JP5683387B2 - 画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明は、スキャナ等の画像読取装置により原稿画像を読み取り、解像度及び画素数を付加したファイル形式等で保存された画像データについて、画像の切出し処理などを行う画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
スキャナによって読み込んだ原稿画像の画像データは、原稿の送り性能及び設置状態によって、画像データの周縁部に黒い縁取りが生じたり、あるいは画像が傾いたりすることがあり、このような読み取り画像データに対して、傾き及びサイズ等の補正処理を行う様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1には、スキャナによって読み取った画像データを補正処理する技術が開示されている。この補正処理技術においては、定形サイズ紙の縦及び横の長さに関するサイズ情報を記憶しておき、入力された画像データのうち原稿部分のサイズを算出する。算出された原稿部分のサイズと記憶されている複数の用紙サイズとを比較し、これらの差が予め設定された各用紙サイズの許容範囲内である場合は、許容範囲内にある最も近い用紙サイズで画像データを切出し、許容範囲内でない場合は、算出された原稿部分のサイズで画像データを切出す。
この補正処理技術を利用することによって、定形サイズで原稿の画像データが切出されることにより、周縁部分に生じる原稿の影などを含まない画像データを生成することができ、また、複数の用紙サイズが混在する原稿をスキャナで読み取った場合に、夫々の原稿サイズで画像データを切出すことができるというものである。
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、TIFF(Tagged Image File Format)及びJPEG(Joint Photographic Experts Group)等のファイル形式などで一旦保存された画像データに対してソフトウェア的に切出し処理を行う際、既にユーザによって画像編集ソフト等を用いてファイルが開かれ、誤って解像度情報が変更されていた場合や、サイズのみを拡大又は縮小する処理が施された場合などには、解像度情報と実際の画像サイズとで不整合が発生し、出力画像サイズが所望のサイズとならないことがある。図17は、解像度情報と実際の画像サイズとで不整合が発生する場合を説明するための模式図である。図17に示すように、本来の画像解像度が300dpiでA3サイズの画像データを格納したファイルに対して、画像編集ソフトを用いて解像度情報が600dpiに変更されていた場合、このファイルの出力画像の大きさはA5サイズになってしまう。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、原稿画像を読み取って生成され、解像度及び画素数の情報が付加された画像データについて、原稿内のコンテンツ欠けを抑え、元の原稿サイズによる出力画像を生成することができる画像処理装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体を得ることにある。
本発明に係る画像処理装置は、原稿を読み取って生成され、解像度及び画素数の情報が付加された画像データを処理する画像処理装置において、複数の定型サイズを記憶した記憶部と、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、前記画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出する解像度算出部と、前記画像データから原稿画像のエッジを検出し、検出したエッジに基づいて原稿読み取りに係る基準線に対する原稿画像の傾きを補正する補正量を算出する傾き補正量算出部と、前記画像データに付加された解像度と前記解像度算出部で算出した解像度とが異なる場合に、前記解像度算出部で算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを前記記憶部に記憶した複数の定形サイズの中から選択する画像サイズ選択部と、前記傾き補正量算出部で算出した補正量により前記画像データを補正し、前記画像サイズ選択部により選択した画像サイズの出力画像を生成する画像生成部とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記画像データに付加された解像度に基づいて原稿画像を包含する第2の画像サイズを前記記憶部に記憶した複数の定形サイズの中から選択し、前記画像生成部は、前記傾き補正量算出部で算出した補正量により前記画像データを補正し、前記第2の画像サイズの第2の出力画像を生成し、前記画像生成部が生成した前記出力画像及び前記第2の出力画像のいずれかを選択する指令を受け付ける選択受付部をさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、原稿を読み取って生成され、解像度及び画素数の情報が付加された画像データの処理を行う画像処理方法において、複数の定型サイズを記憶する記憶ステップと、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、前記画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出する解像度算出ステップと、前記画像データから原稿画像のエッジを検出し、検出したエッジに基づいて原稿読み取りに係る基準線に対する原稿画像の傾きを補正する補正量を算出する傾き補正量算出ステップと、前記画像データに付加された解像度と前記解像度算出ステップで算出した解像度とが異なる場合に、前記解像度算出ステップで算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定形サイズの中から選択する画像サイズ選択ステップと、前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記画像サイズ選択ステップにより選択した画像サイズの出力画像を生成する画像生成ステップとを備えたことを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、前記画像データに付加された解像度に基づいて原稿画像を包含する第2の画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定形サイズの中から選択し、前記画像生成ステップは、前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記第2の画像サイズの第2の出力画像を生成し、前記画像生成ステップで生成した前記出力画像及び前記第2の出力画像のいずれかを選択する指令を受け付ける選択受付ステップをさらに備えたことを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、原稿を読み取って生成され、解像度及び画素数の情報が付加された画像データの処理を行わせるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、複数の定型サイズを記憶させる記憶ステップと、コンピュータに、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、前記画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出させる解像度算出ステップと、コンピュータに、前記画像データから原稿画像のエッジを検出し、検出したエッジに基づいて原稿読み取りに係る基準線に対する原稿画像の傾きを補正する補正量を算出させる傾き補正量算出ステップと、コンピュータに、前記画像データに付加された解像度と前記解像度算出ステップで算出した解像度とが異なる場合に、前記解像度算出ステップで算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定形サイズの中から選択させる画像サイズ選択ステップと、コンピュータに、前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記画像サイズ選択ステップにより選択した画像サイズの出力画像を生成させる画像生成ステップとを行わせることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、前記画像データに付加された解像度に基づいて原稿画像を包含する第2の画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定形サイズの中から選択させ、前記画像生成ステップは、コンピュータに、前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記第2の画像サイズの第2の出力画像を生成させ、コンピュータに、前記画像生成ステップで生成した前記出力画像及び前記第2の出力画像のいずれかを選択する指令を受け付けさせる選択受付ステップをさらに行わせることを特徴とする。
本発明に係る記録媒体は、上述のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする。
本発明にあっては、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出する。算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを複数の定形サイズの中から選択し、原稿画像の傾きの補正量により画像データを補正し、選択した画像サイズの出力画像を生成する。これにより、画像データに付加された解像度の情報が変更されていても、元の原稿サイズによる出力画像を生成することができる。
本発明にあっては、さらに画像データに付加された解像度の情報に基づいて第2の出力画像を生成し、生成した出力画像及び第2の出力画像のいずれかを選択する指令を受け付けるので、いずれかの出力サイズを選択することができ利便性が向上する。
本発明によれば、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出する。算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを複数の定形サイズの中から選択し、原稿画像の傾きの補正量により画像データを補正し、選択した画像サイズの出力画像を生成するので、画像データに付加された解像度の情報が変更されていても、元の原稿サイズによる出力画像を生成することできる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像処理装置1の機能ブロックを示すブロック図である。本発明の実施の形態に係る画像処理装置1は、画像処理部2、制御部3、画像ファイルやテーブルなどの各種データを記憶する記憶部31、ネットワークとの間で通信する送受信部32、操作内容及び処理結果などを表示するためのディスプレイ33、キーボード及びマウスなどからなる入力装置34等を備えて構成される。制御部3はマイクロコンピュータであり、前記のハードウェア各部を制御するための制御プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)3b、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)3a、制御プログラムの実行中に生成される各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)3cなどを備える。ROM3bを書き込み可能な構成とし、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体35に制御プログラムを記録して、ROM3bにダウンロードする構成であっても良い。
画像処理部2は、原稿傾き・サイズ検出部4、原稿傾き・サイズ補正部5等を備えている。画像処理部2は、原稿を読み取って生成された画像データであって、該画像データの解像度及び画素数の情報が付加されている画像データについて、原稿画像の傾き及びサイズを検出し、傾きの補正量を算出し、出力画像サイズを選択して、画像データを補正して出力画像を生成する処理を行う。TIFF及びJPEG等のファイル形式で一旦保存された画像データには、解像度と画素数の情報が付加されている。画像処理部2は、画像データに解像度及び画素数の情報を付加して保存されたファイルに対して処理を行うものである。なお、TIFF及びJPEG等のファイル形式によれば、ファイルに格納した画像データに関する情報(解像度、画素数)は、一般に、ファイルの先頭であるヘッダ部にヘッダ情報として格納されており、画像データはファイルのヘッダ部に続くデータ部に格納されている。
原稿傾き・サイズ検出部4は、画像データから原稿画像の傾き及びサイズを検出し、原稿画像の傾きの補正量の算出及び出力画像サイズの選択を行い、画像読み取り原稿画像の傾きを補正する補正量、画像サイズを補正するためのパラメータを原稿傾き・サイズ補正部5へ出力する。原稿画像の傾きは、上述のように、スキャナによって読み込む際に、原稿の送り性能及び設置状態等によって、画像読み取りに係る基準線に対して原稿が傾いて読み込まれることにより生じる。例えば、ラインセンサを用いたスキャナヘッドによって原稿を走査して読み取る場合には、ラインセンサ上においてセンサが配置された線が画像読み取りに係る基準線となる。また基準線は、画像データに基づいて生成する画像の水平線及び垂直線(又は画像の外形線)に現れており、原稿読み取り状態によって、基準線に対して原稿画像が傾くことになる。
図2は原稿傾き・サイズ検出部4の機能ブロックを示すブロック図である。原稿傾き・サイズ検出部4は、ヘッダ情報読取部41、解像度算出部42、解像度設定部43、信号変換部44、エッジ検出処理部45、角度算出部46、座標情報変換部47、原稿領域検出部48、補正用パラメータ生成部49等から構成される。
ヘッダ情報読取部41は、ファイルのヘッダ情報から解像度及び画素数の情報を読み取り、解像度算出部42へ出力する。
解像度算出部42は、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、前記画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出し、ヘッダ情報から読み取った解像度とともに、解像度設定部43へ出力する。所定の画像サイズとは、原稿を読み取った際の読み取り画像の最大サイズであり、多くのデジタルカラー複合機(以下、MFP(Multi-Function Peripheral)ではA3サイズである。なお、MFPはカラーコピー機能、カラープリント機能及びカラースキャナ機能など種々の機能を有している。また、A4複合機やA4ドキュメントスキャナでは、読み取り画像の最大サイズはA4サイズであり、所定の画像サイズはA4サイズとなる。また、所定の画像サイズは、ユーザによって、A3、A4等のサイズに設定されるものであってもよい。通常、ネットワーク経由等で接続されたMFPなどの原稿読み取り装置に応じて、原稿読み取り時の所定の画像サイズを設定するようにすればよい。
解像度設定部43は、解像度算出部42で算出された解像度とヘッダ情報から読み取った解像度とが同じであるか異なるかを判定する。判定の結果、解像度が同じである場合には、処理する画像の解像度はヘッダ情報から読み取った解像度のままの設定とし、解像度が異なる場合には、処理する画像の解像度は解像度算出部42で算出した解像度に設定する。
信号変換部44は、ファイルに格納された画像データの画素値に対する演算及び比較等の処理を行うために、画像データを構成しているRGB(R:赤、G:緑、B:青)信号を、以下の式によって画素毎に輝度Y信号に変換する。
Yi=0.30Ri+0.59Gi+0.11Bi
ここで、Y:各画素の輝度信号
R,G,B:各画素の各色成分の値
添え字のi:画素毎に付与された番号(iは1以上の整数)
Yi=0.30Ri+0.59Gi+0.11Bi
ここで、Y:各画素の輝度信号
R,G,B:各画素の各色成分の値
添え字のi:画素毎に付与された番号(iは1以上の整数)
このほか、RGB信号からCIE1976L* a* b* 信号(CIE:Commission International de l'Eclairage、L* :明度、a* ,b* :色度)に変換してもよい。また、簡便な処理として、各画素のRGB信号のうちのG信号を用いてもよい。
エッジ検出処理部45は、上記輝度信号を用いて、画像の水平ライン及び垂直ライン単位で、隣接画素の画素値の差分値が所定の閾値より大きな値となる画素位置をエッジとして検出し、エッジとして検出された画素位置に特定の画素値を与えたエッジ画像を生成する。このエッジ画像から上下左右の最も外側にある原稿画像のエッジ座標を水平ライン及び垂直ライン単位で算出する処理を行う。
角度算出部46は、エッジ検出処理部45で検出した原稿画像のエッジ座標から、原稿画像の傾きを補正する補正量を算出し、算出した原稿画像の傾きを補正する補正量を座標情報変換部47へ出力する。
座標情報変換部47は、エッジ検出処理部45により検出された原稿画像のエッジ座標に対して、角度算出部46で算出された補正量で補正した補正エッジ座標を算出する。
原稿領域検出部48は、座標情報変換部47で算出された補正エッジ座標について、それらの上下左右の最外部に存在する座標を抽出し、この座標を有効エッジとして検出し、補正用パラメータ生成部49へ出力する。
補正用パラメータ生成部49は、原稿領域検出部48で検出した有効エッジと、所定のオフセットマージン値とに基づいて、補正処理開始座標、補正後の原稿高さ及び幅を算出し、角度算出部46で算出した原稿画像の傾きを補正する補正量とともに、原稿傾き・サイズ補正パラメータとして生成し出力する。
原稿傾き・サイズ補正部5は、原稿傾き・サイズ検出部4により求めた原稿傾き・サイズ補正パラメータを用いて、画像データに対して、原稿画像の傾き、サイズを補正する処理を行う。
(原稿画像の傾き及びサイズの検出処理)
画像データが格納されたファイルに対して、原稿画像の傾きとサイズとを検出する処理について、より具体的に説明する。図3は原稿画像の傾き及びサイズを検出する処理手順を示すフローチャートである。画像処理装置1は、ヘッダ情報読取部41でファイルのヘッダ情報から解像度及び画素数の情報を読み取り(ステップS1)、解像度算出部42で、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、読み取った画素数に対応する解像度を算出する(ステップS2)。
画像データが格納されたファイルに対して、原稿画像の傾きとサイズとを検出する処理について、より具体的に説明する。図3は原稿画像の傾き及びサイズを検出する処理手順を示すフローチャートである。画像処理装置1は、ヘッダ情報読取部41でファイルのヘッダ情報から解像度及び画素数の情報を読み取り(ステップS1)、解像度算出部42で、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、読み取った画素数に対応する解像度を算出する(ステップS2)。
図4は、A3サイズにおける画素数と解像度との対応関係を説明するための模式図である。解像度算出部42は、原稿読み取り時のサイズがA3サイズであるとして、図4に示す対応関係に基づいて、ヘッダ情報から読み取った画素数に対応する解像度を算出する。例えば、ヘッダ情報から読み取った画素数が4960×3504ピクセルであった場合には、解像度算出部42で算出される解像度は300dpiとなる。なお、原稿読み取り時のサイズがA4サイズである場合には、A4サイズに係る同様な対応関係によって、解像度を算出する。
画像処理装置1は、解像度設定部43にて、ヘッダ情報から読み取った解像度Dhと、解像度算出部42で算出した解像度Dsとが同じであるか否かを判定する(ステップS3)。解像度が同じであると判定した場合(ステップS3;YES)、処理する画像の解像度をヘッダ情報から読み取った解像度のままとし、エッジ検出処理を行い(ステップS5)、また、解像度が異なると判定した場合(ステップS3;NO)、処理する画像の解像度を解像度算出部42で算出した解像度Dsとし(ステップS4)、エッジ検出処理を行う(ステップS5)。
なお、ヘッダ情報から読み取った解像度、及び解像度算出部42で算出した解像度の両方について以降の処理を実施して出力画像を生成した後に、いずれの出力画像かがユーザにより選択されることにより、解像度が選択されるような態様でも良く、この態様については後述する。
画像処理装置1は、エッジ検出処理部45にて画像データから原稿画像のエッジを検出する処理を行う(ステップS5)。エッジ検出処理部45では、解像度設定部43にて設定した解像度から、エッジ検出のための検知用解像度(例えば、75dpi)へ画像データを縮小しエッジ検出処理を行う。
エッジ検出処理部45では、画像の水平ライン及び垂直ライン単位で、隣接画素の画素値(輝度信号の値)の差分値が所定の閾値よりも大きな画素位置をエッジとして検出し、エッジとして検出された画素位置に特定の画素値を与えたエッジ画像を生成する。ここで、所定の閾値は、原稿背景と原稿領域との境界を検知可能な値(例えば、3等)に設定すればよい。以降の説明では、水平ライン方向をx軸方向、垂直ライン方向をy軸方向として説明する。
エッジ検出処理部45では、生成されたエッジ画像において、x軸方向に走査した際の最も左側の画素座標を左部エッジ座標、最も右側の画素座標を右部エッジ座標として算出する。ここで、算出される座標数Mは、検知用解像度の縦方向(y軸方向)のサイズに依存する。同様に、y軸方向に走査した際の最も上側の画素座標を上部エッジ座標、最も下側の画素座標を下部エッジ座標として算出する。算出される座標数Nは、検知用解像度の横方向(x軸方向)のサイズに依存する。
図5は、左部エッジ座標及び右部エッジ座標を検出した結果について説明するための模式図であり、図6は、上部エッジ座標及び下部エッジ座標を検出した結果について説明するための模式図である。図5に示すように、左部エッジ座標及び右部エッジ座標は、夫々(Lix,Liy)及び(Rix,Riy)で表わされる。ここで、iは1からMまでの整数である。また、図6に示すように、上部エッジ座標及び下部エッジ座標は、(Tjx,Tjy)及び(Bjx,Bjy)で表わされる。ここで、jは1からNまでの整数である。
つぎに画像処理装置1は、角度算出部46にて、エッジ検出処理部45で検出した原稿画像のエッジ座標から、原稿画像の傾きの角度を算出する(ステップS6)。まず、エッジ検出処理部45で検出したエッジ座標より、各原稿エッジの座標データ間の傾きの変化を検出し、傾きの変化する点(エッジ変化点)を求め、それらエッジ変化点を結ぶ線分を抽出する。次に、抽出された線分の中で、x方向(水平方向、副走査方向)に対して45°以下の線分で、一番長い線分を選択し、該当する線分の開始座標(StartEdgeX,StartEdgeY)及び終端座標(EndEdgeX,EndEdgeY)から原稿画像の傾きの角度を算出する。この場合、原稿画像の傾きの角度をαとすると、
tanα=(EndEdgeY−StartEdgeY)/(EndEdgeX−StartEdgeX)
である。図7は角度αと正接値のテーブルについて説明するための模式図である。図7に示すようなテーブルを予め作成しておき、値を読み取るようにすればよい。
tanα=(EndEdgeY−StartEdgeY)/(EndEdgeX−StartEdgeX)
である。図7は角度αと正接値のテーブルについて説明するための模式図である。図7に示すようなテーブルを予め作成しておき、値を読み取るようにすればよい。
つぎに画像処理装置1は、座標情報変換部47にて、角度算出部46で算出した原稿画像の傾きの角度αを補正量とし、この補正量により補正した補正エッジ座標を算出して座標情報を変換する(ステップS7)。座標情報変換部47は、エッジ検出処理部45により検出された全てのエッジ座標(EdgeX,EdgeY)に対して、角度算出部46で算出された角度で補正した場合の座標情報を次式により変換し、補正エッジ座標(CorrEdgeX,CorrEdgeY)とする(図5及び図6参照)。
つぎに画像処理装置1は、原稿領域検出部48にて、以下の(1)から(9)に示す原稿画像の領域検出処理方法を利用して、有効エッジを抽出して原稿画像の領域を検出する(ステップS8)。なお、原稿領域検出部48での処理をオフすることもでき、この場合は、座標情報変換部47で算出された全ての補正エッジを有効エッジとする。
(1)各上部補正エッジ座標から、上部最大有効エッジを抽出する。
(2)各下部補正エッジ座標から、下部最大有効エッジを抽出する。
(3)上記上部最大有効エッジの延長線上に存在する上部補正エッジ座標を持つエッジを有効エッジとして抽出する。
(4)同様に下部エッジに対して有効エッジを抽出する。
(5)角度αが所定の角度以上の場合は、左部エッジ、右部エッジに対しても、同様に有効エッジを抽出する。
(6)角度αが所定の角度未満の場合は、左部エッジ、右部エッジにそれぞれに対して、信頼度の異なる3種類の最大有効エッジ候補を設定し、後述するように最終的に最大有効エッジを抽出する。
(7)上記左部最大有効エッジの延長線上に存在する左部補正エッジ座標を持つエッジを有効エッジとして抽出する。
(8)同様に右部エッジに対して有効エッジを抽出する。
(9)それぞれの有効エッジに対して、周辺の有効エッジ情報を用いた孤立点ノイズ除去処理を行い、最終的な有効エッジを抽出する。
(1)各上部補正エッジ座標から、上部最大有効エッジを抽出する。
(2)各下部補正エッジ座標から、下部最大有効エッジを抽出する。
(3)上記上部最大有効エッジの延長線上に存在する上部補正エッジ座標を持つエッジを有効エッジとして抽出する。
(4)同様に下部エッジに対して有効エッジを抽出する。
(5)角度αが所定の角度以上の場合は、左部エッジ、右部エッジに対しても、同様に有効エッジを抽出する。
(6)角度αが所定の角度未満の場合は、左部エッジ、右部エッジにそれぞれに対して、信頼度の異なる3種類の最大有効エッジ候補を設定し、後述するように最終的に最大有効エッジを抽出する。
(7)上記左部最大有効エッジの延長線上に存在する左部補正エッジ座標を持つエッジを有効エッジとして抽出する。
(8)同様に右部エッジに対して有効エッジを抽出する。
(9)それぞれの有効エッジに対して、周辺の有効エッジ情報を用いた孤立点ノイズ除去処理を行い、最終的な有効エッジを抽出する。
上述の(1)から(9)までの処理について図8に示すフローチャートに基づき説明する。図8は、原稿画像の領域を検出する処理手順を示すフローチャートである。原稿領域検出部48は、各上部および下部補正エッジ座標に対して、最も端に位置する補正エッジ座標を注目座標とし、その注目座標の位置から数えて2n (1,2,4,8,…)番目の位置の補正エッジ座標と注目座標とのy座標の差分値をそれぞれ求める。あるいは、その注目座標に近接する位置の画素を除いて、その注目座標の位置から数えて2n (4,8,…)番目の位置の補正エッジ座標と注目座標とのy座標の差分値をそれぞれ求める。そして、それら差分値が閾値(例えば「2画素」)以下となる場合をカウントし、このカウント値を該当エッジに対する有効カウントとする。以下、注目座標を順次隣の補正エッジ座標に移していき、全ての補正エッジ座標について同様の処理が完了するまで、処理を繰り返す。これにより、各上部および下部補正エッジ座標に対して、有効カウント値を算出する(ステップS101)。
つぎに、原稿領域検出部48は、上部補正エッジ、下部補正エッジ別に、各補正エッジ座標の有効カウントに対して、あらかじめ設定されている抽出有効カウントパラメータ(例えば「2」)よりも大きい有効カウント値をもつエッジの有効カウント値の平均値(上部補正エッジ有効カウント平均値:AveEdgeCountT,下部補正エッジ有効カウント平均値:AveEdgeCountB)と、有効カウント値の最大値(上部補正エッジ最大有効カウント値:MaxEdgeCountT,下部補正エッジ最大有効カウント値:MaxEdgeCountB)とを算出する(ステップS102)。
つぎに、原稿領域検出部48は、上部補正エッジ有効カウント平均値(AveEdgeCountT)以上の有効カウント値を持つ上部補正エッジのうち、y座標が最も小さいエッジを上部最大有効エッジとして検出する。また、下部補正エッジ有効カウント平均値(AveEdgeCountB)以上の有効カウント値を持つ下部補正エッジのうち、y座標が最も大きいエッジを下部最大有効エッジとして検出する(ステップS103)。
つぎに、原稿領域検出部48は、上部最大有効エッジの補正エッジ座標のy座標と、各上部補正エッジ座標のy座標との差分を求め、差分が設定範囲以下(例えば「2画素」以下)となる上部エッジは、最大有効エッジの延長線上に存在すると判断し、有効エッジとする。それ以外のエッジを無効エッジとする。図9は上部エッジにおける有効エッジ判定を説明するための模式図である。図9に示すように、最大有効エッジの延長線上に存在しないエッジは、ノイズと見なされ、無効エッジと判定される。下部エッジに対しても、同様にして有効エッジと無効エッジの判定を行う(ステップS104)。
つぎに、左部および右部補正エッジに関して、x座標に対して、ステップS101と同様の処理を実施し、各エッジ座標に対して、有効カウント値を算出する(ステップS105)。
つぎに、左部および右部補正エッジに関して、ステップS102と同様の処理を行い、抽出有効カウントパラメータ(例えば「2」)よりも大きい有効カウント値をもつエッジの有効カウントの平均値(左部補正エッジ有効カウント平均値:AveEdgeCountL,右部補正エッジ有効カウント平均値:AveEdgeCountR)と、有効カウント値の最大値(左部補正エッジ最大有効カウント値:MaxEdgeCountL,右部補正エッジ最大有効カウント値:MaxEdgeCountR)とを算出する(ステップS106)。
つぎに、角度算出部46で算出した角度αが閾値以上であるか否かを判定し(ステップS107)、角度αが閾値以上の場合(ステップS107:YES)、第1の原稿領域検出処理を行い(ステップS108)、角度αが閾値未満の場合(ステップS107:NO)には第2の原稿領域検出処理を行う(ステップS109及びS110)。
第1の原稿領域検出処理では、ステップS108において、左部補正エッジ情報および右部補正エッジ情報に関して、ステップS103と同様の処理を実施し、左部最大有効エッジおよび右部最大有効エッジを検出する。
第2の原稿領域検出処理では、ステップS109において、左部補正エッジ情報および右部補正エッジ情報に関して、3種類の最大有効エッジ候補(第1から第3の最大有効エッジ候補)を設定する。図10は、左部補正エッジ情報に関する3種類の最大有効エッジ候補を説明するための模式図である。
図10に示す第1の最大有効エッジ候補は、ステップS108の第1の原稿領域検出処理と同様の処理により設定する。
第2の最大有効エッジ候補(第2の処理)は、上部有効補正エッジ(座標変換後の有効エッジ(有効補正エッジ))の端部および下部有効補正エッジ(座標変換後の有効エッジ(有効補正エッジ))の端部よりも外側のエッジ、かつ左部補正エッジ有効カウント平均値(AveEdgeCountL)および右部補正エッジ有効カウント平均値(AveEdgeCountR)以上のカウント値を持つ補正エッジ情報のうち、最も外側のエッジを設定する。
第3の最大有効エッジ候補(第1の処理)は、上部有効補正エッジおよび下部有効補正エッジの端部を中心とする特定範囲内のエッジ、かつ左部補正エッジ有効カウント平均値(AveEdgeCountL)および右部補正エッジ有効カウント平均値(AveEdgeCountR)以上のカウント値を持つ補正エッジ情報のうち、最も外側のエッジを設定する。
つぎに、原稿領域検出部48は、第1から第3の最大有効エッジ候補(第1から第3の左部および右部最大有効エッジ候補)より、いずれか一つの最大有効エッジ候補(左部および右部最大有効エッジ候補)を決定する(ステップS110)。
この選択において、第3の最大有効エッジ候補(第1の処理)は、上部および下部に関するエッジの情報も利用し、範囲を限定して抽出されるため、最も信頼度の高い情報となる。したがって、第3の最大有効エッジ候補が存在する場合は、このエッジを最大有効エッジとする。すなわち、第3の最大有効エッジ候補による処理(第1の処理)は、上述の第1の原稿領域検出処理、および第2の最大有効エッジ候補による処理(第2の処理)よりも原稿領域を検出する範囲を限定した条件にて、検出された各エッジについて原稿画像のエッジと見なし得る有効エッジであるかノイズであるかを判定するものである。
第2の最大有効エッジ候補は、極力コンテンツの欠けを無くすために、なるべく外側のエッジまで含むように抽出される。したがって、第3の最大有効エッジ候補が存在しない場合は、このエッジを最大有効エッジとする。
第1の最大有効エッジ候補は、実際の原稿エッジを抽出できなかった場合でも、原稿内のコンテンツの欠けが発生しないように抽出される。したがって、第3および第2の最大有効エッジ候補がともに存在しない場合のみ、このエッジを最大有効エッジとする。
以上のように、第1から第3の最大有効エッジ候補の選択優先度は、第3の最大有効エッジ候補、第2の最大有効エッジ候補、第1の最大有効エッジ候補の順番となる。
つぎに、第1または第2の原稿領域検出処理によって決定された左部補正エッジ情報および右部補正エッジ情報に関して、ステップS104と同様の処理を実施し、有効エッジおよび無効エッジを判定する(ステップS111)。
ここで、ステップS111において有効エッジと判定されたもののなかにも、孤立点ノイズが含まれている場合がある。図11は、左部有効エッジに関する孤立点ノイズを説明するための模式図である。原稿領域検出部48は、ステップS111において有効エッジと判定されたものを、有効エッジと孤立点ノイズとに切り分ける処理を行う(ステップS112)。
図11に示すように、この処理では、ステップS111において有効エッジと判定されたもののうち、原稿の上部有効エッジおよび下部有効エッジよりも外側に存在する左部エッジおよび右部エッジ、並びに原稿の左部有効エッジおよび右部有効エッジよりも外側に存在する上部エッジおよび下部エッジに対して、そのエッジ(処理対象エッジ)の周辺の有効エッジ情報を用いて、すなわちそのエッジ(処理対象エッジ)の周辺の有効エッジ数に応じて、その処理対象エッジが有効エッジか孤立点ノイズかを判定する。
上記判定では、たとえば処理対象エッジの周辺の有効エッジ数が所定数以上の場合には、その処理対象エッジを有効エッジと判定する。一方、処理対象エッジの周辺の有効エッジ数が所定数未満の場合には、その処理対象エッジを孤立点ノイズと判定する。
さて、図3に示すフローチャートに戻って、画像処理装置1は、補正用パラメータ生成部49にて、有効エッジとして抽出された補正エッジ座標と、所定のマージンオフセット値(Offset)とにより、補正処理開始座標(StartX,StartY)、補正後の原稿の高さ及び幅を算出し、角度算出部46で算出した原稿画像の傾きを補正する補正量とともに、原稿傾き・サイズ補正パラメータとして生成し出力する(ステップS9)。ここで、マージンオフセット値は、原稿のエッジを内側に設定するために用いるものであり、例えば、その値をー5などと設定する。また、マージンオフセット値によるオフセットが不要である場合には、その値は0と設定する。
補正処理開始座標(StartX,StartY)は、有効補正エッジ座標内におけるx座標の最小値(CorrEdgeMinX)、y座標の最小値(CorrEdgeMinY)を次の変換式によって実際の座標系に戻した座標値として設定する。
補正後原稿高さは、以下の式により算出する。
(補正後原稿高さ)=(補正エッジ座標内のy座標の最大値)
−(補正エッジ座標内のy座標の最小値)+2×Offset
(補正後原稿高さ)=(補正エッジ座標内のy座標の最大値)
−(補正エッジ座標内のy座標の最小値)+2×Offset
また、補正後原稿幅は、以下の式により算出する。
(補正後原稿幅)=(補正エッジ座標内のx座標の最大値)
−補正エッジ座標内のx座標の最小値+2×Offset
(補正後原稿幅)=(補正エッジ座標内のx座標の最大値)
−補正エッジ座標内のx座標の最小値+2×Offset
補正用パラメータ生成部49は、算出した補正処理開始座標、補正後の原稿の高さ及び幅を補正用解像度(解像度設定部43にて設定した解像度)に合わせた値に変換し、角度情報(角度算出部46で算出した角度α)とともに検知情報として出力する。この検知情報を用いることによって、原稿カバーが開いた状態でスキャンされた入力画像に対して、補正後の画像端部に黒色領域が残らないように原稿傾き・サイズ補正処理を行うことができる。
また、算出された補正後の原稿の高さ及び幅については、出力解像度別の定型用紙サイズに関するテーブルを用いて、対応する定型サイズに変換した値を用いてもよい。図12は、解像度が300dpiである場合の定型用紙サイズのテーブルを説明するための模式図である。
ここで、対応する定型用紙サイズを決定する方法としては、まず、算出された補正後原稿幅が定型用紙サイズテーブルの幅以下になる最初の範囲で定型用紙サイズを絞り込み、さらに、定型用紙サイズテーブルの高さが補正後原稿高さとなる最初の定型用紙サイズを、対応する定型用紙サイズとして設定する。
例えば、300dpi換算時の算出された補正後原稿幅が2480ピクセル、補正後原稿高さ3500ピクセルであった場合、まず、補正後原稿幅より、A4または、A5Rに絞り込まれ、さらに補正後原稿高さより、A4サイズが対応する定型用紙サイズとして選択される。また、定型用紙サイズテーブルの設定値は、サイズ検知結果の誤差を考慮して、実際のサイズよりも約10mm程度大きくなる画素数で設定されている。
また、補正用パラメータ生成部49は、補正後の原稿の高さ及び幅を対応する定型サイズに変換するとともに、補正処理開始座標も、原稿画像の領域が対応する定型用紙サイズの中心となるように変換しても良い。
ここで、対応する定型用紙サイズを決定する方法としては、上述の定型用紙サイズテーブルを用いて、算出された原稿画像の領域が全ておさまる最小の定型用紙サイズを対応する定型用紙サイズとして設定する。
例えば、300dpi換算時の算出された原稿画像の領域幅が2000ピクセル、原稿画像の領域高さ3200ピクセルであった場合、まず、コンテンツ領域よりも大きい用紙サイズはA3、B4、A4サイズに絞り込まれ、この中で最小の定型用紙サイズはA4であるため、A4が定型用紙サイズとして選択される。
選択された定型用紙サイズをもとに、用紙サイズの中心に原稿画像の領域が設定されるように、原稿領域開始座標(StartX,StartY)を次の式により算出する。
ここで、CorrEdgeMinX’及びCorrEdgeMinY’は夫々次式により与えられる。
CorrEdgeMinX’=CorrEdgeMinX−(用紙サイズ幅−補正後原稿幅)÷2
CorrEdgeMinY’=CorrEdgeMinY−(用紙サイズ高さ−補正後原稿高さ)÷2
CorrEdgeMinX’=CorrEdgeMinX−(用紙サイズ幅−補正後原稿幅)÷2
CorrEdgeMinY’=CorrEdgeMinY−(用紙サイズ高さ−補正後原稿高さ)÷2
(原稿画像の傾き及びサイズの補正処理)
原稿傾き・サイズ補正部5は、原稿傾き・サイズ検出部4により検出された原稿画像の傾き、補正処理開始座標、サイズ(補正後原稿高さ及び幅)を用いて画像データを補正する処理を行う。図13は原稿画像の傾き及びサイズを補正する処理手順を示すフローチャートである。画像処理装置1は、原稿傾き・サイズ補正部5で、画像データを読み込み(ステップS10)、画像データの傾き及びサイズ補正をして、出力画像データを生成し(ステップS11)、出力画像データを記憶部31またはRAM3c等へ書き込む(ステップS12)。
原稿傾き・サイズ補正部5は、原稿傾き・サイズ検出部4により検出された原稿画像の傾き、補正処理開始座標、サイズ(補正後原稿高さ及び幅)を用いて画像データを補正する処理を行う。図13は原稿画像の傾き及びサイズを補正する処理手順を示すフローチャートである。画像処理装置1は、原稿傾き・サイズ補正部5で、画像データを読み込み(ステップS10)、画像データの傾き及びサイズ補正をして、出力画像データを生成し(ステップS11)、出力画像データを記憶部31またはRAM3c等へ書き込む(ステップS12)。
原稿傾き・サイズの補正処理は、補正処理開始座標に基づき角度α回転させて、原稿画像領域となる補正後原稿高さ及び幅に係る画像を生成するものである。このような画像の回転を行う補正処理としては、回転行列を用いたアフィン変換処理などが一般的である。以下の説明では、座標系をθ回転したときの座標変換と画素値の導出について説明するが、上述のとおり、角度算出部46で算出した角度αをθに代入して、原稿画像の傾きの補正を行う。
一般的に座標(x,y)をθ回転させた座標(x’,y’)は、次式による回転行列式を用いて表される。
画像の画素値として出力する場合には、整数値(x’,y’)に対応する小数値(xs,ys)を上式の逆変換式である次の式により導いておき、これをバイリニア等で補間演算する。
この式によって、(x’,y’)を求めるにあたって必要となる(xs,ys)がわかる。回転補正前のx−y座標系において、(xs+StartX,ys+StartY)を含む4点の画素の画素値は与えられている。図14は回転補正における画素値の算出方法を説明するための模式図である。図14に示すように、(StartX,StartY)を原点とする座標系で見たときに、xi ≦xs<xi+1 、yj ≦ys<yj+1 とし、xs−xi とxi+1−xsの比がu:1−u、ys−yi とyi+1−ysの比がv:1−vとなるu,vを求める。ただし、u及びvは、共に0以上1未満の数値である。周辺4点(xi ,yj )、(xi+1 ,yj )、(xi ,yj+1 )、(xi+1 ,yj+1 )における各画素の画素値を夫々、Z1 、Z2 、Z3 、Z4 とすると、バイリニアによる補間後の画素値Zは、次式により求められる。
ここで用いられる三角比の値も上述の正接に関するテーブル(図7参照)を用いれば高速に演算可能である。回転補正後の(x’,y’)は、0≦x’<(補正後原稿幅)、0≦y’<(補正後原稿高さ)となる。
原稿傾き・サイズ補正部5は、上述のように補正した画像を解像度設定部43にて設定した解像度を属性として有する出力画像として出力し、ファイル形式に保存、画面表示、印刷等の処理を行う。
以上のように、例えば画像ファイルのヘッダ情報が解像度のみ修正されてしまった場合にも、解像度設定部43にて、ヘッダ情報から読み取った解像度と解像度算出部42で算出した解像度とが異なることが判定され、解像度算出部42で算出した原稿画像の読み取り時の解像度に基づいて、原稿傾き・サイズ検出部4及び原稿傾き・サイズ補正部5による原稿画像の傾き・サイズの検出及び補正によって、原稿画像のコンテンツ部分の欠けを抑え、補正処理後に出力する出力画像を元の原稿サイズによる画像として生成することができる。
また、画像データを格納するファイルのヘッダ情報から読み取った解像度、及び解像度算出部42で算出した解像度の両方についての処理を実施して出力画像を生成した後に、いずれか一方の出力画像がユーザによって選択されることにより、解像度が選択されるような態様とすることもできる。図15は、ヘッダ情報から読み取った解像度と算出した解像度とが異なる場合の他の処理手順を示すフローチャートである。
図15に示すように、この処理手順では、ヘッダ情報から読み取った解像度Dhと解像度算出部42で算出した解像度Dsとが異なる場合に、両方の解像度について、エッジを検出する処理(ステップS21)、原稿画像の傾きを検出する角度検出処理(ステップS22)、座標情報の変換処理(ステップS23)、原稿画像の領域検出(ステップS24)、補正用パラメータの生成(ステップS25)、補正用パラメータによる傾き・サイズの補正(ステップS26)を行う。ステップS21からステップS25までの各処理は、上述の図3におけるステップS5からステップS9と同等であり、またステップS26における処理は、上述の図13におけるステップS11と同等であり、説明を省略する。
つぎに、画像処理装置1は、制御部3により、ヘッダ情報から読み取った解像度Dhと解像度算出部42で算出した解像度Dsとの両ケースについて生成した出力画像をディスプレイ33に表示し(ステップS27)、いずれかの画像をユーザが選択できるように、選択ボタンを配置するなど選択指令を受け付ける画面を表示し、ユーザによる選択指令を受け付ける(ステップS28)。
図16はディスプレイ33に出力画像を表示する一例を説明するための模式図である。図16に示す例では、原稿画像部分と、ヘッダ情報から読み取った解像度Dh及び解像度算出部42で算出した解像度Dsの両ケースによる出力画像の外形とを表示している。
つぎに、ステップS28で受け付けたユーザによる選択指令によって選択される出力画像データを記憶部31またはRAM3c等へ書き込む(ステップS29)。
このように、ユーザの選択指令を受け付けることによって、ヘッダ情報から読み取った解像度Dhまたは解像度算出部42で算出した解像度Dsのいずれかの解像度によって原稿画像の傾き・サイズの検出及び補正をした出力画像を選択することができるようになるので、ユーザによる利便性が向上する。
また、本発明に係る画像処理を画像処理装置等のハードウェアが行う構成として実現するのみでなく、コンピュータに画像処理を実行させるコンピュータプログラムとして実現することもでき、このコンピュータプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム又はソースプログラム等)を、コンピュータにて読み取ることができる記録媒体に記録する構成とすることができる。これにより、本発明に係る画像処理を行うコンピュータプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
なお、本発明に係る画像処理を行うコンピュータプログラムを記録する記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示していないメモリ、例えばROMのようなプログラムメディアであっても良いし、また図示しない外部記憶装置としてのプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであってもよい。
いずれの場合においても、格納されているプログラムコードはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムコードが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のコンピュータプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD(Compact Disc)−ROM/MO(Magneto-Optical disk)/MD(Mini Disk)/DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクのディスク系、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
また、画像処理装置等の装置がインターネットを含む通信ネットワークに接続してデータの送受信を行うことができる構成の場合には、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからコンピュータプログラムコードをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは、予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、上記のコンピュータプログラムのプログラムコードが、電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
これらの記録媒体は、画像処理装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読取装置に装着され、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムが読み取られて実行されることにより、上述した本発明に係る画像処理が実行される。
コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより上述の本発明に係る画像処理方法などの様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイなどの画像表示装置、及びコンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバなどに接続するための通信手段としてのネットワークカードやモデムなどが備えられる。
以上説明した実施の形態は本発明の例示であり、本発明は特許請求の範囲に記載された事項及び特許請求の範囲の記載に基づいて定められる範囲内において種々変更した形態で実施することができる。
1 画像処理装置
3 制御部(選択受付部)
31 記憶部
42 解像度算出部
46 角度算出部(傾き補正量算出部)
49 補正用パラメータ生成部(画像サイズ選択部)
5 原稿傾き・サイズ補正部(画像生成部)
3 制御部(選択受付部)
31 記憶部
42 解像度算出部
46 角度算出部(傾き補正量算出部)
49 補正用パラメータ生成部(画像サイズ選択部)
5 原稿傾き・サイズ補正部(画像生成部)
Claims (7)
- 原稿を読み取って生成され、解像度及び画素数の情報が付加された画像データを処理する画像処理装置において、
複数の定型サイズを記憶した記憶部と、
所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、前記画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出する解像度算出部と、
前記画像データから原稿画像のエッジを検出し、検出したエッジに基づいて原稿読み取りに係る基準線に対する原稿画像の傾きを補正する補正量を算出する傾き補正量算出部と、
前記画像データに付加された解像度と前記解像度算出部で算出した解像度とが異なる場合に、前記解像度算出部で算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを前記記憶部に記憶した複数の定型サイズの中から選択する画像サイズ選択部と、
前記傾き補正量算出部で算出した補正量により前記画像データを補正し、前記画像サイズ選択部により選択した画像サイズの出力画像を生成する画像生成部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像データに付加された解像度に基づいて原稿画像を包含する第2の画像サイズを前記記憶部に記憶した複数の定型サイズの中から選択し、
前記画像生成部は、前記傾き補正量算出部で算出した補正量により前記画像データを補正し、前記第2の画像サイズの第2の出力画像を生成し、
前記画像生成部が生成した前記出力画像及び前記第2の出力画像のいずれかを選択する指令を受け付ける選択受付部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 原稿を読み取って生成され、解像度及び画素数の情報が付加された画像データの処理を行う画像処理方法において、
複数の定型サイズを記憶する記憶ステップと、
所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、前記画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出する解像度算出ステップと、
前記画像データから原稿画像のエッジを検出し、検出したエッジに基づいて原稿読み取りに係る基準線に対する原稿画像の傾きを補正する補正量を算出する傾き補正量算出ステップと、
前記画像データに付加された解像度と前記解像度算出ステップで算出した解像度とが異なる場合に、前記解像度算出ステップで算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定型サイズの中から選択する画像サイズ選択ステップと、
前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記画像サイズ選択ステップにより選択した画像サイズの出力画像を生成する画像生成ステップと
を備えたことを特徴とする画像処理方法。 - 前記画像データに付加された解像度に基づいて原稿画像を包含する第2の画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定型サイズの中から選択し、
前記画像生成ステップは、前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記第2の画像サイズの第2の出力画像を生成し、
前記画像生成ステップで生成した前記出力画像及び前記第2の出力画像のいずれかを選択する指令を受け付ける選択受付ステップをさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。 - コンピュータに、原稿を読み取って生成され、解像度及び画素数の情報が付加された画像データの処理を行わせるコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、複数の定型サイズを記憶させる記憶ステップと、
コンピュータに、所定の画像サイズにおける画素数と解像度との対応関係に基づいて、前記画像データに付加された画素数に対応する解像度を算出させる解像度算出ステップと、
コンピュータに、前記画像データから原稿画像のエッジを検出し、検出したエッジに基づいて原稿読み取りに係る基準線に対する原稿画像の傾きを補正する補正量を算出させる傾き補正量算出ステップと、
コンピュータに、前記画像データに付加された解像度と前記解像度算出ステップで算出した解像度とが異なる場合に、前記解像度算出ステップで算出した解像度に基づいて原稿画像を包含する画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定型サイズの中から選択させる画像サイズ選択ステップと、
コンピュータに、前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記画像サイズ選択ステップにより選択した画像サイズの出力画像を生成させる画像生成ステップと
を行わせることを特徴とするコンピュータプログラム。 - コンピュータに、前記画像データに付加された解像度に基づいて原稿画像を包含する第2の画像サイズを前記記憶ステップで記憶した複数の定型サイズの中から選択させ、
前記画像生成ステップは、コンピュータに、前記傾き補正量算出ステップで算出した補正量により前記画像データを補正し、前記第2の画像サイズの第2の出力画像を生成させ、
コンピュータに、前記画像生成ステップで生成した前記出力画像及び前記第2の出力画像のいずれかを選択する指令を受け付けさせる選択受付ステップをさらに行わせることを特徴とする請求項5に記載のコンピュータプログラム。 - 請求項5または請求項6に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータでの読取り可能な記録媒体。
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2011
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