JP5713797B2 - 映像監視装置 - Google Patents
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しかし、映像データの画像処理を行う際に、圧縮された映像を伸張する必要があることから、すでに蓄積されている映像データからイベントを検出したい場合には、多くの処理時間を要することになる。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る映像監視装置の処理機能構成を示すブロック図である。
表示映像作成部3は、復号映像Dに対して、イベント検出結果Eに基づき、映像の特殊再生処理または強調表示処理などを施し、実際に表示される最終的な表示映像Fを作成する。
まず、映像復号部1は、符号化映像ストリームAの復号処理を行う。ここで、符号化映像ストリームAとは、前述のMPEG−2またはH.264などの映像符号化方式により符号化された映像のビットストリームである。
周知のように、映像は時系列的な複数枚の静止画像(ピクチャP)の連続で表される。
図2においては、m個のGOPのうちのi番目のGOP(i)内に、n枚のピクチャP(i,1、i,2、・・・、i,n)が含まれている状態を示している。
また、GOPの先頭には、ユニークワードであるGOPスタートコードが存在し、符号化映像ストリームA内における各GOPの位置が容易に分かるようになっている。
MPEG−2、H.264においては、画像を符号化する場合、図3に示すように、画像全体を複数のマクロブロックMに分割し、マクロブロックMは、さらに複数のブロックに分割される。なお、マクロブロックM内のブロックは、さらに複数の画素により構成される。
図3においては、画像全体が192個(=横16個×縦12個)のマクロブロックMに分割され、1つのマクロブロックMに4つのブロックがある場合の例を示している。
また、映像符号化方式によっては、GOPやマクロブロック、ブロック、スライスを別の呼称で定義する場合もある。
以下の説明においては、GOP、マクロブロック、ブロック、スライスという呼称を用いるが、呼称の異なる符号化方式による符号化映像ストリームAについても、この発明の実施の形態1は適用可能である。
この復号過程において、映像復号部1は、符号量情報Cおよび符号化パラメータBを生成して、イベント検出部2に入力する。
また、インターマクロブロックは、参照画像による画面間予測を用いて符号化する方法であり、後述する動き補償予測も利用可能である。
さらに、スキップマクロブロックは、該当するマクロブロックでは符号化を行わずに参照画像をそのまま用いる方法である。
また、インターマクロブロックは、該当するマクロブロックの映像が変化している場合に有効であり、また、後述する動き補償予測の利用により、映像内でオブジェクトが移動している場合も有効である。
マクロブロック単位で、過去または未来の参照画像と符号化対象の画像とを比較し、類似した部分の画像とマクロブロックの位置の画像信号との差分を符号化することにより、圧縮効率を高めている。
動き補償予測の利用により、各種映像符号化方式においては、符号化効率を大幅に高めることが可能となる。なお、実際の動き補償予測は、任意形状のオブジェクトではなく、マクロブロック単位で行われ、マクロブロック単位で動きベクトルが符号化されることが多い。
具体的には、まず、符号量情報Cからイベントがあったと思われるGOPを探し出す。
ただし、符号化映像ストリームAによっては、一定のビットレートになるように符号量情報Cが制御される場合があるが、このとき、パディングビットと呼ばれる無効ビットを追加することにより、符号量が調整される。よって、各GOPの符号量がほぼ一定の場合、パディングビット量(パディングビットの符号量)が大きく変化したGOPを、イベントを検出したGOPと判別する。
すなわち、i番目のGOP(i)の符号量をGOPi、GOPの符号量の平均値をGOPAvg、GOPの符号量の分散値をGOPVarとすると、以下の式(1)を満たす場合に、イベントのあるGOPと判別する。
なお、式(1)および式(2)は、それぞれ、単なる一例であり、別の方法でGOPの符号量またはパディングビット量から異常を判別してもよい。
また、GOPAvg、GOPVar、PadAvg、PadVarは、符号化映像ストリームAに含まれるGOP全体から算出する方法であってもよく、5分ごと、10分ごと、15分ごと、のように、時間でいくつかの単位に区切った上で算出してもよい。
図4においては、GOPの符号量とパディングビットの符号量とを同時に比較する場合を示している。
一方、ステップS2において、式(1)または式(2)を満たす(すなわち、YES)と判定されれば、当該GOP(i番目のGOP)を「イベントのあるGOP」と判定する(ステップS3)。
一方、ステップS4において、すべてのGOPで判定処理が完了した(すなわち、YES)と判定されれば、図4の処理ルーチンを終了する。
図5はこの発明の実施の形態1によるマクロブロック変化量の算出結果に基づくイベント位置(マクロブロック単位)の検出処理を示す説明図である。
イントラマクロブロック :3点
インターマクロブロック(動きベクトル大):2点
インターマクロブロック(動きベクトル小):1点
スキップマクロブロック :0点
上記のように積分されたスコア結果は、GOP内でのマクロブロックMの位置ごとの変化量(以下、「マクロブロック変化量」という)を表しており、マクロブロック変化量が大きいマクロブロックは、GOP内で異常(イベント)のあったマクロブロックであると判定される。
続いて、判定対象のマクロブロック変化量Mxyに対して、以下の式(3)を満たすマクロブロックを「異常(イベント)のあるマクロブロック」であると判定する。
なお、式(3)は、単なる一例であり、他の判定方法を用いて、マクロブロック変化量Mxyからイベントを検出してもよい。
これにより、GOP内での空間方向のイベント検出することが可能である。
上述した通り、イントラマクロブロックは変化が大きく、スキップマクロブロックは変化が小さい。また、動きベクトルの大きいインターマクロブロックは、当該マクロブロックに大きな動きがあった可能性が高い。
また、GOP単位で時間方向に積分し、マクロブロック変化量の平均値MAvgおよび分散値MVarから、式(3)の判定基準となる閾値を算出することにより、画面全体に変化があった場合(画面全体がイントラマクロブロックになる)については、閾値が上昇し、空間方向の位置変化が検出されにくくなる。この場合、画面全体が変化しているので、空間方向の位置変化(事実上存在しない)を表示する必要はない。
(F2)イベントのあったGOPとイベントのないGOPとで、表示速度を変更する(たとえば、イベントのないGOPは早送りにする)。
(F3)イベントのあったGOPのイベントのあるマクロブロックについて、色付きの枠で囲むなどの強調表示を行う。
(F5)イベントのあったGOPとイベントのないGOPで表示速度を変更し、且つイベントのあるマクロブロックについて、色付きの枠で囲むなどの強調表示を行う。
(F6)イベントのあるGOPまたはマクロブロックに対して、「異常発生」などの文字情報を表示する。
作成された表示映像Fは、モニタ(図示せず)に出力され、映像閲覧者による閲覧を可能にする。
この結果、イベントのあるシーンおよび位置を分かりやすく映像閲覧者に示すことが可能な映像監視装置を実現することができる。
なお、上記実施の形態1(図4、図5)では、符号化パラメータBとして、マクロブロックタイプおよび動きベクトルを用いたが、これに限定されることはなく、他の符号化パラメータBとして、量子化パラメータ、イントラ予測モード、動き補償予測などを用いてもよい。
なお、この発明の実施の形態2に係る映像監視装置の構成については、前述(図1〜図3参照)と同一なので詳述を省略する。
一般に映像を符号化する場合、映像符号化器(図示せず)において、映像信号は、DCT(Discrete Cosine Transform)などを用いて変換され、変換された信号に対して量子化が行われる。
量子化係数が異なる場合、発生する符号量は大きく異なることになるので、ビットレートを一定にする符号化制御が行われている場合には、映像符号化器において、量子化係数を変更することにより対応することが多い。
ここで、量子化係数を決定する量子化パラメータは、GOP単位、ピクチャ単位、スライス単位、マクロブロック単位で変更可能である(映像符号化方式にも依存する)。
各GOPの符号量がほぼ一定で、パディングビット量も少ない場合には、上記量子化パラメータの変動の変化がイベント検出に有効である。
イントラ予測とは、隣接する画素を参照してその差分を符号化する方式であり、画像に応じて参照する隣接画素を変更するようになっている。
なお、イントラ予測が用いられるのは、イントラマクロブロックのみである。
図6はこの発明の実施の形態2に係る映像監視装置によるイベント検出処理を示す説明図であり、イントラ予測モードを利用してイベントのあるGOPを検出するための処理を示している。
そして、得られた出現頻度の高いイントラ予測モード(下向き矢印参照)と異なるイントラ予測モード(破線枠内の矢印向き参照)を持つマクロブロックを探索する。
動き補償予測は、基本的にはマクロブロック単位で行われるが、たとえばH.264方式では、マクロブロックをさらに分割して動き補償予測を行うことが可能である。
または、ピクチャ内の動きベクトルの数をカウントし、定められた閾値以上の動きベクトル数となるピクチャを、イベントを検出したピクチャと判定することができる。
なお、符号化パラメータBとして上記以外のパラメータを利用してもよい。
なお、上記実施の形態1、2(図1)では、表示映像作成部3に対してイベント検出結果Eを直接入力したが、図7のように、領域特定部4を介在させて、領域特定部4からの詳細な領域特定結果Gを表示映像作成部3Aに入力してもよい。
図7においては、イベント検出部2と表示映像作成部3Aとの間に領域特定部4が挿入された点のみが前述と異なる。
表示映像作成部3Aは、復号映像Dと領域特定結果Gとから、映像の特殊再生や強調表示などを施して実際の表示映像Fを作成する。
領域特定部4は、イベント検出部2からのイベント検出結果Eに基づいて、映像復号部1からの復号映像D内でイベントと判定されたGOPおよびマクロブロックに対して画像処理を行い、監視映像中からより詳細に人物や物体の検出を行う。
このように、領域特定部4は、イベントと判定したGOPおよびマクロブロック中から、より詳細に人物や物体の検出処理を施した領域特定結果Gを表示映像作成部3Aに入力する。
なお、表示映像Fの例としては、前述と同様の条件(F1)〜(F6)が挙げられる。
領域特定部4は、イベント検出結果Eおよび復号映像Dから、復号映像D内のイベントのあった詳細な位置(イベント領域)および時刻を特定する領域特定結果Gを生成し、表示映像作成部3Aは、復号映像Dおよび領域特定結果Gからイベント部分を強調した表示映像Fを生成する。
これにより、領域特定結果Gを反映してイベント発生を強調した表示映像Fを映像閲覧者に示すことが可能な映像監視装置を実現することができる。
なお、上記実施の形態1〜3(図1、図7)では、映像復号部1および表示映像作成部3、3Aを用いたが、図8のように、映像簡易復号部1Bおよびイベント蓄積データベース5を用いてもよい。
図8においては、映像復号部1に代えて映像簡易復号部1Bを用いた点、および、表示映像作成部3に代えてイベント蓄積データベース5を設けた点のみが前述と異なる。
ここで、部分的な復号とは、イベント検出部2で必要となる符号量情報Cおよび符号化パラメータBを得るまでの復号処理のことであり、映像簡易復号部1Bは、復号映像Dを得るための映像データの完全な復号処理は行わない。
以下、イベント蓄積データベース5は、イベント検出部2からのイベント検出結果Eを蓄積する。
なお、上記実施の形態1〜4(図1、図7、図8)では、映像符号化器(図示せず)を介した符号化映像ストリームAを入力情報とする映像復号部1または映像簡易復号部1Bを設け、符号化映像ストリームAに含まれる符号量情報Cおよび符号化パラメータBを用いてイベントを検出したが、図9のように、符号化前のベースバンド映像D’を入力情報とする映像符号化部6を設け、ベースバンド映像D’の符号化処理と同時に得られる符号量情報Cおよび符号化パラメータBを用いてイベントを検出してもよい。
映像蓄積データベース5Cは、符号化映像A’とイベント検出部2からのイベント検出結果Eとを蓄積する。
まず、映像符号化部6は、ベースバンド映像D’の符号化処理を行い、符号化映像A’を出力するとともに、符号化処理の過程において算出される符号量情報Cおよび符号化パラメータBをイベント検出部2に入力する。
なお、符号化方式としては、MPEG−2方式やH.264方式など、いずれの方式を用いてもよい。
また、符号化パラメータBとしては、前述の実施の形態1、2と同様に、符号化の過程で容易に得られる、マクロブロックタイプおよび動きベクトル、量子化パラメータ、イントラ予測モード、動き補償予測に用いるブロックサイズ、のいずれかが用いられる。
さらに、映像蓄積データベース5C内のイベント検出結果Eは、必要に応じて読み出されることにより、映像復号部1および表示映像作成部3(図1参照)を介して、表示映像に反映させることができる。
なお、上記実施の形態5(図9)では、映像蓄積データベース5Cに対してイベント検出結果Eを直接入力したが、前述の実施の形態3(図7)と同様に、図10のように、領域特定部4Dを介在させて、領域特定部4Dからの詳細な領域特定結果Gを映像蓄積データベース5Dに入力してもよい。
図10においては、イベント検出部2と映像蓄積データベース5Dとの間に領域特定部4Dが挿入された点のみが図9と異なる。
領域特定部4Dは、イベント検出結果Eおよびベースバンド映像D’から、詳細なイベント領域および時刻を特定し、領域特定結果Gとして映像蓄積データベース5Dに入力する。
映像蓄積データベース5Dは、領域特定結果Gを符号化映像A’とともに蓄積する。
領域特定部4Dは、イベント検出結果Eおよびベースバンド映像D’から、ベースバンド映像D’内のイベントのあった詳細な位置(イベント領域)および時刻を特定する領域特定結果Gを生成し、映像蓄積データベース5Dは、符号化映像A’および領域特定結果Gを蓄積する。
さらに、映像蓄積データベース5C内の領域特定結果Gは、必要に応じて読み出されることにより、映像復号部1および表示映像作成部3(図1参照)を介して、表示映像に反映させることができる。
Claims (9)
- それぞれ複数枚のピクチャを含む複数個のピクチャ群からなる構成を有する符号化映像を入力情報として、前記符号化映像内の前記各ピクチャ群の符号量と、前記符号化映像内のピクチャ内のイベントにより変化する符号化パラメータと、前記符号化映像を復号して得られた復号映像とを出力する映像復号部と、
前記符号量からイベントが発生したピクチャ群を判定し、前記符号化パラメータからピクチャにおける空間方向の発生したイベントの位置を検出するイベント検出部と、
前記復号映像と前記イベント検出部からのイベント検出結果とからイベント部分を強調した表示映像を作成する表示映像作成部と
を備えた映像監視装置。 - 前記イベント検出部と前記表示映像作成部との間に挿入された領域特定部を備え、
前記領域特定部は、前記イベント検出結果および前記復号映像から、前記復号映像内のイベントのあった詳細な位置および時刻を特定する領域特定結果を生成し、
前記表示映像作成部は、前記復号映像および前記領域特定結果から前記イベント部分を強調した表示映像を生成することを特徴とする請求項1に記載の映像監視装置。 - それぞれ複数枚のピクチャを含む複数個のピクチャ群からなる構成を有する符号化映像を入力情報として、前記符号化映像を部分的に復号することにより、前記符号化映像内の前記各ピクチャ群の符号量と、前記符号化映像内のピクチャ内のイベントにより変化する符号化パラメータとを出力する映像簡易復号部と、
前記符号量からイベントが発生したピクチャ群を判定し、前記符号化パラメータからピクチャにおける空間方向の発生したイベントの位置を検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部からのイベント検出結果を蓄積するイベント蓄積データベースと
を備えた映像監視装置。 - ベースバンド映像を入力情報として、前記ベースバンド映像を符号化して得られたそれぞれ複数枚のピクチャを含む複数個のピクチャ群からなる構成を有する符号化映像と、符号化の過程で得られる前記符号化映像内の前記各ピクチャ群の符号量と、前記符号化映像内のピクチャ内のイベントにより変化する符号化パラメータと、を出力する映像符号化部と、
前記符号量からイベントが発生したピクチャ群を判定し、前記符号化パラメータからピクチャにおける空間方向の発生したイベントの位置を検出するイベント検出部と、
前記符号化映像と前記イベント検出部からのイベント検出結果とを蓄積する映像蓄積データベースと
を備えた映像監視装置。 - 前記イベント検出部と前記映像蓄積データベースとの間に挿入された領域特定部を備え、
前記領域特定部は、前記イベント検出結果および前記ベースバンド映像から、前記ベースバンド映像内のイベントのあった詳細な位置および時刻を特定する領域特定結果を生成し、
前記映像蓄積データベースは、前記符号化映像および前記領域特定結果を蓄積することを特徴とする請求項4に記載の映像監視装置。 - 前記イベント検出部で用いられる符号化パラメータは、マクロブロックタイプおよび動きベクトルを含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の映像監視装置。
- 前記イベント検出部で用いられる符号化パラメータは、量子化パラメータを含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の映像監視装置。
- 前記イベント検出部で用いられる符号化パラメータは、イントラ予測モードを含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の映像監視装置。
- 前記イベント検出部で用いられる符号化パラメータは、動き補償予測のブロックサイズを含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の映像監視装置。
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