JP5722118B2 - 蓄電モジュールおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
電池セルを、正極端子と負極端子が交互に配置されるように、電池容器内に収容する。電池セルの正極および負極端子に対して所定の角度に突起が形成されたリング型治具を電池セルの正極端子の回りにセットする。バスバーに対応する落込口と、リング型治具の突起を挿通する差込口を有するキャップ型治具を、差込口をリング型治具の突起に嵌合して、電池セルの上部にセットする。バスバーをキャップ型治具の落込口から落とし込み、電池セルの正極および負極端子に接触させる。押圧部材によりバスバーを電池セルの正極および負極端子に押し付け、この状態で、ウエルダーにより溶接する(例えば、特許文献1参照)。
以下では、一実施の形態による蓄電モジュールを、電動車両、特に電気自動車の車載電源装置を構成する蓄電装置に適用した場合を例として説明する。電気自動車は、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源として備えたハイブリッド電気自動車、および電動機を車両の唯一の駆動源とする純正電気自動車等を含む。
本発明の蓄電モジュールを備えた一実施の形態としてのハイブリッド自動車駆動システムのブロック回路図。
図1は、本発明の一実施の形態としての蓄電モジュールを有するハイブリッド自動車駆動システムのブロック回路図である。
図1に示すハイブリッド自動車クドウシステムは、一例として、車載電機システムを例示しており、モータジェネレータ10、インバータ装置20、車両全体を制御する車両コントローラ30、および車載電源装置を構成する蓄電装置1000等を備える。蓄電装置1000は、例えば、複数の電池セル等を備えたリチウムイオンバッテリ装置として構成される。
直流正極側モジュール端子は直流正極側外部端子に、直流負極側モジュール端子は直流負極側外部端子にそれぞれ電気的に接続されている。直流正極側外部端子及び直流負極側外部端子は、蓄電装置1000との間において直流電力を授受するための電源側端子であり、蓄電装置1000から延びる電源ケーブル610、620が電気的に接続されている。交流側モジュール端子は交流側外部端子に電気的に接続されている。交流側外部端子は、モータジェネレータ10との間において三相交流電力を授受するための負荷側端子であり、モータジェネレータ10から延びる負荷ケーブルが電気的に接続されている。
蓄電モジュール100は、それぞれ、電気的に直列に接続される高電位側の蓄電モジュール100a及び低電位側の蓄電モジュール100bから構成されている。各蓄電モジュールには、直列に接続された複数のリチウムイオン電池セル(以下、「電池セル」とする)を有している。複数の電池セルおよびこれらの電池セルを直列に接続する接続体により、後述する第1、第2電池セル列が構成される。各蓄電モジュール100a、100bの構成については後述する。
バッテリコントローラ300は、蓄電装置1000の状態を管理及び制御すると共に、上位制御装置である車両コントローラ30やモータコントローラ23に蓄電装置1000の状態や許容充放電電力などの充放電制御指令を通知する。蓄電装置1000の状態の管理及び制御には、蓄電装置1000の電圧及び電流の計測、蓄電装置1000の蓄電状態(SOC:State Of Charge)及び劣化状態(SOH:State Of Health)などの演算、各蓄電モジュールの温度の計測、セルコントローラ310に対する指令(例えば各電池セルの電圧を計測するための指令、各電池セルの蓄電量を調整するための指令など)の出力などがある。
高電位側の蓄電モジュール100aの正極端子とインバータ装置20の直流正極側外部端子との両者は正極側の電源ケーブル610を介して電気的に接続されている。低電位側の蓄電モジュール100bの負極端子とインバータ装置20の直流負極側外部端子との間は負極側の電源ケーブル620を介して電気的に接続されている。
車載電機システムの起動時にあたっては、まず、負極側メインリレー412が投入され、この後に、プリチャージリレー421が投入される。これにより、蓄電装置1000から供給された電流が抵抗422によって制限された後、インバータ搭載の平滑コンデンサに供給されて充電される。平滑コンデンサが所定の電圧まで充電された後、正極側メインリレー411が投入され、プリチャージリレー421が開放される。これにより、蓄電装置1000から正極側メインリレー411を介してインバータ装置20に主電流が供給される。
図2および図3は、蓄電装置1000の全体構成を表す斜視図を示す。図2は、蓄電装置1000の冷却媒体の出口側から観た図であり、図3は冷却媒体の入口側から観た図である。蓄電装置1000は大きく分けて、蓄電モジュール100及び制御装置900の二つのユニットから構成されている。まず、蓄電モジュール100の構成について説明する。
高電位側の蓄電モジュール100a及び低電位側の蓄電モジュール100bの上部は、後述する制御装置900の筐体910によって固定されている。
なお、高電位側の蓄電モジュール100aと低電位側の蓄電モジュール100bは、基本的に同一の構造を有している。このため、以下においては、高電位側の蓄電モジュール100a及び低電位側の蓄電モジュール100bを代表して、蓄電モジュール100として説明する。
(電池容器)
図4は、蓄電装置1000を構成する蓄電モジュール100の外観斜視図を示す。また、図5は、蓄電モジュール100の分解斜視図である。
図5に図示されるように、蓄電モジュール100は、ケース本体110、ケース本体110の両側面に配置された一対のケース側板250、251および各ケース側板の外側に配置された一対の覆い板160から構成される電池容器2(図5参照)を有する。電池容器2内には、16個の電池セル140が収納されている。16個の電池セル140は、後述する、複数のバスバーにより電気的に直列に接続されて構成されている。
具体的には、入口流路形成部111、出口流路形成部118、入口側案内部112(図3参照)および出口側案内部113(図2、5参照)を有する。ケース本体110の内部空間は、複数の電池セル(蓄電セル)140が収納される収納室として機能するとともに、これらの電池セル140を冷却するための冷却媒体(冷却空気)が流通する冷却通路として機能する。
なお、以下の説明において、ケース本体110の長さが最も長い方向、および入口側案内部112側から出口側案内部113側に至る方向を、長手方向と定義する。
また、二つのケース側板250、251が対向する方向を、短手方向と定義する。電池セル140の軸芯(正極端子及び負極端子の二つの電極が対向する方向)は短手方向に向いている。
さらに、入口流路形成部111と出口流路形成部118とが対向する方向を、蓄電モジュール100の設置方向に関係なく高さ方向と定義する。
入口流路形成部111、出口流路形成部118、入口側案内部112及び出口側案内部113は、例えば、アルミダイキャストにより、ケース本体110として、一体に形成されている。
入口流路形成部111と入口側案内部112との間には、冷却媒体である冷却空気のケース本体110内部への導入口を構成する冷却媒体入口114(図3参照)が形成されている。
出口流路形成部118と出口側案内部113との間には、冷却空気をケース本体110内部から導出する冷却媒体出口115が形成されている。冷却媒体出口115には、冷却空気を冷却媒体出口115から外部に導くための冷却媒体出口ダクト117が設けられている。
ケース側板250、251は、それぞれ、ほぼ平板状の部材であり、電気的な絶縁性を有するPBT(ポリブチレンテレフタレート)あるいはPP(ポリプロピレン)等の合成樹脂からなる成形体である。
ケース側板250、251の外側、すなわち電池セル140が収容される収納室と反対側には、サイドカバーと呼ばれる覆い板160が設けられている。覆い板160は、ボルト或いはリベットなどの締結部材161(図4参照)によってケース側板250、251に固定されている。
複数の電池セル140は、ケース本体110の内部に形成された収納室に整列して収納されていると共に、短手方向からケース側板250、251により挟持され、銅等の導電性の良好な材料により形成されたバスバー150との接合によって電気的に直列に接続されている。
電池セル140は、一端側に正極端子140aが形成され、他端側に負極端子140bが形成された円筒形の例えば、リチウムイオン二次電池であり、非水電解液が注入された電池缶の内部に発電ユニットおよび安全弁等の構成部品が収納されて構成されている。正極端子140aは、中央部に開口部140a1を有し、軸芯方向における正極端子140aの開口部140a1の直下には、過充電などの異常によって電池容器の内部の圧力が所定の圧力になったときに開裂する開裂弁(図示せず)が形成されている。開裂弁は、開裂によって電池蓋と電池素子の正極側との電気的な接続を遮断するヒューズ機構として機能するとともに、電池容器の内部に発生したガス、すなわち非水電解液を含むミスト状の炭酸系ガスを電池容器の外部に噴出させる減圧機構として機能する。
図5に示すように、一実施の形態では、例えば第1電池セル列121の最も冷却媒体出口115側に位置する電池セル140の中心軸の長手方向の位置が、第2電池セル列122の最も冷却媒体出口115側に位置する電池セル140の中心軸と、それに隣接する電池セル140の中心軸との間の中間位置になるように、第1電池セル列121及び第2電池セル列122が長手方向にずれて配置されている。
このように、第1電池セル列121と第2電池セル列122とを長手方向にずらして配置することにより、ケース本体110の高さ方向の寸法を低くでき、蓄電モジュール100を高さ方向に小型化することができる。
次に、第1電池セル列121および第2電池セル列122を両側から挟持する一対のケース側板250、251の構造について説明する。ここでは、一方のケース側板250の構造のみを説明するが、他方のケース側板251も基本的にはケース側板250と同様に構成されている。
高電位側の蓄電モジュール100aの正極側入出力端子(図示せず)には正極側の電源ケーブル610(図1参照)の端子が接続され、負極側入出力端子(図示せず)には、SDスイッチ700の一端側に電気的に接続されたケーブルの端子が接続される。低電位側の蓄電モジュール100bの正極側入出力端子183(図2参照)には、SDスイッチ700の他端側に電気的に接続されたケーブルの端子が接続される。低電位側の蓄電モジュール100bの負極側入出力端子184(図2参照)には負極側の電源ケーブル620の端子が接続される。なお、図2において、高電位側の蓄電モジュール100aのサブアセンブリ185は端子カバーで覆われた状態を示し、低電位側の蓄電モジュール100bのサブアセンブリ185は端子カバーを取り外した状態を示している。
ケース側板250は、図5に図示されるように、略長方形の平板形状に形成されている。ケース側板250には、短手方向に貫通する16個の円形の貫通孔201が形成されている。16個の貫通孔201は、下段側の第2電池セル列122に対応する8個の貫通孔201が上段側の第1電池セル列121に対応する8個の貫通孔201に対して、電池セル140の(1/2)ピッチだけ冷却媒体出口115寄りに位置して配列されている。
ケース側板250は、周囲に所定の厚さの側部204を有し、側部204の内側には、電池セル140を収納するための16個の貫通孔201が形成されている。各貫通孔201の周囲には、電池セル140の外径より僅かに大きい開口部202aが設けられたリング状の壁部202が形成されている。壁部202は、電池セル140を収納する際の案内部材であり、かつ、電池セル140を保持する保持部材である。つまり、各電池セル140は、正極端子140aまたは負極端子140b付近の外周部を、リング状の壁部202を案内部材として挿入される。挿入された状態では、各電池セル140は、リング状の壁部202により保持される。
接着剤221の上面に、点線で図示されるように電池セル140の正極端子140aが接着される。
図7に図示されるように、溝206a内には、常温硬化型の接着剤220が塗布される。
接着剤220の上面に、点線で図示されるように電池セル140の負極端子140bが接着される。
このため、ケース本体110内を、冷却媒体入口114から冷却媒体出口115に向かって流通する冷却媒体は、正極端子受部205の環状の溝205aに充填された接着剤220および負極端子受部206の環状の溝206aに充填された接着剤221に遮断され、ケース側板250の外面側に流出することはない。
図5に図示されるように、ケース側板250(251)には、位置決め部位170Aおよび170Bが設けられている。位置決め部位170Aは、ケース本体110の出口側案内部113側に位置し、ボス部171とボス部の中央に設けられた位置決め孔172を有する。位置決め部位170Bは、ケース側板250(251)のガス排出通路138付近に位置し、位置決め孔173を有する。
位置決め部位170A、170Bは、溶接装置の溶接トーチにより、バスバー150を電池セル140の正極端子140aおよび負極端子140bに接合する際、溶接装置とバスバー150の溶接部位との位置合わせ行うためのものであり、その詳細は後述する。
ケース側板250には、ケース側板250と覆い板160との間のガス放出室に放出されたミスト状のガスを蓄電モジュール100の外部に排出するためのガス排出通路138(図5参照)が設けられている。ガス排出通路138の開口部は、ガスに含まれる電解液などの液体の排出を考慮してケース側板250の下部に形成されている。具体的には、ケース側板250の冷却媒体入口114側であり、かつ出口流路形成部118側のケース側板250に形成されている。ガス排出通路138の先端部分は管状に形成されており、ガス排出通路138から排出されたガスを外部に導くためのガス排出管139(図3参照)が接続されている。
各接続端子810は、電流遮断部811(後述の図8、図9参照)を備えており、制御装置900の電圧検出用コネクタ912(図2、3参照)から延びる接続配線800と、後述する電圧検出導体805とを電流遮断部811を介して電気的に接続している。
接続端子180、181は、それぞれ、それぞれ、接続部180a、181aとバスバー部150a、150bを有し(図5参照)、インサートモールド成形によりケース側板250の一体成形されている。
図10に、ケース側板250にバスバー150を装着した状態の蓄電モジュール100の斜視図を示す。
バスバー150は、電池セル140の間を電気的に接続する金属製、例えば銅製の板状部材であり、ケース側板250とは別体に構成されている。ただし、上述した如く、バスバー150a、150b(図5参照)を有する接続端子180、181は、それぞれ、ケース側板250と一体化して形成されている。
バスバー150は、両端子部157に設けられた電極接合部152において電池セル140の正・負極端子140a、140bに接合される。具体的には、溶接トーチを電極接合部152に位置合わせして電極接合部152と電池セル140の正・負極端子140a、140bとをアーク溶接により接合する。アーク溶接としては、例えばTIG(Titan Inert Gas)溶接、ガスシールドアーク溶接等が挙げられる。
バスバー150に立ち上がり部159を設けることにより、バスバー150の体積が増大して溶接時の放熱を大きくする効果がある。以下、このことについて説明する。
これに対し、本発明の実施形態では、図11に図示されるように、バスバー150の各端子部157には、ケース側板250の貫通孔201の中心部付近に対応する位置に立ち上がり部159が設けられている。このため、立ち上がり部159は貫通孔201の形状による制約を受けること無く、立ち上がり部159の根元から先端まで同一の幅とすることができる。すなわち、立ち上がり部159を設けることにより端子部157の面積は、立ち上がり部159を設けない場合よりも大きくすることができ、結果、バスバー150の体積を大きくして溶接時の放熱量を大きくすることが可能となる。
接続端子180、181は、それぞれ、バスバー150を中央部156で切断したような形状を有し、それぞれ、バスバー150の片側の端子部157と同様な構造を有する。
すなわち、各バスバー部150a、150bは、それぞれ、細長貫通孔151、配線接合部154および2つの電極溶接部152が形成された端子部157を有している。
この場合、接続端子180、181は、バスバー150に対し90度回転した向きに配置されており、それぞれ、接続部180a、181aをケース側板250の上方の外部に突き出した状態でケース側板250に一体成形されている。
図5に図示されるように、最高電位の電池セル140の正極端子140aに接続される先端部800bおよび最低電位負極端子140bに接続される先端部800cが貫通孔201から露出されている。
そして、先端部800b、800cが、それぞれ、バスバー部150a、150bの配線接合部154に溶接される。各バスバー部150a、150bの細長貫通孔151、配線接合部154および2つの電極溶接部152の機能は、バスバー150の場合と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、バスバー150の電極接合部152と電池セル140の正・負極端子140a、140bの溶接方法について説明する。
図13は、バスバー150を円筒形の電池セル140の正・負極端子140a、140bに溶接する方法を説明するための図である。図13は、ケース側板250を透過して内部構造が図示された図とされている。
溶接装置500は、ケース側板250の長手方向の長さに対応する長さを有するフレーム501を有し、フレーム501の両端部側に固定された位置決め軸510、520を有する。位置決め軸510の端部には、ケース側板250(251)の位置決め部位170Aの位置決め孔172に嵌合する先鋭な端部を有する位置決めピン511が形成されている。位置決め軸520の端部には、ケース側板250(251)の位置決め部位170Bの位置決め孔173に嵌合する先鋭な端部を有する位置決めピン521が形成されている。
位置決めピン511と位置決めピン521の間隔は、ケース側板250(251)の位置決め部位170Aの位置決め孔172と位置決め部位170Bの位置決め孔173の間隔と同一である。
溶接トーチ504は、トーチ保持部503の軸方向であるz方向に変位可能に取り付けられている。
すなわち、溶接トーチ504は、図示しない制御装置と駆動機構により、x方向、y方向およびz方向に移動可能にフレーム501に取り付けられている。
ケース本体110に電池セル140を収納して、ケース側板250(251)をケース本体に締結する。次に、バスバー150をケース側板250(251)に取り付ける。取付は、ケース側板250の固定ガイド130aにバスバー150の位置決め孔155を嵌合することにより行う。次に、溶接装置500の位置決めピン511、521を、それぞれ、ケース側板250の位置決め孔172、173に位置合わせし、嵌合する。そして、図示しない制御装置および駆動機構により、溶接装置500の溶接トーチ504を、x、y、z方向に移動してバスバー150の電極接合部152に位置合わせしてアーク溶接を行う。アーク溶接としては、上述した如く、例えば、TIG溶接、ガスシールドアーク溶接等が適している。
接続端子180、181のバスバー部150a、150bと、電池セル140の正極端子140a、140bとの溶接もバスバー150の溶接と同様に行われる。
バスバー150、接続端子180、181のバスバー部150a、150bと電池セル140との溶接方法については、蓄電装置1000の製造方法と共に、さらに詳細を後述する。
筐体910は、扁平な直方体状の金属製箱体であり、高電位側の蓄電モジュール100a及び低電位側の蓄電モジュール100bに対して、ボルト或いはネジなどの固定手段により固定されている。これにより、高電位側の蓄電モジュール100a及び低電位側の蓄電モジュール100bは互いの短手方向の端部同士が制御装置900によって接続されて固定される。すなわち、制御装置900が支持具の機能を兼ねているので、蓄電モジュール100の強度をより向上させることができる。
以上説明した蓄電モジュール100および制御装置900から構成される蓄電装置1000の製造方法、特に、組み立て方法について、図14のフローチャートを用いて説明する。
図14において、ステップS1〜S10が蓄電モジュール100を作製する工程である。
蓄電装置1000は、高電位側の蓄電モジュール100aおよび低電位側の蓄電モジュール100bを備えているが、高電位側の蓄電モジュール100aと低電位側の蓄電モジュール100bとは構造は同一であり、各蓄電モジュールを制御装置900に接続する際の接続方法により、いずれかに確定する。つまり、蓄電モジュール100の組立方法は同一であり、以下に説明する蓄電モジュール100の作成方法は、高電位側および低電位側に共通する。
ケース本体110は、入口流路形成部111、出口側案内部113、冷却媒体入口114及び冷却媒体入口ダクト116、さらに、出口流路形成部118、入口側案内部112、冷却媒体出口115及び冷却媒体出口ダクト117が一体に形成されたものである。
ケース本体110は、例えば、ダイキャストにより形成することが可能である。
また、ケース側板250、251には、それぞれ、図8に図示される2個の接続端子810および電圧検出導体805を一体成形し、また、バスバー部150a、150bを有する接続端子180、181を一体成形しておく。各ケース側板250、251には、電池セル140の正・負極端子140a、140bに接着される接着剤220、221を塗布しておく。
ステップS1においてケース本体110とケース側板251が締結されたケース組立体を、図13に図示されるように、ケース側板251を下側にして、図示しない、取付台にセットする。ケース組立体は、取付台にセットすることにより、例えば、ケース側板250、251に形成された位置決め部位170A、170B等の各部位の位置が、所定の位置に定まるようになっている。ケース側板250に、図7に図示されるように接着剤220および221を塗布する。
先ず、各バスバー150をケース側板250に取り付ける。バスバー150の取り付けは、ケース側板250の固定ガイド130aにバスバー150の位置決め孔155を嵌合する(図11参照)ことによりなされる。これにより、各バスバー150の電極接合部152が、電池セル140の正・負極端子140a、140bの所要の箇所に位置決めされる。
これには、先ず、溶接装置500の位置決めピン511、521を、それぞれ、ケース側板250の位置決め孔172、173に嵌合する。ケース組立体がセットされた取付台は、生産時には、コンベアにより搬送される。この取付台を停止ピンにより停止させることにより、ケース側板250に設けられた位置決め孔172、173の位置が、取付台の搬送路上の所定の位置に位置づけられる。
この状態で、溶接装置500の位置決めピン511、521を、それぞれ、ケース側板250の位置決め孔172、173に嵌合する。位置決めピン511、521は、それぞれ、先端側が細くなっているため、ケース側板250の位置決め孔172、173が多少ずれている場合であっても、位置決めピン511、521によりケース側板250が正確な位置に変位する。
従って、本一実施の形態によれば、テレビカメラを用いること無く、溶接装置500とケース側板250との位置合わせを正確に行うことができる。
この場合、接続端子180、181に一体に形成されたバスバー部150a、150bを、バスバー150と同様に、それぞれ、電池セル140の正極端子140aまたは負極端子140bに溶接する。
シール部材は、弾性を有する円環状のシール部材(例えばゴム製のOリング)であり、ケース側板250に形成された溝に嵌め込まれている。シール部材には液状ガスケットを用いても構わない。
この工程は、ステップS4と同様に行われものであり、ここでは説明を省略する。
この工程は、ステップS5と同様に行われものであり、ここでは説明を省略する。
この工程は、ステップS6と同様に行われものであり、ここでは説明を省略する。
ステップS1〜S10を繰り返して行い、蓄電モジュール100aおよび100bを作製する。
次に、ステップS11において、ステップS1〜ステップS10に示された方法により組立てられた蓄電モジュール100a、100bを、それぞれの長手方向が平行になるように並置した状態で、モジュールベース101を組み付ける。モジュールベース101は、ボルト、ネジ、リベットなどの締結定手段によりケース本体110の底部に固定される。
各蓄電モジュール100の接続配線800のコネクタを各蓄電モジュール100の接続端子810および制御装置900の電圧検出用コネクタ912にそれぞれ接続する。制御装置900には、一端が高電位側の蓄電モジュール100aの高電位側に接続され、他端が低電位側の蓄電モジュール100bの負極側に接続されたSDスイッチ700が設けられている。
以上のステップS1〜S11の組み立て作業により、蓄電装置1000が完成する。
以上説明した一実施の形態による蓄電モジュール100では、バスバー150が位置決めされるケース側板250、251に、溶接装置500の位置決めピン511、521が嵌合する位置決め孔172、173が設けられている。このため、位置決めピン511、521を位置決め孔172、173に嵌合するだけで、正確に位置決めがなされる。結果、バスバー150と電池セル140の正・負極端子140a、140bの接合を大変効率的に行うことが可能となる。
上述の如く、各バスバー150に立ち上がり部159を設け、楕円形の細長貫通孔151を設けることで、バスバー150と電池セル140との溶接時に発生する熱に対して、高い信頼性が確保される。
(1)蓄電モジュール100は、複数の電池セル140と、複数の電池セル140を収納するケース本体110と、複数の電池セル140を電気的に接続するための複数のバスバー150と、複数の電池セル140のそれぞれの電圧を検出するための電圧検出導体805とを備える。ケース本体110は、少なくとも、複数の電池セル140を両側から挟みこんで支持する一対の樹脂製のケース側板250、251を有する。図8、9に示すように、電圧検出導体805は、所定の形状に成形されて、ケース側板250、251と一体化されている。これにより、電圧検出用のリード線を手作業でケース側板250、251に引回して設置するためのスペースおよび煩雑な製造工程が不要となり、蓄電モジュール100を効率的に製造することができる。特に、小型化が要求される蓄電モジュール100に対する電圧検出導体805の設置を容易に行うことができる。
電流遮断部811を電圧検出導体805の他端部に設けることにより、例えば、接続配線800に短絡が発生した場合に、電流遮断部811が電圧検出導体805の他端部で電流が遮断されることになる。これにより、蓄電モジュール100全体を保護することができる。この場合、接続配線800および電流遮断部811を取り替えることにより、蓄電モジュール100を再利用することが可能となる。なお、電圧検出導体805は、所定の形状に成形されたうえでケース側板250、251と一体化されているため、電圧検出導体805自体では実質的に短絡が発生しない。
以上説明した一実施の形態では、所定の形状に成形した電圧検出導体805をインサートモールドしてケース側板250、251と一体成形したが、電圧検出導体805とケース側板250、251との一体化の方法はこれに限定されない。例えば、ケース側板250、251をそれぞれ2つの部材から構成し、これらの2つの部材の間に所定の形状に成形した電圧検出導体805をはめ込むことにより、一体化してもよい。ただし、電圧検出導体805をはめ込んでケース側板250、251と一体化すると、インサートモールド成形により形成したケース側板250、251に対してケース側板250、251の厚みが増加する傾向にあるため、インサートモールド成形によりケース側板250、251と電圧検出導体805を一体成形することが好ましい。
ケース側板250、251に形成する位置決め孔172、173は、貫通孔でなく、凹部としてもよい。
また、電池セルに限らず、円筒形のリチウムイオン等のキャパシタに適用することができる。
110 ケース本体、
140 電池セル(蓄電セル)
140a 正極端子
140b 負極端子
150 バスバー
151 貫通孔
152 電極接合部
157 端子部
159 立ち上がり部
170A、170B 位置決め部位
172、173 位置決め孔
250、251 ケース側板、
500 溶接装置
511、521 位置決めピン
504 溶接トーチ(接合ヘッド)
900 制御装置
1000 蓄電装置
Claims (6)
- 一端側に正極端子、前記一端側に対向する他端側に負極端子を有する複数の円筒形の蓄電セルと、
前記複数の円筒形の蓄電セルを収納する収納部を有するケース本体と、前記ケース本体の一側面に取り付けられ、前記円筒形の蓄電セルの各正極端子および各負極端子の少なくとも一部を露出する開口部を有するケース側板とを有する電池容器と、
前記ケース側板に位置決めされ、前記ケース側板の開口部から露出された前記円筒形の蓄電セルの正極端子および負極端子に接合されたバスバーとを備え、
前記ケース側板には、前記バスバーに対して所定の位置に設定され、溶接装置を位置決めするための位置決め部が設けられており、前記位置決め部は、前記溶接装置の位置決めピンが嵌合される位置決め孔であるか、または前記溶接装置の位置決め孔が嵌合される位置決めピンであることを特徴とする蓄電モジュール。 - 請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、前記ケース側板は、前記バスバーを位置決めするためのガイド部を有し、前記バスバーは前記ガイド部に嵌合する嵌合部を有することを特徴とする蓄電モジュール。
- 請求項1に記載の蓄電モジュールにおいて、前記バスバーは、前記ケース側板に一体成形されていることを特徴とする蓄電モジュール。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電モジュールにおいて、前記電池容器に、前記円筒形の蓄電セルに接続される接続配線が一体成形されていることを特徴とする蓄電モジュール。
- 請求項4に記載された蓄電モジュールにおいて、前記接続配線の端部は、前記バスバーに接合されていることを特徴とする蓄電モジュール。
- ケース本体の内部に、正極端子および負極端子を有する複数の円筒形の蓄電セルを、前記正極端子と負極端子が交互に配置されるように収納する電池収納工程と、
前記ケース本体の一側面に、前記円筒形の蓄電セルの各正極端子および各負極端子の少なくとも一部を露出する開口部を有するケース側板を取り付けるケース側板取付工程と、
前記ケース側板に前記円筒形の蓄電セルの正極端子および負極端子に接合される接合部を有するバスバーを取り付けるバスバー取付工程と、
前記ケース側板に設けられた位置決め部と溶接装置とを位置決めする位置決め工程と、
前記溶接装置の接合ヘッドを移動して、前記バスバーを前記円筒形の蓄電セルの正極端子および負極端子に接合する接合工程とを含み、
前記ケース側板に設けられた位置決め部は、凹部または孔であり、前記接合工程は、前記凹部または孔に前記溶接装置のケース位置決めピンを嵌合する工程を含むことを特徴とする蓄電モジュールの製造方法。
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