JP5716170B2 - 情報処理方法および情報処理装置 - Google Patents

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本発明は、各変数が2値の4次以上の多項式によって表わすことが可能な高階エネルギー多項式を各項毎に、変換する項の係数の正負に対する制約をもつエネルギー変換式を用いて変換することにより、同値な2次以下の項からなる1階エネルギー多項式に変換して処理する情報処理方法および情報処理装置に関する。
領域分割やステレオ,画像復元などの画像分野の問題をマルコフ確率場(Markov Random Field: MRF)などの確率モデルの最大事後確率推定問題として定式化してエネルギー最小化問題として効率的に解く方法としては、グラフカット(例えば、非特許文献1参照)や信念伝播法(例えば、非特許文献2参照)、ツリー重み再配分メッセージ伝達法(例えば、非特許文献3参照)などが提案されている。これらの手法では、エネルギーを比較的効率良く最小化することができるが、使用できるエネルギーの形は限られている。
Y.Boykov,O. Veksler,R. Zabih."Fast Apporoximate Energy Minimization via Graph Cuts." IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 23:1222-1239:2001. P.Felzenszwalb and D.Huttenlocher."Efficient Belief Propagation for Early Vision." International Journal of Computer Vision 70:41-54,2006. V.Kolmogorov. "Convergent Tree-Reweighted Message Passing for Energy Minimization." IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 28(10):1568-1583,2006.
エネルギーが最高k個の点に依存する関数の和により表わせるとき、MRFの用語では(k−1)階のエネルギーと呼ぶが、上述した手法によって最小化可能なエネルギーの階数は最大でも2階に限られ、また実際にはほとんど1階のものしか使われていない。例えば、画像処理の分野では、各画素のみに依存する項と隣接する2つの画素のみに依存する項との和により表わされた1階のエネルギーが殆どである。近年、画像処理では自然画像の特徴をより高い精度で捉えるために高次の統計の重要性が指摘されており、高階のエネルギーを効率的に最小化する手法の構築が望まれる。
本発明の情報処理方法および情報処理装置は、エネルギー変換式に変換する項の係数の正負に対する制約があるものとしても、制約に適合しない係数を含む高階エネルギー多項式を効率よく1階エネルギー多項式に変換しこれを最小化することを主目的とする。
本発明の情報処理方法および情報処理装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の情報処理方法は、
各変数が2値の4次以上の多項式によって表わすことが可能な高階エネルギー多項式を各項毎に、変換する項の係数の正負に対する制約をもつエネルギー変換式を用いて変換することにより、同値な2次以下の項からなる1階エネルギー多項式に変換して処理する情報処理方法であって、
前記高階エネルギー多項式の各項のうち前記制約に適合しない項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更することにより前記変数の否定と前記変数の混在した該制約に適合する高階エネルギー多項式を設定し、該設定した高階エネルギー多項式を各項毎に前記エネルギー変換式を用いて1階エネルギー多項式に変換し、該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻すことにより該元の変数における1階エネルギー多項式を設定し、
該設定した1階エネルギー多項式に対して所定のエネルギー最小化処理を適用することにより前記高階エネルギー多項式が最小となる各変数を設定する
ことを特徴とする。
この本発明の情報処理方法では、高階エネルギー多項式の各項のうちエネルギー変換式における変換する項の係数の正負に対する制約に適合しない項について変数の一部をその変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更することによりその制約に適合する高階エネルギー多項式を設定し、設定した高階エネルギー多項式を各項毎にエネルギー変換式を用いて1階エネルギー多項式に変換し、変換した1階エネルギー多項式における変数の否定を含む項についてその変数の否定を元の変数に戻すことにより元の変数における1階エネルギー多項式を設定し、設定した1階エネルギー多項式に対して所定のエネルギー最小化処理を適用することにより高階エネルギー多項式が最小となる各変数を設定する。これにより、エネルギー変換式に変換する項の係数の正負に対する制約があるものとしても、制約に適合しない係数を含む高階エネルギー多項式を効率よく1階エネルギー多項式に変換することができる。また、こうして得られた1階エネルギー多項式に対してエネルギー最小化法を適用することにより、少ない計算コストで高階エネルギーを最小化することができる。ここで、「同値」とは、変換後の1階のエネルギーを最小化する変数の設定が変換前の高階のエネルギーをも最小化することを意味する。また、所定のエネルギー最小化法」としては、グラフカット法,信念伝播法,ツリー重み再配分メッセージ伝達法などが含まれる。
こうした本発明の情報処理方法において、前記高階エネルギー多項式の各項のうち少なくとも4次以上の項の係数が負となるよう正の係数をもつ項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更し、次数をdとし係数をaとし前記変数をx1,…,xdとし値0か値1のいずれかをとる外部変数をwとしたときに、前記係数の正負を変更した高階エネルギー多項式の各項毎に式(1)を用いて1階エネルギー多項式に変換し、該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻して該元の変数における1階エネルギー多項式とするものとすることもできる。こうすれば、正の係数をもつ4次以上の項を変換することができないエネルギー変換式を用いて、正の項を含む高階エネルギー多項式を1階エネルギー多項式に変換することができる。
或いは、本発明の情報処理方法において、前記高階エネルギー多項式の各項のうち少なくとも4次以上の項の係数が正となるよう負の係数をもつ項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更し、次数をdとし係数をaとし前記変数をx1,…,xdとし値0か値1のいずれかをとる前記外部変数をwとし1次の基本対称式をS1とし2次の基本対称式をS2としたときに、前記係数の正負を変更した高階エネルギー多項式の各項毎に、該項の次数dが偶数のときには式(2)を用いて前記1階エネルギーの多項式に変換し、該項の次数dが奇数のときには式(3)を用いて前記1階エネルギー多項式に変換し、該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻して該元の変数における1階エネルギー多項式とするものとすることもできる。こうすれば、負の係数をもつ4次以上の項を変換することができないエネルギー変換式を用いて、負の項を含む高階エネルギー多項式を1階エネルギー多項式に変換することができる。
また、画像データを処理する本発明の情報処理方法において、前記画像データを構成する各画素のうち所定の条件に合致する画素に第1の値のラベルを割り当てると共に該所定の条件に合致しない画素に第2の値のラベルを割り当てる2値のラベルを前記変数として前記各画素だけに依存する1次の項と4点以上の画素の組に依存する4次以上の項とを含む多項式の高階エネルギーを設定し、該設定した高階エネルギーが最小となるよう前記変数を設定することにより前記2値のラベルを割り当てるものとすることもできる。こうすれば、所定の条件を用いた画像データの処理をより少ない計算コストで行なうことができる。ここで、「所定の条件」には、画像の領域を分割するための条件や画像に含まれるノイズを除去するための条件などが含まれる。
画像データを処理する態様の本発明の情報処理方法において、前記所定の条件に合致する確率が高いほどエネルギーが小さくなるよう各項の係数を定めることにより前記多項式の高階エネルギーを設定するものとすることもできる。この態様の本発明の情報処理方法において、前記所定の条件に合致する確率をPとしたときにエネルギーが−logPとなるよう前記各項の係数を定めるものとすることもできる。こうすれば、所定の条件により適合する高階のエネルギーを設定することができる。
また、画像データを処理する態様の本発明の情報処理方法において、現在の画像に対して変化を与えた提案画像を生成し前記現在の画像の画素を該生成した提案画像の対応する画素に置き換えるときには前記第1の値のラベルを割り当てると共に前記現在の画像の画素を前記生成した提案画像の対応する画素に置き換えないときには前記第2のラベルを割り当てることにより新たな画像を生成する処理を繰り返すことにより画像を復元するものとすることもできる。この態様の本発明の情報処理方法において、前記提案画像は、再急降下法を用いて生成するものとすることもできるし、前記現在の画像に対して所定のぼかしフィルタを適用することにより生成するものとすることもできる。
本発明の情報処理装置は、
各変数が2値の4次以上の多項式によって表わすことが可能な高階エネルギー多項式を各項毎に、変換する項の係数の正負に対する制約をもつエネルギー変換式を用いて変換することにより、同値な2次以下の項からなる1階エネルギー多項式に変換して処理する情報処理装置であって、
前記高階エネルギー多項式の各項のうち前記制約に適合しない項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更することにより前記変数の否定と前記変数の混在した該制約に適合する高階エネルギー多項式を設定し、該設定した高階エネルギー多項式を各項毎に前記エネルギー変換式を用いて1階エネルギー多項式に変換し、該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻すことにより該元の変数における1階エネルギー多項式を設定するエネルギー変換手段と、
該設定した1階エネルギー多項式に対して所定のエネルギー最小化処理を適用することにより前記高階エネルギー多項式が最小となる各変数を設定するエネルギー最小化手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の情報処理装置では、高階エネルギー多項式の各項のうちエネルギー変換式における変換する項の係数の正負に対する制約に適合しない項について変数の一部をその変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更することによりその制約に適合する高階エネルギー多項式を設定し、設定した高階エネルギー多項式を各項毎にエネルギー変換式を用いて1階エネルギー多項式に変換し、変換した1階エネルギー多項式における変数の否定を含む項についてその変数の否定を元の変数に戻すことにより元の変数における1階エネルギー多項式を設定し、設定した1階エネルギー多項式に対して所定のエネルギー最小化処理を適用することにより高階エネルギー多項式が最小となる各変数を設定する。これにより、エネルギー変換式に変換する項の係数の正負に対する制約があるものとしても、制約に適合しない係数を含む高階エネルギー多項式を効率よく1階エネルギー多項式に変換することができる。また、こうして得られた1階エネルギー多項式に対してエネルギー最小化法を適用することにより、少ない計算コストで高階エネルギーを最小化することができる。
本発明の一実施例としての情報処理装置の構成の概略を示す構成図である。 画素に割り当てるラベルのパターンの一例を示す説明図である。 コンピュータ20により実行される高階エネルギー設定処理の一例を示すフローチャートである。 画素のデータ値DとエネルギーE(D)との関係を示す説明図である。 コンピュータ20により実行されるエネルギー変換処理の一例を示すフローチャートである。 変形例のエネルギー変換処理を示すフローチャートである。 変形例のエネルギー変換処理を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての情報処理装置の構成の概略を示す構成図である。実施例の情報処理装置は、CPUやROM,RAM,入出力処理回路,ハードディスク,キーボード40,マウス50などを備える汎用のコンピュータ20であり、デジタルカメラやCT(Computed Tomography),MRI(Magnetic Resonance Imaging),PET(Positron Emission Tomography)などの撮像装置や画像データを記憶する記憶装置に入力処理回路を介して接続されると共にディスプレイ30やプリンタなどの出力機器に出力処理回路を介して接続されている。実施例では、コンピュータ20は、画像処理用プログラムがインストールされており、これにより画像処理装置として機能する。
CTやMRI,PETなどから得られるデータは3次元の格子点に数値(データ値)を与えるものである。データ値は例えばCTなら空間内の各格子点がどれだけX線を吸収するかを表わす。2次元の断面画像なら各点の値に応じて色を変えれば全体を見ることができるが、3次元のデータは一望するのは困難である。したがって、例えば、CT画像のうち骨だけを見たいなら骨の部分だけを残し他の部分は透明にして3次元グラフィックス表示することになる。このためには、元画像を骨の部分とそれ以外の部分とに分割する必要がある(画像分割問題)。これは、値0が骨の部分で値1がそれ以外を表わすというように各格子点に値0か値1かのいずれかのラベルを与えるラベル割付問題として考えることができる。この場合、ある閾値を定めてデータ値が閾値よりも大きい点は値0を割り当て閾値以下の点は値1を割り当てものとすると、ノイズなどにより表面形状が荒いものとなる。このため、一般には隣接する格子点間ではあまり激しく値0と値1とが入れ替わらないように、即ち境界がなめらかになるような傾向をもたせる。このための手法の一つがエネルギー最小化による方法である。以下、実施例では、人のCT画像に対して骨に該当する画素に値0のラベルを割り当てそれ以外の部分の画素に値1のラベルを割り当てることにより領域を分割する画像分割問題をエネルギー最小化法により解く場合を例として説明する。
コンピュータ20は、その機能ブロックとしては、画像データの領域分割をエネルギー最小化法を用いて処理するための多項式(高階エネルギー)を設定する高階エネルギー設定部22と、設定した高階エネルギーを2値の外部変数を付加して1階のエネルギーに変換するためのエネルギー変換部24と、変換後の1階のエネルギーが最小となるよう各画素毎に値0か値1のラベルを割り当てて画像の領域分割を行なうエネルギー最小化部26とを備え、これらは、CPUやROM,RAM,ハードディスクなどのハードウェアと画像処理用プログラムとが一体となって機能する。
高階エネルギー設定部22は、各画素に対して割り当てる値0か値1のラベルを2値変数として上述した領域分割問題を解くための高次の多項式を設定する処理部であり、実施例では、画像データの各画素1点だけに基づいてエネルギーを設定する1次の項と、隣接する画素2点のパターン(図2(a)参照)に基づいてエネルギーを設定する2次の項と、隣接する2×2の画素4点のパターン(図2(b)参照)に基づいてエネルギーを設定する4次の項との和により設定するものとした。
エネルギー変換部24は、2値変数からなる3次以上(2階以上)のエネルギー多項式を、これを最小化するための2次(1階)のエネルギー多項式に変換する処理部として構成されている。
いま、2値変数をx,y,zとする3次の単項式xyzを2次の多項式に変換する場合を考えると、引用文献1によると、次式(4)に基づいて係数aが負のときには両辺に係数aを乗じた次式(5)により、係数aが正のときにはx,y,zをそれぞれ1−x,1−y,1−zに置き換えて計算した次式(6)により「max」を「min」に代えることができる。ここで、式(4)〜(6)中の「w」はB={0,1}の値しかとらない即ち値0か値1しかとらない外部変数である。この式(5)および式(6)は、最小化問題に3次の項axyzが現われた場合、左辺を右辺に代えても最小値とこれをとるための変数x,y,zは変わらないことを意味する。即ち、変換後の関数で最小値を与える変数x,y,zは元の関数でも最小値を与える。また、2値変数をx,y,z,tとする4次の単項式axyztを2次の多項式に変換する場合を考えると、係数aが負のときには、次式(7)の両辺に係数aを乗じた次式(8)により「max」を「min」に代えることができる。そして、前述した式(5)や式(8)を一般化すると、次式(9)を得ることができる。したがって、係数aが負で且つ2値変数をx1,…,xdとする次数dが3以上の項ax1…xdについては、式(9)を用いることにより2次の多項式に変換することができる。一方、係数aが正のときには、式(7)の右辺のx,y,z,tをそれぞれ1−x,1−y,1−z,1−tに置き換えても「max」を「min」に変えることができないため、使用することはできない。また、5以上の奇数次を考えても、展開後の式には4次などの偶数次の項が現われるから、同様に使用することはできない。即ち、前述した式(9)は、次数dが3以上の単項式ax1…xdを2次の多項式に変換する場合には、その係数aが負のときに限って使用することができる。なお、3次の項axyzについては、係数aが正であっても、前述したように、式(9)に代えて式(6)を使用することにより、2次の多項式に変換することができる。
引用文献1:D.Freedman and P.Drineas."Energy minimization via graph cuts: Settling what is possible." Proceedings of the IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition(CVPR2005) II:939-946.
2値の変数bについて、bの否定、即ち1−bを¬bで表わすことにする。この場合、2値変数をx,y,z,tとする4次の単項式xyztは、次式(10)に示すように、様々な表わし方がある(以下、このような操作を変数フリップと呼ぶ)。4次の単項式xyztを2次の多項式に変換する場合、この4次の単項式xyztに対して変数xを1−¬xに置き換える変数フリップを行なうと、4次の単項式xyztを、変数xがない3次の項yztと、4次の単項式xyztの変数xをその否定¬xに置き換えて負の符号を付した4次の項−¬xyztとにより表わすことができる。4次の項−¬xyztはその係数が負であり且つ変数¬xは変数xと同様に値0か値1のいずれかをとる2値変数であるから、前述した式(9)のエネルギー変換式を使用することにより、2次の多項式に変換することができる。残った3次の項yztについても、同様に、3次の項yztに対して変数yを1−¬yに置き換える変数フリップを行なうと、3次の項yztを、変数yがない2次の項ztと、3次の項yztの変数yをその否定¬yに置き換えて負の符号を付した3次の項−¬yztとにより表わすことができる。3次の項−¬yztはその係数が負であり且つ変数¬yは変数yと同様に値0か値1のいずれかをとる2値変数であるから、前述した式(9)のエネルギー変換式を適用することにより、2次の多項式に変換することができる。こうして各項−¬xyzt,−¬yztに対してそれぞれ2次の多項式に変換すると、再び変数¬xと変数¬yをそれぞれ1−xと1−yに置き換える変数フリップを行なうことにより、元の変数x,yにおける2次の多項式への変換とすることができる。4次の単項式xyztを2次の多項式に変換する様子を式(11)に示す。ここで、式(11)中のu,wはB={0,1}の値しかとらない即ち値0か値1のいずれかしかとらない外部変数である。3次以上の多項式を2次の多項式に変換する場合には、多項式を展開して単項式の和として表わし、各単項式のそれぞれに対して上述した処理を適用すればよい。このように、実施例では、エネルギー変換式を用いて高階のエネルギー多項式を1階のエネルギー多項式に変換する前に変数の一部を変数フリップし、エネルギー変換後に再び変数フリップして元の変数に戻すことにより、係数が正の項に使用できない式(9)のエネルギー変換式を用いて、係数が正の項を含む高階のエネルギー多項式を1階のエネルギー多項式に変換できるようにしている。
エネルギー最小化部26は、値0か値1の2値変数をもつ2次の多項式として表わされる1階のエネルギーが最小となる変数を見つける処理部として構成されており、処理アルゴリズムとしては、例えば、グラフカット法や信念伝播法,ツリー重み再配分メッセージ伝達法などを用いることができる。
次に、こうして構成された実施例の情報処理装置の動作、特に、高階エネルギー設定部22の動作とエネルギー変換部24の動作について説明する。まず、高階エネルギー設定部22の動作について説明する。図3は、コンピュータ20により実行される高階エネルギー設定処理の一例を示すフローチャートである。
高階エネルギー設定処理では、まず、画像データの各画素の1点のみに依存する項を次式(12)により設定する(ステップS100)。ここで、式(12)中の「Xu」は画素uに対して割り当てるラベルとしての2値変数であり、「a1」,「a2」は実数係数である。実数係数a1は、Xu=0即ち画素uが骨であるとしたときのエネルギー値E0(D)であり、画素uのデータ値Dが骨である可能性を示す確率をP0(D)としたときにa1即ちE0(D)が−logP0(D)となるよう設定し、同様に、実数係数a2は、画素uのデータ値Dが骨でない可能性を示す確率をP1(D)としたときにa2即ちE1(D)が−logP1(D)となるよう設定する。即ち、画素uが骨である可能性が高いほどXu=0としたときのエネルギーが小さくなるよう、また画素uが骨でない可能性が高いほどXu=1としたときのエネルギーが小さくなるよう実数係数a1,a2を設定するのである。勿論、画素uが骨である可能性が高ければXu=0としたときのエネルギーが小さくなり、画素uが骨でない可能性が高ければXu=1としたときのエネルギーが小さくなればよいから、上述した手法に限定されるものではなく、例えば、データ値D(あるいは確率P)とエネルギーEとの関係を予め求めてマップとしてROMに記憶しておき、データ値Dが与えられたときにマップから対応するエネルギーEを導出し、導出したエネルギーEに基づいて設定するものとしてもよい。データ値DとエネルギーEとの関係の一例を図4に示す。
続いて、画像データの上下あるいは左右に隣接する2画素に依存する項を次式(13)により設定する(ステップS110)。ここで、式(13)中の「Xu」,「Xv」は隣接する画素u,vに対してそれぞれ割り当てるラベルとしての2値変数であり、「b1〜b4」は、実数係数である。実数係数b1は、Xu=1,Xv=1即ち画素u,vが共に骨でないとしたときのエネルギー値E11(Du,Dv)であり、画素u,vのデータ値Du,Dvが画素u,vが共に骨でない可能性を示す確率をP11(Du,Dv)としたときにb1即ちE11(Du,Dv)が−logP11(Du,Dv)となるよう設定するものとした。実数係数b2は、Xu=0,Xv=1即ち画素uが骨であり画素vが骨でないとしたときのエネルギー値E01(Du,Dv)であり、画素u,vのデータ値Du,Dvが画素uが骨であり画素vが骨でない可能性を示す確率をP01(Du,Dv)としたときにb2即ちE01(Du,Dv)が−logP01(Du,Dv)となるよう設定するものとした。実数係数b3は、Xu=1,Xv=0即ち画素uが骨でなく画素vが骨であるとしたときのエネルギー値E10(Du,Dv)であり、画素u,vのデータ値Du,Dvが画素uが骨でなく画素vが骨である可能性を示す確率をP10(Du,Dv)としたときにb3即ちE10(Du,Dv)が−logP10(Du,Dv)となるよう設定するものとした。実数係数b4は、Xu=0,Xv=0即ち画素u,vが共に骨であるとしたときのエネルギー値E00(Du,Dv)であり、画素u,vのデータ値Du,Dvが共に骨である可能性を示す確率をP00(Du,Dv)としたときにb4即ちE00(Du,Dv)が−logP00(Du,Dv)となるよう設定するものとした。なお、この場合も、例えば、データ値Du,Dv(あるいは確率)とエネルギーEとの関係を予め求めてマップとしてROMに記憶しておき、データ値Du,Dvが与えられたときにマップから対応するエネルギーEを導出し、導出したエネルギーEに基づいて設定するものとしてもよい。
そして、画像データの上下左右に隣接する画素4点に依存する項を次式(14)により設定する(ステップS120)。ここで、式(14)中の「Xu」,「Xv」,「Xs」,「Xt」は隣接する画素u,v,s,tに対してそれぞれ割り当てる2値変数であり、「c1〜c16」は、実数係数である。上述したステップS110と同様に、実数係数c1〜c16は、Xu,Xv,Xs,Xtに値0か値1を与えたパターン毎に決定される各画素が骨であるかないかという組み合わせに対応するエネルギーであり、画素u,v,s,tの各データ値Du,Dv,Ds,Dtがその組み合わせである可能性を示す確率が高いほどエネルギーが小さくなるよう定められる。
こうして各項を設定すると、各項の和をとると共にこれらを展開することにより4次の多項式を設定して(ステップS130)。本ルーチンを終了する。これにより、3階のエネルギーが設定される。実施例では、このエネルギーを最小化する各画素に対応した2値変数を見つけることにより画像データのうち骨の部分とそれ以外の部分とに分割する。
次に、エネルギー変換処理について説明する。図5は、前述した式(9)のエネルギー変換式を用いて4次以上の高階のエネルギー多項式を1階のエネルギー多項式に変換するためのエネルギー変換処理の一例を示すフローチャートである。このエネルギー変換処理では、まず、エネルギー多項式を構成する各項(単項式)のうち次数dが最も高い3次以上の項ax12…xdを変換対象として設定し(ステップS200)、設定した変換対象の項ax12…xdの係数aが正か否かを判定する(ステップS210)。係数aが正でない、即ち負と判定されると、変換対象の項ax12…xdを前述した式(9)のエネルギー変換式を用いて直接に2次の多項式、即ち1階のエネルギー多項式に変換する(ステップS220)。一方、係数aが正と判定されると、このままの状態では式(9)を適用することができないため、変換対象の項ax12…xdの変数x1を1−¬x1に置き換える変数フリップを実行し(ステップS230)、得られた項ax2…xdと項−a¬x12…xdのうち係数が負となった項−a¬x12…xdに対して式(9)を適用することにより2次の多項式に変換し(ステップS240)、変換した2次の多項式に対して変数¬x1を1−x1に置き換える変数フリップを実行することにより元の変数に対する2次の多項式、即ち1階のエネルギー多項式とする(ステップS250)。そして、次数dが3以上の未変換の項が残っているか否かを判定し(ステップS260)、次数dが3以上の未変換の項が残っているときにはステップS200に戻って未変換の3次以上の項のうち次数dが最も高い項を新たな変換対象の項として設定してステップS210〜250の処理を繰り返し、次数dが3以上の未変換の項がなくなったときにこれで本処理を終了する。ここで、ステップS230で4次以上の項に対して変数フリップが行なわれると、変数フリップによって次数dが1だけ減少した係数aが正の項ax2…xdが残るため、既に存在している同一次数で且つ同一変数の項によって相殺されない限り、残った項ax2…xdに対してステップS210〜250の処理が繰り返されることになる。
こうして1階のエネルギー多項式に変換すると、既存のグラフカット法などのアルゴリズムを用いて各画素に対応した2値変数を設定し、変数Xuが値0すなわち骨である画素uに対して色を付すと共に変数Xuが値1すなわち骨でない画素uに対しては透明処理を施してディスプレイ30に表示出力することにより、入力した画像のうち骨の部分だけを表示する。なお、グラフカット法などの適用によっても変数がわからないエラーが生じる可能性もあるが、予め定めた割り当てを行なったり、エラーが生じた変数だけで再びエネルギーを生成してエネルギー最小化アルゴリズムを適用したりすることにより対応することができる。
以上説明した実施例の情報処理装置によれば、画像データの各画素に2値のラベルを割り当てることにより領域分割する場合、ラベルに対応する2値変数を用いて4次以上の多項式である高階エネルギー多項式を設定し、高階エネルギー多項式に係数が正の項が含まれるときには、変数の一部を変数フリップすることにより係数を負に変更し、式(9)のエネルギー変換式を用いて1階エネルギー多項式に変換し、変換後に再び変数フリップして元の変数に戻すことにより元の変数に対する1階エネルギー多項式とするから、変換できる項の係数の正負に対して制約がある変換式を用いて、係数が正の項を含む高階エネルギーを効率よく1階エネルギー変換できる。また、こうして得られた1階エネルギーにエネルギー最小化アルゴリズムを適用することにより、少ない計算コストで画像データを領域分割することができる。
実施例の情報処理装置では、高階エネルギー多項式の各項のうち3次以上の項の係数が負となるよう正の係数をもつ項の変数をフリップすることにより、係数が正の項に使用できない式(9)のエネルギー変換式を用いて正の係数をもつ項を含む高階エネルギーを1階エネルギーに変換するものとしたが、係数aが正で且つ次数dが3次の項ax123については、変数フリップすることなく、前述した式(6)を用いて直接に1階エネルギー(2次の多項式)に変換するものとしてもよい。
実施例の情報処理装置では、高階エネルギー多項式の各項のうち3次以上の項の係数が負となるよう正の係数をもつ項の変数をフリップすることにより、係数が正の項に使用できない式(9)のエネルギー変換式を用いて係数が正の項を含む高階エネルギーを1階エネルギーに変換するものとしたが、これに限られるものではなく、高階エネルギー多項式の各項のうち3次以上の項の係数が正となるよう負の係数をもつ項の変数をフリップすることにより、係数が負の項に使用できない次式(15)〜(17)のエネルギー変換式を用いて係数が負の項を含む高階エネルギーを1階エネルギーに変換するものとしてもよい。この場合、係数aが正のときに、(d−1)/2を超えない最大の整数に相当する数の2値の外部変数を付加することにより、式(15)に示す1次の基本対称式S1と2次の基本対称式S2とを用いて次数dが偶数の場合には次式(16)を、次数dが奇数の場合には次式(17)をエネルギー変換式として定める。例えば、2値変数をx,y,z,tとする次数が4の項xyztについては、1つの2値の外部変数wを加えて次式(18)により変換することができ、2値変数をx,y,z,t,uとする次数が5の項xyztuについては、2つの2値の外部変数v,wを加えて次式(19)により変換することができる。これらの式は、任意の2次の対称式を1次と2次の基本対称式によって表わすことができることを利用したものである。これにより、係数aが正の項を含む任意階のエネルギー多項式を1階のエネルギー多項式に変換することができる。
図6は、変形例のエネルギー変換処理を示すフローチャートである。この変形例のエネルギー変換処理では、まず、エネルギー多項式を構成する各項(単項式)のうち次数dが最も高い項ax12…xdを変換対象として設定し(ステップS300)、設定した変換対象の項ax12…xdの係数aが負か否か(ステップS310)、係数aが負でない、即ち正と判定されると、変換対象の項ax12…xdの次数dが奇数であるか否かを判定し(ステップS320)、次数dが奇数でない、即ち偶数と判定されると、前述した式(16)を用いて2次の多項式に変換し(ステップS330)、次数dが奇数と判定されると、前述した式(17)を用いて2次の多項式に変換する(ステップS340)。一方、係数aが負と判定されると、このままの状態では式(16)や式(17)を適用することができないため、変換対象の項ax12…xdの変数x1を1−¬x1に置き換える変数フリップを実行する(ステップS350)。続いて、変換対象の項ax12…xdの次数dが奇数であるか否かを判定し(ステップS360)、次数dが奇数でない、即ち偶数と判定されると、得られた項ax2…xdと項−a¬x12…xdのうち係数が正となった項−a¬x12…xdに対して式(16)を適用することにより2次の多項式に変換すると共に(ステップS370)、変換した2次の多項式に対して変数¬x1を1−xに置き換える変数フリップを実行することにより元の変数に対する2次の多項式、即ち1階のエネルギー多項式とする(ステップS380)。一方、次数dが奇数と判定されると、係数が正となった項−a¬x12…xdに対して式(17)を適用することにより2次の多項式に変換すると共に(ステップS390)、変換した2次の多項式に対して変数¬x1を1−xに置き換える変数フリップを実行することにより元の変数に対する2次の多項式、即ち1階のエネルギー多項式とする(ステップS400)。そして、次数dが3以上の未変換の項が残っているか否かを判定し(ステップS410)、次数dが3以上の未変換の項が残っているときには、ステップS300に戻って未変換の項のうち次数dが最も高い項を新たな変換対象の項として設定してステップS310〜400の処理を繰り返し、次数dが3以上の未変換の項がなくなったときにこれで本処理を終了する。ここで、ステップS370やS390で4次以上の項に対して変数フリップが行なわれると、変数フリップによって次数dが1だけ減少した係数aが負の項ax2…xdが残るため、既に存在している同一次数で且つ同一変数の項によって相殺されない限り、残った項ax2…xdに対してステップS310〜400の処理が繰り返されることになる。なお、この変形例では、高階エネルギー多項式の各項のうち3次以上の項の係数が正となるよう負の係数をもつ項の変数をフリップすることにより、係数が負の項に使用できない式(15)〜式(17)のエネルギー変換式を用いて係数が負の項を含む高階エネルギーを1階エネルギーに変換するものとしたが、係数aが負で且つ次数dが3次の項ax123については、変数フリップすることなく、前述した式(5)を用いて直接に1階エネルギー(2次の多項式)に変換するものとしてもよい。
実施例の情報処理装置では、高階エネルギー多項式の3次以上のすべての項の係数が負となるよう変数フリップすることにより、係数が負の項に限って使用することができる式(9)のエネルギー変換式を用いて係数が正の項を含む高階エネルギーを1階エネルギーに変換するものとし、変形例では、高階エネルギー多項式の3次以上のすべての項の係数が正となるよう変数フリップすることにより、係数が正の項に限って使用することができる次式(15)〜(17)のエネルギー変換式を用いて係数が負の項を含む高階エネルギーを1階エネルギーに変換するものとしたが、次数dやその他の条件に基づいて前者と後者とを適宜使い分けるものとしたり、ランダムに前者と後者とを使い分けるものとしても差し支えない。例えば、図7の変形例のエネルギー変換処理に示すように、エネルギー多項式を構成する各項(単項式)のうち次数dが最も高い項ax12…xdを変換対象として設定し(ステップS500)、設定した変換対象の項ax12…xdの次数dが4以上のときには(ステップS510)、図6のステップS310〜S400のエネルギー変換処理を実行し(ステップS520)、次数dが4以上でない、即ち3次のときには(ステップS510)、図5のステップS210〜S250のエネルギー変換処理を実行し(ステップS530)、次数dが3以上の未変換の項がなくなるまで(ステップS540)ステップS500に戻ってステップS500〜530の処理を繰り返すものとしてもよい。
実施例の情報処理装置やその変形例では、高階エネルギー多項式の各項のうち次数dが高いものから順にエネルギー変換処理を施すものとしたが、必ずしも、次数dが高いものから順に行う必要はなく、例えば、次数dが低いものから順に行ったり、ランダムに次数dが3以上の項を選択してエネルギー変換処理を施すものとしても構わない。
実施例の情報処理装置やその変形例では、変換対象の項ax12…xdの各変数x1,x2,…,xdのうち先頭の変数x1を1−¬x1に置き換えることにより変数フリップするものとしたが、必ずしも先頭の変数x1に対して変数フリップするものに限られず、他の変数に対して変数フリップするものとしてもよい。また、変数フリップする変数の数も1つずつに限られず、複数の変数を同時に変数フリップするものとしてもよい。
実施例の情報処理装置では、隣接する画素4点に依存する4次(3階)のエネルギー多項式を設定するものとしたが、周辺の画素5点以上に依存する5次(4階)以上のエネルギー、例えば、3次元空間内に配置された画素(ボクセル)について立体格子状に隣接する画素8点に依存する8次(7階)のエネルギーを設定するものとしてもよい。
実施例の情報処理装置では、画像データの領域を分割する画像分割問題に本発明を適用して説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、画像復元やステレオ,動画像解析などに本発明を適用することができるし、画像分野以外のデータ処理に適用することもできる。ここで、画像復元に本発明を適用する場合、例えば、現在の画像から若干の変化を与えた提案画像を生成し、現在の画像と生成した提案画像とを融合して新たな画像を生成する処理を繰り返し行なう融合移動アルゴリズムを用いることができる。ここで、「融合」とは、現在の画像における画素のデータ値と提案画像における対応する画素のデータ値とのうちエネルギーが小さくなる方のデータ値を新たな画像の対応する画素に設定することにより新たな画像を生成するものである。したがって、現在の画像のデータ値を維持するときにその画素に値0を割り当て提案画像のデータ値に置き換えるときに値1を割り当てるラベル割付問題として考えることができるから、エネルギー最小化法を用いて解くことができる。ここで、エネルギー(多項式)の実数係数としては、画像データを構成する画素の組のうちノイズが含まれる可能性が低いパターンほどエネルギーが小さくなるように設定することができる。また、提案画像としては、現在の画像を平滑化フィルタ(Gaussian kernel)を用いてぼかしたものを設定したり、エネルギーを各変数で偏微分して変数の数と同じ次元の勾配ベクトルを生成すると共に生成したベクトルの方向に現在の画像のデータ値から値をずらす再急降下法を用いて生成したりすることができる。勿論、これらの手法に限られず、例えば乱数画像を設定するなど如何なる手法も採用し得る。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、情報処理装置や画像処理装置の製造産業などに利用可能である。
20 コンピュータ、22 高階エネルギー設定部、24 エネルギー変換部、26 エネルギー最小化部、30 ディスプレイ、40 キーボード、50 マウス。

Claims (11)

  1. 各変数が2値の4次以上の多項式によって表わすことが可能な高階エネルギー多項式を各項毎に、変換する項の係数の正負に対する制約をもつエネルギー変換式を用いて変換することにより、同値な2次以下の項からなる1階エネルギー多項式に変換して処理する情報処理方法であって、
    前記高階エネルギー多項式の各項のうち前記制約に適合しない項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更することにより前記変数の否定と前記変数の混在した該制約に適合する高階エネルギー多項式を設定し、該設定した高階エネルギー多項式を各項毎に前記エネルギー変換式を用いて1階エネルギー多項式に変換し、該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻すことにより該元の変数における1階エネルギー多項式を設定し、
    該設定した1階エネルギー多項式に対して所定のエネルギー最小化処理を適用することにより前記高階エネルギー多項式が最小となる各変数を設定する
    ことを特徴とする情報処理方法。
  2. 請求項1記載の情報処理装置であって、
    前記高階エネルギー多項式の各項のうち少なくとも4次以上の項の係数が負となるよう正の係数をもつ項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更し、
    次数をdとし係数をaとし前記変数をx1,…,xdとし値0か値1のいずれかをとる外部変数をwとしたときに、前記係数の正負を変更した高階エネルギー多項式の各項毎に式(1)を用いて1階エネルギー多項式に変換し、
    該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻して該元の変数における1階エネルギー多項式とする
    ことを特徴とする情報処理方法。
  3. 請求項1記載の情報処理方法であって、
    前記高階エネルギー多項式の各項のうち少なくとも4次以上の項の係数が正となるよう負の係数をもつ項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更し、
    次数をdとし係数をaとし前記変数をx1,…,xdとし値0か値1のいずれかをとる外部変数をwとし1次の基本対称式をS1とし2次の基本対称式をS2としたときに、前記係数の正負を変更した高階エネルギー多項式の各項毎に、該項の次数dが偶数のときには式(2)を用いて前記1階エネルギーの多項式に変換し、該項の次数dが奇数のときには式(3)を用いて前記1階エネルギー多項式に変換し、
    該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻して該元の変数における1階エネルギー多項式とする
    ことを特徴とする情報処理方法。
  4. 前記所定のエネルギー最小化法は、グラフカット法,信念伝播法,ツリー重み再配分メッセージ伝達法のいずれかである請求項1ないし3いずれか1項に記載の情報処理方法。
  5. 画像データを処理する請求項1ないし4いずれか1項に記載の情報処理方法であって、
    前記画像データを構成する各画素のうち所定の条件に合致する画素に第1の値のラベルを割り当てると共に該所定の条件に合致しない画素に第2の値のラベルを割り当てる2値のラベルを前記変数として前記各画素だけに依存する1次の項と4点以上の画素の組に依存する4次以上の項とを含む多項式の高階エネルギーを設定し、該設定した高階エネルギーが最小となるよう前記変数を設定することにより前記2値のラベルを割り当てる
    ことを特徴とする情報処理方法。
  6. 前記所定の条件に合致する確率が高いほどエネルギーが小さくなるよう各項の係数を定めることにより前記多項式の高階エネルギーを設定することを特徴とする請求項5記載の情報処理方法。
  7. 前記所定の条件に合致する確率をPとしたときにエネルギーが−logPとなるよう前記各項の係数を定めることを特徴とする請求項6記載の情報処理方法。
  8. 請求項5ないし7いずれか1項に記載の情報処理方法であって、
    現在の画像に対して変化を与えた提案画像を生成し前記現在の画像の画素を該生成した提案画像の対応する画素に置き換えるときには前記第1の値のラベルを割り当てると共に前記現在の画像の画素を前記生成した提案画像の対応する画素に置き換えないときには前記第2のラベルを割り当てることにより新たな画像を生成する処理を繰り返すことにより画像を復元する
    ことを特徴とする情報処理方法。
  9. 前記提案画像は、再急降下法を用いて生成することを特徴とする請求項8記載の情報処理方法。
  10. 前記提案画像は、前記現在の画像に対して所定のぼかしフィルタを適用することにより生成することを特徴とする請求項8記載の情報処理方法。
  11. 各変数が2値の4次以上の多項式によって表わすことが可能な高階エネルギー多項式を各項毎に、変換する項の係数の正負に対する制約をもつエネルギー変換式を用いて変換することにより、同値な2次以下の項からなる1階エネルギー多項式に変換して処理する情報処理装置であって、
    前記高階エネルギー多項式の各項のうち前記制約に適合しない項について変数の一部を該変数の否定を用いて表わして係数の正負を変更することにより前記変数の否定と前記変数の混在した該制約に適合する高階エネルギー多項式を設定し、該設定した高階エネルギー多項式を各項毎に前記エネルギー変換式を用いて1階エネルギー多項式に変換し、該変換した1階エネルギー多項式における前記変数の否定を含む項について該変数の否定を元の変数に戻すことにより該元の変数における1階エネルギー多項式を設定するエネルギー変換手段と、
    該設定した1階エネルギー多項式に対して所定のエネルギー最小化処理を適用することにより前記高階エネルギー多項式が最小となる各変数を設定するエネルギー最小化手段と
    を備える情報処理装置。
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