JP5721840B2 - 音響性能計算装置、音響性能計算方法、及び音響性能計算プログラム - Google Patents

音響性能計算装置、音響性能計算方法、及び音響性能計算プログラム Download PDF

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Description

本発明は、音響性能計算装置、音響性能計算方法、及び音響性能計算プログラムに関する。
自動車、OA機器、家電製品、住宅といった様々な製品の付加価値の一つとして、「静粛性」が求められるようになってきている。この静粛性を高めるためには、吸音、遮音といった作用を持つ材料が用いられることが多い。このような材料は音響材料と呼ばれている。音響材料は、単一材料である場合もあれば、複数の材料を層状に積み重ねた積層材料である場合もある。
ここで、吸音とは、ある材料に入射した音が反射せずに当該材料に吸収される、または透過することをいう。吸音の性能は吸音率という値で評価される。また、遮音とは、ある材料に入射した音が当該材料を通り抜けないことをいう。遮音の性能は音響透過損失という値で評価される。吸音率及び音響透過損失はいずれも周波数の関数である。吸音率と音響透過損失とをまとめて音響性能と呼ぶ。
音響材料を開発する場合には、実際に試作してみて、当該試作材料の音響性能を実測してその測定結果が所望のものかどうかを確認し、所望の結果が得られるまで試作と実測とを繰り返すことが一般的である。ただ、試作を複数回行うことになるため材料のコストがかさむ。また、試作材料の音響性能を実測するためには、専用の設備が必要となる。さらに、試作と実測とを繰り返すため、開発期間が長期化することが多い。
そこで、試作及び実測を繰り返すという手法に代えて、音響材料を数理モデルとして数学的に表現し、その数理モデルにしたがって当該音響材料の音響性能を計算するという手法がとられることもある。この手法の場合、モデル化しようとする材料の特性、例えば当該材料の密度、厚さといった材料パラメータの値を決め、それらの値を用いて当該材料の音響性能を計算する。数理モデルにはいくつかあり、モデル化の対象となる材料の種類によって、使用する数理モデルが異なる。また、数理モデルによって必要となる材料パラメータの種類も異なる。もちろん、音響材料が積層材料である場合には、材料ごとに異なる数理モデルを用いることができる。
例えば、グラスウールなどの多孔質材料をモデル化する場合には、等価流体モデル、剛フレームモデル、ビオ(Biot)モデルなどが用いられる。また、鉄板などの非通気性の弾性材料に対しては別のモデルが用いられる。特に、ビオモデルについては、非特許文献1〜3に記載されている。
上述したいくつかの数理モデルのうち、ビオモデルについて具体的に説明する。図1は、ビオモデルにおいて想定されている、音響材料P内の音の伝搬の様子を示している。音響材料Pは多孔質材料であり、弾性を有する固体である骨格Fと、骨格Fの間にある空隙Aとからなる。このような音響材料Pに入射した音S1は、空隙Aを空気伝搬音S2として伝搬し、骨格Fを固体伝搬音S3として伝搬する。空気伝搬音S2は骨格Fとの粘性損失L1及び熱交換損失L2によりエネルギーが失われる。また、固体伝搬音S3は内部損失L3によりエネルギーが失われる。さらには、空気伝搬音S2により固体伝搬音S3が励起されるといった、空気伝搬音S2と固体伝搬音S3との相互作用Mも生じる。
図1を踏まえて、ビオモデルでは、(1)多孔度と(2)流れ抵抗と(3)迷路度と(4)粘性特性長と(5)熱的特性長と(6)密度と(7)内部損失係数と(8)せん断弾性率と(9)ポアソン比という9つの材料パラメータが用いられる。
上記の材料パラメータのうち、(1)多孔度と(2)流れ抵抗と(3)迷路度と(4)粘性特性長と(5)熱的特性長とは、音響材料Pの流体特性、すなわち、空気伝搬音S2に関するものである。具体的には、多孔度は、音響材料P中の空気の占める割合である。空隙Aの占める割合が大きいほど音響材料Pの多孔度は大きくなる。次に、流れ抵抗は、音響材料P中の空気の流れにくさを表す数値である。音は空気の振動であるため、音響材料Pの流れ抵抗が大きい場合には、当該材料P内では空気が流れにくくなり、つまり、当該材料Pは音を伝えにくい材料であると言える。この流れ抵抗は、材料パラメータの中でも、非常に大きなウェイトをしめるものである。また、迷路度は、空隙Aにより生まれる空気の経路の形状の複雑さを表す数値である。迷路度が大きければ、それだけ音が材料P中を長く伝わるため、より吸音されることになる。粘性特性長及び熱的特性長は、それぞれ、粘性損失L1及び熱交換損失L2の大きさを表す数値である。
また、上記の材料パラメータのうち、(6)密度と(7)内部損失係数と(8)せん断弾性率と(9)ポアソン比とは、音響材料Pの弾性特性、すなわち固体伝搬音S3に関するものである。
そして、上記9つの材料パラメータを用いた波動方程式を解くことにより、音響材料P中を伝わる音波の波数と特性インピーダンスが得られる。まず、波数について具体的に説明すると、ビオモデルでは、3つの波、すなわち速い縦波と遅い縦波とせん断波とが音響材料P中を伝搬すると想定している。つまり、これらの3つの波に対してそれぞれ波数が得られる。次に、特性インピーダンスについては、速い縦波と遅い縦波とに関してそれぞれ、空隙Aに存在する空気中での特性インピーダンスと骨格F中での特性インピーダンスとが得られる。また、せん断波については、骨格Fのみを伝搬するため骨格F中での特性インピーダンスが得られる。つまり、上記3つの波に関して、合計5つの特性インピーダンスが得られる。ビオモデルによれば、以上のような3つの波数と5つの特性インピーダンスとを用いて、音響材料Pの音響性能を計算することができる。
中川 博、"音響材料について"、[online]、平成15年6月、日東紡音響エンジニアリング株式会社、[平成23年11月16日検索]、インターネット〈URL:http://www.noe.co.jp/technology/19/19meca3.html〉 中川 博、"音響材料について(その2)"、[online]、平成16年6月、日東紡音響エンジニアリング株式会社、[平成23年11月16日検索]、インターネット〈URL:http://www.noe.co.jp/technology/21/21meca2.html〉 中川 博、"音響材料について(その3)"、[online]、平成17年7月、日東紡音響エンジニアリング株式会社、[平成23年11月16日検索]、インターネット〈URL:http://www.noe.co.jp/technology/22/22meca1.html〉
上述したように、ビオモデルなどの数理モデルにしたがって音響材料をモデル化し、そのモデル化された音響材料の音響性能を求めるためには、当該音響材料を特徴付ける材料パラメータを決める必要がある。これらの材料パラメータの値を実測して、その値を用いることもできるが、実測には比較的高度な測定技術が必要となる。もっとも、音響材料によっては計測不可能な材料パラメータも存在する。また、実測により得られた材料パラメータの値が当該音響材料の特性を正しく表しているかどうかを検証することは煩雑かつ困難である。
したがって、音響材料の音響性能を数理モデルに基づいて計算するためには、その数理モデルに応じて必要となる複数の材料パラメータの値を、推測または実測といった何らかの手段によって決める必要がある。そして、このようにして決定された複数の材料パラメータの値を用いて、数理モデルにしたがって音響性能を計算することになる。計算された音響性能が所望のものでない場合には、材料パラメータの値を変更して再度計算することになる。しかし、所望の音響性能を得るために材料パラメータをどのような値にすべきかを事前に予測することは難しい。つまり、材料パラメータの値の決定とそれに基づく音響性能の計算とを何度も繰り返す必要があり、その結果、手順が煩雑となり計算にかかる時間も莫大となる。
そこで、本願の開示内容は、音響材料を特徴付ける材料パラメータの様々な値に対して、当該音響材料の音響性能の検討を容易に行えるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本願に開示する音響性能計算装置は、音響材料を数学的に表現する数理モデルに基づいて、前記音響材料を特徴付ける複数の材料パラメータのうちの1種類につき予め指定した数値範囲にある複数の値のそれぞれに対して、前記音響材料の音響性能を算出し、前記1種類の材料パラメータの値と周波数とを2軸として、前記算出された音響性能を等高線で表した等高線図を、前記音響性能の値に応じて色を分けて描画するとともに、前記等高線図の周波数軸に平行な直線状のカーソルと前記カーソルが示す前記1種類の材料パラメータの値の表示とを前記等高線図上に描画し、前記数値範囲内の1つの値における、前記周波数と前記音響性能との関係を表す性能曲線をプロット図に描画し、ユーザの入力に応じて前記等高線図における前記カーソルの表示位置と前記1種類の材料パラメータの値の表示とを変更し、変更された前記1種類の材料パラメータの値の表示に対応する性能曲線を前記プロット図に描画する。
上記の目的を達成するために、本願に開示する音響性能計算装置は、別の形態として、音響材料を数学的に表現する数理モデルに基づき、前記音響材料を特徴付ける複数の材料パラメータの各値を用いて前記音響材料の音響性能を算出するとともに、算出された音響性能と比較対象となる別の音響性能との関係に基づいて、選択されたある一つの材料パラメータを最適化の対象とした評価関数を決定し、決定された前記評価関数を最小化または最大化するという最適化問題を、ある最適化手法を用いて解くことにより、前記選択されたある一つの材料パラメータの最適解を算出する。評価関数の決定と、最適解の算出とは、前記複数の材料パラメータの各々について行われる。
本願の開示内容によれば、音響材料を特徴付ける材料パラメータの様々な値に対して、当該音響材料の音響性能の検討を容易に行うことができる。
音響材料内の音の伝搬の様子を示す説明図である。 音響性能計算装置の機能構成例を示す説明図である。 音響性能計算装置のハードウェア構成例を示す説明図である。 音響性能計算装置により行われる処理のフローチャートである。 等高線図の一例である。 プロット図の一例である。 音響性能計算装置により行われる別の処理のフローチャートである。 等高線図の別の例である。 プロット図の別の例である。 音響性能計算装置により行われるさらに別の処理のフローチャートである。 プロット図のさらに別の例である。 平行移動距離との相互相関関数の値との関係を表すグラフである。 平行移動した性能曲線を示すプロット図である。 周波数の差分の別の例を示す説明図である。 他の実施形態に係る音響性能計算装置の機能構成例を示す説明図である。 他の実施形態に係る音響性能計算装置により行われる処理のフローチャートである。 他の実施形態に係る音響性能計算装置により行われる処理のフローチャートである。 等高線図の別の例である。 他の実施形態に係る音響性能計算装置により行われる処理のフローチャートである。
[音響性能計算装置]
図2は、音響性能計算装置1の機能構成例を示している。この音響性能計算装置1は、ユーザ入力受付手段11と、このユーザ入力受付手段11が受け付けたユーザの入力内容を元に音響性能を算出する音響性能算出手段12と、その算出結果を描画する等高線図描画手段13及びプロット図描画手段14とを備えている。さらに、音響性能計算装置1は、音響性能に関するデータを外部から読み込むデータ読込手段15を備えている。加えて、音響性能計算装置1は、音響性能算出手段12及びデータ読込手段15の出力内容に応じて動作する相関関係算出手段16と、周波数差分算出手段17と、音響性能差分算出手段18と、順位決定手段19とを備えている。各手段のそれぞれの機能の詳細は後述する。
図3は、音響性能計算装置1のハードウェア構成例を示している。音響性能計算装置1は、CPU51と、インタフェース装置52と、表示装置53と、入力装置54と、ドライブ装置55と、補助記憶装置56と、メモリ装置57とを備えており、これらがバス58により相互に接続されている。
音響性能計算装置1の機能を実現するプログラムは、CD−ROM等の記録媒体59によって提供される。プログラムを記録した記録媒体59がドライブ装置55にセットされると、プログラムが記録媒体59からドライブ装置55を介して補助記憶装置56にインストールされる。あるいは、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体59により行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータからダウンロードすることもできる。補助記憶装置56は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
メモリ装置57は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置56からプログラムを読み出して格納する。CPU51は、メモリ装置57に格納されたプログラムにしたがって音響性能計算装置1の機能を実現する。インタフェース装置52は、ネットワークを通して他のコンピュータに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置53はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置54はキーボード及びマウス等である。
[音響性能計算装置による処理その1]
図4は、所望の音響性能に対応する材料パラメータの値の決定に際して、音響性能計算装置1が行う処理の流れを示している。
まず、ステップS101にて、音響性能を計算する対象となる単一材料、または積層材料を構成する各材料に対して、ユーザが数理モデルを選定し、その選定結果をユーザ入力受付手段11が受け付ける。ここでは、一例として、対象となる音響材料を、グラスウール層と空気層とを積み重ねた積層材料とする。そして、グラスウール層についてはビオモデルが選定され、空気層については空気層モデルが選定されたとする。
ステップS102では、ステップS101にて選定された数理モデルに必要な材料パラメータの値をユーザが暫定的に決め、ユーザによるそれらの値の入力をユーザ入力受付手段11が受け付ける。
ステップS103では、選定された数理モデルに必要な材料パラメータのうち、検討対象とする材料パラメータをユーザが一つ選定し、その選定結果をユーザ入力受付手段11が受け付ける。同時に、音響性能算出手段12は、選定された一つの材料パラメータの数値範囲を予め指定する。この数値範囲は、ステップS102にてユーザ入力受付手段11が受け付けた当該材料パラメータの暫定的な値とは無関係に指定される。なお、ここでいう「検討」とは、所望の音響性能を得るために必要となる材料パラメータの具体的な値を見きわめるという意味である。
対象の音響材料が上述したようなグラスウール層と空気層の積層材料であれば、一例として、ビオモデルが適用されているグラスウール層の流れ抵抗が検討対象の材料パラメータとして選定され、その選定結果をユーザ入力受付手段11が受け付ける。同時に、音響性能算出手段12が、流れ抵抗(単位:N・s/m)の数値範囲を1000.0から1.0e+007と予め指定する。ただし、「e」は10のべき乗を表している。上記の例で言えば、「1.0e+007」は「1.0×10」を意味する。
ステップS104では、音響性能算出手段12が、ステップS101にて選定された数理モデルに基づき、検討対象として選定されている材料パラメータの前記指定された数値範囲にわたって音響性能を算出する。具体的には、音響性能算出手段12は、材料パラメータについては前記指定された数値範囲の中で例えば等間隔に100個の値を選ぶとともに、周波数については100.0から1.0e+004という数値範囲の中から例えば等間隔に100個の値を選ぶ。この場合、音響性能算出手段12は、100×100=10000通りの音響性能の値を計算する。なお、音響性能を算出するにあたり、検討対象として選定されていないその他の材料パラメータについても値が必要となるが、それらの値としてはステップS102にて受け付けられた値を用いる。また、算出対象の音響性能は、吸音率、音声透過損失のいずれか一方または両方のどちらでもよいが、ここでは一例として吸音率が算出されたとする。もちろん、100個、10000通りといった数字は一例に過ぎない。
ステップS105では、等高線図描画手段13が、音響材料の材料パラメータの値と周波数とを2軸として、音響性能算出手段12により算出された音響性能を等高線で表した等高線図を描画し、表示装置53に表示する。この等高線図の一例を図5に示している。図5に示した等高線図は、周波数を横軸とし、材料パラメータの一つである流れ抵抗を縦軸として、吸音率を等高線で表している。この等高線図は、吸音率の値によって色別に表示されているが、図5においてはカラーではなく複数種の網掛けを用いて表現している。例えば、符号Rで示した領域は、吸音率が0.95から1.00の範囲にある領域であり、赤色で表示されている。また、符号Bで示した領域は、吸音率が0から0.11の範囲にある領域であり、青色で表示されている。さらに、吸音率が0.11から0.95の範囲にある領域については、吸音率が小さくなるについて、色相が赤系統から青系統へと徐々に変化していくように色別に表示されている。
また、等高線図描画手段13は、縦軸の流れ抵抗の値に対応する、横軸の周波数軸に平行な直線状のカーソル71を等高線図上に表示する。さらに、等高線図描画手段13は、カーソル71が示す材料パラメータの値の表示72も等高線図上に表示する。図5では、カーソル71が、表示72にあるように、流れ抵抗の値として「5.0e+004」を示している。
図5に示しているように、等高線図描画手段13は、等高線図の左側にスライダー73をも描画する。ユーザは、入力装置54を用いてスライダー73を等高線図の縦軸方向に動かすことにより、カーソル71を移動させることができる。
ステップS106では、ユーザによるスライダー73の操作結果を受け付けたかどうかをユーザ入力受付手段11が判断する。この判断結果が「正」である場合には、ステップS107に進む。
ステップS107では、等高線図描画手段13が、カーソル71の表示位置を変更し、その表示位置における材料パラメータの値の表示72も変更する。続いてプロット図描画手段14が、変更された材料パラメータの値の表示72が示す材料パラメータの値における、周波数と音響性能との関係を示す性能曲線をプロット図に描画する。つまり、材料パラメータの前記数値範囲のうち、ユーザが選択した1つの値に対して1つの性能曲線がプロット図描画手段14により描かれる。この性能曲線は、ステップS101に基づいて選定された数理モデルに基づくものである。
このプロット図の一例を図6に示している。図6に示しているプロット図には、図5の表示72が示しているような流れ抵抗が「5.0e+004」である場合の、周波数と音響性能との関係を表す性能曲線81を示している。
本ステップにより、ユーザは、表示装置53上でカーソル71を適宜移動させることができ、例えば、符号Rで示した領域を横切るような位置にカーソル71を移動させることができる。そして、移動後のカーソル71が示す材料パラメータの具体的な値を表示72から知ることができる。同時に、ユーザは、表示72が示す材料パラメータの値における性能曲線をプロット図から確認することができる。
以上のようなステップS107を終えるとステップS106に戻る。そして、ステップS106の判断結果が「否」である場合には、次のステップS108に進む。
ユーザは図5に示したような等高線図を確認した上で、所望の音響性能を得る材料パラメータが前記指定された数値範囲に存在しないと判断した場合には、ユーザが入力装置54を用いて材料パラメータの数値範囲を設定し直すことができる。ステップS108では、ユーザ入力受付手段11が、検討対象となっている材料パラメータについて数値範囲の再設定が入力されたか否かを判断する。
ステップS108における判断結果が「正」である場合には、ステップS109にて、音響性能算出手段12が、検討対象となっている材料パラメータの数値範囲を再設定する。その後、ステップS104〜S108が繰り返される。そして、ステップS108における判断結果が「否」の場合に処理を終了する。
このようにして、ユーザは、所望の音響性能を得るための材料パラメータの値を決めることができる。図5の例でいえば、カーソル71及び表示72により、周波数が4.3e+003Hzの場合に吸音率が0.95から1.00となるようにするためには、流れ抵抗の値を5.0e+004(N・s/m)とすればよいことがわかる。
本実施形態によれば、上述のように等高線図とプロット図とを表示させることができる。そして、スライダーを操作することにより、検討対象としている材料パラメータの値に依存した音響性能の変化を検討することができる。同時に、検討対象としている材料パラメータのある値に対応する音響性能の詳細は、プロット図により確認することができる。
さらに、スライダー及び検討対象としている材料パラメータのカーソル及び具体的な値が表示されるため、検討対象としている材料パラメータの値を的確かつ定量的に決定することができる。
加えて、本実施形態によれば、検討対象としている材料パラメータの数値範囲を予め指定した上で、ステップS104にてその数値範囲にわたり音響性能を纏めて計算するため、検討対象としている材料パラメータの値を変化させるたびに再計算を行う必要がない。これを音響性能計算装置1のユーザから見ると、スライダー73を操作して、所望の音響性能が得られる位置にカーソル71を移動させた場合に再計算が行われないため、移動後のカーソル71が示す材料パラメータの値を待ち時間なく迅速に知ることができる。
本実施形態によれば、検証対象とする音響材料の音響性能が向上するような材料パラメータの値を定量的に得ることができる。ゆえに、音響材料の開発方針を容易に定めることができる。また、数理モデルに基づく検討であるため、実際に試作物を製作する必要がなく、音響材料の開発コストを削減することが可能となる。
[音響性能計算装置による処理その2]
図7は、数理モデルに基づいて音響材料の音響性能を計算し、その結果を、別の音響材料の実測により得られた音響性能とを比較した上で、数理モデルに基づく音響材料の材料パラメータの値を決定する際の音響性能計算装置1による処理の流れを示している。図4と重複する処理については同じ符号を付している。
まず、ステップS101からS107については、図4を参照して既に説明したとおりである。このうち、ステップS105にて表示される等高線図の別の例を図8に示している。この図8の表示72に示す流れ抵抗の値「5.2e+006」における、周波数と音響性能との関係を表す性能曲線82がステップS107にて表示される。つまり、性能曲線82は数理モデルに基づくものである。
ステップS201では、データ読込手段15が、比較対象のデータとして音響性能の実測データを読み込む。次いで、その読込結果に応じてプロット図描画手段14がプロット図を表示装置53に表示する。この比較対象となる音響性能の実測データの一例を図9の性能曲線83として示している。つまり、性能曲線83は実測に基づくものである。
次に、ユーザは、数理モデルに基づく性能曲線82と実測に基づく性能曲線83とを比較し、両者が互いに類似しているかどうかの判断結果を、入力装置54を用いて音響性能計算装置1に入力する。ステップS202では、この入力結果をユーザ入力受付手段11が受け付ける。類似していないとの入力結果が受け付けられた場合にはステップS108に進み、さもなければ処理を終了する。
ステップS108の判断結果が「正」である場合には、ステップS109とステップS104〜S107とステップS201、S202とを繰り返す。その結果、ステップS108の判断結果が「否」となった場合にはステップS203に進む。
ステップS203では、ユーザ入力受付手段11が、検討対象とする別の材料パラメータの選定結果を受け付ける。例えば、それまでに材料パラメータとして「流れ抵抗」が検討対象とされていた場合には、本ステップにて「密度」を選定することができる。そして、ステップS104〜S107とステップS201、S202とステップS108とが繰り返される。最終的には、ステップS202の判断結果が「正」となり、処理が終了する。
このようにして、ユーザは、所望の音響性能を得るための材料パラメータの値を決めることができる。本実施形態では、図8の等高線図及び図9のプロット図から、実測した音響材料の音響性能に近い音響性能を数理モデルに基づく音響材料で得るためには、流れ抵抗の値を5.2e+006(N・s/m)とすればよいことがわかる。
本実施形態によれば、音響性能の実測値と数理モデルに基づく音響性能の算出値との比較が視覚的に容易となるため、前記実測値に対応する材料パラメータの値を求めることができる。もちろん、材料パラメータの値を実測することもできるが、この実測には特殊な設備が必要となる。この点で、本実施形態は実測ではなく計算により材料パラメータの値を求めることができるため優れている。また、本実施形態は、測定によって得られた材料パラメータの値の確からしさを検証する場合にも有用である。
[音響性能計算装置による処理その3]
図10は、数理モデルに基づいて音響材料の音響性能を計算し、その結果を、別の音響材料の実測により得られた音響性能とを比較した上で、数理モデルに基づく音響材料の材料パラメータの値を決定する際の音響性能計算装置1による処理の流れの別の例を示している。図7と重複する処理については同じ符号を付している。
まず、ステップS101からS104及びステップS201については、それぞれ、図7を参照して既に説明したとおりである。
ステップS301では、相関関係算出手段16が、図11に示すような、数理モデルに基づく性能曲線84と、実測に基づく性能曲線85との相関関係を複数個算出する。相関関係の具体例として、相互相関関数と相関係数とがあり、必要に応じていずれか一方または両方を算出することができる。ここでは、相互相関関数のみを算出することとする。また、材料パラメータの値が、ステップS103において指定される数値範囲内に100個あれば、数理モデルに基づく性能曲線84も100通りあることになる。したがって、数理モデルに基づく100通りの性能曲線84と、実測に基づく1通りの性能曲線85との関係で、100個の相互相関関数を相関関係算出手段16が算出する。
相関関係算出手段16が算出する100個の相互相関関数のうちの1つを図12の相互相関関数91として示している。図12において、横軸は平行移動距離G(単位:Hz)であり、縦軸は相互相関関数の値である。この相互相関関数の値は、数理モデルに基づく性能曲線84の形状と実測に基づく性能曲線85の形状との類似度を表している。相互相関関数91において、相互相関関数の値が最大となる点が点J2であり、この点J2における平行移動距離Gは1100Hzであり、相互相関関数の値は0.47343である。この相互相関関数が最大となる点J2とその平行移動距離1100Hzとは、図11において、数理モデルに基づく性能曲線84を平行移動距離1100Hzだけ周波数軸の右方向に平行移動させると、実測に基づく性能曲線85に最も類似することを示している。ただし、点J2が平行移動距離Gが0Hzの相互相関関数の値を示す点J1よりも左側にある場合は、その平行移動距離Gを負の値で示している。
ステップS302では、相関関係算出手段16が、ステップS301にて算出された100個ある相互相関関数のうち、その最大値が所与の実定数Cの値以上の相互相関関数を選択し、メモリ装置57に保存する。ただし、実定数Cは0以上1以下であり、その具体的な値はユーザ入力受付手段11が事前に受け付けておく。なお、相互相関関数または相関係数が1に近いほど、両性能曲線の形状が互いに類似しているといえる。また、相互相関関数または相関係数が0に近いほど、両性能曲線の形状が互いに類似していないといえる。一例として、本ステップで、最大値が所与の実定数Cの値以上の相互相関関数が20個選ばれたとする。これに対応して、数理モデルに基づく性能曲線84も20通りあることになる。つまり、材料パラメータの値も20通りあることになる。これ以降のステップも、この「20個」という数字を例にして説明する。
ステップS303では、周波数差分算出手段17が、数理モデルに基づく性能曲線84と、実測に基づく性能曲線85との周波数の差分を20通り求める。この「周波数の差分」について説明するために、図12を再び参照する。上述したように、相互相関関数91が最大となる場合の平行移動距離Gは1100Hzである。本ステップでは、周波数差分算出手段17が、相互相関関数91の値が最大となる場合の平行移動距離Gを周波数の差分Hとして求める。つまり、周波数の差分Hは1100Hzである。ステップS302で相互相関関数が20個選ばれているため、周波数の差分Hも20通り求められる。
つまり、ステップS303では、相関関係算出手段16が算出した数理モデルに基づく性能曲線84と実測に基づく性能曲線85との相互相関関数から、周波数差分算出手段17が、その相互相関関数が最大となる平行移動距離Gより算出される周波数の差分Hを決定する。本ステップでは、このような周波数の差分Hが20通り算出される。
ステップS304では、音響性能差分算出手段18が、ステップS303で求めた周波数の差分Hだけ数理モデルに基づく性能曲線84を平行移動させる。この平行移動させた性能曲線が図13における性能曲線84aである。続いて、数理モデルに基づく性能曲線84を平行移動させた性能曲線84aと、実測に基づく性能曲線85との音響性能の差分Dを20通り求める。
音響性能の差分Dについて詳しく説明する。上述したように、性能曲線84を周波数の差分H(つまり、1100Hz)にわたって平行移動させた性能曲線84aは、性能曲線85との関係で相関が最も高い。これら性能曲線84aと性能曲線85との両方が存在する周波数帯域を帯域Lとする。本例では、帯域Lは1100Hzから5000Hzである。そして、帯域L内の周波数のある値における性能曲線84a上の点及び性能曲線85上の点をそれぞれ点K1及びK2とする。さらに、点K1における吸音率をα84a(f)とし、点K2における吸音率をα85(f)とする。そして、帯域Lから周波数の値を例えば等間隔にN個選ぶ。このN個の周波数の値のそれぞれについて|α85(f)−α84a(f)|を計算し、その総和の平均値を音響性能の差分Dと呼ぶ。つまり、音響性能の差分Dは、帯域Lにおける、性能曲線84aと性能曲線85との音響性能の差の絶対値の総和の平均値であり、次式のように表される。
Figure 0005721840
本ステップでは、このような音響性能の差分Dを音響性能差分算出手段18が20通り算出する。
ステップS305では、順位決定手段19が、それぞれ20通りある相互相関関数の最大値の大きさと周波数の差分Hの小ささと音響性能の差分Dの小ささとに基づいて、20通りの性能曲線84のそれぞれに対応する材料パラメータの20通りの値の順位を決定する。
ステップS306では、順位決定手段19が最も順位の高い材料パラメータの値を決定する。この値に合わせて、等高線図描画手段13は、カーソル71の表示位置と材料パラメータの値の表示72とを変更する。また、プロット図描画手段13は、決定された材料パラメータの値に対応する性能曲線82をプロット図に描画する。そして、処理が終了する。
本実施形態によれば、実際に存在する音響材料の音響性能の実測値と、数理モデルに基づく音響性能の算出値との比較を、目視ではなく計算により行うことができ、数理モデルの対象となっている音響材料の材料パラメータの所望の値を知ることができる。材料パラメータの種類によっては計測が困難なものもあるが、本実施形態によればそのような材料パラメータであっても所望の値を知ることができる。つまり、材料パラメータの実測値を得るための高度な計測技術がなくても、材料パラメータの具体的な値を知ることができる。
ステップS303の別の例では、周波数差分算出手段17が周波数の差分として別の数値を求めることもできる。これを図9に類似する図14を参照して説明する。図14には、数理モデルに基づく性能曲線86と実測に基づく性能曲線87とが示されている。両性能曲線の形状は比較的単純である。さらに、視覚的に両性能曲線の形状の類似度は比較的高いといえる。そして、数理モデルに基づく性能曲線86上には極値点K3が存在しており、実測に基づく性能曲線87上には極値点K4が存在している。このような極値点K3の周波数と極値点K4の周波数との差の絶対値を周波数の差分Hとして周波数差分算出手段17が算出することもできる。このようにして、両性能曲線が図14に示したような比較的単純な形状であり、かつ両性能曲線の類似度が比較的高い場合には、周波数の差分Hの算出方法を簡略にすることができる。
なお、順位決定手段19は、相互相関関数または相関係数と周波数の差分と音響性能の差分との計3つの要素に基づいて材料パラメータ値の順位を決定する際に、任意の1つ以上の要素に重み付けを行った上で順位を決定することもできる。
[音響性能計算装置の別の実施形態]
これまでに述べた実施形態によれば、ある材料パラメータの数値範囲から選ばれた有限個(例えば100個)の値のそれぞれについて音響性能が計算され、この有限個の材料パラメータ値の中から、比較対象の実測値に近い音響性能が得られる材料パラメータ値が決定される。つまり、材料パラメータの数値範囲全体を捉えているのではなく、その範囲内の有限個の値を捉えている。しかし、このような有限個の材料パラメータ値以外の別の材料パラメータ値が、実測値により近い音響性能を示す可能性があることは否定できない。もちろん、材料パラメータの数値範囲を絞り、その数値範囲から選ぶ材料パラメータ値の個数を増やすことにより材料パラメータ値の決定の精度をある程度高めることはできるが、あまり効率的ではない。
そこで、以下に述べる実施形態では、材料パラメータの数値範囲全体を捉える。具体的には、材料パラメータの数値範囲全体から、実測値により近い音響性能が得られる材料パラメータ値を決定するという問題を最適化問題として捉え、この最適化問題を解決するために最適化手法と呼ばれる手法を用いる。
一般的に、最適化問題とは、自然科学、工学、社会科学など様々な分野で発生する基本的な問題の1つである。具体的には、与えられた条件のもとで何らかの関数(評価関数あるいは目的関数と呼ばれる)を最小化または最大化するような問題である。この評価関数を最小化または最大化するための最適化手法として、シンプレックス法、最急降下法が知られている。詳しくは、非特許文献「矢部博著、“新・工科系の数学 工学基礎 最適化とその応用”、初版、株式会社数理工学社、2006年3月」を参照されたい。
本実施形態では、材料パラメータの値を変数とする評価関数と当該材料パラメータの初期値とを定め、その評価関数を最大化または最小化する材料パラメータの値を、最適化手法により求める。評価関数は、音響性能の算出値と実測値との関係に基づいて定められる。これにより、材料パラメータの数値範囲全体から、実測値により近い音響性能が得られる材料パラメータの値つまり最適解を決定することができるため、決定の精度がさらに高まる。
通常、材料パラメータの個数は、その基となる数理モデルによって異なるのは先に申し述べたとおりであるが、通常は複数個ある。その複数個の材料パラメータの全てを一度に最適化手法により最適化することは難しいとされている。これを踏まえて、本実施形態では、材料パラメータのそれぞれに対して、一つずつ最適化手法を適用する。ただし、ある一つの材料パラメータを最適化する過程で音響性能を計算する際に、その他の材料パラメータについても何らかの値が必要である。
他方、材料パラメータによって、音響性能に与える影響度が異なる。上述したように、ビオモデルであれば材料パラメータは9種あるが、その中でも流れ抵抗は、その音響材料の音響性能に比較的大きな影響を与えるとされている。つまり、流れ抵抗は音響性能への寄与度が比較的大きいといえる。この寄与度は、各材料パラメータがその音響材料の音響性能を左右し得るかを評価する定量的な尺度である。したがって、材料パラメータを一つずつ最適化する際に、寄与度の大きい材料パラメータから順に最適化を行えば、各材料パラメータ値の決定の精度はより高まる。本実施形態では、材料パラメータのそれぞれの寄与度を求めて、寄与度の大きい順に一つずつ最適化を行う。寄与度の大きい順に最適化を行い、全ての材料パラメータの最適化を終えた時点で、1サイクルと数える。そして、第1サイクル、第2サイクル、第3サイクルと繰り返せば、材料パラメータの値の精度はより高まる。
これを踏まえて、第1サイクルにおいて、まず、寄与度が最大の材料パラメータの最適化を行う際には、当該材料パラメータの初期値を、ユーザの入力結果に基づくなどの任意の方法で定める。音響性能を計算する際に必要となるその他の材料パラメータの値についても同様に適宜定める。そして、最適化が行われ、寄与度が最大の材料パラメータの最適解が得られる。
同じく第1サイクルにおいて、次に、寄与度が第2番目に大きい材料パラメータの最適化を行う。その際、最適化の対象となっている材料パラメータの初期値は、ユーザの入力結果に基づくなどして適宜定める。その他の材料パラメータの値についても同様に適宜定める。ただし、既に最適解が得られている、寄与度が最大の材料パラメータについては、その最適解を用いる。このようにして、それまでに最適解が得られている材料パラメータについては、その最適解を用いて、その時点で最適化の対象となっている材料パラメータの最適化を行う。寄与度が第3番目以降に大きい材料パラメータの最適化についても同様である。このようにして、第1サイクルを終え、全ての材料パラメータについて最適解が得られる。
続く第2サイクルにおいても、まず、寄与度が最大の材料パラメータの最適化から始める。その初期値は、第1サイクルで得られた最適解を用いる。その他の材料パラメータの値については、第1サイクルで得られた最適解を用いる。このようにして、寄与度が最大の材料パラメータのさらなる最適解が得られる。この最適解は、第1サイクルで得られたものよりも適している。
このように、本明細書でいう「最適」とは、その時点で見いだされているなかで最も適しているという意味である。絶対的な意味において最も適しているということを必ずしも意味するものではない。すなわち、第1サイクルで最適解が得られたとしても、第2サイクルで得られるであろう最適解はより適した解である。
同じく第2サイクルにおいて、今度は寄与度が第2番目に大きい材料パラメータの最適化を行うにあたっては、その初期値は、第1サイクルで得られた最適解を用いる。その他の材料パラメータの値についても、第1サイクルで得られた最適解を用いる。ただし、既により精度の良い最適解が得られている、寄与度が最大の材料パラメータについては、その最適解を用いる。このようにして、それまでに、より精度の良い最適解が得られている材料パラメータについては、その最適解を用いて、その時点で最適化の対象となっている材料パラメータの最適化を行う。寄与度が第3番目以降に大きい材料パラメータの最適化についても同様である。第3サイクル以降も同様である。
以上のようにして、どのサイクルにおいても、最適化の対象となっている材料パラメータの初期値及びその他の材料パラメータの値として、それまでに見いだされている最適解があればそれを用いる。
以下、本実施形態について図面を参照して具体的に説明する。図15は、本実施形態における音響性能計算装置2の機能構成例を示している。この音響性能計算装置2は、既に説明したユーザ入力受付手段11とデータ読込手段15とに加えて、寄与度算出手段21と評価関数決定手段22と最適化手段23とを備えている。寄与度算出手段21と評価関数決定手段22と最適化手段23の各手段の機能の詳細は後述する。
音響性能計算装置2のハードウェア構成例は図3に示したものと同様である。
かかる構成の下、音響性能計算装置2が行う処理の流れを図16〜図19を参照して説明する。まず、図16のステップS401にて、データ読込手段15が、比較対象のデータとして音響性能の実測データを読み込む。
ステップS402では、寄与度算出手段21が、ユーザによって選定された数理モデルに必要となる各材料パラメータの寄与度を求める。先に述べたように、寄与度とは、当該材料パラメータがその音響材料の音響性能をどの程度左右し得るかを表す定量的な尺度である。本ステップにおける処理の詳細は図17及び図18を参照して後述する。
続くステップS403では、ユーザ入力受付手段11が、ユーザによる最適化手法のサイクル数の入力結果を受け付ける。サイクルについては上述したとおりである。
ステップS404では、ある一つの材料パラメータVの最適解を、最適化手法により求める。本ステップは、データ読込手段15と評価関数決定手段22と最適化手段23とにより行われる。その詳細は図19を参照して後述する。
ステップS405では、最適化手段23が、全ての材料パラメータについて最適解が得られたかどうかを判断する。この判断結果が「否」である場合には、前記ステップS404に戻る。このようにして、複数ある材料パラメータの各々についてステップS404を繰り返すことにより、全ての材料パラメータについて最適解が得られる。また、材料パラメータを一つずつステップS404における最適化の対象とするが、その順番はステップS402で決定された寄与度の大きい順である。そして、本ステップにおける判断結果が「正」となった場合には、後述するステップS406に進む。
ステップS406では、最適化手段23が、完了したサイクル数をカウントする。具体的には、本ステップに進んだのが初めてであれば、完了したサイクル数を「1」とカウントし、本ステップに進んだのが2回目であれば、完了したサイクル数を「2」とカウントる。3回目以降も同様である。続いて、最適化手段23は、完了したサイクル数が、ステップS403にて受け付けられたサイクル数に達したかどうかを判断する。この判断結果が「否」である場合には、前記ステップS404に戻る。このようにして、定められたサイクル数にわたって最適化が行われる。そして、本ステップにおける判断結果が「正」となった場合には、処理を終了する。
前記ステップS402における寄与度算出処理の詳細を、図17及び図18を参照して説明する。まず、音響性能を計算する対象となる材料について、ユーザが数理モデルを選定する。その選定結果をユーザ入力受付手段11がステップS501にて受け付ける。
ステップS502では、ステップS501にて選定された数理モデルに必要な材料パラメータの値をユーザが暫定的に決め、ユーザによるそれらの値の入力をユーザ入力受付手段11が受け付ける。
ステップS503では、寄与度算出手段21が、音響性能を算出する際の周波数の値として、例えば100.0Hzから1.0e+004Hzという数値範囲の中からN個の値を選ぶ。一例としてN=100である。上述した周波数の数値範囲及びNの値はあくまでも一例であって、これに限定されるものではない。さらに、寄与度算出手段21は、ある一つの材料パラメータについて数値範囲を定めて、その数値範囲から有限個例えば100個の値を選ぶ。その上で、寄与度算出手段21は、当該材料パラメータについて、100×100=10000通りの音響性能の値を計算する。このとき、数値範囲を定めていないその他の材料パラメータについても値が必要となるが、それらの値としてはステップS502にて受け付けられた値を用いる。このような10000通りの音響性能の値の計算を、各材料パラメータについて行う。
算出対象の音響性能は、吸音率、音響透過損失のいずれか一方または両方のどちらでもよい。もちろん、上述した100個、10000通りといった数字は一例に過ぎない。周波数の数値範囲及びその範囲から選ばれる周波数値と、各材料パラメータの数値範囲及びその範囲から選ばれる材料パラメータ値とは、寄与度算出手段21が任意に定めることができる。
次にステップS504に進む。本ステップの処理を説明するために、図18を参照する。図18は、図5に示したような等高線図の別の例である。横軸は周波数であり、縦軸は、材料パラメータの一つである流れ抵抗であり、音響性能の一つである吸音率が等高線で表されている。横軸の周波数範囲及び縦軸の流れ抵抗の数値範囲は、ステップS503にて寄与度算出手段21が定めたものである。そして、ステップS503で選ばれたある周波数値fにおいて、吸音率が最大となる点を符号A1で示し、逆に吸音率が最小となる点を符号A2で示している。ただし、添え字iは1以上N以下の整数である。点A1に対応する流れ抵抗の値はEmax(f)であり、点A2に対応する流れ抵抗の値はEmin(f)である。本ステップでは、寄与度算出手段21が、ある一つの材料パラメータについて、各周波数値fにおける音響性能の最大値と最小値との差Δ(f)を求める。Δ(f)=Emax(f)−Emin(f)である。
ステップS505では、寄与度算出手段21が、ステップS504で求められたN個のΔ(f)のうち、最大のものを当該材料パラメータの寄与度と決定する。この寄与度が大きいということは、ある周波数値において、当該材料パラメータの値を変えると音響性能が大きく変化するということを意味する。つまり、寄与度の大きい材料パラメータの値をどのように決定するかによって、得られる音響性能も大きく変わってくる。
ステップS506では、寄与度算出手段21が、全ての材料パラメータについて寄与度を求めたかどうかを判断する。この判断結果が「否」である場合には、前記ステップS504に戻る。このようにして、複数ある材料パラメータの全てについて寄与度が求められる。そして、本ステップにおける判断結果が「正」となった場合には、処理を終了する。
次に、前記ステップS404における最適化の詳細を、図19を参照して説明する。図19に示す処理は、ある一つの材料パラメータVを対象として行われる。ビオモデルであれば、材料パラメータVは上記9種の材料パラメータのいずれかである。
まずステップS601では、最適化手段23が、最適化の対象となっている材料パラメータVの初期値を定める。この初期値は、ユーザ入力受付手段11によって受け付けられた値でもよいし、最適化手段23が任意に定めても良い。さらに、本ステップでは、最適化手段23が、材料パラメータV以外の材料パラメータについても値をそれぞれ定める。最適化の対象となっているのは、一つの材料パラメータVのみであるが、音響性能を計算する際に材料パラメータV以外の材料パラメータの値も必要となるからである。
ステップS602では、評価関数決定手段22が、材料パラメータVの初期値とその他の材料パラメータの値とを用いて音響性能を算出する。続いて評価関数決定手段22は、音響性能の算出値と、ステップS401にて読み込まれた音響性能の実測値との相互相関関数R(V)を求める。相互相関関数R(V)の曲線の例は図12に示した通りである。続いて、評価関数決定手段22が、この相互相関関数R(V)の最大値Rmax(V)を求める。
ステップS603では、評価関数決定手段22が、ステップS602で求めた最大値Rmax(V)を示す周波数軸方向の平行移動距離Gの値fRmax(V)を求める。
ステップS604では、評価関数決定手段22が、次式に従い、音響性能の差分D(V)を求める。
Figure 0005721840
ただし、fは周波数の値であり、jは1以上N以下の整数である。Nは周波数軸における周波数の値の個数である。fはステップS401で読み込まれた実測データに応じて定まる。また、Emeas(f)は周波数fにおける音響性能の実測値であり、Ecalc(f,V)は周波数fにおける音響性能の算出値である。
ステップS605では、評価関数決定手段22が、先のステップで求められた相互相関関数R(V)の最大値Rmax(V)と、周波数値fRmax(V)と、音響性能の差分D(V)とを用いて評価関数F(V)を定める。評価関数F(V)の具体例を2つ示す。
Figure 0005721840
Figure 0005721840
ステップS606では、ステップS605で決定された評価関数F(V)を最小にする材料パラメータVの値を、任意の最適化手法を用いて算出する。どの最適化手法を用いるかは最適化手段23が定めることができる。このように、最適化手法を用いることにより、材料パラメータVの定められた数値範囲全体を捉え、その数値範囲に属するある値が最適解として求められる。
なお、図16に関して、材料パラメータが9個あり、最適化手法のサイクル数が2回の場合には、第1サイクルにおいてステップS404及びS405が9回繰り返され、第2サイクルにおいてもステップS404及びS405が9回繰り返される。そして、ステップS406の判断結果が「正」となり、処理は終了する。
最適化手法を用いる本実施形態によれば、材料パラメータの数値範囲全体を捉え、その数値範囲全体から、実測された音響性能により近い音響性能が得られる材料パラメータの値を決定することができる。さらに、複数ある材料パラメータのそれぞれの寄与度に応じて、材料パラメータを一つずつ最適化するため、材料パラメータ値の決定の精度を高めることができる。加えて、最適化を行うサイクル数を適宜設定できることにより、材料パラメータ値の決定の精度はさらに向上する。
[その他]
上述した音響性能計算装置による処理その1においては、図2に示した音響性能計算装置1は、ユーザ入力受付手段11と音響性能算出手段12と等高線図描画手段13とプロット図描画手段14とを備えていれば足り、その他の手段は備えていなくてもよい。
また、上述した音響性能計算装置による処理その2においては、図2に示した音響性能計算装置1は、ユーザ入力受付手段11と音響性能算出手段12と等高線図描画手段13とプロット図描画手段14とデータ読込手段15とを備えていれば足り、その他の手段は備えていなくてもよい。
図5及び図8に示した等高線図の例は、音響性能が1.00から0.00へと小さくなるにつれて、色相が赤系統から青系統へ徐々に変化するように示されているが、色の変化のさせ方はその他のやり方でもよい。図18も同様である。
図19において、ステップS602からステップS604の3つのステップの全てを行わなければならないわけではない。例えば、ステップS602のみを行い、ステップS605にて、評価関数をF(V)=1−Rmax(V)あるいはF(V)=1/Rmax(V)と定めてもよい。このようにして、材料パラメータの決定の精度をある程度維持しつつ、全体の計算量を減らすことができる。
また、図19では、ステップS605にて定めた評価関数をステップS606にて最小化するという最適化問題を、最適化手法により解いている。しかし、これに限られず、ステップS605にて別の形式の評価関数を定め、ステップS606にてその評価関数を最大化するという最適化問題を、最適化手法により解くこともできる。
図15において、寄与度算出手段21は必須ではない。この場合、図17のステップS502〜S506は行われず、複数の材料パラメータの各々についてある順番に従ってステップS404の最適化が行われる。この順番は、最適化手段23が任意に定める。このようにして、材料パラメータの決定の精度をある程度維持しつつ、全体の計算量を減らすことができる。
図2に示した音響性能装置1と同様に、図15に示した音響性能装置2が、等高線図描画手段13とプロット図描画手段14とをさらに備えていてもよい。この場合、等高線図描画手段13が、音響性能装置2内の寄与度算出手段21に接続されている。そして、プロット図描画手段14が、同じく音響性能装置2内の寄与度算出手段21及びデータ読込手段15に接続されている。このような構成の下、等高線図描画手段13は、ユーザ入力受付手段11からの指示を受けて、寄与度算出手段21の出力結果に基づき等高線図を描画する。また、プロット図描画手段14は、寄与度算出手段21の出力結果とデータ読込手段15の出力結果とに基づいてプロット図を描画する。
前述した音響性能計算装置の機能的構成及び物理的構成は、前述の態様に限られるものではなく、例えば、各機能や物理資源を統合して実装したり、逆に、さらに分散して実装したりすることも可能である。
1、2 音響性能計算装置
11 ユーザ入力受付手段
12 音響性能算出手段
13 等高線図描画手段
14 プロット図描画手段
15 データ読込手段
16 相関関係算出手段
17 周波数差分算出手段
18 音響性能差分算出手段
19 順位決定手段
21 寄与度算出手段
22 評価関数決定手段
23 最適化手段
51 CPU
52 インタフェース装置
53 表示装置
54 入力装置
55 ドライブ装置
56 補助記憶装置
57 メモリ装置
58 バス
59 記録媒体
71 カーソル
72 材料パラメータの値の表示
73 スライダー
81〜87 性能曲線
84a 平行移動した性能曲線
91 相互相関関数
P 音響材料
F 骨格
A 空隙
S1 音響材料に入射する音
S2 空気伝搬音
S3 固体伝搬音
L1 粘性損失
L2 熱交換損失
L3 内部損失
M 相互作用
A1、A2、K1〜K4、J1、J2 点
G 平行移動距離
H 周波数の差分
L 周波数帯域
D 音響性能の差分

Claims (9)

  1. 音響材料を数学的に表現する数理モデルに基づいて、前記音響材料を特徴付ける複数の材料パラメータのうちの1種類につき予め指定した数値範囲にある複数の値のそれぞれに対して、前記音響材料の音響性能を算出する音響性能算出手段と、
    前記1種類の材料パラメータの値と周波数とを2軸として、前記音響性能算出手段により算出された音響性能を等高線で表した等高線図を、前記音響性能の値に応じて色を分けて描画するとともに、前記等高線図の周波数軸に平行な直線状のカーソルと前記カーソルが示す前記1種類の材料パラメータの値の表示とを前記等高線図上に描画する等高線図描画手段と、
    前記数値範囲内の1つの値における、前記周波数と前記音響性能との関係を表す性能曲線をプロット図に描画するプロット図描画手段と
    を備えており、
    前記等高線図描画手段が、ユーザの入力に応じて前記等高線図における前記カーソルの表示位置と前記1種類の材料パラメータの値の表示とを変更し、
    前記プロット図描画手段が、変更された前記1種類の材料パラメータの値の表示に対応する性能曲線を前記プロット図に描画するものである、音響性能計算装置。
  2. 音響性能に関するデータを比較対象データとして外部から読み込むデータ読込手段をさらに備えており、
    前記プロット図描画手段が、前記データ読込手段により読み込まれた前記比較対象データの性能曲線をも前記プロット図に描画するものである、請求項1に記載の音響性能計算装置。
  3. 前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれと前記比較対象データとの相関関係を算出する相関関係算出手段と、
    前記相関関係算出手段により算出された複数の相関関係に基づき、前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する性能曲線と前記比較対象データの性能曲線との周波数の差分を算出する周波数差分算出手段と、
    前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する性能曲線を前記周波数の差分だけ周波数軸方向に平行移動した性能曲線により表される音響性能と、前記比較対象データの性能曲線により表される音響性能との差を求め、その差の絶対値の総和の平均値を音響性能の差分として算出する音響性能差分算出手段と、
    前記相関関係算出手段により算出された複数の相関関係と、前記周波数差分算出手段により算出された複数の周波数の差分と、前記音響性能差分算出手段により算出された複数の音響性能の差分とに応じて、前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する前記材料パラメータの複数の値の順位を決定する順位決定手段と
    をさらに備えている請求項2に記載の音響性能計算装置。
  4. 音響性能算出手段と等高線図描画手段とプロット図描画手段とを備えた音響性能計算装置により行われる音響性能計算方法であって、
    前記音響性能算出手段が、音響材料を数学的に表現する数理モデルに基づいて、前記音響材料を特徴付ける複数の材料パラメータのうちの1種類につき予め指定した数値範囲にある複数の値のそれぞれに対して、前記音響材料の音響性能を算出するステップと、
    前記等高線図描画手段が、前記1種類の材料パラメータの値と周波数とを2軸として、前記音響性能算出手段により算出された音響性能を等高線で表した等高線図を、前記音響性能の値に応じて色を分けて描画するとともに、前記等高線図の周波数軸に平行な直線状のカーソルと前記カーソルが示す前記1種類の材料パラメータの値の表示とを前記等高線図上に描画するステップと、
    前記プロット図描画手段が、前記数値範囲内の1つの値における、前記周波数と前記音響性能との関係を表す性能曲線をプロット図に描画するステップと、
    前記等高線図描画手段が、ユーザの入力に応じて前記等高線図における前記カーソルの表示位置と前記1種類の材料パラメータの値の表示とを変更するステップと、
    前記プロット図描画手段が、変更された前記1種類の材料パラメータの値の表示に対応する性能曲線を前記プロット図に描画するステップと
    を含む音響性能計算方法。
  5. 前記音響性能計算装置が、音響性能に関するデータを比較対象データとして外部から読み込むデータ読込手段をさらに備えており、
    前記プロット図描画手段が、前記データ読込手段により読み込まれた前記比較対象データの性能曲線を前記プロット図に描画するステップをさらに含む請求項4に記載の音響性能計算方法。
  6. 前記音響性能計算装置が、相関関係算出手段と、周波数差分算出手段と、音響性能差分算出手段と、順位決定手段とをさらに備えており、
    前記相関関係算出手段が、前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれと前記比較対象データとの相関関係を算出するステップと、
    前記周波数差分算出手段が、前記相関関係算出手段により算出された複数の相関関係に基づき、前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する性能曲線と前記比較対象データの性能曲線との周波数の差分を算出するステップと、
    前記音響性能差分算出手段が、前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する性能曲線を前記周波数の差分だけ周波数軸方向に平行移動した性能曲線により表される音響性能と、前記比較対象データの性能曲線により表される音響性能との差を求め、その差の絶対値の総和の平均値を音響性能の差分として算出するステップと、
    前記順位決定手段が、前記相関関係算出手段により算出された複数の相関関係と、前記周波数差分算出手段により算出された複数の周波数の差分と、前記音響性能差分算出手段により算出された複数の音響性能の差分とに応じて、前記音響性能算出手段により算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する前記材料パラメータの複数の値の順位を決定するステップと
    をさらに含む請求項5に記載の音響性能計算方法。
  7. 音響材料を数学的に表現する数理モデルに基づいて、前記音響材料を特徴付ける複数の材料パラメータのうちの1種類につき予め指定した数値範囲にある複数の値のそれぞれに対して、前記音響材料の音響性能を算出するステップと、
    前記1種類の材料パラメータの値と周波数とを2軸として、前記算出された音響性能を等高線で表した等高線図を、前記音響性能の値に応じて色を分けて描画するとともに、前記等高線図の周波数軸に平行な直線状のカーソルと前記カーソルが示す前記1種類の材料パラメータの値の表示とを前記等高線図上に描画するステップと、
    前記数値範囲内の1つの値における、前記周波数と前記音響性能との関係を表す性能曲線をプロット図に描画するステップと、
    ユーザの入力に応じて前記等高線図における前記カーソルの表示位置と前記1種類の材料パラメータの値の表示とを変更するステップと、
    変更された前記1種類の材料パラメータの値の表示に対応する性能曲線を前記プロット図に描画するステップと
    を音響性能計算装置に実行させる音響性能計算プログラム。
  8. 音響性能に関するデータを比較対象データとして外部から読み込み、読み込まれた前記比較対象データの性能曲線を前記プロット図に描画するステップをさらに実行させる請求項7に記載の音響性能計算プログラム。
  9. 前記算出された複数の音響性能のそれぞれと前記比較対象データとの相関関係を算出するステップと、
    算出された複数の相関関係に基づき、前記算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する性能曲線と前記比較対象データの性能曲線との周波数の差分を算出するステップと、
    前記算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する性能曲線を前記周波数の差分だけ周波数軸方向に平行移動した性能曲線により表される音響性能と、前記比較対象データの性能曲線により表される音響性能との差を求め、その差の絶対値の総和の平均値を音響性能の差分として算出するステップと、
    前記算出された複数の相関関係と、前記算出された複数の周波数の差分と、前記算出された複数の音響性能の差分とに応じて、前記算出された複数の音響性能のそれぞれに対応する前記材料パラメータの複数の値の順位を決定するステップと
    をさらに実行させる請求項8に記載の音響性能計算プログラム。
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