実施の形態1.
図10は、本発明に係る移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。図10において、移動端末101は基地局102と制御データ(C-plane)、ユーザデータ(U-plane)の送受信を行う。基地局102は、ユニキャストの送受信のみ扱うユニキャストセル102−1、ユニキャストとMBMSサービス(MTCHとMCCH)の送受信を扱う混合セル102―2、MBMSサービスの送受信のみを扱うMBMS専用セル101−3に分類される。ユニキャストの送受信を扱うユニキャストセル102−1とMBMS/ユニキャスト混合セル(混合セル、ミクスドセル)102−2は、MME103とインタフェースS1_MMEにより接続される。更にユニキャストの送受信を扱うユニキャストセル102−1と混合セル102−2は、ユニキャストのユーザデータの送受信のためにS−GW104とインタフェースS1_Uにより接続される。MME103はインタフェースS11によりPDNGW(Packet Data Network Gateway)902と接続される。MCE801は、マルチセル(MC)送信を行うため、MBSFNエリア中の全ての基地局102に対して無線リソースの割り当てを行う。例えば1つあるいは複数のMBMS/ユニキャスト混合セル102−2にて構成されるMBSFNエリア#1と1つあるいは複数のMBMS専用セル101−3にて構成されるMBSFNエリア#2が存在した場合を考える。MBMS/ユニキャスト混合セル102−2はMBSFNエリア#1中の全ての基地局のための無線リソースを割り当てるMCE801―1とインタフェースM2で接続される。またMBMS専用セル102―3はMBSFNエリア#2中の全ての基地局のための無線リソースを割り当てるMCE801―2とインタフェースM2で接続される。
MBMS GW802は制御データを取り扱うMBMS CP802―1とユーザデータを取り扱うMBMS UP802―2に分類できる。MBMS/ユニキャスト混合セル102―2及びMBMS専用セル102―3は、MBMS関連の制御データの送受信のためにインタフェースM1にてMBMS CP802―1と接続される。また、MBMS/ユニキャスト混合セル102―2及びMBMS専用セル102―3は、MBMS関連のユーザデータの送受信のためにインタフェースM1_UにてMBMS UP802―2と接続される。MCE801はMBMS関連の制御データの送受信のためにインタフェースM3にてMBMS CP802―1と接続される。MBMS UP802―2はインタフェースSGimbにてeBMSC901と接続される。MBMS GW802はインタフェースSGmbにてeBMSC901と接続される。eBMSC901はコンテンツプロバイダと接続される。また、eBMSC901はインタフェースSGiにてPDNGW902と接続される。MCE801は新たなインタフェースであるMME―MCE間インターフェース(IF)にてMME103と接続される。
図11は、本発明で用いる移動端末101の構成を示すブロック図である。図11において、移動端末101の送信処理は以下のとおり実行される。まず、プロトコル処理部1101からの制御データ、アプリケーション部1102からのユーザデータが送信データバッファ部1103へ保存される。送信データバッファ部1103に保存されたデータはエンコーダー部1104へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部1103から変調部1105へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部1104でエンコード処理されたデータは変調部1105にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部1106へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ1107から基地局102に送信信号が送信される。また、移動端末101の受信処理は以下のとおり実行される。基地局102からの無線信号がアンテナ1107により受信される。受信信号は、周波数変換部1106にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部1108において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部1109へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部1101へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部1102へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部1110によって制御される。よって制御部1110は、図面では省略しているが、各部(1101〜1109)と接続している。
図12は、基地局102の構成を示すブロック図である。基地局102の送信処理は以下のとおり実行される。EPC通信部1201は、基地局102とEPC(MME103及びS-GW104)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部1202は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部1201、他基地局通信部1202はそれぞれプロトコル処理部1203と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部1203からの制御データ、またEPC通信部1201と他基地局通信部1202からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部1204へ保存される。送信データバッファ部1204に保存されたデータはエンコーダー部1205へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部1204から変調部1206へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部1206にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部1207へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ1208より一つもしくは複数の移動端末101に対して送信信号が送信される。また、基地局102の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末101からの無線信号がアンテナ1208により受信される。受信信号は周波数変換部1207にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部1209で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部1210へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部1203あるいはEPC通信部1201、他基地局通信部1202へ渡され、ユーザデータはEPC通信部1201、他基地局通信部1202へ渡される。基地局102の一連の処理は制御部1211によって制御される。よって制御部1211は図面では省略しているが各部(1201〜1210)と接続している。
図13は、MME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1301はMME103とPDN GW902間のデータの送受信を行う。基地局通信部1302はMME103と基地局102間をS1_MMEインタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GW902から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1301からユーザプレイン処理部1303経由で基地局通信部1302に渡され、1つあるいは複数の基地局102へ送信される。基地局102から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1302からユーザプレイン処理部1303経由でPDN GW通信部1301に渡され、PDN GW902へ送信される。
MCE通信部1304はMME103とMCE801間をMME―MCE間IFによるデータの送受信を行う。PDN GW902から受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1301から制御プレイン制御部1305へ渡される。基地局102から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1302から制御プレイン制御部1305へ渡される。MCE801から受信した制御データはMCE通信部1304から制御プレイン制御部1305へ渡される。制御プレイン制御部1305での処理の結果は、PDN GW通信部1301経由でPDN GW902へ送信され、また基地局通信部1302経由でS1_MMEインタフェースにより1つあるいは複数の基地局102へ送信され、またMCE通信部1304経由でMME―MCE間IFにより1つあるいは複数のMCE801へ送信される。制御プレイン制御部1305には、NASセキュリティ部1305−1、SAEベアラコントロール部1305−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1305―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1305―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1305―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1305―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末101のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area:TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME103の一連の処理は制御部1306によって制御される。よって制御部1306は図面では省略しているが各部(1301〜1305)と接続している。
図14は、MCE(Multi-cell/multicast Coordination Entity)の構成を示すブロック図である。MBMS GW通信部1401はMCE801とMBMS GW802間をM3インタフェースによる制御データの送受信を行う。基地局通信部1402はMCE801と基地局102間をM2インタフェースによる制御データの送受信を行う。MME通信部1403はMCE801とMME103間をMME―MCE間IFによる制御データの送受信を行う。MC送信スケジューラ部1404は、MBMS GW通信部1401経由で渡されたMBMS GW802からの制御データと、基地局通信部1402経由で渡されたMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア内の基地局102からの制御データと、MME通信部1403経由で渡されたMME103からの制御データを用いて、自分が管理している1つあるいは複数のMBSFNエリアのマルチセル送信のスケジューリングを行う。スケジューリングの一例としては基地局の無線リソース(時間、周波数など)、無線構造(変調方式、コードなど)などが挙げられる。マルチセル送信のスケジューリング結果は、基地局通信部1402に渡され、MBSFNエリア内の1つあるいは複数の基地局102へ送信される。MCE801の一連の処理は制御部1405によって制御される。よって制御部1405は図面では省略しているが各部(1401〜1404)と接続している。
図15はMBMSゲートウェイの構成を示すブロック図である。図15において、MBMS GW802のeBMSC通信部1501は、MBMS GW802とeBMSC901間のデータ(ユーザデータ、制御データ)の送受信を行う。MCE通信部1502はMBMS GW802とMCE801間をM3インタフェースによる制御データの送受信を行う。eBMSC901から受信した制御データは、eBMSC通信部1501経由で、MBMS CP部1503に渡り、MBMS CP部1503での処理後、MCE通信部1502経由で、1つあるいは複数のMCE801へ送信される。MCE801から受信した制御データは、MCE通信部1502経由で、MBMS CP部1503に渡り、MBMS CP部1503での処理後、eBMSC通信部1501経由で、eBMSC901または/かつMCE801へ送信される。基地局通信部1504はMBMS GW802と1つあるいは複数の基地局へM1_Uインタフェースによるユーザデータ(トラヒックデータとも称される)の送信を行う。eBMSC901から受信したユーザデータは、eBMSC通信部1501経由で、MBMS UP部1505に渡り、MBMS UP部1505での処理後、基地局通信部1504経由で、1つあるいは複数の基地局102へ送信される。MBMS CP部1503とMBMS UP部1505は接続している。MBMS GW802の一連の処理は制御部1506によって制御される。よって制御部1506は図面では省略しているが各部(1501〜1506)と接続している。
次に図16に本発明にかかる移動体通信システムとしての処理の流れの一例を示す。図16は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末がMBMSの利用開始から利用修了までの処理の概略を示すフローチャートである。図16のステップST1601にて移動端末は、MBMS/ユニキャスト混合セルでのサービングセルのセルセレクションを行う。以降、ステップ1601の処理を「ユニキャスト側セルセレクション」と称する。ステップST1601−1にてネットワーク側は移動端末に対して「受信可能なMBMSに関する報知」処理を行う。具体的には、現在利用可能なMBMSサービスが存在することや、その周波数に関する情報(周波数のリスト)が、ネットワーク側から移動端末に通知される。ST1601−1の処理によって移動端末は、利用可能なMBMSサービスが存在することやその周波数を知ることができるので、受信可能周波数を総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、移動端末が現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。
ステップST1602にて移動端末は、ステップST1601でネットワーク側から通知された情報を基に、MBMS送信専用セルのサーチ処理を行う。サーチ処理の具体例としては、タイミング同期(無線フレームタイミングによる同期)や、システム帯域幅、送信アンテナ数、MBSFNエリア識別子(ID)(MBSFNエリア番号とも称される。)、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)関連情報などのシステム情報の取得などがある。以降、ステップ1602の処理を「MBMSのサーチ」と称する。ステップST1603にて移動端末は、ネットワーク側からMBMS送信専用セルにおいて、MBMSサービス(MCCH及びMTCH)を受信するための情報を受信する。以降、ステップ1603の処理を「MBMS Area情報取得」と称する。ステップST1604にてユーザ(移動端末)は、ステップST1603にてネットワーク側から受信したMBMSサービスを受信するための情報を用いて、ユーザが所望するMBMSサービスを選択する。以降、ステップ1604の処理を「MBMSサービス選択」と称する。
先に説明した課題のとおり、LTE方式による通信システムでは、MBMSサービスが提供する放送データを移動端末に送信するための下りリンクのみを設け、上りリンクを省くことで簡略なシステム構成を実現するMBMS送信専用のセルを設けることが検討されている。上記説明のステップ1601−1からステップST1604は、かかるMBMS送信専用セルによるMBMSサービスを選択するまでの方法を開示した。上記説明の一連の処理により、移動端末がMBMS送信専用セルにて所望のMBMSサービスを受信することが出来るという効果を奏する。
ステップST1605にて移動端末は、ステップST1603にてネットワーク側から受信したMBMSサービスを受信するための情報を用いて、MBMS送信専用セルからMBMSデータを間欠受信するための準備を行う。以降、ステップ1605の処理を「MBMS受信時 間欠受信準備」と称する。ステップST1606にて移動端末は、ネットワーク側にMBMS送信専用セルにおける、MBMSの受信状況を通知する「MBMS側受信状況通知」処理を行う。MBMS送信専用セルは上りリンクを設けていないので、MBMS専用セルでMBMSデータを受信している移動端末はネットワーク側に位置登録を行うことができない。この場合、ネットワーク側は移動端末の存在するセルを特定できないので、当該移動端末宛ての着信が発生した場合にページング信号を送ることが困難であった。本ステップST1606によりネットワーク側は、当該移動端末がMBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信している旨を知ることができ、移動端末を追跡することが可能になるので、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用中の移動端末宛てに着信が発生したとき、ページング情報をMME103、MCE801−1経由でMBMS送信専用セルに転送し、MBMSサービスを利用中の移動端末に個別着信が発生したことを知らせることができる。したがって、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用中の移動端末に対するページングに関する課題を解決することができる。
ステップST1607にて、移動端末はユニキャストセル(図10 102-1)または/かつMBMS/ユニキャスト混合セル(図10 102-2)の電解強度測定やセル選択を含む測定(メジャメント)処理を行う。この処理を「Unicast側メジャメント」と称する。ステップST1607により移動端末は、MBMS送信専用セルにおいてMBMSデータを受信中であっても、ユニキャストセル(図10 102-1)やMBMS/ユニキャスト混合セル(図10 102-2)の測定やセル選択、位置登録などの処理を行うことが可能となる。このメジャメント処理を行うことにより、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを利用している移動端末は送信対象となるユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルを選択、更新しているので、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティを確保することが可能になるという効果を得る。このため、MBMS専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末は、確実に位置登録などモビリティに関する処理を、たとえばユニキャストセルまたは、MBMS/ユニキャスト混合セルを介して行うことが可能となり、したがって、ネットワーク側はMBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末にページング信号を送ることが可能になる。また、当該移動端末は、ユニキャスト/混合周波数レイヤとの測定を通じた下り同期確立をメジャメント周期により行う。これにより、本発明の課題である、上りリンクが存在しないMBMS送信専用セルにおいて、移動端末がMBMS/ユニキャスト混合セルを介してページング信号に対する応答を送信する場合であっても、制御遅延を小さくすることができる。
ステップST1608にて、移動端末は、ページング信号を受信するため間欠受信を行う。より具体的には、当該移動端末宛ての個別着信が発生した場合、ネットワーク側は、MBMS送信専用セルにて構成されるMBMS送信専用の周波数レイヤからMBMSサービスを受信している移動端末に対して、MBMS送信専用セルの下りリンクを介してページング信号を送信する。ステップST1605〜ステップST1608にて、本発明の課題である、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末に、ページングを通知することが可能になる。
ステップST1608の「MBMS受信時 間欠受信」にてページング信号を受信しなかった移動端末は、ステップST1609にてマルチキャストトラヒックチャネル(MTCH)を介してMBMS送信専用セルから送信されたMBMSトラヒックデータを受信する。以降、ステップST1608の処理を「MTCH受信」と称する。「MTCH受信」を行っている移動端末は、「Unicast側メジャメント」のタイミングにてステップST1607へ移行する。あるいは「MTCH受信」を行っている移動端末は、受信感度が悪くなった場合にステップST1602、あるいはステップST1604、あるいはステップST1612へ移行する。一方、ステップST1608の「MBMS受信時 間欠受信」にてページング信号を受信した移動端末は、ステップST1610にて、MBMS送信専用周波数レイヤの周波数(f(MBMS))からユニキャスト/ミクスド周波数レイヤの周波数(f(Unicast))に周波数を変更し、制御データの送受信を行う。以降、ステップST1610の処理を「Unicast側 間欠受信」と称する。これにより当該移動端末は、ユニキャストセルあるいは混合セルを介してネットワーク側へページング信号に対する応答など上りデータを送信することが可能となる。ステップST1611、ステップST1612にて移動端末は、ネットワーク側へMBMS送信専用周波数レイヤ(MBMS送信専用セル)におけるMBMSデータの受信を終了する旨を通知する。ステップST1611によりネットワーク側は、当該移動端末がMBMSサービスの利用を終了する旨を知ることが出来る。MBMS送信専用周波数レイヤによるMBMSサービスの利用を終了した移動端末に対しては、ユニキャストセルあるいは混合セルを介してページング信号を送信すればよいので、ネットワーク側がMBMS送信セルの下りリンクを介してページング信号を通知する処理を中止することができ、MBMS送信専用セルの無線リソースの有効活用を図る。
実施の形態2.
本実施の形態においては、図17を用いて、実施の形態1で述べた移動体通信システムの処理の流れの詳細な具体例について説明する。図17はユニキャスト側のセルセレクションを説明するフローチャートである。ステップST1701にて、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル(単に混合セル(Mixed cell)とも称する)は第一同期チャネル(Primary Synchronization Channel: P-SCH)と第二同期チャネル(Secondary Synchronization Channel: S-SCH)、リファレンス信号(リファレンスシンボルとも称される。Reference Symbol :RS)を傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1702にて、移動端末は基地局(ユニキャストセルまたは/かつ混合セル)からのP−SCH、S−SCH、RSを受信する。ステップST1703にて、移動端末は受信したP−SCH、S−SCH、RSを用いて初期セルサーチ動作を行う。現在3GPPで議論されているセルサーチ動作の詳細を説明する。第一段階として移動端末は、移動体通信システムとして3種類の規定シーケンスが存在する第一同期チャネル(P-SCH)をブラインド検出する。P−SCHは周波数としてはシステム帯域幅の中心72サブキャリアに、時間的としては無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)にマッピングされる。よってP−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出と、セルグループ(先のP−SCHの3週類のシーケンスに対応する1〜3グループ)を知ることが出来る。第二段階として、移動端末は、第二同期チャネル(S-SCH)をブラインド検出する。S−SCHのマッピング位置はP−SCHと同様である。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とセル識別子(Cell ID)を知ることが出来る。
ステップST1704にて移動端末は、セルセレクションを行う。セルセレクションは移動端末が複数の基地局からの下り受信感度を測定した測定結果を用いて、サービング基地局(セル)になり得る条件を満足した基地局を1つ選択する処理である。サービング基地局になり得る条件の具体例としては、複数の基地局からの下り受信感度の中でもっとも受信感度が良いもの、あるいはサービング基地局の受信感度の最低閾値を超えた基地局などが考えられる。実際に移動端末が測定する値としては、リファレンスシンボル受信電力(Reference Symbol received power: RSRP)、E−UTRAキャリア受信信号強度値(E-UTRA carrier received signal strength indicator: RSSI)などがある。サービング基地局とは、当該移動端末のスケジューリングを担当する基地局である。当該移動端末のサービング基地局以外の基地局であっても、他の移動端末にとってはサービング基地局になり得る。つまりユニキャストセルあるいは、MBMS/ユニキャスト混合セルの全ての基地局はスケジューリング機能を有し、いずれかの移動端末のサービング基地局となり得る。ステップST1705にて、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルは論理チャネルのひとつである報知制御チャネル(BCCH)を用いて報知情報を送信する。報知情報の具体例は、メジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)などがある。メジャメント周期とはネットワーク側が傘下の移動端末に通知する周期であって、この周期にしたがって移動端末は電界強度などの測定を行う。間欠受信周期とは、移動端末が待受け状態(Idle State)時にページング信号を受信するために、周期的にページング信号をモニタする周期である。TA情報とは「追跡領域」(Tracking Area)に関する情報である。MMEはUEが登録されている追跡領域に属する各eNBにページングメッセージを送ることにより、ページング処理を開始する(TS36.300 19.2.2.1)。ステップST1706にて、移動端末はサービング基地局からBCCHを介してメジャメント周期、間欠受信周期、TA情報などを受信する。
ステップST1707にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルはBCCHを用いて、移動端末に対して、利用可能なMBMSサービスの周波数、つまり受信可能なMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)の周波数(f(MBMS)と称する)を1つあるいは複数報知する。W−CDMA通信システムではプリファード周波数情報(Preferred frequency information: PL情報)というパラメータが存在した。PL情報はネットワーク側で論理チャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)にマッピングされ、傘下の移動端末に対して報知される。しかし、LTEシステムにおいては、MBMSサービスを提供しないユニキャストセルを設けることが予定されており、かかるユニキャストセルでは、MBMS用のチャネルであるMCCHを用いてf(MBMS)を報知する方法は採用できないという問題がある。
ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)を受信する。f(MBMS)を移動端末が受信することで、移動端末は現在の周波数以外でサービスが存在する可能性のある周波数について総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、移動端末が現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。ステップST1707、ステップST1708は実施の形態1で述べた「受信可能なMBMSに関する報知」の詳細な具体例である。ここで、移動体通信システムとしてf(MBMS)が静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりf(MBMS)を報知せずに上記移動端末が現在の周波数以外の周波数からサービスを受信するまでの制御遅延が短くなるという効果を得ることができる。さらに、f(MBMS)を報知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果も合わせて得ることができる。
一方、ステップST1707とステップST1708において、f(MBMS)に加えて各f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数を基地局からBCCHを用いて報知することも可能である。これにより、ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)を受信することにより、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいて、システム情報(システム帯域幅、送信アンテナ数)を取得する必要がなくなるので、制御遅延を短くすることができるという効果を得ることができる。なぜならf(MBMS)を受信するためにユニキャスト/周波数レイヤにおいてはサービング基地局からのBCCHを受信する必要があるので、情報(システム帯域幅、送信アンテナ数)が増えたとしても移動端末の処理時間としてはさほど長くはならない。一方、MBMS送信専用の周波数レイヤに移ってから、MBMS送信専用の周波数レイヤのシステム情報を取得するためには、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるBCCHを受信する必要があり、あらたに別のチャネルのデコード処理が必要となるため、制御遅延が発生する。
ステップST1709にて移動端末は、プロトコル処理部1101あるいは制御部1110にて保管している現在のトラッキングエリアリスト(TA List)中に、ステップST1706で受信したサービング基地局のTA情報が含まれているか確認する。含まれている場合、図18のステップST1720へ移行する。含まれていない場合はステップST1710を実行する。ステップST1710にて移動端末は、「アタッチリクエスト」(Attach Request)をサービング基地局へ送信して通知する。「アタッチリクエスト」に含まれる情報としては、移動端末の識別子(IMSI(International Mobile Subscriber Identity)あるいはS-TMSI(S-Temporary Mobile Subscriber Identity, S-TMSIは単にTemporary Mobile Subscriber Identity(TMSI)と称されることもある)、移動端末の能力(Capability)などがある。ステップST1711にて「アタッチリクエスト」を受信したサービング基地局は、ステップST1712にて「アタッチリクエスト」をMME(Mobility Management Entity)あるいはHSS(Home Subscriber Server)へ送信する。ステップST1713にてMMEは「アタッチリクエスト」を受信する。MMEのアイドルステートモビリティ管理部1305−3は、各移動端末のトラッキングエリアリストを管理している。ステップST1714にてMMEは当該移動端末の管理しているトラッキングエリアリストに当該移動端末のサービング基地局が含まれているか確認する。含まれている場合は、図18のステップST1716へ移行する。含まれていない場合はステップST1715を実行する。ステップ1715にてMMEのアイドルステートモビリティ管理部1305−3は、当該移動端末の管理しているトラッキングエリアリストに当該移動端末のサービング基地局のTA情報を追加(あるいは更新)する処理を行う。ステップST1716にてMMEは「アタッチアクセプト」(Attach Accept)をサービング基地局へ通知する。「アタッチアクセプト」に含まれる情報としては、トラッキングエリアリスト、移動端末へ与えられる識別子(S-TMSIなど)などがある。ステップST1717にて「アタッチアクセプト」を受信したサービング基地局は、ステップST1718にて「アタッチアクセプト」を当該移動端末へ通知する。ステップST1719にて移動端末は「アタッチアクセプト」を受信する。
図18は、MBMSサーチ処理を示すフローチャートである。図18のステップ1720〜ステップ1725は、実施の形態1で述べた「MBMSのサーチ」の具体的な処理である。ステップST1720にて移動端末は、ステップST1708にて受信可能なMBSFN同期エリアの周波数(あるいはMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数)を受信したか確認する。つまりf(MBMS)を1つ以上受信したか確認する。存在しなかった場合(f(MBMS)無)、処理を終了する。存在した場合(f(MBMS)有)、ステップST1721を実行する。ステップST1721にて移動端末は、ユーザがf(MBMS)にてMBMSサービスを受信する意思があるかどうかを確認する。確認の具体例としては、ユーザがMBMSサービスを受信する意思が有る場合にユーザインタフェースを用いて移動端末に対して指示を送り、移動端末はユーザの意思をプロトコル処理部1101へ保管する。ステップST1721にて移動端末はプロトコル処理部1101に保管されているMBMSサービスを受信する意思の有無を確認する。MBMSサービスを受信する意思がなければ、ステップST1721の処理を繰り返す。繰り返す方法としては、一定周期で移動端末がステップST1721の判断を行う方法、あるいはユーザからのユーザインタフェースを通じたMBMSサービスを受信する意思の変更通知があった際にステップST1721あるいは、ステップST1720を行う方法などがある。MBMSサービスを受信する意思があれば、ステップST1722へ移行する。ステップST1722にて移動端末は、周波数変換部1107(シンセサイザ)の設定周波数を変更し、中心周波数をf(MBMS)へ変更することによりMBMSのサーチ動作を開始する。周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数を変更することをリチューン(re-tune)と称する。ステップST1723にて、MBMS専用セルは第一同期チャネル(Primary Synchronization Signal: P-SCH)と第二同期チャネル(Secondary Synchronization Signal: S-SCH)、レファレンス信号(RS(MBMS))、BCCHを傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1724にて、移動端末はMBMS専用セルからのP−SCH、S−SCH、RS(MBMS)、BCCH(報知制御チャネル)を受信する。
ステップST1725にて移動端末はMBMSのサーチ動作を行う。そのさい移動端末は、参照信号(RS)を用いて受信品質を測定する。現在3GPPで議論されているMBMS送信専用の周波数レイヤにおけるサーチ動作について説明する。P−SCHにMBMS送信専用の周波数レイヤにおいて専用的に用いるシーケンスを追加する。追加の専用シーケンスは、静的に規定されたものとする。第一段階として移動端末は、追加の専用のシーケンスにてP−SCHをブラインド検出する。P−SCHは周波数的にはシステム帯域幅の中心72サブキャリアに、時間的としては無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)にマッピングされる。よってP−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出することができる。また、P−SCHはマルチセル送信される。第二段階として移動端末は、S−SCHをブラインド検出する。S−SCHのマッピング位置はP−SCHと同様である。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とMBSFNエリアIDを知ることが出来る。またS−SCHはマルチセル送信される。第二段階で得たMBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いてBCCHを受信する。移動端末は、BCCHをデコードすることにより、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを得ることが出来る。このデコード処理は、前記MBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いる。またBCCHはマルチセル送信される。本発明では、さらにBCCHをデコードすることによりf(MBMS)におけるシステム帯域幅、f(MBMS)における送信アンテナ数を得ることが出来るものとする。ここで、移動体通信システムとしてf(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりf(MBMS)におけるシステム帯域幅または/かつ送信アンテナ数を報知する必要がなく、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。さらにデコードおよび、パラメータ(f(MBMS)におけるシステム帯域幅または/かつ送信アンテナ数)の変更が不要となるので移動端末の低消費電力化、制御遅延の削減という効果を得ることが出来る。
本発明では、更にMCCHのスケジューリングについて検討する。現在の3GPPの規格においてMBSFN同期エリア(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network Synchronization Area f(MBMS))は1つ以上のMBSFNエリア(MBSFN Areas)を支持することができることになっている(図7参照)。一方、ひとつの周波数(Single Frequency)であるf(MBMS)で複数のMBSFNエリアをどのように多重するのかは決まっていない。ここではMBSFNエリアの多重方法が異なった場合であっても本発明が適応可能となるように多重方法ごとに「MBMS サーチ」処理を説明する。
まず、MBSFNエリアが時分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)された場合について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局の地理的なロケーションの概念図を図25に示す。図25はMBSFN同期エリアを構成する複数のMBSFNエリアを示す説明図である。図25において、1つのMBSFN同期エリア中にMBSFNエリア1、MBSFNエリア2、MBSFNエリア3の3つのエリアが存在する。ステップST1725にて得られるBCCH中のMCCHのスケジューリングの具体例については現在の3GPPでは詳細議論がされていない。本発明の課題であるMBMS送信専用の周波数レイヤにて所望のサービスを選択するまでの方法、及びそのための移動体通信システムを開示するために、MBSFNエリアが時分割多重された場合のBCCH中のMCCHのスケジューリングの具体例について示す。図26は、MBSFNエリアが時分割多重された場合のMBSFN同期エリアの物理チャネルへのマッピング概念図である。
図26は、ひとつのMBSFN同期エリアにおいて、複数のMBMFNエリアへのチャネルが時分割多重されている概念を示す。ひとつのMBSFN同期エリアに含まれる各MBFSNエリアは時間的に同期しているため、P−SCH(第一同期チャネル)はMBSFNエリア1内のMBMS専用セル、MBSFNエリア2内のMBMS専用セル、MBSFNエリア3内のMBMS専用セルとも同じタイミングで送信されている。また、追加の専用シーケンスを用いるとすれば全てのMBSFNエリア内のP−SCHのシーケンスは同じとなる。よってP−SCHを用いて、MBSFN同期エリア内にて同じ情報を同じタイミングで送信することになる。また、前記の通り、MBSFNエリアIDがS−SCH(第二同期チャネル)によって送信されることが考えられている。その場合はS−SCHはMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。この場合、各MBSFNエリア内の全MBMS専用セルからは同じ情報が同じタイミングで送信されることになる。移動体通信システムは、BCCHを用いた送信を行う際に、MBSFNエリアIDと関連付けられたスクランブリングコードを乗算する。このスクランブリングコードは、S−SCH(第二同期チャネル)を用いて移動端末に通知される。よって、MBSFNエリア毎に異なる情報がBCCHを用いてMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。一方、BCCHの内容はMBSFNエリア内の全MBMS専用基地局にて同じである。移動端末はBCCHをデコードすることによって、MCCHのスケジューリングを取得することができる。
現在の3GPP通信システムでは、非特許文献2のとおり、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるMBSFNサブフレームの割り当てについて検討されている。LTE方式の通信システムで設けられるMBMS専用セルにはユニキャスト用のサブフレームが存在しないため、全てがMBSFNサブフレームとなる。しかし、MBMS/ユニキャスト混合セルとMBMS専用セルの構成を可能な限りにおいて整合させることは重要である。よって非特許文献2で開示されている「MBSFNフレームクラスター」(MBSFN frame Cluster)について考え方を踏襲した上で、MBMS専用セルのスケジューリングについての方法を開示する。さらに、MBSFNサブフレーム内のMCCHのスケジューリングについても説明する。図26において、MBSFNフレームクラスターが繰り返される周期をMBSFNフレームクラスター繰り返し期間(MBSFN frame Cluster Repetition Period)とする。また、MCCHが送信される周期をMCCH繰り返し期間(MCCH Repetiton Period)とする。MBSFNフレームクラスターがMCCH繰り返し期間より小さい場合について説明する。
図26において、MCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。更に具体的には、MCCH繰り返し期間の指定には無線フレームを用いる。スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)で表される。図26において、MBSFNエリア1のMCCHスターティングポイント値1は、1mod7=1あるいは8mod7=1・・・となり、MBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間1「7」、スターティングポイント値1「1」となる。また、MBSFNエリア2のMCCHスターティングポイント値2は、4mod7=4 ・・・となりMBSFNエリア2のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間2「7」、スターティングポイント値2「4」となる。また、MBSFNエリア3のMCCHスターティングポイント値3は、6mod7=6 ・・・となりMBSFNエリア3のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間3「7」、オフセット値3「6」となる。この時のSFNはBCCHにマッピングされているとすれば無線フレームごとに報知され、MCCHスターティングポイント値からMCCHを受信する際にも有効である。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。前記追加の専用シーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値1「1」、MCCH繰り返し期間1「7」などがマッピングされ、スクランブリングコード1がかけられたBCCH1、MBSFNエリア1のMCCH1とMTCH1が送信される。MBSFNエリア1に属する基地局から3は時分割多重されるので、MBSFNエリア1が送信している期間は、MBSFNエリア2、3に属する基地局からのMCCH2、3とMTCH2、3は送信停止(DTX: Discontinuous transmission)となる。MCCH1とMTCH2にはスクランブリングコード1がかけられても良い。MCCH1とMTCH1にスクランブリングコードをかけることにより、MBSFNエリア固有のデータ(BCCH,MCCH,MTCH)への処理が統一されるという効果を得ることが出来る。反対にMCCH及びMTCHは時分割多重(TDM)であるので、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードをかけなくても良い。MCCH1とMTCH1にスクランブリングコードをかけないことにより、基地局側でのエンコード処理、移動端末側でのデコード処理の負荷が軽くなり、データ受信までの遅延が減るという効果を得ることが出来る。
MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。前記追加の専用シーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値2「4」、MCCH繰り返し期間2「7」などがマッピングされ、スクランブリングコード2がかけられたBCCH2、MBSFNエリア2に属する基地局のMCCH2とMTCH2が送信される。この期間、MBSFNエリア1、3に属する基地局のMCCH1、3とMTCH1、3は送信停止(DTX)となる。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア3に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。前記追加の専用シーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID3などがマッピングされたS−SCH3(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値3「6」、MCCH繰り返し期間3「7」などがマッピングされ、スクランブリングコード3がかけられたBCCH3、MBSFNエリア3のMCCH3とMTCH3が送信される。この期間、MBSFNエリア1、2に属する基地局のMCCH1、2とMTCH1、2は送信停止(DTX)となる。図26においては便宜上MCCHとMTCHが無線フレーム単位で時分割されている例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位が無線フレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。また移動体通信システムとしてMCCH繰り返し期間を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりMCCH繰り返し期間を報知する必要がなくなる。報知する情報が少なくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
次にMBSFNエリアが符号分割多重(CDM: Code Division Multiplexing)された場合について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、時分割多重(TDM)の場合と同様である。図27はMBSFNエリアが符号分割多重された場合のMBSFN同期エリアの物理チャネルへのマッピング概念図である。図27において、各MBSFNエリア内ではMBMSサービス(MCCH,MTCH)が連続的に送信されていることを想定している。そのような場合は、MBSFNフレームクラスターは定義しなくてもよい。MBSFNフレームクラスターがMCCH繰り返し期間より小さい場合について説明する。P−SCH(第一同期チャネル)、S−SCH(第二同期チャネル)、BCCHの具体例については時分割多重(TDM)の場合と同様であるため説明を省略する。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。更に具体的には、MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)で表される。図27においては、MBSFNエリア1のMCCHスターティングポイント値は、1mod3=1、あるいは4mod3=1・・・となりMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間1「3」、スターティングポイント値「1」となる。MBSFNエリア2のMCCHスターティングポイント値は、1mod2=1、あるいは3mod2=1・・・となりMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間2「2」、スターティングポイント値「1」となる。MBSFNエリア3のMCCHスターティングポイント値は、2mod4=2・・・となりMBSFNエリア3のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間3「4」、スターティングポイント値「2」となる。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンス(前記追加の専用シーケンス)であるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値1「1」、MCCH繰り返し期間1「3」などがマッピングされ、スクランブリングコード1がかけられたBCCH1、スクランブリングコード1がかけられたMBSFNエリア1に属する基地局のMCCH1とMTCH1が送信される。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値2「1」、MCCH繰り返し期間2「2」などがマッピングされ、スクランブリングコード2がかけられたBCCH2、スクランブリングコード2がかけられたMBSFNエリア2に属する基地局のMCCH2とMTCH2が送信される。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア3に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID3などがマッピングされたS−SCH3(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値3「2」、MCCH繰り返し期間3「4」などがマッピングされ、スクランブリングコード3がかけられたBCCH3、スクランブリングコード3がかけられたMBSFNエリア3に属する基地局のMCCH3とMTCH3が送信される。
図27においては便宜上MCCHとMTCHが無線フレーム単位で時分割された例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位が無線フレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。また移動体通信システムとしてMCCH繰り返し期間を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりMCCH繰り返し期間を報知する必要がなくなる。報知する情報が少なくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。MBSFNエリアを符号分割多重(CDM)した場合、MBSFNエリアを時分割多重(TDM)する場合と比較して、MBSFNエリア毎に異なる繰り返し期間を設定することが可能となり、MBMSサービスとして自由度の高いスケジューリングが可能となるという効果がある。さらに符号分割多重を用いることにより、移動端末において同時に複数のMBSFNエリアからのMTCH及びMCCHが重なっても分離可能となる(スクランブリングコードにより分離できるため)。よって移動体通信システムとして同時にMBSFNエリア1−3からのMTCH、MCCHを送信することが可能となるため、1つのMBSFNエリアに割り当てられる周波数及び時間的な無線リソースが拡大するという効果を得ることが出来る。
次に現在の3GPPの議論において、複数のMBSFNエリアをカバーするようなMBSFNエリアを設けることが検討されている。図28はMBSFN同期エリアを構成する複数のMBSFNエリアを示す説明図であって、複数のMBSFNエリアをカバーするMBSFNエリアを示す説明図である。図28において、1つのMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)中にMBSFNエリア1〜4が存在する。そのうち、MBSFNエリア4は、MBSFNエリア1〜3をカバーしている。かかるMBSFNエリア4には、カバーされているMBSFNエリア1〜3経由でアクセスすることが議論されているが、詳細は決まっていない。そこで、以下、複数のMBSFNエリアをカバーするMBSFNエリアへのアクセス方法について説明する。
先にも述べたように、現在、MBSFNエリアの多重方法については詳細な決定がなされていないので、まず、MBSFNエリア4とこれにカバーされているMBSFNエリア1〜3が時分割多重され、かつ、カバーされているMBSFNエリア1〜3間が符号分割多重されているケースについて説明する。図28のようなMBSFNエリアの地理的ロケーションであった場合の、ステップST1725(図18参照)の具体例を示す。第一段階として移動端末は、前記専用のシーケンスにてP-SCH(第一同期チャネル)をブラインド検出する。P−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出することができる。また、P−SCHはマルチセル送信である。MBSFN同期エリア内に位置する基地局はマルチセル送信のための同期が取られている。よってP-SCHのマルチセル送信は同期エリア内に含まれる基地局が対象となる。第二段階として移動端末は、S−SCH(第二同期チャネル)をブラインド検出する。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とMBSFNエリアIDを知ることが出来る。またS−SCHはマルチセル送信である。この時のMBSFNエリアIDはカバーされているMBSFNエリアIDとする。つまり移動端末が位置している、カバーされている各MBSFNエリアID(MBSFNエリア1〜3のいずれか)である。よってS-SCHのマルチセル送信はカバーされている各MBSFNエリア内に含まれる基地局が対象となる。移動端末は、第二段階で得たMBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコードを用いてBCCH(報知制御チャネル)を受信する。BCCHをデコードすることにより、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを得ることが出来る。またBCCHはマルチセル送信である。第二段階で得られたスクランブリングコードを用いることから、BCCHはカバーされているMBSFNエリアからのBCCHとなる。よってBCCHのマルチセル送信はカバーされている各MBSFNエリア内に含まれる基地局が対象となる。移動端末は、BCCHをデコードすることにより、MCCHのスケジューリング、f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数などを得ることが出来る。
ここで更にMCCHのスケジューリングについて検討する。図29は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合のMBSFN同期エリアの物理チャネルへのマッピングを示す説明図である。MBSFN同期エリアは時間的に同期しているため、P−SCH(第一同期チャネル)はMBSFNエリア1〜3内のMBMS専用セルとも同じタイミングで送信されている。また、前記MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンス(前記追加の専用シーケンス)を用いるとすれば全てのMBSFNエリア内のP−SCH(第二同期チャネル)のシーケンスは同じとなる。よってP−SCHはMBSFN同期エリア内にて同じ情報を同じタイミングで送信されることになる。S−SCH(第二同期チャネル)によって、前記の通りMBSFNエリアIDが送信されることが考えられている。よってその場合はS−SCHはMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。この場合、各MBSFNエリア内の全MBMS専用セルからは同じ情報が同じタイミングで送信されることになる。この時、カバーしている方のMBSFNエリア(MBSFNエリア4)特有のS-SCHはないものとする。S−SCHはMBSFN同期エリアにおいて周波数的、時間的に同じ無線リソースを用いる。またS−SCHに各MBSFNエリアスクランブリングコードに関連付けられたMBSFNエリアIDのサーチのために用いられることから、S−SCHには各MBSFNエリアのスクランブリングコードをかけることは出来ない。カバーしているMBSFNエリアS−SCHの送信を行わないことは、地理的なロケーションとしては複数のMBSFNエリアが重なっているが、重なっているMBSFNエリア(例えばMBSFNエリア1と4)において、S-SCHを1種類のみ送信すればよいことになる。これにより、お互いのMBSFNエリアからのS−SCHが干渉になることを防ぐことが出来る。移動体通信システムはS−SCHにて通知するMBSFNエリアIDと関連付けられたスクランブリングコードがかけられたBCCHを送信する。よってその場合BCCHは、カバーされているMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。BCCHの内容はMBSFNエリア内の全MBMS専用基地局にて同じである。移動端末はBCCHをデコードすることによって、MCCHのスケジューリングを取得することができる。現在の3GPPではMCCHのスケジューリングの具体例については議論されていない。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。
図29において、MBSFNフレームクラスターがMCCH繰り返し期間より大きい場合についてのMCCHのスケジューリングについてあわせて説明する。カバーしているMBSFNエリアのMCCHのスケジューリングとしては2段階を考える。以下の説明にて便宜上、移動端末がカバーされているMBSFNエリアとしてMBSFNエリア1に位置し、カバーしているMBSFNエリアとしてMBSFNエリア4が存在する場合を説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMBSFNフレームクラスター繰り返し期間、MBSFNフレームクラスター繰り返し期間内のMCCH送信回数を通知することを考える。更に具体的には、MBSFNフレームクラスターの繰り返し期間には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MBSFNフレームクラスターの繰り返し期間の指定に無線フレーム以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MBSFN FRAME Cluster Repetition Period)が考えられる。更に具体的には,MBSFNフレームクラスター繰り返し期間内のMCCH送信回数としてMBSFNフレームクラスター内のMCCH送信回数(以降、NMCCHと称する。)を用いる。NMCCHを求める具体的な計算式は、NMCCH=MBSFNフレームクラスター/MCCH繰り返し期間(MCCH Repetition Period)で表される。図29においては、MBSFNエリア1のMCCHオフセット値1は、1mod10=1となる。MBSFNエリア2のMCCHスターティングポイント値2は、1mod10=1となる。MBSFNエリア4のMCCHスターティングポイント値4は、7mod10=7となる。次にMBSFNエリア1のNMCCH1は、6/2=3となる。また、MBSFNエリア2のNMCCH2は、6/3=2となる。MBSFNエリア4のNMCCH4は、4/2=2となる。よって、MBSFNエリア1のMCCHのスケジューリングのパラメータはMBSFNフレームクラスター繰り返し期間1「10」、スターティングポイント値1「1」、NMCCH1「3」となる。この時NMCCH1をパラメータとして通知する代わりに、MBSFNフレームクラスター1とMCCH繰り返し期間1を通知しても良い。
第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は上記MBSFNエリア4(MBSFNフレームクラスター繰り返し期間4「10」、ステーティングポイント4「7」、NMCCH4「2」)のパラメータに加えてカバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。MBSFNエリア4のMCCHスケジューリングとして、1段階の場合も考えられる。つまり上記MBSFNエリア4のMCCHスケジューリングもMBSFNエリア1のBCCHにて通知する方法である。これにより、MBSFNエリア4のサービスを受信する移動端末にとっては、MBSFNエリア1のMCCHを受信しデコードする処理が不要となるので、制御遅延が減るという効果を得ることが出来る。MCCHスケジューリングとして、上記スターティングポイント、MBSFNフレームクラスター繰り返し期間、NMCCH(MBSFNフレームクラスターとMCCH繰り返し期間でもよい)を用いる方法は、MBSFNエリアが時分割多重された場合(図26参照)のMBSFNフレームクラスター内に複数回MCCHが存在した場合にも用いることが出来る。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH(第一同期チャネル)、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1(第二同期チャネル)、MCCHスターティングポイント値1「1」、MBSFNフレームクラスター繰り返し期間1「10」、NMCCH1「3」などがマッピングされ、スクランブリングコード1がかけられたBCCH1、スクランブリングコード1がかけられたMBSFNエリア1のMCCH1とMTCH1が送信される。MCCH1ではMBSFNエリア4のMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)とMBSFNエリア4のMCCHスケジューリングである、MCCHスターティングポイント値4「7」、MBSFNフレームクラスター繰り返し期間4「10」、NMCCH4「2」が送信される。MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2に属する基地局から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2、MCCHスターティングポイント値2「1」、MBSFNフレームクラスター繰り返し期間2「10」、NMCCH2「2」などがマッピングされ、スクランブリングコード2がかけられたBCCH2、スクランブリングコード2がかけられたMBSFNエリア2のMCCH2とMTCH2が送信される。MCCH2ではMBSFNエリア4のMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)とMBSFNエリア4のMCCHスケジューリングである、MCCHオフセット値4「7」、MBSFNフレームクラスター繰り返し期間4「10」、NMCCH4「2」が送信される。
MBSFNエリア4から送信されるデータとしては、先に説明したようにP−SCH、S−SCHの送信はない。更に、MBSFNエリア4のシステム情報としてカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)のBCCHにて送信されたもの以上に通知する必要がなければ、MBSFNエリア4からのBCCHの送信を省略することが出来る。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。スクランブリングコードがかけられないMBSFNエリア4のMCCH4とMTCH4が送信される。
図29においては便宜上MCCHとMTCHが無線フレーム単位で時分割されて例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位が無線フレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3 )が時分割多重される場合であり、カバーされているMBSFNエリア間は符号分割多重である多重方法は、地理的なロケーションが分離されているMBSFNエリア1〜3の多重方法として符号分割多重を用いている。これにより、周波数及び時間的な無線リソースの有効活用という利点を得られることが出来る。符号分割多重においては、各MBSFNエリアの分離は各MBSFNエリアに割り当てられたスクランブリングコードのみでおこなわれるため、MBSFNエリア間のお互いのデータが干渉となる可能性がある。しかし本多重方法においては、地理的なロケーションが分離されているMBSFNエリア1〜3の多重において符号分割多重を用いてもお互いの送信データによる干渉が起こりにくいという効果がある。地理的なロケーションが分離されていないMBSFNエリア4とMBMSFNエリア1〜3との多重に時分割多重を用いる。これにより、地理的に分離されていないために、より干渉が起こりやすいMBSFNエリア4とMBSFNエリア1〜3の多重方法を互いに干渉を起こしにくい多重方法とすることが出来る。この多重方法により各MBSFNエリア間の干渉をおさえつつ、無線リソースの有効活用が可能となる効果を得ることが出来る。更には、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)においてMBMSサーチを行わないことにより、P−SCH、S−SCH、BCCHを削減することが出来る。これにより、MBSFNエリア4の無線リソースを有効活用できるという効果を得ることができる。
次にカバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法も時分割多重である場合における具体例について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合と同様である。P−SCH、S−SCH、BCCHについては前記の場合と同様であるため説明を省略する。MCCHのスケジューリングの具体例についてもほぼ前記の場合と同様である、異なる部分を中心に説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム数以外を用いても良い、具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)となる。第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は、上記MBSFNエリア1同様のMBSFNエリア4のパラメータに加えてカバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。MBSFNエリア4のパラメータの説明は省略する。
次に、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が符合分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法も符号分割多重である場合における具体例について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合と同様である。P−SCH、S−SCH、BCCHについては前記の場合と同様であるため説明を省略する。MCCHのスケジューリングの具体例についてもほぼ前記の場合と同様である、異なる部分を中心に説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し周期を通知することを考える。MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム数以外を用いても良い,具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)となる。第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は、上記MBSFNエリア1同様MBSFNエリア4のパラメータに加えてカバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。MBSFNエリア4のパラメータの説明は省略する。MBSFNエリア4にて用いられるスクランブリングコードは、MBSFNエリア1のMCCH1で通知されるMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を基に判明する。
次に、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が符合分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法が時分割多重である場合における具体例について説明する。MBSFNエリアが複数存在した場合の基地局のロケーションの概念図は、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)とカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)が時分割多重され、カバーされているMBSFNエリア間の多重方法は符号分割多重である場合と同様である。P−SCH、S−SCH、BCCHについては前記の場合と同様であるため説明を省略する。MCCHのスケジューリングの具体例についてもほぼ前記の場合と同様である、異なる部分を中心に説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明ではMCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し期間を通知することを考える。MCCH繰り返し期間の指定には無線フレーム数を用いる。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCH繰り返し期間の指定に無線フレーム数以外を用いても良い,具体例としてサブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH繰り返し期間)となる。第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングの具体例は、MCCHのスケジューリングの具体例はMBSFNエリア4のパラメータとしてステーティングポイント、MCCH繰り返し期間、カバーしているMBSFNエリアのMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)を通知する。
上記記載のMBSFNエリアの全ての多重方法での,MCCHスケジューリングにおいてMCCHのスターティングポイントはMCHスターティングポイント、あるいはPMCHスターティングポイントとしても良い。MCHスターティングポイントとした場合、MCCHスケジューリングにおけるパラメータMCCH繰り返し期間は、MCH繰り返し期間となる。その際、各MCH中にMCCHが必ずマッピングされている場合は、MCH繰り返し期間=MCCH繰り返し期間となる。一方各MCH中にMCCHが必ずマッピングされていない場合は、MCH繰り返し期間と合わせてMCCH繰り返し期間をパラメータとして持っても良い。PMCHスターティングポイントとした場合、MCCHスケジューリングにおけるパラメータMCCH繰り返し期間は,PMCH繰り返し期間となる。その際、各PMCH中にMCCHが必ずマッピングされている場合は、PMCH繰り返し期間=MCCH繰り返し期間となる。一方各PMCH中にMCCHが必ずマッピングされていない場合は、PMCH繰り返し期間と合わせてMCCH繰り返し期間をパラメータとして持っても良い。
次に3GPPにおいて、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいて、シングルセル送信がサポートされる方向で議論が進んでいる。そのサポート方法として、シングルセル送信を1セル構成のMBSFNエリアで実現する方法が議論されている。しかし、具体的な実現方法については何ら議論されていない。本発明の課題であるMBMS送信専用の周波数レイヤにて所望のサービスを選択するまでの方法、及びそのための移動体通信システムを開示するために、シングルセル送信のサポート方法について具体例を示す。上記に、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアが存在する場合についての具体的な実現例について説明した。上記の方法において、覆われるMBSFNエリア(MBSFN Area1〜3)をシングルセル(Single-cell)送信を行うセルに置き換え、覆う側のMBSFNエリア(MBSFN Area4)をマルチセル(multi-cell)送信を行うセルに置き換えることによって、シングルセル送信を1セル構成のMBSFNエリアで実現することが可能である。
次に、図18のステップST1726、1727、図19のステップST1728、1729を用いて、実施の形態1で述べた「MBMSエリア情報取得」について更に具体的に説明する。各MBSFNエリアのMCCH(マルチキャスト制御チャネル)はマルチセル送信を考える。よってステップST1726にてMCEは、MBSFNエリア内の基地局に対してMCCHの内容及びMCCHを送信するための無線リソースの割り当てを送信する。ステップST1727にて各MBMS専用基地局はMCEからMCCHの内容及びMCCHを送信するための無線リソースの割り当てを受信する。ステップST1728にて各基地局はMCEから割り当られた無線リソースに従い、MBMSエリア情報、間欠受信(DRX)情報、ページンググループ数Kなどの制御情報を、MCCHを使用してマルチセル送信する。ステップST1729にて移動端末は、MBSFNエリア内の各基地局からMCCHを受信する。MCCH受信にはステップST1725にてネットワーク側より受信したMCCHのスケジューリングを用いる。
受信の方法の具体例について説明する。代表として、複数の基地局が図25に示すように配置され、各MBSFNエリアが図26のように時分割多重されている場合について説明する。移動端末がMBSFNエリア1の傘下に位置していた場合について説明する。移動端末はMBSFNエリア1のBCCH1(報知制御チャネル)をデコードすることで、MCCH1のスケジューリングパラメータとして、スターティングポイント値1「1」、MCCH繰返し周期1(MCCH Repetiton Period)「7」を受信する。またSFN(System Frame Number)がBCCHにマッピングされているとすれば、移動端末は、BCCHをデコードすることでSFN番号を知ることが出来る。移動端末は、以下の式にてMCCHがマッピングされているSFN番号を求めることが出来る。SFN=MCCH繰返し周期1×α+スターティングポイント値1(αは正の整数)。移動端末は、MCCH1がマッピングされるSFN番号の無線リソースを受信してデコードすることによりMCCH1を受信することが出来る。MCCH1には、MBSFNエリア1からマルチセル送信されるMBMSサービス用の制御情報がマッピングされている。制御情報の具体例としては、MBMSエリア情報、DRX情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータなどがある。
MBMSエリア情報について更に具体例を図26を用いて説明する。MBMSエリア情報として、各エリアのフレーム構成(MBSFNフレームクラスター(MBSFN frame Cluster)、MBSFNサブフレームなど)、サービス内容、MTCHの変調情報などが考えられる。MBSFNフレームクラスター1として1MBSFNフレームクラスター繰り返し期間内のMBSFNエリア1に割り当てられたフレームの集合中のフレーム数が通知される。MBSFN サブフレーム1としてMBSFNフレームクラスター1内の1無線フレーム内に実際にMBMSデータ(MTCHまたは/かつMCCH)がマッピングされているサブフレーム番号が通知される。MBMS専用基地局を用いたMBMSサービスの提供においては、MBMS/ユニキャスト混合セルとは異なり、ユニキャストデータとの無線リソースを共有する必要がない。よって1無線フレーム内の全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングすることが可能である(但し、P−SCH、S−SCH、BCCHマッピング部分除く)。全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングする場合は、MBSFNサブフレームのパラメータをネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がない。これにより無線リソースの有効活用を図ることができる。あるいは、無線通信システムとして静的にMBMS専用セルからのMBMSデータの送信時は全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングするという方法をとれば、大容量のMBMSデータを送信することが可能となり、またMBSFNサブフレームのパラメータをも通知する必要がなくなるので、更に無線リソースの有効活用が図ることができる。サービス内容として、MBMSエリア1で行われているサービス内容が通知される。MBSFNエリア1において複数のサービス(映画とスポーツ中継など)が行われている場合、複数のサービス内容とその多重パラメータが通知される。
図30は、移動端末へのMBMSデータの送信が停止され、移動端末でのMBMSデータの受信動作が停止するDRX期間と、DRX期間が繰り返される周期であるDRX周期の関係を示す説明図である。DRX(Discontinuous reception)情報について図30を用いて更に具体例を説明する。本発明の課題である、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用している移動端末にページング信号を通知するためには、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信中の移動端末がユニキャストセルないしMBMS/ユニキャスト混合セルを介してネットワークに位置登録などを行う必要がある。そのためには、ユニキャストセルないしMBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメント及び位置登録(サービング基地局の再選択(cell re-selection))が必要となる。これにより、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティをユニキャスト/混合セル経由にて確保することが可能になるという効果を得ることができる。このため、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。よって、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信中の移動端末であっても、一定周期にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントを行う必要がある。従来の方法(3GPP W−CDMA)において、メジャメント周期は間欠受信周期の整数倍であり、移動端末に対してネットワーク側より上位レイヤにて通知される。
ここで、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信している移動端末が、従来の方法を適用してユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの上位レイヤより通知されたメジャメント周期にてメジャメントを行うとすれば、MBMS送信専用の周波数セルのMBMSFN同期エリアを構成している基地局とユニキャスト/ミクスド周波数レイヤを構成している基地局は互いに同期していない(非同期)であるため、メジャメントを行うために、MBMS受信を中断しなければならなくなるという課題がある。
そこで、本発明では、上記課題の解決策として、MBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設けることとする(図30参照)。本実施の形態1におけるDRX期間とは、MBSFN同期エリア内で全MBSFNエリアのMBMSサービスに関する、ネットワーク側から移動端末へのMBMSデータの送信を停止する期間、つまり移動端末側から見るとMBMSデータの受信を行わない期間を意味することとする。MBMS送信専用周波数レイヤにおいてMBMSサービスを利用している移動端末は、MBMSデータがネットワーク側から送信されないDRX期間に、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントを行うことにより、MBMSサービスの利用を中断する必要がなくなるという効果を得る。また、DRX期間をMBSFN同期エリアに設けることにより、移動端末は、何の制御を付加することなく、MBSFN同期エリア内のMBSFNエリアからのMBMSデータを同時に受信可能となる。
次に図30に示したDRX周期について説明する。DRX周期とは先に説明したDRX期間が繰り返される周期をいう。従来の方法においてメジャメント周期は移動端末に対してネットワーク側から設定(通知)される。この方法をLTEにおいても踏襲するならば、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてMBMSサービスを受信中の移動端末がDRX期間にてユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおけるメジャメントを実施するとすれば、MBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間の情報をいずれかの経路を通じてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル側の制御装置(基地局、MME、PDNGWなど)に通知する必要がある。さらにはユニキャスト/ミクスド周波数レイヤを構成する基地局は基本的には非同期で構成されていることより、MBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間を各ユニキャストセルあるいは各MBMS/ユニキャスト混合セルに通知する必要が出てくる。この方法は、移動体通信システムを複雑化するものであり好ましくない。よって本発明では以下の方法を開示する。
MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX期間にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでのメジャメント周期が1回以上含まれるようにする。これにより、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにて移動端末にどのメジャメント周期が通知(設定)されたとしても、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてDRX周期にて設けられたDRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行えば、ネットワーク側から通知されたメジャメント周期を満足することが可能となる。この方法を採用することにより、MBMS送信専用セルの制御装置(基地局、MCE、MBMSゲートウェイ、eBNSCなど)から、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの制御装置に対して、MBMS送信専用セルのDRX周期やDRX期間を通知する必要がなくなる。よって、移動体通信システムの複雑化を防ぐ、つまり無線インタフェース上あるいはネットワーク内の追加のシグナリングを回避しつつ、MBSFN送信専用周波数レイヤにてMBMSサービス受信中の移動端末がMBMSサービスの受信を中断することなく、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャストミクスドセルが当該移動端末に通知(設定)した、メジャメント周期にてメジャメントを実行することが出来るという効果を得ることになる。
MBMS送信専用セルにおけるDRX周期を、ユニキャストセル、ユニキャスト/混合周波数セルでとり得るメジャメント周期の最小値あるいは最小値の約数とする。ユニキャストセルあるいは、MBMS/ユニキャスト混合セルが、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期がユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで取り得るメジャメント周期と異なる場合は、DRX周期は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期、あるいは前記メジャメント周期の最小値、あるいは前記メジャメント周期の最小値の約数とする。これにより、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにて移動端末にどのメジャメント周期が通知(設定)されたとしても、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてDRX周期にて設けられたDRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行えば、ネットワーク側から通知されたメジャメント周期を満足することが可能となる。この方法を採用することにより、MBMS送信専用セルの制御装置(基地局、MCE、MBMSゲートウェイ、eBNSCなど)から、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの制御装置に対して、MBMS送信専用セルのDRX周期やDRX期間を通知する必要がなくなる。よって、移動体通信システムの複雑化を防ぐ、つまり無線インタフェース上あるいはネットワーク内の追加のシグナリングを回避しつつ、MBSFN送信専用周波数レイヤにてMBMSサービス受信中の移動端末がMBMSサービスの受信を中断することなく、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャストミクスドセルが当該移動端末に通知(設定)した、メジャメント周期にてメジャメントを実行することが出来るという効果を得ることになる。また、該DRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのサービングセルから報知情報の取得を行っても良く、例えばサービングセルにおける報知情報が修正された場合などに対応することが可能となる。上記、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX期間の決定方法、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX周期の決定方法については、以降の実施の形態でも用いることができる。
DRX情報の具体的なパラメータ例について図30を用いて説明する。具体的には、DRX情報のパラメータは、DRX期間、DRX周期、スターティングポイント値(DRX)が考えられる。具体的には、DRX期間、DRX周期の指定には無線フレーム数を用いる。図30において、DRX期間は「4」無線フレーム(SFN4〜7間での期間)となる。またDRX周期は「7」無線フレーム(SFN4〜10までの期間)となる。更にDRX期間が始まるスターティングポイント値(DRX)の指定にはSFNを用いる。DRX期間、DRX周期の指定に無線フレーム数以外を用いても良い、具体例として、サブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値(DRX)を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値(DRX)=(DRX期間が始まる先頭のSFN番号)mod(DRX周期)となる。図30においては、スターティングポイント値(DRX)は、4mod7=4 あるいは 11mod7=4・・・となる。ここで、スターティングポイント値(DRX)の指定にSFNを用いる例を示した。ここでは、MBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設ける例について説明した。よってスターティングポイント値(DRX)についても、MBSFN同期エリア内の基地局共通とする。スターティングポイント値(DRX)にSFNを用いた場合を考える。MBSFN同期エリア内の基地局から同じタイミングで同じ番号が送信されるとする。上記では、DRX情報をMCCHにマッピングしてMBSFN Area内の基地局から移動端末に通知する例について説明した。同様にDRX情報をBCCHにマッピングしてMBSFNエリア内の基地局から移動端末に通知しても、同様の効果が得られる。更には、DRX情報をBCCHにマッピングしてサービング基地局から移動端末に通知しても、同様の効果が得られる。更には、DRX情報を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しても同様の効果がえられる。これにより報知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果も合わせて得ることができる。
MBMS受信時間欠受信用パラメータについて更に具体例を説明する。先にも述べたが非特許文献1にてページンググループがL1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)にて通知されることが開示されている。MBMS専用セルから送信される無線リソースにL1/L2シグナリングチャネルが存在するか否かは、まだ決定されていない。本実施の形態では、MBMS専用セルから送信される無線リソースにはL1/L2シグナリングチャネルが存在しないとして考える。しかし、LTEという同じ移動体通信システム中に存在するユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル、MBMS送信専用セルのページング通知方法は可能な限り統一することが好ましい。統一することにより、移動体通信システムの複雑化を回避できるからである。以下の説明では、MBMS受信時間欠受信時用のパラメータとしてページンググループ数(以降、KMBMS)を考える。次に、複数の基地局が図25に示すように配置され、各MBSFNエリアが図27のように符号分割多重されている場合について説明する。この場合、DRX情報については前記時分割多重の場合と同様であるので説明を省略する。
次に、図19を用いて実施の形態1で述べた「MBMSサービス選択」について更に具体的に説明する。ステップST1730にて移動端末は、該当MBMSエリアにてユーザ所望のサービスが行われているか知るため、MBMSエリア情報に含まれるサービス内容を確認する。つまり、所望のサービスがあるか判定する。当該MBSFNエリアにてユーザ所望のサービスが行われている場合は、ステップST1731へ移行する。ユーザ所望のサービスが行われていない場合は、ステップST1733へ移行する。ステップST1731にて移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1732へ移行し、閾値以下であればステップST1733へ移行する。ステップST1732にて移動端末は、ユーザが所望のMBMSサービスを受信するためのMBMS送信専用の周波数f(MBMS)とMBSFNエリアIDを取得する。一方、ステップST1733にて移動端末は同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在するか否か判断する。本ステップST1733は、図28に示すような、覆いかぶさるMBSFNエリア(MBSFNエリア4)が存在する場合に特に有効である。同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在する場合は、ステップST1730へ戻り処理を繰り返す。存在しない場合はステップST1734へ移行する。ステップ1734にて移動端末は、ステップST1708にて受信した受信可能なMBSFN同期エリアの周波数リストにて他の周波数が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST1722へ戻り、新たな周波数(f2(MBMS))へシンセサイザを切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は、ステップST1720へ戻り処理を繰り返す。またステップ1731にてレファレンスシグナルを受信し、受信電力を測定する代わりに、実際に当該MBSFNエリアのMBMSサービス(MTCHまたは/かつMCCH)を受信し、デコードを行うことも可能である。その場合、ユーザ自身がデコード後のデータを聞くあるいは見ることにより自分自身が許容できる受信感度であるか否かを判断できる。許せる場合ステップST1732へ移行し、許せない場合ステップST1733へ移行する。許せる受信感度には、ユーザ毎に個人差があるので、よりユーザに適合した移動端末になるという効果を得ることが出来る。
図19のステップ1735は、実施の形態1で述べた「MBMS受信時間欠受信準備」を示す処理である。ステップST1735にて移動端末は、ステップST1729にて受信したMBMS受信時間欠受信時用のパラメータを用いてMBMS受信時間欠受信準備を行う。具体的には、ステップST1729にて受信したページンググループ数KMBMSを用いて、自移動端末のページンググループを算出する。ページンググループの算出には、移動端末の識別ID(UE-ID,IMSI)を用いる。ページンググループは、IMSI mod KMBMSで表される。
図20は、MBMS側受信状況通知の処理を説明するフローチャートである。この処理は、図17を用いて実施の形態1で述べた「MBMS側受信状況通知」について更に具体的に説明するものである。図20において、ステップST1736にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をユニキャスト/混合周波数レイヤの周波数(以降、f(unicast)と称する。)へ変更することによりユニキャスト/混合周波数レイヤへ移動する。ステップST1737にて移動端末は、上りスケジューリングリクエスト(UL Scheduling Request)をサービングセルに対して送信する。ステップST1738にてサービングセルは、当該移動端末からの上りスケジューリングリクエストを受信する。ステップST1739にてサービングセルは、当該移動端末に対して上り無線リソースの割り当てを行うべく、上りスケジューリング(UL Scheduling)を行う。ステップST1740にてサービングセルは、ステップST1739における上りスケジューリングの結果である当該移動端末への上り無線リソースの割り当て(UL allocation、あるいはGrantとも称される)を移動端末へ送信する。ステップST1741にて移動端末は、サービングセルよりULアロケーションを受信する(つまり、上り無線リソースの割り当てを受信する)。ステップST1742にて移動端末は、ステップST1741にて受信したULアロケーションに従って「MBMS側受信状況通知」をサービングセルへ送信する。「MBMS側受信状況通知」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)などがある。
またステップST1742の「MBMS受信状況通知」をST1710で示した「アタッチリクエスト」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。あるいは「MBMS受信状況通知」を「トラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update:TAU)」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。その場合の通知パラメータは、上記同様に移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)などがある。これにより、新しいメッセージを追加することなく、ネットワーク側が移動端末のMBMS専用セルでのMBMS受信状況を入手することが可能となる。そのため、移動体通信システムの複雑性を回避できるという効果を得ることが出来る。また、「トラッキングエリアアップデート」に「MBMS受信状況通知」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、TAUの型(TYPE)情報に、「MBMS受信状況通知」を追加しても良い。タイプ情報は数値で示されていても良い。TAU要求メッセージ上に「MBMS受信状況通知」のためか否かを示す1ビットのインジケータを設けても良い。「アタッチリクエスト」メッセージに「MBMS受信状況通知」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、アタッチリクエストのタイプ情報に、「MBMS受信状況通知」を追加しても良い。タイプ情報は数値で示されていても良い。アタッチリクエストメッセージ上に「MBMS受信状況通知」のためか否かを示す1ビットのインジケータを設けても良い。これにより従来の「トラッキングエリアアップデート」と「MBMS受信状況」を通知するために用いられる「トラッキングエリアアップデート」と区別することが可能となる。また従来の「アタッチリクエスト」と「MBMS受信状況」を通知するために用いられる「アタッチリクエスト」と区別することが可能となる。これにより、移動体通信システムの制御遅延の防止という効果を得ることが出来る。
ステップST1743にてサービングセルは、移動端末からステップST1742の「MBMS側受信状況通知」処理により送信された各種パラメータを受信する受信処理を行う。ステップST1743にてネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、つまり移動体通信システムとして複雑性を増すことなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信している旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側が通常のページング信号を通知する構成から、MBMS受信時間欠受信構成へ変更することが可能となる効果を奏する。ステップST1744にてサービングセルは、ステップST1742にて移動端末により実行された「MBMS側受信状況通知」で送信されたパラメータをMMEへ送信する。ステップST1745にてMMEはこれを受信する。
ステップST1746にてMMEは、当該移動端末のMBMS送信専用の周波数でのMBMSサービスを受信中のトラッキングエリア(以降、TA(MBMS)と称する)を決定する。トラッキングエリアの決定に際しては、MMEはステップST1742により移動端末からサービングセル経由で通知されたMBMS側受信状況通知(MBMS側受信状況のパラメータ、f(MBMS)とMBSFNエリア番号)を基に決定する。ステップST1747にて当該移動端末のトラッキングエリアリストを更新する。ステップST1747では、TA(unicast)または/かつTA(MBMS)を含むTAリストの管理(保存、追加、更新、削除)をする。TA(unicast)とはユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおける当該移動端末のトラッキングエリアとする。図31はトラッキングエリアリストの詳細を説明する説明図である。以下、図31を用いてトラッキングエリアリスト管理の具体例について説明する。トラッキングエリアリストは図31(a)に示すとおり、移動端末毎に管理される。図31(a)の例ではUE#1のTAは、TA(unicast)#1とTA(unicast)#2であり、UE#2のTAはTA(unicast)#1とTA(MBMS)#1である。更に、MMEでは各トラッキングエリア(TA(unicast))に含まれる基地局も管理している。図31(b)を用いて説明する。TA(unicast)#1には、セル(Cell)ID1、2、3、4、5のMBMS/ユニキャスト混合セルが含まれる。またTA(unicast)#2には、セルID23、24、25のMBMS/ユニキャスト混合セルが含まれる。次に図31(c)を用いて説明する。TA(MBMS)#1は、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信するMBSFNエリアIDが対応する。つまり本発明では、ステップST1742にて、移動端末から「MBMS側受信状況通知」にてパラメータが送信され、ステップST1745にてMMEが、当該パラメータであるf(MBMS)、MBSFNエリアIDを用いてTA(MBMS)が決定することになる。
ステップST1747のTAリストの管理の詳細を説明する。MMEはステップST1745にて受信したf(MBMS)、MBSFNエリアIDを基にMME内で管理しているTA(MBMS)番号を検索する(例えば図31(c)を用いる)。次に、当該移動端末のTAリスト中に検索の結果判明したTA(MBMS)が存在するか否か判断する。存在した場合、現状のTAリストを保存する。存在しなかった場合、当該移動端末のTAリストに前記TA(MBMS)を追加する。MMEはマルチトラッキングエリア(Multi-TA)を管理(あるいは登録)しても良い。またMMEは、TA(MBMS)とTA(Unicast)をマルチトラッキングエリアとして管理しても良い。またMMEは、TA(MBMS)とTA(Unicast)、あるいはTA(MBMS)用のトラッキングエリアリストとTA(Unicast)用のトラッキングエリアリストを別個に管理しても良い。ステップST1748にてMMEはMBMS側受信状況通知を受信したことを示す応答信号Ackをサービングセルへ送信する。この応答信号に当該移動端末のTAリストを含めることが考えられる。1つのTAリストに1つ、あるいは複数のトラッキングエリア(Multi-TA)が含まれても良い。また、1つのTAリストにTA(MBMS)とTA(Unicast)が含まれても良い。また、TA(MBMS)用のTAリストとTA(Unicast)用のTAリストが別々に存在しても良い。
ステップST1749にてサービングセルはMMEよりMBMS側受信状況通知のAckを受信し、ステップST1750にてMBMS側受信状況通知のAckを移動端末へ送信する。ステップST1751にて移動端末はサービングセルよりMBMS側受信状況通知のAckを受信する。ステップST1752にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(f(MBMS))へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。
図21は、ユニキャスト側メジャメント処理を示すフローチャートである。以下、図21を用いて実施の形態1で述べた「Unicast側メジャメント」について更に具体的に説明する。ステップST1753にて移動端末は、図19のステップST1729で受信したDRX情報を用いて、MBMSサービスのDRX期間開始タイミングが到来したか判断する。具体例としては、ステップST1729にて受信するパラメータ例のDRX周期、スターティングポイント値(DRX)を用いてDRX期間が始まる先頭のSFN番号を求め、BCCH(報知制御チャネル)などにマッピングされるSFNを基にDRX期間開始タイミングであるか否かを判断する。具体的な計算例は,SFN=DRX周期×α+スターティングポイント値(DRX) α:正の整数となる。開始タイミングでなかった場合、ステップST1772に移行する。開始タイミングであった場合、ステップST1754へ移行する。ステップST1754にて移動端末は、ステップST1705にて受信したMBMS/ユニキャスト混合セルにおけるメジャメント周期であるか否かを判断する。メジャメント周期でなかった場合、ステップST1772に移行する。メジャメント周期であった場合、ステップST1755へ移行する。ステップST1755にて移動端末は、周波数変換部1107(シンセサイザ)の設定周波数を変更し、中心周波数をf(Unicast)へ変更することによりMBMS/ユニキャスト混合セルの下り信号を受信するようにする。ステップST1756にて移動端末は、ユニキャスト側(ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セル)のメジャメントを実行する。実際に移動端末が測定する値としては、サービングセルと周辺セルのRSRP、RSSIなどが考えられる。周辺セルの情報は、周辺セル情報(リスト)としてサービングセルから報知される場合もある。
ステップST1757にて移動端末は、ステップST1756にて測定した結果、サービングセルの再選択(cell re-selection)が必要か否か判断する。判断の具体例としては、周辺セルの中の1つのセルの測定結果が、サービングセルの測定結果を上回った場合などが考えられる。再選択が必要ない場合、ステップST1771へ移行する。再選択が必要な場合、ステップST1758、1759が実行される。ステップ1758にて新しくサービングセルとして選択する基地局(新しいサービングセル:New serving cell)は、ステップST1705同様、BCCH(報知制御チャネル)にてメジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)を傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1759にて移動端末は、移動端末は新しいサービングセルからのBCCHを受信しデコードすることによりメジャメント周期、間欠受信周期、TA情報を受信する。ステップST1760にて移動端末は、プロトコル処理部1101あるいは制御部1110にて保管している現在のトラッキングエリアリスト(TA List)中に、ステップST1759で受信したサービング基地局のTA情報が含まれているか確認する。含まれている場合、ステップST1771へ移行する。含まれていない場合はステップST1761を実行する。ステップST1761〜ステップST1770までの説明は、ステップST1710〜ステップST1719までの説明と同様であるために省略する。ステップST1771にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(MBMS)へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。
ステップST1753〜ステップST1771までの「Unicast側メジャメント」処理により、移動端末は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中であっても、ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントが可能となる。これによりMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末が、ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルにおいてのモビリティを確保することが可能になるという効果を奏する。これにより、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティをMBMS/ユニキャスト混合セル経由にて確保することが可能になるという効果を得ることができる。このため、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。また、MBSFN送信専用周波数レイヤにてサービスを受信中の移動端末においてもユニキャストセルまたはMBMS/ユニキャスト混合セルとの測定を通じた下り同期確立をメジャメント周期により行う。これにより、本発明の課題である、上りリンクが存在しないMBMS送信専用の周波数レイヤにてページング信号を受信した移動端末が、ユニキャストセルまたはMBMS/ユニキャスト混合セルにてページング信号に対する応答を送信する場合であっても、制御遅延少なく実現可能となる効果を得ることが出来る。
図22は、MBMS受信時における間欠受信処理を示すフローチャートである、図22は、図17を用いて実施の形態1で述べた「MBMS受信時 間欠受信」について更に具体的に説明するものである。図21のステップST1772にて移動端末はMBMSエリア情報の、MCCHスケジューリング情報により、受信中のMBSFNエリア番号のMCCH受信タイミングであるか判断する。つまり、移動端末はステップST1725にて受信したMCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを用いて、MCCH受信タイミングであるか否か判断する。具体的には、ステップST1725にて受信するパラメータ例のMCCH繰り返し期間、スターティングポイント値を用いてMCCHがマッピングされる先頭のSFN番号を求め、BCCHなどにマッピングされるSFNを基にMCCHがマッピングされる先頭であるか否かを判断することにより、MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号であるか否かを判断する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングでなかった場合、ステップST1753へ移行する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングであった場合、ステップST1773へ移行する。またステップST1772は、例えば図26であればMCCH Repetition Period1ごとに判断するとしても良い。
ここで、ステップST1772にてMCCHの受信タイミング(MCCHがマッピングされている先頭のSFN番号)とMBMS受信時の間欠受信周期が別々であっても構わない。別々にすることにより、MBMS受信時の間欠受信周期の設定をネットワークの状況などに応じて「長く」「短く」することが可能となり、より自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能となる。MBMS受信時の間欠受信周期は、ステップST1707にてサービングセルからBCCHにマッピングされて移動端末へ通知されてもよいし、ステップST1723にてMBMS専用セルからBCCHにマッピングされて移動端末へ通知されてもよい。また、ステップST1728にてMBMS専用セルからMCCHにマッピングされて移動端末へ通知されてもよい。具体的には、ステップST1772にてMBMS受信時の間欠受信タイミングであるか否かを判断し、間欠受信タイミングであれば、ステップ1784へ移行する。間欠受信タイミングでなければ、MCCHの受信タイミングであるか否かを判断し、MCCHの受信タイミングであれば、ステップST1788へ移行する。MCCHの受信タイミングでなければ、図21のステップST1753へ移行する。
ステップST1773にて、当該移動端末へページングが発生すると、ステップST1774にてMMEはページングのあて先となる移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に当該移動端末のトラッキングエリア(TA)リストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のトラッキングエリアリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31(a)のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のトラッキングエリアリストを検索する。当該移動端末が図31(a)のUE#1(UE-ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31(a)のUE#2(UE−ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ移行する。ステップST1776にてMMEはMCEに対してページングリクエスト(Paging Request)を送信する。つまり、図10のMME103はMCE801に対してMME−MCE間インタフェースを用いてページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。
ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバーなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバーの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアIDの両方、あるいはMBSFNエリアIDのみとしても良い。ステップST1777にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEのうち、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバーと関連付けられたMBSFNエリアIDを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。一方、TA(MBMS)ナンバーと関連付けられたMBSFNエリアIDを制御していないMCEはページング送信準備を行わない。ページング送信準備の具体例としては、自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる(Pagingグループ=IMSI mod KMBMS)。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側で、TA(MBMS)ナンバー(MBSFNエリア)とMCEの対応付けを管理する方法は、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行えるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
またMMEが図31(c)に示すように、TA(MBMS)ナンバーと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更には図31(d)に示すように、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号を管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、TA(MBMS)ナンバーと関係するMBSFNエリアIDを管理するMCEのみにページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEは、上記同様ページング送信準備を行う。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係を管理する方法(図31(d))は、MMEからページングリクエストを通知するMCEの数が少なくなるためリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。また通知する情報量が少なくなるためにリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。
またMMEが図31(c)に示すように、TA(MBMS)ナンバーと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更に図31(e)に示すように、MBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるMBMS専用セルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリアIDに含まれるセルに対して、ページングリクエストを送信する。MMEと各MBMS専用セル間に新たなインタフェースを設ける。新たなインタフェースを用いて、MMEはMBSFNエリアIDに含まれる各MBMS専用セルへ上記ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるセルの関係を管理する方法(図31(e))は、MCEにて移動端末のページング信号送信に関する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。
図32は、MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成例を説明する説明図である。図32(a)はPMCH(Physical multicast channel)上にMBMS関連情報とページング信号を含む構成を示す図である。MBMS関連の情報はMBMS用のロジカルチャネルMTCH、MCCH上にのる。MBMS関連の情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。あるMBSFNエリア内の全てのセルは、該MBSFNエリアに対応するPMCHにおいて、MBSFNエリア内でMCCHを周期的にマルチセル送信する。一方、該MBSFNエリア内セルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、該MCCHを定期的に受信し、MBMSサービスの内容やフレーム構成等を受信することによって、MBMSサービスを受信可能とする。
ページング信号を該MCCHに含ませることによって、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング情報を受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHを受信する以外のタイミングで別途ページングを受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページングを受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間はDRX動作(受信動作をストップ)することができ、移動端末の消費電力の削減が図ることができる。また、MCCHとページング信号がのるPCCHが同じMBSFNサブフレームに構成されるようにしても良いし、MCCHの乗るMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておいても良い。このような構成にすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を連続して受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHおよびページング信号ののる連続したMBSFNサブフレームを受信する以外のタイミングでページングのための受信をする必要が無くなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページング信号を受信可能となる。また、MCCHおよびページング信号を受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間はDRX動作することができ、移動端末の消費電力の削減が図れる。
図32(b)に、MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータ、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを設けた構成を開示する。図32(b)において、インジケータ1は、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータであり、ページング信号有無インジケータとする。インジケータ2は、MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータであり、MBMS関連情報の変更有無インジケータとする。インジケータがマッピングされる物理領域はPMCHが送信されるMBSFNサブフレームに設けられても良いし、また、PMCHが送信されるMBSFNサブフレームと時間的に隣接する物理領域に設けられても良い。こうすることにより、移動端末はインジケータ受信後ただちにPMCHにのるMCCHやページング信号を受信しデコード可能となる。具体的には、例えば、インジケータとして1ビット(bit)の情報とする。各インジケータはMBSFNエリア固有の拡散コード等が乗じられ、あらかじめ決められた物理領域にマッピングされる。別の方法として例えば、各インジケータはMBSFNエリア固有のシーケンスからなり、予め決められた物理領域にマッピングされても良い。移動端末に着信がかかった場合、例えばページング信号有無インジケータを“1”にセットし、着信がない場合はページング信号有無インジケータを“0”にセットする。また、例えば、MBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスの内容が変更されるなどしてMCCHにのるMBMS制御情報が変更された場合、例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを“1”にセットする。1回以上のMBMS制御情報とMBMS関連情報変更有無インジケータを含むMBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification periodとする)を決めておき、該周期内でMBMS関連情報変更有無インジケータ“1”を繰り返し送信する。MBMS modification period、スタートタイミング(SFN,スターティングポイント)、等はあらかじめ決められていても良いし、ユニキャストサービスでのサービングセルから、もしくはMBMS専用セルから報知情報で通知されても良い。該MBMS変更期間分経過した後に更にMBMS関連情報の変更が無い場合は、例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを“0”にセットする。移動端末は、所望のMBSFNエリアのMCCH内のインジケータを受信し逆拡散等を行い、インジケータが1か0かを判定することで、MCCH内に存在するMBMS関連の情報に変更が生じたかどうかや、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。
このようにインジケータを設けることで、MBMS制御情報に変更が生じ無い場合や、ページング信号が存在しない場合は、移動端末はPMCH全部の情報を受信または/かつデコードする必要が無くなる。このため、移動端末の受信電力の削減を図ることが可能となる。MBMS関連情報の変更が可能な周期を決めておき、該1周期期間内で1回以上の同じMBMS制御情報が送信されるようにしておくことで、移動端末は同じMBMS制御情報を1回以上受信することが可能となるため、MBMS制御情報の受信誤り率を低下させることができ、従って、MBMSサービスの受信品質を向上することが可能となる。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すMBMS関連情報変更有無インジケータをマッピングする物理領域を、MBMS制御情報がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、MBMS制御情報に変更が生じたかどうかを判断することが可能となる。
また、ページング信号が存在するかどうかを示すページング信号有無インジケータをマッピングする物理領域を、ページング信号がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。各インジケータを上記のような物理領域にマッピングすることで、MBMS制御信号変更無しの場合、ページング情報が存在しない場合、各々その後のOFDMシンボルを受信または/かつデコードする必要が無くなり、さらなる移動端末の受信電力の削減をはかることが可能となる。また、最初のMBSFNサブフレームや先頭のOFDMシンボルで早期に判断できるので、MBMS制御情報をただちに受信することができたり、または、ページング信号をただちに受信することができたりするため、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。
インジケータとして、MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータを同じ物理領域にマッピングしても良いし、各々異なる物理領域にマッピングしても良い。同じ物理領域にマッピングする場合は、各インジケータのオア(or)演算をとれば良い。これにより移動端末は受信するインジケータがひとつですむため、受信回路構成を間単にできる効果が得られる.各々異なる物理領域にマッピングする場合は、移動端末は、必要なインジケータのみ受信しておけば良く、他のインジケータを受信する必要はなくなる。したがって、移動端末の受信電力のさらなる削減や、必要な情報の受信遅延のさらなる低減が図れる。例えば、MBMSサービスを受信しているが、ページング信号を受信しないように設定している移動端末では、MBMS関連情報の変更有無インジケータのみ受信すればよく、ページング信号有無インジケータを受信する必要をなくすことができる。また、MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータが異なる物理領域にマッピングされると、ステップST1772にてMCCHの受信タイミング(MCCHがマッピングされている先頭のSFN番号)あるいはMBMS関連変更有無インジケータ繰り返し周期とページング信号有無インジケータ繰り返し周期が別々の値に設定された場合、MCCHの受信タイミングあるいは、MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間ではMBMS関連情報の変更有無インジケータのみを受信または/かつデコードし、ページング信号有無インジケータ繰り返し周期ではページング信号有無インジケータのみ受信または/かつデコードすることが可能となる。これにより、移動端末の処理時間が短くなり、低消費電力化が可能になるという効果を得ることができる。
各々のインジケータの繰返し周期は同じでも良いし、異なっていても良い。各々のインジケータの繰返し周期はMCCHの繰返し周期と同じでも良いし、異なっていても良い。例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータの繰返し周期をMCCHの繰返し周期(MCCH Repetition Period)と同じにし、ページング信号有無インジケータの繰返し周期をMCCHの繰返し周期のn倍(nは2以上の整数)にする。こうすることで、MBMS受信時の間欠受信周期の設定をネットワークの状況などに応じて「長く」「短く」することが可能となり、より自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能となる。インジケータの繰返し周期は、各々、ページング信号有無インジケータ繰返し周期(Repetition period)、MBMS関連変更有無インジケータ繰返し周期(Repetition period)とする。インジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN,スターティングポイント)、サブフレームナンバ、各々のインジケータの繰り返し周期等はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。この場合、移動端末はステップST1772、あるいはステップST1788、あるいはステップST1789をMBMS関連変更有無インジケータ繰返し周期ごとに行う。MBMS関連情報の変更有無インジケータ専用のチャネルを、例えばMICH(MBMS Indicating CHannel)としても良く、さらには、MICH内にページング信号有無インジケータを構成するようにしても良い。MICHの繰り返し周期を「MICH繰返し周期」(MICH Repitition period)とする。ページング信号有無インジケータの繰返し周期はMICHの繰返し周期と同じでも良いし異なっていても良い。インジケータの通知に関しては先に記載した同様の方法で行うことができる。この場合、移動端末はステップST1772、あるいはステップST1784をページング信号有無インジケータ繰返し周期ごとに行う。これにより、各々のインジケータが送信される時間がMCCHが送信される時間に限定されず、システムにおいて柔軟に設計することが可能となる。
ページング信号をPMCHに含める場合、着信がかかった移動端末の数が膨大になった場合、自移動端末の宛てのページング信号を検出するのに時間がかかりすぎてしまうという問題が生じる。また、ページング信号ののる所定の物理領域に、着信がかかった全ての移動端末のページング信号をマッピングする領域が確保できないという問題が生じる。これらの問題を解決するため、ページンググループ化する方法を開示する。図32(c)に、ページンググループ化の方法について示す。全移動端末をK個のグループに分け、各グループ毎にページング信号有無インジケータを設ける。MCCH内のページング信号有無インジケータ用の物理領域をK個に分割し、分割した各々の物理領域に各グループのページング信号有無インジケータをマッピングする。ここで、Kは1から全移動端末数の値までをとりうる。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットする。あるグループに属する全ての移動端末に着信がない場合は該グループのページング信号有無インジケータを“0”にセットする。ページング信号有無インジケータは移動端末での所望の受信誤り率を満足するためにリピテーション等が行われても良い。ページング信号をマッピングする物理領域もK個に分割し、上記K個のグループに対応するようにしておく。ページング信号として、移動端末毎の識別子(識別番号、識別コード)であっても良い。K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域とする。グループ内の移動端末数はグループ全てで同じであっても良いし、グループ毎に異なっていても良い。
グループ内の移動端末数は、例えば、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。また、全周波数帯域のひとつのOFDMシンボルに割り当て可能な移動端末台数とし、各OFDMシンボルを各グループに対応させる方法としても良い。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットし、該グループに対応したページング信号有無インジケータ用物理領域にマッピングする。それとともに、着信がかかった移動端末向けのページング信号を、該移動端末が属するグループに対応するページング信号の物理領域にマッピングする。ページング信号の物理領域へのマッピングは、移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる方法とする。ページング信号が移動端末毎の識別子であってもよく、この場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。移動端末は、自移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを受信することで、自移動端末が属するグループに着信がかかっているかどうか判定する。着信がかかっていると判定した場合、自移動端末が属するグループに対応づけられたページング信号がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。デコード後、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインドディテクションを行い、自移動端末向けのページング信号を特定することで、自移動端末への着信有りと判定することが可能となる。自移動端末向けのページング信号を検出しなかった場合は、自移動端末への着信なしと判定する。
移動端末をK個のグループにグルーピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要が無くなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには自移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図れる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることで、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。
上記実施の形態では、ページング信号をマッピングする、K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域としていた。しかし、移動端末数が多大になると、必要とする物理領域が多大になり、MBMSサービスを送信するためのオーバーヘッドが多大になるためMBMSサービスデータの送信速度が低下する。これを防ぐため、移動端末向けのページング信号に移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。これにより、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出(Blind Detection)することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。したがって、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良い。例として、グループ内の移動端末数を、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。この方法により、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。また、上記の方法とすることで、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
全移動端末数が少ない場合、Kの値を全移動端末数として、ページング信号有無インジケータのみ送信しても良い。この場合、ページング関連の物理領域を確保する必要が無く、ページング信号有無インジケータ用の物理領域を全移動端末数分確保しておけばよい。このため、無線リソースの効率化が図れる。また、この場合、移動端末毎に対応するページング信号有無インジケータ用の物理領域が存在することになる。このため、移動端末においては、自移動端末に対応したページング信号有無インジケータ用の物理領域を受信してデコードするだけで、ページング信号用領域を受信せずに、着信の有無が判定でき、移動端末のページング動作での制御遅延が低減できる。
図33に、ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域にマッピングする方法の一例を示す。ページンググループnに属する移動端末(図33中、Aで示される)のうち、着信がかかっている移動端末のn1、n2等に対してページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コード(番号、シーケンス)を乗じ(処理1)、CRC付加を行い(処理2)、エンコード、レートマッチング等の処理(処理3)を行う。ページング信号が移動端末毎の識別子である場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。これら一連の処理を行った結果を、マッピングする物理領域の大きさに対応した情報要素単位に割り当て(処理4)、着信がかかっている各々の移動端末分連結する。連結した結果を、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるスクランブリング処理、変調処理等を行う(処理5)。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする(処理6)。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータ(インジケータ1)に“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行い、その結果を情報要素単位に分割する。分割した情報要素単位毎にデコード等の処理を行い、自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインドディテクションする。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングは無しと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければDRX動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。
上記の例では、ページング信号をマッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素単位に割当てるようにしたが、この他にも、トランスポートブロック単位で割当てるようにしても良い。トランスポートブロック単位で割当てることによって、情報量によって割当てる物理リソースを増減できるため、柔軟な物理領域への割当が可能となる。
また、上記の例では処理1において各移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コードを乗じる処理を行ったが、別の処理方法として、各移動端末のページング信号と該移動端末固有の識別番号を加えるようにしても良い。この場合移動端末においては、ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行い、その結果を情報要素単位に分割し、分割した情報要素単位毎にデコード等の処理を行う。デコード等の処理後の情報内に、自移動端末固有の識別番号が存在するか否かにより自移動端末向けのページング信号を検出する。
また、PMCHにページング信号をマッピングする場合、その他の情報、例えばMCCHやMTCHと区別するため、情報種別毎に固有の識別子(ID)を乗じても良い。情報種別毎の固有の識別子は、ユニキャスト通信とは異なりマルチセル送信されるMBSFNサブフレームで用いられるため、マルチセル送信する複数のセルから同じものが送信されるようにしておく必要がある。例えば、MBSFNエリア毎に同じ情報種別毎に固有の識別子を用いるようにする。具体例として、MBMS専用セルは、ページング信号に対してページング信号用の識別子を乗じて、PMCHを用いて送信する。当該MBMS専用セル傘下の移動端末の中でページング信号を受信する必要がある移動端末は、ページング信号用の識別子を用いてブラインド検出する。これにより移動端末が必要な情報を必要な場合に受信可能となる効果を得ることができる。このことは、移動端末の消費電力低減という効果を得ることができる。また、移動端末の制御遅延防止とう効果を得ることが出来る。情報種別毎の識別子はあらかじめ決められていても良いし、サービングセルの報知情報によって報知されても良い。また、MBMS専用セルから報知されても良い。なお、さらに、ページング信号に移動端末固有の識別子を乗じるあるいは加えるようにしておけば、移動端末毎のブラインド検出も可能となるため、ページング信号をマッピングする物理領域のをあらかじめ固定しておく必要がなくなり、柔軟なマッピングが可能となり、物理リソースの使用効率が向上する効果が得られる。
図34に、ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域にマッピングする方法の別の例を示す。図34において、図33と同一の符号は同一または相当処理を示す。ページンググループnに属する移動端末のうち、着信がかかっている移動端末のn1、n2等に対してページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号にCRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い(処理2)、エンコード、レートマッチング等の処理を行う(処理3)。それら処理を行った結果に、該移動端末固有の識別コード(番号)を乗じる(処理7)。該移動端末固有の識別コードを直交性を有す拡散コードとして、移動端末間で直交性が得られるようにする。基地局は、該拡散コードを乗じた結果を、着信がかかっている各々の移動端末分多重する(処理8)。多重した結果を、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるスクランブリング処理、変調処理等を行う(処理5)。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする(処理6)。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータ(インジケータ1)に“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。
移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行う。その結果を自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、デコードを行った後のページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければDRX動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。なお、図33、図34で記載したページング信号は、ページング信号のマッピングされたトランスポートチャネルとしても良い。これは以降の実施例においても適用できる。移動端末がページング受信時に必要となるページング関連の情報であるページング信号ののった情報であれば良い。
ページング信号をPMCHのページング信号ののる領域にマッピングするいくつかの方法を開示したが、該ページング信号ののる領域へのマッピングは、任意のあらかじめ決められた領域でも良いし、ローカライズド(周波数軸上で連続する物理領域)にマッピングしても良いし、ディストリビューテッド(周波数軸上で分散する物理領域)にマッピングしても良い。
上記の例ではページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じる構成とした。このような構成とすることで、ページング信号の情報量が各移動端末で同じ場合、エンコード、レートマッチング等の処理を各移動端末間で同じにすることで、割当てる情報要素単位の領域の大きさを同じにすることが可能となる。従って、移動端末においてブラインド検出する情報要素単位の領域の大きさがひとつに限られるため、ブラインド検出の回数が削減でき、検出時間の短縮も図れる。従って、移動端末の回路構成の削減、消費電力の削減、制御遅延の低減を図れる効果が得られる。
上記のように、ページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じ、ページンググループ毎にPMCHのページング信号ののる領域にマッピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには時移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図れる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることができ、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。さらには、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードや拡散コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなり、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良いため、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。さらには、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のMCCHののるPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
上記の例では基地局においてページング信号に移動端末固有の識別番号を乗じることとした。しかし、ページング信号ではなくCRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法は、各移動端末のページング信号の情報量が異なる場合に有効である。上記で開示したPMCH上にページング信号をのせる方法とすることで、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしている全移動端末のページング信号を送信できるようになり、該移動端末がMBMS専用セルからページング信号を受信することを可能とする。
以降、MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については図32(c)、図33を例にして説明する。ステップST1779にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMCEにて行うことによりMBSFNエリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFNエリアにてマルチセル送信されているPMCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMCEはMBSFNエリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。MCEはTA(MBMS)に含まれる基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。MCEはTA(MBMS)に含まれるMBMS専用セルに対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN、MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などが考えられる。ステップST1781にてMBSFNエリア内の各基地局はMCEからのページングリクエストを受信する。
図10に示す、MME103とMCE801間にMME―MCE間IFを設ける代わりに、MME103とMBMS GW802(更に詳しくは、MBMS CP802−1)間にMME−MBMS GWインタフェースを設けてもよい。そして、ステップST1776〜ステップST1780までのMCEの処理内容をMBMS GWで行うとしても本発明と同じ効果が得られる。
ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる(ページンググループ=IMSI mod KMBMS)。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループをも通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減等効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST1783にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、ページング信号をのせたPMCHの送信を行う。具体的には、該当のUE−IDをページング関連のPMCHの該当のグループの指定情報要素ナンバにマッピングし、かつ、該当グループのページング関連の変更の有無を示すインジケータを「変更有り」に設定する。その際のPMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは上記説明した方法を用いることが可能である。
ステップST1784にて移動端末は、PMCH内の自移動端末のステップST1735にて算出したページンググループに対応したページング関連の変更有無インジケータを受信する。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。上記ステップST1773〜ステップST1787までにて説明した内容は、実施の形態1で述べた「MBMS受信時間欠受信構成」の具体例である。これにより、本発明の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。
次に、図17を用いて実施の形態1で述べた「MTCH受信」について、図22及び図23を用いて更に具体的に説明する。ステップST1788にて移動端末は、当該MBSFNエリアでのMBMSサービスを連続受信中か否か判断する。連続受信中でない場合は、ステップST1792へ移行する。連続受信中である場合には、ステップST1789へ移行する。ステップST1789にて移動端末は、PMCH内のMBMS関連の変更有無インジケータを受信する。ステップST1790にて移動端末は、MBMS関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1791へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1792へ移行する。ステップST1791にて移動端末は、本MCCHの受信タイミングにおいてはMCCHの変更はないので、MCCH内のMBMS関連の受信または/かつデコードを行わない。移動端末は、制御情報(MCCH)を更新せずにMTCHの受信、デコードを行う。ステップST1792にて移動端末は、MCCH内のMBMS関連の受信、デコードを行い、制御情報を更新する。ステップST1793にて移動端末は、ステップST1792にて受信した制御情報に従ってMTCHの受信、デコードを行う。
図23のステップST1794にて移動端末は、受信中のMBMSサービスの受信品質を測定する。移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1795へ移行し、閾値以下であればステップST1796へ移行する。またステップ1794にてレファレンスシグナルを受信し、受信電力を測定する代わりに、実際に当該MBSFNエリアのMBMSサービス(MTCHまたは/かつMCCH)を受信し、デコードを行うことも可能である。その場合、ユーザ自身がデコード後のデータを聞くあるいは見ることにより自分自身が許せる受信感度であるか否かを判断できる。許せる場合ステップST1795へ移行し、許せない場合ステップST1796へ移行する。許せる受信感度には、ユーザ毎に個人差があるので、よりユーザに適合した移動端末になるという効果を得ることが出来る。ステップST1795にて移動端末は、ユーザの意思を確認する。ユーザが受信中のMBMSサービスの受信を引き続き望んでいる場合には、ステップST1753へ移行する。ユーザが受信中のMBMSサービスの受信の終了を望んでいる場合には、ステップST1798へ移行する。ステップST1796にて移動端末は、同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在するか否か判断する。本ステップST1796は、覆いかぶさるMBSFNエリアが存在する場合に特に有効である。存在する場合は、ステップST1730へ戻り処理を繰り返す。存在しない場合はステップST1797へ移行する。
但し、その後ユーザ所望の、受信可能な他のMBMSエリアが見つからなければ、ステップST1798以降の「MBMS受信終了 A」の処理を行う。これにより、ネットワーク側は、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤでのMBMSサービスの受信を終了する旨を知ることが出来る。よって、ネットワーク側がMBMS送信専用の周波数レイヤにて当該移動端末へのページング信号を通知する構成を中止することが出来る。これにより、当該移動端末が受信することがない、MBMS送信専用の周波数レイヤからの当該移動端末へのページング信号を移動体通信システムとして中止することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を奏する。ステップ1797にて移動端末は、ステップST1708にて受信した受信可能なMBSFN同期エリアの周波数リストにて他の周波数が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST1722へ戻り、新たな周波数(f2(MBMS))へシンセサイザを切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は、ステップST1798へ移行する。
次に、図23を用いて実施の形態1で述べた「MBMS受信終了A」について更に具体的に説明する。ステップST1798にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(unicast)へ変更することによりMBMS/ユニキャスト混合セルへ移動する。ステップST1799〜ステップST1803の説明は、ステップST1737〜ステップST1741の説明と同様であるため省略する。ステップST1804にて移動端末は、ステップST1803にて受信したUL(Uplink)アロケーションに従って「MBMS受信終了」をサービングセルへ送信する。「MBMS受信終了」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、MBMSサービス受信を終了する周波数(f(MBMS))、MBSFNエリア番号(ID)などがある。
またステップST1804の「MBMS受信終了」をST1710で示した「アタッチリクエスト」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。あるいは「MBMS受信終了」を「トラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update:TAU)」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。その場合の通知パラメータは、上記同様に移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスの受信を終了する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)などがある。これにより、新しいメッセージを追加することなくネットワーク側が、移動端末がMBMS専用セルでのMBMSの受信を終了することを知り得る。そのため、移動体通信システムの複雑性を回避できるという効果を得ることが出来る。
また、「トラッキングエリアアップデート」に「MBMS受信終了」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、TAUのType情報に、「MBMS受信終了」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。TAU要求メッセージ上に「MBMS受信終了」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。「アタッチリクエスト」メッセージに「MBMS受信終了」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、アタッチリクエストのType情報に、「MBMS受信終了」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。アタッチリクエストメッセージ上に「MBMS受信終了」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。これにより従来の「トラッキングエリアアップデート」と「MBMS受信終了」を通知するために用いられる「トラッキングエリアアップデート」と区別することが可能となる。 また従来の「アタッチリクエスト」と「MBMS受信終了」を通知するために用いられる「アタッチリクエスト」と区別することが可能となる。これにより、移動体通信システムの制御遅延の防止という効果を得ることが出来る。
ステップST1805にてサービングセルは、移動端末からMBMS受信終了を受信する。ステップST1805にてネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスの受信を終了する旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側がMBMS受信時間欠受信構成から、通常のページング信号を通知する構成へ変更することが可能となる効果を奏する。ステップST1806にてサービングセルは、MBMS受信終了をMMEへ送信する。ステップST1807にてMMEは、MBMS受信終了をサービングセルより受信する。
ステップST1808にてMMEは、当該移動端末のMBMS受信を終了するTA(MBMS)を検索する。MBMS受信終了に含まれるパラメータとTA(MBMS)の関係例は、ステップST1747と同様であるため説明を省略する。ステップST1809にて当該移動端末のトラッキングエリアリストよりステップST1808の検索の結果得られた、TA(MBMS)を削除する。ステップST1810にてMMEは、サービングセル経由で伝達されたMBMS受信終了を通知する信号を受信すると、応答信号であるAckをサービングセルへ送信する。この応答信号Ackに含まれるパラメータ例としては、当該移動端末のトラッキングエリアリストが考えられる。ステップST1811にてサービングセルはMMEより送信された応答信号Ackを受信する。ステップST1812にてサービングセルは、受信した応答信号Ackを移動端末へ送信する。ステップST1813にて移動端末はサービングセル経由で伝達されたMMEからの応答信号Ackを受信する。
次に、実施の形態1で述べた「Unicast側 間欠受信」について、図24を用いて更に具体的に説明する。ステップST1814にてMMEは、ページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に、当該移動端末のトラッキングエリアリストを確認する。当該移動端末のトラッキングエリアリスト中にTA(Unicast)を検索する。具体例としては、図31(a)のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のトラッキングエリアリストを検索する。当該移動端末が図31(a)のUE#1であった場合にはTA(Unicast)は#1、#2が含まれている。次にMMEは、図31(b)のようなリストにてTA(Unicast)に含まれている基地局の識別子(セルID)を検索する。当該移動端末が図31(a)のUE#1であった場合には、当該移動端末のトラッキングエリアリストにふくまれるセルIDは、セルID1、2、3、4、5、23、24、25となる。MMEは当該移動端末のトラッキングエリアリストに含まれる基地局(サービングセルも含まれる)にページングリクエストを送信する。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)などがある。ステップST1815にて当該移動端末のトラッキングエリアリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)はページングリクエストを受信する。
ここで、本発明の課題について説明する。MBMS/ユニキャスト混合セルにて待受け状態(Idle State)にある移動端末においても、ページングメッセージの通知方法の詳細は確立されていない。非特許文献1において、PCHがPDSCHあるいは、PDCCHにマッピングされることが開示されている。また非特許文献1において、ページンググループは、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)を用いること、及び移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。一方、移動端末がどのようにページンググループに分けられ、ページンググループ毎にどのようにPCHを通知されるのかの開示はない。また移動端末がどのように待ち受け状態にて間欠受信するかの開示もない。本発明では、ユニキャストまたは/かつ混合周波数レイヤにて待ち受け状態にある移動端末へのページング信号の通知方法の詳細、及びそのための移動体通信システムについて開示することを目的とする。
そこで、ページング信号の通知方法の具体例について開示する。移動端末はページンググループに分けられる。従来の技術(W-CDMAシステム)では、PCHがマッピングされるS−CCPCH(Secondary Common Control CHannel)の本数(チャネライゼーションコードの数)をグループ数としていた。しかし、LTEシステムは符号分割多重(CDM)方式ではないので、チャネライゼーションコード数という考え方は、適合できない。現在の3GPPにて非特許文献1において、ページンググループは、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)を用いること、及び移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。しかし、具体例の開示はない。ページンググループの算出式(IMSI mod KUnicast)のKUnicastとは、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるページンググループ数とする。Kの値の具体例としては、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)は、毎サブフレームにマッピングされる。サブフレームは1無線フレーム中10個存在する。よってページンググループ数を10個とする。つまり、ページンググループにより無線フレーム中のどのサブフレームに自分が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かる。次にどの無線フレームに自分が属するグループのページング情報がマッピングされるかであるが、これは従来の技術(W−CDMA)を踏襲することが出来る。具体的な算出式は「Paging Occasion=(IMSI div K)mod(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期) n:0、1、2・・・SFNの最大値」となる。また、具体的な算出式は「Paging Occasion=(IMSI div KUnicast)mod(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期) n:0、1、2・・・、ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。」となる。ここでSFNは0からSFNの最大値までの整数である。
次に現在の3GPPでは非特許文献1において、移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。しかし、具体例についての開示はない。PCHへの具体的なページング情報のマッピング方法の具体例としては、PCHは移動端末の識別情報で構成されている、あるいは移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成となっている。PCHはL1/L2シグナリングチャネル上のCCE単位でマッピングされる。また、PCHには、次に移動端末が受信すべき制御チャネルの下り無線リソースの割当が含まれるものとする。これにより、再度の下り割当が不要となり、制御遅延を削減できるという効果を得ることが出来る。また、PCHにて次に移動端末が受信すべき制御チャネルの下り無線リソースの割当を送らない方法としても良い。この方法として、L1/L2シグナリングチャネル上にページングインジケータをのせて送信し、自分宛のページングインジケータをブラインド検出して受信した移動端末は無線割当を基地局に要求するために上りRACHを送信するようにしておく方法が考えられる。移動端末の明確な識別子(UE-ID)が含まれるPCHをPDSCH上で送信しても良い。この場合、L1/L2シグナリングチャネル上に、ページングインジケータとして、移動端末が受信すべき該PCHがマッピングされるPDSCHの無線リソースの割当て情報をマッピングする。ページングインジケータに移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成としておけば、移動端末においてページングインジケータが自分宛かどうか判断することが可能となる。自分宛のページングインジケータを受信した移動端末は割当て情報を元にPDSCH上のPCHに含まれる識別情報を受信し、自移動端末かどうかを確認する。このような方法とすることで、ページング信号が自移動端末宛かどうかを確実に検出することが可能となり、誤受信動作を無くすことができる。
ステップST1816にて当該移動端末のトラッキングエリアリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)はユニキャスト側間欠受信準備を行う。具体的には、ステップST1815にて受信した当該移動端末の識別子よりページンググループ及び、Paging Occasionを算出する。算出式の具体例は上記の通りである。ステップST1817にて当該移動端末のトラッキングエリアリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)はステップST1816にて算出したページンググループ、Paging Occasionに従って当該移動端末のページング情報をPCHにマッピングする。この時、上記Paging Occasionが示す無線フレーム中の上記ページンググループが示すサブフレーム中のL1/L2シグナリングチャネル内のCCEであれば、どのCCEでも可とする。あるいは、PCHへの割当が決められたCCEへマッピングする。PCHの割当が決められていた場合、当該移動端末がブラインド検出する回数が減るために、制御遅延が低減するという効果を得ることができる。ステップST1818にて当該移動端末のTAリスト(TA(Unicast))内に含まれる基地局(サービングセルも含まれる)は、PCHを送信する。
ステップST1819にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(unicast)へ変更することによりユニキャスト/混合周波数レイヤへ移動する。ステップST1820にて移動端末は、ユニキャスト側間欠受信準備を行う。具体的には、自移動端末の識別子よりページンググループ及び、Paging Occasionを算出する。算出式は、ネットワーク側と同様の上記の通りである。ステップST1821にて移動端末は、ステップST1820にて算出したページンググループ及び、Paging Occasionに従って、L1/L2シグナリングチャネル上のPCHをブラインド検出する。ブラインド検出には自移動端末の識別子を用いる。PCHのCCE単位にて自移動端末の識別子を掛け、相関値を得る。相関値が閾値以上であれば、自移動端末へのページング有りと判断する。ステップST1822にて移動端末は、PCHをデコードし、次の制御チャネルの下り割当を得る。その割当に従って制御情報を受信する。
次に、現在の3GPPにおいて、混合セルにおいては、MBSFNフレーム(サブフレーム)において、サブフレーム単位において先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、ユニキャスト送信用に用いてはいけないことが決定されている。つまり先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなる。MBSFNフレームはサブフレーム#0と#5には割当てられない、SCHがマッピングされるサブフレームだからである。ここで、以下の問題が発生する。上記ページンググループ及びPaging Occasionの算出式を用いれば、ページング信号は毎無線フレーム、毎サブフレーム発生の可能性がある。PCHは、L1/L2シグナリングチャネルを用いるため、MBSFNフレームであってもマッピングすることができる。一方、MBSFNフレームにおいては、PCHにて次の制御情報の下り無線リソースの割当をする場合、同じサブフレーム上の下り無線リソースはMBMS送信専用となるため、同じサブフレーム内に制御情報の割当をすることは出来ないという課題が発生する。解決策としては、PCHでの次の制御情報の下り無線リソースの割当は、以降のMBSFNフレーム以外の無線フレームとする。ほかの解決策としては、ページング信号を、MBSFNサブフレームを除いたひとつまたは複数のサブフレームに割当てる方法とする。例えば、ページンググループ数を無線フレーム内のMBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数以下にする。これにより、MBSFNサブフレームにページング信号を割当てなくてすむことになる。具体例として、ページンググループ数を2とし、ページンググループの算出式を以下のように、「IMSI mod 2」とする。具体的なグループの割当例は、ページンググループ=0となれば、サブフレーム#0を割り当てる。またページンググループ=1となれば、サブフレーム#5を割当る。これにより、MBSFNフレームが割当てられないサブフレーム(#0、#5)のみでページング情報を通知することが可能となるので、上記、ページング信号と同じサブフレームにて次の制御情報の割り当てが出来ないという問題を解決できる。
また、ほかの解決策としては、PCHにて次に移動端末が受信すべき制御チャネルの下り無線リソースの割当を送らない方法とする。この方法として、L1/L2シグナリングチャネル上にページングインジケータをのせて送信し、自分宛のページングインジケータをブラインド検出して受信した移動端末は無線割当を基地局に要求するために上りRACHを送信するようにする。こうすることで、ページング後の通信のためにPDSCHに無線割当て情報をのせる必要がないため、MBSFNサブフレームが存在しても問題なく、ページング信号を送受信することが可能となる。この場合は、ページングインジケータのみで移動端末を特定できるように、移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成とする。MBSFNサブフレームにおいては、ユニキャスト用として割当てられている領域、先頭の1あるいは2OFDMシンボル領域に、ページングインジケータをのせるようにしておけば良い。この場合も同様に、ページングインジケータのみで移動端末を特定できるように、移動端末の識別情報をかけることによって相関がとれるような構成としておく。移動端末側では、該移動端末固有の識別番号から導出した自移動端末が属するグループのページングインジケータがのる無線フレームやサブフレームを受信し、自移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにすれば良い。
具体的なページンググループおよびページングアケージョンの算出式としては、前述したように以下の式が適用できる。
IMSI mod K、KはMBMS/ユニキャスト混合セルにおけるページンググループ数。
Paging Occasion=(IMSI div K)mod(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期) n:0、1、2・・・、ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。」ここでSFNは0からSFNの最大値までの整数。
このような方法とすることで、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合においても、MBSFNサブフレームの存在の有無にかかわらず、任意の無線フレーム、サブフレームでページング信号(ページングインジケータ)を送信することが可能となる。
図24には、MBMS受信終了Bの処理詳細が示されている。図24において、ステップST1823〜ステップST1837は、ステップST1799〜ステップST1813と同様であるため、説明を省略する。違いは、ステップST1828において、「Pagingへの応答」が含まれることである。このMBMS受信終了Bの処理によって、ネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスの受信を終了する旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側がMBMS受信時間欠受信構成から、通常のページング信号を通知する構成へ変更することが可能となる効果を奏する。
またステップST1828の「MBMS受信終了」をST1710で示した「アタッチリクエスト」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。あるいは「MBMS受信終了」を「トラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update:TAU)」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。その場合の通知パラメータは、上記同様に移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスの受信を終了する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)、ページングへ応答する旨などがある。これにより、新しいメッセージを追加することなくネットワーク側が、移動端末がMBMS専用セルでのMBMSの受信を終了することを知り得る。そのため、移動体通信システムの複雑性を回避できるという効果を得ることが出来る。また、「トラッキングエリアアップデート」に「MBMS受信終了」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、TAUのType情報に、「MBMS受信終了」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。TAU要求メッセージ上に「MBMS受信終了」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。「アタッチリクエスト」メッセージに「MBMS受信終了」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、アタッチリクエストのType情報に、「MBMS受信終了」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。アタッチリクエストメッセージ上に「MBMS受信終了」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。
これにより従来の「トラッキングエリアアップデート」と「MBMS受信終了」を通知するために用いられる「トラッキングエリアアップデート」と区別することが可能となる。また従来の「アタッチリクエスト」と「MBMS受信終了」を通知するために用いられる「アタッチリクエスト」と区別することが可能となる。これにより、移動体通信システムの制御遅延の防止という効果を得ることが出来る。またステップST1828の「MBMS受信終了+ページングへの応答」をST1710で示した「アタッチリクエスト」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。あるいは「MBMS受信終了+ページングへの応答」を「トラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update:TAU)」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。その場合の通知パラメータは、上記同様に移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスの受信を終了する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)などがある。これにより、新しいメッセージを追加することなくネットワーク側が、移動端末がMBMS専用セルでのMBMSの受信を終了することを知り得る。そのため、移動体通信システムの複雑性を回避できるという効果を得ることが出来る。
また、「トラッキングエリアアップデート」に「MBMS受信終了+ページングへの応答」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、TAUのType情報に、「MBMS受信終了+ページングへの応答」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。TAU要求メッセージ上に「MBMS受信終了+ページングへの応答」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。「アタッチリクエスト」メッセージに「MBMS受信終了+ページングへの応答」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、アタッチリクエストのType情報に、「MBMS受信終了+ページングへの応答」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。アタッチリクエストメッセージ上に「MBMS受信終了+ページングへの応答」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。これにより従来の「トラッキングエリアアップデート」と「MBMS受信終了+ページングへの応答」を通知するために用いられる「トラッキングエリアアップデート」と区別することが可能となる。また従来の「アタッチリクエスト」と「MBMS受信終了+ページングへの応答」を通知するために用いられる「アタッチリクエスト」と区別することが可能となる。これにより、移動体通信システムの制御遅延の防止という効果を得ることが出来る。
上記にて移動端末の識別子に以下が含まれてもよい。移動体通信システムとして移動端末の識別子にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる移動端末の識別子とMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子が存在しても良い。ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる移動端末の識別子の具体例としては、従来のUE-ID,IMSI,S-TMSI,セル毎に割り当てられる移動端末の識別子などが考えられる。MBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子の具体例としては、マルチセル送信を行う基地局で共通に割当てられる識別子が考えられる。具体例としては、本発明にて新たに開示するTA(MBMS)内で用いられる(あるいは共通に割当てられる)当該移動端末用の移動端末の識別子、当該移動端末がMBMSサービスを受信するMBSFNエリア内で用いられる(あるいは共通に割当てられる)当該移動端末用の識別子、MBSFN同期エリア内で用いられる(あるいは共通に割当てられる)などが考えられる。
上記、MBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子を新たに設けたことにより以下の効果を得ることができる。従来のセル毎に割当てられる移動端末の識別子を用いた場合、セル毎に当該移動端末に対する識別子が異なる可能性があるため、当該識別子を用いた情報をマルチセル送信することが不可能であった。よってセル毎に割当てられる移動端末の識別子を用いた情報はSFN合成が不可能であった。また、従来のIMSI、UE-IDを用いた場合、マルチセル送信することは可能でるが、IMSI、UE-IDの情報量が多くなるため無線リソースの有効活用という点において課題があった。またIMSI、UE-IDは移動端末として静的に決定された値であり、変更の機会はない。よって、IMSI、UE-IDを無線区間にて多用することは盗聴の機会などを増やすこととなりセキュリティ上においても課題であった。
当該識別子はTA(MBMS)内で用いられる、あるいはMBSFNエリア内で用いられるため、IMSIのように移動端末に対して静的に与えられる識別子ではなく、TA(MBMS)が変更になった際などに変更される値である。例え盗聴の機会にあったとしても、識別子変更の機会があり、セキュリティ上強固となる。よって、MBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子を用いることにより、セキュリティ上の問題、無線リソースの問題を解決しつつ、当該識別子を用いた情報(情報に当該識別子を乗じても良い)をマルチセル送信することが可能となる。これにより、移動端末にてMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子を用いた情報をSFN合成することが可能となり、移動端末での当該情報の受信誤りを低減するという効果を得ることが出来る。このことは、移動体通信システム全体の制御遅延防止、無線リソースの有効活用といった効果につながる。
動作の具体例について以下に示す。ステップST1742にて移動端末は、「MBMS側受信状況通知」をサービングセルへ送信する。「MBMS側受信状況通知」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)などが考えられる。ステップST1746にてMMEは、当該移動端末のMBMS送信専用の周波数でのMBMSサービスを受信中のトラッキングエリア(以降、TA(MBMS)と称する)を決定する。その際、MMEが「MBMS側受信状況通知」にて得た、移動端末の固有の識別子とMBSFNエリアIDなどを用いてMBSFNエリア内で用いられる移動端末の識別子(識別コードであっても良い)を導出する。あるいは、MMEが移動端末の固有の識別子とMBSFNエリアIDなどを用いてTA(MBMS)内で用いられる移動端末の識別子(識別コードであっても良い)を導出する。当該移動端末の識別子は複数の移動端末に対して割当てられても良いし(移動端末のグループに対する識別子)、当該移動端末固有の識別子であっても良い。本移動端末の識別子の導出をMMEの代わりにMCE、あるいはMBMS GWが行っても良い。
当該識別子は、MMEからサービングセルを介して移動端末に送信し、さらに、MMEからMCEに送信する。例えばMMEからサービングセルを介して送信するのは、ST1748〜ST1750で送信するようにすれば良い。本ステップに限らず個別信号(DCCH、DTCHなど)で送信すれば良い。MMEはMCEに送信するページングリクエスト、例えばST1776において、TA(MBMS)内で用いられる移動端末の識別子、あるいはMBSFNエリア内で用いられる移動端末の識別子を通知しても良い。MCEからMBMS専用セルには、ST1780のページングリクエストと一緒に送信すれば良い。ステップST1783にてMBSFNエリア内の各基地局はPMCHに該当の移動端末のMBSFNエリア内で用いられる移動端末の識別子、あるいはTA(MBMS)内で用いられる移動端末の識別子をマッピングする。ステップST1786にて移動端末は、受信しデコードした結果中に自移動端末の識別子が含まれるか否かで(検出したか否かで)判断する。また同様にステップST1710〜ステップST1719、ステップST1761〜ステップST1770、ステップST1804〜ステップ1813、ステップST1814〜ステップST1815、ステップST1828〜ステップST1837にてMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子を用いても良い。
また、本実施の形態に限らず、MBSFNエリア毎にマルチセル(MC)送信する場合に上記移動体通信システムとして移動端末の識別子にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる移動端末の識別子とMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子が存在する方法を用いることが出来る。つまり、本実施の形態に限らず、MBSFNエリア毎にマルチセル送信する場合に、TA(MBMS)内で用いられる(あるいは共通に割当てられる)当該移動端末用の移動端末の識別子、当該移動端末がMBMSサービスを受信するMBSFNエリア内で用いられる(あるいは共通に割当てられる)当該移動端末用の識別しなどを情報に用いる(情報に乗じて用いても良い)ことが出来る。これにより、移動端末にて当該情報をSFN合成することが可能となり、移動端末での当該情報の受信誤りを低減するという効果を得ることが出来る。このことは、移動体通信システム全体の制御遅延防止、無線リソースの有効活用といった効果につながる。また、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいてもマルチセル送信の導入が検討されている。その場合、移動端末の識別子として当該移動端末がMBMSサービスを受信するMBSFNエリア内で用いられる(あるいは共通に割当てられる)当該移動端末用の識別子など情報を用いる(情報に乗じて用いても良い)ことが出来る。これにより移動端末にて当該情報をSFN合成することが可能となり、移動端末での当該情報の受信誤りを低減するという効果を得ることが出来る。このことは、移動体通信システム全体の制御遅延防止、無線リソースの有効活用といった効果につながる。
本実施の形態2では、MBMS送信専用の周波数レイヤがMBMS専用セルにて構成される場合について記載した。MBMS送信専用の周波数レイヤがMBMS/ユニキャスト混合セルにて構成されたとしても本実施の形態2は適用可能である。実施の形態1のほか、以下説明する実施の形態3、4、5、6についても同様にMBMS送信専用の周波数レイヤがMBMS/ユニキャスト混合セルにて構成されたとしても適用可能である。
実施の形態3.
現在の3GPPの議論において、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリアの存在が議論されている。複数のMBSFNエリアを覆うMBSFNエリアが存在する場合の基地局の地理的なロケーションの概念図は図28に示される。1つのMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)中にMBSFNエリア1〜4の4つのエリアが存在する。MBSFNエリア4は、MBSFNエリア1〜3をカバーする。MBSFNエリア4について現在の3GPPにて議論されている内容としては、カバーしているMBSFNエリア(MBSFNエリア4)へのアクセスは、カバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)経由で行われるということのみであり、MBSFNエリア1〜3を覆うMBSFNエリア4にMCCH(マルチキャスト制御チャネル)を設けるかは決まっていない。MBSFNエリア4側にMCCHが存在する場合については、実施の形態2にて具体的な詳細動作を説明した。本実施の形態においては、覆いかぶさるMBSFNエリア側にMCCHが存在しない場合について説明する。概念図を図35に示す。説明においては、実施の形態2の説明にて参照した図29と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
まず、図35と図29の一番目の違いとして、図28に示すMBSFNエリア4側にMCCHが存在しないため、制御情報(MCCH)を通知する方法が実施の形態2とは異なる。MBSFNエリア4のMCCHのマッピング方法として、まずカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1)のPMCH(PMCH1)内にMBSFNエリア1と4の領域を確保する方法が考えられる。
概念図を図36に示す。図36は、複数のMBSFNエリアを含むMBSFNエリアに制御情報を伝達するため、マルチキャスト制御チャネル(MCCH1)のマッピングされるPMCH(PMCH1)内にページング関連の信号をマッピングする方法を示す説明図である。図36(a)に、MBSFNエリア1と4のページング関連用領域を設けたフィジカルMCH(PMCH)の構成を示す。PMCH(PMCH1)上にMBSFNエリア1と4のMBMS関連の情報とMBSFNエリア1と4のページング関連情報を含む構成とする。各MBSFNエリアのMBMS関連の情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。図36(b)に、MBSFNエリア1と4のページング用領域を設けたフィジカルMCH(PMCH)に、MCCH内容が変更されたかどうかを示すMBSFNエリア1と4別々のインジケータを設けた構成を示す。図36(b)では、インジケータとして、MBSFNエリア1と4のページングの有無を示すページング信号有無インジケータ(インジケータ1)とMBSFNエリア1と4のMBMS関連情報の変更有無を示すMBMS関連の変更有無インジケータ(インジケータ2)とを持つ場合について示す。図36(c)にてページング関連の変更有無インジケータ(インジケータ1)をK個のグループに分けた場合の構成について記載している。このようにカバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1)のPMCH(PMCH1)内にMBSFNエリア1と4の領域を確保する方法をとると、BCCH1(報知制御チャネル)で通知するMCCH1のスケジューリングがMBSFNエリア1用のものだけでよいという効果を得ることが出来る。MCCHのスケジューリング方法についての詳細は実施の形態2と同様であるので省略する。
MCCHのスケジューリング方法について説明する。BCCH1で通知するMCCH1のスケジューリングに加えて、MCCH4がのる物理領域のスターティングポイントを通知すればよい。あるいは、BCCH1で通知するスケジューリングは、PMCH1のスケジューリングとしても良い。
二番目の違いとして覆いかぶさるMBSFNエリア(MBSFNエリア4)側にMCCHが存在しないために、MBSFNエリア4にてMBMSサービスを受信している移動端末に対するページング信号を通知する方法が実施の形態2とは異なる。ページング信号を通知する方法の違いについて説明する。まず、ネットワーク側が当該移動端末へのページング信号の通知範囲として、MBSFNエリア4がカバーしているMBSFNエリア1〜3全てに通知する方法が考えられる。この場合、実施の形態2で説明した具体的な方法に何ら追加制御を加えることなく、MBSFNエリア4にMCCHがない場合についても実現可能となる。移動体通信システムとして複雑化を回避するという点において、有効な方法である。
次に、ネットワーク側が当該移動端末へのページング信号の通知範囲として、当該移動端末が位置する、カバーされているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3のいずれか)に通知する方法が考えられる。具体的な動作について、実施の形態2と異なる点を中心に説明する。「MBMS側受信状況通知」について説明する。図20のステップST1742にて移動端末は、ステップST1741で受信したUL(Uplink)アロケーションに従って「MBMS側受信状況通知」をサービングセルへ送信する。「MBMS側受信状況通知」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFNエリア番号(ID)などがある。ここで、通知するMBSFNエリアIDは、実際にMBMSサービス(MTCH)を受信するMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)ではなく、自移動端末が位置している、カバーされているMBSFNエリアIDとする。言い換えれば、MBSFNサーチの際に受信したS−SCH(第二同期チャネル)にマッピングされていたMBSFNエリアIDを通知する。これにより、ネットワーク側は、移動端末が実際に位置している、カバーされているMBSFNエリアを知ることが出来る。さらに、移動端末の処理として、図23のステップST1794の処理の前に、図38のステップST3101を行う。
図38のステップST3101にて移動端末は、受信中のMCCHの受信品質を測定する。移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMCCHを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMCCHを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1794へ移行し、閾値以下であればステップST1724へ移行する。これにより、移動端末は、MCCHがマッピングされている、カバーされているMBSFNエリア間のモビリティを把握することになる。これにより、MBSFNエリア4がカバーしているMBSFNエリア1〜3全てからページング信号を通知する方法に比べて有効な点は以下の通りである。移動体通信システムとして、地理的に当該移動端末が受信可能な基地局以外の基地局(例えば当該移動端末がMBSFNエリア1に位置していた場合、MBSFNエリア2、3)からのページング信号を送信しなくても良くなるので、無線リソースの有効活用という点において効果を得る。本実施の形態においても実施の形態2同様に、移動体通信システムとして移動端末の識別子にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる移動端末の識別子とMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子が存在する方法を用いることが出来る。
実施の形態3により、複数のMBSFNエリアを含むMBSFNエリアにMCCHが存在しない場合においても、本発明の課題である、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している移動端末にページング信号を通知することができるという効果を奏する。また、本発明の課題である、MBMS送信専用セルにて所望のサービスを選択する方法を開示することができ、これにより、移動端末が上りリンクのないMBMS送信専用セルにて所望のサービスを受信することが出来るという効果を奏する。
実施の形態4.
実施の形態1〜3で述べた方法は、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している移動端末のページング受信能力(Capability)が低い場合のページング信号の通知方法であった。次に、ページング受信能力が高い移動端末(高能力端末)と低い移動端末(低能力端末)が存在する場合の、ページング信号通知方法を説明する。以下の記載で述べるところの「低能力端末」の具体例としては、受信機が1つの移動端末がある。あるいは、周波数変換部1107の設定周波数を変更して決定できる中心周波数が1つである移動端末である。または、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信しているときに、MBMS/ユニキャスト混合セルの間欠受信を実行できない移動端末である。
また、「高能力端末」の具体例としては、移動端末の受信機が複数(例えば2つ)備えた移動端末である。あるいは、周波数変換部1107の設定周波数を変更して決定できる中心周波数が複数である移動端末である。あるいは、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信中であっても、MBMS/ユニキャスト混合セルにおける間欠受信を実行できる移動端末である。図38は移動端末の能力の概念を示す表である。本移動端末の能力(Capability)はステップST1710にて移動端末からサービング基地局へ通知され,ステップST1712にてサービング基地局からMMEへ通知される。これにより当該移動端末のページング受信能力をネットワーク側が認識することが出来る。よってMBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末へのページング方法を移動端末のページング受信能力によって切り替えることが可能となる。
具体的な動作例について図16及び図17を用いて説明する。高能力端末は、MBMS/ユニキャスト混合セルの受信動作と、MBMS送信専用セルの受信動作を並行して行う。MBMS送信専用セルの受信動作としての具体例としては、ステップST1601−1、ステップST1602、ステップST1603、ステップST1604、ステップST1609がある。各ステップ内の詳細動作は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3の通りであるので、説明を省略する。また、低能力端末は、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で説明した動作を行う。この方法により、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している低能力端末へのページング信号通知方法を確立しつつ、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信している高能力端末に対する、ページング信号の通知方法が通常のページング信号を通知する構成とすることが可能となる。これにより、高能力端末がMBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している場合の移動端末での処理、および移動体通信システムとしての処理を簡略化できること。処理の簡略化は、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、移動体通信システムとしてもMBSFNエリア内の基地局から高能力端末へのページング信号を送信する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
さらに、高能力端末であっても、MBMS/ユニキャスト混合セルの受信動作と、MBMS送信専用セルの受信動作を並行して行うことによる消費電力の増加を防ぐためにユーザの意思で、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で説明した動作を行う。これにより、高能力端末であっても受信動作を並行して行う必要がなくなり、移動端末の消費電力の増加を防ぐという効果を得ることができる。本ユーザの意思は移動端末ページング受信能力同様ステップST1710で移動端末からネットワーク側へ通知し、移動端末を含む移動体通信システムとして処理は実施の形態2と同様とする。
次に変形例を説明する。非特許文献8には、移動端末の能力の1つのパラメータとしてリリースインジケータ(Release indicator)が開示されている。しかし非特許文献8には、リリースインジケータの違いによる、移動体通信システムの動作の違いは記載されていない。本変形例では、移動端末の能力に応じて、具体的には移動端末の能力の1つのパラメータであるリリースインジケータに応じて、当該移動端末がMBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信中の当該移動端末へのページング信号の通知方法を切替える方法を開示する。また、移動端末はMBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信中のページング信号の受信方法を自移動端末の能力に応じた、具体的には対応するリリースに応じた方法とする。移動端末のリリースに応じてページング信号の通知方法を切替えるため、移動端末、サービング基地局、ネットワーク側で移動端末の能力情報を共有しておく必要が生じる。そこで、ここでは、移動端末の能力(Capability)を移動端末からサービング基地局へ通知するようにしておき,サービング基地局からMMEへ通知するようにしておく。具体例として、本移動端末の能力(Capability)はステップST1710にて移動端末からサービング基地局へ通知され,ステップST1712にてサービング基地局からMMEへ通知される。これにより当該移動端末のページング受信能力をネットワーク側が認識することが出来る。よってMBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末へのページング方法を移動端末のページング受信能力によって切り替えることが可能となる。
切替えるページング信号の通知方法の具体例について開示する。1つの切換えの例として、(1)MBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の移動端末へのページング信号の通知方法を実施の形態1〜実施の形態3で示す方法にてMBMS専用セルからページング信号を通知する(2)MBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の移動端末へのページング信号の通知方法を通常通りの方法でユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルからページング信号を通知する。別の切換えの例として、(1)MBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の移動端末へのページング信号の通知方法を実施の形態1〜実施の形態3で示す方法でMBMS専用セルからページング信号を通知する(2)MBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の移動端末へページングを通知しない。リリースインジケータに応じたページング信号の通知方法の切換えの具体例について開示する。
移動端末が対応するリリースによって、MBMS専用セルからのページング信号を受信できるか否かが決定する場合が考えられる。例えばリリース8対応の移動端末は、MBMS専用セルからのページング信号は受信できないが、リリース9対応の移動端末は、MBMS専用セルからのページング信号は受信できるなどである。
対応例として、(1)MBMS専用セルからのページング信号を受信できるリリース対応の移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を実施の形態1〜実施の形態3で示す方法でMBMS専用セルからページング信号を通知する(2)MBMS専用セルからのページング信号を受信できないリリース対応の移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を通常通りの方法でユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルからページング信号を通知する。別の切換えの例として、(1)MBMS専用セルからのページング信号を受信できるリリース対応の移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービスを受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を実施の形態1〜実施の形態3で示す方法でMBMS専用セルからページング信号を通知する(2)MBMS専用セルからのページング信号を受信できないリリース対応の移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号を通知しない。
変形例1により、移動端末からネットワーク側へ通知するパラメータを増やすことなく、従来のパラメータを用いて移動体通信システムの動作を切り替えることが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからのページング信号を受信できない移動端末に対しては、MBMS専用セルからページング信号を送信する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。このことは、ネットワーク側の負荷軽減という効果も合わせて得ることができる。
次にほかの変形例を変形例2として説明する。非特許文献8には、移動端末の能力の1つのパラメータとしてMBMS関連パラメータ(MBMS Related parameters)が開示されている。しかし非特許文献8には、MBMS関連パラメータの内容については全く開示されていない。本変形例では、移動端末の能力に応じて、具体的には移動端末の能力の1つのパラメータであるMBMS関連パラメータに応じて、当該移動端末がMBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信中の当該移動端末へのページング信号の通知方法を切替える方法を開示する。また、移動端末はMBMS送信専用セルでMBMSサービスを受信中のページング信号の受信方法を自移動端末の能力に応じた、具体的にはMBMS関連パラメータに応じた方法とする。移動端末のリリースに応じてページング信号の通知方法を切替えるため、移動端末、サービング基地局、ネットワーク側で移動端末の能力情報を共有しておく必要が生じる。そこで、ここでは、移動端末の能力(Capability)を移動端末からサービング基地局へ通知するようにしておき,サービング基地局からMMEへ通知するようにしておく。具体例として、本移動端末の能力(Capability)はステップST1710にて移動端末からサービング基地局へ通知され,ステップST1712にてサービング基地局からMMEへ通知される。これにより当該移動端末のページング受信能力をネットワーク側が認識することが出来る。よってMBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末へのページング方法を移動端末のページング受信能力によって切り替えることが可能となる。切替えるページング信号の通知方法の具体例については、変形例1と同様であるため説明を省略する。MBMS関連パラメータの具体例、及び当該パラメータに応じたページング信号の通知方法の切換えの具体例について開示する。
パラメータ例を開示する。MBMS関連パラメータ中に「低能力端末(あるいは受信機が1つ」と「高能力端末(あるいは受信機が2つ)」のパラメータを設ける。対応例として、(1)低能力端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を実施の形態1〜実施の形態3で示す方法でMBMS専用セルからページング信号を通知する(2)高能力端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を通常通りの方法でユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルからページング信号を通知する。別の切換えの例として、(1)高能力端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を通常通りの方法でユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルからページング信号を通知する。(2)低能力端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号を通知しない。また別のパラメータ例を開示する。MBMS関連パラメータ中に「MBMS専用セルからのページング信号を受信できる」と「MBMS専用セルからページング信号を受信できない」のパラメータを設ける。
対応例として、(1)MBMS専用セルからのページング信号を受信できる移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を実施の形態1〜実施の形態3で示す方法でMBMS専用セルからページング信号を通知する(2)MBMS専用セルからページング信号を受信できない移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を通常通りの方法でユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルからページング信号を通知する。別の切換えの例として、(1)MBMS専用セルからのページング信号を受信できる移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービスを受信中の場合、当該移動端末へのページング信号の通知方法を実施の形態1〜実施の形態3で示す方法でMBMS専用セルからページング信号を通知する(2)MBMS専用セルからページング信号を受信できない移動端末に対して、当該移動端末がMBMS専用セルからのMBMSサービス受信中の場合、当該移動端末へのページング信号を通知しない。
変形例2により、移動端末からネットワーク側へ通知するパラメータを増やすことなく、従来のパラメータを用いて移動体通信システムの動作を切り替えることが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからのページング信号を受信できない移動端末、あるいはMBMS専用セルからページング信号を受信する必要のない移動端末に対しては、MBMS専用セルからページング信号を送信する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。このことは、ネットワーク側の負荷軽減という効果も合わせて得ることができる。
実施の形態5.
実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3で述べた方法は、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法であった。本実施の形態5では、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している間は、ユーザの意思で「ページングを受信しない」を選択可能とする。ユーザの意思で「ページングを受信しない」を選択した場合の具体的な動作例について図16及び17を用いて説明する。ユーザの意思で「ページングを受信しない」を選択した移動端末は、ステップST1603、詳しくはステップST1742のMBMS側受信状況通知において、「ページングを受信しない」旨を通知する。
またステップST1742の「MBMS受信状況通知」をST1710で示した「アタッチリクエスト」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。あるいは「MBMS受信状況通知」を「トラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update:TAU)」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。その場合の通知パラメータは、上記同様に移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスの受信を終了する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)、ページングを受信しない旨などがある。これにより、新しいメッセージを追加することなくネットワーク側が、移動端末がMBMS専用セルでのMBMSの受信を終了することを知り得る。そのため、移動体通信システムの複雑性を回避できるという効果を得ることが出来る。また、「トラッキングエリアアップデート」に「MBMS受信状況通知」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、TAUのType情報に、「MBMS受信状況通知」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。TAU要求メッセージ上に「MBMS受信状況通知」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。
「アタッチリクエスト」メッセージに「MBMS受信状況通知」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、アタッチリクエストのType情報に、「MBMS受信状況通知」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。アタッチリクエストメッセージ上に「MBMS受信状況通知」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。これにより従来の「トラッキングエリアアップデート」と「MBMS受信状況通知」を通知するために用いられる「トラッキングエリアアップデート」と区別することが可能となる。また従来の「アタッチリクエスト」と「MBMS受信状況通知」を通知するために用いられる「アタッチリクエスト」と区別することが可能となる。これにより、移動体通信システムの制御遅延の防止という効果を得ることが出来る。またステップST1828の「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」をST1710で示した「アタッチリクエスト」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。あるいは「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」を「トラッキングエリアアップデート(Tracking Area Update:TAU)」と同様に、あるいは一種として通知しても良い。
その場合の通知パラメータは、上記同様に移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、MBMSサービスの受信を終了する周波数(f(MBMS))、MBSFN Area番号(ID)などがある。これにより、新しいメッセージを追加することなくネットワーク側が、移動端末がMBMS専用セルでのMBMSの受信を終了することを知り得る。そのため、移動体通信システムの複雑性を回避できるという効果を得ることが出来る。また、「トラッキングエリアアップデート」に「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、TAUのType情報に、「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。TAU要求メッセージ上に「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。「アタッチリクエスト」メッセージに「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」であることを示す情報をのせても良い。具体的な方法としては、アタッチリクエストのType情報に、「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」を追加しても良い。Type情報は数値で示されていても良い。アタッチリクエストメッセージ上に「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」のためか否かを示す1bitのインジケータを設けても良い。これにより従来の「トラッキングエリアアップデート」と「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」を通知するために用いられる「トラッキングエリアアップデート」と区別することが可能となる。 また従来の「アタッチリクエスト」と「MBMS受信状況通知+ページングを受信しない旨」を通知するために用いられる「アタッチリクエスト」と区別することが可能となる。これにより、移動体通信システムの制御遅延の防止という効果を得ることが出来る。
移動端末としては、ステップST1605、ステップST1608、ステップST1610、ステップST1611を行わない。移動端末の処理が簡略化することにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。移動体通信システムとしては、ステップST1745にて当該移動端末の「ページングを受信しない」旨を受信する。ステップST1746にて当該移動端末のTAリストにあるいは、それとは別に当該移動端末に対する「ページング通知ストップ」なる旨を保存する。その後、ステップST1773にて当該移動端末に対するページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)を基に、当該移動端末のトラッキングエリアリストを確認する。そして、MMEは当該移動端末に対する「ページング通知ストップ」を確認する。本実施の形態においても実施の形態2同様に、移動体通信システムとして移動端末の識別子にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる移動端末の識別子とMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子が存在する方法を用いることが出来る。
移動体通信システムとして、ステップST1775〜ステップST1783及び、ステップST1814〜ステップST1818のページング発生処理を中止する。そしてMMEはネットワーク側に対して、当該移動端末の「ページング受信拒否」を通知する。これにより、ユーザの意思により「ページングを受信しない」移動端末に対する、移動体通信システムとしてのページング発生処理を中止できる。これにより、移動端末が受信する意思のない、ページング信号の通知に用いる移動体通信システムの処理負荷、及び無線リソースを削減することができるという効果を得る。
実施の形態6.
実施の形態1〜4においてMBMS送信専用の周波数レイヤにおいての自移動端末宛のページング信号を受信した場合であっても、再度MBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、間欠受信を行う構成となっている(以降、2段階の間欠受信と称する。)。MBMS送信専用セル内の基地局と、MBMS/ユニキャスト混合セル内の基地局は原則非同期である。よって、MBMS送信専用セルの基地局から、MBMS/ユニキャスト混合セル内の基地局のページング信号以降の下り制御信号用の無線リソース割り当てを行うことができないという問題を解決するためである。しかし2段階の間欠受信は、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてMBMSサービスを受信している移動端末以外の移動端末に対する通常のページング信号を通知する構成と比較して制御遅延が大きくなるという課題を有する。具体的な動作例について図17を用いて説明する。ステップST1705にてユニキャストセルあるいは、混合セルはBCCHを用いて2種類の間欠受信周期を通知する。具体的には、2段階の間欠受信時用と通常の間欠受信用である。更に具体的には、2つの間欠受信の長さを2段階の間欠受信用の方が通常の間欠受信用以下とする。2段階の間欠受信用の間欠受信周期は連続受信を指し示しても良い。これにより、2段階の間欠受信時用と通常の間欠受信用に異なる長さを設定できる。よって自由度の高い移動体通信システムを構築可能という効果を得ることができる。また間欠受信時用の方が通常の間欠受信用以下の長さとすることにより、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいての自移動端末宛のページング信号を受信した場合であっても、再度MBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、間欠受信を行う場合であっても周期が短くなっているので、制御遅延を削減できるという効果を得ることが出来る。
実施の形態7.
LTEでは新たにMBMS専用セルが設けられることが検討されている。このMBMS専用セルでは、個別の端末宛ての個別通信を行うためのユニキャストサービスは行われない。したがって、MBMS専用セルにおいて、MBMSとユニキャストサービスをともに実行可能な、例えば、3GPPのリリース6規格で規定されたW-CDMAシステムで実行される方法をそのまま適用することは困難である。MBMS専用セルから移動端末がページングを受信するには新たなページングチャネルを設けることが必要である。本発明は、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している、もしくは受信しようとしている移動端末が、MBMS専用セルからページング信号を受信するための方法を提供するものである。また、ページング信号を送信するチャネルの構成とマッピング方法、及びそのための移動体通信システムを開示する。
以下、物理マルチキャストチャネル(Physical multicast channel: PMCH)上にページング信号をのせる方法を開示する。図39は、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア毎に設けられた物理マルチキャストチャネルの構成を示す説明図である。図39では、下り論理チャネルであるマルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)とマルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)がマッピングされたPMCHが、MBSFNエリア1〜3ごとに時分割多重(Time Division Multiplexing :TDM)されている。また、図39において、セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。セル#n1のセルはMBSFNエリア1に属するため、MBSFNエリアに対応したPMCHがある時間に送信される。PMCHはMBSFNエリア内でマルチセル(Multi Cell: MC)送信されるため、MBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割り当てられるMBSFNフレームの集合を「MBSFNフレームクラスタ」(MBSFN frame cluster)とする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。MBSFNフレームクラスタが繰り返される周期を「MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間」(MBSFN frame cluster Repetition period)とする。
PMCHにはひとつまたは複数のMBMS用のトランスポートチャネルのMCHがマッピングされ、MCHにはMBMS用制御情報の論理チャネルであるMCCHと、MBMS用データの論理チャネルであるMTCHのいずれか、あるいは両方がマッピングされる。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHがマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。各MBSFNフレームクラスタ上にMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみがマッピングされても良い。MTCHのみがPMCH上にマッピングされている場合、MCCHの繰返し周期はMBSFNフレームクラスタの繰返し周期と異なる。また、MBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。MCCHの繰り返し周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。図39で、MCCH1はMBSFNエリア1用のMBMS制御情報で、MTCH1はMBSFNエリア1用のMBMSデータである。セル#n2のセルはMBSFNエリア2に属し、MCCH2はMBSFNエリア2用のMBMS制御情報で、MTCH2はMBSFNエリア2用のMBMSデータである。セル#n3のセルはMBSFNエリア3に属し、MCCH3はMBSFNエリア3用のMBMS制御情報で、MTCH3はMBSFNエリア3用のMBMSデータである。各MBSFNエリア毎にMCCHの繰返し期間は異なっていても良い。MBSFNエリア毎のPMCHは時分割多重されている。そのため、セル間の同期が確保されているMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area 図7参照)内でMBSFNエリア間のセルの直交性が得られ、他のMBSFNエリアのセルからの干渉を防止することができる。MBSFNエリアではマルチセル送信されるため、各MBSFNエリア内のセルは、各々同一のPMCHにて同一のデータを送信する。一つのセルがに複数のMBSFNエリアに属してが複数重複されていても、MBSFNエリア毎のPMCHが時分割多重されてMBSFNサブフレーム上で送信されるため、上記PMCHの構成は各MBSFNエリア間の直交性を保ったまま適用することが可能である。
移動端末では、自移動端末が存在するMBSFNエリアの複数のセルからマルチセル送信されるPMCHを受信することによってMBMSを受信でき、またマルチセル送信によるSFN利得により受信品質が改善される。一つのセルが複数のMBSFNエリアに属するような場合も、移動端末は各々のMBSFNエリアのPMCHを受信することによって、複数のMBMSサービスを受信することが可能である。また、ある所望のMBSFNエリアのPMCHを受信している移動端末は、該PMCH以外のPMCHは受信する必要がないため、該PMCH以外の時間、間欠受信(Discontinuous Reception: DRX)動作が可能となり消費電力を削減可能となる。MBSFNエリア毎にPMCHを連続して送信し、そのMBSFNフレームをMBSFNフレームクラスタとすることで、移動端末は連続して間欠受信動作を行うことが可能となるため、さらに消費電力を削減することが可能となる。
図40は、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア毎に設けられた物理マルチキャストチャネルの構成を示す説明図である。図39では、PMCHがMBSFNエリア1〜3ごとに時分割多重(Time Division Multiplexing :TDM)されていた。図40では、PMCHがMBSFNエリア1〜3ごとに符号分割多重(Code Division Multiplexing :CDM)されている場合が示される。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。セル#n1のセルではMBSFNエリア1に対応したPMCHが送信される。ここで、該PMCHは時間的に連続していても良いし、不連続でも良い。不連続の場合はMBSFNエリアに対応したPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタが繰り返される周期が「MBSFNフレームクラスタ繰り返し期間」(MBSFN frame cluster Repetition period)になる。また、連続の場合のMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間は0としても良いし、明示しなくても良い。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。MCCHが繰り返される周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。同様に、セル#n2のセルではMBSFNエリア2に対応したPMCHが送信され、セル#n3のセルではMBSFNエリア3に対応したPMCHが送信される。各MBSFNエリア毎にMCCHの繰返し期間は異なっていても良い。MBSFNエリア毎のPMCHには、MBSFNエリア固有の拡散符号が乗じられたデータがマッピングされるため、セル間の同期が確保されているMBSFN同期エリア内でMBSFNエリア間の干渉が抑圧できる。MBSFNエリアではマルチセル送信が用いられるため、各MBSFNエリア内のセルは、各々同一のPMCHにて同一のデータ、すなわちMBSFNエリア固有の拡散符号(Scrambling Code)が乗じられたデータを送信する。一つのセルが複数のMBSFNエリアに属していても、上記PMCHの構成は各MBSFNエリア間の干渉を抑制したまま適用することが可能である。
移動端末では、自移動端末が存在するMBSFNエリアの複数のセルからマルチセル送信されるPMCHを受信し、MBSFNエリア固有の拡散符号によって逆拡散(Descramble)することにより、他MBSFNエリアからの干渉の影響を除去しながらMBMSを受信でき、またマルチセル送信によるSFN利得により受信品質の向上が図れる。一つのセルが複数のMBSFNエリアに属するような場合も、移動端末は各々のMBSFNエリアのPMCHを受信し、各々のMBSFNエリア固有の拡散符号によって逆拡散することにより、複数のMBMSサービスを受信することが可能である。また、ある所望のMBSFNエリアのPMCHが時間的に連続でない場合、移動端末は該PMCH以外の時間は受信する必要がないため、該PMCH以外の時間、間欠受信動作が可能となり消費電力を削減可能となる。PMCHが時間的に連続であっても、該PMCHにマッピングされるサービスが複数存在し、該サービスがPMCH上に時間的に多重されている場合は、移動端末は所望のサービスがマッピングされた該PMCH内の時間領域のみ受信すればよく、その他の時間領域は受信する必要がない。従って、該PMCH内のその他の時間、間欠受信動作が可能となり消費電力を削減可能となる。
図32は、ページング信号をのせた物理マルチキャストチャネル(PMCH)の構成を示す説明図である。図32に、ページング信号をのせた物理マルチキャストチャネル(PMCH)の構成を示す。図32(a)はページング信号用領域を設けたPMCHを示す図であり、PMCH上にMBMS関連情報とページング信号を含む点が示される。MBMS関連情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。図53はMBMS関連情報とページング信号をマルチキャスト制御チャネル(MCCH)に情報要素として乗せる場合のマッピング方法を示す説明図である。MBMS関連情報のうちMBMS制御情報をページング信号とともに論理チャネルMCCH上にのせる。MCCHはMTCHとともにトランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされ、MCHは物理チャネルである物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされる。このように、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信することが可能となる。
また他の例を説明する。図54は、論理チャネルPCCHを論理チャネルMTCH、MCCHと多重してトランスポートチャネルMCHに載せる場合のマッピング方法を示す説明図である。図54において、ページング信号は論理チャネルPCCHにのせられており、MBMS関連情報はMTCH、MCCHにのせられている。基地局は、MTCHのみのMBSFNサブフレームと、MCCHとPCCHがマッピングされるMBSFNサブフレームとを設けるようにしても良い。さらに、MCCHのみのMBSFNサブフレームと、PCCHのみのMBSFNサブフレームとを設けるように制御しても良い。こうすることで、MTCHとMCCHかつPCCHが、さらにはMCCHとPCCHが各々時間的に分割されて送信可能となる。移動端末は、必要な情報のMBSFNサブフレームのみ受信すれば良く、必要のない情報のMBSFNサブフレームの期間DRX動作をすることが可能となる。さらに、MCCHとPCCHののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしても良い。基地局は、例えばMCCHののるMBSFNサブフレームの後(もしくは前)に連続してPCCHののるMBSFNサブフレームを構成するようにスケジューリングする。MBMSを受信中もしくは受信しようとしている移動端末はMCCHを受信するため、MCCHとPCCHを連続にしておくことで、MCCH繰返し期間によりMCCHかつPCCHの受信タイミングがわかることになる。従って、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際に連続してページング信号を受信することが可能となる。また、MCCHとPCCHの間にMTCHが入らないためMTCHを受信していない端末がDRX動作に移行することなくPCCHを受信できるようになる。さらに別の例として、図55にMCHとPCHを用いる方法を示す。図55は、論理チャネルPCCHをトランスポートチャネルPCHにのせ、論理チャネルMTCHとMCCHを多重してトランスポートチャネルMCHにのせ、さらにPCHとMCHとを多重化して物理マルチキャストチャネルに乗せる場合のマッピング方法を示す説明図である。図55において、ページング信号はPCCHにのせられており、このPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされている。このPCHはMCHと多重されてPMCHにマッピングされる。こうすることで、基地局は、PCHとMCHを時間的に分割して送信可能となり、さらには、エンコーディングを別々に行うことが可能となる。従って、移動端末においては、受信時にデコードを別々に行うことが可能となる。
あるMBSFNエリア内の全てのセルは、該MBSFNエリアに対応するMCCHをPMCHにのせてMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)で周期的にマルチセル送信する。該MBSFNエリア内セルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、該MCCHを定期的に受信し、MBMSサービスの内容やフレーム構成等を受信することによって、MBMSサービスを受信可能とする。従って、図53で開示したようにページング信号を該MCCHに含ませることによって、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHを受信する以外のタイミングで別途ページングを受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページングを受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信動作することができ、移動端末の消費電力の削減が図ることができる。
図54で開示したマッピング方法の場合は、MCCHとPCCHが同じMBSFNサブフレームに構成されるようにしても良いし、MCCHののるMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に分割し、さらに隣接するようにしておいても良い。本発明の特徴として「MCCHを見た時にPCCHもみれるようにする」がある。従って、MCCHとPCCHが同じMBSFNサブフレームにのる場合はそのサブフレームを受信すれば良いが、MCCHののるMBSFNサブフレームとPCCHののるサブフレームを時分割した場合は隣接させておくことが好ましい。また、図55で開示したマッピング方法の場合は、MCCHののるMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておけば良い。基地局は、例えばMCCHののるMBSFNサブフレームの後(もしくは前)に連続してPCCHののるMBSFNサブフレームを構成するようにスケジューリングする。このような構成にすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を連続して受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCH及びPCCHののるサブフレームを受信する以外のタイミングで別途ページング信号を受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページング信号を受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信動作することができ、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。
図32(b)に、MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータ、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを設けた構成を開示する。これらのインジケータはいずれかが設けられていても良いし、両方が設けられていても良い。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータを「MBMS関連情報の変更有無インジケータ」とし、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを「ページング信号有無インジケータ」とする。インジケータがマッピングされる物理領域はPMCHが送信されるMBSFNサブフレームに設けられても良いし、また、PMCHが送信されるMBSFNサブフレームと時間的に隣接する物理領域に設けられても良い。こうすることにより、移動端末はインジケータ受信後ただちにPMCHに乗るMCCHやページング信号を受信しデコード可能となる。例えば、インジケータとして1ビットの情報とする。各インジケータはMBSFNエリア固有の拡散コード等が乗じられ、あらかじめ決められた物理領域にマッピングされる。別の方法として例えば、各インジケータはMBSFNエリア固有のシーケンスからなり、予め決められた物理領域にマッピングされても良い。移動端末に着信がかかった場合、ページング信号有無インジケータを“1”にセットし、着信がない場合はページング信号有無インジケータを“0”にセットする。また、例えば、MBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスの内容が変更されるなどしてMCCHにのるMBMS制御情報が変更された場合、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“1”にセットする。MBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification periodとする)を決めておき、該周期内で変更有無インジケータ“1”を繰り返し送信する。該周期(MBMS modification period)、スタートタイミング(SFN、スターティングポイント)等はあらかじめ決められていても良いし、ユニキャストサービスでのサービングセルから、もしくはMBMS専用セルから報知情報で通知されても良い。該周期経過した後に更にMBMS関連情報の変更がない場合は、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“0”にセットする。
移動端末は、所望のMBSFNエリアのPMCHがマルチセル送信されるMBSFNサブフレームもしくは隣接するMBSFNサブフレーム内のインジケータを受信し逆拡散等を行い、インジケータが1か0かを判定することで、MCCH内に存在するMBMS制御情報に変更が生じたかどうかや、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。このようにインジケータを設けることで、MBMS制御情報に変更が生じない場合や、ページング信号が存在しない場合は、移動端末はPMCH全部の情報を受信または/かつデコードする必要がなくなる。このため、移動端末の受信電力の削減を図ることが可能となる。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すMBMS関連情報変更有無インジケータをマッピングする物理領域を、MBMS制御情報がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、MBMS制御情報に変更が生じたかどうかを判断することが可能となる。
また、ページング信号が存在するかどうかを示すページング信号有無インジケータをマッピングする物理領域を、ページング信号がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。各インジケータを上記のような物理領域にマッピングすることで、MBMS制御信号変更無しの場合、ページング情報が存在しない場合、各々その後のOFDMシンボルを受信または/かつデコードする必要がなくなり、さらなる移動端末の受信電力の削減をはかることが可能となる。また、最初のMBSFNサブフレームや先頭のOFDMシンボルで早期に判断できるので、MBMS制御情報をただちに受信することができたり、または、ページング信号をただちに受信することができたりするため、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。インジケータとして、MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータを同じ物理領域にマッピングしても良いし、各々異なる物理領域にマッピングしても良い。同じ物理領域にマッピングする場合は、各インジケータのオア(or)演算をとれば良い。これにより移動端末は受信するインジケータがひとつですむため、受信回路構成を間単にできる効果が得られる。各々異なる物理領域にマッピングする場合は、これにより、移動端末は、必要なインジケータのみ受信しておけば良く、他のインジケータを受信する必要はなくなる。したがって、移動端末の受信電力のさらなる削減や、必要な情報の受信遅延のさらなる低減が図ることができる。例えば、MBMSサービスを受信しているが、ページング信号を受信しないように設定している移動端末では、MBMS関連情報の変更有無インジケータのみ受信すればよく、ページング信号有無インジケータを受信する必要をなくすことができる。各々のインジケータの繰返し周期は同じでも良いし、異なっていても良い。各々のインジケータの繰返し周期はMCCHの繰返し周期と同じでも良いし、異なっていても良い。例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを何回かに1回MCCHののるPMCHに設けても良い。
インジケータの繰り返し周期は、各々、ページング信号有無インジケータ繰り返し期間(Repetition period)、MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間(Repetition period)とする。インジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ、各々のインジケータの繰り返し周期等はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。MBMS関連情報の変更有無インジケータ専用のチャネルを、例えばMICH(MBMS Indicating CHannel)としても良く、さらには、MICH内にページング信号有無インジケータを構成するようにしても良い。ページング信号有無インジケータの繰り返し周期はMICHの繰り返し周期(MICH Repitition period)と同じでも良いし異なっていても良い。インジケータの通知に関しては先に記載した同様の方法で行うことができる。これにより、各々のインジケータが送信される時間がMCCHが送信される時間に限定されず、システムにおいて柔軟に設計することが可能となる。
ページング信号をPMCHに含める場合、着信がかかった移動端末の数が膨大になった場合、自移動端末の宛てのページング信号を検出するのに時間がかかりすぎてしまうという問題が生じる。また、ページング信号ののる所定の物理領域に、着信がかかった全ての移動端末のページング信号をマッピングする領域が確保できないという問題が生じる。これらの問題を解決するため、ページンググループ化する方法を開示する。図32(c)に、ページンググループ化の方法について示す。全移動端末をK個のグループに分け、各グループ毎にページング信号有無インジケータを設ける。ページング信号有無インジケータ用の物理領域をK個に分割し、分割した各々の物理領域に各グループのページング信号有無インジケータをマッピングする。ここで、Kは1から全移動端末数の値までをとりうる。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットする。あるグループに属する全ての移動端末に着信がない場合は該グループのページング信号有無インジケータを“0”にセットする。ページング信号有無インジケータは移動端末での所望の受信誤り率を満足するためにリピテーション等が行われても良い。ページング信号をマッピングする物理領域もK個に分割し、上記K個のグループに対応するようにしておく。ページング信号として、移動端末毎の識別子(識別番号、識別コード)であっても良い。K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域とする。グループ内の移動端末数はグループ全てで同じで合っても良いし、グループ毎に異なっていても良い。
グループ内の移動端末数は、例えば、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。また、ひとつのOFDMシンボルに割当て可能な移動端末台数とし、各OFDMシンボルを各グループに対応させる方法としても良い。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットし、該グループに対応したページング信号有無インジケータ用物理領域にマッピングする。それとともに、着信がかかった移動端末向けのページング信号を、該移動端末が属するグループに対応するページング信号の物理領域にマッピングする。ページング信号の物理領域へのマッピングは、移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。ページング信号が移動端末毎の識別子である場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。
移動端末固有の識別コードは、ユニキャスト送信においてはセル毎に固有なコードを用いる。しかし、MBMS専用周波数レイヤのセルにおいて、移動端末固有の識別コードがセル毎に固有だと、MBSFNエリアでMC送信する際に各セルから同じものが送信されなくなり、移動端末での受信時に、他セルからの送信信号が雑音となり受信品質が劣化して受信不可能となる問題が生じてしまう。この問題を解決するために、本発明においては、移動端末固有の識別コードをMBSFNエリア毎に固有とする。具体例として、MBSFNエリア毎に移動端末識別コードを設け、MBSFNエリアからページング信号を送信する移動端末に、あらかじめ該移動端末識別コードを送信しておく。また、IMSIやMBSFNエリアIDから導出するようにしても良い。導出方法はあらかじめ決められていても良い。ネットワーク側と移動端末側で、同じパラメータと算出式を用いて導出するようにしても良い。これにより、ネットワーク側から移動端末に、MBSFNエリア毎の移動端末識別コードを送信しなくてすむ。従って、シグナリング量を削減できる効果が得られる。該MBSFNエリア毎の移動端末固有の識別コードは個別情報のため、ユニキャストセルやMBMS専用セルから報知情報として報知されるのは不可能である。そこで、MBSFNエリアIDとIMSIなどの移動端末固有の番号を用いて導出するようにしておけば良い。ネットワーク側(MME、MCE)と移動端末において同じ算出式を用いてMBSFNエリア毎の移動端末識別番号を導出すれば良い。算出式はあらかじめ決められていても良い。これにより、該移動端末固有の識別コードとしてMBMSFNエリア毎の識別コードを用いることが可能となり、自移動端末宛のページング信号を受信することが可能となる。
別の方法として、MMEが移動端末の固有の識別番号とMBSFNエリアIDを用いてMBSFNエリア毎の移動端末固有の識別コードを導出し、MMEからサービングセルを介して移動端末に送信し、さらに、MMEからMCEに送信する。例えばMMEからサービングセルを介して送信するのは、ST1716〜ST1718のアタッチアクセプトで送信するようにすれば良い。アタッチアクセプトに限らず、個別信号(DCCH、DTCHなど)で送信すれば良い。さらに、MMEはMCEに送信するページングリクエスト、例えばST1776において、該MBSFNエリア毎の移動端末固有の識別番号を通知しても良い。MCEからMBMS専用セルには、ST1780のページングリクエストと一緒に送信すれば良い。この場合、ページングリクエストと一緒に送信するので、MME、MCE、MBMS専用セルでの制御を簡易にできる。MBSFNエリア毎の移動端末固有の識別番号は、MMEにおいて例えば移動端末の固有の識別番号とMBSFNエリアIDを用いて導出するようにしておく。移動端末識別コードをMBSFNエリア毎に固有とする方法は、本実施の形態に限らず、MBSFNエリア毎にマルチセル(MC)送信する場合に移動端末固有の識別コードを乗じる場合に適用可能である。該MBSFNエリア毎の移動端末固有の識別コードは複数あっても良い。それぞれ、用途を分けても良い。例えば、該MBSFNエリア毎の移動端末固有の識別コードを二種類有し、各々ページング信号用とMBMS制御情報用としても良い。このようにすることで、MBSFNエリアでMC送信するページング信号を移動端末毎に分割することが可能となり、移動端末は自移動端末宛のページング信号を受信することが可能となる。
また、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータ(例えばページング信号有無インジケータ)がマッピングされる物理領域を、ページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームとしても良い。こうすることによって、ページング信号有無インジケータの存在するMBSFNサブフレームのスケジューリング情報(例えばMBSFNフレームの先頭、周期など)と、ページング信号の存在するMBSFNサブフレームのスケジューリング情報の、両方を通知、あるいはあらかじめ決めておく必要が無く、どちらかひとつのみ通知、あるいはあらかじめ決めておくようにすることが可能となる。従って、ページング処理の制御を簡易にすることが可能となり、また、ネットワーク側あるいは基地局と移動端末間のシグナリング量を削減することも可能となる効果が得られる。
移動端末は、自移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを受信することで、自移動端末が属するグループに着信がかかっているかどうか判定する。着信がかかっていると判定した場合、自移動端末が属するグループに対応づけられたページング信号がマッピングされる物理領域を受信し復号化(Decode)する。復号化処理後、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行い、自移動端末向けのページング信号を特定することで、自移動端末への着信有りと判定することが可能となる。自移動端末向けのページング信号を検出しなかった場合は、自移動端末への着信なしと判定する。移動端末をK個のグループにグルーピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには時移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図ることができる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることで、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。
上記実施の形態では、ページング信号をマッピングする、K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域としていた。しかし、移動端末数が多大になると、必要とする物理領域が多大になり、MBMSサービスを送信するためのオーバーヘッドが多大になるためMBMSサービスデータの送信速度が低下する。これを防ぐため、移動端末向けのページング信号に移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。これにより、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。したがって、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良い。例として、グループ内の移動端末数を、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。この方法により、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。また、上記の方法とすることで、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
全移動端末数が少ない場合、Kの値を全移動端末数として、ページング信号有無インジケータのみ送信しても良い。この場合、ページング関連の物理領域を確保する必要がなく、ページング信号有無インジケータ用の物理領域を全移動端末数分確保しておけばよい。このため、無線リソースの効率化が図れる。また、この場合、移動端末毎に対応するページング信号有無インジケータ用の物理領域が存在することになる。このため、移動端末においては、自移動端末に対応したページング信号有無インジケータ用の物理領域を受信してデコードするだけで、ページング信号用領域を受信せずに、着信の有無が判定でき、移動端末のページング動作での制御遅延が低減できる。
図33は、ページング信号を物理マルチキャストチャネル上の領域にマッピングする方法を示す説明図である。図33において、ページンググループnに属する移動端末のうち、音声通話などの着信が発生した移動端末n1、n2などに対するページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コード(番号、シーケンス)を乗じ、CRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い、符号化(Encode)、レートマッチング等の処理を行う。これら一連の処理を行った結果を、マッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素(CCE:Control Channel Element)単位に割り当て、着信が発生した各々の移動端末分だけ連結する。連結した結果を、MBSFNエリア固有の拡散符号(Scrambling code)による拡散処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータに“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。
ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有の拡散符号による逆拡散(Descramble)を行い、その結果を制御情報要素単位に分割する。分割した制御情報要素単位毎に復号化(Decode)等の処理を行い、自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。
上記の例では、ページング信号をマッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素単位に割当てるようにしたが、この他にも、トランスポートブロック単位で割当てるようにしても良い。トランスポートブロック単位で割当てることによって、情報量によって割当てる物理リソースを増減できるため、柔軟な物理領域への割当が可能となる。
図34は、ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域にマッピングする方法の別の例を示す。ページンググループnに属する移動端末のうち、着信がかかっている移動端末のn1、n2などに対してページング信号を、該グループnに対する物理領域にマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号にCRC付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。それら処理を行った結果に、該移動端末固有の識別コード(番号)を乗じる。該移動端末固有の識別コードを直交性を有す拡散コードとして、移動端末間で直交性が得られるようにする。基地局は、該拡散コードを乗じた結果を、着信がかかっている各々の移動端末分多重する。多重した結果を、MBSFNエリア固有の拡散符号による拡散処理、変調処理等を行う。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果をページンググループnに対応する物理領域へマッピングする。この際、基地局は、ページンググループnのページング信号有無インジケータに“1”をセットし、ページング信号有無インジケータのページンググループnの物理領域にマッピングする。ページンググループnに対応する物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、報知情報としてユニキャスト側サービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。移動端末では、自移動端末が属するページンググループのページング信号有無インジケータを受信し、“1”であれば、該ページンググループに対応するページング信号用物理領域を受信する。ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有の拡散符号による逆拡散を行う。その結果を自移動端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、デコードを行った後のページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。自移動端末がどのグループに属するかは、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。なお、図33、14で記載したページング信号は、ページング信号のマッピングされたトランスポートチャネルとしても良い。これは以降の実施例においても適用できる。移動端末がページング受信時に必要となるページング関連の情報であるページング信号ののった情報であれば良い。
ページング信号をPMCHのページング信号ののる物理領域にマッピングするいくつかの方法を開示したが、該ページング信号ののる物理領域へのマッピングは、任意のあらかじめ決められた領域でも良いし、ローカライズド(周波数軸上で連続する物理領域)にマッピングしても良いし、ディストリビューテッド(周波数軸上で分散する物理領域)にマッピングしても良い。
上記の例ではページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じる構成とした。このような構成とすることで、ページング信号の情報量が各移動端末で同じ場合、符号化(Encode)、レートマッチング等の処理を各移動端末間で同じにすることで、割り当てる制御情報要素単位の領域の大きさを同じにすることが可能となる。従って、移動端末においてブラインド検出する制御情報要素単位の領域の大きさがひとつに限られるため、ブラインド検出の回数が削減でき、検出時間の短縮も図れる。従って、移動端末の回路構成の削減、消費電力の削減、制御遅延の低減を図れる効果が得られる。
上記のように、ページング信号に移動端末固有の識別番号や拡散コードを乗じ、ページンググループ毎にPMCHのページング信号ののる物理領域にマッピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末でのページング信号検出時間の短縮が図れ、さらには時移動端末が属さないグループの対応する物理領域を受信する必要がなくなるため移動端末の受信電力の削減が図ることができる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることができ、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。さらには、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードや拡散コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなり、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良いため、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。さらには、たとえ予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合でも、新しい着信の移動端末へのページング信号を次のMCCHののるPMCH上で送信することが可能となる等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
上記の例では基地局においてページング信号に移動端末固有の識別番号を乗じることとした。しかし、ページング信号ではなくCRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法は、各移動端末のページング信号の情報量が異なる場合に有効である。
また、上記の例では各移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コードを乗じる処理を行ういことで移動端末が自移動端末宛のページング情報をブラインド検出することを可能としたが、別の処理方法として、各移動端末のページング信号と該移動端末固有の識別番号を加えるようにしても良い。例えば、図33に示す処理1で、各移動端末のページング信号に、該移動端末固有の識別コードを乗じるのではなく、該移動端末固有の識別番号を加える処理を行う。この場合移動端末においては、ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行い、その結果を情報要素単位に分割し、分割した情報要素単位毎にデコード等の処理を行う。デコード等の処理後の情報内に、自移動端末固有の識別番号が存在するか否かにより自移動端末向けのページング信号を検出する。このような処理とすることで、上述したのと同等の効果が得られる。
上記の例では、ページング信号の物理領域へのマッピング方法について開示したが、本方法は、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを物理領域にマッピングする場合にも適用できる。また、上記の例では、基地局においてページング信号に移動端末固有の識別番号を乗じることとしたが、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータに、移動端末固有の識別コード(UE−ID、RNTI)を乗じる、あるいは加えることとしても良い。また、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータにCRCを付加する構成とし、CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出することが可能となる。このため、各移動端末毎のページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータをマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。また、該インジケータがマッピングされる可能性のある物理領域をあらかじめ決めておいたり、報知されるようにしておいても良い。こうすることにより柔軟な物理リソースの利用が図れる。これらの方法は、後述するように、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータが1ビットの情報ではなく、例えばページングメッセージの割り当て情報のような、各移動端末への情報量が異なる場合に有効となる。
PMCHにページング信号をマッピングする場合、その他の情報、例えばMCCHやMTCHと区別する必要がある。上記では、ページング信号用の物理領域を設ける、あるいは移動端末固有の識別番号を乗じるあるいは加えることによって区別していた。別の方法として、PMCHにマッピングする情報に対して、情報種別毎に固有の識別子(ID)を乗じても良い。また、いずれか特定の情報種別のみに該情報種別固有の識別子を乗じても良い。情報種別毎の固有の識別子は、ユニキャスト通信とは異なりマルチセル送信されるMBSFNサブフレームで用いられるため、マルチセル送信する複数のセルから同じものが送信されるようにしておく必要がある。例えば、MBSFNエリア毎に同じ情報種別毎に固有の識別子を用いるようにする。具体例としては、MBMS専用セルからページング信号とMCCH、MTCHがPMCHにて通知される場合を考える。MBMS専用セルは、ページング信号に対してページング信号用の識別子を、MCCHに対してMCCH用の識別子を、MTCHに対してMTCH用の識別子を各々乗じて、PMCHを用いて送信する。当該MBMS専用セル傘下の移動端末の中でページング信号を受信する必要がある移動端末は、ページング信号用の識別子を用いてブラインド検出する。また、当該MBMS専用セル傘下の移動端末の中でMTCHあるいはMCCHを受信する必要がある移動端末は、各々の識別子を用いてブラインド検出する。これにより移動端末が必要な情報を必要な場合に受信可能となる効果を得ることができる。このことは、移動端末の消費電力低減という効果を得ることができる。また、移動端末の制御遅延防止とう効果を得ることが出来る。情報種別毎の識別子はあらかじめ決められていても良いし、サービングセルの報知情報によって報知されても良い。また、MBMS専用セルから報知されても良い。なお、さらに、ページング信号に移動端末固有の識別子を乗じるあるいは加えるようにしておけば、移動端末毎のブラインド検出も可能となるため、ページング信号をマッピングする物理領域のをあらかじめ固定しておく必要がなくなり、柔軟なマッピングが可能となり、物理リソースの使用効率が向上する効果が得られる。
本実施の形態7で開示したPMCH上にページング信号をのせる方法とすることで、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしている全移動端末のページング信号を送信できるようになり、該移動端末がMBMS専用セルからページング信号を受信することを可能とする。
以下、本実施の形態7の変形例を説明する。実施の形態7では、MBMS専用セルからページング信号を受信するため、MBSFNエリア毎のPMCH上にページング信号をのせる方法を開示した。PMCHの構成として、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)、MBSFNエリア毎にコード分割多重(CDM)とする方法を開示した。以下説明する第一の変形例では、PMCHの構成として、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)とコード分割多重(CDM)とを混在させる方法を開示する。
図41は、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHの構成を示す説明図である。図41において、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)とコード分割多重(CDM)がともに用いられている。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#1、セル#2、セル#3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。MBSFNエリア1、2、3のPMCHはコード分割多重され、MBSFNエリア1、2、3のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時分割多重される。セル#n1のセルはMBSFNエリア1に属するため、MBSFNエリア1に対応したPMCHがある時間に送信される。PMCHはMBSFNエリア内でマルチセル送信されるため、MBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割当てられるMBSFNフレームの集合を「MBSFNフレームクラスタ」(MBSFN frame cluster)とする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。あるMBSFNエリアに対応したMBSFNフレームクラスタが繰り返される周期を「MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期」(MBSFN frame cluster Repetition period)とする。PMCHにはMBMS用のトランスポートチャネルのMCHがマッピングされ、MCHにはMBMS用制御情報のロジカルチャネルMCCH、MBMS用データのロジカルチャネルMTCHのいずれかあるいは両方がマッピングされる。
MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。各MBSFNフレームクラスタ上にMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、MCCHの繰返し周期はMBSFNフレームクラスタの繰り返し周期と異なる。また、MBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。MCCHの繰り返し周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。図41で、MCCH1はMBSFNエリア1用のMBMS制御情報で、MTCH1はMBSFNエリア1用のMBMSデータである。同様に、MCCH2はMBSFNエリア2用のMBMS制御情報で、MTCH2はMBSFNエリア2用のMBMSデータ、MCCH3はMBSFNエリア3用のMBMS制御情報で、MTCH3はMBSFNエリア3用のMBMSデータである。セル#n1とセル#n2とセル#n3のPMCHは符合分割多重され同じタイミングで送信される。セル#n1(セル#n2、セル#n3)のセルはMBSFNエリア1(2、3)とMBSFNエリア4に属するため、MBSFNエリア1(2、3)のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時分割多重される。MBSFNエリア4のPMCHはMBSFNエリア4でマルチセル送信されるため、PMCHの送信タイミングはセル#n1、#n2、#n3で全て同じである。このように、MBSFNエリア毎のPMCHを、時分割多重とコード分割多重を混在させることで、例えば、MBSFNエリア間で重複するMBSFNエリアには時分割多重を、重複しないMBSFNエリアにはコード分割多重を用いることが可能となる。従って、時間分割多重のみの場合に比べてコード分割多重を用いているため無線リソースの効率化が図ることができる。さらには、コード分割多重のみの場合に比べ、重複するMBSFNエリア間での相互干渉を低減することが可能となり、移動端末でのMBMSデータの受信誤りの低減が図ることができる。
次に、移動端末がMBMS専用セルからページングを受信するための各PMCHの構成について述べる。MBSFNエリア毎に時分割多重とコード分割多重とが混在している。従って、各セルから送信されるMBSFNエリア毎のPMCHも複数存在することになる。このように、あるひとつのセルにおいてMBSFNエリア毎のPMCHが複数存在する場合に対応するため、ページング信号を、全てのMBSFNエリアに対応するPMCH上にのせる構成とする。各々のMBSFNエリアのPMCHには、図32で示したようなページング信号を含める方法が適用できる。このような構成とすることで、複数のMBSFNエリアのMBMSサービスを受信可能なエリアにいる移動端末は、MBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしているいずれかひとつのMBSFNエリアのMCCHを受信することで、該MCCHを受信する際にページングを受信することが可能となる。移動端末は、受信しているMBMSサービスと異なるMBSFNエリアのMCCHを受信する必要がなくなり、間欠受信が可能となるため消費電力の削減が図れる。別の方法として、一つのMBSFNエリアのPMCH上にのせる構成を述べる。例えば、あるひとつのセルが属する最も小さいMBSFNエリアのPMCHにのみMCCH(P-MCCH)をマッピングすることとし、その他のMBSFNエリアのPMCHにはMCCHをマッピングしない構成とし、最も小さいMBSFNエリアのPMCHには、図32で示したようなページング信号をのせる方法を適用する。最も小さいMBSFNエリアのPMCHにマッピングされたMCCH(P-MCCH)に、他のMBSFNエリアのMBMS制御情報を含ませておく。
このような構成とすることで、例えば、移動端末が複数のどのMBSFNエリアのMBMSサービスを受信していたとしても、最も小さいMBSFNエリアのMCCH(P-MCCH)を受信することで、該MCCH(P-MCCH)を受信する際にページングを受信することが可能となる。さらに、移動端末は、受信するMBMSサービスの変更に伴ってページング受信周期、ここではMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)を変更する必要がなく、制御を簡易にすることが可能となる。さらに、その他のMBSFNエリアのPMCHにはMTCHのみマッピングすることが可能となるため、システムとして無線リソースの効率化が図ることができるという効果が得られる。また、別の方法として、最も小さいMBSFNエリアのPMCHに他のMBSFNエリアに対応するMCCHもマッピングするようにしておいても良い。この場合も該PMCHには図32で示したようなページング信号をのせる方法を適用することができる。これにより、同様の効果が得られるとともに、各MCCHは時分割して物理領域にマッピングすることが可能となる。従って、移動端末は所望のMBSFNエリアのMCCHを受信し、それ以外のMCCHが送信される物理領域は間欠受信することが可能となる。さらに別の方法として、一つのMBSFNエリアのPMCH上にのせる構成を述べる。例えば、あるひとつのセルが属するMBSFNエリアのPMCHに主MCCH(P-MCCH)をマッピングすることとし、その他のMBSFNエリアのPMCHには副MCCH(S-MCCH)をマッピングする構成とし、P―MCCHののるPMCHには、図32で示したようなページング信号を含める方法を適用する。このような構成とすることで、例えば、移動端末が複数のどのMBSFNエリアのMBMSサービスを受信していたとしても、P―MCCHを受信することで、該P―MCCHを受信する際にページングを受信することが可能となる。さらに、移動端末は、受信するMBMSサービスの変更に伴ってページング受信周期、ここではMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)を変更する必要がなく、制御を簡易にすることが可能となる。ページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域へマッピングする方法については、図33、図34で開示した方法が適用できる。
上記実施の形態7および変形例では、MBSFNエリア内のセルは複数存在する場合を示した。しかし、本発明はMBSFNエリア内のセルが一つのみであっても適用可能である。該一つのセルにおいて、図32で開示したPMCHの構成とし、図33で開示したページング信号をPMCH上のページング信号ののる物理領域へマッピングする方法を適用することが可能である。一つのセルのみの場合、PMCHを用いる送信といえども通常のマルチセル送信に伴うSFN利得は得られないが、MBMSサービスをある狭い地区に限定でき、いわゆるスポット的なサービスを提供することが可能となる。さらに、MBSFNエリア内のセルが一つのみで、該一つのセルにおいて、該MBSFNエリアに対応するMBMSサービスのデータが送信されず、MBMS制御情報のみ送信されていても良い。この場合、PMCH上にMTCHがマッピングされず、MCCHのみマッピングされる。該MCCHに、該一つのセルが属する他のMBSFNエリアのMBMS制御情報(MCCH)が含まれても良い。これにより、他のMBSFNエリアのPMCHに各々のMCCHをマッピングする必要がなくなるため、無線リソースの効率化が図れる。さらに、移動端末は、該MBSFNエリアに対応するMCCHのみ受信することで、他のPMCHを受信することなく、受信可能なひとつまたは複数のMBSFNエリアの全てのMCCHを受信することが可能となるため、MBMSサービス受信時の制御遅延時間が削減できる。さらには、他のMBSFNエリアのMBMSサービス情報を受信する必要のない場合は、間欠受信動作が可能になり、受信電力の削減が図ることができる。
なお、本実施の形態では、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを設けた構成を開示しているが、該インジケータとして、ページング信号の割当て情報であっても良い。これにより、移動端末が自移動端末へのページング信号割当て情報を受信した場合はページングがあると判断可能となる。ページング信号の割当て情報の具体例として、例えば同じサブフレームで送信されるページング信号、例えばページングメッセージがマッピングされる物理領域を示す情報とすれば良い。割当て情報が物理領域の情報であることによって、ページングメッセージの割当て情報を受信した移動端末は、ページングメッセージを受信するために該物理領域のみを受信すれば良く、他の物理領域は受信する必要が無くなる。このため、移動端末の受信時の消費電力の削減がはかれる。また、ページング信号が割当てられる物理領域情報をあらかじめ報知情報等により移動端末に対して送信しておく必要がなくなり、シグナリング量の削減がはかれるとともに、ページング信号の物理領域への割当を柔軟に行うことが可能となるため、無線リソースの使用効率が向上するという効果が得られる。
実施の形態8.
移動端末が、ユニキャストサービスがサポートされていないMBMS専用セルからページングを受信するため、実施の形態7では、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア毎の物理マルチキャストチャネル(PMCH)上にページング信号をのせる方法を開示した。本実施の形態8では、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を開示する。
図42は、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルの構成を示す説明図である。あるセルにおいて、該セルが属するMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームの一部をページング専用の物理チャネル(Dedicated Physical Channel: DPCH)とし、DPCHをサブフレーム毎に設ける構成とした。実施の形態7でも示したが、MBMS専用チャネルではユニキャストサービスがサポートされないため、MBSFNフレームの全てのサブフレームをMBSFNサブフレームとしても良い。一例として、図56にページング信号をページング専用の物理チャネルにマッピングする方法を示す。図56は、ページング信号を含む論理チャネルPCCHをトランスポートチャネルPCHにのせ、論理チャネルMTCHとMCCHを多重してトランスポートチャネルMCHにのせ、さらにPCHをページング専用の物理チャネルに乗せる場合のマッピング方法を示す説明図である。ページング信号がのる論理チャネルPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされ、ページング専用の物理チャネルであるDPCHにマッピングされる。一方、従来どおりMBMS関連情報は論理チャネルMTCHとMCCHにのり、それらはトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、物理チャネルPMCHにマッピングされる。DPCHはMBSFNエリア内でマルチセル送信される構成とし、DPCHとPMCHが同じMBSFNサブフレームに多重されて送信される。
MBSFNエリア毎のPMCH構成が、例えば図40に示した符号分割多重されている場合、連続したMBSFNサブフレームでPMCHが送信される。この場合、DPCHは時間軸上全サブフレームに設けることが可能となる。従って、実施の形態7に比べて、ページング信号が送信可能となる回数が増大する。このようにMBSFNエリア内でマルチセル送信されるMBSFNサブフレームの毎サブフレームの一部をページング信号送信用のDPCHとすることで 、システムとしてページング信号の送信頻度を多くして、MBMS専用セルからのページングを可能とする移動端末の台数を増大させることができる。さらには、ページング可能な移動端末へのページング発生時に、ページング用領域不足を避けることができるため、ページング情報送信遅延時間を短縮することが可能となる。上記例ではMBSFNエリア毎のPMCH構成が符号分割多重(CDM)の場合について記載したが 、時分割多重(TDM)の場合、あるいは時分割多重と符号分割多重がともに適用される場合でも、あるセルが属するひとつまたは複数のMBSFNエリアに対応したPMCHが送信される全てのMBSFNサブフレームにDPCHを設ければ良い。これにより、実施の形態7に比べて、ページング信号が送信可能となる回数が増大させることができるため同様の効果を得ることができる。
図43は、MBSFNサブフレームの構成を示す説明図である。図43において、MBSFNサブフレーム内でDPCHとPMCHが時間分割されて多重されている。DPCHにはページング信号がマッピングされ、PMCHにはMBMS関連情報がマッピングされる。各々がマッピングされる物理チャネルを別にすることで、基地局においてページング信号とMBMS関連情報のエンコーディングを別々にすることが可能で、移動機での受信において別々にデコードを行うことが可能となる。また、物理領域を時分割多重とすることが可能で、MBMSサービスを受信しておらず、ページング情報のみを受信している移動端末はPMCHを受信する必要がなく、PMCHが送信されている間は間欠受信(Discontinuous Reception)することが可能となり、移動端末の消費電力を削減可能となる。一方、ページング情報を受信する必要の無い移動端末は、DPCHを受信する必要がなく、DPCHが送信されている間は間欠受信動作を行うことが可能であるため、移動端末の消費電力を削減することが可能となる。DPCHは、各MBSFNサブフレームのkOFDMシンボル内で送信される。kの値は予め決められていても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知しても良い。また、ユニキャストセルの報知情報で通知しても良い。
DPCHが送信されるOFDMシンボル数kの値を示すチャネルとしてPCFICH(Physical control format indicator channel)をサブフレーム毎に設けても良い。PCFICHは各サブフレームの1番目のOFDMシンボルで送信される。移動端末へのPCFICHの物理リソースのアロケーション情報の通知は、MBMS専用セルの報知情報で通知しても良いし、ユニキャストセルの報知情報でMBMS専用セルの周波数レイヤ情報と関連して通知しても良い。また、あらかじめ決めておいても良い。あらかじめ決めておくことによって通知に必要となる情報量を削減することが可能となる。このようにkの値をサブフレーム毎にインジケートすることで、サブフレーム毎にkの値を変更することが可能となり、ダイナミックにMBMS情報の送信領域とDPCHの送信領域を変更することが可能となる。kの値は0から1サブフレーム内最大OFDMシンボル数までとりうる。例えば、ユニキャストセルのPDCCH(Physical downlink control channel)と同じ1〜3OFDMシンボルとしても良い。この場合、PCFICHは2ビットとなる。また、例えば、MBMS/ユニキャスト混合セルのMBSFNサブフレームにおけるPDCCHと同じ1〜2OFDMシンボルとしても良い。この場合、PCFICHは2ビットまたは1ビットとなる。ユニキャストセルのPCFICHはセル固有のスクランブリングコードが乗じられるが、本発明では、PCFICHもMBSFNエリア内でマルチセル送信可能とするためMBSFNエリア固有のスクランブリングコードが乗じられる構成とする。上記のような構成とすることで、移動端末はユニキャストセルと同じ方法で復号化(Decode)することが可能となり移動端末の受信回路の簡略化を図ることができる。
ユニキャストセルではページング信号を送信するのにPDSCHあるいはPDCCHを用いるが、ページング信号に無線割り当て(Resource Allocation)情報を含む必要がある。これは、ページング後の通信のための無線割り当てが必要だからである。ページング後の通信のためのリソースはPDSCHを用いて送信する。該PDSCHはサブフレーム内のPDCCHを送信するOFDMシンボル領域を除いた残りのOFDMシンボル領域で送信される。本発明におけるページング方法では、ページング後の通信はユニキャストセルで行うため、DPCHで送信するページング情報として着信の有無を通知するページングインジケータ(Paging Indicator :PI)のみとしても良い。なぜならば、ページング後の通信のための無線割り当て情報を送信する必要がないためである。ページングインジケータのみで移動端末を特定できるようにするには、ある移動端末へのページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームを該移動端末固有の識別番号(ID)から一意に算出できるようにしておけば良い。また別の方法として、基地局でページングインジケータに移動端末固有の識別番号を乗じて、移動端末側で該移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにしても良い。さらに、上記二つの方法を複合させても良い。例えば、移動端末を該移動端末固有の識別番号(ID)によってグルーピングし、該グループへのページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームを該グループに一意に対応するようにしておき、さらに、基地局でページングインジケータに移動端末固有の識別番号を乗じておくようにする。
移動端末側では、該移動端末固有の識別番号から導出した自移動端末が属するグループのページングインジケータがのるMBSFNフレームやMBSFNサブフレームを受信し、自移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにしても良い。移動端末固有の識別番号から移動端末やグループのページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームの導出方法は予め決められていても良いし、上位レイヤからMBMS専用セルの報知情報で通知しても良いし、ユニキャストセルの報知情報で通知しても良い。ページングインジケータの存在するMBSFNフレームやMBSFNサブフレームは周期的に存在するようにしても良い。無線割り当て情報を送信する必要がないので、少ない情報量でDPCHを構成することが可能となり、同じサブフレーム内の残りの領域でMBMS関連情報を送信することが可能となる。ページングインジケータを図56に示すようなPCCHにマッピングするのではなく、直接物理レイヤにおいてDPCHにマッピングするようにしても良い。また、サブフレーム内全てのOFDMシンボルでDPCHを送信することも可能となる。例えば、サブフレーム内のOFDMシンボル数が最大7シンボルの場合、PCFICHを3ビットとしてkの値を示すようにしておくことで、k=0から7までの任意のOFDMシンボルをDPCH送信に用いることができる。このように、MBMS情報の送信領域とDPCHの送信領域をサブフレーム単位で柔軟に変更し、組み合せることが可能となり、無線リソースの効率化を図ることができる。
本発明ではMBMS専用セルの場合について述べたが、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合は、ユニキャストとMBMSの両方のサービスが可能であり、従って、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合におけるページングでは、ページング後の通信のための無線割り当てを必要とする。しかし、一方、MBMS/ユニキャスト混合セルではMBMSを実行可能であるので、放送型のMBMS用データをMC送信するためのMBSFNサブフレームが存在する。MBSFNサブフレームではPDSCHがないため、MBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、ユニキャストセルでのページング方法を適用した場合、MBSFNサブフレーム内に、個別移動端末宛の無線割り当て情報をマッピングする領域を確保できないという問題が生じる。この場合、あらかじめページングインジケータを送信するサブフレームをPDSCHの存在するサブフレームに限定する方法や、ページング信号が送信された後の最初のPDSCHが存在するサブフレームのPDCCHでアロケーション情報を送信する方法をとることによって、MBMS/ユニキャスト混合セルでのページングを可能とすることができる。
MBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、上述した、あらかじめページングインジケータを送信するサブフレームをPDSCHの存在するサブフレームに限定する方法における具体例として、ページングインジケータを送信するサブフレームをページング信号がのるPDSCHの存在するサブフレームとする。これにより、セル傘下の移動端末数に応じて、PDSCHの中でページング信号がのるサブフレーム数を調整することが可能になるため、無線リソースの利用効率が向上する。移動端末はPDSCH全てのサブフレームを受信する必要がなくなり、低消費電力化がはかれる。
MBMS/ユニキャスト混合セルの場合におけるページングで、ページング後の通信のためにPDSCHに無線割当て情報をのせる必要がない場合は、前記のページングインジケータのみで移動端末を特定できるようにする方法を適用することが可能である。この場合、ページングインジケータをPDCCHの領域にのせるようにしておけばよい。MBSFNサブフレームにおいては、ユニキャスト用として割当てられている領域、先頭の1あるいは2OFDMシンボル領域に、ページングインジケータをのせるようにしておけば良い。その具体的方法として、前記のページング専用チャネル(DPCH)を用いた方法が適用できる。使用するシンボル数も前記のPCFICHを用いた方法が適用でき、k=0、1とすれば良い。移動端末側では、該移動端末固有の識別番号から導出した自移動端末が属するグループのページングインジケータがのる無線フレームやサブフレームを受信し、自移動端末固有の識別番号を用いてブラインド検出するようにすれば良い。MBMS/ユニキャスト混合セルの場合におけるページングで、ページング後の通信のためにPDSCHに無線割当て情報をのせる必要がない場合として、例えば、移動端末がページングインジケータを受信後、無線割当を基地局に要求するために上りRACHを送信するようにしておく方法が考えられる。こうしておけば、基地局はページングインジケータをのせた同じサブフレームのPDSCHに無線割当て情報をのせる必要は無い。このような方法とすることで、MBMS/ユニキャスト混合セルの場合においても、MBSFNサブフレームの存在の有無にかかわらず、任意の無線フレーム、サブフレームでページング信号(ページングインジケータ)を送信することが可能となる。
図44は、ページング信号をページング専用チャネル(DPCH)にマッピングする方法を示す説明図である。図44は、ページング信号としてページングインジケータ(Paging Indicator: PI)のみについて示す。ページングインジケータは1ないし0の1ビットで表現されるページング情報であり、着信の有無を示す。基地局は、着信がかかっている移動端末に対するページングインジケータに“1”をセットして、ページング専用物理チャネルにマッピングする。基地局は、着信がかかっている各移動端末mへのページングインジケータに該移動端末固有の識別番号を乗算する(処理1)。次に、該乗算結果にCRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い(処理2)、符号化(Encode)、レートマッチング、インタリーブ等の符号化(Coding)処理を行う(処理3)。これら一連の処理を行った結果を、マッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素単位に割り当て、着信がかかっている各々の移動端末分連結する(処理4)。連結した結果を、MBSFNエリア固有の拡散コード(Scrambling Code)による拡散処理、変調処理等を行う(処理5)。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果を、先頭からkOFDMシンボル内へマッピングする(処理6)。その際に、基地局は 、着信がかかっている各々の移動端末分連結した結果をもとに 、必要となるOFDMシンボル数kを導出し 、該kに対応するインジケータにエンコーディング等の処理を行い 、PCFICHにマッピングする。これらはMBSFNエリア内の全セルにて同一の方法で行われ、MBSFNエリア内でマルチセル送信されることになる。本実施の形態ではDPCHを送信するOFDMシンボル数(k)を1とした場合を示す。DPCHはサブフレームの1番目のOFDMシンボルに、PCFICH、リファレンスシンボルとともにマッピングされる。図44中、Aは1OFDNシンボルを示し、BはPCFICH、リファレンスシンボルを示している。
マルチセル送信された信号を受信している移動端末においては、受信したPCFICHのデコード結果をもとにページングに使用されるOFDMシンボル数を判定し、復調処理、逆拡散(Descrambling)処理等を行う。それらの処理後、ある領域毎に分割し、逐次デインタリーブ、復号化(Decoding)、誤り検出、訂正処理等を行い、端末固有の識別番号でブラインド検出を行う。ブラインド検出により自移動端末の識別番号を検出した場合は、ページングがあったと判断できる。PCFICH、リファレンスシンボル等については、例えばあらかじめ決められた方法で物理リソースへのマッピングを行う。ユニキャストセルと同様の方法を用いてもよい。ユニキャストセルと同様の方法を用いることで、基地局の構成や移動端末の受信回路の構成を簡略化することが可能となる。ページング信号がページングインジケータのみの場合のように、各移動端末で同じ情報量の場合、コーディングの結果を割り当てるための制御情報要素単位の大きさを一つにしておいても良い。ページングを受信する全ての移動端末でエンコーディング処理等を同じにすることでエンコーディング後の制御情報要素の大きさを一つにすることができる。これにより、移動端末は自移動端末固有の識別番号をブラインド検出する際、ひとつの大きさの制御情報要素単位毎にデコーディング等の処理を行えばよく、ブラインド検出のための時間を削減することができ、検出速度を高めることが可能となる。また、移動端末固有の識別番号を乗じるかわりに、ページングインジケータとして各移動端末固有のコードとしておいても良く、同等の効果を得ることができる。
上記の例では、ページング信号をマッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素単位に割当てるようにしたが、この他にも、トランスポートブロック単位で割当てるようにしても良い。トランスポートブロック単位で割当てることによって、情報量によって割当てる物理リソースを増減できるため、柔軟な物理領域への割当が可能となる。
また、上記の例では処理1において各移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コードを乗じる処理を行ったが、別の処理方法として、各移動端末のページング信号と該移動端末固有の識別番号を加えるようにしても良い。この場合移動端末においては、ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行い、その結果を情報要素単位に分割し、分割した情報要素単位毎にデコード等の処理を行う。デコード等の処理後の情報内に、自移動端末固有の識別番号が存在するか否かにより自移動端末向けのページング信号を検出する。
図45は、ページング信号をページング専用チャネル(DPCH)にマッピングする方法を示す説明図である。図45は、ページング信号としてページングインジケータ(PI)のみについて示す。図45において、図44と同一の符号は同一または相当処理を示す。ページングインジケータは1/0の1ビットで表されたページング情報であり、着信の有無を示す。基地局は、着信がかかっている移動端末に対してページングインジケータに“1”をセットし、ページング専用物理チャネルにマッピングする。基地局は、各々の移動端末のページング信号にCRC付加を行い(処理2)、符号化(Encode)、レートマッチング、インタリーブ等の処理を行う(処理3)。これらの処理を行った結果に、該移動端末固有の識別コード(番号)を乗じる(処理1)。該移動端末固有の識別コードを直交性を有す拡散コードとして、移動端末間で直交性が得られるようにする。基地局は、該拡散コードを乗じた結果を、着信がかかっている各々の移動端末分多重する(処理7)。多重した結果をMBSFNエリア固有の拡散コード(Scrambling Code)による拡散処理、変調処理等を行う(処理5)。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果を先頭からkOFDMシンボル内へマッピングする(処理6)。移動端末数が多い場合は複数のグループに分けて、グループ内の移動端末間で直交性が得られるように移動端末固有の識別コードを乗じて移動端末分多重して、MBSFNエリア固有の拡散コードによる拡散処理、変調処理等を行う。これらの処理をグループ毎に行った後、異なるOFDMシンボルへマッピングするようにしても良い。その際に、基地局は着信がかかっている各々の移動端末多重した結果をもとに、必要となるOFDMシンボル数kを導出し、該kに対応するインジケータにエンコーディング等の処理を行い、PCFICHにマッピングする。これらはMBSFNエリア内の全セルにて同一の方法で行われ、MBSFNエリア内でマルチセル送信されることになる。本実施の形態ではDPCHを送信するOFDMシンボル数(k)を1とした場合を示す。DPCHはサブフレームの1番目のOFDMシンボルに、PCFICH、リファレンスシンボル等とともにマッピングされる。マルチセル送信された信号を受信している移動端末においては、受信した物理リソースから、PCFICHのデコード結果をもとにページングに使用されるOFDMシンボル数を判定し復調処理、デスクランブリング処理等を行う。それらの処理後、ある領域毎に分割し、端末固有の識別番号で相関演算を行い、ブラインド検出を行う。ブラインド検出により自移動端末の識別コードを検出した場合は、ページングがあったと判断でき、デインタリーブ、デコーディング、誤り検出、訂正処理等を行いページング信号を受信する。
ページング信号をページング専用チャネル(DPCH)にマッピングするいくつかの方法を開示したが、該ページング専用チャネル領域へのマッピングは、任意のあらかじめ決められた領域でも良いし、ローカライズド(周波数軸上で連続する物理領域)にマッピングしても良いし、ディストリビューテッド(周波数軸上で分散する物理領域)にマッピングしても良い。
ページング信号をマッピングする物理領域を、MBSFNエリア毎に固有の物理領域としても良い。MBSFNエリア毎の固有の物理領域は、あらかじめ決められていても良いし、MBSFNエリア固有の番号(MBSFNエリアID)などから導出されても良い。この際、ネットワーク側、基地局側、移動端末で共通の算出式を用いて導出されるようにしても良い。また、ページング信号のうち一部をMBSFNエリア毎に固有の物理領域にマッピングし、残りをMBSFNエリア毎に固有でない物理領域にマッピングするようにしても良い。具体例として、ページング信号のうち、着信の有無を示す情報(例えば1ビットの有無を示す情報やページングメッセージの割当て情報など)をMBSFNエリア毎に固有の物理領域にマッピングし、その他のページング情報(例えばページングメッセージなど)をMBSFNエリア毎に固有でない物理領域にマッピングする。その他のページング情報がMBSFNエリア毎に固有でない物理領域にマッピングされる場合は、MBSFNエリア毎に固有の物理領域にマッピングされたページングメッセージの割当て情報をもとに、その他のページング情報がどの物理領域に割当てられているか判定することが可能となる。MBSFNエリア毎の固有の物理領域において移動端末毎のページング信号の多重方法としては、前述のように、ページング信号あるいはページング信号に付加するCRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法がある。移動端末は自移動端末固有の識別番号で相関をとることによって、自分宛であるかどうかを判断でき、受信可能となる。これにより移動端末は、受信しているMBMSサービスを行っているMBSFNエリアのみの物理領域を受信するだけですみ、他の物理領域を受信しなくてすむため、移動端末の低消費電力化がはかれるという効果が得られる。
また、MBSFNエリア毎に固有の物理領域ではなく、MBSFN同期エリア毎に固有の物理領域としても良く、前述と同様の効果を得ることができる。この場合、MBSFNエリア固有の番号でなく、MBSFN同期エリア固有の番号(MBSFN同期エリアID)とすれば良い。MBSFN同期エリア毎の固有の物理領域の具体例としてMBSFNサブフレーム内での物理領域(例えば、シンボル#nの周波数領域#m、など)を決めておくようにする。そうすれば、MBSFNエリア毎のMBSFNサブフレーム内で共通の該物理領域(例えば、シンボル#nの周波数領域#m、など)にページング信号をマッピングできる。これにより、ページング信号をマッピングする物理領域をMBSFNエリア毎に決める必要が無く、MBSFN同期エリアで一つ決めておけば良く、ネットワーク側、基地局、移動端末で該物理領域の導出方法を簡略化でき、回路規模を削減できる効果が得られる。
本実施の形態は、MBSFNエリア毎のPMCH構成が符号分割多重されている場合だけでなく、時分割多重、及び時分割多重と符号分割多重がともに適用される場合であってもかまわない。
移動端末において、自移動端末向けのページング信号がどのタイミングのMBSFNフレームもしくはMBSFNサブフレームのDPCH上にマッピングされるか知る必要があるが、その方法として、あらかじめ決められた計算方法によって導出されても良いし、上位レイヤから、報知情報としてユニキャストサービスのサービングセルもしくはMBMS専用セルから通知されても良い。そのタイミングは周期的であっても良い。ある周期にてページング信号が送信されることによって、移動端末は該ページング信号が送信されていない時間は、もしMBMSサービスを受信しない場合は間欠受信動作することが可能である。従って、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。
移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードや拡散コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなり、全移動端末分のページング信号用の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良いため、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。上記の例では基地局においてページング信号に移動端末固有の識別番号を乗じることとした。しかし、ページング信号ではなくCRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法は、各移動端末のページング信号の情報量が異なる場合に有効である。
上記では、ページング専用チャネルで送信するページング情報として、着信の有無を通知するためのページングインジケータのみの場合について述べたが、ページング専用チャネルで送信するページング情報の他の具体例として、ページングメッセージの割当て情報であっても良い。着信の有無を通知するための情報以外にページング情報を送信する必要がある場合に利用できる。ページングメッセージの割当て情報によって、着信の有無を移動端末へ通知するようにしておいても良い。これにより、移動端末が自移動端末へのページングメッセージ割当て情報を受信した場合はページングがあると判断可能となる。ページングメッセージ割当て情報の具体例として、例えば同じサブフレームで送信されるページングメッセージがマッピングされる物理領域を示す情報とすれば良い。ページングメッセージもページング情報であり、ページング専用チャネルにのせて送信される。割当て情報が物理領域の情報であることによって、ページングメッセージの割当て情報を受信した移動端末は、ページングメッセージを受信するために該物理領域のみを受信すれば良く、他の物理領域は受信する必要が無くなる。このため、移動端末の受信時の消費電力の削減がはかれる。また、ページング信号が割当てられる物理領域情報をあらかじめ報知情報等により移動端末に対して送信しておく必要がなくなり、シグナリング量の削減がはかれるとともに、ページング信号の物理領域への割当を柔軟に行うことが可能となるため、無線リソースの使用効率が向上するという効果が得られる。
実施の形態7で開示したMBSFNエリア毎のPMCH上にページング信号をのせる方法の場合、ページング信号をのせることができるPMCHの頻度は時間的に少なくなる。従って、ページング信号がのる1回のPMCHに多数のもしくは全移動端末分のページング信号をマッピングしなければならないという問題が生じる。この問題を解消するため、実施の形態7ではページンググループ化等の方法を開示した。本実施の形態8では、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせることにより、上記問題を解消することができた。また、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信中の、または受信しようとしている移動端末のページング信号を送信できるので、MBMS専用セルにおいて移動端末はページング信号を受信することが可能となる。
本実施の形態における例では、あるセルにおいて、該セルが属するMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームの一部をページング専用の物理チャネル(DPCHと称す)とし、DPCHをサブフレーム毎に設ける構成としたが、サブフレーム毎に送信するのではなく、周期的に送信しても良い。例えば、2サブフレームに1回とか、1無線フレームに1回、各MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームの一部をページング専用の物理チャネル(DPCHと称す)として送信しても良い。システムで考慮する移動端末の数によって、同時にページングを送信可能な移動端末数とページングの頻度をもとに各MBSFNエリアのDPCHとして送信する繰り返し周期を決めても良い。これによって、DPCHを送信しないサブフレームをMBMSサービス用データ領域とすることができ、MBMSサービスの高速化を図ることができる。
実施の形態9.
実施の形態8では、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を開示した。以下、実施の形態9では、MBSFN同期エリア内でマルチセル(multi cell)送信される物理チャネルを設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を開示する。
図46は、MBSFN同期エリア内でマルチセル送信される物理チャネル(メインPMCHと称す)の構成を示す説明図である。MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとして時分割多重とコード分割多重が混在している場合について示している。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#n1、#n2、#n3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。MBSFNエリア1、2、3のPMCHは符号分割多重され、MBSFNエリア1、2、3のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時分割多重される。メインPMCHは、MBSFNエリア毎のPMCHと時分割多重される。セル#n1では、MBSFNエリア1とMBSFNエリア4に属するため、PMCH1とPMCH4は時分割多重され、さらにメインPMCHが時分割多重されて設けられる。セル#2、セル#3でも同様である。メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、SFN合成がなされるMBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割り当てられるMBSFNフレームの集合をMBSFNフレームクラスタとする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。メインPMCHが繰り返される周期を「メインPMCH繰り返し期間」(Main PMCH Repetition period)とする。メインPMCHには、MBMS用のトランスポートチャネルであるMCHがマッピングされる。MCHにはMBMS用制御情報を伝達する論理チャネルであるMCCHと、MBMS用データを伝達する論理チャネルであるMTCHのいずれか、あるいは両方がマッピングされる。MCCHとMTCHは時間的に分割されてメインPMCH上にマッピングされても良いし、時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。
例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。メインPMCHが送信される各MBSFNフレームクラスタにMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみがマッピングされても良い。MTCHのみが存在する場合、MCCHの繰り返し周期は、メインPMCHの繰り返し周期と異なる。また、メインPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。MCCHの繰り返し周期を「MCCH繰り返し期間」(MCCH Repetition period)とする。図46において、MCCH1(MCCH2,3,4)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2,3,4)用のMBMS制御情報、MTCH1(MTCH2,3,4)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2,3,4)用のMBMSデータを伝送する。各PMCH上に各々MCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、各々のMBSFNエリアのMCCHは、メインPMCHにマッピングされても良い。また、メインPMCHにマッピングされるMCCHの情報要素として含まれても良い。メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、メインPMCHにおいては、各MBSFNエリアのPMCHにおいてのようにMBSFNエリア固有の拡散符号(Scrambling Code)を乗じることが不可能である。なぜならば、異なるMBSFNエリアのセルからメインPMCHは同じタイミングで送信されているため、メインPMCHにおいてMBSFNエリア固有の拡散符号を乗じた場合、移動端末の受信機において、各MBSFNエリアから送信された該メインPMCHの位相がランダムになってしまいSFN合成できなくなるためである。従って、上記に示したように、メインPMCHと各MBSFNエリアのPMCHとを時分割多重することで、各MBSFNエリア固有の拡散符号を乗じるのをサブフレーム単位で行えるようにでき、メインPMCHのみに各MBSFNエリア固有の拡散符号を乗じないようにできる。これにより、メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることができ、移動端末は該MBSFN同期エリア内のどのMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしていても、メインPMCHを受信することができ、さらにはSFN利得を得ることが可能となる。メインPMCHにおいては、固有の拡散符号を乗じないことを述べたが、MBSFN同期エリア固有の拡散符号であれば乗じても良い。この場合、他のMBSFN同期エリア内セルからの干渉を抑圧でき、移動端末におけるMBMSサービスの受信誤差を低減することが可能となる。
図47は、メインPMCHが送信される無線フレームの構成について示す説明図である。図47において、メインPMCHが送信されるサブフレームを#0と#5を除いたサブフレーム#k1〜#k2とする(k1〜k2≠1、5)。MBMS専用セルにおいて、1無線フレーム内の#0と#5のサブフレームで同期チャネル(Synchronization Channel: SCH)が送信されることが検討されている。また、#0のサブフレームにおいて報知チャネル(Broadcast Channel :BCH)が送信されることが検討されている。同期チャネル(SCH)にはセル固有のシーケンスもしくはMBSFNエリア固有のシーケンスが含まれ、報知チャネル(BCH)においてはセル固有の拡散符号もしくはMBSFNエリア固有の拡散符号が乗じられることが考えられている。従って、メインPMCHが送信されるサブフレームを、#0と#5を除いたサブフレームとすることで、MBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることができ、移動端末は該MBSFN同期エリア内のどのMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしていても、メインPMCHを受信することができ、さらにはSFN利得を得ることが可能となる。図ではメインPMCHが送信されるサブフレームを連続としたが、連続でなくても良い。#0と#5を除いたサブフレームにおいて連続にすることで、それ以外の受信不要なサブフレーム期間、移動端末は間欠受信することが可能となり、受信電力の削減を図ることができる。メインPMCHは毎無線フレーム毎になくてもよく、例えば、2無線フレーム毎、10無線フレーム毎のように周期的にあっても良い。メインPMCHの周期を「メインPMCH繰り返し期間」(Main PMCH repetition period)であらわす。これによって、メインPMCHを送信しないサブフレームのPMCHをMBMSサービス用データ領域とすることができ、MBMSサービスの高速化を図ることができるという効果がある。メインPMCHの存在する無線フレームやサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ、メインPMCH繰り返し期間はユニキャスト側サービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良い。あらかじめ決められていても良い。なお、メインPMCHはマルチセル送信されるので、メインPMCHが存在するサブフレームはMBSFNサブフレーム、無線フレームはMBSFNフレームであるとしても良い。
図48は、同期チャネルSCHと同じサブフレーム内でメインPMCHが送信される無線フレームの構成について示す説明図である。図48は、メインPMCHが送信されるサブフレームを#5とし、同期チャネルSCHがマッピングされる領域外にメインMCHをマッピングする構成を示す。図47ではサブフレームを#0と#5を除いたサブフレームにマッピングする構成を示した。これにより、サブフレーム内の全てのOFDMシンボルをMBSFN同期エリア内でマルチセル送信することが可能となるからである。従って、基地局の送信機、移動端末の受信機を簡易にすることが可能となる。図48では、さらに、メインPMCHを#5のサブフレームの同期チャネルSCHがマッピングされている物理領域を除いた領域の全部もしくは一部に構成する。同期チャネルSCHはMBMS専用セルにおいて、1無線フレーム内の#0と#5のサブフレームで送信されることを述べた。ここで、#5のサブフレームで報知チャネルBCHは送信されないため、セル固有の拡散符号もしくはMBSFNエリア固有の拡散符号を乗じる必要がない。従って、#5のサブフレームの、同期チャネルSCHがマッピングされている物理領域を除いた領域の全部もしくは一部を、メインPMCH用にすることは可能である。例えば、SCHが#5のサブフレームの6番目および7番目のOFDMシンボルにマッピングされている場合、1番目から5番目と8番目から最後までのOFDMシンボルをメインPMCH用の領域とする。こうすることで、メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることができ、移動端末は該MBSFN同期エリア内のどのMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしていても、メインPMCHを受信することができ、さらにはSFN利得を得ることが可能となる。#5のサブフレームをメインPMCHにも使用することを可能とすることで、システムの柔軟性が増大し、無線リソースの効率化を図ることができる。
図49はページング信号用領域を設けたメインPMCHの構成を示す説明図である。図49(a)はメインPMCH上にMBMS関連情報とページング信号を含む構成を示す図である。MBMS関連情報とページング信号は、各々がMTCH、MCCH内の情報要素として存在しても良いし、各々がマッピングされる物理領域(リソース)が時間的に分割多重されても良い。情報要素としてのせる場合のマッピング方法の場合は、一例として図53に開示した方法が適用できる。図53の物理チャネルPMCHをメインPMCHとすれば良い。MBMS関連情報のうち、MBMS制御情報とともにページング信号を情報要素として論理チャネルMCCH上にのせる。MCCHはMTCHとともにトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、MCHは物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされることになる。こうすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信することが可能となる。また他の例として、図54に開示した方法が適用できる。図54の物理チャネルであるPMCHをメインPMCHとすれば良い。ページング信号ののる論理チャネルPCCHをMBMS関連情報の論理チャネルMTCH、MCCHと多重してトランスポートチャネルMCHにのせる。基地局は、MTCHのみのMBSFNサブフレームとMCCHとPCCHのマッピングされるMBSFNサブフレームを設けるようにしても良いし、さらに、MCCHのみのMBSFNサブフレーム、PCCHのみのMBSFNサブフレームを設けるように制御しても良い。こうすることで各々時間的に分割されて送信可能となる。また、MCCHとPCCHの乗るMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしても良い。こうすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信することが可能となる。
さらに別の例として、図55に開示した方法が適用できる。図55の物理チャネルPMCHをメインPMCHとすれば良い。ページング信号ののるPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされ、MCHと多重されてメインPMCHにマッピングされる。こうすることで、基地局は、PCHとMCHを時間的に分割して送信可能となり、さらには、エンコーディングを別々に行うことが可能となる。従って、移動端末においては、受信時にデコードを別々に行うことが可能となる。上記の例において、実施の形態7と異なるのは、メインPMCHにマッピングされるMTCH、MCCH、PCCHはMBSFNエリア内ではなくMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることである。従って、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるPMCHとMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるメインPMCHを明確にわけておいても良い。図57は、MBSFN同期エリア共通の物理チャネルとしてメインPMCHを設けた場合のマッピング方法を示す説明図である。図57にPMCHとメインPMCHを設けた場合のマッピングについて開示する。本例は、図55のMCHとPCHを用いる場合について示してある。MBSFNエリア内へ送信するMBMS関連情報であるMTCH、MCCHはトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、物理チャネルPMCHにマッピングされる。PMCHはMBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームで送信される。MBSFN同期エリア内へ送信するMBMS関連情報であるMTCH、MCCHはトランスポートチャネルMCHにマッピングされ、物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされる。MBSFN同期エリア内へ送信するページング信号ののるPCCHはトランスポートチャネルPCHにマッピングされ、物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされる。メインPMCHはMBSFN同期エリアにマルチセル送信されるMBSFNサブフレームで送信される。
また、論理チャネルかつまたはトランスポートチャネルについてもMBSFNエリア内用とMBSFN同期エリア内用とを個別に設けておいても良い。例えば、MBSFN同期エリア内に送信するMBMS関連情報がMBMS制御情報のみの場合について図57の破線で示す。MBSFN同期エリア内に送信する論理チャネルMCCHを例えばメインMCCH、トランスポートチャネルMCHを例えばメインMCHとしても良い。メインMCHは物理チャネルであるメインPMCHにマッピングされる。このように個別にすることによって、基地局でのスケジューリングやHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)処理やエンコード処理やAMC(Adaptive Modulation Coding)処理等がMBSFN同期エリアとMBSFNエリアで個別に行えるようになるため、基地局と移動端末間の電波環境の変動に柔軟に対応することが可能となり、無線リソースの効率化を図ることが可能となる。MBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるMCCHには、MBSFN同期エリアに含まれる各MBSFNエリアのサービス情報、フレーム構成情報等が含まれる。また、MBSFNエリア毎のMBMSサービス用制御情報が含まれていても良い。この場合は、各MBSFNエリア毎のPMCHでMCCHを送信しなくてすむため、MBMS用データ領域を増大することが可能となり、MBMS送信の高速化を図ることができる。MBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるMCCHは、各MBSFN同期エリア内でメインPMCH繰り返し期間(Main PMCH repetition period)で周期的にマルチセル送信される。
一方、あるMBSFNエリア内セルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、メインPMCH上のMCCHを定期的に受信し、MBMSサービスの内容やフレーム構成等を受信することによって、MBMSサービスを受信可能とする。従って、移動端末はメインPMCH上のMCCHを受信してデコードした後に、所望のサービスがない場合は他のMBSFNエリアに対応したPMCHを受信することなく、次のメインPMCHまで間欠受信動作することが可能となる。従って、移動端末の消費電力の削減が図ることができる。さらに、ページング信号を該MCCHに含ませることによって、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCHを受信する以外のタイミングで別途ページングを受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページングを受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信することができ、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。図54に開示した方法を適用した場合、MCCHとPCCHを同じMBSFNサブフレームに構成されるようにしても良いし、MCCHの乗るMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておいても良い。また、図55で開示した方法を適用した場合は、MCCHののるMBSFNサブフレームとページング信号ののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するようにしておけば良い。このような構成にすることで、MBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を連続して受信可能とすることができる。これにより、移動端末はMCCH及びPCCHののるサブフレームを受信する以外のタイミングで別途ページング信号を受信する必要がなくなるため、MBMSサービスの受信を中断することなくページング信号を受信可能となる。また、MCCHを受信していない時間、MBMSサービスの受信を行っていない持間は間欠受信することができ、移動端末の消費電力の削減を図ることができる。
図49(b)には、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータである「ページング信号有無インジケータ」をインジケータ1、MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すインジケータである「MBMS関連情報の変更有無インジケータ」をインジケータ2を設けた構成が開示される。これらのインジケータがマッピングされる物理領域はメインPMCHが送信されるMBSFNサブフレームに設けられても良いし、また、メインPMCHが送信されるMBSFNサブフレームと時間的に隣接する物理領域に設けられても良い。こうすることにより、移動端末はインジケータ受信後ただちにメインPMCHに乗るMCCHやページング信号を受信しデコード可能となる。例えば、インジケータとして1ビットの情報とする。各インジケータはエンコードされるか、またはMBSFN同期エリア固有の拡散コードが乗じられる等されてあらかじめ決められた物理領域にマッピングされる。例えば、移動端末に着信が発生した場合、ページング信号有無インジケータを“1”にセットし、着信がない場合はページング信号有無インジケータを“0”にセットする。また、例えば、MBSFN同期エリア内で送信されるMBMSサービスの内容が変更されるなどしてMCCHにのるMBMS制御情報が変更された場合、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“1”にセットする。MBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification period)を決めておき、その周期内で変更有無インジケータ“1”を繰り返し送信する。MBMS関連情報の変更が可能な周期(MBMS modification period)、スタートタイミング(SFN、スターティングポイント)等はあらかじめ決められていても良いし、ユニキャストサービスでのサービングセルから、もしくはMBMS専用セルから報知情報で通知されても良い。該周期(MBMS modification period)経過した後に更にMBMS関連情報の変更がない場合は、MBMS関連情報の変更有無インジケータを“0”にセットする。
移動端末は、メインPMCHがマルチセル送信されるMBSFNサブフレームもしくは隣接するMBSFNサブフレーム内のインジケータを受信し逆拡散等を行い、インジケータが1か0かを判定することで、MCCH内に存在するMBMS関連の情報に変更が生じたかどうかや、ページングが存在するかどうかを判断することが可能となる。このようにインジケータを設けることで、MBMS制御情報に変更が生じない場合や、ページングが存在しない場合は、移動端末はメインPMCH全部の情報を受信、デコードする必要がなくなる。このため、移動端末の受信電力の削減を図ることが可能となる。MBMS制御情報が変更されたかどうかを示すMBMS関連情報変更有無インジケータをマッピングする物理領域を、MBMS制御情報がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、MBMS制御情報に変更が生じたかどうかを判断することが可能となる。また、ページング信号が存在するかどうかを示すページング信号有無インジケータをマッピングする物理領域を、ページング信号がマッピングされるひとつまたは複数のMBSFNサブフレームの最初のMBSFNサブフレームとしても良い。さらに、該最初のMBSFNサブフレームの先頭のOFDMシンボルとしても良い。これにより、移動端末は、最初のOFDMシンボルを受信することで、ページング信号が存在するかどうかを判断することが可能となる。
各インジケータを上記のような物理領域にマッピングすることで、MBMS制御信号変更無しの場合、ページング情報が存在しない場合、各々その後のOFDMシンボルを受信、デコードする必要がなくなり、さらなる移動端末の受信電力の削減をはかることが可能となる。また、最初のMBSFNサブフレームや先頭のOFDMシンボルで早期に判断できるので、MBMS制御情報をただちに受信することができたり、または、ページング信号をただちに受信することができたりするため、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。インジケータとして、MBMS関連情報の変更有無インジケータとページング信号有無インジケータを異なる物理領域にマッピングしても良いし、各々異なる物理領域にマッピングしても良い。同じ物理領域にマッピングする場合は、各インジケータのオア(or)演算をとれば良い。これにより移動端末は受信するインジケータがひとつですむため、受信回路構成を簡単にできる効果が得られる。各々異なる物理領域にマッピングする場合は、これにより、移動端末は、必要なインジケータのみ受信しておけば良く、他のインジケータを受信する必要はなくなる。したがって、移動端末の受信電力のさらなる削減や、必要な情報の受信遅延のさらなる低減が図ることができる。例えば、MBMSサービスを受信しているが、ページングを受信しないように設定している移動端末では、MBMS関連情報の変更有無インジケータのみ受信すればよく、ページング信号有無インジケータを受信する必要をなくすことができる。各々のインジケータの繰り返し周期は同じでも良いし、異なっていても良い。各々のインジケータの繰り返し周期はメインPMCHの繰り返し周期と同じでも良いし、異なっていても良い。例えばMBMS関連情報の変更有無インジケータを何回かに1回メインPMCHに設けても良い。インジケータの繰り返し周期は、各々、「ページング信号有無インジケータ繰り返し期間」、「MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間」とする。インジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ、各々のインジケータの繰り返し周期等はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
さらに、MBMS関連情報の変更有無インジケータ専用のチャネルをメインPMCH上に構成して、例えばMICH(MBMS Indicating CHannel)としても良い。MICH内にページング信号有無インジケータを構成し、MICHの繰り返し周期を「MICH繰り返し期間」(MICH Repetition period)とする。ページング信号有無インジケータの繰返し周期はMICHの繰り返し周期と同じでも良いし異なっていても良い。インジケータの通知に関しては先に記載した同様の方法で行うことができる。これにより、各々のインジケータが送信される時間がMCCHが送信される時間に限定されず、システムにおいて柔軟に設計することが可能となる。上記のように構成した場合、MBMS関連情報の変更有無インジケータはメインPMCH上のMBMS制御情報が変更されたかどうかを示すため、所望のMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかどうかについては、該インジケータを検出しただけでは不明である。所望のMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかはメインPMCH上のMBMS制御情報を受信、デコードしなければならない。メインPMCH上のMBMS制御情報として、さらにどのMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかを示すインジケータを設けても良い。該インジケータ用の物理領域をメインPMCH上のMBMS制御情報がのるMBSFNサブフレームの直前に設けても良い。こうすることで、メインPMCH上のMBMS制御情報を全て受信、デコードする必要なく、所望のMBSFNエリア内で送信されるMBMSサービスが変更されたかどうかを検出することができる。従って、移動端末での制御遅延を低減することが可能となる。
ページング信号をメインPMCHにのせる場合、着信がかかった移動端末の数が膨大になった場合、自移動端末宛てのページング信号を検出するのに時間がかかりすぎてしまうという問題が生じる。また、ページング信号ののる所定の物理領域に、着信がかかった全ての移動端末のページング信号をマッピングする領域が確保できないという問題が生じる。これらの問題を解決するため、ページンググループ化する方法を開示する。図49(c)に、ページング信号有無インジケータの構成例を示す。全移動端末をK個のグループに分け、各グループ毎にページング信号有無インジケータを設ける。ページング信号有無インジケータ用の物理領域をK個に分割し、分割した各々の物理領域に各グループのページング信号有無インジケータをマッピングする。ここで、Kは1から全移動端末数の値までをとりうる。ある移動端末に着信がかかった場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットする。あるグループに属する全ての移動端末に着信がない場合は該グループのページング信号有無インジケータを“0”にセットする。ページング信号有無インジケータは移動端末での所望の受信誤り率を満足するために“1”(あるいは“0”)を複数個繰返して物理領域にマッピングするリピテーション等が行われても良い。ページング信号をマッピングする物理領域もK個に分割し、上記K個のグループに対応するようにしておく。ページング信号として、移動端末毎の識別子(識別番号、識別コード)であっても良い。K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域とする。グループ内の移動端末数はグループ全てで同じで合っても良いし、グループ毎に異なっていても良い。グループ内の移動端末数は、例えば、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。また、ひとつのOFDMシンボルに割当て可能な移動端末台数とし、各OFDMシンボルを各グループに対応させる方法としても良い。
ある移動端末に着信が発生した場合、該移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを“1”にセットし、該グループに対応したページング信号有無インジケータ用物理領域にマッピングする。それとともに、着信が発生した移動端末向けのページング信号を、該移動端末が属するグループに対応するページング関連の物理領域にマッピングする。ページング信号の物理チャネル領域へのマッピングは、移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。ページング信号が移動端末毎の識別子である場合は上記移動端末固有の識別コードを乗じる制御を省略できる。移動端末は、自移動端末が属するグループのページング信号有無インジケータを受信することで、自移動端末が属するグループに着信がかかっているかどうか判定する。着信がかかっていると判定した場合、自移動端末が属するグループに対応づけられたページング信号がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。デコード後、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行い、自移動端末向けのページング信号を特定することで、自移動端末への着信有りと判定することが可能となる。自移動端末向けのページング信号を検出しなかった場合は、自移動端末への着信なしと判定する。移動端末をK個のグループにグルーピングすることで、移動端末は、ページング信号用領域全てを受信する必要がなくなり、必要な領域のみ、すなわち自移動端末が属するグループが対応する物理領域のみ受信すればよくなるため、移動端末の受信電力の削減を図ることができる。さらには、グループ毎に対応したページング信号有無インジケータを用いることで、多数の移動端末がある場合も少ない物理リソースでページング信号有無インジケータを設けることができる。さらには、移動端末は必要に応じてページング信号用領域を受信すればよく、移動端末の受信電力の削減が可能となるとともに、ページング信号を受信する必要がない場合はすぐに次の動作に移行できるため、制御遅延を小さくすることが可能となる。
ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを物理領域にマッピングする方法として、実施の形態7のページング信号の物理領域へのマッピング方法も適用することができる。またこの場合に、基地局においてページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータに、移動端末固有の識別コード(UE−ID、RNTI)を乗じることとしても良い。また、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータにCRCを付加する構成とし、CRCに移動端末固有の識別番号を乗じる方法を用いることも可能である。移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出することが可能となる。このため、各移動端末毎のページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータをマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。また、該インジケータがマッピングされる可能性のある物理領域をあらかじめ決めておいたり、報知されるようにしておいても良い。こうすることにより柔軟な物理リソースの利用が図れる。これらの方法は、後述するように、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータが1ビットの情報ではなく、例えばページングメッセージの割り当て情報のような、各移動端末への情報量が異なる場合に有効となる。
上記実施の形態では、ページング信号をマッピングする、K個に分割されたひとつの物理領域は、移動端末1台が必要とするページング信号データが収まる物理領域を、グループ内の移動端末数分加算した物理領域としていた。しかし、移動端末数が多大になると、必要とする物理領域が多大になり、MBMSサービスを送信するためのオーバーヘッドが多大になるためMBMSサービスデータの送信速度が低下する。これを防ぐため、移動端末向けのページング信号に移動端末毎に該移動端末固有の識別コードを乗じる。これにより、移動端末は自移動端末宛ての情報かどうかを該移動端末固有の識別コードを用いてブラインド検出することが可能となるため、各移動端末毎のページング信号をマッピングする物理領域をあらかじめ固定しておく必要がなくなる。したがって、全移動端末分の物理領域を必要とせず、実際に着信が生じると予測される移動端末数分の領域さえあれば良い。例として、グループ内の移動端末数を、同時に着信が発生する移動端末数の平均値とする方法がある。この方法により、限られた物理リソースを有効に利用することが可能となる。また、上記の方法とすることで、予測以上に着信する移動端末数が多くなった場合は、新しい着信の移動端末へのページング信号は、次のメインPMCH上で送信する等、基地局でのスケジューリングにより柔軟に対応することが可能となる。
全移動端末数が少ない場合、Kの値を全移動端末数として、ページング信号有無インジケータのみ送信しても良い。この場合、ページング信号用領域を確保する必要がなく、ページング信号有無インジケータ用の物理領域を全移動端末数分確保しておけばよい。このため、無線リソースの効率化を図ることができる。また、この場合、移動端末毎に対応するページング信号有無インジケータ用の物理領域が存在することになる。このため、移動端末においては、自移動端末に対応したページング信号有無インジケータ用の物理領域を受信してデコードするだけで、ページング信号用領域を受信せずに、着信の有無が判定でき、移動端末のページング動作での制御遅延が低減できる。
上記の例では各移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コードを乗じたが、別の方法として、各移動端末のページング信号と該移動端末固有の識別番号を加えるようにしても良い。この場合移動端末においては受信したデコード等の処理後の情報内に、自移動端末固有の識別番号が存在するか否かにより自移動端末向けのページング信号を検出することができる。
なお、本実施の形態では、ページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータを設けた構成を開示しているが、該インジケータとして、ページング信号の割当て情報であっても良い。これにより、移動端末が自移動端末へのページング信号割当て情報を受信した場合はページングがあると判断可能となる。ページング信号の割当て情報の具体例として、例えば同じサブフレームで送信されるページング信号、例えばページングメッセージがマッピングされる物理領域を示す情報とすれば良い。割当て情報が物理領域の情報であることによって、ページングメッセージの割当て情報を受信した移動端末は、ページングメッセージを受信するために該物理領域のみを受信すれば良く、他の物理領域は受信する必要が無くなる。このため、移動端末の受信時の消費電力の削減がはかれる。また、ページング信号が割当てられる物理領域情報をあらかじめ報知情報等により移動端末に対して送信しておく必要がなくなり、シグナリング量の削減がはかれるとともに、ページング信号の物理領域への割当を柔軟に行うことが可能となるため、無線リソースの使用効率が向上するという効果が得られる。
ページング信号をメインPMCHのページング関連の物理領域にマッピングする方法は、実施の形態7で開示した方法が適用できる。例えば図33や図34の方法である。ただし、変調処理、拡散処理等において、MBSFNエリア固有の拡散符号を乗じるステップは適用できず、MBSFNエリア固有の拡散符号は乗じないようにする、もしくは、MBSFN同期エリア固有の拡散符号を乗じる必要がある。
本実施の形態で用いる移動端末固有の識別コードに関しては、実施の形態7で記載した方法と同様の方法を用いる。本実施の形態では、移動端末固有の識別コードとして、MBSFN同期エリア毎に固有とする。移動端末識別コードをMBSFN同期エリア毎に固有とする方法は、本実施の形態に限らず、MBSFN同期エリアでマルチセル(MC)送信する場合に移動端末固有の識別コードを乗じる場合に適用可能である。該MBSFN同期エリア毎の移動端末固有の識別コードは複数あっても良い。それぞれ、用途を分けても良い。例えば、該MBSFN同期エリア毎の移動端末固有の識別コードを二種類有し、各々ページング信号用とMBMS制御情報用としても良い。このようにすることで、MBSFN同期エリアでMC送信するページング信号を移動端末毎に分割することが可能となり、移動端末は自移動端末宛のページング信号を受信することが可能となる。
上記の例では、メインPMCHの構成およびページング信号をメインPMCHへマッピングする方法として、実施の形態7で開示した方法を適用した。同様に、例えば、メインPMCHが送信される頻度が時間的に高い場合、メインPMCHの構成およびページング信号をメインPMCHへマッピングする方法として実施の形態8で開示した方法を適用することも可能である。
本実施の形態9で開示したMBSFN同期エリア内でマルチセル送信される物理チャネルを設け、該物理チャンル上にページング信号をのせる方法とすることで、移動体通信システムとして、MBMS専用セルからMBMSサービスを受信しているもしくは受信しようとしている全移動端末のページング信号を送信できるようになり、該移動端末がMBMS専用セルからページング信号を受信することを可能とする。
実施の形態10.
以上の実施の形態では、ページング信号はMBSFNエリアもしくはMBSFN同期エリアの全てのセルからマルチセル送信されるように設けられる方法を開示した。MBSFNエリアやMBSFN同期エリアは地理的に広大な範囲となることも考えられる。このような場合、移動端末においてSFN合成に寄与しないセルから該移動端末向けのページング信号を送信することは、無線リソースの無駄となりシステム容量の低下を引き起こす。従って、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定する必要性が生じる。ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定した場合、同じMBSFNエリアもしくは同じMBSFN同期エリア内で、ある移動端末へのページング信号を送信するセルと送信しないセルが生じ、セル間で異なる信号を送信することとなり、マルチセル送信ではなくなる。移動端末は受信するセルを選択的に限定できないため、マルチセル送信でない信号も受信することになり、受信誤りが引き起こされる。ページング信号を送信しないセルから送信された異なる信号により、所望のページング信号の受信品質が劣化することになる。特に、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルとの境界付近に存在する移動端末にとっては受信誤りが増大し、ページング信号を受信できなくなるという問題が生じる。そこで、本実施の形態では、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルを設ける構成について開示する。
移動端末でのページング信号の受信誤りを低減するため、ページング信号をマッピングする方法をページング信号を送信するセルとしないセルで変更する。図50は、MBSFNエリアもしくはMBSFN同期エリア内の一部のセルにページング信号を送信する方法を示す説明図である。図50に示すように、ページング信号を送信するセルでは、図33または図44を参照して説明したように、信号に当該移動端末固有の識別番号を乗じる処理を行い(処理1)、CRCを付加し(処理2)、エンコード及びレートマッチングなどの処理(処理3)を行う。そして、一連の処理を行った結果を制御情報要素単位に割り当て(処理8)、着信がかかっている各々の移動端末分連結するまでの処理を行う。一方、ページング信号を送信しないセルでは、かかる処理は行わない。ページング信号ののる物理領域としては、上記実施の形態で示した、PMCH、DPCH、メインPMCHがある。MBSFNエリア内もしくはMBSFN同期エリア内で、着信が発生した移動端末に対してページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在する場合、ページング信号を送信するセルでは、基地局は、図中のスイッチ2401を端子aに接続する。移動端末へのページング信号に該移動端末固有の識別番号を乗じ、CRC付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。スイッチ2401が端子aに接続されているので、移動端末毎の上記処理後の情報が、ある制御情報要素単位に割り当てられる。
上記の例では、ページング信号をマッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素単位に割当てるようにしたが、この他にも、トランスポートブロック単位で割当てるようにしても良い。トランスポートブロック単位で割当てることによって、情報量によって割当てる物理リソースを増減できるため、柔軟な物理領域への割当が可能となる。
一方、ページング信号を送信しないセルでは、基地局は、図中のスイッチ2401を端子bに接続する。移動端末へのページング信号を用いることなく、セル毎のパディング用コードを設け、該パディング用コードがある制御情報要素単位に割り当てられる。ここで、ある移動端末に対して割り当てられる制御情報要素単位の領域は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで同一とする。これにより基地局は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで割り当てる情報をスイッチによって簡単に切替え可能とできる。さらに、ある移動端末に対して割り当てられる制御情報要素単位の領域の大きさを、全ての移動端末で同じにしておくことで、セル毎のパディング用コード長をあらかじめ決めておくことが可能となる。これにより、パディング用コードの埋めこみ制御を簡易に構成することが可能となる。一方、あるMBSFNエリア内もしくはMBSFN同期エリア内のセルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信しているあるいはしようとしている移動端末は、ページング信号がマッピングされるPMCHもしくはDPCHもしくはメインPMCHを受信し、復調処理、逆拡散処理等を行い、制御情報要素単位の領域に分割する。分割した制御情報要素単位の領域を、デコード等行い、自端末固有の識別番号により相関演算を行うことによって、自移動端末向けのページング信号をブラインド検出する。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングはなしと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。
もし、ページング信号を送信しないセルからの送信信号がページング信号を送信するセルからの送信信号と異なる場合は、マルチセル送信とならず、マルチセル送信によりSFN利得を得られないだけでなく、ページング信号を送信しないセルからの送信信号が雑音となり、移動端末での相関演算結果に誤りが増大することとなる。本実施の形態で開示したように、ページング信号を送信しないセルにおいて、パディング(埋めこみ、設定)用コードを予め決めておき、該パディング用コードをページング信号がマッピングされる領域に埋めこむことによって、移動端末での相関演算での誤りを低減することが可能となる。図51は、ページング信号を送信しないセルで設けたセル毎のパディング用コードの例を示す説明図である。例えば、ページング信号を送信しないセルはパディング用コードを「オール0」(all0)とする。この場合、ページング信号を送信しない全てのセルで同じコードすなわち「オール0」とする。こうすることによって、移動端末において受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことで、移動端末はページング信号を送信しないセルから送信された“0”の成分をキャンセルすることができ、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号のみをSFN合成することが可能となり、移動端末での相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。ページングを送信しないセルのパディング用コードを「オール1」(all1)としてもよい。この場合、ページングを送信しない全てのセルで同じコードすなわちオール1とする。この場合も、移動端末が干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことによって“1”の成分をキャンセルすることができ、移動端末でのページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。なお、オール0、オール1でなく、既知の特定のコードであっても良い。ページング信号を送信しないセルのパディング用コードをランダム値としてもよい。この場合、各セル毎でランダムな値を導出し、パディングする。こうすることによって、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された信号が異なるランダム信号のためお互いにキャンセルされることになり、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号成分が相対的に強くなるため、相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。
ページング信号を送信するセルと送信しないセルを識別するためのページング送信セル識別用コードを用いても良い。ページング送信セル識別用コードは直交もしくは擬似直交コードとしても良い。また、スクランブリングコードでも良いし拡散コードでも良い。図52は、ページング送信セル識別用コードを用いる方法を示す説明図である。基地局は、ページング信号に移動端末識別用コードを乗算し(処理1)、CRC付加、エンコード、レートマッチング、MCS(Modulation Coding Scheme)反映等の符号化(Coding)処理を行い(処理2)、ページング送信セル識別用コードを乗じる(処理3)。ページング送信セル識別用コードとして、ページング信号を送信するセルにおいてはページング信号送信セル用の拡散コードを用いる。ページング信号を送信しないセルにおいてはページング信号非送信セル用の拡散コードを用いる。ページング送信セル識別用コードである、ページング信号送信セル用の拡散コードとページング信号非送信セル用の拡散コードは直交コードとしておく。これらページング送信セル識別用コードを乗じた結果を、制御情報要素単位に割当て、着信がかかっている各々の移動端末分連結する(処理4)。一方、あるMBSFNエリア内もしくはMBSFN同期エリア内のセルからマルチセル送信されるMBMSサービスを受信している、あるいはしようとしている移動端末は、ページング信号がマッピングされるPMCH、DPCH、もしくはメインPMCHを受信し、復調処理、逆拡散処理等を行い、制御情報要素単位の領域に分割する。分割した制御情報要素単位の領域を、ページング信号送信セル用拡散コードにより逆拡散を行う。同一の物理領域において、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで直交する拡散コードが乗じられて送信されているため、ページング信号送信セル用の拡散コードを用いて逆拡散を行うことによって、ページング信号を送信しないセルからの信号の影響を排除することが可能となり、受信誤差の低減を図ることができる。
逆拡散後のデータを、デコーディング等の処理を行い、自移動端末識別用コードにてブラインド検出を行う。ある閾値より相関演算結果が大きい場合は自移動端末向けのページングが有ると判定し、ページング信号によりページング着信動作に入る。ある閾値以下の場合は自端末向けのページングは無しと判定し、MBMS関連情報の受信に移行する、またはMBMS関連情報の受信の必要がなければ間欠受信動作に移行する。ページング送信セル識別用コードは各々あらかじめ決められていても良いし、MBMS専用セルの報知情報や、ユニキャストセルの報知情報で通知されても良い。このように、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで直交する拡散コードを乗じ、受信側で逆拡散を行うことによって、ページング信号を送信しないセルからの信号の影響を排除し、ページング信号を送信するセルからのページング信号を低い受信誤差で抽出することが可能となる。なお、本発明において、移動端末識別用コードとページング送信セル識別用コードを乗じる順序は逆であっても良い。移動端末識別用コードを後で乗じた場合は、移動端末において、先に自移動端末固有の識別番号で相関演算を行うことによって、早期に自移動端末向けのページング信号があるかどうかを判断することが可能となるという利点が生じる。
上記の例では、図50、図52で開示した処理1において各移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コードを乗じる処理を行ったが、別の処理方法として、各移動端末のページング信号と該移動端末固有の識別番号を加えるようにしても良い。この場合移動端末においては、ページング信号用物理領域を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行い、その結果を情報要素単位に分割し、分割した情報要素単位毎にデコード等の処理を行う。デコード等の処理後の情報内に、自移動端末固有の識別番号が存在するか否かにより自移動端末向けのページング信号を検出する。
本実施の形態において、各セルはパディング用コードやページング送信セル識別用コードを初期設定としてページング信号を送信しないコードとしておいても良い。MME、MCEもしくはMBMS-GWからページングリクエスト等によるページング発生の通知が来た場合のみ、そのセルは、該通知が来た移動端末のみに、パディング用コードやページング送信セル識別用コードをページング信号を送信するコードとするようにしておいても良い。こうすることで、ページングが発生しない旨の通知を、MME、MCEもしくはMBMS-GWから各セルに送信する必要がなくなるため、シグナリング量の削減を図ることができる。
ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルを設ける構成の具体例として、ページング信号を送信しないセルからパディング用コードを送信する方法を開示した。ページング信号をマッピングする物理領域が決まっている場合は、ページング信号を送信しないセルからの該物理領域の送信電力を0としても良い。該物理領域では何も送信しないようにしても良い。ページング信号を送信しないセルにおいて基地局は、ページング信号をマッピングする物理領域が決まっているので、該物理領域の送信電力を小さくすることが可能となる。送信電力を0にする、あるいは、何も送信しないようにしても良い。このため、ページング信号を送信しないセルにおけるページング信号としては、パディング用コードとする必要は無く、何であっても良い。これにより、MBSFNエリア内あるいはMBSFN同期エリア内でMC送信するセル間で異なる信号を送信する際に生じてしまう干渉、つまり、ページング信号を送信しないセルからページング信号を送信するセルへの干渉を無くすことが可能となる。また、ページング信号を送信しないセルにおいて基地局は、該物理領域の送信電力を0にする分、他の物理領域の電力を増大させることができる。また、ページング信号を送信しないセルにおいて基地局は、該物理領域の送信電力を0にするため、基地局の低消費電力化がはかれる。ページング信号の全てがマッピングされる物理領域が決まっていなくても良く、ページング信号の一部(例えば、ページングの有無を示す情報)がマッピングされる物理領域が決まっているような場合にも本方法は適用可能である。また、実施の形態7や実施の形態9で開示したページング信号有無インジケータのマッピングされる物理領域が決まっているような場合にも本方法は適用可能である。
本実施の形態のような構成にすることで、ページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることが可能となり、MBSFNエリアもしくはMBSFN同期エリアが地理的に広大な範囲となった場合にも、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定することが可能となる。ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定した場合も、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された異なる信号により、所望のページング信号の受信品質を劣化させることなくページング信号を受信できるという効果が得られる。特に、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルとの境界付近に存在する移動端末にとっては高品質なページング信号を受信できるという効果が得られる。さらに、例えばユニキャストセルのトラッキングエリアに地理的に近いひとつまたは複数のMBSFNエリア内のセルのみにページング信号を送信する場合、ページングリクエストを受信したMMEは、MBSFN同期エリア内全てのMBSFNエリアに各々対応した全てのMCEに対してページングリクエスト信号を送信する必要がなく、該MBSFNエリアを制御するMCEに対してのみページングリクエスト信号を送信すれば良い。ページングリクエスト信号を受信したMCEはそのMCEが制御するMBSFNエリア内のセルにページング信号を送信し、ページングリクエスト信号を受信しないMCEはそのMCEが制御するMBSFNエリア内でページング信号を送信しないようにすることが可能となる。従って、MMEとMCE間のシグナリング量の削減を図ることができるという効果が得られる。さらに、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定することで、ある移動端末のページング信号送信に使用した物理リソースを、地理的に離れた場所においては他の移動端末へのページング信号送信に使用することが可能となり、無線リソースの効率化を図ることができる。
以上の実施の形態1から10では、MBMS送信専用の周波数レイヤのセルからページング信号をMBSFNサブフレームにのせてマルチセル送信する方法について開示した。ここでは、ユニキャスト/MBMS混合周波数レイヤのセルにおいてMBSFNサブフレームでページング信号を送信する方法を開示する。ユニキャスト/MBMS混合周波数レイヤのセルにおいては、MC送信するためMBSFNサブフレームが存在する。このMBSFNサブフレームに実施の形態1〜10で開示した方法を適用し、ページング信号を送信する。具体例として、MBSFNサブフレームに実施の形態7を適用して、ページング信号やページング信号有無インジケータをMBSFNサブフレームのPMCHにマッピングすれば良い。また、実施の形態8を適用して、MBSFNサブフレームにページング専用のチャネル(DPCH)を構成して、該ページング専用のチャネルに、ページング信号(ページングメッセージやページングの有無を通知するための情報)をマッピングすれば良い。また、実施の形態9を適用して、MBSFN同期エリアで送信されるMBSFNサブフレームにメインPMCHを設け、該メインPMCHにページング信号やページング信号有無インジケータをマッピングすれば良い。また、ユニキャスト/MBMS混合周波数レイヤの、MBSFNエリアあるいはMBSFN同期エリアの一部のセルのみにページング信号を送信する場合は、実施の形態410の方法を適用すれば良い。
上記のように、ユニキャスト/MBMS混合周波数レイヤのセルにおいてページング信号をMBSFNサブフレームで送信する方法を用いることで、PDSCHおよびMBSFNサブフレームをページング信号送信用に用いることが可能となる。このため、ページングオケージョンの導出方法において、MBSFNサブフレームを除いたPDSCHの存在するサブフレームのみにする必要が無くなり、無線リソースの有効活用が図れ、また、着信処理の遅延時間が短縮されるという効果を得ることができる。ユニキャスト/MBMS混合周波数レイヤのセルの傘下の移動端末にはMBMS(MBMS関連情報、MCCH、MTCH)を受信しているものと受信していないものが存在する。MBMSを受信していない移動端末はMBSFNサブフレームを受信する必要はないので、該移動端末にはPDSCHの存在するサブフレームにてページング信号を送信し、MBMSを受信している移動端末には、PDSCHおよびMBSFNサブフレームでページング信号を送信するようにしても良い。MBSFNサブフレームにページング信号をマッピングする方法として上記の方法を用いれば良い。これにより、各々の移動端末がその受信能力に応じたサブフレームにてページング信号を受信することが可能となる。また、MBMSを受信している移動端末はMBSFNサブフレームを受信することになるので、MBMS受信中の移動端末へのページング信号を、上記の方法を用いてMBSFNサブフレームにマッピングするようにしても良い。MBMS受信中の移動端末が、ユニキャスト用のページング周期(DRX周期)を待たずして、ページング信号を受信可能となり、受信までの遅延時間を短縮できる効果がある。
MBMS受信する際にカウンティングを行った移動端末へのページング信号をMBSFNサブフレームにマッピングするようにしても良い。カウンティングは移動端末からネットワーク側へMBMSを受信することを示す情報を通知する動作である。ネットワーク側はカウンティングを行った移動端末の識別番号(UE−IDなど)の情報を得ることが可能となるので、この情報をもとに、カウンティングを行った移動端末のページング信号をMBSFNサブフレームにのせて送信するようにすれば良い。カウンティングを行った移動端末はMBMSを受信することがネットワーク側でも認識できるので、該移動端末へのページング信号を確実にMBSFNサブフレームにて送信することが可能となる。なお、カウンティングがMBMSのサービス毎に行われる場合は、カウンティングが行われたMBMSサービスを送信するMBSFNサブフレームにページング信号をマッピングして送信するようにすれば良い。
MBSFNサブフレームのPMCH上にページング信号をのせる場合、該MBSFNサブフレームのL1/L2制御信号用シンボルでページング信号の一部を、該MBSFNサブフレームのPMCHでページング信号の残りを送信しても良い。具体例として、L1/L2制御信号用シンボルにページング信号の存在を示す情報をマッピングし、PMCHにページングメッセージをマッピングして、移動端末へ送信する。該ページング信号が存在することを示す情報として、ページング信号の有無を示す1ビットの情報であっても良いし、ページング信号の割当て情報であっても良い。ページング信号が存在することを示す情報のスケジューリング情報(ページングオケージョン)はあらかじめ決められていても良いし、サービングセルからのBCCHで送信されても良い。ネットワーク側と移動端末側で同じパラメータや算出式を用いて導出するようにしても良い。こうすることで移動端末とネットワーク間のシグナリング量を削減することができる。ページング信号が存在することを示す情報に移動端末固有の識別コードが乗じられても良い。こうすることで、自移動端末宛のページング信号をブラインド検出可能となる。ページング信号有無インジケータをPMCH上にのせなくても、ページング信号の有無やページング信号の割当て領域がわかるため、移動端末は、ページング信号が有る場合にだけ、該ページング信号を受信すればよく、無い場合は受信する必要が無い。このため、移動端末の低消費電力化が図れるという効果が得られる。
ユニキャスト/MBMS混合周波数レイヤにおいて、ユニキャストでのページング用のトラッキングエリアと、MBMSにおけるマルチセル送信する際のトラッキングエリアが異なると、L1/L2制御信号用シンボルでユニキャスト送信されるページング信号の一部と、PMCHでマルチセル送信される残りのページング信号が同じセルから送信されない問題が生じてしまう場合がある。ユニキャスト送信のトラッキングエリアのみに含まれるセルからはページングの存在を示す情報のみ送信され、一方、マルチキャスト送信のトラッキングエリアのみに含まれるセルからは残りのページングメッセージのみが送信される、という状態になってしまう。このような問題を解決するために、ユニキャストのトラッキングエリアとMBMSにおけるマルチセル送信のトラッキングエリアを同じにしておく。トラッキングエリアとして、一つのトラッキングエリアとして、ユニキャスト送信用とマルチセル送信用の両方に用いるようにしても良いし、各々のトラッキングエリアに属するセルを同じにした二つのトラッキングエリアを有してしても良い。トラッキングエリアはMME、MCEどちらで管理しても良い。また両方で管理するようにしても良い。こうすることで、同じセルからL1/L2制御信号用シンボルでページング信号の一部が、同じMBSFNサブフレームのPMCHで残りのページング信号が送信されることが可能となる。従って、MME、MCE、基地局、移動端末において、ページング信号のデコードが簡単になるため、ページング信号受信制御の複雑さが低減し、処理スピードが速くなるという効果が得られる。
実施の形態11
図10は、本発明に係る移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。図10において、移動端末101は基地局102と制御データ(C-plane)、ユーザデータ(U-plane)の送受信を行う。基地局102は、ユニキャストの送受信のみ扱うユニキャストセル102−1、ユニキャストとMBMSサービス(MTCHとMCCH)の送受信を扱う混合セル102―2、MBMSサービスの送受信のみを扱うMBMS専用セル101−3に分類される。ユニキャストの送受信を扱うユニキャストセル102−1とMBMS/ユニキャスト混合セル(混合セル、ミクスドセル)102−2は、MME103とインタフェースS1_MMEにより接続される。更にユニキャストの送受信を扱うユニキャストセル102−1と混合セル102−2は、ユニキャストのユーザデータの送受信のためにS−GW104とインタフェースS1_Uにより接続される。MME103はインタフェースS11によりPDNGW(Packet Data Network Gateway)902と接続される。MCE801は、マルチセル(MC)送信を行うため、MBSFNエリア中の全ての基地局102に対して無線リソースの割り当てを行う。例えば1つあるいは複数のMBMS/ユニキャスト混合セル102−2にて構成されるMBSFNエリア#1と1つあるいは複数のMBMS専用セル101−3にて構成されるMBSFNエリア#2が存在した場合を考える。MBMS/ユニキャスト混合セル102−2はMBSFNエリア#1中の全ての基地局のための無線リソースを割り当てるMCE801―1とインタフェースM2で接続される。またMBMS専用セル102―3はMBSFNエリア#2中の全ての基地局のための無線リソースを割り当てるMCE801―2とインタフェースM2で接続される。
MBMS GW802は制御データを取り扱うMBMS CP802―1とユーザデータを取り扱うMBMS UP802―2に分類できる。MBMS/ユニキャスト混合セル102―2及びMBMS専用セル102―3は、MBMS関連の制御データの送受信のためにインタフェースM1にてMBMS CP802―1と接続される。また、MBMS/ユニキャスト混合セル102―2及びMBMS専用セル102―3は、MBMS関連のユーザデータの送受信のためにインタフェースM1_UにてMBMS UP802―2と接続される。MCE801はMBMS関連の制御データの送受信のためにインタフェースM3にてMBMS CP802―1と接続される。MBMS UP802―2はインタフェースSGimbにてeBMSC901と接続される。MBMS GW802はインタフェースSGmbにてeBMSC901と接続される。eBMSC901はコンテンツプロバイダと接続される。また、eBMSC901はインタフェースSGiにてPDNGW902と接続される。MCE801は新たなインタフェースであるMME―MCE間インターフェース(IF)にてMME103と接続される。
図11は、本発明で用いる移動端末101の構成を示すブロック図である。図11において、移動端末101の送信処理は以下のとおり実行される。まず、プロトコル処理部1101からの制御データ、アプリケーション部1102からのユーザデータが送信データバッファ部1103へ保存される。送信データバッファ部1103に保存されたデータはエンコーダー部1104へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部1103から変調部1105へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部1104でエンコード処理されたデータは変調部1105にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部1106へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ1107から基地局102に送信信号が送信される。また、移動端末101の受信処理は以下のとおり実行される。基地局102からの無線信号がアンテナ1107により受信される。受信信号は、周波数変換部1106にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部1108において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部1109へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部1101へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部1102へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部1110によって制御される。よって制御部1110は、図面では省略しているが、各部(1101〜1109)と接続している。
図12は、基地局102の構成を示すブロック図である。基地局102の送信処理は以下のとおり実行される。EPC通信部1201は、基地局102とEPC(MME103及びS-GW104)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部1202は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部1201、他基地局通信部1202はそれぞれプロトコル処理部1203と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部1203からの制御データ、またEPC通信部1201と他基地局通信部1202からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部1204へ保存される。送信データバッファ部1204に保存されたデータはエンコーダー部1205へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部1204から変調部1206へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部1206にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部1207へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ1208より一つもしくは複数の移動端末101に対して送信信号が送信される。また、基地局102の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末101からの無線信号がアンテナ1208により受信される。受信信号は周波数変換部1207にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部1209で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部1210へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部1203あるいはEPC通信部1201、他基地局通信部1202へ渡され、ユーザデータはEPC通信部1201、他基地局通信部1202へ渡される。基地局102の一連の処理は制御部1211によって制御される。よって制御部1211は図面では省略しているが各部(1201〜1210)と接続している。
図13は、MME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1301はMME103とPDN GW902間のデータの送受信を行う。基地局通信部1302はMME103と基地局102間をS1_MMEインタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GW902から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1301からユーザプレイン処理部1303経由で基地局通信部1302に渡され、1つあるいは複数の基地局102へ送信される。基地局102から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1302からユーザプレイン処理部1303経由でPDN GW通信部1301に渡され、PDN GW902へ送信される。MCE通信部1304はMME103とMCE801間をMME―MCE間IFによるデータの送受信を行う。
PDN GW902から受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1301から制御プレイン制御部1305へ渡される。基地局102から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1302から制御プレイン制御部1305へ渡される。MCE801から受信した制御データはMCE通信部1304から制御プレイン制御部1305へ渡される。制御プレイン制御部1305での処理の結果は、PDN GW通信部1301経由でPDN GW902へ送信され、また基地局通信部1302経由でS1_MMEインタフェースにより1つあるいは複数の基地局102へ送信され、またMCE通信部1304経由でMME―MCE間IFにより1つあるいは複数のMCE801へ送信される。制御プレイン制御部1305には、NASセキュリティ部1305−1、SAEベアラコントロール部1305−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1305―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1305―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1305―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1305―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末101のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area:TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME103の一連の処理は制御部1306によって制御される。よって制御部1306は図面では省略しているが各部(1301〜1305)と接続している。
図14は、MCE(Multi-cell/multicast Coordination Entity)の構成を示すブロック図である。MBMS GW通信部1401はMCE801とMBMS GW802間をM3インタフェースによる制御データの送受信を行う。基地局通信部1402はMCE801と基地局102間をM2インタフェースによる制御データの送受信を行う。MME通信部1403はMCE801とMME103間をMME―MCE間IFによる制御データの送受信を行う。MC送信スケジューラ部1404は、MBMS GW通信部1401経由で渡されたMBMS GW802からの制御データと、基地局通信部1402経由で渡されたMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)エリア内の基地局102からの制御データと、MME通信部1403経由で渡されたMME103からの制御データを用いて、自分が管理している1つあるいは複数のMBSFNエリアのマルチセル送信のスケジューリングを行う。スケジューリングの一例としては基地局の無線リソース(時間、周波数など)、無線構造(変調方式、コードなど)などが挙げられる。マルチセル送信のスケジューリング結果は、基地局通信部1402に渡され、MBSFNエリア内の1つあるいは複数の基地局102へ送信される。MCE801の一連の処理は制御部1405によって制御される。よって制御部1405は図面では省略しているが各部(1401〜1404)と接続している。
図15はMBMSゲートウェイの構成を示すブロック図である。図15において、MBMS GW802のeBMSC通信部1501は、MBMS GW802とeBMSC901間のデータ(ユーザデータ、制御データ)の送受信を行う。MCE通信部1502はMBMS GW802とMCE801間をM3インタフェースによる制御データの送受信を行う。eBMSC901から受信した制御データは、eBMSC通信部1501経由で、MBMS CP部1503に渡り、MBMS CP部1503での処理後、MCE通信部1502経由で、1つあるいは複数のMCE801へ送信される。MCE801から受信した制御データは、MCE通信部1502経由で、MBMS CP部1503に渡り、MBMS CP部1503での処理後、eBMSC通信部1501経由で、eBMSC901または/かつMCE801へ送信される。基地局通信部1504はMBMS GW802と1つあるいは複数の基地局へM1_Uインタフェースによるユーザデータ(トラヒックデータとも称される)の送信を行う。eBMSC901から受信したユーザデータは、eBMSC通信部1501経由で、MBMS UP部1505に渡り、MBMS UP部1505での処理後、基地局通信部1504経由で、1つあるいは複数の基地局102へ送信される。MBMS CP部1503とMBMS UP部1505は接続している。MBMS GW802の一連の処理は制御部1506によって制御される。よって制御部1506は図面では省略しているが各部(1501〜1506)と接続している。
次に図16に本発明にかかる移動体通信システムとしての処理の流れの一例を示す。図16は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末がMBMSの利用開始から利用修了までの処理の概略を示すフローチャートである。図16のステップST1601にて移動端末は、MBMS/ユニキャスト混合セルでのサービングセルのセルセレクションを行う。以降、ステップ1601の処理を「ユニキャスト側セルセレクション」と称する。ステップST1601−1にてネットワーク側は移動端末に対して「受信可能なMBMSに関する報知」処理を行う。具体的には、現在利用可能なMBMSサービスが存在することや、その周波数に関する情報(周波数のリスト)が、ネットワーク側から移動端末に通知される。ST1601−1の処理によって移動端末は、利用可能なMBMSサービスが存在することやその周波数を知ることができるので、受信可能周波数を総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、移動端末が現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。
ステップST1602にて移動端末は、ステップST1601でネットワーク側から通知された情報を基に、MBMS送信専用セルのサーチ処理を行う。サーチ処理の具体例としては、タイミング同期(無線フレームタイミングによる同期)や、システム帯域幅、送信アンテナ数、MBSFNエリア識別子(ID)(MBSFNエリア番号とも称される。)、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)関連情報などのシステム情報の取得などがある。以降、ステップ1602の処理を「MBMSのサーチ」と称する。ステップST1603にて移動端末は、ネットワーク側からMBMS送信専用セルにおいて、MBMSサービス(MCCH及びMTCH)を受信するための情報を受信する。以降、ステップ1603の処理を「MBMS Area情報取得」と称する。ステップST1604にてユーザ(移動端末)は、ステップST1603にてネットワーク側から受信したMBMSサービスを受信するための情報を用いて、ユーザが所望するMBMSサービスを選択する。以降、ステップ1604の処理を「MBMSサービス選択」と称する。
LTE方式による通信システムでは、MBMSサービスが提供する放送データを移動端末に送信するための下りリンクのみを設け、上りリンクを省くことで簡略なシステム構成を実現するMBMS送信専用のセルを設けることが検討されている。上記説明のステップ1601−1からステップST1604は、かかるMBMS送信専用セルによるMBMSサービスを選択するまでの方法を開示した。上記説明の一連の処理により、移動端末がMBMS送信専用セルにて所望のMBMSサービスを受信することが出来るという効果を奏する。
ステップST1605にて移動端末は、ステップST1603にてネットワーク側から受信したMBMSサービスを受信するための情報を用いて、MBMS送信専用セルからMBMSデータを間欠受信するための準備を行う。以降、ステップ1605の処理を「MBMS受信時 間欠受信準備」と称する。ステップST1606にて移動端末は、ネットワーク側にMBMS送信専用セルにおける、MBMSの受信状況を通知する「MBMS側受信状況通知」処理を行う。MBMS送信専用セルは上りリンクを設けていないので、MBMS専用セルでMBMSデータを受信している移動端末はネットワーク側に位置登録を行うことができない。この場合、ネットワーク側は移動端末の存在するセルを特定できないので、当該移動端末宛ての着信が発生した場合にページング信号を送ることが困難であった。本ステップST1606によりネットワーク側は、当該移動端末がMBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信している旨を知ることができ、移動端末を追跡することが可能になるので、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用中の移動端末宛てに着信が発生したとき、ページング情報をMME103、MCE801−1経由でMBMS送信専用セルに転送し、MBMSサービスを利用中の移動端末に個別着信が発生したことを知らせることができる。したがって、MBMS送信専用セルでMBMSサービスを利用中の移動端末に対するページングに関する課題を解決することができる。
ステップST1607にて、移動端末はユニキャストセル(図10 102-1)または/かつMBMS/ユニキャスト混合セル(図10 102-2)の電解強度測定やセル選択を含む測定(メジャメント)処理を行う。この処理を「Unicast側メジャメント」と称する。本ステップST1607によりMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末が、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行うことが可能となる。これにより、上りリンクが存在しないMBMS専用基地局で構成されたMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中であってもユニキャスト/ミクスド周波数レイヤ経由における移動端末のモビリティ管理が可能となる効果を得ることが出来る。ステップST1608にてMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末はページング信号受信のための間欠受信を行う。ネットワーク側は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信している移動端末へのPaging信号をMBMS受信時間欠受信構成にて通知する。以降、ステップ1608の処理を「MBMS受信時 間欠受信」と称する。ステップST1605〜ステップST1608にて、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。ステップST1608の「MBMS受信時 間欠受信」にてPaging信号を受信しなかった移動端末は、ステップST1609へ移行する。
ステップST1609にて移動端末は、MBMS送信専用の周波数レイヤからのMBMSトラヒックデータ(MTCH)を受信する。以降、ステップST1609の処理を「MTCH受信」と称する。「MTCH受信」を行っている移動端末は、「Unicast側メジャメント」のタイミングにてステップST1607へ移行する。あるいは「MTCH受信」を行っている移動端末は、受信感度が悪くなった場合にステップST1602、あるいはステップST1604へ移行する。ステップST1608の「MBMS受信時 間欠受信」にてPaging信号を受信した移動端末は、ステップST1610へ移行する。ステップST1610にて移動端末は、MBMS送信専用の周波数レイヤからユニキャスト/ミクスド周波数レイヤへ移動し、ユニキャストセルあるいはミクスドセルからの制御データの送受信を行う。以降、ステップST1610の処理を「Unicast側 間欠受信」と称する。これにより当該移動端末は、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにてネットワーク側へ上りデータを送信することが可能となる。よって、上りリンクが存在しないMBMS送信専用の周波数レイヤにてページング信号を受信した移動端末が、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにてページング信号に対する応答を送信する方法、及びそのための移動体通信システムを開示することが出来る。
ステップST1611にて移動端末は、ネットワーク側へMBMS送信専用の周波数レイヤでのMBMS受信を終了する旨を通知する。以降、ステップST1611の処理を「MBMS受信終了」と称する。本ステップST1611によりネットワーク側は、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤでのMBMSサービスの受信を終了する旨を知ることが出来る。よって、ネットワーク側がMBMS送信専用の周波数レイヤにて当該移動端末へのページング信号を通知する構成を中止することが出来る。これにより、当該移動端末が受信することがない、MBMS送信専用の周波数レイヤからの当該移動端末へのページング信号を移動体通信システムとして中止することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を奏する。
以下、図17を用いて図16で述べた移動体通信システムの処理の流れの詳細な具体例について説明する。図17はユニキャスト側のセルセレクションを説明するフローチャートである。ステップST1701にて、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル(単に混合セル(Mixed cell)とも称する)は第一同期チャネル(Primary Synchronization Channel: P-SCH)と第二同期チャネル(Secondary Synchronization Channel: S-SCH)、リファレンス信号(リファレンスシンボルとも称される。Reference Symbol :RS)を傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1702にて、移動端末は基地局(ユニキャストセルまたは/かつ混合セル)からのP−SCH、S−SCH、RSを受信する。ステップST1703にて、移動端末は受信したP−SCH、S−SCH、RSを用いて初期セルサーチ動作を行う。現在3GPPで議論されているセルサーチ動作の詳細を説明する。第一段階として移動端末は、移動体通信システムとして3種類の規定シーケンスが存在する第一同期チャネル(P-SCH)をブラインド検出する。P−SCHは周波数としてはシステム帯域幅の中心72サブキャリアに、時間的としては無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)にマッピングされる。よってP−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出と、セルグループ(先のP−SCHの3週類のシーケンスに対応する1〜3グループ)を知ることが出来る。第二段階として、移動端末は、第二同期チャネル(S-SCH)をブラインド検出する。S−SCHのマッピング位置はP−SCHと同様である。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とセル識別子(Cell ID)を知ることが出来る。
ステップST1704にて移動端末は、セルセレクションを行う。セルセレクションは移動端末が複数の基地局からの下り受信感度を測定した測定結果を用いて、サービング基地局(セル)になり得る条件を満足した基地局を1つ選択する処理である。サービング基地局になり得る条件の具体例としては、複数の基地局からの下り受信感度の中でもっとも受信感度が良いもの、あるいはサービング基地局の受信感度の最低閾値を超えた基地局などが考えられる。実際に移動端末が測定する値としては、リファレンスシンボル受信電力(Reference Symbol received power: RSRP)、E−UTRAキャリア受信信号強度値(E-UTRA carrier received signal strength indicator: RSSI)などがある。サービング基地局とは、当該移動端末のスケジューリングを担当する基地局である。当該移動端末のサービング基地局以外の基地局であっても、他の移動端末にとってはサービング基地局になり得る。つまりユニキャストセルあるいは、MBMS/ユニキャスト混合セルの全ての基地局はスケジューリング機能を有し、いずれかの移動端末のサービング基地局となり得る。ステップST1705にて、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルは論理チャネルのひとつである報知制御チャネル(BCCH)を用いて報知情報を送信する。報知情報の具体例は、メジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)などがある。メジャメント周期とはネットワーク側が傘下の移動端末に通知する周期であって、この周期にしたがって移動端末は電界強度などの測定を行う。間欠受信周期とは、移動端末が待受け状態(Idle State)時にページング信号を受信するために、周期的にページング信号をモニタする周期である。TA情報とは「追跡領域」(Tracking Area)に関する情報である。MMEはUEが登録されている追跡領域に属する各eNBにページングメッセージを送ることにより、ページング処理を開始する(TS36.300 19.2.2.1)。ステップST1706にて、移動端末はサービング基地局からBCCHを介してメジャメント周期、間欠受信周期、TA情報などを受信する。
ステップST1707にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルはBCCHを用いて、移動端末に対して、利用可能なMBMSサービスの周波数、つまり受信可能なMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)の周波数(f(MBMS)と称する)を1つあるいは複数報知する。W−CDMA通信システムではプリファード周波数情報(Preferred frequency information: PL情報)というパラメータが存在した。PL情報はネットワーク側で論理チャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)にマッピングされ、傘下の移動端末に対して報知される。しかし、LTEシステムにおいては、MBMSサービスを提供しないユニキャストセルを設けることが予定されており、かかるユニキャストセルでは、MBMS用のチャネルであるMCCHを用いてf(MBMS)を報知する方法は採用できないという問題がある。
ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)を受信する。f(MBMS)を移動端末が受信することで、移動端末は現在の周波数以外でサービスが存在する可能性のある周波数について総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、移動端末が現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。ステップST1707、ステップST1708は実施の形態11で述べた「受信可能なMBMSに関する報知」の詳細な具体例である。ここで、移動体通信システムとしてf(MBMS)が静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりf(MBMS)を報知せずに上記移動端末が現在の周波数以外の周波数からサービスを受信するまでの制御遅延が短くなるという効果を得ることができる。さらに、f(MBMS)を報知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果も合わせて得ることができる。
一方、ステップST1707とステップST1708において、f(MBMS)に加えて各f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数を基地局からBCCHを用いて報知することも可能である。これにより、ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)を受信することにより、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいて、システム情報(システム帯域幅、送信アンテナ数)を取得する必要がなくなるので、制御遅延を短くすることができるという効果を得ることができる。なぜならf(MBMS)を受信するためにユニキャスト/周波数レイヤにおいてはサービング基地局からのBCCHを受信する必要があるので、情報(システム帯域幅、送信アンテナ数)が増えたとしても移動端末の処理時間としてはさほど長くはならない。一方、MBMS送信専用の周波数レイヤに移ってから、MBMS送信専用の周波数レイヤのシステム情報を取得するためには、MBMS送信専用の周波数レイヤにおける情報を受信する必要があり、あらたに別のチャネルのデコード処理が必要となるため、制御遅延が発生する。
ステップST1709にて移動端末は、プロトコル処理部1101あるいは制御部1110にて保管している現在のトラッキングエリアリスト(TA List)中に、ステップST1706で受信したサービング基地局のTA情報が含まれているか確認する。含まれている場合、図18のステップST1720へ移行する。含まれていない場合はステップST1710を実行する。ステップST1710にて移動端末は、「アタッチリクエスト」(Attach Request)をサービング基地局へ通知する。「アタッチリクエスト」に含まれる情報としては、移動端末の識別子(IMSI(International Mobile Subscriber Identity)あるいはS-TMSI(S-Temporary Mobile Subscriber Identity, S-TMSIは単にTemporary Mobile Subscriber Identity(TMSI)と称されることもある)、移動端末の能力(Capability)などがある。ステップST1711にて「アタッチリクエスト」を受信したサービング基地局は、ステップST1712にて「アタッチリクエスト」をMME(Mobility Management Entity)あるいはHSS(Home Subscriber Server)へ通知する。ステップST1713にてMMEは「アタッチリクエスト」を受信する。MMEのアイドルステートモビリティ管理部1305−3は、各移動端末のトラッキングエリアリストを管理している。ステップST1714にてMMEは当該移動端末の管理しているトラッキングエリアリストに当該移動端末のサービング基地局が含まれているか確認する。含まれている場合は、図18のステップST1716へ移行する。含まれていない場合はステップST1715を実行する。ステップ1715にてMMEのアイドルステートモビリティ管理部1305−3は、当該移動端末の管理しているトラッキングエリアリストに当該移動端末のサービング基地局のTA情報を追加(あるいは更新)する処理を行う。ステップST1716にてMMEは「アタッチアクセプト」(Attach Accept)をサービング基地局へ通知する。「アタッチアクセプト」に含まれる情報としては、トラッキングエリアリスト、移動端末へ与えられる識別子(S-TMSIなど)などがある。ステップST1717にて「アタッチアクセプト」を受信したサービング基地局は、ステップST1718にて「アタッチアクセプト」を当該移動端末へ通知する。ステップST1719にて移動端末は「アタッチアクセプト」を受信する。
図18は、MBMSサーチ処理を示すフローチャートである。図18のステップ1720〜ステップ1725は、実施の形態11で述べた「MBMSのサーチ」の具体的な処理である。ステップST1720にて移動端末は、ステップST1708にて受信可能なMBSFN同期エリアの周波数(あるいはMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数)を受信したか確認する。つまりf(MBMS)を1つ以上受信したか確認する。存在しなかった場合、処理を終了する。存在した場合、ステップST1721を実行する。ステップST1721にて移動端末は、ユーザがf(MBMS)にてMBMSサービスを受信する意思があるかどうかを確認する。確認の具体例としては、ユーザがMBMSサービスを受信する意思が有る場合にユーザインタフェースを用いて移動端末に対して指示を送り、移動端末はユーザの意思をプロトコル処理部1101へ保管する。ステップST1721にて移動端末はプロトコル処理部1101に保管されているMBMSサービスを受信する意思の有無を確認する。MBMSサービスを受信する意思がなければ、ステップST1721の処理を繰り返す。繰り返す方法としては、一定周期で移動端末がステップST1721の判断を行う方法、あるいはユーザからのユーザインタフェースを通じたMBMSサービスを受信する意思の変更通知があった際にステップST1721あるいは、ステップST1720を行う方法などがある。MBMSサービスを受信する意思があれば、ステップST1722へ移行する。ステップST1722にて移動端末は、周波数変換部1107(シンセサイザ)の設定周波数を変更し、中心周波数をf(MBMS)へ変更することによりMBMSのサーチ動作を開始する。周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数を変更することをリチューン(re-tune)と称する。ステップST1723にて、MBMS専用セルは第一同期チャネル(Primary Synchronization Signal: P-SCH)と第二同期チャネル(Secondary Synchronization Signal: S-SCH)、レファレンス信号(RS(MBMS))、BCCHを傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1724にて、移動端末はMBMS専用セルからのP−SCH、S−SCH、RS(MBMS)、BCCH(報知制御チャネル)を受信する。
ステップST1725にて移動端末はMBMSのサーチ動作を行う。現在3GPPで議論されているMBMS送信専用の周波数レイヤにおけるサーチ動作について説明する。P−SCHにMBMS送信専用の周波数レイヤにおいて専用的に用いるシーケンスを追加する。追加の専用シーケンスは、静的に規定されたものとする。第一段階として移動端末は、追加の専用のシーケンスにてP−SCHをブラインド検出する。P−SCHは周波数的にはシステム帯域幅の中心72サブキャリアに、時間的としては無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)にマッピングされる。よってP−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出することができる。また、P−SCHはマルチセル送信される。第二段階として移動端末は、S−SCHをブラインド検出する。S−SCHのマッピング位置はP−SCHと同様である。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とMBSFNエリアIDを知ることが出来る。またS−SCHはマルチセル送信される。第二段階で得たMBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いてBCCHを受信する。移動端末は、BCCHをデコードすることにより、MCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを得ることが出来る。このデコード処理は、前記MBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いる。またBCCHはマルチセル送信される。本発明では、さらにBCCHをデコードすることによりf(MBMS)におけるシステム帯域幅、f(MBMS)における送信アンテナ数を得ることが出来るものとする。ここで、移動体通信システムとしてf(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりf(MBMS)におけるシステム帯域幅または/かつ送信アンテナ数を報知する必要がなく、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。さらにデコードおよび、パラメータ(f(MBMS)におけるシステム帯域幅または/かつ送信アンテナ数)の変更が不要となるので移動端末の低消費電力化、制御遅延の削減という効果を得ることが出来る。
本発明では、ステップST1725で行われるMCCHのスケジューリングについて更に検討する。現在の3GPPの規格においてMBSFN同期エリア(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network Synchronization Area f(MBMS))は1つ以上のMBSFNエリア(MBSFN Areas)を支持することができることになっている(図7参照)。一方、ひとつの周波数(Single Frequency)であるf(MBMS)で複数のMBSFNエリアをどのように多重するのかは決まっていない。ここではMBSFNエリアの多重方法が異なった場合であっても本発明が適応可能となるように多重方法ごとに「MBMS サーチ」処理を説明する。
図60に、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHの構成を示す。図60はMBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)としている。セル#n1(セル#n2、セル#n3)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2、MBSFNエリア3)内のセルである。現在の3GPPでは非特許文献2にてミクスドセルにおけるMBSFNサブフレームの割り当てについての議論はなされている。しかし、MBMS専用セルにはユニキャスト用のサブフレームが存在しないため、全てがMBSFNサブフレームとなる。よって非特許文献2の議論をそのまま流用することは出来ない。しかし、ミクスドセルとMBMS専用セルの構成を可能な限りにおいて統一することは移動体通信システムの複雑化を回避する上で重要である。よって非特許文献2で開示されている「MBSFNフレームクラスタ」(MBSFN frame Cluster)について考え方を踏襲した上で、MBMS専用セルのスケジューリングについての方法を開示する。さらに、非特許文献2ではMBSFNサブフレーム内のMCCHのスケジューリングについては触れられていない点においても本発明との異なる点である。MCCHのスケジューリングの具体例については議論されていない。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。
セル#n1のセルはMBSFNエリア1に属するため、MBSFNエリアに対応したPMCHがある時間に送信される。PMCHはMBSFNエリア内でマルチセル送信されるため、MBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割り当てられるMBSFNフレームの集合を「MBSFNフレームクラスタ」とする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。MBSFNフレームクラスタが繰り返される周期を「MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期」(MBSFN frame cluster Repetition period)とする。PMCHにはひとつまたは複数のMBMS用のトランスポートチャネルMCHがマッピングされ、MCHにはMBMS用制御情報のロジカルチャネルMCCHとMBMS用データのロジカルチャネルMTCHのいずれか、あるいは両方がマッピングされる。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHがマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。各MBSFNフレームクラスタ上にMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、MCCHの繰り返し周期はMBSFNフレームクラスタの繰り返し周期と異なる。また、MBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。
図60で、セル#n1(セル#n2、セル#n3)のセルはMBSFNエリア1(MBSFNエリア2、MBSFNエリア3)に属し、各MBSFNエリアに対応したPMCHがある時間に送信される。MCCH1(MCCH2、MCCH3)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2、MBSFNエリア3)用のMBMS制御情報で、MTCH1(MTCH2、MTCH3)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2、MBSFNエリア3)用のMBMSデータである。各MBSFNエリア毎に、MCCHの繰り返し周期は異なっていても良い。図において、セル#n1(セル#n2)のMCCH繰り返し周期は"MCCH Repetition period1(2)"と表記される。MBSFNエリア毎のPMCHは時分割多重されており、そのため、セル間の同期が確保されているMBSFN同期エリア内でMBSFNエリア間のセルの直交性が得られ、他MBSFNエリアのセルからの干渉が防げる。MBSFNエリアではマルチセル送信が用いられるため、各MBSFNエリア内のセルは各々同一のPMCHにて同一のデータを送信する。一つのセルにMBSFNエリアが複数重複していても、上記PMCHの構成は各MBSFNエリア間の直交性を保ったまま適用することが可能である。
MCCHのスケジューリングについて詳細を説明する。MBSFNフレームクラスタがMCCH繰り返し周期より小さい場合について説明する。MBSFNフレームクラスタがMCCH繰返し周期より大きい場合については後述する。MCCHのスケジューリングとしてMCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値およびMCCH繰り返し周期を通知することを考える。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。MCCHスターティングポイント値を求める具体的な計算式は下記のとおりである。
MCCHスターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH Repetiton Period)
図60においては、MBSFNエリア1のMCCHスターティングポイント値1は、1mod18=1 あるいは 19mod8=1・・・となりMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し周期1「18」、MCCHスターティングポイント値1「1」となる。MBSFNエリア2のMCCHスターティングポイント値2は、4mod9=4 あるいは 13mod9=4 あるいは 22mod9=4・・・となりMBSFNエリア2のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し期間2「9」、MCCHスターティングポイント値2「4」となる。MBSFNエリア3についても同様である。この時のシステムフレームナンバーSFNはBCCHにマッピングされているとすれば毎サブフレーム報知され、MCCHスターティングポイント値からMCCHを受信する際にも有効である。更に、MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局(セル)、例えばセル#n1から送信されるデータとしては次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1、MCCHスターティングポイント値1「1」、MCCH繰返し周期1「18」などがマッピングされ、拡散符号1(Scrambling code1)がかけられたBCCH1、MBSFNエリア1のMCCH1とMTCH1が送信される。MBSFNエリア2、3に属する基地局からのMCCH2、3とMTCH2、3のリソースは送信オフ(DTX: Discontinuous transmission)となる。MCCH1とMTCH2には拡散符号1がかけられても良い。MCCH1とMTCH1に拡散符号をかけることにより、MBSFNエリア固有のデータ(BCCH、MCCH、MTCH)への処理が統一されるという効果を得ることが出来る。逆にエリア間においてMCCH及びMTCHは時分割多重されているので、MBSFNエリア固有の拡散符号をかけなくても良い。MCCH1とMTCH1に拡散符号をかけないことにより、基地局側でのエンコード処理、移動端末側でのデコード処理の負荷が軽くなり、データ受信までの遅延が減るという効果を得ることが出来る。
MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2、MCCHスターティングポイント値2「4」、MCCH繰り返し周期2「9」などがマッピングされ、拡散符号2がかけられたBCCH2、MBSFNエリア2のMCCH2とMTCH2が送信される。MBSFNエリア1、3に属する基地局からのMCCH1、3とMTCH1、3のリソースは送信オフ(DTX)となる。MBSFN Area3についても同様である。 図60においては便宜上MCCHとMTCHがサブフレーム単位で時分割されて例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位がサブフレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。また、移動体通信システムとしてMCCH繰返し周期を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりMCCH繰り返し周期を報知する必要がなくなる。報知する情報が少なくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
図61に、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHの構成を示す。図61では、MBSFNエリア毎にPMCHが符号分割多重(Code Division Multiplex)されている。セル#n1(セル#n2、セル#n3)はMBSFNエリア1(MBSFNエリア2、MBSFNエリア3)内のセルである。セル#n1のセルではMBSFNエリア1に対応したPMCHが送信される。ここで、該PMCHは時間的に連続していても良いし、不連続でも良い。不連続の場合は、MBSFNフレームクラスタ周期(MBSFN frame cluster Repetition period)は、MBSFNエリアに対応したPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタが繰り返される周期に一致する。また、連続の場合のMBSFNフレームクラスタ繰り返し周期(MBSFN frame cluster Repetition period)は0としても良い。また、連続の場合はMBSFNフレームクラスタ繰返し周期を明示的に通知しないとしても良い。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。MCCHが繰り返される周期をMCCH繰り返し周期1とする。
同様に、セル#n2(セル#n3)のセルではMBSFNエリア2(MBSFNエリア3)に対応したPMCHが送信される。各MBSFNエリア毎に、MCCHの繰り返し周期は異なっていても良い。セル#n2(セル#n3)のMCCH繰り返し周期をMCCH繰り返し周期2(MCCH繰り返し周期3)とする。MBSFNエリア毎のPMCHには、MBSFNエリア固有の拡散符号が乗じられたデータがマッピングされるため、セル間の同期が確保されているMBSFN同期エリア内でMBSFNエリア間の干渉が抑圧できる。MBSFNエリアではマルチセル送信が用いられるため、各MBSFNエリア内のセルは、各々同一のPMCHにて同一のデータ、すなわちMBSFNエリア固有の拡散符号の乗じられたデータを送信する。一つのセルにMBSFNエリアが複数重複していても、上記PMCHの構成は各MBSFNエリア間の干渉を抑制したまま適用することが可能である。
各MBSFNエリアから送信されるデータ(P−SCH、S−SCH、BCCH)については、先に記した時分割多重時の説明と同様であるため、説明を省略する。MCCHのスケジューリングの具体例についても先に記した時分割多重時の説明と同様である。本発明では、「MCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値」と「MCCH繰り返し周期」を、MCCHのスケジューリングに使用するため、セルが端末に対して通知することを考える。更に具体的には、オフセット値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は下記の式で表される。
MCCHスターティングポイント値=(MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MCCH Repetiton Period)
図61においては、MBSFNエリア1のMCCHスターティングポイント値は、1mod9=1、あるいは、10mod9=1・・・となり、MBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し周期1「9」、スターティングポイント値「1」となる。MBSFN Area2のMCCHスターティングポイント値は、4mod12=4、あるいは、16mod12=4・・・となり、MBSFNエリア1のMCCHスケジューリングのパラメータはMCCH繰り返し周期2「12」、スターティングポイント値「4」となる。MBSFN Area3も同様である。更に、MCCHが無線フレーム中の一部のサブフレームにマッピングされている場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。
つまりMBSFNエリア1に属する基地局(セル)、例えばセル#n1から送信されるデータとしては、MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1、MCCHスターティングポイント値1「1」、MCCH繰り返し周期1「9」がある。これらのデータは、BCCH1、MCCH1、MTCH1にマッピングされ、さらに拡散符号1により拡散されて送信される。MBSFNエリア2、3の場合も同様である。
図61においては便宜上MCCHとMTCHがサブフレーム単位で時分割された例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位がサブフレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。また、移動体通信システムとしてMCCH繰り返し周期を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しておけば、基地局よりMCCH繰り返し周期を報知する必要がなくなる。報知する情報が少なくなるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、MBSFNエリアを符号分割多重する場合、MBSFNエリア毎に異なる繰り返し周期を設定することができるので、MBSFNエリアを時分割多重する場合に対して、MBMSサービスとして自由度の高いスケジューリングができるという効果を得ることができる。また、移動端末において、複数のMBSFNエリアからのMTCH及びMCCHを受信した場合でもそれらを分離することができるので、MBSFNエリア1〜3から同時にMTCH、MCCHを送信することが可能となり、1つのMBSFNエリアに割り当てられる周波数及び時間的な無線リソースが拡大するという効果を得ることが出来る。
次に、図18、図19を適宜参照しながら、図16のステップST1603の「MBMSエリア情報取得」について更に具体的に説明する。各MBSFNエリアのMCCH(マルチキャスト制御チャネル)はマルチセル送信を考える。よって、図18のステップST1726にてMCEは、MBSFNエリア内の基地局に対してMCCHの内容及びMCCHを送信するための無線リソースの割り当てを送信する。ステップST1727にて各MBMS専用基地局はMCEからMCCHの内容及びMCCHを送信するための無線リソースの割り当てを受信する。図19のステップST1728にて各基地局はMCEから割り当られた無線リソースに従い、MBMSエリア情報、間欠受信(DRX)情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータ(具体例としては、ページンググループ数K)などの制御情報を、MCCHを使用してマルチセル送信する。ステップST1729にて移動端末は、MBSFNエリア内の各基地局からMCCHを受信する。MCCH受信にはステップST1725にてネットワーク側より受信したMCCHのスケジューリングを用いる。
受信の方法の具体例について説明する。代表として、各MBSFNエリアが図60のように時分割多重されている場合について説明する。移動端末がMBSFNエリア1に属するセル#n1に位置していた場合について説明する。移動端末はBCCH1(報知制御チャネル)をデコードすることで、MCCH1のスケジューリングパラメータとして、スターティングポイント値1「1」、MCCH繰返し周期1(MCCH Repetition Period)「7」を受信する。またSFN(System Frame Number)がBCCHにマッピングされているとすれば、移動端末は、BCCHをデコードすることでSFN番号を知ることが出来る。移動端末は、以下の式にてMCCHがマッピングされているSFN番号を求めることが出来る。
SFN=MCCH繰返し周期1×α+スターティングポイント値1(αは正の整数)
移動端末は、MCCH1がマッピングされるSFN番号の無線リソースを受信してデコードすることによりMCCH1を受信することが出来る。MCCH1には、MBSFNエリア1からマルチセル送信されるMBMSサービス用の制御情報がマッピングされている。制御情報の具体例としては、MBMSエリア情報、DRX情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータなどがある。
MBMSエリア情報について更に具体例を図60を用いて説明する。MBMSエリア情報として、各エリアのフレーム構成(MBSFNフレームクラスタ(MBSFN frame Cluster)、MBSFNサブフレーム)、サービス内容、MTCHの変調情報などが考えられる。MBSFNフレームクラスタ1として1MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期内のMBSFNエリア1に割り当てられたフレームの集合中のフレーム数が通知される。MBSFN サブフレーム1としてMBSFNフレームクラスタ1内の1無線フレーム内に実際にMBMSデータ(MTCHまたは/かつMCCH)がマッピングされているサブフレーム番号が通知される。MBMS専用基地局を用いたMBMSサービスの提供においては、MBMS/ユニキャスト混合セルとは異なり、ユニキャストデータとの無線リソースを共有する必要がない。よって1無線フレーム内の全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングすることが可能である(但し、P−SCH、S−SCH、BCCHマッピング部分除く)。全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングする場合は、MBSFNサブフレームのパラメータをネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がない。これにより無線リソースの有効活用を図ることができる。あるいは、無線通信システムとして静的にMBMS専用セルからのMBMSデータの送信時は全てのサブフレームにMBMSデータをマッピングするという方法をとれば、大容量のMBMSデータを送信することが可能となり、またMBSFNサブフレームのパラメータをも通知する必要がなくなるので、更に無線リソースの有効活用が図ることができる。サービス内容として、MBMSエリア1で行われているサービス内容が通知される。MBSFNエリア1において複数のサービス(映画とスポーツ中継など)が行われている場合、複数のサービス内容とその多重パラメータが通知される。
図62は、移動端末へのMBMSデータの送信が停止され、移動端末でのMBMSデータの受信動作が停止するDRX期間と、DRX期間が繰り返される周期であるDRX周期の関係を示す説明図である。DRX(Discontinuous reception)情報について図62を用いて更に具体例を説明する。本発明の課題である、MBMS専用基地局で構成されたMBMS送信専用の周波数レイヤにおいても、移動端末のモビリティ管理が可能とする解決策として、MBMS送信専用周波数レイヤにてMBMSサービス受信中であっても、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行うことを開示する。これにより、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティをユニキャスト/混合セル経由にて確保することが可能になるという効果を得ることができる。よって、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信中の移動端末であっても、一定周期にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントを行う必要がある。従来の方法(3GPP W−CDMA)において、メジャメント周期は間欠受信周期の整数倍であり、移動端末に対してネットワーク側より上位レイヤにて通知される。
ここで、MBMS送信専用セルにてMBMSサービスを受信している移動端末が、従来の方法を適用してユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの上位レイヤより通知されたメジャメント周期にてメジャメントを行うとすれば、MBMS送信専用の周波数セルのMBMSFN同期エリアを構成している基地局とユニキャスト/ミクスド周波数レイヤを構成している基地局は互いに同期していない(非同期)であるため、メジャメントを行うために、MBMS受信を中断しなければならなくなるという課題が発生する。
そこで、本発明では、上記課題の解決策として、MBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設けることとする(図62参照)。DRX期間とは、MBSFN同期エリア内で全MBSFNエリアのMBMSサービスに関する、ネットワーク側から移動端末へのMBMSデータの送信を停止する期間、つまり移動端末側から見るとMBMSデータの受信を行わない期間を意味することとする。MBMS送信専用周波数レイヤにおいてMBMSサービスを利用している移動端末は、MBMSデータがネットワーク側から送信されないDRX期間に、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントを行うことにより、MBMSサービスの利用を中断する必要がなくなるという効果を得る。また、DRX期間をMBSFN同期エリアに設けることにより、移動端末は、何の制御を付加することなく、MBSFN同期エリア内のMBSFNエリアからのMBMSデータを同時に受信可能となる。
次に図62に示したDRX周期について説明する。DRX周期とは先に説明したDRX期間が繰り返される周期をいう。従来の方法においてメジャメント周期は移動端末に対してネットワーク側から設定(通知)される。この方法をLTEにおいても踏襲するならば、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてMBMSサービスを受信中の移動端末がDRX期間にてユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおけるメジャメントを実施するとすれば、MBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間の情報をいずれかの経路を通じてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル側の制御装置(基地局、MME、PDNGWなど)に通知する必要がある。さらにはユニキャスト/ミクスド周波数レイヤを構成する基地局は基本的には非同期で構成されていることより、MBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間を各ユニキャストセルあるいは各MBMS/ユニキャスト混合セルに通知する必要が出てくる。この方法は、移動体通信システムを複雑化するものであり好ましくない。よって本発明では以下の方法を開示する。
MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX期間にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでのメジャメント周期が1回以上含まれるようにする。これにより、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにて移動端末にどのメジャメント周期が通知(設定)されたとしても、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてDRX周期にて設けられたDRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行えば、ネットワーク側から通知されたメジャメント周期を満足することが可能となる。この方法を採用することにより、MBMS送信専用セルの制御装置(基地局、MCE、MBMSゲートウェイ、eBNSCなど)から、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの制御装置に対して、MBMS送信専用セルのDRX周期やDRX期間を通知する必要がなくなる。よって、移動体通信システムの複雑化を防ぐ、つまり無線インタフェース上あるいはネットワーク内の追加のシグナリングを回避しつつ、MBSFN送信専用周波数レイヤにてMBMSサービス受信中の移動端末がMBMSサービスの受信を中断することなく、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャストミクスドセルが当該移動端末に通知(設定)した、メジャメント周期にてメジャメントを実行することが出来るという効果を得ることになる。
MBMS送信専用セルにおけるDRX周期を、ユニキャストセル、ユニキャスト/混合周波数セルでとり得るメジャメント周期の最小値あるいは最小値の約数とする。ユニキャストセルあるいは、MBMS/ユニキャスト混合セルが、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期がユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで取り得るメジャメント周期と異なる場合は、DRX周期は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期、あるいは前記メジャメント周期の最小値、あるいは前記メジャメント周期の最小値の約数とする。これにより、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにて移動端末にどのメジャメント周期が通知(設定)されたとしても、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてDRX周期にて設けられたDRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行えば、ネットワーク側から通知されたメジャメント周期を満足することが可能となる。この方法を採用することにより、MBMS送信専用セルの制御装置(基地局、MCE、MBMSゲートウェイ、eBNSCなど)から、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの制御装置に対して、MBMS送信専用セルのDRX周期やDRX期間を通知する必要がなくなる。よって、移動体通信システムの複雑化を防ぐ、つまり無線インタフェース上あるいはネットワーク内の追加のシグナリングを回避するという効果を得ることになる。また該DRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのサービングセルから報知情報の取得を行っても良く、例えばサービングセルにおける報知情報が修正された場合などに対応することが可能となる。
DRX情報の具体的なパラメータ例について図62を用いて説明する。具体的には、DRX情報のパラメータは、DRX期間、DRX周期、スターティングポイント値(DRX)が考えられる。具体的には、DRX期間、DRX周期の指定には無線フレーム数を用いる。図62において、DRX期間は「4」無線フレーム(SFN4〜7間での期間)となる。またDRX周期は「7」無線フレーム(SFN4〜10までの期間)となる。更にDRX期間が始まるスターティングポイント値(DRX)の指定にはSFNを用いる。DRX期間、DRX周期の指定に無線フレーム数以外を用いても良い、具体例として、サブフレームなどがある。スターティングポイント値の指定にSFN以外を用いても良い、具体例として何らかの基準値からのオフセット値などがある。DRX期間が無線フレーム中の一部のサブフレームとなる場合などは、スターティングポイントとしてSFNかつサブフレーム番号などが通知されても良い。スターティングポイント値(DRX)を求める具体的な計算式は、スターティングポイント値(DRX)=(DRX期間が始まる先頭のSFN番号)mod(DRX周期)となる。図62においては、スターティングポイント値(DRX)は、4mod7=4 あるいは 11mod7=4・・・となる。ここで、スターティングポイント値(DRX)の指定にSFNを用いる例を示した。ここでは、MBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設ける例について説明した。よってスターティングポイント値(DRX)についても、MBSFN同期エリア内の基地局共通とする。スターティングポイント値(DRX)にSFNを用いた場合を考える。MBSFN同期エリア内の基地局から同じタイミングで同じ番号が送信されるとする。上記では、DRX情報をMCCHにマッピングしてMBSFN Area内の基地局から移動端末に通知する例について説明した。同様にDRX情報をBCCHにマッピングしてMBSFNエリア内の基地局から移動端末に通知しても、同様の効果が得られる。更には、DRX情報をBCCHにマッピングしてサービング基地局から移動端末に通知しても、同様の効果が得られる。更には、DRX情報を静的(Static)あるいは準静的(Semi-Static)に決定しても同様の効果がえられる。これにより報知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用という効果も合わせて得ることができる。
MBMS受信時間欠受信用パラメータについて更に具体例を説明する。非特許文献1にてページンググループがL1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)にて通知されることが開示されている。MBMS専用セルから送信される無線リソースにL1/L2シグナリングチャネルが存在するか否かは、まだ決定されていない。本実施の形態では、MBMS専用セルから送信される無線リソースにはL1/L2シグナリングチャネルが存在しないとして考える。しかし、LTEという同じ移動体通信システム中に存在するユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル、MBMS送信専用セルのページング通知方法は可能な限り統一することが好ましい。統一することにより、移動体通信システムの複雑化を回避できるからである。以下の説明では、MBMS受信時間欠受信時用のパラメータとしてページンググループ数(以降、KMBMS)を考える。
次に、図16を用いて説明した「MBMSサービス選択」について更に具体的に説明する。図19のステップST1730にて移動端末は、該当MBMSエリアにてユーザ所望のサービスが行われているか知るため、MBMSエリア情報に含まれるサービス内容を確認する。当該MBSFNエリアにてユーザ所望のサービスが行われている場合は、ステップST1731へ移行する。ユーザ所望のサービスが行われていない場合は、ステップST1733へ移行する。ステップST1731にて移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1732へ移行し、閾値以下であればステップST1733へ移行する。ステップST1732にて移動端末は、ユーザが所望のMBMSサービスを受信するためのMBMS送信専用の周波数f(MBMS)とMBSFNエリアIDを取得する。一方、ステップST1733にて移動端末は同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在するか否か判断する。同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在する場合は、ステップST1730へ戻り処理を繰り返す。存在しない場合はステップST1734へ移行する。ステップ1734にて移動端末は、ステップST1708にて受信した受信可能なMBSFN同期エリアの周波数リストにて他の周波数が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST1722へ戻り、新たな周波数(f2(MBMS))へシンセサイザを切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は、ステップST1720へ戻り処理を繰り返す。またステップ1731にてレファレンスシグナルを受信し、受信電力を測定する代わりに、実際に当該MBSFNエリアのMBMSサービス(MTCHまたは/かつMCCH)を受信し、デコードを行うことも可能である。その場合、ユーザ自身がデコード後のデータを聞くあるいは見ることにより自分自身が許容できる受信感度であるか否かを判断できる。許せる場合ステップST1732へ移行し、許せない場合ステップST1733へ移行する。許せる受信感度には、ユーザ毎に個人差があるので、よりユーザに適合した移動端末になるという効果を得ることが出来る。
図58は、ユニキャスト側メジャメント処理を示すフローチャートである。図58のステップST1753にて移動端末は、図19のステップST1729で受信したDRX情報を用いて、MBMSサービスのDRX期間開始タイミングが到来したか判断する。具体例としては、ステップST1729にて受信するパラメータ例のDRX周期、スターティングポイント値(DRX)を用いてDRX期間が始まる先頭のSFN番号を求め、BCCH(報知制御チャネル)などにマッピングされるSFNを基にDRX期間開始タイミングであるか否かを判断する。開始タイミングでなかった場合、ステップST1772に移行する。開始タイミングであった場合、ステップST1754へ移行する。ステップST1754にて移動端末は、ステップST1705にて受信したMBMS/ユニキャスト混合セルにおけるメジャメント周期であるか否かを判断する。メジャメント周期でなかった場合、ステップST1772に移行する。メジャメント周期であった場合、ステップST1755へ移行する。ステップST1755にて移動端末は、周波数変換部1107(シンセサイザ)の設定周波数を変更し、中心周波数をf(Unicast)へ変更することによりMBMS/ユニキャスト混合セルの下り信号を受信するようにする。ステップST1756にて移動端末は、ユニキャスト側(ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セル)のメジャメントを実行する。実際に移動端末が測定する値としては、サービングセルと周辺セルのRSRP、RSSIなどが考えられる。周辺セルの情報は、周辺セル情報(リスト)としてサービングセルから報知される場合もある。
ステップST1757にて移動端末は、ステップST1756にて測定した結果、サービングセルの再選択(cell re-selection)が必要か否か判断する。判断の具体例としては、周辺セルの中の1つのセルの測定結果が、サービングセルの測定結果を上回った場合などが考えられる。再選択が必要ない場合、ステップST1771へ移行する。再選択が必要な場合、ステップST1758、1759が実行される。ステップ1758にて新しくサービングセルとして選択する基地局(新しいサービングセル:New serving cell)は、ステップST1705同様、BCCH(報知制御チャネル)にてメジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)を傘下の移動端末に対して報知する。ステップST1759にて移動端末は、移動端末は新しいサービングセルからのBCCHを受信しデコードすることによりメジャメント周期、間欠受信周期、TA情報を受信する。ステップST1760にて移動端末は、プロトコル処理部1101あるいは制御部1110にて保管している現在のトラッキングエリアリスト(TA List)中に、ステップST1759で受信したサービング基地局のTA情報が含まれているか確認する。含まれている場合、ST1771へ移行する。含まれていない場合はステップST1761を実行する。ステップST1761〜ステップST1770までの説明は、ステップST1710〜ステップST1719までの説明と同様であるために省略する。ステップST1771にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(MBMS)へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。
ステップST1753〜ステップST1771までの「Unicast側メジャメント」処理により、移動端末は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中であっても、ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルのメジャメントが可能となる。これによりMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末が、ユニキャストセルまたは/かつMBMS/ユニキャスト混合セルにおいてのモビリティを確保することが可能になるという効果を奏する。これにより、上りリンクが存在しないMBMS専用セルにおけるモビリティをMBMS/ユニキャスト混合セル経由にて確保することが可能になるという効果を得ることができる。また、MBMS送信専用周波数レイヤにてサービスを受信中の移動端末においてもユニキャストセルまたはMBMS/ユニキャスト混合セルとの測定を通じた下り同期確立をメジャメント周期により行うことが可能となる。これにより、移動端末が、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでメッセージを送信する場合であっても、制御遅延少なく実現可能となる効果を得ることが出来る。
次に、図16で述べた「MTCH受信」について具体的に説明する。図59のステップST1772にて移動端末は、MCCHスケジューリング情報により、受信中のMBSFNエリア番号のMCCH受信タイミングであるか判断する。つまり、移動端末はステップST1725にて受信したMCCH(マルチキャスト制御チャネル)のスケジューリングを用いて、MCCH受信タイミングであるか否か判断する。具体的には、ステップST1725にて受信するパラメータ例のMCCH繰り返し期間、スターティングポイント値を用いてMCCHがマッピングされる先頭のSFN番号を求め、BCCHなどにマッピングされるSFNを基にMCCHがマッピングされる先頭であるか否かを判断することにより、MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号であるか否かを判断する。MCCHの受信タイミングであった場合、ステップST1840へ移行する。MCCHの受信タイミングでなかった場合、ステップST1841へ移行する。ステップST1840にて移動端末は、MCCHの受信・デコードを行う。その後ステップST1842へ移行する。ステップST1841にて移動端末は、ステップST1725にて受信したMCCHのスケジューリングまたは/かつステップST1729にて受信したMBMS Area情報を用いて、MTCH受信タイミングであるか否か判断する。MTCHの受信タイミングであった場合、ステップST1843へ移行する。MTCHの受信タイミングでなかった場合、ステップST1753へ移行する。ステップST1842にて移動端末は、ステップST1725にて受信したMCCHのスケジューリングまたは/かつステップST1729にて受信したMBMS Area情報を用いて、MTCH受信タイミングであるか否か判断する。MTCHの受信タイミングであった場合、ステップST1843へ移行する。MTCHの受信タイミングでなかった場合、ステップST1794へ移行する。ステップST1843にて移動端末は、MTCHの受信・デコードを行う。その後ステップST1794へ移行する。
図59のST1794にて移動端末は、受信中のMBMSサービスの受信品質を測定する。移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1795へ移行し、閾値以下であればステップST1796へ移行する。またステップ1794にてレファレンスシグナルを受信し、受信電力を測定する代わりに、実際に当該MBSFNエリアのMBMSサービス(MTCHまたは/かつMCCH)を受信し、デコードを行うことも可能である。その場合、ユーザ自身がデコード後のデータを聞くあるいは見ることにより自分自身が許せる受信感度であるか否かを判断できる。許せる場合ステップST1795へ移行し、許せない場合ステップST1796へ移行する。許せる受信感度には、ユーザ毎に個人差があるので、よりユーザに適合した移動端末になるという効果を得ることが出来る。ステップST1795にて移動端末は、ユーザの意思を確認する。ユーザが受信中のMBMSサービスの受信を引き続き望んでいる場合には、ステップST1753へ移行する。ユーザが受信中のMBMSサービスの受信の終了を望んでいる場合には処理を終了する。ステップST1796にて移動端末は、同じ周波数内(f(MBMS))にて受信可能な他のMBMSエリアが存在するか否か判断する。存在する場合は、ステップST1730へ戻り処理を繰り返す。存在しない場合はステップST1797へ移行する。ステップ1797にて移動端末は、ステップST1708にて受信した受信可能なMBSFN同期エリアの周波数リストにて他の周波数が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST1722へ戻り、新たな周波数(f2(MBMS))へシンセサイザを切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は処理を終了する。本実施の形態においても実施の形態2同様に、移動体通信システムとして移動端末の識別子にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる移動端末の識別子とMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子が存在する方法を用いることが出来る。
上記にて開示した移動体通信システムにてMBMS送信専用の周波数レイヤにて所望のサービスを選択するまでの方法、及びそのための移動体通信システムについて開示することが出来る。
次に変形例を説明する(変形例1)。現在の3GPPの議論において、MBSFN同期エリア中の基地局(セル)は複数のMBSFNエリアを構成することもあるとされている。但し先にも述べたように、現在の3GPPにおいてはMBSFNエリアの多重方法については詳細な決定がなされていない。本変形例1においては、そのような場合のMBSFNエリアの多重方法の具体例を述べるとともに、本発明の課題であるMBMS送信専用の周波数レイヤにて所望のサービスを選択するまでの方法、及びそのための移動体通信システムについて開示することを目的とする。なお、実施の形態11と異なる部分を中心に説明し、実施の形態11と同様の部分の説明は省略する。
実施の形態11では、PMCHの構成として、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)、MBSFNエリア毎にコード分割多重(CDM)とする方法を開示した。本変形例1では、PMCHの構成として、MBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)とコード分割多重(CDM)とを混在させる方法を開示する。図63に、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHの構成を示す。図63はMBSFNエリア毎に時分割多重(TDM)とコード分割多重を混在させている。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#n1、セル#n2、セル#n3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。図28はMBSFN同期エリアを構成する複数のMBSFNエリアを示す説明図であって、複数のMBSFNエリアをカバーするMBSFNエリアを示す説明図である。図28において、1つのMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)中にMBSFNエリア1〜4が存在する。そのうち、MBSFNエリア4は、MBSFNエリア1〜3をカバーしている。MBSFNエリア1とMBSFNエリア2とMBSFNエリア3のPMCHは符号分割多重され、MBSFNエリア1、MBSFNエリア2、MBSFNエリア3のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時分割多重される。セル#n1のセルはMBSFNエリア1に属するため、MBSFNエリア1に対応したPMCHがある時間に送信される。PMCHはMBSFNエリア内でマルチセル送信されるため、MBSFNサブフレーム上で送信される。
MBSFNサブフレームが割り当てられる無線フレームであるMBSFNフレームの集合を「MBSFNフレームクラスタ」(MBSFN frame cluster)とする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームを、マルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。あるMBSFNエリアに対応したMBSFNフレームクラスタが繰り返される周期を「MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期」(MBSFN frame cluster Repetition period)とする。PMCHにはMBMS用のトランスポートチャネルのMCHがマッピングされ、MCHにはMBMS用制御情報のロジカルチャネルMCCHと、MBMS用データのロジカルチャネルMTCHのいずれかあるいは両方がマッピングされる。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。各MBSFNフレームクラスタ上にMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、MCCHの繰り返し周期は、MBSFNフレームクラスタの繰り返し周期と異なる。また、MBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。MCCHの繰り返し周期を「MCCH Repetition period 1」とする。
図63で、MCCH1はMBSFNエリア1用のMBMS制御情報で、MTCH1はMBSFNエリア1用のMBMSデータである。セル#n1のセルはMBSFNエリア1とMBSFNエリア4に属するため、MBSFNエリア1のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時間分割多重される。同様に、セル#n2のセルはMBSFNエリア2とMBSFNエリア4に属するため、MBSFNエリア2のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時間分割多重され、セル#n3のセルはMBSFNエリア3とMBSFNエリア4に属するため、MBSFNエリア3のPMCHとMBSFNエリア4のPMCHは時間分割多重される。 MBSFNエリア4のPMCHはMBSFNエリア4でマルチセル送信されるため、PMCHの送信タイミングはセル#n1、#n2、#n3で全て同じである。このように、MBSFNエリア毎のPMCHを、時分割多重とコード分割多重を混在させることで、例えば、MBSFNエリア間で重複するMBSFNエリアには時分割多重を、重複しないMBSFNエリアにはコード分割多重を用いることが可能となる。従って、時間分割多重のみの場合に比べてコード分割多重を用いているため無線リソースの効率化が図れる。さらには、コード分割多重のみの場合に比べ、重複するMBSFNエリア間での相互干渉を低減することが可能となり、移動端末でのMBMSデータの受信誤りの低減が図れる。
以下、図18のステップST1725の具体例を示す。第一段階として移動端末は、前記専用のシーケンスにてP-SCHをブラインド検出する。P−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出することができる。また、P−SCHはマルチセル送信である。MBSFN同期エリア内に位置する基地局はマルチセル送信のための同期が取られている。よって、P−SCHのマルチセル送信は同期エリア内に含まれる基地局が対象となる。第二段階として移動端末は、S−SCHをブラインド検出する。S−SCHをブラインド検出した移動端末は10msタイミング検出(フレーム同期)とMBSFNエリアIDを知ることが出来る。またS−SCHはマルチセル送信である。本変形例では1つの基地局が複数のMBSFNエリアに属するものとする。よって、S−SCHにマッピングされているMBSFNエリアIDがいずれのMBSFNエリアを指すものかが問題となる。この場合、S−SCHにマッピングされるMBSFNエリアIDは基地局が属するいずれか1つのMBSFNエリアIDとする。更には、基地局が属する最も小さい(覆われている)MBSFNエリアのIDとする。よってS−SCHのマルチセル送信は覆われている各MBSFNエリア内に含まれる基地局が対象となる。移動端末は、第二段階で得たMBSFNエリアIDと関連付けられている拡散コードを用いてBCCHを受信する。BCCHをデコードすることにより、MCCHのスケジューリングを得ることが出来る。またBCCHはマルチセル送信である。第二段階で得られた拡散コードを用いることから、BCCHは覆われているMBSFNエリアからのBCCHとなる。よって、BCCHのマルチセル送信は覆われている各MBSFNエリア内に含まれる基地局が対象となる。移動端末は、BCCHをデコードすることにより、MCCHのスケジューリング、f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数などを得ることが出来る。
ここで更にMCCHのスケジューリングについて検討する。MBSFN同期エリアは時間的に同期しているため、P−SCHはMBSFNエリア1内のMBMS専用セル、MBSFNエリア2内のMBMS専用セル、MBSFNエリア3内のMBMS専用セルとも同じタイミングで送信されている。また、前記MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスを用いるとすれば全てのMBSFNエリア内のP−SCHのシーケンスは同じとなる。よって、P−SCHはMBSFN同期エリア内にて同じ情報を同じタイミングで送信されることになる。S−SCHによって、前記の通りMBSFNエリアIDが送信されることが考えられている。したがって、S−SCHはMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。この場合、各MBSFNエリア内の全MBMS専用セルからは同じ情報が同じタイミングで送信されることになる。S−SCHはMBSFN同期エリアにおいて周波数的、時間的に同じ無線リソースを用いる。またS−SCHに各MBSFNエリアの拡散コードに関連付けられたMBSFNエリアIDのサーチのために用いられることから、S−SCHには各MBSFNエリアの拡散コードをかけることは出来ない。このようなS−SCHの機能を踏襲しつつ、1つの基地局が複数のMBSFNエリアに属することを実現するためには、前記に示したとおり、覆っている方のMBSFNエリア特有のS-SCHはないものとし、S−SCHにマッピングされるMBSFNエリアIDを基地局が属する最も小さいMBSFNエリアIDとすることで実現できる。
更に覆っているMBSFNエリアからS−SCHの送信を行わないことは、地理的なロケーションとしては複数のMBSFNエリアが重なっているが、重なっているMBSFNエリア(例えばMBSFNエリア1とMBSFNエリア4)において、S−SCHを1種類のみ送信すればよいことになる。これにより、お互いのMBSFNエリアからのS−SCHが干渉になることを防ぐことが出来るという効果を得ることができる。移動体通信システムは、S−SCHにて通知するMBSFNエリアIDと関連付けられた拡散コードを用いて拡散処理を行ったBCCHを送信する。よってその場合BCCHは、覆われているMBSFNエリア毎に異なる情報がMBSFN同期エリアにて同じタイミングで送信されることになる。BCCHの内容はMBSFNエリア内の全MBMS専用基地局にて同じである。移動端末はBCCHをデコードすることによって、MCCHのスケジューリングを取得することができる。現在の3GPPではMCCHのスケジューリングの具体例については議論されていない。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。
図63を用いて、MBSFNフレームクラスタがMCCH繰り返し周期より大きい場合における、MCCHのスケジューリングについてあわせて説明する。覆っているMBSFNエリア、例えば、図28のMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングとしては2段階を考える。以下の説明にて便宜上、移動端末がMBSFNエリア1とMBSFNエリア4に属する基地局の傘下にある場合を説明する。第一段階としてMBSFNエリア1のBCCHにてMBSFNエリア1のMCCHスケジューリングが通知される。本発明ではMCCHのスケジューリングの具体例を示す。本発明では、「MCCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値」、「MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期」、「MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期内のMCCH送信回数」を、MCCHのスケジューリングのため、セルから端末に通知するものとする。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。スターティングポイント値を求める具体的な計算式は下記のとおりである。
スターティングポイント値=(MBSFNフレームクラスタ内でMCCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期)
更に具体的には、MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期内のMCCH送信回数としてMBSFNフレームクラスタ内のMCCH送信回数(以降、NMCCHと称する。)を用いる。NMCCHを求める具体的な計算式は下記のとおりである。
NMCCH=MBSFNフレームクラスタ/MCCH 繰り返し周期
図63においては、MBSFNエリア1のスターティングポイント値1は、5mod16=5 あるいは、21mod16=5 ・・・となる。MBSFNエリア2のスターティングポイント値2は、5mod16=5 あるいは、21mod16=5 ・・・となる。MBSFNエリア3は同様である。次に、MBSFNエリア1のNMCCH1は12/6=2、MBSFNエリア2のNMCCH2は12/4=3となる。MBSFNエリア3の場合も同様に求められる。よってMBSFNエリア1のMCCHのスケジューリングのパラメータはMBSFNフレームクラスタ繰り返し周期1「16」、スターティングポイント値1「5」、NMCCH1「2」となる。この時NMCCH1をパラメータとして通知する代わりに、MBSFNフレームクラスタ1とMCCH繰り返し周期1を通知しても良い。
第二段階としてMBSFNエリア1のMCCHにてMBSFNエリア4のMCCHのスケジューリングが通知される。MCCHのスケジューリングのパラメータの計算方法はMBSFNフレームクラスタがMCCH繰り返し周期より小さいので図60の場合と同様である。MBSFNエリア4のスターティングポイント値4は、1mod16=1 あるいは、17mod16=1・・・となる。MCCHのスケジューリングの具体例は上記MBSFNエリア4(MCCH 繰り返し周期4「16」、ステーティングポイント4「1」)のパラメータに加えて、覆っているMBSFNエリア4のMBSFNエリアIDを通知する。MBSFNエリア4専用のS−SCHが存在しないとするため、ここでMBSFNエリアIDを通知する必要がある。
つまり、MBSFNエリア1から送信されるデータとしては次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH、MBSFNエリアID1などがマッピングされたS−SCH1、MCCHスターティングポイント値1「5」、MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期1「16」、NMCCH1「2」などがマッピングされ、拡散コード1がかけられたBCCH1、拡散コード1がかけられたMBSFNエリア1のMCCH1とMTCH1が送信される。MCCH1ではMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)とMBSFNエリア4のMCCHスケジューリングである、MCCHスターティングポイント値4「1」、MCCH 繰り返し周期4「16」が送信される。
MBSFNエリア1同様にMBSFNエリア2から送信されるデータとしては、次のようになる。MBMS送信専用の周波数レイヤ専用のシーケンスであるP−SCH、MBSFNエリアID2などがマッピングされたS−SCH2、MCCHスターティングポイント値2「5」、MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期2「16」、NMCCH2「3」などがマッピングされ、拡散コード2がかけられたBCCH2、拡散コード2がかけられたMBSFNエリア2のMCCH2とMTCH2が送信される。MCCH2ではMBSFNエリアID(MBSFNエリア4)とMBSFNエリア4のMCCHスケジューリングである、MCCHスターティングポイント値4「1」、MCCH 繰り返し周期4「16」が送信される。MBSFNエリア4から送信されるデータとしては、先に説明したようにP−SCH、S−SCHの送信はない。更に、MBSFNエリア4のシステム情報として、覆われているMBSFNエリア(MBSFNエリア1〜3)のBCCHにて送信されたもの以外に通知するものがなければ、MBSFNエリア4からのBCCHの送信を省略することが出来る。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。拡散コードがかけられないMBSFNエリア4のMCCH4とMTCH4が送信される。MCCH4とMTCH4にMBSFNエリア4特有の拡散コードをかけても良い。各MBSFNエリア間の干渉が抑制されるという効果を得ることが出来る。その場合、MBSFNエリア4特有の拡散コードは、MBSFNエリア1、MBSFNエリア2、MBSFNエリア3などのMCCHにて通知されたMBSFNエリア4のMBSFNエリア IDと関連付けられたものとする。これにより、更なるシグナリングが不要であるという効果を得ることができる。
図63においては、便宜上、MCCHとMTCHがサブフレーム単位で時分割されて例を示しているが、MCCHとMTCHの多重方法が別の方法であっても、時分割多重の単位がサブフレーム単位以外であっても本発明は適用可能である。上記で説明した移動体通信システムにおいて、基地局が複数のMBSFNエリアを構成する場合であっても、本発明の課題であるMBMS送信専用の周波数レイヤにて所望のサービスを選択するまでの方法、及びそのための移動体通信システムについて開示することが出来る。
上記においては、MBSFNエリア4のサービス内容はMCCH4中のMBMSエリア情報中に含まれる。ここで、覆っているMBSFNエリア(MBSFNエリア4、図28参照)のMCCHスケジューリング情報を、覆われているMBSFNエリア(MBSFNエリア1-3、図28参照)のMCCHを用いて通知する際に、当該スケジューリング情報とあわせて、MBSFNエリア4のサービス内容を通知するようにしても良い。これにより、移動端末(ユーザ)は、覆われているMBSFNエリアのMCCHをデコードした段階で、基地局が属する複数のMBSFNエリアのサービス内容を把握することが可能となる。よって、基地局が属する複数のMBSFNエリアのMCCHを順次、受信・デコードしMBMSサービス選択を行う必要がなくなり、制御遅延が削減出来るという効果を得ることができる。具体的には、図19のステップST1729にて移動端末は、覆われているMBSFNエリア(MBSFNエリア1-3、図28参照)のMCCHを介して、覆われているMBSFNエリア(MBSFNエリア1-3、図28参照)のサービス内容と、覆っているMBSFNエリア(MBSFNエリア4、図28参照)のサービス内容とを受信する。これにより、移動端末は、現在の位置(ロケーション)にて受信可能なMBMSのサービス内容を把握することができる。図19のステップST1730にて移動端末は、所望のMBMSのサービス内容が送信されているMBSFNエリアを確認する。
また、MBSFNエリア4のMCCHスケジューリングのため、MBSFNエリア1のBCCHにて通知する方法も考えられる。これにより、MBSFNエリア4のサービスを受信する移動端末にとっては、MBSFNエリア1のMCCHを受信しデコードする処理が不要となるので、制御遅延が減るという効果を得ることが出来る。MCCHスケジューリングとして、上記スターティングポイント、MBSFNフレームクラスタ繰り返し周期、NMCCH(MBSFNフレームクラスタとMCCH繰り返し周期でもよい)を用いる方法は、MBSFNエリアが時分割多重された場合(図60参照)のMBSFNフレームクラスタ内に複数回MCCHが存在した場合にも用いることが出来る。
変形例2
実施の形態11において、MBSFNエリア毎のサービス内容はMCCH中のMBMSエリア情報中に含まれている。ここで、MBSFNエリア毎のサービス内容をBCCHにてMCCHのスケジューリングとともに通知するようにしても良い。これにより、移動端末(ユーザ)は、BCCHをデコードした段階で、基地局が属するMBSFNエリアのサービス内容が把握可能となる。よって、MCCHの受信・デコード前に所望のサービスが存在するか否かの判断が可能となり、所望のサービスが行われていないMBSFNエリアのMCCHを受信・デコードする必要がなくなり、制御遅延が削減出来るという効果を得ることができる。具体的には、図18のステップST1725にて移動端末は、MBSFNエリアのサービス内容を受信する。これにより、移動端末は、現在の位置(ロケーション)にて受信可能なMBMSのサービス内容を把握することができる。その後、移動端末はステップ図19のST1729に先立って、該当のMBSFNエリアにてユーザ所望のサービスが行われているか確認する。所望のサービスが行われていた場合はステップST1729へ移行する。ステップST1729の後、ステップST1731へ移行する。一方、所望のサービスが行われていない場合はステップST1729及び、ステップST1731の処理を省略し、ステップST1733へ移行する。
更にBCCHにてMCCHにマッピングされるMBMSエリア情報、DRX情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータなどを合わせて通知するようにしても良い。これにより、MCCHが不要となり無線リソースの効率化が図れる。よって、BCCHにてMCCHのスケジューリングを通知する必要がなくなり、更に無線リソースの効率化が図れる。本変形例2は変形例1に対しても適応でき、同様に効果を得ることが出来る。
次に3GPPにおいて、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいて、シングルセル送信(Single-cell transmission)を適用することも検討されている。その方法として、シングルセル送信を1セル構成のMBSFNエリアで実現する方法が考えられる。しかし、具体的な実現方法については確定していない。上記説明においてMBSFNエリアに属する基地局を1つとすれば、シングルセル送信を1セル構成のMBSFNエリアで実現する移動体通信システムを開示することが出来る。
実施の形態12.
本実施の形態12においては、主にMBMSサーチ部分にて実施の形態11とは異なる移動体通信システムについて開示する。本実施の形態12にかかる移動体通信システムとしての処理の流れは、実施の形態11の図16、図17とほぼ同様である。説明においては、実施の形態11と異なる部分を中心に説明する。図17のステップST1707にてユニキャストセル、またはユニキャスト/MBMS混合セルはBCCHを用いて、現在のユニキャスト/ミクスド周波数レイヤ以外の周波数でMBMSサービスが行われている1つあるいは複数の周波数を、傘下の移動端末に対して報知する。つまり受信可能なMBSFN同期エリアの周波数(f(MBMS))を1つあるいは複数報知する。それに加えて、各f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数のいずれか一方、あるいは両方を通知する。図17のステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からのBCCHを受信しデコードすることにより、f(MBMS)、各f(MBMS)におけるシステム帯域幅、送信アンテナ数を受信する。あわせてf(MBMS)毎にユニキャスト/MBMS混合セルにて構成された周波数レイヤであるか、MBMS専用セルにて構成された周波数レイヤであるかという情報を通知してもよい。これによりユニキャスト/MBMS混合セルにて構成された周波数レイヤと、MBMS専用セルにて構成された周波数レイヤにて、移動端末の動作を変更することが可能となる。具体的な動作としては、MBMSサーチ動作がある。ユニキャスト/MBMS混合セルにおいては、ユニキャストサービスを提供することから、ユニキャストサービスにて用いるP−SCH、S−SCHなどを削減することは難しい。したがって、ユニキャスト/MBMS混合セルにて構成された周波数レイヤのMBMSサーチ動作は、実施の形態11で説明した方法を用いる。一方、MBMS専用セルにおいてはユニキャストサービスを提供しないことからP−SCH、S−SCHなどを削減することは、ユニキャスト/MBMS混合セルと比較して制約事項が少ない。よってMBMS専用セルにて構成された周波数レイヤのMBMSサーチ動作は以下説明する処理を適用する。
実施の形態12では、図18のステップST1723〜ステップST1725を図64の通りに変更する。図64は、MBMSのサーチ方法を示すフローチャートである。図64において、ステップST2201にて、MBMS GW802、更に具体的にはMBMS CP802−1がMCE801に対して、MBSFN同期エリア内でマルチセル送信される物理チャネル(メインPMCHと称す)の内容を通知する。メインPMCHはMBSFN同期エリア内にてマルチセル送信されることからMBSFN同期エリア内の基地局から同じ無線リソースを使って、同じ情報が送信される必要がある。よって、MBMS GWはステップST2201にてメインPMCHの内容を通知するのとあわせて、無線リソース(周波数、時間など)的なスケジューリング情報を通知する。
図65は、MBSFN同期エリア内のメインPMCHの構成を示す説明図である。図65は、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHが時分割多重及び符号分割多重により多重化された場合について示している。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#n1、セル#n2、セル#n3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。MBSFNエリア1からMBSFNエリア3のPMCHは符号分割多重され、さらにMBSFNエリア4のPMCHと時分割多重される。メインPMCHは、MBSFNエリア毎のPMCHと時分割多重される。セル#n1では、MBSFNエリア1とMBSFNエリア4に属するため、PMCH1とPMCH4は時分割多重され、さらにメインPMCHが時分割多重されて設けられることになる。セル#2、セル#3でも同様である。メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、SFN合成がなされるMBSFNサブフレーム上で送信される。MBSFNサブフレームが割り当てられるMBSFNフレームの集合をMBSFNフレームクラスタとする。MBMS専用セルではMBSFNフレーム内全てのサブフレームをマルチセル送信に用いられるMBSFNサブフレームとしても良い。メインPMCHが繰り返される周期をメインPMCH繰り返し周期とする。
メインPMCHにはMBMS用のトランスポートチャネルのMCHがマッピングされる。MCHにはMBMS用制御情報のロジカルチャネルMCCH、MBMS用データのロジカルチャネルMTCHがマッピングされる。MCCHとMTCHは時間的に分割されてメインPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。メインPMCHが送信される各MBSFNフレームクラスタにMCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、MCCHの繰返し周期はメインPMCHの繰返し周期と異なる。また、メインPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタ上に複数のMCCHがマッピングされる場合も存在する。
図65で、MCCH1はMBSFNエリア1用のMBMS制御情報で、MTCH1はMBSFNエリア1用のMBMSデータである。MCCH2はMBSFNエリア2用のMBMS制御情報で、MTCH2はMBSFNエリア2用のMBMSデータである。MCCH3はMBSFNエリア3用のMBMS制御情報で、MTCH3はMBSFNエリア3用のMBMSデータである。MCCH4はMBSFNエリア4用のMBMS制御情報で、MTCH4はMBSFNエリア4用のMBMSデータである。各PMCH上に各々MCCHがマッピングされても良いし、MTCHのみでも良い。MTCHのみが存在する場合、各々のMBSFNエリアのMCCHは、メインPMCHにマッピングされても良い。また、メインPMCHにマッピングされるMCCHの情報要素として含まれても良い。メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、メインPMCHにおいては、各MBSFNエリアでPMCHが拡散されているように、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードを乗じることが不可能である。なぜならば、異なるMBSFNエリアのセルからメインPMCHは同じタイミングで送信されているため、メインPMCHにおいて、MBSFNエリア固有の拡散コードで拡散した場合、移動端末の受信機において、各MBSFNエリアから送信された該メインPMCHの位相がランダムになってしまいSFN合成できなくなるためである。従って、上記に示したように、メインPMCHと各MBSFNエリアのPMCHとを時分割多重することで、各MBSFNエリア固有のスクランブリングコードを乗じるのをサブフレーム単位で行うようにでき、メインPMCHのみに各MBSFNエリア固有のスクランブリングコードを乗じないようにできる。これにより、メインPMCHはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されることができ、移動端末は該MBSFN同期エリア内のどのMBMSサービスを受信している、もしくは受信しようとしていても、メインPMCHを受信することができ、さらにはSFN利得を得ることが可能となる。メインPMCHにおいては、固有のスクランブリングコードを乗じないことを述べたが、MBSFN同期エリア固有のスクランブリングコードであれば乗じても良い。この場合、他のMBSFN同期エリア内セルからの干渉を抑圧でき、移動端末におけるMBMSサービスの受信誤差を低減することが可能となる。MBSFN同期エリア固有のスクランブリングコードは、静的(Static)に規定されていても良いし、準静的(Semi-Static)に規定されサービング基地局からのBCCHにマッピングされステップST1705にて移動端末に通知されても良い。
さらに図64のステップST2201における、メインPMCHの無線リソース(周波数、時間など)のスケジューリングについて説明する。周波数のスケジューリングの具体例としては周波数、帯域などがある。時間のスケジューリングの具体例を図65を用いて説明する。メインPMCHのスケジューリングのため、メインPMCHがマッピングされる時間のスターティングポイント値とメインPMCH繰り返し周期を通知することを考える。更に具体的には、スターティングポイント値の指定にはSFN(System Frame Number)を用いる。メインPMCHスターティングポイント値を求める具体的な計算式は下記のとおりである。
メインPMCH スターティングポイント値=(メインPMCHがマッピングされる先頭のSFN番号)mod(メインPMCH 繰り返し周期)
図65においては、メインPMCHスターティングポイント値は、1mod11=1、あるいは、12mod11=1・・・となりメインPMCHのスケジューリングのパラメータはメインPMCH繰り返し周期1「11」、メインPMCHスターティングポイント値「1」となる。
次に、図64のステップST2201におけるメインPMCHの内容の具体例について説明する。メインPMCHにて通知される情報の具体例としては、MBSFN同期エリア内に存在する全MBSFNエリアの番号(ID、識別子)、各MBSFNエリアのMCCHのスケジューリング、DRX情報などが考えられる。DRX情報の詳細説明は、実施の形態11と同様であるので省略する。DRX情報は、各MBSFNエリアのMCCHで通知しても同じ効果を得ることが出来る。更には、DRX情報をサービングセルのBCCHにマッピングし、図17のステップST1705にて移動端末に通知しても同じ効果を得ることが出来る。更には、DRX情報を、静的に規定された値としても同じ効果を得ることが出来る。静的に規定した値とした場合、ネットワーク側から移動端末に対して値を通知する必要がないので無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。各MBSFNエリアのMCCHのスケジューリングについても実施の形態11と同様である。図65においては、MBSFNエリア1のMCCHのスケジューリング情報(パラメータ)として、MCCH繰り返し周期1「11」、MCCHスターティングポイント値1「2」となる。MBSFNエリア2、MBSFNエリア3、MBSFNエリア4のMCCHのスケジューリング情報(パラメータ)としてもMBSFNエリア1と同様である。ここで、メインPMCHにMBSFN同期エリア内の全MBSFNエリアのMCCHスケジューリングをマッピングすることにより、メインPMCHをMBSFN同期エリア内でマルチセル送信することが可能となる。
図64のステップST2202にて、MCEはMBMS GWよりメインPMCHの内容及びスケジューリング情報を受信する。ステップST2203にて、MCEは、当該MCEが制御を司るMBSFNエリアに属する基地局に対してメインPMCHの内容及びスケジューリング情報を送信する。ステップST2204にて、基地局は、メインPMCHの内容及びスケジューリング情報を受信する。ステップST2205にて、基地局は、MCEからのスケジューリングに従い、メインPMCHを送信する。
ステップST2206にて、移動端末はMBMSのサーチを行う。ステップST2206においては特にタイミング同期を行う。メインPMCHの一部に規定の情報をマッピングする。これにより、移動端末は前記メインPMCHの規定の情報をブラインド検出することによりタイミング同期を確立する。
メインPMCHの一部に物理的な無線リソースに規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)をマッピングする。これにより、移動端末は物理的な無線リソースを規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)をブラインド検出することによりタイミング同期を確立することができる。また、メインPMCHと時間的に隣接、あるいはある一定のオフセットを持って接する、物理的な無線リソースに規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)をマッピングする。これにより、移動端末は物理的な無線リソースを規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)をブラインド検出することによりタイミング同期を確立することができる。
実施の形態11においては、タイミング同期をMBMS送信専用の周波数レイヤにおけるP−SCH、S−SCHにて行っていたが、本実施の形態12ではP−SCH、S−SCHを用いることなく実現できる。よって本実施の形態12のMBMSサーチ方法により、MBMS送信専用の周波数レイヤ(MBMS専用基地局)におけるP−SCH、S−SCHを削減することが可能となる。これにより無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。ステップST2207にて、移動端末は、ステップST2206にて検出したメインPMCHの受信・デコードを行う。移動端末はメインPMCHにマッピングされた全MBSFNエリアID、各MBSFNエリアのMCCHのスケジューリング、DRX情報を受信する。
また実施の形態11にてBCCHにマッピングされていた情報としては、MCCHのスケジューリング、f(MBMS)におけるシステム帯域幅、f(MBMS)における送信アンテナ数、SFNなどがある。実施の形態12においては、MCCHスケジューリングはメインPMCHにマッピングする。またf(MBMS)におけるシステム帯域幅、f(MBMS)における送信アンテナ数は、ユニキャストセル、ユニキャスト/MBMS混合セルはBCCHにマッピングする。ここで、SFNをメインPMCHにマッピングすることにより、MBMS送信専用周波数レイヤ(MBMS専用セル)からのBCCH送信を削減することが可能となる。これにより無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。更にSFNを受信するためにメインPMCHとは別のチャネルであるBCCHを受信する必要がなくなる。よって移動端末の制御負荷が軽減され、制御遅延の削減及び移動端末の低消費電力化という効果を得ることが出来る。図18のステップST1726以降の処理は、実施の形態11と同様であるため詳細な説明を省略する。図19のステップST1729において、移動端末が各MBSFNエリアのMCCHを受信・デコードすることにより得るMBMSサービス用の制御情報には、MBMSエリア情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータなどがある。MBMSエリア情報の具体例としては、各エリアのフレーム構成(MBSFNフレームクラスタ、MBSFNサブフレーム)、サービス内容、MTCHの変調情報などが考えられる。
また、実施の形態11で説明した、図18のステップST1723〜ステップST1725を用いても良い。その場合、MBMS送信専用の周波数レイヤからのBCCHにて実施の形態11のMCCHのスケジューリングの代わりに、メインPMCHのスケジューリング情報を通知としてもよい。これにより、図64のステップST2206のブラインド検出が不要となる。これにより移動端末の処理負荷削減および低消費電力化という効果を得ることができる。
次に本実施形態の変形例1を説明する。実施の形態12において、MBSFNエリア毎のサービス内容はMCCH中のMBMSエリア情報中に含まれている。ここで、MBSFNエリア毎のサービス内容をメインPMCHにてMCCHのスケジューリングとともに通知するようにしても良い。これにより、移動端末(ユーザ)は、メインPMCHをデコードした段階で、各MBSFNエリアのサービス内容が把握可能となる。よって、MCCHの受信・デコード前に所望のサービスが存在するか否かの判断が可能となり、所望のサービスが行われていないMBSFNエリアのMCCHを受信・デコードする必要がなくなり、制御遅延が削減出来るという効果を得ることができる。具体的には、図64のステップST2207にて移動端末は、各MBSFNエリアのサービス内容を受信する。これにより、移動端末は、各MBSFNエリアのサービス内容を把握することができる。その後、移動端末は、図19のステップST1729に先立って、ユーザ所望のサービスが行われているMBSFNエリアを検索する。所望のサービスが行われているMBSFNエリアが存在する場合には、該当のMBSFNエリアのMCCHを受信すべく、該当のMBSFNエリアのMCCHスケジューリングに従ってステップST1729を実行する。一方、所望のサービスが行われているMBSFNエリアが存在しない場合は、図19のステップST1729、ステップST1730、ステップST1733の処理を省略し、ステップST1734へ移行する。
更に、メインPMCHにて各MCCHにマッピングされるMBMSエリア情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータなどを合わせて通知するようにしても良い。これにより、各MBSFNエリア毎のMCCHが不要となり無線リソースの効率化が図れる(図66参照)。よって、メインPMCHにて各MBSFNエリアのMCCHのスケジューリングを通知する必要がなくなり、更に無線リソースの効率化が図れる。また、移動端末が各MBSFNエリア毎のMCCHを受信する必要がなくなるので、移動端末の負荷軽減及び低消費電力化がはかれるという効果を得ることができる。
次に本実施形態の変形例2を説明する。実施の形態12における、図64のステップST2201〜ステップST2207に変わって、変形例2では以下の処理を行う。本変形例2にかかる移動体通信システムとしての処理の流れは、実施の形態12で説明したものとほぼ同様である。説明においては、実施の形態12と異なる部分を中心に説明する。変形例2では、図64のステップST2201〜ステップST2207を図67の通りに変更する。ステップST1726〜ステップST1728までの説明は、図18、図19のステップST1726〜ステップST1728までの説明と同様であるために省略する。図67のステップST2501にて、移動端末は、MBMSのサーチを行う。ステップST2501にて移動端末はタイミング同期を行う。各MBSFNエリア毎のMCCHの一部に規定の情報をマッピングする。これにより、移動端末は各MBSFNエリアの規定の情報をブラインド検出することによりタイミング同期を確立する。MBSFNエリア毎のMCCHがマッピングされるMBSFNサブフレームの一部の物理的な無線リソースに規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)をマッピングする。これにより、移動端末は物理的な無線リソースを規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)でブラインド検出することによりタイミング同期を確立することができる。また、MBSFNエリア毎のMCCHと時間的に隣接、あるいはある一定のオフセットを持って接する、物理的な無線リソースに規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)をマッピングする。これにより、移動端末は物理的な無線リソースを規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)でブラインド検出することによりタイミング同期を確立することができる。ブラインド検出に用いる規定の情報には、各MBSFNエリア固有のスクランブリングコードはかけないことにより、移動端末のブラインド検出が可能となる。よって、各MBSFNエリアの多重方法は、時分割多重が本変形例2と親和性が高い(図60参照)。実施の形態11においてはタイミング同期をMBMS送信専用の周波数レイヤにおけるP−SCH、S−SCHにて行っていたが、本実施の形態12ではP−SCH、S−SCHを用いることなく実現できる。よって本実施の形態12のMBMSサーチ方法により、MBMS送信専用の周波数レイヤ(MBMS専用基地局)におけるP−SCH、S−SCHを削減することが可能となる。更には、実施の形態12においてはタイミング同期をメインPMCHにて行っていたが、本変形例2では各MBSFNエリア毎のMCCHにて行うことになる。これにより、移動端末の現在の位置(ロケーション)にて受信可能なMBSFNエリアのMCCHによってのみタイミング同期を行うことになる。よって、ステップST1731においてMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないと判断されることが実施の形態11及び実施の形態12と比較して少なくなる。これにより移動体通信システムとしての制御遅延を削減できると言う効果を得ることができる。図67のステップST2502にて移動端末は、ステップST2501にて検出したMBSFNエリアのMCCHの受信・デコードを行う。移動端末はMCCHにマッピングされたMBMSサービス用の制御情報を受信する。制御情報の具体例としては、MBMSエリア情報、MBMS受信時間欠受信用パラメータなどがある。MBMSエリア情報として、各エリアのフレーム構成(MBSFNフレームクラスタ、MBSFNサブフレーム、)サービス内容、MTCHの変調情報などが考えられる。
図19のステップST1730にて移動端末は、MBMSエリア情報に含まれるサービス内容を確認する。当該MBSFNエリアにてユーザ所望のサービスが行われている場合は、ステップST1731へ移行する。ユーザ所望のサービスが行われていない場合は、図67のステップST2503へ移行する。ステップST1731にて移動端末は当該MBSFNエリアの無線リソースにてRSを受信し、受信電力を測定する(RSRP)。受信電力が静的あるいは準静的に決められた、閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST1732へ移行し、閾値以下であればステップST2503へ移行する。ステップST2503にて移動端末は、ステップST2501同様の方法にてMBMSのサーチを行う。ステップST2504にて、移動端末は、ステップ1730にて所望のサービスが行われていないMBSFNエリア、あるいは、ステップST1731にてMBMSサービスを受信するのに満足な感度を満たしていないと判断されたMBSFNエリア以外のMBSFNエリアのタイミング同期がとれたか否か判断する。別のMBSFNエリアのタイミング同期がとれた場合は、ステップST2502へ移行する。別のMBSFNエリアのタイミング同期が取れない場合は、ステップST1734へ移行する。更に各MCCHにてメインPMCHにマッピングされるDRX情報、SFNなどを合わせて通知するようにしても良い。これにより、メインPMCHが不要となり無線リソースの効率化が図れる。
実施の形態13.
本実施の形態13においては、主にDRX情報にて実施の形態11とは異なる移動体通信システムについて開示する。本実施の形態13にかかる移動体通信システムとしての処理の流れは、実施の形態11の図16、図17とほぼ同様である。説明においては、実施の形態11と異なる部分を中心に説明する。実施の形態11ではMBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設けていたが(図62参照)、本実施の形態13ではMBSFNエリア内で一つのDRX期間を設ける。本実施の形態13におけるDRX期間としては、該当のMBSFNエリアからのMBMSサービス送信OFFの期間をいうこととする。具体例について図68及び図69を用いてDRX情報について説明する。初めに図68を用いて説明する。図68は、MBSFNエリア毎のPMCH構成を示す説明図である。MBSFNエリア1からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとってのDRX期間はDRX期間1、DRX周期はDRX周期1となる。DRX情報の具体的なパラメータ例について説明する。具体的には、DRX期間、DRX周期、スターティングポイント値(DRX)が考えられる。DRX期間1は「6」無線フレームとなる。またDRX周期1は「9」無線フレームとなる。更にDRX期間が始まるスターティングポイント値(DRX)の指定にはSFNを用いる。スターティングポイント値(DRX)を求める具体的な計算式は下記のとおりである。
スターティングポイント値(DRX)=(DRX期間が始まる先頭のSFN番号)mod(DRX周期)、スターティングポイント値1(DRX)は、4mod9=4 あるいは 13mod9=4・・・となる。
MBSFNエリア2からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとってのDRX期間はDRX期間2、DRX周期はDRX周期2となる。DRX期間2は「6」無線フレームとなる。またDRX周期2は「9」無線フレームとなる。スターティングポイント値2(DRX)は、7mod9=7 あるいは 16mod9=7・・・となる。MBSFNエリア3からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとってのDRX情報も同様となる。
次に図69を用いて説明する。MBSFNエリア1からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとってのDRX期間はDRX期間1、DRX周期はDRX周期1となる。DRX期間1は「4」無線フレームとなる。またDRX周期1は「16」無線フレームとなる。スターティングポイント値1(DRX)は、1mod16=1 あるいは 17mod16=1・・・となる。MBSFNエリア2、MBSFNエリア3からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとってのDRX情報も同様となる。MBSFNエリア4からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとってのDRX期間はDRX期間4、DRX周期はDRX周期4となる。DRX期間4は「12」無線フレームとなる。またDRX周期4は「16」無線フレームとなる。スターティングポイント値4(DRX)は、5mod16=5 あるいは 21mod16=5・・・となる。実施の形態12で説明したメインPMCHがあるときは、それぞれのMBSFNエリアのMBMSサービスを受信中の移動端末であってもメインPMCHを受信する必要があるために、それぞれのMBSFNエリア毎のDRX期間からメインPMCHの送信期間は除く。
移動端末は、MBSFNエリア毎に設けられたDRX期間を用いてユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行うことが可能となる。これにより、本発明の課題である、上りリンクが存在しないMBMS専用基地局で構成されたMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中であってもユニキャスト/ミクスド周波数レイヤ経由における移動端末のモビリティ管理が可能となる効果を得ることが出来る。
更にMBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間の情報をいずれかの経路を通じてユニキャスト/ミクスドレイヤ側の制御装置(基地局、MME、PDNGWなど)に通知せずに、MBMSサービスの受信を中断することなく、ネットワーク側から通知されたユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメント周期を満足することが可能とするためは本発明では実施の形態11同様、以下の方法を開示する。
MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX期間にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでのメジャメント周期が1回以上含まれるようにする。これにより、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにて移動端末にどのメジャメント周期が通知(設定)されたとしても、MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてDRX周期にて設けられたDRX期間にて、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを行えば、ネットワーク側から通知されたメジャメント周期を満足することが可能となる。この方法を採用することにより、MBMS送信専用セルの制御装置(基地局、MCE、MBMSゲートウェイ、eBNSCなど)から、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの制御装置に対して、MBMS送信専用セルのDRX周期やDRX期間を通知する必要がなくなる。よって、移動体通信システムの複雑化を防ぐ、つまり無線インタフェース上あるいはネットワーク内の追加のシグナリングを回避しつつ、MBSFN送信専用周波数レイヤにてMBMSサービス受信中の移動端末がMBMSサービスの受信を中断することなく、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャストミクスドセルが当該移動端末に通知(設定)した、メジャメント周期にてメジャメントを実行することが出来るという効果を得ることになる。MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX周期をユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでとり得るメジャメント周期の最小値あるいは最小値の約数とする。MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期がユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで取り得るメジャメント周期と異なる場合は、DRX周期は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期、あるいは前記メジャメント周期の最小値、あるいは前記メジャメント周期の最小値の約数とする。これにより本発明の課題を解決することが出来る。
図19のステップST1729にて移動端末は、DRX情報を受信する。各MBSFNエリア毎にDRX情報が異なるために、各MBSFNエリアのMCCHにDRX情報をマッピングすることは移動端末が不要な情報(他のMBSFNエリアのDRX情報)を受信することを防ぐことができる。これにより、移動端末の処理負荷の軽減、低消費電力化という効果を得ることが出来る。ただし、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるBCCH、あるいはメインPMCHにDRX情報をマッピングしても実施の形態13同様の効果を得ることが出来る。
実施の形態13の移動体通信システムは、実施の形態11で開示した移動体通信システムと比較し以下の効果を得ることが出来る。実施の形態11においてはMBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設ける(図62参照)。実施の形態11の方法でのDRX期間とは、MBSFN同期エリア内で全MBSFNエリアのMBMSサービス送信OFFとなる。一方、実施の形態13では、MBSFNエリア毎にDRX期間を設けている、つまりあるMBSFNエリア1について見ればDRX期間1はMBMSサービスOFFであるが、別のMBSFNエリア2についてみればDRX期間1はMBMSサービスを行っていても良い。つまり、MBSFN同期エリア内で全MBSFNエリアのMBMSサービスをオフにする必要がない。よって実施の形態13は、実施の形態11と比較して無線リソースの有効活用がはかれるという効果を得ることができる。
次に、本実施形態の変形例1を説明する。実施の形態11において移動端末は、MBSFN同期エリア内で一つのDRX期間を設けることから、何の制御を付加することなくMBSFN同期エリア内のMBSFNエリアからのMBMSデータを同時に受信可能となる。言い換えれば、各MBSFNエリアからのMBMSサービスを同時に受信する場合、MBSFNエリアの組み合わせ方法は、移動端末(ユーザ)が自由に選択できる。しかし実施の形態13において、移動端末はMBSFNエリアを同時に受信不可能である。具体例を図70を用いて説明する。MBSFNエリア1からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとってのDRX期間はDRX期間1、DRX周期はDRX周期1となる。DRX期間1は「6」無線フレームとなる。またDRX周期1は「9」無線フレームとなる。DRX期間が始まるスターティングポイント値1(DRX)=「4」となる。移動端末が実施の形態11のようにDRX期間1を用いてユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを実施する場合、DRX期間1と時間的に重複して基地局より送信されているMBSFNエリア2およびMBSFNエリア3からのMBMSサービスは受信不可能である。同様にMBSFNエリア2からのMBMSサービスを受信中の移動端末にとって、実施の形態13の方法によりユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメントを実施する場合、MBSFNエリア1およびMBSFNエリア3からのMBMSサービスは受信不可能である。MBSFNエリア3についても同様である。
MBSFNエリア内で一つのDRX期間を設けた場合に、各MBSFNエリアからのMBMSサービスを同時に受信することが出来ないという課題について以下の解決策を開示する。ネットワーク側から移動端末に対して、同時に受信可能なMBSFNエリアを通知する。更に同時に受信可能なMBSFNエリア毎のDRX情報を通知する。DRX情報の具体例について図70を用いて説明する。移動端末がMBSFNエリア1とMBSFNエリア2からのMBMSサービスを受信する場合のDRX期間は、DRX期間(1+2)=[3]となる。またその際のDRX周期は、DRX周期(1+2)=[9]となる。更にDRX期間が始まるスターティングポイント値(1+2)(DRX)は、7mod9=7 あるいは 16mod9=7となり、スターティングポイント値1+2(DRX)=[7]となる。移動端末がMBSFNエリア1とMBSFNエリア3からのMBMSサービスを受信する場合のDRX期間は、DRX期間(1+3)=[3]となる。またその際のDRX周期は、DRX周期(1+3)=[9]となる。更にDRX期間が始まるスターティングポイント値(1+3)(DRX)は、4mod9=4 あるいは 13mod9=4となり、スターティングポイント値(1+3)(DRX)=[4]となる。
図19のステップST1729にて移動端末は、DRX情報を受信する。図71にステップST1729にて移動端末が受信するDRX情報についての具体例についてまとめる。図71[a]は、MBSFNエリア1のMCCHにマッピングされるDRX情報の具体例である。図71[b]は、MBSFNエリア2のMCCHにマッピングされるDRX情報の具体例である。図71[c]は、MBSFNエリア3のMCCHにマッピングされるDRX情報の具体例である。ここで、DRX期間、DRX周期をサブフレーム単位で記しているがサブフレーム単位以外であっても良い。またスターティングポイント値(DRX)をSFN番号で記しているが別の指定方法であってもよい。
更にMBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間の情報をいずれかの経路を通じてユニキャスト/ミクスドレイヤ側の制御装置(基地局、MME、PDNGWなど)に通知せずに、MBMSサービスの受信を中断することなく、ネットワーク側から通知されたユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメント周期を満足することが可能とするために本発明では実施の形態11、実施の形態13同様以下の方法を開示する。MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX期間にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでのメジャメント周期が1回以上含まれるようにする。また、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX周期をユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでとり得るメジャメント周期の最小値あるいは最小値の約数とする。MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期がユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで取り得るメジャメント周期と異なる場合は、DRX周期は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期、あるいは前記メジャメント周期の最小値、あるいは前記メジャメント周期の最小値の約数とする。これにより本発明の課題を解決することが出来る。
ネットワーク側から移動端末に対して、同時に受信可能なMBSFNエリアの情報を通知することから各MBSFNエリアからのMBMSサービスを同時に受信することが可能となる。同時に受信可能なMBSFNエリアの情報とあわせて、その際のDRX情報を通知することで、本発明の課題を解決することができるという効果を得ることができる。
本変形例1では同時に受信可能なMBSFNエリアの情報、及びその際のDRX情報をMBSFNエリア毎のMCCHにマッピングする方法を開示した。各MBSFNエリアのMCCHにマッピングされる同時に受信可能なMBSFNエリアの情報及びその際のDRX情報をMBMS送信専用の周波数レイヤのBCCHにマッピングしても変形例1と同様の効果を得ることが出来る。また、メインPMCHにマッピングしても変形例1と同様の効果を得ることが出来る。
変形例2
MBSFNエリア内で一つのDRX期間を設けた場合に、各MBSFNエリアからのMBMSサービスを同時に受信することが出来ないという課題について以下の変形例1とは別の解決策を開示する。ネットワーク側から各MBSFNエリアのDRX情報を通知し、移動端末が同時に受信を希望するMBSFNエリアにおけるDRX情報を計算する。ステップST1729にて移動端末は、DRX情報を受信する。図72は図70の場合の変形例2におけるネットワーク側から移動端末へ通知される各MBSFNエリアのMCCHにマッピングされるDRX情報の具体例である。DRX情報の具体例としては、MBSFNエリア毎のMBSFNエリア番号(ID)、サービス内容、MBSFNフレームクラスタ、MBSFNフレームクラスタ 繰り返し周期、MBSFNフレームクラスタのスターティングポイントを通知する。これにより、移動端末においてDRX情報を計算可能となる効果を得ることが出来る。ここで、DRX情報に加えて各MBSFNエリアのサービス内容を通知してもよい。これにより、移動端末は1つのMBSFNエリアからのMCCHを受信・デコードすることでユーザ所望の同時に受信するMBSFNエリアを選択することが可能になるという効果を得ることができる。
ステップST1730にて移動端末は、ユーザ所望の同時に受信するMBSFNエリアにおけるDRX情報を計算する。具体例について図72を用いて説明する。例えばユーザが「天気予報」と「ニュース」の同時受信を希望した場合、移動端末はMBSFNエリア1とMBSFNエリア2の同時受信におけるDRX情報を計算する。DRX期間について説明する。MBSFNエリア1とMBSFNエリア2を受信するためには、MBSFNエリア1とMBSFNエリア2の送信が行われていない期間がDRX期間(1+2)となる。図70および図72よりDRX期間(1+2)=3となるDRX周期について説明する。MBSFNエリア1とMBSFNエリア2を受信するためには、MBSFNエリア1とMBSFNエリア2の送信が行われていない期間の周期がDRX周期(1+2)となる。DRX周期(1+2)=MBSFNフレームクラスタ 繰り返し周期3=9となる。DRXのスターティングポイントについて説明する。MBSFNエリア1とMBSFNエリア2を受信するためには、MBSFNエリア1とMBSFNエリア2の送信が行われていない期間のスターティングポイン値がスターティングポイント(1+2)(DRX)となる。スターティングポイント(1+2)(DRX)=7となる。
更にMBMS送信専用の周波数レイヤのDRX周期及びDRX期間の情報をいずれかの経路を通じてユニキャスト/ミクスドレイヤ側の制御装置(基地局、MME、PDNGWなど)に通知せずに、MBMSサービスの受信を中断することなく、ネットワーク側から通知されたユニキャスト/ミクスド周波数レイヤのメジャメント周期を満足することが可能とするために以下の方法を開示する。移動端末は、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX期間にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでのメジャメント周期が1回以上含まれるようなMBSFNエリアの多重を選択する。また、移動端末は、MBMS送信専用の周波数レイヤにおけるDRX周期をユニキャスト/ミクスド周波数レイヤでとり得るメジャメント周期の最小値あるいは最小値の約数となるようなMBSFNエリアの多重を選択する。言い換えれば、移動端末はDRX情報を計算し、DRX周期が前記の条件を満たさないようなMBSFNエリアの組合せを選択しない。MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期がユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで取り得るメジャメント周期と異なる場合は、DRX周期は、MBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信中の移動端末に対して設定可能なメジャメント周期、あるいは前記メジャメント周期の最小値、あるいは前記メジャメント周期の最小値の約数とする。これにより課題を解決することが出来る。
本変形例2にて、変形例1と同様の効果を得ることができる。さらには、MBSFNエリアの数をおおく、MBSFNエリアの組み合わせ数が多くなった場合には、変形例1と比較して変形例2ではネットワーク側から移動端末に対して通知する、DRX情報量が少なくて済む。これにより無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
本変形例2では同時に受信可能なMBSFNエリアの情報、及びその際のDRX情報をMBSFNエリア毎のMCCHにマッピングする方法を開示した。各MBSFNエリアのMCCHにマッピングされる同時に受信可能なMBSFNエリアの情報及びその際のDRX情報をMBMS送信専用の周波数レイヤのBCCHにマッピングしても変形例2と同様の効果を得ることが出来る。また、メインPMCHにマッピングしても変形例2と同様の効果を得ることが出来る。
本実施の形態13およびその変形例は、実施の形態11およびその変形例、実施の形態12およびその変形例について適用可能である。
実施の形態14.
発明が解決しようとする課題について図73を用いて説明する。図73において、AはL1/L2シグナリングチャネル、Bはユニキャスト送信用リソースである。非特許文献2のとおり、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるMBSFNサブフレームの割り当てについて検討されている。非特許文献1のとおり、サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。また、現在の3GPPにおいて、混合セルにおいては、MBSFNフレーム(サブフレーム)において、サブフレーム単位において先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、ユニキャスト送信用に用いてはいけないことが決定されている。つまり先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなる。図73ではPMCHと表記している。一方、非特許文献1において、PCHがPDSCHあるいは、PDCCHにマッピングされることが開示されている。また非特許文献1において、ページンググループは、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)を用いること、及び移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。よって、PCHは、L1/L2シグナリングチャネルを用いるため、MBSFNフレームであってもマッピングすることができる。一方、MBSFNフレームにおいては、PCHにて次の制御情報の下り無線リソースの割当をする場合、同じサブフレーム上の下り無線リソースはMBMS送信専用となるため、同じサブフレーム内に制御情報の割当をすることは出来ないという課題が発生する。
非特許文献3に移動端末へのページング信号送信について以下の記載がある。ページンググループに属するいずれかの移動端末宛のページング信号が発生したことを伝えるPICH(Paging Indicator channel)は、L1/L2シグナリングチャネルを用いて送信される。ページング信号が自分宛てのものであるか否かを判断するために移動端末は、ページング信号をデコードする。PCHはページング信号を1つ以上持つことが可能である。PICHはL1/L2シグナリングチャネルを用いて送信される、つまりサブフレーム単位において先頭の1〜3OFDMシンボルに位置づけられる。一方PCHは、PICHと同じサブフレームにあるPDSCHにマッピングされる。非特許文献3のページング信号送信手順においても本発明の解決しようとする課題は発生する。つまりMBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、MBSFNサブフレームが構成されている場合、MBSFNサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボルにてPICHを送信したとしても、PICHと同じサブフレームはMBMS送信専用のリソースである。そのため、ページング信号が自分宛てのものであるか否かを判断するためのページング信号をマッピングするPCHを送信することは出来ない。
非特許文献4にページングがおこる時(ページングアケージョン(ページングオケージョン):Paging occasion)を求める式について以下の記載がある。ページングアケージョンを求めるためには、ページングインターバル(本発明における混合周波数レイヤにおける間欠受信周期にあたる)とページングインターバル中でのページングアケージョンの数の2つのパラメータが必要であり、他に必要なパラメータはないと記載されている。更にページングアケージョンが発生する無線フレーム中のサブフレームは、固定値とすると記載されている。しかし非特許文献4にはページング信号がマッピングされるページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームについての決定方法についての記載はない。また、非特許文献4にはページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームとの関係についての記載はない。
MBSFNサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボル以外はMBMS送信専用のリソースとなる。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームがMBSFNサブフレームの割当と重なった場合、先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなりページング処理に用いることはできない。従来のページング処理方法ではMBSFNサブフレームについて全く考慮していないため、MBMS/ユニキャスト混合セルでのページング処理に適用することは不可能となる問題が生じる。この問題を解決するため、本実施の形態14では、MBSFNサブフレームを考慮した、ページングアケージョンの無線フレームの決定方法について開示する。
MBSFNサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボル以外はMBMS送信専用のリソースとなる。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームがMBSFNサブフレームの割当と重なった場合、先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなりページング処理に用いることはできない。従来のページング処理方法ではMBSFNサブフレームについて全く考慮していないため、MBMS/ユニキャスト混合セルでのページング処理に適用することは不可能となる問題が生じる。この問題を解決するため、本実施の形態14では、MBSFNサブフレームを考慮した、ページングアケージョンの無線フレームの決定方法について開示する。
MBSFNサブフレームの構成は、図3に示したように、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームを割り当てる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)を設け、該繰返し周期内で、MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)をスケジュールする。各MBSFNフレームに割当てられるMBSFNサブフレームは同じであっても良いし異なっていても良い。MBSFNフレームの集合によって、繰り返し周期(Repetition Period)内のMBSFNサブフレームの割り当てパターンが決定される。該MBSFNサブフレームの割当てパターンは該繰返し周期毎に繰り返される。図では、MBSFNフレーム内のMBSFNサブフレームの割り当てパターンを同一にしているが、こうすることによって、MBSFNサブフレームのサブフレーム番号を表すのに必要なbit数が、同一でない場合に比べてすくなくすることができる。また、図ではMBSFNフレームを連続としているが、特に連続である必要はない。連続の場合、MBSFNフレームのフレーム番号を表すのに必要なビット数が、連続でない場合に比べて少なくすることができる。
MBSFNフレームの集合の繰返し周期、MBSFNフレームやMBSFNサブフレームの該繰返し周期内の割当てパターンは、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。また、自セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。一方、ページングアケージョンの無線フレームの決定方法として以下の算出式が考えられる。
「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=移動端末の識別子(IMSIなど)mod X +n×(間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。Xは間欠受信周期内でページングが発生する無線フレームの数で、X≦間欠受信周期(無線フレーム数)である。なお、Xの値(Xでの剰余値)と、無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく。
上記の式からわかるように、間欠受信周期内で、ページング発生無線フレーム数Xに関係付けられた無線フレームにおいて、ページングアケージョンが発生することになる。いいかえると、ページングアケージョンの発生は、該Xに関係付けられた無線フレームのパターンで、間欠周期毎に繰り返されることになる。ページングアケージョンを導出するために必要なパラメータ、移動端末の識別子、間欠受信周期、X等は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。また、自セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。
前述したように、MBSFNサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボル以外はMBMS送信専用のリソースとなるため、MBSFNサブフレームをページング処理に用いることはできない。従って、従来のページング処理方法ではMBSFNサブフレームについて全く考慮していないため、MBMS/ユニキャスト混合セルでのページング処理に適用することは不可能となる問題が生じる。この問題を解決するため、ここでは、MBSFNフレームとページングアケージョンが発生するフレームが常に同一の無線フレームとなるのを避ける方法を開示する。具体的には、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)と、間欠受信周期を異にする。特に、MBSFNフレームの集合の繰返し周期と間欠受信周期を同じにしない、あるいは、倍数関係にしないようにする。
一例を下記に示す。従来、間欠受信周期として、2a×無線フレーム(単位は、数あるいは時間)、aは正の整数、が用いられる。aの値は、基地局またはネットワークによって決定され移動端末にサービングセルを通して通知される。
この場合、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)を以下の導出式にする。
2b×無線フレーム(単位は、数あるいは時間)、bは正の整数。
ただし、a≠b。
こうすることで、各周期が同じになることは無く、もし、最初に割当てられる初期無線フレーム番号(オフセット値)が同じ場合にも、常に同一の無線フレームでMBSFNフレームとページングアケージョンの発生が生じることを避けることができる。
これにより、MBSFNサブフレームの存在するMBMS/ユニキャスト混合セルでのページング処理を可能にすることができる。上記例では、MBSFNフレームとページングアケージョンの発生が、常に同一の無線フレームで生じることを避けることができる。しかし、両周期の導出式を、2m×無線フレーム(m=a、b)としているため、各周期が倍数関係になってしまい、何回かに一度同一の無線フレームで、MBSFNフレームとページングアケージョンの発生が生じることになってしまう。
これを避けるため、他の例として、各周期の導出式を以下のようにしても良い。
Sm×無線フレーム(単位は、数あるいは時間)、Sは素数、mは正の整数。
MBSFNフレームの集合の繰り返し周期と間欠受信周期とで、異なるSの値を用いるようにする。Sは素数なので、各周期に異なるSの値を用いることによって、MBSFNフレームとページングアケージョンの発生が、同一の無線フレームで生じることを避けることができる。従って、MBSFNフレームとページングアケージョンが発生するフレームが同一となる頻度をさらに低くすることが可能となる。
もし、同一の無線フレームでMBSFNフレームとページングアケージョンの発生が生じた場合は、基地局あるいはネットワークは、その無線フレームはMBSFNフレームをページングアケージョンより優先し、MBMS用の情報の通信を優先して送信するようにする。この優先順位をあらかじめ決めておくことで、移動端末においても、同時に発生する無線フレームにおいてどちらの情報が送信されるかがわかることになり、受信、デコードすることが可能となる。優先順位はMBSFNフレームとページングアケージョンのどちらが高くても良い。MBSFNフレームの優先順位を高くする場合は、MBMSデータの欠落、遅延無しにMBMSサービスを受信することが可能となる。ページングアケージョンの優先順位を高くする場合は、移動端末への着信処理に有する時間が短縮可能となり、着信時の遅延時間を低減させることが可能となる。
これらの例における各周期の導出式は静的に決められておくと良い。導出式をあらかじめ2種類以上用意しておき、どれを選ぶかを決めておいても良い。また、どの導出式を選ぶかをパラメータとしても良い。導出式に用いられるパラメータは、静的に決められても良いし、準静的、あるいは動的に決められても良い。準静的、あるいは動的に決められる場合、各パラメータは、基地局またはネットワークによって決定され、BCCHやMCCH、あるいはL1/L2シグナリングによって移動端末にサービングセルを通して通知される。どの導出式を用いるかのパラメータについては、導出式をあらかじめ2種類としておくことで、該パラメータを1bitで通知することができ、最小の情報量で基地局あるいはネットワークから移動端末へ通知することができ、無線リソースの使用効率が増大する。
図74に、MBSFNサブフレームの割当て情報の通知およびページング信号がマッピングされるページングアケージョンの導出を行う場合のシーケンス図の具体例を示す。ステップST4001にてサービングセルは、自セルのシステム情報を傘下の移動端末へ通知する。通知されるシステム情報の具体例としては、メジャメント周期、トラッキングエリア情報(TA情報)、間欠受信周期がある。自セルのシステム情報には、間欠受信用パラメータを含むものとする。間欠受信周期は、上記に開示したページングアケージョン発生無線フレームの決定方法によって、該間欠受信用パラメータを用いて導出される。間欠受信用パラメータの具体例としては、間欠受信周期導出用のパラメータである、a、m、S、どの導出式を用いるかの情報などや、間欠受信周期中のページングアケージョンの数(X)(あるいは、ページンググループ数)、Xの値(Xでの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)の関係などがある。間欠受信周期の表し方の具体例としては無線フレーム数などがある。ステップST4002にて移動端末は、サービングセルから自セルのシステム情報を受信する。ステップST4501にてサービングセルは、MBSFNサブフレームの割り当て情報を送信する。MBSFNサブフレームの割当てに関する現在の3GPPでは、以下のようなことが議論されている。MBSFNサブフレーム中のレファレンスシグナルとMBSFNサブフレームではないサブフレームのレファレンスシグナルの無線リソースとしてのマッピング位置が異なる。よってより正確なレファレンスシグナルを用いた測定を行うためには、MBMSサービスを受信する能力のない移動端末であってもサービングセルのMBSFNサブフレームの割り当て情報を把握する必要があるという議論がされている(非特許文献2)。MBSFNサブフレームの割り当て情報の具体例としては、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期導出用パラメータ、該周期内のMBSFNサブフレーム割当てパターンが考えられる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期は、上記に開示したMBSFNフレームの集合の繰り返し周期決定方法によって、該MBSFNフレームの集合の繰り返し周期導出用パラメータを用いて導出される。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期導出用パラメータの具体例としては、該繰返し周期導出用のパラメータである、b、m、S、どの導出式を用いるかの情報などがある。該周期内のMBSFNサブフレーム割当てパターンの具体例としては、該繰返し周期内のMBSFNフレームナンバ、または/かつMBSFNサブフレームナンバがある。ステップST4502にて移動端末は、サービングセルからMBSFNサブフレームの割り当て情報を受信する。ステップST4503にて移動端末は、ページングアケージョンを求める。ステップST4503、4504にて移動端末とサービングセルは、移動体通信システムとして同じ方法を用いてページングアケージョンの無線フレームを求める。ステップST4505にて移動端末は、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める。ステップST4506にてサービングセルは、移動体通信システムとして移動端末と同じ方法を用いてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める。
本実施の形態14で開示したように、MBSFNフレームとページングアケージョンが発生するフレームが常に同一の無線フレームとならないようにすることによって、本発明の課題を解決することができ、MBSFNサブフレームの存在するMBMS/ユニキャスト混合セルでのページング処理を可能にすることができる。
次に本実施形態の変形例1を説明する。実施の形態14では、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期とページングアケージョンにおける間欠受信周期を異にするようにしたが、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期内のMBSFNフレームのパターンと、間欠受信周期内のページングアケージョンの無線フレームの発生パターンが、同一にならないようにしても良い。例えば、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期を32無線フレームとする。該繰返し周期内のMBSFNフレームを#0〜#7(繰返し周期内最初の無線フレームを#0とする)とする。この場合、例えば、上記のページングオケージョンの導出式を用いて、間欠受信周期を32無線フレーム、ページング発生無線フレーム数Xを4、かつ、Xでの剰余値と無線フレームナンバの関係を、以下のようにしておく。
Xの剰余値=0 のとき 無線フレームナンバ #8、
Xの剰余値=1 のとき 無線フレームナンバ #14、
Xの剰余値=2 のとき 無線フレームナンバ #20、
Xの剰余値=3 のとき 無線フレームナンバ #26。
ただし、無線フレームナンバは、間欠受信周期内最初の無線フレームを#0とする。
このように対応付けることで、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期内のMBSFNフレームのパターンと、間欠受信周期内のページングアケージョンの無線フレームの発生パターンが、同一にならないようにできる。従って、たとえ、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期とページングアケージョンにおける間欠受信周期が同じであったとしても、該周期内のパターンが各々異なるため、MBSFNフレームとページングアケージョンの発生が、常に同一の無線フレームで生じることを避けることができる。
本変形例では、MBSFNフレームをもとにページングオケージョンの発生無線フレームを決めているが、逆に、ページングオケージョンの発生無線フレームをもとにMBSFNフレームを決めても良い。例えば、ページングオケージョンの発生無線フレームを静的に決めておき、MBSFNフレームを準静的あるいは動的に決める場合は、間欠受信周期内のページングオケージョンの発生無線フレームと異なる無線フレームをMBSFNフレームとするようにすれば良い。こうすることによって、例えば、MBMSのデータ量に応じて柔軟にMBSFNサブフレームを決定することが可能となり、無線リソースの使用効率を増大させることが可能となる。このページングオケージョンの発生無線フレームを静的に決めておき、MBSFNフレームを準静的あるいは動的に決める方法は、実施の形態14においても、あるいは変形例2においても適用可能である。また、本変形例におけるパラメータの通知方法は実施の形態14で述べた方法が適用可能である。
本変形例1の方法を用いることによって、実施の形態14の効果に加えて、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期と間欠受信周期が同じであっても良いという、効果が得られる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期と間欠受信周期を同じにすることで、基地局あるいはネットワークから移動端末に通知するパラメータが少なくてすみ、無線リソースの使用効率を増大させることができる。
上記例では、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期内のMBSFNフレームのパターンを用いたが、繰り返し周期(Repetition Period)内のMBSFNサブフレームの割り当てパターンであっても良い。この場合、該MBSFNサブフレームが含まれるMBSFNフレームを、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期内のMBSFNフレームのパターンとすれば良い。これにより同等の効果が得られる。
実施の形態15.
実施の形態2では、ページング信号はMCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)毎やページング信号有無インジケータ繰り返し期間毎に基地局から送信され、ページング信号を受信する移動端末はそれらの繰り返し期間において間欠受信動作を行う方法を開示した。ここでは、ページング信号の通知方法として別の新たな方法を開示する。実施の形態2でも述べたが、従来の技術(W-CDMA)では、PCHがマッピングされるS−CCPCHの本数(チャネライゼーションコードの数)をグループ数とし、移動端末の識別子(UE-IDD,IMSI)、間欠受信タイミングを用いてページングインジケーションが送信されるタイミング、すなわちSFN(System Frame Number)を計算する方法としていた。しかし、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤにおいてはページング信号の通知方法の開示はまだない。MBMS送信専用周波数レイヤにおいてはマルチセル送信であり、さらには、任意の一つのセルが複数のMBSFNエリアに属することも許されているため、ページング信号をどの無線フレーム上、または、どのサブフレーム上にマッピングするかといった方法について、従来の技術のページングインジケーションを送信する方法を適用することはできず、さらには、LTEシステムはCDM方式ではないので、チャネライゼーションコード数という考え方はないため、従来の技術を適用することは不可能である。そこで、ここでは、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでページング信号を通知する方法を開示する。説明においては、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知する方法として、該セルが属するMBSFNエリアに対応する無線フレームでページング信号が送信される構成とする。具体例として、図40で示すように、各セルにおいて重複する(覆いかぶさる)MBSFNエリアが存在せず、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがCDMされている場合のページング信号の通知方法を開示する。まず、ページンググループの算出式について開示する。ページンググループの算出式(IMSI mod Ksf)のうち、Ksfをページンググループ数とする。Ksfの値の具体例としては、1無線フレーム中のMBSFNサブフレームの数とする。1無線フレーム中のMBSFNサブフレーム数が10の場合は、Ksf=10となる。また、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレーム数とした場合は、Ksf=8である。Ksfの値(Ksfでの剰余値)と、無線フレーム中のサブフレームナンバを関係付けておくことで、上記の式で算出されたページンググループの値により無線フレーム中のどのサブフレームに、自移動端末が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かることになる。
次に、どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかを関連付けておく。具体例として算出式は以下のとおりとなる。「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=(IMSI div Ksf)mod(MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。
「ページング発生無線フレーム」(以下、ページングアケージョン)は、ページング信号がマッピングされるSFNである。この式からもわかるように、ページングアケージョンは0からSFNの最大値まで全ての値をとりうる。従って、実施の形態2で開示した方法に比べ、ページング信号をのせるMBSFNサブフレーム数やそれを有する無線フレーム数を多くすることができる。このため、ひとつのMBSFNサブフレームにのせる移動端末数を少なくすることが可能となり、ひとつのMBSFNサブフレーム上の該移動端末数のページング信号をのせるのに必要な物理領域は少なくてすむことになる。また、MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期をMCCHが送信される周期に依存して決める必要がないため、システムとして柔軟に間欠受信周期を設定することが可能となる。次に、ページング信号をのせる物理領域について述べる。セルが属するMBSFNエリアに対応する全無線フレームで送信される構成とする。実施の形態8で開示した、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネル(DPCH)を設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法を適用する。図42に示されるように、MBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームの一部にページング信号をのせるためのDPCHを設ける構成とする。DPCHはMBSFNエリアに対応する全無線フレームに構成され、DPCHは1無線フレーム内の全MBSFNサブフレームに構成されても良いし、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレームに構成されても良い。DPCHが、1無線フレーム内の全MBSFNサブフレームに構成された場合はKsf=10とすれば良く、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレームに構成された場合はKsf=8とすれば良い。また、Ksfは1無線フレーム内のサブフレーム数であれば他の値であっても良い。ページング専用チャネル上のページング信号について、ページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法については実施の形態8で開示した方法が適用できるのでここでは説明を省略する。
上記のようなページング信号の通知方法、ページング信号をのせるチャネル構成とすることで、MBMS専用セルが属するMBSFNエリアに対応する全無線フレームでページング信号が送信されることが可能となり、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知することが可能となるという効果が得られる。
別の具体例として、DRX期間を考慮に入れた場合のページング信号の送信方法を開示する。実施の形態2で、ページング信号をMBMS送信専用セルで通知するためにユニキャスト/混合周波数レイヤにおける同期維持や報知情報の取得やセルリセレクションを可能にするため、ユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX期間を設ける方法を開示した。ここでは、該DRX期間を設けた場合について、該DRX期間も考慮に入れた場合のページング信号の送信方法について示す。該DRXに関する詳細の説明は実施の形態2で開示してあるのでここでは省略する。本具体例においては、該DRX期間はMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)に一つ設けられることとする。図75にDRX期間も考慮に入れた場合の各セルにおけるMBSFNエリア毎のMBSFNサブフレーム構成例を示す。SFNが0からSFNmaxとし、DRX期間をd無線フレームとする。各セルから、SFN=0〜SFNmax−dの無線フレームでMBMS用データが送信される。SFN=SFNmax−d+1〜SFNmaxはDRX期間とし、送信オフとなる。DRX期間はMBSFN同期エリアに一つ設けられるとしている。従って、各MBSFNエリアに属するセルは同じタイミング(SFN)で送信オフとなる。ページング信号は、MBMS用データが送信されるSFN=0〜SFNmax−dの無線フレームで実施の形態8で開示したDPCHにのせて送信される。まず、ページンググループの算出式について開示する。ページンググループの算出式を以下に示す。
IMSI mod Ksf
Ksfをページンググループ数とする。Ksfの値の具体例としては、1無線フレーム中のMBSFNサブフレームの数とする。1無線フレーム中のMBSFNサブフレーム数が10の場合は、Ksf=10となる。また、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレーム数とした場合は、Ksf=8である。Ksfの値と、無線フレーム中のサブフレームナンバを関係付けておくことで、ページンググループにより無線フレーム中のどのサブフレームに、自移動端末が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かることになる。
次に、どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかであるが、具体的な算出式として二つの方法を開示する。まず、一つ目の方法を開示する。ページングアケージョン(Paging Occasion)を次のようにする。
ページングアケージョン=(IMSI div Ksf)mod(SFNmax−ΣDRX)、
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期=SFNmax、
ただし、ページングアケージョンは、DRXを除く無線フレームをリナンバリングした値とする。
ここで、SFNmaxはSFNの最大値、ΣDRXは、0からSFNmaxまでに存在するDRX期間全ての和である。つまり、(SFNmax−ΣDRX)はDRX期間を除いた無線フレーム数を示している。従って、この式からもわかるように、ページング信号がマッピングされるSFNはDRXを除いたMBSFNエリア毎のMBSFNサブフレームが存在する無線フレームの値をとりうることになる。また、間欠受信周期はSFNmaxとしているので、ある一つの移動端末にとっては、SFNが0からSFNmax中に1回のページングアケージョンが発生することになる。こうすることによって、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームにページング信号を設けることが可能となり、移動端末は該ページング信号をMBMS受信中もしくは受信しようとしている際にページング信号を受信することが可能となる。ページング信号をのせる物理領域の構成方法およびページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法については前述の方法が適用できるのでここでは説明を省略する。
どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかについて、二つ目の方法を開示する。MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期として2種類の周期を有する方法とする。一つはSFNの最大値内で間欠受信が繰り返される周期、もう一つはSFNの最大値毎に間欠受信が繰り返される周期である。具体的なページングアケージョン(Paging Occasion)を次のようにする。
Paging Occasion=(IMSI div Ksf)mod(MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1)+n×(MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1)、
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1≦(SFNmax-ΣDRX)、
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#2=SFNmax、
n:0、1、2・・・ ただし、∀Paging Occasion≦(SFNmax-ΣDRX)。
ただし、ページングアケージョンは、DRXを除く無線フレームをリナンバリングした値とする。
ここで、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1はSFNの最大値内で間欠受信が繰り返される周期である。MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#2はSFNの最大値毎に間欠受信が繰り返される周期である。MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#2は、該MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1で算出される0からSFNmaxの間の無線フレームの値のパターンを、SFNの最大値毎に繰り返すように設定するための周期である。ページングアケージョンの計算結果のとりうる全ての値が(SFNmax-ΣDRX)以下となるようにnを決めることで、各移動端末のページング機会は均等に与えられることになる。もし、各移動端末のページング機会は均等に与える必要のない場合は、
n:0、1、2・・・ ただし、Paging Occasion≦(SFNmax-ΣDRX)としても良い。
こうすることによって、各移動端末のページング機会に差が生じることになるが、ページング信号通知に使用されない無線フレームはなくなり、移動端末としてはなるべく多くの機会をページング信号を受信することが可能となり、ページング信号の受信誤差、着信動作の遅延等を削減することが可能となる。
MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1の具体的な設定例を示す。例えば、
a×2(k−1)≦SFNmax−ΣDRX、ただし、a、kは正の整数、
とし、あらかじめ、a、a×2、a×22、・・・、a×2(k−1) をMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1としておき、その中から選択できるようにしておけば良い。a、kの値を上位レイヤにて選択し、ユニキャスト/混合周波数レイヤのセルの報知情報、あるいはMBMS専用周波数レイヤのセルの報知情報、あるいは移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内のMBMSサービスに対応するMCCHで移動端末に通知しておき、移動端末はその通知された値を元に算出するようにしても良い。本方法においても、ページング信号をのせる物理領域の構成方法およびページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法については前述の方法が適用できるのでここでは説明を省略する。
以上に、DRX期間を考慮に入れた場合のページング信号の送信方法の具体例を開示した。DRX期間を考慮に入れた場合のページング信号の送信方法として、DRX期間を除いた無線フレームのMBSFNサブフレームにページング信号をのせるようにしておけば良い。該MBSFNサブフレームは、DRX期間を除いた無線フレームの全てのMBSFNサブフレームとしても良いし、一部のMBSFNサブフレームとしても良い。
以上に、DRX期間を考慮に入れた場合のページング信号の送信方法を開示した。このMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期として2種類の周期を有する方法は、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合についても適用可能である。例えば、図39に示した様に、各セルにおいて重複するMBSFNエリアが存在せず、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合でDRX期間がある場合には、(SFNmax-ΣDRX)のかわりに、各セルが属するMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームを有する無線フレーム数とし、1無線フレーム内のMBSFNサブフレーム数をKsfとすれば良い。例えば、図41に示したように、各セルにおいて重複するMBSFNエリアが存在しており、重複していないMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがCDMされており、重複しているMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合でDRX期間がある場合には、いくつかの方法が考えられる。
各セルが属するひとつのMBSFNエリア上でページング信号を送信する場合は、同じように、(SFNmax-ΣDRX)のかわりに、該MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームを有する無線フレーム数とし、1無線フレーム内のMBSFNサブフレーム数をKsfとすれば良い。覆っているMBSFNエリア(エリア4)でもページング信号を送信する場合は、覆っているMBSFNエリアの#0、#5のサブフレームにDPCHを設け、覆われているMBSFNエリア(例えばエリア1)のスクランブリングコードを乗じて送るようにすれば良い。実施の形態2で開示したように、覆われているMBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームの#0、#5のサブフレームでは、SCHが送信されるため、MBSFNエリア1のスクランブリングコードやリファレンスシグナル(RS)が用いられるよう構成される。従って、覆っているMBSFNエリアの#0、#5のサブフレームにDPCHを設け、MBSFNエリア1のスクランブリングコードを乗じて送るようにすることでDRX期間を除く全ての無線フレームにDPCHを設けることが可能となる。従って、(SFNmax-ΣDRX)はそのまま用い、Ksfを2(#0,#5のサブフレームに対応)にすれば良い。覆っているMBSFNエリア(エリア4)において覆われているMBSFNエリア(例えばエリア1)のスクランブリングコードが乗じられるサブフレームがない場合は、DRX期間を除く全無線フレームで同じページング信号を送信することは不可能となる。従って、MBSFNエリア1もしくはMBSFNエリア4のみのMBSFNサブフレームにDPCHを設け、ページング信号を送信する。この場合は、ひとつのMBSFNエリア上でページング信号を送信する場合と同じように、(SFNmax−ΣDRX)のかわりに、どれかひとつのMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームを有する無線フレーム数とし、1無線フレーム内のMBSFNサブフレーム数をKsfとすれば良い。
また、上記では、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合についても本ページング信号の送信方法は適用可能であることを説明したが、この場合にさらにDRX期間が設けられる場合であっても適用可能である。上記のようなページング信号の通知方法、ページング信号をのせるチャネル構成とすることで、MBMS送信専用周波数レイヤにおいてDRX期間が設けられた場合にも、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知することが可能となるという効果が得ることができる。さらには、DRX期間として、上記でユニキャスト/混合周波数レイヤにおける同期維持や報知情報の取得やセルリセレクションを可能にする用途でDRX期間を設けた場合を述べたが、この用途に限らず、DRX期間が設けられた場合においても本実施の形態で開示したページング信号の通知方法、ページング信号をのせるチャネル構成は適用可能であるため、ユニキャスト/混合周波数レイヤ、MBMS送信専用周波数レイヤ、さらにはその他のシステムの並存、共用を可能とし、移動体通信システムを柔軟に構成、運用できるという効果が得られる。
本実施の形態における移動体通信システムの処理の流れについて説明する。実施の形態2で開示した方法と異なる点を主に示す。まず、MCCH繰り返し期間(MCCH repetition period)等のMCCHのスケジューリングに関する情報やユニキャスト/混合周波数レイヤの測定用のDRX情報に加えて、MBMS受信時間欠受信時用のパラメータ、具体的にはMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期#1、#2、a、k、Ksfが移動端末に通知されなくてはならない。これらの情報は全て通知される必要がなく、使用されるページンググループやページングアケージョン(paging occasion)の算出式に応じて必要なパラメータが通知されれば良い。これらMBMS受信時間欠受信時用のパラメータは、MCCHのスケジューリングに関する情報とともに、ST1723、ST1724でMBMS専用セルからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。また、MBMSエリア情報やユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX情報やページンググループ数とともに、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。ここで、ページングアケージョン算出式に必要なパラメータが通知されれば良いとしたが、ページングアケージョンに限らず、移動端末が間欠受信動作の際どのタイミング(SFN)を受信したら良いかを示すパラメータであれば良い。具体例として、明示的な受信タイミング(SFN)、間欠受信周期があげられる。
次に、移動端末における間欠受信準備動作を説明する。図76に本実施の形態における移動端末における間欠受信準備動作処理を示す。図19中のST1735のかわりにST6201が行われる。ST6201にて移動端末は、ステップST1729にて受信したMBMS受信時間欠受信時用のパラメータを用いてMBMS受信時間欠受信準備を行う。具体的には、ステップST1729にて受信したページンググループ数Ksf、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、a、k、DRX情報等を用いて、前述した自移動端末のページンググループとページングアケージョンを算出する。また、ページンググループとページングアケージョンの算出には、移動端末の識別ID(UE-ID,IMSI)を用いる。SFNmaxはシステムとしてあらかじめ決められておけば良く、その値を用いる。
次に、MBMS受信時の間欠受信処理について説明する。図77に本実施の形態におけるMBMS受信時間欠受信処理を示す。ステップST6301にて移動端末は、ステップST6201で行ったページングアケージョン算出結果よりページング信号の受信タイミングかどうか判断する。さらに具体的には自移動端末宛のページングアケージョンのSFN番号であるか否かを判断する。ページングアケージョンのSFN番号でなかった場合、ST6306に移行する。ST6306にて移動端末はST1725にて受信したMCCHのスケジューリングを用いて、MCCH受信タイミングであるか否か判断する。さらに具体的には、MCCHがマッピングされる先頭のSFN番号であるか否かを判断する。具体例としては、ステップST1725にて受信するパラメータ例のMCCH繰り返し期間、スターティングポイント値を用いてMCCHがマッピングされる先頭のSFN番号を求め、BCCHなどにマッピングされるSFNを基にMCCHがマッピングされる先頭であるか否かを判断する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングでなかった場合、ステップST1753へ移行する。MCCHがマッピングされる先頭のタイミングであった場合、ステップST1788へ移行する。ステップST1722は、例えば図26であればMCCH繰り返し期間1ごとに判断するとしても良い。また例えば図27、図29であればMCCH繰り返し期間ごとに判断するとしても良い。ST6301でページングアケージョンのSFN番号であった場合は、ST6302に移行する。
ステップST6307にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST6308にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)をもとに、当該移動端末のTA(Tracking Area)リストを確認する。ステップST6309にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31[a]のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のTAリストを検索する。当該移動端末が図31[a]のUE#1(UE−ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31[a]のUE#2(UE−ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST6310へ移行する。ステップST6310にてMMEはMCEに対してページングリクエスト(Paging Request)を送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアID、あるいはMBSFNエリアIDとしても良い。
ステップST6311にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST6312にてページングリクエストを受信したMCEのうち、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFNエリアIDを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、MBMS受信時間欠受信時用のパラメータを用いて当該移動端末のページンググループとページングアケージョン(paging occasion)を算出する。MBMS受信時間欠受信時用のパラメータとして具体的には、自基地局(自MBSFN Area)のページンググループ数Ksf、MBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、a、k、DRX情報等である。ページンググループとページングアケージョンの算出の際は、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体的な算出式は前述したのでここでは省略する。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側でTA(MBMS)ナンバ(MBSFN Area)とMCEのくくりつけを管理する方法は、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行えるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
またMMEが図31[c]に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更には図31[d]に示すように、MBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号を管理する場合を考える。その場合、ステップST6310にてMMEは、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理するMCEのみにページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。ステップST6311にてページングリクエストを受信したMCEは、上記同様ページング送信準備を行う。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係を管理する方法(図31[d])は、MMEからMCEへ通知するMCEの数が少なくなるためリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。また通知する情報量が少なくなるためにリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。
またMMEが図31[c]に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBSFNエリアIDを管理し、更に図31[e]に示すように、MBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるMBMS専用セル、MBMS/ユニキャスト混合セルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST6310にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリアIDに含まれるセルに対して、ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。上記のように、MME内でMBSFNエリアIDとMBSFNエリアIDに含まれるセルの関係を管理する方法(図31[e])は、MCEにて移動端末のページング信号送信に関する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。
実際にMBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成例については実施の形態8で開示したページング専用チャネル(DPCH)のチャネル構成およびページング信号をページング信号専用チャネルにマッピングする方法が適用できる。図43、図44、図45にそれらの構成及び方法が示されている。これらの詳細の説明は実施の形態8で開示されているのでここでは省略する。
以降、MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については図43、図44を例にして説明する。ステップST6313にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ページングが発生した移動端末の台数に応じて必要となるページング信号用の物理領域(OFDMシンボル数)からPCFICHの値を決定する。また、ステップST6312にて算出した当該移動端末のページンググループ番号とページングアケージョンから得られるSFNナンバのMBSFNサブフレームナンバ上のページング信号用の物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMCEにて行うことによりMBSFNエリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFNエリアにてマルチセル送信されているDPCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST6314にてMCEはMBSFNエリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID、IMSI,S-TMSIなど)、ステップST6313にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN,MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ、PCFICH値)などが考えられる。ステップST6315にてMBSFNエリア内の各基地局はMCEからのページングリクエストを受信する。
MME103とMCE801間にMME―MCE間IFを設ける代わりに、MME103とMBMS GW802(更に詳しくは、MBMS CP802−1)間にMME−MBMS GWインタフェースを設けてもよい。そして、ステップST6311〜ステップST6314までのMCEの処理内容をMBMS GWで行うとしても本発明と同じ効果が得られる。
ステップST6316にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループとページングアケージョンを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。ステップST6314にて当該移動端末のページンググループとページングアケージョンも通知していれば、ステップST6316は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減効果を得ることができる。一方ステップST6314にて当該移動端末のページンググループもしくはページングアケージョンを通知せず、ステップST6316にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループとページングアケージョンを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST6317にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST6315にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果などを用いて、ページング信号を送信する無線フレームナンバ、MBSFNサブフレームナンバを導出する。ステップST6318にて、導出した無線フレームナンバ、MBSFNサブフレームナンバのPCFICHの物理領域にPCFICH値をマッピングし、かつ、導出した無線フレームナンバ、MBSFNサブフレームナンバのDPCHの物理領域に、当該移動端末の識別子を、当該情報要素ナンバに割り当ててマッピングして送信を行う。MBSFNエリア内の各基地局にページング信号の送信を行う。その際のDPCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは実施の形態8で開示した方法を用いることが可能である。
ステップST6302にて移動端末は、ページンググループ算出結果より得た自グループのMBSFNサブフレームのPCFICHを受信する。ステップST6303にて移動端末は、PCFICHより、DPCH用OFDMシンボル数を判定する。ステップST6304にて移動端末は、判定したDPCH用OFDMシンボル数をもとに、同じMBSFNサブフレームのDPCHがのる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST6305にて移動端末は、ステップST6304にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1819へ移行する。
これにより、本発明の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。
本実施の形態に開示したMBMS送信専用周波数レイヤでページング信号を通知する方法とすることにより、ページング信号をのせるMBSFNサブフレーム数やそれを有する無線フレーム数を多くすることができる。このため、ひとつのMBSFNサブフレームにのせる移動端末数を少なくすることが可能となり、ひとつのMBSFNサブフレーム上の該移動端末数のページング信号をのせるのに必要な物理領域は少なくてすむことになる。また、MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期をMCCHが送信される周期に依存して決める必要がないため、システムとして柔軟に間欠受信周期を設定することが可能となる。
上記では、ページング信号の通知方法として、ページングアケージョンがDRX期間を除く全ての無線フレームに存在する場合について述べた。ページングアケージョンをDRX期間を除く無線フレームの内、ひとつまたは複数個としても良い。これによって、全無線フレームにページング信号をのせるためのページング専用チャネル(DPCH)を設けておく必要が無くなり、ページング信号をのせない無線フレームではMBMSサービス用のデータを送信することが可能となり、MBMSサービスの高速、大容量化が図れる。ページングアケージョンをDRX期間を除く無線フレームの内、ひとつまたは複数個とする具体的な方法を開示する。ページンググループの算出式は同じように、Kはページンググループ数として、IMSI mod K とする。
Kの値の具体例としては、1無線フレーム中のMBSFNサブフレームの数とする。例えば、1無線フレーム中のMBSFNサブフレーム数が10の場合は、K=10となる。また、1無線フレーム中SCHがマッピングされる#0、#5を除いたMBSFNサブフレーム数とした場合は、K=8である。Kの値(Kでの剰余値)と、無線フレーム中のサブフレームナンバを関係付けておくことで、上記の式で算出されたページンググループの値により無線フレーム中のどのサブフレームに、自移動端末が属するグループのページング情報がマッピングされるかが分かることになる。次に、どの無線フレームに自分が属するグループのページング信号がマッピングされるかを関連付けておく。具体例として算出式は以下のとおりとなる。まずは、DRX期間が無い場合について開示する。
「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=(IMSI div K)mod X +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。XはMBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期内でページングが発生する無線フレームの数で、X≦MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期(無線フレーム数)である。なお、Xの値(Xでの剰余値)と、無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく。
こうすることで、ページングが、MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期内のX個の無線フレームで発生するようにでき、上記の式で算出されたページングアケージョンの値により、どの無線フレームに自移動端末のページング情報がのるかがわかることとなる。Xの値と関係付けられた無線フレーム以外の無線フレームではページングアケージョンは発生せず、MBMSサービス用のデータを送信させることが可能となる。ページングが発生する無線フレームが、周期的になっている場合は、例えば、該周期をTXとすると次式のようにすれば良い。
「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=((IMSI div K)mod(Int(T/TX)))×TX +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。TX≦MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期(無線フレーム数)である。
周期的にすることによって、前述したXの値(Xでの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく必要がなくなるため、算出演算を簡単にすることができる。次にDRX期間がある場合について開示する。「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=(IMSI div K)mod X +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。XはMBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期内でページングが発生する無線フレームの数で、X≦(SFNmax−ΣDRX)。なお、Xの値(Xでの剰余値)と、無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく。
または、「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=((IMSI div K)mod(Int(T/TX)))×TX +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。TX≦(SFNmax−ΣDRX)。ただし、ページングアケージョンは、DRXを除く無線フレームをリナンバリングした値とする。
上記のMBMS受信時間欠受信時用のパラメータは使用されるページンググループやページングアケージョン(paging occasion)の算出式に応じて必要なパラメータが通知されれば良い。例えばMBMS受信時間欠受信時用のパラメータとして、上記ページングアケージョンの算出式ではMBMS送信専用周波数レイヤにおける間欠受信周期、X、X値(Xの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)の関係付け、TX、K、K値(Kの剰余値)とサブフレームの関係付け等がある。これらMBMS受信時間欠受信時用のパラメータは、MCCHのスケジューリングに関する情報とともに、ST1723、ST1724でMBMS専用セルからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。また、MBMSエリア情報やユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX情報やページンググループ数とともに、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。ここで、ページングアケージョン算出式に必要なパラメータが通知されれば良いとしたが、ページングアケージョンに限らず、移動端末が間欠受信動作の際どのタイミング(SFN)を受信したら良いかを示すパラメータであれば良い。具体例として、明示的な受信タイミング(SFN)、間欠受信周期があげられる。X値(Xの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)の関係付けや、K値(Kの剰余値)とサブフレームの関係付けについては、パラメータとせずに、あらかじめ決められていても良い。例えば、ページング信号をのせるサブフレーム数をKとしたとき、Kの剰余値が0の場合は無線フレーム中のページング信号がのる最初のサブフレーム、Kの剰余値が1の場合はページング信号がのる2番目のサブフレーム、・・・、Kの剰余値がK−1の場合は無線フレーム中のページング信号がのる最後のK番目のサブフレームとする。こうすることによって、シグナリング量を削減することが可能となり、MBMSサービスの伝送容量を増大させることが可能となる。
上記では、ページング信号の通知方法として、ページングアケージョンがDRX期間を除く無線フレームの内、ひとつまたは複数個とした場合について示した。この方法はMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合にも適用できる。先に述べたように、MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームがTDMされている場合には(SFNmax-ΣDRX)のかわりに、該MBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームを有する無線フレーム数とすれば良い。
ページング信号をのせる物理領域については前述したように、実施の形態8で開示した、MBSFNエリア内でマルチセル送信されるページング専用の物理チャネル(DPCH)を設け、該物理チャネル上にページング信号をのせる方法が適用可能である。この場合は、DPCHはMBSFNエリアに対応する全無線フレームに構成される必要は無く、ページングアケージョンが発生する無線フレームに構成されれば良い。また、DPCHは1無線フレーム内の全MBSFNサブフレームに構成されても良いし、KこのMBSFNサブフレームに構成されても良い。これにより、DPCHを構成しない無線フレームではMBMSサービス用のデータを送信することが可能となるため、MBMSサービスの高速化、大容量化が図れる。このようなページング信号の通知方法とすることで、MBMS送信専用周波数レイヤにおいてDRX期間が設けられた場合にも、LTEシステムのMBMS送信専用周波数レイヤでMBMS専用セルがページング信号を通知することが可能となるという効果が得ることができる。本発明におけるページング方法では、ページング後の通信はユニキャストセルで行うため、基地局が送信するページング情報として着信の有無を通知するページングインジケータ(Paging Indicator :PI)のみとしても良い。この場合も、実施の形態8で開示したDPCHの構成を適用することが可能である。
実施の形態16
実施の形態2では移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBMSサービスを送信するMBSFNエリア内全セルからページング信号を送信する方法について開示した。ここでは、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアの存在の有無にかかわらず、移動端末がMBMS専用周波数レイヤにおいてページング信号を受信することを可能とするため、メインPMCHを用いて、ページング信号をMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)内全セルから送信する方法を開示する。説明においては、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
ページング信号をのせる物理チャネルとして、MBSFN同期エリア内の全セルでマルチセル送信されるのに使用されるメインPMCHを用いる。メインPMCHについては実施の形態9で開示した。メインPMCHはMBSFN同期エリア内全セルにて同期がとられるように構成されSFN合成がなされる。これは、MBSFN同期エリア内の全セルが属するひとつのMBSFNエリアが設けられ、該MBSFNエリアに対応するMBSFNサブフレームをメインPMCHとしても良い。ここでは、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとして時分割多重とコード分割多重が混在している場合を例にとって説明する。図46に、MBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization area)内でマルチセル送信される物理チャネル(メインPMCH)の構成を示す。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。また、セル#n1、セル#n2、セル#n3のセルはMBSFNエリア4内のセルでもある。メインPMCHは、他のMBSFNエリア用のMBSFNサブフレームと時分割多重して設けられ、繰り返し周期メインPMCH繰り返し期間で送信される。具体的な構成については実施の形態9で開示してあるので説明を省略する。
本実施の形態における移動体通信システムの処理の流れについて説明する。ページング信号がMBSFN同期エリア内全セルでマルチセル送信されるメインPMCHにのるため、移動端末に対するページング信号を通知する方法が実施の形態2とは異なる。実施の形態2で開示した方法と異なる点を主に示す。まず、MCCH繰り返し期間等のMCCHのスケジューリングに関する情報に加えて、メインPMCHのスケジューリング情報が移動端末に通知されなくてはならない。メインPMCHのスケジューリング情報として具体的には、メインPMCHのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、メインPMCH繰り返し期間、サブフレームナンバ、ページング信号有無インジケータ繰り返し期間、MBMS関連変更有無インジケータ繰り返し期間、それらインジケータの存在するMBSFNサブフレームのスタートタイミング(SFN、スターティングポイント)、サブフレームナンバ等である。メインPMCHのスケジューリング情報はMCCHのスケジューリングに関する情報とともに、ST1723、ST1724でDMBMSからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良いし、また、MBMSエリア情報やユニキャスト/混合周波数レイヤのメジャメント用のDRX情報やページンググループ数とともに、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。
メインPMCHにマッピングされるMCH/PCH/メインPCHで使用されるスクランブリングコードはMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるため、サーチしたMBMS専用セルが属するMBSFNエリア(例えばMBSFNエリア1)に対応するスクランブリングコードとは異なる。従って、該スクランブリングコードも移動端末に通知される必要がある。該スクランブリングコードは、メインPMCHのスケジューリング情報と一緒に、ST1723、ST1724でMBMS専用セルからBCCHにて移動端末に通知されるようにしても良いし、また、ST1728、ST1729でMBMS専用セルからMCCHにて移動端末に通知されるようにしても良い。移動端末は、ST1724あるいはST1729で受信したメインPMCHスケジューリング情報をもとにメインPMCHを受信し、ST1724あるいはST1729で受信した該スクランブリングコードを用いてメインPMCHを逆拡散(descramble)して復号化(decode)することが可能となる。該スクランブリングコードはMBSFN同期エリア内全セルで用いられるため、予め決められておいても良いし、または、ST1707、ST1708の受信可能なMBMSに関する報知において、サービングセルから自セル内で受信可能なf(MBMS)と一緒に移動端末に送信されても良い。実施の形態9で説明した、メインPMCHのチャネル構成で用いられるページンググループ数K(Kmpとする)は、実施の形態2と同様に、ST1728、ST1729において、サーチしたMBMS専用セルが属するMBSFNエリア(例えばMBSFNエリア1)のMCCHに含まれてMBMS専用セルから移動端末に送信される。移動端末は該ページンググループ数Kmpを用いて、ST1735でMBMS受信時間欠受信準備としてページンググループの算出を行う。
次に、MBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)リストについて説明する。メインPMCHはMBSFN同期エリア内全セルでマルチセル送信されるため、移動端末へのページング信号の通知範囲としてMBSFN同期エリア内全てにできる。このため、MBMS送信専用セルのトラッキングエリアをMBSFN同期エリア内全てとすることができる。実施の形態2で、図31[a]に各移動端末のTAリストが示され、図31[b]にユニキャスト/混合周波数レイヤにおけるTA(unicast)と属するセルの対応表を示した。本実施の形態においてもこれらは適用することができる。次に、本実施の形態においては新たにMBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)とMBSFN同期エリアを関連付ける表を設ける。図78に、MBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)を示す表の具体例を示す。図78[a]にMBSFNエリアIDおよびf(MBMS)番号とそれが属するMBSFN同期エリア番号(ID)の表を示す。この表を用いて、MBSFNエリアIDおよびf(MBMS)番号からMBSFN同期エリア番号が関係付けられる。図78[b]にMBSFN同期エリアIDとTA(MBMS)番号との関係を示す表を示す。これらによって、移動端末が受信しているMBSFNエリアが属するMBMS専用周波数レイヤでのTA(MBMS)番号が関連付けられることになる。
TAリストの管理の詳細を説明する。実施の形態2において、MBMS側の受信状況で開示した方法が適用可能である。図20に示すように、ステップST1742にて移動端末は、ステップST1741にて受信したULアロケーションに従って「MBMS側受信状況通知」をサービングセルへ送信する。「MBMS側受信状況通知」に含まれるパラメータ例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、MBMSサービスを受信する周波数(f(MBMS))、MBSFNエリア番号(ID)などがある。ステップST1743にてサービングセルは、移動端末からMBMS側受信状況通知を受信する。ステップST1743にてネットワーク側は、MBMS専用セルに上りリンクを追加することなく、つまり移動体通信システムとして複雑性を増すことなく、当該移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信している旨を知ることが出来る。これにより、ネットワーク側が通常のページング信号を通知する構成から、MBMS受信時間欠受信構成へ変更することが可能となる効果を奏する。ステップST1744にてサービングセルは、MBMS側受信状況通知をMMEへ送信する。ステップST1745にてMMEは、MBMS側受信状況通知をサービングセルより受信する。ステップST1746にてMMEは、当該移動端末のMBMS送信専用の周波数でのMBMSサービスを受信中のトラッキングエリア(以降、TA(MBMS)と称する)を決定する。トラッキングエリアの決定に際しては、MBMS側受信状況通知を基に、更に具体的にはMBMS側受信状況のパラメータを基に、更に具体的にはパラメータ中のf(MBMS)とMBSFNエリア番号を基に決定する。f(MBMS)とMBSFN同期エリアが1対1対応である場合は、MBSFNエリア番号を用いなくても良い。具体的には、図78[a]の表中にMBSFNエリアIDを含めない。また、ST1742〜ST1745のMBMS側受信状況のパラメータの中にもMBSFNエリア番号を含めない。こうすることにより、移動端末とサービングセル間およびサービングセル間とMME間のシグナリング量を削減することが可能となり、無線資源の効率化が図れる。
ステップST1747にて当該移動端末のトラッキングエリアリストを更新する。現在の3GPPにおいてユニキャスト/混合周波数レイヤにおいて1つの移動端末に対して、複数のトラッキングエリアを持つことが決定されている(以降、TA(unicast)と称する)。しかし、MBMS専用セルからのあるいはMBMS送信専用の周波数レイヤにおける、移動端末に対するページング信号の送信を行うか否か決定されていない現段階において、複数のトラッキングエリアについてもMBMS専用セル、MBMS送信専用の周波数レイヤなどのことは考慮されていない。ステップST1747では、TA(unicast)または/かつTA(MBMS)を含むTAリストの管理(保存、追加、更新、削除)をする。ステップST1747のTAリストの管理の詳細を説明する。MMEはステップST1745にて受信したf(MBMS)、MBSFNエリアIDを基にMME内で管理しているTA(MBMS)番号を検索する。具体的な検索方法として例えば図78の表を用いる。受信したf(MBMS)、MBSFNエリアIDから、図78[a]を用いて対応するMBSFN同期エリア番号(ID)を検索し、図78[b]を用いて対応するTA(MBMS)番号を検索する。次に、当該移動端末のTAリスト中に検索の結果判明したTA(MBMS)が存在するか否か判断する。
存在した場合、現状のTAリストを保存する。存在しなかった場合、当該移動端末のTAリストに前記TA(MBMS)を追加する。ステップST1748にてMMEはMBMS側受信状況通知のAckをサービングセルへ送信する。MBMS側受信状況通知のAckに含まれるパラメータ例としては、当該移動端末のTAリストが考えられる。ステップST1749にてサービングセルはMMEよりMBMS側受信状況通知のAckを受信する。ステップST1750にてサービングセルはMBMS側受信状況通知のAckを移動端末へ送信する。ステップST1751にて移動端末はサービングセルよりMBMS側受信状況通知のAckを受信する。ステップST1752にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(f(MBMS))へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。
次に、本実施の形態における当該移動端末へページングが発生した場合の処理について詳細を説明する。ステップST1773にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に、当該移動端末のTAリストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31[a]のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のTAリストを検索する。当該移動端末が図31[a]のUE#1(UE-ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31[a]のUE#2(UE-ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ以降する。ステップST1776にてMMEはMCEに対してページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアID、あるいはMBSFN同期エリアIDとしても良い。
ステップST1777にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様のページンググループ=IMSI mod Kmp を用いる。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側で、例えば図78の表のようなTA(MBMS)ナンバとMCEのくくりつける情報を有し、そのくくりつけを管理する方法は、MBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDと、それを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行えるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
またMMEが図78に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを管理し、更には図79[a]に示すように、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号を管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、TA(MBMS)ナンバと関係するf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを管理するMCEのみにページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。図79[a]ではf(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEの番号の対応表を示したが、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDではなく、MBSFN同期エリアIDとそれを制御するMCEの番号の対応表であっても良い。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEは、上記同様ページング送信準備を行う。上記のように、MME内でf(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれを制御するMCEとの関係を管理する方法は、MMEからMCEへ通知する通知するMCEの数が少なくなるためリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。また通知する情報量が少なくなるためにリソースの有効活用が可能となる効果を得られる。
またMMEが図78に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを管理し、更に図79[b]に示すように、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDと、それに含まれるMBMS専用セルまたは/かつミクスドセルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリアIDに含まれるセルに対して、ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子などが考えられる。この場合も図79[a]と同様に、図79[b]でf(MBMS)かつMBSFNエリアIDではなく、MBSFN同期エリアIDとそれをそれに含まれるMBMS専用セルまたは/かつミクスドセルのセルIDの対応表であっても良い。上記のように、MME内でf(MBMS)かつMBSFNエリアIDとそれに含まれるセルの関係を管理する方法は、MCEにて移動端末のページング信号送信に関する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については実施の形態9で開示した方法が適用できるのでここでは説明は省略する。
ステップST1779にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。ここで、実施の形態2で開示した方法と異なり、ページング信号がのる物理領域は、MBSFN同期エリアでマルチセル送信されるメインPMCH用の物理領域である。このスケジューリングを、ST1777で受信したTA(MBMS)と関連付けられたMBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを制御しているMCEにて行うことにより、MBSFN同期エリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFN同期エリアにてマルチセル送信されているメインPMCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMCEはMBSFNエリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはメインPMCHのSFN、MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などが考えられる。ステップST1781にてMBSFNエリア内の各基地局はMCEからのページングリクエストを受信する。
移動端末へのページング信号のスケジューリングにおいて、メインPMCHが送信される全サブフレームにページング信号をのせても良いし、一部のサブフレームにページング信号をのせても良い。例えば、メインPMCHにMCCHあるいはメインMCCHがのるサブフレームにページング信号をのせても良い。メインPMCHが送信されるサブフレームのうち、一部のサブフレームにページング信号をのせる場合は、該サブフレームはあらかじめ決められていても良いし、ユニキャスト/ミクスドセルもしくはMBMS専用セルから報知されても良い。また、ネットワーク側(MME,MCE)、基地局、移動端末で同じパラメータと同じ算出式を用いて導出するようにしても良い。該パラメータ、該算出式は、あらかじめ決められていても良いし、ユニキャスト/ミクスドセルもしくはMBMS専用セルから報知されても良い。全サブフレームにページング信号をのせることにより、少ない遅延時間で多くの移動端末へのページングを可能にすることができる。一方、一部のサブフレームにページング信号をのせる場合は、ページング信号を受信したい端末は、メインPMCHが送信される全てのサブフレームで受信する必要が無く、ページング信号が送信される一部のサブフレームのみを受信すればよく、低消費電力化がはかれる。また、MCCHあるいはメインMCCHがのるサブフレームにページング信号をのせることにより、移動端末はMCCHあるいはメインMCCHを受信するのと同じサブフレームで受信することが可能となるため、MBMSを受信している移動端末は少ない遅延時間でページングを受信することが可能となる。
ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様のページンググループ=IMSI mod Kmpを用いる。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループをも通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減とう効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST1783にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、PMCHではなく、ページング信号をのせたメインPMCHの送信を行う。その際のメインPMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは実施の形態9で説明した方法を用いることが可能である。
ステップST1784にて移動端末は、PMCH内ではなく、メインPMCH内の自移動端末のステップST1735にて算出したページンググループに対応したページング関連の変更有無インジケータを受信する。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。以上のような方法とすることで、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアの存在の有無にかかわらず、移動端末がMBMS専用周波数レイヤにおいてページング信号を受信することが可能となる。
本実施の形態において、実施の形態2と同様にMMEからMCEに対してページングリクエストを送信する方法を示した。別の方法として、ページングリクエストをMMEからMCEに対してではなく、MMEからMBMSGWに対して送信するようにしても良い。さらに具体的にはMMEからMBMSGW内のMBMSCPに対して送信するようにしても良い。これはページング信号をのせるチャネルがMBSFN同期エリア内でマルチセル送信されるためである。ページングリクエストを受信したMBMSCPはMCEを介さずに直接eNBへページングリクエストを送信する。この場合、図10で開示した、本発明で用いる移動体通信システムの全体的なアーキテクチャにおいて、MME103とMBMSGW802もしくはMBMSCP802−1間のIFを新たに設けておけば良い。このIFを使用して、上記ページングリクエストをMMEからMBMSGWもしくはMBMSCPへ送信する。ページングリクエストを受信したMBMSGWもしくはMBMSCPはM1のIFを用いてMBSFN同期エリア内の全eNBに対してページングリクエスト信号を送信する。
次に、この場合の当該移動端末へページングが発生した場合の処理について説明する。ステップST1773にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)を基に、当該移動端末のTAリストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ以降する。ステップST1776にて、MMEはMCEではなく、MBMSCPに対してページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMBMSCPとしては、MMEが管理する基地局から受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤを管理する全MBMSCPが考えられる。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつMBSFNエリアID、あるいはMBSFN同期エリアIDとしても良い。ステップST1777にて、MCEではなく、MBMSCPがページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMBMSCPの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられたMBSFN同期エリアID、あるいはf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを制御しているMBMSCPは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。
具体例としてはステップST1735と同様のページンググループ=IMSI mod Kmp を用いる。MBMS送信専用周波数レイヤにおけるページング信号をマッピングするチャネル構成については実施の形態9で開示した方法が適用できるのでここでは説明は省略する。ステップST1779にてMBMSCPは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMBMSCPにて行うことによりMBSFNエリア内ではなく、MBSFN同期エリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFN同期エリアにてマルチセル送信されているメインPMCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMBMSCPはMBSFN同期エリア内の基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN,MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などが考えられる。ステップST1781にてMBSFN同期エリア内の各基地局はMBMSCPからのページングリクエストを受信する。
ステップST1782にてMBSFN同期エリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、メインPMCHで用いられるページンググループ数Kmpと、受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様の、ページンググループ=IMSI mod Kmpを用いる。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFN同期エリア内の各基地局の制御負荷の軽減等の効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFN同期エリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MBMSCPからMBSFN同期エリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。
ステップST1783にてMBSFN同期エリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、ページング信号をのせたメインPMCHの送信を行う。その際のメインPMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、具体的な物理チャネルへのマッピング方法などは実施の形態9で説明した方法を用いることが可能である。
ステップST1784にて移動端末は、PMCH内でなく、メインPMCH内の自移動端末のステップST1735にて算出したページンググループに対応したページング関連情報有無インジケータを受信する。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連情報有無インジケータによりページング関連情報の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。
以上のような方法とすることで、複数のMBSFNエリアを覆うようなMBSFNエリアの存在の有無にかかわらず、移動端末がMBMS専用周波数レイヤにおいてページング信号を受信することが可能となる。上記では、MMEとMBMSCPが個別に存在する場合を示したが、MBMSCPがMMEの機能をもっても良い。こうすることで、MME(もしくはEPC)とMBMSGWもしくはMBMSCP間の長距離の物理的IFの敷設が必要なくなるため、システムとして安価に高い安全性で構成でき、さらには、MME(もしくはEPC)とMBMSGWもしくはMBMSCP間の信号の遅延も低減できるため制御遅延、ここではページングの制御遅延を低減することが可能となる。
本実施の形態や実施の形態2のように、MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアがMBSFN同期エリア や、MBSFNエリアである場合は、MMEにおいてTA(MBMS)番号を導出して各移動端末のTAリストに加える方法を開示したが、TAリストにはこだわらず、各移動端末と該移動端末が受信しているf(MBMS)かつMBSFNエリアIDを直接リスト化しておいても良い。この場合は、ST1774で該当UEのTAリストではなく、該直接リスト化したものを確認すれば良い。また、この場合、ST1776、ST1777においては、TA(MBMS)を送受信するのではなく、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDを送受信すればよい。これは、TAがセル単位ではなくMBSFNエリア単位もしくはMBSFN同期エリア単位であるために可能となる。
なお、本実施の形態では、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとして時分割多重とコード分割多重が混在している場合を例にとって説明したが、重複するMBSFNエリアが無く、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとしてTDMの場合やCDMの場合においても適用することは可能である。
これにより、本発明の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。
本実施の形態に開示したMBMS送信専用周波数レイヤでページング信号を通知する方法とすることにより、移動端末がどのMBSFNエリアのMBMSサービスを受信中もしくは受信しようとしていても同じようにメインPMCHののるMBSFNサブフレームを受信することでページング信号を受信できるので、移動端末が受信するMBSFNエリアを変更してMBMSサービスを受信する場合にも、処理を簡略化できるという効果が生じる。
実施の形態17.
実施の形態2では移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBMSサービスを送信するMBSFNエリア内全セルからページング信号を送信する方法について開示した。また、実施の形態16ではMBSFN同期エリア内全セルからページング信号を送信する方法について開示した。しかし、MBSFNエリアやMBSFN同期エリアは地理的に広大な範囲となることも考えられる。このような場合、移動端末においてSFN合成に寄与しないセルから該移動端末向けのページング信号を送信することは、無線リソースの無駄となりシステム容量の低下を引き起こす。従って、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定する必要性が生じてくる。これらの必要性を満たすため、ここでは、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応した任意のMBMS専用セルをトラッキングエリアとし、該トラッキングエリアに属する、MBSFNエリア内(もしくはMBSFN同期エリア内)の一部のセルからページング信号を送信する方法について開示する。説明においては、実施の形態2と異なる部分を中心に説明する。特に説明がない部分については実施の形態2と同様である。
ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定するため、移動端末のユニキャスト側のトラッキングエリアと地理的に対応した、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内あるいはMBSFN同期エリア内の、任意のMBMS専用セルをトラッキングエリアとする。MBMS専用周波数レイヤ用基地局の配置として、ユニキャスト/混合周波数レイヤのセルと同じにするよう、基地局の配置位置は共用するが装置(アンテナ等)をMBMS専用周波数レイヤ用とユニキャスト/混合周波数レイヤ用と両方備えるように構成したり、スポット的にMBMSサービスを行うためユニキャスト/混合周波数レイヤのセルのある一部にMBMS専用周波数レイヤ用基地局を配置位置することが考えられる。ユニキャスト側のトラッキングエリアとMBMS専用セルのトラッキングエリアを地理的に対応させるため、前者の場合には、ユニキャスト/混合周波数レイヤでのトラッキングエリア内のセルと同じMBMS専用周波数レイヤ用のセルをトラッキングエリア内のセルとすれば良い。後者の場合には、ユニキャスト/混合周波数レイヤでのトラッキングエリア内に存在するMBMS専用周波数レイヤ用のセルをトラッキングエリア内のセルとすれば良い。図80に一例としてひとつのMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルをトラッキングエリアとした図を示す。MBMS送信専用周波数レイヤのひとつのMBSFNエリア(MBSFNエリア1)内で斜線で示したMBMS専用セル(MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアTA(MBMS)#1)とそうでないMBMS専用セルを構成する。図では、ユニキャスト/混合周波数レイヤでのトラッキングエリア(TA(unicast)#1)と地理的に対応したTA(MBMS)を構成している。TA(MBMS)#1内のMBMS専用セルからページング信号を送信し、その他のMBMS専用セルではページング信号を送信しない。この場合、同じMBSFNエリア(もしくは同じMBSFN同期エリア内)で、ある移動端末へのページング信号を送信するセルと送信しないセルが生じてしまい、セル間で異なる信号を送信することとなりマルチセル送信ではなくなってしまう。移動端末は受信するセルを選択的に限定できないため、マルチセル送信ではなくなってしまった信号も受信してしまうことになり、受信誤りが引き起こされる。
ページング信号を送信しないセルから送信された異なる信号により、所望のページング信号の受信品質が劣化することになる。特に、ページング信号を送信するセルとページング信号を送信しないセルとの境界付近に存在する移動端末にとっては受信誤りが増大し、ページング信号を受信できなくなるという問題が生じる。これらの問題を解決するためのページング信号用のチャネル構成については実施の形態10で開示した。ここではページング信号用のチャネル構成については実施の形態10で開示した方法を適用する。MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとしてコード分割多重している場合を例にとって説明する。図40に、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHの構成を示す。セル#n1はMBSFNエリア1内のセル、セル#n2はMBSFNエリア2内のセル、セル#n3はMBSFNエリア3内のセルである。セル#n1のセルではMBSFNエリア1に対応したPMCHが送信され、セル#n2のセルではMBSFNエリア2に対応したPMCHが送信され、同様に、セル#n3のセルではMBSFNエリア3に対応したPMCHが送信される。PMCHは時間的に連続していても良いし、不連続でも良い。不連続の場合はMBSFNエリアに対応したPMCHが送信されるMBSFNフレームクラスタ(MBSFN frame cluster)が繰り返される周期がMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間になる。また、連続の場合のMBSFNフレームクラスタ繰り返し期間は0としても良いし、明示しなくても良い。MCCHとMTCHは時間的に分割されてPMCH上にマッピングされても良いし、さらに時間的に分割されてマルチセル送信される物理領域にマッピングされても良い。例えば、MTCHとMCCHが、結果としてマッピングされる物理領域であるMBSFNサブフレームが異なっていても良い。MCCHが繰り返される周期をMCCH繰り返し期間とする。
ページング信号用の物理領域の構成については、図46で開示したような、ページング信号をMCCHとともにPMCHにのせる方法、ページング信号をMCCHの情報要素のひとつとしてPMCHにマッピングする方法、インジケータを用いる方法、移動端末をページンググループ化する方法、また、図42で開示したような、ページング専用チャネルを設けてページング信号をのせる方法、また、図49で開示したような、メインPMCHを設けてページング信号をのせる方法が適用できる。ページング信号をページング信号ののる物理領域にマッピングする場合に、ページング信号を送信するセルとしないセルとでマッピングする方法を変える。例えばMBSFNエリア内に着信がかかっている移動端末に対してページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在する場合、具体的には、着信がかかっている移動端末にページング信号を送信するセルでは、基地局は、図50で開示したように、スイッチ2401を用いて該スイッチを端子aに接続する。移動端末へのページング信号に該移動端末固有の識別番号を乗じ、CRC付加を行い、エンコード、レートマッチング等の処理を行う。スイッチ2401が端子aに接続されているので、移動端末毎の上記処理後の情報が、ある情報要素単位に割り当てられる。着信がかかっている移動端末にページング信号を送信しないセルでは、基地局は、図50で開示したように、スイッチ2401を用いて該スイッチを端子bに接続する。移動端末へのページング信号を用いることなく、セル毎のパディング用コードを設け、該パディング用コードがある情報要素単位に割り当てられる。
ここで、ある移動端末に対して割り当てられる情報要素単位の領域は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで同一とする。これにより基地局は、ページング信号を送信するセルと送信しないセルとで割り当てる情報をスイッチによって簡単に切替え可能とできる。さらに、ある移動端末に対して割り当てられる情報要素単位の領域の大きさを、全ての移動端末で同じにしておくことで、セル毎のパディング用コード長をあらかじめ決めておくことが可能となる。これにより、パディング用コードの埋めこみ制御を簡易に構成することが可能となる。ページング信号を送信しないセルで設けたセル毎のパディング用コードの具体例としては、図51に示したように、例えば、all0、all1とする。こうすることによって、移動端末において受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことで、移動端末はページング信号を送信しないセルから送信された“0”もしくは“1”の成分をキャンセルすることができ、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号のみをSFN合成することが可能となる。また、ランダム値としてもよく、この場合、各セル毎でランダムな値を導出し、パディングする。こうすることによって、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された信号が異なるランダム信号のためお互いにキャンセルされることになり、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号成分が相対的に強くなるため、相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。従って、MBSFNエリア内で移動端末に対してページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在する場合も、ページング信号を受信することが可能となる。さらに詳細なページング信号用のチャネルの構成については実施の形態10で説明しているのでここでは省略する。
次に、MBMS送信専用の周波数でのトラッキングエリア(TA)リストについて説明する。ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定するため、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応した、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内あるいはMBSFN同期エリア内の、任意のMBMS専用セルをトラッキングエリア(TA(MBMS))とする。ここでは、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルをTAとする方法について説明する。実施の形態2で、図31[a]に各移動端末のTAリストが示され、図31[b]にユニキャスト/混合周波数レイヤにおけるトラッキングエリア(TA(unicast))と属するセルの対応表を示した。本実施の形態においてもこれらは適用することができる。実施の形態2では、図31[c]に示すような、f(MBMS)かつMBSFNエリアIDとTA(MBMS)番号とを関連付ける表を設けて、移動端末が受信中もしくは受信しようとしているf(MBMS)かつMBSFNエリアIDから、MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアを導出できるようにしている。本実施の形態では、MBSFNエリア内にページング信号を送信するセルと送信しないセルが存在するので、単純にf(MBMS)かつMBSFNエリアIDから、MBMS送信専用周波数レイヤでのトラッキングエリアを対応づけることはできない。この問題を解決するため、ここでは、TA(MBMS)IDとf(MBMS)かつTA(unicast)IDを関連付ける表を設けることとし、さらに、TA(MBMS)IDと、TA(unicast)と地理的に対応したMBMS送信専用セルとを関連付けた表を設けることとする。図81に、TA(MBMS)を示す表の具体例を示す。図81[a]にTA(MBMS)IDとf(MBMS)かつTA(unicast)IDを関連付ける表を、図81[b]にTA(MBMS)IDと、TA(unicast)と地理的に対応したMBMS送信専用セルを関連付ける表を示す。これらの表により、TA(unicast)と地理的に対応したMBMS送信専用セルがTA(MBMS)を用いて特定し、該TA(MBMS)内のセルにページング信号送信を限定することにより、MBSFNエリア内のセルにおいてページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることが可能となる。
TAリストの管理の詳細を説明する。実施の形態2においてMBMS側の受信状況で開示した方法を適用できる。その際に、図20のステップST1746にて、MMEが、当該移動端末のTA(MBMS)を決定する処理において、トラッキングエリアの決定に際しては、TA(unicast)IDとMBMS側受信状況通知内容を基に決定するように変更する。MBMS側受信状況通知内容として更に具体的にはMBMS側受信状況のパラメータを基に、更に具体的にはパラメータ中のf(MBMS)を基に決定するようにすれば良い。また、ステップST1747にて当該移動端末のトラッキングエリアリストの管理において、MMEはステップST1745にて受信したf(MBMS)とST1714からST1716にて決定したTA(unicast)を基にMME内で管理しているTA(MBMS)番号を検索するように変更する。具体的な検索方法として例えば図81[a]の表を用いる。次に、当該移動端末のTAリスト中(図31[a])に検索の結果判明したTA(MBMS)が存在するか否か判断する。存在した場合、現状のTAリストを保存する。存在しなかった場合、当該移動端末のTAリストに前記TA(MBMS)を追加する。上記のように、実施の形態2で開示したMBMS側受信状況通知の処理の一部を変更することで、本実施の形態のTAの管理を行うことが可能となる。
上記の例では、ST1742において、実施の形態2と同じく移動端末が、受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリア番号をサービングセルへ通知し、さらにはST1744にてサービングセルはMMEへ該MBSFNエリア番号を通知するようにした。しかし、本実施の形態にかかる発明においては、TA(MBMS)の管理においてMBSFNエリア番号情報は必要ない。従って、ST1742、ST1744にてMBSFNエリア番号を通知する必要は無く、移動端末とサービングセル間およびサービングセルとMME間のシグナリング量を低減することが可能となる。
次に、本実施の形態における当該移動端末へページングが発生した場合の処理について詳細を説明する。ここでは、ページング信号を送信するセルを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定するため、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応した、MBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルからページング信号を送信する場合について説明する。実施の形態2で開示したMBMS受信時間欠受信の処理において、前述したように、MBMS送信専用周波数レイヤのトラッキングエリア(TA(MBMS))をユニキャスト/混合周波数レイヤのトラッキングエリア(TA(unicast))に関連付けるように構成し、また、ページング信号のマッピング方法をページング信号を送信するセルとしないセルとで異なる情報を割り当てるように変更することで実現する。さらに具体的に説明する。ステップST1773にて当該移動端末へページングが発生する。ステップST1774にてMMEはページングが発生した、当該移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)を基に、当該移動端末のTAリストを確認する。ステップST1775にてMMEは、当該移動端末のTAリスト中にTA(MBMS)が含まれているか否か判断する。具体例としては、図31[a]のようなリストにてUE−IDを基に当該移動端末のTAリストを検索する。当該移動端末が図31[a]のUE#1(UE−ID#1)であった場合にはTA(MBMS)は含まれないと判断する。一方当該移動端末が図31[a]のUE#2(UE−ID#2)であった場合には、TA(MBMS)#1が含まれているので、TA(MBMS)は含まれると判断する。TA(MBMS)が含まれていない場合、ステップST1814へ移行する。TA(MBMS)が含まれていた場合、ステップST1776へ移行する。
ステップST1776にてMMEはMCEに対してページングリクエストを送信する。MMEからページングリクエストを送信するMCEとしては、MMEが管理する基地局と地理的に重なっている基地局を管理する全MCEが考えられる。また、MMEにおいて各MBMS送信専用周波数レイヤ(f(MBMS))に対応したひとつまたは複数のMCE情報を有するようにしておき、移動端末から通知されたf(MBMS)をもとに、それと対応したひとつまたは複数のMCEにページングリクエストを送信するようにしても良い。これは実施の形態2においても可能である。ページングリクエスト中のパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、TA(MBMS)ナンバなどが考えられる。この時、TA(MBMS)ナンバの代わりにf(MBMS)かつTA(unicast)ナンバとしても良い。ステップST1777にてMCEはページングリクエストを受信する。ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられた、あるいはf(MBMS)かつTA(unicast)ナンバと関連付けられたMBMS専用セルを制御しているMCEは、ページング送信準備を行う。ページング送信準備の具体例としては、実施の形態2と同じ方法を適用できる。自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様の、ページンググループ=IMSI mod KMBMS
を用いる。上記のように、ページングリクエストを受信したMCE側でTA(MBMS)ナンバとMBMS専用セルのくくりつけを管理する方法、具体的には、実施の形態2では図31[c]であったが、本実施の形態においてはMCE内に図81[b]に示した関連付け情報を示した表を構成しておき、それを用いて導出する方法は、MBMS専用セルとそれを制御するMCEとの関係をMBMSサービスのアーキテクチャ内のみで行なえるため、つまりMMEと無関係に行えるため、自由度の高い移動体通信システムを構築することが可能になるという効果を得ることが出来る。
ステップST1779にてMCEは、当該移動端末のページング信号のスケジューリングを行う。具体的には、ステップST1778にて算出した当該移動端末のページンググループ番号に割り当てられた物理領域にマッピングされる情報要素の何番目に当該移動端末の識別子を割り当てるかを決定する。このスケジューリングをMCEにて行うことによりMBSFNエリア内に含まれる基地局の同じ物理リソースから当該移動端末の識別子が送信されることになる。これにより、移動端末はMBSFNエリアにてマルチセル送信されているMCCHを受信することにより、SFNゲインの恩恵を受けたページング信号が受信可能となるという効果を得ることができる。ステップST1780にてMCEは該MCEが制御するMBSFNエリア内に含まれるMBMS専用セルの基地局に対して当該移動端末に対するページングリクエストを送信する。ページングリクエストに含まれるパラメータの具体例としては、移動端末の識別子(UE-ID,IMSI,S-TMSIなど)、ステップST1779にて行ったページング信号のスケジューリング結果(具体的にはSFN、MBSFNサブフレームナンバ、情報要素ナンバ)などの実施の形態2で開示した情報に加え、ページング送信可否情報が考えられる。本実施例において新たに設けた、ページング送信可否情報は、各MBMS専用セルがページング信号を送信するかしないかを示す情報である。ページング送信可否情報の具体例としては1ビット(“1”、“0”)とする。ST1780において、MCEは図81[b]の表を用いて表中に存在するMBMS専用セルに対してはページング送信可の情報“1”を送信する。図81[b]の表中に存在しないMBMS専用セルに対してはページング送信否の情報“0”を送信する。ページング送信可否のための情報を設け、MCEから各MBMS専用セルに対して送信することでページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることが可能となる。
ステップST1781にて該MCEが制御するMBSFNエリア内の各基地局は、該MCEからのページングリクエストを受信する。図81[b]で示すTA(MBMS)のMBMS専用セルの基地局はページング信号可を、そうでないMBMS専用セルの基地局はページング信号否を受信する。
MME103とMCE801間にMME―MCE間IFを設ける代わりに、MME103とMBMS GW802(更に詳しくは、MBMSCP802-1)間にMME−MBMS GWインタフェースを設けてもよい。そして、ステップST1776〜ステップST1780までのMCEの処理内容をMBMS GWで行うとしても本発明と同じ効果が得られる。
またMMEが図81[b]に示すように、TA(MBMS)ナンバと関係するMBMS専用セルまたは/かつミクスドセルのセルIDを管理する場合を考える。その場合、ステップST1776にてMMEは、MCEではなくMMEが管理するMBSFNエリア内の各MBMS専用セルに対して、ページングリクエストを送信する。その時のページングリクエスト中のパラメータとして、移動端末の識別子などに加え、前述したページング送信可否情報を有するようにする。MMEは図81[b]に示すTA(MBMS)ナンバに含まれるMBMS専用セルにはページング送信可の情報“1”を、含まれないMBMS専用セルにはページング送信否の情報“0”を送信する。上記のように、MME内でTA(unicast)に加えて、TA(MBMS)ナンバとTA(MBMS)ナンバに含まれるセルの関係を管理する方法(図81)は、MCEにて移動端末へのページング信号を送信するセルと送信しないセルの認識や、その結果によって各セルに対して個別のページング送信可否情報を送信する処理を行わなくてもよくなる。このことは、MCEへの機能追加を行わなくても良くなるのでMCEの複雑性を回避できるという効果を得ることができる。またMCEの処理負荷の低減を図れるという効果を得ることが出来る。
ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局は当該移動端末ページンググループを算出する。算出方法の具体例としては、実施の形態2と同じ方法を適用できる。自基地局(自MBSFNエリア)のページンググループ数KMBMSと受信したページングリクエストを用いて当該移動端末のページンググループを算出する。算出の際には、移動端末側で用いた算出式と同じ式を用いる。具体例としてはステップST1735と同様の、ページンググループ=IMSI mod KMBMSを用いる。ステップST1780にて当該移動端末のページンググループをも通知していれば、ステップST1782は省略可能である。これにより、MBSFNエリア内の各基地局の制御負荷の軽減効果を得ることができる。一方ステップST1780にて当該移動端末のページンググループを通知せず、ステップST1782にてMBSFNエリア内の各基地局にてページンググループを算出する方法においては、MCEからMBSFNエリア内の各基地局に対する通知情報を軽減可能となり、リソースの有効活用という効果を得ることができる。ステップST1783にてMBSFNエリア内の各基地局は、ステップST1781にて受信した当該移動端末の識別子、ページング信号のスケジューリング結果、ステップST1782にて算出した当該移動端末のページンググループなどを用いて、ページング信号もしくはパディング用コード等をのせて送信を行う。ST1781でページング送信可否情報として送信可の情報“1”を受信したセルはページング信号をPMCH上にのせてMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームにマッピングして送信する。ST1781でページング送信可否情報として送信否の情報“0”を受信したセルはページング信号ではなくパディング用コードを同じ情報要素ナンバにパディングしてMBSFNエリアに対応したMBSFNサブフレームにマッピングして送信する。PMCH内のページング関連領域へのマッピング方法や、ページング信号をページング信号ののる物理領域にマッピングする場合に、ページング信号を送信するセルとしないセルとでマッピングする方法を変える方法については、実施の形態2および実施の形態10で詳細を説明したのでここでは省略する。
ステップST1784にて移動端末は、ST1783でMBSFNエリア内全セルから送信するページング関連情報有無インジケータを受信する。実施の形態2と同じように、ST1783で各MBMS専用セルは、ST1782で算出した該当の移動端末のページンググループに対応した物理領域にページング関連情報有無インジケータをマッピングしている。従って、移動端末はステップST1735にて同じ式を用いて算出した自移動端末のページンググループに対応した物理領域を受信すれば良い。ページング関連情報有無インジケータの繰返し周期や物理領域はユニキャストサービスのサービングセルの報知情報で通知されても良いし、MBMS専用セルの報知情報で通知されても良いし、あらかじめ決められていても良い。ステップST1785にて移動端末は、ページング関連の変更有無インジケータの変更の有無を判断する。変更無しの場合は、ステップST1788へ移行する。変更有りの場合は、ステップST1786へ移行する。ステップST1786にて移動端末は、つづけて自ページンググループのページング関連情報がマッピングされる物理領域を受信しデコードする。その際、移動端末固有の識別コードとの相関演算を行うことによりブラインド検出を行う。MBSFNサブフレームはMBSFN内でマルチセル送信されているため、移動端末で受信時にページング信号を送信しないセルから送信された信号は雑音となる。しかし、上記に開示したような方法とすることで、移動端末は受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つことで、ページング信号を送信しないセルから送信されたパディング用コードの成分をキャンセルすることができ、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号のみをSFN合成することが可能となる。パディング用コードがランダム値の場合は移動端末で受信機に干渉キャンセラなどの干渉除去機能を持つ必要が無い。各セルが各セル毎でランダムな値を導出してパディングするため、移動端末において、ページング信号を送信しないセルから送信された信号が異なるランダム信号のためお互いにキャンセルされることになり、ページング信号を送信するセルから送信されたページング信号成分が相対的に強くなるため、相関演算におけるページング信号の受信誤りを低減することが可能となる。ステップST1787にて移動端末は、ステップST1786にて行ったブラインド検出において自移動端末の識別子を検出したか否か判断する。検出しなかった場合はステップST1788へ移行する。検出した場合はステップST1814へ移行する。
以上のような方法とすることで、本発明の課題である、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末に対する、ページング信号の通知方法、及びそのための移動体通信システムを開示することができ、これにより、MBMS送信専用の周波数レイヤでMBMSサービスを受信している移動端末においても、ページング信号を受信可能になるという効果を奏する。さらには、ページング信号を送信するセルと送信しないセルが混在しても移動端末においてページング信号受信時の受信誤差の低減を少なくすることが可能となるため、システムとしてページング信号を送信するセルと送信しないセルを設けることで、ページング信号を送信するエリアを移動端末が存在するセルおよび近傍のセルに限定することが可能となり、無線リソースの無駄を削減することができシステム容量の増大が図れる。
上記の具体例では、MBSFNエリア毎に設けられたPMCHとしてコード分割多重している場合について説明した。コード分割多重だけでなく、MBSFNエリア毎に時分割多重している場合にも適用可能である。
ひとつのMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合だけでなく、図82[a]に示すような、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合にも、本実施の形態で開示した方法は適用可能である。この場合、ステップST1778にてページングリクエストを受信したMCEの内、ページングリクエスト中のパラメータとして通知された、TA(MBMS)ナンバと関連付けられた、あるいはf(MBMS)かつTA(unicast)ナンバと関連付けられたMBMS専用セルを制御しているMCEが複数となる。また、この場合、移動端末は、TA(MBMS)内の全てのMBMS専用セルからのページング信号を受信せず、自移動端末が受信中もしくは受信しようとしているひとつまたは複数のMBSFNエリアに属する、TA(MBMS)内のMBMS専用セルからのページング信号を受信する。各MBSFNエリアで用いられるページンググループ数Kは、ST1728で、移動端末が受信中もしくは受信しようとしている各MBSFNエリアに属するMBMS専用セルからMCCHにマッピングされて送信される。移動端末はST1729で該ページンググループ数Kを受信する。
図82[b]に示すような、ひとつのセルが複数のMBSFNエリアに属しており、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合にも、上記の方法は適用可能である。なお、この場合は、ページング信号あるいはパディング用コードをのせるチャネル構成として実施の形態7変形例に開示した方法が適用でき、ページング信号あるいはパディング用コードをPMCH上のページング信号ののる物理領域へマッピングする方法については、実施の形態10で開示した方法が適用できる。
上記の具体例では、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応したMBMS送信専用周波数レイヤのトラッキングエリアとするため、TA(MBMS)がMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによって構成される方法について開示した。このため、本実施の形態で示したページング動作においては、ST1742〜ST1745、ST1776、ST1777にて移動端末が受信中もしくは受信しようとしているMBSFNエリアID情報の送受信を必要としなかった。しかし、ST1742〜ST1745、ST1776、ST1777にて送受信される情報に、上記の具体例で示した情報に加えてさらに該MBSFNエリアIDを含めるようにしても良い。該MBSFNエリアIDを含めた場合、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合や、ひとつのセルが複数のMBSFNエリアに属しており、複数のMBSFNエリア内の任意のMBMS専用セルによってトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成されている場合において、さらにページング信号を送信するMBMS専用セルを該MBSFNエリアIDのMBSFNエリアに限定することが可能となる。
ST1777でMBSFNエリアID情報も含めたページングリクエストを受信したMCEは、該MBSFNエリアIDにより、ページングリクエストをMBMS専用セルに送信するかどうかを判断できるようになり、制御が簡易化できる。該MBSFNエリアID内のMBMS専用セルを制御するMCEはMBMS専用セルに送信すると判断し、該MCEのみがST1780でページングリクエストをMBMS専用セルに送信する。ページングリクエストをMBMS専用セルを受信したMBMS専用セルは、ページング送信可否情報をもとに、図81[b]に示すTA(MBMS)ナンバに含まれるMBMS専用セルはページング信号を送信し、含まれないMBMS専用セルはページング信号をではなくパディング用コードを送信する。このような方法とすることで、移動端末が受信中では無くかつ受信しようとしていないMBSFNエリア内のセルはページング信号を送信しなくて良いことになるため、無駄な無線リソースの使用を削減でき、システム容量が増大するという効果が得られる。
上記の具体例では、各MBMS専用セルがページング信号を送信するかしないかを示すページング送信可否情報を設けて、MCEがページングリクエスト内に該ページング送信可否情報を含めてMBSFNエリア内のMBMS専用セルに送信する方法を示した。しかし、実施の形態7から実施の形態10で示したように、ページング信号がマッピングされる物理領域が決まっている場合は、ページング送信可否情報を設ける必要がなく、MCEは、MBSFNエリア内の、ページング信号を送信するMBMS専用セルにページングリクエストを送信し、ページング信号を送信しないMBMS専用セルにはページングリクエストを送信しないようにすればよい。MCEよりページングリクエストを受信したMBMS専用セルはページング信号をマッピングするための物理領域にページング信号をマッピングして送信し、MCEよりページングリクエストを受信しないMBMS専用セルはページング信号をマッピングするための物理領域の出力電力を例えば0にして送信するようにすれば良い。こうすることによって、上記の具体例と同様の効果が得られるだけでなく、MCEからMBSFNエリア内全セルにページングリクエストを送信する必要が無くなり、システムとしてシグナリング量の削減がはかれる、という効果が得られる。
本実施の形態では、移動端末のユニキャスト側のサービングセルと地理的に対応した任意のMBMS専用セルをトラッキングエリアとし、該トラッキングエリアに属する、MBSFNエリア内(もしくはMBSFN同期エリア内)の一部のセルからページング信号を送信する方法について開示した。具体例として、MBSFNエリア内(もしくはMBSFN同期エリア内)に一つのトラッキングエリアを構成する場合について示した。ここでは、一つのMBSFNエリア内(もしくはMBSFN同期エリア内)に複数のトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成された場合について、MBSFNエリア内(もしくはMBSFN同期エリア内)各セルからページング信号を送信する方法を開示する。図98において、AはMBMS送信専用周波数レイヤ、Bはユニキャスト/ミクスド周波数レイヤを示す。図98に示すように、例えば、一つのMBSFNエリア内に二つのTA(MBMS)(TA(MBMS)#1、TA(MBMS)#2)が構成されるような場合を示す。このように、一つのMBSFNエリア内に二つのTA(MBMS)(TA(MBMS)#1、TA(MBMS)#2)が構成される場合、MBSFNエリア内のMBMS専用セルはトラッキングエリア毎に異なるページング信号を傘下の移動端末に送信する必要が生じる。このように、一つのMBSFNエリア内(もしくはMBSFN同期エリア内)に複数のトラッキングエリア(TA(MBMS))が構成された場合、MBSFNエリア内のMBMS専用セルがトラッキングエリア毎に異なるページング情報を送信するため、TA(MBMS)毎にページング信号をマッピングするMBSFNサブフレームを時分割して多重(TDM)して送信する。ページング信号をMBSFNサブフレームにマッピングするため、例えば、実施の形態7から実施の形態9で開示した、PMCH、DPCH、メインPMCHなどにページング信号をのせる構成を適用できる。図99にTA(MBMS)毎にページング信号をTDMしてマッピングする図を示す。図99において、Aは「TA(MBMS)#1のページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレーム」、Bは「TA(MBMS)#2のパディングコードがマッピングされるMBSFNサブフレーム」、Cは「TA(MBMS)#2のページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレーム」、Dは「TA(MBMS)#1のパディングコードがマッピングされるMBSFNサブフレーム」である。セル#n1−1はMBSFNエリア#1内のセルでTA(MBMS)#1に属するセルを表し、セル#n1−2はMBSFNエリア#1内のセルでTA(MBMS)#2に属するセルを表している。図で示すように、セル#n1−1で送信されるページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームとセル#n1−2で送信されるページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームとは時分割して多重される。図では隣接するサブフレームを示しているが、隣接しなくても良く、時間的に分割されていれば良い。セル#n1−1で送信されるページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームでは、セル#n1−2からはパディング用コードがマッピングされて送信される。また、セル#n1−2で送信されるページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームでは、セル#n1−1からはパディング用コードがマッピングされて送信される。これらのパディング用コードの送信方法は、実施の形態10や本実施の形態で記載した方法が適用できる。また、図では、パディング用のコードをマッピングして送信しているが、ページング信号がマッピングされる物理領域がMBSFNサブフレーム内で決められている場合は、セル#n1−1で送信されるページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームでは、セル#n1−2からは該MBSFNサブフレーム内のページング信号がマッピングされる物理領域の送信電力を0とすれば良い。また、同様に、セル#n1−2で送信されるページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームでは、セル#n1−1からは該MBSFNサブフレーム内のページング信号がマッピングされる物理領域の送信電力を0とすれば良い。これらの方法も実施の形態10で記載した方法を適用することができる。
このようにすることで、一つのMBSFNエリアに複数のトラッキングエリア(TA(MBMS))の構成が可能となる。このため、システムとして柔軟なトラッキングエリア管理が可能となるため、MBMS専用周波数レイヤのトラッキングエリアをユニキャスト/ミクスド周波数レイヤに合わせたり、さらには、MBSFNエリアとユニキャスト/ミクスド周波数レイアのトラッキングエリアとを同じにしたりする必要が無くなる。したがって、各レイヤでセル配置が柔軟に行えるという効果が得られる。将来の、MBMS専用周波数レイヤのセル数が多く配置された場合でも、ここで開示した方法を用いることによって、移動体通信システムの構築を可能とする。
実施の形態18.
本実施の形態においては、図83を用いて、実施の形態1及び実施の形態2で述べた移動体通信システムの処理のうち、「受信可能なMBMSに関する報知」及び「MBMSのサーチ」「MBMSサービス選択」部分について更に説明する。図83のステップST3501にて、サービングセルは移動端末に対して、受信可能なMBMSに関する情報を通知する。また、サービングセルは移動端末に対して自セル内で受信可能なMBMSに関する情報を通知する。サービングセルとは、当該移動端末に対して、上り無線リソース、下り無線リソースの割り当てを行うべく、スケジューリング(Scheduling)を行う基地局である。サービングセルになり得る基地局としては、ユニキャストセルあるいはMBMS/ユニキャスト混合セルがある。受信可能なMBMSに関する情報の具体例としては、利用可能なMBMSサービスの周波数、つまり受信可能なMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)の周波数、つまり受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(f(MBMS)と称する)を1つあるいは複数通知する。サービングセルから移動端末に対して、受信可能なMBMSに関する情報を通知する際に、報知制御チャネル(BCCH)が使用される。受信可能なMBMSに関する情報は、まず、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。また、受信可能なMBMSに関する情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされた後、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、さらに、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。
ステップST3502にて移動端末は、サービングセルから送信されたf(MBMS)を受信する。ここで、ステップST3501にて、サービングセルから移動端末に対して通知される受信可能なMBMSに関する情報を、サービングセルがどのように入手するかが問題となる。具体的には、受信可能なMBMSに関する情報が頻繁に変更されず、準静的(semi-static)に決定されたものであるならば、変更の度にサービングセルへ設定することも可能である。また、受信可能なMBMSに関する情報は、MBMS送信専用の周波数レイヤの制御装置からユニキャスト/ミクスド周波数レイヤの制御装置へ変更時、あるいは定期的に通知されても良い。さらなる具体例としては、受信可能なMBMSに関する情報は、MCEからMMEあるいは基地局へ通知される。またMBMS GWからMMEあるいは基地局へ通知されても良い。
ステップST3503にて移動端末は、ステップST3502にて、受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数を1つ以上受信したか否かを確認する。受信していなかった場合、処理を終了する。受信していた場合、ステップST3504へ移行する。ステップST3504にて移動端末は、ユーザがMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信する意思があるかどうかを確認する。確認の具体例としては、ユーザがMBMSサービスを受信する意思が有る場合に、ユーザインタフェースを用いて移動端末に対して指示を送り、移動端末はユーザの意思をプロトコル処理部1101へ保管する。ステップST3504にて、移動端末は、プロトコル処理部1101に保管されているMBMSサービスを受信する意思の有無を確認する。MBMSサービスを受信する意思がなければ、ステップST3504の処理を繰り返す。繰り返す方法としては、一定周期で移動端末がステップST3504の判断を行う方法、あるいは、ユーザインタフェースを通じてユーザにより入力された、MBMSサービスを受信する意思の変更通知があった際に、ステップST3504あるいは、ステップST3503を行う方法などがある。MBMSサービスを受信する意思があれば、ステップST3505へ移行する。ステップST3503とステップST3504の処理の順序は任意であり、同時であっても構わない。ステップST3505にて移動端末は、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をf(MBMS)へ変更することによりMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数を変更することをリチューン(re-tune)と称する。
ステップST3506にて、移動端末はMBMSのサーチ動作を行う。MBMSのサーチ動作の詳細は実施の形態2に記載しているので、ここでは省略する。移動端末は、MBMSのサーチ動作によりMBMS専用セルとの同期確立、MBMS専用セルのシステム情報の入手、MCCHスケジューリングの入手などを行う。ステップST3507にてMBMS専用セルは、移動端末に対して、MBMSのサービス内容を通知する。非特許文献1にて、MCE801は、マルチセルMBMS送信(multi-cell MBMS transmission)を行うため、MBSFNエリア中の全ての基地局に対する無線リソースの割り当てを行うと記載されている。このことより、MBSFNエリアにおいてSFN合成(Combining)可能な、同じMBMSサービスが提供されていると考えられる。よって、ステップST3507でのMBMSのサービス内容の通知は、MBSFNエリア毎のチャネルを用いてMBSFNエリア毎に行う。また、非特許文献1にて、MBSFN同期エリアは1つ以上のMBSFNエリア(MBSFN Areas)を含むと記載されている。このことより、ステップST3507でのMBMSのサービス内容の通知は、MBSFN同期エリア毎のチャネルを用いて、MBSFN同期エリアに含まれる全てのMBSFNエリアについて、MBSFNエリア毎に行う。
MBMSのサービス内容の具体例としては、直接的なサービス内容、例えば「天気予報」「野球中継」、「ニュース」などがある。また、直接的なサービス内容ではなく、サービス番号あるいはMBSFNエリア番号(ID)であっても良い。MBMSのサービス内容がサービス番号、あるいはMBSFNエリア番号(ID)で通知される場合、静的あるいは準静的に、サービス番号あるいはMBSFNエリア番号(ID)と直接的なサービス内容の対応(図84参照)をネットワーク側および移動端末側で把握しておく必要がある。サービス番号と直接的なサービス内容の対応が準静的に決定される場合は、変更されるたびに、あるいは周期的に、ネットワーク側から移動端末側へ、サービス番号と直接的なサービス内容の対応が通知される必要がある。
サービス番号と直接的なサービス内容の対応は、MBMS専用セルのロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。また、ロジカルチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)、物理チャネルである物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされてもよい。また、ロジカルチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。
また、直接的なサービス内容ではなく、チャネル番号あるいはMBSFNエリア番号(ID)を、ネットワーク側から移動端末側へ通知するようにしてもよい。ここでいうチャネル番号、あるいはMBSFNエリア番号(ID)とは、テレビのチャネル番号のようなものを想定している。この場合、別途チャネル毎の番組表(時間毎の直接的なサービス内容)をユーザが知る必要がある。この番組表は変更されるたびに、あるいは周期的にネットワーク側から移動端末側へ通知されても良いし、新聞などの既存の媒体に掲載されても良い。チャネル毎の番組表を、ネットワーク側から移動端末側へ通知するのに用いるチャネルの具体例は、サービス番号と直接的なサービス内容の対応を通知する場合と同様であるので説明を省略する。ステップST3508にて、移動端末は、MBMS専用セルから送信されたMBMSのサービス内容を受信する。
ステップST3509にて、移動端末は、ユーザ所望のサービスが行われているか知るため、ステップST3508にて受信したMBMSのサービス内容を確認する。ユーザ所望のサービスが行われている場合は、ステップST3510へ移行する。ユーザ所望のサービスが行われていない場合は、ステップST3512へ移行する。ステップST3510にて、移動端末は、ユーザ所望のサービスが行われているMBSFNエリアの無線リソースにてレファレンスシグナル(RS)を受信して受信電力の測定(RSRP)を行う。ステップST3510では、移動端末は、受信電力が静的あるいは準静的に決められた閾値以上であるか否か判断する。前記閾値は、閾値以上であればMBMSサービスを受信するのに満足な品質であることを示し、閾値未満であればMBMSサービスを受信するのに満足な品質を満たしていないことを示す。閾値以上であればステップST3511へ移行し、閾値以下であればステップST3512へ移行する。ステップST3510においては、受信品質がMBMSサービスを受信するのに満足な品質を満たしているか否かを判定できれば、レファレンスシグナル(RS)の受信電力を測定する上記方法を用いなくても良い。ステップST3511にて、移動端末はMBMSサービスを選択する。具体的には、移動端末は、ユーザが所望するMBMSサービスを受信するための、MBMS送信専用の周波数f(MBMS)とMBSFNエリアID(番号)などを取得、確定する。ステップST3512にて、移動端末は、ステップST3502にて受信した、受信可能なMBSFN同期エリアの周波数(周波数リスト)にて、他の周波数(現在の周波数とは別のMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数)が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST3505へ戻り、新たな周波数(例えば、f2(MBMS))へ設定周波数を切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は処理を終了する。
実施の形態18により、本発明の課題である、移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤに移動する方法や所望のサービスを選択するまでの方法を得ることが出来る。更に、移動端末が地理的に位置する場所において、利用可能なMBMSサービスが存在することや、その周波数を知ることができるので、移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信する意思がある場合、MBMS送信専用の周波数レイヤが存在する可能性のある周波数を総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、現在の周波数以外の周波数によるサービスを受信するまでの、移動端末の制御遅延が短縮されるという効果を奏する。これにより移動端末の低消費電力化の効果も合わせて得ることが出来る。また、後述する実施の形態19と比較して、課題を解決するにあたり、サービングセルから通知する情報量が少なくて良い。このことは、サービングセルからの情報を受信する時間、つまり受信時間・受信データのデコード時間などが実施の形態19と比較して短くなることを意味する。これにより、現在の周波数以外の周波数によるサービスを受信するまでの、移動端末の制御遅延が短縮されるという効果を奏する。さらには、移動端末の低消費電力化という効果も得ることが出来る。
変形例1.
以下、本実施例の変形例1について説明する。サービングセルから移動端末に、周辺セルの情報(周辺セル情報(リスト)、隣接セル(neighboring cell)情報(リスト))が通知された場合、サービングセルから隣接セルにおける受信可能なMBMSに関する情報を通知しても良い。隣接セルにおける受信可能なMBMSに関する情報は、隣接セル情報と同時に通知しても良いし、同時に通知しなくても良い。受信可能なMBMSに関する情報の具体例は、実施の形態18と同様であるため、説明を省略する。変形例1により、以下の効果を得ることが出来る。ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、隣接セルの受信感度が良好になってきた場合、つまりハンドオーバを実行するタイミングが到来した場合を考える。新しくサービングセルとして選択する基地局(新しいサービングセル:New Serving cell、ハンドオーバ先基地局)における受信可能なMBMSに関する情報に、現在移動端末が受信中のf(MBMS)が存在しない場合、このまま移動をつづけると現在受信中のf(MBMS)によるサービスの感度が悪くなると判断できる。この判断結果を表示部への表示、鳴動などによりユーザに知らせることが出来る。これにより、ユーザが移動より現在のMBMSサービス受信を優先する場合、移動を中止することが可能になり、よりユーザのニーズに合わせた使い方が可能となる効果を得ることが出来る。また、受信中のf1(MBMS)の受信感度が悪くなってきた場合、サービングセル(自セル)の受信可能なMBMSに関する情報中に存在しないが、隣接セルにおける受信可能なMBMSに関する情報中にf2(MBMS)が存在した場合、f2(MBMS)にてMBMSサーチなどの動作を試してみることが出来る。これにより、よりユーザのニーズに合わせた使い方が可能となる効果を得ることが出来る。
実施の形態19.
本実施の形態においては、図85を用いて、実施の形態1及び実施の形態2で述べた移動体通信システムの処理の流れのうち、「受信可能なMBMSに関する報知」及び「MBMSのサーチ」「MBMSサービス選択」部分について更に説明する。なお、図85において、図83と同一のステップは同一または相当の処理を示すので説明は省略する。ステップST3701にて、サービングセルは移動端末に対して、受信可能なMBMSに関する情報を通知する。また、サービングセルは移動端末に対して、自セル内で受信可能なMBMSに関する情報を通知する。受信可能なMBMSに関する情報の具体例としては、利用可能なMBMSサービスの周波数、つまり受信可能なMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)の周波数、つまり受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(f(MBMS)と称する)を1つあるいは複数通知する。また、当該f(MBMS)にて受信可能なサービス内容を通知する。上記f(MBMS)とf(MBMS)にて受信可能なサービス内容の通知は同時であっても良いし、同時でなくても良い。受信可能なMBMSに関する情報を通知する際に用いるチャネルの具体例は、実施の形態18と同様であるので、説明を省略する。また、サービス内容の具体例は実施の形態18と同様であるので、説明を省略する。ステップST3702にて、移動端末は、サービングセルから送信されたf(MBMS)およびf(MBMS)にて受信可能なサービス内容を受信する。ここで、ステップST3701にて、サービングセルから移動端末に対して通知される受信可能なMBMSに関する情報を、サービングセルがどのように入手するかが問題となる。具体的には、受信可能なMBMSに関する情報が頻繁に変更されず、準静的(semi-static)に決定されたものであるならば、変更の度にサービングセルへ設定することも可能である。また、受信可能なMBMSに関する情報は、MBMS送信専用の周波数レイヤの制御装置からユニキャスト/ミクスド周波数レイヤの制御装置へ、変更時あるいは定期的に通知されても良い。さらなる具体例としては、受信可能なMBMSに関する情報は、MCEからMMEあるいは基地局へ通知される。またMBMS GWからMMEあるいは基地局へ通知されても良い。ステップST3504にて移動端末は、ユーザがMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信する意思があるかどうかを確認する。MBMSサービスを受信する意思があれば、ステップST3703へ移行する。MBMSサービスを受信する意思がなければ、ステップST3504の処理を繰り返す。
ステップST3703にて、移動端末は、ステップST3702にて、ユーザ所望のサービスを行っている受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数を、1つ以上受信したか否か確認する。受信していなかった場合、処理を終了する。受信していた場合、ステップST3704へ移行する。例えば、ユーザ所望のサービスを行っている受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数をfa(MBMS)とする。ステップST3704にて、周波数変換部1107の設定周波数を変更し、中心周波数をfa(MBMS)へ変更することによりユーザ所望のサービスを行っている受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する。ステップST3506にて、移動端末は、MBMSのサーチ動作を行う。ステップST3507にて、MBMS専用セルは、移動端末に対して、MBMSのサービス内容を通知する。ステップST3508にて、移動端末は、MBMS専用セルからMBMSのサービス内容を受信する。ステップST3510にて、移動端末は、ユーザ所望のサービスが行われているMBSFNエリアの受信感度が、受信するのに充分な品質であるかを判断する。受信品質が良好である場合、ステップST3511へ移行する。受信品質が良好でない場合、ステップST3705へ移行する。ステップST3511にて、移動端末はMBMSサービスを選択する。ステップST3705にて、移動端末は、ステップST3702にて受信した、受信可能なMBSFN同期エリアの周波数(周波数リスト)にて、ユーザ所望のサービスを行っている他の周波数(現在の周波数とは別のMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数)が存在するか否か判断する。存在した場合は、ステップST3704へ戻り、新たな周波数、例えば、fb(MBMS)へシンセサイザを切り替えて処理を繰り返す。存在しない場合は処理を終了する。
実施の形態19により、本発明の課題である、移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤに移動する方法や所望のサービスを選択するまでの方法を得ることが出来る。実施の形態18と比較して、課題を解決するにあたり以下の効果を得ることが出来る。実施の形態18では、周波数を変更しMBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する前には、当該MBMS送信専用の周波数レイヤにおいてユーザ所望のサービスが行われているか否かを知る手段はない。よって実施の形態18では、ユーザがMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信する意思がある場合、受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数に対して総当り的にリチューンを行い、ユーザ所望のサービスが行われているか確認する必要がある。一方、実施の形態19では、移動端末は周波数を変更し、MBMS送信専用の周波数レイヤへ移動する前に、受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数と、当該周波数にて受信可能なサービス内容を知ることが出来る。よって、ユーザ所望のサービスを行っていない周波数に対しての処理、図85におけるステップST3704以降の処理をする必要がなくなる。このように、実施の形態19では、移動端末がMBMS送信専用の周波数レイヤにてMBMSサービスを受信する意思がある場合、受信可能なMBMS送信専用の周波数を総当り的に検索する必要がなくなる。このことは、移動端末が現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。これにより移動端末の低消費電力化の効果も合わせて得ることが出来る。
次に本実施形態の変形例1を説明する。図85のステップST3701にて、サービングセルは、移動端末に対して、受信可能なMBMSに関する情報を通知する。受信可能なMBMSに関する情報の具体例としては、利用可能なMBMSサービスの周波数、つまり受信可能なMBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)の周波数、つまり受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(f(MBMS)と称する)を1つあるいは複数通知する。また、当該f(MBMS)にて受信可能なサービス内容を通知する。その際、f(MBMS)にて受信可能なサービス内容全てではなく、サービングセルのカバレッジエリアと重なるカバレッジエリアを持つMBSFNエリアで行われているサービス内容を通知する。実施の形態19では、移動端末は、サービングセルのカバレッジエリアと重なるカバレッジエリアを持つ、MBSFNエリアで行われているサービス内容を知る手段を持たない。よって、以下のような状況が生じる。ユーザが所望するサービスを行っているMBSFNエリアのカバレッジエリアに、移動端末が位置していない場合であっても、図85のステップST3703にて、移動端末は、ユーザが所望するサービスを行っている、受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数(fc(MBMS))が存在すると判断し、その後、ステップST3704にて、fc(MBMS)へ移動することになる。しかし、移動端末は、ユーザが所望するサービスを行っているMBSFNエリアのカバレッジエリア外に位置するので、ステップST3510にて、ユーザが所望するサービスが行われているMBSFNエリア(fc(MBMS))の受信品質が良好ではないと判断される可能性が高くなる。
変形例1により、実施の形態19と比較して以下の更なる効果を得ることが出来る。実施の形態19と比較して、本変形例1は、移動端末が、サービングセルのカバレッジエリアと重なるカバレッジエリアを持つMBSFNエリアで行われているサービス内容を受信し、ステップST3703にて、サービングセルのカバレッジエリアと重なるカバレッジエリアを持つMBSFNエリアにて、ユーザが所望するサービスを行っている受信可能なMBMS送信専用の周波数レイヤの周波数を1つ以上受信したか否か確認することが可能となる。よって、ステップST3510にて、ユーザが所望するサービスが行われているMBSFNエリアの受信品質が、受信するのに充分良好ではないと判断される可能性が低くなる。このことは、移動端末が、現在の周波数以外の周波数からのサービスを受信するまでの制御遅延を短くするという効果を奏する。これにより移動端末の低消費電力化の効果も合わせて得ることが出来る。
次に本実施形態の変形例2を説明する。サービングセルから移動端末に、隣接セル(neighboring cell)情報が通知された場合、サービングセルから移動端末に、隣接セルにおける受信可能なMBMSに関する情報を通知しても良い。隣接セルにおける受信可能なMBMSに関する情報は、隣接セル情報と同時に通知しても良いし、同時に通知しなくても良い。受信可能なMBMSに関する情報の具体例は、実施の形態19と同様であるため、説明を省略する。変形例2により、以下の効果を得ることが出来る。ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、隣接セルの受信感度が良好になってきた場合、つまり、ハンドオーバ処理を行うタイミングが近づいた場合を考える。新しくサービングセルとして選択する基地局(新しいサービングセル:New Serving cell、ハンドオーバ先基地局)における受信可能なMBMSに関する情報に、現在移動端末が受信中のサービス内容が含まれていない場合、このまま移動をつづけると現在受信中のサービスの感度が悪くなると判断できる。この判断結果を表示部への表示、鳴動などによりユーザに知らせることが出来る。これにより、ユーザが移動より現在のMBMSサービス受信を優先する場合、移動を中止することが可能になり、よりユーザのニーズに合わせた使い方が可能となる効果を得ることが出来る。また、受信中の周波数f1(MBMS)でのサービスの受信品質が悪くなってきた場合、サービングセルの受信可能なMBMSに関する情報中に存在しないが、隣接セルにおける受信可能なMBMSに関する情報中に異なる周波数f2(MBMS)にて同じサービスが存在した場合、f2(MBMS)にてMBMSサーチなどの動作を試してみることが出来る。これにより、よりユーザのニーズに合わせた使い方が可能となる効果を得ることが出来る。本変形例2は、実施の形態19のみではなく、実施の形態19の変形例1にも適用可能である。
実施の形態20.
非特許文献3には、現在の3GPPでの移動端末からネットワーク側(基地局)へのサービングセルと周辺セルの測定結果の通知に用いるイベント(event)について説明されている。サービングセルと同じ周波数内での測定について以下説明する。移動端末は、サービングセルの測定結果が、ある閾値(threshold)より大きくなったになった場合、イベントA1をネットワーク側(基地局)へ通知することが開示されている。移動端末は、サービングセルの測定結果がある閾値(threshold)より小さくになった場合、イベントA2をネットワーク側(基地局)へ通知する。移動端末は、周辺セルの測定結果が、サービングセルの測定結果にあるオフセット値(offset)を加えた値より大きくなった場合、イベントA3をネットワーク側(基地局)へ通知する。イベントA3は、同じ周波数内でのハンドオーバのために用いられる。非特許文献3には、本発明の課題についての記載はない。また閾値、オフセット値を複数持つことの記載もない。更には、移動端末の状態に応じて複数の閾値、オフセット値を使い分ける旨の記載もない。
ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信された、MBMSサービスを受信している移動端末がハンドオーバを行う場合のシーケンス図の具体例を図86に示す。ステップST3801にて、サービングセルは、自セルのシステム情報を傘下の移動端末へ通知する。通知されるシステム情報の具体例としては、メジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)などがある。メジャメント周期とは、ネットワーク側が傘下の移動端末に通知する周期であって、この周期にしたがって移動端末は電界強度などの測定を行う。また、自セル情報をサービングセルから移動端末に対して通知する際、かかる自セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。また、自セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。
ステップST3802にて、移動端末は、サービングセルから送信された、自セルのシステム情報を受信する。ステップST3803にて、サービングセルは、自セルのMBMSスケジューリング情報を傘下の移動端末へ通知する。通知されるMBMSスケジューリング情報の具体例としては、MBSFNサブフレームの割当て情報(MBSFN sub-frame allocation)などが考えられる。また、MBMSスケジューリング情報を、サービングセルから移動端末に対して通知する際、かかるMBMSスケジューリング情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。また、MBMSスケジューリング情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。ステップST3804にて、移動端末は、サービングセルから送信された、自セルのMBMSスケジューリング情報を受信する。
ステップST3805にて、移動端末は、ユーザがMBMSサービスを受信する意思があるかどうかを確認する。ユーザがMBMSサービスを受信する意思がある場合、ステップST3807へ移行する。ユーザがMBMSサービスを受信する意思がない場合、処理を終了する。ステップST3806にて、サービングセルは、MBMSサービスの制御情報を移動端末へ通知する。ステップST3807にて、移動端末は、MBMSサービスの制御情報を受信する。MBMSサービスの制御情報の具体例としては、MBMSのサービス内容などが考えられる。MBMSのサービス内容の具体例は実施の形態18と同様であるので説明を省略する。また、MBMSサービスの制御情報をサービングセルから移動端末に対して通知する際、MBMSサービスの制御情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。また、MBMSサービスの制御情報は、ロジカルチャネルとである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。また、MBMSサービスの制御情報は、ロジカルチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)、物理チャネルである物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされてもよい。MCCHにマッピングされる場合、移動端末は、ステップST3804にて受信したMBMSスケジューリング情報(MBSFNサブフレームの割当て情報)に従い、MBSFNサブフレーム内のデータを受信する。ステップST3808にて、移動端末は、ステップST3807にて受信したMBMSサービスの制御情報に従い、ユーザ所望のサービスが行われているか否かを判断する。ユーザ所望のサービスが行われている場合、ステップST3809へ移行する。ユーザ所望のサービスが行われていない場合、処理を終了する。ステップST3809にて、移動端末は、MBMSサービス(MTCH、MCCH)の受信を開始する。MBMSサービスの受信に際しては、移動端末はステップST3804にて受信したMBMSスケジューリング情報(MBSFNサブフレームの割当て情報)に従い、MBSFNサブフレーム内のデータを受信する。
ステップST3810にて、移動端末は、MBMSサービスの受信動作と並行しながら、ステップST3802にて受信したメジャメント周期であるか否か判断する。メジャメント周期であった場合、ステップST3811へ移行する。メジャメント周期でなければステップST3810の判断を繰り返す。ステップST3811にて、移動端末は測定を実行する。実際に移動端末が測定する値としては、サービングセルと周辺セルのリファレンスシンボル受信電力(Reference Symbol received power: RSRP)、E−UTRAキャリア受信信号強度値(E-UTRA carrier received signal strength indicator: RSSI)などが考えられる。周辺セルの情報は、周辺セル情報(リスト)(あるいは隣接セル(neighboring cells)情報(リスト)と呼ばれることもある)としてサービングセルから報知される場合もある。ステップST3812にて、移動端末は、ステップST3811にて測定した結果、サービングセルの再選択(cell re-selection)が必要か否か判断する。判断の具体例としては、周辺セルの測定結果が、サービングセルの測定結果にあるオフセット値(offset)を加えた値より大きくなった場合などが考えられる。再選択が必要ない場合、ステップST3810へ移行する。再選択が必要な場合、ステップST3813へ移行する。ステップST3813にて、移動端末は、測定結果の通知に用いるイベントをサービングセルへ通知する。サービングセルの再選択が必要となった場合のイベントの具体例としては、移動端末は、イベントA3をサービングセルへ通知する。ステップST3814にて、サービングセルは、移動端末よりイベントA3を受信する。その後、移動体通信システムとしてハンドオーバ処理が行われ、ステップST3815へ移行する。
ステップST3815にて、新しくサービングセルとして選択する基地局(新しいサービングセル:New serving cell、ハンドオーバ先基地局)は、ステップST3801同様、自セルのシステム情報を傘下の移動端末へ通知する。ステップST3816にて、移動端末は、ステップST3802同様、新しいサービングセルから自セルのシステム情報を受信する。ステップST3817にて新しいサービングセルは、ステップST3803同様、自セルのMBMSスケジューリング情報を傘下の移動端末へ通知する。ステップST3818にて移動端末は、ステップST3804同様、新しいサービングセルから自セルのMBMSスケジューリング情報を受信する。ステップST3819にて、新しいサービングセルは、ステップST3806同様、MBMSサービスの制御情報を移動端末へ通知する。ステップST3820にて、移動端末は、ステップST3807同様、MBMSサービスの制御情報を受信する。ステップST3821にて、移動端末は、ステップST3808同様、ステップST3820にて受信したMBMSサービスの制御情報に従い、ユーザ所望のサービスが行われているか否かを判断する。ユーザ所望のサービスが行われている場合、ステップST3822へ移行する。ユーザ所望のサービスが行われていない場合、ステップST3823へ移行する。ステップST3822にて、移動端末は、ステップST3818にて受信した新しいサービング基地局のMBMSスケジューリング情報(MBSFNサブフレームの割当て情報)に従い、MBMSサービス(MTCH、MCCH)の受信を開始する。ステップST3823にて移動端末は、MBMSサービス受信の停止処理を行う。
図86のステップST3821、ステップST3823に示すように、ハンドオーバによりMBMSサービス受信の中断が発生するという問題が生じる。本実施の形態20においては、隣接セル情報にMBMSサービスのサービス内容を付加することにより上記課題を解決することを考える。詳細な方法を図87を用いて説明する。また、図87は、図86と類似しているため、同じ部分の説明は省略する。ステップST3901にて、サービングセルは、隣接セル情報を傘下の移動端末へ通知する。隣接セル情報に、隣接セルのMBMSサービスのサービス内容を新たに設ける。サービス内容の具体例としては、実施の形態18と同様であるので説明を省略する。また、隣接セルのMBMSサービス内容ではなく、隣接セルのMBSFNサブフレームの割当情報を代用しても良い。隣接セルのMBSFNサブフレームの割り当てが、サービングセルのMBSFNサブフレームの割り当てと同じであれば、該隣接セルとサービングセルは、SFN合成をサポートするべく、MBMSサービスのマルチセル送信を行っていると判断できる。よって該隣接セルとサービングセルは、同じMBMSサービスを行っていると判断できるからである。また、隣接セル情報を、サービングセルから移動端末に対して通知する際、隣接セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。また、隣接セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。
また、サービングセルは、隣接セル情報にMBMSサービスのサービス内容を付加するのではなく、隣接セル毎のサービス内容を、ステップST3806にてMBMSサービスの制御情報として送信しても良い。この場合、隣接セル番号(ID)に対応させた形で、隣接セル毎のサービス内容を通知する必要がある。「隣接セルで行われているMBMSサービスのサービス内容」という情報は、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいてユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されている、MBMSサービスを受信している移動端末が、ハンドオーバを行う場合に、MBMS受信の中断という問題を解決するために、本実施の形態20により新設したパラメータである。よって、MBMSサービスを受信している移動端末にのみ有効なパラメータである。よってMBMSサービスを受信する移動端末のみが受信するMBMSサービスの制御情報に付加しても問題ない。これにより、BCCHの情報量増加を防ぐことが可能となり、移動体通信システム全体の制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。更に、移動端末はステップST3809にて、実際にMBMSサービスの受信を開始してからのみ、MBMSサービスの制御情報に付加された隣接セル毎のサービス内容を受信、デコードしても良い。ここでサービングセルがどのようにして隣接セル毎のサービス内容を入手するかが問題となる。解決方法としては、基地局間通信を用いて、つまり隣接セル毎からサービングセルへサービス内容を通知する場合が考えられる。また、別の解決策としては、各セルからサービス内容をMMEへ通知し、MMEからサービングセルへ隣接セルに含まれるセルのサービス内容を通知する場合が考えられる。また、別の解決策としては、MCEがMMEへ各セルのサービス内容を通知し、MMEからサービングセルへ、隣接セルに含まれるセルのサービス内容を通知する場合が考えられる。また、別の解決策としては、MCEから直接、各サービングセルへ各隣接セルのサービス内容を通知する場合が考えられる。ステップST3902にて、移動端末は隣接セル情報を受信する。
ステップST3903にて、移動端末は、隣接セルのMBMSサービスのサービス内容を確認し、新しいサービングセルにて、現在移動端末が受信中のサービスが行われているか否かを判断する。サービスが行われている場合、ステップST3813へ移行する。サービスが行われていない場合、ステップST3904へ移行する。ステップST3904にて、移動端末は、サービングセルへの測定結果の通知に用いるイベントの通知を行わない。具体的には、サービングセルの再選択が必要となった場合のイベントの通知を行わない。更に具体的には、イベントA3のサービングセルへの通知を行わない。これにより、移動体通信システムとしてのハンドオーバ処理が開始されることはなく、サービングセルの再選択は行われない。よってユーザ所望のMBMSサービスが行われている、従来のサービングセルが変更されることはなく、MBMSサービス受信の中断は起こらないという効果を得ることができる。これにより、本発明の課題である、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、MBMS専用セル、ないしユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末が、ハンドオーバによりMBMSサービス受信の中断が発生するという問題を解決することが出来る。
また、ステップST3812において、ステップST3811にて測定した結果、サービングセルの再選択(cell re-selection)が必要であると判断されているのは事実であるので、MBMSサービスの中断を行いたくないのであれば、ユーザは移動を中断すべきとも考えられる。よって、サービングセルの再選択が必要であると判断したにも関わらず、新しいサービングセルにて所望のMBMSサービスが行われていないことにより、ハンドオーバ処理を中止した旨を表示部への表示、鳴動などによりユーザに知らせても良い。これにより、ユーザが移動より現在のMBMSサービス受信を優先する場合、移動を中止することが可能になり、よりユーザのニーズに合わせた使い方が可能となる効果を得ることが出来る。また、ステップST3904にて、イベントA3のサービングセルへの通知を行わない代わりに、サービングセルの再選択が必要となった場合のイベント(イベントA3)をサービングセルへ通知するとともに、ユーザの意思を通知しても良い。ユーザの意思の具体例としては、ハンドオーバを希望しない旨などが考えられる。
実施の形態20により、本発明の課題である、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末が、ハンドオーバによりMBMSサービス受信の中断が発生するという問題を解決することが出来る。
実施の形態21.
実施の形態21で用いる移動体通信システムのシーケンス図を図88に示す。図88において、図86と同一のステップは同一または相当する処理を示すので、説明は省略する。ステップST4001にて、サービングセルは、自セルのシステム情報を傘下の移動端末へ通知する。通知されるシステム情報の具体例としては、メジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)などがある。メジャメント周期とはネットワーク側が傘下の移動端末に通知する周期であって、この周期にしたがって移動端末は電界強度などの測定を行う。自セルのシステム情報には、サービングセルと周辺セルの測定時に用いる測定報告用パラメータ(measurement reporting parameters)を含むものとする。測定報告用パラメータの具体例としては、非特許文献3に示されている「閾値(threshold)」「オフセット値(offset)」などが考えられる。本実施の形態21では、新たに、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信していない移動端末用(以降、単にMBMSサービス未受信中の移動端末と称する)と、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末用(以降、単にMBMSサービス受信中の移動端末と称する)とに上記測定報告用パラメータを分離することを考える。更に、MBMSサービス未受信の移動端末とMBMSサービス受信中の移動端末用にオフセット値を分離することを考える。更に、MBMSサービス受信中の移動端末用のオフセット値を、MBMSサービス未受信の移動端末用のオフセット値より大きい値とすることを考える。
サービングセルから移動端末に対して、自セル情報を通知する際、自セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。また、自セル情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。MBMSサービス受信中の移動端末用の「測定報告用パラメータ」は、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末が、ハンドオーバを行う場合に発生し得るMBMS受信中断という問題を解決するために、新設されたパラメータである。よって、MBMSサービスを受信している移動端末に有効なパラメータである。よって、他のシステム情報とは分離して、MBMSサービスを受信する移動端末が受信する、MBMSサービスの制御情報に付加しても問題ない。これにより、BCCHの情報量増加を防ぐことが可能となり、移動体通信システム全体の制御遅延を防止するという効果を得ることが出来る。サービングセルから移動端末に対して、MBMSサービスの制御情報を通知する際、MBMSサービスの制御情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。また、MBMSサービスの制御情報は、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらに、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされてもよい。また、MBMSサービスの制御情報は、ロジカルチャネルであるマルチキャスト制御チャネル(MCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)、物理チャネルである物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされてもよい。ステップST4002にて、移動端末は、サービングセルから自セルのシステム情報を受信する。
ステップST4003にて、移動端末は、MBMS受信中であるか否かを判断する。具体的には、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信しているか否かを判断する。受信中であれば、ステップST4004へ移行する。受信中でなければステップST4005へ移行する。ステップST4004にて、移動端末は、測定報告用パラメータにMBMS受信中の移動端末用の測定報告用パラメータをセットする。具体的には、オフセット値にMBMS受信中の移動端末用のオフセット値をセットする。ステップST4005にて、移動端末は、測定報告用パラメータにMBMS未受信中の移動端末用の測定報告用パラメータをセットする。更に具体的には、オフセット値にMBMS未受信中の移動端末用のオフセット値をセットする。
本実施の形態21により、MBMSサービスを受信中とMBMSサービスを未受信の移動端末のハンドオーバ処理が起こる周辺セル(新しいサービングセル)の測定結果を変更することが可能となる。更には、MBMSサービス受信中の移動端末用のオフセット値をMBMSサービス未受信の移動端末用のオフセット値より大きい値とすることにより、MBMSサービス受信中の移動端末がハンドオーバ処理を行う周辺セルの測定結果をMBMSサービス未受信中より高くすることが可能となる。これにより、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末が、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信していない移動端末と比較して、地理的に同じ場所に位置した場合、ハンドオーバを起こりにくくすることが可能となる。これにより、同じ基地局からユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信することが可能な地理的範囲を広くすることが出来る。これにより、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末が、ハンドオーバによりMBMSサービス受信の中断の発生を減らすという効果を得ることが出来る。実施の形態20では、隣接セル情報に、新たに隣接セルのMBMSサービスのサービス内容を付加することにより、課題を解決した。しかし、隣接セル毎のMBMSサービスのサービス内容の情報量は多くなることが考えられる。本実施の形態21では、隣接セルのMBMSサービスのサービス内容を付加することなく、課題を解決した。よって、実施の形態20と比較してサービングセルから移動端末へ通知される情報量を少なくしつつ、課題を解決可能となる。よって、実施の形態20と比較して無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
次に本実施形態の変形例1を説明する。実施の形態21を以下のように変形すれば、更なる効果を得ることが出来る。実施の形態21の変形例1で用いる移動体通信システムのシーケンス図を図89に示す。なお、図89において、図86ないし図88と同一番号のステップは、同一または相当の処理を示すので説明は省略する。ステップST4003にて、移動端末は、MBMS受信中であるか否かを判断する。更に具体的には、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信しているか否かを判断する。受信中であれば、ステップST4101へ移行する。受信中でなければステップST4005へ移行する。ステップST4101にて、移動端末は、ユーザの意思を確認する。更に具体的には、ユニキャスト通信よりMBMSサービス受信を優先するか否かを判断する。更に具体的には、ユニキャスト通信よりユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信を優先するか否かを判断する。優先する場合、ステップST4004へ移行する。優先しない場合、ステップST4005へ移行する。
実施の形態21の変形例1により以下の更なる効果を得ることが出来る。ステップST4004にて、オフセット値に、MBMS受信中の移動端末用のオフセット値をセットした場合、MBMSサービスを受信していない移動端末が、現在のサービングセルからの受信状況が悪くなり、新しいサービングセルへハンドオーバ処理を開始したとしても(イベントA3をサービングセルへ通知したとしても)、MBMSサービス受信中の移動端末は同じ受信状況(同じ地理的な位置とも言える)であってもハンドオーバ処理を開始しない。このことは、MBMSサービスを受信していない移動端末が、現在のサービングセルからの受信状況が悪いとして、ハンドオーバ処理を開始する場合であっても、MBMSサービス受信中の移動端末は、現在のサービングセルに留まることを意味する。よって、MBMSサービス受信の中断はおこらないが、ユニキャストサービスの受信品質の劣化に繋がることも考えられる。よって、本変形例を用いれば、MBMSサービスの受信の中断を可能な限り行いたくないのか、MBMSサービスの受信の中断を許しユニキャストサービスの受信品質の劣化を防ぎたいのか、ユーザの意思を反映した移動体通信システムの処理とすることが可能となり、よりユーザのニーズに合わせた使い方が可能となる効果を得ることが出来る。
次に本実施形態の変形例2を説明する。実施の形態21を以下のように変形すれば、更なる効果を得ることが出来る。実施の形態21の変形例2で用いる移動体通信システムのシーケンス図を図90に示す。なお、図90において、図86〜40と同一番号のステップは、同一または相当の処理を示すので説明は省略する。ステップST4003にて、移動端末は、MBMS受信中であるか否かを判断する。受信中であれば、ステップST4201へ移行する。受信中でなければステップST4005へ移行する。ステップST4201にて、移動端末は、測定対象の周辺セルについて、ステップST3902にて受信した隣接セル情報を用いて、隣接セルのMBMSサービスのサービス内容を確認する。測定対象の周辺セルにて、現在のサービングセルにて受信中のMBMSサービスが行われているかを判断する。行われていた場合、ステップST4005へ移行する。行われていない場合、ステップST4004へ移行する。
実施の形態21の変形例2により、以下の更なる効果を得ることが出来る。新しいサービングセルにて、現在のサービングセルにて受信中のMBMSサービスが行われている場合、ハンドオーバによるMBMSサービス受信の中断という問題は発生しない。よって、新しいサービングセルにて、現在のサービングセルにて受信中のMBMSサービスが行われている場合、ユニキャストサービス(MBMSサービスも含む)の受信品質の劣化につながる、MBMSサービス受信中の測定報告用パラメータを用いることを防ぐことが可能となる。また、実施の形態21の変形例1と実施の形態21の変形例2は、組み合わせて用いることが可能である。
実施の形態22.
MBSFN同期エリア内の、全てのMBSFNエリアに属する基地局が、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信に用いる無線リソースを同じとすることを考える。更に具体的には、MBSFN同期エリア内の、全てのMBSFNエリアが、MBMSサービス(MCCH、MTCH)送信に用いるMBSFNサブフレームを、ともに用いることを考える。更に具体的には、MBSFN同期エリアにて共通の無線リソース(MBSFNサブフレーム)を、各MBSFNエリアにて多重して用いる。多重方法の具体例を図91に示す。図91は、MBSFNサブフレームをMBSFNエリアで多重する概念を示す説明図である。図91において、Aは「MBSFNエリアAに属する基地局からのMBMSサービスデータ」、Bは「MBSFNエリアBに属する基地局からのMBMSサービスデータ」である。図91の(A)(パターンA)では、MBSFNエリアAに属する基地局とMBSFNエリアBに属する基地局が使用する無線リソース(MBSFNサブフレーム)が時分割多重されている。MBSFNサブフレーム中にて、MBSFNエリアAに属する基地局がMBMSサービスを送信している時間は、MBSFNエリアBに属する基地局からのMBMSサービス及びユニキャストサービスの送信は行わない、つまり送信オフの期間である。また、MBSFNエリアBに属する基地局がMBMSサービスを送信している時間は、MBSFNエリアAに属する基地局からのMBMSサービス及びユニキャストサービスの送信は行わない、つまり送信オフの期間である。パターンBも時分割多重の具体例であるが、パターンBはMBSFNサブフレーム内を時分割するのではなく、MBSFNエリア毎に用いるMBSFNサブフレームを決定する。ただし、図91の(B)(パターンB)もパターンA同様、MBSFNエリアAに属する基地局がMBMSサービスを送信しているMBSFNサブフレームでは、MBSFNエリアBに属する基地局からのMBMSサービス及びユニキャストサービスの送信は行わない、つまり送信オフである。また、MBSFNエリアBに属する基地局がMBMSサービスを送信しているMBSFNサブフレームでは、MBSFNエリアAに属する基地局からのMBMSサービス及びユニキャストサービスの送信は行わない、つまり送信オフである。
図91の(C)(パターンC)では、MBSFNエリアAに属する基地局とMBSFNエリアBに属する基地局が使用する無線リソース(MBSFNサブフレーム)が周波数分割多重(FDM:Frequency Division Multiplexing)されている例である。MBSFNサブフレーム中にて、MBSFNエリアAに属する基地局が、MBMSサービスを送信している周波数では、MBSFNエリアBに属する基地局からのMBMSサービス及びユニキャストサービスの送信は行わない、つまり送信オフである。MBSFNサブフレーム中にて、MBSFNエリアBに属する基地局がMBMSサービスを送信している周波数では、MBSFNエリアAに属する基地局からのMBMSサービス及びユニキャストサービスの送信は行わない、つまり送信オフである。図91の(D)(パターンD)では、MBSFNエリアAに属する基地局とMBSFNエリアBに属する基地局が使用する無線リソース(MBSFNサブフレーム)が符号分割多重されている例である。MBSFN同期エリアにて共通の無線リソース(MBSFNサブフレーム)にて、MBSFNエリアAに属する基地局は、データにコードAを乗算してMBMSサービスを送信する。また、MBSFN同期エリアにて、共通の無線リソース(MBSFNサブフレーム)にて、MBSFNエリアBに属する基地局は、データにコードBを乗算してMBMSサービスを送信する。また、MBSFNエリア内の全てのMBSFNエリアに属する基地局が同じ無線リソース(MBSFNサブフレーム)を用いる例について述べたが、MBSFNエリアを構成する基地局が隣接するMBSFNエリアに属する基地局が同じ無線リソースを用いるとしても良い。
実施の形態22により、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいて、ユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末が、ハンドオーバによりMBMSサービス受信の中断の発生を減らすという効果を得ることが出来る。なぜなら、実施の形態22のような移動体通信システムにより、MBSFN同期エリアに属する基地局においては、同じ無線リソース(MBSFNサブフレーム)を用いてMBMSサービスを提供することになる。現在のサービングセルがMBSFNエリアAに属し、新しいサービングセルがMBSFNエリアBに属した場合を考える。ユニキャストサービスは受信品質の良好な新しいサービングセルと送受信を行い、また、新しいサービングセルがスケジューリングを行う。一方、MBMSサービスはユーザ所望のサービスを行っているMBSFNエリアのMBMSサービスを受信することが可能となる。また、MBSFN同期エリアに属する基地局を対象としているため、本実施の形態を実現するために新たに基地局間の同期を維持する基地局を増やす必要がないので、移動体通信システムの複雑性を増すことはない。実施の形態20と比較して以下の効果を得ることが出来る。実施の形態20で必要な隣接セルのMBMSサービスのサービス内容が不要である。よって、実施の形態20と比較してサービングセルから移動端末へ通知される情報量を少なくしつつ、課題を解決可能となる。よって、実施の形態20と比較して無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
実施の形態21と比較して以下の効果を得ることが出来る。実施の形態21で必要なユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいてユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信していない移動端末用と、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤにおいてユニキャスト/MBMS混合セルからマルチセル送信されているMBMSサービスを受信している移動端末用とに分離した測定報告用パラメータが不要となる。よって実施の形態21と比較してサービングセルから移動端末へ通知される情報量を少なくしつつ、課題を解決可能となる。よって、実施の形態21と比較して無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。さらには、実施の形態22では、MBMSサービス受信中の移動端末であってもサービングセルの受信品質がMBMSサービス未受信中の移動端末と同じだけ悪くなれば、新しいサービングセルにて現在受信中のMBMSサービスが行われているか行われていないかに関わらずハンドオーバすることが可能となるので、実施の形態21と比較してユニキャストサービスの受信品質の劣化がおこらないという効果を得ることが出来る。
実施の形態23.
発明が解決しようとする課題について図92を用いて説明する。図92に示すAはL1/L2シグナリングチャネル、Bはユニキャスト送信用リソースである。非特許文献2のとおり、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるMBSFNサブフレームの割り当てについて検討されている。非特許文献1のとおり、サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。また、現在の3GPPにおいて、混合セルにおいては、MBSFNフレーム(サブフレーム)において、サブフレーム単位において先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、ユニキャスト送信用に用いてはいけないことが決定されている。つまり先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなる。図92ではPMCHと表記している。一方、非特許文献1において、PCHがPDSCHあるいは、PDCCHにマッピングされることが開示されている。また非特許文献1において、ページンググループは、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)を用いること、及び移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。よって、PCHは、L1/L2シグナリングチャネルを用いるため、MBSFNフレームであってもマッピングすることができる。一方、MBSFNフレームにおいては、PCHにて次の制御情報の下り無線リソースの割り当てをする場合、同じサブフレーム上の下り無線リソースはMBMS送信専用となるため、同じサブフレーム内に制御情報の割り当てをすることは出来ないという課題が発生する。
非特許文献4に移動端末へのページング信号送信について以下の記載がある.ページンググループに属するいずれかの移動端末宛のページング信号が発生したことを伝えるPICH(Paging Indicator channel)は、L1/L2シグナリングチャネルを用いて送信される。ページング信号が自分宛てのものであるか否かを判断するために移動端末は、ページング信号をデコードする。PCHはページング信号を1つ以上持つことが可能である。PICHはL1/L2シグナリングチャネルを用いて送信される、つまりサブフレーム単位において先頭の1〜3OFDMシンボルに位置づけられる。一方PCHは、PICHと同じサブフレームにあるPDSCHにマッピングされる。非特許文献4のページング信号送信手順においても本発明の解決しようとする課題は発生する。つまりMBMS/ユニキャスト混合セルにおいて、MBSFNサブフレームが構成されている場合、MBSFNサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボルにてPICHを送信したとしても、PICHと同じサブフレームはMBMS送信専用のリソースである。そのため、ページング信号が自分宛てのものであるか否かを判断するためのページング信号をマッピングするPCHを送信することは出来ない。また、非特許文献4には本発明の解決しようとする課題についての示唆もない。
非特許文献5にページングがおこる時(ページングアケージョン(ページングオケージョン):Paging occasion)を求める式について以下の記載がある。ページングアケージョンを求めるためには、ページングインターバル(本発明における混合周波数レイヤにおける間欠受信周期にあたる)とページングインターバル中でのページングアケージョンの数の2つのパラメータが必要であり、他に必要なパラメータはないと記載されている。更にページングアケージョンが発生する無線フレーム中のサブフレームは、固定値とすると記載されている。しかし非特許文献5にはページング信号がマッピングされるページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームについての決定方法についての記載はない。また、非特許文献5にはページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームとの関係についての記載はなく、本発明の解決しようとする課題についての示唆もない。
MBSFNサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボル以外はMBMS送信専用のリソースとなる。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームがMBSFNサブフレームの割り当てと重なった場合、先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなりページング処理に用いることはできない。従来のページング処理方法ではMBSFNサブフレームについて全く考慮していないため、MBMS/ユニキャスト混合セルでのページング処理に適用することは不可能となる問題が生じる。この問題を解決するため、本実施の形態23では、ページングアケージョンの無線フレーム中のどのサブフレームを、ページング処理(ページング信号(ページングメッセージ)、PICH、PCHなどの送信)に用いるかを決定する方法について開示する。ページング信号がマッピングされるページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの決定を行う場合のシーケンス図の具体例を図93に示す。図88と同じステップ番号の処理については、同じ処理であるために説明を省略する。ステップST4001にてサービングセルは、自セルのシステム情報を傘下の移動端末へ通知する。通知されるシステム情報の具体例としては、メジャメント周期、間欠受信周期、トラッキングエリア情報(TA情報)などがある。自セルのシステム情報には、間欠受信用パラメータを含むものとする。間欠受信用パラメータの具体例としては、混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)、ページングインターバル中でのページングアケージョンの数(N)(あるいは、ページンググループ数)などがある。間欠受信周期の表し方の具体例としては無線フレーム数などがある。ステップST4002にて移動端末は、サービングセルから自セルのシステム情報を受信する。ステップST4501にてサービングセルは、MBSFNサブフレームの割り当て情報を送信する。MBSFNサブフレームの割り当てに関する現在の3GPPの議論では、以下のようなことが話されている。MBSFNサブフレーム中のレファレンスシグナルとMBSFNサブフレームではないサブフレームのレファレンスシグナルの無線リソースとしてのマッピング位置が異なる。よってより正確なレファレンスシグナルを用いた測定を行うためには、MBMSサービスを受信する能力のない移動端末であってもサービングセルのMBSFNサブフレームの割り当て情報を把握する必要があるという議論がされている(非特許文献2)。MBSFNサブフレームの割り当て情報の具体例としては、MBSFNサブフレームとして割り当てられるサブフレームのサブフレーム番号(例えば図92では、サブフレーム番号#1)が考えられる。ステップST4502にて移動端末は、サービングセルからMBSFNサブフレームの割り当て情報を受信する。
ステップST4503にて移動端末は、ページングアケージョンを求める。本実施の形態23では課題を解決するためのページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの決定方法を開示する。本実施の形態23で開示する方法は、ページングアケージョン(ページングアケージョンの無線フレーム)の求め方によらずに、用いられることができる。ステップST4504にてサービングセルは、移動体通信システムとして移動端末と同じ方法を用いてページングアケージョンの無線フレームを求める。ステップST4505にて移動端末は、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める。ステップST4506にてサービングセルは、移動体通信システムとして移動端末と同じ方法を用いてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める。
ステップST4505における、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める方法の詳細を以下に説明する。移動端末は、ステップST4502にて受信したMBSFNサブフレームの割り当て情報を元に、MBSFNサブフレーム以外のサブフレームがページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとなるようにする。更に具体的には、MBSFNサブフレームを除いてサブフレームの再番号付けを行う。図94を用いて説明する。図92において、AはMBSFNサブフレームである。図94(a)はMBSFNサブフレームが存在しない無線フレームである。図94(b)は、例えばサブフレーム番号#3にMBSFNサブフレームが割り当てられた場合のサブフレームの再番号付けの例である。再番号付けの前と後では、次のような対応となる。(再番号付け前―再番号付け後)、(#0-#0(MBSFN))(#1-#1(MBSFN))(#2-#2(MBSFN))(#3-MBSFNサブフレーム)(#4-#3(MBSFN))(#5-#4(MBSFN))(#6-#5(MBSFN))(#7-#6(MBSFN))(#8-#7(MBSFN))(#9-#8(MBSFN))。以降再番号付け後のサブフレーム番号には(MBSFN)を付加して記載することとする。図94(c)には1無線フレーム中に2つのMBSFNサブフレームが割り当てられた場合について記載している。再番号付けの詳細についてMBSFNサブフレームが1つの場合と同様であるので説明を省略する。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームをMBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数に対応付けて決定する。具体例として図95に対応表を示す。図95(a)について説明する。MBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数が「9」であった場合(つまり該無線フレーム中のMBSFNサブフレームとしての割り当ては1サブフレームである)、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームは#4(MBSFN)となる。図95(a)を用いて、図94(c)の場合のページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求めてみる。図94(c)の場合、MBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数は、「8」となる。図95(a)を用いてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを決定すると、#3(MBSFN)となる。図95(b)には、1無線フレーム中にページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが複数発生する場合を考えた対応表を示す。
例えば、図95(b)の1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが発生する数が「2」の場合には、各移動端末は図95(b)の1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが発生する数が「2」の場合の欄に示すどちらのサブフレームを間欠受信にて受信(モニタ)すれば良いか分からない。このことは以下の方法によって解決できる。移動端末の識別子 mode 1無線フレーム中のページングアケージョンのサブフレームの数 を求める。1無線フレーム中のページングアケージョンのサブフレーム数が「2」の場合、前記式の解は0あるいは1となる。よって具体例としては前記式の解が「0」となった場合は、対応表の上段のサブフレーム番号、「1」となった場合は対応表の下段のサブフレーム番号と規定する。あるいは対応表に前記情報を含める。また別の解決策として、移動端末は1無線フレーム中に複数存在するページングアケージョンのサブフレームを全て受信(モニタ)することにより前記課題は解決される。更に1無線フレーム中に複数のページングアケージョンが発生するにも関わらずMBSFNサブフレームの割り当てとの関係でページングアケージョンのサブフレーム番号が必要数分規定出来ない場合が発生する。具体的には図95(b)の1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが発生する数が「2」、MBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数「1」、の場合である。この課題は以下の方法によって解決できる。1無線フレーム中に存在するページングアケージョン数がMBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数以下となるようにページンググループ数または/かつ混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)または/かつMBSFNサブフレームの割り当て(割り当て数)を決定する。つまり以下の式(「ページンググループ数(N)/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)=<10(1無線フレーム中のサブフレーム数)−MBSFNサブフレームの割り当て数」)を満たすようなページンググループ数(N)、混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)、MBSFNサブフレームの割り当て数を決定すればよい。
上記で述べた1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが複数発生する場合の具体例を以下に述べる。ページングアケージョンの無線フレームを求める方法にて、非特許文献5を用いた場合を考える。非特許文献5では先にも述べたように、ページングアケージョンを求めるためには、ページングインターバル(本発明における混合周波数レイヤにおける間欠受信周期にあたる)(T)とページングインターバル中でのページングアケージョンの数(N)の2つのパラメータが必要であり、他に必要なパラメータはないと記載されている。1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが複数発生する場合は、以下の式(1<N/T)で表すことが出来る。その場合の図95(b)の用いる方法について具体例を以下に示す。
1<N/T=<2の場合は1無線フレーム中に異なるページンググループのページングアケージョンに対応するサブフレームが2つ存在することになる。よって1<N/T=<2の場合は、図95(b)の1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが発生する数が「2」の欄を用いることとなる。
図95に示したような対応表は、ネットワーク側と移動端末側で認識を合わせておく必要がある。対応表が移動体通信システムとして静的に決定されていても良い。これにより、ネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という更なる効果を得ることが出来る。一方、対応表が変更可能とするならば、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの報知チャネル(BCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされることが考えられる。また別の具体例としては、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされることが考えられる。対応表を変更可能とすることにより、より柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる更なる効果を得ることが出来る。
実施の形態23では、MBSFNサブフレームを除いてサブフレームの再番号付けを行い、再番号付け後のサブフレーム番号にてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを決定している。よってページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームが同じサブフレームとなることはない。よって本発明の課題を解決することができるという効果を得ることが出来る。
本変形例1では、実施の形態23のステップST4505の処理の異なる方法を示す。移動端末は、ステップST4502にて受信したMBSFNサブフレームの割り当て情報を元に、MBSFNサブフレーム以外のサブフレームがページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとなるようにする。更に具体的には、MBSFNサブフレームを除いてサブフレームの再番号付けを行う。詳細は実施の形態23と同様であるので説明を省略する。本変形例1では実施の形態23と異なり、対応表ではなくMBSFNサブフレームを除いたサブフレームの数とページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとの関係を一定に保つことを考える。言い換えれば、MBSFNサブフレームを除いたサブフレームの数とページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとの関係式を規定する。関係式の具体例を以下に示す。
移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)mod(MBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数)=ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレーム(但し再番号付け後のサブフレーム番号)(式1)
(移動端末の識別子(UE−ID、IMSI、S−TMSIなど)div ページンググループ数(N))mod MBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数=ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレーム(但し再番号付け後のサブフレーム番号)(式2)などが考えられる。
本変形例1により実施の形態23での効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ネットワーク側と移動端末側とで、対応表といった多量の情報を記憶しておく必要がないという効果を得ることが出来る。また、MBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数とページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの対応が変更となった場合であっても、関係式をネットワーク側から移動端末側へ通知するのみでよく、対応表といった多量の情報を通知する必要がないという効果を得ることが出来る。
上記関係式は、ページングアケージョン(ページングアケ-ジョンの無線フレーム)の求め方によらず適用可能ではあるが、1無線フレームの中で実際にページングアケージョンが割り当てられるサブフレームに偏りが生じてしまう場合が発生する。ページングアケ-ジョンの算出式を「ページングアケージョン=(移動端末の識別子 mod ページンググループ数(N))×Int(混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)/ページンググループ数(N))」とすることが考えられる。もしこの場合に、ページングアケ-ジョンの無線フレームの中のサブフレームの決定式に式1を適用した場合、ページングアケ-ジョンが割り当てられるサブフレームに偏りが生じる場合がある。例えば、N=3で、MBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数=3の場合である。N=3なので、ページングアケ-ジョンが#0の無線フレームに発生するが、この無線フレームに割り当てられる移動端末の識別子(IMSI等)は3の倍数となる。したがって、式1を適用すると、K=3なので、該無線フレーム中で割り当てられるサブフレームは全ての移動端末において#0のサブフレームとなってしまう。このように、場合によっては、1無線フレームの中で実際にページングアケージョンが割り当てられるサブフレームに偏りが生じてしまう場合が発生する。ここでは、1無線フレームの中で実際にページングアケージョンが割り当てられるサブフレームに偏りが生じないようにする方法を開示する。例えば、ページングアケ-ジョンの無線フレームとサブフレームの両者ともに、移動端末の識別子を、NやMBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数でmod演算をとる式としない方法がある。具体例として、サブフレームの決定式を(式1)とした場合は、実施の形態2に示した以下のページングアケージョンの求め方とする。
「Paging Occasion=(IMSI div K)mod(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期)+n×(ユニキャスト/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期) n:0、1、2・・・、ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。」となる。ここでSFNは0からSFNの最大値までの整数。KはMBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数。また、サブフレームの決定式を(式2)とした場合は、以下のページングアケ-ジョンの求め方とする。
ページングアケージョン=(移動端末の識別子 mod ページンググループ数(N))×Int(混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)/ページンググループ数(N))
また別の方法として、サブフレームの決定式を(式2)とした場合、以下のページングアケ-ジョンの求め方とする。
「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=(IMSI div K)mod X +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。XはMBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期内でページングが発生する無線フレームの数で、X≦MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期(無線フレーム数)である。なお、Xの値(Xでの剰余値)と、無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく。こうすることで、ページングが発生する無線フレームを任意に設定しておけるという効果がある。 また別の方法として、サブフレームの決定式を(式2)とした場合、以下のページングアケ-ジョンの求め方とする。
「ページング発生無線フレーム」(Paging Occasion)=((IMSI div K)mod(Int(T/TX)))×TX +n×(MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期)、n:0、1、2・・・ただし、Paging Occasion≦SFNの最大値。SFNは0からSFNの最大値までの整数。TX≦MBMS送信周波数レイヤにおける間欠受信周期(無線フレーム数)である。
ページングが発生する無線フレームを周期的にすることによって、前述したXの値(Xでの剰余値)と無線フレームナンバ(SFN)を関係付けておく必要がなくなるため、算出演算を簡単にすることができる。
上記関係式は静的に決定されていても良い。これにより、ネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という更なる効果を得ることが出来る。一方、関係式が変更可能とするならば、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの報知チャネル(BCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされることが考えられる。また別の具体例としては、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされることが考えられる。対応表を変更可能とすることにより、より柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる更なる効果を得ることが出来る。上記関係式の具体例において以下の効果を得ることが出来る。同じページンググループに属する移動端末であっても移動端末の識別子に応じてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの値が変る。これにより、同じサブフレームを用いる移動端末の数が減ることになる。よって1サブフレーム中でPICH、PCHに用いる無線リソースが減るという効果を得ることが出来る。
本変形例2では、実施の形態23のステップ4505の処理の異なる方法を示す。本変形例2では、サブフレームの再番号付けを行わない。移動端末は、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームをステップST4502にて受信したMBSFNサブフレームの割り当て情報に対応付けて(割り当てを避けるように)決定する。具体例として図96に対応表を示す。図96(a)について説明する。MBSFNサブフレームの割り当てが「#1」であった場合、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームは「#4」となる。 図96(b)には、1無線フレーム中にページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが複数発生する場合を考えた対応表を示す。例えば、図96(b)の1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが発生する数が「2」の場合には、各移動端末は図96(b)の1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが発生する数が「2」の場合の欄に示すどちらのサブフレームを間欠受信にて受信(モニタ)すれば良いか分からない。このことは以下の方法によって解決できる。移動端末の識別子 mode 1無線フレーム中のページングアケージョンのサブフレームの数 を求める。1無線フレーム中のページングアケージョンのサブフレーム数が「2」の場合、前記式の解は0あるいは1となる。よって具体例としては前記式の解が「0」となった場合は、対応表の上段のサブフレーム番号、「1」となった場合は対応表の下段のサブフレーム番号と規定する。あるいは対応表に前記情報を含める。また別の解決策として、移動端末は1無線フレーム中に複数存在するページングアケージョンのサブフレームを全て受信(モニタ)することにより前記課題は解決される。更に1無線フレーム中に複数のページングアケージョンが発生するにも関わらずMBSFNサブフレームの割り当てとの関係でページングアケージョンのサブフレーム番号が必要数分規定出来ない場合が発生する。この課題は以下の方法によって解決できる。1無線フレーム中に存在するページングアケージョン数がMBSFNサブフレームを除いたサブフレーム数以下となるようにページンググループ数または/かつ混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)または/かつMBSFNサブフレームの割り当て(割り当て数)を決定する。つまり以下の式を満たすようなページンググループ数(N)、混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)、MBSFNサブフレームの割り当て数を決定すればよい。
ページンググループ数(N)/混合周波数レイヤにおける間欠受信周期(T)=<10(1無線フレーム中のサブフレーム数)−MBSFNサブフレームの割り当て数
上記で述べた1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが複数発生する場合の具体例を以下に述べる。ページングアケージョンの無線フレームを求める方法にて、非特許文献5を用いた場合を考える。非特許文献5では先にも述べたように、ページングアケージョンを求めるためには、ページングインターバル(本発明における混合周波数レイヤにおける間欠受信周期にあたる)(T)とページングインターバル中でのページングアケージョンの数(N)の2つのパラメータが必要であり、他に必要なパラメータはないと記載されている。1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが複数発生する場合は、以下の式(1<N/T)で表すことが出来る。その場合の図96(b)の用いる方法について具体例を以下に示す。1<N/T=<2の場合は1無線フレーム中に異なるページンググループのページングアケージョンに対応するサブフレームが2つ存在することになる。よって1<N/T=<2の場合は、図96(b)の1無線フレーム中にページングアケージョンのサブフレームが発生する数が「2」の欄を用いることとなる。
図96に示したような対応表は、ネットワーク側と移動端末側で認識を合わせておく必要がある。対応表が移動体通信システムとして静的に決定されていても良い。これにより、ネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という更なる効果を得ることが出来る。一方、対応表が変更可能とするならば、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの報知チャネル(BCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされることが考えられる。また別の具体例としては、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされることが考えられる。対応表を変更可能とすることにより、より柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる更なる効果を得ることが出来る。
変形例2では、MBSFNサブフレームの割り当てに応じて(割り当てを避けるように)、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを対応付けている。よってページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームが同じサブフレームとなることはない。よって本発明の課題を解決することができるという効果を得ることが出来る。実施の形態23、変形例1と比較して変形例2では、移動端末及びネットワーク側にてサブフレームの再番号付けという処理を省略できるという効果を得ることが出来る。
本変形例3では、実施の形態23のステップ4505の処理の異なる方法を示す。本変形例3では変形例2と異なり、対応表ではなくMBSFNサブフレームの割り当てとページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとの関係を一定に保つことを考える。言い換えれば、MBSFNサブフレームの割り当てとページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとの関係式を規定する。関係式の具体例を以下に示す。以下サブフレームの再番号付けを行わないサブフレーム番号にて説明する。しかし本変形例の考え方はサブフレームの再番号付けを行った場合であっても用いることが出来る。
ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレーム=MBSFNサブフレームの割り当て番号+P (P:整数)
上記式にて求められたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが#9を越えた場合には、
ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレーム=MBSFNサブフレームの割り当て番号+P−(9×n) (P:整数、n:正の整数、nは9を超える毎に「1」加えることとする)
上記式で求められたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが更にMBSFNサブフレームと重なるということも考えられる。本問題は以下にて解決可能である。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレーム=MBSFNサブフレームの割り当て番号+P+(m×Q)−(9×n) (P:整数、n:正の整数、m=1、2、3…10)上記式で求められたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームがMBSFNサブフレームと重ならないような値となるまで、mの値を進める。
Qは、1及び、10と公約数を持たない整数とする。具体的には、Q=1、3、7、9…が考えられる。この時P=Qとしても良い。
上記関係式は静的に決定されていても良い。これにより、ネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という更なる効果を得ることが出来る。一方、関係式が変更可能とするならば、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの報知チャネル(BCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされることが考えられる。また別の具体例としては、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされることが考えられる。対応表を変更可能とすることにより、より柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる更なる効果を得ることが出来る。
本変形例3により変形例2での効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ネットワーク側と移動端末側とで、対応表といった多量の情報を記憶しておく必要がないという効果を得ることが出来る。また、MBSFNサブフレームの割り当てとページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの対応が変更となった場合であっても、関係式をネットワーク側から移動端末側へ通知するのみでよく、対応表といった多量の情報を通知する必要がないという効果を得ることが出来る。
本変形例4では、実施の形態23のステップ4505の処理の異なる方法を示す。移動体通信システムとしてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとしてMBSFNサブフレームを除いたサブフレームを規定する。さらに具体的には、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとして、SCHがマッピングされるという理由にてMBSFNサブフレームが割り当てられない#0または/かつ#5と規定する。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームは静的に決定されていても良い。これにより、ネットワーク側から移動端末側へ通知する必要がないため、無線リソースの有効活用という更なる効果を得ることが出来る。一方、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが変更可能とするならば、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの報知チャネル(BCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされることが考えられる。また別の具体例としては、ロジカルチャネルとして報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、トランスポートチャネルの下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされ、物理チャネルの物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされることが考えられる。対応表を変更可能とすることにより、より柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる更なる効果を得ることが出来る。本変形例4では、MBSFNサブフレームの割り当てを避けるようなサブフレームをページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとして規定する。よってページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームが同じサブフレームとなることはない。よって本発明の課題を解決することができるという効果を得ることが出来る。実施の形態23、変形例1と比較して変形例2では、移動端末及びネットワーク側にてサブフレームの再番号付けという処理を省略できるという効果を得ることが出来る。変形例2、変形例3と比較して変形例4では、移動端末及びネットワーク側にてMBSFNサブフレームの割り当てに応じたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの決定という処理を省略することができるという効果を得ることが出来る。
本変形例5では、実施の形態23のステップST4505の処理の異なる方法を示す。ステップST4505にて移動端末は、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める。本変形例5では、ステップ4505に変えて図97に示す処理を行う。ステップST4901にて移動端末は、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める。変形例5では、ステップST4901でのページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める方法のとしては特に指定しない。MBSFNサブフレームの割り当てを考慮しない方法であって良い。具体的なページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求める方法例としては、実施の形態2で述べた方法、非特許文献5記載の方法ようにMBSFNサブフレームの割り当てに応じることなく固定値とするなどを用いることが出来る。ステップST4902にて移動端末は、ステップST4502にて受信したMBSFNサブフレームの割り当てとステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを用いて、両者が同じサブフレームとなるか否かを判断する。同じサブフレームとなる場合、ステップST4903へ移行する。同じサブフレームにならない場合、ステップST4903へは移行せずに終了する、つまりステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームをそのまま用いる。ステップST4903にて移動端末は、ステップST4902で求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームについて次のMBSFNサブフレーム以外のサブフレームへと変更する。例えば、ステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが#2であり、ステップST4502にて受信したMBSFNサブフレームの割り当てが#2であった場合を考える。この場合、ステップST4902にて両者が同じサブフレームになると判断される。よって、ステップST4903にてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームは、次のMBSFNサブフレーム以外のサブフレーム、つまり#3となる。この時、ステップST4903にてページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを前のMBSFNサブフレーム以外のサブフレームに変更しても良い、つまり#1としても良い。ステップST4902の判断は、ステップST4503で求めたページングアケージョンの無線フレーム毎に行っても良い。また、ステップST4902の判断は、当該サービングセルにて間欠受信を開始する際に1度、または/かつ、MBSFNサブフレームの割り当てが変更される際に1度、MBSFNフレームの集合の繰り返し周期分判断するとしても良い。この場合、いずれか1つのページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームがMBSFNサブフレームの割り当てと重なることになれば、毎ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームについてステップST4903を処理する。また、該当(MBSFNサブフレームの割り当てと重なる)のページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームのみステップST4903を処理するとしても良い、この場合MBSFNフレームの集合の繰返し周期において、該当(MBSFNサブフレームの割り当てと重なる)ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームに対してステップST4903の処理を行う。ステップ4506にてサービングセルは、移動端末同様のステップST4901からステップST4903の処理を行う。
更に、ステップST4903の処理により求められたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが元のページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレーム(ステップST4901にて求められたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレーム)と同じ無線フレーム内とならない場合が考えられる。その場合の処理について以下に述べる。ステップST4903の処理により求められたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが元のページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームと異なる無線フレームとなっても良いものとする。あるいは、ステップST4901で求めるページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームをステップST4903の処理により求められたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが元のページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームと同じ無線フレームとなるような値とする。具体例としては、ステップST4901にて求められるページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームが無線フレームの最後のサブフレーム(#9)となることを除く、あるいは、ある規定値から最後のサブフレームとなることを除くとする。ある規定値のサブフレーム番号の具体例として、「ある規定値のサブフレーム番号=最後のサブフレーム−MBSFNサブフレームの連続割り当て数」となる。
本変形例5では、MBSFNサブフレームを考慮することなくページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを求めた上で、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームが重なった場合において、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを次のMBSFNサブフレーム以外のサブフレームへ変更する。よってページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームが同じサブフレームとなることはない。よって本発明の課題を解決することができるという効果を得ることが出来る。
本変形例6は、実施の形態23のステップST4503の処理の異なる方法を示す。ステップST4503にて非特許文献5記載の方法を用いた場合を考える。ここで、ページングインターバルとページングインターバル中でのページングアケージョンの数を等しいとしてページングアケージョンを求める。これにより、ページングアケージョンを求めるためのパラメータが1つ減るという効果を得ることが出来る。このことは、ステップST4001における自セルのシステム情報の削減に繋がる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
実施の形態23、変形例1〜変形例6は、実施の形態1及び実施の形態2に示した、「Unicast側 間欠受信」に適応可能である。
実施の形態24
MBSFNサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボル以外はMBMS送信専用のリソースとなる。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームがMBSFNサブフレームの割り当てと重なった場合、先頭の1〜2OFDMシンボル以外は、MBMS送信専用のリソースとなりページング処理に用いることはできない。そのため従来のページング処理方法では不都合が生じるという課題を解決するため、本実施の形態24では、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームが重なった場合の処理方法について開示する。本実施の形態24では、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重なった場合、MBSFN送信専用となる先頭1〜2OFDMシンボル以外の無線リソースをユニキャスト送信用、さらに具体的にはページング処理に用いないこととする。また、さらには、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重なった場合、MBSFN送信専用となる先頭1〜2OFDMシンボル以外の無線リソースにて送信するページング処理に関する情報を、次のMBSFNサブフレーム以外のサブフレームにて送信することとする。処理方法の具体例を以下に示す。ページング信号の処理方法は、図93のステップST4505の処理を図97に変えた処理に類似している。異なる部分を中心に説明する。ステップST4902にて移動端末は、ステップST4502にて受信したMBSFNサブフレームの割り当てとステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを用いて、両者が同じサブフレームとなるか否かを判断する。同じサブフレームとなる場合、ステップST4903へ移行する。実施の形態24では、ステップST4903の処理に変えて、以下の処理を行う。ステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボルを用いて、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重ならなかった場合に先頭の1〜3OFDMシンボル(L1/L2シグナリングチャネル)で送信するはずであった情報を送信する。また、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重ならなかった場合に先頭の1〜3OFDMシンボル以外(PDSCH)で送信するはずであった情報を、次のMBSFNサブフレーム以外のサブフレームの先頭の1〜3OFDMシンボル以外(PDSCH)で送信する。次のMBSFNサブフレーム以外のサブフレームの先頭の1〜3OFDMシンボル以外(PDSCH)とした場合は、該PDSCH内の無線リソースの割り当ては、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームが重ならなかった場合の割り当てと同じとすれば、再度の割り当てなどが不要となり無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。ステップST4902の判断で、同じサブフレームにならない場合、ステップST4903へは移行せずに終了する、つまりステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームをそのまま用いる。
ステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボルを用いて、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重ならなかった場合に先頭の1〜3OFDMシンボル(L1/L2シグナリングチャネル)で送信するはずであった情報の具体例を以下に示す。非特許文献1において、PCHがPDSCHあるいは、PDCCHにマッピングされることが開示されている。また非特許文献1において、ページンググループは、L1/L2シグナリングチャネル(PDCCH)を用いること、及び移動端末の明確な識別子(UE-ID)はPCH上で見つけることが出来ることが開示されている。よって、PCHは、L1/L2シグナリングチャネルを用いて送信されることとなる。一方、非特許文献4において、ページンググループに属するいずれかの移動端末宛のページング信号が発生したことを伝えるPICH(Paging Indicator channel)は、L1/L2シグナリングチャネルを用いて送信されると記載されている。
ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重ならなかった場合に先頭の1〜3OFDMシンボル以外(PDSCH)で送信するはずであった情報の具体例を以下に示す。非特許文献1において、PCHにて次の制御情報の下り無線リソースの割り当てが行われた場合、該制御情報がPDSCHにマッピングされる。一方、非特許文献4においてPCHは、PICHと同じサブフレームにあるPDSCHにマッピングされると記載されている。
本実施の形態24では、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重なった場合、MBSFN送信専用となる先頭1〜2OFDMシンボル以外の無線リソースをユニキャスト送信用、つまりページング処理に用いないこととした。これにより、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレーム割り当てが重なった場合であってもページング処理に必要な情報がネットワーク側から移動端末へ送信不可能となることが発生しない。よって本発明の課題を解決することが出来るという効果を得ることが出来る。
変形例1の説明をする。ステップST4502にて受信したMBSFNサブフレームの割り当てとステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームを用いて、両者が同じサブフレームとなると判断した場合、変形例1では実施の形態24の処理に変えて以下の処理を行う。ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重ならなかった場合に先頭の1〜3OFDMシンボル(L1/L2シグナリングチャネル)で送信するはずであった情報とページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重ならなかった場合に先頭の1〜3OFDMシンボル以外(PDSCH)で送信するはずであった情報をステップST4901にて求めたページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームの先頭の1〜2OFDMシンボルを用いて送信する。
本変形例1では、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレームの割り当てが重なった場合、MBSFN送信専用となる先頭1〜2OFDMシンボル以外の無線リソースをユニキャスト送信用、つまりページング処理に用いないこととした。これにより、ページングアケージョンの無線フレーム中のサブフレームとMBSFNサブフレーム割り当てが重なった場合であってもページング処理に必要な情報がネットワーク側から移動端末へ送信不可能となることが発生しない。よって本発明の課題を解決することが出来るという効果を得ることが出来る。
実施の形態25.
実施の形態7では、MBSFNサブフレームのPMCH上にページング信号が送信されたかどうかを示すインジケータやページング信号をのせる構成を開示した。一方、実施の形態8では、MBSFNサブフレームにページング信号専用のチャネルを設け、例えば、ページングメッセージや、着信の有無を通知するための情報としてページングメッセージの割当て情報やページング有無を表す1ビットの情報など、ページング信号は全てページング信号専用のチャネル(DPCH)にマッピングされる構成を開示した。本実施の形態では、MBMS専用セルからページング信号を送信するため、PMCHとページング信号専用チャネルの両方にページング信号をマッピングする方法を開示する。具体的には、同じMBSFNサブフレーム内にPMCHとページング信号専用チャネルを設け、1サブフレームで送信するページング信号の一部をPMCHにマッピングし、残りをページング信号専用チャネルにマッピングして送信する。
図100に、同じMBSFNサブフレーム内にページング信号専用チャネルとPMCHを設けた構成の一例を示す。同じMBSFNサブフレーム内にページング信号専用チャネル(DPCH)とPMCHを設ける。ページング信号専用チャネル(DPCH)に該MBSFNサブフレームで着信の有無を示す情報をマッピングし、PMCHに残りのページング信号、例えばページングメッセージ情報をマッピングする。該MBSFNサブフレームの着信の有無を示す情報としては、例えばページングメッセージの割当て情報とする。ページングメッセージの割当て情報として、PMCHにマッピングされるページング信号の割当て情報とすれば良い。図に示すように、DPCHに使用するOFDMシンボル数(k)を示す情報をのせるPCFICHを設けても良い。この際、実施の形態8で開示した方法が適用できる。また、PCFICHは設けなくても良い。その場合は、実施の形態8で開示した、DPCHのMBSFNサブフレーム内の物理領域が決められる方法が適用できる。例えば、ページング信号をマッピングする物理領域を、MBSFNエリア毎に固有の物理領域とし、MBSFNエリア固有の番号(MBSFNエリアID)などから導出されるようにする方法などである。ページング信号をマッピングする物理領域をMBSFNエリア毎に同じ物理領域とすることで、ページング信号をマルチセル送信することが可能となる効果を得ることが出来る。これにより、移動端末にてページング信号のSFN合成が可能となり、移動端末でのページング信号の受信誤りを低減するという効果を得ることが出来る。このことは、移動体通信システム全体の制御遅延防止、無線リソースの有効活用といった効果につながる。
図101に、ページング情報を各物理チャネルの物理領域にマッピングする方法の一例を示す。ページングメッセージの割当て情報をページング信号専用チャネルにマッピングする方法は、実施の形態8で開示した方法が適用できる。基地局は、着信がかかっている移動端末に対してページングメッセージ割当て情報をページング専用物理チャネルにマッピングする。基地局は、着信がかかっている各移動端末mへのページングメッセージ割当て情報に該移動端末固有の識別番号を乗算する(処理1)。次に、該乗算結果にCRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い(処理2)、符号化(Encode)、レートマッチング、インタリーブ等の符号化(Coding)処理を行う(処理3)。これら一連の処理を行った結果を、マッピングする物理領域の大きさに対応した制御情報要素単位に割り当て、着信がかかっている各々の移動端末分連結する(処理4)。連結した結果を、MBSFNエリア固有の拡散コード(Scrambling Code)による拡散処理、変調処理等を行う(処理5)。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果を、先頭からkOFDMシンボル内へマッピングする(処理6)。その際に、基地局は 、着信がかかっている各々の移動端末分連結した結果をもとに 、必要となるOFDMシンボル数kを導出し 、該kに対応するインジケータにエンコーディング等の処理を行い 、PCFICHにマッピングする。これらはMBSFNエリア内の全セルにて同一の方法で行われ、MBSFNエリア内でマルチセル送信されることになる。図では、DPCHを送信するOFDMシンボル数(k)を1とした場合を示す。DPCHはサブフレームの1番目のOFDMシンボルに、PCFICH、リファレンスシンボルとともにマッピングされる。
マルチセル送信された信号を受信している移動端末においては、受信したPCFICHのデコード結果をもとにページングに使用されるOFDMシンボル数を判定し、復調処理、逆拡散(Descrambling)処理等を行う。それらの処理後、ある領域毎に分割し、逐次デインタリーブ、復号化(Decoding)、誤り検出、訂正処理等を行い、端末固有の識別番号でブラインド検出を行う。ブラインド検出により自移動端末の識別番号を検出した場合は、ページングがあったと判断できるとともに、自移動端末宛のページングメッセージの割当て情報を受信することができる。PCFICH、リファレンスシンボル等については、例えばあらかじめ決められた方法で物理リソースへのマッピングを行う。ユニキャストセルと同様の方法を用いてもよい。ユニキャストセルと同様の方法を用いることで、基地局の構成や移動端末の受信回路の構成を簡略化することが可能となる。
また、基地局は、着信がかかっている移動端末に対するページングメッセージをページングPMCHにマッピングする。基地局は、着信がかかっている各移動端末mへのページングメッセージに該移動端末固有の識別コード(番号、シーケンス)を乗じ(処理7)、CRC(Cyclic Redundancy Check)付加を行い(処理8)、符号化(Encode)、レートマッチング等の処理を行う(処理9)。これら一連の処理を行った結果に、MBSFNエリア固有の拡散符号(Scrambling code)による拡散処理、変調処理等を行う(処理10)。変調処理は、MBSFNエリア固有であっても良い。これらの処理を行った結果を、ページング専用チャネルにマッピングしたページングメッセージ割当て情報で示したPMCH内の物理領域に割り当てる(処理11)。
MBMS専用セルがページング信号を通知する方法として、実施の形態2で開示した方法が適用できる。実施の形態2ではPMCHのMCCHとともにページング信号を送信しているが、ここではDPCHにてページングメッセージの割当て情報が送信されたMBSFNサブフレームに設けられたPMCHにてページング信号を送信する。PMCHにページング信号をマッピングする方法は実施の形態7を適用することができる。本実施の形態の場合、実施の形態2と異なり、移動端末がMCCHを受信する際にページング信号を受信する必要がないため、MCCHとPCCHののるMBSFNサブフレームを時間的に隣接するなどの限定は必要ない。本実施の形態では、移動端末はMCCHとは別に、該ページング信号がマッピングされたMBSFNサブフレームを受信する。このようにするため、例えば、ST1735の移動端末におけるMBMS受信時 間欠受信準備動作で、ページンググループ算出ではなく、ページングメッセージ割当て情報がのるMBSFNフレームおよびMBSFNサブフレームを算出するようにしておく。該MBSFNフレームやMBSFNサブフレームは、移動端末固有の識別番号(UE−IDなど)や間欠受信周期やDRX情報をもとに算出式により算出されるようにしても良い。ネットワーク側、基地局、移動端末にて同じパラメータと同じ算出式を用いて算出できるようにしておけば良い。該算出式はあらかじめ決められていても良い。ページング信号が発生する該MBSFNフレームやMBSFNサブフレームの導出方法は実施の形態15の方法も適用できる。ページングが発生した場合、ST1777でMMEからのページングリクエストを受信したMCEは、ST1735と同様に、ST1778でページングメッセージ割当て情報がのるMBSFNフレームおよびMBSFNサブフレームを算出する。ST1779でページング信号のスケジューリングとともに、PMCH上のページングメッセージの割当て領域を決定する。ST1780のページングリクエスト信号で該ページング信号のスケジューリング情報とPMCH上のページングメッセージ割当て情報をMBMS専用セルに送信する。MBMS専用セルは、ST1782でST1735と同様に導出したMBSFNフレームやMBSFNサブフレームで、ページングリクエストで受信した情報をもとに、ページングメッセージ割当て情報をDPCHにマッピングし、ページングメッセージを同じサブフレームのPMCHにマッピングして傘下の移動端末に送信する。一方、移動端末は、MCCHとは別にST1735で導出したMBSFNフレームやMBSFNサブフレームかを判断する。この動作をST1772の後に追加しておく。ページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームでない場合、ST1788に移行する。ページング信号がマッピングされるMBSFNサブフレームである場合は、ST1784でPMCHでなくDPCHを受信し、前述のように、DPCHにマッピングされた情報を自移動端末固有の識別番号でブラインド検出する。ST1785でブラインド検出により自移動端末宛のページングメッセージ割当て情報があることを検出した場合は、該ページングメッセージ割当て情報に従って、ST1786によりPMCH上のページング情報を受信する。ST1787で、PMCH上のページング情報を自移動端末固有の識別番号で検出することにより確実に自移動端末宛のページングメッセージを受信することが可能となる。ST1785でブラインド検出により自移動端末宛のページングメッセージ割当て情報がない場合は、ST1788へ移行する。
上記の例では図101で開示した処理1、処理7において、各移動端末のページング信号に該移動端末固有の識別コードを乗じる処理を行ったが、実施の形態2、実施の形態7、実施の形態8などで示したように、別の処理方法として、各移動端末のページング信号と該移動端末固有の識別番号を加えるようにしても良い。この場合移動端末においては、DPCH上のページング信号(ここではページングメッセージ割当て情報)用物理領域(ここでは1番目のOFDMシンボルのDPFICH、RSを除いた領域)あるいはPMCH上のページング信号(ここではページングメッセージ)用物理領域(ここではページングメッセージ割当て情報で示された領域)を受信し、復調、MBSFNエリア固有のスクランブリングコードによるデスクランブリングを行い、その結果を情報要素単位に分割し、分割した情報要素単位毎にデコード等の処理を行う。デコード等の処理後の情報内に、自移動端末固有の識別番号が存在するか否かにより自移動端末向けのページング信号を検出する。なお、各物理チャネルに対して同じ処理にしなくても良く、該移動端末固有の識別コードを乗じる処理と該移動端末固有の識別番号を加える処理を、物理チャネル毎に設定できるようにしても良い。
また、実施の形態2や実施の形態7で示したように、ページング信号をマッピングする物理チャネルにおいて、その他の情報と区別するため、該情報に、情報種別毎に固有の識別子(ID)を乗じても良い。情報種別毎の固有の識別子は、ユニキャスト通信とは異なりマルチセル送信されるMBSFNサブフレームで用いられるため、マルチセル送信する複数のセルから同じものが送信されるようにしておく必要がある。例えば、MBSFNエリア毎に同じ情報種別毎に固有の識別子を用いるようにする。具体例として、MBMS専用セルは、ページング信号に対してページング信号用の識別子を乗じて送信する。当該MBMS専用セル傘下の移動端末の中でページング信号を受信する必要がある移動端末は、ページング信号用の識別子を用いてブラインド検出する。これにより移動端末が必要な情報を必要な場合に受信可能となる効果を得ることができる。このことは、移動端末の消費電力低減という効果を得ることができる。また、移動端末の制御遅延防止とう効果を得ることが出来る。情報種別毎の識別子はあらかじめ決められていても良いし、サービングセルの報知情報によって報知されても良い。また、MBMS専用セルから報知されても良い。なお、さらに、ページング信号に移動端末固有の識別子を乗じるあるいは加えるようにしておけば、移動端末毎のブラインド検出も可能となるため、ページング信号をマッピングする物理領域のをあらかじめ固定しておく必要がなくなり、柔軟なマッピングが可能となり、物理リソースの使用効率が向上する効果が得られる。
このようにすることで、本実施の形態で開示した方法を用いてMBMS専用セルからページング信号を移動端末に通知することが可能となる。さらに、本実施の形態で開示した方法を用いることで、ページング信号を全てひとつの物理チャネルにマッピングする必要がなくなる。このため、DPCHとPMCHの送信のスケジューリングを柔軟に行うことができ、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる効果が得られる。また、DPCHにページングメッセージの割当て情報をマッピングすることで、PMCHにマッピングされるページングメッセージをPMCH内物理領域において柔軟にマッピングすることが可能となり、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態や、実施の形態8、実施の形態15では、ページング信号をのせる専用のチャネルをDPCHとしたが、MBSFNサブフレームにPMCHの他にマルチセル送信が可能な物理チャネルが存在する場合は、該物理チャネルにページング信号をのせても良い。ページング信号がMBSFNサブフレームで送信されれば良く、新たなDPCHを設けないですむため、制御が簡単になり、回路規模の削減、消費電力の削減が図れる、という効果がある。また、MBSFNサブフレームにマルチセル送信可能な制御情報送信用の物理チャネルを設けても良い。この場合もページング専用の物理チャネルを設けないですみ、他の制御情報と一緒に該物理チャネルを用いて送信できるので、制御が簡単になり、回路規模の削減、消費電力の削減が図れる、という効果がある。他の制御情報として例えば、システム情報としても良い。
ページング信号を他の制御情報と一緒に該物理チャネルを用いて送信する場合、ページング信号とその他の情報とを区別する必要がある。このため、該物理チャネルにマッピングする情報に対して、情報種別毎に固有の識別子(ID)を乗じても良い。また、いずれか特定の情報種別のみに該情報種別固有の識別子を乗じても良い。情報種別毎の固有の識別子は、ユニキャスト通信とは異なりマルチセル送信されるMBSFNサブフレームで用いられるため、マルチセル送信する複数のセルから同じものが送信されるようにしておく必要がある。例えば、MBSFNエリア毎に同じ情報種別毎に固有の識別子を用いるようにする。こうすることで、マルチセル送信に対応可能となる。情報種別毎に固有の識別子を乗じる具体例としては、ページング信号(例えばページングメッセージ割当て情報)とシステム情報が、該物理チャネルにて通知される場合を考える。ページングメッセージ割当て情報に対してページング信号用の識別子を、システム情報に対してシステム情報用の識別子を各々乗じて、該物理チャネルを用いて送信する。当該MBMS専用セル傘下の移動端末の中でページング信号を受信する必要がある移動端末は、ページング信号用の識別子を用いてページングメッセージ割当て情報をブラインド検出し、ページングメッセージ割当て情報が存在した場合、例えば同じフレームに構成されたPMCHの、ページングメッセージ割当て情報によって示された物理領域のページング信号(ページングメッセージ)を受信する。ページングメッセージ割当て情報によって示された物理領域のページング信号(ページングメッセージ)を受信した移動端末は、復調、デコード等の処理を行い、デコード処理後の情報内に、自移動端末固有の識別番号が存在するか否かを判定することによって、該ページングメッセージが自移動端末宛かどうかを判定する。こうすることによってページング信号を受信する必要がある移動端末はページング信号のみを検出し受信可能となる。このように必要な情報を必要な場合に受信可能となる効果を得ることができる。このことは、移動端末の消費電力低減という効果を得ることができる。また、移動端末の制御遅延防止とう効果を得ることが出来る。情報種別毎の識別子はあらかじめ決められていても良いし、サービングセルの報知情報によって報知されても良い。また、MBMS専用セルから報知されても良い。なお、さらに、ページング信号に移動端末固有の識別子を乗じるあるいは加えるようにしておけば、移動端末毎のブラインド検出も可能となるため、ページング信号をマッピングする物理領域のをあらかじめ固定しておく必要がなくなり、柔軟なマッピングが可能となり、物理リソースの使用効率が向上する効果が得られる。
実施の形態26.
本実施の形態では、実施の形態1、実施の形態2ほかで記載の「MBMSのサーチ」動作の別の具体例を開示する。実施の形態18、実施の形態19で記載のユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるセルから傘下の移動端末へ通知されるMBSFNエリア番号(ID)を「MBMSのサーチ」に用いる。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるセルから傘下の移動端末へ通知されるMBSFNエリア番号(ID)をMBMS専用周波数レイヤにおける同期確立に用いる。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるセルから傘下の移動端末へ通知されるMBSFNエリア番号(ID)をMBMS専用周波数レイヤにおけるフレーム同期確立に用いる。
実施の形態18、実施の形態19で記載のユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのサービングセルから傘下の移動端末へ通知されるMBSFNエリア番号(ID)を「MBMSのサーチ」に用いる。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのサービングセルから傘下の移動端末へ通知されるMBSFNエリア番号(ID)をMBMS専用周波数レイヤにおける同期確立に用いる。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのサービングセルから傘下の移動端末へ通知されるMBSFNエリア番号(ID)をMBMS専用周波数レイヤにおけるフレーム同期確立に用いる。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル、あるいはユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのサービングセルからのMBSFNエリアIDの通知方法の具体例を以下に開示する。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルは、MBSFNエリアIDをロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングし、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングして傘下の移動端末に通知する。また、MBSFNエリアIDをマスタ情報にマッピングしてロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングし、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングして傘下の移動端末に通知する。
また別の通知方法としては、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルは、MBSFNエリアIDをロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングし、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングして傘下の移動端末に通知する。また、MBSFNエリアIDをシステム情報にマッピングしてロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングし、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングして傘下の移動端末に通知する。また別の通知方法としては、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルは、MBSFNエリアIDをロジカルチャネルである共有制御チャネル(CCCH)、あるいは個別制御チャネル(DCCH)にマッピングし、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングして傘下の移動端末に通知する。
MBSFNエリアIDをどのように通知するか具体例について開示する。利用可能なMBMSサービスの周波数、つまり受信可能なMBSFN同期エリアの周波数(f(MBMS)と称する)とMBSFNエリアIDを通知する。MBSFNエリアIDとf(MBMS)の通知は同時であっても、同時でなくても構わない。また、f(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを全て報知するのではなく、当該ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル傘下の移動端末が実際に受信可能なMBSFNエリアIDのみを報知しても良い。言い換えれば、当該ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルと地理的に重なったMBSFNエリアIDのみを報知しても良い。これにより、移動端末が受信可能なMBSFNエリアIDのみをMBMSのサーチに用いることができ、制御遅延防止という効果を得ることができる。また、f(MBMS)とMBSFN同期エリアに含まれるMBSFNエリアIDを通知する。MBSFNエリアIDとf(MBMS)の通知は同時であっても、同時でなくても構わない。また、MBSFN同期エリアに含まれるMBSFNエリアIDを全て報知するのではなく、当該ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル傘下の移動端末が実際に受信可能なMBSFNエリアIDのみを報知しても良い。言い換えれば、当該ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルと地理的に重なったMBSFNエリアIDのみを報知しても良い。これにより、移動端末が受信可能なMBSFNエリアIDのみをMBMSのサーチに用いることができ、制御遅延防止という効果を得ることができる。上記具体例について、MBSFNエリアIDをMBSFN同期エリア識別子(ID)として通知しても良い。また、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いるセルIDの一部をMBSFNエリアIDに用いる。ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる物理レイヤセル識別子(Physical Layer cell identity)の一部をMBSFNエリアIDに用いる。f(MBMS)とMBSFNエリアID用に用いることのできるセルID、あるいは物理レイヤ識別子の範囲を通知する。f(MBMS)と上記範囲の通知は同時であっても、同時でなくても構わない。
また、上記MBSFNエリアID用に用いることのできるセルID、あるいは物理レイヤ識別子の範囲を予め静的(Static)に決定する。ネットワーク側から移動端末へ無線リソースを用いてパラメータを通知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用とう効果を得ることができる。また、無線リソースを用いないので受信エラーが生じないという効果も得ることができる。MBMSのサーチ動作について具体例を以下開示する。実施の形態2の図17、図18を用いて説明する。ステップST1707にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルはBCCHを用いて、移動端末に対してf(MBMS)を1つあるいは複数報知する。f(MBMS)とあわせてf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを1つあるいは複数報知する。f(MBMS)とMBSFNエリアIDの報知は同時であっても、異なったタイミングでも良い。ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)とf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを受信する。ステップST1723にて、MBMS専用セルは第一同期チャネル(P−SCH)と第二同期チャネル(S−SCH)、レファレンス信号(RS(MBMS))、BCCHを傘下の移動端末に対して報知する。P−SCHは、現在3GPPで議論されているMBMS送信専用の周波数レイヤにおいて専用的に用いる追加されたシーケンスでもよいが、本具体例ではユニキャスト/ミクスド周波数レイヤと同様のP-SCHを用いる。
S−SCHとMBSFNエリアIDを対応付けておく。S−SCHとMBSFNエリアIDを一意に対応付けておく。あるいは、P−SCHとS−SCHをあわせたシーケンスからMBSFNエリアIDを同定可能としておく。ステップST1724にて、移動端末はMBMS専用セルからのP−SCH、S−SCH、RS(MBMS)、BCCH(報知制御チャネル)を受信する。ステップST1725にて移動端末はMBMSのサーチ動作を行う。移動端末は、サービング基地局から受信したf(MBMS)とf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを基にMBMSのサーチ動作を行う。移動端末は、ステップST1722にて切替えたf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを基にMBMSのサーチ動作を行う。移動端末は、現在3GPPで議論されているMBMS送信専用の周波数レイヤにおいて専用的に用いる追加されたシーケンスではなく、ユニキャスト/ミクスド周波数レイヤと同様のP−SCHを用いてブラインド検出を行う。P−SCHをブラインド検出した移動端末は、5msタイミング検出することが出来る。次に移動端末は、ステップST1708にて受信したMBSFNエリアIDを用いてS−SCHのブラインド検出を行う。
S−SCHをブラインド検出した移動端末は、10msタイミング検出することができる。現在3GPPで議論されているP−SCHにMBMS送信専用の周波数レイヤにおいて専用的に用いるシーケンスを追加する方法と比較する。S−SCHをブラインド検出する回数が、従来の技術においてはMBSFNエリアID用に割当てられたシーケンス分全てであったのに対して、本実施の形態ではステップST1708にて受信したMBSFNエリアIDの数とすることができ、大きな削減となる。例えば本実施の形態においてステップST1708にて受信したMBSFNエリアIDが1つであった場合においてはS−SCHのブラインド検出は1通りで良い。これは、移動体通信システムとしての制御遅延防止という効果を得ることができる。また移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。MBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いてBCCHを受信する。以降の処理は実施の形態2ほかに示す具体例と同様であるため、説明を省略する。
次に本実施形態の変形例1を説明する。別のサーチ動作についての具体例を以下開示する。MBSFNエリアIDから規定の情報を得て、規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)を基にMBMSのサーチを行う。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル、あるいはユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのサービングセルからのMBSFNエリアIDの通知方法の具体例、及びMBSFNエリアIDをどのように通知するか具体例は上記と同じ方法を用いることが出来るので説明を省略する。MBSFNエリアIDから規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)を算出する。ネットワーク側と移動端末側で同じ算出式を用いる。これにより、ネットワーク側から移動端末へMBSFNエリアIDという少ない情報量の通知により、ネットワーク側と移動端末で共通の規定の情報を得ることが出来る。無線リソースを有効活用という効果を得ることができる。MBSFNエリアIDと規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)の対応付けを予め静的(Static)に決定する。ネットワーク側から移動端末へ通知する情報を省略できるので、無線リソースを有効活用という効果を得ることができる。また無線リソースを用いることがないので、受信エラーが発生しないという効果を得ることができる。移動端末にて規定の情報を算出する必要がないので、制御遅延の防止に効果を得ることができる。
MBSFNエリアIDと対応付けられた規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)をサービングセルから傘下の移動端末へ通知しても良い。移動端末にて規定の情報を算出する必要がないので、制御遅延の防止に効果を得ることができる。規定の情報をどのように用いるかの具体例を以下に開示する。MBMS専用セルが物理的に規定の情報を挿入し、移動端末が規定の情報を用いてブラインド検出を行う。規定の情報のマッピング方法について具体例を開示する。マルチセル送信されている物理チャネルに規定の情報をマッピングする。規定の情報は、規定の長さとしてマッピングする。一定周期で規定の情報をマッピングする。具体例としては、無線フレーム毎にマッピングする。これにより、移動端末はフレーム同期を取ることができる。サブフレーム毎にマッピングする。これにより、移動端末はサブフレーム同期を取ることが出来る。周波数として決まった周波数に規定の情報をマッピングする。具体例としては、システム帯域幅の中心の数サブキャリアにマッピングする。中心の数サブキャリアとすることで、MBMSのサーチの際には、移動端末が帯域幅を知る必要がないという効果を得ることができる。MBMSのサーチ動作について具体例を以下開示する。
実施の形態2の図17、図18を用いて説明する。ステップST1707にてユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルはBCCHを用いて、移動端末に対してf(MBMS)を1つあるいは複数報知する。f(MBMS)とあわせてf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを1つあるいは複数報知する。f(MBMS)とMBSFNエリアIDの報知は同時であっても、異なったタイミングでも良い。ステップST1708にて、移動端末は、サービング基地局からBCCHを用いて送信されたf(MBMS)とf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを受信する。ステップST1723にて、MBMS専用セルは自セルが属するMBSFNエリアIDを基に規定の情報を算出する。MBMS専用セルは規定の情報とレファレンス信号(RS(MBMS))、BCCHを傘下の移動端末に対して報知する。規定の情報の通知方法の具体例は上記方法を用いることができる。ここでは具体例として、無線フレーム毎に、システム帯域幅の中心の数サブキャリアにて報知する。数サブキャリアの値は静的(Static)に決定されても、ネットワーク側から通知されても良い。ここで、MBMS専用セルが複数のMBSFNエリアに属する場合は、MBMS専用セルは属するMBSFNエリアに対応する規定の情報を順に通知しても良い。具体例としては、TDM、CDMを用いて複数のMBSFNエリアに対応する複数の規定の情報を通知しても良い。
ステップST1724にて、移動端末はMBMS専用セルからの規定の情報と、RS(MBMS)、BCCH(報知制御チャネル)を受信する。ステップST1725にて、移動端末はMBMSのサーチ動作を行う。移動端末は、サービング基地局から受信したf(MBMS)とf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを基にMBMSのサーチ動作を行う。移動端末は、ステップST1722にて切替えたf(MBMS)に含まれるMBSFNエリアIDを基にMBMSのサーチ動作を行う。移動端末は、MBSFNエリアIDを基に規定の情報を算出する。移動端末は、規定の情報にてブラインド検出する。システム帯域幅の中心の数サブキャリアにてブラインド検出を行う。これにより、移動端末は無線フレーム同期を得ることが出来る。MBSFNエリアIDと関連付けられているスクランブリングコード(Scrambling Code)を用いてBCCHを受信する。以降の処理は実施の形態2ほかに示す具体例と同様であるため、説明を省略する。この方法により、MBMS専用セルからのP−SCH、S−SCHを省略することが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
次に、本実施形態の変形例2について説明する。別のサーチ動作についての具体例を以下開示する。MBSFNエリアIDから規定の情報を得て、規定の情報(またはシンボル、あるいはシーケンス)を基にMBMSのサーチを行う。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル、あるいはユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのサービングセルからのMBSFNエリアIDの通知方法の具体例、及びMBSFNエリアIDをどのように通知するか具体例、及び規定の情報を得る方法は上記と同じ方法を用いることが出来るので説明を省略する。規定の情報の用い方の具体例を以下に開示する。MBMS専用セルがある情報に規定の情報を乗じ、移動端末が規定の情報を用いてブラインド検出を行う。MBMS専用セルがある情報に規定の情報でスクランブリングをかけ、移動端末が規定の情報を用いてブラインド検出を行う。ある情報の具体例としては、P−SCH、S−SCHなどがある。一定の周期毎にスクランブリングを乗じる。一定の周期の具体例としては、無線フレーム、サブフレームなどがある。MBMS専用セルがある情報を規定の情報で拡散し、移動端末が規定の情報を用いてブラインド検出を行う。ある情報の具体例としては、P−SCH、S−SCHなどがある。一定の周期毎に拡散を行う。一定の周期の具体例としては無線フレーム、サブフレームなどがある。この方法により、MBMS専用セルからのP−SCH、S−SCHを省略することが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
実施の形態27.
ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルでは、システム情報をロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。一方、MBMS専用セルの物理チャネルにPDSCHが存在するか否かは不明である。よってMBMS専用セルから傘下の移動端末へのシステム情報通知方法が確立されていないという課題がある。ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルでは、システム情報はセル固有である。一方、MBMS専用セルはMBSFNエリア内でマルチセル送信が必要となる。従って、セル固有という、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルでのシステム情報の送信方法を、マルチセル送信が必要なMBMS専用セルにそのまま適用することは不可能である。上記課題の解決策について以下開示する。MBMS専用セルから傘下の移動端末へシステム情報をPMCHにマッピングして通知する。そのとき、システム情報をMCCHあるいはMTCHの情報要素としてマッピングしても、物理的にマッピングしても良い。物理的にマッピングする場合、PMCH中のネットワーク側とUE側で共通の認識の物理リソースにシステム情報をマッピングする必要がある。ネットワーク側とUE側で共通の認識の物理リソースに関するパラメータの通知方法として以下を開示する。
共通の認識の物理リソースに関するパラメータをMBMS専用セルから報知する。共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、マスタ情報にマッピングされ、マスタ情報ブロック(MIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。
また別の通知方法としては、ユニキャストセル、あるいはMBMS/ユニキャスト混合セルから報知あるいは通知する。共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、マスタ情報にマッピングされ、マスタ情報ブロック(MIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。
あるいは、共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、システム情報にマッピングされ、システム情報ブロック(SIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。あるいは、共通の認識の物理リソースに関するパラメータは、ロジカルチャネルである共有制御チャネル(CCCH)、あるいは個別制御チャネル(DCCH)、あるいはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)、あるいはマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。
また別の方法としては、共通の認識の物理リソースに関するパラメータを通知するのではなく、共通の認識の物理リソースに関するパラメータを予め静的(Static)に共通の認識の物理リソースに関するパラメータを決定する。ネットワーク側から移動端末へ無線リソースを用いてパラメータを通知する必要がなくなるので、無線リソースの有効活用とう効果を得ることができる。また、無線リソースを用いないので受信エラーが生じないという効果も得ることができる。また別の方法としては、共通の認識の物理リソースに関するパラメータを通知するのではなく、基地局はPMCHの一部の物理的な無線リソースに規定の情報(またはシンボル)をマッピングする。これにより、移動端末は物理的な無線リソースを規定の情報(またはシンボル)でブラインド検出することによりシステム情報がマッピングされている物理リソースを検出する。ネットワーク側から移動端末へパラメータを通知せずに、物理リソースのマッピング位置を変更可能となるので、自由度の高い無線リソースの活用が可能となる効果を得ることができる。
次に物理的にマッピングした場合のシステム情報がマッピングされるPMCHの領域とシステム情報がマッピングされないPMCHの領域の多重方法の具体例について、以下に開示する。システム情報がマッピングされるPMCHの領域をシステム情報がマッピングされないPMCHの領域と時分割多重(TDM)する。その場合の共通の認識の物理リソースに関するパラメータの具体例としては、スターティングポイント(具体例としてはSFN、サブフレーム番号、シンボル番号)、期間(具体例としては無線フレーム数、サブフレーム数、シンボル数)などが考えられる。多重の具体例としては、PMCHに割当てられている物理リソースの各サブフレームの先頭2OFDMシンボルにシステム情報をマッピングするなどが考えられる。別の多重方法としては、システム情報がマッピングされるPMCHの領域をシステム情報がマッピングされないPMCHの領域と周波数分割多重(FDM)する。その場合の共通の認識の物理リソースに関するパラメータの具体例としては、周波数、帯域幅などが考えられる。多重の具体例としては、PMCHに割当てられている物理リソースの中心の数サブキャリアにシステム情報をマッピングする。また、PMCHに割当てられている物理リソースの端の数サブキャリアにシステム情報をマッピングする。別の多重方法としては、システム情報がマッピングされるPMCHの領域をシステム情報がマッピングされないPMCHの領域と符号分割多重(CDM)する。その場合の共通の認識の物理リソースに関するパラメータ具体例としては、拡散コード、スクランブリングコードなどが考えられる。多重の具体例としては、システム情報がマッピングされるPMCHの領域とシステム情報がマッピングされないPMCHの領域とに別々にスクランブリングコードを乗算する。あるいは、片方だけスクランブリングコードを乗じても良い。
また別の解決策としては、MBMS専用セルから傘下の移動端末へシステム情報をマスタ情報にマッピングして通知する。そのとき、システム情報をマスタ情報の情報要素としてマッピングしても、物理的にマッピングしても良い。物理的にマッピングする場合、マスタ情報中のネットワーク側とUE側で共通の認識の物理リソースにシステム情報をマッピングする必要がある。ネットワーク側とUE側で共通の認識の物理リソースに関するパラメータの通知方法は、上記PMCHにマッピングして通知する場合に開示した方法を用いることが出来る。また、物理的にマッピングした場合のシステム情報がマッピングされるマスタ情報の領域とシステム情報がマッピングされないマスタ情報の領域の多重方法の具体例についても、上記PMCHにマッピングして通知する場合に開示した方法を用いることが出来る。
また別の解決策としては、新しいチャネルを設け、MBMS専用セルから傘下の移動端末へシステム情報を上記新しいチャネルにマッピングして通知する。新しいチャネルは、マルチセル送信とする。これにより、移動端末においてSFN合成が可能となり、移動端末における受信品質の向上という効果を得ることができる。また新しいチャネルは、MBSFNサブフレーム内に存在しても良い。新しいチャネルは、ネットワーク側とUE側で共通の認識のPMCHとは別の物理リソースにシステム情報をマッピングする必要がある。ネットワーク側とUE側で共通の認識の物理リソースに関するパラメータの通知方法は、上記PMCHにマッピングして通知する場合に開示した方法を用いることが出来る。また、物理的にマッピングした場合のシステム情報がマッピングされる領域とシステム情報がマッピングされない領域の多重方法の具体例についても、上記PMCHにマッピングして通知する場合に開示した方法を用いることが出来る。上記新しいチャネルを以降、物理マルチ送信用制御チャネル(PMCCH)と称する。
またPMCCHとして、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのL1/L2制御信号と同様の物理リソースを用いることができる。MBMS専用セルとユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルの物理チャネルを類似とでき、移動体通信システムとしての複雑性を回避できるという効果を得ることが出来る。具体例としては、MBMS専用セルはサブフレーム毎にPMCCHを送信する。また、MBMS専用セルは、サブフレーム毎の先頭1〜3OFDMシンボルにてPMCCHを送信する。また、MBMS専用セルは、サブフレーム毎の先頭1〜2OFDMシンボルにてPMCCHを送信する。PMCCHにマッピングする情報に対して、情報種別毎に識別子を乗じても良い。具体例としては、MBMS専用セルからシステム情報とその他の制御情報がPMCCHにて通知される場合を考える。MBMS専用セルは、システム情報に対してシステム情報用の識別子を乗じ、その他の制御情報にその他の制御情報用の識別子を乗じ、PMCCHを用いて送信する。当該MBMS専用セル傘下の移動端末の中でシステム情報を受信する必要がある移動端末は、システム情報用の識別子を用いてブラインド検出する。また、当該MBMS専用セル傘下の移動端末の中でその他の制御情報を受信する必要がある移動端末は、その他の制御情報用の識別子を用いてブラインド検出する。これにより移動端末が必要な情報を必要な場合に受信可能となる効果を得ることができる。このことは、移動端末の消費電力低減という効果を得ることができる。また、移動端末の制御遅延防止とう効果を得ることが出来る。情報種別毎の識別子の通知方法は、上記PMCHにマッピングして通知する場合に開示した、共通の認識の物理リソースに関するパラメータの通知方法を用いることが出来る。また、これらの情報種別毎の識別子の通知方法は、本実施の形態に限らず、情報種別毎の識別子を用いる場合に適用できる。
ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルのL1/L2制御信号にマッピングされる情報は、当該情報通知先の移動端末の識別子が乗じられる。当該ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セル傘下の移動端末の中でL1/L2制御信号を受信する必要がある移動端末は、当該移動端末の識別子を用いてブラインド検出する。これにより、移動端末はL1/L2制御信号から必要な情報を得ている。一方、MBMS専用セルでは上りチャネルが存在しないことが考えられている。よってMBMS専用セル単独の機能では、MBMS専用セル傘下にいずれの移動端末が属しているか知る手段がない。これにより、MBMS専用セルがPMCCHにマッピングする情報に対して、移動端末の識別子を乗ずることが不可能という課題発生する。よって移動端末がPMCCHを移動端末の識別子によってブラインド検出することにより、必要な情報を得ることが出来ないという課題が発生する。
本課題についての解決策を以下に開示する。MBMS専用セルがMBMS専用セル傘下、あるいはMBSFNエリア傘下、あるいはMBSFN同期エリア傘下にいずれの移動端末が属しているか知り、PMCCHにマッピングする情報に対して、移動端末の識別子を乗ずる。MBMS専用セルがMBMS専用セル傘下、あるいはMBSFNエリア傘下、あるいはMBSFN同期エリア傘下にいずれの移動端末が属しているか知る具体例としては、実施の形態2ほかで記載の移動端末がユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルにおけるサービングセルに対して行うMBMS受信状況通知を用いる。上記各方法でMBMS専用セルから傘下の移動端末へ通知されるシステム情報は、一定周期で繰り返し報知されても良い。また、システム情報の一部は、一定周期で繰り返し報知されても良い。MBMS専用セルから傘下の移動端末へ上記各方法を用いてマスタ情報(MIB)を通知しても良い。上記各方法により、MBMS専用セルから傘下の移動端末へのシステム情報通知方法が確立されるという効果を得ることができる。本実施の形態においても実施の形態2同様に、移動体通信システムとして移動端末の識別子にユニキャスト/ミクスド周波数レイヤで用いる移動端末の識別子とMBSFN送信専用周波数レイヤで用いる移動端末の識別子が存在する方法を用いることが出来る。
次に本実施形態の変形例1を説明する。実施の形態2ほかで記載のMBMS専用セルのMCCHスケジューリングを上記方法でMBMS専用セルから傘下の移動端末に対して通知してもよい。MBMS専用セルのMCCHスケジューリングをMBMS専用セルの報知情報(BCCH)にマッピングして上記方法でMBMS専用セルから傘下の移動端末に対して通知しても良い。MBMS専用セルのMCCHスケジューリングをMBMS専用セルのシステム情報にマッピングして上記方法でMBMS専用セルから傘下の移動端末に対して通知しても良い。MBMS専用セルのMCCHスケジューリングをMBMS専用セルのSIB2にマッピングして上記方法でMBMS専用セルから傘下の移動端末に対して通知しても良い。MBMS専用セルのMCCHスケジューリングをMBMS専用セルのMIBにマッピングして上記方法でMBMS専用セルから傘下の移動端末に対して通知しても良い。これにより、MBMS専用セルから傘下の移動端末へのMCCHスケジューリング通知方法が確立されるという効果を得ることができる。
実施の形態28.
非特許文献6(6.10.2.1章)にセル固有のレファレンスシグナル(Reference signal)のOFDMシンボルのスタート位置、つまりマッピングのスタート位置を算出の際には、セルID(NcellID)が用いられることが記載されている。NセルIDは、物理レイヤセル識別子(Physical Layer cell identity)とされている。一方、MBSFNサブフレーム中のMBSFNレファレンスシグナル(MBSFN reference signal)についての記載がある。レファレンスシグナルのOFDMシンボルのスタート位置、つまりマッピングのスタート位置算出の際に、MBSFNエリアID(NMBSFNID)が用いられることが記載されている。また、非特許文献7(5.2.2.9章)に基地局は傘下の移動端末に対して、報知情報中のシステム情報中のシステム情報ブロック2(SIB2)にて、MBSFNサブフレームの設定を通知するとの記載がある。一方、MBSFNエリアIDについての記載はない。ここで、従来の技術では以下の問題が生じる。
移動端末はサービングセルの報知情報を受信した段階ではMBSFNサブフレームでのMBSFNレファレンスシグナルのシンボル位置を把握することは出来ない。MBSFNレファレンスシグナルのOFDMシンボルのスタート位置の算出にMBSFNエリアIDが必要だからである。つまり、移動端末がMBSFNサブフレームにてレファレンスシグナルの位置を把握するためには、従来のセルIDのみでは不足で、MBSFNサブフレーム特有のMBSFNエリアIDが必要となる。よって、本課題はMBSFN特有の課題である。このことから移動端末は、サービングセルの報知情報を受信した段階ではMBSFNサブフレームでのMBSFNレファレンスシグナルを用いた正確な受信品質の測定が出来ないという課題が発生する。本課題は、MBSFNサブフレームを有する移動体通信システム特有の課題である。言い換えると、マルチセル送信が行われている期間を有する移動体通信システム特有の課題である。よって従来の移動体通信システムでは生じなかった新たな課題である。
また、別の課題として以下が発生する。MBSFNサブフレーム中のMBSFNレファレンスシグナルを除いた無線リソースにてMBMSデータが送信される。よって移動端末はサービングセルの報知情報を受信した段階ではMBSFNサブフレームでのMBMSデータ(MCCH、MTCH)送信に用いられているOFDMシンボルを把握することが出来ない。よって、移動端末は、サービングセルの報知情報を受信した段階ではMBSFNサブフレームでのMBMSサービスの受信が行えないという課題が発生する。
上記課題の解決策について以下開示する。基地局が傘下の移動端末に対して、MBSFNエリアIDを報知情報にて通知する。基地局の具体例としては、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルがあげられる。但しMBMS専用セルへも適用可能である。MBSFNエリアIDの具体例としては、自セルが属するMBSFNエリアIDがあげられる。自セルが複数のMBSFNエリアに属する場合は、複数のMBSFNエリアIDを傘下の移動端末に対して通知しても良い。通知の具体例としては、自セルのMBSFNエリアIDは、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。また、自セルのMBSFNエリアIDはマスタ情報にマッピングされ、マスタ情報ブロック(MIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、物理チャネルである物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされて移動端末に通知される。物理報知チャネル上にマッピングされた情報は、移動端末がサービングセルにキャンプオンする前に、あるいはキャンプオン後早い段階で、サービングセル傘下の全移動端末が受信するデータである。よって本解決策は、MBSFNサブフレームでのMBSFNレファレンスシグナルを用いた正確な受信品質の測定、MBSFNサブフレームでのMBMSサービスの受信を早期に開始可能という効果を得ることができる。つまり制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
また、別の解決策を以下に開示する。基地局が傘下の移動端末に対して、MBSFNエリアIDを報知情報にて通知する。基地局の具体例としては、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルがあげられる。但しMBMS専用セルへも適用可能である。MBSFNエリアIDの具体例としては、自セルが属するMBSFNエリアIDがあげられる。自セルが複数のMBSFNエリアに属する場合は、複数のMBSFNエリアIDを傘下の移動端末に対して通知しても良い。通知の具体例としては、自セルのMBSFNエリアIDは、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。また自セルのMBSFNエリアIDはシステム情報にマッピングされ、システム情報ブロック(SIB)にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。また、自セルのMBSFNエリアIDはシステム情報ブロック中のSIB2にマッピングされ、ロジカルチャネルである報知制御チャネル(BCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。
本解決策にて以下の効果を得ることができる。上記の通りMBSFNサブフレームの設定はSIB2を用いて報知される。よって移動端末は、MBSFNサブフレームでのMBSFNレファレンスシグナルを用いた正確な受信品質の測定に必要な情報である「MBSFNサブフレームの設定」及び「MBSFNエリアID」を同じシステム情報ブロックの受信で得ることが可能となる。これにより、移動端末のMBSFNサブフレームでのMBSFNレファレンスシグナルを用いた正確な受信品質の測定動作の複雑性が回避できるという効果を得ることが出来る。このことは制御遅延防止という効果にもつながる。また、移動端末はMBSFNサブフレームでのMBMSデータ受信に必要な情報である「MBSFNサブフレームの設定」及び「MBSFNエリアID」を同じシステム情報ブロックの受信で得ることが可能となる。これにより、移動端末のMBSFNサブフレームでのMBMSデータ受信動作の複雑性が回避できるという効果を得ることが出来る。このことは制御遅延防止という効果にもつながる。
また、別の解決策を以下に開示する。基地局が傘下の移動端末に対して、MBSFNエリアIDを報知情報にて通知する。基地局の具体例としては、ユニキャストセル、MBMS/ユニキャスト混合セルがあげられる。但しMBMS専用セルへも適用可能である。MBSFNエリアIDの具体例としては、自セルが属するMBSFNエリアIDがあげられる。自セルが複数のMBSFNエリアに属する場合は、複数のMBSFNエリアIDを傘下の移動端末に対して通知しても良い。通知の具体例としては、自セルのMBSFNエリアIDは、ロジカルチャネルである共有制御チャネル(CCCH)、あるいは個別制御チャネル(DCCH)にマッピングされ、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングされて移動端末に通知される。本解決策にて移動体通信システムとして自由度の高い制御を得つつ、MBSFNサブフレームでのMBSFNレファレンスシグナルを用いた正確な受信品質の測定、MBSFNサブフレームでのMBMSサービスの受信が可能となる効果を得ることが出来る。
実施の形態29.
MBMS専用周波数レイヤ内のセルのシステム帯域をMBMS専用セルから報知するようにした場合、MBSFNエリア内のMBMS専用セルではマルチセル送信されなくてはならないため、システム帯域もマルチセル送信が必要となる。このため、MBSFNエリア内のMBMS専用セルではシステム帯域は同じでなくてはならなくなってしまうという問題が生じる。上記の問題を解決するため、本実施の形態では、マルチセル送信するセルは、該セルのシステム帯域の中で最も広いシステム帯域を、報知情報で傘下の移動端末に報知する。具体例を示す。MBSFNエリア内の全てのセルから、報知情報で同じシステム帯域を報知する。ここで報知する同じシステム帯域として、MBSFNエリア内のセルの最も広いシステム帯域とする。システム帯域情報は、システム情報としてMIBにマッピングされPBCHで報知される。図102に、MBSFNエリア内の各セルのシステム帯域の一例を示す。セル#n1-1からセル#n1-3が同一MBSFNエリア内のセルとする。セル#n1-1はシステム帯域BW1、セル#n1-2はシステム帯域BW2、セル#n1-3はシステム帯域BW3とする。各セルのキャリア周波数は同じにする。MBSFNエリア内の各セルのシステム帯域をこのようにする。このような場合、MBSFNエリア内のセルで最も広いシステム帯域はBW3となるので、MBSFNエリア内全セルから傘下の移動端末に対して、システム帯域情報としてBW3を送信する。
MBSFNエリア内のセルで最も広いシステム帯域の決定は、例えば、該MBSFNエリア内のセルを管理しているMCEが行い、MBSFNエリア内の各セルに通知する。MCEはあらかじめMBSFNエリア内全セルのシステム帯域情報を有しておくようにすれば良い。これは、セル設置時にMCEに記憶させるようにしても良い。また、MBSFNエリア内の各セルからMCEに対してあらかじめ自セルのシステム帯域情報を送信しておき、MCEにてMBSFNエリア内のセルで最も広いシステム帯域を決定するようにしておいても良い。該システム帯域情報の送信は、セルが設置されたときに送信されても良い。図103に、その場合に各セルから傘下の移動端末にシステム帯域を報知する方法の一例を示す。MBSFNエリア内の各セルからMCEに対してあらかじめ自セルのシステム帯域情報を送信しておき、MCEにてMBSFNエリア内のセルで最も広いシステム帯域を決定する方法について示してある。ST5001、ST5002、ST5003でMBSFNエリア内のMBMS専用セル#n1−1、#n1−2、#n1−3は自セルのシステム帯域情報をMCEに送信する。ST5004、ST5005、ST5006でMBSFNエリア内全セルからのシステム帯域情報を受信したMCEは、ST5007で該システム帯域情報をもとに、該MBSFNエリア内の最大のシステム帯域を導出する。ST5008でMCEは、導出したMBSFNエリア内の最大のシステム帯域情報を、MBSFNエリア内全セルに送信する。ST5009でMBSFNエリア内の最大のシステム帯域情報を受信した各セルは、ST5010、ST5011、ST5012で、各セルからのシステム情報として、MBSFNエリア内の最大のシステム帯域情報を、傘下の移動端末に報知する。
ST5013でシステム帯域情報を受信した移動端末は、該システム帯域で受信を行う。MBSFNエリア内MBMS専用セルから送信される信号はMC送信であるため移動端末においては受信時SFN合成される。このため、たとえMBSFNエリア内の各セルのシステム帯域が異なっていたとしても、移動端末でMBSFNエリア内の最大のシステム帯域で受信するようにしておけば、移動端末はMBSFNエリア内各セルからの送信信号をSFN合成することが可能となる。例えば、図102で、帯域BW2の送信信号はセル#n1-1と#n1-2と#n1-3からの送信信号がSFN合成され、帯域BW1の送信信号はセル#n1-1と#n1-3からの送信信号がSFN合成され、帯域BW3の送信信号はセル#n1-3からのみの送信信号がSFN合成される。例えば、LTEシステムにおいては、各セルにおいてシステム帯域内の中央の周波数帯域は同期確立用のSCHや報知情報送信用のPBCHに用いられるため、全セルで共通に送信される。セルの配置としては、例えば、最大のシステム帯域のセルをカバレッジエリアの広いマクロセルとして配置し、該マクロセルの周辺に狭帯域のシステム帯域のセル(例えば、マイクロセル、ピコセル、フェムトセル、ホーム基地局など)を配置するようにすれば良い。MBSFNエリアでの周波数利用方法として、例えば、両端の帯域(例えばBW3−BW1)を、マクロセルの近傍に存在する移動端末に割当て、真中の帯域(例えばBW1あるいはBW2)をマクロセルの遠方で狭帯域セルの近傍に存在する移動端末に割当てるようにすれば良い。こうすることによって、マクロセル周辺での移動端末におけるSFNのゲインを向上させることができるため、移動端末の受信品質を向上させることが可能となる。
本実施の形態で開示した方法を用いることによって、MBSFNエリアを構成する全セルでシステム帯域を同じにする必要が無くなり、各セルのシステム帯域を異ならせることが可能となる。従って、セルの柔軟な配置が可能となり、また、異なるシステム帯域を持ったセルの柔軟な配置によりSFNゲインを高めることが可能となるため、システムの通信品質が向上するという効果が得られる。これらの方法は、マクロセル内に配置するホーム基地局などにも適用可能となる。なお、上記では、具体例としてMBSFNエリア内セルについて記載したが、MBSFNエリア内のセルに限定せず、マルチセル(MC)送信するセルにたいして適用可能である。