JP5687474B2 - 新規ペットフード組成物および方法 - Google Patents

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Description

発明の背景
ペットは、長年にわたり“乾燥”および“湿潤”飼料を与えられてきた。“湿潤”飼料は一般に、缶のような容器中に包装される。それらは、容器中の水分のために外観上“湿潤”している。一般に2種のタイプの湿潤飼料が今のところ調製されている。一方は通常、業界でグラウンドローフ(ground loaf)とよばれている。これは一般に、一連の装置、単一の装置、または1種の装置、例えばサーマルスクリュークッカー/ミキサー(thermal screw cooker/mixer)内で、肉および穀物などのすべての重要成分を水と一緒に接触させた後、一緒に加熱し混合することにより調製する。このように、主要成分のすべてならびに微量成分、例えば着色剤、油、ビタミン、およびビタミン様材料を早期の予備加工工程で組み合わせ、すべてを一緒に加工する。この手順に続いて、実質的に均質な細胞内ハニカムタイプ(intracellular honeycomb-type)(したがって“グラウンドローフ”)の塊を製造し、これを円柱状容器内にすぐに包装する。第二の湿潤飼料は一般に、業界で“チャンクおよび肉汁”とよばれている。この湿潤飼料は通常、肉を挽き、混合し、乳化した後、その肉をさらに水、油、および穀物ならびに所望の場合は他の材料と混合することにより製造する。この混合物を次に調理装置に供給し、そこから出し、切断し、冷却した後、さまざまな段階の充填に送る。通常、2段階の充填で肉汁をチャンクに加える。肉汁は、通常の様式、例えば、穀物、デンプン、水、ビタミン(所望の場合)、および他の材料を混合タンクに入れて混合することにより調製し、混合タンク中でこれを加熱した後、チャンク状材料を保持している容器に供給する。グラウンドローフとは対照的に、この飼料は、調製したときに、挽き肉と穀物の物理的に分離している不連続なチャンク断片を有する。これら不連続な粒子は、最終容器内で肉汁タイプの液体中に存在する。“チャンクおよび肉汁”法により製造した製品は、長年にわたりペットフードに用いられてきた。
湿潤飼料のこれら標準的形態とは対照的に、挽いた充填物(ground load)とチャンク/
肉汁という2種の識別可能な物理的形態の混成物として潜在的に記載することができる新規組成物を今回発見した。これを、具体的にイヌ用に設計する。新規物理的形態は、肉成分の物理的およびある程度の化学的保全性を保つ熱的方法、ならびに、肉配合物(meat mix)と穀物配合物を結合させて、完成品の実質的に均質な塊内に視覚的に認識しうる不連続な肉粒子を有する“力強く挽いた(hearty-ground)”外観を向上させる改良肉汁作成法という、2種の識別可能な下位法(sub processes)を利用する方法により調製する。この新規方法は、機械類および労働力に関する資本投資においてかなりの費用削減をもたらすことができる。この方法および組成物は、イヌ用製品の場合は実現することが極めて難しい。これは、イヌ用飼料中に存在する肉の分量が、ネコ用の場合と比較して、例えばイヌ用で20〜35%、ネコ用で40〜70重量%と少ないためである。その差異は追加的な穀物で補われ、このことがさらに、この視覚的に識別可能なイヌ用飼料の実現における困難を助長している。
本発明によれば、詰められている容器の形状を帯び、実質的に固体状の塊を有する、肉に基づく材料を含むイヌ用ペットフード組成物であって、前記ペットフード組成物が、前記容器から出した後にペットフードの塊を薄切りするときに、湿った外観を伴い視覚的に認識しうる不連続な肉粒子を有する、前記イヌ用ペットフード組成物がある。
本発明のさらなる観点は、視覚的にはグラウンドローフとチャンクおよび肉汁との混成物である、肉と穀物に基づくイヌ用ペットフード組成物であって、
(a)該組成物の肉部分を、該肉部分の変性点またはそれ未満の温度に加熱し、
(b)前記肉部分および部分(c)とは別に、穀物または穀物の混合物を、水と一緒に、該穀物または穀物の混合物の水和、糊化および老化を実現または実質的に実現し、複合糖質をより単純な炭水化物に分解または実質的に分解するであろう高温まで混合し;
(c)肉部分(a)および穀物(b)とは別に、成分(a)および(b)と一緒に組み合わせたときに、容器充填プロセス中に少なくとも1種の実質的に均質な塊を形成する、粘度増大性(viscosity building)の流体またはスラリーを調製し、そして
(d)(a)、(b)および(c)を組み合わせて混合し、その間に、組み合わせた塊の温度を維持する、
ことを含む方法により調製される前記イヌ用ペットフード組成物である。
本発明のさらに別の観点は、肉と穀物に基づく組成物であるイヌ用ペットフードの調製方法であって、
(a)該組成物の肉部分を、該肉部分の変性点またはそれ未満の温度に加熱し、
(b)前記肉部分および部分(c)とは別に、穀物または穀物の混合物を、水と一緒に、水和、糊化および老化または穀物の混合物を実現または実質的に実現し、複合糖質をより単純な炭水化物に分解または実質的に分解するであろう高温まで混合し、
(c)肉部分(a)および穀物(b)とは別に、成分(a)および(b)と一緒に組み合わせたときに、容器充填プロセス中に少なくとも1種の実質的に均質な塊を形成する、粘度増大性の流体またはスラリーを調製し、そして
(d)(a)、(b)および(c)を組み合わせ、その間に、組み合わせた塊の温度を維持する、
ことを含む前記方法である。
従来技術のグラウンドローフ法を示す図である。 従来技術のチャンクおよび肉汁法を示す図である。 本発明の“熱硬化”法を示す図である。 本発明の方法により製造した飼料の写真である。
発明の詳細な説明
従来、缶入りペットフードのような容器に入れられたペットフードは、チャンクおよび肉汁タイプ製品とグラウンドローフ製品の2種のカテゴリーに分類されている。
チャンクおよび肉汁製品は、物理的圧力または熱エネルギー、例えば蒸気での調理、水中での調理、オーブン乾熱などにより押出し(extruded)て形成される肉の乳濁液を作成することにより調製される、予備形成された肉粒子を含む。調理済みの肉である生成物をさいの目に切ってチャンクにし、最終的に肉汁またはソースと混合する。その後、その2種の成分を容器、通常は缶に充填し、継ぎ合わせ、殺菌する。
グラウンドローフ製品は一般に、さまざまな成分、例えば、肉、穀物、ビタミン、ミネラルおよび水を、通常蒸気および添加水により混合することにより調製する。固体成分は予め一緒に挽いておく。その後、肉、穀物、水および他の成分の混合物全体を、具体的な成分に応じて15℃(60°F)の低温にまたは82〜93℃(180〜200°F)のより高い範囲に加熱する。生成物を缶に充填し、継ぎ合わせ、レトルト処理して殺菌する。完成品は一般に、約65%〜約85%の水分範囲を有する。これらのグラウンドローフ製品は、バッチ間基準(batch to batch basis)か、またはサーマルスクリュークッカー/ミキサー内に主要3成分である肉、穀物および水を連続的に加えて一緒に混合する連続法で、作成することができる。このプロセス中、とりわけこの段階で、すべてのものを、個々の原材料、成分および処方物(formulation)の物理的または化学的特性にかかわらず単一の原材料として処理する。そのような物理的および化学的性質の例は、沸点の差異、穀物タイプの糊化温度、さまざまな肉のタンパク質変性温度などである。そのような加工の結果として、最終成分の軟らかさおよび堅さ、粘着性および粥状性(mushiness)、ならびに他の容易に評価されるパラメーターの点で広い範囲のテクスチャーの差異があり、これはバッチ間および組成物間で生じる。
したがって、処方物中のさまざまな成分、とりわけ肉および穀物などの成分を加工して、最終組成物中に存在するためのそれらの最適な物理的および化学的特性を引き出すことが本発明の利点である。これは、よりばらつきのない、制御可能な製品を与える。
さらになお、本発明の加工は、より優れたテクスチャーを有し、より堅く、および/またはより粘着性の低い最終製品をもたらす。本発明の方法は、処方物中の各成分の化学的および物理的機能性を向上させる。各成分は、それ自体の不連続性および保全性を維持する傾向を有する。
先に述べたように、標準的なグラウンドローフ法では、すべての成分を混合した後、イヌ用製品の場合それを約82℃〜93℃(約180°F〜200°F)の適切な温度範囲に加熱する。本新規方法では、肉成分を、混合物のタンパク質変性温度および/またはその温度未満で“熱硬化(thermally set)”し、実質的に単独で、すなわち、穀物、追加の水、ビタミン、ミネラルなどを実質的または完全に存在させずに加熱する。この加熱法は一般に、細菌および組織酵素法(bacterial and tissue enzyme processes)を不活性化することにより肉のテクスチャーを改良し、これにより、砕けやすい、すなわち応力下で破壊する最終ペットフード組成物を提供すると考えられる。温度処理は、最終製品のタンパク質の湿った外観に寄与するタンパク質のわずかな凝固が起こるようなものである。
穀物はまた、別個に処理した後、予め“熱硬化した”肉に加えてもよい。穀物を混合し、水和、糊化および老化を実現または実質的に実現するであろう温度範囲で調理して、肉に対するそれらの結合を改良し、および/または完成品のテクスチャーの粘着性を低減するかもしくは堅さを増大させる。これに加えて、複合糖質をより単純な炭水化物に分解する。これらの性質を達成するためには高温が必要である。基本的に、最高82℃〜93℃(180〜200°F)、しかし望ましくは82℃〜85℃(180〜185°F)を超えない温度を用いることができる。
最後に、さまざまな“肉汁”タイプ成分は、例えば天然デンプン、水などを加熱して、粘度増大性のスラリーまたは流体を調製することにより作成する。そのような調製の目的は、2成分(a)および(b)の凝集性を向上させて、容器への充填プロセス中に実質的または完全に均質な塊が維持されるようにすることである。
肉に関しては、“熱硬化”は、肉成分を、肉タンパク質の変性温度またはそのすぐ下の温度に加熱することにより実現する。これは一般に、魚タンパク質の場合の約48℃〜50℃(約120°F〜125°F)から、ウシの骨格筋タンパク質の場合の約82℃(約180°F)以上に至る範囲である。この範囲のどこかに、トリおよびブタからの筋の変性温度が存在する。そのような肉の組み合わせがある場合、加熱温度は混合物の変性温度またはそれ未満である。これは、混合物のテクスチャーおよび/または色により明白に確かめることができる。
穀物に関しては、穀物は、添加水との熱処理に暴露したときに、水和、糊化および老化を含むプロセスを経ることになる。これに加えて、高温では、複合糖質からより単純な炭水化物への分解が実現する。炭水化物源の平衡を適切に保つことにより、所望どおりに特定のテクスチャーを維持するのに適切な粘着性または結合を得ることができる。例えば、短鎖の多糖類は粘着性かつ膠質である傾向にあり、より長鎖の多糖類は、より短鎖のものほど粘着性でも膠質でもない。一般に、スクロースおよびグルコースなどの単純な糖は、本発明の完成品の砕けやすいテクスチャーが所望される場合に不利である“結合する”能力を有する。基本的に、この混成飼料の望ましいテクスチャーは、より長鎖の多糖類と、デンプン、例えば天然または非化学的に改質されたデンプンにより実現し、そのような改質は熱および/または圧力によるものである。用いることができる穀物の例は、標準的または天然で化学的に改質されていない材料、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、セルロースおよびコメデンプンである。これら天然のデンプンの典型的なものは、天然のトウモロコシデンプンであるNational Starch 150および天然のジャガイモデンプンである。熱および/または圧力処理済みの材料、例えば、National Starchから入手可能な熱および圧力処理済みジャガイモデンプンであるNovation 1600、同様にNational Starchから入手可能な熱および圧力処理済みトウモロコシデンプンであるNovation 2700、ならびにRemy DRのような熱および圧力処理済みコメデンプンも、用いることができる。これらの天然ならびに熱および/または圧力処理済み穀物は、適切な胃腸管での平衡性および良好な全般的便質の維持において、さらなる利点を有する。
本発明の“c”の肉汁タイプ成分には、National Starch 150などの天然デンプンならびにさまざまな非化学的および化学的に改質されたデンプン、例えばデキストリンが含まれる。これらの材料には、ジャガイモデンプンのNovation 1600;トウモロコシデンプンのNovation 2300、およびコメデンプンのRemy DRが含まれる。
適した炭水化物源を利用することにより、完成イヌ用製品に望ましい砕けやすいテクスチャーを提供するのに役立つ適切な粘着性および結合を得ることができる。
それら成分を水と約82℃〜93℃(約180〜200°F)に加熱して粘度上昇スラリーまたは流体を提供して、充填プロセス中は実質的または完全に均質な塊が維持されるようするが、レトルト処理後(充填後)、これらの材料(1種以上)は老化して、消費するために開封したときに、最終的に包装されたイヌ用飼料において望ましい特性、例えば砕けやすいテクスチャーをもたらすであろう。
以下は、2種の従来技術の方法と本開示の本発明での方法の説明である。このように、相違点は容易に確かめられる。
図面の詳細な説明
従来技術のグラウンドローフ法は一般に、図1に記載されているような技術で実施される。肉の大きさを抽出器(extructer)1で小さくし、ライン2を通してグラインダー3に
移動させる。その挽き肉を、ライン4を通してクッカー/ミキサー5に移動させ、ここで肉スラリーを調理する。調理したスラリーを、ライン6を通してサーマルスクリュークッカー/ミキサー13に供給する。グラウンドローフ飼料に用いられる穀物をミキサー7で混合し、ライン8を通して剪断ミキサー9に移動させ、ここでそれらを、ライン12および14を経て容器11から剪断ミキサー9に供給される水と一緒に剪断する。次に、剪断ミキサーの内容物を、ライン10を通してサーマルスクリュークッカー/ミキサー13に移動させる。追加の水を、ライン12および16を通してサーマルスクリュークッカー/ミキサー13に移動させることができる。次に蒸気26を、必要な場合はライン27を通してサーマルスクリュークッカー/ミキサーに加え、グラウンドローフ飼料をスクリュークッカーミキサーの剪断により飼料の通常温度に加熱して混合する。一般に、イヌ用飼料の場合、この温度は約82℃〜93℃(約180〜200°F)である。サーマルスクリュークッカーミキサー13には、ライン15を通して移動させるさまざまな少量の添加物、例えば、酸化鉄、カルニチン、油および液体フレーバーも存在する。その後、適切に調理、混合、抽出されたイヌ用飼料を、ライン16を通して乳化機17に移動させるか、ライン20を通して保持タンクライン21に移動させ、ここでライン22を通して充填機23に移動させ、ここでライン24を通して最終容器25に充填する。
チャンクおよび肉汁法を図2に示す。肉を容器30内で挽き、ライン31を通してミキサー32に移動させた後、ライン33を通して乳化機34に移動させる。乳化後、第2ミキサー36にライン35を通して移動させ、ここで、ライン38を通してミキサーに移動させた水、ライン39を通してミキサーに移動させた油、およびライン40を通してミキサーに移動させた穀物と混合する。十分に混合した後、混合物全体を、ライン37を通してチャンク形成装置41に移動させる。形成したチャンクを、次にライン42を通して調理トンネル43に移動させ、ここでさらに調理した後、形成した飼料を切断し冷却する装置45にライン44を通して移動させる。ここで飼料を、ライン46を通して保持タンク47に移動させ、次にライン48を通して第1段階の充填49に移動させ、ここで保持する。このプロセス中に、肉汁系を混合タンク59で調製し、これに、ビタミンおよび他の少量のさまざまな添加物52をライン55を通して、水を53からライン56を通して、そして肉汁系に用いられるさまざまなガムおよびデンプンを54からライン57を通して供給する。その後、タンク58において、それらを熱だめ59aからライン59を通して加えられる熱と十分に混合し、次にライン60を通して保持タンク62に移動させる。追加的な熱が保持タンクに必要であってもよく、ライン61を通して移動させる。ここで肉汁系を、ライン63を通して第2段階の充填系51に移動させる。この期間中に、チャンク処方物も、第1段階の充填49から来ているライン50を通して第2段階の充填51に移動させる。第2段階の充填内で、チャンク飼料を肉汁系で十分にコーティングし、混合する。その後、この混合物を、ライン64を通してシーマー65に移動させる。
図3は、本開示の本発明での熱硬化法を示している。工程が著しく少なく、肉汁中のチャンクまたはグラウンドローフ製品のいずれとも外観において実質的に異なる飼料が提供されることが、容易に観察される。肉をミキサー75で混合し、ライン76を通してクッカー77に移動させる。肉または肉の混合物の変性点またはそれ未満の温度で調理した後、混合物を第2ミキサー82にライン78を通して移動させる。この期間中に、処方物中に用いられる穀物をさまざまなビタミンおよびミネラルと容器80で混合し、ライン81を通してミキサー82に移動させる。また、この期間中に、非化学的に改質されたデンプン、天然のデンプン、および/または炭水化物および水を容器83で一緒に混合し、ライン84を通してクッカー85に移動させ、ここで調理した後、ライン86を通してミキサー82に移動させ、ここで3成分すべてを優勢な温度(prevailing temperature)で一緒に混合する。所望される場合は熱を加えて優勢な温度を維持することができるが、約82℃(約180°F)より高温に達することは一般に不要でありかつ望ましくない。その後この飼料を、ライン87を通して充填機88に移動させる。このようにして、本開示の飼料は容易に調製される。
図4は、本発明の飼料の写真であり、飼料の外観を示している。
さらなる説明において、肉タンパク質源である成分(a)、ビタミンおよびミネラルを含む穀物配合物である成分(b)、ならびに非化学的に改質されているデンプン、天然のデンプンおよび/または炭水化物/水である成分(c)をミキサーで一緒に混合して、缶に充填したときに湿った外観および視覚的に認識しうる不連続な食物粒子を伴う肉粒子を有する塊を提供する。
肉タンパク質源は、肉または肉副産物(meat by-product)などの新鮮なまたは解凍した冷凍肉ブロックの肉配合物である。肉材料は、動物性タンパク質であるほ乳類、魚、家禽の筋または骨格肉、あるいは心臓、肝臓、肺、舌などの肉副産物であることができる。
肉タンパク質源は一般に、完成品における不連続な食物粒子の大きさの要件に応じて、約xインチ〜約1インチの異なる粉砕プレートにより挽く。
一般に、肉は、好ましくは、約15〜25%のタンパク質を約55〜75重量%の水分率および約5〜15%の脂肪含量と共に含む。
複合肉配合物は、任意の適切なミキサー/クッカーで混合して加熱する。例えば、二軸スクリューミキサー、二軸リボンミキサー、オーバーラッピングパドルミキサー(overlapping paddle mixer)、または上記特徴を組合わせたもの、例えば生蒸気噴射を伴うスクリュー/リボン/パドルである。混合は、肉配合物を確実に前記肉タンパク質源のタンパク質変性温度またはそれ未満の温度で均質に凝固させるためのものである。これは一般に、魚タンパク質の場合の約48℃(約120°F)から、ほ乳類(ウシおよび子羊)の骨格筋タンパク質の場合の約76℃(約170°F)以上に至る範囲である。この範囲のどこかに、トリおよびブタからの筋の変性温度が存在する。そのような肉の組み合わせがある場合、加熱温度は混合物の変性温度またはそれ未満である。
完成品中に認識しうる不連続な肉粒子を提供するために、ミキサー/クッカーは混合および加熱中に十分な混合ならびに良好な温度制御を提供する。過熱された肉タンパク質は一般にテクスチャーの保全性を失い、その結果不連続な粒子の外観を失う。
添加したビタミンおよびミネラルを好ましくは含む穀物配合物である成分(b)は、単一の穀物か、またはオートムギ繊維、セルロース、落花生の殻、ビートパルプ、パーボイルド米およびトウモロコシグルテンミールなどの穀物の混合物に、塩、香辛料、調味料、ビタミン、ミネラル、香味剤、着色剤などを加えたものであることができる。この添加物混合物の量は、米国飼料検査官協会(AAFCO)に基づく動物の異なるライフステージでの栄養所要量に少なくとも部分的に依存する。
混合中の加熱温度は約65℃〜約82℃(約150°F〜約180°F)であり、飼料の特定の望ましいテクスチャーのために穀物/炭水化物の水和、糊化および/または老化を実現または実質的に実現する。複合糖質は、より単純な炭水化物に分解される。
成分(c)は一般に、先に記載したような材料で構成される。これらの材料は、これら3種の主要成分(a)、(b)および(c)をミキサーで一緒に混合したときに充填要件に合った予備加工(濃い)粘度を提供するように選択する。予備加工粘度は、3成分を単一の実体(single entity)として充填機で充填する間に成分の分離を防止するのに重要である。天然または非化学的に改質されたデンプンは濃いおよび薄いという特性を有し、したがって、充填中は濃いが、粘度はレトルト処理後に弱まり(break down)(薄い)、完成品中に認識しうる不連続な肉粒子を提供することになる。
非化学的に改質されたデンプン、天然のデンプンおよび/または炭水化物を水の存在と共に含む成分(c)は、熱処理に暴露されたときに、最高82℃〜93℃(180〜200°F)の温度で水和し、糊化し、老化するであろう。炭水化物および/または上記デンプン源の平衡を適切に保つことにより、所望どおりに特定のテクスチャーを維持するのに適切な粘着性または結合を得ることができる。例えば、短鎖多糖類は粘着性かつ膠質である傾向にあり、長鎖多糖類は、加工したときに、より短鎖のものほど粘着性でも膠質でもないことが、これまでに理解されている。一般的に言えば、より短鎖の多糖類、例えば、挽いた全粒小麦およびトウモロコシから得られるものは、水と“結合”して粘着性になる能力を有し、このことは、完成品に不連続な粒子のテクスチャーが望ましい場合に不利である。長鎖多糖類の例は、ガム、セルロースなどである。これは、より粘性が低く、より堅い最終製品を提供するであろう。
成分(a)、(b)および(c)は、さらに加熱することなく任意の適切なミキサーで混合する。しかしながら、個々の混合工程で実現された温度の維持は、実現すべきである。放置して温度が極端に下がると、各成分単独の温度処理が軽くなる。それら成分を、それらがそれぞれこの一緒の混合の前に処理されていた温度またはそれよりわずかに低い温度で、このミキサーに入れる。混合のためには、二軸スクリューミキサー、二軸リボンミキサー、またはオーバーラッピングパドルミキサーが、満足なものであることができる。混合は、3成分すべてを充填のための単一の実体に確実に形成させるのに十分なものであるべきである。
本発明の要点ではないが、イヌ用飼料の組成物の一般的重量%は、以下であることができる:
・肉−約20重量%〜約40重量%、望ましくは約25重量%〜約35重量%;
・穀物−約8重量%〜約16重量%、望ましくは約9重量%〜約13重量%;および
・肉汁−約40重量%〜約55重量%、望ましくは約45重量%〜約52重量%。
最終混合物を缶に充填し、次にこれを密封し、殺菌する。この場合、製品は、湿った外観を伴い認識しうる不連続な肉粒子を有する固体状の塊をもたらした。
本発明の方法におけるさまざまな熱処理(1以上)の一般的時間に関し、肉成分(a)を調製するときは、初期腐敗および過剰凝固を避けるべきである。一般に、加熱は約15〜20分以下である。イヌ用飼料では穀物成分(b)を一般に予備形成させ、さらなる加熱は必要ない。デンプンスラリー(c)では、加熱は一般に約2時間以下であり、さもなければ、製品の外観に否定的な影響が及ぼされることがある。
実施例1
家禽またはブタからの骨格筋およびその肉副産物を含む肉配合物を、完成品の全重量の約30%を用いて調製する。得られる肉配合物は、73.12%の水分率、16.13%のタンパク質および9.00%の脂肪を有する。そのような肉タンパク質源を、リボン/パドルミキサー中で生蒸気を用いて65℃〜71℃(150〜160°F)で均質に混合し、凝固させる。凝固または熱硬化した肉成分は約5%の復水を捕捉し、したがって凝固した肉成分は、完成品の全重量の34〜35%を構成する。
4重量%のパーボイルド米および7重量%のセルロースを完成品の全重量の合計11%で含み、ミネラルおよびビタミン、着色剤およびフレーバーを完成品の約1重量%で有する穀物配合物を調製する。
次に、調理済みのデンプンスラリー成分を、4%のNational 150 starch、4%のNovation starch 2300、および残りを補う水/蒸気を一緒に混合することにより調製する(すべてのパーセンテージは、デンプンスラリーの重量に基づく)。その後、デンプンスラリーを87℃〜93℃(190〜200°F)に加熱して、82℃(180°F)で5〜8cm/30秒(Bostwick Consistometer)の標的粘度を生じさせる。
3成分すべてを上記のように別個に調製した直後に、それらをさらに加熱することなく通常のミキサーで均一にブレンドする。肉成分、穀物成分およびデンプンスラリーのブレンド比は、それぞれ36:12:52重量%である。最終混合物を缶に充填し、密封し、殺菌する。殺菌後に得られる製品は、視覚的に認識しうる肉粒子を含む力強く挽いたテクスチャーの外観を有し、これは、グラウンドローフならびにチャンクおよび肉汁製品のどちらにも似ていない。
実施例2
ウシ、家禽、ブタからの骨格筋およびその肉副産物を含む肉配合物を、完成品の全重量の約38%を用いて調製する。得られる肉配合物は、69.97%の水分率、14.51%のタンパク質および13.60%の脂肪を有する。そのような肉タンパク質源を、リボン/パドルミキサー中で生蒸気を用いて71℃〜76℃(160〜170°F)で均質に混合し、凝固させる。凝固または熱硬化した肉成分は約5%の復水を捕捉する。したがって、得られる成分は、完成品の全重量の約42〜43%を構成する。
5重量%の精白丸麦および4重量%のセルロースを完成品の全重量の合計9%で含み、ビタミン、ミネラルおよび着色剤を完成品の約1.5重量%で有する穀物配合物を、一緒にブレンドする。
デンプンスラリーを、5重量%のNational 150 starch、3重量%のRemy DR rice starch、および残りを補う水/蒸気を一緒に混合することにより調製する(すべてのパーセンテージは、デンプンスラリーの重量に基づく)。その後、デンプンスラリーを87℃〜93℃(190〜200°F)に加熱して、82℃(180°F)で充填要件に合った5〜8cm/30秒(Bostwick Consistometer)の標的粘度を生じさせる。
3成分すべてを上記のように別個に調製した直後に、それらをさらに加熱することなく通常のミキサーで均一にブレンドする。肉成分、穀物成分およびデンプンスラリーのブレンド比は、それぞれ43:11:46重量%である。殺菌後に得られる製品は、視覚的に認識しうる肉粒子を含む力強く挽いたテクスチャーの外観を有し、これは、グラウンドローフならびにチャンクおよび肉汁製品のどちらにも似ていない。

Claims (3)

  1. 実質的にその容器の形状を帯びている固体状の塊を有する、肉と炭水化物に基づくイヌ用ペットフード組成物の調製方法であって、
    (a)ペットフード組成物の肉部分を、該肉部分の変性点またはそれ未満の温度に加熱し、
    (b)(a)の肉部分および(c)の流体またはスラリーとは別に、穀物または穀物の混合物を、水と一緒に、該穀物または穀物の混合物の水和、糊化および老化を実現または実質的に実現するであろう温度として混合し、
    (c)(a)の肉部分および(b)の穀物または穀物の混合物とは別に、炭水化物を含む粘度増大性の流体またはスラリーであって、(a)の肉部分および(b)の穀物または穀物の混合物と組み合わせたときに、容器充填プロセス中に少なくとも1種の実質的に均質な塊を形成する、上記粘度増大性の流体またはスラリーを調製し、そして
    (d)(a)の肉部分、(b)の穀物または穀物の混合物、および(c)の流体またはスラリーを組み合わせ、混合し、その間に、組み合わせた塊の温度を維持することを含み、
    穀物または穀物の混合物が、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、セルロース、コメデンプン、オートムギ繊維、落花生の殻、ビートパルプ、パーボイルド米、トウモロコシグルテンミール、およびそれらの混合物からなる群より選択された、前記方法。
  2. ウシの骨格筋タンパク質を有する飼料の場合、成分(a)を82℃(180°F)以上に加熱する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流体またはスラリーが、非化学的に改質されたトウモロコシデンプン;ジャガイモデンプンまたはリッチデンプン;天然のジャガイモデンプン、天然のトウモロコシデンプンまたは天然米、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
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