JP5716717B2 - 樹脂充填装置 - Google Patents
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Description
上記磁石挿入穴の開口部を開口させた上記積層鉄心の下端面に当接し、上記磁石挿入穴に上記溶融樹脂を送り出す樹脂送出型と、
該樹脂送出型が当接する上記積層鉄心の上記下端面の反対側の上端面に当接する対向型と、
上記樹脂送出型と上記対向型との間に上記積層鉄心を挟持した状態で圧縮力を付与する押圧機構部とを有し、
上記樹脂送出型は、
上記磁石挿入穴の上記開口部と対面するよう配置されて該開口部に向けて上記溶融樹脂を吐出する1又は複数の吐出口が設けられ、かつ上記積層鉄心の上記下端面に当接する板状のゲートプレートと、
上記吐出口に向けて上記溶融樹脂を送り出す送出機構部が設けられ、かつ上記ゲートプレートと分離可能な状態で該ゲートプレートに下側から当接する型本体部と、を有しており、
上記ゲートプレートには、上記送出機構部と対応する位置に、該送出機構部と上記吐出口との間の流路となる樹脂流路が形成されており、
上記吐出口から吐出された上記溶融樹脂の上記磁石挿入穴への充填が完了した後に、上記積層鉄心と共に上記ゲートプレートを上記型本体部から分離して取り外し可能にしたことを特徴とする積層鉄心への樹脂充填装置にある(請求項1)。
本発明にかかる実施例1を図1〜図7を用いて説明する。
本例の樹脂充填装置1は、図1に示すごとく、電動機用ロータの積層鉄心3に設けられた磁石挿入穴33に磁石固定用の溶融樹脂34を充填する際に用いられるものである。樹脂充填装置1は、磁石挿入穴33の開口部331を開口させた積層鉄心3の端面に当接させる樹脂送出型11と、該樹脂送出型11を当接させる積層鉄心3の上記端面の反対側の端面に当接させる対向型12とを有している。また、樹脂充填装置1は、樹脂送出型11と対向型12との間に積層鉄心3を挟持した状態で圧縮力を付与する押圧機構部13とを有している。樹脂送出型11は、磁石挿入穴33の開口部331と対面するよう配置された2つの吐出口22と、該吐出口22に向けて溶融樹脂34を送り出す送出機構部111とを有している。また、吐出口22は、溶融樹脂34の吐出方向に沿って徐々に内径が縮径された縮径部221を有している。
本例に示す樹脂充填装置1は、図1に示すごとく、積層鉄心3の下方に配置され磁石挿入穴33に溶融樹脂34を送出する樹脂送出型11と、積層鉄心3の上方に配置され上下方向に移動可能に構成された対向型12とを有している。
尚、本例では、吐出口22先端の開口径は、φ1mmとし、突出部222の突出高さHは、0.5mmとした。また、縮径角度αは、30°とし、テーパ角度βは、60°とした。
そして、ゲートプレート2と型本体部110との連結は、ゲートプレート2を相対的に上昇させた状態で、型本体部110の上方へと移動し、ゲートプレート2を相対的に下降させることにより、ゲートプレート2の下面に設けた装置位置決め部25を、型本体部110の上面に設けた段部114に嵌合させることで実施できるよう構成されている。逆に、ゲートプレート2と型本体部110との連結を解除するには、ゲートプレート2を相対的に上昇させ、装置位置決め部25と型本体部110の嵌合を解除することで実施できる。
本例の電動機用ロータの製造方法は、図5に示すごとく、所望形状に形成した鉄心片31を複数積層して積層鉄心3を形成する積層工程4と、積層鉄心3に設けられた磁石挿入穴33に永久磁石36を挿入する磁石挿入工程3と、積層鉄心3を加熱し磁石挿入穴33に磁石固定用の溶融樹脂34を充填する樹脂充填工程4と、該樹脂充填工程4における積層鉄心3の加熱による余熱を利用し、積層鉄心3の回転軸挿入穴32に回転軸35を温間嵌めする回転軸組付け工程7とを有している。上記電動機用ロータの製造方法を実施する生産ラインにおいて、少なくとも積層工程4の末端部から回転軸組付け工程7の起端部の間には搬送レールが配されており、該搬送レール上を後述のゲートプレート2が移動可能に構成されている。
磁石挿入工程3を実施する装置は、積層鉄心3の磁石挿入穴33に永久磁石36を挿入する作業を自動で行う図示しない磁石挿入ロボットを備えている。
本例において用いる加熱装置は、トンネル型をなしており、その内側には電熱ヒータが設けられている。また、加熱装置内部においても、搬送レールが配してあり、積層鉄心3を載置した後述するゲートプレート2を移動可能に構成してある。
積層工程4においては、図6に示す形状の鉄心片31を帯状鋼板から連続的に打ち抜き、複数積層してかしめ固定することにより、積層鉄心3が形成される。該積層鉄心3は、積層工程4の末端部に位置する搬送始点において、ゲートプレート2上に載置される。このとき、積層鉄心3は、図3に示すごとく、ゲートプレート2の上面に配された鉄心位置決め部24を回転軸挿入穴32に挿通し、回転軸挿入穴32内面に設けた凸部321と鉄心位置決め部24の外面に設けた位置決め凹溝部241とを嵌め合わせることで積層鉄心3の磁石挿入穴33とゲートプレート2の吐出口22との位置合わせが行われる。次いで、積層鉄心3を載置したゲートプレート2は、搬送レール上を移動し、磁石挿入工程3へと搬送される。尚、積層鉄心3は、樹脂充填工程4の末端部に位置する搬送終点までの間、ゲートプレート2上に載置された状態で搬送レール上を移動する。
樹脂充填工程6に配されたトンネル型の加熱装置内を通過することによって、積層鉄心3及びゲートプレート2は、150℃〜200℃の加熱温度の温度範囲に加熱され、樹脂充填装置1内へと搬送される。樹脂充填装置1内において、積層鉄心3を載置したゲートプレート2は、図1に示すごとく、型本体部110と連結される。このとき、型本体部110内の送出機構部111の内筒部112と、ゲートプレート2の樹脂流路23とにおいても連結されており、積層鉄心3の磁石挿入穴33までの間における溶融樹脂34の流路が形成される。
回転軸組付け工程7においては、回転軸35を回転軸保持冶具71上に起立して配置してあり、鉄心組付けロボットによって、積層鉄心3を回転軸35へと取り付ける。このとき、積層鉄心3は、樹脂充填工程4に配した樹脂充填装置1から回転軸35保持冶具上に移動する間に140℃〜180℃の余熱温度の温度範囲に自然冷却される。この温度範囲においても、積層鉄心3の回転軸挿入穴32の内径は拡径されており、回転軸35の外径よりも大きい状態にある。そして、積層鉄心3を冷却することで回転軸挿入穴32の内径が縮径し、積層鉄心3と回転軸35とが温間嵌めにより固定される。
本例においては、樹脂充填装置1の溶融樹脂34の吐出方向に沿って徐々に内径が縮径された縮径部221を設けた吐出口22を有している。そのため、該吐出口22の内側に残留し、硬化した樹脂を破断分離する際には、縮径部221の先端の最も径の小さい部位に応力を集中させて破断分離することができる。これにより、破断分離面の発生位置の制御が容易であると共に、バリの生じにくい比較的平滑な破断面を得ることができ、積層鉄心3の端面にバリが発生することを抑制することができる。したがって、電動機用ロータの製造において、バリ除去工程を設ける必要がなくなる。それゆえ、電動機用ロータの生産効率を向上させ、設備費用及び生産コストを低減することができる
本例においては、実施例1に示す樹脂充填装置1を用いて、樹脂充填工程4の余熱により回転軸組付け工程7において温間嵌めを行う電動機用ロータの製造方法を発明例とし、樹脂充填工程4及び回転軸組付け工程7にそれぞれ専用の加熱装置を設けた場合を比較例として、加熱及び冷却に係る時間と消費されるエネルギーについて比較を行った。
図8には、発明例の樹脂充填工程4及び回転軸組付け工程7における、積層鉄心3の温度及び時間の変移を実線Aによって示す。尚、図8は縦軸に積層鉄心3の温度を示し、横軸に時間を示したグラフである。また、図9には、比較例の樹脂充填工程4における、積層鉄心3の温度及び時間の変移を実線Xによって示し、図10には、比較例の回転軸組付け工程7における積層鉄心3の温度及び時間の変移を実線Yによって示す。
11 樹脂送出型
110 型本体部
111 送出機構部
112 内筒部
113 プランジャ
114 段部
12 対向型
2 ゲートプレート
22 吐出口
221 縮径部
222 突出部
23 樹脂流路
231 流入部
232 分岐部
24 鉄心位置決め部
241 位置決め凹溝部
25 装置位置決め部
3 積層鉄心
31 鉄心片
32 回転軸挿入穴
321 凸部
33 磁石挿入穴
331 開口部
34 溶融樹脂
35 回転軸
36 永久磁石
4 積層工程
5 磁石挿入工程
6 樹脂充填工程
7 回転軸組付け工程
71 回転軸保持冶具
Claims (4)
- 電動機用ロータの積層鉄心に設けられた磁石挿入穴に磁石固定用の溶融樹脂を充填する際に用いる樹脂充填装置であって、
上記磁石挿入穴の開口部を開口させた上記積層鉄心の下端面に当接し、上記磁石挿入穴に上記溶融樹脂を送り出す樹脂送出型と、
該樹脂送出型が当接する上記積層鉄心の上記下端面の反対側の上端面に当接する対向型と、
上記樹脂送出型と上記対向型との間に上記積層鉄心を挟持した状態で圧縮力を付与する押圧機構部とを有し、
上記樹脂送出型は、
上記磁石挿入穴の上記開口部と対面するよう配置されて該開口部に向けて上記溶融樹脂を吐出する1又は複数の吐出口が設けられ、かつ上記積層鉄心の上記下端面に当接する板状のゲートプレートと、
上記吐出口に向けて上記溶融樹脂を送り出す送出機構部が設けられ、かつ上記ゲートプレートと分離可能な状態で該ゲートプレートに下側から当接する型本体部と、を有しており、
上記ゲートプレートには、上記送出機構部と対応する位置に、該送出機構部と上記吐出口との間の流路となる樹脂流路が形成されており、
上記吐出口から吐出された上記溶融樹脂の上記磁石挿入穴への充填が完了した後に、上記積層鉄心と共に上記ゲートプレートを上記型本体部から分離して取り外し可能にしたことを特徴とする積層鉄心への樹脂充填装置。 - 請求項1に記載の積層鉄心への樹脂充填装置において、上記ゲートプレートには、装置位置決め部が設けられており、上記型本体部には、上記装置位置決め部を嵌合する段部が設けられていることを特徴とする積層鉄心への樹脂充填装置。
- 請求項1又は2に記載の積層鉄心への樹脂充填装置において、上記ゲートプレートは、上記積層鉄心を搬送するパレットとして利用可能に構成されていることを特徴とする積層鉄心への樹脂充填装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層鉄心への樹脂充填装置において、上記樹脂送出型の表面には、上記吐出口の周囲を突出させた突出部が設けられており、該突出部の内部には、溶融樹脂の吐出方向に沿って徐々に内径が縮径された縮径部が設けられていることを特徴とする積層鉄心への樹脂充填装置。
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