JP5699791B2 - サーモスタットの故障診断装置および故障診断方法 - Google Patents

サーモスタットの故障診断装置および故障診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の冷却水を選択的に分流制御するサーモスタットの故障診断装置および故障診断方法に関する。
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献には、エンジンから排出された冷却水を冷却する冷却系に設けられた電気制御式のサーモスタットの故障を検出する技術が記載されている。
この技術で採用されたサーモスタットは、冷却水が流通する上流側の2つの流通路の何れか一方と、下流側の1つの流通路とを連通制御する三方切換弁で構成されている。サーモスタットは、上流側のエンジンならびにラジエータから排出された冷却水の何れか一方を選択し、選択した冷却水を下流側のエンジンに戻している。
このようなサーモスタットは、エンジンの出口に設けらた温度センサで検出された実冷却水温度に基づいて弁の開閉故障が検出される。
特許第4385492号公報
上述したように、サーモスタットの下流側の流通路が1つの場合には、例えばエンジンの出口の冷却水の実温度を検出するだけでサーモスタットの故障を検出することが可能である。
しかし、上記技術では、サーモスタットの下流側に冷却水の流通路が複数設けられ、この複数の流通路をサーモスタットが開閉路制御するような場合には、複数の流通路の何れの開閉においてサーモスタットが故障しているか否かを検出することは困難であった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構成の大型化やコストの上昇を招かずに、サーモスタットの下流側にそれぞれ熱交換手段を備えた複数の回路を開閉路制御するサーモスタットの故障を診断するサーモスタットの故障診断装置および故障診断方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関から排出された冷却水を下流側の複数の回路に選択的に分流制御するサーモスタットの故障を診断する際に、分流した冷却水が合流する合流点における、複数の回路がそれぞれ開閉路故障している場合の冷却水の温度と、合流後の冷却水の温度との比較結果に基づいて、サーモスタットにおける複数の前記回路に対応した開閉路故障を診断することを特徴とする。
本発明によれば、合流点の冷却水の温度と、複数の回路がそれぞれ開閉路故障している場合の冷却水の温度とに基づいて、サーモスタットの故障が検出されるので、サーモスタットにおける複数の回路に対応した開閉路故障が診断することができる。この結果、構成の大型化やコストの上昇を招くことなくサーモスタットの故障を診断することができる。
本発明の実施形態1に係るサーモスタットの故障診断装置を備えた、内燃機関における冷却水循環システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係るサーモスタットの故障診断装置を備えた、内燃機関における他の冷却水循環システムの構成を示す図である。 サーモスタットの故障診断の手順を示すフローチャートである。 サーモスタットにおける開閉路故障している回路を特定する手順を示すフローチャートである。
以下、図面を用いて本発明を実施するための実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係るサーモスタットの故障診断装置を備えた、内燃機関における冷却水循環システムの構成を示す図である。この実施形態1に係る故障診断装置は、内燃機関における冷却水循環システムに設けられた電気制御式のサーモスタットの故障を診断する。
先ず、内燃機関における冷却水循環システムの構成について説明する。例えば車両用のエンジンなどの内燃機関100には、冷媒となるLLC(ロングライフクーラント)などの冷却水が循環する内部流水通路101が形成されている。この内部流水通路101には、内燃機関100の外部設けられた複数の外部流水通回路が接続されている。外部流水通回路は、この実施形態1では例えばラジエータ回路102、ヒータ回路103、T/M(トランスミッション)オイルクーラ回路104ならびにスロットルチャンバー回路105で構成されている。以下、ラジエータ回路102、ヒータ回路103、T/Mオイルクーラ回路104を総称する場合には、複数の回路と記載する。
ラジエータ回路102は、上流側から順に、電気制御式のサーモスタット106、熱交換手段として機能するラジエータ107、ウォータポンプ108が接続されている。ラジエータ回路102では、内部流水通路101で加温された冷却水が、ラジエータ107との間で熱交換して冷却された後内燃機関100の内部流水通路101の入口側に戻される。すなわち、冷却水は、ウォータポンプ108の駆動力により内燃機関100とラジエータ回路102とを循環することで冷却される。
ヒータ回路103は、上流側から順に、電気制御式のサーモスタット106、熱交換手段として機能するヒータ109、ウォータポンプ108が接続されている。ヒータ回路103では、内部流水通路101で加温された冷却水が、車室内に温風を供給するヒータ109のブロアファンの送風空気との間で熱交換して冷却される。冷却後、冷却水は内燃機関100の内部流水通路101の入口側に戻される。すなわち、冷却水は、ウォータポンプ108の駆動力により内燃機関100とヒータ回路103とを循環することで冷却される。
T/Mオイルクーラ回路104は、上流側から順に、電気制御式のサーモスタット106、熱交換手段として機能するT/Mオイルクーラ110、ウォータポンプ108が接続されている。T/Mオイルクーラ回路104では、内燃機関の内部流水通路101で加温された冷却水が、トランスミッション118の潤滑用オイルを冷却するT/Mオイルクーラ110との間で熱交換して冷却される。冷却後、冷却水は内燃機関100の内部流水通路101の入口側に戻される。すなわち、冷却水は、ウォータポンプ108の駆動力により内燃機関100とT/Mオイルクーラ回路104とを循環することで冷却される。
スロットルチャンバー回路105は、上流側から順に、熱交換手段として機能するスロットルチャンバー111、ウォータポンプ108が接続されている。スロットルチャンバー回路105では、内燃機関の内部流水通路101で加温された冷却水が、スロットルチャンバー111との間で熱交換して冷却された後内燃機関100の内部流水通路101の入口側に戻される。すなわち、冷却水は、ウォータポンプ108の駆動力により内燃機関100とスロットルチャンバー回路105とを循環することで冷却される。
ラジエータ回路102、ヒータ回路103ならびにT/Mオイルクーラ回路104は、それぞれの熱交換手段の出口側で接続されて出口の下流側で共通の回路を構成している。したがって、複数のそれぞれの回路の熱交換手段を通った冷却水は、上記複数の回路が共通接続された合流点で合流した後、ウォータポンプ108を介して内燃機関100の内部流水通路101の入口側に導入される。
なお、この実施形態1では、説明を簡単にするために、外部流水通路や熱交換手段は図1に示す上記構成を例示しているが、これに限ることはなく、外部流水通路や熱交換手段の数や種類に係わらずこの実施形態1の手法で故障を診断することができる。外部流水通路としては、上記回路に加えて図2に示すように、例えばエンジンオイルを冷却するエンジンオイルクーラ200を熱交換手段としたエンジンオイルクーラ回路201などが挙げられる。また、熱交換手段としては、ヒータ回路103に設けられたEGRクーラ202や、スロットルチャンバー回路105に設けられたターボチャージャー203、EGRバルブ204などが挙げられる。
図1に戻って、サーモスタット106は、冷却水の入口側が内燃機関100の内部流水通路101の出口に接続され、冷却水の出口側がラジエータ回路102、ヒータ回路103ならびにT/Mオイルクーラ回路104に接続されている。サーモスタット106は、フィードバック制御ユニット112の制御の下に、内燃機関100の内部流水通路101と上記複数の回路との接続をそれぞれ独立して個別に制御する。サーモスタット106は、内部流水通路101と上記複数の回路との接続(開路)/非接続(閉路)の制御を、例えば弁の開閉により行う。これにより、サーモスタット106は、内燃機関100から排出された冷却水を、ラジエータ回路102、ヒータ回路103ならびにT/Mオイルクーラ回路104に選択的に分流制御する。
フィードバック制御ユニット112は、内燃機関100から排出された冷却水の温度、外気温ならびにヒータ109の運転状態(運転されているか否か)に基づいて、サーモスタット106に弁の開閉信号(開閉指令)を与え、サーモスタット106の弁を開閉制御する。これにより、上記複数の回路は、サーモスタット106の開弁により開路状態、閉弁により閉路状態に制御される。
ラジエータ回路102、ヒータ回路103ならびにT/Mオイルクーラ回路104は、8通りの開閉路パターンに開閉路制御される。すなわち、すべての回路が開路または閉路状態、何れか1つの回路が開路状態で他の2つの回路が閉路状態、何れか2つの回路が開路状態で他の1つの回路が閉路状態に制御される。これらの開閉路パターンと、冷却水の温度、外気温ならびにヒータ109の運転状態との対応関係は、例えばマップとしてフィードバック制御ユニット112に予め記憶されて用意されている。このマップは、実機による実験やシミュレーションなどの机上解析によって作成することができる。フィードバック制御ユニット112は、これらの対応関係を参照することでサーモスタット106に弁の開閉信号を与え、複数の回路の開閉路を制御する。
内燃機関100の内部流水通路101の出口側には、水温センサ113が設けられている。この水温センサ113は、内燃機関100から排出された冷却水の温度を検出する。検出された冷却水の温度は、フィードバック制御ユニット112に与えられる。
上記複数の回路の合流点には、水温センサ114が設けられている。この水温センサ114は、合流点の冷却水の温度を検出し、検出した冷却水の温度を故障診断ユニット115に与える。
この実施形態1に係るサーモスタットの故障診断装置は、故障診断ユニット115、走行状態検出装置116ならびに警報装置117を備えている。
故障診断ユニット115は、故障診断の動作処理を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現される。故障診断ユニット115は、上記複数の回路の開閉路パターン、水温センサ113,114で検出された冷却水の温度ならびに内燃機関100の回転数を読み込む。故障診断ユニット115は、読み込んだこれらの情報ならびに予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、図3ならびに図4に示す手順を実行処理する。これにより、故障診断ユニット115は、サーモスタット106の故障を診断する一連の処理を実行することで、サーモスタット106の故障を診断する。したがって、上記サーモスタット106の故障を診断する一連の処理は、故障診断手段という、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働した具体的な手段(故障診断ユニット115)によって実現されたものである。
なお、先に説明したフィードバック制御ユニット112は、故障診断ユニット115を構成するコンピュータで構成することができ、あるいは他のコンピュータで構成することもできる。
走行状態検出装置116は、内燃機関100の回転数Gwを検出し、検出した回転数を故障診断ユニット115に与える。
警報装置117は、サーモスタット106が故障していると診断された場合に、その旨報知警報する。警報装置117は、例えば音声、表示ランプの点灯や点滅、液晶などの表示画面上での文字やマークなどの表示により報知警報することができる。
図3ならびに図4は、サーモスタットの故障、ならびに上記複数の回路の故障を診断する手順を示すフローチャートである。
先ず図3において、水温センサ113で検出された冷却水の温度をフィードバック制御ユニット112に読み込む(ステップS301)。これにより、内燃機関100の内部流水通路101から排出された冷却水の温度を検出する。続いて、温度センサ(図示せず)で検出された外気温をフィードバック制御ユニット112に読み込む(ステップS302)。さらに、ヒータ109が運転されているか否かを検出して、その検出結果をフィードバック制御ユニット112に読み込む(ステップS302)。その後、上記読み込んだ情報ならびに上述した対応関係に基づいて、フィードバック制御ユニット112で複数の回路の開閉路パターンを検出する(ステップS303)。続いて、内燃機関100の回転数をフィードバック制御ユニット112に読み込む(ステップS304)。
次に、上記複数の回路におけるそれぞれの循環流量を算出する(ステップS305)。循環流量Gwは、内燃機関100の回転数に比例するので、次式(1)により算出される。
(数1)
Gw=Ne×係数 …(1)
ここで、Gwは循環流量、Neは内燃機関100の回転数であり、係数はそれぞれの回路に対応して実験や机上のシミュレーションなどの解析により予め求めることができる。
次に、先のステップS303で検出された開閉路パターンに基づいて、ラジエータ回路102が開路されて冷却水が流通しているか否かを判別する(ステップS306)。判別の結果、サーモスタット106が正常でラジエータ回路102が開路されて冷却水が流通しているものと判別した場合には、内燃機関100から排出された冷却水は、ラジエータ107で冷却される。そこで先ず、先ずラジエータ107の放熱量を、次式(2)により算出する(ステップS307)。
(数2)
Qr rad=αr rad×(Tw in−Tr rad) …(2)
ここで、Qr radはラジエータ107の放熱量、αr radはラジエータ107の熱伝達率、Tw inはラジエータ107の入口の冷却水温度、Tr radはラジエータ107の前面の空気温度である。なお、ラジエータ107の入口の冷却水温度は、内燃機関100の出口の冷却水温度とし、水温センサ113で検出された冷却水の温度とする。
続いて、ラジエータ107と冷却水との熱交換による冷却水の放熱量を、次式(3)により算出する。
(数3)
Qr rad=(Tw out(rad)−Tw in)×Gw rad×比重×比熱 …(3)
ここで、Tw out(rad)はラジエータ107の出口の冷却水温度、Gw radはラジエータ107の循環流量、比重と比熱は冷却水の比重と比熱であり冷却水の仕様によって決まる値である。
上式(2)と(3)とが等しいことにより、ラジエータ107で熱交換された後の冷却水の温度(Tw out(rad))を算出する(ステップS307)。
ラジエータ107で熱交換された後の冷却水の温度を算出した後、もしくは上記ステップS306の判別の結果、ラジエータ回路102が閉路状態であるものと判別した場合には、続いてヒータ回路103における開閉路を判別する。すなわち、先のステップS303で検出された開閉路パターンに基づいて、ヒータ回路103が開路されて冷却水が流通しているか否かを判別する(ステップS308)。判別の結果、サーモスタット106が正常でヒータ回路103が開路されて冷却水が流通しているものと判別し、ヒータ109が稼働している場合には、内燃機関100から排出された冷却水は、ヒータ109のブロアファンの送風空気で冷却される。そこで先ず、先ずヒータ109における空気放熱量を、次式(4)により算出する。
(数4)
Qr ht=αr ht×(Tw in−Ta ht) …(4)
ここで、Qr htはヒータ109の空気放熱量、αr htはヒータ109の熱伝達率、Tw inはヒータ109の入口の冷却水温度、Ta radはヒータ109におけるブロアファンの出口空気温度(ヒータの入口の空気温度)である。このブロアファンの出口空気温度は、ヒータ109が外気導入時には、外気温とブロアファンによる昇温との和として算出される。一方、ヒータ109が内気循環時には、車内温度とブロアファンによる昇温との和として算出される。なお、ヒータ109の入口の冷却水温度は、内燃機関100の出口の冷却水温度とし、水温センサ113で検出された冷却水の温度とする。
続いて、ヒータ109の送風空気と冷却水との熱交換による冷却水の放熱量を、次式(5)により算出する。
(数5)
Qr rad=(Tw out(ht)−Tw in)×Gw ht×比重×比熱 …(5)
ここで、Tw out(ht)はヒータ109の出口の冷却水温度、Gw htはヒータ109の循環流量、比重と比熱は先に説明したと同様である。
上式(4)と(5)とが等しいことにより、ヒータ109で熱交換された後の冷却水の温度(Tw out(ht))を算出する(ステップS309)。
ヒータ109で熱交換された後の冷却水の温度を算出した後、もしくは上記ステップS308の判別の結果、ヒータ回路103が閉路状態であるものと判別した場合には、続いて、T/Mオイルクーラ回路104における開閉路を判別する。すなわち、先のステップS303で検出された開閉路パターンに基づいて、T/Mオイルクーラ回路104が開路されて冷却水が流通しているか否かを判別する(ステップS310)。判別の結果、T/Mオイルクーラ回路104が開路されて冷却水が流通しているものと判別した場合には、内燃機関100から排出された冷却水は、T/Mオイルクーラ110で冷却される。
そこで先ず、T/Mオイルクーラ110の入口におけるオイルの温度を検出する(ステップS311)。このオイル温度To inは、オイルパン(オイル溜)の温度に約3℃程度を加算した温度として算出する。オイルパンの温度は、オイルパンに取り付けられている温度センサにより検出する。
続いて、T/Mオイルクーラ110における放熱量を、次式(6)により算出する。
(数6)
Qr tm=αr tm×(Tw in−To in) …(6)
ここで、Qr tmはT/Mオイルクーラ110の放熱量、αr tmはT/Mオイルクーラ110の熱伝達率、Tw inはT/Mオイルクーラ110の入口の冷却水温度、To inは上記オイル温度である。なお、T/Mオイルクーラ110の入口の冷却水温度は、内燃機関100の出口の冷却水温度とし、水温センサ113で検出された冷却水の温度とする。
さらに、T/Mオイルクーラ110と冷却水との熱交換による冷却水の放熱量を、次式(7)により算出する。
(数7)
Qr tm=(Tw out(tm)−Tw in)×Gw tm×比重×比熱 …(7)
ここで、Tw out(tm)はT/Mオイルクーラ110の出口の冷却水温度、Gw tmはT/Mオイルクーラ110の循環流量、比重と比熱は先に説明したと同様である。
上式(6)と(7)とが等しいことにより、T/Mオイルクーラ110で熱交換された後の冷却水の温度(Tw out(tm))を算出する(ステップS312)。
T/Mオイルクーラ110で熱交換された後の冷却水の温度を算出した後、水温センサ114が設けられた、合流点における冷却水の温度を推定する(ステップS313)。また、上記ステップS308における判別の結果、T/Mオイルクーラ回路104が閉路されているものと判別した場合には、上記ステップS313で示す処理を実行する。合流点における冷却水の温度は、上記算出した各回路における熱交換後の冷却水の温度Tw out(rad)、Tw out(ht)、Tw out(tm)に基づいて推定される。
推定の手法としては、例えば以下のような手法が用いられる。先ず上記複数の回路における熱交換後の冷却水の温度から合流後の冷却水の温度を算出する算出式を予め用意する。もしくは、各回路における熱交換後の冷却水温度と合流後の冷却水の温度との関係を示すマップを作成して予め用意する。先のステップS307、S309、S312で算出した各回路における熱交換後の冷却水の温度に基づいて、上記用意した算出式で算出し、もしくはマップを参照して上記複数の回路が合流する合流点における冷却水の温度を推定する。上記算出式もしくはマップは、サーモスタット106が正常時の実機による実験やシミュレーションなどの机上解析で得られたデータに基づいて予め作成し、故障診断ユニット115に記憶して用意しておくことができる。
次に、水温センサ114で検出された冷却水の温度を故障診断ユニット115に読み込む(ステップS314)。読み込んだ後、合流点における冷却水の推定温度(T推定)と実測温度(T実測)との差△T(=T推定−T実測)を算出する(ステップS315)。
続いて、上記差△Tの絶対値と、誤差などを考慮して予め設定された偏差γとの大小関係を判別する(ステップS316)。サーモスタット106が正常で上記複数の回路がすべて開閉指令通りに正常に制御されている場合には、上記T推定とT実測との差△Tは、所定の範囲内に収まる。この所定の範囲を上記偏差γの値で規定している。
一方、サーモスタット106が故障して、上記複数の回路の少なくとも1つの回路が開閉路故障している場合には、正常な場合に比べて冷却水の放熱量が異なるので、上記T推定とT実測との差△Tは、所定の範囲内に収まらなくなる。
したがって、上記差△Tの絶対値が偏差γよりも小さい場合もしくは同じ場合は、サーモスタット106により上記複数の回路は正常に開閉路制御されており、その結果サーモスタット106は故障していないものと診断して、一連の処理を終了する。一方、上記差△Tの絶対値が偏差γよりも大きい場合には、サーモスタット106により上記複数の回路は正常に開閉路制御されておらず、その結果サーモスタット106が故障しているものと診断する。診断後、一連の処理として、サーモスタット106により正常に開閉路制御されていない回路を特定する処理を実行する(ステップS317)。
図4は先の図3のステップS317に示す処理を実行して、サーモスタット106の故障により正常に開閉路制御されていない回路を特定する手順を示すフローチャートである。図4において、先ず上記複数の回路の内、ラジエータ回路102が正常に開閉路制御されていない(開路または閉路故障している)か否かを診断する。この診断では、先ずラジエータ回路102が開路故障もしくは閉路故障しているときの合流点における冷却水の温度を推定する(ステップS401)。この推定は、先に説明した、上記複数の回路における熱交換後の冷却水の温度から合流後の冷却水の温度を推定する手法と同様にして、算出式やマップを用いて行うことができる。
続いて、水温センサ114で検出された冷却水の温度を故障診断ユニット115に読み込み、読み込んだ冷却水の温度と先のステップS401で推定した故障時の冷却水の温度とを比較する(ステップS402)。比較の結果、両者が概ね同じである場合は、ラジエータ回路102は、サーモスタット106の故障により正常に開閉路制御されておらず、故障しているものと診断する(ステップS403)。診断後、ラジエータ回路102が正常に開閉路制御されておらず故障している旨、警報装置117により報知警報する(ステップS404)。
一方、先のステップS402の比較結果において、両者が異なっている場合には、次いでヒータ回路103が正常に開閉路制御されていない(開路または閉路故障している)か否かを診断する。この診断では、先ずヒータ回路103が開路故障もしくは閉路故障しているときの合流点の冷却水の温度を推定する(ステップS405)。この推定は、上記ラジエータ回路102の場合と同様に算出式やマップを用いて行うことができる。
続いて、水温センサ114で検出された冷却水の温度を故障診断ユニット115に読み込み、読み込んだ冷却水の温度と先のステップS405で推定した故障時の冷却水の温度とを比較する(ステップS406)。比較の結果、両者が概ね同じである場合は、ヒータ回路103は、サーモスタット106の故障により正常に開閉路制御されておらず、故障しているものと診断する(ステップS407)。診断後、ヒータ回路103が正常に開閉路制御されておらず故障している旨、警報装置117により報知警報する(ステップS408)。
一方、先のステップS406の比較結果において、両者が異なっている場合には、次いでT/Mオイルクーラ回路104が正常に開閉路制御されていない(開路または閉路故障している)か否かを診断する。この診断では、先ずT/Mオイルクーラ回路104が開路故障もしくは閉路故障しているときの合流点の冷却水の温度を推定する(ステップS409)。この推定は、上記ラジエータ回路102の場合と同様に算出式やマップを用いて行うことができる。
続いて、水温センサ114で検出された冷却水の温度を故障診断ユニット115に読み込み、読み込んだ冷却水の温度と先のステップS405で推定した故障時の冷却水の温度とを比較する(ステップS410)。比較の結果、両者が概ね同じである場合は、T/Mオイルクーラ回路104は、サーモスタット106の故障により正常に開閉路制御されておらず、故障しているものと診断する(ステップS411)。診断後、T/Mオイルクーラ回路104が正常に開閉路制御されておらず故障している旨、警報装置117により報知警報する(ステップS412)。
一方、比較の結果、両者が異なっている場合には、上記複数の回路は故障していないものと診断して(ステップS413)、一連の処理を終了する。
このように、この実施形態1では、下流側に冷却水を冷却する複数の回路が設けられたサーモスタット106の故障を診断することができる。また、サーモスタット106が故障していると診断されたときに、上記複数の回路に対してサーモスタット106により正常に開閉路制御されていない回路を特定することができる。これにより、サーモスタット106における上記複数の回路に対応した開閉路故障を診断することができる。
サーモスタット106の下流側に冷却水を冷却する複数の回路を有する場合に、上記複数の回路のそれぞれに水温センサを設けることで、サーモスタット106における上記複数の回路に対応した開閉路故障を診断することが可能となる。しかしながら、サーモスタット106の下流側に冷却水を冷却する回路が増えるにしたがって、水温センサの個数も増えることになる。この結果、構成の大型化やコストの上昇を招くおそれがある。
これに対して、この実施形態1では、内燃機関100の入口側、すなわち上記複数の回路を流通する冷却水の合流点に1つだけ水温センサ114を設けるだけで、サーモスタット106における上記複数の回路に対応した開閉路故障を診断することができる。この結果、上記複数の回路のそれぞれに水温センサを設ける構成に対して、構成の大型化やコストの上昇を回避することができるといった、有利な効果を達成することができる。
なお、図4に示す一連の処理では、ヒータ回路103の故障を診断する際に、ラジエータ回路102が正常であることを前提としていが、ラジエータ回路102が故障していると診断されたことを前提として、ヒータ回路103の故障を診断するようにしてもよい。また同様に、T/Mオイルクーラ回路104の故障を診断する際に、ラジエータ回路102ならびにヒータ回路103が正常であることを前提としている。これに対して、ラジエータ回路102ならびにヒータ回路103が故障していると診断されたことを前提として、T/Mオイルクーラ回路104の故障を診断するようにしてもよい。
このような処理を実行することで、上記複数の回路を独立して個別に故障診断することができる。これにより、上記複数の回路に対して独立して個別にサーモスタット106の開閉路故障を診断することができる。
水温センサ113で検出された温度を、ラジエータ回路102、ヒータ回路103ならびにT/Mオイルクーラ回路104の入口における冷却水の温度としているので、それぞれの熱交換手段の入口に水温センサを個別に設ける必要はなくなる。これにより、構成の大型化やコストの上昇を回避することができる。
サーモスタット106が故障しているものと診断された場合には、その旨報知警報する警報装置117を設けたので、サーモスタット106の故障を直ちに報知して対処することが可能となる。
100…内燃機関
101…内部流水通路
102…ラジエータ回路
103…ヒータ回路
104…オイルクーラ回路
105…スロットルチャンバー回路
106…サーモスタット
107…ラジエータ
108…ウォータポンプ
109…ヒータ
110…オイルクーラ
111…スロットルチャンバー
112…フィードバック制御ユニット
113,114…水温センサ
115…故障診断ユニット
116…走行状態検出装置
117…警報装置
118…トランスミッション
200…エンジンオイルクーラ
201…エンジンオイルクーラ回路
202…EGRクーラ
203…ターボチャージャー
204…EGRバルブ

Claims (6)

  1. 内燃機関から排出された冷却水は、複数の回路に選択的に分流され、分流された冷却水は複数の前記回路のそれぞれに設けられた熱交換手段を介して合流点で合流した後前記内燃機関に戻って循環する冷却水循環システムに設けられたサーモスタットの故障を診断し、前記サーモスタットは、複数の前記回路をそれぞれ独立して開閉路制御して、上流側の前記内燃機関から排出された冷却水を下流側の複数の前記回路に選択的に分流するサーモスタットの故障診断装置であって、
    複数の前記回路の冷却水が合流する合流点と前記内燃機関における冷却水の入口との間に設けられ、合流後の冷却水の温度を検出する第1の温度検出手段と、
    複数の前記回路がそれぞれ開閉路故障している場合の合流点における冷却水の温度を推定し、推定した冷却水の温度と、前記第1の温度検出手段で検出された冷却水の温度との比較結果に基づいて、前記サーモスタットにおける複数の前記回路に対応した開閉路故障を診断する故障診断手段と
    を有することを特徴とするサーモスタットの故障診断装置。
  2. 前記故障診断手段は、それぞれの前記熱交換手段の出口における冷却水の温度を算出し、算出したそれぞれの前記熱交換手段の出口における冷却水の温度に基づいて、合流点の冷却水の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のサーモスタットの故障診断装置。
  3. 前記故障診断装置は、前記熱交換手段の放熱量と、前記回路における冷却水の循環流量と、前記熱交換手段の入口における冷却水の温度とに基づいて、それぞれの前記熱交換手段の出口における冷却水の温度を算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載のサーモスタットの故障診断装置。
  4. 前記内燃機関の出口における冷却水の温度を検出する第2の温度検出手段を有し、
    前記第2の温度検出手段で検出された冷却水の温度を、前記熱交換手段の入口における冷却水の温度とする
    ことを特徴とする請求項3に記載のサーモスタットの故障診断装置。
  5. 前記サーモスタットが故障しているものと診断された場合には、その旨報知警報する警報手段
    を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のサーモスタットの故障診断装置。
  6. 内燃機関から排出された冷却水は、複数の回路に選択的に分流され、分流された冷却水は複数の前記回路のそれぞれに設けられた熱交換手段を介して合流点で合流した後前記内燃機関に戻って循環する冷却水循環システムに設けられたサーモスタットの故障を診断し、前記サーモスタットは、複数の前記回路をそれぞれ独立して開閉路制御して、上流側の前記内燃機関から排出された冷却水を下流側の複数の前記回路に選択的に分流するサーモスタットの故障診断方法であって、
    複数の前記回路がそれぞれ開閉路故障している場合の合流点における冷却水の温度を推定し、推定した冷却水の温度と、複数の前記回路の冷却水が合流する合流点における冷却水の温度との比較結果に基づいて、前記サーモスタットにおける複数の前記回路に対応した開閉路故障を診断する
    ことを特徴とするサーモスタットの故障診断方法。
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