JP5711536B2 - 一酸化二窒素と燃料とが混合されて成るモノプロペラント - Google Patents

一酸化二窒素と燃料とが混合されて成るモノプロペラント Download PDF

Info

Publication number
JP5711536B2
JP5711536B2 JP2010533326A JP2010533326A JP5711536B2 JP 5711536 B2 JP5711536 B2 JP 5711536B2 JP 2010533326 A JP2010533326 A JP 2010533326A JP 2010533326 A JP2010533326 A JP 2010533326A JP 5711536 B2 JP5711536 B2 JP 5711536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monopropellant
nofb
dinitrogen monoxide
fuel
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010533326A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011502935A (ja
Inventor
グレッグ・マンガス
デビッド・フィッシャー
クリス・マンガス
ベンジャミン・キャリーアー
Original Assignee
ファイアースター エンジニアリング,エルエルシー
ファイアースター エンジニアリング,エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ファイアースター エンジニアリング,エルエルシー, ファイアースター エンジニアリング,エルエルシー filed Critical ファイアースター エンジニアリング,エルエルシー
Publication of JP2011502935A publication Critical patent/JP2011502935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5711536B2 publication Critical patent/JP5711536B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
    • C06BEXPLOSIVES OR THERMIC COMPOSITIONS; MANUFACTURE THEREOF; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS EXPLOSIVES
    • C06B47/00Compositions in which the components are separately stored until the moment of burning or explosion, e.g. "Sprengel"-type explosives; Suspensions of solid component in a normally non-explosive liquid phase, including a thickened aqueous phase
    • C06B47/02Compositions in which the components are separately stored until the moment of burning or explosion, e.g. "Sprengel"-type explosives; Suspensions of solid component in a normally non-explosive liquid phase, including a thickened aqueous phase the components comprising a binary propellant
    • C06B47/04Compositions in which the components are separately stored until the moment of burning or explosion, e.g. "Sprengel"-type explosives; Suspensions of solid component in a normally non-explosive liquid phase, including a thickened aqueous phase the components comprising a binary propellant a component containing a nitrogen oxide or acid thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
    • C06DMEANS FOR GENERATING SMOKE OR MIST; GAS-ATTACK COMPOSITIONS; GENERATION OF GAS FOR BLASTING OR PROPULSION (CHEMICAL PART)
    • C06D5/00Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets
    • C06D5/08Generation of pressure gas, e.g. for blasting cartridges, starting cartridges, rockets by reaction of two or more liquids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10LFUELS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NATURAL GAS; SYNTHETIC NATURAL GAS OBTAINED BY PROCESSES NOT COVERED BY SUBCLASSES C10G, C10K; LIQUEFIED PETROLEUM GAS; ADDING MATERIALS TO FUELS OR FIRES TO REDUCE SMOKE OR UNDESIRABLE DEPOSITS OR TO FACILITATE SOOT REMOVAL; FIRELIGHTERS
    • C10L3/00Gaseous fuels; Natural gas; Synthetic natural gas obtained by processes not covered by subclass C10G, C10K; Liquefied petroleum gas
    • C10L3/02Compositions containing acetylene

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)
  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Description

関連出願の参照
本出願は、2007年11月9日に出願された米国仮特許出願第60/986,991号であって発明の名称が「一酸化二窒素と燃料とが混合されて成るモノプロペラント」であるものの優先権の効果を主張しており、その出願は、引用により全体的に本明細書に合体させられる。
本発明は、カリフォルニア工科大学ジェット推進研究所(California Institute of Technology Jet Propulsion Laboratory)/NASAからの委託番号1265181により部分的に支援された。米国政府は、本発明においてある権利を保有する可能性がある。
液体燃料ロケットは、固体燃料ロケットより優れた比推力(specific impulse)(Isp)を有するとともに、推力調整(throttled)、燃焼停止(shut down)および再着火(restarted)の機能を有する。液体推進剤の主要な性能上の利点は、酸化剤にある。現在実用化されているいくつかの液体酸化剤(液体酸素、四酸化二窒素(nitrogen tetroxide)および過酸化水素(hydrogen peroxide))は、利用可能であって、固体燃料ロケットのブースタと同等の燃料と組み合わせた場合に、固体燃料ロケットのブースタに使用される過塩素酸アンモニウム(ammonium perchlorate)より優れた比推力を有する。しかしながら、液体推進剤についても、主な問題点は酸化剤に関するものである。酸化剤は、極度の毒性(toxicity)(硝酸(nitric acids))と、適度な低温(cryogenicity)(液体酸素)と、両者(液体フッ素)とのうちのいずれかが原因となり、貯蔵および取り扱いが少なからず困難であるということが一般的である。これまでに提案されているいくつかの酸化剤は、例えばO、ClF、ClFであり、それらは、不安定で、エネルギー値が高く(energetic)、毒性がある。
1920年代に打ち上げられた最初の液体燃料ロケットは、ガソリンと液体酸素を推進剤として使用した。液体水素が、1950年代に使用され、1960年代の半ばまでには、液体水素と液体酸素とが使用されていた。今日使用されている一般的なモノプロペラントとしては、ヒドラジン(hydrazine)と、ヒドロキシルアンモニウムナイトレート(hydroxyl ammonium nitrate)とがある。一般的な液体バイプロペラントとしては、液体酸素とケロシンの組合せと、液体酸素と液体水素の組合せと、四酸化二窒素とヒドラジンすなわちモノメチルヒドラジン(monomethylhydrazine)との組合せとがある。推進剤設計の目的は、これまで、バイプロペラントが有する高い性能を有するモノプロペラントを開発することにあった。モノプロペラントを用いたシステムのシステム構成が単純であることが原因で、モノプロペラントの開発において、バイプロペラントと同等の比推力Ispを実現するモノプロペラントの化学組成(chemistry)を見つけることは、「ホーリ・グレール(holy grail)」(達成不可能に近い非常に困難なゴール)であると長い間考えられてきた。「環境にやさしい(green)」モノプロペラントの分野における研究が、ヒドラジンに代わる無毒性のモノプロペラントを発見するために進行してきている。そのような候補の一つが、一酸化二窒素である。一酸化二窒素は、次の発熱反応により分解され得る。
O → N + (1/2)O + Heat(熱量)
標準的な条件の下、この反応は、一酸化二窒素の1単位当り、82 kJ/mol (515Whr/kg) の熱量を発生する。貯蔵されたモノプロペラントを液化するために、16.5kJ/mol (104Whr/kg)、すなわち、反応エンタルピーの約20%が必要である。この反応における理論比推力Ispの最大値は205秒である。一酸化二窒素(N2O)の高い活性化エネルギー障壁が約250kJ/molであることを考慮すると、一酸化二窒素は、高い安定性を有する分子である。その結果、熱分解のために、1000℃より高い温度での予熱が必要である。これに代えて、この活性化エネルギーを大きく減らすために触媒を用いることが可能である。しかし、その高温(1500℃より高い)での、高度の酸化反応による生成物のため、触媒層(触媒床、触媒反応器、catalyst bed)および反応室の設計が困難になる。
前述の式での反応に炭化水素系燃料を添加すれば、液体モノプロペラントの比エネルギー密度(specific energy density)を、約1500 Whr/kg(NO単体のエネルギー密度の約3倍)まで増加させることが可能となるとともに、300秒より長い比推力Isp性能が実用可能となる。さらに、排気流中の高温で有毒性の(deleterious)酸素を消費することが可能であるとともに、より高い燃焼反応温度が、NO単体の分解に比較し、より高速の反応速度(reaction kinetics)を発生させる。この高速反応により、急速スパーク点火(rapid spark ignition)が可能となる。このような場合、触媒層が、エンジン設計にとっての重要な障害とならず、また、通常の材料を用いる循環冷却式(regeneratively cooled、再生式冷却)エンジンを設計するための手法を、低コストの製法を用いて、高い比推力Isp性能を得るために適用することが可能である。
ロケットのエンジンにおいてこれまで燃焼試験(test-fired)されてきた化学組成のうち最も高い比推力Ispを有するものは、リチウムとフッ素に水素が、排気ガスの熱力学的性質(exhaust thermodynamics)を改善するために添加されたものであった。その材料の組合せは、真空中において542秒の比推力を生み出した。しかし、この化学組成が実用的ではないことが、毒性のある推進剤、特に、バイプロペラントが実用的に使用されない理由を強調している。それら3つの成分を液体にするために、前記水素は、−252℃より低温で保存することが必要であるし、前記リチウムは、180℃より高温で保存することが必要である。この例は、バイプロペラントの主な欠点を明確に示しており、それら成分は、別々のタンクに貯蔵しなければならないし(一般的には、異なる温度および/または圧力の条件で)、さらに、それら成分は、燃焼室に、予め定められた特定の混合比で、かつ、典型的には、高圧かつ高流速で供給しなければならない。
ここに説明されているとともに特許請求の範囲の欄に記載されているいくつかの実施態様は、前述のいくつかの問題点を、一酸化二窒素−燃料混合(NOFB)モノプロペラントであって有機燃料に一酸化二窒素(NO)を混合したものを含むもののファミリーと共に取り扱う。燃焼時、前記一酸化二窒素は、熱エネルギーを生成するとともに、前記燃料を燃焼させるための酸化剤として機能する。有機燃料の例としては、エタン(C)、エチレン(C)、アセチレン(C)およびそれらの混合物がある。
それら燃料が酸化剤燃料比(O/F)のもとに混合された物が、モノプロペラントについての望ましい特性を実現し、その特性は、比推力Ispと、広い温度範囲および広い圧力範囲に亘る混和性(miscibility)と、流体の取り扱い易さと、低い凝固点と、高速のエンジン応答時間を得るための急速な燃焼速度(燃焼反応、燃焼速度特性、燃焼速度論、combustion kinetics)と、機械的衝撃に対する感度および衝撃に起因するデトネーション(異常爆発)が低いことと、貯蔵時のエネルギー密度が比較的高いことと、排気ガスの化学組成が、炭素付着物を生成しないし、コンバスタや反応室を構成する材料に適合することが、不可能ではないとしても、困難である高温酸化環境を作り出さないこととを含むが、それらに限定されない。
さらに、非常に安定している酸化剤にとっては、一酸化二窒素が、36.4℃という、室温に近い温度を臨界点として有する非常に優れた溶剤である。したがって、一酸化二窒素−燃料混合物(NOFB)を生成するために燃料をその一酸化二窒素(NO)に溶解させることが可能である。その混合物が安全に取り扱うことができるものであることを確保するという目的と、当該NOFBモノプロペラントが、広い温度範囲と、モノプロペラントにおいて使用されるかもしれないタンク・ドローダウンについての複数のプロファイルとに亘り、NOFBのすべての成分の、バランスされた脱気を維持することを確保するという目的とのために、当該NOFBモノプロペラントの設計に配慮することが必要である。
ここにおけるいくつかの実施態様は、一酸化二窒素−燃料混合(NOFB)モノプロペラントであって、一酸化二窒素(NO)と有機合成物とを、酸化剤燃料比が約2.5と約11.0との間にあるように含むものを提供する。望ましくは、その有機合成物は、1つのC2炭化水素または複数のC2炭化水素の混合物を主成分として含んでいる。
具体的には、いくつかの実施態様は、モノプロペラントであって、一酸化二窒素とアセチレンとを、酸化剤燃料比が約2.5と約11.0との間、約3.0と約9.0との間、約4.0と約8.0との間、約4.5と約7.5との間、約2.5と約6.0との間、約3.0と約5.0との間、約6.0と約11.0との間、または約8.0と約10.0との間にあるように含むものを提供する。
別のいくつかの実施態様は、NOFBモノプロペラントであって、一酸化二窒素とエタンとを、酸化剤燃料比が約2.5と約11.0との間、約3.0と約9.0との間、約4.0と約8.0との間、約4.5と約7.5との間、約2.5と約6.0との間、約3.0と約5.0との間、約6.0と約11.0との間、または約8.0と約10.0との間にあるように含むものを提供する。
さらに別のいくつかの実施態様は、NOFBモノプロペラントであって、一酸化二窒素とエチレンとを、酸化剤燃料比が約2.5と約11.0との間、約3.0と約9.0との間、約4.0と約8.0との間、約4.5と約7.5との間、約2.5と約6.0との間、約3.0と約5.0との間、約6.0と約11.0との間、または約8.0と約10.0との間にあるように含むものを提供する。
上述の酸化剤燃料比は、具体的な用途に応じて選択される。例えば、NOFB34は、小型ロケットエンジン(高速の燃焼速度(燃焼反応、combustion kinetics)と、ノズルスロート位置でフリーズ状態にある燃焼速度(燃焼反応、combustion kinetics)における比推力Ispの最適ピーク値)にとって最適であり、また、NOFB37は、大型ロケットエンジン(ロケットの、大きな末広がり排気ノズルにおいて低速の燃焼速度(燃焼反応、combustion kinetics)を得るのに最適な比推力Ispを有する高密度モノプロペラント)にとって最適である。別のいくつかの実施態様においては、前記NOFBモノプロペラントが、他の組成物または添加物を、当該モノプロペラントの約50%、約40%、約30%または約20%を上限として含有することが可能である。
前記他の組成物は、複数の炭化水素系燃料またはそれらの混合物を含み、ここにおいて、その結果生成されるモノプロペラントは、ある特性を有し、その特性とは、当該モノプロペラントがドローダウンされるかまたはその温度が変化するにつれて、前述のバランスされた混合物が、液体−アレージガス混合比の化学的性質(chemistry)の変動が最小であるという特性であり、ここに、前記液体−アレージガス混合比の化学的性質は、それらの条件下で当該モノプロペラントの液体がボイル・オフ(煮沸、boil-off)してアレージガス(ullage gas)を発生させる場合におけるものである。別の炭化水素系燃料は、NOFB成分が異なるためにボイルオフ・レートが変動することに起因して、ロケットの比推力Isp性能の変動を、10%未満だけ生じさせるかもしれない。いくつかの用途においては、洗浄剤、乳化剤または他の添加剤を少量ずつ添加することが有利であるかもしれない。
当該技術の別の実施形態は、NOFBモノプロペラントであって、一酸化二窒素と、アセチレンとエタンとエチレンとのうちの少なくとも二つとを、酸化剤燃料比が約2.5と約11.0との間、約3.0と約9.0との間、約4.0と約8.0との間、約4.5と約7.5との間、約2.5と約6.0との間、約3.0と約5.0との間、約6.0と約11.0との間、または約8.0と約10.0との間にあるように含むものを提供する。別の実施態様においては、前記NOFBモノプロペラントが、他の組成物または添加物を、当該モノプロペラントの約50%、約40%、約30%または約20%を上限として含有することが可能である。
いくつかのある実施態様においては、前記一酸化二窒素が、製造中に前記燃料と混合されるときに気体状態にあり、別の実施態様においては、前記一酸化二窒素が、製造中に前記燃料と混合されるときに液体状態にあり、そして、さらに別の実施態様においては、前記一酸化二窒素が、製造中に前記燃料と混合されるときに、液体と気体とが混在した状態にある。このような混合は、後述の第1実施例に説明されているようにして行われる。
この「発明の概要」の欄は、後に「発明を実施するための形態」の欄においてさらに詳述される複数の発明概念を簡単な形式でまとめたものを紹介するために設けられている。この「発明の概要」の欄は、特許請求の範囲の欄に記載された主題の要部を特定することを意図しておらず、特許請求の範囲の欄に記載された主題の範囲を限定するために用いることも意図していない。
図1は、NOFBモノプロペラントについての比推力Isp性能値の理論値と実際値のグラフである。 図2は、本発明に従う一酸化二窒素−燃料混合物を製造する方法を示す図である。 図3は、NOFBモノプロペラントの特性の概略を、ヒドラジン(N)系モノプロペラントおよび四酸化二窒素(NTO)/モノメチルヒドラジン(MMH)系バイプロペラントとの関係において示す表である。 図3Aは、図3の表の続きである。 図4は、あるNOFBモノプロペラントについての貯蔵特性(貯蔵タンク内の液体および気体の圧力および密度と温度との関係)を示すグラフ(状態図としても知られている)である。図4においては、そのNOFBモノプロペラントの貯蔵特性が、さらに、一酸化二窒素単体と貯蔵されたヒドラジン(ヒドラジンのための一般的なヘリウム圧力負荷(媒体、搭載物)を含む)とより成るモノプロペラントと比較されている。 図5Aは、複数のタンク圧(1/4タンク急速液体排出(1/4 tank rapid liquid expulsion)後に残存するガスとの比較を含む)についてのNOFBモノプロペラントのFTIRスペクトルであって、極端な温度比に亘り、バイアスされた成分ガス放出に対する前記NOFB化学的混合物の安定性を示すものを示すグラフである。 図5Bは、図5Aと同様に、急速排出後における3種類のNOFB混合物につき、液体およびアレージガス(タンク内において液体と一緒に存在するガス)におけるNOFBの酸化剤燃料比(O/F)の変動を示す。同図の右側部には、さらに、非常に活発なタンク液体放出(数秒間でNOFB液体の80%を放出する)過程において前記混合物がわずかに変化するにつれて発生する比推力Isp性能値の変動も、前記酸化剤燃料比(O/F)の変動に対応するものとして示されている。 図6は、真空等価(vacuum equivalent)比推力Ispを計算するために使用されるノズル係数値のいくつかの例を示すグラフである。 図7Aは、NOFBモノプロペラントの一例についての熱分解に関するデータを示すグラフである。 図7Bは、熱分解試験結果と、NOFBモノプロペラントの一例についてのNOFB圧力との関係の概略を示すグラフである。 図8Aは、NOFBモノプロペラントの一例についての比蒸発エンタルピーを、一酸化二窒素との関係において示すとともに、代表的な量を有するバイプロペラント燃料を同じ温度から約300℃まで加熱するための比エネルギーとの比較において示すグラフである。 図8Bは、前記NOFBモノプロペラントを圧力降下させることによってそのモノプロペラントの流れを絞る、すなわち、そのモノプロペラントを「フラッシュクーリング(flash-cool)」するときにおける急速な温度低下を示す。 図9は、一酸化二窒素単体での最大スパーク伝播距離が、一酸化二窒素の最小スパーク電圧である418Vにおいて、ガス圧に応じて変化する様子を示すグラフである。この最小電圧値(パッシェン・カーブの最小値としても知られている)において、あるギャップ距離(電極間距離)を実現するために、ガス圧の高低を問わず、急速に上昇するスパーク電圧が必要である。 図10は、あるNOFBモノプロペラントにつき、酸化剤燃料比に基づく消炎距離を示すグラフである。 図11は、NOFBのための循環冷却式スラスタの一例であって、それの燃焼室を「フラッシュクーリング」するために前記NOFBモノプロペラントの高揮発性を利用するものを示す。 図12は、NOFBモノプロペラントの一例を用いるエンジンにつき、低推進力・非最適(low thrust, non-optimized)エンジン運転試験のデータを示す。 図13は、NOFBモノプロペラント系システムの一例につき、ロケット推進システムの全備重量(total wet mass)のうち、輸送されるペイロードの重量(可搬重量)に関する性能を、ヒドラジン系システムとの関係において示すグラフである。 図14は、前記NOFBモノプロペラントを用いて展開可能な(deployable)翼桁の特性の概略を示す。
本明細書に記載されている技術によれば、一酸化二窒素と燃料とが混合されて成る(NOFB)モノプロペラントが得られ、このNOFBモノプロペラントは、一酸化二窒素と、アセチレンとエタンとエチレンとのうちの少なくとも一つの如き有機合成物とを含んでおり、その結果、高い比推力を有し、毒性が低く、しかも、貯蔵も取り扱いも容易であるという特性を、他の望ましい特性に加えて有するモノプロペラントとなっている。このモノプロペラントは、ロケットの推進、作動流体の生成、またはエネルギーもしくはガスの発生といういくつかの用途において使用することが可能である。
本件に係る製造物および方法の説明に先立ち、理解すべきことは、本発明は、ここに説明されている特定の製造物にも方法にも限定されず、よって、製造物および方法は、異なるものとすることができることはもちろんであるということである。さらに理解すべきことは、本明細書において用いられている用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していないということであり、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲の記載によってのみ限定されるべきである。
本明細書および添付された特許請求の範囲の欄において使用されているように、単数形である「a」、「an」および「the」は、その文脈が反対のことを明示していない限り、複数形の指示対象を含むことに注目すべきである。よって、例えば、「an agent(作用物質)」についての言及は、1個の作用物質または1個より多い数の作用物質を意味し、また、「the method of manufacturing(製法)」についての言及は、当業者に知られている複数の工程および複数の方法であって本明細書に記載のものと等価であるものなどを含む。
特に定義しない限り、本明細書において使用されている技術用語および科学用語のすべては、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているすべての刊行物は、引用によって本明細書に合体させられ、その目的は、装置、製造物および方法であって、刊行物に記載されているとともに、特許請求の範囲に記載された発明に関して用いられる可能性があるものを説明するとともに開示することにあり、そのような刊行物として、米国出願第60/868,523号(特願2009−539543号、特表2010−511830号)であって、2006年12月4日に出願され、かつ、発明の名称が「Injector Head(噴射器ヘッド)」であるものがある。
複数の数値が含まれるある範囲が明記されている場合、その明記されている範囲の上・下限値と、その明記されている範囲内にある他の数値であって明記されているかまたはその中間に存在するものとの間に存在する各数値は、本発明に包含されることが理解される。それらより狭い範囲の上限値および下限値は、互いに独立して、より狭い範囲に包含されるとともに、前記明記されている範囲内において意図的に除外された限界(limit)に従うことを条件に、本発明に包含される。その明記されている範囲がそれの上限値と下限値との一方または双方を含む場合、それら含まれる上限値と下限値との一方または双方を除外する範囲もまた、本発明に包含される。
化学ロケット推進技術は、所望の方向への推力を実現するために、化学的に反応するかまたは逆反応する流体の放出を制御することを利用する。その推力は、ロケット本体の直線運動量または角運動量を変化させるように作用する。
作動流体の生成やパワー発生という他の用途に用いられてきたロケット推進剤と同様に、本発明は、同様に、多くの他の用途に用いることが可能であり、そのような用途としては、膨張システムおよび膨張可能な展開可能部(deployments)のためのガス発生と、高温排気ガスの熱エネルギーを機械エネルギーおよび電気エネルギーに変換するために使用されるシステムにおける用途と、飛行体、軍需品および爆発物のための高エネルギー貯蔵媒体における用途とがある。本技術を適用し得る例としては、特に、地球の周りを回っている宇宙船およびミサイルを推進させるシステムと、打ち上げ機のうちの、推進システムの第1ステージおよびブースタ・ステージと、深宇宙探査機の推進および動力のためのシステムと、深宇宙探査機のうちの上昇および地球帰還のためのステージと、精密に制御される宇宙船の位置保持推進システムと、有人対応型姿勢制御推進システムと、掘削のための宇宙船着陸機の下降推進、動力および空気圧のためのシステム(NOFBモノプロペラントを、地球外での掘削作業においてドリルを動かすために機械力を発生させることと、掘削面の領域からデブリ(削り屑)を除去するためにガスを発生させることとの双方のために用いることが可能である)と、宇宙船の空気科学試料獲得および処理のためのシステムと、マイクロ宇宙船の高性能推進システムと、軍事用の牽制および殺傷迎撃機と、高高度航空エンジンと、航空機のバックアップパワーシステムと、遠隔低温パワーシステム(例えば、北極での発電機)と、地上で使用されるとともに燃焼によって駆動される工具であって、高温の溶接具および切断トーチを、駆動機構(例えば、ネイルガン、アンカーボルトガン)のための再装てん可能なチャージなどを含むものがある。
地上での作業においては、NOFBモノプロペラントが、十分ではない量の大気中の酸素が存在する状況(例えば、非常に高い高度での宇宙船内の発電所または下水設備)において、燃焼反応のための酸化剤を生成するためのパワーを発生させることが可能である。さらに、燃焼室内に蓄積されたエネルギーの使用に関する多くの派生的な用途もある。
モノプロペラントは、推力発生、ガス発生および/またはパワー(機械的および/または電気的)発生に一般的に使用される単一の流体である。モノプロペラントは、一般には、推力およびパワーを発生させる際の質量効率を向上させるために別の熱エネルギーを放出するために(一般的には、理想的には低分子量である排気ガスも生成する)、触媒を用いるか、自然発火するか、またはスパーク点火するメカニズムにより、化学的な発熱反応を行う。モノプロペラントは、例えば、液体式またはガス式のロケットエンジンにおいて使用可能である。モノプロペラントの一般的な例は、ヒドラジンであり、これは、一般に、ビークル(機体)の平行移動制御(直線運動量が変化する)および姿勢制御(角運動量が変化する)のための宇宙船推進に用いられる。モノプロペラントの別の例は、ヒドロキシルアンモニウムナイトレート(HAN)(Hydroxyl Ammonium Nitrate)であり、これは、現在、ヒドラジンに代わる低毒性モノプロペラントとして研究されている。
さらに、周辺環境との間において圧力勾配を有する作動流体は、機械的な仕事/パワーを発生させることが可能である。この機械的な仕事/パワーは、その後、別の形態のエネルギー(例えば、発電。機械的なシャフトの動力は、電力を発生させるために発電機またはオルタネータを駆動するために使用し得る)に変換し得る。NOFBモノプロペラントの自然蒸気圧からの圧力および/またはNOFBモノプロペラントの分解/燃焼による圧力は、NOFBモノプロペラントから派生した作動流体と組み合わせて、単なる推力を超えて、有効仕事を発生させるために有利に使用することが可能である。
NOFBモノプロペラントを実施できる仕事取出しサイクルの例は、ガスタービン・サイクル(例えば、ブレイトン・サイクルまたはこれと同様なサイクル)と、燃焼するモノプロペラントの等圧膨張(流体圧の機械と同様)と、種々のピストン・サイクル・エンジンとを含むが、これらに限定されない。ここに、種々のピストン・サイクル・エンジンは、火花によって点火するオット・サイクルと、圧縮によって着火するディーゼル・サイクルとを含むが、これらに限定されない。
化学媒体から抽出可能な最大エネルギーは、その化学媒体の比エネルギー密度(単位質量当りに蓄積される化学的エネルギー)に関連する。図3に示すように、NOFBモノプロペラントの比エネルギー密度(1300Whr/kgより高い)は、ヒドラジンの約3.5倍から約3.9倍高い。比較するに、通常のリチウムイオン電池は、約145Whr/kgを蓄積する。このNOFBモノプロペラントを用いる推進システムであれば、このNOFBモノプロペラントの比エネルギーを効果的に減少させるであろう追加の重量が必要となるであろう。それにもかかわらず、エネルギーの再充填を必要とすることなくパワーを扱う主な多くの用途については、NOFBモノプロペラントの非常に高い比エネルギー密度が要望される。
ロケット推進という特定の用途については、種々の属性(メトリクス,metrics)により、特定のロケット推進システムが作動する効率の高さが決まる。ロケット推進の分野において最も重要な属性のうちの一つは、比推力(Isp)である。この属性は、本質的には、合計衝撃力すなわち与えられた運動量変化量(力の時間積分値)であって、与えられた推進システムによって生成されたものを、推進剤の合計消費質量で割算したものである。この計算結果は、使用される国際的な単位系の種類(英国系単位またはSI単位)の如何を問わず、比推力Ispが秒の単位を有するように、地球の重力定数(9.81m/s)で正規化される。
比推力Ispが大きいことは、推進剤の一定消費量当りにつき、速度変化を与えることができる能力が大きいことを示す。大まかにたとえると、比推力Isp性能値は、意味的には、燃焼によって動く自動車用エンジンにおける「1ガロン当りのマイル数」に似ている(ここで一つ難点を挙げるとすれば、宇宙船のためのロケット推進と比較すると、自動車について「1ガロン当りのマイル数」の定義を説明するためには、エンジンに特有のより多くの特性が関係するということであるが)。
1)質量は、発射時に非常に価格的に高くつき、また、2)推進剤質量の比推力Isp性能値への依存度が指数的に増加するという性質[推進剤質量=宇宙船乾燥質量×esp[宇宙船速度変化量/Isp/地球重力加速度]−1]があるため、高い比推力Ispを有する推進剤は、要求が厳しい宇宙船という用途にとって非常に魅力的である。化学的推進システムにおいては、高い比推力Ispを有するシステムを実現するために、化学的発熱反応が起こることが一般的に必要である。現在、業界的に標準である市販のモノプロペラントのうち一般的なものは、ヒドラジンであり、これは、約230秒という比推力Ispを有する(この数字からのわずかなずれは、具体的なスラスタ設計変数に依存する)。
本明細書に開示されているNOFB(一酸化二窒素−燃料配合型)モノプロペラントの等級(クラス)であれば、エンジンが、345秒を上限とする比推力Ispを有することが実現でき、潜在的にはそれより大きい比推力Ispを有することが実現できる。エンジンの比推力Ispにつき、最近実験的に測定された値は、300秒を超える(図1参照)。図13は、宇宙船乾燥状態での質量比と、NOFBモノプロペラントについての所要機体速度変化量との関係を、ヒドラジンとの比較において示している。
第1実施例
燃料と酸化剤との混合は、その結果物であるモノプロペラントが目標の性能特性値を有することを確保するために、調整され、かつ、測定された方法で行うことが必要である。
図2は、NOFBモノプロペラントの混合物を製造するために使用される装置の系統図の一例を示している。スラスタ性能は、燃焼される推進剤に依存する。そのため、前記モノプロペラントの混合物を正確に混合することが一般的に重要である。高い蒸気圧を有するモノプロペラントを混合するために特別の装置を使用することが可能である。本質的には、複数の成分を、蒸気の状態において混合し、そして、高密度モノプロペラントを生成するために、別の容器内において凝縮することが可能である。後に概説される方法および装置は、例示することが目的であって、それらを変更することが可能である。
本実施例においては、「SW−#」が、一般的なオンオフ・バルブを示し、「REG−#」が、減圧レギュレータを示し、そして、「IS−#」が、タンク遮断バルブを示している。断りがない限り、すべてのバルブは、常には閉状態にあり、また、レギュレータは、完全にオフの状態に戻っている。システム内の圧力を正確にモニタするために、圧力トランスミッタがSW−5にそれの開状態において接続される。
製造を開始するために、真空ポンプを起動させ、IS−3、IS−4、SW−6およびSW−8を開き、それにより、このシステムから空気を抜く(パージ工程)。十分な高さの真空が達成できたら、SW−8が閉じられる。次に、燃料が、混合タンクと凝縮タンクとの双方に搭載される。これを行うため、IS−2が開かれ、REG−2において圧力が所望値まで上昇させられ、そして、SW−7,SW−2およびSW−4がすべて開かれる。前工程において真空引きされている真空度に応じて、パージ工程が必要となるかもしれない。
パージ工程の必要性を判断するために、タンク内の全絶対圧に対する燃料搭載後絶対圧の比を取ることにより、純度を計算することができる。例えば、1psia(pounds per square inch、プサイア、絶対圧)まで真空引きされている状態で、燃料が100psiaになるまで搭載されたとしたら、搭載物(load)の純度は、99psia/100psiaすなわち99%となるであろう。必要であるなら、パージ工程により、初期の搭載物を超える高さに純度を増加させることが可能である。パージ工程を行うため、SW−4が閉じられてSW−8が開かれ、それにより、混合物がこのシステムから抜かれる。しかし、混合された可燃物を機械式ポンプシステムを通過させる場合には、十分なフラッシュバック(逆火)抑制対策を講ずるべきである。十分な真空度が達成されたら、SW−8が閉じられる。
パージ工程のためのシーケンスは、混合物の目標純度に必要である限り、反復することが可能である。各搭載物の不純度レベル値を互いに掛け算することにより、最新の純度が計算される。例えば、純度が99%である別の搭載物が追加されると、不純度1%に、最新の不純度1%が掛け算され、その結果、初期の流体につき、不純度0.01%すなわち純度99.99%となる。しかし、初期の流体の純度が98%しかなかったら、パージ工程をいくら行っても、流体の純度の初期値である98%を超えるまで純度レベルを増加させることができない。純度および搭載物圧力がこのシステム内において達成されたら、SW−4が閉じられる。
その後、IS−2を閉じるとともにSW−3を開くことにより、燃料(燃料ボトル)が遮断されるとともに燃料をこのシステムから抜くパージが行われる。燃料をラインからベント(放出、vent)するために十分な時間が取られ、そして、REG−2が閉状態に復元され、SW−7が閉じられ、そして、SW−2およびSW−3が閉じられる。
複数種類の燃料が使用される場合には、第2/第3の燃料が、この時点で、既に搭載されている搭載物の上部に追加される(図2は、この例を示していない)。
燃料混合物が完成すると、一酸化二窒素が追加される。このとき、IS−1が開かれ、REG−1において圧力が所望値まで上昇させられ、そして、SW−1およびSW−4が開かれる。目標の混合物が完成すると、SW−4が閉じられる。一酸化二窒素をベントするために、IS−1が閉じられ、SW−3が開かれ、このシステムがドレイン(廃棄)のための時間を経過し、REG−1がオフ状態に復元され、そして、SW−1およびSW−3が閉じられる。
この時点で、正確なNOFB混合物が製造され、よって、前記凝縮タンクが、前記混合物を凝縮させるのに十分に低温であるがその混合物の凝固点より十分に高温である温度を有する低温槽内に配置される。一実施態様においては、約−70℃に維持された低温槽が使用される。前記混合物が凝縮するために十分な時間が取られ、そして、IS−4およびSW−6が閉じられる。
一回の凝縮によって十分なモノプロペラントが製造される場合には、前記凝縮タンク(凝縮された液体を収容するタンク)をこのシステムから(IS−4とSW−6との間の位置から)取り外し、そして、室温のもとに平衡状態に復元させることが可能である。複数種類の搭載物が必要である場合には、複数のガスが前記混合タンク内において混合されるのみであるということと、凝縮工程がSW−6およびIS−4を開く工程から成るということとを例外として、これまでの工程を反復することが可能である。
第2実施例
候補となるいくつかの燃料混合物が製造されて試験された。最も有望ないくつかの混合物が次の基準に基づいて選択された。それは、燃焼性能および理論エンジン性能と、推進剤の安定性と、平衡状態および非平衡状態における混和(相溶)性能と、エンジン設計のための燃焼限界値、火炎温度および排気ガス化学特性と、推進剤状態図特性と、燃焼反応速度である。
本発明に従ういくつかのモノプロペラントは、次のようにして命名された。すなわち、「NOFB」は、一酸化二窒素と燃料との混合物(nitrous oxide fuel blend)を示す。それに続く数字は、C2グループにおける位置を示しており、すなわち、「1」はエタンであり、「2」はエチレンであり、そして、「3」はアセチレンである。それに続く数字は、酸化剤燃料比を示している。よって、「NOFB34」は、アセチレンと混合された一酸化二窒素であって、酸化剤燃料比が4であるものを示す。
酸化剤燃料比を表す数字に続く別の文字(a,b,c)は、当該混合物における変更(変形例)を説明するために使用することが可能である。例えば、NOFB34混合物は、混合物が化学的に脱気を行う特性を改善するために少量添加されるいくつかの特定の添加剤を含有することが可能である。よって、前記NOFB34混合物に、一酸化二窒素および燃料の基本的な化学的性質を超えるように適用されるべく最初に発見された適用例は、「NOFB34a」と称される。
図1は、一酸化二窒素/アセチレン(NO/C)より成るモノプロペラント混合物につき、理論比推力Isp性能値が、酸化剤燃料質量比(O/F)に応じて変化する様子を示し、さらに、試作エンジンについて最近行った試験の結果からのデータであって、エンジン運転中におけるチャンバ圧(chamber pressure)の積分値の測定値と推進剤消費量の測定値とに基づくものを示している。(この実験結果を取得するために用いられた特定の実験方法については、さらに詳細に、後述の第3実施例において説明する)。比推力Ispについての実験的測定値は、酸化剤燃料比O/Fが4であるときに取得された(図中、誤差範囲を示す縦棒(矢印付き)は、地上での試験中における実際のノズル係数の不確かさに起因する)。
2本の理論カーブ(vaccumと200/1)が、異なる2つのケース、すなわち、(ノズル全体での)平衡状態での化学反応速度論(equilibrium chemical kinetics)のケースと、ノズルスロート位置でのフリーズ状態での化学反応速度論(frozen-at-the-throat chemical kinetics)のケースについて示されている。それらケースは、宇宙利用の分野において実際のロケットエンジンの性能を考える場合に、典型的な境界的シナリオ(bounding scenarios)である。真空状態は、無限に長い理想的なノズル出口から来る。200/1ノズルは、より現実的な末広がりノズルのシナリオであり、このシナリオにおいては、ノズル出口平面の面積が、前記ノズルの最小スロート面積より200倍大きい。
平衡状態での化学反応速度論のシナリオは、一つの境界的シナリオであって、これは、排気ガス中の成分の化学的平衡状態を高温ガスが常に維持するために十分に遅い速度で流れが動くと仮定する(すなわち、排気ガスの化学的性質は、前記ノズル内の冷却状態に適合するように変化する)。
ノズルスロート位置でのフリーズ状態での化学反応速度論のシナリオは、スロート位置に直ぐ下流において末広がりとなるノズル内においてガスが非常に急速に冷却されるために、その化学反応速度論が、ロケットのスラスタにおいてスロートの下流に位置する末広がりノズル内においてガスの成分が同じ状態に維持されるように、「フリーズ」すると仮定する(すなわち、ガスの化学的性質が変化しない)。
さらに、酸化剤燃料比が変更されると、燃焼室内において化学的燃焼性能が変化する。その燃焼室内で起こる化学反応を変化させると、異なる比推力Isp性能値が達成される。しかし、設計上のある考慮事項のため、別の拘束条件が、最適な酸化剤燃料比に対して課される。本明細書に記載されているNOFBモノプロペラントの混合物については、酸化剤燃料質量比O/Fとして、NO燃料質量比がより一般的に記載され、そのNO燃料質量比の最適値は、一般に、2.5と11との間の範囲を包含する。より低いO/F比であると、炭素付着が問題になる。より高いO/F比であると、排気ガスの環境であって高温で酸化が活発であるものにより、燃焼室およびエンジンの設計が非常に困難となり、その理由は、この種のガス環境においてはほとんどすべての種類の材料の酸化が活発になるというものである。
ミッションデザイン、推進剤システム設計および現実的利用のためにモノプロペラントを選択するために、多数の性能属性値(metrics)についての知識が必要であり、さらに、エンジンの比推力Isp性能のみのほかにも、貯蔵および地上での取り扱いについて考慮すべき事項についての知識も必要である。図3は、NOFBモノプロペラントの一例と、ヒドラジン(N2H4)系モノプロペラントと、四酸化二窒素(NTO)/モノメチルヒドラジン(MMH)系バイプロペラントとを、エンジン性能、貯蔵性および地上での取り扱い性に関する複数の属性値に関して互いに比較した場合の概要を示している。比推力Isp性能値に関し、NOFBモノプロペラント混合物が、四酸化二窒素(NTO)/モノメチルヒドラジン(MMH)系バイプロペラントに匹敵するとともに、ヒドラジン(N2H4)系モノプロペラントより非常に高いことに注目すべきである。
ミニマムインパルスビット(minimum impulse bit)は、最小推力と時間との積であって推進システムが付与可能なものを意味する。推進システムについてミニマムインパルスビット性能値を示すことは、宇宙船の正確な姿勢制御および機体の精密な制御のような宇宙船のための用途において重要である。一般的には、予想される推進Isp性能値は、推進システムがより小さいミニマムインパルスビットを達成しようとするにつれて、減少する。したがって、インパルスビット性能値がより小さい状況で行われるミッションのために、より多くの宇宙船推進剤を飛行させることが必要となる。
より多くのファクタによって性能が低下する。すなわち、1)ヒドラジン系システムにおいては、モノプロペラントがより完全に分解するために、モノプロペラントを分解するための触媒層の温度を最適作動温度まで上昇させることが必要である。多くの場合、ヒドラジンの少量のパルス流れでは、触媒層が最適温度を達成できない。NOFBモノプロペラントは、ロケット推進という用途のために、ほぼ一般的に、スパークによって点火させられ、NOFBモノプロペラントの性能は、触媒層の種類によって制限されない。
2)達成され得るミニマムインパルスビットは、推進剤の最小放出質量に直結している。この最小推進剤量は、モノプロペラントの密度と、バルブと反応室との間の小さいハードウエア容積とに関係している。
NOFBモノプロペラントは、非常に低い圧力(100psiaより非常に低い圧力)(この圧力のもとでは、そのNOFBモノプロペラントのガスが液体ヒドラジンの100分の1より低い密度を有する)のもとで使用可能である。本出願人らは、燃焼実験を行い、その実験は、急速燃焼が低圧(現時点では、最低で約12psiaで試験した)で維持されることを示している。
NOFBモノプロペラントの燃焼温度がヒドラジンより非常に高いこと(断熱火炎温度(adiabatic flame temperature)の表を参照)が示唆することは、NOFBモノプロペラントの化学反応速度が、特に、触媒反応が触媒の表面積によって制限される(触媒表面が一般に、ヒドラジンの分解に使用される)ことを考慮すると、ヒドラジンより非常に速いということである。触媒層なしで高速の燃焼反応速度が実現されれば、究極的には、ヒドラジンの場合に比べて、燃焼室/反応器の容積を小さくできるであろう。上述したそれら属性値を考慮すると、NOFBモノプロペラントは、ヒドラジンの場合より優れたミニマムインパルスビット性能値(minimum impulse bit performance)を有することが予想され得る。図3は、NOFBモノプロペラントについて予想されるミニマムインパルスビットIsp性能値を、ヒドラジンとの比較において概説している。
第3実施例
Isp性能値に加え、モノプロペラントについての多くの他の性能値が優れているであると考えるのが一般的である。ヒドラジンについては、OSHA基準による人体への致死的被爆限界値が、約50ppmである。毒性を有するモノプロペラントを地上で取り扱うとともにそれを用いて仕事をする比較的高額なコストを削減するために、毒性がないかまたは少ない化学的モノプロペラントの組成を使用することが望ましい。
本発明に従うNOFBモノプロペラントの組成は、無毒であるとともに、窒息剤(asphyxiant)に分類され、この点、NOFBモノプロペラントは、ガソリンに似ており、非常に高い濃度で窒息剤に過剰に被爆したときのみ、吸込み可能な空気を押し退けてしまい、その結果、窒息死し、または、非常にまれな場合には、頭痛および/または錯乱の如き一時的な被爆症状を引き起こす可能性がある。いずれにしても、新鮮な空気の供給源に移動すれば、被爆症状が軽減される。NOFBモノプロペラントは、急速に蒸発して空気に混入するため、高濃度の液体が流出物(spill)から簡単に除去される(消散する)。
また、ヒドラジンおよび四酸化二窒素/モノメチルヒドラジン系バイプロペラントが腐食性を有していて、皮膚に吸収されるかもしれないのに対し、NOFBモノプロペラントは、推進剤が急速に放出される結果、低温火傷を引き起こすのみかもしれない。
さらに、ヒドラジンおよび四酸化二窒素/モノメチルヒドラジン系バイプロペラントが摂取可能であって、腹部の痙攣、発作、意識喪失および嘔吐を引き起こし、たいていの場合に死に至るのに対し、NOFBモノプロペラントは、それの揮発性が高いため、摂取する可能性はない。
また、NOFBモノプロペラントの排気生成物は、N,CO,HOおよびCOであり、これに対し、ヒドラジンの排気生成物は、アンモニアガスである。
宇宙船科学ミッションにとり、アンモニアは、望ましくない副産物であり、なぜなら、敏感な土壌測定値(soil measurements)の精度を簡単に悪化させ(complicate and contaminate)得るように土壌と反応するからである。
タンクがモノプロペラントを貯蔵する特性は、そのモノプロペラントの質量に対し、モノプロペラントの流体を取り扱うためのハードウエアおよびタンク質量を最小化するために重要である。理想的には、モノプロペラントを非常に高い密度で貯蔵すべきである。NOFBモノプロペラントの密度は、室温での貯蔵タンク密度を、ヒドラジン・タンク内に複数の内部ヘリウム・リザーバを有する最適ヒドラジン・タンク設計を組み込む(factoring in)ときにおけるヒドラジンの密度(約0.57g/cc)に匹敵する高さで有する。それらヘリウム・リザーバは、エンジンおよびスラスタを作動させる反応室圧を得るために、前記ヒドラジンを加圧するために用いられる。NOFBモノプロペラントは、自己加圧型(self-pressurized)であり、このモノプロペラントを押し出す(放出する)ために、別の圧力システムも不使用タンク容積も必要としない。
ヒドラジン系のモノプロペラントおよびバイプロペラントのシステムは、タンク内に、不使用残留推進剤を、最初の搭載物の約1−3%有するのが一般的であるが、NOFBモノプロペラントは、不使用モノプロペラントが、最初のモノプロペラントの搭載物の1%より非常に低くなるように、非常に低い圧力に下がるまで(モノプロペラントが純粋なガスである場合)押し出すことが可能である。さらに、NOFBモノプロペラントの残留ガス相は、液体推進剤で代替した場合とは異なり、簡単な圧力検出装置により、精度よくモニタすることが可能である。
残留推進剤のNOFB属性は、全備重量(wet mass)が重いロケット(発射される宇宙船の大部分が、装備(積載、搭載)された推進剤である)であって、それの主要なミッション活動期間(mission life duration)が、推進剤のうちの少量の部分によって決まるものにとり、重要である。宇宙船ミッションの大規模な操作作業の多くは、そのミッション期間の初期に行われ、多量の推進剤を消費し、よって、宇宙船ミッションの活動期間が、主に、利用可能な残留推進剤と、計画のための、この利用可能推進剤を利用することについての正確な知識との双方によって決まる。
図4は、NOFBモノプロペラントのある組成についての貯蔵特性を、推進剤のうちの液体およびアレージガス(タンク内において液体と共存する、平衡状態にあるガス)の密度と、温度に対してプロットされた、NOFBモノプロペラントの関連蒸気圧との双方と共に示している。各NOFBモノプロペラント組成は、固有の蒸気圧カーブと固有の密度カーブとを有する。それら属性値は重要であり、その理由は、モノプロペラント用タンクのサイズが、そのタンクの耐力(proof strength)に加えて、図4に含まれているようなデータによって記述される数値に依存するというものである。宇宙船速度の全変化量、すなわち、等価的には、衛星の寿命および当該宇宙船の温度環境に対して必要であるために加えられた全運動量を規定することにより、図4に示すものに類似する情報と共に(を用いて)、モノプロペラントを貯蔵するのに必要な全容量および圧力定格を誘導することが可能である。
低温での使用と貯蔵のために考慮すべき事項に適合するため、NOFBモノプロペラントは、その密度が、−75℃では約1g/ccまでは、大きく増加するとともに、−80℃より低温で凝固する。それらの温度値は、深宇宙・惑星表面ミッション(太陽に対して地球よりもさらに遠方において行われるとともに、太陽からシールドされているもの(例えば、火星の極冠))にとっては一般的である。NOFBモノプロペラントの密度性能値は低温になるにつれて改善されるが、ヒドラジンは、約0℃で凝固するため、凝固防止のため、加熱装置および宇宙船の電力がさらに必要である。固体推進剤(最も一般的には、予め混合された固体酸化剤と燃料とを組み込んでいる)と比較すると、NOFBモノプロペラントは、一般的には、より高いIsp性能値を有するとともに、飛行軌道上において推進剤の使用を最適化するために推力を容易に制御できる(すなわち、推力の出力値を制御し、変更できる)。しかし、NOFBモノプロペラントは、貯蔵密度が低い傾向がある。
深宇宙環境に適合するため、固体推進剤は、注意深く取り扱うとともに、温度サイクル(thermal cycling)および応力による推進剤グレイン(grains、薬幹)のクラック(割れ)を防止するために、絶縁(断熱)することが必要である。固体グレイン中の構造欠陥および微小クラックは、点火中の急速燃焼および熱によるクラックの伝播により、重大なエンジン故障という問題を容易に引き起こしかねない。NOFBモノプロペラントは、大きな過渡的タンク・ドローダウンを含む静的および動的な条件で、非常に大きな温度変化に対して非常に鈍感であることが証明された(図5B参照)。さらに、NOFBモノプロペラントは、液体およびガスの混合物であるため、固体グレインの構造物および固体合成グレインの構造物に本質的に関係する故障モードの影響を受け難く、よって、熱サイクルが無限に反復される可能性があり得る。
その結果、ヒドラジンおよびそれの誘導体ならびに固体推進剤が、低温環境(例えば、深宇宙ミッションに見られる温度環境であるか、または、季節によって温度が大きく変化する地上環境においてミサイルを発射するための温度環境)に曝されるときに温度条件を、比較的暖かく、しかも、安定する温度条件にすることを確保するために別のリソースを必要とするのに対し、NOFBモノプロペラントは、低温に対して鈍感である(耐性を有する)。
図5Aは、NOFBモノプロペラント混合物の一例につき、暴露環境条件のもと、混合物化学的性質の変化が最小であることを示している。この例においては、推進剤タンク内のアレージガスのサンプルが推進剤温度ごとに採取された(そのタンクは、低温の低温槽内に浸漬されている)。前記アレージガスにつき、フーリエ変換型赤外分光(FTIR)による吸収スペクトルが、異なる推進剤温度のそれぞれについて取得されるとともに、NOFBモノプロペラント混合物の変化度が温度に応じて変化する様子を得るために、NOFBモノプロペラント較正用ガス「フィンガプリント」と比較された。同様な実験が、タンクがNOFBのO/F比の既知の値で充填された場合の全放出について行われた。全放出後、残留ガスが、混合物の変化度を測定するための上述の技術と同じ技術を用いて解析された。図5Bは、3種類のNOFB混合物につき、急速な全放出(75ccのタンクに充填された液体の80%が約2秒で放出される)の後のO/F比の変動を示している。それら、両極に位置するタンク放出ケースについての2つの境界的シナリオ(ノズルスロート位置でのフリーズ状態の化学的性質と、ノズル全体における平衡状態の化学的性質)につき、モデル化されたIsp性能値の変動は、約1%である。それらデータによって確認されることは、NOFBモノプロペラントが、急速な過渡的現象および広い温度範囲への暴露の間、混合比の化学的性質の変動に対するロバスト性を本質的に有することである。
一般に、モノプロペラントは、(酸化剤と燃料とが予め混合されたものを有する固体推進剤についても同様であるが)、慎重に特徴付けるとともに取り扱うことが必要である。推進剤に対する上限温度は、予定外の化学反応(予定外の熱着火(thermal ignition)を含む)が起こらないようにするために必要である。多くの場合、それら温度限界値は、約10℃台であるというように低いかもしれない。加熱毛細管試験によって証明されたことは、NOFBモノプロペラントの例が、約400℃の熱着火温度(図7Aおよび図7B参照)を有するとともに、不活性剤(すなわち、特定の等級の金属)が存在すると、熱着火温度が650℃というように高い可能性もあるということである。それら数値は、非常に高い温度限界値であり、実際には、循環冷却式(推進剤が燃焼室を冷却する)のNOFBモノプロペラント・エンジンが開発されて試験され(後に説明するとともに図11において図示する)、そのエンジンは、長寿命エンジンを開発するための望ましいデザイン・メカニズムを提供するために、NOFBモノプロペラントの、高い熱分解限界点(熱分解温度)の例を利用している。
さらに、固体推進剤については、偶発的なドライ・スパークによる点火が、環境に暴露された固体推進剤を点火させ得、よって、偶発的なスパーク源および表面帯電・除電が起こる環境条件を防止するために、極度の注意が必要である。固体推進剤とは異なり、NOFBモノプロペラントは、それが有する閉じ込め性により、密閉された金属製コンテナ内に貯蔵され、そのコンテナは、ドライ・スパークによる点火が起こる可能性を本質的に解消するファラデー・ケージ(電荷の蓄積を防止する)として作用する。推進システムの設計において、絶縁性を有するバルブ・シートおよび配管境界面のように、ファラデー・ケージの連続性を分断し得る装置についてはなお注意が必要である。
さらに、NOFBモノプロペラントは、地上のタンクに貯蔵する際の一般的な温度およびそれに関連する圧力のもと、非常に高いブレークダウン電圧(10kV台より非常に高い)を有することが証明された(実際、NOは、高電圧用途につき、高電圧ガス・インシュレータ(電圧とガスとを絶縁する)として用いられるのが一般的である)。NOにつき、パッシェン・カーブの最小値のときのブレークダウン電圧のときのギャップは、約100psiaというように非常に低い貯蔵圧であっても、0.001mmより小さい(図9参照)。このように非常に小さい最大ギャップ距離は、NOFBの消炎距離(後に説明するとともに図10において実験的に図示するように、火炎が伝播し得る距離)より非常に短く、このことは、貯蔵されたNOFBモノプロペラントが直接、高電圧に曝されたとしても、容易に点火することは不可能であろうということを示唆している。
さらに、それら関連する点火のための容積が非常に小さいため、持続す化学反応を開始し得ないであろう。NOFBモノプロペラントの主成分についてのそれらの属性値は、NOFBモノプロペラントについて予定外のスパーク点火が起こりそうでないことを示唆している。開始時のエンジン点火がパッシェン・カーブの最小値(ガスを通じてスパークを伝播させるために最小電圧が必要であるポイント)の近傍で起こることを確保するために、インジェクタおよびスパーク点火のシステムを入念に設計すれば、スパークによる点火を意図的に反復できることが立証された(関連する米国出願第60/868,523号であって、2006年12月4日に出願され、かつ、発明の名称が「Injector Head(噴射器ヘッド)」であり、引用により、全体的に本明細書に合体させられるものを参照されたい)。
その環境における現実的な点火源を、燃焼工程を開始させる可能性について評価する。簡単に上述したように、バルブは、機械エネルギーを流体流れに与え、その流体流れは、バルブ要素が絶縁(断熱)境界面(すなわち、バルブシート)を横切るようにスライドするにつれて、摩擦帯電により、電気放電に変換されることが現実的に起こり得る。バルブが現実的な点火メカニズムであるか否かを判断することを目的として予備的な実験を行うため、NOFBモノプロペラントが存在する状況において自動バルブサイクル試験を行った。本質的には、減速機付きのDCサーボモータが、バルブサイクル(バルブ開閉回数)をカウントするとともに前記サーボモータを制御するための電子的トリガと共に、バルブに連結された。
熱電対および圧力変換器(圧力センサ)がデータ収集システムに接続され、処理された信号をモニタするコンピュータプログラムに信号が供給された。前記熱電対は、1/16インチの露出チップを有するK型熱電対であった(事象検出中、タイムラグを減少させるため)。前記圧力変換器は、当該システムにおいて緩やかな漏れが存在しなことを確保して、ある事象が起こる場合の不確かさを減少させるために使用された。フラッシュバックアレスタ(逆火装置、逆火防止装置)が、ある事象において、メインバルブおよび圧力変換器が破損しないように、それらメインバルブと圧力変換器とを絶縁(断熱)するために使用される。この実施態様においては、ボール・バルブ・ステムが、ナイロン(登録商標)製ギヤを介して、当該システムの他の部分から電気的に絶縁された。起こり得る一つの故障モードは、バルブ・ステムの帯電であり、その帯電は、スパークを推進剤流れ内に伝播させることになる。当該システム(僅かな変更点を有する)を用いることにより、8,000回を超えるオンオフサイクルが、100psiaの圧力(供給システムラインの、バルブのための一般的な圧力)で、一回の事象も記録されることなく、継続された。フライト・バルブ(flight valve)が、同様な実験的構成にて、かつ、バルブ境界面において予想されるNOFB流体性質の範囲内において適格化される。
図6は、上述の真空等価Ispエンジン試験に使用されるノズル係数値Cfの例を示している。真空室推力スタンド内部のエンジンの測定値を得ることは、経済的であるとも言えないし、可能であるとも言えないため、スケーリング計算(scaling calculations)を行うことが可能であり、そのスケーリング計算は、エンジンのうちの最小直径部(スロート)において音速を達成する流れを有する大気条件で観察された実験的性能値に基づき、真空等価Isp性能値がいくつかであるかを推定する。NASAのCEAプログラム(Gordon and McBride(1994年)、"Computer Program for Calculation of Complex Chemical Equilibrium Compositions and Applications," NASA Reference Publication 1311)のような平衡状態化学的分析ソフトウエアを用いることにより、ノズル拡大(nozzle expansion)により、排気ガスの化学的性質から理論ノズル係数Cfが求められ(図6に示す)、その理論ノズル係数Cfを計算し、それにより、比較的に高速に実験的に観察されるIsp測定値を、一般的に厳しい誤差範囲内で、実験的エンジン運転中におけるチャンバ圧積分値とモノプロペラント消費質量とを測定することにより、求めることが可能である。基本的には、そのことを示す式は、
Isp=(ノズル係数・スロート面積・チャンバ圧時間積分値)/推進剤消費質量
前記ノズル係数は、次の式から、真空下でのエンジン推力を求めるためにも用いることが可能である。
推力=チャンバ圧・スロート面積・ノズル係数
図7Aは、NOFBモノプロペラントのある組成についての熱分解データを示し、一方、図7Bは、NOFBモノプロペラントの別の例につき、分解Go/NoGo試験とNOFB圧力との関係の概略を示している。この属性値は、循環冷却式エンジン設計につき、安全取扱い温度限界(safe temperature handling limits)を定義する際に、特に関係が深い。循環冷却式エンジンは、燃焼室壁内のジャケットを通過して流れる推進剤を使用し、その推進剤は、前記燃焼室壁を熱故障限界(thermal failure limits)を超えない温度に維持することに寄与するクーラントして作用する。前記燃焼室壁の冷却中に集められるこのエネルギーは、喪失されず、推進剤の加熱に使用され、その推進剤は、前記燃焼室に戻されて噴射される(したがって、その名称に「循環」とある)。
たいていの推進剤は、推進剤の液体比熱(温度が一定量だけ変化するように液体を加熱するために必要なエネルギー)に関連し、冷却容量(能力)が制限される一方、このNOFBモノプロペラントは、非常に高い蒸気圧を有する。上述の循環式ジャケットにおいて圧力降下を意図的に行わせることにより、NOFBモノプロペラントに、「フラッシュ(自己蒸発)」すなわち気化(蒸発)を行わせて、相変化(液体から気体に気化する)を経て、前記燃焼室壁から非常に多くの熱を吸収させることが可能である。このことは、冷蔵庫の作動原理に似ているとともに、燃焼室壁を冷却するのに非常に効果的である。より進歩したジャケット設計技術として、ジャケット表面積を増加させるか、境界層の温度勾配をより大きくすることにより、NOFBモノプロペラントへの熱移動を増加させる(特に、NOFBガスを流す場合に)技術があり、この技術を、他の循環冷却設計および用途において、「フラッシュクーリング(気化冷却、気化熱現象を利用した冷却)」を行うことなく、エンジンを循環的に冷却するために使用することが可能である。いずれのシナリオ(状態)においても、当該モノプロペラントの最大冷却容量(能力)は、そのモノプロペラントの熱分解限界によって制限される。
図8Aは、NOFBモノプロペラントにつき、大きな蒸発エンタルピー(蒸発中に吸収されるエネルギー)を示しており、そのエンタルピーのグラフは、図4に示す状態図から誘導されるとともに、同じ開始温度から約300℃まで加熱される一般的なクーラントに吸収されるエネルギーと比較されている。図8B(図4から誘導される)は、圧力降下の原因であるいかなる装置および/または媒体を通過して前記推進剤が流れるようにして、異なるタンク温度および関連タンク密度から開始して、前記推進剤が「フラッシュクーリング」されるにつれて温度が急速に低下する様子を示している。(同図に示すように、品質は、平衡状態にある液体・ガス混合物中のガスの重量パーセントであることに注意されたい)。図8Bは、さらに、後述のフラッシュバック防止システムの設計構造を考慮するときにエンジンに供給する供給ラインの推進剤密度を評価するために重要であり、さらに、モノプロペラント供給システムのハードウエアが作動しなければならない温度範囲の限界値を評価するためにも重要である。図11は、循環冷却式NOFBスラスタの作動の成功例を示しており、NOFBフラッシュクーリング・エンジンの原理を示している。これは、燃焼室温度が非常に高温であること(図1参照)を考慮すると、NOFBモノプロペラントの重要な特徴の一つであり、燃焼室温度が非常に高温であることにより、高温燃焼室用のめずらしい材料設計であっても、一般的には、実施することが実用的に不可能となる。比較すれば、ヒドラジン系モノプロペラントの排気ガス温度は、約1600℃である。
図9は、NO単体(NOFBの主成分)につき、パッシェン・カーブの最小値(2枚の平行面間を横切ってスパークが伝播するための、圧力×ギャップ距離の最適値についての、最悪ケースでの条件)のスパーク伝播距離が、ガス圧に応じて変化する様子の例を示している。室温での貯蔵圧においては、スパークギャップ距離は、0.0001mmより短くなければならない。それに関連するスパーク容積が小さい状況では、NOFBモノプロペラントの誤った着火が起こらず、その理由は、NOFBの消炎距離の例が、後述するとともに図10に図示するように、少なくとも10倍長いからである。
モノプロペラントは、重大なシステム障害に至る急速化学反応(すなわち、デトネーション、異常燃焼)を開始させてしまう衝撃に敏感である可能性がある。5.5メートルの高さからの衝撃落下試験により、NOFBモノプロペラントの例が、衝撃によるデトネーションに鈍感である(強い)ことが証明された。
液体モノプロペラントは、燃料と酸化剤との混合物を含むため、そのモノプロペラントは、火炎が貯蔵タンクに逆戻りする潜在的な点火(着火)メカニズム(フラッシュバックとしても知られている)を形成する可能性がある。したがって、フラッシュバックを防止するメカニズムを、エンジンおよび供給システムの設計構造に導入することが必要である。
エンジンのインジェクタとフラッシュバック制御メカニズムを設計するために非常に重要なパラメータは、モノプロペラントの消炎距離である。これは、フラッシュバックした火炎が伝播する可能性がある流路の最小寸法である。実際、この寸法は、蛇行性(tortuosity)(流路の曲がり度)のような別のパラメータの影響を受けるし、また、より少ない程度であるが、前記流路を含む固体の温度の影響も受ける。流路のサイズがより小さければ、火炎が消えるであろうし、一般に、フラッシュバックが防止される(固体物から未反応モノプロペラントへの熱移動による二次的な着火(点火)も最終的には考慮しなければならないが)。図10は、焼結された金属の孔径についての実験データを示しており、その孔径は、フラッシュバックを生成するために意図的にデトネート(異常燃焼)させられたNOFBモノプロペラントを消炎するのに十分なものである。消炎距離は、図10に示すように、火炎伝播が起こらない孔径と同等であるかそれより小さい孔径を用いるフラッシュバック防止システムの設計に取り込まれた。
一般に、推進剤は、貯蔵および供給システムのハードウエアと化学反応を起こす可能性があり、そのような化学反応は、その推進剤の化学的性質を経時的に変化させる。候補となるNOFB混合物についての予備的な長期試験によって証明されたことは、そのNOFB混合物が、宇宙船推進システムを構成する一般的な材料(例えば、ステンレス鋼、テフロン(登録商標))の存在下、化学的に安定しているということである。この場合、3種類の推進剤混合物が、室温で1.5年間、テフロンとステンレス鋼とに曝された。フーリエ変換型赤外(FTIR)吸収分光法(スペクトル特性)が示すように、当該NOFBモノプロペラントについては化学変化が何ら観察されなかった。
図12は、NOFB(一酸化二窒素燃料混合物)のモノプロペラントを用いるエンジンにおける低推力・非最適エンジン運転試験データの例を示している。同図は、擬似飛行条件でNOFBモノプロペラント混合物を用いた場合の推力性能値の成功例も示している。推力は、真空等価膨張(vacuum equivalent expansion)およびエンジン圧についてのノズル係数に基づいて計算された。
図13は、NOFBモノプロペラントのシステムの例につき、全備重量(燃料が搭載された機体)に対する、輸送されるペイロードの重量(可搬重量、タンケージを除く)(の比率)と、付与された機体速度変化量との関係を、ヒドロジン系システムであって、宇宙船の必要速度変化量に応じて異なるタンケージ(tankage)(推進システムの総重量に対するロケット推進乾燥重量の比率)を仮定するものとの関係において示している。
第4実施例
超高高度軍事宇宙船用エンジンと、機体および有人宇宙船を打ち上げる作業(NASAのアポロ13号のミッションは、搭載されたロケット推進剤から作動することができたはずのバックアップ・パワー供給器が欠落したため、ほとんど行われなかった)のためのパワー供給器とを作動させるために本発明に従うNOFBモノプロペラントを使用するというコンセプトを試験するために、本発明に従うNOFBモノプロペラントと一緒に使用するために、小型の4気筒エンジン(160cc)が改修された。この種の作業においてこのNOFBモノプロペラントを利用するため、インジェクション・マニホールド、タイミング、スパーク・ギャップ、シリンダ・ヘッドおよびスタータ/点火システムを、ガソリン/空気を用いたエンジンに用いられるそもそものパラメータに対して改修することが必要であった。当該エンジンは、本発明に従う一酸化二窒素ロケット燃料混合物であってエチレンまたはアセチレンを含有するものを用いて試験された。当該エンジンのハードウエアであってそれら作業に関連するものは、同一視される(比較される)ロケットエンジンのハードウエアとは異なるが、NOFBモノプロペラントは依然として、基本的に、ロケット用のモノプロペラントと同一であり、そして、燃焼性能、無毒性、流体取り扱い性および急速燃焼速度において例えばヒドラジンに対して以前から区別される利点と同じものが該当する。ヒドラジン系エンジンは、別の用途のために存在するが、ロケット用の用途と同様に、それら用途でのヒドラジンの普及にとっての主要な問題点は、NOFBモノプロペラントと比較すると、ヒドラジンの非常に低いエネルギー密度と毒性である。
第5実施例
本発明に従うモノプロペラントは、デプロイメント(展開)システム構築に用いることが可能である。このことは、NOFBモノプロペラント系システムの全体が、そのデプロイメント作業に関連する作業のために既に要求されている場合に、特に有益である。本発明はまた、膨張硬化可能(inflatable/rigidizable)な圧力型推進器(pressurized propeller)で使用するためと、翼桁(wing spar)および持続翼ガス圧(wing gas pressure)で使用するためと、ローバ(自走ロボット)が用いる膨張硬化可能な車輪で使用するためにも研究されてきた。
その基本的なシステムは、前記液体を、燃焼可能なガスの発生器については、高速デプロイメント(急速展開)のために用いるとともに、前記液体を、持続ガス圧については、翼および/または展開可能部(deployables、変形可能部)の、ロバストな長期展開のために使用する。
軽量かつ硬化可能な車輪の例が、火星のある活動的地形であって25%で岩石が豊富なものにおいて100m当り1ハザード(危険度)より少ないハザードと、30cm/pixelの軌道上分解能で航行する能力とを得るために、約1.5メートルのサイズを有する車輪を実現するように設計される。さらに、その車輪は、10kgより少ない車輪重量当たり、100kgより大きい重量を支える。その車輪は、膨張可能な複数のシェルの1組を採用するとともに、複数の要素から成るリムを有する。
翼桁の例は、本発明に従うモノプロペラントを、膨張可能/急速硬化可能な翼桁(燃焼/フラッシュクール)であって、翼を横切ってC(揚力係数)およびC(抗力係数)を安定的に維持して高い全揚抗比(=L(揚力)/D(抗力))を達成するために比較的高い剛性を有する翼を実現するためのものと一緒に使用する。得られた特性が図14に示されている。
本発明に従うモノプロペラントはまた、膨張硬化可能な推進器を実現するデプロイメント(展開)システムにおいて使用される。
本発明に従う展開可能部は、オペレーション終了後の生活(post-operational life)のためのアニヒレーション・メカニズムを含むものとすることが可能である。このコンティンジェンシー・オプションは、復旧が必ず行われるかもしれない場合に、敵側の前線の奥深くにデプロイメント(展開)を行うために用いることが可能である。
それら作業においては、そもそも推進のために用いられるNOFB系ロケット・モノプロペラントはまた、別の予備的なデプロイメント(展開)作業およびオペレーション・モードを行うためにも使用される。
本明細書は、ここに記載されている技術の実施態様のいくつかの例における組成物、方法、システムおよび/または構造物ならびに用途についての完全な説明を提供する。当該技術の種々の実施態様を、ある程度の具体性を有するか、または少なくとも一つの個別の実施態様を参照して上述したが、当業者であれば、その開示された実施態様に対する多数の変更を、当該技術の精神からも範囲からも逸脱することなく、行うことが可能である。多くの実施態様は、ここに記載されている技術の精神および範囲から逸脱することなく、実施することができるため、その適切な範囲は、特許請求の範囲内に存在する。したがって、他の実施態様も考慮の対象とすることができる。さらに、反対のことが特許請求の範囲の欄において明示されていないか、特定の順序が特許請求の範囲中の用語によって本質的に不可欠とされていない限り、いなかる作動をいなかる順序で行ってもよいことを理解すべきである。上記の説明に含まれるとともに添付図面に図示されるすべての事項は、特定の実施態様のみについての例示として解釈すべきであって、それら事項は、説明されている実施態様に限定するものではないということを意図している。詳細部または構造の変更は、後続する特許請求の範囲の欄中に定義されている当該技術の基本的な要素から逸脱することなく、行うことができる。対応する米国特許出願がいなかるものであれ、それの特許請求の範囲については、「ミーンズ(means)」という用語が使われていない限り、その特許請求の範囲に記載されているいかなる特徴も要素も、米国特許法第112条第6項に準拠するミーンズ・プラス・ファンクションの限定と解釈すべきではない。

Claims (19)

  1. ロケットエンジン用のモノプロペラントであって、一酸化二窒素と、その一酸化二窒素内に溶解する少なくとも一つのC2炭化水素系燃料との混合物を含有するモノプロペラント。
  2. 前記燃料は、エタン(C)とエチレン(C)とアセチレン(C)とから成るC2グループから選択されたものである請求項1に記載のモノプロペラント。
  3. 酸化剤燃料比が、2.5と11.0の間にある請求項1に記載のモノプロペラント。
  4. 前記酸化剤燃料比は、4.0と8.0の間にある請求項3に記載のモノプロペラント。
  5. 前記酸化剤燃料比は、4.5と7.5との間にある請求項4に記載のモノプロペラント。
  6. ロケットエンジン用のモノプロペラントであって、一酸化二窒素と、その一酸化二窒素内に溶解するエタンとの混合物を、酸化剤燃料比が2.5と11.0の間にあるように含有するモノプロペラント。
  7. 前記酸化剤燃料比は、3.0と9.0の間にある請求項6に記載のモノプロペラント。
  8. 前記酸化剤燃料比は、4.0と8.0との間にある請求項7に記載のモノプロペラント。
  9. 前記酸化剤燃料比は、4.5と7.5との間にある請求項8に記載のモノプロペラント。
  10. ロケットエンジン用のモノプロペラントであって、一酸化二窒素と、その一酸化二窒素内に溶解するアセチレンとの混合物を、酸化剤燃料比が2.5と11.0との間にあるように含有するモノプロペラント。
  11. 前記酸化剤燃料比は、3.0と9.0との間にある請求項10に記載のモノプロペラント。
  12. 前記酸化剤燃料比は、4.0と8.0との間にある請求項11に記載のモノプロペラント。
  13. 前記酸化剤燃料比は、4.5と7.5との間にある請求項12に記載のモノプロペラント。
  14. 当該モノプロペラントの30%より少ない別の成分を含有する請求項1に記載のモノプロペラント。
  15. ロケットエンジン用のモノプロペラントを製造する方法であって、
    一酸化二窒素と、少なくとも一つのC2炭化水素系燃料とを気相状態で混合し、それにより、前記一酸化二窒素と前記燃料との混合物を製造する混合工程と、
    その製造された混合物を液体に凝縮させ、それにより、前記モノプロペラントを製造する凝縮工程と
    を含む方法。
  16. ロケットエンジン用のモノプロペラントを製造する方法であって、
    一酸化二窒素と、少なくとも一つのC2炭化水素系燃料とを液相状態で混合し、それにより、前記一酸化二窒素と前記燃料との混合物として前記モノプロペラントを製造する混合工程を含む方法。
  17. ロケットエンジン用モノプロペラントを製造する方法であって、
    一酸化二窒素と、少なくとも一つのC2炭化水素系燃料とを、気相と液相とが混在する状態で混合し、それにより、前記一酸化二窒素と前記燃料との混合物として前記モノプロペラントを製造する混合工程を含む方法。
  18. 前記ロケットエンジンは、循環冷却式(regeneratively cooled)エンジンであり、
    その循環冷却エンジンにおいては、当該モノプロペラントがクーラントとして燃焼室の壁内のジャケットを通過して流れ、それにより、前記燃焼室を冷却するとともに、当該モノプロペラントが続いて前記燃焼室に戻されて噴射され、それにより、ロケット推進のために燃焼される請求項1ないし14のいずれかに記載のモノプロペラント。
  19. 前記ロケットエンジンは、循環冷却式(regeneratively cooled)エンジンであり、
    その循環冷却エンジンにおいては、当該モノプロペラントがクーラントとして燃焼室の壁内のジャケットを通過して流れ、それにより、前記燃焼室を冷却するとともに、当該モノプロペラントが続いて前記燃焼室に戻されて噴射され、それにより、ロケット推進のために燃焼される請求項15ないし17のいずれかに記載の方法。
JP2010533326A 2007-11-09 2008-11-10 一酸化二窒素と燃料とが混合されて成るモノプロペラント Expired - Fee Related JP5711536B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US98699107P 2007-11-09 2007-11-09
US60/986,991 2007-11-09
PCT/US2008/083039 WO2009062183A1 (en) 2007-11-09 2008-11-10 Nitrous oxide fuel blend monopropellants

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011502935A JP2011502935A (ja) 2011-01-27
JP5711536B2 true JP5711536B2 (ja) 2015-05-07

Family

ID=40626235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010533326A Expired - Fee Related JP5711536B2 (ja) 2007-11-09 2008-11-10 一酸化二窒素と燃料とが混合されて成るモノプロペラント

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20090133788A1 (ja)
EP (1) EP2209876A4 (ja)
JP (1) JP5711536B2 (ja)
CN (1) CN101855325A (ja)
AU (1) AU2008323666A1 (ja)
WO (1) WO2009062183A1 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008123895A2 (en) 2006-12-04 2008-10-16 Firestar Engineering, Llc Spark-integrated propellant injector head with flashback barrier
US20120279197A1 (en) * 2007-12-04 2012-11-08 Firestar Engineering, Llc Nitrous oxide flame barrier
US8413419B2 (en) * 2008-12-08 2013-04-09 Firestar Engineering, Llc Regeneratively cooled porous media jacket
WO2011005895A1 (en) * 2009-07-07 2011-01-13 Firestar Engineering Llc Aluminum porous media
CN102803681A (zh) * 2010-01-20 2012-11-28 火星工程有限公司 隔热燃烧室
AU2011218161B9 (en) * 2010-02-16 2015-08-27 David Randolph Smith Method and apparatus to release energy in a well
WO2011152912A2 (en) * 2010-03-12 2011-12-08 Firestar Engineering, Llc Supersonic combustor rocket nozzle
EP2552859A4 (en) * 2010-04-02 2015-02-25 Firestar Engineering Llc DECOMPOSITION WITH LOW SPECIFIC EMISSION
CH704381A1 (de) * 2011-01-24 2012-07-31 Alstom Technology Ltd Verfahren zum Betrieb eines Gasturbinenkraftwerks mit Abgasrezirkulation sowie Gasturbinenkraftwerk mit Abgasrezirkulation.
US20130048097A1 (en) * 2011-08-30 2013-02-28 Firestar Engineering, Llc Thermal phase separation
FR2986229B1 (fr) * 2012-01-27 2014-03-21 Centre Nat Detudes Spatiales Cnes Nouveaux monergols ioniques a base de n2o pour la propulsion spatiale
WO2013116378A1 (en) 2012-01-30 2013-08-08 Firestar Engineering, Llc Carbon-on-carbon manufacturing
JP5908059B2 (ja) * 2012-02-23 2016-04-26 昭和電工株式会社 発電装置、発電方法、分解ガスボイラー及び分解ガスタービン
US9459059B2 (en) * 2012-05-10 2016-10-04 Peter John Hamilton Mechanisms for firing projectiles and methods of their use
US9334069B1 (en) * 2012-10-23 2016-05-10 The Boeing Company Propellant gauging at microgravity within the pressure—temperature—density inflection zone of xenon
WO2014116796A1 (en) * 2013-01-23 2014-07-31 Combustion 8 Technologies Llc Increased diesel engine efficiency by using nitrous oxide as a fuel additive
US9989014B2 (en) * 2014-03-28 2018-06-05 The Boeing Company Premixed liquid propellant propulsion system and method with anti-flashback quenching liquid injector
CN104035333B (zh) * 2014-05-23 2015-06-10 北京空间飞行器总体设计部 一种深空探测器动力下降初始关键参数优化方法
JP6991542B2 (ja) * 2016-03-23 2022-02-03 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 噴射システム
US10634094B2 (en) 2016-05-27 2020-04-28 The Boeing Company Methods, systems and apparatuses for combustible lead for high triple point propellants
US10934030B2 (en) * 2016-07-21 2021-03-02 The Boeing Company Rocket propellant mixing and fueling systems and methods
DE102018114868A1 (de) 2018-06-20 2019-12-24 Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. Antriebssystem für ein Raumfahrzeug und Verfahren zum Antrieb eines Raumfahrzeugs
DE102019123057A1 (de) 2019-08-28 2021-03-04 Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt e.V. Antriebssystem für ein Raumfahrzeug und Verfahren zum Betreiben eines Raumfahrzeugs
RU2740948C1 (ru) * 2020-05-18 2021-01-21 Андрей Валерьевич Шеленин Экологическое топливо
CN112177697B (zh) * 2020-09-09 2022-02-22 西安交通大学 基于热分解反应的热防护耦合开式布雷顿发电系统
RU2761188C1 (ru) * 2021-04-12 2021-12-06 Андрей Валерьевич Шеленин Ракетное топливо

Family Cites Families (109)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1061847A (en) * 1912-10-04 1913-05-13 Alexander Constantine Ionides Jr Means for preventing the backward propagation of flame.
US1102653A (en) * 1913-10-01 1914-07-07 Robert H Goddard Rocket apparatus.
US1103503A (en) * 1914-05-15 1914-07-14 Robert H Goddard Rocket apparatus.
US1586195A (en) * 1924-12-06 1926-05-25 Standard Oil Co Flame arrester
US2447086A (en) * 1944-01-15 1948-08-17 Union Carbide & Carbon Corp Backfire arrester and flash back preventer
US2526222A (en) * 1948-01-02 1950-10-17 Daniel And Florence Guggenheim Cooling and feeding means for rocket type combustion chambers
US2609281A (en) * 1948-09-25 1952-09-02 Smith Welding Equipment Corp Flashback arrester
US2618540A (en) * 1949-09-30 1952-11-18 Air Reduction Gas mixer
LU31550A1 (ja) * 1955-03-28
US3085393A (en) * 1958-06-03 1963-04-16 North American Aviation Inc Rocket engine starting method
US2960096A (en) * 1959-08-24 1960-11-15 Aqualite Corp Preloaded rupturable-disc relief valve
US3266241A (en) * 1963-07-29 1966-08-16 United Aircraft Corp Propellant injector
US3423272A (en) * 1966-01-10 1969-01-21 Hawkinson Paul E Stitching machine and tire builder
US3512556A (en) * 1967-09-20 1970-05-19 Serge N Mckhann Self-protective conduit system
US3535066A (en) * 1968-08-26 1970-10-20 Wagner Mining Scoop Inc Flame arrester
US3607369A (en) * 1968-09-11 1971-09-21 Union Carbide Corp Method for forming porous aluminum layer
US3719046A (en) * 1970-07-02 1973-03-06 Rocket Research Corp Rocket engine cooling system
US3748111A (en) * 1971-06-11 1973-07-24 W Klose Flame arrestor
US3730049A (en) * 1971-06-25 1973-05-01 Olin Corp Safety system for explosive powder storage bin
GB1399817A (en) * 1971-11-08 1975-07-02 Kidde & Co Walter Pilot operated valve
US3779714A (en) * 1972-01-13 1973-12-18 Scm Corp Dispersion strengthening of metals by internal oxidation
GB1407636A (en) * 1972-11-28 1975-09-24 Penny R N Regenerative heat exchanger
GB1520402A (en) * 1974-07-30 1978-08-09 Mitsubishi Electric Corp Combustion apparatus
JPS5627047A (en) * 1979-08-07 1981-03-16 Honda Motor Co Ltd 4-cycle engine
US4398527A (en) * 1980-08-22 1983-08-16 Chevron Research Company Internal combustion engine having manifold and combustion surfaces coated with a foam
US4446351A (en) * 1981-02-27 1984-05-01 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Process for preparing a press die
US4458595A (en) * 1982-06-07 1984-07-10 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Ablative liner
JPS58214652A (ja) * 1982-06-08 1983-12-13 Natl Aerospace Lab 複合冷却ロケツト燃焼器
US4673349A (en) * 1984-12-20 1987-06-16 Ngk Insulators, Ltd. High temperature surface combustion burner
US4707184A (en) * 1985-05-31 1987-11-17 Scm Metal Products, Inc. Porous metal parts and method for making the same
US4736676A (en) * 1986-07-30 1988-04-12 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Composite piston
GB8721018D0 (en) * 1987-09-07 1987-10-14 Alcan Int Ltd Porous inorganic membrane support
CA1312732C (en) * 1987-10-21 1993-01-19 John Eric Jackson Fuel-oxidant mixture for detonation gun flame-plating
US4902539A (en) * 1987-10-21 1990-02-20 Union Carbide Corporation Fuel-oxidant mixture for detonation gun flame-plating
US4992233A (en) * 1988-07-15 1991-02-12 Corning Incorporated Sintering metal powders into structures without sintering aids
US4909730A (en) * 1989-01-23 1990-03-20 Westech Industrial Ltd. Flame arrester having detonation-attenuating means
DE4135776C1 (ja) * 1991-10-30 1993-05-06 Dynamit Nobel Ag
US5203296A (en) * 1992-04-09 1993-04-20 Barbron Corporation Flame arrester having helical flame arresting member
US5305726A (en) * 1992-09-30 1994-04-26 United Technologies Corporation Ceramic composite coating material
DE4303169C1 (de) * 1993-02-04 1994-04-28 Dynamit Nobel Ag Gasentwickelndes Material sowie Verwendung des Materials zur Erzeugung von Nutz- oder Druckgas
US6003301A (en) * 1993-04-14 1999-12-21 Adroit Systems, Inc. Exhaust nozzle for multi-tube detonative engines
US5855827A (en) * 1993-04-14 1999-01-05 Adroit Systems, Inc. Pulse detonation synthesis
US5364586A (en) * 1993-08-17 1994-11-15 Ultram International L.L.C. Process for the production of porous membranes
US5477613A (en) * 1993-12-21 1995-12-26 United Technologies Corporation Method of simultaneously forming rocket thrust chamber cooling tubes
US5608179A (en) * 1994-02-18 1997-03-04 The United States Of America As Represented By The Administration Of The National Aeronautics And Space Administration Catalytic ignitor for regenerative propellant gun
US6652765B1 (en) * 1994-11-30 2003-11-25 Implant Innovations, Inc. Implant surface preparation
US6196164B1 (en) * 1995-04-04 2001-03-06 Srp 687 Pty. Ltd. Ignition inhibiting gas water heater
EP0752527B1 (en) * 1995-07-06 2000-02-02 Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. Engine having sound absorption structures on the outer sides of combustion chambers
US5632319A (en) * 1995-10-04 1997-05-27 Industrial Technology Research Institute Method for manufacturing environmentally conscious foamed aluminum materials
US5649720A (en) * 1995-11-30 1997-07-22 Morton International, Inc. Inflators which store premixed fluid fuel and oxidizer in a porous matrix
DE19621045C2 (de) * 1996-05-24 1999-04-15 Autoflator Ab Gasgenerator
US5768885A (en) * 1996-12-03 1998-06-23 Autoliv Asp, Inc. Regenerative piston liquid propellant rocket motor
JPH10175313A (ja) * 1996-12-18 1998-06-30 Tec Corp インクジェットプリンタ
US6098548A (en) * 1997-03-05 2000-08-08 Autoliv Asp, Inc. Non-pyrotechnic initiator
CA2572786A1 (en) * 1997-04-04 1998-10-15 University Of Southern California Method for electrochemical fabrication including etching to remove flash
DE19730674A1 (de) * 1997-07-17 1999-01-21 Deutsch Zentr Luft & Raumfahrt Brennkammer und Verfahren zur Herstellung einer Brennkammer
WO1999011832A1 (de) * 1997-08-30 1999-03-11 Honsel Ag Legierung zum herstellen von metallschaumkörpern unter verwendung eines pulvers mit keimbildenden zusätzen
US20060201178A1 (en) * 1997-09-19 2006-09-14 Smolko Daniel D Cooling garment
US6135070A (en) * 1998-01-05 2000-10-24 Robert A. Crandall Two cycle 60 degree V6 and 90 degree V4 internal combustion engine
US6397580B1 (en) * 1998-07-09 2002-06-04 Bi-Propellant Rocket Research Corporation High performance rocket engine having a stepped expansion combustion chamber and method of making the same
US6047541A (en) * 1998-08-26 2000-04-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force HAN TEAN (xm-46) mixing gas generator propellant tank pressurizer for launch vehicles and spacecraft
US5925837A (en) * 1998-09-16 1999-07-20 Chien-Ping Ju Manufacturing method and products of metallic friction material
US6823831B2 (en) * 1998-09-28 2004-11-30 Parker-Hannifin Corporation Flame arrestor system for fuel pump discharge
US6045638A (en) * 1998-10-09 2000-04-04 Atlantic Research Corporation Monopropellant and propellant compositions including mono and polyaminoguanidine dinitrate
SE513930C2 (sv) * 1999-02-26 2000-11-27 Svenska Rymdaktiebolaget Flytande drivmedel
US6179608B1 (en) * 1999-05-28 2001-01-30 Precision Combustion, Inc. Swirling flashback arrestor
US6250072B1 (en) * 1999-07-02 2001-06-26 Quoin, Inc. Multi-ignition controllable solid-propellant gas generator
US6435211B2 (en) * 1999-07-13 2002-08-20 William L. Stone HVAC damper
US6984273B1 (en) * 1999-07-29 2006-01-10 Aerojet-General Corporation Premixed liquid monopropellant solutions and mixtures
AUPQ361299A0 (en) * 1999-10-22 1999-11-18 University Of Queensland, The Reducing skin friction drag
AU5695001A (en) * 1999-11-11 2001-07-24 Kelly Space & Technology, Inc. Nitrous oxide/fuel monopropellants
US6673173B1 (en) * 2000-02-02 2004-01-06 Autoliv Asp. Inc. Gas generation with reduced NOx formation
US6336318B1 (en) * 2000-02-02 2002-01-08 Hughes Electronics Corporation Ion thruster having a hollow cathode assembly with an encapsulated heater, and its fabrication
DE10034016C1 (de) * 2000-07-13 2002-01-03 Hilti Ag Treibgas für brennkraftbetriebene Werkzeuge
US6606851B1 (en) * 2000-09-08 2003-08-19 Joseph Roger Herdy, Jr. Transpiration cooling of rocket engines
US6779335B2 (en) * 2000-12-07 2004-08-24 Joseph Roger Herdy, Jr. Burning nitrous oxide and a fuel
US6915834B2 (en) * 2001-02-01 2005-07-12 Goldschmidt Ag Process for producing metal foam and metal body produced using this process
US6644961B2 (en) * 2001-03-27 2003-11-11 The Protectoseal Company Flame arrestor with reflection suppressor
US6719608B1 (en) * 2001-04-19 2004-04-13 Oluma, Inc. Fabrication of devices with fibers engaged to grooves on substrates
DE50212753D1 (de) * 2001-07-26 2008-10-23 Alstom Technology Ltd Vormischbrenner mit hoher Flammenstabilität
US6699035B2 (en) * 2001-09-06 2004-03-02 Enardo, Inc. Detonation flame arrestor including a spiral wound wedge wire screen for gases having a low MESG
US6896512B2 (en) * 2001-09-19 2005-05-24 Aztec Machinery Company Radiator element
US6755438B2 (en) * 2001-10-22 2004-06-29 Autoliv Asp, Inc. Elongated inflator device and method of gas production
AU2002364510A1 (en) * 2001-12-05 2003-06-23 Tda Research Inc. Combustion process for synthesis of carbon nanomaterials from liquid hydrocarbon
US6679049B2 (en) * 2002-01-22 2004-01-20 Hy Pat Corporation Hybrid rocket motor having a precombustion chamber
AU2003251395A1 (en) * 2002-06-05 2003-12-22 Faris, Sadeg, M. Layered electrochemical cell and manufacturing method therefor
CA2392687A1 (en) * 2002-07-17 2004-01-17 Antonio Miceli Flashback precluding torch
US6972064B2 (en) * 2002-10-23 2005-12-06 Alliant Techsystems Inc. Method of forming laminar structures having variable angle tape wrap
US20060121080A1 (en) * 2002-11-13 2006-06-08 Lye Whye K Medical devices having nanoporous layers and methods for making the same
US7597936B2 (en) * 2002-11-26 2009-10-06 University Of Utah Research Foundation Method of producing a pigmented composite microporous material
US7124574B2 (en) * 2002-12-04 2006-10-24 United Technologies Corporation Method and apparatus for a substantially coaxial injector element
US6799417B2 (en) * 2003-02-05 2004-10-05 Aerojet-General Corporation Diversion of combustion gas within a rocket engine to preheat fuel
US6931832B2 (en) * 2003-05-13 2005-08-23 United Technologies Corporation Monopropellant combustion system
US7757476B2 (en) * 2003-07-22 2010-07-20 The Aerospace Corporation Catalytically activated transient decomposition propulsion system
DE10336530B3 (de) * 2003-08-05 2005-02-17 Leinemann Gmbh & Co. Flammendurchschlagsicherung
US7585381B1 (en) * 2003-08-07 2009-09-08 Pioneer Astronautics Nitrous oxide based explosives and methods for making same
US6895743B1 (en) * 2003-09-05 2005-05-24 Mcelheran Terry Liquid propellant rocket motor
US7017329B2 (en) * 2003-10-10 2006-03-28 United Technologies Corporation Method and apparatus for mixing substances
US20050126755A1 (en) * 2003-10-31 2005-06-16 Berry Jonathan D. Method and apparatus for improved flame stabilization
US7569193B2 (en) * 2003-12-19 2009-08-04 Applied Materials, Inc. Apparatus and method for controlled combustion of gaseous pollutants
US7417714B2 (en) * 2004-11-02 2008-08-26 Nikon Corporation Stage assembly with measurement system initialization, vibration compensation, low transmissibility, and lightweight fine stage
US7451751B2 (en) * 2004-12-10 2008-11-18 Jim Atherley Nitrous-oxide system
US7370469B2 (en) * 2004-12-13 2008-05-13 United Technologies Corporation Rocket chamber heat exchanger
GR1005904B (el) * 2005-10-31 2008-05-15 ΑΡΙΣΤΟΤΕΛΕΙΟ ΠΑΝΕΠΙΣΤΗΜΙΟ ΘΕΣΣΑΛΟΝΙΚΗΣ-ΕΙΔΙΚΟΣ ΛΟΓΑΡΙΑΣΜΟΣ ΑΞΙΟΠΟΙΗΣΗΣ ΚΟΝΔΥΛΙΩΝ ΕΡΕΥΝΑΣ (κατά ποσοστό 40%) Καταλυτικο φιλτρο μεταλλικου αφρου για το καυσαεριο των κινητηρων ντηζελ.
US20070169461A1 (en) * 2006-01-19 2007-07-26 Honeywell International Inc. Catalytic bipropellant hot gas generation system
WO2008123895A2 (en) * 2006-12-04 2008-10-16 Firestar Engineering, Llc Spark-integrated propellant injector head with flashback barrier
US20090126514A1 (en) * 2007-09-05 2009-05-21 Eric Gregory Burroughs Devices for collection and preparation of biological agents
US20090071434A1 (en) * 2007-09-19 2009-03-19 Macmillan Shaun T Low heat rejection high efficiency internal combustion engine
US8671684B2 (en) * 2008-04-16 2014-03-18 Donald E. Moriarty Partially self-refueling zero emissions system

Also Published As

Publication number Publication date
CN101855325A (zh) 2010-10-06
EP2209876A1 (en) 2010-07-28
EP2209876A4 (en) 2014-01-08
WO2009062183A1 (en) 2009-05-14
AU2008323666A1 (en) 2009-05-14
JP2011502935A (ja) 2011-01-27
US20090133788A1 (en) 2009-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5711536B2 (ja) 一酸化二窒素と燃料とが混合されて成るモノプロペラント
Florczuk et al. Performance evaluation of the hypergolic green propellants based on the HTP for a future next generation spacecrafts
Anflo et al. Towards green propulsion for spacecraft with ADN-based monopropellants
Mayer et al. European Fuel Blend development for in-space propulsion
Mungas et al. NOFBX: A new non-toxic, Green propulsion technology with high performance and low cost
Surmacz Green rocket propulsion research and development at the institute of aviation: problems and perspectives
Božić et al. Program AHRES and its contribution to assess features and current limitations of hybrid rocket propulsion
Mishra et al. Comparative study on propellant characteristics for reusable launch vehicles
Wilson et al. Catalytic Decomposition of Nitrous Oxide Monopropellant for Hybrid Motor Re-Ignition
Chehroudi et al. Liquid propellants and combustion: fundamentals and classifications
Wernimont Monopropellant hydrogen peroxide rocket systems: optimum for small scale
Mehendiratta et al. A review on different propellant materials for space vehicles and their characterisation
Colozza Comparison of Mars aircraft propulsion systems
Zakirov Investigation into nitrous oxide propulsion option for small satellite applications
Pinto et al. Green gelled propellant highly throtteable rocket motor and gas generator technology: status and application
Shimada et al. Study of low-cost 100kg-satellite launcher using hybrid rocket engines
Reed On-board chemical propulsion technology
Kirchberger et al. Green Propellants for Satellite Propulsion: Status of Research and Developments at DLR Lampoldshausen
Vozoff et al. NOFBX: A Non-Toxic," Green" Propulsion Technology with High Performance and Low Cost
Anflo et al. Development Testing of 1-Newton ADN-based rocket engines
AU2013273797A1 (en) Nitrous oxide fuel blend monopropellants
SERCEL et al. The ballistic Mars hopper-An alternative Mars mobility concept
Paravan et al. Space Debris Mitigation and Remediation: Perspectives of Affordable Hybrid Propulsion Implementations
Ventura Novel concepts for an advanced non-toxic gas generator
Tadini Hybrid rocket propulsion for active removal of large abandoned objects

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121130

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121207

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130212

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140128

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140311

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5711536

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees