JP5720613B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本明細書に開示の技術は、半導体装置及びその製造方法に関する。
半導体装置においては、製造過程等において、半導体素子の表面保護膜を形成する封止樹脂等などに、Naなどの軽金属、Cuなどの重金属及びClなどのハロゲンなどの可動イオンや負電荷が発生することがある。こうした可動イオン等が素子上部やその周辺に移動すると、素子やその外周の電界分布に影響を与えて電界集中を招くことがある。IGBTなどの高耐圧素子にあっては、こうした電界集中によって高耐圧下での動作に障害が発生する場合も考えられる。
この種の問題に関して、導電性膜を介した電子のやりとりで可動イオンを中和して可動イオンによる耐電圧特性の変動を抑制することが開示されている(特許文献1)。導電性膜としては、金属又はカーボンの不連続薄膜が用いられている。
特開2006−222210号公報
特許文献1には、導電性膜として好適な抵抗率を得るためには、不連続薄膜を0.1〜2nm程度の膜厚で成膜とすることが記載されている。しかしながら、このような薄膜を精度よく成膜して安定した抵抗率を確保し、可動イオンによる耐電圧特性の変動を抑制できる半導体装置を提供することは困難であった。
本明細書の開示は、簡易な構造で可動イオンによる耐電圧特性の変動を抑制できる半導体装置及びその製造方法を提供する。
本明細書が開示する半導体装置は、半導体基板を備えている。半導体基板は、半導体素子が形成されているアクティブ領域と、アクティブ領域の外周にある電界緩和領域と、を備えている。さらに、電界緩和領域の少なくとも一部を被覆する、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子と絶縁性樹脂とを含む樹脂膜を備えることができる。
本明細書において、絶縁体とは、電気抵抗率が1014Ωm以上の物質を意味する。
この半導体装置は、電界緩和領域の少なくとも一部を被覆するように、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子と絶縁性樹脂とを含む樹脂膜を備えている。この樹脂膜中の炭素材料粒子は、半導電性又は導電性である。こうした炭素材料粒子は、外部から絶縁性樹脂に付着する等によって生じる可動イオンを捕捉して上記樹脂膜内に分散させ、電界緩和領域における分極や電界集中を抑制できる。さらに、炭素材料粒子が相互接触等している場合には、生じた可動イオンや電荷を樹脂膜中を通過させて半導体装置外部(グランド)に流すことができる。以上のことから、上記樹脂膜は、炭素材料粒子を有することで、樹脂膜に付着した可動イオン等を捕捉し分散して、自ら可動イオン等の影響を抑制できるため、電界緩和領域の耐電圧特性を維持して半導体装置の耐電圧特性の変動を抑制できる。
また、上記樹脂膜の抵抗率はその組成により容易に調節できるため、半導体装置は、安定した耐電圧特性を発揮することができる。
上記樹脂膜は、さらにアクティブ領域の少なくとも一部を被覆していてもよい。こうすることで、アクティブ領域における可動イオン等による電界集中を抑制することができる。
上記樹脂膜を、電界緩和領域及びアクティブ領域を被覆する表面保護膜としてもよい。こうすることで、表面保護膜を別途形成することを省略でき、しかも従来の表面保護膜中の可動イオン等の影響を回避できる。さらに、パッシベーション膜の形成も省略できる。
炭素材料粒子は、半導電性であることが好ましい。こうすることで、可動イオン等の影響を抑制するのに適した導電特性を樹脂膜に付与できる。炭素材料粒子は、カーボンナノチューブであることが好ましい。こうすることで、良好な特性を樹脂膜に付与できる。
本明細書が開示する半導体装置の製造方法は、半導体素子が形成されているアクティブ領域と、アクティブ領域の外周側に備えられる電界緩和領域と、を備える半導体基板の電界緩和領域の表面の少なくとも一部に対し、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子と絶縁性樹脂とを含む樹脂膜を形成することを特徴とすることができる。
こうした半導体装置の製造方法では、炭素材料粒子と絶縁性樹脂とを含む樹脂膜を形成する。この樹脂膜は、炭素材料粒子が可動イオン等を捕捉し、あるいは外部に流出させて、その影響を抑制できる。可動イオン等の捕捉や流出させるための樹脂膜の導電性(抵抗率)は、樹脂膜の組成により調節できる。このため、上述の製造方法によれば、可動イオン等による耐電圧変動を抑制できる半導体装置を簡易に製造できる。
この製造方法においては、上記樹脂膜を、炭素材料粒子の濃度が前記表面側により高い傾斜組成を有するように形成することが好ましい。こうすることで、効果的に可動イオン等の影響を抑制できる。
半導体装置10の縦断面図。 電界緩和領域50上の樹脂膜60の拡大断面図。 流動性樹脂組成物を供給して樹脂膜60を形成する方法の説明図。 樹脂テープを貼り付けて樹脂膜60を形成する方法の説明図。
図1に示す半導体装置10は、半導体基板12と、半導体基板12の上面及び下面に形成されている電極、絶縁層等によって構成されている。半導体基板12は、アクティブ領域20と、電界緩和領域50を有している。アクティブ領域20には、IGBT(半導体素子の一例)が形成されている。アクティブ領域20は、半導体基板12を上面側から見たときに、半導体基板12の略中央部に形成されている。電界緩和領域50は、アクティブ領域20の電界を緩和する領域であり、半導体基板12の外周部に形成されている。より具体的には、半導体基板12の外部端面(外周面)12aとアクティブ領域20の間の領域である。したがって、半導体基板12を上方から平面視した場合には、アクティブ領域20は電界緩和領域50に囲まれている。
アクティブ領域20の上面にはトレンチが形成されている。トレンチの内面は、ゲート絶縁膜に覆われている。トレンチ内には、ゲート電極28が形成されている。アクティブ領域20の上面にはエミッタ電極22が形成されている。半導体基板12の下面には、コレクタ電極34が形成されている。なお、半導体装置10の上面側の電極(例えば、エミッタ電極22、図示しないゲート電極パッド(各ゲート電極28に接続されているパッド)、及び、その他の信号取出用電極)は、はんだ等のろう材や、ワイヤーボンディングや、導電性ペースト等によって、外部の導電部材に接続される。
アクティブ領域20内には、n型のエミッタ領域24、p型のボディ領域26、n型のドリフト領域30、p型のコレクタ領域32が形成されている。エミッタ領域24は、半導体基板12の上面に露出する範囲に形成されている。エミッタ領域24は、ゲート絶縁膜に接する範囲に形成されている。エミッタ領域24は、エミッタ電極22に対してオーミック接続されている。ボディ領域26は、エミッタ領域24の側方及びエミッタ領域24の下側に形成されている。ボディ領域26は、エミッタ領域24の下側でゲート絶縁膜に接している。2つのエミッタ領域24の間のボディ領域26は、p型不純物濃度が高く、エミッタ電極22に対してオーミック接続されている。ドリフト領域30は、ボディ領域26の下側に形成されている。ドリフト領域30は、ボディ領域26によってエミッタ領域24から分離されている。ドリフト領域30は、トレンチの下端部のゲート絶縁膜と接している。コレクタ領域32は、ドリフト領域30の下側に形成されている。コレクタ領域32は、p型不純物濃度が高く、コレクタ電極34に対してオーミック接続されている。上述した各電極及び各半導体領域によって、アクティブ領域20内にIGBTが形成されている。
電界緩和領域50内には、ディープp型領域52、リサーフ領域56、及び、端部n型領域62が形成されている。ディープp型領域52は、アクティブ領域20と電界緩和領域50の境界に位置している。ディープp型領域52は、半導体基板12の上面に露出する範囲に形成されている。ディープp型領域52は、ボディ領域26と接している。ディープp型領域52は、アクティブ領域20内のゲート電極28よりも深い深さまで形成されている。ディープp型領域52は、高濃度にp型不純物を含有しており、ディープp型領域52上に形成されている電極54に対してオーミック接続されている。
リサーフ領域56は、ディープp型領域52に隣接している。リサーフ領域56は、半導体基板12の上面に露出する範囲に形成されている。リサーフ領域56は、ディープp型領域52よりも浅い深さに形成されている。リサーフ領域56のp型不純物濃度は、ディープp型領域52よりも低い。また、リサーフ領域56のp型不純物濃度は、端部n型領域62のn型不純物濃度よりも低い。端部n型領域62は、半導体基板12の端面12aに露出するとともに半導体基板12の上面に露出する範囲に形成されている。端部n型領域62は、比較的高濃度にn型不純物を含有しており、端部n型領域62上に形成されている電極64に対してオーミック接続されている。ディープp型領域52、リサーフ領域56、及び、端部n型領域62の下側には、上述したドリフト領域30が形成されている。すなわち、ドリフト領域30は、アクティブ領域20から電界緩和領域50まで広がっている。また、ドリフト領域30は、リサーフ領域56と端部n型領域62の間の範囲にも存在しており、その範囲内で半導体基板12の上面に露出している。以下では、リサーフ領域56と端部n型領域62の間のドリフト領域30を、周辺ドリフト領域30aという。ドリフト領域30のn型不純物濃度は、ディープp型領域52のp型不純物濃度よりも低く、端部n型領域62のn型不純物濃度よりも低い。電界緩和領域50内においても、ドリフト領域30の下側にコレクタ領域32が形成されている。
電界緩和領域50の表面には、絶縁層58が形成されている。絶縁層58は、リサーフ領域56と周辺ドリフト領域30aの上面に形成されている。
表面保護膜としての樹脂膜60が、アクティブ領域20の表面及び電界緩和領域50に形成された絶縁層58の表面を含む全体を被覆するように形成されている。すなわち、樹脂膜60は、エミッタ電極22、電極54、64と絶縁層58を被覆するように形成されている。樹脂膜60は、また、リサーフ領域56と周辺ドリフト領域30aと端部n型領域62を被覆するように形成されている。
図2に示すように、樹脂膜60は、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子であるカーボンナノチューブ60aと絶縁性樹脂60bとを含有している。より具体的には、例えば、絶縁性樹脂60bのマトリックスにカーボンナノチューブ60aがほぼ均一に分散した状態で含まれている。
図2に示すように、絶縁性樹脂60bのマトリックスにおいてカーボンナノチューブ60aは、樹脂膜60が絶縁体としての所定の抵抗性を確保できる程度に含有され、かつ相互に接触しており、半導体基板12の表面にほぼ沿う方向において連続した接触構造を有している。
次に、こうした半導体装置10における作用について説明する。半導体装置10の製造過程等において、外部から樹脂膜60に付着した不純物により、樹脂膜60内に、Na、Cu、Cl等の可動イオンや負電荷(以下、可動イオン等90という。)が発生する。また、アクティブ領域20に対して電圧が印加され、また一定の温度以上となると、樹脂膜60において、可動イオン等90が発生しうる。従来の半導体装置では、表面保護膜中を可動イオン等90が半導体基板の表面近傍に移動し、これにより生じる電界によって、電界緩和領域50内の電界が乱され、所望の耐電圧特性を発揮できない虞があった。
しかしながら、本実施例の半導体装置10では、電界緩和領域50の表面にカーボンナノチューブ60aと絶縁性樹脂60bとを含む樹脂膜60が形成されている。樹脂膜60は、自ら樹脂膜60内の可動イオン等90の影響をキャンセルする機能を有している。すなわち、可動イオン等90が樹脂膜60の内部に発生しても、樹脂膜60内でカーボンナノチューブ60aが可動イオン等90を捕捉し、分散し、あるいはカーボンナノチューブ60aの接触構造により半導体装置10の外部に流すことができる。また、電界緩和領域50の表面に可動イオン等90が付着したとしても、同様の効果によって可動イオン等90による影響を抑制できる。この結果、可動イオン等90による電界緩和領域50における耐電圧特性の変動を抑制できる。
また、半導体装置10では、樹脂膜60がアクティブ領域20上にも形成されている。したがって、電界緩和領域50における樹脂膜60と同様の可動イオン等90の影響のキャンセル機能によりアクティブ領域20における可動イオン等90の影響を抑制できる。
以上説明したように、半導体装置10によれば、樹脂膜60を設けることにより、可動イオン等90に起因して生じる電界が電界緩和領域50及びアクティブ領域20の電界に影響を及ぼすことが抑制される。この結果、可動イオン等90による耐電圧特性の変動を抑制できる。
半導体装置10によれば、また、樹脂膜60の導電性はカーボンナノチューブ60aと絶縁性樹脂60bとの組成により調節することができ、従来のようにnmレベルの膜厚などに依存しない。したがって、所望の導電性を容易に付与して可動イオン等90の影響抑制効果を発揮させることができる。
さらに、半導体装置10によれは、カーボンナノチューブ60aは、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子であるため、温度による抵抗率変動が小さく、その分子間力により相互接触構造をとりやすくなっている。このため、温度による耐電圧特性の変動も抑制できるなど、所望の導電特性の樹脂膜60を容易に構成できる。
半導体装置10によれば、カーボンナノチューブ60aなどこの種の炭素材料粒子は、熱伝導性、機械的強度、耐熱性にも優れている。このため、樹脂膜60は、表面保護膜として有用な機能を備えることができる。また、従来、表面保護膜として用いられていた絶縁性樹脂の機能をカーボンナノチューブ60aにより少なくとも一部代替できるため、絶縁性樹脂の選択自由度が増大し、より安価なレジスト用樹脂を樹脂膜60に用いることができるようになる。
半導体装置10の樹脂膜60は、絶縁性樹脂60bをマトリックスとするため、表面保護膜としての機能、パッシベーション膜としての機能も併せ有することができる。したがって、半導体装置10は、表面保護膜やパッシベーション膜を省略することができ、簡易な構成であっても耐電圧特性の変動の抑制に優れている。
半導体装置10においては、電界緩和領域50内の耐電圧特性を向上できるため、本実施例の構造によれば、従来よりも電界緩和領域の幅を狭くしても、十分な耐電圧特性を確保することができる。したがって、半導体装置10によれば、より小型な半導体装置を提供することができる。
(半導体装置の製造方法)
次に半導体装置10の製造方法について図3及び図4を参照して説明する。樹脂膜60以外の半導体装置10の構造は、従来公知の方法で形成することができる。したがって、ここでは、樹脂膜60の形成方法についてのみ説明する。
樹脂膜60を形成する方法として、例えば、カーボンナノチューブ60aと絶縁性樹脂60bとを含む流動性の組成物を塗布する方法と、樹脂テープを貼り付ける方法とが考えられる。
図3に示すように、流動性樹脂組成物を塗布する方法では、アクティブ領域20及び電界緩和領域50上に、流動性樹脂組成物80を塗布などして供給する。流動性樹脂組成物80は、絶縁性樹脂60bを適当な溶剤や媒体に溶解又は分散し、さらにカーボンナノチューブ60aを分散させることで得ることができる。流動性樹脂組成物80においては、絶縁性樹脂60bと炭素材料粒子60aとは、所望の導電性が得られる程度に配合されている。
アクティブ領域20及び電界緩和領域50上に流動性樹脂組成物80を供給したら、必要に応じて加熱等して流動性樹脂組成物80を乾燥ないし硬化させる。乾燥ないし硬化により、図1に示す樹脂膜60が形成される。
また、樹脂テープを貼り付ける方法は、図4に示すように、アクティブ領域20及び電界緩和領域50上に、カーボンナノチューブ60aと絶縁性樹脂60bとを含む樹脂テープ84を貼り付ける。樹脂テープ82は、絶縁性樹脂60bのマトリックス中カーボンナノチューブ60aが相互に接触して分散された構成を有している。
以上に説明した何れの方法でも、樹脂膜60を簡単に形成することができる。本製造方法によれば、カーボンナノチューブ60aと絶縁性樹脂60bとを含む樹脂膜60を形成するという簡易なプロセスで、アクティブ領域20及び電界緩和領域50における可動イオン等90の影響を排除できる。
さらに、樹脂膜60はカーボンナノチューブ60aと絶縁性樹脂60bとを含んでおり、表面保護膜やパッシベーション膜の代替層になりうるため、従来の積層構造よりも簡易に、アクティブ領域20及び電界緩和領域50における可動イオン等90の影響を抑制した半導体装置10を製造できる。
また、樹脂膜60の導電性等は、樹脂膜60の組成で調節できるため、高い精度の膜厚制御も回避でき、再現性よく、可動イオン等90の影響を抑制して耐電圧特性の変動が抑制された半導体装置10を製造できる。
上述した実施形態の半導体装置10においては、樹脂膜60は、アクティブ領域20と電界緩和領域50の双方を被覆するように形成されていたが、電界緩和領域50の表面の少なくとも一部を被覆するものであればよい。好ましくは、樹脂膜60は、電界緩和領域50の全体を被覆し、さらに好ましくは、アクティブ領域20の一部又は全部に及ばせる。
半導体装置10においては、アクティブ領域20内にIGBTが形成されていたが、アクティブ領域20内に他の半導体素子が形成されていてもよい。例えば、MOSFETやダイオード等が形成されていてもよい。
半導体装置10においては、電界緩和領域50内にリサーフ領域56が形成されていたが、半導体基板に形成する電界緩和構造はリサーフ領域56に限られない。例えば、リサーフ領域56に替えて、あるいは追加してFLR構造、電界緩和を意図した厚みの絶縁膜、フィールドプレート構造,EQR等の別の構造が形成されていてもよい。また、アクティブ領域20及び電界緩和領域50には、シールド効果を発揮する導電性膜を樹脂膜60よりも半導体基板12側に備えていてもよい。
半導体装置10においては、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子として、カーボンナノチューブを用いたがこれに限定するものではない。炭素材料粒子としては、カーボンナノホーン、グラフェン及びフラーレン等が挙げられる。粒子の大きさは特に限定しないで適宜選択して用いられる。炭素材料粒子60aは、半導電性及び導電性のいずれかあるいはこれらの双方の電子状態を含むことができる。
絶縁性樹脂60bは、各種の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から、絶縁性、耐熱性、機械的強度、熱伝導性等を考慮して1種又は2種以上が選択される。樹脂膜60を表面保護膜と併用するときには、耐薬品性が高いことが好ましく、分子鎖が長いか及び/又は3次元架橋構造を備えるものが好ましい。また、絶縁性樹脂60bは、カーボンナノチューブなどの炭素材料粒子の添加効果を考慮すると、非晶質性樹脂が好ましい。
絶縁性樹脂60bとしては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、非晶質樹脂のいずれもを用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂が好ましく用いられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリアミドイミド及びポリイミドも好ましく用いられる。また、非晶質樹脂としては、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド及びポリアミドイミドが好ましく用いられる。
半導体装置10においては、樹脂膜60は、絶縁性樹脂60bのマトリックスに均一にカーボンナノチューブ60aが分散されていたが、半導体基板12側に、カーボンナノチューブ60aなどの炭素材料粒子の濃度が増大する傾斜組成であってもよい。こうした組成であると、電界緩和領域50等の表面近傍において効果的に可動イオン等90の影響を抑制できる。炭素材料粒子は、基板12側に局在していてもよい。
こうした絶縁性樹脂60bにおける炭素材料粒子60aの配合形態は、容易に調節できる。例えば、流動性樹脂組成物80を供給して樹脂膜60を形成する場合には、炭素材料粒子60aの含有量が多い(濃度が大きい)流動性樹脂組成物を塗布し、その後、より含有量の少ない流動性樹脂組成物を塗布等により供給してもよい。また、炭素材料粒子60aが絶縁性樹脂60b中を重力等で沈降するような組成の流動性樹脂組成物を準備し、かかる流動性樹脂組成物を塗布して、一定時間放置することで、炭素材料粒子60aを半導体基板12側に高濃度に存在させることができる。
また、樹脂テープ82で樹脂膜60を形成する場合には、炭素材料粒子の含有量の異なる樹脂テープを濃度の高い順に積層してもよいし、予め傾斜組成を有する樹脂テープ82を用いてもよい。
上述した半導体装置は、絶縁性樹脂が非晶質性樹脂から選択されることが好ましい。この非晶質性樹脂は、炭素材料粒子の分散が良好であり、炭素材料粒子による導電性、機械的強度、熱伝導性及び耐熱性の調整が容易である。表面保護膜には所望の各種特性が安定的に付与されているため、安定した耐電圧特性を発揮する半導体装置となっている。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 半導体装置、12 半導体基板、12a 端面、22 エミッタ電極、54、64 電極、24 エミッタ領域、26 ボディ領域、28 ゲート電極、30 ドリフト領域、52 ディープp型領域、56 リサーフ領域、60 樹脂膜、60a カーボンナノチューブ、60b 絶縁性樹脂、80 流動性樹脂組成物、82 樹脂テープ、90 可動イオン等

Claims (7)

  1. 半導体装置であって、
    半導体素子が形成されているアクティブ領域と、
    前記アクティブ領域の外周側に備えられる電界緩和領域と、
    前記電界緩和領域の少なくとも一部を被覆する、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子と絶縁性樹脂とを含む樹脂膜と、
    を備える、半導体装置。
  2. 前記樹脂膜は、さらに、前記アクティブ領域の少なくとも一部を被覆する、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記樹脂膜は、前記電界緩和領域及び前記アクティブ領域を被覆する表面保護膜である、請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記炭素材料粒子は、半導電性である、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記炭素材料粒子は、カーボンナノチューブである、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 半導体装置の製造方法であって、
    半導体素子が形成されているアクティブ領域と、前記アクティブ領域の外周側に備えられる電界緩和領域と、を備える半導体基板の前記電界緩和領域の表面に対し、炭素六員環ネットワークを有する炭素材料粒子と絶縁性樹脂とを含む樹脂膜を形成する工程、
    を備える、製造方法。
  7. 前記樹脂膜形成工程は、前記樹脂膜を、前記炭素材料粒子の濃度が前記表面側により高い傾斜組成を有するように形成する工程である、請求項6に記載の製造方法。
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