JP5676830B1 - 電力量計用端子装置及び電力量計 - Google Patents

Abstract

ネジ止め方式とプレススクリュー方式の両方に対応可能な電力量計用端子装置及びその端子装置を備えた電力量計を提供する。端子台２３に、金属板固定穴として、端子金具２７が移動する上下方向に所定の間隔をおいて上部及び下部固定穴２４，２５を設け、金属板２９が下部固定穴２５に挿入された状態では、電線１８を固定用ネジ２８と金属板２９とで挟持固定し、金属板２９が上部固定穴２４に挿入された状態では、電線１８を金属板２９と端子金具２７とで挟持固定するようにした。

Description

本発明は、電力量計用端子装置及びその端子装置を備えた電力量計に関するものである。

従来、電力量計は、引き込み線及び屋内配線の電線を固定する方法としてネジ止め方式とプレススクリュー方式の２種類が存在し、向け先電力会社の規定に基づいて選択していた。

ネジ止め方式の端子装置は、固定する電線を挿入する穴の開いた端子金具と、電線を固定する固定用ネジと、端子金具を固定する端子台とから構成されている。
電線を端子金具の穴に挿入し、固定用ネジを締結することで電線が端子金具と固定用ネジの先端に挟み込まれ、固定される（例えば、特許文献１参照）。

プレススクリュー方式の端子装置は、中空の長方形断面をもつ端子金具と、端子金具を上下に移動させて任意の位置で固定する固定用ネジ、電線を固定するための金属板、端子金具及び金属板を固定する端子台とから構成されている。
電線を金属板下面と端子金具の間の空間に挿入し、固定用ネジを締結すると端子金具が上昇し、金属板と端子金具で電線が挟み込まれ、固定される（例えば、特許文献２参照）。

特開２００１−２１５２４４号 国際公開ＷＯ２００４−０５７７０３号

従来の電力量計の端子装置は、ネジ止め方式とプレススクリュー方式のどちらか一方に対応していた。
両固定方式の構成部品に互換性が無く、向け先電力会社の要求に応じてどちらかの方式に対応した端子装置を製造するため、２種類の端子装置を製造する設備を保有しなければならないという問題があった。

またプレススクリュー方式による固定方法は、端子装置が固定用ネジの移動する方向に対して大きくなる。
従って、電力量計にプレススクリュー方式を採用すると電力量計全体が大きくなり、電力量計の設置スペースを大きくしなければならないという問題もあった。

本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、ネジ止め方式とプレススクリュー方式の両方に対応可能な電力量計用端子装置及びその端子装置を備えた電力量計を提供することを目的とするものである。

本発明は、一端に電線が挿入される電線挿入穴を有し、他端に前記電線挿入穴と対向して電力量計本体と接続される金属板が挿入される金属板固定穴を有する端子台を備え、前記端子台の前記電線挿入穴と前記金属板固定穴との間に、中空の長方形断面を有する端子金具を前記金属板固定穴と直交する上下方向に移動可能に保持すると共に、前記端子金具に設けられた固定用ネジにより、前記金属板を介して前記電線と前記電力量計本体とを接続する端子装置において、前記端子台に、前記金属板固定穴として、前記端子金具が移動する前記上下方向に所定の間隔をおいて上部及び下部固定穴を設け、前記金属板が前記下部固定穴に挿入された状態では、前記電線を前記固定用ネジと前記金属板とで挟持固定し、前記金属板が前記上部固定穴に挿入された状態では、前記電線を前記金属板と前記端子金具とで挟持固定するようにしたものである。

本発明の電力量計用端子装置によれば、ネジ止め方式とプレススクリュー方式に対応することが可能になり、電力量計全体を大きくすることなく、１種類の端子装置で２種類の固定方式を実現することができる。

本発明の実施の形態１を示す電力量計の正面図である。 本発明の実施の形態１に係わる電力量計用端子装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態１に係わる電力量計用端子装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態１において電線を固定した電力量計用端子装置の一例を示す斜視図である。 図４に対応する電力量計用端子装置の要部を示す断面図である。 図４に対応する電力量計用端子装置を示す断面図である。 本発明の実施の形態１において電線を固定した電力量計用端子装置の他の例を示す斜視図である 図７に対応する電力量計用端子装置の要部を示す断面図である。 図７に対応する電力量計用端子装置を示す断面図である

実施の形態１．
図１に示すように、三相４線式の電力量計１００は、電力量を計測し表示する計量装置を含む電力量計本体１０と、この電力量計本体１０の下端に取り付けられ、外部端子が設けられた端子装置２０とから構成されている。

電力量計本体１０には、電流を計測する変流器１１ａ、１１ｂ、１１ｃと、変流器１１ａ、１１ｂ、１１ｃにより計測された相電流及び線間電圧より電力量を計測する計量部（図示せず）と、計量部で計量した電力量を表示する表示部（図示せず）が設けられている。

端子装置２０には、送電系統からの引込み線が接続される一次側端子２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄと、需要家側配線が接続される二次側端子２２ａ、２２ｂ、２２ｃ、２２ｄが設けられている。

また、一次側端子２１ａ、２１ｂ、２１ｃは、電力量計本体１０内で、導体板１２ａ、１２ｂ、１２ｃを介して、開閉リレー１４のリレー端子１５ａ、１５ｂ、１５ｃに接続されている。
同様に、二次側端子２２ａ、２２ｂ、２２ｃは、電力量計本体１０内で、導体板１３ａ、１３ｂ、１３ｃにより、変流器１１ａ、１１ｂ、１１の内部を貫通してリレー端子１６ａ、１６ｂ、１６ｃに接続されている。
一次側端子２１ｄは、Ｎ相が接続されるため、端子装置２０の内部にて、ショートバー１７により二次側端子２２ｄに接続される。

端子装置２０は電力量計本体１０の底部を構成するよう一体的に設けられている。
端子装置２０は、一次側端子２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄと、二次側端子２２ａ、２２ｂ、２２ｃ、２２ｄの数に対応して、一端に電線が挿入される電線挿入穴２４を有し、他端に電線挿入穴２４と対向して金属板２９が挿入される上部及び下部固定穴２５、２６を有する端子台２３を備えている。
なお、端子台２３は、合成樹脂等の絶縁材により横長に形成され、各相の一次側端子及び二次側端子間を分離するように隔壁が設けられている。

端子台２３には、電線挿入穴２４と上部及び下部固定穴２５、２６との間に、中空の長方形断面を有する端子金具２７が電線挿入穴２４及び上部及び下部固定穴２５、２６と直交する上下方向に移動可能に収容保持され、端子金具２７の上部には、２つの固定用ネジ２８が取り付けられている。
これらの固定用ネジ２８は、締めることで端子金具２７の中空の内部に進入し、緩めることで後退するものである。
金属板２９は、後述するように上部固定穴２５または下部固定穴２６に挿入され、端子台２３に固定される。
金属板２９の端子台２３への固定は、例えば、上部固定穴２５または下部固定穴２６への圧入や図示しないネジにより行われる。

金属板２９の先にはそれぞれ導体板１２ａ〜１２ｂ、１３ａ〜１３ｃが取り付けられ、両者は導体板固定ネジ３０で固定される。
導体板１３ａ、１３ｂ、１３ｃは、変流器１１ａ、１１ｂ、１１ｃの内部を通過して開閉リレー１４に固定される。
一次側端子２１ｄと二次側端子２２ｄに対応する金属板２９は開閉リレー１４に接続されず、ショートバー１７により短絡される。

図２、図３に示すように、上部及び下部固定穴２５、２６は、端子台２３に端子金具２７の上下移動方向に対応するよう所定の間隔をおいて形成され、各相の一次側端子と二次側端子の数に対応する数だけ設けられている。

ここで、図４のように金属板２９を端子台２３の下部固定穴２６に挿入すると、図５、図６のように端子金具２７は端子台２３の底面と金属板２９に下面を挟まれて固定される。
すなわち、電線１８を端子装置２０の電線挿入穴２４に挿入して固定用ネジ２８を締めて下降させると、電線１８は金属板２９の上面と固定用ネジ２８の下端部に挟まれて固定される。
つまり、従来のネジ止め方式と同様の電線固定方法が実現される。

この場合、金属板２９に接続された導体板１３ｂは図６のように上下方向に変位を持つクランクが設けられており、導体板１３ｂは変流器１１ｂを電力量計本体１０の底面から距離Ｌだけ離れた位置で貫通させた後、下方向に変位し下部固定穴２６に挿入された金属板２９と固定用ネジ３０により固定される。

本実施の形態によれば、同様の電線固定方法を端子装置２０の各相に実施することで、本発明を用いた電力量計はネジ止め方式の電線固定方法に対応できる。

一方、図７のように、金属板２９を端子台２３の上部固定穴２５に挿入すると、図８、図９のように端子金具２７は内面が金属板２９に接触しない範囲で上下に可動となる。
電線１８を端子台２３の電線挿入穴２４に挿入して固定用ネジ２８を締めると、端子金具２７は上下に可動状態にあるため、固定用ネジ２８が締めつけによって金属板２９と接触した後は、固定用ネジ２８の締めつけ量に合わせて端子金具２７が上昇する。
このため、電線１８は、図８のように金属板２９の下面と端子金具２７の底面で挟持され固定される。
従って、この場合には、従来のプレススクリュー方式と同様の電線固定方法が実現される。

この場合には、図９のように導体板１３ｂの上下を図６の場合と逆、つまり、導体板１３ｂは変流器１１ｂを電力量計本体１０の底面から距離Ｌだけ離れた位置で貫通させた後、上方向に変位し上部固定穴２５に挿入された金属板２９と固定用ネジ３０により固定される。
このようにすれば、金属板２９が上部固定穴２５または下部固定穴２６のいずれに挿入されていても、クランクによって導体板１３ｂは変流器１１ｂを電力量計本体１０の底面から一定距離Ｌだけ離れた位置で貫通することができる。
図６、図９を用いた説明から、導体板１３ｂのクランクの変位量は、上部及び下部固定穴２５、２６間の距離と距離Ｌとの関係によって決定されるものであることは明らかである。

本実施の形態によれば、上記の電線固定方法を端子装置２０の各相に実施することで、ネジ止め方式またはプレススクリュー方式に対応できる。
また、変流器１１ａ、１１ｂ、１１ｃをそれぞれ貫通する導体板１３ａ、１３ｂ、１３ｃに、端子装置２０の上部及び下部固定穴２５、２６の間隔に対応して上下方向に変位したクランクが設けられているので、金属板２９を端子台２３の上部固定穴２５、下部固定穴２６のいずれに挿入しても、導体板１３ａ、１３ｂ、１３ｃの位置が、変流器１１ａ、１１ｂ、１１ｃに対して変わらないので、変流器の電流計測精度を向上させることができる。

なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。

１０ 電力量計本体、１１ａ、１１ｂ、１１ｃ 変流器、
１２ａ、１２ｂ、１２ｃ 導体板、１３ａ、１３ｂ、１３ｃ 導体板、
１４ 開閉リレー、１５ａ、１５ｂ、１５ｃ リレー端子、
１６ａ、１６ｂ、１６ｃ リレー端子、１７ ショートバー、
１８ 電線、２０ 端子装置、
２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ １次側端子、
２２ａ、２２ｂ、２２ｃ、２２ｄ ２次側端子、
２３ 端子台、２４ 電線挿入穴、２５ 上部固定穴、
２６ 下部固定穴、２７ 端子金具、２８ 固定用ネジ、
２９ 金属板、３０ 導体板固定ネジ、１００ 電力量計。

Claims (5)

1. 一端に電線が挿入される電線挿入穴を有し、他端に前記電線挿入穴と対向して電力量計本体と接続される金属板が挿入される金属板固定穴を有する端子台を備え、
   前記端子台の前記電線挿入穴と前記金属板固定穴との間に、中空の長方形断面を有する端子金具を前記金属板固定穴と直交する上下方向に移動可能に保持すると共に、
   前記端子金具に設けられた固定用ネジにより、前記金属板を介して前記電線と前記電力量計本体とを接続する端子装置において、
   前記端子台に、前記金属板固定穴として、前記端子金具が移動する前記上下方向に所定の間隔をおいて上部及び下部固定穴を設け、
   前記金属板が前記下部固定穴に挿入された状態では、前記電線を前記固定用ネジと前記金属板とで挟持固定し、
   前記金属板が前記上部固定穴に挿入された状態では、前記電線を前記金属板と前記端子金具とで挟持固定するようにした
   ことを特徴とする電力量計用端子装置。
2. 前記金属板が前記下部固定穴に挿入された状態では、前記電線を前記固定用ネジの下端部と前記金属板の上面とで挟持固定し、
   前記金属板が前記上部固定穴に挿入された状態では、前記電線を前記金属板の下面と前記端子金具の底面とで挟持固定するようにした
   ことを特徴とする請求項１に記載の電力量計用端子装置。
3. 前記電線挿入穴、前記上部及び下部固定穴、前記端子金具は、接続される前記電線の数に対応して前記端子台に複数個並列に設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の電力量計用端子装置。
4. 請求項１から３のいずれか１項に記載の電力量計用端子装置を備え、前記金属板を導体板を介して前記電力量計本体に接続するようにしたことを特徴とする電力量計。
5. 前記導体板は電流を計測する変流器を貫通すると共に、前記上部及び下部固定穴の間隔に対応して前記上下方向に変位したクランクを有することを特徴とする請求項４に記載の電力量計。

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