JP5705100B2 - 球体形警報灯 - Google Patents
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この種の従来例として幾つかの踏切警報灯が提案されている。
その1つの例は、複数の赤色発光のLED実装基板が多面体を形成する基板取付枠に取り付けられ、この基板取付枠に取り付けられたLED実装基板の組み合わせによって多面形構造が形成されている。多数のLEDが実装された長方形のLED実装基板はせん光灯の発光面として多面体の形状で全方位に向けられているものである。
本発明の目的は上記の既存全方位警報灯とは全く異なる手段で全方位から視認可能な警報灯を実現するものであり、併せて上記各問題を解決するものである。本発明では、透明導光板に円錐形の孔を多数施し、円錐形の孔を加工した複数枚の透明導光板を放射状に配置し、透明導光板の側部にLEDを配置しLED光を放射することにより、360度各方向いずれから見ても略球形の表示を実現することが可能な、構造が簡易で製造工程も容易となる球体形警報灯を提供することにある。
本発明の請求項2は光の反射を利用した球体形警報灯であって、透明導光板の面に多数の円錐形状の孔を設けるとともに前記透明導光板の側部に複数のLEDを配置し、前記複数のLEDが発する光を前記透明導光板の側部より透明導光板内に導き、前記円錐形状の孔との境界面で前記導かれたLEDからの光を反射し、該反射光を前記透明導光板の多数の円錐形状の孔を有する面の反対面から出射することにより反射光を利用した表示器を構成し、前記透明導光板の円錐形状の孔を半円状に配置し、該配置した透明導光板2枚を相互に円錐形状の孔が向き合うように突き合わせ、前記2枚の透明導光板の側部に配置したLEDからの光を前記円錐形状の孔との境界面で反射させることにより、2枚突き合わせた透明導光板の両側の面から光を出射させる矩形状の表示体を形成し、前記表示体の上側および下側の側部に前記LEDを配置し、該表示体の円錐形状の孔で形成される半円の直径側になる一辺をそれぞれ突き合わせ前記表示体の複数を360度の範囲で所定角度間隔で放射状に配置することにより、後方側に位置する表示体の透明導光板から出射する光が前方側に位置する表示体の透明導光板を透過し、いずれの方向から見ても出射する光の形状が略球形に視認できるように構成したことを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項1または2記載の発明において前記透明導光板または前記表示体の上方および下方にLEDを配置するためのLED実装基板を設け、前記LED実装基板に接続するためのケーブルを外部より引き込み、該ケーブルはパイプ中心軸内を通り端子を介してLED実装基板に接続することを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項1,2または3記載の発明において前記透明導光板はメタクリル樹脂であり、前記円錐形状の孔はディンプル加工で形成することを特徴とする。
本発明の請求項5は請求項1,2,3または4記載の発明において前記円錐形状の孔の頂部は略90度であり、前記透明導光板内に導かれるLEDの光の進行方向を略90度変えることにより、前記透明導光板を垂直に配置した場合、水平方向に光を出射し視認性を向上させることを特徴とする。
本発明の請求項6は請求項1,2,3,4または5記載の発明において前記透明導光板のLEDを配置した側部から前記円錐形状の孔が形成されるまでの距離が近ければ円錐形状の孔を小さくし、距離が大きくなるにしたがって前記円錐形状の孔の形状を大きくすることにより、前記透明導光板に開けた多数の円錐形状の孔でそれぞれ反射する光は、いずれも明るさの差が少ないことを特徴とする。
図1は本発明による球体形警報灯の実施の形態を示す踏切警報灯の主構成図で、踏切警報灯の表示器部分の斜視図である。図2は図1の表示器の導光板の詳細図である。
導光板1は矩形状の板状透明体であり、メタクリル樹脂が用いられる。導光板1は多数の円錐形の孔101が設けられ、円錐形の孔101は図2に示すように半円形になるように配置されている。LED照明光は導光板1の上側部102と下側部103の面から導光板1内に照射される。円錐形の孔101は導光板1の上側部102および下側部103に近い位置では小さく距離が遠くなるほど大きくなるように形成されている。
このように円錐形の孔101を配置したのは、上側部102および下側部103から入射するLED照射光が途中に形成されている円錐形の孔101で邪魔されることなく、導光板1の中央部104付近までより多くの光量が到達するようにするためである。これにより導光板1の、円錐形の孔101が配置されている形状に対応する面全体において円錐形のそれぞれの孔からの反射光は明るさの差異が少なくなり、光のムラが少ない一様に近い導光板の出射表示面を形成することができる。
図2に示す導光板1を2枚、それぞれの円錐形の孔101の形成面が向き合うように突き合わせて、一対の導光板を作り、この一対の導光板1−1,1−2、1−3,1−4〜1−23,1−24(合計で12枚)を、パイプ中心軸16にその長手方向の側部を合わせて等角度間隔で360度全周に放射状に配置することにより、図1に示す表示器2が構成される。
円錐形の孔101はその頂角が直角であり、頂角の位置は導光板1の反対面(円錐形の孔101の形成面に対し)近くまで及んでいる。したがって導光板1中を伝搬し導光板1と円錐形の孔101の境界面に入射した光は導光板1の反対面から直角方向に出射する。図4にその様子が示されている。一対の導光板1−1,1−2に入射したLED光はそれぞれ導光板1−1,1−2の円錐形の孔101の形成面に対して反対側の面から放出されることになり、一対の導光板両面から視認することができる。
表示器2の上部側部および下部側部を押さえるための導光板押さえ板(内側)3aおよび3bは円板形状をしており、該押さえ板3aおよび3bに表示器2の多数の上部側部および下部側部を挿通するための放射状の貫通溝301が設けられている。さらに導光板押さえ板(内側)3aおよび3bをその上から押さえるための導光板押さえ板(外側)4aおよび4bは導光板押さえ板(内側)3aおよび3bより少し大きな円板形状で、該押さえ板4aおよび4bには貫通溝301に対応する位置に放射形状の貫通溝401が設けられている。
導光板押さえ板(内側)3aの貫通溝301に一対の導光板1−1,1−2の上端部(上部の側部)が差し込まれ、その上に導光板押さえ板(外側)4aの貫通溝401が重ねられ、LED実装基板5a上に一列に配置されたLED素子501が貫通溝401内に位置付けられることになる。LED素子501の光は導光板1−1,1−2の側部から効率良く導光板内部に入射する。
外枠筒10は表示器の周囲を覆い、表示器内に雨や塵埃などが侵入することを防止するものである。
外枠筒10は図7(a)に示すように光を透過するブラウンスモーク色の円筒形状であり、この色は赤色の光が通りやすくLEDの発する光を所定の赤色に見えるようにする。外枠筒10の上下の縁部に防水パッキン9a,9bが嵌め込まれる。嵌め込まれた状態を図7(b)に示す。防水パッキン9a,9bには図7(c)に示すようにそれぞれ筒端部収容溝901,902が設けられている。表示器2はこのような構成の外枠筒部分が被せられる。
外枠筒10を取り付けた表示器2の上部のLED実装基板5a,軸固定金具6a部分を覆うように上部カバー12が被せられ、上部カバー12の端部内周面121が導光板押さえ板4aの外周部402に嵌合して取り付けられる。さらに表示器2へ雨が当たらないように導光板押さえ板4aの上方に屋根形のフード11が被せられる。フード11はネジ111によって上部カバー12に固定される。
上部カバー12の中央には接続座13が固定されている。接続座13は後述の警報機柱20(図10参照)に接続するための部材で、その内部にはLED実装基板に接続するケーブルが外部より引き込まれる。
LED実装基板5bおよび軸固定金具6bは導光板押さえ板(外側)4b,LED実装基板5bおよび軸固定金具6bとの間が一定の間隔になるように取り付けられ、LED実装基板5bの電気的性能を確保している。上側のLED実装基板5a部分の構成も同様である。
ケーブル17はパイプ中心軸16内を通って引き出されたもので、端子502bに接続されている。
踏切脇に立てられている警報機柱20の上部に2つの踏切警報灯19が装備されている。電車が接近すると、踏切警報灯19にその信号情報がケーブルによって伝達され、踏切警報灯19が点滅動作を開始する。電車が通過すれば、踏切警報灯19は動作を停止する。視点位置が警報機柱20の周囲360度の何れの位置であっても踏切警報灯19の表示部分は球形に浮いて見え、踏切警報灯19に対し水平位置ではなく見上げる位置(矢印21,22)であっても下部カバー15で遮られない角度であれば表示部分の球形が欠けて見えることはない。
なお、太陽光が踏切警報灯19に当たり導光板1の長手辺の側部105(図2参照)に入射した場合、この太陽光の入射により表示器が点灯したように見える可能性がある。これを防止するために導光板1の長手辺の側部105に太陽光が入射しないような光入射防止手段を施している。側部105の面に光が通過しないような表面処理を施すか、梨地のようなざらざら面に加工して入射する太陽光を散乱させ、入射を防止するか、または側部105に光を反射や吸収する膜を塗布もしくは貼付したりするものである。
さらに、円錐形の孔の頂部を90度にした例を示したが、頂部の角度は必ずしも90度にする必要はなく、視認方向を変えるため他の角度に設定することも可能である。
一対の導光板12枚を全周等角度で配置した例を示したが、一対の導光板の数は12枚に限定されるものではなく、これよりも多くまたは少なくしても良い。例えば、4枚〜11枚を配置しても良いが、枚数が少ないと、見る方向によっては表示部分の形状が立体的ではなく楕円球に見えることになる。一方、枚数を増やすと表示器の明るさが増加し、より完全な球体形に近づくが、要求される性能,仕様との兼ね合いで枚数を決める必要がある。
101 円錐形の孔
2 表示器
3a,3b 導光板押さえ板(内側)
4a,4b 導光板押さえ板(外側)
5a,5b LED実装基板
6a,6b 軸固定金具
7a,7b 平座金
8a,8b ナット
9a,9b 防水パッキン
10 外枠筒(透過性ブラウンスモーク色)
11 フード
12 上部カバー
13 接続座
14 下部カバー押さえ
15 下部カバー
16 パイプ中心軸
17 ケーブル
19 踏切警報灯
20 警報機柱
Claims (6)
- 光の反射を利用した球体形警報灯であって、
透明導光板の面に多数の円錐形状の孔を設けるとともに前記透明導光板の側部に複数のLEDを配置し、
前記複数のLEDが発する光を前記透明導光板の側部より透明導光板内に導き、前記円錐形状の孔との境界面で前記導かれたLEDからの光を反射し、該反射光を前記透明導光板の多数の円錐形状の孔を有する面の反対面から出射することにより反射光を利用した表示器を構成し、
前記透明導光板の上側および下側の側部に前記LEDを配置し、
前記透明導光板の円錐形状の孔を半円状に配置し、円錐形状の孔で形成される半円の直径側になる前記透明導光板の一辺をそれぞれ突き合わせ前記透明導光板の複数を360度の範囲で所定角度間隔で放射状に配置することにより、後方側に位置する透明導光板から出射する光が前方側に位置する透明導光板を透過し、いずれの方向から見ても出射する光の形状が略球形に視認できるように構成したことを特徴とする球体形警報灯。 - 光の反射を利用した球体形警報灯であって、
透明導光板の面に多数の円錐形状の孔を設けるとともに前記透明導光板の側部に複数のLEDを配置し、
前記複数のLEDが発する光を前記透明導光板の側部より透明導光板内に導き、前記円錐形状の孔との境界面で前記導かれたLEDからの光を反射し、該反射光を前記透明導光板の多数の円錐形状の孔を有する面の反対面から出射することにより反射光を利用した表示器を構成し、
前記透明導光板の円錐形状の孔を半円状に配置し、該配置した透明導光板2枚を相互に円錐形状の孔が向き合うように突き合わせ、前記2枚の透明導光板の側部に配置したLEDからの光を前記円錐形状の孔との境界面で反射させることにより、2枚突き合わせた透明導光板の両側の面から光を出射させる矩形状の表示体を形成し、
前記表示体の上側および下側の側部に前記LEDを配置し、
該表示体の円錐形状の孔で形成される半円の直径側になる一辺をそれぞれ突き合わせ前記表示体の複数を360度の範囲で所定角度間隔で放射状に配置することにより、後方側に位置する表示体の透明導光板から出射する光が前方側に位置する表示体の透明導光板を透過し、いずれの方向から見ても出射する光の形状が略球形に視認できるように構成したことを特徴とする球体形警報灯。 - 前記透明導光板または前記表示体の上方および下方にLEDを配置するためのLED実装基板を設け、
前記LED実装基板に接続するためのケーブルを外部より引き込み、該ケーブルはパイプ中心軸内を通り端子を介してLED実装基板に接続することを特徴とする請求項1または2記載の球体形警報灯。 - 前記透明導光板はメタクリル樹脂であり、前記円錐形状の孔はディンプル加工で形成することを特徴とする請求項1,2または3記載の球体形警報灯。
- 前記円錐形状の孔の頂部は略90度であり、前記透明導光板内に導かれるLEDの光の進行方向を略90度変えることにより、前記透明導光板を垂直に配置した場合、水平方向に光を出射し視認性を向上させることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の球体形警報灯。
- 前記透明導光板のLEDを配置した側部から前記円錐形状の孔が形成されるまでの距離が近ければ円錐形状の孔を小さくし、距離が大きくなるにしたがって前記円錐形状の孔の形状を大きくすることにより、前記透明導光板に開けた多数の円錐形状の孔でそれぞれ反射する光は、いずれも明るさの差が少ないことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の球体形警報灯。
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