JP5697248B2 - 変位低減地盤改良工法 - Google Patents

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本発明は、干満による水位変化の起こる海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤を地盤改良する際、施工時に起こる地盤の変位を低減して岸壁や護岸などの対象構造物に悪影響が及ばないようにする変位低減地盤改良工法に関する。
従来、ケーシングを地盤に貫入し、砂を圧入して周囲の地盤を締固める締固め工法や、地盤に攪拌翼を貫入し、セメントなどの固化材を注入して攪拌混合する固化工法では、材料や機材を地盤中に圧入することで、地盤に間隙水圧や変位が発生していた。このため、この変位を低減する変位低減地盤改良工法が知られており、この変位低減地盤改良工法は、特開2001−107353号公報に開示されているように、まず、地盤改良工法として、締固め工法の一手法であるSAVEコンポーザー工法という静的締固め砂杭工法を用いて、圧縮空気を使用して砂等の地盤改良材を地盤に圧入し、ここに拡径した改良杭を造成して地盤を締固めることで地盤改良するようにしているが、この静的締固め砂杭工法を用いた地盤改良をする前に、その周囲あるいは等間隔に空気の逃げ道となる透気性材料による逃がし用の杭体を多数打設しておき、この予め打設した逃がし用の杭体によって、地盤改良する際の施工時に、ここより圧縮空気などを排出して、施工時に起こる地盤の変位を低減するようにしたものである。
また、前記逃がし用の杭体を打設する代わりに、大きな穴や溝などを地盤改良する周囲や間に掘削しておき、この掘削した穴や溝によって、地盤改良する際、施工時に起こる地盤の変位を低減するといったことも考えられていた。
特開2001−107353号公報
しかしながら、従来の変位低減地盤改良工法にあっては、地盤改良する周囲などに逃がし用の杭体を多数打設するといった前作業工程が必要となり、この作業自体も多数の杭体を打設することから大掛かりで費用も掛かるため、地盤改良工事全体の工費が高くなり、工期も長くなるといったことがあった。また、逃がし用の杭体を打設する代わりに、大きな穴や溝などを掘削する場合も、掘削作業自体は単純であるものの、地盤改良施工時に掘削した穴や溝において崩壊などが起こらないようにするため、特に軟弱な地盤では崩壊が頻繁に起こるため、これらの維持管理を常に厳重に行わなくてはならず、非常に手間がかかり、地盤改良工事における作業性が極めて悪いといったことがあった。
これらのことから、海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤を改良工事する場合、施工時に起こる地盤の変位を考慮して、締固め工法を用いるのではなく、地盤中に高圧水を高圧噴射して地盤を切削し、地表面に排泥を上昇させて変位の発生を抑制し、その後に硬化材で置換する高圧噴射工法を用いて、地盤改良工事を行うといったことも考えられるが、この高圧噴射工法はかなり高価な工事方法であることから、地盤改良工事の工費が非常に高くなってしまうといった問題があった。
第1の発明は、干満による水位変化の起こる海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤を地盤改良する際、干潮時には施工時に発生する過剰間隙水圧の影響を岸壁や護岸などの対象構造物が受けないようにすることが可能となる距離まで海側から離れた箇所で地盤改良の施工を行い、満潮時には海側から陸側に向かう圧力の合力で、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することが可能となる距離まで海側に近付いた箇所で地盤改良の施工を行うことで、干満による水位変化に応じて施工する箇所を変更することにより、施工時に起こる地盤の変位を低減して岸壁や護岸などの対象構造物に悪影響が及ばないようにする変位低減地盤改良工法である。
第2の発明は、第1の発明にあって、地盤改良する岸壁や護岸近傍の地盤の残留水位を、地下水位低下工法を用いて干潮時の水位である低水位以下にする変位低減地盤改良工法である。
第3の発明は、第1又は第2の発明にあって、地盤改良する岸壁や護岸近傍の地盤において、過剰間隙水圧比と水平距離との関係に基づき距離減衰する過剰間隙水圧を求めて、この求めた距離減衰する過剰間隙水圧に基づいて、岸壁や護岸などの対象構造物から施工する箇所までの距離である施工距離を決定する変位低減地盤改良工法である。
本発明によれば、海側から陸側に向かう圧力の合力で、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することが可能となる距離まで海側に近付いた箇所で地盤改良の施工を行う場合、満潮時に行うことで、海側から陸側に向かう圧力の合力で、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することにより、地盤の変位を低減して岸壁や護岸などの対象構造物に悪影響が及ばないようにすることができ、対象構造物が損傷を受けるといったことをなくす。
しかも、従来の変位低減地盤改良工法における地盤改良する周囲などに逃がし用の杭体を多数打設するといった前作業工程をなくすことで、工費の大幅な低減及び工期の短縮を図ることができ、経済的にも優れたものにすることができる。また、海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤を改良工事する際、高価な工事方法である高圧噴射工法などを用いることなく、比較的に安価で経済的な締固め工法を用いることでも、工費の低減を図ることができる。
また、本発明によれば、地盤の残留水位を、干潮時の水位である低水位以下にしておくことで、常に海側より受ける水圧による海側から陸側に向かう圧力の合力が作用するようになり、この海側から陸側に向かう圧力の合力によって、施工時に発生する過剰間隙水圧により起こる地盤の変位を相殺することができ、地盤の変位を低減して岸壁や護岸などの対象構造物に悪影響が及ばないようにすることができる。
干潮時と満潮時とにおいて作用する力の状態を示す縦断面図である。 本発明の変位低減地盤改良工法を示す縦断面図である。 干潮時における変位低減地盤改良工法を示す縦断面図である。 満潮時における変位低減地盤改良工法を示す縦断面図である。 本発明の変位低減地盤改良工法における地下水位低下工法を示す縦断面図である。 地中間隙水圧計にて過剰間隙水圧比を測定する方法を示す説明図である。 杭半径と水平距離の比と過剰間隙水圧比との関係を示す図表である。
本発明の変位低減地盤改良工法の一実施形態について説明すると、変位低減地盤改良工法は、干満による水位変化の起こる海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤において、施工時に起こる地盤の変位を低減して岸壁や護岸などの対象構造物に悪影響が及ばないようにしながら、地盤改良するようにしたものである。
この地盤改良に用いる工法としては、サンドコンパクションパイル工法(SCP工法)、あるいは、SAVEコンポーザー工法やSAVE−SP工法といった静的締固め砂杭工法がある。ただし、これらに限定されるものではなく、他の固化工法も含めた地盤改良工法でも良い。
そして、本発明の変位低減地盤改良工法による地盤改良する干満による水位変化の起こる海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤にあっては、次のような力が作用していた。これは、図1(a)に示すように、干潮時は、海側の水位が低水位すなわちL.W.L.(low water level)であることから、地盤の残留水位すなわちR.W.L.(residual water level)は、この低水位(L.W.L.)よりも高くなることで、この残留水位(R.W.L.)により生じる残留水圧によって、岸壁や護岸などの対象構造物1には陸側から海側に向かう圧力の合力Paが作用していた。一方、図1(b)に示すように、満潮時は、海側の水位が高水位すなわちH.W.L.(high water level)であることから、地盤の残留水位すなわちR.W.L.(residual water level)は、この高水位(H.W.L.)よりも低くなることで、この高水位(H.W.L.)により生じる海側より受ける水圧によって、岸壁や護岸などの対象構造物1には海側から陸側に向かう圧力の合力Pbが作用していた。
次に、この干満による水位変化の起こる海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤を地盤改良する際、図2に示すように、干潮時には施工時に発生する過剰間隙水圧の影響を岸壁や護岸などの対象構造物1が受けないようにすることが可能となる距離まで海側から離れた箇所で施工を行い、満潮時には海側から陸側に向かう圧力の合力で、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することが可能となる距離まで海側に近付いた箇所で施工を行うことで、干満による水位変化に応じて施工する箇所、すなわち岸壁や護岸などの対象構造物1から施工する箇所までの距離Xを変更することにより、施工時に起こる地盤の変位を低減する。これによって、施工時、岸壁や護岸などの対象構造物1に悪影響が及ばないようにしている。
これについて具体的に述べると、図3に示すように、干潮時にあっては、施工時に発生する過剰間隙水圧の影響を岸壁や護岸などの対象構造物1が受けないようにすることが可能となる距離まで海側から離れた箇所で施工を行う。この地盤改良工法は、例えば静的締固め砂杭工法のSAVE−SP工法であって、施工機械3により地盤中にロッド4を所定深度まで貫入し、そのロッド4内に流動化砂をポンプにて圧送し、ロッド4先端から流動化砂を排出して地盤中に圧入し、ここに拡径して締まった改良砂杭5を形成する。そして、ロッド4を所定の高さ引き上げてから、先程と同様、ロッド4先端から流動化砂を排出して地盤中に圧入し、ここに拡径して締まった改良砂杭5を形成する。これを上方に向かって繰り返し行うことで、拡径して締まった改良砂杭5を地盤中に造成する。このように地盤中に拡径して締まった改良砂杭5を造成することにより、拡径して締まった改良砂杭5とともにその周囲の地盤を締固めることができ、これにより、軟弱な地盤を安定した地盤へと改良する。
そして、このとき、施工時に過剰間隙水圧が発生し、この過剰間隙水圧によりその周囲の地盤に変位が起こるようになる。しかしながら、施工時に発生する過剰間隙水圧の影響を岸壁や護岸などの対象構造物1が受けないようにすることが可能となる距離まで海側から離れた箇所で施工を行って、岸壁や護岸などの対象構造物1と施工する箇所との距離XLを離していることにより、施工時に発生する過剰間隙水圧により起こる地盤の変位の影響を小さくでき、岸壁や護岸などの対象構造物1に悪影響が及ばないようにすることができる。
一方、図4に示すように、満潮時にあっては、海側から陸側に向かう圧力の合力で、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することが可能となる距離まで海側に近付いた箇所で施工を行う。この地盤改良工法も、前述と同様、静的締固め砂杭工法のSAVE−SP工法であって、地盤中に拡径して締まった改良砂杭5を造成することにより、拡径して締まった改良砂杭5とともにその周囲の地盤を締固めることができ、これにより、軟弱な地盤を安定した地盤へと改良する。
そして、このとき、残留水位(R.W.L.)により生じる残留水圧とともに、施工時に過剰間隙水圧が発生し、この過剰間隙水圧と残留水圧とが相俟って、その周囲の地盤に大きな変位が起こるようになるが、満潮時には高水位(H.W.L.)により生じる海側より受ける水圧によって、海側から陸側に向かう圧力の合力Pbが作用することで、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を、海側から陸側に向かう圧力の合力Pbで相殺することができ、地盤の変位を低減することにより、岸壁や護岸などの対象構造物1に悪影響が及ばないようにすることができる。
なお、この過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を、海側から陸側に向かう圧力の合力Pbにて相殺して、地盤の変位を低減する点については、施工時に発生する過剰間隙水圧は、過剰間隙水圧比Δu/σv´に有効土被り圧σv´を乗じることで求められることから、たとえば、有効土被り圧σv´(深度5m程度)が50kN/m、過剰間隙水圧比Δu/σv´が0.5の場合、過剰間隙水圧は25kN/mとなる。そして、干満による水位変化が2.5mの場合、満潮時には海側より受ける水圧によって作用する海側から陸側に向かう圧力の合力Pbは25kN/mとなる。これにより、施工時に発生する25kN/mの過剰間隙水圧を、25kN/mの海側から陸側に向かう圧力の合力Pbで相殺することができ、地盤の変位を低減することができる。
このように、海側から陸側に向かう圧力の合力で、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することが可能となる距離まで海側に近付いた箇所で施工を行う場合、満潮時に行うことで、海側から陸側に向かう圧力の合力Pbで、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することにより、地盤の変位を低減して岸壁や護岸などの対象構造物1に悪影響が及ぶことがなく、対象構造物1が損傷を受けるといったことをなくす。しかも、従来の変位低減地盤改良工法における地盤改良する周囲などに逃がし用の杭体を多数打設するといった前作業工程をなくすことで、工費の大幅な低減及び工期の短縮を図ることができる。
また、前記実施態様において、地盤改良する岸壁や護岸近傍の地盤の残留水位(R.W.L.)を、地下水位低下工法を用いて干潮時の水位である低水位(L.W.L.)以下にして、常に海側より受ける水圧による海側から陸側に向かう圧力の合力Pbを作用させておき、この状態で、海側に近い箇所を含むすべての箇所で施工を行うようにすることもできる。
この地下水位低下工法としては、ウェルポイント工法やディープウェル工法などの工法が挙げられるが、排水処理性能や良好な作業性、工期の短縮化などを考えると、ウェルポイント工法が最適である。ただし、これに限定されるものではない。
そこで、ウェルポイント工法を用いた場合について説明すると、図5に示すように、干満が起こる海岸において地盤改良する際、まず、鋼矢板10を所定に位置に打ち込む。そして、打ち込んだ鋼矢板10の陸側に、所定のマウンドを造成してから、ウェルポイント工法を用いて地盤中の水を吸引し排出する。これは、載置した架台11の上に、ヒューガルポンプや真空ポンプといった機器本体12とノッチタンク13を設置して、この機器本体12からヘッダーパイプ14を介して地盤に打設した複数本のライザーパイプ15につなぐ。このライザーパイプ15の先端にはウェルポイント16を取り付けており、このウェルポイント16で地盤中の水を吸引するようになり、吸引した水が機器本体12からノッチタンク13に集められて、ここから外に排出される。これにより、地盤の残留水位(R.W.L.)を低下させて、最終的に残留水位(R.W.L.)を、干潮時の水位である低水位以下(L.W.L.)にする。
このように地盤の残留水位(R.W.L.)を、干潮時の水位である低水位(L.W.L.)以下にすることで、常に海側より受ける水圧による海側から陸側に向かう圧力の合力Pbが作用するようになる。これにより、施工を行う場合、常に作用している海側から陸側に向かう圧力の合力Pbによって、施工時に発生する過剰間隙水圧により起こる地盤の変位を相殺することができ、地盤の変位を低減して鋼矢板10などの対象構造物1が損傷を受けないようにする。
なお、このウェルポイント工法などの地下水位低下工法を用いて予め地盤の残留水位(R.W.L.)を下げる手法にあっては、干満による水位変化の起こる海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤の改良工事のみに限定されるものではなく、既存の対象構造物に何らの悪影響も及ばないようにすることができるという点で他の地盤改良工事においても有効に用いることができることは言うまでもない。
また、地盤改良する岸壁や護岸近傍の地盤において、過剰間隙水圧比と水平距離との関係に基づき距離減衰する過剰間隙水圧を求めて、この求めた距離減衰する過剰間隙水圧に基づいて、岸壁や護岸などの対象構造物1から施工する箇所までの距離Xである施工距離を決定して、この施工距離によって施工する箇所を決めるようにする。
これについては、地盤の特性はそれぞれに地盤により異なることから、地盤改良においてこの地盤の特性を考慮するようにしたものであって、事前に、地中間隙水圧計20を用いて過剰間隙水圧比Δu/σv´を測定する。これは、図6に示すように、たとえば、地盤に半径35cmの締固め砂杭21を造成しつつ、造成する締固め砂杭21から水平距離r離れた箇所に設けた地中間隙水圧計20にて過剰間隙水圧比Δu/σv´を測定し、この水平距離rを変更しながら複数の過剰間隙水圧比Δu/σv´を測定することにより、図7に示すように、過剰間隙水圧比Δu/σv´と水平距離rとの関係を導き出す。
そして、この導き出した過剰間隙水圧比Δu/σv´と水平距離rとの関係に基づき距離減衰する過剰間隙水圧を求める。これは、まず、前述したように施工時に発生する過剰間隙水圧が、過剰間隙水圧比Δu/σv´に有効土被り圧σv´を乗じることで求められることから、たとえば、有効土被り圧σv´を50kN/mとした場合、水平距離rが3m50cmのときは、過剰間隙水圧比Δu/σv´が約0.45であり、この過剰間隙水圧比Δu/σv´に有効土被り圧σv´を乗じる、すなわち、0.45×50kN/mで、距離減衰する過剰間隙水圧が約22.5kN/mとなり、また、水平距離rが7mのときは、過剰間隙水圧比Δu/σv´が約0.2であり、0.2×50kN/mで、距離減衰する過剰間隙水圧が約10kN/mとなり、また、水平距離rが10m50cmのときは、過剰間隙水圧比Δu/σv´が約0.15であり、0.15×50kN/mで、距離減衰する過剰間隙水圧が約7.5kN/mとなる。
このようにして距離減衰する過剰間隙水圧を求め、この求めた距離減衰する過剰間隙水圧に基づいて、岸壁や護岸などの対象構造物1から施工する箇所までの距離Xである施工距離を決定する。この施工距離の決め方としては、海側より受ける水圧によって作用する海側から陸側に向かう圧力の合力Pbが、前述した距離減衰する過剰間隙水圧に対抗して、海側から陸側に向かう圧力の合力Pbで相殺できるようにするもので、たとえば、海側から陸側に向かう圧力の合力Pbが22.5kN/mのとき、これと同じ力となる距離減衰する過剰間隙水圧が22.5kN/mのときの水平距離vrを割り出し、この場合、水平距離rが約3m50cmであることから、施工距離は3m50cmとする。また、海側から陸側に向かう圧力の合力Pbが10kN/mのとき、これと同じ力となる距離減衰する過剰間隙水圧が10kN/mのときの水平距離rを割り出し、この場合、水平距離rが約7mであることから、施工距離は7mとする。このように距離減衰する過剰間隙水圧を海側から陸側に向かう圧力の合力Pbで相殺することのできる水平距離rを割り出して、これを施工距離とするもので、そして、この施工距離によって施工する箇所を決める。
以上のように、施工距離を決定し、この施工距離によって施工する箇所を決めることにより、施工時の干満による水位変化及びそれぞれの地盤の特性といった各種の状況に応じて、常に最適な状態で施工を行えるようにすることで、地盤改良工事における作業効率の向上を図ることができる。
1…対象構造物、3…施工機械、4…ロッド、5…改良砂杭、10…鋼矢板、11…架台、12…機器本体、13…ノッチタンク、14…ヘッダーパイプ、15…ライザーパイプ、16…ウェルポイント、20…地中間隙水圧計、21…締固め砂杭

Claims (3)

  1. 干満による水位変化の起こる海岸や河口や湖沼における岸壁や護岸近傍の地盤を地盤改良する際、
    干潮時には施工時に発生する過剰間隙水圧の影響を岸壁や護岸などの対象構造物が受けないようにすることが可能となる距離まで海側から離れた箇所で地盤改良の施工を行い、
    満潮時には海側から陸側に向かう圧力の合力で、過剰間隙水圧や残留水圧により起こる地盤の変位を相殺することが可能となる距離まで海側に近付いた箇所で地盤改良の施工を行うことで、
    干満による水位変化に応じて施工する箇所を変更することにより、施工時に起こる地盤の変位を低減して岸壁や護岸などの対象構造物に悪影響が及ばないようにすることを特徴とする変位低減地盤改良工法。
  2. 地盤改良する岸壁や護岸近傍の地盤の残留水位を、地下水位低下工法を用いて干潮時の水位である低水位以下にすることを特徴とする請求項1記載の変位低減地盤改良工法。
  3. 地盤改良する岸壁や護岸近傍の地盤において、過剰間隙水圧比と水平距離との関係に基づき距離減衰する過剰間隙水圧を求めて、この求めた距離減衰する過剰間隙水圧に基づいて、岸壁や護岸などの対象構造物から施工する箇所までの距離である施工距離を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の変位低減地盤改良工法。
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