JP5717369B2 - メタノフラーレン誘導体およびそれを用いた光電変換素子 - Google Patents

メタノフラーレン誘導体およびそれを用いた光電変換素子 Download PDF

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Description

本発明はメタノフラーレン誘導体に関する。本発明のメタノフラーレン誘導体は、有機半導体材料として、有機FET、エレクトロルミネッセンス素子などのエレクトロニクス素子、太陽電池などに応用可能な材料であって、本発明はまたそれを用いた光電変換素子に関する。
太陽光などの光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電は、COの排出ガスを伴わないために極めてクリーンな発電方法であり、温室効果ガスを削減し、地球温暖化問題を解決する手段として期待されている。有機薄膜太陽電池は、大面積、簡易、安価な製造法が期待でき、軽量で、かつ柔軟性に富むため有望な次世代太陽電池と考えられているが、その変換効率の大幅な向上が実用化に向けての重要課題となっている。
1992年Sariciftciはホール輸送材料である導電性高分子とフラーレンC60のヘテロ接合セルによって効率の良い電荷分離が可能であることを示した(非特許文献1、特許文献1参照)。
さらに、フラーレンのホール輸送材料への相溶性を高めることを目的として、フェニル基と酪酸エステル基をメチレンで架橋したメタノフラーレン(フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル;PCBM)が合成され、ポリパラフェニレンビニレンにアルコキシ基を導入した(ポリ〔2−メトキシ、5−(2’―エチル−ヘシキシロキシ)―パラ−フェニレンビニレン〕;MEH−PPV)とPCBMを混合し活性層とするMEH−PPV/PCBM系ではC60に比べて光電変換効率が大幅に改善された(非特許文献2参照)。
Sariciftciらはホール輸送材料として共役系高分子ポリ(3−ヘキシルチオフェン);P3HTとメタノフラーレン誘導体PCBMとの混合活性層からなるバルクヘテロ接合構造で3.5%のエネルギー変換効率を達成した(非特許文献3参照)。
さらに、HeegerならびにCarrollらはそれぞれ独自にこのブレンド膜素子の加熱処理によって5%程度のエネルギー変換効率を報告している(非特許文献4、5参照)。
エネルギー変換効率は、
変換効率(η)=開放端電圧(Voc)×短絡電流(Jsc)×曲線因子(FF)
の式で表わされる。
この中で開放端電圧は、非特許文献6に挙げられるようにドナーのHOMO(最高占有分子軌道)とアクセプターのLUMO(最低非占有分子軌道)の差によって規定される。開放端電圧を上昇させることは変換効率の増大に一次で関与するため極めて重要である。開放端電圧はドナーのHOMOとアクセプターのLUMOの差によって決まるわけであり、アクセプター材料開発の立場から見ればそのLUMOを上昇させることが開放端電圧の増大につながる。
これまでアクセプター材料のLUMOに言及した例としては、非特許文献7、非特許文献8が挙げられるが、PCBMに比べてより低いLUMOを有するアクセプターを用いているためPCBMを用いたデバイスより低い開放端電圧しか与えていない。
非特許文献9ではPCBMより高いLUMOを有するアクセプターが設計されているが、P3HTとのデバイスでは0.65Vとそれほど高くない開放端電圧に留まっている。
一方、PCBMのフェニル基に置換基を入れたPCBM代替に対し開放端電圧との相関を調べた報告が非特許文献10に示されている。その結論では、置換基の及ぼす影響はそれほど大きくなく電子供与性基は置換する位置ではなくその数によると結論付けている。また、これらの化合物はアルキルエステル基を有しているため開放端電圧上昇に限界がある。
このようにこれらの報告は総じてより高い開放端電圧を得る指針としては十分とは言えず、この問題の解決は不十分であった。
米国特許第5331183号
N.S.Sariciftci,L.Smilowitz,A.J.Heeger,F.Wudl,「サイエンス(Science)」,1992年,258巻,p.1474−1476 C.J.Brabec、F.Padinger、N.S.Sariciftci、J.C.Hummelen,「ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(J.Appl.Phys.)」,1999年,85巻,p.6866 F.Padinger、R.S.Rittberger、N.S.Sariciftci,「アドバンスト・ファンクショナル・マテリアル(Adv.Funct.Mater.)」,2003年,13−1巻,p.85−88 M.R-Reyes、K.Kim、D.L.Carroll,「アプライド・フィジクス・レターズ(Appl.Phy.Lett.)」,2005年,87巻,083506 W.Ma、C、Yang、X.Gong、K.Lee、A.J.Heeger、「アドバンスト・ファンクショナル・マテリアル(Adv.Funct.Mater.)」,2005年,15巻,p.1617−1622 M.C.Scharber, D.Muhlbacher, M.Koppe, P.Denk, C.Waldauf, A.J.Heeger, C.J.Brabec,「アドバンスト・マテリアル(Adv. Mater.)」,2006年,18巻,p.789−794 C. J. Brabec, A. Cravino, D. Meissner, N. S. Sariciftci, M. T. Rispens, L. Sanchez, J. C. Hummelen, T. Fromherz,「 Thin. Solid. Films」,2002年,368巻,p.403−404 F. B. Kooistra, V. D. Mihailetchi, L. M. Popescu, D. Kronholm, P. W. Blom, J. C. Hummelen,「Chem. Mater.」, 2006年,18巻,p.3068 I. Riedel, N. Martin, F. Giacalone, J. L. Segura, D. Chirvase, J. Parisi, V. Dyakonov,「Thin Solid Films」, 2004年,43巻,p.451−452 F. B. Kooistra, J. Knol, F. Kastenberg, L. M. Popescu, W. J. H. Verhees, J. M. Kroon, J. C. Hummelen,「Org. Lett.」, 2006年,9巻,p.551
本発明者らは前記の課題について鋭意研究した結果、高い開放端電圧示すメタノフラーレン誘導体の開発に成功した。
すなわち、本発明は、一般式(I)で表わされるメタノフラーレン誘導体に関する。
Figure 0005717369
上記一般式(I)において、丸枠付きFLはフラーレンを示し、Donor−Subは、メタノフラーレンのブリッジのメチン炭素から2結合離れた位置に電子供与性置換原子を少なくとも1個有する置換基を表し、Xは水素、Donor−Sub、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルエーテル基、アルキルチオ基またはアルキルチオエーテル基を示し、nは1〜10の整数を表す。
また本発明は、第一還元電位が1160mV以上であることを特徴とする前記記載のメタノフラーレン誘導体に関する。
さらに本発明は、電子供与性を有するp型共役高分子とn型のメタノフラーレン誘導体を含むヘテロ接合層を有する有機太陽電池であって、n型のメタノフラーレン誘導体として前記記載のメタノフラーレン誘導体を用いることを特徴とする光電変換素子に関する。
本発明のメタノフラーレン誘導体は、開放端電圧、電荷移動度、電荷分離能が高く、またポリマーへの相溶性が高く、電子特性さらには耐久性に優れた光電変換素子が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のメタノフラーレン誘導体は下記一般式(I)で示される化合物であり、フラーレン核近傍に電子供与性構造(以後、Donor−Subと記す。)を有することを特徴とする。さらに具体的には、フラーレン上の炭素原子2個と結合するメチン炭素を介してDonor−Subと置換基Xが結合していることを特徴とする。
Figure 0005717369
一般式(I)において、丸で囲んだFLはフラーレン類を表す。フラーレン類とは、Sp2型の炭素原子が球状に結合した三次元閉核構造を有する化合物の総称であり、具体的にはフラーレン、その誘導体およびその骨格内に金属原子や化合物を内包しているものなどを挙げる事ができる。具体的には、化学式としてC60、C70、76、78、82、84、90、96などが挙げられるが、これらの中ではC60又はC70が特に好ましい。
一般式(I)において、Donor−Subは、上記メチン炭素(メタノフラーレンのブリッジ)から2結合離れた位置に電子供与性置換原子を少なくとも1個配置した芳香環あるいは複素環を示し、下記の構造を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005717369
ここで、★はメチン炭素を示し、Dは、OR、NRまたはSRを示し、D’、YはO、SまたはNRを示す。Rはアルキル基(シクロアルキル基を含む)であり、炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、2−エチルプロピル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。また、アルキル基の水素の一部または全部を、不飽和結合を含む基、フェニル基など芳香環を含む置換基などとしても良い。アミノ基等を用いて上記アルキル基等を結合しても良い。また上記アルキル基等の末端が、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基などであっても良い。また、アルキル鎖の途中に、エーテル結合(−O−)などを含んでも良く、繰り返し単位が1から15のエチレンオキシド基でも良い。2つの置換基が末端で結合をつくり環状となっていても良い。例えば、環状エーテルなどを挙げることができる。
Donor−Subの具体例としては、下記を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0005717369
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一般式(I)において、Xは水素、前記Donor−Sub、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルエーテル基、アルキルチオ基、またはアルキルチオエーテル基を示す。
アルキル基(シクロアルキル基を含む)としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキル基を挙げることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、2−エチルプロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、オクティル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等を挙げることができる。
また、アルキル基の水素の一部または全部を、不飽和結合を含む基、フェニル基など芳香環を含む置換基などとしても良い。アミノ基等を用いて上記アルキル基等を結合しても良い。また上記アルキル基等の末端が、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基などであっても良い。また、アルキル鎖の途中に、エーテル結合(−O−)などを含んでも良く、繰り返し単位が1から15のエチレンオキシド基でも良い。2つの置換基が末端で結合をつくり環状となっていても良い。例えば、環状エーテルなどを挙げることができる。また、さらに芳香環が縮環している構造でもよい。また上記アルキル基等の末端が、ヒドロキシ基、チオール基、エーテル結合などを含んでも良く、繰り返し単位が1から15のエチ
レンオキシド基でも良い。2つの置換基が末端で結合をつくり環状となっていても良い。例えば、環状エーテルなどを挙げることができる。また、さらに芳香環が縮環している構造でもよい。末端が水酸基やアミノ基などのヘテロ元素を持つ反応性置換基、例えばエーテル基等を有していても良い。
アルコキシ基としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルコキシ基を挙げることができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、t−ブチルオキシ基、2−エチルプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
アルキルエーテル基はR−O−R−で表され、Rとしては炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキル基、Rとしては炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキレン基を挙げることができ、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、メトキシペンチル基、エトキシペンチル基、メトキシヘキシル基、エトキシヘキシル基などが挙げられる。
アルキルチオ基としては炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、2−エチルプロピルチオ基、シクロヘキシルチオ基等々を挙げることができる。
アルキルチオエーテル基はR−S−R−で表され、Rとしては炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキル基、Rとしては炭素数1〜30、好ましくは1〜18のアルキレン基を挙げることができ、例えば、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基、メチルチオエチル基、エチルチオエチル基、メチルチオプロピル基、エチルチオプロピル基、メチルチオブチル基、エチルチオブチル基、メチルチオペンチル基、エチルチオペンチル基、メチルチオヘキシル基、エチルチオヘキシル基などが挙げられる。
本発明のメタノフラーレン誘導体は、Donor−SubおよびXを結合したメチン炭素を何対持つかは、本発明の目的を達成できれば特に制限されるものではないが、一般式(I)における置換数nは1〜10の整数が好ましく、より好ましくは1〜6である。
本発明のメタノフラーレン誘導体は、一般的なフラーレン誘導体(PCBM)に比べて大きな開放端電圧を発生することができる。すなわち一般的なフラーレン誘導体(PCBM)に比べ高いLUMOレベルを有する。LUMOレベルの決定・比較は、例えば、電気化学的手法により第一還元電位を測定することにより行なうことができるが、本発明のフラーレン誘導体は少なくともPCBMより高い還元電位を有することを特徴としており、具体的な還元電位としては少なくとも1160mV(vs Fc/Fc)以上、好ましくは1180mV(vs Fc/Fc)以上、であって、1210mV(vs Fc/Fc)以上であればなお好ましい。還元電位の測定法については、A.J.Bard著「Electochemical Methods: Fundamentals and Applicaitons」などを参照されたい。一例としては、テトラブチルアンモニウム化塩素酸塩のo−ジクロロベンゼン0.1M溶液を作製し、内部基準物質として50mLあたり4mgのフェロセン添加し測定溶液を調製する。この溶液2mLにフラーレン誘導体を1.5mg添加し、掃引速度20mV/sにて酸化還元電位をポテンショスタットガルバノスタット(ALS製エレクトロケミカルアナライザーモデル630A)にて測定する。第一還元電位は内部基準物質として添加したフェロセンの酸化/還元電位(Fc/Fc)を基準とし、第一還元ピークとその酸化ピークの平均として決定する。
本発明のメタノフラーレン誘導体の合成方法の一例を述べるが、これらの方法に限定されるものではない。すなわち、目的とするメタノフラーレンの前駆体であるトシルヒドラゾン(実施例中、1a、2a,3a,4a)およびフラーレンをナトリウムメトキシド存在下、オルトジクロロベンゼン、ピリジン溶媒中で、50〜150℃で、1〜12時間還流加熱して、目的とするメタノフラーレン誘導体を得ることができる。
次に、本発明のメタノフラーレン誘導体を用いて作製する電子デバイスについて説明する。
本発明の電子デバイスとしては、例えば、基板上に光吸収剤として本発明のメタノフラーレン誘導体を電子輸送材料として利用し、適当なホール輸送材料とを組み合わせることにより形成した光電変換層を有するヘテロ接合型デバイスなどを挙げることができる。ヘテロ接合型電子デバイスは、例えばメタノフラーレン誘導体およびホール輸送材料が光吸収による電荷発生を行うことで、光照射により取り出し電荷量、すなわち電流値の変化する光電変換素子としての特性を示す。
本発明のヘテロ接合型電子デバイスの具体的構造としては、例えば、透明導電性基板上に、本発明のメタノフラーレンとホール輸送材による光電変換層、対極を順次積層配置した構造をもつものが挙げられる。
ホール輸送材料としては、ホール輸送性高分子、すなわち、電子供与性を有するp型高分子であるポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフラン、ポリピリジン、ポリカルバゾールなどを用いることができる。それらの中でも、本発明のメタノフラーレン誘導体であるチオフェン系メタノフラーレン誘導体に対しては、ホール輸送材料としてポリチオフェン系ホール輸送材料を用いることが好ましい。
ポリチオフェンとしては、チオフェンおよび置換チオフェンをモノマー単位として、2,5位で重合したものを好適に用いることができる。用いる置換チオフェンの具体的な構造としては、アルキル置換チオフェン、アリール置換チオフェンなどを挙げることができ、より具体的なポリチオフェンの構造としては、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3−(p―アルキルフェニルチオフェン))などを挙げることができる。これらポリチオフェンの中でも、特に移動度の高いものが好ましく、例えば立体規則的に重合したものなどを用いることができる。
光電変換層は、本発明のメタノフラーレン誘導体と前記ホール輸送材料とこれらを溶解する溶媒とを混合して溶液とし、基板上に塗布することにより形成される。
光電変換層の作製方法としては、本発明のメタノフラーレン誘導体と前記ホール輸送材料を二枚の平滑な基板間に挟む方法が挙げられる。
用いる基板としては、充分平滑であれば特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、無色あるいは有色の透明性を有する樹脂でも良い。かかる樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。なお、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。また、例えば金属板のように不透明であっても良く、金、銀、クロム、銅、タングステン、アルミニウム、クロムやステンレスなどの平滑な金属板などが挙げられる。二枚の基板に挟む際には、必要に応じて加熱・加圧等を行っても良い。
なお、本発明のメタノフラーレン誘導体と前記ホール輸送材料が太陽電池として機能するしくみについては例えば、S.S.Sun and N.S.Sariciftci, ”Organic Photovoltaics”(Taylor and Francis)などに記載されている。通常、メタノフラーレンとホール輸送材料を混合した膜を作製すると、それらはナノスケールで相分離し、相互陥入した相分離構造を形成するが、その構造をバルクヘテロ接合と呼ぶ。ここで、メタノフラーレン誘導体とホール輸送材料は、それぞれ光照射によりエキシトン(電子−ホール対)を生じ、このエキシトンがフラーレン誘導体/ホール輸送材料界面において電荷分離されることでフリーなキャリア(電子およびホール)を生じる。生じたフリーの電子とホールはそれぞれ電子吸引性および電子供与性である、メタノフラーレン相とホール輸送材料相を伝播し、各々別々の電極へと到達することで光起電力を得る。この過程において、エキシトンは電荷分離されるためにメタノフラーレン誘導体とホール輸送材料層の界面まで拡散しなければならないが、エキシトンには寿命(τ)があるため光吸収後時間の経過と共にエキシトン量は減少する。エキシトンの量が1/eとなる時間(τ)をエキシトンの寿命とすれば、エキシトンの拡散定数をDとして、エキシトンの拡散長がL=(D×τ)1/2と定義される。高効率な太陽電池を得るためにはエキシトンを高効率でフリーキャリアへと電荷分離する必要があるから、光吸収により生じたエキシトンが拡散する時間をなるべく短くする必要がある。そのためには、メタノフラーレン相とホール輸送材料相それぞれの相分離による構造(ドメイン)が大きすぎると、エキシトンが電荷分離されるために移動すべき平均距離が長くなるため、光電変換特性が低下する。よって、エキシトンを効率よく電荷分離させ高効率な太陽電池素子を得るためには、相分離構造を大きくしすぎないよう、メタノフラーレンとホール輸送材料の相溶性を高める必要がある。
メタノフラーレン誘導体とホール輸送材料の相溶性とは、塗布後溶媒を蒸発させた固体膜状態においてメタノフラーレン誘導体とホール輸送材料の混合特性のことである。高い光電変換特性を得るためにはメタノフラーレン誘導体とホール輸送材料はナノスケールで適度に相分離している必要もあるが、相溶性が悪いとメタノフラーレン誘導体とホール輸送材料の相分離が極端に大きくなるため、先に記載したとおりかえってデバイス特性を低下させる原因となる。このような固体状態での相溶性を測定するためには、例えば散乱特性、X線解析等により平均的なドメインサイズを原子間力顕微鏡により相分離構造の直接的イメージを測定することができる。
また、本発明のメタノフラーレン誘導体と前記ホール輸送材料を溶解可能な溶媒に溶解して溶液とし、基板に塗布した後、溶媒を除去する方法も可能である。用いる溶媒はメタノフラーレン誘導体およびホール輸送材料の両方を溶解し得るものであれば特に制限されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、四塩化炭素、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、プロピルベンゼン、二塩化エチレン、塩化メチル等を挙げることがでる。また、溶液中のメタノフラーレン誘導体およびホール輸送材料の濃度については特に制限はないが、作製上の観点から0.1〜5質量%程度が好ましい。なお、メタノフラーレン誘導体とホール輸送材料が溶解し難い場合には、撹拌、加熱等の操作を行ってもよい。
次いで、溶液を基板表面に塗布する。基板としては、先に示した基板と同様で、適度に平滑性があれば問題ない。溶液を基板表面に塗布する方法としては、特に制限はないが、例えば、キャスト、スピンコート、スプレーコート、バーコート等の方法によって実施することができる。また、塗布量については特に制限はないが、通常は、基板1cm当たり0.002〜0.1ml程度が好ましい。次いで、上記溶媒を蒸発させることにより、光電変換層を形成することができる。溶媒を蒸発させる方法としては、例えば、基板を加熱する方法が挙げられる。
透明導電性基板は、通常、透明基板上に透明電極層を積層させて製造される。透明基板としては特に限定されず、材質、厚さ、寸法、形状等は目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無色あるいは有色ガラス、網入りガラス、ガラスブロック等が用いられる他、無色あるいは有色の透明性を有する樹脂でも良い。かかる樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、トリ酢酸セルロース、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。なお、本発明における透明とは、10〜100%の透過率を有することであり、また、本発明における基板とは、常温において平滑な面を有するものであり、その面は平面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形するものであってもよい。
また、透明電極の導電層を形成する透明導電膜としては、本発明の目的を果たすものである限り特に限定されることはなく、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステンなどの金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜などが挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化錫や酸化亜鉛に、他の金属元素を微量ドープしたIndium Tin Oxide(ITO(In:Sn))、Fluorine doped Tin Oxide(FTO(SnO:F))、Aluminum doped Zinc Oxide(AZO(ZnO:Al))などが好適なものとして用いられる。膜厚は通常、1nm〜50μm、好ましくは10nm〜10μmである。また、表面抵抗(抵抗率)は、本発明の基板の用途により適宜選択されるところであるが、通常、0.01〜500Ω/sq、好ましくは0.1〜50Ω/sqである。
対極は、通常、金、白金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、カリウムなどの金属、あるいはカーボン電極などを用いることができる。対極の設置方法については、真空蒸着法,電子ビーム真空蒸着法,スパッタリング法や、溶媒に分散した金属微粒子を塗布し、溶媒を揮発除去する等の公知の方法で成膜しても良い。また、対極金属層を形成する前に、光電変換層と対極金属層の密着性およびエキシトンブロック性を改善するため、種々の有機および無機材料を形成することができる。用いられる材料としては、本発明の目的に合致していれば特に制限されないが、例えば、フェナントロリン、バソキュプロインなどの有機物、LiF、TiOxなどの無機化合物の薄膜層が利用できる。
素子特性の評価については、透明電極および対極にそれぞれ電流測定用の端子を取り付け、光照射の有無による電流値の変化について測定を実施すれば良く、例えばJIS C 8911〜9、JIS C 8931〜40などを参考に測定することが望ましい。
また、素子の耐久性を向上するために、各種の封止処理を行うことができる。封止方法については、本発明の目的に合致していれば特に制限されないが、例えばガス透過性の低い各種材料を用いて素子を封止することができる。ガス透過性の低い封止方法としては、前記基板材料のようなものをガスバリア層として活用し、ガス透過性の低い接着剤等を用いてデバイスに接着させることで封止処理を行い耐久性を向上することが可能である。
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
メタノフラーレン誘導体1b(TMPCN)を以下のように合成した。
Figure 0005717369
50mLナスフラスコにトシルヒドラゾン1aを375mg加え、アルゴン雰囲気下蒸留したオルトジクロロベンゼン5mLに溶解した。室温においてカリウムt−ブトキシド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を0.76mL加え15分間攪拌した。この溶液を、150℃、アルゴン雰囲気下、オルトジクロロベンゼン45mLに溶解したC60(500mg)の溶液に滴下し、2時間攪拌した。さらに170℃で5時間攪拌した後、溶液を濃縮し、リサイクル分取GPC(溶媒クロロホルム)により分離精製を行い261mgの1bを得た(収率37%)。また、得られた生成物は高速液体クロマトグラフィーにより確認し、H−NMR、13C−NMR、IRにて同定した。
<分析データ>
IR(KBr)2921、2848、1607、1587、1462、1336、1225、1203、1184、1154、1131、811、526cm−1H−NMR(300MHz;CDCl)δ6.31(s、2H)、3.91(s、3H)、3.89(s、6H)、2.81(m、2H)、1.86(m、2H)、1.28(m、12H)、0.88(t、3H、6.6Hz);13C−NMR(75MHz;CDCl)δ161.44、160.06、152.17、149.30、146.83、145.39、145.13、145.11、144.99、144.93、144.87、144.67、144.56、144.51、144.24、143.95、143.77、143.63、142.98、142.86、142.83、142.76、142.50、142.13、142.00、140.85、140.54、138.18、135.52、106.06、91.20(H)、79.99(bridge head)、55.89(O)、55.35(O)、43.51(bridge)、32.35()、31.93()、30.06()、29.84()、29.70()、29.37()27.05()、22.69()14.13().
(実施例2)
メタノフラーレン誘導体2b(TMPCEP)を次のように合成した。
Figure 0005717369
50mLナスフラスコにトシルヒドラゾン2aを353mg加え、アルゴン雰囲気下蒸留したオルトジクロロベンゼン5mLに溶解した。室温においてカリウムt−ブトキシド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を0.76mL加え15分間攪拌した。この溶液を、150℃、アルゴン雰囲気下、オルトジクロロベンゼン45mLに溶解したC60(500mg)の溶液に滴下し、2時間攪拌した。さらに170℃で5時間攪拌した後、溶液を濃縮し、リサイクル分取GPC(溶媒クロロホルム)により分離精製を行い370mgの2bを得た(収率53%)。また、得られた生成物は高速液体クロマトグラフィーにより確認し、H−NMR、13C−NMR、IRにて同定した。
<分析データ>
IR(KBr)2951、2928、2854、1605、1585、1560、1462、1452、1425、1411、1334、1226、1204、1186、1156、1129、1062、1039、788、756、649、541、526cm−1H−NMR(270MHz;CDCl)δ6.29(s、2H)、3.91(s、3H)、3.84(s、6H)、3.01(m、1H)、2.22(m、1H)、2.06(m、1H)、1.73(m、2H)、1.56(m、2H)、1.40(m、2H)、1.18(t、3H、7.4Hz)、0.94(t、3H、7.3Hz);13C−NMR(67.8MHz;CDCl)δ161.49、160.74、152.86、152.68、150.02、149.92、146.80、146.72、145.33、145.31、145.16、145.13、145.04、144.96、144.89、144.68、144.62、144.54、144.23、144.03、144.01、143.83、143.62、143.03、142.93、142.86、142.80、142.68、142.49、142.41、142.14、141.98、140.84、140.82、140.45、138.21、138.17、135.13、135.11、129.02、128.21、115.51、104.17、91.09(H)、91.00(H)、79.35(bridge head)、79.01(bridge head)、55.53(O)、55.40(O)、55.29(O)、47.86(bridge)、42.85(H)、31.62()、31.08()、25.54()、23.50()、14.23(3)、13.64(3).
(実施例3)
メタノフラーレン誘導体3b(TMPCTMP)を次のように合成した。
Figure 0005717369
50mLナスフラスコにトシルヒドラゾン3aを364mg加え、アルゴン雰囲気下蒸留したオルトジクロロベンゼン5mLに溶解した。室温においてカリウムt−ブトキシド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液)を0.76mL加え15分間攪拌した。この溶液を、150℃、アルゴン雰囲気下、オルトジクロロベンゼン45mLに溶解したC60(500mg)の溶液に滴下し、2時間攪拌した。さらに170℃で5時間攪拌した後、溶液を濃縮し、リサイクル分取GPC(溶媒クロロホルム)により分離精製を行い299mgの3bを得た(収率42%)。また、得られた生成物は高速液体クロマトグラフィーにより確認し、H−NMR、13C−NMR、IRにて同定した。
<分析データ>
IR(KBr)2948、2858、2835、1606、1587、1463、1426、1415、1335、1227、1204、1185、1156、1130、1062、1036、814、797、571、564、526、402cm−1H−NMR(270MHz;CS/CDCl)δ6.20(s、2H)、3.88(s、3H)、3.85(s、3H)、3.83(s、3H)、2.89(dd、1H、14.2Hz、2.6Hz)、2.68(dd、1H、14.2Hz、9.9Hz)、1.89(s、1H)、1.45(dd、1H、14.0Hz、5.4Hz)、1.31(d、2H、6.6Hz)、1.19(dd、1H、13.8Hz、4.6Hz)、0.82(s、9H);13C−NMR(67.8MHz;CS/CDCl)δ161.20、159.63、159.37、152.13、151.38、149.59、149.15、146.30、146.01、145.09、144.79、144.70、144.63、144.58、144.49、144.30、144.21、144.16、143.92、143.67、143.60、143.48、143.42、143.32、142.67、142.60、142.52、142.45、142.41、142.29、142.08、141.75、141.61、141.57、140.60、140.54、140.27、140.23、137.86、137.67、135.74、134.74、105.45、91.01(H)、90.65(H)、78.81(bridge head)、78.59(bridge head)、55.28(O)、55.01(O)、54.59(O)、52.11()、42.33(bridge)、39.81()、30.69()、29.71(3)、27.71(H)、23.60(3
(実施例4)
メタノフラーレン誘導体4b(TMPCEPh)を次のように合成した。
Figure 0005717369
100mLナシ型フラスコにC60を500mg加え、アルゴン雰囲気下で乾燥o−ジクロロベンゼン(ODCB)15mLに溶かし、60分間超音波をかけた。ジムロート冷却器、攪拌子を備えた50mL二口フラスコにトシルヒドラゾン4aを358mgとナトリウムメトキシド45mgとをアルゴン雰囲気下で、乾燥ピリジン8mLに溶かし15分間攪拌した。その後、C60のODCB溶液をナシ型フラスコから添加し、湯浴温150℃で3.5時間加熱した。ピリジンを常圧留去後、反応液を180℃で12時間加熱した。溶液を濃縮し、リサイクル分取GPC(溶媒クロロホルム)により分離精製を行い181mgの4bを得た(収率26%)。また、得られた生成物は高速液体クロマトグラフィーにより確認し、H−NMR、13C−NMR、IRにて同定した。
<分析データ>
IR(ATR)2933、2837、1587、1495、1449、1412、1333、1224、1201、1181、1152、1125、1065、1035、953、924、811、788、747、709、688、666、635cm−1H−NMR(300MHz;CDCl)δ7.34−7.18(m、5H)、6.35(s、2H)、3.93(s、3H)、3.92(s、6H)、3.26−3.19(m、2H)、3.15−3.09(m、2H);13C−NMR(67.8MHz;CS/CDCl)δ161.63、160.05、151.79、148.83、146.75、145.27、145.12、145.10、144.99、144.93、144.83、144.80、144.65、144.50、144.28、143.92、143.73、143.66、142.95、142.91、142.85、142.83、142.76、142.47、142.17、142.11、141.97、140.88、140.58、138.18、135.57、128.49(H)、128.39(H)、125.88(H)、105.56、91.30(H)、79.65(bridge head)、55.88(O)、55.32(O)、43.07(bridge)、34.60()、33.49(
(溶解度試験)
試料を10mLフタ付メスフラスコに精密電子天秤を用いて1mg量り取り、標線までジクロロメタンを加えて標準溶液とし、紫外・可視吸光光度計にて800〜300nmの波長領域で吸光度を測定した。次に、各試料をジクロロメタン2mLに過飽和状態まで加え、3500回転で20分間遠心分離機にかけた。その後、上澄み溶液を1mL精密にホールピペットで量り取り、10mLフタ付メスフラスコに加えた。測定した吸光度が1を超える場合には、標準溶液との比較に正確さを欠くため、さらに5倍に希釈したものを用い標準溶液と比較し溶解度を算出し表1にまとめた。
Figure 0005717369
(第一還元電位測定)
テトラブチルアンモニウム化塩素酸塩のo−ジクロロベンゼン0.1M溶液50mLにフェロセン3.87mgを添加し測定溶液を調製した。この溶液2mLにフラーレン誘導体を1.5mg添加し掃引速度20mV/sにて酸化還元電位をALS製エレクトロケミカルアナライザーモデル630Aにて測定した。第一還元電位ならびにΔE(mV)を表2に示した。
Figure 0005717369
(実施例5)
洗浄した15Ω/□の面抵抗を持つITOをスパッタ法により成膜したガラス基板上に、Baytron P(H.C.Stark社製)を5000rpm(50s)でスピンコートし、120℃で10分乾燥した。メタノフラーレン誘導体として1bを用いて、分子量17500のポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ製)と重量比0.8:1.0で混合し、1bの濃度が1wt%となるようにクロロベンゼンに溶解させると、両材料は完全に溶解し、均一な混合溶液となった。前記基板上に、前記混合溶液を800rpm(50s)でスピンコートし、光電変換層を形成した。光電変換層を形成したITO/ガラス基板を窒素下一晩乾燥した後、約10−5torrの真空下でLiFを0.5nm、Alを100nmそれぞれ蒸着し対極を形成し、光電変換デバイスを得た。窒素下で、得られた光電変換デバイスを封止した。封止には、ガラス板とエポキシシール材を用いた。封止した光電変換デバイスを、100mW/cm擬似太陽光を照射しながら電圧電流特性を測定した。電圧−電流特性から最大効率を計算した。
(実施例6)
実施例5と同様に2bを用いて作成した光電変換デバイスの電圧電流特性を測定し、電圧−電流特性から最大効率を計算した。
(実施例7)
実施例5と同様に3bを用いて作成した光電変換デバイスの電圧電流特性を測定し、電圧−電流特性から最大効率を計算した。
(実施例8)
実施例5と同様に4bを用いて作成した光電変換デバイスの電圧電流特性を測定し、電圧−電流特性から最大効率を計算した。
(比較例1)
実施例5と同様にPCBM(フロンティアカーボン)を用いて作製した光電変換デバイスの電圧電流特性を測定し、電圧−電流特性から最大効率を計算した。
上記実施例5〜8、比較例1の結果を表3にまとめる。表3に示したとおり、本願発明の化合物は従来型フラーレン(PCBM)に対して、大きくVocが向上し、光電変換効率も向上した。
Figure 0005717369
本発明のメタノフラーレン誘導体は、有機半導体材料として、有機FET、エレクトロルミネッセンス素子などのエレクトロニクス素子、太陽電池などに応用可能な材料であり、産業上の価値は極めて大きい。

Claims (3)

  1. 一般式(I)で表されるメタノフラーレン誘導体。
    Figure 0005717369
    (一般式(I)において、丸枠付きFLはフラーレンを示し、Donor−Subは2,4,6−トリアルコキシフェニル基、Xはアルキル基またはフェニル基置換アルキル基を示し、nは1〜10の整数を表す。)
  2. 第一還元電位が1160mV以上であることを特徴とする請求項1に記載のメタノフラーレン誘導体。
  3. 電子供与性を有するp型共役高分子とn型のメタノフラーレン誘導体を含むヘテロ接合層を有する有機太陽電池であって、n型のメタノフラーレン誘導体として請求項1または2に記載のメタノフラーレン誘導体を用いることを特徴とする光電変換素子。
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