JP5693325B2 - 健診結果出力システム及び健診結果出力プログラム - Google Patents

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本発明は、健康診断の結果を出力する健診結果出力システム及び健診結果出力プログラムに関する。
健康診断の結果は、各検査項目に対して検査値と基準範囲(正常範囲)が併記されるのが通常である。この基準範囲は、健常者集団の検査値の分布において上位2.5%と、下位2.5%を除く95%の検査値が含まれることとなる範囲であり、医師や被検者は、基準範囲と検査値の関係によって検査値の良し悪しを判断することができる(非特許文献1参照)。
また、近年では、健診結果は、基準範囲と検査値の関係だけでなく、過去の検査値の推移によって健康状態の悪化や改善を判断するのが好ましいとされている。基準範囲は測定方法や分析装置に依存するため、多数の測定方法や分析装置が混在する現状では、実際の測定値(実測検査値)同士を直接比較するのは適当でないが、発明者らは、測定方法や分析装置の異なる検査値相互を適切に対比可能とする換算プログラムを既に提案している(特許文献1参照)。
特開2009−176023号公報
井野邦英,基準範囲の設定方法,岐阜QA研究会1995年度研究集会報告書,p.7−13
ところで、特許文献1に記載のプログラムを用いることで、異なる条件で測定された検査値同士を適切に比較可能となったものの、それだけでは、被検者の検査値の推移を十分に評価することができなかった。すなわち、検査値の履歴は、測定条件が同じであっても全く同じ数値になることは稀であり、大なり小なり増減しているのが普通である。このため、医者や被検者は、検査値の履歴が表示されても、その検査値が増減を繰り返していたりすると全体傾向を判断し難い場合がある。また、検査値の推移に増加傾向や減少傾向が見受けられたとしても、その傾向が誤差程度の矮小なものなのか、また、注目すべきものなのかを判断するのが難しかった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、検査値の履歴に基づいて、健康状態をより的確に判断可能とする健診結果出力システム及び健診結果出力プログラムの提供を目的とする。
本発明は、複数人の被検者の健診結果情報を記憶するデータベースと、該データベースに記憶される各被検者の健診結果情報を出力する健診結果出力手段とを備える健診結果出力システムであって、前記データベースは、各被検者の複数回に亘る健診結果を関連付けて記憶するものであり、前記健診結果出力手段は、一被検者の健診結果情報について、一の検査項目の検査値の履歴から回帰式を計算し、時間軸上に、前記検査値の履歴と、前記回帰式から求められる未来の予測検査値と、前記検査値の基準範囲とを表示してなる検査値履歴グラフを作成する機能を有することを特徴とする健診結果出力システムである。
ここで、本発明に係る「検査値」は、検査機器などによって測定される検査値(以下、実測検査値という。)に限らず、実測検査値を変数変換して規格化した検査値(以下、規格化検査値という。)を含む。
かかる構成にあっては、医師や被検者は、検査値履歴グラフに表示された予測検査値を参照することで、被検者の検査値履歴の重要性を判断し易くなる。例えば、最新の検査値が基準範囲に収まっていても、1年後の予測検査値が基準範囲を外れる値であれば、被検者は、事前に何らかの対策を行うことが好ましいことになり、被検者は医師から早めに適切なアドバイスを得ることが可能となる。
本発明にあって、前記回帰式は、検査日の古い検査値ほど重み付けを軽くして求めた直線回帰式である構成が提案される。検査値の信頼性は、新しい検査日のものほど高く、古い検査日のものほど低いため、かかる構成のように、検査日に応じて重み付けを行うことで、回帰式の精度を高めることができ、より正確な予測検査値を得ることが可能となる。
また、本発明にあって、前記健診結果出力手段は、検査値履歴グラフに、回帰式の信頼区間を表示する構成が提案される。かかる構成にあっては、回帰式の信頼区間から予測検査値の信頼度合いを確認することができ、これにより、予測検査値を一層適切に活用することが可能となる。
また、本発明にあって、前記検査値履歴グラフに表示する検査値は、一被検者の実測検査値を、その基準範囲に基づいて、健常者集団の実測検査値の分布の平均からどの程度ずれているかを示す無次元数に変換した、集団内規格化検査値である構成が提案される。すなわち、「集団内規格化検査値」とは、健常者集団の検査値を母集団とする偏差値やZ値、又は、それらに準ずる値である。かかる集団内規格化検査値を検査値履歴グラフに表示することで、測定方法や分析装置などの異なる検査値同士を適切に比較することが可能となり、検査値の履歴に基づいて信頼性の高い予測検査値を示すことが可能となる。なお、実測検査値を集団内規格化検査値に変換する方法は、特許文献1の検査値の換算と同様に、実測検査値の分布型に合わせて選択することが望ましい。
また、本発明にあって、一の検査項目について、複数被検者の検査値履歴の間で分散分析を行い、該分散分析から推定される一被検者の検査値の分布に基づいて、該一被検者の個人内基準範囲を決定する機能を有する構成が提案される。かかる構成にあっては、一被検者の検査値の変動を、当該被検者の検査値の履歴のみから推定するのではなく、複数被検者の検査値履歴を用いて分散分析を行うことによって、一被検者の検査値の分布をより高い精度で推定可能となる。なお、ここでいう「個人内基準範囲」とは、被検者個人の検査値の分布において、大部分(通常95%)の検査値が含まれることとなる範囲であり、本願において、単に「基準範囲」と表記されるものとは異なる。すなわち、「基準範囲」が、健常者集団の検査値の分布をベースに算出されるのに対して、「個人内基準範囲」は、被検者個人の検査値の分布をベースに算出される。かかる「個人内基準範囲」は、個人間の体質の違いによる検査値のバラツキを除去できるため、単なる「基準範囲」に比べて、被検者個人の体質に特化した基準を設定できる。
また、本発明にあって、前記健診結果出力手段は、一被検者の実測検査値を、その基準範囲に基づいて、健常者集団の実測検査値の分布の平均からどの程度ずれているかを示す無次元数に変換した集団内規格化検査値を第一の座標軸とし、前記一被検者の実測検査値を、該一被検者の検査値履歴の分布の平均からどの程度ずれているかを示す無次元数に変換した個人内規格化検査値を第二の座標軸とする座標上に、前記一被検者の複数検査項目の検査値をプロットした散布図を作成する機能を有する構成が提案される。ここで、「個人内規格化検査値」とは、当該被検者個人の検査値を母集団とする偏差値やZ値、又は、それに準ずる値である。かかる個人内規格化検査値は、被検者個人の検査値分布における偏り度合いを示すものであるから、かかる散布図にあっては、複数検査項目に亘る検査値について、健常者集団内及び個人内における各検査値の偏り度合いを、一目で把握することが可能となる。
また、本発明にあって、一被検者の複数検査項目の検査値について、マハラノビス距離を算出し、該マハラノビス距離に基づく判定結果を出力する構成が提案される。かかる構成にあっては、複数検査項目に亘る検査値について包括的な判断を行うことが可能となる。
また、本発明の別の態様は、一被検者の一検査項目の検査値の履歴から回帰式を計算する機能と、時間軸上に、前記検査値の履歴と、前記回帰式から求められる未来の予測検査値と、前記検査値の基準範囲とを表示してなる検査値履歴グラフを作成する機能と、該検査値履歴グラフを出力する機能とをコンピュータに実現させるための健診結果出力プログラムである。かかるプログラムによれば、本発明の健診結果出力システムを好適に実現可能となる。
以上に述べたように、本発明の健診結果出力システム及び健診結果出力プログラムによれば、検査値履歴グラフに、検査値の履歴や基準範囲に加えて将来の予測検査値を表示することで、医師や被検者は、従来よりも的確に健康状態を判断することができる。例えば、検査値の履歴が基準範囲に留まっていても、近い将来(例えば、1年後)の予測検査値が基準範囲から外れていれば、被検者は、予防措置を行うように注意したり、アドバイスを受けたりすることで、健康状態の悪化を未然に防ぐことが可能となる。
健診結果出力システム1の構成を示す概念図である。 被検者属性テーブルの内容を示す図表である。 個人履歴テーブルの内容を示す説明図である。 分布型決定テーブルの内容を示す図表である。 健診結果出力プログラムのプログラム構造を示す説明図である。 検査値履歴グラフの一例である。 散布図の一例である。 検査値一覧図の一例である。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
本実施例の健診結果出力システム1は、図1に示すように、被検者の健診結果情報を蓄積記憶するデータベースサーバー2と、ネットワーク3を介して該データベースサーバー2と接続される健診結果出力端末4と、健診結果情報を印字するためのプリンタ5とを備えている。データベースサーバー2は、本発明に係るデータベースを構成するものであり、健診結果出力端末4及びプリンタ5は、本発明に係る健診結果出力手段を構成するものである。
データベースサーバー2が記憶する被検者の健診結果情報は、被検者の属性情報を記憶する被検者属性テーブルと、被検者ごとに作成される個人履歴テーブルとを含んでいる。被検者属性テーブルには、図2に示すように、当該施設で健診を受けた全被検者の「被検者ID」、「被検者名」、「生年月日」、「性別」などの属性が記憶される。一方、個人履歴テーブルは、図3に示すように、各被検者の検査項目ごとに作成される複数の検査値履歴テーブル6により構成される。各検査値履歴テーブル6には、当該検査項目を検査した「検査日」と「実測検査値」と、実測検査値に対応する「基準値」(基準範囲の上限値及び下限値)が記憶される。さらに、各検査値履歴テーブルには、各実測検査値を規格化した「集団内規格化検査値」も記憶される。集団内規格化検査値については後述する。
データベースサーバー2は、健診施設内の検査・分析装置で測定された各被検者の健診結果(実測検査値)を取り込むことで、被検者の健診結果情報を逐次更新する。また、データベースサーバー2は、被検者が外部の健診施設で受診した健診の結果も取り込んで、当該被検者の個人履歴テーブルに組み込むことができる。
集団内規格化検査値は、各実測検査値を、基準値に基づいて、健常者集団の検査値の平均からどの程度ずれているかを示す無次元数に変数変換して規格化したものである。具体的には、集団内規格化検査値は、健常者集団の実測検査値を、平均値が「0」、基準値が「±1.96」の分布となるように変数変換したものである。データベースサーバー2は、健診施設内外から健診結果情報が入力されると、健診結果情報に含まれる実測検査値を集団内規格化検査値に変換し、検査値履歴テーブルに実測検査値とともに記憶する。このように、実測検査値を規格化しておくことで、異なる条件で測定された検査値同士を比較したり、複数検査項目に亘る検査値を包括的に分析したりすることが容易となる。
実測検査値を集団内規格化検査値に変数変換する方法は、変換する検査値の分布型によって異なる。具体的には、上記特許文献1に記載の検査値換算方法と同様に、実測検査値の分布が、正規分布型である場合、正規分布型の分布に変数変換可能な分布型(パラメトリック分布型)である場合、正規分布型の分布に変数変換不可能な分布型(ノンパラメトリック分布型)である場合に分けて、実測検査値の規格化を行う。データベースサーバー2は、図4に示すように、各検査項目について、健常者集団の検査値の分布型を記憶した分布型決定テーブルを備えており、上記3つの変数変換方法は、分布型決定テーブルを参照して決定される。
実測検査値の分布が正規分布型である場合には、まず、基準範囲下限値RL及び上限値RHに基づいて実測検査値の平均値XBと標準偏差SDを下記の式により算出する。
XB=(RL+RH)/2
SD=|RL−RH|/(2×1.96)
次に、算出した平均値XBと標準偏差SDに基づいて、以下の式により、変換対象の実測検査値Xiから集団内規格化検査値ZXiを算出し、検査値履歴テーブルに記憶する。
ZXi=(Xi−XB)/SD
この場合の集団内規格化検査値ZXiは、実測検査値XiのZ値そのものである。
実測検査値の分布が上記パラメトリック分布型の場合は、分布型テーブルを参照して当該分布型に対応する変換式を選択し、当該変換式を用いて以下の値を正規分布に順ずる値に変換する。
Xi:実測検査値
RL:実測検査値の基準範囲下限値
RH:実測検査値の基準範囲上限値
具体的には、以下のように、対数正規分布型に対しては対数変換を、べき乗分布型に対してはべき乗変換を行う。なお、下記数式において、pはべき乗分布型における指数である。
対数正規分布の場合: Xi、RL、RH → cXi=ln(Xi)、cRL=ln(RL)、cRH=ln(RH)
べき乗分布の場合 : Xi、RL、RH → cXi=Xip、cRL=RLp、cRH=RHp
次に、変数変換した基準範囲下限値cRL及び基準範囲上限値cRHに基づいて、変数変換後の検査値の平均値cXBと標準偏差cSDを算出する。具体的には、平均値cXBと標準偏差cSDは以下の数式より求められる。
cXB=(cRL+cRH)/2
cSD=|cRL−cRH|/(2×1.96)
次に、変数変換後の実測検査値cXiと、その平均値cXBと標準偏差cSDに基づいて、以下の式により集団内規格化検査値ZXiを算出し、検査値履歴テーブルに記憶する。
ZXi=(cXi−cXB)/cSD
実測検査値の分布が上記ノンパラメトリック分布型の場合は、下記の式によって変換対象の実測検査値Xiを集団内規格化検査値ZXiに変換する。
Xi≧RMの場合
ZXi=1.9×(Xi−RM)/(RH−RM)
Xi<RMの場合
ZXi=1.9×(Xi−RM)/(RM−RL)

Xi:実測検査値
RL:実測検査値の基準範囲下限値
RH:実測検査値の基準範囲上限値
RM:実測検査値の基準範囲中央値
なお、かかる変数変換には、当該検査条件における実測検査値の基準値RL,RHだけでなく、実測検査値の中央値RMが必要となる。かかる中央値RMが判明していない場合には、同一検査項目に関する、別の検査条件における実測検査値の基準範囲下限値oRLと中央値oRMから、下記式により推定する。
RM = RL + (oRM−oRL)×(TR /oTR)
健診結果出力端末4には、本発明に係る健診結果出力プログラムがインストールされており、これにより、健診結果出力端末4は、データベースサーバー2から被検者の健診結果情報を読み出して、健診結果情報を様々なパターンでモニターに表示したり、ネットワーク3に接続されたプリンタ5に印字させたりすることができる。
具体的には、健診結果出力プログラムは、図5に示すように、健診結果情報を出力する対象被検者(以下、対象被検者という。)の検査値履歴等をデータベースサーバー2から読み出す健診情報読出処理と、対象被検者の個人内基準範囲を決定する個人内分布分析処理と、対象被検者の検査値を個人内規格化検査値に変換する個人ベース規格化処理と、健診結果を様々な態様で出力する結果出力処理とを備えている。
健診情報読出処理では、健診結果出力端末4は、データベースサーバー2にアクセスして、対象被検者のIDや名前などに基づいて、データベースサーバー2に記憶された当該被検者の健診結果情報を読み出し、記憶装置に格納する。この記憶装置に格納された被検者の健診結果情報が、結果出力処理でモニター等に出力される。
個人内分布分析処理では、一検査項目について、対象被検者の検査値履歴から、対象被検者個人の検査値分布を分析し、当該分布における平均値や標準偏差、95%信頼区間(個人内基準範囲)を算出して記憶装置に格納する。個人内基準範囲は、健常者集団の検査値分布をベースとする基準範囲に比べて、個人差を無視できるため、対象被検者個人の体質に特化した基準範囲を示すことができる。
個人内分布分析処理では、2種類の方法によって個人内基準範囲等を選択的に算出できる。一つ目の方法は、対象被検者の検査値履歴のみから算出する方法であり、二つ目は、対象被検者以外の検査値履歴を用いて算出する方法である。
対象被検者個人の検査値履歴のみによって個人内基準範囲等を算出する場合には、より正確な結果を得るために、予め棄却検定(スミルノフグルブス棄却など)を用いて異常値を除去する。そして、異常値除去後に、対象被検者個人の検査値履歴より平均値、標準偏差を算出し、そこから個人内基準範囲(95%信頼区間)を算出する。集団内規格化検査値の分布を正規分布とみなすことができるため、集団内規格化検査値から個人内基準範囲は簡単に算出できる。
対象被検者以外の検査値履歴を用いる場合には、データベースサーバー2から、他の被検者の検査値履歴を読み出す。そして、対象被検者の検査値履歴とともに、複数被検者の検査値履歴の間で一元配置分散分析を行うことによって、各被験者間の検査値の変動と、個人内の検査値の変動とを分析する。そして、その分析結果より、対象被検者の検査値分布における平均値、標準偏差を算出し、さらに、そこから個人内基準範囲(95%信頼区間)を算出する。かかる場合には、複数被検者の検査値履歴を用いることで、算出する個人内基準範囲等の精度を高めることができる。
個人ベース規格化処理では、対象被検者の検査値を個人内規格化検査値に変換する。個人内規格化検査値は、被検者の検査値を、当該被検者個人の検査値の平均値からどの程度ずれているかを示す無次元数に変数変換して規格化したものである。具体的な処理としては、集団内規格化検査値ZXiを、下記の式に基づいて個人ベースで規格化した検査値pZXiに換算し、記憶装置に格納する。
pZXi=(ZXi−pM)/pSD
ここで、pMとpSDは、個人内分布分析処理で算出した、被検者の検査値の個人内分布の平均(pM)と標準偏差(pSD)である。
結果出力処理では、図5に示すように、検査値履歴グラフのデータを作成する検査値履歴グラフ作成処理と、散布図のデータを作成する散布図作成処理と、検査値一覧図のデータを作成する検査値一覧図作成処理と、健診結果の総合判定を行う総合判定処理と、グラフや図をモニタに出力するモニタ出力処理と、グラフや図をプリンタ5に印字させるプリンタ出力処理とを備えている。
図6は、健診結果出力端末4が出力する検査値履歴グラフの一例である。かかる検査値履歴グラフは、横軸が検査日を表す時間軸であり、縦軸が、一検査項目(例えばALB)の検査値(集団内規格化検査値)を表している。縦軸には、基準範囲を示す基準値と、5段階の判断値(判断値1〜5)が表示される。5段階の判断値は、基準範囲を外れた検査値の危険性を判断するための指標として、検査項目ごとに設定されるものである。この検査値履歴グラフにおいて、検査値履歴は丸印でプロットされる。検査値履歴を示す丸印は、2001年から2008年までプロットされており、2008年時点の検査値が最新の検査日のものにあたる。そして、検査値履歴グラフには、検査値履歴から算出された直線回帰式が時間軸全体に亘って表示される。この直線回帰式は、検査日の古い検査値ほど重み付けを軽くして算出したものである。具体的には、検査値履歴の中で、最も検査日の古い検査値(2001年)の重み付けを、最新の検査値(2008年)の1/10程度とし、後は、最新検査日からの日数の比率に応じて重み付けを変化させている。そして、直線回帰式上には、未来の検査日にあたる、2009年以降に、当該検査日における予測検査値が四角印でプロットされる。また、検査値履歴グラフには、直線回帰式の上下に、直線回帰式の95%信頼区間を示すラインが表示される。
かかる検査値履歴グラフによれば、医師や被検者は、直線回帰式によって示される予測検査値の推移を辿ることで、検査値の履歴の傾向を、より詳しく分析することが可能となる。例えば、図6の検査値履歴グラフでは、丸印でプロットされた検査値履歴だけでは、検査値の増減傾向が判然としないが、直線回帰式上に示された予測検査値によれば、当該検査項目の検査値が増加傾向にあることが明確にわかる。また、数年後(2012年)の予測検査値は、判断値1を超えた危険な数値を示しているため、医師や被検者は、現在の増加傾向が誤差程度のものでなく、注意に値するものであると判断できる。このように、かかる検査値履歴グラフでは、最新の検査値が注意すべき数値でなくても、近い将来(例えば、1年後)の予測検査値が注意すべき数値であれば、医師や被検者は、かかる予測検査値によって将来のリスクを察知して、検査値が基準範囲を外れる前に、早めに対策をすることができる。逆に、最新の検査値が集団や個人の基準範囲外であっても、近い将来の予測検査値が基準範囲内にあれば、医者や被検者は、検査値が改善傾向にあることがわかり、当該検査値について、それほど懸念しなくて済む。
特に、かかる検査値履歴グラフでは、直線回帰式の95%信頼区間を表示しているため、医師や被検者は、グラフに表示された予測検査値の信頼度も把握することができる。
また、検査値履歴グラフに表示される直線回帰式は、比較的信頼性の低い、検査日の古い検査値ほど重み付けを軽くして算出しているから、精度の高い直線回帰式を表示することができ、これにより、予測検査値の確実性を向上できるという利点がある。
また、検査値履歴グラフに表示する検査値及び基準範囲は、集団内規格化検査値を用いているから、測定方法や分析機器の異なる過去の検査値を包括的に扱うことができ、多くの検査値に基づいて、より信頼性の高い予測検査値を示すことができるという利点がある。
図7は、健診結果出力端末4が出力する散布図の一例である。散布図は、集団内規格化検査値を横軸とし、個人内規格化検査値を縦軸とする二次元座標上に、複数の検査項目の検査値をプロットしてなるものである。かかる散布図には、特定検査日における3つの検査項目(TB,ALB,CRE)の検査値がプロットされ、また、縦軸及び横軸には、集団内規格化検査値と個人内規格化検査値の95%信頼区間が夫々明示される。かかる散布図によれば、医師や被検者は、検査値を検査項目ごとに個別に判断するだけでなく、複数検査項目の検査値について、包括的かつ多面的な把握することが可能となる。
図8は、健診結果出力端末4が出力する検査値一覧図の一例である。検査値一覧図は、特定検査日における複数検査項目の検査値を横並びにして表示するものである。かかる検査値一覧図では、縦軸が集団内規格化検査値を示しており、検査項目ごとに検査値が丸印でプロットされる。また、基準範囲(±1.96)が、各検査項目を横断するラインで示され、さらに、対象被検者の個人内基準範囲の上限値及び下限値が、検査項目ごとに短い横線で示されている。かかる検査値一覧図では、各検査項目の検査値が規格化検査値で並列表示されているため、医師や被検者は、複数検査項目の検査値について、基準範囲とどれぐらい外れているかを一目で把握することができる。
また、図8の右下部は、健診結果出力端末4が出力する総合判定の一例である。この総合判定は、複数の検査項目に亘る検査値を総合的に判定した結果を示すものである。判定結果は、A〜Eの5段階でなされ、健診結果が健常者の平均値に近いほど、判定結果はAに近いものとなる。具体的には、総合判定は、複数検査項目の検査値(集団内規格検査値)に関してマハラノビス距離を算出し、算出したマハラノビス距離の大きさに基づいて総合判定を行う。算出したマハラノビス距離が大きいほど、総合判定の対象とした複数検査項目について、検査値が健常者集団の分布から大きく偏っていることを意味する。マハラノビス距離は、常法によって算出できる。このように、集団内や個人内の分布で規格化したデータであれば、複数の検査項目に亘る検査値についてマハラノビス距離を算出することで、複数の検査項目を包括する総合的指標を簡単に導出することができる。
なお、本発明における健診結果出力システムは、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
例えば、本発明の健診結果出力システムは、実施例の構成に限定されず、サーバーや端末などのシステム構成を適宜変更することが可能である。また、本発明の健診結果出力システムは、健診施設内の検査機器や、健診業務システムなどと統合することができる。
また、健診結果情報の出力態様も実施例の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、実施例の検査値履歴グラフ(図6参照)に表示する回帰式は、直線回帰式に限らず、回帰曲線であってもかまわない。
1 健診結果出力システム
2 データベースサーバー
3 ネットワーク
4 健診結果出力端末
5 プリンタ

Claims (5)

  1. 複数人の被検者の健診結果情報を記憶するデータベースと、該データベースに記憶される各被検者の健診結果情報を出力する健診結果出力手段とを備える健診結果出力システムであって、
    前記データベースは、各被検者の複数回に亘る健診結果を関連付けて記憶するものであり、
    前記健診結果出力手段は、一被検者の健診結果情報について、一の検査項目の検査値の履歴から回帰式を計算し、時間軸上に、前記検査値の履歴と、前記回帰式から求められる未来の予測検査値と、健常者集団の検査値の分布をベースに算出される当該検査項目の基準範囲とを表示してなる検査値履歴グラフを作成する機能を有し、
    さらに一の検査項目について、複数被検者の検査値履歴の間で分散分析を行い、該分散分析から推定される一被検者の検査値の分布に基づいて、該一被検者の個人内基準範囲を決定する機能を有するものであることを特徴とする健診結果出力システム。
  2. 前記回帰式は、検査日の古い検査値ほど重み付けを軽くして求めた直線回帰式であることを特徴とする請求項1に記載の健診結果出力システム。
  3. 前記健診結果出力手段は、検査値履歴グラフに、回帰式の信頼区間を表示することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の健診結果出力システム。
  4. 前記健診結果出力手段は、一被検者の実測検査値を、その基準範囲に基づいて、健常者集団の実測検査値の分布の平均からどの程度ずれているかを示す無次元数に変換した集団内規格化検査値を第一の座標軸とし、前記一被検者の実測検査値を、該一被検者の検査値履歴の分布の平均からどの程度ずれているかを示す無次元数に変換した個人内規格化検査値を第二の座標軸とする座標上に、前記一被検者の複数検査項目の検査値をプロットした散布図を作成する機能を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の健診結果出力システム。
  5. 一被検者の複数検査項目の検査値について、マハラノビス距離を算出し、該マハラノビス距離に基づく判定結果を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の健診結果出力システム。
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