JP5718649B2 - Mntfペプチド組成物およびその使用法 - Google Patents

Mntfペプチド組成物およびその使用法 Download PDF

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Description

技術分野
本開示は、一般に、MNTFペプチドおよびその類似体を使用して神経細胞障害を治療するための組成物および方法に関する。
関連出願への相互参照
本出願は、2008年2月21日出願の米国特許仮出願第61/066,669号(表題「MNTFペプチド組成物および方法」)の優先権を主張するものであり、その内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
背景技術
以下は、本開示を理解する上で有用であり得る情報を含む。本明細書に提供される情報の内のいずれかは従来技術であるか、または本開示に関連するか、あるいは明示的もしくは黙示的に参照されるいずれの刊行物もしくは資料が従来技術であるかを容認するものではない。
胎児期の運動ニューロンの生存率は、関連する発達中の骨格筋に由来する特異的な栄養物質に依存することが明らかになっている。特定の骨格筋は、胎児期の運動ニューロンの変性、およびその後の自然細胞死を防ぐことによって、胎児期の運動ニューロンの生存および発達を促進する能力を有する物質を生成すると報告されている。これらの物質は、特殊なタンパク質群である神経栄養因子(NTF)として広く記載されており、選択された神経細胞集団の生存、成長、維持、および機能的能力を促進する役割を果たす(例えば、非特許文献1)。
中枢および/または末梢神経系に影響を及ぼす様々な神経変性、神経筋および神経の疾患、障害、または状態は、機能的な神経組織の急性または進行性の損失によって全体的または部分的に特徴付けることができる。
特許文献1〜5は、運動ニューロンに栄養作用を発揮する能力を有する、運動ニューロン栄養因子(運動ニューロン栄養因子(MNTF))と称される特異的な神経栄養因子(neuronotrophic factors(NTF))について報告しており、それらの内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
米国特許第6309877号 米国特許第7183373号 米国特許第6841531号 米国特許第6759389号 米国特許出願第20060052299号
Chau, R. M. W., et al., 6 Chin. J Neuroanatomy 129, 1990
発明の概要
本明細書には、これらに限定されないが、本発明の概要において規定されるまたは参照される多くの特質および実施形態を有する技術が記載される。すべてを包括することを意図するものではなく、特許請求の範囲は、本発明の概要に同定される特性または実施形態に限定されるものではなく、またそれらによって限定されず、例証目的のためのみに含まれるのであって、制限する目的のためではない。
したがって、一態様において、本開示は、神経細胞の生存率および増殖を調節するために有用なMNTF分子の一部を含有する新規のペプチドおよび組成物を対象とし、それによって、中枢および/または末梢神経系における幅広い神経変性、神経筋の疾患、障害、または状態を治療する上で、容易に合成することができ、治療的に有効である可能性がある神経栄養ペプチドを提供する。
一態様において、本開示は、LGTFWGDTLN CWMLSAFSRY ARCLAEGHDG PTQ(配列番号1)の17および18位にFS残基を含む、少なくとも2つの連続する残基を含む神経細胞の生存率および成長を誘導または調節するために有用な、合成および/もしくは精製されたMNTFペプチドまたはその類似体を対象とする。
特定の実施形態において、MNTFペプチドまたはその類似体は、配列番号1〜22を含む配列の類似体を含む。特定の実施形態において、MNTFペプチドまたはその類似体は、2−mer、3−mer、4−mer、または5−merの非パルミトイル化ペプチドである。他の特定の実施形態において、MNTFペプチドまたはその類似体は、2−mer、3−mer、4−mer、5−mer、または6−merのパルミトイル化ペプチドである。特定の態様において、本開示は、共有結合(covalent bonding/linkage)または浸透促進剤との共役または固相合成中のペプチド結合による浸透促進剤の添加によって、N末端が修飾されたMNTFペプチドまたはその類似体を含む組成物を提供する。
特定の実施形態において、MNTFペプチドは、i)配列番号1の2〜6個連続するアミノ酸、ii)配列番号1の2〜5個連続するアミノ酸、iii)配列番号1の3〜5個連続するアミノ酸、iv)酸配列番号1の少なくとも2個の連続するアミノ酸、v)酸配列番号1の少なくとも3個の連続するアミノ酸、またはvi)その類似体i)〜v)のうちのいずれかの機能的誘導体等)からなる。i)、iv)、およびv)のMNTFペプチドは、配列番号2からなるアミノ酸配列を有しない。他の特定の実施形態において、MNTFペプチドまたはその類似体は、配列番号3〜配列番号22またはその機能的誘導体からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する。好ましいMNTFペプチドまたは誘導体は、MNTF活性を有する。
いくつかの態様において、MNTFペプチド誘導体は、2〜22個の炭素の脂肪酸分子(例えば、パルミチン酸)に共有結合する(例えば、N末端のペプチド結合により)。一態様において、本開示は、LGTFWGDTLNCWMLSAFSRYARCLAEGHDGPTQ(配列番号1)から選択されるFSを含む少なくとも2個の近接するアミノ酸残基を有するペプチドまたはその類似体、および薬学的に許容される担体を含む皮膚薬剤組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、MNTFペプチドまたはその類似体は、配列番号1のフェニルアラニン−セリンジペプチドと、配列番号1の1〜30個のさらなるアミノ酸とを含み、上記MNTFペプチドまたはその類似体は、任意選択的に、配列番号1に示される配列の1〜5個の保存アミノ酸置換、またはそのエステル、アミド、プロドラッグ、および/もしくは塩を有する。
別の実施形態において、MNTFペプチド類似体は、皮膚浸透および/または油溶性を高めるために、N末端のペプチド結合によって、2〜22個の炭素の脂肪酸分子(例えば、パルミチン酸)に共役されるかまたは共有結合される。
LGTFWGDTLN CWMLSAFSRY ARCLAEGHDG PTQ(配列番号1)
FSRYAR(配列番号2)
FS(配列番号3)
FSR(配列番号4)
AFS(配列番号5)
FSRY(配列番号6)
SAFS(配列番号7)
AFSR(配列番号8)
LSAFS(配列番号9)
SAFSR(配列番号10)
AFSRY(配列番号11)
FSRYA(配列番号12)
MLSAFS(配列番号13)
LSAFSR(配列番号14)
SAFSRY(配列番号15)
AFSRYA(配列番号16)
SRYAR(配列番号17)
RYAR(配列番号18)
YAR(配列番号19)
SRYA(配列番号20)
RYA(配列番号21)
SRY(配列番号22)
別の態様において、細胞増殖を促進するため、もしくは不適切な細胞死を安定させるため、および/またはいずれの場合においても正常な細胞の挙動を再建するために、MNTFペプチドまたはその類似体を生体外で細胞培養物に、または生体内で神経損傷もしくは神経変性疾患に罹患する個人に投与することによって、神経細胞の生存率および/または成長を調節するための組成物および方法が提供される。別の態様において、運動ニューロン親和性因子(motoneuronotropic factor(MNTF))ペプチドまたはその類似体を、それを必要とする対象に投与することを含む、神経経路損傷の症状を伴う対象において運動機能を向上させる方法が提供される。
したがって、一態様において、本開示は、神経細胞の生存率および増殖を調節するのに有用なMNTF分子の一部分を含有する新規ペプチドおよび組成物を対象とし、それによって、皮膚の下の領域における神経および筋肉の神経再支配を含む幅広い皮膚疾患を治療する上で、容易に合成することができ、治療的に有効である可能性がある神経栄養ペプチドを提供する。
一態様において、本開示は、皮膚に極めて近接して神経細胞の生存率および成長を誘導または調節するために有用なFSドメインを含む、合成および/または精製されたMNTFペプチドまたはその類似体を対象とする。
別の態様において、細胞増殖を促進するため、もしくは不適切な細胞死を安定させるため、および/またはいずれの場合においても正常な細胞の挙動を再建するために、MNTFペプチドまたはその類似体を生体外で細胞培養物に、または生体内で神経損傷もしくは神経変性疾患に罹患する個人に投与することによって、神経細胞の生存率および/または成長を調節するための組成物および方法が提供される。
一態様において、MNTFペプチドまたはその類似体をそれを必要とする対象に投与する工程を含む、対象において損傷した神経経路を修復する方法が提供され、上記損傷した神経経路は皮膚の損傷または状態と関連し、上記MNTFペプチドまたはその類似体は、上記皮膚の状態または障害を治療するために十分な量で投与され、それによって、上記対象において損傷した神経経路が修復される。
図1は、例示的なMNTFペプチドの運動ニューロンの生存に対する生存アッセイを示す。運動ニューロンはラットの脊髄から培養し、BDNF、GDNF、およびCNTFの存在下において培養物中で3日間成長させた。3日後、従来の栄養因子の非存在下で、図示したMNTFペプチド10マイクログラム/mlを用いて細胞を成長させた。48時間後、生きている細胞数を決定した。グラフは、5つのサンプルの平均+/−SDを示している(BDNF=脳由来神経栄養因子、GDNF=グリア細胞由来神経栄養因子、CNTF=毛様体神経栄養因子)。
発明を実施するための形態
胎児期の運動ニューロンの生存率は、関連する発達中の骨格筋に由来する特異的な栄養物質に依存することが明らかになっている。骨格筋は、胎児期の運動ニューロンの変性、およびその後の自然細胞死を防ぐことによって、胎児期の運動ニューロンの生存および発達を促進する能力を有する物質を生成すると報告されている。これらの物質は、特殊なタンパク質群である神経栄養因子(NTF)として広く記載されており、選択された神経細胞集団の生存、成長、維持、および機能的能力を促進する役割を果たす(O’Brian, R. J. and Fischbach, G. D., 6 J. Neurosci. 3265 (1986)、Hollyday, M. and Hamburger, V., 170 J. Comp. Neurol. 311 (1976)McManaman, J. L., et al., 263 J. Biol. Chem. 5890 (1988)、Oppenheim, R. W., et al., 240 Science, 919 (1988)、およびSmith, R. G., et al., 6 J. Neurosci. 439 (1986)。
ヒト運動ニューロン栄養因子(MNTF)は、運動ニューロンの損傷部位における炎症を軽減し、神経再生を促進し、運動ニューロンの生存を助長することが明らかになっている、骨格筋組織に由来する特異的なNTFである。MNTFは、抹消坐骨神経(下肢の筋肉を制御する)、抹消筋皮神経(上肢の筋肉を制御する)、頭蓋顔面神経(顔面および頭部の筋肉を制御する)、脳舌下神経(下を制御する)、および頸部、胸部、および上肢の筋肉を制御する脊髄の一部を含む様々なラットの神経系において検査されている。脊髄モデルにおいて、MNTFを、半側切断したラット脊髄の神経移植片に適用したところ、MNTFは炎症を軽減し、変性を抑え、移植した神経の再生を促進した。数多くの試験が、栄養作用および親和性作用についてのラット末梢神経モデルのシステムにおいて記載される、神経に直接適用された場合の合成されたMNTFまたはペプチド類似体の有効性を証明してきている。また、MNTFは、運動ニューロンの再生および生存を促進することが分かっている。
神経細胞死は、脊椎動物の神経系において、特定の成長および発達期間中に起こる。したがって、関連する標的組織からの可溶性の神経栄養因子の添加は、この細胞死の減少を緩和する役割を果たす可能性がある。
したがって、本開示の態様および実施形態は、神経細胞障害の治療のためのMNTFペプチドまたはその類似体を含む方法および組成物を提供する。
本開示の態様および実施形態は、同定され、MNTF分子中の短い重複配列にマッピングされた、運動ニューロン栄養因子の作用と関連する機能性タンパク質ドメインを対象とする。配列番号2〜22のドメインを含むこれらのタンパク質ドメインは、神経細胞の生存率および増殖を調節するために十分である。さらに、これらのドメインを包括する切断されたMNTFペプチドまたは類似体は、それ自体が、運動ニューロン/神経芽細胞腫の細胞雑種における刺激性の生物活性を証明するために十分である。
定義
本開示が関連する技術を説明する文脈において使用される特定の用語を記載する。別途記載のない限り、以下の用語は、本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、以下の意味を有するものとする。以下または本明細書の他の箇所に定義されていない用語については、当該技術分野で認められる意味を有するものとする。
本明細書で使用される場合、「運動ニューロン栄養因子(motoneuronotrophic factor)または運動ニューロン栄養因子(motoneuron trophic factor)」は、運動ニューロンの栄養または維持に関与する因子を含む。用語「運動ニューロン親和性因子」、「MNTF」、「MNTFペプチド」、「運動ニューロン親和性因子類似体」、および「MNTF類似体」はそれぞれ、本明細書に記載されるようにペプチドおよびその類似体を指し、本明細書に定義される機能特性を有する。これらは、参照MNTF配列の配列および機能的相同体を含んでもよい。運動ニューロン栄養因子はさらに、関与する神経前駆細胞の発達および分化を提供するか、またはそれらは、分化した神経系細胞の成長(例えば、神経突起伸長)および生存を誘導もしくは促進してもよい。「MNTF活性」は、次の活性のうちの1つ以上を含む:ニューロンの成長の促進、ニューロンの維持の促進、神経突起伸長の促進、軸索切断された運動ニューロンの軸索再生の促進、運動機能の向上、損傷した神経経路の修復、神経経路の再生、または神経細胞の異常の軽減。本開示の運動ニューロン栄養因子は、典型的には、CNSまたはPNSの完全に分化した神経系細胞(例えば、運動ニューロン)を生成するのに効果的な量で提供される。量の目安は、本明細書に提供され、既知の手順および本明細書に開示される方法に基づいて、当業者によって容易に決定され得る。
MNTFペプチドは、Chau, R. M. W., et al.のMuscle Neuronotrophic Factors Specific for Anterior Horn Motoneurons of Rat Spinal Cordに報告されている。Recent Advances in Cellular and Molecular Biology, Vol. 5, Peeters Press, Leuven, Belgium, pp. 89−94 (1992)、ならびに、例えば、米国特許第6309877号、米国特許第7183373号、米国特許第6841531号、米国特許第6759389号、および米国特許第20060052299号にも見出され、それらの内容は、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態において、その例は、配列番号2〜22からのドメインの一部を含む合成および/もしくは精製されたMNTFペプチドまたはその類似体と、神経細胞の生存率および成長を誘導または調節するために有用な、切断された配列の相同体および類似体を含む、その構造および/または機能を模倣する分子とを含む。
また、MNTFペプチドは、以下に記載されるものも含んでもよく、それらのすべての内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる:Chau, R. M. W., et al., The Effect of a 30 kD Protein from Tectal Extract of Rat on Cultured Retinal Neurons, 34 Science in China, Series B, 908 (1991)、Chau, R. M. W., et al., Muscle Neurono Neuronotrophic Factors Specific for Anterior Horn Motoneurons of Rat Spinal Cord. In: Recent Advances in Cellular and Molecular Biology, Vol. 5, Peeters Press, Leuven, Belgium, pp. 89−94 (1992)、Chau, R. M. W., et al., The Effect of a 30 kD Protein from Tectal Extract of Rat on Cultured Retinal Neurons, 34 Science in China, Series B, 908 (1991)、Chau, R. M. W., et al., Cloning of Genes for Muscle−Derived Motoneuronotrophic Factor 1 (MNTF1) and Its Receptor by Monoclonal Antibody Probes, (abstract) 19 Soc. for Neurosci. part 1, 252 (1993)、Chau, R. M. W., et al., Cloning of Genes for Muscle−Derived Motoneuronotrophic Factor 1 (MNTF1) and Its Receptor by Monoclonal Antibody Probes, (abstract) 19 Soc. for Neurosci. part 1, 252 (1993)。
特定の実施形態において、MNTFペプチドまたはその類似体は、MNTFドメインの活性部位のうちの1つからの配列(例えば、配列番号3等の2つのアミノ酸のMNTFペプチド)を含んでもよい。
特定の実施形態において、MNTFペプチドは、配列番号2〜22に記載される配列からなる。他の実施形態において、MNTFペプチド類似体は、配列番号2〜22に示されるMNTFペプチドの機能的誘導体を含む。
本明細書に記載されるMNTFペプチドおよびその類似体は、MNTF(すなわち、配列番号1から)およびその機能的誘導体に由来するペプチドを含む。これらの化合物は、配列番号2〜22のうちの1つのアミノ酸配列を有するペプチドと、配列番号2〜22に提供されるアミノ酸配列を有するペプチドの機能的誘導体とを含む。
「類似体」は、本出願において使用される場合、修飾されているが、MNTF活性を保持するペプチド(例えば、配列番号1の33merのMNTFに対する切断、置換、別の部分との共有結合等によって)を含む。MNTFペプチド類似体は、例えば、MNTFペプチドのエステル、アミド、プロドラッグ、および塩の形態を含む。MNTFペプチド類似体は、例えば、親油性部分(例えば、脂肪酸)、担体分子と共有結合するMNTFペプチド等の、別の部分との付着によって共有結合的に修飾されたMNTFペプチド、または融合タンパク質を生成するための異種のポリペプチドを含む。特定の実施形態において、本開示による類似体は、「保存」置換(例えば、配列番号1に対して)を含む。保存アミノ酸置換は、その群のメンバー間での置換がその分子の生物学的機能を保存するという十分に類似する物理化学的特製を有する、同じ群内の同義アミノ酸とのアミノ酸置換を含む(Grantham, Science, Vol. 185, pp. 862−864 (1974))。MNTF類似体はさらに、本明細書に記載されるペプチドまたは類似体のMNTFの機能的誘導体を包含する。いくつかの実施形態において、MNTF類似体は、配列番号1に示される配列、または配列番号2〜22を含むその切断されたものと比較すると、20%、25%、30%、35%、または40%までの保存アミノ酸置換を含んでもよい。
本明細書で使用される場合、MNTFの「機能的誘導体」は、既知の方法に従って、アミノ酸部分の側鎖またはNもしくはC基の末端に存在する官能基から調製することができ、それらが薬学的に許容される場合、すなわちタンパク質/ペプチド活性を破壊しない、またはそれらを含有する医薬組成物に許容されない毒性を与えない場合に、本開示に提供される誘導体を指す。かかる誘導体は、例えば、カルボキシル基の脂肪族エステルもしくは脂肪族アミド、および遊離アミノ基のN−アシル誘導体、ならびに遊離ヒドロキシル基のO−アシル誘導体を含んでもよく、例えば、アルカノイル基もしくはアロイル基等のアシル基、官能基のプロドラッグ、塩で形成されるか、またはそれらの組み合わせを有する。
同義アミノ酸群は、表I、II、およびIIIに定義されるものを含む。
表I
同義アミノ酸の広範囲な群
アミノ酸−−−同義アミノ酸
Ser−−−Ser、Thr、Gly、Asn
Arg−−−Arg、Gln、Lys、Glu、His
Leu−−−Ile、Phe、Tyr、Met、Val、Leu
Pro−−−Gly、Ala、Thr、Pro
Thr−−−Pro、Ser、Ala、Gly、His、Gln、Thr
Ala−−−Gly、Thr、Pro、Ala
Val−−−Met、Tyr、Phe、Ile、Leu、Val
Gly−−−Ala、Thr、Pro、Ser、Gly
Ile−−−Met、Tyr、Phe、Val、Leu、Ile
Phe−−−Trp、Met、Tyr、Ile、Val、Leu、Phe
Tyr−−−Trp、Met、Phe、Ile、Val、Leu、Tyr
Cys−−−Ser、Thr、Cys
His−−−Glu、Lys、Gln、Thr、Arg、His
Gln−−−Glu、Lys、Asn、His、Thr、Arg、Gln
Asn−−−Gln、Asp、Ser、Asn
Lys−−−Glu、Gln、His、Arg、Lys
Asp−−−Glu、Asn、Asp
Glu−−−Asp、Lys、Asn、Gln、His、Arg、Glu
Met−−−Phe、Ile、Val、Leu、Met
Trp−−−Trp
表II
同義アミノ酸の中範囲の群
アミノ酸−−−同義群
Ser−−−Ser
Arg−−−His、Lys、Arg
Leu−−−Ile、Phe、Met、Leu
Pro−−−Ala、Pro
Thr−−−Thr
Ala−−−Pro、Ala
Val−−−Met、Ile、Val
Gly−−−Gly
Ile−−−Ile、Met、Phe、Val、Leu
Phe−−−Met、Tyr、Ile、Leu、Phe
Tyr−−−Phe、Tyr
Cys−−−Ser、Cys
His−−−Arg、Gln、His
Gln−−−Glu、His、Gln
Asn−−−Asp、Asn
Lys−−−Arg、Lys
Asp−−−Asn、Asp
Glu−−−Gln、Glu
Met−−−Phe、Ile、Val、Leu、Met
Trp−−−Trp
表III
同義アミノ酸の狭範囲の群
アミノ酸−−−同義群
Ser−−−Ser
Arg−−−Arg
Leu−−−Ile、Met、Leu
Pro−−−Pro
Thr−−−Thr
Ala−−−Ala
Val−−−Val
Gly−−−Gly
Ile−−−Ile、Met、Leu
Phe−−−Phe
Tyr−−−Tyr
Cys−−−Ser、Cys
His−−−His
Gln−−−Gln
Asn−−−Asn
Lys−−−Lys
Asp−−−Asp
Glu−−−Glu
Met−−−Ile、Leu、Met
Trp−−−Trp
本明細書に提供される化合物に使用されるアミノ酸(例えば、ペプチドおよびタンパク質)は、遺伝的にコードされたアミノ酸、天然の非遺伝的にコードされたアミノ酸、または合成のアミノ酸であってもよい。上述したうちのいずれかのLおよびDエナンチオマーの両方が、化合物に用いられてもよい。以下の遺伝的にコードされたアミノ酸(およびその残基)には、以下の略語が本明細書において使用されてもよい:アラニン(Ala、A)、アルギニン(Arg、R)、アスパラギン(Asn、N)、アスパラギン酸(Asp、D)、システイン(Cys、C)、グリシン(Gly、G)、グルタミン酸(Glu、E)、グルタミン(Gln、Q)、ヒスチジン(His、H)、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)、リジン(Lys、K)、メチオニン(Met、M)、フェニルアラニン(Phe、F)、プロリン(Pro、P)、セリン(Ser、S)、トレオニン(Thr、T)、トリプトファン(Trp、W)、チロシン(Tyr、Y)、およびバリン(Val、V)。
遺伝的にコードされておらず、本明細書に記載する化合物に存在してもよい、一般的に遭遇する特定のアミノ酸は、これらに限定されないが、β−アラニン(b−Ala)および3−アミノプロピオン酸(Dap)、2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr、Z)、4−アミノ酪酸等の他のω−アミノ酸、α−アミノイソ酪酸(Aib)、ε−アミノヘキサン酸(Aha)、δ−アミノ吉草酸(Ava)、メチルグリシン(MeGly)、オルニチン(Orn)、シトルリン(Cit)、t−ブチルアラニン(t−BuA)、t−ブチルグリシン(t−BuG)、N−メチルイソロイシン(MeIle)、フェニルグリシン(Phg)、シクロヘキシルアラニン(Cha)、ノルロイシン(Nle、J)、2−ナフチルアラニン(2−Nal)、4−クロロフェニルアラニン(Phe(4−Cl))、2−フルオロフェニルアラニン(Phe(2−F))、3−フルオロフェニルアラニン(Phe(3−F))、4−フルオロフェニルアラニン(Phe(4−F))、ペニシラミン(Pen)、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic)、β−2−チエニルアラニン(Thi)、メチオニンスルホキシド(MSO)、ホモアルギニン(hArg)、N−アセチルリジン(AcLys)、2,3−ジアミノ酪酸(Dab)、2,3−ジアミノ酪酸(Dbu)、p−アミノフェニルアラニン(Phe(pNH))、N−メチルバリン(MeVal)、ホモシステイン(hCys)、3−ベンゾチアゾール−2−イル−アラニン(BztAla、B)、およびホモセリン(hSer)を含む。企図されるさらなるアミノ酸類似体は、リン酸化セリン、リン酸化スレオニン、リン酸化チロシン、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、馬尿酸、オクタヒドロインドール−2カルボン酸、スタチン、α−メチル−アラニン、パラ−ベンゾイル−フェニルアラニン、プロパルギルグリシン、およびサルコシンを含む。本明細書に記載されるペプチドは、L型またはD型構成の上記アミノ酸のうちのいずれか、あるいは本明細書に記載されるまたは現在もしくは未来において当該技術分野で既知である、他のいずれのアミノ酸を有してもよい。
互いに置換可能なアミノ酸は、通常、類似するクラスまたはサブクラスに属する。当業者には既知であるように、アミノ酸は、主にアミノ酸側鎖の化学的および物理的特性に依存して、異なるクラスに分類することができる。例えば、アミノ酸の中には、通常、親水性または極性アミノ酸であると考えられるものがあれば、疎水性または非極性アミノ酸であると考えられるものもある。極性アミノ酸は、酸性、塩基性、または親水性の側鎖を有するアミノ酸を含み、非極性アミノ酸は、芳香族または疎水性の側鎖を有するアミノ酸を含む。非極性アミノ酸は、特に脂肪族アミノ酸を含むようにさらに細分化されてもよい。本明細書において用いられるアミノ酸のクラスの定義は、以下の通りである。
「非極性アミノ酸」は、生理的pHでは電荷を帯びず、極性ではなく、通常は水溶液に忌避される側鎖を有するアミノ酸を指す。遺伝的にコードされた疎水性アミノ酸の例としては、Ala、Ile、Leu、Met、Trp、Tyr、およびValが挙げられる。非遺伝的にコードされた非極性アミノ酸の例としては、t−BuA、Cha、およびNleが挙げられる。
「芳香族アミノ酸」は、共役π電子系を有する少なくとも1つの環(芳香族基)を含有する側鎖を有する非極性アミノ酸を指す。芳香族基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、スルホニル、ニトロ、およびアミノ基等の置換基、ならびに他の置換基でさらに置換されてもよい。遺伝的にコードされた芳香族アミノ酸の例は、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンを含む。一般的に遭遇する非遺伝的にコードされた芳香族アミノ酸は、フェニルグリシン、2−ナフチルアラニン、β−2−チエニルアラニン、3−ベンゾチアゾール−2−イル−アラニン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、4−クロロフェニルアラニン、2−フルオロフェニルアラニン、3−フルオロフェニルアラニンおよび4−フルオロフェニルアラニンを含む。
「脂肪族アミノ酸」は、飽和または不飽和の直鎖、分岐鎖、または環状炭化水素の側鎖を有する非極性アミノ酸を指す。遺伝的にコードされた脂肪族アミノ酸の例は、Ala、Leu、Val、およびIleを含む。コードされていない脂肪族アミノ酸の例はNleを含む。
「極性アミノ酸」は、生理的pHでは電荷を帯びるかまたは電荷を帯びず、2つの原子によって共有される1対の電子が、その原子のうちの1つにより密接に保持される結合を有する側鎖を有する親水性アミノ酸を指す。極性アミノ酸は、一般に親水性であり、つまりは水溶液に引き付けられる側鎖を有するアミノ酸を有する。遺伝的にコードされた極性アミノ酸の例は、アスパラギン、システイン、グルタミン、リジン、およびセリンを含む。非遺伝的にコードされた極性アミノ酸の例は、シトルリン、ホモシステイン、N−アセチルリジン、およびメチオニンスルホキシドを含む。
「酸性アミノ酸」は、pK値7未満の側鎖を有する親水性アミノ酸を指す。酸性アミノ酸は、典型的には、水素イオンの損失のために、生理的pHでは負電荷を帯びる側鎖を有する。遺伝的にコードされた酸性アミノ酸の例は、アスパラギン酸(アスパルテート)およびグルタミン酸(グルタメート)を含む。
「塩基性アミノ酸」は、pK値7を上回る側鎖を有する親水性アミノ酸を指す。塩基性アミノ酸は、典型的には、ヒドロニウムイオンの会合のために、生理的pHでは正電荷を帯びる側鎖を有する。遺伝的にコードされた塩基性アミノ酸の例は、アルギニン、リジン、およびヒスチジンを含む。非遺伝的にコードされた塩基性アミノ酸の例は、オルニチン、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、およびホモアルギニンを含む。
「イオン性アミノ酸」は、生理的pHで電荷を帯びることができるアミノ酸を指す。かかるイオン性アミノ酸は、例えば、D−アスパラギン酸、D−グルタミン酸、D−ヒスチジン、D−アルギニン、D−リジン、D−ヒドロキシリジン、D−オルニチン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−アルギニン、L−リジン、L−ヒドロキシリジン、またはL−オルニチン等の、酸性および塩基性アミノ酸を含む。
当業者には理解されるように、上記の分類は絶対的なものではない。いくつかのアミノ酸は、1つより多くの特徴的な特性を示すために、1つより多くのカテゴリーに含まれてもよい。例えば、チロシンは、非極性芳香族環および極性ヒドロキシル基の両方を有する。したがって、チロシンは、非極性、芳香族、および極性と称することのできるいくつかの特徴を有する。しかしながら、非極性の環が優性であるため、チロシンは一般的には非極性であると考えられている。同様に、ジスルフィド結合を形成することができることに加えて、システインもまた非極性の特徴を有する。したがって、厳密には疎水性または非極性アミノ酸として分類されないものの、多くの場合は、ペプチドに疎水性または非極性を付与するためにシステインを用いることができる。
いくつかの実施形態において、本明細書において企図される極性アミノ酸は、例えば、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、ホモシステイン、リジン、ヒドロキシリジン、オルニチン、セリン、スレオニン、および構造的に関連するアミノ酸を含んでもよい。一実施形態において、極性アミノは、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、リジン、またはオルニチン等のイオン性アミノ酸である。
用いることのできる極性または非極性アミノ酸残基の例は、例えば、アラニン、バリン、ロイシン、メチオニン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン等を含む。
本明細書において用語「塩」は、カルボキシル基の塩と、本明細書に記載されるペプチドおよびその類似体のアミノ基の酸付加塩との両方を指す。カルボキシル基の塩は、当該技術分野で既知である手段を用いて形成されてもよく、例えば、ナトリウム、カルシウム、アンモニウム、第二鉄または亜鉛塩等の無機塩、および、例えば、トリエタノールアミン、アルギニンまたはリジン、ピペリジン、プロカイン等のアミンで形成される有機塩基を有する塩を含んでもよい。酸性塩は、例えば塩酸または硫酸等の鉱酸を含む塩、および、例えば酢酸またはシュウ酸等の有機酸を有する塩を含む。当然、いずれのかかる塩も、本明細書に開示されるペプチドまたはそれらの類似体の活性を保持しなければならない。
「前駆体」は、ヒトまたは動物の体内で、本明細書に開示されるペプチドに変換される化合物である。
本開示のペプチドは、固相合成または液相合成等、当該技術分野で周知であるいずれの手順を用いて調製されてもよい。固相合成としては、例えば、合成されるべきペプチドのC末端に対応するアミノ酸が、有機溶媒中で不溶性である支持部に結合され、反応を交互に繰り返すことにより、適切な保護基で保護されたα−アミノ基および側鎖官能基を有するアミノ酸が、C末端からN末端の順序で1つずつ濃縮され、樹脂またはペプチドのα−アミノ基の保護基に結合したアミノ酸が放出され、ひいては、このようにしてペプチド鎖が拡張される。固相合成法は、使用される保護基の種類に依存して、tBoc法およびFmocに大きく分類される。
典型的に使用される保護基は、アミノ基として、tBoc(t−ブトキシカルボニル)、Cl−Z(2−クロロベンジルオキシカルボニル)、Br−Z(2−ブロモベンジルオキシカルボニル)、Bzl(ベンジル)、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)、Mbh(4,4´−ジメトキシジベンズヒドリル)、Mtr(4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル)、Trt(トリチル)、Tos(トシル)、Z(ベンジルオキシカルボニル)およびCl2−Bzl(2,6−ジクロロベンジル)を、グアニジノ基としてNO(ニトロ)およびPmc(2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル)を、ヒドロキシル基としてtBu(t−ブチル)を含む。
所望のペプチドは、合成された後に脱保護反応に供され、固体支持部より切り取られる。かかるペプチド切断反応は、Boc法にはフッ化水素またはトリフルオロメタンスルホン酸を用いて行われてもよく、Fmoc法にはTFAを用いて行われてもよい。
このように得られた粗ペプチドは、その後で精製に供される。精製は、本目的のために既知であるいずれの方法を用いて、すなわち、抽出、沈殿、クロマトグラフィー、電気泳動等を伴う任意の従来手順によって行われる。例えば、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)が使用されてもよい。溶出は、タンパク質の精製に一般的に用いられる、水−アセトニトリル系溶媒を使用して行われてもよい。
本明細書に記載されるペプチドは、MNTF活性および/またはそれによる調節を必要とする病態において、医薬組成物中での有効成分としての使用に適切であるように、実質的に精製された形態で提供されてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「生物学的に活性なペプチド」および「生物学的に活性な断片」は、運動ニューロン分化因子(MNDF)および/または運動ニューロン栄養因子(MNTF)の上記説明によるペプチドまたはポリペプチドを指し、MNDFは、幹細胞を運動ニューロンおよびMNTFに分化し、MNTFは、神経の保護、修復、および治療的機能を示す。
本明細書で使用される場合、例示的なMNTFペプチドおよびその類似体は、幹細胞を運動ニューロンに分化するために十分であると本明細書で証明されるものを含む。
本明細書で使用される場合、「防ぐ」は、全体的もしくは部分的に防ぐこと、または寛解させることもしくは制御することを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「治療する」は、治療的処置および予防または防止措置の両方を指す。治療を必要とする対象は、既に障害を有する対象、および障害に罹患し易い対象、または障害があると診断された対象、または障害が予防されるべき対象を含む。
本明細書で使用される場合、本明細書に記載される化合物または組成物に関する「有効量」は、所望の生物学的、医薬的、または治療的な結果をもたらすために十分な量を指す。結果は、疾患もしくは障害もしくは状態の兆候、症状、もしくは原因の軽減であるか、または生物系の他のいずれの所望の変更であってもよい。
「パーセント(%)同一性」という語句は、2つ以上の配列の比較において見られる配列の類似性の割合を指す。パーセント同一性は、例えば、いずれの好適なソフトウェアを使用して、電子的に決定されてもよい。同様に、2つの配列(またはそれらのいずれかもしくは両方の1つまたはそれ以上の部分)の間の「類似性」は、1つの配列を2番目の配列と比較することによって決定される。
本明細書に記載れる場合、用語「相同性および相同体」は、該当するタンパク質配列に対するアミノ酸配列の相同体を含有するペプチドを含んでもよい。かかるペプチドは、典型的には少なくとも約70%の相同性を有し、例えば、該相同配列の少なくとも約15、20、30、40、50、100個のより近接したアミノ酸/ポリペプチドの領域上で、関連する配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、または99%相同性であってもよい。それらは、ペプチドおよび参照配列の長さに依存して、参照配列(例えば、配列番号1)に対して変化する、約25%、30%、40%、または50%までの保存アミノ酸をさらに含んでもよい。
治療の一般的な態様
対象に運動ニューロン親和性因子(MNTF)ペプチドまたはその類似体を投与することを含む、神経細胞障害に罹患する対象を治療する方法が提供される。
本明細書において使用される場合、神経細胞障害は、機能的な神経組織の急性または進行性の損失によって、全体的または部分的に関連するまたは特徴付けられる疾患、障害、または状態を含んでもよい。
「神経変性疾患」は、機能的な神経組織の進行性、漸進的な損失によって特徴付けられる中枢または末梢神経系と関連する状態を指す。
概要
ラット筋組織からの2つの運動ニューロン栄養因子(MNTF1およびMNTF2)の単離および特徴付け、ならびにその後のヒト網膜芽細胞腫cDNAライブラリ由来の組換えMNTF1−F6遺伝子のクローニングは、米国特許第6,309,877号、第6,759,389号、および第6,841,531号(ならびに米国同時係属出願第10/858,144号、第10/858,286号、第10/858,543号、および第10/858,545号)に記載され、それらのすべては、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。国際出願PCT/US2004/038651に記載されるように(参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる)、MNTF1−F6遺伝子配列は、ヒト染色体22q22内に位置することが分かった33番目のアミノ酸のMNTF1ポリペプチドをコードする。
MNTF1の既知の生物学的活性に十分であると思われるMNTF1−F6分子内の、重複する2つのドメインが同定された。国際出願第PCT/US04/01468号または米国特許出願第10/541,343(米国特許第7,183,373号として発行された)を参照のこと(参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる)。本明細書において「WMLSAFS」および「FSRYAR」ドメインと表されるこれらのそれぞれのドメインは、MNTF1−F6の33−merと同様の様式で、運動ニューロンに由来する細胞株の増殖を刺激するために十分であった。同様に、「FSRYAR」ドメインは、MNTF1−F6の33−merと同様の様式で、生体内で運動ニューロンによる筋肉標的の選択的な神経再生を導くために十分である。また、「FSRYAR」ドメインは、免疫反応を誘発させるために使用された場合に、MNTF1−F6の33−merを含む「FSRYAR」配列を含有するMNTFペプチドを認識する抗体を産生するために十分な抗原性エピトープを提供する。
さらに、本明細書に記載されるように、配列番号1の少なくとも2個の連続する残基を含むMNTFペプチドは、該ペプチドが、配列番号1の17および18位にそれぞれ存在するフェニルアラニンおよびセリン残基を少なくとも含む限り、本明細書に記載するように使用されてもよい。
運動ニューロン栄養因子(MNTF)は、ヒトの胎児妊娠期間9週目の発現でピークに達する(Di, X. et al., Acta Anatomica Sinica 29:86−89, 1998)。ヒトの発達におけるMNTFの発現に基づいて、我々は、MNTFが運動ニューロンの分化および/または生存を促進する可能性があると結論付けた。
使用方法
MNTF1および/またはそのペプチド類似体は、生体外での哺乳類の運動ニューロンの生存を促進する。したがって、本明細書に記載される技術は、有効量のMNTFペプチドまたはその類似体を用いて幹細胞由来の神経細胞を生体外で培養することにより、幹細胞由来の神経細胞株の生存を促進するための方法を含む、神経細胞培養物の成長因子/栄養補助剤としてのMNTFペプチドまたはその類似体の使用を提供する。
米国特許出願第12/093,452号、PCT/US06/043874に記載されるように、他のMNTFペプチドは、幹細胞の分化において有効性を示している。本明細書に提供されるMNTFペプチドは、同様の生物学的活性を有するため、多能性胚性幹細胞の運動ニューロンへの分化を調節し、ES細胞由来運動ニューロンの生存を促進する。ES細胞をRAおよびMNTF類似体に曝露することにより、これらの細胞に運動ニューロンを産生するように指示する。
これに限定されないが、運動ニューロン分化因子(MDNF)と称されるMLSAFSRYARドメインを含む物を含む、MNTFおよび切断されたMNTF分子は、米国特許出願第12/093,452号、PCT/US06/043874において、幹細胞または部分的に分化した神経細胞の運動ニューロンへの分化を誘導することが証明された。かかる薬剤は、幹細胞培養物から運動ニューロンの集団を産生および/または単離するための新規方法を提供する。
上記方法は、胚性幹細胞をレチノイン酸(RA)および運動ニューロン分化因子(MNDF)と接触させる工程を含む。本明細書に記載される実施形態において、胚性幹細胞は、運動ニューロン分化因子と同時にRAに接触される。代替として、当該方法は、部分的に分化した神経細胞を運動ニューロン分化因子と接触させる工程を含む。上記因子は、分化した神経細胞を生成するために効果的な量で提供される。これらの量は、本明細書に開示される既知の手順および方法に基づいて、当業者によって容易に決定され得る。
分化した運動ニューロンは、例えばFACSソーティングによって、単離または濃縮することができる。例えば、GFPに基づく運動ニューロンのマーキング法の使用により、ES細胞由来運動ニューロンの純粋な集団を特徴付けることが可能である。我々は、胚様体からの細胞の混合集団から、細胞の純粋な運動ニューロンを単離するために、このプロトコルを用いた。コラゲナーゼおよびディスパーゼを使用して、胚様体を単細胞に脱凝集した。HB9プロモーターに制御されたGFPを発現する細胞が、集団における真の運動ニューロンであるため、その後、これらの単細胞をGFPについてFACSソートした。
したがって、技術の別の態様は、以下の工程を用いて、分化した神経系細胞の集団を単離および/または精製するための方法を対象とする:a)運動ニューロン特異的プロモーターの制御下において、高感度緑色蛍光タンパク質(eGFP)を発現する胚性幹細胞の培養物を獲得または産生する工程、(b)胚性幹細胞の培養物を、eGFPを発現する分化した神経細胞を生成するために有効な量のRAおよびMNTFと接触させる工程、(d)分化した神経細胞におけるeGFPの発現を検出する工程、および(f)eGFPを発現する分化した神経細胞を単離する工程。
MNTFペプチドおよびその類似体
当該技術分野および本開示に精通する当業者は理解するように、MNTF活性ドメインおよびそのペプチド類似体を含む配列は、生体内および生体外での神経保護、修復、および治療的機能を運動ニューロンに与えることができる。本明細書に記載されるMNTF因子は、合成もしくは組換えによって生成されてもよいか、または天然細胞から単離されてもよい。
本開示のMNTFペプチドまたはその類似体を含むタンパク質またはペプチドにおけるアミノ酸残基の配列は、本明細書において、それらの一般的に用いられる3文字の記号表示の使用を介するか、またはそれらの1文字の記号表示によるかのいずれかで表される。これらの3文字および1文字の記号表示のリストは、Biochemistry, Second Edition, Lehninger, A., Worth Publishers, New York, N.Y. (1975)等の教科書に見出すことができる。アミノ酸配列が水平に列記されている場合は、アミノ末端は左端にあることが意図され、カルボキシ末端は右端にあることが意図される。
当業者は、様々なMNTFペプチドまたはその類似体を含むペプチドの正確な化学構造は、因子の数に依存して異なることを理解するであろう。例えば、イオン性カルボキシル基およびアミノ基が分子中に認められるため、所与のポリペプチドは、酸性もしくは塩基性の塩として、または中性の形態で得られてもよい。ひいては、本開示の目的のために、MNTFペプチドの生物学的活性を保持する配列番号2〜22に列記される配列/ドメインを含む任意の形態のペプチドは、本明細書に記載される技術の範囲内であることが意図される。特定の実施形態において、本開示は、MNTFペプチドの生物学的活性を保持する配列番号2〜22に列記される配列/ドメインで本質的に構成されるペプチド組成物を含む。
本開示は、神経保護を行い、運動ニューロンの生存、維持および/または修復を促進し、あるいは特定の場合において、幹細胞を運動ニューロンへと分化するMNTFの能力を保持するMNTFペプチド類似体の使用を含む。
ポリペプチド配列を対応する配列番号1の断片と比較するために、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Bio技術Information)(World Wide Web上のncbi.nlm.nih.gov)から公的に入手可能なBLASTプログラムを使用して、配列のグローバルアラインメントを行うことができる。グローバルアラインメントを行う前に、配列番号1がGenBankに提出されてもよい。国立バイオテクノロジー情報センターによって提供されるデフォルトのパラメータが、グローバルアラインメントに使用されてもよい。
本明細書に開示される技術は、1つまたはそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されてもよいペプチド類似体の使用を含むことを理解されたい。いくつかの実施形態において、運動ニューロン栄養因子のペプチド類似体は、配列番号1の少なくとも2個の連続するアミノ酸残基の断片に対して1つまたはそれ以上の保存アミノ酸置換を含有する。特定の実施形態において、2個の連続するアミノ酸残基はF−Sである。
モデル化された(または試験的に決定された)ペプチド構造に基づく、MNTFおよび他の類似するドメイン模倣物または結合分子の合理的な設計は、合理的薬物設計の既知の方法を用いて当業者によって実行されてもよい。合理的薬物設計の目的は、生物学的に活性なポリペプチドまたは標的化合物の構造的類似体を生成することである。かかる類似体を作製することで、天然の分子よりもより活性であるかもしくは安定した、改変に対する異なる感受性を有するか、または他の様々な分子の機能に影響を及ぼす可能性のある、薬物を構築することが可能である。1つのアプローチにおいて、標的分子、またはその断片のための3次元構造を産生する。これは、X線結晶学、コンピュータモデル、または両方を組み合わせたアプローチによって、実現することができる。
本明細書に開示される3次元のMNTF分子および関連する構造は、MNTFの活性部分と結合する候補化合物を同定するために、コンピュータによる合理的薬剤設計方法(すなわち、分子モデルおよび分子‐分子相互作用モデル)において使用されてもよい。候補化合物と、例えば、本明細書に記載される原子座標との相互作用をモデル化することができる様々なコンピュータによる薬剤設計プログラムが当該技術分野で既知であり、かかるプログラムの操作は、合理的薬剤設計の分野における当業者の知識の範囲内である。
作製方法
本開示のMNTFペプチドまたはその類似体を含む組成物は、これらに限定されないが、固相合成による化学合成およびHPLCを用いた化学反応物の他の生成物からの精製を含む当該技術分野において周知の方法によって、あるいは、生体外翻訳系もしくは生細胞における、本明細書に記載されるMNTFペプチドもしくはその類似体を含むペプチドまたはポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、DNA配列)の発現による生成によって、作製されてもよいことを理解されたい。上記組成物のMNTFペプチドまたはその類似体は、単離されて、1つまたはそれ以上の望ましくない低分子量分子を除去するために大規模に透析されてもよいか、かつ/または、望ましいビヒクル内でより容易に使用できる製剤となるよう凍結乾燥されてもよい。MNTFペプチド構成成分中で作製されるさらなるアミノ酸、突然変異、化学修飾等がある場合は、MNTFドッキング配列の受容体認識を実質的に妨害するべきではないことを、さらに理解されたい。
MNTF1の1つまたはそれ以上の断片に対応するペプチドまたはポリペプチドは、通常、少なくとも2アミノ酸残基長であるべきであり、2、3、4、または5個のアミノ酸残基を含有してもよい。特定の実施形態において、MNTFペプチド類似体は、6個のアミノ酸残基および機能的誘導体化(例えば、パルミチル化)を含む。ペプチド配列は、例えば、Applied Biosystems(Foster City,CA)から入手可能な自動化ペプチド合成機を用いたペプチド合成等の、当業者に既知の方法によって合成されてもよい。本明細書に記載される技術は、配列番号1〜22に由来する環状ペプチドの合成および使用を含む。
標的とするアミノ酸残基を、選択された側鎖または末端残基と反応する能力を有する有機誘導体化剤と反応させることにより、ペプチドに共有結合的修飾を導入することができる。有機誘導体化剤を用いたポリペプチドの共有結合的修飾は、当業者には周知である。例えば、システイニル残基を、クロロ酢酸またはクロロアセトアミド等のα−ハロアセテート(および対応するアミン)と反応させて、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を生じさせることができる。ヒスチジル残基は、pH5.5〜7.0のジエチルピロカーボネートとの反応によって、または1Mカコジル酸ナトリウム中のpH6のパラ−ブロモフェナシルブロミドとの反応によって、誘導体化させることができる。リシニルおよびアミノ末端残基は、こはく酸または他のカルボン酸無水物と反応させることができる。アルギニル残基は、1つまたはいくつかの従来の試薬、とりわけ、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、およびニンヒドリンとの反応により修飾することができる。芳香族ジアゾニウム化合物またはテトラニトロメタンとの反応により、スペクトルレベルをチロシル残基に導入することができ、最も一般的には、N−アセチルイミダゾールおよびテトラニトロメタンが、それぞれ0−アセチルチロシル種および3−ニトロ誘導体を形成するために使用される。カルボキシル側基(アスパルチルまたはグルタミル)は、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミドまたは1−エチル−3(4アゾニア4,4−ジメチルフェニル)カルボジイミド等のカルボジイミド(R´−N−C−N−R´)との反応により、選択的に修飾することができる。さらに、アスパルチルおよびグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応により、アスパラギニルおよびグルタミニル残基に変換される。グルタミルおよびアスパラギニル残基は、対応するグルタミルおよびアスパルチル残基に脱アミドすることができる。他の修飾は、プロリンおよびリジンの水酸化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、およびヒスチジン側鎖のα‐アミノ基のメチル化(T.E.Creighton,1983,Proteins:Structure and Molecule Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79−86)、N末端アミンのアセチル化を含み、またある場合においては、C末端カルボキシル基のアミド化を含む。
本明細書に記載されるMNTFペプチドまたはその類似体は、遊離形態またはタンパク質もしくは固体粒子等の担体分子に結合された状態のいずれかで、および標識またはトレーサー(例えば、ビオチンまたはフルオレセインイソチオシアネート)に結合した修飾されたペプチドとして、アッセイおよびアッセイ用のキットにおいて用いることができる。
MNTFペプチドまたはその類似体の、水不溶性の支持マトリクスへの架橋は、1,1ビス(ジアゾアセチル)2フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシこはく酸イミドエステル(例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル)、3,3’−ジチオビス(サクシニミジルプロピオネート)等の酸ジサクシンイミジルエステルを含むホモ二機能性イミドエステル、およびビス−N−マレイミド−1,8−オクタン等の二機能性マレイミドを含む、当該技術分野で周知である二機能性試薬を用いて行うことができる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデート等の二機能性試薬は、光の存在下において架橋を形成する能力を有する、光で活性化され得る中間体をもたらす。代替として、臭化シアンで活性化した炭水化物等の反応性の水不溶性マトリクスが、タンパク質の固定化に用いられてもよい。
MNTFペプチドまたはその類似体の、第2のMNTFペプチドまたはその類似体を含む第2のタンパク質への架橋は、本明細書に記載される二機能性試薬を用いて行うことができる。いくつかの実施形態において、例えば、ジチオール基またはジアミノ基または複数のアミノ酸残基(例えば、グリシン)等のスペーサーが挿入される。スペーサーは、ホモまたはヘテロの二機能性架橋剤、例えば、ヘテロ二機能性架橋剤N−(4−カルボキシ−シクロヘキシル−メチル)−マレイミドであってもよい。
長めのペプチドまたはポリペプチド(例えば、融合タンパク質)は、標準的な組換えDNA技術によって生成することができる。例えば、MNTF1ペプチド断片をコードするDNA断片は、既に異種のタンパク質を含有する市販の発現ベクターにクローン化することができ、その結果として、MNTF1ペプチド断片が、フレーム内で異種のタンパク質に融合される。
特定の実施形態において、MNTF1ペプチドおよび/または本明細書に記載される構成成分をコードする核酸は、例えば、本明細書に記載される様々な組成物および方法のために、生体外または生体内でペプチドを生成するために用いられてもよい。例えば、特定の実施形態において、MNTF1ペプチドをコードする核酸は、例えば、組換え細胞中のベクターの構成成分である。核酸は、MNTF1ペプチド配列を含むペプチドまたはポリペプチドを生成するために発現されてもよい。ペプチドまたはポリペプチドは、細胞から分泌されてもよく、または細胞の一部としてもしくは細胞内で分泌されてもよい。
化合物のスクリーニング
本明細書に記載されるスクリーニング手順を用いて同定される化合物は、さらに識別することができ、当該技術分野において容認される動物細胞培養物の疾患および障害モデル系において神経細胞障害を治療する能力に基づいて、化合物の有効性を評価することができる。化合物および天然抽出物の信頼性を検査する多くの薬物スクリーニングアッセイの中で、調査する化合物の数を所与の期間内に最大化するためには、ハイスループットアッセイが望ましい。精製されたまたは部分的に精製されたタンパク質に由来してもよい無細胞系において行われるアッセイは、試験化合物によって媒介される分子標的内の変化を急速に生じさせ、比較的容易に検出できるように産生することが可能であるため、「主要な(primary)」スクリーンとして用いられることが多い。さらに、通常は、生体外系では、試験化合物の細胞毒性の影響および/または生物学的利用率は無視されてもよく、その代わりに、アッセイの焦点が、主に受容体タンパク質との結合親和性の変化に顕在する薬物の分子標的に対する影響に合わせられる。
したがって、別の態様において、運動ニューロンの成長または生存を促進するために有用な化合物を同定する方法が提供される。一実施形態において、当該方法は、以下の工程を含む:i)候補化合物を含むサンプルを調製する工程、ii)細胞を上記サンプルと接触させる工程、iii)シグナル伝達経路に関与する化合物の発現または活性が調節されているかどうかを決定する工程、およびiv)サンプルが運動ニューロンの成長または生存を促進する能力を有するかどうかを決定する工程。他の実施形態において、当該方法は、候補化合物を含むサンプルが、MNTFペプチドもしくはその類似体によって制御されるかどうか、またはMNTFペプチドまたはその類似体によって代替的に制御されるか(例えば、活性、発現等。)どうかを決定する工程をさらに含む。別の態様において、本明細書に記載される技術は、運動ニューロンの成長または生存を促進する方法、または本明細書に記載されるスクリーニング手順によって同定される化合物を投与することによる、神経細胞障害の治療のための方法を含む。
例示的なスクリーニングアッセイでは、通常はMNTFペプチドを結合することができる条件下において、該当する化合物を、MNTF結合タンパク質(例えば、MNTFペプチド受容体を発現する細胞)とMNTFペプチドとを含む混合物に接触させる。次いで、その混合物に、試験化合物を含有する組成物を添加する。受容体/MNTFペプチド複合体の検出および定量化は、受容体タンパク質とMNTFペプチドとの複合体形成を阻害する(または増強する)際に、試験化合物の有効性を決定するための手段を提供する。単離および精製されたMNTFペプチドを受容体タンパク質に添加し、試験化合物の非存在下において受容体/MNTFペプチド複合体の形成を定量化するコントロールアッセイも、比較のためのベースラインを提供するために行うことができる。
MNTFペプチドとMNTFペプチドとの複合体形成は、様々な技術によって検出されてもよい。例えば、複合体形成の調節は、例えば、放射標識された、蛍光で標識された、または酵素的に標識されたMNTFペプチド等の検出可能に標識されたタンパク質を用いて、イムノアッセイによって、またはクロマトグラフィーを用いた検出によって、定量化することができる。無細胞アッセイでは、典型的には、タンパク質のうちの1つの非複合体形態からの受容体/MNTFペプチド複合体の分離を促進するため、およびアッセイの自動化に対応するために、MNTFペプチドまたはMNTFペプチド結合タンパク質のいずれかを固定化することが望ましい。例えば、タンパク質がマトリクスに結合できるようにするドメインを添加する融合タンパク質が提供されてもよい。例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼ/受容体(GST/受容体)融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma Chemical,St.Louis,Mo.)またはグルタチオン誘導体化マイクロタイタープレート上で吸収されてもよく、次いで、MNTFペプチド(例えば、35S−標識化MNTFペプチド)および試験化合物と組み合わされ、複合体形成を助長する条件下(例えば、塩およびpHのための生理的条件)においてインキュベートされるが、わずかによりストリンジェントな条件が望ましいことがある。インキュベーションに続いて、ビーズを洗浄してすべての非結合MNTFペプチドを除去し、マトリクスビーズに結合した放射標識が、直接的に(例えば、シンチラントに留置したビーズ)、または複合体が解離された後で上清中で決定した。代替として、複合体をビーズから解離し、SDS−PAGEゲルを用いて分離し、標準的な電気泳動技術を用いてビーズ断片中に認められるMNTFペプチドのレベルを定量化してもよい。
マトリクス上でタンパク質を固定化するための他の技術も、対象とするアッセイにおける使用のために利用可能である。例えば、MNTFペプチドタンパク質の可溶性部分は、ビオチンとストレプトアビジンとの共役を利用して固定化することができる。例えば、ビオチン化された受容体分子は、当該技術分野において周知の技術(例えば、ビオチン化キット、Pierce Chemicals,Rockford,Ill)を用いてビオチン−NHS(N−ヒドロキシ−こはく酸イミド)から調製して、ストレプトアビジンでコーティングした96ウェルプレート(Pierce Chemical)に固定化されてもよい。代替として、MNTFペプチドには反応するが、リガンド共役を妨害しない抗体は、プレートのウェル、および抗体共役によってウェルに捕捉された受容体に、誘導体化されてもよい。上記のように、MNTFペプチドと試験化合物との調製物をプレートの受容体が存在するウェルでインキュベートして、ウェルに捕捉された受容体/ヘッジホッグ複合体の量を定量化することができる。かかる複合体を検出するための例示的な方法は、MNTFペプチドに反応する抗体、または受容体タンパク質に反応してMNTFペプチドとの結合において競合する抗体を用いた複合体の免疫検出、およびMNTFペプチドと関連する酵素活性の検出に依存する酵素結合アッセイを含む。後者の場合は、酵素は化学的に共役されてもよいか、またはMNTFペプチドとの融合タンパク質として提供されてもよい。例を挙げると、MNTFペプチドは化学的に架橋されてもよいか、または遺伝子的にアルカリホスファターゼと融合されてもよく、複合体中に捕捉されたMNTFペプチドの量は、例えば、パラニトロフェニルリン酸等の酵素の発色基質によって評価することができる。同様に、MNTFペプチドとグルタチオンS−トランスフェラーゼとを含む融合タンパク質が提供されてもよく、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼンを用いてGST活性を検出することにより、複合体形成を定量化することができる(Habig et al,J Biol Chem,249:7130(1974))。複合体中に捕捉されたタンパク質のうちの1つを定量化するための免疫検出には、抗MNTFペプチド抗体等のタンパク質に対する抗体が用いられてもよい。代替として、複合体中に検出されるべきタンパク質は、融合タンパク質の形態である「エピトープタグ付き」であってもよく、それには、MNTFペプチドまたはMNTFペプチド配列の他に、抗体が容易に入手可能な(例えば、販売元から)第2のポリペプチドを含む。例えば、上述したGST融合タンパク質は、GST部分に対する抗体を用いた結合の定量化のためにも用いられてもよい。その他の有用なペプチドタグには、c−mycからの10残基配列を含むmyc−ペプチド(例えば、Ellison et al., J Biol Chem 266:21150−21157 (1991)を参照のこと)、およびpFLAG系(International Biotechnologies,Inc.)またはpEZZ−タンパク質A系(Pharamacia,N.J.)を含む。
組成物
医薬組成物は、本明細書に開示される1つまたはそれ以上のMNTFペプチドまたはその類似体とともに、薬学的に許容される希釈剤および/または担体を含む。好適な担体/希釈剤は当該技術分野において周知であり、任意選択的に緩衝塩および保存剤、またはその糖、デンプン、塩もしくは混合物等の追加の構成成分を含む、生理食塩水またはその他の無菌の水性培地を含む。
MNTFペプチドを含有する組成物は、投与のプロトコルおよび/または患者の必要性に適切ないずれの好適な形態における使用のために提供されてもよい。
本明細書に記載される技術は、幹細胞、神経前駆細胞、分化した神経細胞、および幹細胞由来運動ニューロンを確立および増殖するために有用な培養培地を含む。培地は、幹細胞の分化および幹細胞由来運動ニューロンの長期培養に、特に好適である。
細胞培養培地は、望ましくはモルフォゲンおよび/または成長因子で補充され、培養されるのに望ましい個々の細胞種に従って最適化される。かかる補充および最適化は、通常の当該技術の範囲内である。いくつかの実施形態において、細胞培養培地は、以下のモルフォゲンおよび/または成長因子のうちのいずれかまたはすべてを用いて、以下の適切なレベル(または有効数字以下)で補充されてもよい:0.001〜1μMのRA、0.001〜1μMのShhもしくはShhアゴニスト、および/または0.01〜250μg/mlの1つまたはそれ以上のMNTFペプチドまたはその類似体。
本明細書に記載される医薬製剤は、任意選択的な成分として、薬学的に許容される担体、希釈剤、可溶化剤または乳化剤、および当該技術分野で入手可能な種類の塩を含んでもよい。かかる物質の例は、生理的に緩衝された生理食塩水および水等の生理食塩水を含む。医薬製剤において有用な担体および/または希釈剤の特定の非限定的な例は、水およびリン酸緩衝生理食塩水(pH7.0〜8.0)等の生理的に許容される緩衝生理食塩水を含む。好適な医薬担体は、これらに限定されないが、滅菌水、塩類溶液(リンゲル液等)、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(ラクトース、アミロースまたはデンプン等)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等を含む。医薬調製物は、滅菌されてもよく、所望の場合、例えば、滑沢剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝剤、着色剤、および/または活性化合物と有害に反応しない芳香族物質等の補助剤と混合されてもよい。所望の場合、それらは、代謝分解を低下させるために、例えば、酵素阻害剤等の、他の活性物質と組み合わされてもよい。
本明細書に提供される化合物は、ペプチドの他に、医薬的に許容される担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤、表面活性剤、中性脂質もしくはカチオン脂質、脂質複合体、リポソーム、浸透促進剤、担体化合物、および他の薬学的に許容される担体または賦形剤等を含む可能性がある医薬組成物中に処方されてもよい。
医薬組成物は、通常、治療目的で投与されるために処方される。医薬組成物は、インターフェロン、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔剤等の1つまたはそれ以上の活性成分を含んでもよい。非経口投与のための製剤は、緩衝剤、リポソーム、希釈剤、および他の好適な添加剤を含有する可能性がある無菌水溶液を含んでもよい。本明細書において提供されるペプチドを含む医薬組成物は、ペプチドの栄養運搬を促進するために、浸透促進剤を含んでもよい。浸透促進剤は、5つの広義のカテゴリー、すなわち、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート化剤、界面活性剤、および非界面活性剤のうちの1つに属すると分類されてもよい(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 8, 91−192 (1991)、Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 7, 1−33 (1990))。これらの広義のカテゴリーのうちの1つ以上からの、1つまたはそれ以上の浸透促進剤が含まれてもよい。
浸透促進剤の役割を果たす様々な脂肪酸およびそれらの誘導体は、例えば、カブリル酸(cabrylic acid)、吉草酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプリン酸、トリカプリン酸、リシノール酸、モノオレイン(1−モノオレオイル−rac−グリセロールとしても知られる)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセリル1−モノカプリン酸、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、モノグリセリドおよびジグリセリドならびに生理的に許容されるそれらの塩(すなわち、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸等)を含む。(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems page 92 (1991)、Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 7, 1 (1990)、El−Hariri et al., J. Pharm. Pharmacol. 44, 651−654 (1992))。
特定の実施形態において、例示的なMNTFペプチド類似体は、MNTFペプチドと、例えば、ペプチド上で1つまたはそれ以上の官能基に共有結合する1つまたはそれ以上の脂肪酸等の浸透促進剤との機能的誘導体を含む。いくつかの実施形態において、MNTFペプチド類似体は、浸透促進剤によるN末端修飾、例えば、2〜約22個の炭素原子の脂肪酸および/もしくはアルキルカルボニル(Alk−C(O)−)、および/またはベンジルオキシカルボニル、tert−ブチロキシカルボニル、フルオレニル−メトキシカルボニル、およびアリルオキシカルボニルからなる群から選択される保護基を有するMNTFペプチドの機能的誘導体をさらに有し、YはOHまたはNHである、配列番号1〜22に示されるペプチドを含む。いくつかの実施形態において、アルキルカルボニルは、10〜20個、12〜18個、または2〜22個の炭素を含有する。特定の実施形態において、MNTFペプチド類似体上の好適なN末端修飾は、パルミチル化(例えば、パルミチン酸)によるものである。
胆汁の生理的な役目は、脂質および脂溶性ビタミンの分散および吸収の促進を含む(Brunton, Chapter 38 In: Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Ed., Hardman et al. McGraw−Hill, New York, N.Y., pages 934−935 (1996))。様々な天然の胆汁酸塩およびそれらの合成誘導体は、浸透促進剤の役割を果たす。したがって、用語「胆汁酸塩」は、胆汁の自然に発生する構成成分のすべておよびそれらのすべての合成誘導体を含む。
1つまたはそれ以上の浸透促進剤を含む複合体製剤が用いられてもよい。例えば、胆汁酸塩は、複合体製剤を作製するために脂肪酸と組み合わせて用いられてもよい。キレート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、クエン酸、サリチル酸(例えば、サリチル酸ナトリウム、5−メトキシサリチル酸、およびホモバニラート(homovanilate))、コラーゲンのNアシル誘導体、ラウレス−9、およびβ−ジケトンのNアミノアシル誘導体(エナミン)が挙げられるが、これらに限定されな[Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems page 92 (1991)、Muranishi, Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 7, 1−33 (1990)、Buur et al., J. Control Rel. 14, 43−51 (1990))。キレート化剤は、デオキシリボヌクレアーゼ阻害剤としての役割も果たすという、付加的利点を有する。
界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−20−セチルエーテル(Lee et al., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems page 92 (1991))、ならびにFC−43等の全フッ素置換化合物乳濁液を含む(Takahashi et al., J. Pharm. Phamacol. 40, 252−257 (1988))。非界面活性剤は、例えば、不飽和環状尿素、1−アルキル−および1−アルケニルアザシクロ−アルカノン誘導体(Lee et al,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems page 92(1991))、ならびにジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、およびフェニルブタゾン等の非ステロイド系抗炎症剤(Yamashita et al,J.Pharm.Pharmacol 39,621−626(1987))を含む。
典型的な薬学的に許容される担体としては、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、充填剤(例えば、ラクトースおよび他の糖類、微結晶セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリル酸、またはリン酸水素カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属ステアリン酸塩、水素化植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム等)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に提供される組成物は、医薬組成物中に慣習的に見出される他の補助構成成分を、それらの技術的に確立された使用レベルでさらに含有してもよい。したがって、例えば、組成物は、例えば、鎮痒薬、収斂薬、局所麻酔、もしくは抗炎症剤等の適合性のある医薬的に活性な物質、をさらに含有してもよいか、または、着色料、香味剤、保存剤、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤、および安定化剤等の、本明細書に記載される組成物の様々な剤形を物理的に処方するために有用なさらなる物質を含有してもよい。しかしながら、かかる物質が添加される場合、本明細書に提供される組成物の構成成分の生物学的活性を過度に妨害してはならない。
化合物が患者に導入される方法にかかわらず、ペプチドの生体内での安定性を促進するために、および/または特定の器官、組織、もしくは細胞種にペプチドを標的化するために、送達ビヒクルとしてコロイド状分散系が用いられてもよい。コロイド状分散系としては、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、および脂質系(水/油エマルジョン、ミセル、混合ミセル、リポソーム、および特徴付けられていない構造の脂質‐ペプチド複合体を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。コロイド状分散系の一例は、複数のリポソームである。リポソームは、二層構造に配置された脂質から成る1つまたはそれ以上の外層に囲まれた水性コアを有する、顕微鏡レベルの球体である(一般に、Chonn et al., Current Op. Biotech. 6, 698−708 (1995)を参照のこと)。
特定の実施形態において、MNTFペプチドまたはMNTF類似体または本明細書に提供される他の化合物の体内分布を所望の標的の近くに方向付けるために、またはその持続放出を可能にするために、MNTFペプチドおよびMNTF類似体は、1つまたはそれ以上のポリマーを含む体内分布を司る部分に組み入れられてもよいか、またはそれと組み合わせて用いられてもよい。活性物質は、例えば、治療効果を高めるため、体内分布および生物学的利用率を最適化するため、組織損傷を低減するため、治癒を促進するため、または患者の快適さを増すために有用な化合物を含み、例示的な活性物質は、血管作動性物質、麻酔剤、虚血の治療剤、成長因子およびサイトカインを含む。代替として、微粒子またはナノ粒子ポリマービーズの剤形が、本明細書に提供される組成物に用いられてもよい。本明細書に提供される化合物は、活性物質と組み合わせて用いられてもよく、それに付着する多数のリガンドまたは抗リガンド分子を有する粒子剤形中に封入されてもよい。
このようにして、MNTFペプチドおよびMNTF類似体、ならびに本明細書で提供される他の化合物は、単独または他の活性剤と組み合わされて、その部位で経時的に持続する治療効果を提供するために放出される。持続する放出剤形は、成長因子、サイトカイン等の本明細書に記載される方法において有用な他の活性剤に関しても有用である。粒子剤形からの活性剤の放出は、拡散および粒子マトリクスの浸食の両方の結果として起こる可能性がある。生分解速度は、活性剤放出動態に直接的な影響を及ぼす。
特定の実施形態において、MNTFペプチド、MNTF類似体、および本明細書に記載される化合物の制御放出非経口製剤は、移植片、油性注射剤として、または粒子系として作製されてもよい。粒子系は、ミクロスフェア、微小粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノ球体、およびナノ粒子を含む。マイクロカプセルは、治療タンパク質を中核として含有する。ミクロスフェアにおいて、治療薬は粒子全体に分散される。リポソームは、制御放出および封入された薬物の薬物標的化のために用いることができる。
特定の実施形態において、MNTFペプチドおよびMNTF類似体を含む本明細書に記載される医薬組成物は、局在的に、局所的に、経鼻的に、経口的に、経消化管的に、気管支内に、膀胱内に、膣内に、子宮内に、皮下に、筋肉内に、関節周囲に、関節内に、脳脊髄液(ICSF)内に、脳組織内に(例えば、頭蓋内投与)、脊髄内に、創傷内に、腹腔内もしくは腹膜内に、または全身に(例えば、静脈内に、動脈内に、門脈内、または直接器官に)投与されてもよい。
当該技術分野で既知であるように、冠動脈内での送達を達成するために様々なカテーテルおよび送達経路が用いられてもよい。例えば、様々な汎用カテーテル、および本明細書に記載される使用に好適であるように変更されたカテーテルが、Advanced Cardiovascular Systems (ACS)、Target Therapeutics、およびCordis等の販売供給元から入手可能である。また、当該技術分野で既知であるように、冠動脈への直接的な注射によって心筋への送達が達成される場合、冠動脈にカテーテルを導入するために多くのアプローチが用いられてもよい。例として、カテーテルは、大腿動脈に都合よく導入され、腸骨動脈および腹部大動脈を逆方向に通され、冠動脈に入ってもよい。代替として、カテーテルは、最初に上腕動脈または頚動脈に導入され、冠動脈まで逆方向に通されてもよい。これらおよびその他の技術の詳細な説明は、当該技術分野に見出すことができる(例えば、Topol, E J (ed.), The Textbook of Interventional Cardiology, 2nd Ed. (W.B. Saunders Co. 1994)、Rutherford, R B, Vascular Surgery, 3rd Ed. (W.B. Saunders Co. 1989)、Wyngaarden J B et al. (eds.), The Cecil Textbook of Medicine, 19th Ed. (W. B. Saunders, 1992)、およびSabiston, D, The Textbook of Surgery, 14th Ed. (W.B. Saunders Co. 1991)を参照のこと)。
本明細書に提供される化合物は、非経口的に投与されてもよい。特定の化合物は、医薬組成物を生成するために薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わされる。好適な担体および希釈剤は、等張性の生理食塩水、例えば、リン酸緩衝食塩水を含む。組成物は、非経口、筋肉内、脳内、静脈内、皮下、または経皮投与のために処方されてもよい。投与される製剤はかかる薬剤を含有してもよい。これらの薬剤の例は、カチオン剤(例えば、リン酸カルシウムおよびDEAE−デキストラン)およびリポフェクション剤(lipofectant)(例えば、リポフェクタミン(登録商標)およびトランスフェクタム(登録商標))を含む。
局所投与のための製剤は、経皮パッチ、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、ドロップ剤、座薬、スプレー剤、液剤、および散剤を含んでもよい。従来の医薬担体、水性、粉末または油性の基剤、増粘剤等が、必要であるかまたは望ましい場合がある。コーティングされた手袋、コンドーム等も有用である可能性がある。経口投与のための組成物は、散剤もしくは顆粒剤、水もしくは非水性培地中の懸濁剤または溶液、カプセル剤、サシェ剤、あるいは錠剤を含む。増粘剤、香味剤、希釈剤、乳化剤、分散補助剤、または結合剤が望ましい可能性がある。非経口投与のための組成物は、緩衝剤、希釈剤、および他の好適な添加剤を含有する可能性がある無菌水溶液を含んでもよい。ある場合には、治療計画の有効性を高めるために、ペプチドとともに他の従来の治療モダリティを用いて患者を治療することが、より効率的であり得る。本明細書で使用される場合、用語「治療計画」は、治療、対症療法、および予防モダリティを包含することを意味する。
投薬は、治療される病態の重症度および応答性、ならびに数日から数ヶ月まで、または治癒がもたらされるかもしくは病態の軽減が達成されるまで続く治療経過を含む、多くの要因に依存する。本明細書に提供される化合物の毒性および治療効果は、細胞培養物または実験動物における標準的な製薬手順によって決定することができる。例えば、LD50(集団における50%致死量)およびED50(集団における治療上の50%有効量)を決定するためである。毒性と治療効果の用量比は治療係数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。高い治療係数を示す化合物が有用である。毒性副作用を示す化合物が使用されてもよいが、非感染細胞に対する潜在的な損傷を最小限に抑え、それによって副作用を低減するために、かかる化合物を患部組織の部位に標的化する送達系を設計するよう注意を要する。
細胞培養アッセイおよび動物試験から取得したデータは、ヒトにおける使用のための様々な用量を処方する際に用いることができる。かかる化合物の用量は、わずかに毒性を示すかまたは無毒性である、ED50を含む循環濃度の範囲内であるべきである。用量は、採用される剤形および用いられる投与経路に依存して、この範囲内で変化してもよい。本明細書に記載されるように使用されるいずれの化合物についても、最初は細胞培養アッセイから治療上の有効量を推測することが可能である。用量は、細胞培養物において決定されるIC50(すなわち、症状の半分の阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度の範囲を達成するように、動物モデルにおいて処方されてもよい。かかる情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために用いることができる。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定されてもよい。投薬スケジュールは、患者の体内における薬物の蓄積の測定値から計算することができる。用量は、MNTFペプチドおよびMNTF類似体を含む個々の化合物の相対的な作用強度に依存して変化してもよく、通常、生体外で、および生体内の動物モデルにおいて効果的であることが認められたEC50に基づいて推定することができる。当業者は、どのようにおよびどこでMNTFペプチドまたは類似体が投与されるか(例えば、生体外、生体内、局所的に、全身に等)に依存して用量が変化することを理解するであろう。
例えば、一態様において、MNTFペプチドおよびMNTF類似体は、1mlあたり約0.01マイクログラム(μg/mL)〜約1mg/ml、約0.1μg/mL〜約50μg/mL、約0.1μg/mL〜約150μg/mL、約1μg/mL〜約200μg/mL、および約0.1μg/mL〜約500μg/mL(標的部位(例えば、ES幹細胞の細胞培養物中)における最終濃度は、これらの範囲内のいずれの範囲を含む)を達成するために投与されてもよい。
代替の好適な用量は、投与経路に依存して、例えば、約0.1μgから約1グラムの合計用量まで変化してもよい。具体的な用量および送達方法の目安は文献に提供されており、通常、当該技術分野における実践者に入手可能である。当業者は、タンパク質またはそれらの阻害物質とは異なる処方をヌクレオチドに用いるであろう。同様に、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、および本明細書において提供される化合物の送達は、特定の細胞、状態、および位置に特異的である。一般に、用量は、0.01mg/kg〜1000mg/体重kg、またより典型的には、例えば、0.1mg/kg〜300mg/体重kgの範囲であり、毎日、毎週、毎月、もしくは毎年1回以上、または2〜20年の期間に渡って1回以上与えられてもよい。特定の実施形態において、投薬は手術直後から術後24時間以内に行われてもよく、別の実施形態においては、投薬は2時間から24時間までの間に行われる。長時間作用性の組成物は、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に依存して、3〜4日ごと、毎週、または隔週で投与されてもよい。当業者は、体液または組織内で測定された薬物の常在時間および濃度に基づいて、投薬を繰り返す割合を容易に推定することができる。治療の成功に続いて、病態の再発を防ぐために、患者に維持療法を受けさせることが望ましい場合があり、選択された化合物が、1日1回以上〜20年ごとに1回以上、0.01mg/kg〜100mg/体重kgの範囲内の維持量で投与される。特定の状態の治療または防止において、適切な用量レベルは、通常、約0.001〜100mg/患者の体重kg/日であり、単一または複数回の用量で投与することができる。好適な用量レベルは、約1〜約40mg/kg/日であってもよい。特定の実施形態において、MNTFペプチドおよびその類似体を含む本明細書に提供される化合物は、損傷部位における約1マイクロモル〜約1ミリモル、約10マイクロモル〜約500マイクロモル、または約30マイクロモル〜約300マイクロモル、および約25マイクロモル〜約300マイクロモルの最終濃度、ならびに損傷部位における約25マイクロモル、または約220マイクロモル、または約300マイクロモルの最終濃度、またさらにより典型的には約1マイクロモル〜約100マイクロモルの間の生体内濃度を実現するための量で、投与される。
特定の実施形態において、1、5、10、20、50、100、150、または200mg/kgの用量が投与されてもよい。
本明細書に記載される化合物は、診断法、治療法、予防法において、また研究試薬として、およびキットにおいて、用いることができる。該当する化合物(例えば、MNTFペプチドおよびMNTF類似体)を検出するための手段の提供は、ルーチン的に実現することができる。かかる提供は、酵素結合、放射標識、または他のいずれの好適な検出系を含んでもよい。該当する化合物の有無を検出するためのキットも調製されてもよい。
本明細書で使用される場合、脊髄損傷は、腫瘍、機械的外傷、および化学的外傷に起因する損傷を含んでもよい。
特定の態様において、組成物と、神経経路への損傷時に、またはかかる損傷を予想して、神経経路を維持するために十分な時間および濃度で、本明細書に定義されるように治療的有効量のMNTFペプチドまたはその類似体を対象に投与する工程を含む治療的処置方法とが提供され、該方法は、損傷した経路を修復する工程、またはさらなる損傷を阻害する工程を含む。
別の態様において、本明細書に記載される技術は、神経経路を維持するための組成物および治療的な処置方法を含む。かかる治療法は、神経経路への損傷時、またはかかる損傷を予想して、内在するMNTFの治療的な有効濃度を刺激する化合物を対象に投与する工程を含む。
本明細書に記載される態様および実施形態は、神経傷害に対する身体の免疫および炎症応答に関連する組織破壊の影響からニューロンを保護するための方法を提供する。
特定の実施形態において、損傷した樹状突起または軸索を再生することを含む、損傷したニューロンおよび神経経路の細胞修復を刺激するための方法、組成物およびデバイスが提供される。
一態様において、本明細書に記載されるMNTFペプチドおよびその類似体は、末梢神経系の損傷した神経経路の修復において有用である。具体的には、MNTFは、切除されたあるいは損傷した神経線維を含む、損傷した神経経路を修復するために有用である。特に、本明細書に記載されるMNTFは、血管新生およびミエリン外筒の再形成を含む、完全な軸索神経再生を刺激する能力を有する。MNTFは、MNTFをその部位に維持することができる生体適合性、生体吸収性の担体内において損傷部位に提供されてもよく、必要に応じて、切断されたニューロンの近位端から遠位端へと軸索成長を方向付けるための手段として提供されてもよい。例えば、軸索成長を方向付けるための手段は、10mmを上回るような延長距離を越えて神経再生が誘導される場合に必要とされてもよい。これらの機能を提供する能力を有する多くの担体が想定される。例えば、有用な担体は、ラミニン、ヒアルロン酸もしくはコラーゲン、または他の好適な合成の生体適合性ポリマー物質(ポリ乳酸、ポリグリコール酸、もしくはポリ酪酸、および/またはそのコポリマー等)を含む、本明細書に開示されるように調製された実質的に不溶性の物質または粘性溶液を含む。
特定の実施形態において、MNTFペプチドまたはその類似体は、損傷した経路の距離にわたる神経ガイダンスチャネル(nerve guidance channel)に配置される。上記チャネルは、保護用の覆いとして、および神経突起の成長を導くための物理的手段としての両方の役割を果たす。有用なチャネルは生体適合性の膜を有し、該膜は、管状構造であってもよく、修復される神経の間隙を架橋するのに十分な寸法を有し、切断された神経端を受けるのに適応した開口部を有する管状の構造を有する。膜は、ポリエチレンまたはポリエチレンビニルアセテート等のシリコーンまたは生体適合性ポリマー等の、任意の生体適合性、非刺激性の物質から作製されてもよい。ケーシングも、例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、ポリ乳酸、ポリ酪産、およびポリグリコール酸を含む、生体適合性、生体吸収性のポリマーから構成されてもよい。一実施形態において、チャネルの外側表面は実質的に不透過性である。
別の態様において、本明細書に記載されるMNTFペプチドおよびその類似体は、神経組織の初期の損傷に対する身体の免疫/炎症応答に関連した損傷から保護するために有用である。かかる応答は、例えば、自己免疫機能障害、腫瘍性病変、感染、化学的もしくは機械的外傷、疾患によって、ニューロンもしくはグリア細胞への血流の中断によって、または神経もしくは周囲の物質への他の外傷によって引き起こされる、神経組織の外傷の後で起こる可能性がある。例えば、塞栓性発作において見られるような、神経への血液供給の閉塞に続いて起こる低酸素または虚血‐再潅流に起因する主な損傷は、免疫学的に関連していると考えられる。また、多くの原発性脳腫瘍に関連する損傷の少なくとも一部も、免疫学的に関連していると思われる。MNTF類似体の適用は、直接的にまたは全身的にのいずれかで、神経損傷と免疫学的に関連する応答を緩和および/または阻害する。
別の実施形態において、本明細書に記載される技術は、保存的アミノ酸配列の変異体と、変性ヌクレオチド配列の変異体によってコードされるタンパク質と、保存されたMNTFドメインを共有し、本明細書に開示されるMNTF因子をコードするDNAに、標準的なストリンジェンシー条件下においてハイブリダイズする能力を有するDNAによってコードされるMNTF因子と、を含む、本明細書に列挙されるすべてのMNTF因子の生物学的に活性な種(系統的)の変異体の使用を包含する。
本明細書に記載される化合物は、研究目的のために使用されてもよい。したがって、ペプチドによって示される特異的なハイブリダイゼーションは、アッセイ、精製、細胞生成物の調製、および当業者に理解され得る他の方法論において用いることができる。
本明細書で用いられる技術的および科学的用語は、他に定義されない限り、本開示が関係する技術分野の当業者に一般的に理解される意味を有する。本明細書において、当業者に既知である様々な方法論が参照される。参照されるかかる既知の方法論を規定する刊行物および他の資料は、参照することにより、それらの全体がすべて規定されているかのごとく本明細書に組み込まれる。組換えDNA技術の一般原理を規定する標準的な参考資料には、Sambrook, J., et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Planview, N.Y. (1989) and Molecular Cloning: A Laboratory Manual, third edition (Sambrook and Russel, 2001)(本明細書において、ともにおよび個別に「Sambrook」と称される)、McPherson, M. J., Ed., Directed Mutagenesis: A Practical Approach, IRL Press, Oxford (1991)、Jones, J., Amino Acid and Peptide Synthesis, Oxford Science Publications, Oxford(1992)、Austen, B. M. and Westwood, O. M. R., Protein Targeting and Secretion, IRL Press, Oxford (1991)、Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait, ed., 1984)、Animal Cell Culture (R. I. Freshney, ed., 1987)、Handbook of Experimental Immunology (D. M. Weir & C. C. Blackwell, eds.)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. M. Miller & M. P. Calos, eds., 1987)、Current Protocols in Molecular Biology (F. M. Ausubel et al., eds., 1987, including supplements through 2001)、PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis et al., eds., 1994)、Current Protocols in Immunology (J. E. Coligan et al., eds., 1991)、The Immunoassay Handbook (D. Wild, ed., Stockton Press NY, 1994)、Bioconjugate Techniques (Greg T. Hermanson, ed., Academic Press, 1996)、Methods of Immunological Analysis (R. Masseyeff, W. H. Albert, and N. A. Staines, eds., Weinheim: VCH Verlags gesellschaft mbH, 1993), Harlow and Lane (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York, and Harlow and Lane (1999) Using Antibodies: A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY (本明細書において、ともにおよび個別にHarlow and Laneと称される), Beaucage et al. eds., Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry John Wiley & Sons, Inc., New York, 2000)、およびAgrawal, ed., Protocols for Oligonucleotides and Analogss, Synthesis and Properties Humana Press Inc., New Jersey, 1993)、Teratocarcinomas and embryonic stem cells: A practical approach (E. J. Robertson, ed., IRL Press Ltd. (1987)、Guide to Techniques in Mouse Development (P. M. Wasserman et al. eds., Academic Press (1993)、Embryonic Stem Cell Differentiation in vitro (M. V. Wiles, Meth. Enzymol. 225:900 (1993)、Properties and uses of Embryonic Stem Cells: Prospects for Application to Human Biology and Gene Therapy (P.D. Rathjen et al., Reprod. Fertil. Dev., 10:31 (1998))、CNS Regeneration: Basic Science and Clinical Advances, M. H. Tuszynski & J. H. Kordower, eds., Academic Press, (1999)を含む。
本明細書に記載される技術の実践において有用な特定の技術は、脳組織から得られる多分化脳神経幹細胞について報告する米国特許第5,851,832号、新生児の大脳半球からの神経芽細胞の生成について報告する米国特許第5,766,948号、哺乳類の神経堤幹細胞の使用について報告する米国特許第5,654,183号および米国特許第5,849,553号、哺乳類の多分化性CNS幹細胞の培養物から分化したニューロンの生体外での産生について報告する米国特許第6,040,180号、神経上皮肝細胞、オリゴデンドロサイト−星状細胞前駆体、および系列限定の神経細胞前駆体の再生および単離を報告する国際公開第WO98/50526および国際公開第WO99/01159、ならびに胎仔期の前脳から得られ、グルコース、トランスフェリン、インスリン、セレン、プロゲステロン、および他の成長因子を含む培地で培養される神経幹細胞について報告する米国特許第5,968,829号を含む、様々な特許および特許出願に記載されている。
当業者に既知であるいずれの好適な物質および/または方法も、本明細書に記載される技術を実施するために用いられてもよいが、物質および/または方法の非限定的な例を本明細書に記載する。
制限するためではなく、例示のために提供される以下の実施例を参照することにより、本明細書に開示される技術が、特定の態様において理解され得る。以下の実施例において言及される物質、試薬等は、特に記載が無い限り、販売元から入手される。
本明細書において用いられる場合、MNTFペプチドおよび配列ならびに/またはその機能的類似体の有効性は、以下の実施例に記載される実質的に類似するおよび/または同等であるプロトコルを用いて決定されてもよいことが企図される。また、配列番号1〜22に規定されるいずれのMNTFペプチド類似体およびその類似体の有効性は、本明細書に規定される実験条件に従って決定されてもよいことが企図される。
実施例1
生体外のラット運動ニューロン細胞生存モデルにおけるMNTFペプチドまたはその類似体が細胞死を減弱させる有効性に関する試験
実施例1は、生体外のラット運動ニューロン細胞生存モデルにおける、運動ニューロン栄養因子(MNTF)の6アミノ酸類似体(GM6)および様々な短いペプチド類似体が、細胞死を減弱させる能力を示す。GM6(配列番号2)および他の類似体(3−mer、4−mer、5−mer)を10マイクログラムmlで投与することにより、類似体特異的な運動ニューロンの細胞死の減弱が示された。類似体は、末端のフェニルアラニンを最も有効として含有する類似体について、栄養効果の独自のパターンを示した。これらのデータは、GM6および類似体のうちのいくつかは、運動ニューロン細胞の生存モデルにおいて効果的な栄養因子であることを示唆している。
本実施例のための略語/専門用語
「GM6」および「6mer」は、MNTFの例示的な6アミノ酸ペプチド類似体を意味する。
「Genervon」および「GB」は、Genervon Biopharmaceuticals,LLCを意味する。
「I.V.」は、静脈内を意味する。
「NTS」は、受託調査機関であるNeurological Testing Serviceを意味する。
GM6は、合成された6アミノ酸ペプチドである。GM6は固体として提供され、製剤はNTSによって調製された(4℃で溶液を保存)。GM6類似は、GM6ペプチドの配列相同体を含む。
「PD」は、パーキンソン病を意味する。
「BDNF」は、脳由来の神経栄養因子を意味する。
「GDNF」は、グリア由来の神経栄養因子を意味する。
「CNTF」は、繊毛神経栄養因子を意味する。
「Genervon」は、Genervon Biopharmaceuticals,LLCを意味する。
「GB」は、Genervon Biopharmaceuticals,LLCを意味する。
方法および材料
運動ニューロンの精製および培養。脊髄の運動ニューロン培養物を、Sprague−Dawleyラット(E14.5)(Charles River Labs)から調製した。短時間で、0.025%トリプシン(Gibco)中にて、8分間37℃で解剖した脊髄を消化させた。2%ウマ血清(Gibco)、インスリン(5μg/ml)、プトレッシン(1×10−4M)、コンアルブミン(100μg/ml)、亜セレン酸ナトリウム(3×10−8M)、プロゲステロン(2×10−8M)、グルコース(3.6mg/ml)、ペニシリン(100IU/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)、デオキシリボヌクレアーゼ(100μg/ml)、およびウシ血清アルブミン(BSA、0.4%)を補充したL−15培地(Gibco)を含有する溶液に組織を移した。1mlピペットマンを用いて組織を混練し、懸濁液を15ml Falconチューブ内のL−15中の10.4%Optiprep(Nycomed Pharma)クッション上に重層した。重層した懸濁液を830xgで15分間遠心分離した。界面の細胞を0.5%BSAを含有するPBSに懸濁させ、IgG−192 p75特異的抗体を用いて免疫親和性により分離した後、磁気マイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を用いて細胞選別して運動ニューロンを精製した。運動ニューロン培地は、B27サプリメント(Gibco)、グルタミン酸塩(25μM)、2−メルカプトエタノール(25μM)および2%ウマ血清を補充したNeurobasal培地(Gibco)からなる。運動ニューロンを、別途記載のない限り3000細胞/カバースリップの密度でラミニン被覆カバースリップに置床した。細胞播種時に神経栄養因子のカクテル(NTF:1ng/ml BDNF、100pg/ml GDNF、10ng/ml CNTF)を追加した。培養物中で24時間後、NTFを含まない運動ニューロン培地中で希釈した異なる類似体を添加して運動ニューロンを処理した。
生存アッセイ。脊髄の運動ニューロンを、記載するようにE14.5ラット胎仔から調製した。NTFの存在下で細胞を24時間培養し、カルセインAM陽性の数を数えることにより生存率(V1)を推定した。生存率試験のために、NTFの非存在下で類似体またはGM6を添加して運動ニューロンを培養した。ニューロンの数を数えて生存する運動ニューロンの割合を算出した。
統計分析。各処理につき、生存する運動ニューロンの数をNTF単独(対照)の存在下で生存する運動ニューロンの数の割合として表した。5皿をそれぞれの条件に使用した。事後Tukey法を用いた一元配置の分散分析により、処理間の相違をそれらの統計的有意性について分析した。
Figure 0005718649
結果
細胞の生存。生体外のラット運動ニューロン細胞の生存モデルにおいて、GM6および類似体の栄養有効性を評価した。各処理につき、生存する運動ニューロンの数をNTF単独(対照)の存在下で生存する運動ニューロンの数の割合として表した。そのデータを表1および図1にまとめた。
Figure 0005718649
一連の3、4、5mersを固体相合成により生成して、N末端およびC末端から始まって起こる6merの配列Phe−Ser−Arg−Tyr−Ala−Argの分解に起因する6merの代謝物を表した。最終生成物中のペプチドの量は、通常約80%、含水量および酢酸イオンは通常約20%を占める。
10μg/mlの用量でN末端フェニルアラニンを含有するGM6(配列番号2)または類似体の投与は、従来のNTFを含まない培養倍地において神経細胞損失からの保護を示した。これは、GM6およびその類似体が、ラット運動ニューロン細胞培養物における細胞の生存を維持するのに効果的であり、また、運動ニューロン関連疾患を治療するために有益であり得ることを示唆するものである。
本明細書において記載または参照したすべての特許、刊行物、科学論文、ウェブサイト、ならびに他の文書および文献は、当業者の技術のレベルを示しており、それぞれのかかる参考文書および文献が、個々にその全体を参照することにより組み込まれたかのように、または本明細書に記載されているかのように、組み込まれる。出願者は、任意のかかる特許、刊行物、科学論文、ウェブサイト、電子的に利用可能な情報、および他の参考文書または文献からの、任意のおよびすべての文献および情報を本明細書に物理的に組み込む権利を留保する。
本明細書に記載される特定の方法および組成物は、いくつかの実施形態を代表するものであり、かつ例示的なものであって、添付の請求項の範囲を限定することを意図するものではない。他の対象、態様、および実施形態は、本明細書の検討後も当業者に想到され、請求項の範囲によって定義されるように、本開示の主旨に包含される。その範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に開示される技術に様々な代替および修正を行うことが可能であることは、当業者に容易に明白となるであろう。本明細書において例示的に記載される技術は、任意の要素(複数可)または限定(複数可)がない場合でも適切に実践され得るが、本明細書において不可欠なものとして具体的には開示されない。したがって、例えば、本明細書におけるそれぞれの例、本技術の実施形態または実施例において、「含む」、「本質的に〜からなる」、および「〜からなる」という用語のうちのいずれかは、本明細書において他の2つの用語のうちのいずれかに置換されてもよい。また、「含む」(comprising)、「含む」(including)、「含有する」等の用語は、制限されることなく広範に読み取られる。本明細書において例示的に記載される方法およびプロセスは、異なる順序の工程で実践され得ることが好適であり、本明細書または特許請求の範囲に示される工程の順序に必ずしも限定されない。また、本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈により明確に指示されない限りは、複数の参照を含む。いかなる場合でも、本特許は、本明細書に具体的に開示される特定の実施例または実施形態または方法に限定されると解釈されるものではない。かかる記述が、具体的に、かつ無制限または無条件に、出願者による応答文書において明示的に採択されない限り、いかなる場合でも、本特許は、特許商標庁の任意の審査官または任意の他の役人または被雇用者によって行われるいかなる記述によっても、限定されると解釈されるものではない。
使用してきた用語および表現は、限定ではなく説明のための用語として使用されており、図示および記載した特性またはその部分の任意の同等物を排除するためにかかる用語および表現の使用を意図するものではないが、様々な修正が、特許請求される技術の範囲内で可能であると認識される。したがって、本技術は、ある実施形態および任意選択的な特性により具体的に開示されているが、本明細書に開示される概念の修正および変更は、当業者によって行われてもよく、かかる修正および変更は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であると見なされることが理解されるであろう。
当該技術を、本明細書において広範かつ一般的に記載してきた。一般的開示の範囲内である狭義の種および亜属の分類のそれぞれもまた、本開示の一部を形成する。これは、除かれた材料が本明細書において具体的に言及されているか否かにかかわらず、属からの任意の対象を除外する条件付きまたは否定的な限定を伴って、当該技術の一般的な記述を含む。
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範疇である。また、本発明の特性もしくは態様がマーカッシュグループに関連して記載される場合は、当業者は、技術もそれによって、マーカッシュグループの任意の個々のメンバーもしくはメンバーのサブグループに関連して記載されることを理解するであろう。

Claims (12)

  1. 配列番号4、6及び12からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるMNTFペプチド。
  2. 配列番号4に記載のアミノ酸配列からなる、請求項に記載のMNTFペプチド。
  3. 配列番号6に記載のアミノ酸配列からなる、請求項に記載のMNTFペプチド。
  4. 配列番号12に記載のアミノ酸配列からなる、請求項に記載のMNTFペプチド。
  5. 前記MNTFペプチドは、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート化剤、界面活性剤および非界面活性剤からなる群より選択される浸透促進剤との共有結合によって修飾され、それによって、前記MNTFペプチドの組織浸透力が向上される、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のMNTFペプチド。
  6. 前記MNTFペプチドは、前記浸透促進剤との共有結合によってN末端が修飾される、請求項に記載のMNTFペプチド。
  7. 前記浸透促進剤は、1つまたはそれ以上の遊離アミノ基のNアシル誘導体化によって、前記MNTFペプチドに共有結合される、請求項に記載のMNTFペプチド。
  8. 前記浸透促進剤は、置換されてもよい2〜22個の炭素のアルキルカルボン酸であり、前記アルキルカルボン酸は、ヒドロキシル化、不飽和化、および/または硫化されてもよい、請求項に記載のMNTFペプチド。
  9. 前記浸透促進剤は、カブリル酸(cabrylic acid)、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヘキサン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、吉草酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、およびネルボン酸から選択される脂肪酸である、請求項に記載のMNTFペプチド。
  10. 請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載のMNTFペプチド、および薬学的に許容される担体を含む、ニューロンの成長もしくは維持を促進するため、又は神経細胞障害を軽減するための医薬組成物。
  11. ニューロンの成長または維持を促進するための医薬であって、前記医薬は、請求項10に記載の医薬組成物を含み、かつ神経細胞に投与するためのものであり、前記組成物は、ニューロンの成長の促進、ニューロンの維持の促進、神経突起伸長の促進、軸索切断された運動ニューロンの軸索再生の促進、運動機能の向上、損傷した神経経路の修復、神経経路の再生、または神経細胞の異常の軽減からなる群から選択される1つまたはそれ以上の生物学的活性を有する、前記医薬。
  12. 神経細胞障害に罹患する動物において前記障害を軽減するための医薬であって、請求項10に記載の医薬組成物を含み、前記医薬組成物は前記障害を軽減するために十分な量の前記MNTFペプチドを含む、前記医薬。
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