以下に、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[1.第1実施形態]
まず、図1〜図4を用いて、第1実施形態にかかる展示台S1の使用状態について説明する。
図1は第1実施形態にかかる展示台S1の折畳状態における各構成部材の配置を透過的に示す概念図であり、図2は第1実施形態にかかる折畳状態から階段状態への遷移を示す概念図であり、図3は第1実施形態にかかる展示台S1の階段状態を示す外観図であり、図4は第1実施形態にかかる階段状態における商品を収容した様子を示す概念図である。なお、各部材の詳細については後述する。また、以下のすべて実施形態にかかる図面において、同一の部材名又は部材番号が示された部材は、少なくとも同一の構成及び同一の機能を有するものとする。なお、説明の便宜上、以下の全ての実施形態では、背面部において、可動部材が備えられる面を前面とし、当該可動部材が備えられる面と対向する面を背面とする。
さらに、説明の便宜上、座標軸200を定義する。座標軸200において、Y軸方向(紙面の鉛直方向)を総称して垂直方向と、X軸方向(紙面の水平方向)を水平方向とそれぞれ方向を定義する。さらに、Y軸の矢印が示す方向を上方と、Y軸の矢印が示す方向と対向する方向を下方とそれぞれ定義する。この座標軸200についても、特に示す場合を除き以下の全ての実施形態及び図面において共通するものとする。
図1に示すように、本実施形態にかかる展示台S1は、背面板1の前面に可動部材20が設けられている。
可動部材20は、可動片21(本願の一対の可動片の一例)と、可動片22(本願の一対の可動片の一例)と、可動面23(本願の可動面の一例)と、底面部24と、から構成される。
可動片21と可動面23は折り線25を介して、可動片22と可動面23は折り線26を介して、底面部24と可動片22は折り線27を介して、底面部24と可動片21は折り線28を介して、それぞれ折り畳み可能(回動可能)に連接される。換言すれば、可動面23は、可動片21及び可動片22に架設されている。
このように構成される可動部材20は、可動片21、可動面23、可動片22、及び底面部24を側面部とし、断面略矩形の中空部が連続する角筒状の部材であり、可動片21と可動片22を折り畳むと、可動面23を背面板1に近接した位置に配置(一対の可動片21と可動片22を背面板1に近接させた位置で配置)することができる。
また、可動部材20の内部(上記中空部)には、固定部材50(本願の固定部材の一例)が配置されている。
固定部材50の下端片52は、可動面23と可動片22の連接部である折り線26に固定される。また、固定部材の上端片57は、可動片21と底面部24の連接部である折り線28と背面板1を貫通して、背面板1の背面に固定される。
具体的に、下端片52は、可動部材20に形成(穿孔)された穴部30から外部(上記中空部から外部)へ導出される。この穴部30は、下端片52が貫通できる程度の巾が設けられた略長方形のスリット状の穴である。そして、穴部30のスリット状の穴形状のうち長手方向の端部(後述する図6の30a参照)は、折り線26と略同一直線状に配置されるように穿孔される。
そして、外部へ導出された下端片52は、折り線53で折り曲げられる。この折り線53は、上述した穴部30の長手方向の端部30aと重なる個所で折り曲げられ、可動片22に、例えば粘着手段によって固定される。
なお、粘着手段の一例としては、テープ、糊、面ファスナー等を適用することができる。以下、固定という場合には、上記粘着手段によって固定される場合を含むものとする。
固定部材50の上端片57は、可動部材20に形成された穴部31から外部へ導出される。そして、外部へ導出された上端片57は、更に、背面板1に形成された穴部2から、背面板1の背部へ導出され、折り線55a及び折り線55bで折り曲げられ、背面板1の背部の面ファスナー11(又は面ファスナー11と位置をずらして設けられた面ファスナー12)と、固定部材50に設けられた面ファスナー56によって、着脱可能(係脱可能)に固定される。この着脱可能に固定する手段としては面ファスナーを適用したが、釦等を適用することもできる。
この状態での固定部材50の折り線53から折り線55aまでの長さは、可動部材20が折り畳まれた状態での折り線26から折り線28までの直線距離(最短距離)と略同一であり、折り畳まれた可動部材20の内部で略直線状に配置されている。そして、上述したように、可動部材50の下端片52及び上端片57は固定されているため、可動部材20は、固定部材50によって、背面板1へ近接する方向へ荷重が加えられる。その結果、可動部材20は、背面板1へ近接された状態(換言すれば、折り畳まれた状態)で固定(補形)される。以下に説明する実施形態において、この状態を、折畳状態と定義する。
この折畳状態では、展示台S1の水平方向の長さを短くすることができるため(即ち、展開状態の展示台S1の水平方向の幅を薄くできる)、展示台S1を保管する際にかさばらず、優れた収納性を発揮する。
図2に示すように、面ファスナー11及び面ファスナー56を相互に外し、固定部材50(上端片57)を上部に引き上げると(矢印Aの方向へ引き上げる)、可動片22は、折り線27を基準に回動し(矢印Bの方向に回動する)、背面板1上に立設する。この時、可動片21は、可動面23を介して可動片22と連接されているため、可動片22の立設に連動して、背面板1上に立設する。
図3に示すように、固定部材50の上端片57を、折り線54a及び折り線54bで折り曲げて、面ファスナー11及び面ファスナー56を相互に圧着(係止)すると、背面板1、可動片21及び可動面23は、階段状に配置された位置で固定される。このとき、可動部材20は、断面略矩形の中空部が連続する角筒状の形態を示している。
この状態での固定部材50の折り線53から折り線54aまでの長さは、可動部材20が上記角筒状の形態を示す場合の折り線26から折り線28までの直線距離(最短距離)と略同一であり、角筒状の形態を示す可動部材20の内部で対角線上に配置されている。
そして、上述したように、固定部材50の下端片52は固定され、固定部材50の上端片57は折り線54a及び折り線54bによって折り曲げられて固定されているため、可動部材20は、固定部材50によって、角筒状の形態が維持されるように固定(補形)されている。すなわち、可動部材20を折り畳む方向に負荷が加えられても、固定部材50の両端部(上端片57及び下端片52)が固定されているため、可動部材20は、角筒状の形態を維持する。以下に説明する実施形態において、この状態を、階段状態と定義する。
そして本実施形態における階段状態において、実際に商品を展示する場合には、図4に示すように、展示台S1の可動片21に、商品100を載置する。
なお、商品の広告等を示す情報表示や、商品のパンフレット等が挿入されたポケットを設ける情報提示部300を、背面板1又は可動面23の前面に提示するようにしてもよい。
また、展示台S1は、階段状態において、壁等の壁面に設置された吊下具に、背板1に穿孔された穴部7及び穴部9に連通される紐13を係止(例えば、引っ掛ける)することにより、商品100を垂直方向に配列して展示することができる。
また、展示台S1は、階段状態において、設置面に可動片22を当接させることによって、商品100を載置して展示することもできる。
このように、本実施形態における展示台S1は、商品を吊下げて又は載置して展示することができるため、販売環境に応じて商品を展示することができる。
次に、図5〜図7を用いて、第1実施形態にかかる展示台S1の詳細について説明する。
まず、図5を用いて、第1実施形態にかかる背面板1の詳細について説明する。
図5は、第1実施形態にかかる背面板1の展開時の形状を示す展開図である。なお、図5に示す例では、背面板1を背面からみた場合の展開図である。
図5に示すように、背面板1は、紙、上質紙、ボール紙やPET材等の薄型樹脂製板材等の折り曲げ自在の板状の部材を素材とし、穴部2、穴部7、及び穴部9が設けられた背面板1と、この背面板1の左右両端部には折り線4及び折り線6を介して、折り曲げ片3及び折り曲げ片5(本願の折り曲げ片の一例)が連接されている。
背面板1は、上述した板状の部材を、この背面板1と略同じ形の金型(例えば、いわゆるビク型等)により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図5における実線部分の切断が行われる。
なお、このような板状の部材を形成する金型は、合成樹脂により構成される製品を形成する金型のようにキャビティ型及びコア型から構成されるいわゆる二枚構造ではなく、また、イジェクタピン等の機構を備える必要がないため、低価格で製作することができる。
さらに、このような板状の部材を形成する金型は、合成樹脂により構成される製品を形成する金型のようにキャビティ型及びコア型が可動する駆動機構を備える必要がないため、低価格で製作することができる。
また、本実施形態においては、上記板状の部材として、少なくとも2枚以上の板状の部材を組み合わせてなる合成部材(例えば、3枚以上の板状の部材を組み合わせた、いわゆる三枚合紙)を適用するようにしてもよい。この場合、背面板1には、反り(そり)や歪みが発生しにくいという利点がある。
穴部2は、固定部材50が挿入される穴であり、固定部材50は、穴部2を上下に移動可能に連通する。
折り線4及び折り線6は、板状の部材を折り曲げ可能とするための処理が施されたものであり例えば、板状の部材から打ち抜かれて形成された背面板Aに対して、筋付け(筋押し、又は筋入れ)、印刷による線の表示、ミシン目、連続するパンチ穴の集合、又はハーフカット等の各処理を施すことにより形成される。
なお、背面板1の材質に上記三枚合紙が適用される場合には、折り線が形成されるための処理として、ハーフカット(例えば、上記三枚合紙を構成する板状の部材のうち一枚目あるいは、二枚目までを切断する処理)が施されるようになっている。上記部材にミシン目等の処理が適用されると、当該部材を折り曲げた際に、切断されてしまうからである。
以下に示す実施形態において、他に示す折り線(例えば後述する可動部材20の折り線(図6参照)等)は、特に示す場合を除き、図面中において点線で示し、上述した特性を有する折り線を適用する。
なお、折り曲げ片3及び折り曲げ片5は、折り曲げ片3及び折り曲げ片5を折り畳み可能に連結したものでもよく、例えば、板状の部材からそれぞれ別個に打ち抜かれた折り曲げ片3及び折り曲げ片5(すなわち、折り曲げ片3及び折り曲げ片5がそれぞれ分離している)を、テープ等で接合して連結するようにしてもよい。
穴部7及び穴部9は、紐13を連通するために穿孔された穴である。
折り曲げ片3及び折り曲げ片5は、背面板1の反りや返りを防止するための補強部材であり、折り線4及び折り線6を介して、背面板1の背部に折り曲げられ、固定される。
穴部8及び穴部10は、折り曲げ片3及び折り曲げ片5を折り曲げた状態で紐13を連通するために穿孔された穴である。折り曲げ片3及び折り曲げ片5を折り曲げた場合に、穴部8及び穴部10は、穴部7及び穴部9と略同一の位置に配置されるようになっており、紐13を連通することができる。
面ファスナー11及び面ファスナー12(図5の一点鎖線部参照)は、面ファスナーであり、固定部材50に設けられる面ファスナー56と相互に着脱可能に固定される。
紐13は、樹脂製材料や金属製材料等によって製造された紐状の部材(例えば、紐、釣り糸やワイヤー等)である。
次に、図6を用いて、第1実施形態にかかる可動部材20の詳細について説明する。
図6は、第1実施形態にかかる可動部材20の展開時の形状を示す展開図である。この可動部材20は、上述した板状の部材を、展開時の形状と略同じ型の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図6における実線部分の切断が行われる。
図6に示すように、可動片21の左右両端部には、折り線を介して折り込み片21a及び折り込み片21bがそれぞれ連接されている。
可動片21の上端部には、折り線28を介して底面部24が連接され、この底面部24の左右両端部には、折り線を介して折り込み片24a及び折り込み片24bがそれぞれ連接されている。更に、折り線28と底面部24の一部には、穴部31が穿孔される。底面部24の上端部には、糊代29が折り線27を介して連接される。
可動片21の下端部には、折り線25を介して可動面23が連接され、この可動面23の左右両端部には、折り線を介して折り込み片23a及び折り込み片23bがそれぞれ連接されている。
可動面23の下端部には、折り線26を介して可動片22が連接され、折り線26と可動面23の一部には、穴部30が穿孔される。可動片22の左右両端部には、折り線を介して折り込み片22a及び折り込み片22bがそれぞれ連接されている。
この可動部材20を組み立てる方法の一例としては、まず、上述した各折り込み片21a〜24a及び折り込み片21b〜24bを、それぞれ内側へ折り曲げて固定(貼着)する。この折り込み片21a〜24a及び折り込み片21b〜24bは、可動部材20を補強する補強部材であり、内側へ折り曲げて固定することにより、外力(例えば、曲げ応力及びせん断応力)による各部材(可動片21等)の破損等を防止することができる。
その後、可動片21、可動面23、可動片22、及び底面部24を筒状(角筒状)に折り曲げて、糊代29を可動片22の裏面に固定する。
次に、図7を用いて、第1実施形態にかかる固定部材50の詳細について説明する。
図7は、第1実施形態にかかる固定部材50の展開時の形状を示す展開図である。この固定部材50は、上述した板状の部材を、展開時の形状と略同じ型の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図7における実線部分の切断が行われる。
図7に示すように、基部51の左右両端部には、折り線を介して折り曲げ片51a及び折り曲げ片51bが連接されている。この折り曲げ片は、固定部材50を補強する補強部材であり、内側へ折り曲げて固定することにより、外力による各部材(基部51等)の破損等を防止することができる。
そして、基部51の下端部には、折り線53を介して下端片52が、基部51の上端部には、折り線54aを介して上端片57が連接されている。上端片57には、折り線54a、折り線54b、折り線55a及び折り線55bが設けられている。
面ファスナー56は、上端片57の一の面に設けることもできるし、両面に設けることもできる。面ファスナー56を上端片57の両面に設けた場合には、上端片57を下方に折り曲げて面ファスナー11と固定することもできるし、上端片57を上方に折り曲げて面ファスナー12と固定することもできる。
この固定部材50を組み立てる方法の一例としては、折り曲げ片51a及び折り曲げ片51bを、それぞれ内側へ折り曲げて固定する。
以上説明したように、本実施形態によれば、背面板1と、背面板1に折り畳可能に取り付けられる一対の可動片21と可動片22と、この一対の可動片21と可動片22に架設された可動面23とを有する折り畳み可能な可動部材20と、を備える展示台S1であって、一対の可動片21と可動片22を折り畳んで、一対の可動片21と可動片22が背面板1に近接した位置で固定される折畳状態と、一対の可動片21と可動片22を立設させて、一対の可動片21と可動片22が立設した位置で(背面板1、可動片21、及び可動面23が階段状に配置された位置で)固定される階段状態と、を選択可能に固定する固定部材50が可動部材20に設けられるように構成したため、種々の状況に応じて、多様な形態で商品を展示することができる。
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。
具体的には、可動片21に載置される商品は、任意に選択することができ、例えば、食品(ガム、飴等)、化粧品、文房具(例えば、糊等)、家電製品(例えば、充電池等)等を収納した容器を適用することができる。可動部材20の形状(特に、一対の可動片21と可動片22の形状)は、収納される商品の大きさや数量に応じて、適宜変更することができる。
また、可動部材の形状は、限定されることなく任意に選択することができる。例えば、底面部24を設けない構成を採用することもできる。具体的には、可動片21及び可動片22を、背面板1に折畳可能に取り付ける(立設自在に固定する)ようにすればよい。この場合、階段状態において、可動部材20は、断面略コの字型が連続する形状を示す。
[2.第2実施形態]
次に、図8〜図14を用いて、第2実施形態にかかる展示台S2について説明する。
第2実施形態にかかる展示台S2が、第1実施形態にかかる展示台S1と異なる点は、可動部材の可動面の前面に、他の可動部材を更に備えたことである。従って、共通する部材の構成、作用及び効果の詳しい説明については省略する。
まず、図8〜図13を用いて、第2実施形態にかかる展示台S2の使用状態について説明する。
図8は第2実施形態にかかる展示台S2の折畳状態における各構成部材の配置を透過的に示す概念図であり、図9は第2実施形態にかかる折畳状態から階段状態への遷移を示す概念図であり、図10は第2実施形態にかかる展示台S2の階段状態を示す外観図であり、図11〜図13は第2実施形態にかかる展示台S2の折畳状態から階段状態の遷移を段階的に示す概念図である。
図8に示すように、本実施形態にかかる展示台S2は、背面板1の前面に可動部材60(本願の可動部材の一例)が設けられており、更に、可動部材60の可動面63の前面に可動部材120(本願の他の可動部材の一例)が設けられている。本実施形態においては、可動部材120の底面部124が、可動部材60の可動面63の前面に固定されている。 可動部材60は、可動片61(本願の一対の可動片のうち上部可動片の一例)と、可動片62(本願の一対の可動片のうち下部可動片の一例)と、可動面63(本願の可動面の一例)と、底面部64と、から構成される。
可動片61と可動面63は折り線65を介して、可動片62と可動面63は折り線66を介して、底面部64と可動片62は折り線67を介して、底面部64と可動片61は折り線68を介して、それぞれ折り畳み可能(回動可能)に連接されている。換言すれば、可動面63は、可動片61と可動片62に架設されている。
このように構成される可動部材60は、可動片61、可動面63、可動片62、及び底面部64を側面部とし、断面略矩形の中空部が連続する角筒状の部材であり、可動片61と可動片62を折り畳むと、可動面63を背面板1に近接した位置に配置(一対の可動片61と可動片62を背面板に近接させた位置で配置)することができる。
可動部材120は、可動片121(本願の他の一対の可動片のうち他の上部可動片の一例)と、可動片122(本願の他の一対の可動片のうち他の下部可動片の一例)と、可動面123(本願の他の可動面の一例)と、底面部124と、から構成される。
可動片121と可動面123は折り線125を介して、可動片122と可動面123は折り線126を介して、底面部124と可動片122は折り線127を介して、底面部124と可動片121は折り線128を介して、それぞれ折り畳み可能(回動可能)に連接されている。換言すれば、可動面123は、可動片121と可動片122に架設さている。
このように構成される可動部材120は、可動片121、可動面123、可動片122、及び底面部124を側面部とし、断面略矩形の中空部が連続する角筒状の部材であり、可動片121と可動片122を折り畳むと、可動面123を背面板1(可動部材60及び可動面63も含む)に近接した位置に配置(一対の可動片121と可動片122を背面板1に近接させた位置で配置)することができる。
そして、可動部材60及び可動部材120の内部(上記中空部)には、固定部材80(本願の固定部材の一例)が配置されている。
ここで、固定部材80が配置される状態を説明すると、まず、固定部材80の下端片82(本願の固定部材の下部の一例)は、可動面123と可動片122の連接部である折り線126に固定される。
具体的には、下端片82は、可動部材120に形成された穴部130から外部へ導出される。この穴部130は、下端片82が貫通できる程度の巾が設けられた略長方形のスリット状の穴である。そして、穴部130のスリット状の穴形状のうち長手方向の端部(後述する図17の130a参照)は、折り線126と略同一線上に配置されるように穿孔される。
そして、外部へ導出された下端片82は、折り線83で折り曲げられる。この折り線83は、上述した穴部130の長手方向の端部130aと重なる個所で折り曲げられ、可動片122に、例えば粘着手段によって固定される。
また、固定部材80は、可動部材60及び可動部材120の内部を貫通する。
具体的には、固定部材80の上端片87は、可動部材120に形成された穴部131から外部へ導出される。そして、上端片87は、可動部材60に形成された穴部70から、可動部材60の内部へ導入される。なお、穴部131及び穴部70は、固定部材80が貫通できる程度の巾が設けられた略長方形のスリット状の穴である。
そして、固定部材80の上端片87は、背面板1と可動片61を貫通する。
具体的には、上端片87は、可動部材60に形成された穴部71から外部へ導出される。そして、外部へ導出された上端片87は、更に、背面板1に形成された穴部14から、背面板1の背部へ導出され、折り線85a及び折り線85bで折り曲げられ、背面板1の背部の面ファスナー11(又は面ファスナー11と位置をずらして設けられた面ファスナー12)と、固定部材80に設けられた面ファスナー86によって、着脱可能に固定される。
図8に示すように、この状態での固定部材80の折り線83から折り線85aまでの長さは、可動部材60及び可動部材120が折り畳まれた状態での折り線126から折り線68までの直線距離と同一であり、折り畳まれた可動部材60及び可動部材120の内部で略直線上に配置されている。
そして、上述したように、固定部材80の下端片82及び上端片87は固定されているため、可動部材60及び可動部材120は、固定部材80によって、背面板1へ近接する方向へ荷重が加えられる。その結果、可動部材60及び可動部材120は、背面板1へ近接された状態で固定される。以下に説明する実施形態において、この状態を、折畳状態と定義する。
この折畳状態では、展示台S2の水平方向の長さを短くすることができるため(即ち、展開状態の展示台S2の水平方向の幅を薄くできる)、展示台S2を保管する際にかさばらず、優れた収納性を発揮する。
また、図9、図11及び図12に示すように、面ファスナー11及び面ファスナー86を相互に着脱し、固定部材80を上部に引き上げる(矢印Aの方向へ引き上げる)と、可動片122は、折り線127を基準に回動し(矢印Bの方向に回動する)、可動面63上に立設する。この時、可動片121は、可動面123を介して可動片122と連接されているため、可動片122の立設に連動して、背面板1可動面63上に立設する。
また、可動部材120の底面部124が、可動部材60の可動面63の前面に固定されているため、可動片121及び可動片121の立設に連動して、可動片61及び可動片62も背面板1上に立設する。
そして、図10及び図13に示すように、固定部材80の上端片87を、折り線84a及び折り線84bで折り曲げて、面ファスナー11及び面ファスナー86を相互に圧着すると、背面板1、可動片61、可動面23、可動片121、及び、可動面123は、階段状に配置された位置で固定される。すなわち、可動部材20は、中空部を有する角筒状の形態を示している。
この状態での固定部材80の折り線83から折り線84aまでの長さは、可動部材60及び可動部材120が角筒状の形態を示す場合の折り線126から折り線68までの直線距離(最短距離)と同一であり、角筒状の形態を示す可動部材60及び可動部材120の内部で対角線上に配置されている。
そして、上述したように、固定部材80の下端片82は固定され、固定部材80の上端片87は折り線84a及び折り線84bによって折り曲げられて固定されているため、可動部材60及び可動部材120は、固定部材80によって、角筒状の形態が維持されるように固定(補形)されている。すなわち、可動部材60及び可動部材120を折り畳む方向に負荷が加えられても、固定部材80の両端部(上端片87及び下端片82)が固定されているため、可動部材60及び可動部材120は、角筒状の形態を維持する。以下に説明する実施形態において、この状態を、階段状態と定義する。
そして本実施形態における階段状態において、実際に商品を展示する場合には、図14に示すように、展示台S2の可動片61又は可動片121に、商品100を載置する。
なお、商品の広告等を示す情報表示や、商品のパンフレット等が挿入されたポケットを設ける情報提示部300を、背面板1、可動面63、又は可動面123の前面に提示するようにしてもよい。
また、展示台S2は、階段状態において、壁等の壁面に設置された吊下具に、背板1に穿孔された穴部7及び穴部9に連通される紐13を係止(例えば、引っ掛ける)することにより、商品100を垂直方向に配列して展示することができる。
また、展示台S2は、階段状態において、設置面に可動片62及び可動片122を当接させることによって、商品100を載置して展示することもできる。
このように、本実施形態における展示台S2は、商品を吊下げて又は載置して展示することができるため、販売環境に応じて商品を展示することができる。
次に、図15〜図18を用いて、第2実施形態にかかる展示台S2の詳細について説明する。
まず、図15を用いて、第2実施形態にかかる背面板1の詳細について説明する。
図15は、第2実施形態にかかる背面板1の展開時の形状を示す展開図である。
図15に示すように、背面板1は、紙、上質紙、ボール紙やPET材等の薄型樹脂製板材等の折り曲げ自在の板状の部材を素材とし、穴部14、穴部7及び穴部9が設けられた背面板1の左右両端部には折り線4及び折り線6を介して、折り曲げ片3及び折り曲げ片5が連接されている。
そして、背面板1は、上述した板状の部材を、この背面板1と略同じ形の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図15における実線部分の切断が行われる。
この第2実施形態にかかる背面板1が、第1実施形態にかかる背面板1と異なる点は、垂直方向の大きさが長くなった点と、穴部14を設けたことであるため、その他の詳しい説明は省略する。
なお、穴部14は、固定部材80が挿入される穴であり、固定部材80は、穴部14を上下に移動可能に連通する。
次に、図16〜図17を用いて、第2実施形態にかかる可動部材の詳細について説明する。
図16は、第2実施形態にかかる可動部材60の展開時の形状を示す展開図である。
この可動部材60は、上述した板状の部材を、展開時の形状と略同じ型の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図16における実線部分の切断が行われる。
図16に示すように、可動片61の左右両端部には、折り線を介して折り込み片61a及び折り込み片61bがそれぞれ連接されている。
可動片61の上端部には、折り線68を介して底面部64が連接され、この底面部64の左右両端部には、折り線を介して折り込み片64a及び折り込み片64bがそれぞれ連接されている。更に、折り線68と底面部64の一部には、穴部71が穿孔される。底面部64の上端部には、糊代69が折り線67を介して連接されている。
可動片61の下端部には、折り線65を介して可動面63が連接され、この可動面63の左右両端部には、折り線を介して折り込み片63a及び折り込み片63bがそれぞれ連接されている。
可動面63の下端部には、折り線66を介して可動片62が連接され、可動面63には、穴部70が穿孔される。可動片62の左右両端部には、折り線を介して折り込み片62a及び折り込み片62bがそれぞれ連接されている。
この可動部材60を組み立てる方法の一例としては、まず、上述した各折り込み片61a〜64a及び折り込み片61b〜64bを、それぞれ内側へ折り曲げて固定する。この折り込み片61a〜64a及び折り込み片61b〜64bは、可動部材60を補強する補強部材である。
その後、可動片61、可動面63、可動片62、及び底面部64を角筒状に折り曲げて、糊代69を可動片62の裏面に固定する。
図17は、第2実施形態にかかる可動部材120の展開時の形状を示す展開図である。
この可動部材120は、上述した板状の部材を、展開時の形状と略同じ型の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図17における実線部分の切断が行われる。
図17に示すように、可動片121の左右両端部には、折り線を介して折り込み片121a及び折り込み片121bがそれぞれ連接されている。
可動片121の上端部には、折り線128を介して底面部124が連接され、この底面部124の左右両端部には、折り線を介して折り込み片124a及び折り込み片124bがそれぞれ連接されている。更に、折り線128と底面部124の一部には、穴部131が穿孔される。底面部124の上端部には、糊代129が折り線127を介して連接されている。
可動片121の下端部には、折り線125を介して可動面123が連接され、この可動面123の左右両端部には、折り線を介して折り込み片123a及び折り込み片123bがそれぞれ連接されている。
可動面123の下端部には、折り線126を介して可動片122が連接され、折り線126と可動面123の一部には、穴部130が穿孔される。可動片122の左右両端部には、折り線を介して折り込み片122a及び折り込み片122bがそれぞれ連接されている。
この可動部材120を組み立てる方法の一例としては、まず、上述した各折り込み片121a〜124a及び折り込み片121b〜124bを、それぞれ内側へ折り曲げて固定する。この折り込み片121a〜124a及び折り込み片121b〜124bは、可動部材120を補強する補強部材である。
その後、可動片121、可動面123、可動片122、及び底面部124を角筒状に折り曲げて、糊代129を可動片122の裏面に固定する。
次に、図18を用いて、第2実施形態にかかる固定部材80の詳細について説明する。
図18は、第2実施形態にかかる固定部材80の展開時の形状を示す展開図である。
この可動部材80は、上述した板状の部材を、展開時の形状と略同じ型の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図18における実線部分の切断が行われる。
図18に示すように、基部81の左右両端部には、折り線を介して折り曲げ片81a〜折り曲げ片81dが連接されている。この折り曲げ片は、固定部材80を補強する補強部材であり、内側へ折り曲げて固定することにより、外力による各部材(基部81等)の破損等を防止することができる。
なお、基部81の横幅は、上方と下方で異なる大きさを示している。
ここで、説明の便宜上、基部81において、左右両端部に折り曲げ片81a及び折り曲げ片81bが連接される部分の横幅を横幅Pと定義する。また、左右両端部に折り曲げ片81c及び折り曲げ片81dが連接される部分の横幅を横幅Qと定義する(図18参照)。
本実施形態においては、横幅Pの長さは、穴部131及び穴部70の巾(穴部131及び穴部70のスリット状の穴形状のうち長手方向の長さ)よりも短く設定される。そして、横幅Qの長さは、穴部131及び穴部70の巾よりも長く設定される。
上述したように、展示台S2を折畳状態から階段状態へ遷移させる際には、可動部材60及び可動部材120の側面部が断面略矩形の中空部が連続する角筒状を示すまで、固定部材80を上方へ引き上げる。換言すれば、例えば、可動片121及び可動片122が可動面63に対して略鉛直となるまで、固定部材80を上方へ引き上げる。また、可動片61及び可動片62が背面板1に対して略鉛直となるまで、固定部材80を上方へ引き上げる。
この時、可動部材80を必要以上に引き上げた場合(例えば、可動片121及び可動片122が可動面63に対して略鉛直以上の角度を示すまで引き上げた場合)には、可動片121及び可動片122は略鉛直以上の角度を示すまで回動されてしまう。
そして、可動片121及び可動片122が略鉛直以上の角度を示した状態で可動部材80が固定されると、可動部材60及び可動部材120は、階段状態において、角筒状の形態を維持することができなくなってしまう。
このような状態では、可動片61や可動片121は、水平方向に対して傾斜した位置で固定されている。従って、可動片61や可動片121に商品100を載置した場合に、商品100が落下したり、見栄えが悪い等の問題が生じる。
さらに、可動部材80を必要以上に引き上げた場合には、下端片82と可動片122の固定部に過度の外力が加わることとなり、当該固定部の破損等を招くおそれがある。従って、展示台の信頼性の観点からも好ましくない。
そこで、可動部材80が必要以上に上方へ引き上げられることを防止するため、横幅Qの長さを、穴部131及び穴部70の巾よりも長く設定している。こうすることにより、可動部材80を必要以上に引き上げた場合でも、横幅Qの両端部が穴部131及び穴部70に引っかかり、動部材80が必要以上に上方へ引き上げられないようになっている。
なお、可動部材80が必要以上に上方へ引き上げられることを防止する観点からは、横幅Pの長さを、穴部71及び穴部14の巾よりも長く設定するようにしてもよい。
そして、基部81の下端部には、折り線83を介して下端片82が、基部81の上端部には、折り線84aを介して上端片87が連接されている。上端片87には、折り線84a、折り線84b、折り線85a及び折り線85bが設けられている。
面ファスナー86は、上端片87の一の面に設けることもできるし、両面に設けることもできる。面ファスナー86を上端片87の両面に設けた場合には、上端片87を下方に折り曲げて面ファスナー11と固定することもできるし、上端片87を上方に折り曲げて面ファスナー12と固定することもできる。
この固定部材80を組み立てる方法の一例としては、上述した各折り曲げ片81a〜折り曲げ片81dを、それぞれ内側へ折り曲げて固定する。
以上説明したように、本実施形態によれば、可動面63に折り畳み可能に取り付けられる一対の可動片121及び可動片122と、一対の可動片121及び可動片122に架設された可動面123とを有する可動部材120と、を備え、さらに、固定部材80の下端片82は、可動面123と可動片122の連接部である折り線126に固定され、固定部材80は、可動部材60及び可動部材120の内部を貫通し、固定部材80の上端片87は、背面板1と可動片61を貫通ように構成したため、種々の状況に応じて、多様な形態で商品を展示することができる。
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。
具体的には、可動片61又は可動片121に載置される商品は、任意に選択することができる。可動部材60又は可動部材120の形状は、収納される商品の大きさや数量に応じて、適宜変更することができる。
また、可動部材60又は可動部材120の形状は、限定されることなく任意に選択することができる。例えば、底面部64又は底面部124を設けない構成を採用することもできる。
具体的には、可動部材60を例にとると、可動片61及び可動片62を、背面板1に折畳可能に取り付ける(立設自在に固定する)ようにすればよい。この場合、階段状態において、可動部60は、断面略コの字の形状を示す。
また、可動部材120を例にとると、可動片121及び可動片122を、背面板1に折畳可能に取り付ける(立設自在に固定する)ようにすればよい。この場合、階段状態において、可動部120は、断面略コの字の形状を示す。
[3.第3実施形態]
次に、図19〜図22を用いて、第3実施形態にかかる展示台S3について説明する。
第3実施形態にかかる展示台S3が、第2実施形態にかかる展示台S2と異なる点は、背面板、可動板及び他の可動板の前面に、収納部を更に備えたことである。従って、共通する部材の構成、作用及び効果の詳しい説明については省略する。
まず、図19〜図22を用いて、第3実施形態にかかる展示台S3の使用状態について説明する。
図19は第3実施形態にかかる展示台S3の折畳状態における各構成部材の配置を透過的に示す概念図であり、図20は第3実施形態にかかる展示台S3の階段状態を示す外観図であり、図21は第3実施形態にかかる折畳状態における商品を収容した様子を示す概念図であり、図22は第3実施形態にかかる階段状態における商品を収容した様子を示す概念図である。
図19に示すように、本実施形態にかかる展示台S3は、背面板1、可動面63、及び可動面123の前面に収納部200(本願の収納部の一例)を備えて構成される。
この収納部200は、背面板1に穿孔された穴部15及び穴部16に、収納部200の挿入片215及び挿入片216が挿入され、背面板1の背部で固定される。また、可動部材60及び可動部材120に備えられる収納部200の固定方法も同様である。
収納部200は、略箱形であり、収納物(例えば、商品100等)を付勢する折り曲げ片212及び折り曲げ片213(本願の付勢部材の一例)を備える。折り曲げ片212及び折り曲げ片213は、前面方向に断面略くの字に折り曲げられた片である。収納部200に商品が収納された場合には、上記くの字の頂点部分が商品を前面に付勢するようになっている。従って、収納部200に収納された商品のガタつきや落下を防止することができる。
図20に示すように、階段状態における展示台S3では、収納部200は階段状に配置されるようになっている。
また、図21では、折畳状態における展示台S3に商品が収納された様子が、図22では、階段状態における展示台S3に商品が収納された様子がそれぞれ示されている。
次に、図23〜図26を用いて、第3実施形態にかかる展示台の詳細について説明する。
まず、図23を用いて、第3実施形態にかかる展示台の詳細について説明する。
図23は、第3実施形態にかかる背面板1の展開時の形状を示す展開図である。
第3実施形態にかかる背面板1が、第2実施形態にかかる背面板1と異なる点は、収納部200の挿入片215及び挿入片216が挿入される穴部15及び穴部16を設けたことであるため、その他の詳しい説明は省略する。
なお、穴部15及び穴部16は、挿入片215及び挿入片216が貫通できる程度の巾が設けられた略長方形のスリット状の穴である。
次に、図24を用いて、第3実施形態にかかる可動部材60の詳細について説明する。
図24は、第3実施形態にかかる可動部材60の展開時の形状を示す展開図である。
第3実施形態にかかる可動部材60が、第2実施形態にかかる可動部材60と異なる点は、収納部200の挿入片215及び挿入片216が挿入される穴部73及び穴部74を設けたことであるため、その他の詳しい説明は省略する。
なお、穴部73及び穴部74は、挿入片215及び挿入片216が貫通できる程度の巾が設けられた略長方形のスリット状の穴である。
次に、図25を用いて、第3実施形態にかかる可動部材120の詳細について説明する。
図25は、第3実施形態にかかる可動部材120の展開時の形状を示す展開図である。
第3実施形態にかかる可動部材120が、第2実施形態にかかる可動部材120と異なる点は、収納部200の挿入片215及び挿入片216が挿入される穴部133及び穴部134を設けたことであるため、その他の詳しい説明は省略する。
なお、穴部133及び穴部134は、挿入片215及び挿入片216が貫通できる程度の巾が設けられた略長方形のスリット状の穴である。
次に、図26を用いて、第3実施形態にかかる収納部200の詳細について説明する。
図26は、第3実施形態にかかる収納部200の展開時の形状を示す展開図である。
収納部200は、上述した板状の部材を、この収納部200と略同じ形の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図26における実線部分の切断が行われる。
図26に示すように、前面板201の一側縁には側面板202及び糊代203が、他側縁には側面板204及び後面板205が、折り線(図26の破線部を示す)を介してそれぞれ順次連接されている。前面板201、側面板202、側面板204及び後面板205の下端縁にはそれぞれ底面片206〜底面片209が、前面板201の上端縁には補強片210と糊代211がそれぞれ折り線を介して連接されている。また、後面板205には、挿入穴(例えば、穴部133及び穴部134等)に挿入される挿入片215と挿入片216が形成され、上端縁には、折り曲げ片212、折り曲げ片213、糊代214が折り線を介して順次連接されている。
この収納部200を組み立てる方法の一例としては、まず、前面板201、側面板202、側面板204、及び後面板205を角筒状に折り曲げて、糊代203を後面板205の裏面(内側)に貼着(固着)する。
そして、底面片206を先に折り曲げ、底面片206の下端縁に形成された凹部へ、底面片207〜209の下端縁に形成された凸部を、この底面片207〜209を折り曲げて順次挿入する。この凸部と凹部が互いに係合し、収納部200の底部は補形される。
なお、上記挿入する際に、底面片206〜209を互いに貼着することにより、収納部200の底部の強度がさらに増加し、多数の重量のある商品を収納することができる。
次に、折り曲げ片212と折り曲げ片213をくの字に折り曲げて、後面板205へ近接させる方向(上記角筒状に折り曲げられた筒の内部方向)へ折り曲げ、互いに当接させる。そして、糊代214を折り曲げて、収納部200の底部へ貼着する。
次に、補強片210を前面板201へ近接させる方向(上記角筒状に折り曲げられた筒の内部方向)へ折り曲げて、互いに当接させる。そして、糊代211を折り曲げて、収納部200の底部へ貼着する。
以上説明したように、本実施形態によれば、展示台S3は、背面板1、可動面63、及び可動面123の前面に収納部200を備えるように構成したため、種々の状況に応じて、多様な形態で商品を展示することができる。
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。
例えば、収納部200は、背面板1、可動面63、又は可動面123の少なくとも一方に設けるように構成してもよい。
[4.第4実施形態]
次に、図27及び図28を用いて、第4実施形態にかかる展示台S4について説明する。
第4実施形態にかかる展示台S4が、第3実施形態にかかる展示台S3と異なる点は、背面板1の背部に、階段状態において設置面に当接し、展示台を自立させる折り畳み可能な自立片を更に備えたことである。従って、共通する部材の構成、作用及び効果の詳しい説明については省略する。
まず、図27を用いて、第4実施形態にかかる展示台の使用状態について説明する。
図27は、第4実施形態にかかる展示台の使用状態を示す概念図である。
図27に示すように、展示台S4は、背面板1の背部に対して直立した直立片500及び直立片502が設置面に当接することによって、自立している。この直立片500及び直立片502は、背面板1の背部から直立するように折り畳まれた保持片504と互いに勘合することによって、背面板1の背部に対して直立した状態が維持されている。
次に、図28を用いて、第4実施形態にかかる展示台の詳細について説明する。
図28は、第4実施形態にかかる背面板の展開時の形状を示す展開図である。
第4実施形態にかかる背面板1が、第3実施形態にかかる背面板1と異なる点は、本願の自立片の一例としての直立片500、直立片502及び保持片504を設けたことであるため、その他の詳しい説明は省略する。
図28に示すように、背面板1は、上述した板状の部材を、この背面板1と略同じ形の金型により打ち抜いて形成される。打ち抜かれる際に、図28における実線部分の切断が行われる。
この自立片を組み立てる一例としては、直立片500、直立片502及び保持片504を背面板1の背部に対して直立させる方向に折り曲げる。すると、直立片500の凹部501と保持片504の凹部505が、直立片502の凹部503と保持片504の凹部506が、互いに勘合し、背面板1の背部に対して直立した状態が維持されている。
なお、以上説明した実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。そして、上記実施形態の中で説明されている構成の組み合わせ全てが発明の課題解決に必須の手段であるとは限らない。