JP5700189B2 - 三次元シースフロー形成構造及び微粒子集束方法 - Google Patents

三次元シースフロー形成構造及び微粒子集束方法 Download PDF

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本発明は、三次元シースフロー構造、特に、中空構造を含まない多段構造であって単一の転写工程による加工によって経済的に作製することが可能な三次元シースフロー形成構造及び該構造を有するマイクロシステム(マイクロ流体装置又はマイクロチップ等)、並びに、これらを用いた粒子集束方法等に関する。
近年のマイクロファブリケーション技術の発展により、ガラスや樹脂などのチップ上にミクロンオーダーの液体流路を形成し、この液体流路に試料を流すことによって、試料の分析、反応または分離を行わせるマイクロシステムの開発が進められている。このようなマイクロシステムは、試料が少量であっても試料の分析が可能であること、また、試料をチップ内に閉じ込めたまま操作することが出来るなどの利点を有している。
ところで、一般に、細胞を蛍光標識する場合、蛍光は極めて弱くブレやボケなどなしにこの蛍光を検出するのは極めて困難である。従って、検出を確実に行うには高倍率なレンズを使用し、S/N比を上げることが不可欠となる。しかし、高倍率なレンズは焦点深度が浅く、焦点面から離れた蛍光物質はぼやけて見えるため、輝度が落ちてしまう。
又、このようなマイクロシステムにおいて、検出物が検出エリアを低速で通り抜ければ検出物は二重検出され、高速で通り抜ければ検出されない可能性がある。このように検出物が検出エリアを異なる速度で通り抜けることは正確な検出を妨げる。
更に、このようなマイクロシステムにおいて流路を形成する素材として最も一般的に使用されるポリジメチルシロキサン(PDMS)は吸着性が強く試料流のみを流路に流し込めば、検出物の多くが流路壁面に吸着することが考えられる。さらに回収物が検出エリア内で壁面に張り付けば,検出エリア内では常に蛍光が検出されることとなり、これではソーティングができない。
シースフローは、微小流路をポアズイユ流として知られる放物曲線状の流速分布の頂点付近に試料溶液及び微粒子を集束するため、微粒子が特定の領域を通過する時間を均一にすることが可能である。従って、このようなマイクロシステムにおいて、特に、細胞などの微粒子を流し、個々に分析する場合、シースフローによって試料溶液及び微粒子を微小流路中央に集束させるシースフロー構成を用いることによって、焦点深度の幅を小さくでき、流路壁面におけるせん断力を受けず、試料の流速を一定とすることができ、更に、PDMSによる試料の吸着の防止・流路壁面におけるせん断力を回避し、上記の問題を解消することができる。
このように、シースフローは、例えば個々の微粒子から生じる光学的情報の定量的分析や、個々の微粒子の高精度の分別に重要である。
マイクロシステムにおけるシースフローの形成方法及び微粒子の集束方法はこれまでにも多数報告されている。例えば、3次元的に微小流路を加工し、4方向から試料溶液及び微粒子をシース液流によって囲う方法(例えば、特許文献1、非特許文献1,2)や、2次元的に加工された曲がりを有する微小流路において、流速の分布を利用して微粒子を微小流路の中央に集束させる方法(非特許文献3)などが挙げられる。更に、単一の転写工程により加工が可能な多段構造によって試料溶液及び微粒子を集束させる方法(非特許文献4)は、流路上部および側部の3方向から試料溶液及び微粒子を流路下部中央へと集束する片面構造を提供している。
特開2007−514522号公報
Micro Total Analysis systems 2000, 209-212 Lab on a chip, 2009, 9, 972 - 981, DOI: 10.1039/b808336c Lab on a chip, 2007,7, 1260-1262, DOI: 10.1039/b711155j Sensors and Actuators A: 135 (2007) 99-105, DOI:10.1016/j.sna.2006.06.074
しかしながら、特許文献1又は非特許文献1及び2に記載されているような従来の微小流路を用いる方法は、加工する際に両面の基板に段差構造を加工したり、片方の基板に中空構造を設ける必要があり、非常に手間が掛かる、という難点を持つ。特に両面の基板を加工した場合には両面の構造体の位置を高い精度で一致させて張り合わせを行う工程(「アライメント」工程)が必要である。一方で、非特許文献3にあるような2次元的な加工を施した微小流路を用いる方法は加工が容易であり、さらにアライメントをする必要がないため、生産性に優れているが、構造体では微粒子を集束させるためには0.837mL/min (= 1.86 m/sec)という高い流速を必要とする難点がある。又 非特許文献4に記載された方法では試料溶液及び微粒子を流路下部から流路中央方向に絞り込むことが出来ない。
本発明者は上記課題を解決すべく研究の結果、単一の転写工程により中空構造を含まない片面の多段(段差)構造のみによって、試料溶液及び微粒子を流路中央部に集束させるシースフローの形成が可能であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の各態様に係るものである。
[態様1]
少なくとも第一集束領域又は第二集束領域を有する、試料溶液流を流路中央方向に集束させるシースフロー形成構造であって:
(1)該第一集束領域又は第二集束領域の少なくともいずれか一つの領域において、試料溶液(サンプル)流を含む流路の第一の面と共通する面を有し且段差(深さ)が異なるシ−ス液(キャリア)導入流路を該試料溶液流を含む流路の両側方から合流させ、シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第一の構造;
(2)第一の構造を有していない該第一集束領域又は第二集束領域において、試料溶液流を含む流路の第一の面以外の3つの面からシ−ス液を合流させ、シース液流によって第一の面と対向する第二の面及び第一の面に対する側面の3方向から該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第二の構造、を有することを特徴とする前記シースフロー形成構造。
[態様2]
態様1のシースフロー形成構造を有するマイクロシステム。
[態様3]
段差構造が設けられた基板及び平面基板を接合することを含む、態様1のシースフロー形成構造又は態様2のマイクロシステムの作製方法。
[態様4]
態様1のシースフロー形成構造又は態様2のマイクロシステムを用いる、粒子の集束方法。
本発明のシースフロー形成構造に試料溶液とシース液を流し込むだけで試料溶液の流路中央部への集束が可能となる。更に、本発明のシースフロー形成構造は、段差構造が設けられた基板及び平面基板を接合する、という極めて簡便方法で容易に作製することが可能であり、該シースフロー形成構造を有するマイクロチップ等のマイクロシステムを製造する際の工程が飛躍的に少なく済み、該製造過程における再現性及び生産性が非常に高いものとなる。
本発明のシースフロー形成構造に含まれる第一の構造の一具体例を示す。 本発明のシースフロー形成構造の一具体例を示す。 本発明のシースフロー形成構造の一具体例を模式的に示す。ここで、第一集束領域、第二集束領域及び第三集束領域は、夫々、図中の、a, b, 及びcに相当し、キャリア流はシース液流のことである。 各流路を含む本発明のシースフロー形成構造の一例を模式的に示す。ここで、「フォーカス」は集束領域を意味する。 流体シミュレーションソフトウェア(Coventor Ware,丸紅情報システムス株式会社)を使用して本発明のシースフロー形成構造における第一の構造の機能のシミュレーションを示す。 本発明のシースフロー形成構造において試料として蛍光色素を用いて実際にシースフローを形成した例を示す。 本発明のシースフロー形成構造において試料として蛍光ビーズを用いて実際にシースフローを形成した例を示す。 シースフローの有無による蛍光ビーズの線速度を比較したグラフである。 シースフロー形成構造の第一の構造における、シ−ス液導入流路と試料溶液流を含む流路の深さの割合の最適化のシュレーションの結果を示す。ここで、Y軸:流路高さ方向の位置(境界)(μm)、X軸:キャリア流路の高さ(μm)、及び、%:境界を規定するサンプルの相対濃度である。尚、図中の各グラフにおいて矢印はサンプル相対濃度0.00%で規定した時の流路上方への遷移量が減少するキャリア流路の高さを指示している。又、サンプル相対濃度は各グラフにおいて上から順に、0.50, 0.25, 0.10, 0.05, 0.01, 及び、0.00%である。
本発明に係る試料溶液流を流路中央方向に集束させるシースフロー形成構造の主な特徴は、第一集束領域又は第二集束領域の少なくともいずれか一つの領域において、試料溶液流を含む流路の第一の面と共通する面を有し、且、段差(「深さ」又は「高さ」)が異なるシ−ス液導入流路を該試料溶液流を含む流路の両側方から合流させ、シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第一の構造を有していることである。
上記の第一の構造において、試料溶液流とシース液流が合流した後の下流域において、シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させることが出来る限り、試料溶液流を含む流路の第一の面と共通する面を有し且段差が異なるシ−ス液導入流路が該試料溶液流を含む流路に合流する角度については特に制限はない。シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へより効率よく集束させるためには、シ−ス液導入流路が該試料溶液流を含む流路と、約45度〜略直交の角度で合流することが好ましい。この具体例を図1に示す。
尚、シースフロー形成構造を有するマイクロシステムの種類(例えば、マイクロチップ)、その使用目的・状態等の諸条件によって、上記の第一の構造における第一の面が試料溶液流を含む流路の上面、下面、又は、側面のいずれかに相当することになる。
第一の構造において、シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へ、好ましくは、試料溶液流を流路高さ方向の中央(50μm)よりも若干下回るところまで集束させるためには、シ−ス液導入流路の深さが試料溶液流を含む流路に較べてより浅いことが好ましい。即ち、マイクロシステムの種類(例えば、マイクロチップ)、その使用目的・状態等の諸条件、並びに、シース液流及び試料溶液流の流量の相対的割合にも依るが、通常、試料溶液流を含む流路の段差(深さ)はシ−ス液導入流路の段差の5倍以上、好ましくは、5〜20倍程度であることが好ましい。又、シース液流(両側方からの合計量)及び試料溶液流の流量の相対的割合は、適宜、設定することができるが、通常、0.5:1〜2:1の範囲である。好ましくは1:1程度である。
本発明のシースフロー形成構造において、第一の構造を有していない該第一集束領域又は第二集束領域においては、試料溶液流を含む流路の第一の面以外の3つの面からシ−ス液を合流させ、シース液流によって第一の面と対向する第二の面及び第一の面に対する側面の3方向から該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第二の構造をとる。
第一の構造は、第一集束領域又は第二集束領域のいずれかにおいて設けることができる。例えば、第一の構造が第二集束領域(2段目絞込み)に、及び、第二の構造が第一集束領域(1段目絞込み)に設けられている一例を図2に示す。
或いは、第一集束領域及び第二集束領域のいずれも第一の構造とすることも可能である。このような場合には、試料溶液流を含む流路とシ−ス液導入流路が共通する第一の面は、夫々の集束領域において互いに対向する(例えば、第一集束領域においては上面、及び第二集束領域においては下面)とする。
更に、本発明のシースフロー形成構造において、第一集束領域及び第二集束領域に加えて、第三集束領域を設け、ここで第二集束領域において形成されたシースフローが流れる流路の段差(深さ)を小さくし、シースフローのより中央部に試料溶液流が流れるようにすることも出来る。このような構造の一例を模式的に図3に示す。
尚、第一集束領域及び第二集束領域で試料溶液流を含む流路に合流するシース液は、夫々、別の経路であっても良いが、通常は、上流で分岐した後に第一集束領域及び第二集束領域で試料溶液流を含む流路に合流するような構造とすることが好ましい。
このようなシースフロー形成構造は、試料の分析、反応又は分離等を行わせる様々な種類のマイクロシステムに組み込んで、多様な目的・用途に使用することが出来る。このようなマイクロシステムの例として、例えば、プロテーム解析において重要な技術である細胞の精製・分離に使用されるFACS (Fluorescence Activated Cell Sorter) 、及び、温度感受性ゲル(例えば、メビオール(登録商標))をシース液流として用いたμ−TASセルソータ等を挙げることが出来る。試料としては、例えば、細胞及び各種オルガネラ等の様々な粒子・微粒子を用いることが出来る。
通常、本発明のシースフロー形成構造又はマイクロシステムにおいて、試料溶液流、シース液流、及び、シースフロー流の各流路の幅、深さ等は、試料溶液及びそれに含まれる粒子の種類、マイクロシステムの目的・用途等に応じて、当業者が適宜きめることが出来るが、通常、流路幅:10〜100μm、流路深さ:5〜100μmである。
各流路(深さは、100μm、50μm、及び5μmの3通り)を含む本発明のシースフロー形成構造の一例を模式的に図4に示す。
該マイクロシステムには、目的・用途等に応じて、例えば、試料溶液注入路、試料溶液排出路、シース液注入路、廃液口、回収流路、及び、試料検出部等の任意の要素を備えて成ることも可能である。
例えば、本発明のマイクロシステムにおいて分離された試料の検出は、例えば、光源からの光を分析流路に入射させ、分析流路内での蛍光を検出器で検出するもの、流路に電極を挿入して電気化学変化量を測定するもの、流路からの溶液を質量分析計に導き測定するもの等、当業者に公知の任意の手段を用いることができる。
本発明のシースフロー形成構造又はマイクロシステムは当業者に公知の方法で作製することが出来る。特に、第一の構造が第一集束領域又は第二集束領域のいずれか一つの領域のみに設けられており、他の領域には第二の構造が設けられている場合は、中空構造を含まない多段(段差)構造が設けられた片面の基板をもう一方の平面基板に接合するという、極めて簡便な方法で作製することが可能となる。
例えば、各種ガラス、石英、及びSi基板等上にフォトリソグラフィを用いるマイクロファブリケーションにより鋳型を作製し、これをポリジメチルシロキサン(PDMS)等の適当な樹脂に転写し、得られた多段(段差)構造を有する基板を平面基板とプラズマ接合等の任意の方法で接合することによって、本発明のシースフロー形成構造又はマイクロシステムを容易に作製することが可能である。
フォトリソグラフィによる鋳型の作製は、例えば、フォトレジスト塗布、分離流路のパターニング(露光、現像)、Siエッチング、レジスト除去、フォトレジスト塗布、インジェクションホールパターニング、Siエッチング、レジスト除去、表面酸化、陽極接合のプロセスで行なうことが出来る。
尚、ポリジメチルシロキサン(PDMS)はシリコーンゴムの一種であり、モールディング(型取り)によりマイクロ構造が製作でき、サブミクロンの構造まで転写可能である。自己吸着性があるため、大きな内圧を必要としない場合は基盤に貼り付けるだけでシール出来る。又、無色透明であり、可視光領域による吸収が小さく、自家蛍光もほとんどみられず、生体適合性材料で細胞や組織に悪影響がないため、バイオ分野で用いられる蛍光検出にも適している。 更に、ガラスやプラスティック製のチップと異なり、 ウェットエッチングや高温接合を必要とせず、比較的容易に作ることができる。
以下、参考例及び実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに何ら限定されるものではない。
流体シミュレーションソフトウェア(Coventor Ware,丸紅情報システムス株式会社)を使用してシミュレーションを行ない、本発明のシースフロー形成構造における第一の構造よって、シース液流によって該試料溶液流が流路の中央方向へ集束する様子を確認した(図5)。図中、シース液と試料溶液を同流量で注入したときの流路断面図において試料溶液が流れる範囲を試料の濃度として示した。また、その際の流路断面における流れの向きを→で示した。このシミュレーションによって、シース液を下部より注入することにより、下流において試料溶液の大部分が流路上部方向へと遷移していることが示された。
図4に示した本発明のシースフロー形成構造において、試料溶液として蛍光色素(ローダミン6G)の水溶液及びシース溶液として水を用いて実際にシースフローを形成した。ローダミン6Gが流路中央付近に集束されていることが判る(図6)。
キャリア溶液流量:試料溶液流量 = 20 μL/min : 1 μL/min。
試料溶液として直径10μmの蛍光ビーズの水溶液を用いて、実施例2と同様の実験を行なった。流路中央付近にビーズが集束されている(図7)。キャリア溶液流量:試料溶液流量 = 5 μL/min : 1μL/min。
試料溶液として直径2μmの蛍光ビーズの水溶液を用いて、実施例2と同様の実験を行い、同一のマイクロシステムにおいて、シースフローによる絞込みの有り無しにおける各蛍光ビーズの線速度を測定した。シースフローによる絞込みによって流路内を通過する蛍光ビーズの線速度のばらつきが狭くなっていることが分かる(図8)。キャリア溶液流量:試料溶液流量 = 3.5 μL/min : 0.5 μL/min 又は 0μL/min : 4μL/min。
尚、「シースフロー無し」は、同一のシステムにおいて、シース液流を止め、その代わりに合流後の最終流量が同一になるように試料溶液の流量を増やして実施した。
更に、本発明のシースフロー形成構造の第一の構造における、シ−ス液(キャリア)導入流路と試料溶液(サンプル)流を含む流路の深さの割合の最適化を実施例1と同様のソフトウェアを使用したシミュレーションにより検討した。即ち、以下の条件でシュレーションを実施した。サンプル濃度をカラーマップで表示し、キャリアとの境界を濃度から算出した。
サンプル流路幅:50μm サンプル流路高さ:100μm キャリア流路幅:50μm
キャリア流路の高さ: 2.5, 5.0, 10, 15, 20, 25, 30, 及び50μm
合流形状:90度(45度でも最終的な分布に目立った差異は見られない)
流量:キャリア : サンプル: キャリア(以下の3通り)
(1)1.0μl/min : 1.0μl/min : 1.0μl/min = 1:1:1
(2)0.5μl/min : 1.0μl/min : 0.5μl/min = 0.5:1:0.5
(3) 0.25μl/min : 1.0μl/min : 0.25μl/min = 0.25:1:0.25
図9に示した結果から、キャリアの流入量が多くなるほど、合流させるキャリア流路の高さが大きくてもサンプル流中央部を流路上方に遷移させやすいことがわかった。又、サンプル流中央部が上方に遷移できないキャリア流路高さでは、サンプル流両端部が上方に遷移している。このシミュレーションではキャリアの合計流量とサンプルの流量の比が0.5:1では深さ5μm、1:1では15 μm、2:1では30μmとほぼ流量比に比例してキャリア流路の許容流路深さが増加していることが示された。尚、実際にシースフローを形成する場合、サンプル流を流路高さ方向の中央(50μm)よりも若干下回るところまで遷移させることが望ましいため、流量比0.5:1:0.5程度のシミュレーションが適している。このことより、試料溶液の流路は合流させるキャリア流路に対して5倍以上の高さを持たせることが望ましいといえる。
本発明のシースフロー形成構造を含むマイクロシステム生化学、薬学、及び医学等の分野において様々な目的で使用することが可能である。

Claims (10)

  1. 第一集束領域及び第二集束領域を有する、試料溶液流を流路中央方向に集束させるシースフロー形成構造であって:
    (1)該第一集束領域又は第二集束領域の少なくともいずれか一つの領域において、試料溶液流を含む流路の第一の面と共通する面を有し且段差が異なるシ−ス液導入流路を該試料溶液流を含む流路の両側方から合流させ、シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第一の構造;
    (2)第一の構造を有していない該第一集束領域又は第二集束領域において、試料溶液流を含む流路の第一の面以外の3つの面からシ−ス液を合流させ、シース液流によって第一の面と対向する第二の面及び第一の面に対する側面の3方向から該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第二の構造、を有することを特徴とする前記シースフロー形成構造、を有するマイクロチップ
  2. 第一の構造において、試料溶液流を含む流路の第一の面と共通する面を有し且段差が異なるシ−ス液導入流路が該試料溶液流を含む流路と該流路方向に対して直交方向から合流することを特徴とする、請求項1記載のマイクロチップ
  3. 第一の面が試料溶液流を含む流路の上面又は下面に相当することを特徴とする、請求項1又は2に記載のマイクロチップ
  4. 第一の構造において、試料溶液流を含む流路の段差がシ−ス液導入流路の段差の5倍以上であることを特徴とする、請求項1ないし3いずれか一項に記載のマイクロチップ
  5. 第一の構造が第二集束領域に、及び、第二の構造が第一集束領域に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4いずれか一項に記載のマイクロチップ
  6. シース液が上流で分岐した後に第一集束領域及び第二集束領域で試料溶液流を含む流路に合流する、請求項1ないし5いずれか一項に記載のマイクロチップ
  7. 更に、第二集束領域において形成されたシースフローが流れる流路の段差を小さくし、シースフローのより中央部に試料溶液流が流れるようにする第三の構造を有する第三集束領域を含むことを特徴とする、請求項1ないし6いずれか一項に記載のマイクロチップ
  8. 第一の構造が第一集束領域又は第二集束領域のいずれか一つの領域のみに設けられた、請求項1ないし7いずれか一項に記載のマイクロチップの作製方法であって、段差構造が設けられた基板及び平面基板を接合することによって第一の構造における段差を形成することを含む、前記方法。
  9. 段差構造が設けられた基板がフォトリソグラフィを用いて作製した鋳型から転写された樹脂から成り、平面基板がガラス基板である、請求項8記載の作製方法。
  10. 樹脂がポリジメチルシロキサンである、請求項9記載の作製方法。
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