JP5677335B2 - ガスタービン燃焼器およびガスタービン - Google Patents

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本発明の実施形態は、ガスタービン燃焼器およびガスタービンに関する。
ガスタービンプラントやコンバインドサイクルプラントなどで使用されるガスタービンでは、高効率化のため、作動条件が高温高圧となり、NOxの排出量が増大する傾向にある。NOxの生成の要因としては、火炎温度が支配的である。そのため、NOxの生成を抑制するためには、火炎温度を低下させることが効果的である。
火炎温度の局所的な高温化を抑制し、NOxの排出量を抑制する燃焼方法として、予混合希薄燃焼が利用されている。この予混合希薄燃焼では、燃料と空気とを燃料希薄条件で予め混合した予混合気を燃焼させる。
予混合希薄燃焼では、燃焼範囲が狭いという欠点を有しており、この欠点を補うために種々の工夫がなされている。ガスタービン燃焼器において、上記した予混合希薄燃焼に、例えば、広い燃焼範囲を有し、安定した燃焼が可能な拡散燃焼を併用することも行われている。また、予混合希薄燃焼における火炎の安定化を図るために、燃焼領域の温度を常に所定温度以上としたり、保炎機構を設けたりしている。
図10は、従来のガスタービン燃焼器200の断面を示した図である。図11および図12は、従来のガスタービン燃焼器200の予混合ダクト214の断面の一部を示した図である。なお、図11および図12において、メイン燃料ノズル217に燃料を供給する燃料供給系統の図示を省略している。
図10に示すように、ガスタービン燃焼器200は、頭部側の中央にパイロットノズル210を備えた燃焼器ライナ211を備えている。
燃焼器ライナ211の周囲は、ガスタービン外筒213で覆われ、燃焼器ライナ211とガスタービン外筒213との間には、燃料と空気からなる予混合気を形成する予混合ダクト214が備えられている。この予混合ダクト214は、燃焼器ライナ211の周囲に周方向に複数備えられている。
予混合ダクト214の出口214aは、複数形成され、各出口214aが燃焼器ライナ211内の燃焼室215に連通している。そして、各出口214aを介して燃焼室215に予混合気が供給される。また、燃焼器ライナ211とガスタービン外筒213との間は、圧縮機(図示しない)からの高温高圧の燃焼用の空気216が、予混合ダクト214の頭部側に向かって流れる流路として機能している。
図11および図12に示すように、予混合ダクト214の入口開口部(上流側端部)に対向するように、メイン燃料ノズル217の燃料噴射孔217aが備えられている。予混合ダクト214には、この燃料噴射孔217aから噴射された燃料218と、燃焼用の空気216の一部とが流れ込む。そして、予混合ダクト214内において予混合気が形成される。
メイン燃料ノズル217は、図11および図12に示すように、単孔からなる燃料噴射孔217aまたは多孔からなる燃料噴射孔217aを有する円筒体で構成されている。一つの予混合ダクト214には、例えば、2本のメイン燃料ノズル217が所定の間隔をあけて配置されている。
特開2007−232234号公報
上記した従来の、単孔からなる燃料噴射孔217aを有するメイン燃料ノズル217を備えた予混合ダクト214においては、燃料218と空気216の混合が促進されず、燃料濃度が不均一な予混合気が形成されることがある。そのため、予混合気において、例えば、化学量論比付近の燃料濃度となる部分含む場合には、NOxの排出量が増大する。
また、上記した従来の、多孔からなる燃料噴射孔217aを有するメイン燃料ノズル217を備えた予混合ダクト214においては、燃料218と空気216の混合は促進される。しかしながら、予混合気形成の際に、燃焼室215の火炎が予混合ダクト214内に進入した場合、図12に示すような、メイン燃料ノズル217の下流側に形成される渦流219によって、メイン燃料ノズル217の下流側に保炎することがある。予混合ダクト214内でこのような燃焼が継続すると、予混合ダクト214が焼損する。
本発明が解決しようとする課題は、NOxの排出量を低減することができるとともに、予混合気を形成する予混合ダクトの焼損を防止することができるガスタービン燃焼器およびガスタービンを提供するものである。
実施形態のガスタービン燃焼器は、筒状の燃焼室を形成する燃焼器ライナと、前記燃焼器ライナの頭部の中央に設けられたパイロット燃料噴射部と、前記燃焼器ライナの外周に前記燃焼器ライナの軸方向に沿って延設され、前記燃焼室に、燃料と空気からなる予混合気を供給する予混合ダクトと、燃料噴射口が前記予混合ダクトの入口開口に対向するように設けられたメイン燃料噴射部とを備える。
そして、前記燃料噴射口を有する前記メイン燃料噴射部の端面は、幅T1を有して一方の方向に延設され、前記幅T1が、前記幅T1方向の前記燃料噴射口の幅T2の2倍以下、かつ前記幅T2以上である。
第1の実施の形態のガスタービン燃焼器を備えるガスタービンの子午断面を示す図である。 第1の実施の形態のガスタービン燃焼器の断面を示す図である。 第1の実施の形態のガスタービン燃焼器におけるメイン燃料噴射部の断面を模式的に示した図である。 第1の実施の形態のガスタービン燃焼器におけるメイン燃料噴射部を、予混合ダクトの入口開口側から見たときの平面図である。 第1の実施の形態のガスタービン燃焼器において、幅T1が幅T2と等しくなるときのメイン燃料噴射部の断面を模式的に示した図である。 第1の実施の形態のガスタービン燃焼器における、他の形状のメイン燃料噴射部を、予混合ダクトの入口開口側から見たときの平面図である。 第2の実施の形態のガスタービン燃焼器におけるメイン燃料噴射部を、予混合ダクトの入口開口側から見たときの平面図である。 幅T1が保炎に及ぼす影響を調べた試験結果を示す図である。 距離LがNOx排出量に及ぼす影響を調べた試験結果を示す図である。 従来のガスタービン燃焼器の断面を示した図である。 従来のガスタービン燃焼器の予混合ダクトの断面の一部を示した図である。 従来のガスタービン燃焼器の予混合ダクトの断面の一部を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10を備えるガスタービン150の子午断面を示す図である。図2は、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10の断面を示す図である。なお、図1では、ガスタービン燃焼器10は断面で示していない。
図1に示すように、ガスタービン150は、圧縮機151と、ガスタービン燃焼器10と、タービン152とを主に備える。圧縮機151では、大気から空気を吸い込み、高温高圧の燃焼用の空気とする。ガスタービン燃焼器10では、圧縮機151からの燃焼用の空気に燃料を混合し、燃焼させ、高温高圧の燃焼ガスを発生させる。タービン152では、ガスタービン燃焼器10によって生成された燃焼ガスを通過させることで仕事がなされ、回転力を得る。なお、ガスタービン燃焼器10から排出された燃焼ガスは、トランジションピース153を通りタービン152内に流入する。
タービン152で得られた回転力は、圧縮機151に伝えられ、圧縮機151を駆動する。また、この回転力は、図示しない発電機にも伝えられ、軸出力として取り出される。タービン152で仕事をした燃焼ガスは、ガスタービン150から外部に排気される。
次に、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10の構成について説明する。
図2に示すように、ガスタービン燃焼器10は、ガスタービンケーシング20に収容され、外筒21内に同心的に二重筒として形成された内筒である燃焼器ライナ22を備えている。また、燃焼器ライナ22の頭部の中央には、パイロット燃料噴射部30が設けられている。パイロット燃料噴射部30は、例えば、燃焼器ライナ22の頭部における、燃焼器ライナ22の中心軸と同軸上に設けられる。また、燃焼器ライナ22の下流側には、燃焼ガスをタービン152に導く、トランジションピース153が設けられている。
燃焼器ライナ22は、ガスタービン150を駆動する燃焼ガスを生成する筒状の燃焼室23を形成するとともに、外筒21との間に空気通路24を形成している。この空気通路24には、トランジションピース153の噴出孔(図示せず)から導入された、圧縮機151からの高圧の空気ARが、パイロット燃料噴射部30側へ向かって流れる。なお、この際、高圧の空気ARは、トランジションピース153や燃焼器ライナ22を冷却しながら流れる。
空気通路24には、燃焼器ライナ22の軸方向に沿って延設された予混合ダクト40が備えられている。また、予混合ダクト40は、燃焼器ライナ22の外周の周方向に複数備えられている。各予混合ダクト40は、燃焼室23に、燃料Fと空気ARからなる予混合気を供給する複数の出口42を有している。
パイロット燃料噴射部30の外周には、予混合ダクト40内に燃料Fを供給するメイン燃料噴射部50が備えられている。メイン燃料噴射部50の予混合ダクト40側の端面に形成された燃料噴射口51は、予混合ダクト40の入口開口41に対向するように設けられている。
メイン燃料噴射部50およびパイロット燃料噴射部30は、外筒21内に収容されている。メイン燃料噴射部50は、ヘッドプレート25から予混合ダクト40側に、パイロット燃料噴射部30は、ヘッドプレート25から燃焼器ライナ22の頭部側まで延びている。
パイロット燃料噴射部30は、例えば、図2に示すように、中央に、燃焼室23内における保炎を確保するための拡散燃焼用燃料噴射部31を備えている。そして、拡散燃焼用燃料噴射部31の外周に、燃料Fと空気ARを予め混合した予混合気を燃焼室23内に噴射する予混燃焼用燃料噴射部32を備えている。空気通路24を介してパイロット燃料噴射部30側に導かれた燃焼用の空気ARの一部を予混燃焼用燃料噴射部32内に導入し、燃料Fと混合して予混合気を形成している。
一方、空気通路24を介してパイロット燃料噴射部30側に導かれた燃焼用の空気ARの残りは、メイン燃料噴射部50の燃料噴射口51から噴射された燃料Fとともに、予混合ダクト40の入口開口41から予混合ダクト40内に導かれる。そして、予混合気は、予混合ダクト40の複数の出口42から燃焼室23内に導かれ、燃焼する。
なお、パイロット燃料噴射部30およびメイン燃料噴射部50には、図示しない燃料供給機構から所定の流量の燃料Fが供給される。
ここで、メイン燃料噴射部50の構成についてさらに詳しく説明する。
図3は、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10におけるメイン燃料噴射部50の断面を模式的に示した図である。図4は、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10におけるメイン燃料噴射部50を、予混合ダクト40の入口開口41側から見たときの平面図である。なお、図4では、メイン燃料噴射部50と予混合ダクト40の入口開口41との位置関係を説明するために、予混合ダクト40の入口開口41の形状を破線で示している。
図3および図4に示すように、メイン燃料噴射部50は、一方の方向に延設されたブロック体で構成され、端面52に複数の燃料噴射口51を備えている。また、少なくとも、メイン燃料噴射部50における端面52は、幅T1を有して一方の方向に延設されている。
予混合ダクト40は、上記したように、燃焼器ライナ22の周方向に、燃焼器ライナ22と同心円的に配置される。そのため、予混合ダクト40は、燃焼器ライナ22の周方向に沿う方向に曲率を有して形成されている。予混合ダクト40の入口開口41に対向配置される、メイン燃料噴射部50も、予混合ダクト40と同様に、燃焼器ライナ22と同心円的に配置される。そのため、メイン燃料噴射部50の端面52は、燃焼器ライナ22の周方向に沿う方向に曲率を有して延設される。
ここで、幅T1は、幅T1方向の燃料噴射口51の幅T2の2倍以下、かつ幅T2以上であることが好ましい。幅T1が幅T2の2倍を超える場合には、燃料噴射口51の下流に渦流が形成される。なお、幅T2は、燃料噴射口51の孔径に相当するものである。また、メイン燃料噴射部50の端面52は、上記したように曲率を有して延設されているため、幅T1方向は、曲率半径方向となる。
図5は、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10において、幅T1が幅T2と等しくなるときのメイン燃料噴射部50の断面を模式的に示した図である。図5に示すように、幅T1が幅T2と等しくなるときには、燃料噴射口51の上流側(図5では左側)から燃料噴射口51側に流路断面積が徐々に広がり、端面52において幅T1と幅T2とが等しくなっている。
燃料噴射口51の孔径、すなわち幅T2は、1mm〜5mm程度に設定することが好ましい。また、1つのメイン燃料噴射部50に形成される燃料噴射口51の個数は、5個以上備えられているが好ましい。なお、燃料噴射口51の個数の上限は特に限定されるものではなく、例えば、製造上の観点から、制限を受ける場合がある。
ここで、燃料噴射口51を上記した範囲に設定することが好ましい理由を次に述べる。燃料噴射口51の面積は、燃料噴射口51の上流側と下流側における差圧に基づいて設定される。例えば、燃料噴射口51の面積が大きい場合、燃料流量が少ない条件(ガスタービン150の負荷が小さい条件)では、上記した差圧が小さくなる。そのため、不安定燃焼の原因となる。
一方、上記した燃料噴射口51の面積が大きいときと同じ個数の燃料噴射口51を備え、各燃料噴射口51の面積を小さくした場合、ガスタービン150の最大負荷運転時に、燃料噴射口51の上流側における圧力が増加し、燃料Fの供給圧力を大きくすることが必要となる。そのため、燃料Fを供給する燃料供給機構の能力を増大しなければならず、装置のコストが増加する。なお、燃料Fの供給圧力が、燃料噴射口51の上流側における圧力よりも小さい場合には、必要な燃料流量が得られない。
このように、最適な燃料噴射口51を得るためには、燃料噴射口51の孔径と個数を適正な範囲で構成することが必要となる。そこで、ガスタービンの作動条件に基づいて、上記した範囲内で、燃料噴射口51の孔径および個数を設定することとした。
ここで、図4に示す、両端側に位置する燃料噴射口51と、端面52の端縁54との間の距離Uは、0以上幅T2以下であることが好ましい。距離Uが幅T2を超える場合には、端縁54側の端面52の下流に、大きな逆流域が形成される。ここで、距離Uが0の場合とは、燃料噴射口51の上流側から燃料噴射口51側に流路断面積が徐々に広がり、端面52において燃料噴射口51の一部が端縁54に接する場合である。
メイン燃料噴射部50は、図3および図4に示すように、燃料噴射口51を有する端面52の中心53(断面中心)と、予混合ダクト40の入口開口41の中心43(断面中心)とが対向するように配置されている。さらに、メイン燃料噴射部50の延設方向と入口開口41の長手方向とを対応させて、メイン燃料噴射部50が配置されている。
ここで、メイン燃料噴射部50の端面52は、予混合ダクト40の入口開口41よりも予混合ダクト40の外側(図3では左側)に0〜5mmに位置することが好ましい。メイン燃料噴射部50の端面52を上記した位置となるように構成することで、予混合ダクト40の入口開口41における流れを乱さず、かつ燃料Fが予混合ダクト40の外に漏れ出ることもない。
なお、メイン燃料噴射部50の端面52が、予混合ダクト40の入口開口41よりも予混合ダクト40の外側に0mmに位置する場合とは、端面52と入口開口41が同一平面上にある場合である。この場合、端面52の中心53と入口開口41の中心43とが一致する。一方、メイン燃料噴射部50の端面52は、予混合ダクト40の入口開口41よりも予混合ダクト40の外側にある場合(上記0mmの位置の場合を含まない)には、端面52の中心53は、入口開口41の中心43と距離をあけた対向する位置となる。
メイン燃料噴射部50の端面52における、幅T1方向の中心を通る中心線Mが、端面52の両端縁54とそれぞれ交わる2点(P、Q)間の距離Lは、中心線Mの延長線が予混合ダクト40の入口開口41の両端縁44とそれぞれ交わる2点(R、S)間の距離Wの1/2倍以上に設定されることが好ましい。
距離Lをこの範囲とすることが好ましいのは、距離Lが距離Wの1/2倍未満の場合には、予混合ダクト40内における燃料Fと空気ARの混合が促進されず、NOxの排出量が増加するからである。なお、距離Lの上限は、距離Wとなる。
ここでは、図4に示すように、メイン燃料噴射部50の端面52が、燃焼器ライナ22の周方向に沿う方向に曲率を有して延設されている一例を示したが、この形状に限られるものではない。図6は、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10における、他の形状のメイン燃料噴射部50を、予混合ダクト40の入口開口41側から見たときの平面図である。なお、図6では、メイン燃料噴射部50と予混合ダクト40の入口開口41との位置関係を説明するために、予混合ダクト40の入口開口41の形状を破線で示している。
図6に示すように、メイン燃料噴射部50の端面52が一方の方向に直線的に延設されるようにメイン燃料噴射部50を構成してもよい。この場合、幅T1方向の中心を通る中心線Mは直線となる。
なお、この場合においても、燃料噴射口51を有する端面52の中心53と、予混合ダクト40の入口開口41の中心43とが対向または一致するように配置されている。また、メイン燃料噴射部50の延設方向と入口開口41の長手方向とを対応させて、メイン燃料噴射部50が配置されている。メイン燃料噴射部50の端面52が直線的に延設されているため、この場合における幅T1方向は、端面52の延設方向に対して垂直な方向となる。
上記した第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10によれば、メイン燃料噴射部50の下流側には、渦流は形成されない。そのため、燃焼室23の火炎が予混合ダクト40内に進入した場合においても、メイン燃料噴射部50の下流側に保炎せず、予混合ダクト40の焼損を防止することができる。また、予混合ダクト40内における燃料Fと空気ARの混合が促進され、NOxの排出量を低減することができる。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態のガスタービン燃焼器10におけるメイン燃料噴射部50を、予混合ダクト40の入口開口41側から見たときの平面図である。なお、図7では、メイン燃料噴射部50と予混合ダクト40の入口開口41との位置関係を説明するために、予混合ダクト40の入口開口41の形状を破線で示している。また、第1の実施の形態のガスタービン燃焼器10の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略または簡略する。
第2の実施の形態のガスタービン燃焼器10におけるメイン燃料噴射部50においては、燃料噴射口51の構成が、第1の施の形態のメイン燃料噴射部50の燃料噴射口51の構成と異なるため、この異なる構成について主に説明する。
図7に示すように、メイン燃料噴射部50の燃料噴射口51は、幅T2を有して端面52の延設方向に連続して形成されたスリットで構成されている。メイン燃料噴射部50の端面52は、第1の実施の形態と同様に、燃焼器ライナ22の周方向に沿う方向に曲率を有して延設される。また、前述した理由と同様の理由から、幅T1は、幅T1方向の燃料噴射口51の幅T2の2倍以下、かつ幅T2以上であることが好ましい。
ここで、燃料噴射口51をスリットとした場合においても、幅T1が幅T2と等しくなるときのメイン燃料噴射部50の断面は、図5に示したように、燃料噴射口51の上流側(図5では左側)から流路断面積が徐々に広がり、端面52において幅T1と幅T2とが等しくなっている。
第1の実施の形態において燃料噴射口51の孔径を所定の範囲(1mm〜5mm)に設定したのと同様の理由から、燃料噴射口51のスリットの幅T2は、1mm〜1.5mm程度に設定することが好ましい。また、距離Lと距離Wの関係、および距離Uの範囲は、第1の実施の形態におけるそれらと同じである。
最適な燃料噴射口51を得るためには、スリットの幅T2と距離Lを適正な範囲で構成することが必要となる。そこで、ガスタービンの作動条件に基づいて、上記した範囲内で、スリットの幅T2と距離Lを設定することとした。
ここでは、図7に示すように、メイン燃料噴射部50の端面52が、燃焼器ライナ22の周方向に沿う方向に曲率を有して延設されている一例を示したが、この形状に限られるものではない。第1の実施の形態において図6を参照して説明したように、メイン燃料噴射部50の端面52が一方の方向に直線的に延設されるようにメイン燃料噴射部50を構成してもよい。
上記した第2の実施の形態のガスタービン燃焼器10によれば、メイン燃料噴射部50の下流側には、渦流は形成されない。そのため、燃焼室23の火炎が予混合ダクト40内に進入した場合においても、メイン燃料噴射部50の下流側に保炎せず、予混合ダクト40の焼損を防止することができる。また、予混合ダクト40内における燃料Fと空気ARの混合が促進され、NOxの排出量を低減することができる。
(メイン燃料噴射部50の幅T1が保炎に及ぼす影響)
ここでは、図4に示されたメイン燃料噴射部50を使用して、幅T1が保炎に及ぼす影響を調べた。
ここでは、7個の燃料噴射口51を端面52の延設方向に均等に形成した。また、距離Lを距離Wの0.7倍、距離Uを幅T2の0.95倍とした。メイン燃料噴射部50の端面52が、予混合ダクト40の入口開口41から予混合ダクト40の外側に0mmの位置となるように設定した。すなわち、端面52と入口開口41とが同一平面上に位置するように設定した。そして、幅T1を変化させて、メイン燃料噴射部50の下流側に保炎するか否かを調べた。
なお、メイン燃料噴射部50から予混合ダクト40内に噴射される燃料(天然ガス)の流量、予混合ダクト40に流入する空気の流量を全負荷運転時の条件の流量とした。また、保炎の有無は、目視により観察した。
図8は、幅T1が保炎に及ぼす影響を調べた試験結果を示す図である。ここで、横軸は、幅T1を幅T2で示したものであり、例えば、2×T2とは、幅T1が幅T2の2倍であることを示す。縦軸は、保炎範囲の割合を示している。
この保炎範囲の割合は、数値流体力学(CFD)によって数値解析された結果に基づいて、メイン燃料噴射部50の下流側に保炎する火炎の軸方向に垂直な断面において火炎の断面積が最大となる断面における火炎の最大断面積を算出し、その最大断面積を、その最大断面積が得られる断面と同じ断面における予混合ダクト40内の通路断面積で除すことで得られる。
試験において、保炎範囲の割合が、図8に破線で示した保炎限界線以下である場合には、メイン燃料噴射部50の下流側に保炎しないことが確認された。図8に示すように、幅T1が幅T2の2倍の設定(2×T2)では、保炎限界線を下回っていることがわかる。すなわち、幅T1が幅T2の2倍以下、かつ幅T2以上の範囲では、メイン燃料噴射部50の下流側に保炎しないことがわかる。
なお、ここでは図示していないが、第2の実施の形態のように、燃料噴射口51をスリットで構成した場合においても、図8に示した結果と同様の結果が得られた。
(メイン燃料噴射部50の距離LがNOx排出量に及ぼす影響)
ここでは、距離LがNOx排出量に及ぼす影響を調べた。
メイン燃料噴射部50として、図4に示されたメイン燃料噴射部50を使用し、燃料噴射口51が2個、3個、7個の仕様を構成した。メイン燃料噴射部50の幅T1を幅T2の2倍とした。メイン燃料噴射部50において、距離Uを幅T2の0.95倍とし、燃料噴射口51を端面52の延設方向に均等に形成した。
また、メイン燃料噴射部50として、図7に示されたメイン燃料噴射部50を使用し、燃料噴射口51がスリットの仕様を構成した。この仕様においても、メイン燃料噴射部50の幅T1を幅T2の2倍とし、距離Uを幅T2の0.95倍とした。
上記した4種類のメイン燃料噴射部50において、距離Lを変化させて、NOx排出量に及ぼす影響を調べた。図9は、距離LがNOx排出量に及ぼす影響を調べた試験結果を示す図である。
ここで、横軸は、距離Lを距離Wで示したものであり、例えば、0.5Wとは、距離Lが距離Wの1/2倍であることを示す。縦軸は、予混合ダクト40の3箇所の出口における燃料濃度の標準偏差を示す。この標準偏差が小さいほど、燃料と空気の混合が促進され、予混合気における燃料濃度が均一となり、NOx排出量は減少する。また、図9に示された結果は、流体混合解析によって得られたものである。
図9には、燃焼器出口温度が、1100℃(低)、1300℃(中)、1500℃(高)における、NOx排出量に影響を与えない標準偏差を破線で示している。例えば、燃焼器出口温度が1100℃(低)の場合、この破線以下の標準偏差では、NOx排出量に影響を及ぼさない。
なお、燃焼器出口温度が1100℃(低)の場合において破線以下の標準偏差となっていても、燃焼器出口温度が1300℃(中)の場合において破線を超える標準偏差となるときには、燃焼器出口温度が1300℃(中)の運転条件では、NOx排出量に影響を及ぼすこととなる。すなわち、すべての温度条件における破線以下の標準偏差となる場合に、燃焼器出口温度によらず、NOx排出量に影響を及ぼさないこととなる。
図9に示すように、燃料噴射口51が7個の場合、および燃料噴射口51がスリットの場合、距離Lが、0.5W以上、すなわち、距離Wの1/2倍以上では、すべての燃焼器出口温度条件の破線以下の標準偏差が得られることがわかる。すなわち、これらの燃料噴射口51を備えるメイン燃料噴射部50において、距離Lを距離Wの1/2倍以上とすることで、燃料と空気の混合が促進され、NOx排出量を減少できることがわかる。
以上説明した実施形態によれば、NOxの排出量を低減することができるとともに、予混合気を形成する予混合ダクトの焼損を防止することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ガスタービン燃焼器、20…ガスタービンケーシング、21…外筒、22…燃焼器ライナ、23…燃焼室、24…空気通路、25…ヘッドプレート、30…パイロット燃料噴射部、31…拡散燃焼用燃料噴射部、32…予混燃焼用燃料噴射部、40…予混合ダクト、41…入口開口、42…出口、43,53…中心、44,54…端縁、50…メイン燃料噴射部、51…燃料噴射口、52…端面、150…ガスタービン、151…圧縮機、152…タービン、153…トランジションピース、F…燃料、AR…空気。

Claims (7)

  1. 筒状の燃焼室を形成する燃焼器ライナと、
    前記燃焼器ライナの頭部の中央に設けられたパイロット燃料噴射部と、
    前記燃焼器ライナの外周に前記燃焼器ライナの軸方向に沿って延設され、前記燃焼室に、燃料と空気からなる予混合気を供給する予混合ダクトと、
    燃料噴射口が前記予混合ダクトの入口開口に対向するように設けられたメイン燃料噴射部と
    を備えるガスタービン燃焼器であって、
    前記燃料噴射口を有する前記メイン燃料噴射部の端面が、幅T1を有して一方の方向に延設され、前記幅T1が、前記幅T1方向の前記燃料噴射口の幅T2の2倍以下、かつ前記幅T2以上であることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 前記予混合ダクトの入口開口の中心と、前記燃料噴射口を有する端面の中心とが対向または一致し、かつ前記メイン燃料噴射部の延設方向と前記入口開口の長手方向とを対応させて、前記メイン燃料噴射部が配置され、
    前記予混合ダクト内から前記入口開口を介して前記メイン燃料噴射部を見たときに、前記メイン燃料噴射部の端面における、前記幅T1方向の中心を通る中心線が端面の両端縁と交わる2点間の距離Lが、前記中心線の延長線が前記入口開口の両端縁と交わる2点間の距離Wの1/2倍以上であることを特徴とする請求項1記載のガスタービン燃焼器。
  3. 前記メイン燃料噴射部の燃料噴射口が、前記延設方向に均等に形成され、前記幅T2に相当する孔径を有する5個以上の孔で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン燃焼器。
  4. 前記メイン燃料噴射部の燃料噴射口が、前記幅T2を有して前記延設方向に形成されたスリットで構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン燃焼器。
  5. 前記メイン燃料噴射部の端面が、前記燃焼器ライナの周方向に沿う方向に延設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のガスタービン燃焼器。
  6. 前記メイン燃料噴射部の端面が、一方の方向に直線的に延設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のガスタービン燃焼器。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載のガスタービン燃焼器を備えることを特徴とするガスタービン。
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