JP5691884B2 - ポリアセタール樹脂成型体の接着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアセタール樹脂成型体の接着方法に関するものである。
ポリアセタール樹脂は、成形性に優れており、かつバランスのとれた機械的性質、電気的性質、耐熱性、耐薬品性、摩擦磨耗特性等を有したポリアセタール樹脂成型体の製造に適しており、さらにプラスチック材料としては卓越した耐疲労性を有するが故に、代表的なエンジニアリング樹脂として広汎な分野において利用されている。しかしながら、他方では、ポリアセタール樹脂は他の接着対象物との接着剤による接着性が極めて低いことから、その利用が制限されることもしばしばであった。
このため、従来から、ポリアセタール樹脂成型体の接着剤による接着対象物との接着性の向上のために、ポリアセタール樹脂と親和性を有する樹脂をポリアセタール樹脂に少量混合したり、または他の成分との共重合を行ったりすることが試みられてきた(特許文献1参照)。
しかしながら、これらの手法では、成型樹脂材料そのものが変化するために、ポリアセタール樹脂本来の物性が充分に得られないことがあった。
また、樹脂成型体の接着対象物との接着性を向上させるための他の一般的な方法として、樹脂成型体の接着面に対して表面処理を行うことが知られている。その表面処理としては、表面活性化処理、プライマー処理、粗面化等があり、表面活性化処理として紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理等がある。なお、上記のような他の樹脂と混合したポリアセタール系樹脂成型体の表面を、酸処理、アルカリ処理、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理または電子線照射処理により処理することを合わせて行うことも提案されている(特許文献1参照)。また、コロナ処理、プラズマ処理および火炎処理のような方法の助けによりポリアセタール等を含むポリマー材料を酸化処理工程にゆだねて、ポリマー表面上にヒドロキシル基等を生成する第1段階と、得られたポリマー表面と3又は4個の環原子を有する複素環式化合物なる有機化合物とを液体接触させる第2段階を含む、ポリアセタール等を含むポリマー材料の表面エネルギーおよび親水性を高める方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、ポリアセタール樹脂以外の樹脂では効果が高いとされる種々の表面処理も、ポリアセタール樹脂だけでは充分な効果が見られなかった。これはポリアセタール分子がオキシメチレン基を有しており、表面処理により分子鎖が切断された場合に、そこを起点として解重合が起こり易くなり、ホルムアルデヒドとして分解するためであると考えられる。
また、他の樹脂の接着の際におけるプライマー処理に用いられるシランカップリング剤も、ポリアセタール樹脂には充分な効果が見られない。この場合には、シランカップリング剤が反応すべき表面官能基がポリアセタール樹脂表面には存在しないためであると考えられる。
また、ポリアセタール樹脂等からなる被着体を接着対象に対して接着する方法において、被着体の接着面に紫外線照射、コロナ放電、プラズマ処理等の物理的表面改質処理と、被着体にイソシアネート化合物を含むプライマーの塗布を組み合せることも提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、これらの先行技術によって、ポリアセタール樹脂本来の物性が維持されたままで、充分な接着性を発現させるためのポリアセタール樹脂成型体の接着方法を得ることが困難であった。
これに対して、特許文献4には、ポリアセタール樹脂成型体の表面を表面処理して、ポリアセタール樹脂成型体の表面に水酸基を生成させると共に、生成した水酸基と有機ケイ素化合物を反応させること、およびポリアセタール樹脂成型体の表面に生成した水酸基と反応した有機ケイ素化合物の官能基と、接着剤の官能基との相互作用により接着性を発現させることを含む、ポリアセタール樹脂成型体の接着方法が開示されている。これによれば、ポリアセタール樹脂本来の物性が維持されたままで、優れた接着性を発現させることができる。
また、特許文献5には、基材の表面に真空紫外光を照射しつつ金属原子及び/又は炭素原子を含む飛散粒子を付着させる接着前処理を行った後、基材表面に接着剤を塗布して、基材と他の部材とを接着する接着方法が開示されている。
特開2003−220667号公報 特表平3−503655号公報 特開2006−028474号公報 特開2009−132824号公報 特開2005−126609号公報
ところで、ポリアセタール樹脂成型体を接着剤により接着対象物に接着する場合、接着対象物や、使用する接着剤との相性を考慮し、接着対象物や接着剤の種類等に応じて、複数の接着方法から任意に選択できることが望ましい。このため、特許文献4に記載の接着方法と異なるポリアセタール樹脂成型体の接着方法が存在することが望まれる。
なお、特許文献5には、基材としてポリアセタール成型体を使用した実施例は、記載されておらず、ポリアセタール成型体を使用する場合についての具体的な条件は不明である。ちなみに、特許文献5には、ターゲット表面の法線に対して45度の角度をなす位置に、基材を配置する実施例が記載されている。
本発明は上記点に鑑みて、特許文献4に記載のものと異なる方法であって、ポリアセタール樹脂成型体を接着剤により接着対象物に接着する際に、優れた接着性を発現させることができるポリアセタール樹脂成型体の接着方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、炭素からなるターゲット(4)にパルスレーザー(L1)を照射することにより、真空紫外光(L2)を発生させるとともに、炭素原子を含む飛散粒子(20)をターゲット(4)から飛散させ、ポリアセタール樹脂成型体(10)の表面(10a)に対して、真空紫外光(L2)を照射しながら、飛散粒子(20)を付着させる表面処理工程と、
ポリアセタール樹脂成型体(10)の飛散粒子(20)が付着した表面(10a)に、有機系の接着剤を塗布し、ポリアセタール樹脂成型体を接着剤により接着対象物に接着する接着工程とを有し、
表面処理工程におけるパルスレーザー(L1)の照射強度を3.4〜3.6GW/cm の範囲内とし、パルスレーザー(L1)の照射時間を15〜60秒の範囲内とし、ポリアセタール樹脂成型体の配置場所を、ターゲット表面(4a)のパルスレーザー(L1)の被照射位置を基準として、ターゲット表面(4a)の法線に対して17度の角度(θ1)をなす位置とし、
表面処理工程では、表面処理工程を行う前と比較して、ポリアセタール樹脂成型体の表面(10a)の結晶化度を低下させることを特徴としている。
このように表面処理工程を行うことで、ポリアセタール樹脂成型体と接着剤との間の接着力を高めることができ、ポリアセタール樹脂成型体を接着剤により接着対象物に接着する際に、優れた接着性を発現させることができる(実施例1、7、8、11参照)
この理由としては、次のことが考えられる。すなわち、表面処理工程では、真空紫外光の照射によりポリアセタール樹脂成型体表面が活性化されるとともに、そのポリアセタール樹脂成型体表面に飛散粒子が付着する。この飛散粒子は、ポリアセタール樹脂成型体表面への付着の前後において、真空紫外光の照射により活性化される。
この結果、飛散粒子により、ポリアセタール樹脂成型体表面でのポリアセタールの解重合を抑制できるとともに、活性化されたポリアセタール樹脂成型体表面および飛散粒子と接着剤の官能基との相互作用により、ポリアセタール樹脂成型体表面と接着剤との間の接着力を高めることができる(後述の図2参照)。
さらに、ポリアセタール樹脂成型体の表面の結晶化度を低下させることで、接着剤を塗布したときに、接着剤をポリアセタール樹脂成型体の表面近傍に浸透させることができ、ポリアセタール樹脂成型体表面と接着剤との間の接着力を高めることができる。
請求項1に記載の発明においては、表面処理工程の具体的条件として、請求項に記載の条件を採用することができる。
請求項2に記載の条件は、表面処理工程を1×10−3Torr以下の減圧状態で行うことである。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の実施形態における表面処理装置の基本構成を示す模式図である。 表面処理後のポリアセタール樹脂成型体10の模式図である。 (a)、(b)は、それぞれ、実施例および比較例で使用した成型後のサンプルを示す平面図および側面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、実施例および比較例で使用した接着後のサンプルを示す平面図および側面図である。
本発明のポリアセタール樹脂成型体の接着方法は、ポリアセタール樹脂成型体を用意する工程と、ポリアセタール樹脂成型体の表面に対して表面処理する表面処理工程と、ポリアセタール樹脂成型体を接着剤により接着対象物に接着する接着工程とを順に行うものである。
ポリアセタール樹脂成型体を用意する工程では、ポリアセタール樹脂を樹脂成分とする成型体を用意する。この成型体は、ポリアセタール樹脂のみで構成されていても良く、強化材、充填材等が添加されていても良い。ポリアセタール樹脂成型体の成型方法としては、射出法、押出法等の一般的な方法が採用可能である。
また、本発明におけるポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン基(‐CHO‐)を主たる構成単位とする高分子化合物であって、ポリオキシメチレンホモポリマー、並びにオキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有するコポリマー、ターポリマーおよびブロックポリマーの群から選択される高分子化合物、またこれらの混合物であっても良く、さらに、分子が線状のみならず、分岐、架橋構造を有するものであっても良い。なお、その重合度に関しては、特に制限はなく、成形加工性を有するものであればよいが、具体的には流動性を示すメルトフローインデックス(ASTM D1238−57Tの条件で測定)が、0.5〜100g/10分の範囲のものが一般的に使用され、好ましくは2〜80g/10分、より好ましくは5〜60g/分の範囲で、用途に応じて適宜選択される。
次に、表面処理工程について説明する。
図1に、この表面処理工程で用いる表面処理装置の基本構成および表面処理方法を示す。図1に示されるように、表面処理装置1は、パルスレーザー光(以下、レーザー光)L1を発するレーザー光源2と、ターゲット4およびポリアセタール樹脂成型体10が内部に配置される処理容器3とを備えている。
そして、この表面処理工程では、図1に示すように、表面処理装置1に、ポリアセタール樹脂成型体10を設置した後、ターゲット4にレーザー光L1を照射することにより、真空紫外光L2を発生させるとともに、ターゲット4の構成材料の原子を含む飛散粒子20をターゲット4から飛散させ、ポリアセタール樹脂成型体10の表面10aに対して、真空紫外光L2を照射しながら、飛散粒子20を付着させる。
ここで、レーザー光源2は、パルスレーザー光を照射することができるレーザー光発生装置であり、パルスレーザー光のパルス幅は、例えば、100ピコ秒〜100ナノ秒である。レーザー光源2としては、例えば、YAGレーザー装置、エキシマレーザー装置が採用される。
このレーザー光源2は、処理容器3の内部に配置されているターゲット4に向かってレーザー光L1を照射する位置に配置されている。また、レーザー光L1のエネルギー密度を調整するために、レーザー光L1の光路の途中にレンズ5が配置されている。
処理容器3は、少なくともターゲット4とポリアセタール樹脂成型体10とを内部に収容するための容器(例えばステンレス鋼製の容器)であり、レーザー光L1をターゲット4の表面4aに導入するための窓(例えば石英製の窓)6を備えている。また、処理容器3には真空ポンプ(図示せず)が接続されており、処理容器3の内部を大気圧よりも減圧された減圧状態に維持することが可能となっている。
このように内部が減圧状態となる処理容器3を用いると、真空紫外光L2が空気中の酸素等の真空紫外光吸収物質に吸収されることなく、ポリアセタール樹脂成型体10の表面10aに真空紫外光L2を照射することができる。
ターゲット4は、炭素、ケイ素、チタンのうち1種類の材料からなるものである。炭素製のターゲットとしては、各種の無定形炭素、グラファイト等で構成されたものが挙げられ、中でも炭素の純度が高いものを用いることが好ましい。同様に、ケイ素製、チタン製のターゲットとしては、各元素の純度が高いものを用いることが好ましい。
なお、ターゲット4の形状は特に制限されず、板状、ロッド状等に成形されたバルク材や、上記材料をテープ上に塗布、蒸着等によって形成したテープ状のもの等を用いることができる。
ターゲット4は、モータを備えるターゲット用駆動装置7に設置され、このモータによって、ターゲット4の表面4aにレーザー光L1が照射されながら、ターゲット4が回転するようになっている。これにより、レーザー光L1の照射位置にターゲット4の新鮮な面(レーザー光未照射面)が順次繰り出されるようになっている。
ターゲット4にレーザー光L1が照射されると、ターゲット4の表面4aに高温のプラズマP1が形成され、そのプラズマP1から真空紫外光L2が発生する。このとき、レーザー光L1のパルス幅が、例えば、100ピコ秒〜100ナノ秒の範囲であれば、波長50nm〜100nmの真空紫外光L2が発生する。また、それと同時に、レーザー光L1が照射されたターゲット4の表面4aから、ターゲット4を構成する材料の原子を含む分子が高いエネルギーをもって飛散するほか、プラズマP1の内部もしくはプラズマP1により加熱されたターゲット4の表面4aからは、ターゲット4を構成する分子が分解することにより形成された中性原子、イオン、並びに前記の分子、中性原子およびイオンのうちのいくつかが結合して形成されたクラスタが高いエネルギーをもって飛散する。これらが、ターゲット4を構成する材料の原子を含む飛散粒子20である。
ポリアセタール樹脂成型体10は、その表面10aに対して、真空紫外光L2が照射されるとともに、高いエネルギーをもつ飛散粒子20が衝突して付着するように、ターゲット4から所定距離離れた位置に、表面10aをターゲット4に向けて配置される。
より具体的には、ポリアセタール樹脂成型体10は、ターゲット4の表面4aのレーザー被照射位置を基準として、ターゲット4の表面4aの法線に対して3〜33度の角度θ1をなす位置に配置される。すなわち、レーザー光L1の被照射位置を通るターゲット表面4aの法線と、ターゲット表面4aのレーザー光L1の被照射位置とポリアセタール樹脂成型体表面10a(の中心位置)とを結ぶ仮想直線とのなす角度θ1が3〜33度の範囲内となるように、ポリアセタール樹脂成型体10が配置される。これにより、後述する実施例からわかるように、優れた接着性を発現させることができる。
これは、ターゲット4にレーザー光L1を照射した際に、真空紫外光L2はターゲット4の前方に一様に照射されるのに対して、飛散粒子20の量はターゲット4の前方の範囲のうちターゲット表面4aの法線方向が多く、法線方向に対する角度θ1が大きくなるにつれて少なくなるためである。
また、ポリアセタール樹脂成型体10は、モータを備える成型体用駆動装置8に設置され、このモータによって、ポリアセタール樹脂成型体10が回転するようになっている。これにより、ポリアセタール樹脂成型体10の表面全体に対して、均一に、真空紫外光L2を照射しながら、飛散粒子20を付着させることができるようになっている。
この表面処理工程では、ターゲット4に照射されるレーザー光L1の照射強度を1.7〜5.2GW/cmの範囲内とし、ターゲット4に照射されるレーザー光L1の照射時間を15〜960秒の範囲内とする。これにより、後述する実施例からわかるように、優れた接着性を発現させることができる。
また、この表面処理工程では、ポリアセタール樹脂成型体10の表面10aから1〜100nmの深さまでの範囲に対して、真空紫外光L1の照射および飛散粒子20の付着を行うことが好ましい。これは、かかる深さが1nm未満では、表面処理による接着性の向上効果が得にくく、その深さが100nmを超えると、表面処理層の強度が低下し、表面処理層がポリアセタール樹脂成型体10から剥離してしまうからである。表面処理を行う深さとしては、ポリアセタール分子の1つ〜3つ程度の長さに相当する5〜15nmとすることが特に好ましい。
また、かかるポリアセタール樹脂成形体の表面における表面処理された深さは、エッチングを伴う質量分析法(TOF−SIMS、D−SIMS等)によるターゲット原子の深さ方向分析や、すれすれ入射X線回折法による結晶性の深さ方向分析、SAICAS法による力学物性の深さ方向分析によって測定可能である。
ここで、すれすれ入射X線回折法とは、X線を試料表面で全反射する臨界角以上の入射角で、即ち臨界補角αc以下の入射補角で入射し、わずかにしみ込むエバネッセント波(消衰波)からの回折X線を検出することにより表面10nmまでの領域の構造情報を得る手法である。このとき、αc前後で入射補角を変化してX線を入射することにより、深さ方向の構造情報を得ることができる。得られた回折パターンから最小二乗法により非晶由来のハローピークと結晶由来の回折ピークとを分離し、全ピーク面積に対する結晶由来ピーク面積の割合から材料表面および内部の見かけの結晶化度を見積もることができる。
また、SAICAS(Surface And Interface Cutting and Analysys System:表面界面切削解析装置)は、切刃を精密に制御しながら材料を斜め切削し、その際に切刃にかかる水平抗力および垂直抗力から材料の深さ方向の力学物性を評価できる装置であって、例えばダイプラ・ウィンテス社製サイカスNN型では、5nmの分解能で切削および表面力学物性評価が可能である。
次に、接着工程では、真空紫外光L2の照射と飛散粒子20の付着が行われたポリアセタール樹脂成型体10の表面10aに、有機系の接着剤を塗布し、この接着剤により、ポリアセタール樹脂成型体10と接着対象物とを接着する。
このとき使用される接着剤は、有機系の接着剤であれば、特に限定されるものではなく、接着剤の例としては、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、シリコーン系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ポリアミド樹脂系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリメタクリレート樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤等が挙げられる。
同様に、接着対象物は、特に限定されるものではなく、接着対象物の例としては、ポリアセタール樹脂成型体、他の樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド等)を樹脂成分とする樹脂成型体、金属(Al、Cu等)、メッキ(Ni、Sn等)およびセラミックス等が挙げられる。
このようなポリアセタール樹脂成型体の接着方法によれば、上述の表面処理工程で、真空紫外光L2の照射によりポリアセタール樹脂成型体表面10aが活性化されるとともに、そのポリアセタール樹脂成型体表面10aに飛散粒子20が付着する。この飛散粒子20は、ポリアセタール樹脂成型体表面10aへの付着の前後において、真空紫外光L2の照射により活性化される。
この結果、飛散粒子20により、ポリアセタール樹脂成型体表面10aでのポリアセタールの解重合を抑制できるとともに、活性化されたポリアセタール樹脂成型体表面10aおよび飛散粒子20と接着剤の官能基との相互作用により、ポリアセタール樹脂成型体表面10aと接着剤との間の接着力を高めることができ、ポリアセタール樹脂成型体10を接着剤により接着対象物に接着する際に、優れた接着性を発現させることができる。
この優れた接着性が発現する理由について、図2を参照して、より詳細に説明する。図2に、表面処理後のポリアセタール樹脂成型体10の模式図を示す。
まず、ポリアセタール樹脂は、背景技術の欄で述べたように、それ自体では表面官能基が少ないため、接着対象物との接着剤による接着性が極めて低く、ポリアセタール樹脂に対して従来の表面活性化等の表面処理を行っても、表面処理により分子鎖が切断された場合に、そこを起点として解重合が起こるため、接着対象物との接着剤による接着性が発現しなかった。
これに対して、ポリアセタール樹脂成型体表面10aに真空紫外光L2が照射されると、図2に示すように、ポリアセタールの分子鎖が切断されて活性末端11、12が形成される。このとき、分子鎖が切断された一方と他方のうちポリアセタール樹脂成型体と結合されていない方の活性末端11が、真空紫外光の照射により活性化された飛散粒子20に固化されることで、ポリアセタールの解重合が抑制されたものと考えられる。
そして、ポリアセタールの活性末端11、12および飛散粒子20の官能基が、接着剤の官能基と結合することにより、ポリアセタール樹脂成型体と接着剤との間の接着力を高めることができ、優れた接着性を発現させることができると考えられる。
さらに、後述する表1中の比較例1、2に示すように、ポリアセタール樹脂はそれ自体の結晶化度が90%程度と高く、ポリアセタール樹脂成型体表面10aに対して大気圧プラズマ処理を行っても、ポリアセタール樹脂の結晶化度は高いままであったことから、ポリアセタール樹脂成型体表面10aでの結晶化度が高いことも、接着性が低い原因であると考えられる。
これに対して、上述の表面処理工程によれば、高いエネルギーをもつ飛散粒子20がポリアセタール樹脂成型体表面10aに衝突することで、後述する表1中の実施例1〜6に示すように、ポリアセタール樹脂成型体表面10aの結晶化度を低くすることができる。これにより、接着剤を塗布したときに、接着剤がポリアセタール樹脂成型体表面10aに浸透しやすくなったと考えられ、このことも、優れた接着性を発現させることができた要因であると考えられる。
なお、図1の表面処理装置1では、ポリアセタール樹脂成型体10の表面10aの全域に対して表面処理を行っていたが、接着領域のみ(接着領域の全域もしくは一部)に表面処理を行っても良い。
また、図1の表面処理装置1では、レーザー光源2が処理容器3の外部に配置されているが、処理容器3の内部に配置されていても良く、その場合はレーザー光L1を容器3内に導入するための窓7は不要となる。
また、図1の表面処理装置1では、処理容器3の内部を減圧状態としたが、減圧状態の代わりもしくは減圧状態に加えて、水素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス及びアルゴンガスから選択される少なくとも一種のガスを含有する雰囲気としても良い。この場合においても、酸素や窒素による真空紫外光の吸収を防止でき、所定の接着性の向上が可能である。
以下に、本発明の実施例および比較例を示す。なお、これらの実施例および比較例では、ポリアセタール樹脂成型体同士の接着を行った(接着対象物をポリアセタール樹脂成型体とした)。図3(a)、(b)に、実施例および比較例で使用した成型後のサンプルを示す。また、図4(a)、(b)に実施例および比較例で使用した接着後のサンプルを示す。
[ポリアセタール樹脂成型体同士の接着]
(実施例1〜28、比較例3、4)
市販のポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス株式会社製、商品名:ジュラコンM90‐44、ホルムアルデヒドとエチレングリコールのコポリマーの非強化標準材)を用いて、図3に示すように、サンプル100としてチャック部101と平行部102を有するJIS引張試験用ダンベル片を射出成型した。サンプル100は全長170mm、厚さ4mmであり、チャック部101は長さ30mm、幅20mmであり、平行部102は長さ80mm、幅10mmである。その後、成型したサンプル100を中央部で2つに切断した(ポリアセタール樹脂成型体10を用意する工程)。
続いて、切断された2つのサンプル(ポリアセタール樹脂成型体10)103、104(図4参照)を図1に示す表面処理装置1にセットして、2つのサンプル103、104の各々の切断端部における6mm幅の表面領域103a、104aを表面処理した(表面処理工程)。
このとき使用した表面処理装置1は、レーザー光源2としてYAGレーザー装置(スペクトラフィジックス社製、商品名:PRO−290)、処理容器3として石英窓付の真空容器(ステンレス鋼製、容量20リットル)を用いたものである。
また、ターゲット4として炭素、ケイ素、チタンのいずか1つからなる板材を用い、ターゲット表面4aの法線に対して所定の角度θ1をなす位置にサンプル103、104を配置して、ターゲット4にレーザー光L1を照射した。ターゲット4の種類、配置したサンプルの位置、レーザー光L1の照射強度および照射時間を表1、2に示す。
なお、処理容器3の内部圧力を1×10−3Torr以下とし、ターゲット4を40秒で1回転させ、サンプルを1秒で1回転させた。また、レーザー光源2からターゲット4に照射したレーザー光L1は、波長532nm、パルス幅8ナノ秒である。また、サンプル103、104とターゲット4の間の距離(中心間の距離)を120mmとした。
その後、2つのサンプル103、104の各々の切断端部における表面処理部103a、104aを、図4に示すように重ね合わせて、エポキシ接着剤(ジャパンエポキシレジン製、主剤828、硬化剤ST12もしくは硬化剤ST15)を用いて、100℃で1時間接着処理を行った(接着工程)。なお、各サンプル103、104の他端部には、接着強度を測定する際のチャック時に各々のサンプル103、104を平行に保つために、図4に示すように補強材105を接着剤により取り付けた。
(比較例1)
上記の実施例1〜28と同様にして準備した、切断された2つのサンプル103、104をそのまま使用して(表面処理を実施せず)、実施例1〜28と同様に接着した。
(比較例2)
上記の実施例1〜28と同様にして準備した、切断された2つのサンプル103、104の各々の切断端部における6mm幅の表面領域103a、104aを、大気圧プラズマ処理に供した後、実施例1〜11と同様に接着した。大気圧プラズマ処理は、松下電工マシンアンドビジョン社製大気圧プラズマ処理装置Aiplasmaを用いて、Ar流量が2.14L/分、O流量が27ml/分、25℃、圧力0.1MPa、140Wの条件でプラズマを発生させ、走査距離5mm、走査速度10mm/秒(5mmピッチ)で1回処理した。
[引張せん断試験]
実施例1〜28および比較例1〜4で得られた各引張試験サンプル(複合成型体)の表面処理部103a、104aでの接着強度について、万能試験機(A&D製Tensilon RTC−1250、ロードセル:1kN)を使用した引張せん断試験で、空気中で、5mm/分の剥離速度の条件で評価した。得られた評価結果を表1、2に示す。
表1に示すように、比較例1、2の方法で接着したときでは、万能試験機に引張試験サンプルを設置した際に、2つのサンプルが離れてしまい測定できなかった。このため、表1では接着強度を0としている。
これに対して、実施例1〜28の方法で接着したときでは、表1、2に示す通り、比較例1、2よりも接着強度が高く、接着性が向上していることがわかる。
また、表1、2に示す通り、実施例1〜28の接着強度が1MPa以上であったのに対して、比較例3、4の接着強度が1MPa未満であったことから、接着強度を1MPa以上とするためには、レーザー照射強度を1.1GW/cmよりも高くすることが良く、具体的には、実施例10、13のときのレーザー照射強度(1.7GW/cm)以上とすることが良いことがわかる。
また、表1、2に示す通り、実施例1、7、8、11の接着強度が3MPa以上であったことから、接着強度を3MPa以上とするためには、炭素からなるターゲットを用い、サンプルの配置場所をθ1=17°の位置とし、レーザー照射強度を3.4〜3.6GW/cmとし、照射時間を15〜60秒とすることが良いことがわかる。
[見かけの結晶化度の評価]
実施例1〜6と比較例1、2における表面処理後の各サンプルに対して、上述のようなすれすれ入射X線回折法による解析によって、表面と全体のそれぞれの見かけの結晶化度を求めた。この解析結果を表1に示す。なお、表面の結晶化度とは、表面から10nmの位置までの領域での結晶化度であり、全体の結晶化度とは、表面から内部までの領域での結晶化度である。
表1に示すように、サンプル表面の結晶化度は、実施例1〜6は60〜73%であり、比較例1、2では90〜95%であり、実施例1〜6は、比較例1、2の90と比較して、サンプル表面の結晶化度が低下していることが確認された。なお、実施例7〜28におけるサンプル表面の結晶化度は示していないが、実施例7〜28においても、比較例1、2よりも接着性が向上していることから、実施例1〜6と同様に、サンプル表面の結晶化度が低下していることが推測される。
さらに、実施例3〜6では、サンプル表面とサンプル全体の両方の結晶化度が比較例1、2と比較して低下していたのに対して、接着強度が特に高い実施例1、2では、サンプル表面の結晶化度のみが低下していた。
このことから、接着強度をより高めるためには、表面から所定深さの範囲のみを表面処理することが好ましく、さらに、表面の結晶化度を全体の結晶化度よりも20%以上低下させることがより好ましいことがわかる。
Figure 0005691884
Figure 0005691884
1 表面処理装置
4 ターゲット
10 ポリアセタール樹脂成型体
L1 レーザー光(パルスレーザー)
L2 真空紫外光
20 飛散粒子

Claims (2)

  1. ポリアセタール樹脂成型体を接着剤により接着対象物に接着するポリアセタール樹脂成型体の接着方法であって、
    炭素からなるターゲット(4)にパルスレーザー(L1)を照射することにより、真空紫外光(L2)を発生させるとともに、炭素原子を含む飛散粒子(20)を前記ターゲット(4)から飛散させ、前記ポリアセタール樹脂成型体(10)の表面(10a)に対して、前記真空紫外光(L2)を照射しながら、前記飛散粒子(20)を付着させる表面処理工程と、
    前記ポリアセタール樹脂成型体(10)の前記飛散粒子(20)が付着した前記表面(10a)に、有機系の前記接着剤を塗布し、前記ポリアセタール樹脂成型体を前記接着剤により前記接着対象物に接着する接着工程とを有し、
    前記表面処理工程における前記パルスレーザー(L1)の照射強度を3.4〜3.6GW/cm の範囲内とし、前記パルスレーザー(L1)の照射時間を15〜60秒の範囲内とし、前記ポリアセタール樹脂成型体の配置場所を、前記ターゲット表面(4a)の前記パルスレーザー(L1)の被照射位置を基準として、前記ターゲット表面(4a)の法線に対して17度の角度(θ1)をなす位置とし、
    前記表面処理工程では、前記表面処理工程を行う前と比較して、前記ポリアセタール樹脂成型体の表面(10a)の結晶化度を低下させることを特徴とするポリアセタール樹脂成型体の接着方法。
  2. 前記表面処理工程を1×10−3Torr以下の減圧状態で行うことを特徴とする請求項に記載のポリアセタール樹脂成型体の接着方法。
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