、第1の伝送装置と複数の第2の伝送装置との間で、データ伝送を行なう伝送システムにおいて、第1の伝送装置が、第1の本発明の伝送装置に相当することを特徴とする伝送システム。
本発明によれば、伝送制御情報の送信周期を複数回まとめてマルチスロット化し、それぞれのスロットにおける送信許可帯域を与えることにより、例えばソフトウェア更新などによるコンピュータ再起動中においても、フレーム長に関係なく、主信号の導通を断ずることなく、通信サービスを継続することができる。
第1の実施形態のOLT装置の内部構成を示す内部構成図である。 第2の実施形態のOLT装置の内部構成を示す内部構成図である。 PONシステムの構成を示す図である。 従来技術におけるCPU再起動中の上り送信許可量の割り当て方法を示す図である。 従来技術におけるCPU再起動中の上り送信許可量の割り当て例を示す図である。 第1及び第2の実施形態のOLT装置とONU装置との間の情報伝送処理を示すシーケンス図である。 第1及び第2の実施形態のOLT装置とONU装置との間のOAMフレームの送受信処理を示すシーケンス図である。 第1及び第2の実施形態のOLT装置におけるCPU再起動を行う場合の処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態のCPU再起動中の上り送信許可量の割り当て方法を示す図である。 第1の実施形態におけるCPU再起動中の上り送信許可量の割り当て例を示す図である。 第1の実施形態のマルチスロットを用いるか否かの判断処理の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるCPU再起動中の上り送信許可量割り当て例を示す図である。 第2の実施形態におけるCPU再起動中の上り送信許可量の割り当て例を示す図である。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の伝送装置及び伝送システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第1の実施形態は、PONシステムのプロトコルにギガビットイーサネットを用いたGE−PONシステムを構成する局側伝送装置(OLT装置)に、本発明を適用した場合を例示する。
(A−1)第1の実施形態の構成
第1の実施形態のGE−PONシステムの全体構成は従来と同じであるので、第1の実施形態でも図3を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態のOLT装置2の内部構成を示す内部構成図である。図1において、OLT装置2は、E/O変換部11、MAC部12、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13(13−1〜13−n;nは整数。また以下では、全体を指すときはマルチポイントMAC Controlフレーム処理部13と示す)、MAC Controlクライアント部14、マルチポイント送信制御部15、マルチスロット制御部16、OAMフレーム処理部17、OAMクライアント部18、MACクライアント部19を有する。
図1において、MAC Controlクライアント部14およびOAMクライアント部18は、OLT装置2が備えるCPUがROMに格納されるプログラムの実行によるソフトウェア処理で実行されるものである。それ以外の構成要素はハードウェア処理で実行される。
E/O変換部11は、受信した光信号を電気信号に変換したり、MAC部12からの電気信号を光信号に変換したりするものである。
MAC部(メディアアクセス制御部)12は、OSI参照モデルのデータリンク層(第2層)の下位副層に当たり、フレームの送受信や、誤り検出などを行うものである。
マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13は、OLT装置2に接続されるONU装置1毎に個別にフレーム処理を行うものである。
マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13は、図1に示すように、MAC Controlフレーム識別部131、MAC Controlフレーム多重部132、Discovery処理部133、GATE処理部134、REPORT処理部135、GATE情報設定部136を有する。
MAC Controlフレーム識別部131は、MAC部12で受信されたフレームのうちMAC Controlフレームと呼ばれるフレームを識別するものである。MAC Controlフレーム識別部131は、識別されたMAC ControlフレームをDiscovery処理部133又はREPORT処理部136へ出力し、それ以外のフレームをOAMフレーム処理部17へ転送する。
MAC Controlフレーム多重部132は、OAMフレーム処理部17からのフレームとDiscovery処理部133およびGATE処理部134からのMAC Controlフレームを多重してMAC部12へ出力する。
Discovery処理部133は、MAC Controlフレーム識別部131から抽出されたDiscovery処理用MAC Controlフレームを受信し、その内容をMAC Controlクライアント部14へ通知する。また、Discovery処理部133は、MAC Controlクライアント部14から通知されるDiscovery処理情報に基づいて、Discovery処理用MAC Controlフレームを生成してMAC Controlフレーム多重部132へ出力する。
REPORT処理部135は、MAC Controlフレーム識別部131から抽出されたREPORTフレームを受信し、その内容をMAC Controlクライアント部14へ通知する。
GATE処理部134は、MAC Controlクライアント部14から通知されるGATE情報に基づいて、GATEフレームを生成してMAC Controlフレーム多重部132へ出力する。または、GATE処理部134は、GATE情報設定部136に設定されたGATE情報に基づいて、GATEフレームを生成してMAC Controlフレーム多重部132へ出力する。GATE処理部134の動作は、設定により上記いずれかの動作が選択される。
GATE情報設定部136は、MAC Controlクライアント部14により決定された、GATE情報送信周期のスロット番号(送信周期を特定する情報)と、そのスロットにおいて各ONU装置1に対して決定した送信開始時刻及び送信許可量を設定するものである。
また、GATE情報設定部136は、マルチスロット制御部16から通知されたスロット番号と、スロット番号設定メモリ部1362に記憶されたスロット番号が一致した周期に、当該スロット番号に対応する送信開始時刻と送信許可量をGATE処理部134へ通知する。
GATE情報設定部136は、送信許可帯域設定メモリ部1361、スロット番号設定メモリ部1362を有する。
送信許可帯域設定メモリ部1361は、MAC Controlクライアント部14の送信許可帯域計算処理部142から通知された送信開始時刻及び送信許可量を記憶するものである。
スロット番号設定メモリ部1362は、MAC Controlクライアント部14の送信許可帯域計算処理部142から通知されたスロット番号を記憶するものである。
マルチスロット制御部16は、MAC Controlクライアント部14から設定されるマルチスロットを構成するスロット数に基づいて、GATE情報送信周期に該当するスロット番号を管理し、そのスロット番号を各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のGATE情報設定部136に通知するものである。
MAC Controlクライアント部14は、ディスカバリープロトコル処理部141、送信許可帯域計算処理部142を有する。
ディスカバリープロトコル処理部141は、各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のDiscovery処理部133から通知されたMAC Controlフレーム情報に基づいて、ディスカバリープロセス処理を行い、応答するべきMAC Controlフレーム情報を該当するマルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のDiscovery処理部133に通知する。
送信許可帯域計算処理部142は、各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のREPORT処理部135から通知されたREPORT情報に基づいて、各ONU装置1に対して割り当てる送信開始時刻及び送信許可量を計算するものである。
さらに、送信許可帯域計算処理部142は、計算した各ONU装置1の送信開始時刻と送信許可量を、各ONU装置1に対応するマルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のGATE処理部135へ通知する。また、送信許可帯域計算処理部142は、計算した各ONU装置1の送信開始時刻及び送信許可量と、スロット番号とをGATE情報として、GATE情報設定部134に通知する。
マルチポイント送信制御部15は、各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13からの送信要求を調停して、各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のMAC Controlフレーム多重部132へ送信許可を与えるものである。
OAMフレーム処理部17は、OAMフレーム識別部171、OAMフレーム多重部172、OAM処理部173、OAM送信設定メモリ部174を有する。
OAMフレーム識別部171は、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13から出力されたフレームのうちスロープロトコルフレームを識別し、識別されたフレームをOAM処理部173へ出力し、それ以外のフレームはMACクライアント部19へ転送する。
OAMフレーム多重部172は、MACクライアント部19からのフレームとOAM処理部173からのスロープロトコルフレームを多重してマルチプロトコルMAC Controlフレーム処理部13へ出力する。
OAM処理部173は、OAMフレーム識別部171から抽出されたスロープロトコルフレームを受信し、その内容をOAMクライアント部18へ通知する。また、OAM処理部173は、OAMクライアント部18から通知されるOAM情報に基づいて、スロープロトコルフレームを生成してOAMフレーム多重部172へ出力する機能、あるいは、OAM送信設定メモリ部174に設定されたOAM情報に基づいて、スロープロトコルフレームを生成してOAMフレーム多重部172へ出力する機能をもち、それらの動作は、設定によりいずれかが選択される。
OAM送信設定メモリ部174は、OAMクライアント部18から通知されたOAM情報を記憶するものである。また、OAM送信設定メモリ部174は、記憶したOAM情報を周期的にOAM処理部173へ通知する。
OAMクライアント18は、OAMプロトコル処理部181を有する。OAMプロトコル処理部181は、OAM処理部173から受け取ったスロープロトコルフレームの内容に基づいて、OAMプロトコル処理を行い、OAM情報をOAM処理部173に与えるものである。
MACクライアント部19は、ブリッジ機能などを実現するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のGE−PONシステムにおける伝送処理の動作を説明する。
(A−2−1)ONU装置1とOLT装置2との間の通信処理
図6は、ONU装置1とOLT装置2との間の通信処理を説明するシーケンス図である。
図1に例示するOLT装置2に複数のONU装置1が接続するPONシステムにおいて、まず始めに、OLT装置2のMAC Controlクライアント部14のディスカバリープロトコル処理部141とONU装置1の同等機能との間で、Discovery用MAC Controlフレームを用いてDiscovery情報をやりとりすることにより(S101)、ディスカバリープロセスを完了し、OLT装置2とONU装置1との間の通信路の確立を行う(S102)。またこのとき、OLT措置2とONU装置1との間の時刻同期も行っている。
OLT装置2及びONU装置1間の通信路の確立後、ONU装置1からOLT装置2への通信は以下の手順により行われる。
(1)OLT装置2は、ONU装置1から通知されるREPORT情報に基づいて、そのONU装置1が送信開始をしてもよい送信開始時刻と、送信してもよいデータ量(送信許可量)とをGATEフレームにより、ONU装置1に通知する(S103)。
なお、最初は、ONU装置1からのREPORT情報を受けていないため、REPORTフレームを送信出来る分の送信許可量をONU装置1に与える。
(2)ONU装置1は、蓄積されたデータ量に基づいて計算したREPORT情報を、REPORTフレームによりOLT装置2に送信する(S104)。
(3)OLT装置2で受信されたREPORTフレームのREPORT情報は、MAC部12、MAC Controlフレーム識別部131、REPORT処理部135を経由して、MAC Controlクライアント部14の送信許可帯域計算処理部142へ通知される。
(4)送信許可帯域計算処理部142は、通知された各ONU装置1からのREPORT情報を元に、各ONU装置1の送信開始時刻と送信許可量を計算する(S105)。
送信許可帯域計算処理部14により計算された各ONU装置1の送信開始時刻及び送信許可量はGATE情報として、GATE処理部134に与えられる。そして、GATE処理部134は、各ONU装置1の送信開始時刻と送信許可量をGATE情報として、GATEフレームにより、MAC Controlフレーム多重部132、MAC部12を経由して各ONU装置1へ送信する(S106)。
(5)ONU装置1は、受信したGATEフレームのGATE情報から送信開始時刻と送信許可量を抽出し、送信開始時刻になったら送信許可量分のフレームを出力する。
以後、(2)〜(5)を繰り返すことにより、ONU装置1からOLT装置1への通信を実現する。
OLT装置2からONU装置1への通信は、OLT装置2において、各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13からの送信要求を、マルチポイント送信制御部15が調停する。これにより、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13からのフレーム出力をコントロールする。
図7は、OLT装置2とONU装置1との間のOAMフレームの通信処理を示すシーケンス図である。
図7に示すように、OLT装置2とONU装置1との間の通信路確立後、OLT装置2のOAMクライアント部18のOAMプロトコル処理部181と、ONU装置1の同等機能との間で、スロープロトコルフレームを用いてOAM情報をやりとりすることにより(S201)、OAMディスカバリープロセスを完了し、OLT装置2とONU装置1との間の運用・管理・保守用通信路(OAM情報用通信路)の確立を行う(S202)。
OAM情報用通信路が確立された後、OLT装置2とONU装置1との間で、周期的なOAM情報のやりとりを行い、その監視をすることでOAM情報用通信路の正常性の確認を行う(S203、S204)。
(A−2−2)OLT装置2のソフトウェアの更新処理を行う場合の処理
以上の状態において、OLT装置2のソフトウェアの更新処理を行う場合の手順を説明する。
図8は、OLT装置2のソフトウェアの更新処理の動作を説明するフローチャートである。
例えば、OLT装置2においてソフトウェアの更新を行う際には、OLT装置2において更新コマンドや再起動コマンド等をトリガとして以下の動作を行う。
OLT装置2において、ソフトウェア更新の際に、MAC Controlクライアント部14の送信許可帯域計算処理部142が、例えば後述する方法により、マルチスロットを用いて各ONU装置1に対して送信許可量及び送信開始時刻と、スロット番号とを決定する。
(1)OLT装置2において、各ONU装置1に対して決定した送信許可量及び送信開始時刻とスロット番号とが、MAC Controlクライアント部14から、各ONU装置1に対応するマルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のGATE情報設定部136に通知される。
各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13のGATE情報設定部136では、受け取った送信開始時刻及び送信許可量を送信許可帯域設定メモリ部1361に設定し、スロット番号設定メモリ部1362にスロット番号を設定する(S301)。
ここで、図9は、マルチスロットにおいて各ONU装置1に割り当てた送信開始時刻及び送信許可量とスロット番号との関係を説明する説明図である。
1スロットは、OLT装置2に接続している1又は複数のONU装置1に対して、周期的に、GATE情報を送信するGATE情報送信周期の1周期をいう。この実施形態では、図9に示すように、複数のスロットを組み合わせたマルチスロットの期間を、各ONU装置1にGATE情報を割り当てる全体の期間として用いる。
ここで、マルチスロットで構成される期間内で各ONU装置1のGATE情報の決定は、送信許可帯域計算処理部142が行う。
例えば、図9において、「ONU#1」のONU装置1−1の場合、スロット番号は「スロット1」であり、その「スロット1」における送信開始時刻は「ST1」であり、送信許可量は「LEN1」である。そして、このように割り当てられた、スロット番号がスロット番号設定メモリ部1362に設定され、当該スロットにおける送信開始時刻及び送信許可量が送信許可帯域設定メモリ部1361に設定される。
(2)OLT装置2のGATE処理部134の動作を、「MAC Controlクライアント部14の送信許可帯域計算処理部142から通知されるGATE情報をもとにGATEフレームを生成して出力する」動作から、「GATE情報設定部136に設定されたGATE情報をもとに、GATEフレームを生成して出力する」動作に設定を切り替える(S302)。
同時にマルチスロット制御部16は、MAC Controlクライアント部14から受け取ったマルチスロットを構成するスロット数を設定して、スロット番号管理動作を開始する。このスロット番号管理動作は、例えば、GATE情報送信周期毎にスロット番号を1、2、3、…と設定数までカウントアップし、設定数まで達したら、また1から順にカウントを繰り返すといった動作で実現される(S303)。
(3)OLT装置2のOAM送信設定メモリ部174に、各ONU装置1宛のOAM情報を設定する(S304)。
(4)OLT装置2のOAM処理部173の動作を、「OAMクライアント部18から通知されるOAM情報をもとに、スロープロトコルフレームを生成して出力する」動作から、「OAM送信設定メモリ部174に設定されたOAM情報をもとに、スロープロトコルフレームを生成して出力する」動作に設定を切り替える(S305)。
(5)OLT装置2のソフトウェアを更新してCPUを再起動する(S306)。
(6)CPU再起動完了後、OLT装置2のGATE処理部の動作を、「MAC Controlクライアント部14の送信許可帯域計算処理部142から通知されるGATE情報をもとにGATEフレームを生成して出力する」動作に切り戻す(S307)。
また、OAM処理部173の動作を、「OAMクライアント部18から通知されるOAM情報をもとに、スロープロトコルフレームを生成して出力する」動作に切り戻す(S308)。
以上の手順に従えば、OLT装置2のCPU再起動中においては、OAM送信設定メモリ部174に設定されたOAM情報が周期的に各ONU装置1に通知されるので、OLT装置2と各ONU装置1との間のOAM情報用通信路の正常性が保たれ、その間にONU装置1がOLT装置2との通信を断ずることはない。従って、その間に、OLT装置2−ONU装置1間の通信に影響を及ぼすことはない。
また、OLT装置2のCPU再起動中においては、送信許可帯域設定メモリ部1361に設定されたGATE情報が周期的に各ONU装置1に通知されるので、その間、各ONU装置1からのREPORT情報を反映した動的なGATE情報の通知機能は働かなくなるが、OLT装置2−ONU装置1間の通信に影響を及ぼすことはない。
OLT装置2又は各ONU装置1のCPU再起動中に、何らかの要因で通信断になった場合は、CPU再起動後に、MPCPのディスカバリープロセスから開始することで、通信を復旧することができる。
(A−2−3)GATE情報の決定方法
次に、OLT装置2において、各ONU装置1のGATE情報(送信開始時刻及び送信許可量とスロット番号と)を決定する方法について説明する。
OLT装置2では、送信許可帯域計算処理部142が、各ONU装置1の送信開始時刻及び送信許可量とスロット番号とを求める。
送信許可帯域計算処理部142による送信許可量等の決定方法は、マルチスロットを用いて各ONU装置1に送信許可量を求める方法であれば、種々の方法を適用することができる。
例えば、1回の周期で与えられる最大送信許可量が10000バイトであり、そのとき接続されているONU装置が10台であり、各ONU装置1の1台当たりに送信許可量を均等に割り当てる場合を例示する。
このとき、従来の方法の場合、1スロットの最大送信許可量が10000バイトであるから、1台当たりのONU装置1の送信許可量は1000バイトとなり、例えばイーサネットフレームの最大フレーム長(1518バイト)より小さくなり、フレーム導通ができなくなる場合がある。
そこで、例えば、送信許可帯域計算処理部142は、各ONU装置1の送信許可量を「2000バイト」とし、その時点で接続しているONU装置1の台数と送信許可量「2000バイト」とを乗じる。そして、送信許可帯域計算処理部142は、上記乗算結果と、そのときの1周期の最大許可量との比較結果に基づいて、GATE情報送信周期のスロット数を決定する。
例えば、この場合、送信許可帯域計算処理部142は、マルチスロットを構成するスロット数を「2」とする。なお、スロット数の決定方法は、種々の方法を広く適用することができ、上記の例に限定されるものではない。
送信許可帯域計算処理部142は、最初のスロット「スロット1」において、5台のONU装置1−1〜1−5の送信許可量及び送信開始時刻を割り当て、「スロット2」において、別の5台のONU装置1−6〜1−10の送信許可量及び送信開始時刻を決定する。
図10は、第1の実施形態のGATE情報の割り当ての状態を説明する説明図である。
図10(A)において、例えば、「ONU#1」のONU装置1−1について、送信許可帯域計算処理部142は、スロット番号を「スロット1」とし、送信開始時刻を「ST1=0」とし、送信許可量を「LEN1=2000(バイト)」を割り当てる。
次に、送信許可帯域計算処理部142は、「ONU#1」に続けて、「ONU#2」のONU装置1−2について、スロット番号を「スロット1」とし、送信許可量を「LEN2=2000(バイト)」とし、送信開始時刻を「ST2=2000」として割り当てる。
ここで、送信開始時刻は、同一スロット内での相対時刻を示している。例えば、「ST2=2000」は、「ST1=0」に対して、2000バイトのデータ伝送時間経過後の時刻を意図する。なお、この実施形態では、送信開始時刻を同一スロット内での相対時刻としたが、絶対時刻であってもよい。
上記のようにして、「ONU#3」〜「ONU#5」のONU装置1−3〜1−5についても、同様に、送信開始時刻及び送信許可量とスロット番号とを決定する。
次に、送信許可帯域計算処理部142は、「ONU#6」のONU装置1−6について、「スロット1」のGATE情報送信周期の次の周期において割り当てるので、スロット番号を「スロット2」とし、当該スロット内での送信開始時刻を「ST6=0」とし、送信許可量を「LEN6=2000(バイト)」を割り当てる。
なお、「ONU#7」〜「ONU#10」のONU装置1−7〜1−10についても、同様に、送信開始時刻及び送信許可量とスロット番号とを決定する。
上記のように、送信許可帯域計算処理部142によって決定された、送信開始時刻及び送信許可量とスロット番号とは、図10(B)及び図10(C)に示すように、各ONU装置1に対応する各マルチポイントMAC Controlフレーム処理部13−1〜13−10のGATE情報設定部136の送信許可帯域設定メモリ部1361とスロット番号設定メモリ部1362とに記憶される。
この方法に従えば、各ONU装置1の送信許可帯域を2000バイトに設定することができ、例えばイーサネットの最大フレーム長でも導通が可能となる。
なお、上記では、送信許可帯域計算処理部142がマルチスロットを用いて各ONU装置1の送信許可量等を決定する場合を説明したが、次のようにして、MAC Controlクライアント部14が、1スロット内で割り当てを行うか、又はマルチスロットで割り当てを行うかを判断するようにしてもよい。
図11は、割り当て方法の判断方法の処理の一例を示すフローチャートである。図11において、MAC Controlクライアント部14は、まず、そのときのGATE情報送信周期の最大送信許可量と(S401)、OLT装置2が接続するONU装置1の台数とを取得する(S402)。MAC Controlクライアント部14は、1回のGATE情報送信周期の最大送信許可量と、ONU装置1の台数とに基づいて、1台当たりのONU装置1に対して割り当てることができる送信許可量を求める。そして、1台当たりの送信許可量が閾値(例えば、イーサネットの最大フレーム長の値)未満のときには(S403)、MAC Controlクライアント部14はマルチスロットで割り当てを行うようにし(S404)、そうでないとき、MAC Controlクライアント部14は1スロット内で割り当てを行う(S405)。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、GATE情報送信周期(=1スロット)を複数回まとめてマルチスロット化し、指定されたスロット番号の送信周期にのみ、あらかじめ設定されたGATE情報を通知する機能を搭載することにより、最大フレーム長でも、GATE情報送信周期、ONU接続台数に影響されることなく、ソフトウェア更新などによるOLT装置のCPU再起動中に、通信サービスを継続することが可能となる。
(B)第2の実施形態
次に、本発明の伝送装置及び伝送システムの第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
図2は、第2の実施形態のOLT装置の内部構成を示す内部構成図である。
図2において、第2の実施形態のOLT装置20は、E/O変換部11、MAC部12、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部23(23−1〜23−n、以下、全体を指すときは、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部23と示す)、MAC Controlクライアント部24、マルチポイント送信制御部15、マルチスロット制御部16、OAMフレーム処理部17、OAMクライアント部18、MACクライアント部19を有する。
第2の実施形態のOLT装置20は、MAC Controlクライアント部24のGATE情報の決定方法と、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部23の構成とが第1の実施形態と異なり、それ以外の構成要素については、第1の実施形態と同じであり、同じ符号を付している。
そのため、以下では、第1の実施形態と異なるマルチポイントMAC Controlフレーム処理部23と、MAC Controlクライアント部24の構成を中心に詳細に説明する。
MAC Controlクライアント部24は、ディスカバリープロトコル処理部141、送信許可帯域計算処理部242を有する。第2の実施形態では、送信許可帯域計算処理部242による各ONU装置1に決定するGATE情報の決定方法が第1の実施形態と異なる。
送信許可帯域計算処理部242は、第1の実施形態の機能に加えて、1台のONU装置1に対して複数のスロットに亘って、送信許可量及び送信開始時刻を決定するものである。これにより、あるONU装置1について、複数のスロットにおいて送信開始時刻及び送信許可量を決定することができる。
マルチポイントMAC Controlフレーム処理部23は、第1の実施形態と同様に、ONU装置1毎に個別に設けられたものである。
また、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部23は、第1の実施形態GATE情報設定部136に代えて、複数のGATE情報設定部236(236−1〜236−3;以下、全体を指すときGATE情報設定部236と示す)を有する。
GATE情報設定部236は、送信許可帯域計算処理部242が複数のスロットに亘って送信許可量及び送信開始時刻を決定した場合に、各スロットの送信許可量及び送信開始時刻をスロット番号毎に設定するものである。
1個のマルチポイントMAC Controlフレーム処理部23が備えるGATE情報設定部236の数は、複数スロットに亘ってGATE情報が決定されたときに、各スロット毎にGATE情報を設定することができればよく、特に限定されるものではない。
GATE情報設定部236は、送信許可帯域設定メモリ部2361と、スロット番号設定メモリ部2362とを有する。
送信許可帯域設定メモリ部2361は、MAC Controlクライアント部24の送信許可帯域計算処理部242から通知されたフレーム送信開始時刻と送信許可量を記憶するものである。
スロット番号設定メモリ部2362は、MAC Controlクライアント部24の送信許可帯域計算処理部242から通知されたスロット番号を記憶するものである。
また、GATE情報設定部236は、マルチスロット制御部16から通知されたスロット番号と、スロット番号設定メモリ部2362に記憶されたスロット番号が一致した周期に、送信許可帯域設定メモリ部2361に記憶されるフレーム送信開始時刻と送信許可量をGATE処理部134へ通知する。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態のOLT装置20における処理の動作について、図面を参照しながら説明する。
以下では、OLT装置20においてGATE情報決定方法、及び決定されたGATE情報をGATE情報設定部236に設定する処理の動作を中心に説明する。
なお、OLT装置2とONU装置1との間の通信処理の動作や、OLT装置2におけるソフトウェアの更新処理の動作は、第1の実施形態と同じであるから、ここでの詳細な説明は省略する。
第1の実施形態では、複数のONU装置1に対して均等に送信許可量を割り当てた場合を例示した。しかし、あるONU装置1の送信許可量と他のONU装置1のそれとが異なるように決定する場合もある。
例えば、ONU装置1の接続台数が5台の場合に、ONU装置1−1の送信許可量とそれ以外のONU装置1−1〜1−4の送信許可量の比を、「ONU装置1−1:それ以外のONU装置1−2〜1−5=6:1」にする場合を例示する。
この場合、第1の実施形態による手順によれば、マルチスロット中で、ONU装置1に割り当てることができるスロットは1個のみである。従って、割り当て方の一例は、例えば図12のようになる。
図12の例では、スロット数が「2」とし、1周期の最大送信許可量が「10000バイト」であるとする。この場合、「ONU#1」のONU装置1−1に対して割り当てることができるスロット数が1個であるから、「スロット1」の全部を「ONU#1」に割り当て、次の「スロット2」については、「ONU#2」〜「ONU#5」のONU装置1−2〜1−5に対して割り当てる。
そうすると、「ONU#1」の送信許可量は「LEN1=10000」となり、「ONU#2」〜「ONU#5」の送信許可量は「LEN2〜LEN5=2000」となり、割り当て比率も「ONU#1:それ以外のONU#2〜#5=5:1」となってしまう。さらに、「スロット2」において、帯域に余りがでてしまい、無駄になってしまう。
また、「スロット2」において帯域に余りがでないようにすると、「ONU#2」〜「ONU#5」の送信許可量が「LEN=2500」となってしまうから、割り当て比率も「ONU#1:それ以外のONU#2〜#5=4:1」となってしまう。
つまり、上記の例の場合では、1台のONU装置1に与えられる最大の送信許可量は全体の帯域に対して、スロット数分の1に制限される。
そこで、第2の実施形態では、OLT装置2におけるソフトウェアの更新処理の際に、送信許可帯域計算処理部242が、以下のようにして、各ONU装置1の送信開始時刻及び送信許可量と、スロット番号とを決定する。
図13は、第2の実施形態のGATE情報の割り当ての状態を説明する説明図である。
例えば、1回の周期で与えられる最大送信許可量が「10000バイト」であり、接続されているONU装置1が「5台」であり、割り当て比率が「ONU#1:それ以外のONU#2〜ONU#5=6:1」とする場合を例示する。
この場合、送信許可帯域計算処理部242が1スロットでGATE情報を決定するとき、1台のONU装置1当たりの送信許可量は「6000バイト」、「1000バイト」になってしまうため、例えば、送信許可帯域計算処理部242は、マルチスロットを構成するスロット数を「2」として、スロット1について、「ONU#1」、「ONU#2」、「ONU#3」を割り当て、スロット2について、「ONU#1」、「ONU#4」、「ONU#5」を割り当てるようにする。なお、各スロットでどのONU装置1を割り当てるかは、特に限定されるものではない。
すなわち、スロット1において、「ONU#1」について、送信許可帯域計算処理部242は、スロット番号を「スロット1」とし、送信開始時刻を「ST1=0」とし、送信許可量を「LEN1=6000」を割り当てる。
さらに、送信許可帯域計算処理部242は、「ONU#2」について、送信開始時刻を「ST2=6000」とし、送信許可量を「LEN2=2000」とし、「ONU#3」について、送信開始時刻を「ST3=8000」とし、送信許可量を「LEN3=2000」とする。
また、スロット2において、送信許可帯域計算処理部242は、「ONU#1」について、スロット1とは別に、送信開始時刻を「ST1=0」とし、送信許可量を「LEN1=6000」を割り当てる。
さらに、送信許可帯域計算処理部242は、「ONU#4」について、送信開始時刻を「ST4=6000」とし、送信許可量を「LEN4=2000」とし、「ONU#5」について、送信開始時刻を「ST5=8000」とし、送信許可量を「LEN5=2000」とする。
送信許可帯域計算処理部242は、上記のようにして決定した各ONU装置1に対するGATE情報を、各ONU装置1に対応するマルチポイントMAC Controlフレーム処理部23のGATE情報設定部236に設定する。
例えば、図13(B)に示すように、「ONU#1」の場合、2個のGATE情報設定部236−1及び236−2に、各スロットのGATE情報が設定される。
すなわち、図13(B)に示すように、GATE情報設定部236−1には、「スロット番号:1」がスロット番号設定メモリ部2362に設定され、「送信開始時刻=0」及び「送信許可量=6000」が送信許可帯域設定メモリ部2361に設定される。また、GATE情報設定部236−2には、「スロット番号:2」がスロット番号設定メモリ部2362に設定され、「送信開始時刻=0」及び「送信許可量=6000」が送信許可帯域設定メモリ部2361に設定される。
また、図13(C)に示すように、「ONU#5」の場合、GATE情報設定部236−1には、「スロット番号:2」がスロット番号設定メモリ部2362に設定され、「送信開始時刻=8000」及び「送信許可量=2000」が送信許可帯域設定メモリ部2361に設定される。しかし、「ONU#5」は1スロットのみの設定であるから、GATE情報設定部236−2には、「スロット番号:なし」がスロット番号設定メモリ部2362に設定され、「送信開始時刻=なし」及び「送信許可量=なし」が送信許可帯域設定メモリ部2361と記憶される。
上記のように、マルチスロット中で、ONU装置1−1の送信許可帯域をあわせて「12000バイト」、それ以外のONU装置1−2〜1−5の送信許可帯域を「2000バイト」に設定することができ、「ONU#1:それ以外のONU#2〜#5=6:1」の割り当て比を実現することができる。さらに各ONU装置1についても最大フレーム長での導通も可能となる。
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、ONU当たり(例えば、マルチポイントMAC Controlフレーム処理部当たり)のGATE情報設定部を複数搭載したことにより、同一ONU装置に対して複数スロットに指定することができる。
これにより、ソフトウェア更新などによるOLT装置のCPU再起動中でも、GATE情報送信周期、ONU接続台数に影響されることなく、ある1台のONU装置に割り当てを多くするなど、ONU間での割り当て比を自由に設定して、通信サービスを継続することが可能となる。
(C)他の実施形態
上述した第1の実施形態では、ONU接続台数を10台で例示したが、この接続台数に限るものではない。またマルチスロットを構成するスロット数を2としているが、これ以上の値としてもよい。また各ONUへの割り当てが均等になるような例示をしているが、割り当ては均等に限らず、ある重みをもって割り当ててもよい。
上述した第2の実施形態では、ONU接続台数を5台で例示したが、この接続台数に限るものではない。またマルチスロットを構成するスロット数を2としているが、これ以上の値としてもよい。またスロット1にONU1、2、3を、スロット2にONU1、4、5を割り当てた例を示しているが、これに限らず、スロット1にONU1のみ、スロット2にONU1〜5を割り当てるなどの割り当てとしてもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、PONシステムのプロトコルにギガビットイーサネットを用いたGE−PONシステムについての実施形態を示しているが、特にGE−PONシステムに限らず、その他のPONシステムで使用される局側伝送装置に本発明を適用しても同様の効果が得られる。また、PONシステムに限らず、2装置間で同様な通信制御を行っている局側伝送装置に本発明を適用した場合も同様の効果が得られる。さらに、光通信に限定されず、電気通信においても適用することができる。
1(1−1〜1−n)…ONU装置、
2及び20…OLT装置、
11…E/O変換部、12…MAC部、
13(13−1〜13−n)及び23(23−1〜23−n)…マルチポイントMAC Controlフレーム処理部、
131…MAC Controlフレーム識別部、132…MAC Controlフレーム多重部、133…Discovery処理部、134…GATE処理部、135…REPORT処理部、
136及び236(236−1〜236−n)…GATE情報設定部、
1361及び2361…送信許可帯域設定メモリ部、
1362及び2362…スロット番号設定メモリ部、
14…MAC Controlクライアント部、
15…マルチポイント送信制御部、16…マルチスロット制御部、
17…OAMフレーム処理部、18…OAMクライアント部、
19…MACクライアント部、
3…光スプリッタ、4…光ファイバ。

Claims (3)

  1. 複数の対向伝送装置に伝送制御情報を周期的に送信する複数の送信周期を用た、マルチスロットの最大送信許可帯域内で、上記複数の対向伝送装置のそれぞれに対して送信許可帯域を割り当てるものであって、上記複数の送信周期内で、各対向伝送装置に上記伝送制御情報送信する期間を割り振り、上記伝送制御情報を送信する期間の送信開始時刻及び送信許可量を、上記対向伝送装置毎に決定する送信許可帯域決定手段と、
    上記送信許可帯域決定手段により決定された、上記伝送制御情報を送信する期間を示すスロット番号と、当該スロット番号の上記送信開始時刻及び上記送信許可量とを、上記対向伝送装置毎に設定する伝送制御情報設定手段と、
    再起動の際、上記伝送制御情報設定手段から取得した、対応する上記対向伝送装置の上記スロット番号と上記送信開始時刻及び上記送信許可量とに基づいて生成した上記伝送制御情報を上記送信周期に、対応する上記対向伝送装置に送信する複数の伝送制御情報送信手段と
    を備え
    上記送信許可帯域決定手段が、
    対向伝送装置に伝送制御情報を送信する1周期の最大送信許可帯域と、接続している対向伝送装置の数とに基づき、1台の対向伝送装置に割り当てる送信許可帯域が閾値未満のときに、上記マルチスロットの最大送信許可帯域内で割り当てを行い、
    1台の対向伝送装置に割り当てる送信許可帯域が閾値以上のときに、1周期の送信周期内で割り当てを行う
    ことを特徴とする伝送装置。
  2. 上記送信許可帯域決定手段が、上記複数の送信周期内で、1台の上記対向伝送装置に対して複数のスロット番号を割り振り、それぞれのスロット番号毎に上記送信開始時刻及び上記送信許可量を決定するものであり、
    上記伝送制御情報設定手段が、上記複数のスロット番号と、上記スロット番号毎に決定された上記送信開示時刻及び上記送信許可量とを対応付けて設定するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
  3. 第1の伝送装置と複数の第2の伝送装置との間で、データ伝送を行なう伝送システムにおいて、
    上記第1の伝送装置が、請求項1又は2に記載の伝送装置に相当することを特徴とする伝送システム。
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