JP5699093B2 - パラポックスウイルス・オヴィスの組換えタンパク質およびそれ由来の医薬組成物 - Google Patents

パラポックスウイルス・オヴィスの組換えタンパク質およびそれ由来の医薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は、パラポックスウイルス・オヴィス(Parapoxviris ovis)(PPVO)のポリヌクレオチドおよび組換えタンパク質、ならびに単独でまたはその他の物質と組み合わせてのその医薬組成物の製造のための使用に関する。
潜在性かつ慢性的に持続性のウイルス感染は免疫抑制によって活性化または再活性化されうること、即ち逆に言えば免疫系は潜在ウイルスによって引き起こされうる急性疾患を抑制する(例えば、潜在ヘルペスウイルス感染は、ストレスまたはコルチゾンを投与した場合、免疫抑制の結果、唇の小胞の形態で再発する)ことが知られている。慢性的に持続性の潜在ウイルス感染は治療が難しく、常套の低分子量抗ウイルス物質では全く治療できないことも知られている。
クラスI拘束細胞障害性T細胞はHBV-トランスジェニックマウスにおいて肝細胞 HBV 遺伝子発現を阻害することが出来、このプロセスはTNF-αおよびIFN-γによって引き起こされることが示された。
慢性的に持続性のウイルス感染の場合、別のウイルスによる重複感染が慢性的に持続性のウイルスに対する抗ウイルス作用を生じうることも知られている。T細胞、ナチュラルキラー細胞およびマクロファージによって分泌される、インターフェロン、例えば、IFN-γ、およびその他のサイトカインおよびケモカイン、例えばTNF-αに、この作用が依存することが示されている。
「パラ特異的(paraspecific)免疫」を誘導する医薬品、即ち非特異的免疫系を誘導する医薬品であるBAYPAMUN(登録商標)が、治療的に、メタ防御的に(metaphylactically)および予防的に必要とする動物の処置に用いられている。BAYPAMUN(登録商標)は化学的に不活化されたPPVO 株 D1701(特許文献1を参照)から製造されている。不活化PPVOは動物において非常に広範な型の病原による感染に対する非特異的保護を誘導する。この保護は体内独自の防御系における様々な機構によって媒介されていると考えられている。これらの機構には、インターフェロンの誘導、ナチュラルキラー細胞の活性化、「コロニー刺激活性(CSA)」の誘導およびリンパ球増殖の刺激が含まれる。作用機構についての以前の研究により、インターロイキン-2およびインターフェロン-αの刺激が示されている。
上記医薬組成物の生産方法は、好適な宿主細胞の培養物におけるウイルスの複製に基づく。
本発明の一つの態様は、本発明の組換えタンパク質を含む粒子-様構造の使用に関する。これら粒子-様構造は、例えば、融合タンパク質、タンパク質-被覆粒子またはウイルス-様粒子であってよい。
本発明の組換えタンパク質を含む融合タンパク質、タンパク質-被覆粒子またはウイルス-様粒子の生産方法は、当業者に周知である:非特許文献1は、ウイルス-様粒子の作成のためのバキュロウイルス発現系の使用を記載している。非特許文献2は、ウイルス-様粒子の生産方法および好適なアジュバントの適用を提供している。非特許文献3は、遺伝子操作された 粒子状ウイルス-様構造およびそのワクチン送達系としての使用を提供する。融合タンパク質の生産方法も当業者に周知である(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)。当業者にはタンパク質-被覆ミクロ-およびナノスフェアの調製(非特許文献7)も知られている。タンパク質は、生分解性ミクロスフェアに結合させてもよいし(非特許文献8)、その他のポリマーミクロスフェアに結合させてもよく(非特許文献9)、例えば、多糖類が挙げられる(非特許文献10)。
PPVO NZ2は哺乳類に不活化形態で投与された場合に免疫賦活性効果を示すもう一つのパラポックスウイルス株である。
もっとも近い従来技術は、約95 % のPPVO NZ2ゲノムを表す発現ライブラリーの構築を記載し、これはワクシニアリスター(Vaccina lister)ウイルスを用いて完全なワクシニアリスターゲノムおよびPPVOゲノムの様々な断片を含む組換えウイルスを作るものである(非特許文献11)。ライブラリーの構築のために、平均サイズが11,4 kb の16の PPVO DNA 断片をワクシニアリスターゲノムに挿入した。各断片をPPVO 制限エンドヌクレアーゼ地図に対してマッピングするか、特徴づけた(図1)。PPVO遺伝子の大部分が組換えウイルスによって感染された細胞において発現していたことが判明した。著者らはまた、発現ライブラリーの組換えウイルスのいくつかによって発現するすべてのPPVO タンパク質の全体が病原性PPVOによる攻撃に対して保護を提供することができることを示した。個々の組換えウイルスのPPVO遺伝子の発現は、免疫蛍光および免疫沈降によって示された(非特許文献11)。
PPVOのワクチン活性の原因であるPPVOの成分を同定するために、ワクシニアリスター/PPVO NZ2 発現ライブラリーが適用された。
ドイツ特許DE3504940号
Casal (Biotechnol. Genet. Eng. Rev. 2001、18: 73-87) Ellis (Curr. Opin. Biotechnol. 1996、7(6): 646-52) Roy (Intervirology 1996、39(1-2): 62-71) Gaudin et al.、Gen. Virol. 1995、76: 1541:56 Hughson、Curr. Biol. 1995、5(3): 365-74 Uhlen et al.、Curr. Opin. Biotechnol. 1992、3(4): 363-369 Arshady、Biomaterials 1993、14(1): 5-15 Cleland、Pharm Biotechnol. 1997、10: 1-43 Hanes et al.、Pharm. Biotechnol. 1995、6:389-412 Janes et al.、Adv. Drug Deliv. Rev. 2001、47(1): 83-97 Mercer et al. 1997、Virology、229: 193-200
上記の背景に基づいて、抗ウイルスおよび抗腫瘍活性ならびにパラ免疫化(paraimmunization)効果そしてその他の望ましい治療効果を有するPPVOに基づく医薬組成物の開発が望まれていた。その完全な治療効果を発揮しつつ副作用の少ない医薬組成物を得ることも望まれていた。さらに大量かつ経済的に、PPVOに基づく医薬組成物を産生する方法を見つけることも望まれていた。
これらの望ましい効果が、選択されたPPVOの組換えタンパク質のみまたはその他のPPVOからの組換えタンパク質との組み合わせの、必要とする対象の治療のための医薬組成物の調製のための系統的な使用により達成された。
発明の概要
本発明は、PPVOウイルスゲノムをコードするポリヌクレオチド、PPVOゲノムをコードするポリヌクレオチドの断片およびPPVO ウイルスゲノムの個々のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードするポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、少なくとも15または30または100塩基対長の該ポリヌクレオチドの断片にも関する。本発明はまた、上記ポリヌクレオチドから発現する組換えタンパク質、該組換えタンパク質の少なくとも5または10または30アミノ酸の断片および組換えタンパク質または断片の医薬組成物の調製のために使用にも関する。
本発明の意味において、ポリヌクレオチドの「断片」は、全長(元の)ポリヌクレオチドの連続部分と同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドと理解すべきである。
本発明の意味において、「活性断片」は、ワクシニアリスターゲノムに挿入され、好適な宿主で発現した場合に、その発現産物が本発明によって薬理活性であると示されたPPVOゲノムの断片と理解すべきである。
PPVO攻撃に対するワクチンの製造のための完全PPVOウイルスの使用が既に記載されているが、本発明は、PPVOウイルスゲノムをコードするポリヌクレオチドおよびPPVO ウイルスゲノムの選択された断片および選択されたPPVO 発現産物の、単独でまたはその他と組み合わせての様々な疾患の治療用の改良された医薬組成物の調製のための使用に関する。
PPVOの選択されたゲノム断片およびその組換え発現産物の系統的な使用により、活性成分に加えて、不活性成分含量(即ち、PPVOのポリヌクレオチドおよびタンパク質)がより少ない(全く含まない場合もある)医薬組成物の生産が可能となる。
余分な不活性成分含量が少ないかあるいはまったく含まない医薬組成物は一般に不活化ウイルス材料のあまり明確でない生物学的調製物と比較して医師および患者に好まれる。さらに、発酵方法における組換え産物の産生の可能性により、経済的に有利な生産様式が可能となる。当業者には経済的に有利な生産様式が例えば、迅速に生育し、用いる培地が少なくてすむ産生生物 (宿主生物)の使用により達成されることが周知である。組換えタンパク質の産生のための宿主として好適に使用されうる微生物としては、これらに限定されないが、Escherichia coli、Bacillus spec.、Corynebacterium spec.、Streptomyces spec.および酵母、例えば、Saccharomyces cerevisiae、Candida spec.、Pichia spec.、Hanselula spec.、および糸状菌、例えば、Aspergillus spec.、Penicillium spec. およびその他の好適な微生物が挙げられる。
本発明の組換えタンパク質は目的のタンパク質を発現する細胞株からも産生することが出来る。これら細胞株は、組換え哺乳類細胞株、組換え昆虫細胞株(例えば、バキュロウイルス形質移入系を使用)またはその他の好適な発現系であってよい。形質移入は当業者に公知の様々な技術によって達成でき、その1つは組換えウイルス、例えば、実施例に記載のワクシニアウイルス/PPVO組換え体(VVOV)の使用である。
図1は、インサーションライブラリーを構成するDNA 断片のゲノム位置を示す。各DNA 断片の位置をPPVO NZ2のKpnI地図に対して示す (Mercer et al. 1997、Virology、229: 193-200)。
発明の説明
本発明は、少なくとも15または30または100 塩基対長のPPVOゲノムの断片、それから発現する組換えタンパク質および該断片および組換えタンパク質の医薬組成物の調製のための使用に関する。本発明はまた、PPVOの個々の遺伝子(ORF)およびその発現産物ならびに、単独でまたはその他と組み合わせての、医薬組成物の調製のためのその使用に関する。
本発明の意味において、タンパク質は、少なくとも5アミノ酸のあらゆるポリペプチドである。本発明の意味において、組換えタンパク質は組換えDNA技術を用いてコードするポリヌクレオチドが導入された細胞において発現するあらゆるタンパク質である。
本発明の意味において、ポリヌクレオチドは、ポリリボヌクレオチドおよび/またはポリデオキシリボヌクレオチドを含む意味である。
本発明の医薬組成物は、感染性および非感染性免疫不全症の治療のための免疫治療薬または免疫予防薬として利用できる。これらは、腫瘍疾患、癌、ウイルス感染およびそれに関連する疾患、例えば、肝炎、乳頭腫症、ヘルペスウイルス感染、肝臓線維症の治療のため、ストレス(例えば手術)後の感染性疾患の防止または予防のため、手術または手順の前の投与による感染性疾患の防止または予防のため(例えば、義肢移植または歯科手順の前)、非ウイルス感染の予防的およびメタ感染防御的(metaphylactic)処置のため、創傷治癒のため、そして特に創傷治癒過程の促進および治癒の悪いまたは治癒しない創傷の治癒の促進のため(例えば、下腿潰瘍)、疾患、例えば、多発性硬化症、いぼおよびその他の皮膚の新生物のため、アレルギー性疾患のため、全身アレルギーの発症の予防のため、局所アレルギーのため、そして例えば高齢における福祉の向上のため、自己免疫疾患のため、慢性炎症性疾患、例えば、クローン病、COPDおよび喘息のために利用できる。本発明の目的は、PPVOのポリヌクレオチドおよび組換えタンパク質のヒトおよび動物における上記症状および疾患の治療用医薬組成物の生産のための使用である。
本発明のウイルス株はPPVO NZ2およびホモログ、例えば、D1701、NZ7、NZ10 およびorf-11 株である。継代および/または特定の細胞、例えばWI-38、MRC-5またはVero 細胞を用いた順応によって得られたこれら株の子孫のポリヌクレオチドおよび組換えタンパク質を使用することも可能である。
本発明者らは同定した組換えタンパク質がTh1型免疫応答が有益であるウイルス性疾患、癌およびその他の疾患または症状の治療に有効であることを見いだした。得られた結果はまた、PPVO遺伝子産物またはその部分が、肝炎ウイルス-発現肝細胞(例えば、B型肝炎ウイルス、HBV、またはC型肝炎ウイルス、HCV)を、血中を循環するHBVまたはHCV特異的細胞傷害性CD8+T細胞による免疫攻撃から保護することを意味する。というのはT細胞はその特異的抗原が肝臓洞内皮細胞(LSEC、解剖学的に肝細胞を血流によって肝臓を通過するT細胞から分離する細胞)によって提示されない場合は血流を離れないからである。それゆえ、本発明者らは、免疫賦活剤、例えばサイトカインまたは上記タンパク質を含むその他が例えば肝炎患者に投与された場合、ORF 120-R3 (塩基対122616 - 136025 Bp、組換えウイルス VVOV82)由来の組換えタンパク質であって副作用(例えば、壊死炎症性(necroinflammatory)肝疾患)を下方調節または防ぐことができる組換えタンパク質を得ることを予測する。
症状および疾患、例えば、潜在性および/または慢性ウイルス感染、増殖性疾患、例えば、癌におけるTh1型 免疫誘導の影響および、PPVOの遺伝子産物またはその部分を含む組換えタンパク質がTh1免疫応答または局所免疫応答を選択的に誘導することが出来るということに関する知識を考慮して、本発明者らはPPVOのポリヌクレオチドおよび組換えポリペプチドならびにPPVOの遺伝子産物またはその部分を含む組換えタンパク質の、ヒトおよび動物用の医薬組成物の製造における使用を請求する。組換えタンパク質は以下のPPVO NZ2のオープンリーディングフレーム (ORF)の産物またはその部分から作られる: 64r-96r (組換え体VVOV 285および VVOV 330 ならびに VVOV 243および VVOV 283)、18r-57 (組換え体VVOV 97、VVOV 96および VVOV 245)、4r-14r (組換え体 VVOV 215)。組換えタンパク質はORF120-R3 (組換え体 VVOV 82)の遺伝子産物またはその部分からも作ることが出来る。タンパク質はあらゆる組み合わせで調製しても使用してもよい。
本発明の意味においてPPVOの組換えタンパク質はPPVO由来であって、PPVOが天然に産生される系以外の同種または異種系において発現されるタンパク質であると理解すべきである。PPVOの組換えタンパク質の例は、ワクシニアウイルスベクターおよび線維芽細胞を宿主細胞として用いるか、バキュロウイルスベクターおよび昆虫細胞を宿主細胞として用いて発現するPPVOのタンパク質である。本発明の意味において、組換えタンパク質は細菌細胞(例えば、Escherichia coli、Bacillus spec.、Streptomyces spec.) または酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae、Candida spec.、Pichia pastoris、Hansenula spec.) 系でも産生できる。かかる場合において、PPVOゲノムのポリヌクレオチドは典型的には対応する宿主ゲノムに組み込まれて、宿主によってPPVO遺伝子が発現される。PPVOの組換えタンパク質は遺伝子治療という意味で必要としている対象によっても発現されうる。
本発明の意味において、組換えタンパク質は、PPVO由来タンパク質を含む組換えウイルス粒子であってもよい。本発明の意味において、組換えタンパク質は、PPVO由来タンパク質から形成または編成されるウイルス-様粒子の形態であってもよい。本発明の意味において、組換えタンパク質はPPVO遺伝子産物を含むキメラタンパク質であってもよい。
本発明の好適な態様において、組換えタンパク質は粒子-様構造に結合しているか、粒子-様構造の一部である。
本発明の別の好適な態様において、組換えタンパク質は融合タンパク質に結合しているかその一部である。
本発明の別の好適な態様において、組換えタンパク質はタンパク質-被覆粒子に結合しているかその一部である。
本発明の別の好適な態様において、組換えタンパク質はウイルス-様粒子に結合しているかその一部である。
粒子-様構造、例えば、粒子-様融合タンパク質、タンパク質-被覆粒子またはウイルス-様粒子は貪食され、単球またはマクロファージによってプロセシングされうる。貪食プロセスは本発明の意味における使用での本発明の組換えタンパク質の効力を向上させる。
本発明の意味において、粒子-様構造は、平均粒子径およびその他の特性が医薬用途に好適である、粒子様形態の粒子状物質である。好適な粒子-様構造は、例えば、融合タンパク質、タンパク質-被覆粒子またはウイルス-様粒子である。
免疫調節活性は、あらゆるTh-1またはTh-2型のサイトカイン応答の、またはこれらサイトカインのあらゆるエフェクター機能(例えば、細胞溶解性または抗ウイルス活性または体液性応答)の局所または全身の抑制および/または刺激および/または誘導またはMHC 交差提示(cross-presentation)の調節として定義される。免疫調節活性は抗原提示細胞におけるアポトーシスの誘導または抗原提示細胞の動員でもありうる。
本発明のヌクレオチドおよび組換えタンパク質はその他の薬剤または薬物と同時にまたは逐次に投与してもよい。かかるその他の薬剤としては例えば疾患治療薬または支持的な薬剤が挙げられる。例えば癌治療の場合は、抗悪性腫瘍薬またはその他の抗癌剤および/または抗凝血剤またはビタミン類、鎮痛薬その他である。
ヌクレオチドおよび組換えタンパク質は全身投与することも出来るし(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、皮膚内、腹腔内)、局所(例えば腫瘍に)または経口(経口的)投与してもよい。組換えタンパク質またはその産物は適当に製剤すべきであり、例えば、静脈内使用用の非発熱性溶液または懸濁液中に、または移植用のカプセル中に、あるいは経口用のカプセル中に製剤すればよい。本発明の医薬組成物は例えば、経口、経鼻、経肛門、経膣投与などが可能であり、また非経口投与も可能である。本発明の医薬組成物は懸濁液、溶液、シロップ剤、エリキシル剤または適当なポリマー中の製剤ならびにリポソームの形態であってよい。
本発明の組換えタンパク質は、好適な組換え細胞株およびその他の細胞株によって調製することも出来る。あるいは、非組換え細胞株、例えば、WI-38、MRC-5、Vero 細胞をワクシニアウイルス(例えば、ワクシニアリスター)が挙げられるがそれに限定されないウイルスベクターを用いて組換え遺伝子を担持する組換えウイルスで感染させてもよい。さらに、その他の好適なウイルスをその他の好適な細胞と組み合わせて用いてもよい(例えば、ワクシニアウイルスベクターと宿主細胞としての線維芽細胞の使用またはバキュロウイルスベクターと宿主細胞としての昆虫細胞の使用)。組換え細胞培養物を高細胞密度発酵において培養して、好ましい生産性および良好な総工程能率を達成するのが有益である。
本発明は配列番号1の配列を有する精製および単離ポリヌクレオチドに関する。本発明はまた、配列番号1のポリヌクレオチドまたはその相補配列にストリンジェントな条件下で結合する少なくとも15または30 または100ヌクレオチドの精製および単離ポリヌクレオチドにも関する。
本発明の意味においてストリンジェントな条件は、1 mM EDTA、0.5 M NaHPO4 (pH 7.2)、7 % (w/v) SDS を含むバッファー中で65℃の条件である。
本発明はまた、配列番号1のポリヌクレオチド配列または同じアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を有する精製および単離ポリヌクレオチドおよびその少なくとも15または30または100 ヌクレオチドの断片にも関する。本発明はまたこれらポリヌクレオチドによってコードされる5以上のアミノ酸の組換えタンパク質にも関する。
本発明はまた、上記のポリヌクレオチドに対して少なくとも99 %、95 %または90 %または80%の配列相同性を示す精製および単離ポリヌクレオチドにも関する。
本発明の意味において、生物学的配列の相同性は、Needleman and Wunsch. (1970. J. Mol. Biol. 48: 443-453)のアルゴリズムによって計算した2つの生物学的配列の間の相同性として理解すべきであり、かかる計算には、タンパク質についてはBLOSUM62置換マトリックス(Henikoff and Henikoff 1992. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-10919) を用い、ポリヌクレオチド配列の比較の場合には、同一塩基および非同一塩基についてそれぞれペナルティは+4および-3である。タンパク質配列の比較のためには、ギャップ開始ペナルティおよびギャップ延長ペナルティはそれぞれ8および2である。ポリヌクレオチド配列の比較については、ギャップ開始ペナルティおよびギャップ延長ペナルティはそれぞれ20および3である。
本発明はまた、以下の配列の群から選択される配列を有するPPVOゲノムの活性断片である精製および単離ポリヌクレオチドにも関する:配列番号1のヌクレオチド122616-136025 (VVOV 82のPPVOインサート)、配列番号1の31003-46845 (VVOV 96のPPVOインサート)、配列番号1の24056-33789 (VVOV 97のPPVO インサート)、配列番号1の10264-20003(VVOV 215のPPVO インサート)、配列番号1の82324-92502(VVOV 243のPPVO インサート)、配列番号1の47952-66263(VVOV 245のPPVO インサート)、配列番号1の89400-103483(VVOV 283のPPVO インサート)、配列番号1の74804-88576 (VVOV 285のPPVO インサート)、および配列番号1の102490-108393(VVOV 330のPPVO インサート)。
本発明はまた、上記PPVOゲノムの活性断片と同一のアミノ酸配列をコードする精製および単離ポリヌクレオチド、および上記PPVOゲノムの活性断片またはその相補配列とストリンジェントな条件下で結合する少なくとも 15または30または100 ヌクレオチドのポリヌクレオチドにも関する。
本発明はまた、以下のヌクレオチドからなる配列に対して99 %、95 %、または90 %、または80 %の配列相同性を有するポリヌクレオドにも関する:配列番号1の122616-136025 (VVOV 82のPPVOインサート)、配列番号1の31003-46845 (VVOV 96のPPVOインサート)、配列番号1の24056-33789(VVOV 97のPPVO インサート)、配列番号1の10264-20003 (VVOV 215のPPVO インサート)、配列番号1の82324-92502(VVOV 243のPPVO インサート )、配列番号1の47952-66263(VVOV 245のPPVO インサート)、配列番号1の89400-103483 (VVOV 283のPPVO インサート)、配列番号1の74804-88576 (VVOV 285のPPVO インサート)、および配列番号1の102490-108393 (VVOV 330のPPVO インサート)またはそれぞれの相補配列。
本発明はまた、以下のヌクレオチド配列を有する精製および単離ポリヌクレオチドにも関する:配列番号1の3 〜 539 (ORF L1)、781 〜 449 (ORF L2r)、1933 〜 1664 (ORF L3r)、3269 〜 2790 (ORF L4r)、2799 〜 3851 (ORF L5)、2962 〜 3753 (ORF L6)、3784 〜 3122 (ORF L7r)、4341 〜 4129 (ORF L8r)、4904 〜 4428 (ORF 1ar)、6517 〜 4970 (ORF 1r)、8042 〜 6684 (ORF 2r)、9989 〜 8070 (ORF 3r)、11195 〜 10062 (ORF 4r)、11493 〜 11227 (ORF 5r)、11802 〜 12038 (ORF 6)、12358 〜 12080 (ORF 7r)、13980 〜 12364 (ORF 8r)、14826 〜 14053 (ORF 9ar)、15080 〜 15394 (ORF 10)、16838 〜 15423 (ORF 11r)、19021 〜 16847 (ORF 12r)、19704 〜 19156 (ORF 13r)、20314 〜 19736 (ORF 14r)、20401 〜 22101 (ORF 15)、22125 〜 22940 (ORF 6)、23003 〜 23866 (ORF 17)、26908 〜 23873 (ORF 18r)、26926 〜 27213 (ORF 19)、27626 〜 27216 (ORF 20r)、29754 〜 27616 (ORF 21r)、32217 〜 29800 (ORF 22r)、33380 〜 32418 (ORF 23r)、33602 〜 33393 (ORF 24r)、34466 〜 33612 (ORF 25r)、34735 〜 34502 (ORF 26r)、35905 〜 34739 (ORF 27r)、37194 〜 35905 (ORF 28r)、37200 〜 39248 (ORF 29)、41037 〜 39229 (ORF 30r)、41374 〜 42066 (ORF 31)、42336 〜 41731 (ORF 32r)、42407 〜 41997 (ORF 33r)、42410 〜 43765 (ORF 34)、43770 〜 43958 (ORF 35)、43980 〜 44534 (ORF 36)、45727 〜 44537 (ORF 37r)、45760 〜 46557 (ORF 38)、46567 〜 47568 (ORF 39)、47572 〜 48303 (ORF 40)、48352 〜 48621 (ORF 41)、49887 〜 48634 (ORF 42r)、49917 〜 50693 (ORF 43)、50719 〜 51102 (ORF 44)、51059 〜 51511 (ORF 44a)、51584 〜 52591 (ORF 45)、52509 〜 53066 (ORF 46)、53523 〜 53023 (ORF 47r)、53607 〜 57473 (ORF 48)、58070 〜 57528 (ORF 49r)、57700 〜 58662 (ORF 50)、59674 〜 58673 (ORF 51r)、62089 〜 59678 (ORF 52r)、62198 〜 62881 (ORF 53)、62909 〜 63862 (ORF 55)、63858 〜 64271 (ORF 56)、64309 〜 66831 (ORF 57)、67266 〜 66799 (ORF 58r)、67803 〜 67273 (ORF 58ar)、67915 〜 68607 (ORF 59)、68624 〜 70984 (ORF 60)、70994 〜 72898 (ORF 61)、72938 〜 73507 (ORF 62)、73540 〜 74211 (ORF 63)、76120 〜 74207 (ORF 64r)、76749 〜 76186 (ORF 65r)、77698 〜 76799 (ORF 66r)、79343 〜 77709 (ORF 67r)、79816 〜 79367 (ORF 68r)、80529 〜 79858 (ORF 69r)、80774 〜 80529 (ORF 70r)、82815 〜 80788 (ORF 71r)、83835 〜 82834 (ORF 72r)、83874 〜 85583 (ORF 73)、85535 〜 84402 (ORF 74r)、88096 〜 85574 (ORF 75r)、87759 〜 88667 (ORF 76)、88920 〜 88642 (ORF 77r)、91652 〜 88938 (ORF 78r)、91667 〜 92674 (ORF 79)、93466 〜 92681 (ORF 80r)、93761 〜 93486 (ORF 81r)、94060 〜 93788 (ORF 82r)、94238 〜 94080 (ORF 83r)、94508 〜 94242 (ORF 84r)、95571 〜 94498 (ORF 85r)、96187 〜 95600 (ORF 86r)、96202 〜 97665 (ORF 87)、97915 〜 97643 (ORF 88r)、98251 〜 99537 (ORF 89)、99537 〜 99974 (ORF 90)、100001 〜 101140 (ORF 91)、101168 〜 104650 (ORF 92)、106354 〜 104795 (ORF 93r)、107947 〜 106400 (ORF 94r)、108256 〜 107990 (ORF 95r)、108719 〜 108300 (ORF 96r)、109679 〜 108738 (ORF 97r)、109861 〜 109682 (ORF 98r)、110830 〜 10033 (ORF 99r)、110208 〜 110417 (ORF 100)、110469 〜 110651 (ORF 100a)、110915 〜 111397 (ORF 101)、111419 〜 111913 (ORF 102)、111949 〜 112485 (ORF 103)、112593 〜 113450 (ORF 104)、113323 〜 112967 (ORF 105r)、113526 〜 114152 (ORF 106)、114199 〜 115236 (ORF 107)、115353 〜 115787 (ORF 108)、115859 〜 116551 (ORF 109)、116729 〜 117523 (ORF 110)、117572 〜 117114 (ORF 111r)、117423 〜 118085 (ORF 12)、118968 〜 118375 (ORF 114r)、118508 〜 119119 (ORF 115)、119588 〜 120202 (ORF 116)、120314 〜 21231 (ORF 117)、121380 〜 123920 (ORF 118)、121288 〜 122256 (ORF 119)、122350 〜 123924 (ORF 120)、123962 〜 125566 (ORF 121)、125193 〜 124591 (ORF 122r)、125689 〜 123935 (ORF 123r)、123839 〜 123297 (ORF 123ar)、125652 〜 126170 (ORF 124)、126121 〜 125699 (ORF 125r)、126279 〜 127769 (ORF 126)、127851 〜 128408 (ORF 127)、128520 〜 130076 (ORF 128)、130105 〜 131700 (ORF 129)、131790 〜 133283 (ORF 130)、133246 〜 133920 (ORF 131)、133972 〜 134370 (ORF 132)、134418 〜 134693 (ORF 133a)、134402 〜 134992 (ORF R1)、134853 〜 134419 (ORF R2r)、135628 〜 135897 (ORF R3)、136780 〜 137112 (ORF R4)、および 137558 〜 137022 (ORF R5r) 、これらは表7に挙げる同定されたオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする。このパラグラフのORFのなかで、開始位置の番号が停止位置より大きいものは、配列番号1の相補配列によってコードされるものである。これらORFの名前は「r」という文字で終わる。本発明はまたこのパラグラフの配列の相補配列にも関する。
本発明はまた、上記の同定された ORF によってコードされるものと同一のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドにも関する。本発明はまた、同定されたORFに対してストリンジェントな条件下で結合する少なくとも 15、30または100ヌクレオチドのポリヌクレオチドにも関する。本発明はまた、上記配列に対して少なくとも 99 %、95 %または90 %または80 % 配列相同性を示すポリヌクレオチドまたは上記配列の機能的バリアントであるポリヌクレオチドにも関する。
本発明の意味において、遺伝子の機能的バリアントは第一の遺伝子と同様の生理機能を有し、第一の遺伝子と少なくとも 99 %、または 95 %、または 90 %、または 80 %相同的である遺伝子として定義される。遺伝子の機能的バリアントは、遺伝コードの縮重の利用により、第一の遺伝子(またはその機能的バリアント)と同一のアミノ酸配列をコードする第二の遺伝子であってもよい。遺伝子の機能的バリアントは該遺伝子と同じ配列を有するポリヌクレオチドであってもよく、該ポリヌクレオチドはより短いか(即ち、ポリヌクレオチドの一方または両方の末端の1または数個のヌクレオチドの欠失による)または該ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの同一部分の一方または両方の末端に追加のヌクレオチドを有していてもよい。
本発明の意味において、タンパク質の機能的バリアントは、第一のタンパク質と少なくとも 99 %、または 95 %、または 90 %、または 80 %相同的であって元のタンパク質と同様の生理機能を有する別のタンパク質として定義される。
本発明はまた、本発明のヌクレオチドによってコードされる組換えタンパク質および少なくとも 5 または 7 または 10 または 30 アミノ酸長である該タンパク質の部分および断片にも関する。
本発明はまた、本発明のヌクレオチドによってコードされる組換えタンパク質および少なくとも 5 または 7 または 10 または 30 アミノ酸長である該タンパク質の部分および断片にも関し、ここで該組換えタンパク質はキャリアタンパク質または別のキャリアに結合している。タンパク質をキャリアタンパク質に結合させることにより、該タンパク質に対する免疫応答が向上または増強され、それによって、該タンパク質の対象への投与の治療または予防効果が改善される。
本発明はまた本発明のポリヌクレオチドを含むベクターおよび本発明のかかるベクターまたはポリヌクレオチドを含む細胞にも関する。
本発明はまた、本発明の組換えタンパク質およびポリヌクレオチドの、単独でまたは少なくとも1つのその他の本発明の組換えタンパク質またはポリヌクレオチドと組み合わせての、医薬組成物の製造のための使用にも関する。
本発明による組換えタンパク質(またはポリヌクレオチド)の組み合わせは以下を含む:
・配列番号1によってコードされる少なくとも2つの組換えタンパク質の組み合わせ(または配列番号1のポリヌクレオチドの少なくとも2つの断片の組み合わせ)、
・PPVOゲノムの同一の活性断片によってコードされる少なくとも2つの組換えタンパク質の組み合わせ、即ち表3、表4、表5、および表6の同一のVVOVによってコードされる2以上の組換えタンパク質(またはPPVOゲノムの同じ活性断片 (VVOV)の少なくとも2つの断片の組み合わせ)、
・PPVOゲノムの少なくとも2つの異なる活性断片によってコードされる、即ち、表3、表4、表5、および表6の異なるVVOVからの少なくとも2つの組換えタンパク質の組み合わせ(またはPPVOゲノムの少なくとも2つの異なる活性断片(VVOV)の少なくとも2つの断片の組み合わせ)、または、
・表 7のORFによってコードされる少なくとも2つの異なる組換えタンパク質の組み合わせ(または、表 7に列挙するORFのいずれかの配列を有する少なくとも2つのポリヌクレオチドの組み合わせ)。
本発明はまた、ワクシニアリスターゲノムおよびPPVOゲノムの選択された断片を含む組換えウイルスの医薬組成物の製造のための使用にも関する。
本発明はまた、ウイルス関連疾患、ウイルス感染、非ウイルス感染、増殖性疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、および自己免疫疾患の治療用の医薬組成物の製造のための、本発明の組換えタンパク質およびポリヌクレオチドの使用にも関する。
本発明の意味において、ウイルス感染とはヒトまたは動物の体のウイルス感染に関連する疾患として理解すべきであり、例えば、肝炎、乳頭腫症、ヘルペスウイルス感染、肝臓線維症、HIV 感染、AIDS、およびインフルエンザが挙げられる。
本発明の意味において、非ウイルス感染とは、ヒトまたは動物の体の非ウイルス感染に関連する疾患として理解すべきであり、例えば、放線菌、マイコプラズマ、アメーバ、およびマラリア原虫による感染が挙げられる。
本発明の意味において、増殖性疾患とは、増殖性障害に関連する疾患として理解すべきであり、例えば、癌、白血病、いぼ、腫瘍疾患、およびその他の皮膚の新生物が挙げられる。
本発明の意味において、炎症性疾患とは急性または慢性炎症性症状に関連する疾患として理解すべきであり、例えば、皮膚または臓器の炎症、クローン病、COPD、喘息が挙げられる。それだけでなく、創傷治癒に関連する疾患としても理解すべきであり、例えば、下腿潰瘍等が挙げられる。
本発明の意味において、アレルギー性疾患とは全身および局所の両方のアレルギーを含むと理解すべきである。
本発明の意味において、自己免疫疾患とは以下を含むと理解すべきである:全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、関節リウマチ、および 若年性真性糖尿病、およびその他の自己免疫疾患。
本発明はまた、ワクシニアリスターゲノムおよびPPVOゲノムの断片を含む組換えウイルスの医薬組成物の製造のための使用にも関する。
本発明はまた、ワクシニアリスターゲノムおよび少なくとも1つの異種遺伝子を、対象における少なくとも1つの異種遺伝子の発現のために含む組換えウイルスの、例えば、予防および/または治療目的での使用にも関する。
本発明はまた、ワクシニアリスターゲノムおよび少なくとも1つの異種遺伝子を含む組換えウイルスの遺伝子治療のための使用にも関する。
本発明の意味において、「遺伝子治療」とは、対象における予防または治療効果を得る目的での、対象にポリヌクレオチド(そして所望により、好適なアジュバントまたは好適なキャリア)を投与することの作用として理解すべきである。典型的には、投与したポリヌクレオチドは対象おいて発現し、発現した遺伝子産物が予防または治療効果を発揮する。
本発明はまた以下にも関する:
(a) 配列番号1のポリヌクレオチドのオープンリーディングフレーム (ORF)によってコードされる組換えポリペプチドまたは該ポリペプチドの機能的バリアントを含む粒子-様構造、
(b) (a)の粒子-様構造の医薬の調製のための使用、
(c) (a)の粒子-様構造の以下の治療用医薬の調製のための使用:ウイルス関連疾患、ウイルス感染、非ウイルス感染、増殖性疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、および/または自己免疫疾患、
(d) (a)の粒子-様構造を含む医薬組成物、および、
(e) (a)の粒子-様構造を含む以下の治療用の医薬組成物:ウイルス関連疾患、ウイルス感染、非ウイルス感染、増殖性疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、および/または自己免疫疾患。
実施例1
活性のVVOVにおいて組み込まれたPPVO 断片の判定
ワクシニアリスター/PPVO組換え体からのDNAの調製は以下のように行った:
BK-KL 3A 細胞を集密まで175cmフラスコ(Becton Dickson Labware、Heidelberg、Germany)で培養した。細胞にMercer et al. (1997、Virology、229: 193-200)の組換えワクシニアリスター/PPVO ウイルス (VVOV)をMOI (感染効率) 0.01-0.32で感染させ、37℃で100 % CPE (細胞変性効果)に達するまでインキュベートした。感染細胞を-80℃で凍結し、解凍し、以下のように処理した。Vilcek et al. (1994、J. Clin. Microbiol. 32: 2225-2231)のRNA抽出方法は改変した。2 mlのPLG ヘビーエッペンドルフチューブ (Eppendorf、Hamburg、Germany)を用いて細胞懸濁液の0.5 mlのアリコットを100 μg プロテイナーゼ K (Roche Molecular Biochemicals、Mannheim、Germany)および 50 μl SDS (Sigma-Aldrich、Chemie GmbH、Taufkirchen、Germany) とともに 56℃で 25分間インキュベートした。 0.5 mlの Roti(登録商標)-フェノール/クロロホルム (Carl Roth GmbH、Karlsruhe、Germany)を添加し、チューブを数回反転させた。 12000 x gの10分の遠心分離の後、上相を新しいチューブに移し、2倍容量のエタノール(Merck Eurolab GmbH、Darmstadt、Germany)および1/10容量の酢酸ナトリウム (Sigma-Aldrich、Chemie GmbH、Taufkirchen、Germany)を添加した。試薬を数回混合し、-80℃で3時間保存した。チューブを14000 x g で30分遠心分離し、上清をデカントし、ペレットを5-10分間風乾した。最後に DNA ペレットを30 μlの ヌクレアーゼ無含水に再懸濁し、使用時まで-20℃で保存した。
DNA濃度を分光測定でBioPhotometer 6131 (Eppendorf、Hamburg、Germany)で260/280 nm nmにて測定した。異なるサンプル調製物のDNA収率は100 ng/ml〜 1 μg/mlの範囲であった。
ワクシニアリスター/PPVO組換え体において組み込まれた断片の末端隣接領域のポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)は以下のように行った:
3種類のPCR増幅システムを末端隣接領域の増幅に用いた。50 μlの各反応混合物は 100 ng - 1 μg の再懸濁したDNAを含み、プライマー(表 1)を終濃度300 nMにて添加した。増幅は Mastercycler(登録商標)グラジエント(Eppendorf、Hamburg、Germany)で行った。
組換え VVOV 285の3-プライム隣接領域を2 x Ready-Mix(商標) PCR Master Mix (1.5 mM MgCl2) (AB Gene、Hamburg、Germany)を用いて分析した。 1 μlのBSA (MBI Fermentas GmbH、St. Leon-Rot、Germany)を各反応に添加した。変性は94℃で3分行い、次いで30サイクル行い(94℃30秒、58.7℃ - 65.3℃30秒、72℃1分) そして72℃5分を行った。
組換え体 VVOV 285のPPVO インサートの5-プライム隣接領域、VVOV 97の3-プライム隣接領域およびVVOV 215、VVOV 243、VVOV 245の両方の末端隣接領域をPfuTurbo(登録商標)DNA ポリメラーゼ (Stratagene、Amsterdam、Netherlands)を用いて増幅した。反応は以下のように設定した:2.5 Uの酵素、1.5 mM MgCl2および200 μM各dNTP。変性は94℃で3分行い、次いで30サイクル行い(94℃30秒、58.7℃- 65.3℃30秒、72℃1分)そして72℃で5分を行った。
VVOV 97およびVVOV 82の5-プライム隣接領域、VVOV 96およびVVOV 283の3-プライム隣接領域の増幅を Platinium(登録商標) Pfx DNA ポリメラーゼ (Life Technologies GmbH、Karlsruhe、Germany)によって行った。50 μlの反応は1.25 U ポリメラーゼ、1-1.5 mM MgCl2および300μM の各dNTPを含んでいた。PCRx エンハンサー溶液のさらなる使用が、VVOV 96の5-プライム隣接領域(1x濃度) およびVVOV 82 の3-プライム隣接領域 (2x濃度)の増幅に必要であった。変性を94℃で2分行い、次いで 30サイクル行い(94℃15秒、54.6℃- 60.7℃30秒、68℃1-2分)そして68℃で5-7分行った。
18 μlの各増幅産物を1.5-2 % SeaKem LE アガロース (Biozym、Hessisch Oldendorf、Germany)のアガロースゲル電気泳動で分析した。臭化エチジウム溶液で20分染色した後、DNA 断片をUV トランスイルミネータ UVT-20 M/W (Herolab、Wiesloch、Germany)で可視化した。
増幅したDNA-断片の配列を標準配列決定方法で決定し、公表されているワクシニアリスターチミジンキナーゼ-配列およびPPVO NZ2のゲノム 配列と比較し、実際にPPVO NZ2 配列が組み込まれているか調べた。
表1
PCR-プライマー、ワクシニアリスター/PPVO NZ2組換え体に組み込まれた断片の末端隣接領域の増幅および配列決定
Figure 0005699093
表1(続き)
Figure 0005699093
実施例2
インターフェロンガンマおよび腫瘍壊死因子アルファのPPVO遺伝子産物による誘導
16の組換え体をその腫瘍壊死因子アルファ (TNF-α)およびインターフェロンガンマ (IFN-γ)を全血培養中で誘導する能力について試験した。
血液およびRPMI培地 (Life Technologies GmbH、Karlsruhe、Germany)を1:5の比で含む全血培養物を組換えウイルスで刺激した。純粋なワクシニアリスターおよび全PPVO 調製物をコントロールとした。すべての調製物は最終希釈度1:10にて用いた。IFN-γ測定のための刺激をコンカナバリンA(SIGMA、St. Louis、MO)とともに行った。というのは、ウイルスのみではIFN-γを誘導しないからである。次いで細胞を24時間(TNF-α) および/または72時間(IFN-γ)インキュベートした。サイトカイン濃度を細胞培養上清において、TNF-α またはIFN-γ特異的ELISAによって測定した。これら時点は実験条件を全PPVOをコントロールとして用いて決定した場合至適であると判明した。
TNF-αとIFN-γの両方の分泌を誘導し、したがって全PPVOの効果を真似ることが出来る5つの活性の組換えウイルス (VVOV 96、VVOV 97、VVOV 243、VVOV 285、およびVVOV 330)の同定が可能であった。結果を表2に示す。
表2
TNF-αは組換えウイルスまたはコントロールとともにそれぞれ血液細胞を24時間刺激した後に測定した。IFN-γは血液細胞を組換えウイルスまたはコントロールで72時間刺激した後に測定した。刺激は分裂促進因子であるConAの存在下で行った。ワクシニアウイル コントロールに対する%における相対的誘導を示す。それゆえ、100 %を超える値はPPVO 断片の活性に起因する。活性PPVO 断片を太字で示す。データは3つの異なる血液ドナーの平均値である。
Figure 0005699093
表 3
インターフェロンガンマおよびTNF-α発現の両方を誘導する組換えワクシニアリスター/PPVO ウイルスを列1に挙げ、対応するPPVO 配列を列2に、組換え体に完全にまたは部分的に含まれるすべてのオープンリーディングフレーム (ORF) を列3に示す。
Figure 0005699093
実施例3
肝臓洞内皮細胞 (LSEC)におけるPPVO遺伝子産物による局所的免疫調節
本発明者らは様々な系(例えば、ワクシニアウイルス)にて発現した組換え PPVO タンパク質の肝保護特性の試験を可能にする新規な細胞に基づくアッセイ系を確立した。このアッセイ系は免疫または寛容が肝臓において誘導されるかの決定に中心的な役割を果たす一次マウス肝細胞であるLSECを用いる。CD8+T細胞に対する外因抗原をMHCクラスI分子上に提示するLSECの特有の能力により、肝細胞の免疫学的監視が可能となる。というのは、感染した肝細胞によって放出されるウイルス抗原はおそらくLSECに取り込まれ、免疫系の細胞に提示されるからである。この新規なアッセイにより、壊死性炎症性(necroinflammatory)肝炎における組織の破壊の原因であるCD8+T細胞と抗原特異的に相互作用するLSECの能力の測定が可能となる。
LSECの純粋集団はマウス肝臓から段階的手法によって単離され、その手法とは、コラゲナーゼA (0.05 %)による門脈灌流、機械的分散およびさらなる回転水浴中の40分37℃(245 rpm)での酵素消化、勾配遠心分離 (メトリザミド 1.089g/cm3)および遠心洗浄(これは、JE-6Bローターおよび標準的洗浄チャンバを備えたBeckman Avanti J25I 遠心分離器を用いる)である。この方法により単離されたLSEC 細胞集団は典型的には、内皮細胞特異的基質 (アセチル化低密度リポタンパク質)の取り込みにより測定するとおよそ95-99 %純粋である。LSECをI型コラーゲンコーティングした24ウェル組織培養プレートに密度100.000 細胞/ウェルで播き、5 % 胎児ウシ血清 (アッセイ系を妨害しないことを特に試験したもの) および2 %グルタミンを追加したダルベッコ改変イーグル培地で培養した。単離の3日後、LSECが有糸分裂後の静止状態となった際に、本発明者らはLSECが可溶性卵白アルブミンを(卵白アルブミン-特異的)CD8+T細胞に提示する能力を試験した。LSECを1μMの卵白アルブミンとともに3時間インキュベートし(抗原用量と時間は以前に抗原提示に影響を与えると考えられる物質の試験のために最適であることが示されたものである)、洗浄し、そしてペプチド SIINFEKLを認識するCD8+T細胞ハイブリドーマ (200.000 細胞/ウェル)とともにインキュベートした。 SIINFEKLはH2b状況(context)において認識され、MHC-I分子に直接結合する。それゆえ、それは細胞によってプロセシングされる必要がない。これによってLSECの補助機能 (例えば、MHC-I 発現)と抗原プロセシング機能の識別が可能となる。
CD8+T細胞活性化の程度を、特異的サンドイッチ ELISAによって、T細胞からのIL-2の放出の程度を決定することによって測定した。
PPVOに由来するワクシニアウイルスによって発現された組換えタンパク質を用いることによって、本発明者らは肝保護活性が個々のクローンに起因することを確認できた。LSECによる交差提示に影響を与えるその能力に関して異なるクローンを直接比較することを可能にするために、本発明者らは等量の「感染単位」を用いた。
本発明者らはLSECが、外因性卵白アルブミンを非常に効率的にMHCクラスI分子(kb)上でCD8+T細胞に交差提示することを見いだした。驚くべきことに本発明者らはLSEC を様々な組換えPPVOタンパク質とインキュベートした場合に、本発明者らは、活性成分以外はすべて含む偽処置コントロールと比較して60 %を超える交差提示の強力な下方制御を観察した。PPVO のゲノム内のいくつかの領域は免疫調節特性を有する。特にゲノムの3’末端に位置する82と呼ばれる領域は(43 %の減少)、LSECによる交差提示に対するPPVOの全体の効果の原因であるようである。さらなる領域(VVOV 215、VVOV 212、VVOV 247およびVVOV 86)は程度は低いが (交差提示における約30 %の減少)さらに免疫調節能力を有している。交差提示を下方制御するタンパク質をコードする遺伝子はクラスター内に位置しているようである。本発明者らは交差提示を改善するタンパク質 (VVOV 330、VVOV 283、VVOV 285、VVOV 97、およびVVOV 96)をコードする2つの遺伝子クラスターを同定したことは注目に値する。しかし、上記のタンパク質の下方制御効果が交差提示に対するPPVOの活性において優勢であるかの理由はわからない。
本発明者らの結果は、肝臓の完全性を保存し、肝線維症に二次的な長期にわたる損傷を回避しつつB型肝炎ウイルスから肝細胞を補完的な方法で守るように働く様々なタンパク質の混合物をPPVOが含むことを強く示唆する。PPVOは抗炎症剤 IL-10 (ゲノムの5-プライム領域に位置する)に対して相同性の高い遺伝子を含むことから、本発明者らは、クローン82の強力な下方制御効果がヒツジ IL-10の発現に起因するのかと考えた。これはマウスとヒツジ IL-10の間に受容体認識レベルで交差反応性が存在することを仮定する。本発明者らはPPVOの免疫調節能力に対するヒツジ IL-10の関与を確認することは出来なかった。組換えマウスIL-10は LSECを介する交差提示になんら影響を示さず、マウスおよびヒトIL-10に対するいくつかのモノクローナル抗体はPPVOに媒介される交差提示の下方制御に影響を与えなかった。本発明者らは、PPVOの免疫調節成分はおそらくIL-10ではなく、今までに同定されていない新規なメディエーターであると結論する。MHC-I 交差提示を下方制御する組換えウイルスのデータを表 4に示し、MHC-I 交差提示を刺激する組換えウイルスのデータを表 5に示す。
表 4
MHC-I 交差提示を下方制御する組換えワクシニアリスター/PPVO ウイルスを列1に、対応するPPVO 配列を列2にそして組換え体に全体または部分的に含まれるすべてのオープンリーディングフレーム(ORF)を列3に示す。
Figure 0005699093
表 5
MHC-I 交差提示を刺激する組換えワクシニアリスター/PPVO ウイルスを列1に、対応するPPVO 配列を列2に、そして組換え体に全部または部分的に含まれるすべてのオープンリーディングフレーム(ORF)を列3に示す。
Figure 0005699093
実施例4
Aujeszky マウスモデルにおけるワクシニアリスター/PPVO組換え体の免疫賦活活性の測定
本発明者らはまた、組換えワクシニアリスター/PPVO NZ2-ウイルスの活性をAujeszky マウスモデルにおいて試験した。これは急性スード(Suid)ヘルペスウイルス1疾患の致死的攻撃モデルであり、様々な免疫賦活剤(例えば、Baypamun(登録商標)、CpGオリゴヌクレオチド)の活性を測定するものである。
a)マウスに用いた条件
NMRI マウス (異系交配株 HdsWin:NMRI; 雌;体重: 18-20 g; Harlan/Winkelmann、Borchen、Germanyから得た)をS2単離区画(isolation stall)内のおがくずを敷いたオートクレーブ可能なポリカーボネート枠箱20-22℃(大気湿度: 50-60 %)に入れ、人工昼夜リズムに供した(6:30〜18:30明条件、18:30〜6:30暗条件)。マウスには餌と水を自由に与えた。
b)攻撃モデル
1群あたり10匹のマウスからなるマウスの群を試験に用いた。1つの群中のすべての動物には同一の被験物質を与えた。
マウスに与えた後、動物区画(stall)中で2-3日間飼育した。ワクシニアリスター/PPVO NZ2組換え体をPBS (Life Technologies GmbH、Karlsruhe、Germany)で希釈し、力価をおよそ108 TCID50/ml相当とし、熱で不活化した(58℃で1時間を2回)。これら溶液をマウス当たり0.2 ml 腹腔内に投与した。
処理の24時間後、マウスを仮性狂犬病 ウイルスHannover H2 株で腹腔内注射により感染させた。この目的のため、ウイルスをPBSに希釈し、試験力価をおよそ104 TCID50/mlとし、0.2 mlのこの懸濁液を投与した。
ネガティブコントロールとして1群のマウスをPBSで処理し、次いで感染させた。この群のマウスは感染の3-8日後に死亡した。ワクシニアリスター/PPVO NZ2組換え体 VVOV 215、VVOV 245、VVOV 285またはVVOV 330で処理したマウスの大部分は仮性狂犬病ウイルスにより感染しても生存していた。ウイルスによる感染の10日後、試験を終了した。
誘導された免疫刺激のレベルをPBS コントロール群において死亡したマウスの数と被験群において死亡したマウスの数を比較することにより測定し、有効係数 (EI)により定量した。この係数は、被験物質による免疫刺激を介するAujeszky ウイルス感染の致死的効果に対して保護されたマウスのパーセンテージ比率を示す。それは下記式により計算される:
EI = (b-a)/b x 100、
ここでbはコントロール 群における死亡したマウスのパーセンテージ比率でありaは被験群における死亡したマウスのパーセンテージ比率である。
カイ二乗検定を統計学的評価に用いた。この検定は、被験物質で処理されたマウスの死亡率とPBSで処理されたマウスの死亡率との有意差を示す最小活性係数(active indices)を明らかにする。活性係数60 %以上は有意であり、この場合、PBSコントロール群におけるn=6 マウス/群を用いる試験に用いたマウスのうち少なくとも5匹そしてPBSコントロール群におけるn=10を用いる試験に用いたマウスのうち少なくとも7匹がAujeszky ウイルスによる感染によって死亡する。
全部で3つの別々の試験を各ケースにおいて行った。Aujeszky マウスモデルにおけるワクシニアリスター/PPVO NZ2組換え体の試験によって以下が示される:
驚くべきことに、ワクシニアリスター/PPVO NZ2組換え体 VVOV 215、VVOV 245、VVOV 285 またはVVOV 330によるマウスの処理の後、60 %を超える平均活性係数により免疫刺激が示された。一方その他のすべてのワクシニアリスター/PPVO NZ2組換え体は有効ではなかった。データを表 6に要約する。
表 6
ヘルペスウイルス誘導性の死からマウスを保護した組換えワクシニアリスター/PPVO ウイルスを列1に、対応するPPVO 配列を列2に、そして組換え体に全体または部分的に含まれるすべてのオープンリーディングフレーム (ORF)を列3に示す。
Figure 0005699093
表 7
パラポックスオヴィス・オープンリーディングフレームの配列。名前が「r」で終わるORFは相補的DNA鎖にコードされる。「from」列と「to」列における塩基対位置は配列番号1に対するものである。
Figure 0005699093
Figure 0005699093
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Claims (1)

  1. 肝炎、乳頭腫症、ヘルペスウイルス感染、肝臓線維症、HIV 感染、AIDS、およびインフルエンザを含む群から選択されるウイルス感染およびそれらと関連する疾患を処置する方法における使用のための、交差提示を下方制御するために有効である、配列番号1のヌクレオチド122350 〜 123924 (ORF 120)、123962 〜 125566 (ORF 121)、125193 〜 124591 (ORF 122r)、125689 〜 123935 (ORF 123r)、123839 〜 123297 (ORF 123ar)、125652 〜 126170 (ORF 124)、126121 〜 125699 (ORF 125r)、126279 〜 127769 (ORF 126)、127851 〜 128408 (ORF 127)、128520 〜 130076 (ORF 128)、130105 〜 131700 (ORF 129)、131790 〜 133283 (ORF 130)、133246 〜 133920 (ORF 131)、133972 〜 134370 (ORF 132)、134418 〜 134693 (ORF 133a)、134402 〜 134992 (ORF R1)、134853 〜 134419 (ORF R2r)、135628 〜 135897 (ORF R3) からなる配列の群から選択される配列またはその相補的配列、およびその機能的バリアントを有するポリヌクレオチドのオープンリーディングフレーム(ORF)によってコードされる組換えポリペプチドを含む粒子-様構造を含む医薬組成物。
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