JP5703742B2 - 流体噴射装置、および医療機器 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態1に係る流体噴射装置の構成を示す概略図である。なお、本実施形態では、医療機器に好適な流体噴射装置として説明するが、切除・切開・剥離・破砕などの機能においては、医療分野での活用に限定するものではない。
脈動発生部30は、流体室31、容積変更手段32、流体噴射管70などから構成されている。流体噴射装置100は、流体供給部10により流体容器2から脈動発生部30に供給される流体を、脈動発生部30で脈動流に変換して流体噴射管70から噴射する構成になっている。
駆動制御部50は、駆動信号制御部51、容積変更手段制御部52、流体供給手段制御部53などから構成される。駆動信号制御部51は、作動指令41を受け、容積変更手段制御部52から所定の脈動流駆動信号(パルス駆動信号62)を脈動発生部30に入力する。また、更に駆動信号制御部51は、作動指令41を受け、流体供給手段制御部53から所定の流体供給駆動信号(ポンプ駆動信号61)を流体供給部10に入力する。
流体供給部10は、ポンプ室11、プランジャー12、プランジャー12を内挿するシリンダー13、ポンプ室容積変更手段20などから構成されていることが好ましい。ポンプ室11を形成するシリンダー13の端部には、流体容器2からの流体を吸入する吸入口17と脈動発生部30に流体を送出する送出口18とを有し、それぞれに吸入弁14と送出弁15とを備えている。
ポンプ室容積変更手段20は、ウォームラックなどのギア構造21および回転機構24(図示せず)から成り、ポンプ駆動信号61によって正逆回転する回転機構24の回転運動を、プランジャー12の往復運動に変換している。
回転機構24は、ポンプ駆動信号61が逆転(−v)の場合に、プランジャー12を最小容積量Bから最大容積量Aに向かう方向に移動させ、ポンプ駆動信号61が正転(+v)の場合に最大容積量Aから最小容積量Bに向かう方向に移動させる。また、ポンプ駆動信号61が停止(0)の場合には、プランジャー12の移動は停止する。つまり、ポンプ駆動信号61が逆転(−v)の場合には、ポンプ室11内に流体を吸入し(この時、流体の動きに応じ吸入弁14は開き、送出弁15は閉まる)、ポンプ駆動信号61が正転(+v)の場合には、流体を送出する(この時、流体の動きに応じ吸入弁14は閉まり、送出弁15は開く)。
脈動発生部30は、流体室31、容積変更手段32、ダイアフラム33、ケース80、流体噴射管70などから構成されている。
流体室31は、ケース80の一部とダイアフラム33とによって囲まれた領域として形成される。流体室31には、容積変更手段32がダイアフラム33を介して接続されている。容積変更手段制御部52から容積変更手段32に伝えられるパルス駆動信号62(図1)によって、容積変更手段32が伸縮動作し、ダイアフラム33が駆動されて流体室31の容積を変化させることで脈動流を発生させている。容積変更手段32としては、好適例としてピエゾ素子等の圧電素子を用いている。
駆動制御部50は、作動指令41が入力されると、容積変更手段制御部52から容積変更手段32にパルス駆動信号62を出力する。パルス駆動信号62は、図4(b)のような電圧波形の一波を単位波とし、駆動信号制御部51の制御に従い、単発、あるいは図4(c)のように連続的に出力して容積変更手段32を伸縮動作させ、ダイアフラム33を介して流体室31を満たしている流体に脈動を発生させる。
(c)は、T0の長さに依存せず、作動指令41が発せられた時点から予め定められた時間T1の間、連続的にパルス駆動信号62を出力している(トリガーモード)。従って、T1の設定時間により、作動指令41がOFFとなってもパルス駆動信号62が出力され続ける場合や、作動指令41がONであっても出力が停止する場合がある。
(d)は、時間T2の間継続するパルス駆動信号62が、休止時間T3をもって繰り返している。この繰り返し出力を継続する時間は、(d)に示すようにT0で終了する場合(バーストモード)と、図示していないが、T0の長さに依存せず、予め設定した時間繰り返す場合(トリガーバーストモード)とがある。
図6は、流体供給部10の基本動作を示すタイミング図である。作動指令41、ポンプ駆動信号61、パルス駆動信号62、および流体供給部10からの流体の送出可能量(ポンプ室11から送出できる流体の残量)の関係を示している。ここでは、パルス駆動信号62が、通常モード(図5(b))の設定で動作している例を示している。図6、図1、図2を参照して説明する。
まず、流体噴射装置100の初期状態として、流体容器2、流体供給部10、脈動発生部30および連通する接続チューブ3には、流体を満たし、プランジャー12は、最大容積量Aに位置する満水状態を準備する。作動指令41、パルス駆動信号62はOFF状態であり、ポンプ駆動信号61は、停止(0)の状態となっている。
次に、操作者が作動指令入力部40に指令を出し、作動指令41がONになると、駆動制御部50は、ポンプ駆動信号61を正転(+v)とし、更に連続的にパルス駆動信号62を出力する。
ポンプ駆動信号61が正転(+v)になると、プランジャー12は、最大容積量Aから最小容積量Bに向かう方向に規定の速度で移動を開始する。ポンプ室11の内圧が高まると、吸入弁14は閉まり、送出弁15は開いて、脈動発生部30に向かって流体の送出が開始される。既に流体で満たされている脈動発生部30は、ノズル71(図3)から流体噴射を開始する。
同時に連続的なパルス駆動信号62を受けた容積変更手段32は、伸縮動作によってダイアフラム33を介して流体室31を満たしている流体に脈動を発生させる。これによりノズル71から噴射する流体は脈動流となる。また、送出可能量は、噴射量に応じて徐々に減少して行く。
次に、操作者が指令を停止し、作動指令41がOFFになると、駆動制御部50は、ポンプ駆動信号61を逆転(−v)とし、更に連続的にパルス駆動信号62の出力を停止する。
ポンプ駆動信号61が逆転(−v)になると、プランジャー12は、それまでとは逆の、最小容積量Bの方向から最大容積量Aに向かう方向に規定の速度で移動を開始する。ポンプ室11の内圧が低くなると、送出弁15は閉まり、吸入弁14が開いて、流体容器2から流体の吸入が開始される。脈動発生部30への送出が停止するため、ノズル71からの噴射は停止する。送出可能量は、吸入量に応じて徐々に増加して行く。
同時に連続的なパルス駆動信号62の出力が停止しているため、容積変更手段32の伸縮動作は停止して流体室31の容積変化も停止する。
プランジャー12が、最大容積量Aから最小容積量Bの間に位置する場合には、引き続き、操作者の指令に応じ、上記の動作を繰り返すことが出来る。
操作者が指令を停止したまま、作動指令41がOFFを継続すると、プランジャー12は、やがて最大容積量Aに到達する。ハイレベル検出センサー25は、プランジャー12が最大容積量Aに到達したことを検知し、満水信号63を駆動信号制御部51に対して発信する。駆動信号制御部51は、満水信号63を受けて、ポンプ駆動信号61を0にし、プランジャー12は、その移動を停止する。
図7は、噴射を長時間継続して送出可能量がゼロとなる場合の流体供給部10の自動給水動作を示すタイミング図である。操作者が作動指令入力部40に指令を出し続け、作動指令41がONの状態を継続すると、駆動制御部50は、ポンプ駆動信号61を正転(+v)の状態のままに継続し、パルス駆動信号62は出力を継続する。
ポンプ駆動信号61が正転(+v)の状態を継続すると、プランジャー12は、最大容積量Aから最小容積量Bに向かう方向に規定の速度で移動を継続し、やがて最小容積量Bに到達する。流体は、脈動発生部30に向かって送出が継続され、やがて送出可能量がゼロとなり送出を停止する。最小容積量B付近の動きを以下に説明する。
ランダムレベル検出センサー27(図2)は、プランジャー12が最小容積量Bに到達する前に警告信号65(図1)を、駆動信号制御部51に対して発信する。駆動信号制御部51は、警告信号65を受けて、操作者に水切れのアラート(図示せず)を発報する。ここで、アラートを感知した操作者が指令を停止した場合には、前述のように噴射が停止し、給水を開始する。
操作者が指令を停止せずに継続した場合には、プランジャー12は、最小容積量Bに到達する。
ローレベル検出センサー26は、プランジャー12が最小容積量Bに到達したことを検知し、水切れ信号64を駆動信号制御部51に対して発信する。駆動信号制御部51は、水切れ信号64を受けて、ポンプ駆動信号61を逆転(−v)にし、更にパルス駆動信号62の出力を停止する。ポンプ駆動信号61が逆転(−v)になると、プランジャー12は、最大容積量Aに向かう方向に移動を開始し、流体供給部10が給水を開始する。プランジャー12は、やがて最大容積量Aに到達する。ハイレベル検出センサー25は、プランジャー12が最大容積量Aに到達したことを検知し、満水信号63を駆動信号制御部51に対して発信する。駆動信号制御部51は、満水信号63を受けて、ポンプ駆動信号61を0にし、プランジャー12は、その移動を停止する。また、パルス駆動信号62の出力が停止すると、脈動発生部30は、脈動の生成を停止する。
安定した脈動流の噴射を得るために、駆動信号の発信停止に待機時間を設定する例を説明する。この例では、流体供給部10から脈動発生部30に流体を送出した後に脈動発生部30で脈動の生成を開始し、また脈動を停止してから流体の送出を停止することにより、安定した脈動流の噴射が得られるようにしている。
駆動信号制御部51によって、ポンプ駆動信号61が発信してから第1待機時間t1が経過した後に、パルス駆動信号62を発信させている。また、パルス駆動信号62の発信が終了してから第2待機時間t2が経過した後に、ポンプ駆動信号61の発信を終了するようにしている。
医療機器としては、前述した流体噴射装置100を活用することにより、ポンプ室内に確保する流体の量が少なくても必要充分な流体噴射が得られ、ポンプ室11の小型化を図ることができるため、緊急時の携帯医療機器として提供できるほか、限られたスペースに設置することができる。
また、流体の噴出圧力を最大20気圧とした場合には、プランジャーの駆動力は約100kgfとなる。
このように、本実施形態による流体噴射装置100によれば、コンパクトなシングルプランジャータイプのポンプで流体噴射装置を構成することができる。
Claims (6)
- 流体室内の流体に脈動を与えて脈動流を噴射する脈動発生部と、
ポンプ室と、前記ポンプ室の容積を変更させて前記脈動発生部に前記流体を供給するポンプ室容積変更手段と、を有する流体供給部と、
前記脈動発生部を駆動する脈動流駆動信号を入力し、かつ、前記流体供給部を駆動する流体供給駆動信号を入力する駆動制御部と、
前記駆動制御部に作動指令を入力する作動指令入力部と、を有し、
前記流体供給駆動信号と前記脈動流駆動信号とが、前記作動指令の入力に連動して入力され、
前記駆動制御部は、
前記作動指令が入力されていない場合、または前記ポンプ室の容積が最小となる最小容積量に到達し、かつ、前記作動指令が入力されている場合には、前記ポンプ室の容積が最大となる最大容積量へ向かって前記ポンプ室の容積を増加させることを特徴とする流体噴射装置。 - 前記駆動制御部は、前記流体供給駆動信号が入力されて第1時間経過した後に、前記脈動流駆動信号が入力されることを特徴とする、請求項1に記載の流体噴射装置。
- 前記駆動制御部は、
前記作動指令が入力されておらず、かつ前記ポンプ室の容積が前記最大容積量よりも少ない場合には、前記ポンプ室の容積を前記最大容積量へ向かって増加させることを特徴とする、請求項1または2に記載の流体噴射装置。 - 前記流体を前記ポンプ室内に吸入する前記ポンプ室の容積増加速度が、前記流体を前記ポンプ室から送出する前記ポンプ室の容積減少速度よりも速いことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
- 前記駆動制御部は、前記脈動流駆動信号の入力が終了して第2時間経過した後に、前記流体供給駆動信号の入力が終了することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の流体噴射装置を用いたことを特徴とする医療機器。
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