JP5685696B1 - 波板固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】波板上でナット締めをする波板設置作業は高所作業のため大変危険である。水平に広がる波板設置は短期作業のため経費がかかる足場を作る事もない。波板の上でナット締めをする波板設置作業の最後の一枚の設置作業は特別に困難で最も危険を伴うな作業であるため大ケガや死が頭をよぎる。そこで構造材上に置かれた波板を施工者が波板の下で固定可能とすることを課題とする。【解決手段】ボルト下部にボルトを回転させる手段としてその回転方向に係合する係合構造したボルトドライブ部を設け、ボルト頭部でなくボルトドライブ部を回転させることで波板を波板の下で構造材に固定可能とした波板固定具。【選択図】 図5

Description

本発明はベランダなどの天板として使用される波板の固定具に関するものである。
従来実用に供されている波板取付け具は、L字形ボルトを波板の下から挿入し波板の上に突き出たネジ部にナットを締めるものである(特許文献1の図のような形)。しかし波板の上でナットを締める作業は高所作業で危険を伴うため、施工者が波板の下で波板固定するための発明が試みられてきた。
実用新案登録第3130102号公報 実公昭62・40003号公報 特願平11・194868号公報 実用新案公告昭53・36585号公報
従来のL字形をしたボルトのネジ部分を波板の下から波板の孔に挿入し、C形鋼(リップ溝形鋼)やL形鋼(別称アングル)などの構造材にこのボルトのL字形の屈曲部を係合した状態で波板の上に突き出たネジをナットで締め付けて波板を固定する波板設置方法には以下のような問題がある。
波板の上に突き出たナットを締めるために施工者は構造材上に置かれた波板より上に身体を置くか少なくとも上半身を波板の上に出さなければならない高所作業ゆえ危険を伴う。
波板設置作業を一人で行う場合、施工者は高所で波板の上に上半身を乗り出した体勢で波板を両腕で抱きかかえながら片手で波板の下から波板の孔に挿入されたボルトを構造材に係合さつつ他方の手で波板の上からナットを螺入させなければならないので困難な作業である。複数の施工者で波板設置作業をする場合であっても誰かが構造材の上のナットを締めなければならない。どちらも高所作業が必要であり危険である。
波板設置作業は、通常波板を一枚取り付けるごとに脚立を後退させながら作業を行う。最後の一枚を設置するとき側壁などがあるため脚立を後退させられないので施工者は当該区域外に足場を組み立てるか、または弱い強度の傾斜がある既設の波板の上にベニヤ板などを載せた後波板に乗るかしなければならないので手間がかかり大変危険である。
複数の施工者で行う場合も最後の一枚を設置するときは構造材に乗れないから状況は同様である。波板を2階3階で設置するときはさらに高所で非常に危険で事故死の恐怖を感じる。施工業者は最後の一枚の設置が難しいとき仕事を受けない程の重大問題である。
そこで上記文献の発明と発明と考案がなされてきた。しかしいずれも充分な課題解決に至っていないと思われる。
よって構造材上に置かれた波板を施工者が波板の下で波板を固定可能とすることを課題とした。
そこで本発明においては波板設置のための構造材に載せられた波板の下で施工者が波板の固定を可能とするためにあらかじめ波板の上方から波板孔に挿入されるボルトと前記ボルトを前記構造材に係合するための係合体を有する波板固定具において、前記ボルトはボルト頭部とボルトネジ部と前記ボルトを回転させるための形状をした前記ボルト先端部分のボルトドライブ部からなっている。
さらに前記係合体は前記ボルトが螺入するボルト孔を有したスライド板から前記構造材に係合するための係合板が設けられており、前記係合板を前記構造材に係止または固定した状態で、前記ボルト頭部でなく前記ボルトドライブ部を回転させることで波板の固定を可能とした。
上述の前記ボルトを回転させる手段として前記ボルトドライブ部はその回転方向に係合する所定のネジ回し工具の係合部分に係合する係合構造を有することとしたので施工者が波板の下で前記ボルトを回転させられることとなった(図3、図4、図6参照)。
また前記係合板は前記構造材に係合するために前記スライド板から屈曲して設けられており、前記構造材にネジ止めされるためのネジ孔を有することを特徴としたことでひとつの前記係合体が二通りの係合手段を有することとしたので本発明の波板固定具の利便性を高めることができた(図3、図4参照)。
さらに上記係合板の別の形状として前記係合板は構造材の底面に固定するために前記スライド板と平角をなして設けられており、前記構造材にネジ止めされるためのひとつのネジ孔を有することを特徴とする平板の係合板としたことでネジ1本で前記係合体を前記構造材に固定できるから本発明波板固定具の作業性を高めることができた(図5,図6参照)。
本発明により波板固定作業を施工者は波板の下で行うことができるようになったこと、最後の一枚も容易に固定できるようになったこと、設置作業の一部を机上や床など行うことができるようになったことで大幅に作業性と安全性と効率が増した。一人でも容易に作業をすることができるようになった(施工者人数削減)。
係合体30にボルト1が螺入した斜視図。 係合体30とボルト1の斜視図。 係合体30のネジ孔34で木材構造材8に波板3を固定した斜視図。 係合体30の係合板32で溝形構造材6に波板3を固定した斜視図の断面図。 係合体40とボルト1の斜視図。 係合体40で角パイプ構造材に波板3を固定した側面図、ボルトドライブ部14aは四角柱。
解決しようとする課題の本質的問題は構造材の上に置かれた波板の天空側においてナットを螺入する点にある。この方法を逆転しボルトを天空側から挿入し波板の下でボルトを回すことで課題を解決した。
図2で ボルト1について説明する。ボルトドライブ部14の形状はボルト1を回転させる手段としてその回転方向に係合する係合構造を有する長方形または正方形またはマイナスドライバーやプラスドライバーを使用できる形状である。ゆえに波板3の下にいる施工者が波板3の上にあるボルト頭部11を押さえたり回したりしなくても済む。ボルトドライブ部14はボルト孔に螺入または挿通するのでボルトドライブ部14の外径はネジ部13の外径以下である。
図1と図2で係合体30について説明する。係合体30はボルト1と構造材を連結するためのボルト1が螺入するボルト孔33を有するスライド板31と、スライド板31から屈曲して設けられている平板の係合板32と、係合板32に2つのネジ孔34を有する。係合体30を構造材に係合するための1つ目の方法が係合板32を構造材に引っかけて係止することである。厚さ2〜3ミリメートルの構造材の金属板は係合板32とボルト1の間に挟まれるので係合板32とボルト孔33の間は4〜5ミリメートル程度の距離が必要である。
係合体30を構造材に係合するための2つ目の方法がネジ止めである。ネジ孔を1つ係合板32の中央に配置するとネジ止め時ボルト1が邪魔になる。これを避けるためネジ孔を係合板32の中央から離れたところに配置するとネジ孔を挿通し構造材に螺入したネジを中心軸として係合体30は回転してしまう可能性が生じる。よって2つのネジ孔34で係合板32をネジ止めし、係合体30の回転を防いでいる。2つのネジ孔34はボルト1によってネジ螺入が妨げられない所定の距離を有して配置されている。
それでは1つ目の係止する方法について詳しく説明する。図4で係合板32を使用し、ボルトドライブ部14を回すことで波板3を固定できること説明する。波板3の下に溝形鋼構造材6があり両者は接している。ボルト1は波板孔だけで支持されてブラブラにぶら下がっている状態で考察する。波板孔にボルト1が挿通し波板孔部分がボルト1の前後左右回転の中心である。まずボルト1の回転として構造材方向(図の前後方向)の回転、及び図の左右方向の回転、及び自転(ボルト頭部からネジ部まで縦に貫通する直線を回転軸とする回転)を考える。
ここからは図4の状態で説明する。ボルト1の左方向への回転は溝形鋼構造材6にぶつかるので妨げられる。右方向(構造材から遠ざかる方向)への回転は係合板32が構造材6にひっかかり係止され右方向への回転は止められる。構造材方向(図4の前後方向)の回転は係合体30が上昇し構造材に押しつけられて生じる摩擦力と、ボルト頭部とスライド板31までの長さが一定であることでこの回転は妨げられる。よってボルト孔33に螺入されてボルト1の波板孔を中心とする前後左右の回転は止められる。
さてボルト1を前記自転をさせると係合体30も前記自転と同じ向きに回転しようとするが、係合板32とボルト1の間に挟まれている溝型鋼構造材6の鉄板がこの回転を係止する。
また係合体30が上昇し構造材6の鉄板が係合板32とボルト1の間に挟まれ多状態になり、構造材6の鉄板がスライド板31に接すると係合体30は構造材6と係合体30の接線を中心として左回転をしようとする。係合体30は構造材6に係合されているので図4の右方向へ動けない。ボルト孔33にボルト1が螺入していてスライド板31はボルト1と直角を保ち係合体30は上へも動けない。右方向へも上へも動けないということは回転できないということである。つまりこの回転は係止される。よってボルト1はボルト孔33と波板孔の2か所で固定されてボルト1は前記自転だけが許される。
ゆえにボルトドライブ部14を回しボルト1を回転させてスライド板31を上方にスライドさせ、スライド板31が溝型鋼構造材6の鉄板と接触した後は係合体30は係止し、さらなるボルト1の回転によりボルト頭部11は下降し波板3は構造材6に固定される。
ここからは2つ目のネジ止め固定する方法について説明するが1つ目の係止する方法のところで詳しく説明したので要点だけを説明する。図3でネジ孔34を使用し、ボルトドライブ部14を回すことで波板3を固定できること説明する。ボルトドライブ部14を回しボルト1を回転させてスライド板31を上方にスライドさせ所定の位置で係合板32を木材構造材8に2か所でネジ止めする。よってボルト1はボルト孔33と波板孔の2か所で固定されてボルト1は前記自転だけが許される。さらなるボルト1の回転によりボルト頭部11は下降し波板3は木材構造材8に固定される。
以下では本発明波板固定具と構造材の組み合わせと固定方法をネジ孔34を使用する場合と係合板32を使用する場合に分けて説明する。
まずネジ孔34を利用し係合体30を係合できる構造材は木材または角パイプまたは溝形鋼またはC形鋼またはL形鋼などである(図3参照)。
波板3にボルト1を挿入し、この状態でさらに係合体30を少しだけ螺入させてから波板3を構造材8に載せる。波板3を構造材8に載せるとき施工者の手首くらいまでが構造材の上に出るだけである。このときボルト頭部11と係合体30がボルト1の両側のストッパーとなりボルト1は波板3から抜け落ちない。
続けて係合体30は波板3下でボルト1に螺入した状態でぶら下がっているからボルトドライブ部14を回してボルト1を回転させ係合体30を所定の位置まで上昇させて、ネジ孔34を利用して木材構造材8に係合板32をネジ止めで固定する。その後適度な引っ張り強さまで所定のネジ回し工具でボルトドライブ部14を回しボルト1を回転させて波板3を固定できる。
次に係合板32を使って係合体30を係合できる構造材はC形鋼または溝形鋼またはL形鋼などである(図4参照)。前述同様波板の下でぶら下がっている係合体30をボルトドライブ部14を回しボルト1を回転させて所定の位置まで上昇させ、係合板32を溝形鋼構造材6にひっかけて係合させる。その後適度な引っ張り強さまでボルトドライブ部14を使ってボルト1を回して波板3を固定する。
よって上記いずれの方法であっても施工者はボルト頭部11を押さえたり回したりしなくても波板3の下で所定のネジ回し工具でボルトドライブ部14を回すことにより波板3を種々の構造材に固定できる。
係合体30とは異なる係合体40について説明する(図5,図6、請求項4参照)。底辺を有する構造材に対してはスライド板と係合板を一枚板にした平板に1つのボルト孔と1つのネジ孔を有する平板の係合体40を考案した。係合体40は木材構造材や角パイプなど底辺を有する構造材の底辺にネジで固定される。係合体40を水平回転させる力はないからネジ孔を1つだけ有する。縦長が短い構造材に波板を固定するとき極めて有効である。
本発明波板固定具による設置作業実施例を図4で説明する。ここでは具体例として木材構造材8に波板3を取付けるが、角パイプ鋼構造材においても固定方法は同様である。係合体30を使用する。必須ではないが平座金15とパッキン7を使用することとする。平座金15はボルト頭部11とパッキン7に挟まれ、ボルト1が前記自転をするとき発生するボルト頭部とパッキン間の摩擦を軽減する。パッキン7は防水性を高める。
(下準備1)構造材と構造材の間隔に合わせ波板3に必要数の孔をあける。
(下準備2)必要数のボルト1に平座金15とパッキン7を挿入し、続けてボルト1に波板3を通しさらに係合体30を少し螺入する。
(取付作業)波板3を構造材の上に載せる(丸めて構造材の格子間を通すと効率的である)。ボルトドライブ部14を回しボルト1を回転させて所定の位置まで係合体30を上昇させ、ネジ孔を利用し係合体30を木材構造物にネジ止めする。所定のネジ回し工具でボルトドライブ部14を回してボルト1を回転させて取付け完了。
下準備1、2は机上や床など行うことができるから作業しやすく安全である。
下準備1,2終了後は波板3の上側でボルト頭部11がストッパーとなり波板3の下側で係合体30がストッパーとなりボルト1は波板3から抜け落ちないから、構造材に波板3を容易に載せることができる。このとき構造材の上に出る施工者の身体は手首くらいまでである。
異なる実施作業例として波板3に数個の孔をあけ、本発明波板固定具をこれらの孔に取付けて構造材に載せて波板3を仮止めし、そして孔をあけたい位置に印を付けた後に構造材から波板3を降ろし、下準備1以下の作業を続行する。
以上どの作業実施例においても、波板3と施工者の位置関係は常に波板3が上で施工者は下である。
1 ボルト、2 ネジ、3 波板、5 角パイプ構造材、6 溝形鋼構造材、
7 パッキン、8 木材構造材、11 ボルト頭部、13 ボルトネジ部、
14 ボルトドライブ部、15 平座金、30 係合体、31 スライド板、
32 係合板、33 ボルト孔、34 ネジ孔、40 係合体、41 スライド板、
42 係合板、43 ボルト孔、44 ネジ孔。

Claims (4)

  1. 波板設置のための構造材に載せられた波板の下で施工者が波板の固定を可能とするためにあらかじめ波板の上方から波板孔に挿入されるボルトと前記ボルトを前記構造材に係合するための係合体を有する波板固定具において、前記ボルトはボルト頭部とボルトネジ部と前記ボルトを回転させるための形状をした前記ボルト先端部分のボルトドライブ部からなり、前記係合体は前記ボルトが螺入するボルト孔を有したスライド板から前記構造材に係合するための係合板が設けられており、前記係合板を前記構造材に係止または固定した状態で前記ボルト頭部でなく前記ボルトドライブ部を回転させることで波板の固定を可能としたことを特徴とする波板固定具。
  2. 前記ボルトを回転させる手段として前記ボルトドライブ部はその回転方向に係合する所定のネジ回し工具の係合部分に係合する係合構造を有することを特徴とする請求項1に記載の波板固定具。
  3. 前記係合板は前記構造材に係合するために前記スライド板から屈曲して設けられており、前記構造材にネジ止めされるためのネジ孔を有することを特徴とする請求項1に記載の波板固定具。
  4. 前記係合板は構造材の底面に固定するために前記スライド板と平角をなして設けられており、前記構造材にネジ止めされるためのネジ孔を有することを特徴とする請求項1に記載の波板固定具。
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